(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023180998
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】登録システム、登録方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07C 9/37 20200101AFI20231214BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20231214BHJP
G06V 40/50 20220101ALI20231214BHJP
G06V 40/16 20220101ALI20231214BHJP
【FI】
G07C9/37
G06T7/00 510F
G06V40/50
G06V40/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094716
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 あかね
(72)【発明者】
【氏名】池田 光治
(72)【発明者】
【氏名】中元 栄次
【テーマコード(参考)】
3E138
5B043
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138AA11
3E138CC01
3E138JA01
3E138JB16
3E138JC05
3E138JC14
5B043AA04
5B043AA09
5B043BA04
5B043DA05
5B043FA07
5B043GA05
5B043GA17
5B043HA02
5B043HA09
(57)【要約】
【課題】認証用情報の登録を容易にする。
【解決手段】登録システム(ロビーインターホン4)は、施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録システムである。登録システムは、第1取得部471と、第2取得部472と、登録部474と、を備える。第1取得部471は、人の顔を含む顔画像に基づく顔情報を取得する。第2取得部472は、施設における人の属性に関する属性情報を取得する。登録部474は、人の属性に基づく許可レベルを顔情報に対応付けて、顔情報を施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録システムであって、
人の顔を含む顔画像に基づく顔情報を取得する第1取得部と、
前記施設における前記人の属性に関する属性情報を取得する第2取得部と、
前記人の前記属性に基づく許可レベルを前記顔情報に対応付けて、前記顔情報を前記施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する登録部と、
を備える、
登録システム。
【請求項2】
前記許可レベルは複数あり、
前記登録部は、前記人の前記属性毎に前記顔情報に前記複数の許可レベルを対応づけることが可能である、
請求項1に記載の登録システム。
【請求項3】
前記登録部は、前記許可レベルに応じた用途を示す用途情報を前記顔情報に対応付ける、
請求項1に記載の登録システム。
【請求項4】
前記用途は、一時用途及び定常用途の少なくとも一方を含む、
請求項3に記載の登録システム。
【請求項5】
前記登録部は、前記人の前記属性が前記施設の来訪者である場合、前記人の前記顔の一部が遮蔽された状態であっても前記施設への入場が許可される前記許可レベルにて、前記顔情報を前記認証用情報として登録する、
請求項1に記載の登録システム。
【請求項6】
前記第2取得部は、前記施設内に設けられた情報端末から前記属性情報を取得する、
請求項1に記載の登録システム。
【請求項7】
前記第1取得部は、前記施設内に設けられた情報端末を介して前記顔情報を取得する、
請求項1に記載の登録システム。
【請求項8】
前記登録部が前記顔情報を前記認証用情報として登録する前に、前記許可レベルに関する報知を行う報知部を更に備える、
請求項1に記載の登録システム。
【請求項9】
前記顔画像を取得する第3取得部と、
前記第3取得部によって取得された前記顔画像と、前記認証用情報とに基づいて、前記人による前記施設への入場を許可するか否かを判定する顔認証を行う認証部と、
を更に備え、
前記認証部は、前記属性毎に前記顔情報に前記複数の許可レベルが対応付けられている場合、前記第3取得部によって取得された前記顔画像に基づいて、前記複数の許可レベルのうちから一の許可レベルを決定し、前記一の許可レベルが対応付けられた前記顔情報を用いて前記顔認証を行う、
請求項2に記載の登録システム。
【請求項10】
前記認証部は、前記第3取得部によって取得された前記顔画像が、前記人の前記顔の少なくとも一部が遮蔽されている画像である場合に、前記人の前記顔の一部が遮蔽された状態であっても前記施設への入場が許可される許可レベルを前記一の許可レベルとして決定する、
請求項9に記載の登録システム。
【請求項11】
前記人の前記属性に応じて、前記登録部が前記顔情報に対応付けることができる前記許可レベルの数が異なる、
請求項2に記載の登録システム。
【請求項12】
施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録方法であって、
人の顔を含む顔画像に基づく顔情報を取得する第1取得ステップと、
前記施設における前記人の属性に関する属性情報を取得する第2取得ステップと、
前記人の前記属性に基づく許可レベルを前記顔情報に対応付けて、前記顔情報を前記施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する登録ステップと、
を有する、
登録方法。
【請求項13】
