(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180993
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】送迎対象施設の入退管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231214BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094709
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 篤士
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】安全性を確保しつつ利便性を向上できるようにした送迎対象施設の入退管理システムを提供すること。
【解決手段】送迎対象施設2の入退管理システム1は、第1ゲート23(1)に設けられる第1本人確認用装置11(1)と、第1本人確認用装置および第1ゲートに接続された管理装置10とを備え、第1本人確認用装置は、同伴者特定用情報が同伴者により入力されると、同伴者をカメラで撮影し、画像を照合することにより同伴者本人であるか確認して管理装置へ送信し、管理装置は、第1ゲートを解錠させるものであり、所定の画像は、今回の確認よりも前にカメラで撮影されて保存された同伴者の画像、または同伴者が同伴者本人であることを示す本人確認書類の有する同伴者の画像のいずれかである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が同伴者に送迎される送迎対象施設の入退管理システムであって、
前記施設の敷地に出入りするための施解錠可能な第1ゲートに設けられる第1本人確認用装置と、
前記第1本人確認用装置および前記第1ゲートに接続された管理装置とを備え、
前記第1本人確認用装置は、前記同伴者を特定する同伴者特定用情報が前記同伴者により入力されると、前記同伴者をカメラで撮影し、撮影された前記同伴者の画像とあらかじめ記録された前記同伴者の所定の画像とを照合することにより、前記同伴者が前記同伴者特定用情報に示された同伴者本人であるか確認して前記管理装置へ送信し、
前記管理装置は、前記第1本人確認用装置により前記同伴者本人であると確認されると、前記第1ゲートを解錠させるものであり、
前記所定の画像は、今回の確認よりも前に前記カメラで撮影されて保存された前記同伴者の画像、または前記同伴者が同伴者本人であることを示す本人確認書類の有する同伴者の画像のいずれかである
送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項2】
前記第1本人確認用装置は、前記同伴者から得た本人確認書類に記録された前記同伴者の画像を前記所定の画像とし、前記カメラで撮影された画像と照合することにより、前記同伴者が同伴者本人であるか確認する
請求項1に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項3】
前記第1本人確認用装置は、
前記同伴者が前記利用者を施設へ送りに来た場合に、前記カメラで撮影された前記同伴者の画像を前記所定の画像として前記利用者の画像と対応付けて保存し、
前記同伴者が前記利用者を迎えに来た場合に、前記カメラで撮影された前記同伴者の画像と前記保存された所定の画像とが一致すると、前記利用者を迎えに来た同伴者が同伴者本人であると確認する
請求項1に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項4】
前記第1本人確認用装置は、前記同伴者が同伴者本人であると確認されると、所定回数または所定期間有効な確認済情報を設定し、前記同伴者特定用情報が入力された場合に、前記確認済情報が有効ならば前記同伴者を同伴者本人であると確認する
請求項1に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記第1本人確認用装置により前記同伴者が同伴者本人であることを確認すると、前記利用者を担当する担当者へ通知する
請求項1に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項6】
前記第1ゲートには第1モニタディスプレイが設けられており、
前記管理装置は、前記同伴者が前記利用者を迎えに来ると、前記第1モニタディスプレイに前記利用者の状態を示す情報を表示させる
請求項1に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項7】
前記施設の建屋内には第2モニタディスプレイが設けられており、
前記管理装置は、前記同伴者が前記利用者を迎えに来ると、前記カメラで前記同伴者を撮影した画像を前記第2モニタディスプレイに表示させる
請求項1に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項8】
前記第1ゲートには第1モニタディスプレイが設けられており、
前記施設の建屋内には第2モニタディスプレイが設けられており、
前記管理装置は、前記同伴者が前記利用者を迎えに来ると、前記第1モニタディスプレイに前記利用者の状態を示す情報を表示させ、前記カメラで前記同伴者を撮影した画像を前記第2モニタディスプレイに表示させる
請求項1に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項9】
さらに、前記施設の建屋に出入りするための第2ゲートには第2本人確認用装置が設けられており、
前記管理装置は、
前記第1本人確認用装置および前記第2本人確認用装置と、前記第1ゲートおよび前記第2ゲートにそれぞれ接続されており、
前記第1本人確認用装置により前記同伴者が前記同伴者特定用情報で示された同伴者本人であると確認されると前記第1ゲートを解錠し、
前記第2本人確認用装置により前記同伴者が同伴者本人であると確認されると前記第2ゲートを解錠する
