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特開2023-180981容器カバー、カバー付き容器、及び容器カバーの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180981
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】容器カバー、カバー付き容器、及び容器カバーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20231214BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20231214BHJP
   B65D 25/36 20060101ALI20231214BHJP
   B65D 25/34 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B65D33/00 Z
B65D33/38
B65D25/36
B65D25/34 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094693
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】植村 周平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛
(72)【発明者】
【氏名】綿世 真弓
【テーマコード(参考)】
3E062
3E064
【Fターム(参考)】
3E062AA09
3E062AB01
3E062AC08
3E062JA01
3E062JA08
3E062JB05
3E062JC02
3E062JC03
3E062JD10
3E064AB25
3E064BA21
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA02
3E064FA04
3E064GA04
3E064HM01
3E064HN65
3E064HS04
3E064HU10
(57)【要約】
【課題】容器カバーの製造に用いる合成樹脂の使用量を減らすこと。
【解決手段】筒状のカバー本体(24)は、シュリンクフィルム(SF)の熱収縮によって成形され、内側に軟包材容器(12)を収納するための収納空間(24s)を有している。カバー本体(24)の第1端部側に、軟包材容器(12)の注出部(18)に係止する係止部(26)が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュリンクフィルムの熱収縮によって成形され、内側に軟包材容器を収納するための収納空間を有した筒状のカバー本体と、
前記カバー本体の第1端部側に形成され、前記軟包材容器の注出部に係止する係止部と、備える、容器カバー。
【請求項2】
前記係止部は、前記注出部を挿入可能な孔及び/又は切込みを有している、請求項1に記載の容器カバー。
【請求項3】
前記カバー本体の前記第1端部側に設けられた天板を更に備え、
前記係止部は、前記天板に形成されている、請求項1に記載の容器カバー。
【請求項4】
シュリンクフィルムの熱収縮によって成形され、内側に軟包材容器を収納するための収納空間を有した筒状のカバー本体と、
前記カバー本体の第2端部側に形成され、前記軟包材容器を載置するための底面部と、
前記カバー本体の第1端部側に設けられた天板と、
前記天板に形成され、前記軟包材容器の注出部に係止する係止部と、を備える、容器カバー。
【請求項5】
軟包材容器と、
該軟包材容器を覆う請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の容器カバーと、を備える、カバー付き容器。
【請求項6】
請求項1に記載の容器カバーを製造する方法であって、
筒状のシュリンクフィルムを筒状又は柱状の成形型の成形面に被せて、熱収縮させることにより、前記カバー本体を成形する成形工程と、
前記カバー本体の第1端部側に係止部を形成する形成工程と、を含む、容器カバーの製造方法。
【請求項7】
前記シュリンクフィルムを熱収縮させる前に、前記軟包材容器を筒状の前記成形型の内側に挿入する挿入工程を含む、請求項6に記載の容器カバーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばパウチ等の軟包材容器を覆う容器カバー、カバー付き容器、及び容器カバーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軟包材容器を覆う容器カバーとして、特許文献1に示すものがあり、その先行技術に係る容器カバー(特許文献1では袋容器ホルダーと称される)の構成は、次の通りである。
【0003】
先行技術に係る容器カバーは、射出成形によって成形された成形品である。先行技術に係る容器カバーは、載置面に載置される載置部と、載置部の周縁部から立ち上がる立設部と、立設部の上端部から水平方向に張り出した張り出し部(特許文献1では張り出し係止部と称される)とを備える。張り出し部の下側には、軟包材容器(特許文献1では袋容器と称される)を収納するための収納空間(特許文献1では着脱空間部)が形成されている。張り出し部には、軟包材容器の注出部(特許文献1では注出口部材)に係止する係止部(特許文献1ではU字状切欠部と称される)が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-47928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術に係る容器カバーは射出成形によって成形されているため、容器カバーの製造に用いる合成樹脂(プラスチック)の使用量が多くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本開示の一態様は、容器カバーの製造に用いる合成樹脂の使用量を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本開示の一態様に係る容器カバーは、シュリンクフィルムの熱収縮によって成形され、内側に軟包材容器を収納するための収納空間を有した筒状のカバー本体と、前記カバー本体の第1端部側に形成され、前記軟包材容器の注出部に係止する係止部と、備える。
【0008】
また、本開示の一態様に係る容器カバーは、シュリンクフィルムの熱収縮によって成形され、内側に軟包材容器を収納するための収納空間を有した筒状のカバー本体と、前記カバー本体の第2端部側に形成され、前記軟包材容器を載置するための底面部と、備える。
【0009】
本開示の一態様に係るカバー付き容器は、軟包材容器と、該軟包材容器を覆う容器カバーと、を備える。
【0010】
本開示の一態様に係る容器カバーの製造方法は、容器カバーを製造する方法であって、筒状のシュリンクフィルムを筒状又は柱状の金型の成形面に被せて、熱収縮させることにより、前記カバー本体を成形する成形工程と、前記カバー本体の第1端部側に係止部を形成する形成工程と、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、容器カバーの製造に用いる合成樹脂の使用量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係るカバー付き容器を示す模式図である。
図2】実施形態1に係る容器カバーを示す模式図である。
図3】実施形態1の他の態様に係る容器カバーの模式的な部分縦断面図である。
図4】実施形態1の他の態様に係る容器カバーの模式的な部分縦断面図である。
図5】実施形態1に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。
図6】実施形態1の他の態様に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。
図7】実施形態1の変形例1及び変形例2に係る容器カバーを説明するための模式的な部分横断面図である。
図8】実施形態2に係る容器カバーを示す模式図である。
図9】実施形態2に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。
図10】実施形態3係るカバー付き容器を示す模式図である。
図11】実施形態3に係る容器カバーを示す模式図である。