請求項12に記載の登録方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に登録システム、登録方法及びプログラムに関し、より詳細には、施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録システム、登録方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、共同玄関子機、住戸親機、及び顔認証サーバを備えるインターホンシステムが記載されている。特許文献1に記載された顔認証サーバは、共同玄関子機のカメラで撮影した画像と、顔認証サーバに登録されている顔画像(認証用情報)とを比較することで顔認証を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、マンション等の施設の入場を許可するために使用される認証用情報を登録する際には、人の顔の一部を遮蔽する遮蔽物(例えば、マスク)を身に着けていない顔画像を用いることが一般的である。そのため、認証用情報を登録する際には、顔の一部を遮蔽する遮蔽物を取り外す必要がある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、認証用情報の登録を容易にすることができる登録システム、登録方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る登録システムは、施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録システムである。前記登録システムは、第1取得部と、第2取得部と、登録部と、を備える。前記第1取得部は、人の顔を含む顔画像に基づく顔情報を取得する。前記第2取得部は、前記施設における前記人の属性に関する属性情報を取得する。前記登録部は、前記人の前記属性に基づく許可レベルを前記顔情報に対応付けて、前記顔情報を前記施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する。
【0007】
本開示の一態様に係る登録方法は、施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録方法である。前記登録方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、登録ステップと、を有する。前記第1取得ステップでは、人の顔を含む顔画像に基づく顔情報を取得する。前記第2取得ステップでは、前記施設における前記人の属性に関する属性情報を取得する。前記登録ステップでは、前記人の前記属性に基づく許可レベルを前記顔情報に対応付けて、前記顔情報を前記施設への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記登録方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の上記態様に係る登録システム、登録方法及びプログラムによれば、認証用情報の登録を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る登録システムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、同上の登録システムのロビーインターホンの設置例を示す概念図である。
【
図3】
図3は、同上のロビーインターホンの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、同上の登録システムの住戸親機の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、同上の登録システムにおける認証用情報の登録画面の一例を示す概略図である。
【
図6】
図6は、同上の登録画面の別の例を示す概略図である。
【
図7】
図7は、同上の登録システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、同上の住戸親機の動作を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、同上のロビーインターホンの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
実施形態において、測定データなどの2値の比較において、「以上」としているところは「超過(より大きい)」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「超過」かに技術上の差異はない。同様に、「以下」としているところは「未満」であってもよい。
【0013】
(実施形態)
(1)概要
まず、本実施形態に係るインターホンシステム2の概要について、
図1~
図3、及び
図5を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように本実施形態に係るインターホンシステム2は、例えばマンション等の施設1に導入されている。インターホンシステム2は、施設1に人H1(
図2参照)が訪れたときに、ロビーインターホン4が備える撮像部42にて人H1の顔を含む顔画像G1(
図5参照)を撮像する。インターホンシステム2は、顔画像G1と、予め記憶している認証用情報とに基づいて、人H1による施設1への入場を許可するか否かを判定する。
【0015】
本開示でいう「施設」は、居住用途で用いられる住宅施設、並びに店舗(テナント)、オフィス、福祉施設、教育施設、病院及び工場等の非住宅施設を含む。非住宅施設には、飲食店、遊技場、ホテル、旅館、幼稚園、保育所及び公民館等も含む。つまり、施設1は、マンション等の住宅施設であってもよいし、オフィスビル等の非住宅施設であってもよい。さらに、施設1は、例えば、低層階が店舗で高層階が住戸というように、住宅施設と非住宅施設とが混在する態様の施設も含む。
図1に示すように、本実施形態では、施設1が、複数の住戸12を含む集合住宅(マンション等)である場合を想定する。なお、以下の説明において、複数の住戸12の各々を「住戸12」ということがある。
【0016】
本開示でいう「顔画像」は、人H1の顔を含む範囲を撮像して得られる画像(画像データ)を意味し、動画、静止画及びコマ送りの画像を含む。本実施形態では、顔画像G1がフルカラーの動画である場合を例示する。なお、「顔画像」は、画像処理を施した後の画像を含み得る。「画像処理」は、人H1の画像と背景の画像とが含まれる画像に対して背景を削除する処理と、画像に含まれる人H1の画像の大きさを変更する処理と、画像の明度を変更する処理と、画像に含まれる人H1の顔部分を抽出する処理と、を含み得る。
【0017】
本開示でいう「施設1への入場」とは、施設1に設けられた扉14の内部領域15(
図2参照)に入ることをいう。なお、本実施形態ではロビー11に扉14が設けられている場合を例示するが、施設1内に扉14は複数あってもよい。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るインターホンシステム2は、施設1への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録システム3を備える。
【0019】
図3に示すように、本実施形態の登録システム3は、第1取得部471と、第2取得部472と、登録部474と、を備える。
【0020】
第1取得部471は、人H1の顔を含む顔画像G1(
図5参照)に基づく顔情報を取得する。本開示でいう「顔情報」は、顔画像G1そのもの、及び、顔画像G1又は顔画像G1に基づく特徴量の情報を含み得る。
【0021】
