(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180975
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20231214BHJP
G05G 25/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B60K20/02 Z
G05G25/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094684
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 宙樹
(72)【発明者】
【氏名】岡 恭寛
【テーマコード(参考)】
3D040
3J070
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AB01
3D040AC17
3D040AC36
3D040AF08
3D040AF26
3J070AA03
3J070BA51
3J070BA71
3J070BA81
3J070CB02
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】シフト体の移動位置の検出精度を高くする。
【解決手段】シフト装置10では、回路基板36がマグネット体34の回転位置を検出して、レバー26の回動位置が検出される。ここで、同一のメインプレート12Aにレバー26、マグネット体34及び回路基板36が組付けられている。このため、レバー26とマグネット体34と回路基板36との相対位置精度を高くでき、レバー26の回動位置の検出精度を高くできる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に設けられる組付体と、
前記組付体に組付けられ、移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、
前記組付体に組付けられ、前記シフト体が移動されて移動される移動部と、
前記組付体に組付けられ、前記移動部との相対位置が検出されて前記シフト体の移動位置が検出される検出機構と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記シフト体と前記移動部とが別体にされる請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記組付体に同一方向から前記シフト体、前記移動部及び前記検出機構が組付けられる請求項1記載のシフト装置。
【請求項4】
前記組付体に組付けられ、前記シフト体をシフト位置側に付勢する付勢体を備える請求項1記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト体が移動されてシフト位置が変更されるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のシフトレバー装置では、シフトレバーが移動されて、第1スライダ(第1磁石を含む)及びリンク(第2磁石を含む)が移動される。さらに、第1スライダ及びリンクの移動位置が基板(第1ホールIC及び第2ホールICを含む)によって検出されて、シフトレバーの移動位置が検出される。
【0003】
ここで、このシフトレバー装置では、シフトベースにシフトレバーが組付けられると共に、ケースに第1スライダ、リンク及び基板が組付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、シフト体の移動位置の検出精度を高くできるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、車体側に設けられる組付体と、前記組付体に組付けられ、移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、前記組付体に組付けられ、前記シフト体が移動されて移動される移動部と、前記組付体に組付けられ、前記移動部との相対位置が検出されて前記シフト体の移動位置が検出される検出機構と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記シフト体と前記移動部とが別体にされる。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、前記組付体に同一方向から前記シフト体、前記移動部及び前記検出機構が組付けられる。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのシフト装置において、前記組付体に組付けられ、前記シフト体をシフト位置側に付勢する付勢体を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1態様のシフト装置では、車体側に組付体が設けられる。また、シフト体が移動されて、シフト位置が変更されると共に、移動部が移動される。さらに、移動部と検出機構との相対位置が検出されて、シフト体の移動位置が検出される。