請求項1に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項10】
利用者が同伴者に送迎される送迎対象施設の入退管理システムであって、
前記施設の敷地に出入りするための施解錠可能な第1ゲートに設けられる第1本人確認用装置と、
前記第1本人確認用装置および前記第1ゲートに接続された管理装置とを備え、
前記同伴者を特定する同伴者特定用情報と、一時的に前記施設に出入りする作業者を特定する作業者特定用情報とが保持されており、
前記第1本人確認用装置は、
前記同伴者により前記同伴者特定用情報が入力されると、前記同伴者をカメラで撮影し、撮影された前記同伴者の画像と、今回の確認よりも前に前記カメラで撮影されて保存された前記同伴者の画像、または前記同伴者が同伴者本人であることを示す本人確認書類の有する同伴者の画像とのいずれかの画像とを照合することにより、前記同伴者が前記同伴者特定用情報に示された同伴者本人であるか確認して前記管理装置へ送信し、
前記作業者により前記作業者特定用情報が入力されると、前記作業者をカメラで撮影し、撮影された前記作業者の画像と、今回の確認よりも前に前記カメラで撮影されて保存された前記作業者の画像、または前記作業者が作業者本人であることを示す本人確認書類の有する作業者の画像とのいずれかの画像とを照合することにより、前記作業者が前記作業者特定用情報に示された作業者本人であるか確認して前記管理装置へ送信し、
前記管理装置は、前記第1本人確認用装置により前記同伴者本人または前記作業者本人のいずれかであると確認されると、前記第1ゲートを解錠させる
送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項11】
前記作業者による作業内容に応じて、前記作業者が前記施設内に立ち入り可能な範囲が制御される
請求項10に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【請求項12】
前記第1本人確認用装置は、前記作業者が前記作業者本人であると確認すると、前記作業者が前記施設へ持ち込む荷物の画像を前記カメラで撮影して保存する
請求項10に記載の送迎対象施設の入退管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送迎対象施設の入退管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
幼稚園、保育園、介護施設などのように、利用者が同伴者により送迎されて施設を利用する場合、セキュリティ確保の問題が生じる。例えば、保育園の場合、正当な保護者以外の第三者(親権のない親も含む。)が施設に入り込み、利用者である園児を無断で連れ去る可能性がある。そこで、特許文献1では、ICチップに記憶された撮像データに基づいて正当な保護者であるか判定できるようにした技術を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は保育園の出入りについて安全性を高めることができるが、正当な保護者であることを示すデータを記憶したICチップが不可欠であり、使い勝手が悪い。
【0005】
本発明は上記問題を解決するものであり、その目的は、安全性を確保しつつ利便性を向上できるようにした送迎対象施設の入退管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従う送迎対象施設の入退管理システムは、利用者が同伴者に送迎される送迎対象施設の入退管理システムであって、施設の敷地に出入りするための施解錠可能な第1ゲートに設けられる第1本人確認用装置と、第1本人確認用装置および第1ゲートに接続された管理装置とを備え、第1本人確認用装置は、同伴者を特定する同伴者特定用情報が同伴者により入力されると、同伴者をカメラで撮影し、撮影された同伴者の画像とあらかじめ記録された同伴者の所定の画像とを照合することにより、同伴者が同伴者特定用情報に示された同伴者本人であるか確認して管理装置へ送信し、管理装置は、第1本人確認用装置により同伴者本人であると確認されると、第1ゲートを解錠させるものであり、所定の画像は、今回の確認よりも前にカメラで撮影されて保存された同伴者の画像、または同伴者が同伴者本人であることを示す本人確認書類の有する同伴者の画像のいずれかである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮影された同伴者の画像とあらかじめ記録された同伴者の画像または本人確認書類の有する画像とを照合することにより第1ゲートを解錠させるため、安全性を確保しつつ人の出入りを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】送迎対象施設の入退管理システムを有する施設の全体図。
【
図2】「本人確認用装置」としての本人確認ユニットの構成図。
【
図7】「同伴者特定用情報」を含む園児家族情報の例。
【
図8】登園時の入場門での確認処理を示すフローチャート。
【
図9】登園時の建屋入り口での確認処理を示すフローチャート。
【
図10】退園時(お迎え時)の入場門での確認処理を示すフローチャート。
【
図11】退園時の建屋入り口での確認処理を示すフローチャート。
【
図13】「作業者特定用情報」を含む出入り業者情報の例。
【
図14】作業者が施設に入る際の入場門での確認処理を示すフローチャート。
【
図15】作業者が建屋に入る際の確認処理を示すフローチャート。
【
図16】作業者が施設から出る場合の確認処理を示すフローチャート。
【
図18】退園時の入場門での確認処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態の送迎対象施設の入退管理システム1では、複数の方法で同伴者(あるいは作業者)が本人であるか確認できるようにしている。本実施形態では、本人確認書類による正式な本人確認だけでなく、本人確認書類を用いない本人確認も行うことができるため、信頼性を高く維持したまま使い勝手を向上できる。
【0010】