図12】実施形態3に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。
図13】実施形態4係るカバー付き容器を示す模式図である。
図14】実施形態4に係る容器カバーを示す模式図である。
図15】実施形態4に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、明細書において、「下限値XXX~上限値YYY」で表される数値範囲は、下限値XXX以上上限値YYY以下を意味する。
【0014】
〔実施形態1〕
図1から図4を参照して、実施形態1に係るカバー付き容器、実施形態1に係る容器カバー、及び実施形態1の他の態様に係る容器カバーについて説明する。図1は、実施形態1に係るカバー付き容器を示す模式図である。図1のIAは、実施形態1に係るカバー付き容器の模式的な平面図である。図1のIBは、実施形態1に係るカバー付き容器の模式的な縦断面図であり、図1のIBにおいて、パウチは外観図として表している。図2は、実施形態1に係る容器カバーを示す模式図である。図2のIIAは、実施形態1に係る容器カバーの模式的な平面図である。図2のIIBは、実施形態1に係る容器カバーの模式的な縦断面図である。図3及び図4は、実施形態1の他の態様に係る容器カバーの模式的な部分縦断面図である。
【0015】
(カバー付き容器10)
図1のIAとIBに示すように、実施形態1に係るカバー付き容器10は、内容物を収容する軟包材容器の一例としてのパウチ12と、パウチ12を覆う容器カバー14とを備えている。パウチ12に収容される内容物は、特に限定するものではないが、シャンプー、リンス、液体石鹸、液体洗剤、食用油、液体調味料、流動性食品等の液状物、粉粒体等の固形物、ゼリー状、ゲル状の半固形物が含まれる。パウチ12の外観は、内容物の充填状態や容器カバー14内への配置状態(収納状態)で変化する。
【0016】
(パウチ12、パウチ本体16)
図1のIAとIBに示すように、パウチ12は、内容物の収容(充填)によって自立可能になっており、容器本体としてのパウチ本体16を備えている。パウチ本体16は、前面シート16aと、前面シート16aに対向する後面シート16bとを有している。前面シート16aの幅方向の一端部と後面シート16bの幅方向の一端部は、ヒートシールによって接合されている。前面シート16aの幅方向の他端部と後面シート16bの幅方向の他端部は、ヒートシールによって接合されている。また、パウチ本体16は、前面シート16aの下端部と後面シート16bの下端部との間に襠を形成するようにヒートシールによって接合された底面シート16cを有している。パウチ本体16は、前面シート16aの上端部と後面シート16bの上端部との間に襠を形成するようにヒートシールによって接合された天面シート16dを有している。なお、パウチ12の縁部は、幅方向端部のヒートシール部で硬くなっている部位である。
【0017】
前面シート16a、後面シート16b、底面シート16c、及び天面シート16dは、それぞれ、樹脂フィルムから構成されている。前面シート16a、後面シート16b、底面シート16c、及び天面シート16dは、それぞれ、ベースフィルム層と、ヒートシール性を持ったシーラント層とを有する複層シートであってもよい。ベースフィルム層とシーラント層との間には、ガスバリア層、補強層、遮光層等を設けてもよい。なお、パウチ本体16の構成要素から天面シート16dを省略した所謂スタンディングパウチでもよく、天面シート16dや底面シート16cに襠が無く、側面に襠を設けた所謂サイドガゼットパウチでもよい。
【0018】
(注出部18、スパウト20、キャップ22)
図1のIBに示すように、パウチ本体16の天面シート16dの中央部には、内容物を注出するための注出部18が設けられている。注出部18は、パウチ本体16の天面シート16dの中央部に接合したスパウト20を有しており、スパウト20は、パウチ本体16の内部に連通している。スパウト20は、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂からなる成形体であり、スパウト20には、鍔部20g及びフランジ部20fが形成されている。注出部18は、スパウト20に螺合して設けられたキャップ22を有しており、キャップ22は、スパウト20の開口を塞ぐ。キャップ22は、スパウト20と同様に、合成樹脂からなる成形体である。キャップ22の外径は、スパウト20のフランジ部20fの外径よりも小さくなっている。
【0019】
キャップ22は、ヒンジ型のキャップであってもよく、又はポンプディスペンサを有してもよい。また、前記スタンディングパウチや前記サイドガゼットパウチの場合には、前面シート15aの上部と後面シート16bの上部との間にスパウト20が接合される。換言すれば、パウチ12においては、パウチ本体16の上部に注出部18が設けられていればよい。
【0020】
(容器カバー14、カバー本体24)
図1のIB、及び図2のIIAとIIBに示すように、容器カバー14は、パウチ12のパウチ本体16を覆うものである。容器カバー14は、筒状のカバー本体24を備えており、カバー本体24は、筒状のシュリンクフィルムSFの熱収縮によって成形される成形品である。カバー本体24は、上下方向(軸方向)に延びた周壁部24pと、周壁部24pの上縁部に形成されかつ凸状に湾曲した環状のコーナ部24cと、コーナ部24cの内側に形成された上壁部24uとを有している。また、カバー本体24は、その内側に、パウチ12を収納するための収納空間24sを有している。図2のIIAに示すカバー本体24の平面視形状は、円形状であるが、本開示のカバー本体24は、四角形状等の多角形状又は長円形状であってもよい。換言すれば、本開示のカバー本体24は、四角筒形状等の多角筒形状又は長円筒形状であってもよい。筒状のカバー本体24の上壁部24uは、平坦面であるが、円錐台形状やドーム形状であってもよく、この場合には、カバー本体24からコーナ部24cを省略してもよい。カバー本体は、容器カバー14の廃棄処理の便を考慮して、カバー本体24は、その周方向の一部に、切除のための軸方向に沿ったミシン目を有してもよい。
【0021】
(シュリンクフィルムSF)
図2のIIBに示すように、カバー本体24を構成する筒状のシュリンクフィルムSFは、少なくとも第1方向に熱収縮するフィルムである。第1方向とは、シュリンクフィルムSFの面内における1つの方向のことである。例えば、第1方向とは、筒状のシュリンクフィルムSFの周方向のことである。熱収縮するフィルムとは、室温下(例えば、23℃)では収縮しないが、熱収縮温度(例えば、80℃~100℃)に加熱されると少なくとも第1方向において収縮する性質を有するフィルムのことをいう。加熱の方法は、熱風、スチーム、過熱水蒸気、赤外線等の輻射熱、又は特定波長のLED照射等の適宜の方法を採用することができる。温度90℃の熱水に10秒間浸漬して測定したシュリンクフィルムSFの第1方向の熱収縮率は、例えば、15~90%であり、好ましくは30~85%である。また、同条件で測定したシュリンクフィルムSFの第1方向に直交する方向(高さ方向)の熱収縮率は、例えば、-5~20%であり、好ましくは-1~10%である。
【0022】
シュリンクフィルムSFは、前述の熱的性質を有することを条件として、様々なフィルムを用いることができる。シュリンクフィルムSFとして、例えば、一軸延伸又は二軸延伸された合成樹脂フィルム又は発泡合成樹脂製フィルムを使用することができる。特に、前述の熱収縮率を有する実質的に一軸延伸された合成樹脂フィルムが好ましい。また、このような熱収縮性合成樹脂製フィルムは、単層又は複層であってよい。また、シュリンクフィルムSFとして、熱収縮性合成樹脂製フィルムに不織布等の他のフィルムやシートを積層した積層フィルムを用いてもよい。積層フィルムは、全体として熱収縮性を有することを条件として、実質的に熱収縮性を有さないフィルムと熱収縮性を有するフィルムとの積層物であってもよいが、積層する場合は熱収縮性を有する複数のフィルムとの積層物であることが好ましい。
【0023】
単層の合成樹脂フィルムとは、単一の合成樹脂層からなるフィルムのことであり、複層の合成樹脂フィルムとは、2つ以上の合成樹脂層が積層された積層フィルムのことである。
【0024】