【0011】
ここで、組付体にシフト体、移動部及び検出機構が組付けられている。このため、シフト体と移動部と検出機構との相対位置精度を高くでき、シフト体の移動位置の検出精度を高くできる。
【0012】
本発明の第2態様のシフト装置では、シフト体と移動部とが別体にされる。このため、シフト体の移動量と移動部の移動量とを調整できる。
【0013】
本発明の第3態様のシフト装置では、組付体に同一方向からシフト体、移動部及び検出機構が組付けられる。このため、組付体にシフト体、移動部及び検出機構を容易に組付けることかできる。
【0014】
本発明の第4態様のシフト装置では、付勢体がシフト体をシフト位置側に付勢する。
【0015】
ここで、組付体に付勢体が組付けられる。このため、シフト体と付勢体との相対位置精度を高くでき、付勢体によるシフト体の付勢位置の精度を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】(A)及び(B)は、本発明の第1実施形態に係るシフト装置を示す右斜め後方から見た斜視図であり、(A)は、全体を示し、(B)は、内部を示している。
【
図2】(A)及び(B)は、本発明の第1実施形態に係るシフト装置を示す右斜め後方から見た斜視図であり、(A)は、メインプレート内を示し、(B)は、メインプレートを示し、(C)は、回路基板の位置決め状況を示している。
【
図3】本発明の第2実施形態に係るシフト装置を示す右斜め後方から見た斜視図である。
【
図4】(A)及び(B)は、本発明の第2実施形態に係るシフト装置の内部を示す斜視図であり、(A)は、右斜め後方から見た図であり、(B)は、右側から見た図である。
【
図5】(A)及び(B)は、本発明の第2実施形態に係るシフト装置を示す後側から見た斜視図であり、(A)は、メインプレートを示し、(B)は、メインプレート内を示している。
【
図6】本発明の第2実施形態に係るシフト装置のレバー、マグネット体及び回路基板を示す左斜め後方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
図1(A)には、本発明の第1実施形態に係るシフト装置10の全体が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の左方を矢印LHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0018】
本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)の車体側としてのコンソール(図示省略)に取付けられており、シフト装置10の前方、左方及び上方は、それぞれ車両の前方、左方及び上方に向けられている。
【0019】
図1(A)に示す如く、シフト装置10には、設置体としての樹脂製で略直方体形箱状のプレート12が設けられており、プレート12がコンソール内に取付けられて、シフト装置10が車両に設置されている。また、プレート12の上壁は、コンソールを介して車室内に露出されている。
【0020】
プレート12の左側部分には、組付体としての略直方体形箱状のメインプレート12Aが設けられており、メインプレート12A内は、右側に開放されている。プレート12の右側部分には、被覆体としての略直方体形箱状のサブプレート12Bが設けられており、サブプレート12B内は、左側に開放されている。プレート12は、メインプレート12Aとサブプレート12Bとが左右方向において組付けられて、構成されており、メインプレート12Aの前壁、後壁及び下壁には、それぞれサブプレート12Bの前端部、後端部及び下端部が組付ネジ14によって締結されている。
【0021】
メインプレート12A内(
図2の(A)及び(B)参照)の左面には、下側かつ前後方向中央の部分において、支持部としての略円柱状の支持軸16が一体に設けられており、支持軸16は、右方に突出されている。メインプレート12A内の左面には、前側かつ上下方向中間の部分において、組付部としての略円柱状の組付軸18が一体に設けられており、組付軸18は、右方に突出されている。メインプレート12A内の左面には、組付軸18の前側において、係止部としての略矩形板状の組付爪20が一体に設けられており、組付爪20は、右方に突出されると共に、前後方向に垂直に配置されている。組付爪20の先端部は、断面直角三角形状にされて、後側に突出されており、組付爪20の先端部の左面は、左右方向に垂直にされている。
