(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180971
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】空間評価支援装置及び空間評価支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20231214BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094679
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】伊勢田 元
(72)【発明者】
【氏名】常岡 優吾
(72)【発明者】
【氏名】丘本 道彦
(72)【発明者】
【氏名】徳村 朋子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 翔
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼中 南咲
(72)【発明者】
【氏名】徐 天舒
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】局所的な空間情報を考慮しない場合に比較して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる空間評価支援装置及び空間評価支援プログラムを得る。
【解決手段】空間評価支援装置10は、対象領域における対象者の位置を示す位置情報及び当該対象者の生体的な物理量を示す生体情報を取得する取得部11Aと、取得部11Aによって取得された位置情報を用いて、当該位置情報が示す位置における局所的な空間の特徴を示す空間情報を特定する特定部11Bと、特定部11Bによって特定された空間情報、及び当該空間情報に対応する生体情報を用いて、対象領域における局所的な空間の特徴と、対応する生体情報が示す生体的な物理量との関連を示す関連情報を導出する導出部11Cと、導出部11Cによって導出された関連情報を提示する提示部11Dと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域における対象者の位置を示す位置情報及び当該対象者の生体的な物理量を示す生体情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記位置情報を用いて、当該位置情報が示す位置における局所的な空間の特徴を示す空間情報を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記空間情報、及び当該空間情報に対応する前記生体情報を用いて、前記対象領域における局所的な空間の特徴と、対応する前記生体情報が示す生体的な物理量との関連を示す関連情報を導出する導出部と、
前記導出部によって導出された前記関連情報を提示する提示部と、
を備えた空間評価支援装置。
【請求項2】
前記取得部によって取得された前記位置情報及び前記生体情報を関連付けて登録する登録部、を更に備え、
前記提示部は、前記登録部によって登録された前記生体情報を、対応する前記位置情報が示す位置に位置するものとして2次元的に更に提示する、
請求項1に記載の空間評価支援装置。
【請求項3】
前記対象領域は、人の活動域である、
請求項1又は請求項2に記載の空間評価支援装置。
【請求項4】
前記生体情報は、集中度、ストレス度、及びリラックス度の少なくとも1つを含む、
請求項1又は請求項2に記載の空間評価支援装置。
【請求項5】
前記空間情報は、前記対象領域が建物である場合の当該建物の天井高、及び緑視率の少なくとも一方を含む、
請求項1又は請求項2に記載の空間評価支援装置。
【請求項6】
対象領域における対象者の位置を示す位置情報及び当該対象者の生体的な物理量を示す生体情報を取得し、
取得した前記位置情報を用いて、当該位置情報が示す位置における局所的な空間の特徴を示す空間情報を特定し、
特定した前記空間情報、及び当該空間情報に対応する前記生体情報を用いて、前記対象領域における局所的な空間の特徴と、対応する前記生体情報が示す生体的な物理量との関連を示す関連情報を導出し、
導出した前記関連情報を提示する、
処理をコンピュータに実行させるための空間評価支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間評価支援装置及び空間評価支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集中度やストレス度等といった人の生体的な物理量に対する影響に関する空間の評価(以下、単に「空間評価」という。)を支援するために適用することのできる技術として、以下の技術があった。
【0003】
特許文献1には、ユーザの感情と対応付けて特定の空間を評価することを可能とすることを目的とした情報処理システムが開示されている。この情報処理システムは、特定の空間に出入りすることによって生じたユーザの感情の変化を蓄積する蓄積部と、前記ユーザの感情の変化に基づき、前記特定の空間に対する評価値を算出する制御部と、を備える。そして、この情報処理システムは、前記制御部が、各々のユーザの、特定の空間から出るときの感情データと、当該特定の空間に入るときの感情データとの差に基づき、前記評価値を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、公共施設、商用施設、居住用の建物や、公園、街路等の屋外等といった評価対象とする領域(以下、「対象領域」という。)の空間評価を行う場合、対象領域の空間における緑視率や、対象領域が建物である場合の天井高等といった、人の感情に影響を与え得る、空間の特徴を示す情報(以下、「空間情報」という。)を考慮することは極めて重要である。そして、この空間情報は、対象領域の全域において同一であることは希であり、対象領域の全域に対する大域的な情報のみを考慮しても、対象領域の空間評価を十分には行うことができないため、対象領域における局所的な空間情報を考慮する必要がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、局所的な空間情報については考慮されていないため、必ずしも的確に対象領域の空間評価を行うことができるとは限らない、という問題点があった。