合成樹脂フィルム又は合成樹脂層の材質は、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレン,環状オレフィン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン,スチレン-ブタジエン共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂等から選ばれる1種の樹脂、又は2種以上の混合物等が挙げられる。特に、剛性を有し収縮率も得やすいポリエチレンテレフタレートを主成分としたものが好ましい。発泡樹脂フィルムとしては、前記合成樹脂に各種発泡剤を用いて化学発泡や炭酸ガス等を用いた物理発泡を行ったものが挙げられる。
【0025】
シュリンクフィルムSFの厚みは、特に限定するものではないが、例えば、20μm~500μmであり、カバー付き容器10としてパウチ12を使用する場合は、50μm~500μm、好ましくは、80μm~350μm、パウチ12を開栓して使用する場合に容器カバー14を外す場合は、20μm~100μm、好ましくは20μm~60μmである。筒状のシュリンクフィルムSFは、その周方向の一部に、軸方向に沿った接合部を有してもよく、又は接合部を有さないチューブ状に成型した合成樹脂フィルム(所謂シュリンクチューブ)であってもよい。
【0026】
シュリンクフィルムフィルムSFの内側面又は外側面に、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、又はスクリーン印刷等の印刷を施してもよい。シュリンクフィルムフィルムSFの内側面又は外側面に印刷を施すことにより、パウチ12の前面シート16a又は後面シート16bに直接印刷を施す場合と比較して、カバー付き容器10の加飾性(デザイン性)を向上させることができる。
【0027】
(係止部26)
図1のIB、及び図2のIIAとIIBに示すように、カバー本体24の軸方向の第1端部側である上壁部24uの中央部には、パウチ12の注出部18に係止する係止部26が形成されている。係止部26は、パウチ12の注出部18を挿入可能な円形の孔26hを有している。また、係止部26は、環状の立ち上がり部26gを有しており、立ち上がり部26gは、フランジ部20fを含むスパウト20の側面を覆っている。係止部26は、スパウト20のフランジ部20fの上面から下面の周縁を包むように(抱くように)嵌合する。係止部26の孔26hの周縁部には、複数の切込み26aが放射状に形成されてもよい。複数の切込み26aの長さは例えば1~10mm程度であり、切込み26の本数は、例えば4~12本でよい。また、切込み26aに代えてV字状等の切欠きであってもよい。係止部26の孔26hの形状は、円形に限るものでなく、多角形又は楕円形等の円形以外の形状であってもよい。
【0028】
容器カバー14をパウチ12に装着する前において、係止部26の立ち上がり部26gの最大の内径は、スパウト20のフランジ部20fの外径よりも少し小さくなっており、具体的には、スパウト20のフランジ部20fの外径の95~99%になっている。係止部26の円形の孔26hの内径は、キャップ22の外径よりも少し小さくなっており、具体的には、放射状の切込み26aが形成されている場合は、キャップ22の外径の95%よりも小径でもよい。また、カバー本体24の係止部26の孔26hの周縁部の厚みは、シュリンクフィルムSFの熱収縮によってカバー本体24の周壁部24pの厚みの1.2~2.5倍、好ましくは、1.3~2.5倍になっている。カバー本体24の係止部26の剛性は、カバー本体24の周壁部24pの剛性よりも高くなっている。
【0029】
前記構成により、容器カバー14を上方向からパウチ12に被せて、係止部26をパウチ12の注出部18に係止させる。これにより、容器カバー14をパウチ12に装着することができる。
【0030】
係止部26等の構成を図3及び図4に示すように変更してもよい。即ち、図3のIIIAに示すように、係止部26の円形の孔26hの周縁部は、スパウト20のフランジ部20fとキャップ22との間に嵌合して係止してもよい。図3のIIIBに示すように、係止部26の円形の孔26hの周縁部は、スパウト20のフランジ部20fと鍔部20gとの間に嵌合して係止してもよい。
【0031】
図4のIVAに示すように、係止部26の円形の孔26hの周縁部は、キャップ22に形成された周溝22cに嵌合して係止してもよい。図4のIVAに示す場合には、カバー本体24がキャップ22の一部を覆うため、パウチ12の封緘性を高めることができる。図4のIVAに示す場合には、カバー本体24の周壁部24pは、パウチ12の封緘を開封するための切断用ミシン目等を有している。容器カバー14をパウチ12から取り外して、パウチ12を使用する。
【0032】
図4のIVBに示すように、係止部26の立ち上がり部26gの断面形状は、階段状に形成してもよい。この構成では、係止部26は、スパウト20のフランジ部20fを包むように、キャップ22に形成された周溝22cに嵌合して係止する。図4のIVBに示す場合には、カバー本体24がキャップ22の一部を覆うため、パウチ12の封緘性を高めることができる。図4のIVBに示す場合には、係止部26の立ち上がり部26gは、パウチ12の封緘を開封するためにフランジ部20fよりも上方において、立ち上がり部26gを切除する切断用ミシン目等を有している。この構成により、パウチ12の封緘を開封した後も、図4のIVCに示すように、フランジ部20fを包む立ち上がり部26gの一部が係止部26として残るため、容器カバー14を装着した状態でパウチ12を使用することができる。
【0033】
また、係止部26は、キャップ22の天面周縁を覆うようにしてもよい。この構成では、立ち上がり部26gとともに、キャップ22の天面周縁を覆う部分も係止部26として機能する。
【0034】
続いて、図5を参照して、実施形態1に係る容器カバーの製造方法について説明する。図5は、実施形態1に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。図5のVAは、筒状のシュリンクフィルムを金型の成形面に被せた様子を示す模式的な断面図である。図5のVBは、シュリンクフィルムを熱収縮させた様子を示す模式的な断面図である。
【0035】
(容器カバーの製造方法の概要)
図5のVAとVBに示すように、実施形態1に係る容器カバーの製造方法は、容器カバー14を製造するための方法であり、成形工程と、形成工程と、離型工程とを含む。そして、実施形態1に係る容器カバーの製造方法における各工程の具体的な内容は、次の通りである。
【0036】
(成形工程)
図5のVAに示すように、カバー本体24の周壁部24p(図2のIIB参照)に対応(相補)する形状の成形面28pを有した柱状の成形型としての金型28を用意する。そして、筒状のシュリンクフィルムSFを金型28の成形面28pに被せる。換言すれば、筒状のシュリンクフィルムSFを金型28の成形面28pを囲むように配置する。シュリンクフィルムSFの高さ方向の寸法は、金型28の高さ方向の寸法よりも長くなっている。
【0037】
ここで、金型28は、カバー本体24のコーナ部24c(図2のIIB参照)に対応する形状のコーナ面28cと、カバー本体24の上壁部24u(図2のIIB参照)に対応する形状の上面28uとを有している。金型28の成形面28pが下方向に向かって末広がり形状であってもよい。金型28の軸に対する末広がり角度は0.5~1.0度であることが好ましい。金型28の末広がり角度が0.5度よりも小さくなると、金型28からの容器カバー14の離型性が低下するからである。金型28の末広がり角度が1.0度を超えると、金型28から離型した複数の容器カバー14を重ね合わせて取り扱う際のスタック長さ(重ならない部分の長さ)が短くなり、作業性が低下するからである。この構成によれば、成形後のカバー本体24を金型28から離型することが容易となる。
【0038】
金型28の上面28uには、係止部26の立ち上がり部26g(図2のIIB参照)に対応する形状を有したボス部28bが形成されている。なお、係止部26の断面形状がL字状でない場合(図3のIIIAとIIIB、図4のIVA参照)には、金型28からボス部28bを省略する。係止部26の断面形状が階段状である場合(図4のIVB参照)には、ボス部28bを断面階段状の係止部26に対応する形状に変更する。金型28は、円筒形状のカバー本体24に対応して円柱形状であるが、カバー本体24が四角筒形状等の多角筒形状又は長円筒形状の場合には、成形型としての金型28を円柱形状から多角柱形状又は長円柱形状に変更する。
【0039】