【0022】
メインプレート12Aの前壁には、上下方向中間部において、規制部としての略矩形柱状の前規制柱22Aが一体に設けられており、前規制柱22Aは、右方に突出されると共に、前後方向に延在されている。メインプレート12Aの後壁には、上下方向中間部において、規制部としての略矩形柱状の後規制柱22Bが一体に設けられており、後規制柱22Bは、右方に突出されると共に、前後方向に延在されている。メインプレート12Aの下壁には、前部において、規制部としての略矩形柱状の下規制柱22Cが一体に設けられており、下規制柱22Cは、右方に突出されると共に、上下方向に延在されている。
【0023】
メインプレート12Aの左壁内側の上部には、付勢機構を構成する付勢体としてのブロック状の節度ブロック24が固定されており、節度ブロック24の下面には、付勢面としての節度面24Aが形成されている。節度面24Aは、断面略逆V字状にされており、節度面24Aは、内部が下側及び右側に開放されると共に、前端及び後端から前後方向中央へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されている。
【0024】
メインプレート12A内には、シフト体としての略矩形柱状のレバー26(
図2(A)参照)が組付けられている。レバー26の下端部には、メインプレート12Aの支持軸16が貫通かつ嵌合されており、レバー26は、支持軸16を中心として、前後方向に回動(移動)可能にされている。レバー26は、メインプレート12Aの上壁に回動可能に貫通されており、レバー26の上部には、操作部としての略直方体状のノブ26Aが設けられている。レバー26は、ノブ26Aにおいて、車両の乗員(特に運転者)によって回動操作可能にされており、レバー26が回動されて、レバー26のシフト位置が前側から後側へ向けてR位置(リバース位置)、H位置(ホーム位置)及びD位置(ドライブ位置)に変更される。
【0025】
レバー26の下部の左側には、付勢機構を構成する案内部材としての略有底円筒状の節度筒28(
図6参照)が一体に設けられており、節度筒28は、軸方向が上下方向にされると共に、内部が上方に開放されている。節度筒28内には、付勢機構を構成する付勢部材としての略円柱状の節度ピン30(
図6参照)が同軸上に挿入かつ嵌合されており、節度ピン30は、節度筒28に案内されて上下方向に移動可能にされると共に、先端面(上端面)が略半球面状に突出されている。節度筒28内には、付勢機構を構成する付勢部としてのスプリング(図示省略)が挿入されており、スプリングは、圧縮コイルスプリングにされている。スプリングは、節度筒28の底壁(下壁)と節度ピン30の基端面(下端面)との間に掛渡されて、節度ピン30を先端側に付勢しており、節度ピン30の先端面は、節度ブロック24の節度面24Aの前後方向中央にスプリングの付勢力により当接されている。このため、レバー26が、H位置側に付勢されて、H位置に保持されており、レバー26がスプリングの付勢力に抗してH位置以外の位置に回動操作された状態でレバー26への回動操作力の作用が解除された際には、レバー26がスプリングの付勢力によりH位置に回動(復帰)される。
【0026】
レバー26の下部には、連絡部としての略扇形板状のギヤ板32が一体に設けられており、ギヤ板32は、前側に突出されている。ギヤ板32の上側部には、ギヤ歯32A(
図6参照)が形成されており、ギヤ歯32Aは、メインプレート12Aの回動中心を中心とするギヤを構成している。
【0027】
メインプレート12A内には、移動部としての略円柱の状のマグネット体34(
図2(A)参照)が組付けられている。マグネット体34には、メインプレート12Aの組付軸18が同軸上に挿入かつ嵌合されており、マグネット体34は、組付軸18を中心として回転(移動)可能にされている。
【0028】
マグネット体34の外周には、左右方向中間部において、円環板状の係止板34Aが一体に設けられており、係止板34Aは、マグネット体34の径方向外側に同軸上に突出されている。マグネット体34に組付軸18が挿入される際には、メインプレート12Aの組付爪20の先端部に係止板34Aが当接されて、組付爪20が前側に弾性変形された後に、係止板34Aが組付爪20の先端部を通過されて、組付爪20が後側に弾性復元される。このため、組付爪20の先端部の左面が係止板34Aの右方への移動を係止すると共に、メインプレート12A内の左面がマグネット体34の左方への移動を係止して、マグネット体34の左右方向への移動が係止されている。
【0029】
マグネット体34の左部には、被連絡部としての回転ギヤ34B(