第2取得部472は、施設1における人H1の属性に関する属性情報を取得する。本開示でいう「属性」は、施設1を基準として人H1を分類するためのパラメータである。「属性」は、例えば、施設1の住戸12の「住人」、施設1に来訪する「来訪者」を含む。さらに「来訪者」は、「定期的な来訪者」及び「不定期の来訪者」を含む。「定期的な来訪者」は、施設1の管理人、施設1で清掃等の労働を日常的に行う労働者、及び施設1の住人のための介護等を定期的に行う介護者等を含む。「不定期の来訪者」は、施設1への配達を行う配達業者、施設1の修理業者等を含む。
【0022】
登録部474は、人H1の属性に基づく許可レベルを顔情報に対応付けて、顔情報を施設1への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する。本開示でいう「許可レベル」は、認証用情報を分類するためのパラメータである。本実施形態の登録システム3では、許可レベルは複数あり、複数の許可レベルは「許可レベル1」と「許可レベル2」とを含む。例えば、「許可レベル1」が対応付けられた認証用情報を用いた顔認証では、人H1の顔の一部が遮蔽された状態であっても施設1への入場が許可される。
【0023】
本実施形態の登録システム3によれば、人H1の属性に基づく許可レベルを顔情報に対応付けて認証用情報として登録することができる。例えば、登録システム3は、人H1の属性が「来訪者」である場合に、人H1(来訪者)の顔の一部がマスク等の遮蔽物によって遮蔽された状態であっても施設1への入場が許可される許可レベル(「許可レベル2」)を、来訪者の顔情報に対応付けて認証用情報として登録する。したがって、登録システム3によれば、例えば施設1の来訪者の認証用情報を登録する際に、来訪者がマスク等の遮蔽物を取り外す必要がないため、認証用情報の登録を容易にすることができる。
【0024】
(2)詳細
以下、本実施形態に係るインターホンシステム2の詳細な構成について、
図1~
図6を参照して説明する。
【0025】
(2.1)インターホンシステム
図1に示すように、本実施形態のインターホンシステム2は、登録システム3と、制御装置5と、複数の住戸子機7と、管理室機8と、扉14と、を備えている。なお、詳細は後述するが、本実施形態の登録システム3は、ロビーインターホン4と、複数の住戸親機6と、を備える。以下の説明において、複数の住戸親機6の各々のことを、単に「住戸親機6」と呼ぶことがある。また、複数の住戸子機7の各々のことを単に、「住戸子機7」と呼ぶことがある。
【0026】
図2に示すように、扉14は、施設1のロビー11に設置されている。扉14は内部領域15に通じている。扉14(又は扉14に設けられた電気錠)は、ロビーインターホン4と通信可能に接続されており、ロビーインターホン4にて制御可能であるので、インターホンシステム2の構成要素に含まれる。これにより、インターホンシステム2では、ロビーインターホン4にて、ロビー11の扉14の開閉又は施解錠を制御することが可能である。つまり、扉14が自動扉である場合には、ロビーインターホン4は、デフォルトで閉じた状態にある扉14を開放するように扉14を制御できる。なお、インターホンシステム2の構成に扉14が含まれることは必須ではない。
【0027】
図1に示すように、制御装置5は、ロビーインターホン4、複数の住戸親機6及び管理室機8に通信可能に接続されている。制御装置5は、ロビーインターホン4、複数の住戸親機6及び管理室機8の間における通信を中継する。なお、制御装置5は、施設1の外部のインターネット等のネットワークに接続されていてもよい。
【0028】
管理室機8は、施設1の管理室13の室内空間に設置されている。また、管理室機8は、制御装置5に通信可能に接続されている。管理室機8は、例えば施設1の管理人等が使用する端末である。
【0029】
住戸子機7は、住戸12の玄関の外に設置される玄関子機である。住戸子機7は、対応する住戸親機6と、通信(通話を含む)可能に構成されている。さらに、本実施形態では、住戸子機7は撮像部(カメラ)を有しており、住戸子機7の撮像部で撮像された人H1の顔画像G1を住戸親機6にて表示することができる。
【0030】
(2.2)登録システム
上述のように、本実施形態の登録システム3は、ロビーインターホン4と、住戸親機6と、を備える。
【0031】
(2.2.1)ロビーインターホン
図2に示すように、ロビーインターホン4は、施設1のロビー11に設置されている。言い換えると、ロビーインターホン4は、施設1の内部領域15の外部に設置されている。
【0032】
図3に示すように、本実施形態のロビーインターホン4は、通信部41と、撮像部42と、通話部43と、表示部44と、操作部45と、記憶部46と、制御部47と、を備える。
【0033】
通信部41は、住戸親機6と、管理室機8と、扉14と通信可能に構成されている。なお、本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。具体的には、通信部41は、制御装置5を介して、住戸親機6及び管理室機8と通信可能である。
【0034】
撮像部42は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ等のイメージセンサを備える。撮像部42は、操作部45を操作しようとする人H1、又は、操作部45を操作する人H1の顔を含む範囲を撮像して顔画像G1を生成する。
【0035】
通話部43は、スピーカ及びマイクロホンを含んでいる。本実施形態の通話部43は、住戸親機6及び管理室機8との間で通話可能に構成されている。
【0036】
表示部44は、例えば、液晶ディスプレイである。例えば、表示部44は、撮像部42が撮像した映像、及び、また、来訪者に対するメッセージを表示するように構成されている。メッセージは、例えば、来訪者に発話を促すためのメッセージである。なお、ロビーインターホン4がタッチパネルディスプレイを備えている場合には、タッチパネルディスプレイが表示部44と操作部45とを兼ねてもいてもよい。
【0037】
操作部45は、人H1の操作を受け付けるように構成されている。操作部45は、例えば、複数の押ボタンスイッチ、及びタッチパネル等を有する入力インタフェースである。
【0038】
人H1が操作部45に対して所定の操作を行うと、ロビーインターホン4は、住戸親機6又は管理室機8を呼び出すための呼出信号を、住戸親機6又は管理室機8に送信する。さらに、ロビーインターホン4は、撮像部42が撮像した顔画像G1を、住戸親機6又は管理室機8に送信する。これにより、ロビーインターホン4の撮像部42で撮像された人H1の顔画像G1は、住戸親機6又は管理室機8にて表示可能となる。
【0039】