本実施形態では、保育施設2の敷地入場門23(1)に、保育施設の建屋21内にある管理装置10に接続された入場門用本人確認ユニット11(1)と入場門用電気鍵システム231(1)を備え、保育施設建屋の出入り口23(2)に、管理装置10に接続された建屋用本人確認ユニット11(2)と建屋用電気鍵システム231(2)を備える。
【0011】
本実施形態では、顔写真が登録または印刷された運転免許証などの公的な本人確認書類DLを使用して、例えば本人確認書類の真正性、顔照合による本人性、ライブネス撮影画像による即時性、登録情報との一致性を確認する。本人確認に問題がなければ、電気鍵システム231が開錠される。
【0012】
本実施形態では、同伴者(または作業者)の氏名などの個人情報を管理番号に紐づけて登録しておき、管理番号の入力、または携帯電話に表示されたバーコードや紙に印刷されたバーコードを本人確認ユニット11に読み取らせることにより、本人確認を開始させることができる。
【0013】
お迎え時も、毎回本人確認書類DLを使用して本人確認してもよいが、本実施形態では、本人確認書類DLを用いずに同伴者本人であるか確認する方法も実施可能である。例えば、1回でも本人確認に問題ないと判定された場合は、確認済フラグを登録しておく。お迎えに来た同伴者が本人確認書類DLを忘れた場合でも、現在の顔画像と過去の本人確認で使用された顔画像とが一致すれば、施設2に入ることができる。確認済フラグは、所定回数だけ、あるいは所定期間だけ有効なものとして扱つこともできるし、場合によっては無期限に有効なものとして扱うこともできる。
【0014】
運転免許証、パスポートなどの本人確認書類DLに代えて、生体情報を用いた個人認証(本人確認)を行うこともできる。あらかじめ同伴者の生体情報を本人確認ユニット11または管理装置10に登録しておけば、同伴者は身一つで園児を迎えに来ることができる。生体認証としては、例えば、指の静脈パターンを用いる方法、虹彩パターンを用いる方法などがある。生体認証と顔認証の両方を実施してもよい。
【0015】
さらに、正当な同伴者の持つスマートフォンに本人確認ユニット11からワンタイムパスワードを送信し、そのワンタイムパスワードを入力しないと顔認証が完了しない構成としてもよい。
【0016】
場合によっては、複数の本人確認方法を組み合わせて用いてもよい。例えば、警察や自治体から不審者の出没について連絡があったような場合は、本人確認のレベルを引き上げてもよい。
【0017】
本人確認に失敗した場合、保護者または警察に連絡してもよい。本人確認に失敗した者が本人確認書類DLを使用した場合、その本人確認書類DLの記載事項に基づいて、追跡調査することができる。
【0018】
設備工事などで保育施設2に一時的に作業者が出入りすることも考えられるが、本実施形態では、作業者が事前に登録された作業者本人であるか確認し、さらに作業内容に応じた必要な範囲内で施設2に入ることができるように管理する。
【0019】
さらに、本実施形態では、施設2の外部および内部にモニタディスプレイを設置し、迎えに来た同伴者の姿を園児および保育士に知らせたり、迎えに来た同伴者に園児の状態を知らせたりすることができる。園児の状態を示す情報には、例えば、園児が現在保育室にいるか園庭にいるかトイレ中かのように、園児の位置を示す情報、そもそも園児が登園していないことを示す情報などが含まれる。
【実施例0020】
図1~
図11を用いて第1実施例を説明する。
図1は、入退管理システム1を有する保育施設2の全体図である。保育施設2の敷地は壁で囲われており、入場門23(1)が設けられている。
【0021】
敷地内には建屋21が設けられており、建屋21内には少なくとも一つの保育室22が設けられている。保育室22以外に例えば事務室、トイレ、厨房、医務室などが設けられているが、それらの図示は省略する。
【0022】
「送迎対象施設」としての保育施設2には、利用者U2、利用者U2に付き添って施設2へ送り迎えする同伴者U1、利用者U2の世話をする「担当者」としての職員U3が出入りする。さらに、後述の実施例で述べるように、施設2の補修などのために作業者W1が一時的な許可を得て施設2に出入りすることがある。以下では、利用者U2を園児U2と、同伴者U1を保護者U1と、職員U3を保育士U3と呼ぶことがある。職員には保育士だけでなく、栄養士、看護師なども含まれる場合がある。
【0023】
同伴者U1は、親権を持つ保護者に限らず、保護者の指名した代理人でもよい。代理人には、例えば、保護者の兄弟姉妹、親戚、家庭教師、ベビーシッターなどが含まれる。同伴者となる代理人の氏名等は、後述のように「同伴者特定用情報」として園児家族情報T1に事前登録される。
【0024】
「第1本人確認用装置」としての本人確認ユニット11(1)は、「第1ゲート」としての入場門23(1)の近くに設けられている。「第2本人確認用装置」としての本人確認ユニット11(2)は、「第2ゲート」としての建屋出入口23(2)の近くに設けられている。本人確認ユニット11(1),11(2)を特に区別しない場合、本人確認ユニット11と呼ぶ。本人確認ユニット11は、施設2の塀の両側から、あるいは建屋21の内外から利用できるように配置される。内側と外側とにそれぞれ本人確認ユニット11を設置してもよい。
【0025】
管理装置10は、建屋21に設けられており、各本人確認ユニット11および各電気錠システム231と電気的に接続されている。管理装置10は、各本人確認ユニット11での本人確認結果に応じて、後述する入場門23(1)の電気鍵システム231(1)と建屋出入口23(2)の電気鍵システム231(2)の動作を制御する。電気鍵システム231の施解錠は、保育士U3が管理装置10を用いて手動で遠隔操作してもよいし、管理装置10が自動操作してもよい。
【0026】
図2は、本人確認ユニット11の構成を示す。本人確認ユニット11は、例えば、制御部110、ユーザインターフェース部111、カメラ112、本人確認書類読取部113、通信部114を備える。図中、ユーザインターフェースを「UI」と略記する。
【0027】