図6参照)が同軸上に形成されており、回転ギヤ34Bには、レバー26(ギヤ板32)のギヤ歯32Aが噛合されている。このため、レバー26が回動されて、ギヤ板32がレバー26と一体に回動されることで、ギヤ歯32Aによって回転ギヤ34Bが回転されて、マグネット体34が回転される。マグネット体34の右部内には、被検出部としての円板状のマグネット34Cが同軸上に固定されており、マグネット体34が回転されることで、マグネット34Cがマグネット体34と一体に回転されて、マグネット34Cが発生する磁場の方向が変化される。
【0030】
メインプレート12Aの右側には、検出機構としての略矩形板状の回路基板36(
図1(B)及び
図2(C)参照)が組付けられており、回路基板36は、左右方向に垂直に配置されている。回路基板36の前端部には、上下方向中間部において、被規制部としての略矩形状の前規制孔36Aが貫通形成されており、前規制孔36Aは、前後方向に延在されると共に、前方に開放されている。回路基板36の後端部には、上下方向中間部において、被規制部としての略矩形状の後規制孔36Bが貫通形成されており、後規制孔36Bは、前後方向に延在されると共に、後方に開放されている。回路基板36の下端部には、前部において、被規制部としての略矩形状の下規制孔36Cが貫通形成されており、下規制孔36Cは、上下方向に延在されると共に、下方に開放されている。
【0031】
前規制孔36A及び後規制孔36Bには、それぞれメインプレート12Aの前規制柱22A及び後規制柱22Bが挿入されて上下方向において嵌合されており、前規制孔36Aの前規制柱22Aに対する上下方向への移動及び後規制孔36Bの後規制柱22Bに対する上下方向への移動が規制されて、回路基板36の上下方向への移動が規制されている。下規制孔36Cには、メインプレート12Aの下規制柱22Cが挿入されて前後方向において嵌合されており、下規制孔36Cの下規制柱22Cに対する前後方向への移動が規制されて、回路基板36の前後方向への移動が規制されている。
【0032】
回路基板36の前側かつ下側の部分には、右方から規制部材としての規制ネジ38が貫通されており、規制ネジ38がメインプレート12Aの前壁に螺合されて、回路基板36がメインプレート12Aに締結されている。回路基板36は、規制ネジ38の頭部が当接されると共に、メインプレート12Aの前壁、後壁及び下壁に当接されており、これにより、回路基板36の左右方向への移動が規制されている。
【0033】
回路基板36の前側かつ上側の部分には、検出部としての磁気センサ(図示省略)が設けられており、磁気センサは、マグネット体34のマグネット34Cと左右方向において対向されて、マグネット34Cが発生する磁場の方向を検出する。このため、磁気センサが、マグネット34Cの回転位置を検出して、マグネット体34の回転位置を検出することで、レバー26の回動位置が検出されて、レバー26のシフト位置が検出される。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0035】
以上の構成のシフト装置10が組付けられる際には、プレート12におけるメインプレート12Aの左壁内側の上部に右方から節度ブロック24が組付けられる。そして、メインプレート12Aの支持軸16が右方からレバー26(節度ピン30及びスプリングを含む)の下端部に貫通されて、節度ピン30の先端面がスプリングの付勢力により節度ブロック24の節度面24Aに当接される。
【0036】
その後、メインプレート12Aの組付軸18が右方からマグネット体34(マグネット34Cを含む)に挿入されて、マグネット体34の回転ギヤ34Bがレバー26(ギヤ板32)のギヤ歯32Aと噛合されると共に、組付爪20の先端部の左面がマグネット体34の係止板34Aの右面に当接される。そして、メインプレート12Aの前規制柱22A、後規制柱22B及び下規制柱22Cがそれぞれ右方から回路基板36(磁気センサを含む)の前規制孔36A及び後規制孔36B下規制孔36Cに挿入されて、メインプレート12Aに右方から回路基板36が規制ネジ38によって締結される。
【0037】
最後に、メインプレート12Aに右方からサブプレート12Bが組付ネジ14によって締結される。
【0038】
ここで、同一のメインプレート12Aにレバー26、マグネット体34及び回路基板36が組付けられている。このため、レバー26とマグネット体34(マグネット34C)と回路基板36(磁気センサ)との相対位置精度を高くでき、レバー26の回動位置の検出精度を高くできて、レバー26のシフト位置の検出精度を高くできる。
【0039】
また、レバー26とマグネット体34(マグネット34C)とが別体にされている。このため、レバー26の回動量とマグネット体34(マグネット34C)の回転量とを調整できる。特に、本実施形態では、レバー26の回動量に対しマグネット体34(マグネット34C)の回転量が増幅される。このため、磁気センサがマグネット34Cの回転位置を検出することによるレバー26の回動位置の検出精度を高くでき、レバー26のシフト位置の検出精度を高くできて、レバー26の回動範囲(シフト位置間の回動量)を小さくできる。しかも、マグネット体34の径寸法が小さくされるため、マグネット34Cの径寸法を小さくできてコストを低減できると共に、プレート12を小型化できる。