また、ロビーインターホン4は、操作部45に対する入所操作を受け付けると、扉14を開放(解錠)する。言い換えると、人H1は、操作部45に対して入所操作を行うことで、扉14を開放させることが可能である。ここで、「入所操作」とは、人H1が施設1の内部領域15に入るために操作部45に対して行う操作をいう。「入所操作」には、来訪者の来訪先の端末(住戸親機6)への呼出を行う操作、及び、入所に関する認証を要求する操作の少なくとも一方の操作が含まれる。また、「入所操作」には、例えば、キーシリンダーに差し込まれたキー(鍵)による解錠操作や、扉14を開放させるための暗証番号を入力する操作等が含まれる。例えば、来訪者が来訪先の住戸親機6を呼び出し、来訪先の住人が来訪者を確認したうえで住戸親機6に対して開放を許可する操作を行った場合、扉14は開放される。
【0040】
記憶部46は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。
【0041】
本実施形態の記憶部46は、顔情報、属性情報、用途情報等を含む認証用情報を記憶している。記憶部46は、認証用情報を、属性情報、用途情報、又は許可レベル毎に分類して記憶していてもよい。なお、記憶部46は、撮像部42が撮像した人H1の顔画像G1を記憶していてもよい。
【0042】
制御部47は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。制御部47では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御部47の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0043】
制御部47は、第1取得部471と、第2取得部472と、第3取得部473と、登録部474と、認証部475と、を有する。
【0044】
上述のように、第1取得部471は、人H1の顔を含む顔画像G1に基づく顔情報を取得する。本実施形態の第1取得部471は、通信部41等を介して、住戸12(施設1内)に設けられた住戸親機6(情報端末)を介して、顔情報を取得する。より具体的には、本実施形態の第1取得部471は、住戸親機6の後述する記憶部65に記憶されている顔画像G1に基づく顔情報を、住戸親機6から取得する。第1取得部471が住戸親機6を介して顔情報を取得するため、本実施形態のロビーインターホン4は、例えば施設1の住人が選択した顔情報を取得することができる。
【0045】
上述のように、第2取得部472は、施設1における人H1の属性に関する属性情報を取得する。本実施形態の第2取得部472は、住戸12(施設1内)に設けられた住戸親機6(情報端末)から属性情報を取得する。第2取得部472が住戸親機6から属性情報を取得するため、本実施形態のロビーインターホン4は、例えば施設1の住人が選択した属性情報を取得することができる。
【0046】
第3取得部473は、人H1の顔を含む顔画像G1を取得する。本実施形態の第3取得部473は、撮像部42が撮像した顔画像G1を、撮像部42から取得する。
【0047】
上述のように、登録部474は、人H1の属性に基づく許可レベルを、第1取得部471によって取得された顔情報に対応付けて、顔情報を施設1への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する。なお、登録部474は、認証用情報を記憶部46に記憶させる。
【0048】
本実施形態の登録部474は、人H1の属性が「来訪者」である場合、人H1の顔の一部が遮蔽された状態であっても施設1への入場が許可される許可レベルにて、顔情報を認証用情報として登録する。具体的には、登録部474は、取得した属性情報が「来訪者」を示す情報である場合、「許可レベル1」を顔情報に対応付けて認証用情報として登録する。上述のように、「許可レベル1」は、人H1の顔の一部が遮蔽された状態であっても施設1への入場が許可される許可レベルである。本実施形態の登録部474によれば、来訪者の認証用情報を登録する際に、来訪者がマスク等の遮蔽物を取り外す必要がないため、認証用情報の登録を容易にすることができる。
【0049】
本実施形態の登録部474は、人H1の属性毎に顔情報に複数の許可レベルを対応付けることが可能である。上述のように、許可レベルは、「許可レベル1」及び「許可レベル2」を含んでいる。例えば、登録部474は、人H1の属性が「住人」である場合に、「許可レベル1」を対応付けた顔情報と、「許可レベル2」を対応付けた顔情報と、を認証用情報として登録することが可能である。本実施形態の登録部474によれば人H1の属性毎に顔情報に複数の許可レベルを対応付けることが可能であるため、施設1を利用する人H1にとっての利便性を向上させることができる。
【0050】
なお、「許可レベル1」を対応付けた顔情報と、「許可レベル2」を対応付けた顔情報とは、同一の顔情報であってもよいし別の顔情報であってもよい。ただし、本実施形態では「許可レベル2」が対応付けられる顔情報は、人H1の顔の一部が遮蔽物で覆われていない状態の顔画像G1に基づいている。
【0051】
なお、本実施形態では、人H1の属性に応じて、登録部474が顔情報に対応付けることができる許可レベルの数が異なる。例えば、本実施形態の登録部474は、上述のように取得した属性情報が「住人」を示す場合、顔情報に「許可レベル1」及び「許可レベル2」の2つの許可レベルを対応付けることが可能である。しかし、本実施形態の登録部474は、例えば属性情報が「不定期の来訪者」を示す場合、顔情報に「許可レベル2」を対応付けることができない。言い換えると、登録部474は、例えば属性情報が「不定期の来訪者」を示す場合、顔情報に「許可レベル1」のみを対応付けることが可能である。つまり、本実施形態の登録部474が顔情報に対応付けることができる許可レベルの数は、属性が「住人」である場合と「不定期の来訪者」である場合とで異なる。人H1の属性に応じて、登録部474が顔情報に対応付けることができる許可レベルの数が異なるため、各属性に適した態様で認証用情報を登録することができる。
【0052】
本実施形態の登録部474は、許可レベルに応じた用途を示す用途情報を顔情報に対応付けて、顔情報を認証用情報として登録する。本開示でいう「用途」とは、顔情報(認証用情報)の使いみちのことである。「用途」は、一時用途及び定常用途の少なくとも一方を含む。本実施形態の「用途」は、一時用途及び定常用途を含む。
【0053】
「一時用途」が対応付けられた顔情報は、一時的に認証用情報として用いられる。「一時用途」が対応付けられた顔情報は、認証用情報として記憶されている期間及び認証用情報の利用回数の少なくとも一方に制限がある。例えば、「一時用途」が対応付けられた顔情報は、認証用情報として登録されてから12時間経過後に記憶部46から削除される。
【0054】