制御部110は、図示せぬプロセッサおよびメモリを有するコンピュータであり、例えば管理コード管理部1101、媒体真正性確認部1102、本人確認部1103を実現させる。
【0028】
管理コード管理部1101は、本人確認ユニット11による本人確認処理を開始させるためのトリガとなる管理コードを発行し、管理する。管理コードは、複数桁の数字、2次元コード、3次元コードなどの形態を取ることができる。後述の
図7で管理ID C10として示される管理コードは、同伴者特定用情報と結びついており、本人確認ユニット11の前にいる人物が登録された同伴者であるか否かを確認するための本人確認処理を開始させる。
【0029】
媒体真正性確認部1102は、本人確認書類DLが真正なものであるか確認する。媒体真正性確認部1102は、例えば、本人確認書類DLの両面に記載された文字列および数列の整合性、透かしの有無、本人確認書類DLに内蔵されたICチップの有無、ICチップの製造番号などから、本人確認書類DLが本物であるか判定する。
【0030】
本人確認部1103は、本人確認ユニット11の前に立つ人物が事前登録された同伴者であるか判定する。本人確認部1103は、本人確認書類DLの券面に印刷された画像または本人確認書類DLに内蔵されたICチップに記録された画像と、カメラ112で撮影された画像とを比較することにより、管理コードを入力した者が同伴者本人であるか判定する。
【0031】
本人確認部1103は、同伴者U1に対して顔の向きなどを指示し、指示にしたがった同伴者U1の顔を撮影することにより、なりすましを防止することもできる。
【0032】
本人確認部1103は、顔画像の照合による本人確認処理だけでなく、指静脈など生体情報に基づく本人確認処理なども可能である。さらに後述のように、本人確認部1103は、簡略化された本人確認処理を実行することもできる。
【0033】
ユーザインターフェース部111は、本人確認ユニット11を操作する同伴者U1との間で情報を交換する装置である。ユーザインターフェース部111は、情報を出力して提供する機能と、入力される情報を受け取る機能を持つ。ユーザインターフェース部111は、例えば、タッチパネル、マイクロフォン、スピーカなどを備える。タッチパネル、マイクロフォン、スピーカなどを備えるタブレット端末をユーザインターフェース部111として使用することもできる。
【0034】
カメラ112は、同伴者U1の画像を撮影する。カメラ112は、同伴者U1の顔と同伴者U1が送迎する園児U2の顔を、一緒にまたは連続的に撮影することもできる。同伴者U1と園児U2が一緒に並んだ状態で撮影してもよいし、同伴者U1を撮影して本人確認が終了した後で園児U2の顔を撮影してもよい。後述のように、同伴者U1の顔画像と園児U2の顔画像とを対応付けて保存しておくことで、園児U2の同伴者U1を特定するための画像情報を得ることができる。例えば、登園時に同伴者U1の顔と園児U2の顔を撮影して保存しておけば、退園時に同伴者U1が本人確認書類DLを忘れた場合でも、その同伴者U1の顔がお迎え対象の園児U2の顔に対応すれば、同伴者本人であると認定することができる。なお、カメラ112は、一つでもよいし、複数でもよい。
【0035】
本人確認書類読取部113(以下、読取部113と略記することがある。)は、本人確認書類DLから情報を読み取る装置である。読取部113は、本人確認書類DLの両面に印刷された情報と、本人確認書類DLに内蔵されたICチップに記録された情報を読み取ることができる。読取部113は、同伴者U1の指静脈パターンを読み取る機能を備えてもよい。
【0036】
通信部114は、管理装置10と双方向通信する装置である。通信部114は、有線または無線の通信手段を介して、管理装置10に接続される。
【0037】
図3~
図5を用いて、本人確認ユニット11の外観形態の幾つかの例を説明する。以下に述べる例以外の外観であってもよい。
【0038】
図3は、組込み一体型のユーザインターフェース部111を備える本人確認ユニット11の例である。ユーザインターフェース部111の近傍にはカメラ112とスピーカ114が配置されている。ユーザインターフェース部111の下側には読取部113が設けられている。
【0039】
読取部113は、例えば、複数の光源を用いることで、載置された本人確認書類DLの表面と裏面とからほぼ同時に情報を読み取ることができる。読取部113は、殺菌用の紫外線光源を備えてもよい。
【0040】
図4は、タブレット端末をユーザインターフェース部111として使用する縦型の本人確認ユニット11Aを示す。
図5は、同じくタブレット端末をユーザインターフェース部111として使用する横型の本人確認ユニット11Bを示す。
【0041】
図6は、管理装置10の構成を示す。管理装置10は、例えば、メモリ101、プロセッサ102、ユーザインターフェース部103、通信部104を備えるコンピュータとして構成される。
【0042】
メモリ101は、管理コード発行部1011、園児家族情報管理部1012、送迎許可管理部1013、出入り業者情報管理部1014を実現するための所定のコンピュータプログラムを記憶する。プロセッサ102がそれらのコンピュータプログラムを実行することで、上述の機能1011-1013が実現される。ユーザインターフェース部103は、管理装置10を操作するオペレータ(この例では保育士U3)との間で情報を交換する装置である。
【0043】
ユーザインターフェース部103は、例えば、モニタディスプレイ、キーボード、マウス、マイクロフォン、スピーカなどを備える。ユーザインターフェース部103は、施設2に設置された監視カメラ(図示せず)の映像を映し出すこともできる。保育士U3は、本人確認ユニット11による本人確認の状況と、監視カメラの映像とを同時に把握することもできる。
【0044】
通信部104は、有線または無線の通信手段により、各本人確認ユニット11および各電気錠システム231と接続されている。図中、電気鍵システム231を電気錠231と略記する。
【0045】