【0040】
さらに、同一のメインプレート12Aに節度ブロック24(節度面24Aを含む)及びレバー26(節度ピン30及びスプリングを含む)が組付けられている。このため、レバー26(節度ピン30及びスプリングを含む)と節度ブロック24(節度面24Aを含む)との相対位置精度を高くでき、節度面24A、節度ピン30及びスプリングによるレバー26の付勢位置(H位置)の精度を高くできて、レバー26の保持位置(H位置)の精度を高くできる。
【0041】
また、メインプレート12Aに右方(同一方向)から節度ブロック24、レバー26、マグネット体34及び回路基板36が組付けられる。このため、メインプレート12Aに節度ブロック24、レバー26、マグネット体34及び回路基板36を容易に組付けることかできる。しかも、メインプレート12Aに右方からサブプレート12Bが組付けられる。このため、シフト装置10を容易に組付けることかできる。
【0042】
[第2実施形態]
図3には、本発明の第2実施形態に係るシフト装置50が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。
【0043】
本実施形態に係るシフト装置50は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0044】
図3に示す如く、本実施形態に係るシフト装置50では、プレート12の下側部分に、略直方体形箱状のメインプレート12Aが設けられており、メインプレート12A内は、上側に開放されている。プレート12の上側部分には、略直方体形箱状のサブプレート12Bが設けられており、サブプレート12B内は、下側に開放されている。プレート12は、メインプレート12Aとサブプレート12Bとが上下方向において組付けられて、構成されている。
【0045】
メインプレート12A内(
図5の(A)及び(B)参照)の下面には、前後方向中間部において、支持部としての略矩形柱状の支持孔52が形成されており、支持孔52は、上方に開放されている。メインプレート12A内の下面には、前部において、組付部としての略U字形板状の組付板54(
図4の(A)及び(B)参照)が一対一体に設けられており、組付板54は、上方に突出されると共に、左右方向に垂直に配置されている。一対の組付板54は、左右方向において、互いに離間されると共に、互いに対向されており、左側の組付板54は、メインプレート12Aの前壁及び左壁と一体にされると共に、右側の組付板54は、メインプレート12Aの前壁と一体にされている。組付板54内は、上方に開放されており、組付板54内の下面は、下側へ断面略円弧状に凹んでいる。
【0046】
メインプレート12A内の前面、後面及び下面には、右端部において、規制部としての断面矩形状の規制溝56が形成されており、規制溝56は、支持孔52及び一対の組付板54より右側に配置されている。規制溝56の前部及び後部は、上下方向に延在されると共に、上方に開放されており、規制溝56の下部は、前後方向に延在される共に、規制溝56の前部及び後部と連通されている。
【0047】
レバー26(
図4の(A)及び(B)、
図6参照)の下端部は、略円柱状にされており、レバー26の下端部は、メインプレート12Aの支持孔52に挿入されて前後方向及び左右方向において嵌合されている。このため、レバー26は、下端部を中心として、前後方向に回動可能にされており、レバー26は、サブプレート12Bの上壁に回動可能に貫通されている。
【0048】
レバー26の下部の前側及び後側には、節度筒28が一体に設けられており、前側の節度筒28は、軸方向が前斜め上方に平行に配置されて、内部が前斜め上方に開放されると共に、後側の節度筒28は、軸方向が後斜め上方に平行に配置されて、内部が後斜め上方に開放されている。節度筒28内には、節度ピン30及びスプリングが挿入されており、前側の節度ピン30は、前側のスプリングにより前斜め上方に付勢されると共に、後側の節度ピン30は、後側のスプリングにより後斜め上方に付勢されている。
【0049】
サブプレート12B内の前部及び後部には、節度ブロック24が固定されており、前側の節度ブロック24の節度面24Aには、前側の節度ピン30が対向されると共に、後側の節度ブロック24の節度面24Aには、後側の節度ピン30が対向されている。前側の節度面24Aの前後方向中央には、前側の節度ピン30の先端面が前側のスプリングの付勢力により当接されると共に、後側の節度面24Aの前後方向中央には、後側の節度ピン30の先端面が後側のスプリングの付勢力により当接されており、これにより、レバー26がH位置側に付勢されて、H位置に保持されている。