シュリンクフィルムSFを金型28の成形面28pに被せた後に、図5のVBに示すように、シュリンクフィルムSFを加熱することにより、シュリンクフィルムSFを金型28の成形面28pから上面28uに沿うように熱収縮させる。これにより、周壁部24pとコーナ部24cと上壁部24uとを有したカバー本体24を成形することができる。
【0040】
(形成工程)
図5のVBに示すように、カバー本体24を成形する際に、シュリンクフィルムSFの一部が金型28のボス部28bに沿うように熱収縮することにより、カバー本体24の上壁部24uの中央部にパウチ12の注出部18(図1のIA参照)を挿入可能な孔26hを含む係止部26を形成する。このとき、シュリンクフィルムSFの熱収縮によって、係止部26の孔26hの周縁部の厚みが厚くなって、係止部26の剛性を高くなる。これにより、カバー本体24と係止部26とを備えた容器カバー14を成形することができる。更に、必要に応じて、パウチ12の注出部18を挿入可能な複数の切込み26aを係止部26の孔26hの周縁部に放射状に形成する。
【0041】
(離型工程)
最後に、容器カバー14を金型28から離型させることにより、容器カバー14の製造が終了する。
【0042】
続いて、図6を参照して、実施形態1の他の態様に係る容器カバーの製造方法について説明する。図6は、実施形態1の他の態様に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。図6のVIAは、筒状のシュリンクフィルムを金型の成形面に被せた様子を示す模式的な断面図である。図6のVIBは、シュリンクフィルムを熱収縮させた様子を示す模式的な断面図である。
【0043】
(容器カバーの製造方法の概要)
図6のVIAとVIBに示すように、実施形態1の他の態様に係る容器カバーの製造方法は、容器カバー14を製造するための方法であり、挿入工程と、成形工程と、形成工程と、離型工程とを含む。そして、実施形態1の他の態様に係る容器カバーの製造方法における各工程の具体的な内容は、次の通りである。
【0044】
(挿入工程)
図6のVIAに示すように、カバー本体24の周壁部24p(図2のIIB参照)に対応する形状の成形面30pを有した筒状の成形型としての金型30を用意する。そして、パウチ12を金型30の内側に挿入して、注出部18を金型30から突出させる。ここで、金型30の長軸に対する末広がり角度は、金型28の長軸方向に対する末広がり角度の設定理由と同じ理由から、0.5~1.0度であることが好ましい。成形型としての金型30は、円筒形状のカバー本体24に対応して円筒形状であるが、カバー本体24が四角筒形状等の多角筒形状又は長円筒形状の場合には、金型30を円筒形状から多角筒形状又は長円筒形状に変更する。
【0045】
(成形工程)
パウチ12を金型30の内側に挿入した後に、図6のVIAに示すように、筒状のシュリンクフィルムSFを金型30の成形面30pに被せる。換言すれば、筒状のシュリンクフィルムSFを金型30の成形面30pを囲むように配置する。シュリンクフィルムSFの高さ方向の寸法は、金型30の高さ方向の寸法よりも長くなっている。
【0046】
シュリンクフィルムSFを金型30の成形面30pに被せた後に、図6のVIBに示すように、シュリンクフィルムSFを加熱することにより、シュリンクフィルムSFを金型30の成形面30pに沿うように熱収縮させ、金型30よりも上方を注出部18の周囲(スパウト20のフランジ部20f等)に向けて熱収縮させる。これにより、周壁部24pとコーナ部24cと上壁部24uとを有したカバー本体24を成形することができる。
【0047】
(形成工程)
図6のVIBに示すように、カバー本体24を成形する際に、シュリンクフィルムSFの一部がパウチ12の注出部18に係止するように熱収縮することにより、カバー本体24の上壁部24uの中央部に、厚みが厚くなった係止部26を形成して、パウチ12の注出部18を嵌合して保持した状態にすることができる。これにより、カバー本体24と係止部26とを備えた容器カバー14を成形することができる。
【0048】
なお、シュリンクフィルムSFを上方に向かって長くして、キャップ22の天面周縁まで覆うように熱収縮させるようにしてもよい。この場合は、スパウト20のフランジ部20fとキャップ22との間でフランジ部20fよりも上方のシュリンクフィルムSFを切除可能にするミシン目等を設けることが好ましい。
【0049】
(離型工程)
最後に、容器カバー14を金型30から離型させることにより、容器カバー14の製造が終了する。なお、シュリンクフィルムSFを熱収縮させる前であれば、シュリンクフィルムSFを金型30の成形面30pに被せた後に、カバー本体24パウチ12を金型30の内側に挿入してもよい。
【0050】
(実施形態1の作用効果)
続いて、実施形態1の作用効果について説明する。
【0051】
実施形態1に係る容器カバー14において、前述のように、カバー本体24はシュリンクフィルムSFの熱収縮によって成形される。実施形態1に係る容器カバーの製造方法、及び実施形態1の他の態様に係る容器カバーの製造方法において、前述のように、シュリンクフィルムSFの熱収縮によってカバー本体24を成形する。そのため、実施形態1及び実施形態1の他の態様によれば、カバー本体24を射出成形によって成形する場合に比べて、容器カバー14の製造に用いる合成樹脂(プラスチック)の使用量を減らすことができる。
【0052】
実施形態1に係る容器カバー14において、前述のように、カバー本体24の上壁部24uの中央部にパウチ12の注出部18に係止する係止部26が形成されている。実施形態1に係る容器カバーの製造方法、及び実施形態1の他の態様に係る容器カバーの製造方法において、カバー本体24の上壁部24uの中央部に係止部26を形成する。そのため、実施形態1及び実施形態1の他の態様によれば、容器カバー14をパウチ12から離脱し難くしつつ、容器カバー14とパウチ12を一体感のあるカバー付き容器10として扱うことができる。
【0053】
実施形態1に係る容器カバー14において、前述のように、係止部26は、パウチ12の注出部18に嵌合して係止するように環状に形成されている。そのため、実施形態1によれば、カバー本体24の上壁部24uに係止部26を容易に形成することができ、容器カバー14の製造コストの低下を図ることができる。
【0054】
実施形態1の他の態様に係る容器カバーの製造方法において、前述のように、シュリンクフィルムSFを熱収縮させる前に、注出部18が筒状の金型30から突出するように、パウチ12を金型30の内側に挿入している。これにより、カバー本体24を成形する際に、シュリンクフィルムSFの一部がパウチ12の注出部18に係止するように熱収縮する。そのため、実施形態1の他の態様によれば、金型30の構成の簡略化を図りつつ、カバー本体24の上壁部24uの中央部に係止部を容易に形成することができ、容器カバー14の製造コストの低下を図ることができる。
【0055】
実施形態1に係る容器カバー14によれば、縁部があるパウチ12を直接把持するよりも、容器カバー14を装着した状態のパウチ12を把持する方が、縁部があることによる違和感をなくして持ち易くなる(持ち易さに関する作用効果)。
【0056】
実施形態1に係る容器カバー14において、カバー本体24の表面又は裏面に加飾することにより、カバー付き容器10をボトルに近似した外観にすることができると共に、パウチ12の例えば無地のデザインに統一することができる。そのため、実施形態1によれば、カバー付き容器10のデザイン性を高めることができる(デザイン性に関する作用効果)。
【0057】
〔実施形態1の変形例〕
図7を参照して、実施形態1の変形例1及び変形例2に係る容器カバーについて説明する。図7は、実施形態1の変形例1及び変形例2に係る容器カバーを説明するための模式的な部分横断面図である。図7のVIIAは、多重構造になっているカバー本体の模式的な部分横断面図である。図7のVIIBは、熱収縮させる前の筒状の複合フィルムの模式的な部分横断面図である。図7のVIICは、複合フィルムの熱収縮によって成形された筒状のカバー本体の模式的な部分横断面図である。
【0058】
(容器カバー14A)
図7のVIIAに示すように、実施形態1の変形例1に係る容器カバー14Aにおいて、カバー本体24は、重ね合わせたシュリンクフィルムSFを有した二重以上の多重構造になっている。多重構造のカバー本体24を成形する場合には、まず、内層側のシュリンクフィルムSFを金型28の成形面28p(図5参照)に被せて、熱収縮させる。続いて、外層側のシュリンクフィルムSFを熱収縮済みの内層側のシュリンクフィルムSFに被せて、熱収縮させる。