【0007】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、局所的な空間情報を考慮しない場合に比較して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる空間評価支援装置及び空間評価支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、対象領域における対象者の位置を示す位置情報及び当該対象者の生体的な物理量を示す生体情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記位置情報を用いて、当該位置情報が示す位置における局所的な空間の特徴を示す空間情報を特定する特定部と、前記特定部によって特定された前記空間情報、及び当該空間情報に対応する前記生体情報を用いて、前記対象領域における局所的な空間の特徴と、対応する前記生体情報が示す生体的な物理量との関連を示す関連情報を導出する導出部と、前記導出部によって導出された前記関連情報を提示する提示部と、を備える。
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、対象領域における対象者の位置を示す位置情報及び当該対象者の生体的な物理量を示す生体情報を取得し、取得した位置情報を用いて、当該位置情報が示す位置における局所的な空間の特徴を示す空間情報を特定し、特定した空間情報、及び当該空間情報に対応する生体情報を用いて、対象領域における局所的な空間の特徴と、対応する生体情報が示す生体的な物理量との関連を示す関連情報を導出し、導出した関連情報を提示することで、局所的な空間情報を考慮しない場合に比較して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、請求項1に記載の空間評価支援装置であって、前記取得部によって取得された前記位置情報及び前記生体情報を関連付けて登録する登録部、を更に備え、前記提示部が、前記登録部によって登録された前記生体情報を、対応する前記位置情報が示す位置に位置するものとして2次元的に更に提示するものである。
【0011】
請求項2に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、取得した位置情報及び生体情報を関連付けて登録し、登録した生体情報を、対応する位置情報が示す位置に位置するものとして2次元的に更に提示することで、提示された生体情報を参照することにより、当該生体情報の妥当性を判断することができる。
【0012】
請求項3に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、請求項1又は請求項2に記載の空間評価支援装置であって、前記対象領域が、人の活動域であるものである。
【0013】
請求項3に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、対象領域を人の活動域とすることで、人の活動域について、より的確に空間評価を行うことができる。
【0014】
請求項4に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、請求項1又は請求項2に記載の空間評価支援装置であって、前記生体情報が、集中度、ストレス度、及びリラックス度の少なくとも1つを含むものである。
【0015】
請求項4に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、生体情報を、集中度、ストレス度、及びリラックス度の少なくとも1つを含むものとすることで、含めた生体情報に関して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる。
【0016】
請求項5に記載の本発明に係る空間評価支援装置は、請求項1又は請求項2に記載の空間評価支援装置であって、前記空間情報が、前記対象領域が建物である場合の当該建物の天井高、及び緑視率の少なくとも一方を含むものである。
【0017】
請求項5に記載の本発明に係る空間評価支援装置によれば、空間情報を、対象領域が建物である場合の当該建物の天井高、及び緑視率の少なくとも一方を含むものとすることで、含めた空間情報に関して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる。
【0018】
請求項6に記載の本発明に係る空間評価支援プログラムは、対象領域における対象者の位置を示す位置情報及び当該対象者の生体的な物理量を示す生体情報を取得し、取得した前記位置情報を用いて、当該位置情報が示す位置における局所的な空間の特徴を示す空間情報を特定し、特定した前記空間情報、及び当該空間情報に対応する前記生体情報を用いて、前記対象領域における局所的な空間の特徴と、対応する前記生体情報が示す生体的な物理量との関連を示す関連情報を導出し、導出した前記関連情報を提示する、処理をコンピュータに実行させる。