管理装置10は、本人確認ユニット11による本人確認の結果に応じて、電気鍵システム231へ制御信号を出力し、施錠または解錠させる。入場門23(1)に来た同伴者U1が本人確認ユニット11(1)により同伴者本人であると確認されると、管理装置10は、入場門23(1)の電気鍵システム231を解錠させる。これにより、同伴者U1および園児U2は、保育施設2内に入ることができる。
【0046】
そして、同伴者U1および園児U2が建屋出入口23(2)に到着すると、本人確認ユニット11(2)により同伴者U1の本人確認が再び実施される。本人確認ユニット11(2)により同伴者本人であると確認されると、管理装置10は、建屋出入口23(2)の電気鍵システム231(2)を解錠させる。
【0047】
保育士U3が手動で電気鍵システム231を遠隔操作してもよいし、施解錠制御プログラム(不図示)により自動的に電気鍵システム231を操作してもよい。例えば、本人確認ユニット11により本人確認に成功した場合、所定時間が経過するまでの間、電気鍵システム231を解錠させることもできる。
【0048】
この場合、いわゆる友連れとして知られているように、本人確認されていない人物が本人確認された人物の直後に続いて施設2へ入らないように、入場門23(1)や建屋出入口23(2)をカメラで監視することもできる。保育士U3が登園時の様子を目視で確認することもできる。
【0049】
図7は、「同伴者特定用情報」を含む園児家族情報の例である。園児家族情報T1は、施設2の利用者である園児U2の情報と園児U2の送迎資格を有する同伴者U1の情報を対応付けて管理する。園児家族情報T1は、管理装置10に記憶させることができるが、これに限らず各本人確認ユニット11に記憶させてもよい。
【0050】
園児家族情報T1は、例えば、管理ID C10、園児氏名C11、保護者氏名C12、同伴者氏名C13、住所および連絡先C14、園児顔画像C15、同伴者顔画像C16、その他C17を記憶する。
【0051】
管理ID C10は「管理コード」に対応する。管理ID C10は複数桁の数字でもよいし、英数字の組み合わせでもよいし、2次元コードまたは3次元コードでもよい。同伴者U1は、管理コードをユーザインターフェース部111から本人確認ユニット11へ入力する。2次元コードまたは3次元コードの場合、カメラ112に撮影させて本人確認ユニット11へ入力すればよい。管理コードをデータとして同伴者U1の持つ携帯端末(スマートフォンを含む。以下同様。)に送信し、その携帯端末から本人確認ユニット11へ近距離無線通信で送信してもよい。
【0052】
園児氏名C11は、保育施設2を利用する園児の氏名である。氏名だけでなく愛称を登録してもよい。
【0053】
保護者氏名C12は、園児U2を保護する人物の氏名である。保護者は通常、親権を持つ親または後見人である。
【0054】
同伴者氏名C13は、園児U2に付き添って送迎する人物の氏名である。通常、同伴者は保護者であるが、園児の兄弟姉妹、親戚、家庭教師、ベビーシッターなどが同伴者として登録されてもよい。同伴者氏名C13には、複数の同伴者を登録可能である。
【0055】
住所および連絡先C14は、保護者の住所および連絡先と、同伴者の住所および連絡先を記憶する。同伴者の許諾が得られている場合、同伴者の携帯端末に内蔵された位置特定機能から取得される現在の位置情報を、住所および連絡先C14に記憶してもよい。
【0056】
園児顔画像C15は、園児U2の顔の画像の格納先である。正面の顔だけでなく、左右の横顔、後ろ姿の画像が登録されてもよい。園児顔画像C15には、異なる時点(例えば異なる日付)で撮影された顔画像を複数登録することもできる。
【0057】
同伴者顔画像C16は、同伴者U1の顔画像の格納先である。園児顔画像C15と同様に、正面の顔だけでなく、左右の横顔、後ろ姿の画像が登録されてもよい。同伴者顔画像C16には、異なる時点(例えば異なる日付)で撮影された顔画像を複数登録することもできる。
【0058】
その他C17には、例えば、後述の確認済フラグの有無、保護者の職業、年齢、性別、運転免許証番号などの本人確認書類DLを特定する情報が記憶される。
【0059】
図8および
図9を用いて登園時の送迎許可処理を説明する。
図8は、登園時の入場門23(1)での送迎許可処理(同伴者の本人確認処理)を示すフローチャートである。登園とは、同伴者U1が園児U2を施設2へ送り届けに来ることである。登園時には、園児を連れていない不審者が施設2内への違法侵入を試みる可能性がある。
【0060】
入場門23(1)の近傍に設置された本人確認ユニット11(1)は、管理コードとしての管理IDを取得すると(S101)、園児家族情報T1を参照し、その管理IDが存在するか判定する(S102)。
【0061】
存在しない管理IDの場合(S102:NO)、同伴者の入力ミスまたは光学的読み取りエラーの場合もあり得るため、ステップS101へ戻る。存在しない管理IDが所定回数入力された場合、図示せぬエラー処理を実行する。エラー処理では、例えば「その管理IDは登録されていません。保育園へ連絡してください。」などのメッセージを、音声または文字、あるいは、音声および文字で出力する。
【0062】
本人確認ユニット11(1)は、読取部113に置かれた本人確認書類DLの真正性を確認し(S103)、本人確認書類DLが真正であると判断すると(S104:YES)、本人確認書類DLから顔画像を取得する(S105)。
【0063】
同伴者U1が本人確認書類DLを忘れた場合は、読取部113は本人確認書類DLから情報を読み取ることができないため、本人確認書類DLは真正ではないと判断される(S104:NO)。この場合、確認済フラグの有無が判定される(S106)。確認済フラグとは、過去に本人確認に成功したことを示す情報である。確認済フラグが園児家族情報T1に設定されている場合(S106:YES)、園児家族情報T1に登録されている同伴者画像が読み出され、カメラ112で撮影された画像と照合される。
【0064】
本人確認ユニット11(1)は、カメラ112で撮影された同伴者の顔画像と本人確認書類DLから取得された顔画像とを照合することにより、またはカメラ112で撮影された同伴者の顔画像と園児家族情報T1から読み出された同伴者顔画像とを照合することにより、同伴者本人であるか判定する(S107)。