【0050】
レバー26における前側の節度筒28の前側には、ギヤ板32が一体に設けられており、ギヤ板32は、前側に突出されると共に、上側部にギヤ歯32Aが形成されている。
【0051】
メインプレート12Aの左側及び右側の組付板54内には、それぞれマグネット体34(
図4の(A)及び(B)、
図6参照)の左端部及び右端部が挿入されており、左側及び右側の組付板54内の下面には、それぞれマグネット体34の左端部及び右端部が当接されると共に、左側及び右側の組付板54内には、それぞれマグネット体34の左端部及び右端部が前後方向において嵌合されている。マグネット体34の左端部及び右端部には、それぞれサブプレート12Bの係止突出部(図示省略)が当接されており、これにより、マグネット体34の上方への移動が係止されている。マグネット体34の係止板34Aは、右側の組付板54に当接されて右方への移動を係止されると共に、マグネット体34の左端面は、メインプレート12Aの左壁に当接されて左方への移動を係止されおり、これにより、マグネット体34の左右方向への移動が係止されている。
【0052】
メインプレート12Aの規制溝56の前部、後部及び下部には、それぞれ回路基板36(
図4の(A)及び(B)、
図6参照)の前端部、後端部及び下端部が挿入されており、回路基板36は、規制溝56に左右方向において嵌合されている。回路基板36の下端面は、規制溝56の下面に当接されており、回路基板36の前端面及び後端面は、それぞれ規制溝56の前面及び後面に当接されている。回路基板36の上端面には、サブプレート12Bが当接されており、これにより、回路基板36の上方への移動が係止されている。
【0053】
ところで、以上の構成のシフト装置50が組付けられる際には、プレート12におけるメインプレート12Aの支持孔52に上方からレバー26(節度ピン30及びスプリングを含む)の下端部が挿入される。また、メインプレート12Aの左側及び右側の組付板54内にそれぞれ上方からマグネット体34(マグネット34Cを含む)の左端部及び右端部が挿入されて、マグネット体34の係止板34Aの右面が右側の組付板54の左面に当接されると共に、マグネット体34の左端面がメインプレート12Aの左壁に当接され、かつ、マグネット体34の回転ギヤ34Bがレバー26(ギヤ板32)のギヤ歯32Aと噛合される。さらに、メインプレート12Aの規制溝56に上方から回路基板36(磁気センサを含む)が挿入される。
【0054】
最後に、メインプレート12Aに上方からサブプレート12Bが組付けられる。このため、サブプレート12Bの節度ブロック24の節度面24Aに節度ピン30の先端面がスプリングの付勢力により当接されると共に、サブプレート12Bの係止突出部がマグネット体34の左端部及び右端部に当接され、かつ、サブプレート12Bが回路基板36の上端面に当接される。
【0055】
ここで、本実施形態でも、メインプレート12Aに節度ブロック24が組付けられることによる作用及び効果を除き、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0056】
特に、メインプレート12Aに上方(同一方向)からレバー26、マグネット体34及び回路基板36が組付けられる。このため、メインプレート12Aにレバー26、マグネット体34及び回路基板36を容易に組付けることかできる。しかも、メインプレート12Aに上方からサブプレート12Bが組付けられる。このため、シフト装置50を容易に組付けることかできる。
【0057】
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、レバー26とマグネット34Cとが別体にされる。しかしながら、レバー26にマグネット34C(移動部)が一体にされてもよい。
【0058】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、レバー26が回動される。しかしながら、レバー26がスライド又は中心軸線周りに回転(移動)されてもよい。
【0059】
さらに、上記第1実施形態及び第2実施形態では、シフト装置10、50が車両のコンソールに設置される。しかしながら、シフト装置10、50が車両の他の部分(インストルメントパネル又はステアリングコラム等の車体側)に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10・・・シフト装置、12A・・・メインプレート(組付体)、24・・・節度ブロック(付勢体)、26・・・レバー(シフト体)、34・・・マグネット体(移動部)、36・・・回路基板(検出機構)、50・・・シフト装置