【0019】
請求項6に記載の本発明に係る空間評価支援プログラムによれば、対象領域における対象者の位置を示す位置情報及び当該対象者の生体的な物理量を示す生体情報を取得し、取得した位置情報を用いて、当該位置情報が示す位置における局所的な空間の特徴を示す空間情報を特定し、特定した空間情報、及び当該空間情報に対応する生体情報を用いて、対象領域における局所的な空間の特徴と、対応する生体情報が示す生体的な物理量との関連を示す関連情報を導出し、導出した関連情報を提示することで、局所的な空間情報を考慮しない場合に比較して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、局所的な空間情報を考慮しない場合に比較して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る空間評価支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る空間評価支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る空間評価支援装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る生体情報関連情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図5】実施形態に係る空間情報関連情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図6】実施形態に係る空間評価支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る初期情報入力画面の構成の一例を示す正面図である。
【
図8】実施形態に係る表示開始時における生体情報提示画面の構成の一例を示す正面図である。
【
図9】実施形態に係る対象者の生体情報も含む生体情報提示画面の構成の一例を示す正面図である。
【
図10】実施形態に係る関連情報提示画面の構成の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。本実施形態では、本発明を、各々対象者によって用いられるウェアラブル端末及び携帯端末と、空間評価支援装置と、各種情報を蓄積する情報蓄積装置と、を含む空間評価支援システムに適用して実現する形態の例について説明する。また、本実施形態では、本発明の対象領域として、居住用で、かつ、複数階を有する建物を適用した場合の形態の例について説明する。
【0023】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る空間評価支援システム1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る空間評価支援システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態に係る空間評価支援システム1は、本システムの中心的な役割を担う空間評価支援装置10と、ウェアラブル端末70と、携帯端末80と、情報蓄積装置90と、を含む。本実施形態に係る空間評価支援装置10は、ウェアラブル端末70を装着した対象者の生体情報で、かつ、当該ウェアラブル端末70によって検出された生体情報を、当該対象者が所持している携帯端末80を介して取得する。そして、空間評価支援装置10は、ウェアラブル端末70から取得した生体情報を用いて各種処理を実行する。また、本実施形態に係る情報蓄積装置90は、空間評価支援システム1で取り扱う各種情報を蓄積するものである。
【0025】
このように、本実施形態では、ウェアラブル端末70によって検出された生体情報を、携帯端末80を介して空間評価支援装置10に送信しているが、これに限るものではない。例えば、携帯端末80を介することなく、生体情報をウェアラブル端末70から直接、空間評価支援装置10に送信する形態としてもよい。
【0026】
一方、本実施形態に係る情報蓄積装置90は不揮発性の記憶部92を備えている。記憶部92はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部92には、生体情報関連情報データベース92A及び空間情報関連情報データベース92Bが記憶されている。生体情報関連情報データベース92A及び空間情報関連情報データベース92Bについては、詳細を後述する。
【0027】
空間評価支援装置10と、情報蓄積装置90とは、ネットワークNを介して接続されており、空間評価支援装置10は、情報蓄積装置90とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。なお、本実施形態では、ネットワークNとしてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではない。ネットワークNとして、例えば、インターネット、電話回線等の公共の通信回線を適用してもよく、これらの企業内の通信回線及び公共の通信回線を組み合わせて適用してもよい。また、本実施形態では、ネットワークNとして有線の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではなく、無線の通信回線を適用してもよく、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0028】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る空間評価支援装置10のハードウェア構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る空間評価支援装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、空間評価支援装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の各種コンピュータが挙げられる。