【0065】
本人確認ユニット11(1)を操作している同伴者が園児家族情報T1に事前登録されている同伴者本人であると判定されると(S107:YES)、つまり本人確認に成功すると(S107:YES)、傍にいるはずの園児の顔をカメラ112で撮影して保存した後(S109)、保育士U3へ連絡する(S110)。保育士U3への連絡は、電子メールまたはショートメッセージのような電子的手段で行うことができる。または、施設2の各所にメッセージ表示器(不図示)を設置し、そのメッセージ表示器に表示させるメッセージにより保育士に連絡してもよい。違法な侵入を企てる者は、園児を連れていないと予測できるため、ステップS109で園児の顔画像を撮影できない場合、エラー処理(S108)へ移行してもよい。
【0066】
保育士は本人確認ユニット11(1)から連絡を受けると、管理装置10を操作し、電気鍵システム231(1)を解錠させる(S111)。保育士による手動操作の代わりに、管理装置10が自動的に電気鍵システム231(1)を解錠してもよい。
【0067】
そして、本人確認ユニット11(1)により本人確認が成功した旨を示す確認済フラグが園児家族情報T1に設定される(S112)。確認済フラグは、施設2への入場券の役割を持ち、所定期間または所定回数有効である。所定期間または所定回数には、保育士U3が任意の値を設定することができ、適宜変更可能である。所定期間は、例えば、「3時間」、「当日中」、「一週間」、「一ヶ月」などのように設定可能である。所定回数は「1回」、「3回」、「100回」のように設定可能である。ステップS106で「YES」と判定されると、所定回数は1ずつ減算される。
【0068】
確認済フラグが設定されていない場合(S106:NO)、あるいは本人確認に失敗した場合(S107:NO)、あるいは園児の顔画像を撮影できない場合(S109)、本人確認ユニット11(1)は所定のエラー処理を実施する(S108)。所定のエラー処理としては、例えば「あなたは登録済みの同伴者ではありませんので施設に入ることはできません。」、「保護者や警察へ連絡します。」といった警告メッセージを音声または文字で出力したりする。
【0069】
図9は、登園時に建屋出入口23(2)で行われる送迎許可処理(同伴者の本人確認処理)を示すフローチャートである。建屋出入口23(2)においても、
図8で述べたと同様の本人確認処理を行うことができる。ここでは、同一内容の本人確認処理を2回実行するのではなく、2回目の本人確認処理を簡略化する例を説明する。
【0070】
同伴者U1は園児U2を連れて建屋出入口23(2)に到着すると、本人確認ユニット11(2)に向かって同伴者の氏名および園児の氏名を名乗る。本人確認ユニット11(2)は、同伴者の氏名および園児の氏名を取得すると(S121)、園児家族情報T1を参照し、その氏名の組み合わせが存在するか判定する(S122)。同伴者の氏名と園児の氏名のうちいずれか一方が間違っている場合(S122:NO)、ステップS121へ戻る。言い間違いもあり得るためである。ステップS122での確認が所定回数失敗すると、「保育士にお話ください」といったエラーメッセージが出力される。入場門23(1)での本人確認は成功しているため、建屋出入口23(2)で本人確認に失敗した場合でも、穏やかに対応する。
【0071】
同伴者氏名および園児氏名の組み合わせが園児家族情報T1に登録されている場合(S122:YES)、本人確認ユニット11(2)は同伴者に顔の向きなどを指示し、指示した向き(姿勢)での顔をカメラで撮影する(S123)。例えば、本人確認ユニット11(2)は、「右を向いてください。」などど指示し、カメラ112で撮影する。
【0072】
本人確認ユニット11(2)は、指示した向きの顔画像と園児家族情報T1に登録された顔画像とから同伴者本人であるか判断する(S124)。
【0073】
本人確認ユニット11(2)により同伴者本人であると確認されると(S124:YES)、保育士U3へ通知され(S125)、保育士U3は管理装置10を操作して電気鍵システム231(2)を解錠させる(S126)。
【0074】
本人確認ユニット11(2)は、同伴者本人であることを確認できない場合(S124:NO)、所定のエラー処理を実行する(S127)。ここでは、本人確認ユニット11(2)は、「保育士を呼んでいますので、少々お待ちください。」などの比較的穏やかなメッセージを出力する。入場門23(1)での本人確認は成功しているためである。
【0075】
以上は例示であり、ステップS123を省略し、再び本人確認書類DLの提示を同伴者に求め、本人確認書類DLの真正性判断と本人確認書類DLの画像に基づく顔認証とを実行してもよい。
【0076】
図10および
図11を用いて退園時の送迎許可処理を説明する。
図10は、退園時の入場門23(1)での送迎許可処理(同伴者の本人確認処理)を示す。退園とは、迎えに来た同伴者U1に連れられて園児U2が施設2を出ることである。退園時には、親権のない親が園児を連れ去ろうとする可能性がある。
【0077】
入場門23(1)の近傍に設置された本人確認ユニット11(1)は、管理IDを取得すると(S131)、園児家族情報T1を参照し、その管理IDが存在するか判定する(S132)。
【0078】
存在しない管理IDの場合(S132:NO)、ステップS131へ戻る。存在しない管理IDが所定回数入力された場合、図示せぬエラー処理を実行する。本人確認ユニット11(1)は、読取部113に置かれた本人確認書類DLの真正性を確認し(S133)、本人確認書類DLが真正であると判断すると(S134:YES)、本人確認書類DLから顔画像を取得する(S135)。
【0079】
同伴者U1が本人確認書類DLを忘れた場合は、読取部113は本人確認書類DLから情報を読み取ることができないため、本人確認書類DLは真正ではないと判断される(S134:NO)。この場合、確認済フラグの有無が判定される(S136)。確認済フラグが園児家族情報T1に設定されている場合(S136:YES)、カメラ112で撮影された顔画像と園児家族情報T1に登録された顔画像が照合され、同伴者本人であると判定される。