「定常用途」が対応付けられた顔情報は、定常的に認証用情報として用いられる。例えば、「定常用途」が対応付けられた顔情報は、住人又は管理人が削除するまで、認証用情報として記憶部46に記憶されるようにしてもよい。
【0055】
本実施形態の登録部474は、顔情報に対応付けられた許可レベルが「許可レベル2」である場合に限り、「定常用途」を示す用途情報を顔情報に対応付けて、認証用情報として登録する。言い換えると、本実施形態の登録部474は、顔情報に対応付けられた許可レベルが「許可レベル1」の場合には、「一時用途」を示す用途情報を顔情報に対応付けて、認証用情報として登録する。本実施形態の登録部474によれば、許可レベルに応じた用途情報を顔情報に対応付けることが可能であるため、セキュリティの堅牢性を維持することができる。特に、所定基準より低い許可レベル(「許可レベル1」)が対応付けられた顔情報に「一時用途」を示す用途情報を対応付けることで認証用情報に制限を加え、セキュリティの堅牢性を維持することができる。
【0056】
認証部475は、第3取得部473によって取得された顔画像G1と、認証用情報とに基づいて、人H1による施設1への入場を許可するか否かを判定する顔認証を行う。具体的には、認証部475は、顔画像G1に対して人H1の顔部分を検出する顔検出処理を実行して顔部分を抽出する。例えば、認証部475は、顔画像G1に対して画像処理(パターン認識処理)を行うことで顔部分を抽出する。本開示でいう「パターン認識処理」とは、ある画像に含まれる物(被写体)の画像の形状に基づいて、その物が何であるのかを認識する画像処理を意味する。この種のパターン認識処理の一例として、パターンマッチング処理、機械学習で作成された学習済みモデルを用いて画像に映る物を認識する処理等がある。
【0057】
そして、顔画像G1から顔部分が抽出された場合、認証部475は、抽出された顔部分と、記憶部46に記憶されている認証用情報(テンプレートデータ)と照合(マッチング処理)する。認証部475は、記憶部46に記憶されている認証用情報のうちに、抽出された顔部分との類似度が閾値以上の認証用情報があった場合、人H1による施設1への入場を許可する。一方で、認証部475は、記憶部46に記憶されている認証用情報のうちに、抽出された顔部分との類似度が閾値以上の認証用情報がなかった場合、人H1による施設1への入場を許可しない。
【0058】
本実施形態の認証部475は、属性毎に顔情報に複数の許可レベルが対応付けられている場合、第3取得部473によって取得された顔画像G1に基づいて、複数の許可レベルのうちから一の許可レベルを決定する。そして、認証部475は、決定した一の許可レベルが対応付けられた顔情報(認証用情報)を用いて、顔認証を行う。
【0059】
具体的には、本実施形態の認証部475は、顔認証を行う際、顔画像G1に対して顔検出処理を実行して顔部分を抽出した後に、顔部分の少なくとも一部が遮蔽物によって遮蔽されているか否かを判断する。認証部475は、顔部分に対してパターン認識処理を行うことで、顔部分の少なくとも一部が遮蔽物によって遮蔽されているか否かの判断を行う。
【0060】
本実施形態の認証部475は、第3取得部473によって取得された顔画像G1が、人H1の顔の少なくとも一部が遮蔽されている画像である場合に、人H1の顔の一部が遮蔽された状態であっても施設1への入場が許可される許可レベル(「許可レベル1」)を一の許可レベルとして決定する。
【0061】
認証部475は、「許可レベル1」を一の許可レベルとして決定した場合、例えば「許可レベル1」が対応付けられている認証用情報と、抽出した顔部部分との類似度を求める。認証部475は、「許可レベル1」が対応付けられている認証用情報のうちに抽出された顔部分との類似度が閾値以上の認証用情報があった場合、人H1による施設1への入場を許可する。一方で、認証部475は、「許可レベル1」が対応付けられている認証用情報のうちに、抽出された顔部分との類似度が閾値以上の認証用情報がなかった場合、人H1による施設1への入場を許可しない。
【0062】
一方で、認証部475は、「許可レベル1」を一の許可レベルとして決定した場合、例えば「許可レベル2」等の「許可レベル1」以外の許可レベルが対応付けられている認証用情報と、抽出した顔部部分との類似度を求めない。
【0063】
本実施形態の認証部475によれば第3取得部473によって取得された顔画像G1に基づく一の許可レベルが対応付けられた顔情報を用いて顔認証を行う。したがって、例えば、人H1の顔の一部が遮蔽されている場合に、「許可レベル2」が対応付けられている顔情報を用いた顔認証を行わないことで、認証部475の処理負担を低減することができる。
【0064】
(2.2.2)住戸親機
図1に示すように、住戸親機6は、住戸12の室内空間に設置されている。
【0065】
図4に示すように、本実施形態の住戸親機6は、通信部61と、通話部62と、表示部63と、操作部64と、記憶部65と、制御部66と、を備える。
【0066】
通信部61は、ロビーインターホン4と、住戸子機7と、管理室機8と通信可能に構成されている。具体的には、通信部61は、制御装置5を介して、ロビーインターホン4及び管理室機8と通信可能である。通信部61は、住人が所持するスマートフォン、タブレット、又は、パーソナルコンピュータ等の情報端末と通信可能に構成されていてもよい。本実施形態の通信部61は、ロビーインターホン4から、ロビーインターホン4の撮像部42が撮像した顔画像G1を受信する。
【0067】
通話部62は、スピーカ及びマイクロホンを含んでいる。本実施形態の通話部62は、ロビーインターホン4、住戸子機7、及び管理室機8との間で通話可能に構成されている。
【0068】
表示部63は、例えば、液晶ディスプレイである。例えば、表示部63は、ロビーインターホン4の撮像部42が撮像した顔画像G1等を表示するように構成されている。なお、本実施形態の住戸親機6はタッチパネルディスプレイを備えており、タッチパネルディスプレイが表示部63と操作部64の少なくとも一部とを兼ねている。
【0069】
操作部64は、住人の操作を受け付けるように構成されている。操作部64は、例えば、複数の押ボタンスイッチ、及びタッチパネル等を有する入力インタフェースである。
【0070】
記憶部65は、HDD、SSD、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。本実施形態の記憶部65は、ロビーインターホン4から受信した顔画像G1を記憶している。記憶部65は、例えば、ロビーインターホン4から受信した顔画像G1のうち、人H1がロビーインターホン4の操作部45を操作している際の例えば数秒間の顔画像G1を記憶している。
【0071】