【0029】
本実施形態に係る空間評価支援装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。なお、表示部15は空間評価支援装置10とは別体構成とし、遠隔地にて利用可能とする形態としてもよい。
【0030】
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、空間評価支援プログラム13Aが記憶されている。空間評価支援プログラム13Aは、当該プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの当該プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶(インストール)される。CPU11は、空間評価支援プログラム13Aを記憶部13から順次読み出してメモリ12に展開し、空間評価支援プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0031】
なお、錯綜を回避するために図示は省略するが、本実施形態に係る空間評価支援システム1では、ウェアラブル端末70及び携帯端末80が、空間評価支援システム1が対象としている対象者毎に用意されている。
【0032】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る空間評価支援装置10の機能的な構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る空間評価支援装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、空間評価支援装置10は、取得部11A、特定部11B、導出部11C、提示部11D、及び登録部11Eを含む。空間評価支援装置10のCPU11が空間評価支援プログラム13Aを実行することで、取得部11A、特定部11B、導出部11C、提示部11D、及び登録部11Eとして機能する。
【0034】
本実施形態に係る取得部11Aは、対象領域における対象者の位置を示す位置情報及び当該対象者の生体的な物理量を示す生体情報を取得する。
【0035】
なお、本実施形態では、上記位置情報を取得する方法として、各対象者が所持する携帯端末80にRFID(Radio Frequency Identification)タグ等の近距離通信が可能で、かつ、対応する対象者の識別情報(本実施形態では、後述する対象者ID)を発信可能な媒体を設けておき、当該媒体を用いると共に、携帯端末80を介して、上記位置情報を取得する方法を適用している。
【0036】
但し、上記位置情報を取得する方法は上記媒体を用いた方法に限るものではなく、例えば、対象領域の全域において死角が生じないようにカメラを設けておき、当該カメラによる撮影によって得られた画像を用いて、上記位置情報を取得する形態としてもよい。より具体的には、上記カメラによる撮影によって得られた画像を用いた画像認識(一例として、パターンマッチング)により各対象者を個人別に特定し、当該画像における各対象者の位置を示す位置情報を、上記位置情報として取得する。また、ビーコン(Beacon)を用いて対象者の位置を検出する形態としてもよい。更に、GPS(Global Positioning System)を利用する形態や、インフラフリー測位システム(地磁気や、その他の電波環境を携帯端末のアプリケーション・プログラムが捕捉し、学習することで、対象領域にビーコン等の特別な設備を敷設しなくても測位できるシステム)を利用する形態としてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、上記位置情報が示す各対象者の位置として3次元の位置を適用しているが、これに限るものではない。例えば、対象領域が平屋造りの建物である場合や、平地に設けられた屋外施設等である場合には、高さ方向を除く2次元の位置を各対象者の位置として適用する形態としてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、上述したように、対象者の生体情報をウェアラブル端末70によって検出するものとされている。より具体的には、本実施形態に係るウェアラブル端末70は、リストバンド型の心拍計が用いられたものとされており、当該心拍計で計測された心拍の変動から推定される自律神経活動を用いて装着者のストレス度を、上記生体情報として得るものとされている。但し、この形態に限るものではなく、上記自律神経活動を用いて装着者の集中度を、上記生体情報として得るものとしてもよい。また、ウェアラブル端末70として、ヘッドセット型の脳波を計測するものを適用し、当該脳波の変動を利用して、ラッセル円環モデルを適用することで、装着者のリラックス度や集中度を、上記生体情報として得るものとしてもよい。更に、これらのストレス度、集中度、及びリラックス度のうちの2種類の組み合わせや3種類の全てを、上記生体情報として得る形態としてもよい。また、ウェアラブル端末70としては、以上のようなリストバンド型やヘッドセット型のもののみならず、例えば、眼鏡型のものを適用する形態としてもよい。
【0039】
一方、本実施形態に係る特定部11Bは、取得部11Aによって取得された位置情報を用いて、当該位置情報が示す位置における局所的な空間の特徴を示す空間情報を特定する。