【0080】
確認済フラグが設定されていない場合(S136:NO)、園児家族情報T1に、登園時の同伴者U1の画像が保存されているか判定する(S137)。登園時の入場門23(1)での本人確認時に、園児U2に対応する同伴者U1の画像が保存されている場合(S137:YES)、同伴者本人であると判定される。
【0081】
本人確認ユニット11(1)は、本人確認書類DLから取得された同伴者の画像、または園児家族情報T1に登録された同伴者の画像のいずれか一つと、カメラ112で撮影した最新の同伴者画像とを照合し、同伴者本人であるか判定する(S138)。
【0082】
同伴者本人であることが確認できない場合(S138:NO)、
図8のステップS108で述べたと同様にエラー処理が実行される(S139)。
【0083】
本人確認ユニット11(1)により同伴者本人であることが確認されると(S138:YES)、同伴者U1が園児U2の迎えに来たことが保育士U3に通知され(S140)、保育士U3は管理装置10を操作して入場門23(1)の電気鍵システム231(1)を解錠させる(S141)。
【0084】
図11は、退園時に建屋出入口23(2)で行われる送迎許可処理(同伴者の本人確認処理)を示す。建屋出入口23(2)においても、
図10で述べたと同様の本人確認処理を行うことができる。ここでは、登園時と同様に、同一内容の本人確認処理を2回実行するのではなく、2回目の本人確認処理を簡略化する例を説明する。
【0085】
図11に示す処理S151~S157は、
図9で述べた処理S121~S127と同様のため説明を省略する。
図9に示すステップと異なるステップを、
図11のフローチャートは含んでもよい。
【0086】
このように構成される本実施例によれば、同伴者U1が同伴者本人であるかを確認してから電気鍵システム231を解錠するため、施設2への違法侵入や園児U2の連れ去りなどを防止でき、安全性および信頼性を向上できる。
【0087】
さらに、同伴者U1に事前に通知された管理コードが本人確認ユニット11に入力されると、同伴者本人であるかを判定するための本人確認処理が開始されるため、本人確認処理に要する時間を短縮でき、効率よく同伴者本人であるか否かを判定できる。同伴者に紐付く管理コードを使用しない場合、本人確認ユニット11は登録された全ての同伴者との一致を判定する必要があり、処理時間が長くなる。
【0088】
本実施例では、カメラ112で撮影した最新の同伴者の画像と、今回の確認よりも前にカメラ112で撮影されて保存された同伴者の画像、または同伴者本人であることを示す本人確認書類DLの有する同伴者の画像のいずれかとを照合することにより、同伴者本人であるか否かを判定する。顔認証のルートが複数用意されているため、同伴者が本人確認書類DLを忘れて施設2に来た場合でも、本人確認処理を実施することができるため、使い勝手と安全性の維持とを両立させることができる。
【0089】
本実施例では、同伴者U1が園児U2を施設2へ送りに来た場合に、同伴者U1の画像をカメラ112で撮影して園児U2に対応付けて園児家族情報T1に保存しておき、退園時に撮影された同伴者の画像と登園時の同伴者の画像とが一致する場合(S137:YES)、同伴者本人であると判定する。したがって、いわゆる顔パスで施設2に入ることができ、安全性を維持しながら使い勝手を向上できる。
【0090】
本実施例では、同伴者が同伴者本人であると確認されると、所定回数または所定期間有効な確認済フラグを設定し、確認済フラグが有効である限り同伴者を同伴者本人であると確認するため、本人確認書類DLを毎回持参する必要がなく、安全性と利便性を両立させることができる。
【0091】
このように構成される本実施例では、本人確認書類DLを用いた厳格な本人確認だけでなく、本人確認書類DLを使用しない簡略的な本人確認も安全性を維持しながら行うことができる。
管理ID C20は、作業者特定用情報の例である。作業者W1が管理IDを本人確認ユニット11に入力すると、本人確認ユニット11を操作する作業者W1が作業者本人であるか確認する本人確認処理が開始される。
業者名C21は、作業者W1の所属する会社の名称である。業者名C21は、業者の連絡先情報(所在地、電話番号、電子メールアドレスなど)も記憶される。作業者氏名C22は、作業者W1の氏名である。
作業期間C23は、施設2内で作業で行われる予定の期間である。作業内容C24は、例えば、「電気設備更新」、「配管交換」などの作業の内容である。作業場所C25は、作業の行われる場所である。作業者顔画像C26は、作業者W1の顔認証に使用する画像データの格納先アドレスである。持込物画像C27は、作業者W1が作業に際して施設2へ持ち込む物体W2の画像データの格納先アドレスである。その他C28には、例えば、確認済フラグ、作業者W1の運転免許証番号などが記憶される。
入場門23(1)の近傍に設置された本人確認ユニット11(1)は、作業者W1から管理IDを取得すると(S201)、出入り業者情報T2を参照し、その管理IDが存在するか判定する(S202)。
存在しない管理IDの場合(S202:NO)、作業者W1の入力ミスまたは光学的読み取りエラーの場合もあり得るため、ステップS201へ戻る。存在しない管理IDが所定回数入力された場合、図示せぬエラー処理を実行する。エラー処理では、例えば「その管理IDは登録されていません。保育園へ連絡してください。」などのメッセージを、音声または文字、あるいは、音声および文字で出力する。
本人確認ユニット11(1)は、読取部113に置かれた本人確認書類DLの真正性を確認し(S203)、本人確認書類DLが真正であると判断すると(S204:YES)、本人確認書類DLから顔画像を取得する(S205)。
作業者W1が本人確認書類DLを忘れた場合、読取部113は本人確認書類DLから情報を読み取ることができないため、本人確認書類DLは真正ではないと判断される(S204:NO)。この場合、確認済フラグの有無が判定される(S206)。確認済フラグが出入り業者情報T2に設定されている場合(S206:YES)、作業者本人であると判断される。