【0059】
実施形態1の変形例1に係る容器カバー14Aにおいて、前述のように、カバー本体24は、重ね合わせたシュリンクフィルムSFを有した二重以上の多重構造になっている。そのため、カバー本体24の剛性、換言すれば、容器カバー14Aの剛性を高めることできる。これにより、実施形態1の変形例1によれば、パウチ12(図1のIB参照)に収容される内容物が減少しても、パウチ12の自立性、換言すれば、カバー付き容器10(図1のIB参照)の自立性の低下を抑えることができる。また、内層側を無地や白色のシュリンクフィルムSFで形成し、外層側を内面にデザイン等の印刷層を有する透明なシュリンクフィルムSFで形成してもよい。
【0060】
(容器カバー14B)
図7のVIIBとVIICに示すように、実施形態1の変形例2に係る容器カバー14Bにおいて、カバー本体24は、筒状の複合フィルムCFの熱収縮によって成形される成形品である。筒状の複合フィルムCFは、第1フィルムとしての筒状のシュリンクフィルムSFと、シュリンクフィルムSFよりも熱収縮率の小さい第2フィルムとしての筒状の非シュリンクフィルムNFとを含む。非シュリンクフィルムNFは、僅かな熱収縮性を有してもよい。シュリンクフィルムSFと非シュリンクフィルムNFは、周方向に間隔を置いて配置された複数の線状の接合部Jによって一体化されている。また、カバー本体24の周壁部24pには、複合フィルムCFの熱収縮によって、非シュリンクフィルムNFによる複数の線状の凸部(リブ)24rが周方向に間隔を置いて形成されている。
【0061】
実施形態1の変形例2に係る容器カバー14Bにおいて、前述のように、カバー本体24の周壁部24pに複数の線状の凸部24rが周方向に間隔を置いて形成されている。そのため、カバー本体24の剛性、換言すれば、容器カバー14Aの剛性を高めることできる。これにより、実施形態1の変形例2によれば、パウチ12(図1のIB参照)に収容される内容物が減少しても、パウチ12の自立性、換言すれば、カバー付き容器10(図1のIB参照)の自立性の低下を抑えることができる。
【0062】
〔実施形態2〕
図8を参照して、実施形態2に係る容器カバーについて説明する。図8は、実施形態2に係る容器カバーを示す模式図である。図8のVIIIAは、実施形態2に係る容器カバーの模式的な平面図である。図8のVIIIBは、実施形態2に係る容器カバーの模式的な縦断面図である。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0063】
(容器カバー32の概要)
図8のVIIIAとIIIBに示すように、実施形態2に係る容器カバー32は、パウチ12のパウチ本体16(図1のIB参照)を覆うものである。実施形態2に係る容器カバー32は、一部を除き、実施形態1に係る容器カバー14(図2参照)と同様の構成を有している。なお、図8に示す筒状のカバー本体24の上端部は、ドーム形状に形成されている。そして、容器カバー32の構成のうち、容器カバー14の構成と異なる点は、次の通りである。
【0064】
(係止部34)
図8のVIIIAとVIIIBに示すように、カバー本体24の軸方向の第1端部側である上壁部24uの中央部には、パウチ12の注出部18(図1のIB参照)に係止する係止部34が形成されている。係止部34は、パウチ12の注出部18を挿入可能な孔34hを有する。係止部34の孔34hの周縁部には、複数の切込み34aが放射状に形成されてもよい。
【0065】
前記構成により、容器カバー32を上方向からパウチ12に被せて、係止部34をパウチ12の注出部18に係止させる。これにより、容器カバー32をパウチ12に装着することができる。
【0066】
実施形態2に係る容器カバー32についても、前述の実施形態1の変形例1に係る容器カバー14A(図7のVIIA参照)の構成又は前述の実施形態1の変形例2に係る容器カバー14B(図7のVIIC参照)の構成を適用してもよい。
【0067】
続いて、図9を参照して、実施形態2に係る容器カバーの製造方法について説明する。図9は、実施形態2に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。図9のIXAは、筒状のシュリンクフィルムを金型の成形面に被せた様子を示す模式的な断面図である。図9のIXBは、シュリンクフィルムを熱収縮させた様子を示す模式的な断面図である。
【0068】
(容器カバーの製造方法の概要)
図9のIXAとIXBに示すように、実施形態2に係る容器カバーの製造方法は、容器カバー14を製造するための方法である。実施形態2に係る容器カバーの製造方法は、実施形態1に係る容器カバーの製造方法と同様に、成形工程と、形成工程と、離型工程とを含む。そして、実施形態2に係る容器カバーの製造方法における各工程の内容は、次の通りである。
【0069】
(成形工程)
図9のIXAに示すように、カバー本体24の周壁部24p及び上壁部24u(図8のVIIIB参照)に対応(相補)する形状の成形面28pを有した柱状の金型28を用意する。図9に示す金型28の上面28uは、カバー本体24の上壁部24uのドーム形状に対応する山形形状になっている。そして、上側を例えば曲線状に溶断シールすることで閉じた筒状のシュリンクフィルムSFを円柱状の金型28の成形面28pに被せる。換言すれば、筒状のシュリンクフィルムSFを金型28の成形面28pを囲むように配置する。成形型としての金型28は、円筒形状のカバー本体24に対応して円柱形状であるが、カバー本体24が四角筒形状等の多角筒形状又は長円筒形状の場合には、金型28を円柱形状から多角柱形状又は長円柱形状に変更する。
【0070】
シュリンクフィルムSFを金型28の成形面28pに被せた後に、図9のIXBに示すように、シュリンクフィルムSFを加熱することにより、シュリンクフィルムSFを金型28の成形面28pから上面28uに沿うように熱収縮させる。これにより、周壁部24pとコーナ部24cと上壁部24uとを有したカバー本体24を成形することができる。
【0071】
(形成工程)
カバー本体24を成形した後に、カバー本体24の上壁部24uの中央部に、パウチ12の注出部18(図1のIA参照)を挿入可能な孔34hを含む係止部34を形成する。また、必要に応じて、パウチ12の注出部18を挿入可能な複数の切込み34aを係止部34の孔34hの周縁部に放射状に形成する。これにより、カバー本体24と係止部26とを備えた容器カバー14を成形することができる。
【0072】
(離型工程)
最後に、容器カバー14を金型28から離型させることにより、容器カバー14の製造が終了する。
【0073】
(実施形態2の作用効果)
実施形態2においても、実施形態1と同様の作用効果を奏する他に、次のような作用効果を奏する。
【0074】
実施形態2に係る容器カバー32において、前述のように、係止部34は、パウチ12の注出部18を挿入可能な切込みを有している。実施形態2に係る容器カバーの製造方法において、前述のように、カバー本体24の上壁部24uの中央部に、パウチ12の注出部18を挿入可能な切込みを含む係止部34を形成する。そのため、実施形態2によれば、カバー本体24の上壁部24uに係止部26を容易に形成することができ、容器カバー32の製造コストの低下を図ることができる。
【0075】
〔実施形態3〕
図10及び図11を参照して、実施形態3に係るカバー付き容器、及び実施形態3に係る容器カバーについて説明する。図10は、実施形態3に係るカバー付き容器を示す模式図である。図10のXAは、実施形態3に係るカバー付き容器の模式的な平面図である。図10のXBは、実施形態3に係るカバー付き容器の模式的な縦断面図であり、図10のXBにおいて、パウチは外観図として表している。図11は、実施形態3に係る容器カバーを示す模式図である。図11のXIAは、実施形態3に係る容器カバーの模式的な平面図である。図11のXIBは、実施形態3に係る容器カバーの模式的な縦断面図である。
【0076】
(カバー付き容器36、容器カバー38、カバー本体40)