【0040】
本実施形態では、上記空間情報として、対象領域の天井高、及び緑視率の双方を適用しているが、これに限るものではない。天井高及び緑視率の何れか一方のみを、上記空間情報として適用する形態としてもよい。また、天井高及び緑視率は空間の開放性を表す情報の例であるが、空間情報は当該空間の開放性を表す情報に限るものではない。例えば、対象領域に設けられた家具・什器の仕様を表す情報や、光や温熱や騒音に関する快適性を表す情報、景観の色分布等を、上記空間情報として適用する形態としてもよい。
【0041】
また、本実施形態に係る導出部11Cは、特定部11Bによって特定された空間情報、及び当該空間情報に対応する生体情報を用いて、対象領域における局所的な空間の特徴と、対応する生体情報が示す生体的な物理量との関連を示す関連情報を導出する。
【0042】
本実施形態では、上記関連情報として、複数の対象者について検出された生体情報における、空間情報の種類毎に予め定められた適正範囲に含まれる数の全体数に対する割合を示す情報(以下、「適正度」という。)を適用しているが、これに限るものではない。例えば、生体情報を横軸とし、空間情報を縦軸としたグラフに対して、複数の対象者について検出された生体情報の値と、当該生体情報が検出された位置における空間情報の値とに対応する位置にプロットしたものを、上記関連情報として適用する形態としてもよい。
【0043】
そして、本実施形態に係る提示部11Dは、導出部11Cによって導出された関連情報を提示する。
【0044】
本実施形態では、提示部11Dによる各種情報の提示として、表示部15等による表示による提示を適用しているが、これに限るものではない。例えば、スピーカ等の音声再生装置による音声による提示を、提示部11Dによる提示として適用する形態としてもよいし、プリンタ等の画像形成装置による印刷による提示を、提示部11Dによる提示として適用する形態としてもよい。
【0045】
一方、本実施形態に係る登録部11Eは、取得部11Aによって取得された位置情報及び生体情報を関連付けて登録する。そして、本実施形態に係る提示部11Dは、登録部11Eによって登録された生体情報を、対応する位置情報が示す位置に位置するものとして2次元的に更に提示する。
【0046】
なお、本実施形態では、提示部11Dによる生体情報の2次元的な提示として、対象領域の建物における、最も多くの対象者が存在する階を平面図として表示すると共に、当該平面図における、対応する位置に対象者を表すマーク及び当該対象者の生体情報を表示することによる提示を適用している。但し、この形態に限るものでないことは言うまでもない。更に、生体情報の提示方法としては、以上のような2次元的な提示方法には限らず、高さ方向も含めた3次元的な提示方法を適用する形態としてもよい。この場合は、対象とする建物が複数階を有する場合であっても、当該複数階における生体情報を1つの画像として表示することができる。
【0047】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る生体情報関連情報データベース92Aについて説明する。
図4は、本実施形態に係る生体情報関連情報データベース92Aの構成の一例を示す模式図である。本実施形態に係る生体情報関連情報データベース92Aは、各対象者の生体情報に関する情報を記憶するためのものである。
【0048】
図4に示すように、本実施形態に係る生体情報関連情報データベース92Aは、対象領域ID(Identification)、対象者ID、属性、日時、位置情報、及び生体情報の各情報が関連付けられて記憶される。
【0049】
上記対象領域IDは、対応する対象領域を個別に識別するために、対象領域の各々毎に異なる情報として予め割り振られた情報であり、上記対象者IDは、対応する対象者を個別に識別するために、対象者の各々毎に異なる情報として予め割り振られた情報である。また、上記属性は、対応する対象者の属性を示す情報であり、上記日時は、日時を示す情報であり、上記位置情報は、対応する対象者が、対応する日時に存在した地点の位置を示す情報である。更に、上記生体情報は、対応する対象者の、対応する日時における生体情報を示す情報である。
【0050】
なお、本実施形態では、
図4に示すように、位置情報及び生体情報の各情報を1秒毎に生体情報関連情報データベース92Aに登録するものとされているが、これに限るものではない。例えば、0.1秒毎、0.5秒毎等といったように1秒未満の期間毎に、位置情報及び生体情報を生体情報関連情報データベース92Aに登録する形態としてもよい。更に、5秒毎、10秒毎等といったように1秒より長い期間毎に、位置情報及び生体情報を生体情報関連情報データベース92Aに登録する形態としてもよい。また、本実施形態では、上記属性を示す情報として、性別を示す情報を適用しているが、これに限るものではない。例えば、年齢層、居住地域、人事情報(職位、職能等)や、性格検査等から得られた追加的属性情報等といった他の属性を、上記属性を示す情報として適用する形態としてもよい。
【0051】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る空間情報関連情報データベース92Bについて説明する。
図5は、本実施形態に係る空間情報関連情報データベース92Bの構成の一例を示す模式図である。本実施形態に係る空間情報関連情報データベース92Bは、各対象領域の空間情報に関する情報を記憶するためのものである。
【0052】
図5に示すように、本実施形態に係る空間情報関連情報データベース92Bは、対象領域ID、3次元建物情報、区分領域名、区分領域位置、及び空間情報の各情報が関連付けられて記憶される。
【0053】