本人確認ユニット11(1)は、カメラ112で撮影された同伴者の顔画像と本人確認書類DLから取得された顔画像とを照合することにより、作業者本人であるか判定する(S207)。
本人確認ユニット11(1)を操作している作業者が出入り業者情報T2に事前登録されている作業者本人であると判定されると(S207:YES)、本人確認ユニット11(1)は作業者W1に対して持込物W2の撮影を要求する(S209)。持込物W2の画像はカメラ112で撮影されて、出入り業者情報T2に記憶される。
その後、本人確認ユニット11(1)は、作業者W1が施設2に到着した旨を保育士U3へ連絡する(S210)。保育士は本人確認ユニット11(1)から連絡を受けると、管理装置10を操作し、電気鍵システム231(1)を解錠させる(S211)。そして、本人確認ユニット11(1)により本人確認が成功した旨を示す確認済フラグが出入り業者情報T2に設定される(S212)。
確認済フラグが設定されていない場合(S206:NO)、あるいは本人確認に失敗した場合(S207:NO)、本人確認ユニット11(1)は所定のエラー処理を実施する(S208)。所定のエラー処理としては、例えば「あなたは登録済みの作業者ではありませんので施設に入ることはできません。」、「保護者や警察へ連絡します。」といった警告メッセージを音声または文字で出力したりする。
作業者U1は荷物W2を持って建屋出入口23(2)に到着すると、本人確認ユニット11(2)に向かって作業者の氏名と作業内容を告げる。本人確認ユニット11(2)は、作業者の氏名と作業内容を取得すると(S221)、出入り業者情報T2を参照し、作業者氏名と作業内容の組み合わせが存在するか判定する(S222)。
作業者の氏名と作業内容のうちいずれか一方が間違っている場合(S222:NO)、ステップS221へ戻る。ステップS222での確認が所定回数失敗すると、「保育士にお話ください」といったエラーメッセージが出力される。入場門23(1)での本人確認は成功しているため、建屋出入口23(2)で本人確認に失敗した場合でも、穏やかに対応する。
作業者氏名および作業内容の組み合わせが出入り業者情報T2に登録されている場合(S222:YES)、本人確認ユニット11(2)は、出入り業者情報T2を参照して作業者場所を確認する(S223)。作業場所とは、作業者W1の作業対象が存在する場所である。作業者W1の作業対象が建屋21内の設備24(2)である場合、作業者W1の建屋21への入室が許可される(S224:YES)。作業者W1の建屋21への入室が許可されると、本人確認ユニット11(2)は保育士へ連絡する(S225)。その連絡を受けた保育士U3は、管理装置10を操作して建屋出入口23(2)の電気鍵システム231(2)を解錠させる(S226)。
これに対し、作業者W1の作業対象が建屋21の外にある設備24(1)である場合、建屋21への入室は禁止される(S224:NO)。この場合、例えば「あなたの作業場所は園庭の電気設備です。建屋に入る用事がある場合、保育士に相談してください。」といったメッセージを出力するエラー処理が実行される(S227)。
入場門23(1)の近傍に設置された本人確認ユニット11(1)は、作業者W1から管理IDを取得すると(S231)、出入り業者情報T2を参照し、その管理IDが存在するか判定する(S232)。
存在しない管理IDの場合(S232:NO)、ステップS231へ戻る。存在しない管理IDが所定回数入力された場合、図示せぬエラー処理を実行する。本人確認ユニット11(1)は、読取部113に置かれた本人確認書類DLの真正性を確認し(S233)、本人確認書類DLが真正であると判断すると(S234:YES)、本人確認書類DLから顔画像を取得する(S235)。
作業者U1が本人確認書類DLを忘れた場合は、読取部113は本人確認書類DLから情報を読み取ることができないため、本人確認書類DLは真正ではないと判断される(S234:NO)。この場合、確認済フラグの有無が判定される(S236)。確認済フラグが出入り業者情報T2に設定されている場合(S236:YES)、カメラ112で撮影した顔画像と出入り業者情報T2に登録された顔画像を照合することにより、作業者本人であると判定される(S238:YES)。
確認済フラグが設定されていない場合(S236:NO)、出入り業者情報T2に、入園時の作業者U1の画像が保存されているか判定する(S237)。入園時の入場門23(1)での本人確認時に、作業者U1の画像が保存されている場合(S237:YES)、作業者本人であると判定される。
本人確認ユニット11(1)は、本人確認書類DLから取得された作業者の画像、または出入り業者情報T2に登録された作業者の画像のいずれか一つと、カメラ112で撮影した最新の作業者画像とを照合し、作業者本人であるか判定する(S238)。
本人確認ユニット11(1)により作業者本人であることが確認されると(S238:YES)、作業者W1が施設2内へ持ち込んだ荷物(持込物W2)を確認する(S240)。作業者W1が持込物W2を施設2内に置き忘れるのを防止するためである。本人確認ユニット11(1)は、作業者W1に対して持込物W2の撮影を要求し、入園時の持込物W2の画像と照合する。持込物W2の全てを確認する必要はない。翌日も使用する工具などは施設2内の安全な場所に保管しておくこともできる。
持込物W2を持った作業者U1の到着が保育士U3に通知されると(S241)、保育士U3は管理装置10を操作して入場門23(1)の電気鍵システム231(1)を解錠させる(S242)。
このように構成される本実施例も実施例1と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、一時的に施設2へ出入りする作業者W1についても本人確認を行うため、安全性および信頼性を維持することができる。
本実施例では、作業者本人だけでなく、作業者W1の持込物W2も確認してから電気鍵システム231を解錠するため、作業者W1が工具などの持込物W2を施設2内に置き忘れるのを防止することができる。