図10のXAとXB、及び図11のXIAとXIBに示すように、実施形態3に係るカバー付き容器36は、実施形態1に係るカバー付き容器10(図1のIA参照)と同様に、内容物を収容する軟包材容器の一例としてのパウチ12と、パウチ12を覆う容器カバー38とを備えている。容器カバー38は、パウチ12のパウチ本体16を覆うものであり、容器カバー38は、筒状のカバー本体40を備えている。カバー本体40は、筒状のシュリンクフィルムSFの熱収縮によって成形される成形品である。カバー本体40を構成するシュリンクフィルムSFは、カバー本体24(図2のIIB参照)を構成するシュリンクフィルムSFと同じ構成を有している。
【0077】
カバー本体40は、上下方向(軸方向)に延びた周壁部40pと、周壁部40pの軸方向の第1端部である上縁部に形成されかつ凸状に湾曲した環状のコーナ部40cとを有している。また、カバー本体40は、その内側に、パウチ12を収納するための収納空間40sを有している。カバー本体40の平面視形状は、円形状であるが、四角形状等の多角形状又は長円形状であってもよい。換言すれば、カバー本体40は、円筒形状であるが、四角筒形状等の多角筒形状又は長円筒形状であってもよい。容器カバー38の廃棄処理の便を考慮して、カバー本体40は、その周方向の一部に、軸方向に沿った切断用のミシン目等を有してもよい。
【0078】
(天板42)
容器カバー38は、カバー本体40の上縁部側(第1端部側)に設けられた円形の天板42を備えており、天板42の周縁部は、カバー本体40の上縁部に接合されている。天板42は、例えば、合成樹脂、紙、或いは合成紙等の単体材料、又はこれらの複合材料のシート材からなり、カバー本体40の剛性よりも高い剛性を有している。具体的には、天板42としては、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン製のシートを円形等に抜き加工したものが好ましい。天板42の厚みは、特に限定するものではないが、例えば、200μm~1000μm、好ましくは、400μm~800μmである。天板42の平面視形状は、円形状であるが、カバー本体40の形状の変更に伴い、天板42の平面視形状を四角形状等の多角形状又は長円形状に変更してもよい。
【0079】
(係止部44)
図11のXIAとXIBに示すように、カバー本体40の軸方向の第1端部側である天板42の中央部には、パウチ12の注出部18(図10のXB参照)に係止する係止部44が形成されている。係止部44は、パウチ12の注出部18を挿入可能な円形の孔44hを有する。係止部44の孔44hの周縁部には、複数の切込み44aが放射状に形成されてもよい。係止部44の孔44hの形状は、円形に限るものでなく、多角形又は楕円形等の円形以外の形状であってもよい。例えば、スパウト20のフランジ部20fの形状が矩形又は楕円形等の場合は、フランジ部20fを挿入し係止し易い形状の孔44hを設計すればよい。また、複数の切込み44aに限らず、複数のV字状の切り欠きや、孔44hの周縁部が波線状に形成された形状等でもよい。換言すれば、複数の切込み44aに限らず、複数の係止片を形成してもよい。複数の切込み44aは必ずしも必要ではないが、係止部44がスパウト20の矩形又は楕円形等のフランジ部20fに係止する場合には、スパウト20のフランジ部20fを挿入し易い形状に孔44h又は切込み44aを形成してもよい。
【0080】
前記構成により、容器カバー38を上方向からパウチ12に被せて、係止部44をパウチ12の注出部18に係止させる。これにより、容器カバー38をパウチ12に装着することができる。
【0081】
実施形態3に係る容器カバー38についても、前述の実施形態1の変形例1に係る容器カバー14A(図7のVIIA参照)の構成又は前述の実施形態1の変形例2に係る容器カバー14B(図7のVIIC参照)の構成を適用してもよい。
【0082】
続いて、図12を参照して、実施形態3に係る容器カバーの製造方法について説明する。図12は、実施形態3に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。図12のXIIAは、筒状のシュリンクフィルムを金型の成形面に被せた様子を示す模式的な断面図である。図12のXIIBは、シュリンクフィルムを熱収縮させた様子を示す模式的な断面図である。
【0083】
(容器カバーの製造方法の概要)
図12のXIIAとXIIBに示すように、実施形態3に係る容器カバーの製造方法は、容器カバー38を製造するための方法であり、成形工程と、形成工程と、離型工程とを含む。そして、実施形態3に係る容器カバーの製造方法における各工程の具体的な内容は、次の通りである。
【0084】
図12のXIIAに示すように、カバー本体40の周壁部40p(図11のXIB参照)に対応(相補)する形状の成形面46pを有した円柱状の成形型としての金型46を用意する。そして、筒状のシュリンクフィルムSFを金型46の成形面46pに被せる。換言すれば、筒状のシュリンクフィルムSFを金型46の成形面46pを囲むように配置する。また、金型46の平坦な上面46uに天板42を載置する。金型46は、カバー本体40のコーナ部40c(図11のXIB参照)に対応する形状のコーナ面46cを有している。金型46の軸に対する末広がり角度は、金型28の軸方向に対する末広がり角度の設定理由と同じ理由から、0.5~1.0度であることが好ましい。成形型としての金型46は、円筒形状のカバー本体40に対応して円柱形状であるが、カバー本体40が四角筒形状等の多角筒形状又は長円筒形状の場合には、金型46を円柱形状から多角柱形状又は長円柱形状に変更する。
【0085】
その後、図12のXIIBに示すように、シュリンクフィルムSFを加熱することにより、シュリンクフィルムSFを金型46の成形面46pから天板42の周縁部に沿うように熱収縮させる。これにより、周壁部40pとコーナ部40cとを有したカバー本体40を成形すると共に、カバー本体40の上縁部と天板42の周縁部を接合する。なお、必要に応じて、カバー本体40の上縁部と天板42の周縁部に対して熱圧着、高周波シール等の溶着、又は接着剤を用いて接着を行ってもよい。
【0086】
(形成工程)
図12のXIIBに示すように、天板42を金型46の上面46uに載置する前に、天板42の中央部に、パウチ12の注出部18(図10のXB参照)を挿入可能な孔44hを含む係止部44を形成する。また、必要に応じて、パウチ12の注出部18を挿入可能な複数の切込み44aを係止部44の孔44hの周縁部に放射状に形成する。なお、シュリンクフィルムSFを熱収縮させた後に、天板42の中央部に係止部44を形成してもよい。
【0087】
(離型工程)
最後に、容器カバー38を金型46から離型させることにより、容器カバー38の製造が終了する。
【0088】
(実施形態3の作用効果)
続いて、実施形態3の作用効果について説明する。
【0089】
実施形態3に係る容器カバー38において、前述のように、カバー本体40はシュリンクフィルムSFの熱収縮によって成形される。実施形態3に係る容器カバーの製造方法において、前述のように、シュリンクフィルムSFの熱収縮によってカバー本体40を成形する。そのため、実施形態3によれば、カバー本体40を射出成形によって成形する場合に比べて、容器カバー38の製造に用いる合成樹脂(プラスチック)の使用量を減らすことができる。また、天板42も合成樹脂等のシート材を抜き加工して形成できるため、射出成形のように成形金型も不要である。
【0090】
実施形態3に係る容器カバー38において、前述のように、カバー本体40の軸方向の第1端部側である天板42の中央部には、パウチ12の注出部18に係止する係止部44が形成されている。実施形態3に係る容器カバーの製造方法において、天板42の中央部に係止部44を形成する。そのため、実施形態3によれば、容器カバー38をパウチ12から離脱し難くしつつ、容器カバー38とパウチ12を一体感のあるカバー付き容器36として扱うことができる。
【0091】
実施形態3に係る容器カバー38において、カバー本体40の軸方向の第1端部側である上縁部側に天板42が設けられている。そのため、実施形態3によれば、天板42によって容器カバー38の剛性を高めることできる。これにより、パウチ12に収容される内容物が減少しても、パウチ12の自立性、換言すれば、カバー付き容器36の自立性の低下を抑えることができる。
【0092】
実施形態3に係る容器カバー38において、前述のように、係止部44は、パウチ12の注出部18を挿入可能な孔44h及び切込み44aを有している。そのため、実施形態3によれば、天板42に係止部44を容易に形成することができ、容器カバー38の製造コストの低下を図ることができる。
【0093】