上記対象領域IDは、生体情報関連情報データベース92Aの対象領域IDと同一の情報であり、上記3次元建物情報は、対応する対象領域に建設された建物(以下、「対象建物」という。)の3次元CAD(Computer Aided Design)情報である。本実施形態では、3次元建物情報を、3次元CADソフトウェアを用いて作成しているが、これに限るものではない。例えば、BIM(Building Information Modeling)ソフトウェアを用いて3次元建物情報を作成する形態としてもよい。
【0054】
また、上記区分領域名は、対応する対象建物を予め定められた条件で区分し、各区分領域の各々の名称を示す情報である。なお、本実施形態では、上記予め定められた条件として、エントランス、集会室、居室等といった個別の部屋との条件を適用しているが、これに限るものではない。例えば、対象建物を、平面視中心の位置を中心として東西南北の4つの領域に区分し、各区分領域に含まれる部屋の組み合わせとの条件を、上記予め定められた条件として適用する形態としてもよい。
【0055】
また、上記区分領域位置は、対応する区分領域名が示す区分領域(本実施形態では、部屋)の3次元の位置を示す情報である。本実施形態では、錯綜を回避するために、各区分領域が直方体であるものとし、当該直方体の一対の対角の3次元の位置を示す情報を、上記区分領域位置を示す情報として適用しているが、これに限るものでないことも言うまでもない。
【0056】
更に、上記空間情報は、対応する区分領域における天井高及び緑視率の各々を示す情報である。なお、ここでいう「緑視率」とは、対応する空間において視界に入る自然の緑の割合を示す情報を意味する。
【0057】
次に、
図6~
図10を参照して、本実施形態に係る空間評価支援装置10の空間評価支援処理の実行時における作用を説明する。
図6は、本実施形態に係る空間評価支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
空間評価支援装置10のCPU11が空間評価支援プログラム13Aを実行することによって、
図6に示す空間評価支援処理が実行される。
図6に示す空間評価支援処理は、空間評価支援装置10のユーザ(本実施形態では、空間評価支援システム1の管理者)により、空間評価支援プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に実行される。なお、錯綜を回避するために、以下では、空間情報関連情報データベース92Bが既に構築されていると共に、生体情報関連情報データベース92Aにおける対象領域ID、対象者ID、及び属性の各情報が既に登録されている場合について説明する。また、錯綜を回避するために、ここでは、上述した生体情報における空間情報の種類毎の適正範囲を示す情報が予め設定されている場合について説明する。
【0059】
図6のステップ100で、CPU11は、予め定められた構成とされた初期情報入力画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ102で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0060】
図7には、本実施形態に係る初期情報入力画面の構成の一例が示されている。
図7に示すように、本実施形態に係る初期情報入力画面では、処理対象とする対象領域の指定を促すメッセージが表示される。また、本実施形態に係る初期情報入力画面では、処理対象とする対象領域を特定可能な情報(本実施形態では、対象領域ID)を入力するための入力領域15Aが表示される。
【0061】
一例として
図7に示す初期情報入力画面が表示部15に表示されると、ユーザは、入力部14を用いて、処理対象とする対象領域(以下、「処理対象領域」という。)に対応する対象領域IDを入力領域15Aに入力した後、当該画面に表示されている終了ボタン15Cを指定する。ユーザによって終了ボタン15Cが指定されると、ステップ102が肯定判定となってステップ104に移行する。
【0062】
ステップ104で、CPU11は、ユーザによって入力された対象領域IDに対応する3次元建物情報、区分領域名、区分領域位置、及び空間情報の各情報(以下、「空間情報関連情報」という。)を空間情報関連情報データベース92Bから読み出す。ステップ106で、CPU11は、読み出した空間情報関連情報を用いて、予め定められた構成とされた生体情報提示画面の表示を開始するように表示部15を制御する。
【0063】
図8には、本実施形態に係る生体情報提示画面の構成の一例が示されている。
図8に示すように、本実施形態に係る生体情報提示画面では、処理対象領域に設けられた建物の平面図(本実施形態では、最も多くの対象者が存在する階の平面図)15Bが表示される。
【0064】
ここで、本実施形態に係る空間評価支援システム1では、不特定多数の対象者がウェアラブル端末70を装着し、携帯端末80を所持した状態で、処理対象領域に設けられた建物(以下、「処理対象建物」という。)の内部で歩行したり、立ち止まったりする。これに伴って、ウェアラブル端末70により検出された生体情報(本実施形態では、ストレス度)が携帯端末80を介して空間評価支援装置10に予め定められた期間(本実施形態では、1秒間)毎に送信される。この際、携帯端末80は、上述した媒体によって得られた、自身の位置を示す位置情報、及び対象者を特定可能な情報(本実施形態では、対象者ID)と共に、生体情報を空間評価支援装置10に送信する。
【0065】