制御部66は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。制御部66では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御部66の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0072】
本実施形態の制御部66は、選択部661と、品質判定部662と、報知部663と、を有する。
【0073】
選択部661は、ロビーインターホン4の登録部474に認証用情報として登録させる顔画像G1(顔情報)、顔情報に対応付ける属性及び用途を、施設1の住人又は管理人等のユーザに選択させる。言い換えると、ユーザは、住戸親機6を操作することで、認証用情報として登録させる顔情報、顔情報に対応付ける属性及び用途を選択することができる。
【0074】
例えば、ユーザは、表示部63又は操作部64に対して所定の操作を行うことで、記憶部65に記憶されている顔画像G1のうちから、認証用情報として登録する顔画像G1を選択することができる。そして、
図5及び
図6に示すように、本実施形態の選択部661は、顔情報に対応付ける属性及び用途をユーザに選択させるための選択画面D1を表示部63に表示させる。なお、
図5及び
図6は、表示部63に表示される選択画面D1の具体例を示しており、領域を示す一点鎖線及び参照符号は説明のために表記しているに過ぎず、実際には、これらの一点鎖線及び参照符号は表示部63に表示されない。
【0075】
選択画面D1は、第1領域R1と、第2領域R2と、を含んでいる。第1領域R1は、人H1の顔の画像を含む顔画像G1が表示される領域である。また、第2領域R2は、プルダウンメニューM1と、プルダウンメニューM2と、決定ボタンB1と、を表示させる領域である。第1領域R1は、第2領域R2の上方に配置されている。
【0076】
プルダウンメニューM1は、顔情報に対応付ける属性をユーザに選択させるためのメニューである。ユーザにプルダウンメニューM1が操作されることにより、選択画面D1には、顔情報に対応付ける属性の複数の候補が表示される。属性の複数の候補は、「住人」、「定期的な来訪者」、及び「不定期の来訪者」を含む。ユーザは、選択画面D1に表示された属性の複数の候補のうちから、顔情報に対応付ける属性を選択することができる。
【0077】
プルダウンメニューM2は、顔情報に対応付ける用途をユーザに選択させるためのメニューである。ユーザにプルダウンメニューM2が操作されることにより、選択画面D1には、顔情報に対応付ける用途の複数の候補が表示される。用途の複数の候補は、「一時用途」及び「定常用途」を含む。ユーザは、選択画面D1に表示された用途の複数の候補のうちから、顔情報に対応付ける用途を選択することができる。
【0078】
決定ボタンB1は、顔情報に対応付ける属性及び用途を決定するためのボタンである。選択部661は、ユーザによって決定ボタンB1が操作されることにより、顔情報に対応付ける属性及び用途を決定する。そして、選択部661は、通信部61を介して、ユーザによって選択された顔画像G1に基づく顔情報と、ユーザによって選択された属性及び用途を示す属性情報及び用途情報と、をロビーインターホン4に送信する。
【0079】
図6に示すように、顔画像G1の顔部分の一部がマスク等の遮蔽物で遮蔽されている場合、本実施形態の選択部661は、顔情報に対応付ける用途として「定常用途」を選択できないようにする。例えば、選択部661は、プルダウンメニューM2における用途の複数の候補として「定常用途」を表示させないようにする、又は、「定常用途」の表示をグレーアウト表示にする。なお、顔画像G1の顔部分の一部がマスク等の遮蔽物で遮蔽されているか否かの判定は、品質判定部662が行う。
【0080】
品質判定部662は、ユーザが選択した顔画像G1が、認証用情報として登録される顔情報の基として相応しいか否かを判定する。例えば品質判定部662は、顔画像G1に対してパターン認識処理を行い、顔画像G1から顔部分の抽出を行う。さらに、品質判定部662は、顔部分の向き、大きさが顔情報の基として相応しいか否か、及び、顔部分の一部が遮蔽物によって遮蔽されているか否か等を判断する。品質判定部662によって、顔情報の基として相応しくないと判定された顔画像G1は、顔情報の基として用いることができない。
【0081】
なお本実施形態の登録システム3においては、顔画像G1の顔部分のうち遮蔽物によって遮蔽されていると品質判定部662に判定された部分は、ロビーインターホン4の認証部475が顔認証を行う際に、顔画像G1との比較対象とならない。
図6の例では、顔部分のうちのドットハッチングを付した部分は、遮蔽物によって遮蔽された部分であると品質判定部662によって判定されている。例えば、ロビーインターホン4の登録部474は、顔画像G1の顔部分のうち、ドットハッチングが付されていない部分のみを、認証用情報として登録する顔情報として用いる。
【0082】
報知部663は、ロビーインターホン4の登録部474が顔情報を認証用情報として登録する前に、許可レベルに関する報知を行う。例えば、報知部663は、顔画像G1の顔部分の一部が遮蔽物で遮蔽されていると品質判定部662によって判定された場合に、顔部分の一部が遮蔽物で遮蔽されているため、「許可レベル2」を対応付けることができない旨を報知する。具体的には、報知部663は、「顔の一部が遮蔽物で遮蔽されているため、「許可レベル2」を対応付けることができません」、又は、「顔の一部が遮蔽物で遮蔽されているため、「定常用途」を対応付けることができません」といったメッセージを選択画面D1に表示させる。なお、報知部663は、スピーカ等を用いて報知を行ってもよい。住戸親機6が報知部663を備えることで、ユーザは、ロビーインターホン4の登録部474が顔情報を認証用情報として登録する前に、許可レベルに関する通知を受けることができる。
【0083】
(3)動作
次に、
図7~
図9を参照して本実施形態に係る登録システム3の動作について説明する。
【0084】
図7は、本実施形態の登録システム3の動作を示すシーケンス図である。施設1の住戸12の住人等のユーザが住戸親機6に所定の操作を行うと、住戸親機6は、顔画像G1に基づく顔情報を認証用情報として登録するための操作を受け付ける(S1:登録操作受付処理)。住戸親機6は、受け付けた操作に基づいてユーザによって選択された顔画像G1に基づく顔情報、ユーザによって選択された属性を示す属性情報、及び、ユーザによって選択された用途を示す用途情報を、ロビーインターホン4に送信する(S2)。ロビーインターホン4は、顔情報、属性情報、及び用途情報を受信すると、これらの情報に基づいて許可レベルを顔情報に対応付けて認証用情報として登録する(S3:登録処理)。
【0085】
なお、