実施形態3においても、前述の持ち易さに関する作用効果、及びデザイン性に関する作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0094】
〔実施形態4〕
図13及び図14を参照して、実施形態4に係るカバー付き容器、及び実施形態4に係る容器カバーについて説明する。図13は、実施形態4係るカバー付き容器を示す模式図である。図13のXIIIAは、実施形態4に係るカバー付き容器の模式的な平面図である。図13のXIIIBは、実施形態4に係るカバー付き容器の模式的な縦断面図であり、図13のXIIIBにおいて、パウチは外観図として表している。図14は、実施形態4に係る容器カバーを示す模式図である。図14のXIVAは、実施形態4に係る容器カバーの模式的な平面図である。図14のXIVBは、実施形態4に係る容器カバーの模式的な縦断面図である。
【0095】
(カバー付き容器48、容器カバー50、カバー本体52)
本実施形態4に係る容器カバー50は、底面部54を有している。この点が上述の実施形態との大きな違いである。図13のXIIIAとXIIIB、及び図14のXIVAとXIVBに示すように、実施形態4に係るカバー付き容器48は、内容物を収容する軟包材容器の一例としてのパウチ12と、パウチ12を覆う容器カバー50とを備えている。容器カバー50は、パウチ12のパウチ本体16を覆うものであり、容器カバー50は、筒状のカバー本体52を備えている。カバー本体52は、筒状のシュリンクフィルムSFの熱収縮によって成形される成形品である。カバー本体52を構成するシュリンクフィルムSFは、カバー本体24(図2のIIB参照)を構成するシュリンクフィルムSFと同じ構成を有している。
【0096】
カバー本体52は、上下方向(軸方向)に延びた周壁部52pを有している。カバー本体52の上縁部は、カバー本体52の軸方向の第1端部であり、カバー本体52の下縁部は、カバー本体52の軸方向の第2端部である。また、カバー本体52は、その内側に、パウチ12を収納するための収納空間52sを有している。カバー本体52の平面視形状は、円形状であるが、四角形状等の多角形状又は長円形状であってもよい。換言すれば、カバー本体52は、円筒形状であるが、四角筒形状等の多角筒形状又は長円筒形状であってもよい。容器カバー50の廃棄処理の便を考慮して、カバー本体52は、その周方向の一部に、軸方向に沿ったミシン目を有してもよい。
【0097】
(底面部54)
カバー本体52の軸方向の第2端部側である下縁部側には、パウチ12を載置するための環状の底面部54が形成されている。底面部54は、カバー本体52と同様に、熱収縮したシュリンクフィルムSFによって構成されている。
【0098】
(天板56)
容器カバー50は、カバー本体52の軸方向の第1端部側である上縁部側に設けられた円形で周壁部を有する天板56を備えており、天板56の周壁部は、カバー本体52の上縁部に接合されている。天板56の周壁部の外面は、カバー本体52の上縁部に超音波溶着等の溶着又は接着によって接合されてもよい。天板56は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂製シートを真空成形や圧空成形により周壁部を有する形状に成形されてなり、カバー本体52の剛性よりも高い剛性を有している。天板56の厚みは、特に限定するものではないが、例えば、200μm~1000μm、好ましくは、400μm~800μmである。天板56の平面視形状は、円形状であるが、カバー本体40の形状の変更に伴い、天板56の平面視形状を四角形状等の多角形状又は長円形状に変更してもよい。
【0099】
(係止部58)
図14のXIVAとXIVBに示すように、カバー本体52の軸方向の第1端部側である天板56の中央部には、パウチ12の注出部18(図13のXIIIB参照)に係止する係止部58が形成されている。係止部58は、パウチ12の注出部18を挿入可能な孔58hを有している。係止部58の孔58hの周縁部には、複数の切込み58aが放射状に形成されてもよい。
【0100】
前記構成により、カバー本体52を下方向からパウチ12に被せると共に、係止部58をパウチ12の注出部18に係止させる。そして、天板56の周縁部をカバー本体52の上縁部に接合する。これにより、容器カバー50をパウチ12に装着することができる。
【0101】
実施形態4に係る容器カバー50についても、前述の実施形態1の変形例1に係る容器カバー14A(図7のVIIA参照)の構成又は前述の実施形態1の変形例2に係る容器カバー14B(図7のVIIC参照)の構成を適用してもよい。
【0102】
続いて、図15を参照して、実施形態4に係る容器カバーの製造方法について説明する。図15は、実施形態4に係る容器カバーの製造方法を説明する模式図である。図15のXVAは、筒状のシュリンクフィルムを金型の成形面に被せた様子を示す模式的な断面図である。図15のXVBは、シュリンクフィルムを熱収縮させた様子を示す模式的な断面図である。
【0103】
(容器カバーの製造方法の概要)
図15のXVAとXVBに示すように、実施形態4に係る容器カバーの製造方法は、容器カバー38を製造するための方法であり、成形工程と、第1形成工程と、離型工程と、接合工程と、第2形成工程とを含む。そして、実施形態3に係る容器カバーの製造方法における各工程の具体的な内容は、次の通りである。
【0104】
(成形工程)
図15のXVAに示すように、カバー本体52の周壁部52p(図14のXIVB参照)に対応(相補)する形状の成形面60pを有した円柱状の成形型としての金型46を用意する。そして、筒状のシュリンクフィルムSFを金型60の成形面60pに被せる。換言すれば、筒状のシュリンクフィルムSFを金型60の成形面60pを囲むように配置する。金型60は、平坦な上面60uを有している。金型46は、金型28と異なり、上方向に向かって末広がりになっている。金型46の軸に対する末広がり角度は、金型28の軸方向に対する末広がり角度の設定理由と同じ理由から、0.5~1.0度であることが好ましい。成形型としての金型46は、円筒形状のカバー本体52に対応して円柱形状であるが、カバー本体52が四角筒形状等の多角筒形状又は長円筒形状の場合には、金型46を円柱形状から多角柱形状又は長円柱形状に変更する。
【0105】
シュリンクフィルムSFを金型60の成形面60pに被せた後に、図15のXVBに示すように、シュリンクフィルムSFを加熱することにより、シュリンクフィルムSFを金型46の成形面46pから上面60uの周縁部に沿うように熱収縮させる。これにより、周壁部38pとコーナ部38cとを有したカバー本体40を成形することができる。
【0106】
(第1形成工程)
カバー本体52を成形する際に、シュリンクフィルムSFの一部が金型46の成形面46pから上面60uの周縁部に沿うように熱収縮することにより、カバー本体52の下縁部に環状の底面部54を形成する。
【0107】
(離型工程、接合工程、第2形成工程)
カバー本体52を成形した後に、カバー本体52を金型60から離型させる(離型工程)。その後、カバー本体52の下縁部と天板56の周縁部を超音波溶着等の溶着又は接着によって接合する(接合工程)。また、カバー本体52の下縁部と天板56の周縁部を接合する前に、天板56の中央部に、パウチ12の注出部18(図13のXIIIB参照)を挿入可能な孔58hを含む係止部58を形成する(第2形成工程)。更に、必要に応じて、パウチ12の注出部18を挿入可能な複数の切込み58aを係止部58の孔58hの周縁部に放射状に形成する。前述の工程を経ることにより、容器カバー50の製造が終了する。
【0108】
(実施形態4の作用効果)
続いて、実施形態4の作用効果について説明する。
【0109】
実施形態4に係る容器カバー50において、前述のように、カバー本体52はシュリンクフィルムSFの熱収縮によって成形される。実施形態4に係る容器カバーの製造方法において、前述のように、シュリンクフィルムSFの熱収縮によってカバー本体52を成形する。そのため、実施形態4によれば、カバー本体52を射出成形によって成形する場合に比べて、容器カバー50の製造に用いる合成樹脂(プラスチック)の使用量を減らすことができる。また、天板56は合成樹脂製のシートを真空成型等で周壁部を有する形状に成形するが、容器カバー50全体を射出成型することに比べ、複雑な金型を使用することなく安価に成形できる。
【0110】