そこで、ステップ108で、CPU11は、位置情報及び生体情報が受信されるまで待機する。ステップ110で、CPU11は、受信した位置情報及び生体情報が採用すべき情報であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ118に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ112に移行する。
【0066】
なお、本実施形態では、上記採用すべき情報として、受信した位置情報が示す位置が、処理対象建物におけるトイレ、廊下等といった、空間評価に用いたくない空間を除く空間内の位置である場合の情報を適用しているが、これに限るものではない。例えば、会議に参加している場合の情報等といった、空間情報とは無関係に精神面に影響を及ぼす期間における情報を除く情報を、上記採用すべき情報として適用する形態としてもよい。また、携帯端末80からの受信信号のS/N比が予め定められた値以上である場合の情報等といった、生体情報や位置情報の信頼性に問題がない場合の情報を、上記採用すべき情報として適用する形態としてもよい。
【0067】
ステップ112で、CPU11は、受信した位置情報、生体情報、及び対象者IDを用いて、表示部15に表示している生体情報提示画面を更新する。即ち、CPU11は、受信した位置情報が示す位置に予め定められたマーク(本実施形態では、星形のマーク)を表示すると共に、当該マークの近傍に、受信した生体情報(本実施形態では、ストレス度)及び受信した対象者IDを表示する。
【0068】
図9には、この時点における、本実施形態に係る生体情報提示画面の構成の一例が示されている。
図9に示すように、この生体情報提示画面では、対象者の位置を示すマーク、対象者の生体情報、及び対象者IDが表示される。従って、ユーザは、生体情報提示画面を参照することにより、対象者が誰であるのかを把握することができると共に、対象者の位置及び当該対象者の生体情報を容易に把握することができる。また、ユーザは、生体情報提示画面を参照することで、位置情報及び生体情報が妥当なものであるか否かを即時的に判断することができる。
【0069】
一例として
図9に示すように生体情報提示画面が更新されると、ユーザは、入力部14を用いて、新たに表示された情報に問題がある場合はNGボタン15Dを指定する。
【0070】
そこで、ステップ114で、CPU11は、NGボタン15Dが指定されていないか否かを判定することで、新たに表示された情報が妥当であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ118に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ116に移行する。
【0071】
ステップ116で、CPU11は、生体情報提示画面において新たに表示した位置情報及び生体情報を、その時点の日時を示す情報と共に、受信した対象者IDに対応する情報として、時系列順に、生体情報関連情報データベース92Aに記憶(登録)する。
【0072】
ステップ118で、CPU11は、生体情報関連情報データベース92Aにおける、処理対象領域に対応する位置情報及び生体情報の登録数が、予め定められた数に達したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ108に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ120に移行する。なお、本実施形態では、上記予め定められた数として、上述した関連情報を、要求される精度を満足するものとして導出することができる数として予め設定された数(本実施形態では、1万組)を適用しているが、これに限るものでないことは言うまでもない。
【0073】
ステップ120で、CPU11は、処理対象領域に対応する全ての対象者ID、属性、位置情報、及び生体情報(以下、「生体情報関連情報」という。)を生体情報関連情報データベース92Aから読み出し、ステップ122で、CPU11は、読み出した空間情報関連情報及び生体情報関連情報を用いて上述した関連情報を導出する関連情報導出処理を以下のように実行する。
【0074】
即ち、まず、CPU11は、生体情報関連情報に含まれる属性毎で、かつ、空間情報関連情報に含まれる区分領域位置が示す区分領域毎に、生体情報関連情報に含まれる生体情報(本実施形態では、ストレス度)を分類する。
【0075】
そして、CPU11は、上記属性毎で、かつ、上記区分領域毎に、上述した適正度を百分率として、上記関連情報として算出する。ここで算出された適正度は、対応する区分領域において、属性毎の対象者の生体情報が適正な状態であった度合いを示すものとなる。
【0076】
ステップ124で、CPU11は、導出した関連情報を用いて、予め定められた構成とされた関連情報提示画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ126で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0077】
図10には、本実施形態に係る関連情報提示画面の構成の一例が示されている。
図10に示すように、本実施形態に係る関連情報提示画面では、関連情報(本実施形態では、区分領域毎で、かつ、空間情報(天井高及び緑視率)毎の生体情報(ストレス度)に関する適正度)が対応する属性(本実施形態では、性別)毎に表示される。従って、ユーザは、関連情報提示画面を参照することにより、関連情報を詳細に把握することができ、この結果として、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる。
【0078】
一例として