図7に示すシーケンス図は、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0086】
次に、本実施形態の住戸親機6の動作について、
図8を参照して説明する。
図8は、住戸親機6の動作を示すフローチャートであり、
図7のステップS1の登録操作受付処理に対応している。
【0087】
まず、住戸親機6(選択部661)は、ユーザによる顔画像G1の選択を受け付ける(S11)。次に、住戸親機6(品質判定部662)は、ユーザによって選択された顔画像G1に対して品質判定を行い、顔画像G1の顔部分の一部を遮蔽する遮蔽物があるか否かを判定する。(S12)。
【0088】
住戸親機6(品質判定部662)が顔画像G1に遮蔽物がないと判定した場合(S12:No)、処理はステップS15に進む。一方で、住戸親機6が顔画像G1に遮蔽物があると判定した場合(S12:Yes)、住戸親機6(選択部661)は、顔情報に対応付けることができる用途のうちから「定常用途」を除外する(S13)。さらに、本実施形態の住戸親機6(報知部663)は、報知処理として、顔情報に「許可レベル2」を対応付けることができない旨を報知する(S14)。
【0089】
次に、住戸親機6(選択部661)は、ユーザによって決定ボタンB1(
図5参照)が操作されたか否かを判定する(S15)。ユーザによって決定ボタンB1が操作されていない場合(S15:No)、住戸親機6は、選択画面D1を表示部63に表示させたままステップS15の処理を繰り返す。一方で、ユーザによって決定ボタンB1が操作されている場合(S15:Yes)、住戸親機6は、ユーザによって選択された顔画像G1に基づく顔情報と、ユーザによって選択された属性及び用途に関する属性情報及び用途情報とを、ロビーインターホン4に送信する(S16)。そして、住戸親機6は、登録操作受付処理(
図7中のS1)を終了する。
【0090】
なお、
図8に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0091】
次に、本実施形態のロビーインターホン4の動作について、
図9を参照して説明する。
図9は、ロビーインターホン4の動作を示すフローチャートであり、
図7のステップS3の登録処理に対応している。
【0092】
まず、ロビーインターホン4(第1取得部471及び第2取得部472)は、住戸親機6から顔情報、属性情報及び用途情報を取得(受信)する(S21)。次に、ロビーインターホン4(登録部474)は、属性情報を確認する(S22)。
【0093】
ロビーインターホン4(登録部474)は、属性情報を確認して、属性が「来訪者」(「定期的な来訪者」又は「不定期の来訪者」)であるか否かを確認する(S23)。属性が「来訪者」である場合(S23:Yes)、ロビーインターホン4は、顔情報に、「許可レベル1」(人H1の顔の一部が遮蔽された状態であっても施設1への入場が許可される許可レベル)を対応付ける(S24)。そして、ロビーインターホン4は、顔情報に、ユーザによって選択された属性及び用途を示す属性情報及び用途情報と、許可レベルとを対応付けて、顔情報を認証用情報として登録する(記憶部46に記憶させる)(S27)。そして、ロビーインターホン4は、登録処理を終了する。
【0094】
一方、ステップS23の処理において、属性が「来訪者」でない場合(S23:No)、ロビーインターホン4(登録部474)は、受信した用途情報を確認して、用途が「一時用途」か否かを確認する(S25)。そして、用途が「一時用途」である場合(S25:Yes)、処理はステップS24以降に進む。用途が「一時用途」でない場合(S25:No)、ロビーインターホン4(登録部474)は、顔情報に、「許可レベル2」を対応付ける(S26)。そして、処理はステップS27に進む。
【0095】
なお、
図9に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0096】
(4)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0097】
また、上記実施形態に係る登録システム3と同等の機能は、登録方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る登録方法は、施設1への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録方法である。登録方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、登録ステップと、を有する。第1取得ステップでは、人H1の顔を含む顔画像G1に基づく顔情報を取得する。第2取得ステップでは、施設1における人H1の属性に関する属性情報を取得する。登録ステップでは、人H1の属性に基づく許可レベルを顔情報に対応付けて、顔情報を施設1への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する。一態様に係るプログラムは、上記の登録方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0098】
本開示における登録システム3又は登録方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における登録システム3又は登録方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1又は複数の電子回路で構成される。
【0099】
ロビーインターホン4の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは登録システム3に必須の構成ではなく、ロビーインターホン4の少なくとも一部の機能は複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、ロビーインターホン4の少なくとも一部の機能は、住戸親機6、管理室機8又はサーバ等に設けられていてもよい。
【0100】
住戸親機6の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは登録システム3に必須の構成ではなく、住戸親機6の少なくとも一部の機能は複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、住戸親機6の少なくとも一部の機能は、ロビーインターホン4、管理室機8、又はサーバに設けられていてもよい。
【0101】
反対に、上記実施形態において、複数の装置に分散されている登録システム3の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、ロビーインターホン4と住戸親機6とに分散されている登録システム3の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0102】