実施形態4に係る容器カバー50において、前述のように、カバー本体52の軸方向の第2端部側である下縁部には、パウチ12を載置するための環状の底面部54が形成されている。カバー本体52の軸方向の第1端部側である天板56の中央部には、パウチ12の注出部18に係止する係止部58が形成されている。実施形態4に係る容器カバーの製造方法において、カバー本体52の下縁部に環状の底面部54を形成し、天板56の中央部に係止部58を形成する。そのため、実施形態4によれば、容器カバー50をパウチ12から離脱し難くしつつ、容器カバー50とパウチ12を一体感のあるカバー付き容器48として扱うことができる。
【0111】
実施形態4に係る容器カバー50において、カバー本体52の軸方向の第1端部側である上縁部側に天板56が設けられている。そのため、実施形態4によれば、天板56によって容器カバー50の剛性を高めることできる。これにより、パウチ12に収容される内容物が減少しても、パウチ12の自立性、換言すれば、カバー付き容器48の自立性の低下を抑えることができる。
【0112】
実施形態4に係る容器カバー50において、前述のように、係止部58は、パウチ12の注出部18を挿入可能な孔58h及び切込み58aを有している。そのため、実施形態4によれば、天板56に係止部58を容易に形成することができ、容器カバー50の製造コストの低下を図ることができる。
【0113】
実施形態4においても、前述の持ち易さに関する作用効果、及びデザイン性に関する作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0114】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る容器カバーは、シュリンクフィルムの熱収縮によって成形され、内側に軟包材容器を収納するための収納空間を有した筒状のカバー本体と、前記カバー本体の第1端部側に形成され、前記軟包材容器の注出部に係止する係止部と、備える。
【0115】
前記の構成によれば、前述のように、前記カバー本体は前記シュリンクフィルムの熱収縮によって成形される。そのため、前記カバー本体を射出成形によって成形する場合に比べて、前記容器カバーの製造に用いる合成樹脂(プラスチック)の使用量を減らすことができる。
【0116】
また、前述のように、前記カバー本体の第1端部側に、前記軟包材容器の注出部に係止する前記係止部が形成されている。そのため、前記容器カバーを前記軟包材容器から離脱し難くしつつ、前記容器カバーと前記軟包材容器を一体感のあるカバー付き容器として扱うことができる。
【0117】
本開示の態様2に係る容器カバーは、前記態様1において、前記係止部は、前記注出部を挿入可能な孔及び/又は切込みを有してもよい。
【0118】
前記の構成によれば、前記カバー本体の第1端部側に前記係止部を容易に形成することができ、前記容器カバーの製造コストの低下を図ることができる。
【0119】
本開示の態様3に係る容器カバーは、前記態様1又は2において、前記カバー本体の前記第1端部側に設けられた天板を更に備え、前記係止部は、前記天板に形成されてもよい。
【0120】
前記の構成によれば、前記天板によって前記容器カバーの剛性を高めることできる。これにより、前記軟包材容器に収容される内容物が減少しても、前記軟包材容器の自立性(、換言すれば、カバー付き容器の自立性)の低下を抑えることができる。
【0121】
本開示の態様4に係る容器カバーは、シュリンクフィルムの熱収縮によって成形され、内側に軟包材容器を収納するための収納空間を有した筒状のカバー本体と、前記カバー本体の第2端部側に形成され、前記軟包材容器を載置するための底面部と、前記カバー本体の第1端部側に設けられた天板と、前記天板に形成され、前記軟包材容器の注出部に係止する係止部と、を備える。
【0122】
前記の構成によれば、前述のように、前記カバー本体は前記シュリンクフィルムの熱収縮によって成形される。そのため、前記カバー本体を射出成形によって成形する場合に比べて、前記容器カバーの製造に用いる合成樹脂(プラスチック)の使用量を減らすことができる。
【0123】
また、前述のように、前記カバー本体の第1端部側に、前記軟包材容器を載置するための前記底面部が形成されている。そのため、前記容器カバーを前記軟包材容器から離脱し難くしつつ、前記容器カバーと前記軟包材容器を一体感のあるカバー付き容器として扱うことができる。
【0124】
前記天板によって前記容器カバーの剛性を高めることできる。これにより、前記軟包材容器に収容される内容物が減少しても、前記軟包材容器の自立性、換言すれば、カバー付き容器の自立性の低下を抑えることができる。また、前記カバー本体の第1端部側に前記係止部が形成されているため、前記容器カバーを前記軟包材容器からより離脱し難くすることができる。
【0125】
本開示の態様5に係るカバー付き容器は、軟包材容器と、該軟包材容器を覆う前記態様1から4のいずれかに係る容器カバーと、を備える。
【0126】
前記の構成によれば、前述のように、前記カバー付き容器が前記容器カバーを備える。そのため、前記容器カバーのカバー本体を射出成形によって成形する場合に比べて、前記容器カバーの製造に用いる合成樹脂(プラスチック)の使用量を減らすことができる。また、前記容器カバーを前記軟包材容器から離脱し難くしつつ、前記容器カバーと前記軟包材容器を一体感のある前記カバー付き容器として扱うことができる。
【0127】
本開示の態様6に係る容器カバーの製造方法は、前記態様1に係る容器カバーを製造する方法であって、筒状のシュリンクフィルムを筒状又は柱状の成形型の成形面に被せて、熱収縮させることにより、前記カバー本体を成形する成形工程と、前記カバー本体の第1端部側に係止部を形成する形成工程と、を含む。
【0128】
前記の構成によれば、前述のように、前記シュリンクフィルムの熱収縮によって前記カバー本体を成形する。そのため、前記カバー本体を射出成形によって成形する場合に比べて、前記容器カバーの製造に用いる合成樹脂(プラスチック)の使用量を減らすことができる。
【0129】
また、前述のように、前記カバー本体の第1端部側に前記係止部を形成する。そのため、前記容器カバーを前記軟包材容器から離脱し難くしつつ、前記容器カバーと前記軟包材容器を一体感のあるカバー付き容器として扱うことができる。
【0130】
本開示の態様7に係る容器カバーの製造方法は、前記態様6において、前記シュリンクフィルムを熱収縮させる前に、前記軟包材容器を筒状の前記成形型の内側に挿入する挿入工程を含んでもよい。
【0131】
前記の構成によれば、前記カバー本体を成形する際に、前記シュリンクフィルムの一部が前記軟包材容器の注出部に係止するように熱収縮する。そのため、前記金型の構成の簡略化を図りつつ、前記カバー本体の第1端部側に前記係止部を容易に形成することができ、前記容器カバーの製造コストの低下を図ることができる。
る。
【0132】
〔付記事項〕
本開示は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0133】
10 カバー付き容器(実施形態1に係るカバー付き容器)
12 パウチ(軟包材容器)
14 容器カバー(実施形態1に係る容器カバー)
16 パウチ本体(容器本体)
16a 前面シート
16b 後面シート
16c 底面シート
16d 天面シート
18 注出部
20 スパウト
22 キャップ
24 カバー本体
24s 収容空間
26 係止部
26h 孔
26a 切込み
26g 立ち上がり部
28 金型(成形型)
30 金型(成形型)
14A 容器カバー(実施形態1の変形例1に係る容器カバー)
14B 容器カバー(実施形態1の変形例2に係る容器カバー)
32 容器カバー(実施形態2に係る容器カバー)
34 係止部
34h 孔
34a 切込み
36 カバー付き容器(実施形態3に係るカバー付き容器)
38 容器カバー(実施形態3に係る容器カバー)
40 カバー本体
40s 収容空間
42 天板
44 係止部
44h 孔
44a 切込み
46 金型(成形型)
48 カバー付き容器(実施形態4に係るカバー付き容器)
50 容器カバー(実施形態4に係る容器カバー)
52 カバー本体
54 底面部
56 天板
58 係止部
58h 孔
58a 切込み
60 金型(成形型)
SF シュリンクフィルム
NF 非シュリンクフィルム
CF 複合フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15