図10に示す関連情報提示画面が表示部15に表示されると、ユーザは、表示されている内容を把握した後、入力部14を用いて終了ボタン15Cを指定する。ユーザによって終了ボタン15Cが指定されると、ステップ126が肯定判定となって本空間評価支援処理が終了する。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、対象領域における対象者の位置を示す位置情報及び当該対象者の生体的な物理量を示す生体情報を取得し、取得した位置情報を用いて、当該位置情報が示す位置における局所的な空間の特徴を示す空間情報を特定し、特定した空間情報、及び当該空間情報に対応する生体情報を用いて、対象領域における局所的な空間の特徴と、対応する生体情報が示す生体的な物理量との関連を示す関連情報を導出し、導出した関連情報を提示している。従って、局所的な空間情報を考慮しない場合に比較して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる。
【0080】
また、本実施形態によれば、取得した位置情報及び生体情報を関連付けて登録し、登録した生体情報を、対応する位置情報が示す位置に位置するものとして2次元的に更に提示している。従って、提示された生体情報を参照することにより、当該生体情報の妥当性を判断することができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、対象領域を人の活動域(本実施形態では、居住域)としている。従って、人の活動域について、より的確に空間評価を行うことができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、生体情報を、ストレス度としている。従って、ストレス度に関して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる。
【0083】
更に、本実施形態によれば、空間情報を、天井高及び緑視率を含むものとしている。従って、これらの空間情報に関して、より的確に対象領域の空間評価を行うことができる。
【0084】
なお、上記実施形態では、関連情報として、区分領域毎の適正な生体情報数の割合を示す適正度を適用した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、適正度が予め定められた下限値以上である区分領域を適正な領域とし、他の領域を不適正な領域として表示する情報を関連情報として適用する形態としてもよい。また、不適正な区分領域の空間情報の代替案として、適正な区分領域の空間情報を推奨する情報を更に表示する形態としてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、本発明の空間評価支援装置を、空間評価支援装置10及び情報蓄積装置90の各装置を用いて構成した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、空間評価支援装置10及び情報蓄積装置90を一体化した単一の装置で本発明の空間評価支援装置を構成する形態としてもよい。更に、本発明の空間評価支援装置を複数のコンピュータにより構成し、当該複数のコンピュータによって空間評価支援処理を分散処理する形態としてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、属性毎に関連情報を導出する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、朝、昼、夜等といった時刻毎に関連情報を導出する形態や、月、季節等といった時期毎に関連情報を導出する形態としてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、生体情報提示画面として
図9に示すものを適用した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、
図9に示すものに代えて、複数の対象者による生体情報を平均化して得られた情報をヒートマップとして図面上に2次元的に表示する画面を、生体情報提示画面として適用する形態としてもよい。また、生体情報提示画面に、生体情報関連情報データベース92Aに登録した生体情報及び位置情報を、一覧表形式で表示する形態としてもよい。この際、全ての登録情報を表示するのではなく、特定の利用者(例えば、予め指定された属性の利用者)のみの情報を表示する形態としてもよい。
【0088】
また、上記実施形態において、例えば、取得部11A、特定部11B、導出部11C、提示部11D、及び登録部11Eの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0089】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0090】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0091】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0092】
1 空間評価支援システム
10 空間評価支援装置
11 CPU
11A 取得部
11B 特定部
11C 導出部
11D 提示部
11E 登録部
12 メモリ
13 記憶部
13A 空間評価支援プログラム
14 入力部
15 表示部
15A 入力領域
15B 平面図
15C 終了ボタン
15D NGボタン
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
70 ウェアラブル端末
80 携帯端末
90 情報蓄積装置
92 記憶部
92A 生体情報関連情報データベース
92B 空間情報関連情報データベース