撮像部42とは別の撮像部が顔画像G1を撮像してもよい。第3取得部473は、顔画像G1を、撮像部42とは別の撮像部が生撮像した顔画像G1を取得してもよい。別の撮像部は、例えば、ロビー11に設置されてロビー11に訪れる人H1を撮像する監視カメラ等である。
【0103】
上記実施形態では、許可レベルが「許可レベル1」及び「許可レベル2」の2つの許可レベルを含む場合を例示したが、許可レベルは、3以上の許可レベルがあってもよい。
【0104】
認証部475は、認証用情報に対応付けられている許可レベルに応じて、顔認証の際の閾値を異ならせてもよい。例えば、「許可レベル1」が対応付けられている認証用情報と顔部分との類似度の閾値は、「許可レベル2」が対応付けられている認証用情報と顔部分との類似度の閾値より低い値であってもよい。
【0105】
認証部475は、第3取得部473によって取得された顔画像G1が、人H1の顔の全体が遮蔽されている画像である場合、許可レベルを決定することなく、人H1による施設1への入場を許可しないようにしてもよい。
【0106】
上記実施形態では、属性情報が「来訪者」を示す情報である場合に、登録部474が「許可レベル1」を対応付けて顔情報を登録する場合を例示した。しかし、登録部474は、属性情報が「定期的な来訪者」を示す情報である場合、「許可レベル2」を対応付けてもよい。
【0107】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る登録システム(3)は、施設(1)への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録システム(3)である。登録システム(3)は、第1取得部(471)と、第2取得部(472)と、登録部(474)と、を備える。第1取得部(471)は、人(H1)の顔を含む顔画像(G1)に基づく顔情報を取得する。第2取得部(472)は、施設(1)における人(H1)の属性に関する属性情報を取得する。登録部(474)は、人(H1)の属性に基づく許可レベルを顔情報に対応付けて、顔情報を施設(1)への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する。
【0108】
この態様によれば、人(H1)の属性に基づく許可レベルを顔情報に対応付けて認証用情報として登録することができる。例えば、人(H1)の属性が「来訪者」である場合に、人(H1)の顔の一部がマスク等の遮蔽物によって遮蔽された状態であっても施設(1)への入場が許可される許可レベルを、来訪者の顔情報に対応付けて認証用情報として登録する。したがって、例えば施設(1)の来訪者の認証用情報を登録する際に、来訪者がマスク等の遮蔽物を取り外す必要がないため、認証用情報の登録を容易にすることができる。
【0109】
第2の態様に係る登録システム(3)では、第1の態様において、許可レベルは複数ある。登録部(474)は、人(H1)の属性毎に顔情報に複数の許可レベルを対応づけることが可能である。
【0110】
この態様によれば、人(H1)の属性毎に顔情報に複数の許可レベルを対応付けることが可能であるため、施設(1)を利用する人(H1)にとっての利便性を向上させることができる。
【0111】
第3の態様に係る登録システム(3)では、第1又は第2の態様において、登録部(474)は、許可レベルに応じた用途を示す用途情報を顔情報に対応付ける。
【0112】
この態様によれば、許可レベルに応じた用途情報を顔情報に対応付けることが可能であるため、セキュリティの堅牢性を維持することができる。
【0113】
第4の態様に係る登録システム(3)では、第3の態様において、用途は、一時用途及び定常用途の少なくとも一方を含む。
【0114】
この態様によれば、例えば所定基準より低い許可レベルが対応付けられた顔情報に「一時用途」を示す用途情報を対応付けることで認証用情報に制限を加え、セキュリティの堅牢性を維持することができる。
【0115】
第5の態様に係る登録システム(3)では、第1から第4のいずれかの態様において、登録部(474)は、人(H1)の属性が施設(1)の来訪者である場合、人(H1)の顔の一部が遮蔽された状態であっても施設(1)への入場が許可される許可レベルにて、顔情報を認証用情報として登録する。
【0116】
この態様によれば、来訪者の認証用情報を登録する際に、来訪者がマスク等の遮蔽物を取り外す必要がないため、認証用情報の登録を容易にすることができる。
【0117】
第6の態様に係る登録システム(3)では、第1から第5のいずれかの態様において、第2取得部(472)は、施設(1)内に設けられた情報端末から属性情報を取得する。
【0118】
この態様によれば、第2取得部(472)が施設(1)内に設けられた情報端末から属性情報を取得するため、例えば情報端末が住戸親機である場合に、登録システム(3)は、例えば施設(1)の住人が選択した(顔情報に対応付けた)属性情報を取得することができる。
【0119】
第7の態様に係る登録システム(3)では、第1から第6のいずれかの態様において、第1取得部(471)は、施設(1)内に設けられた情報端末を介して顔情報を取得する。
【0120】
この態様によれば、第1取得部(471)が施設(1)内に設けられた情報端末を介して顔情報を取得するため、例えば情報端末が住戸親機である場合に、登録システム(3)は、例えば施設(1)の住人が選択した顔情報を取得することができる。
【0121】
第8の態様に係る登録システム(3)は、第1から第7のいずれかの態様において、報知部(663)を更に備える。報知部(663)は、登録部(474)が顔情報を認証用情報として登録する前に、許可レベルに関する報知を行う。
【0122】
この態様によれば、ユーザは、登録部(474)が顔情報を認証用情報として登録する前に、許可レベルに関する通知を受けることができる。
【0123】
第9の態様に係る登録システム(3)は、第2の態様において、第3取得部(473)と、認証部(475)と、を更に備える。第3取得部(473)は、顔画像(G1)を取得する。認証部(475)は、第3取得部(473)によって取得された顔画像(G1)と、認証用情報とに基づいて、人(H1)による施設(1)への入場を許可するか否かを判定する。認証部(475)は、属性毎に顔情報に複数の許可レベルが対応付けられている場合、第3取得部(473)によって取得された顔画像(G1)に基づいて、複数の許可レベルのうちから一の許可レベルを決定し、一の許可レベルが対応付けられた顔情報を用いて顔認証を行う。
【0124】
この態様によれば、例えば、人(H1)の顔の一部が遮蔽されている場合に、人(H1)の顔の一部が遮蔽された状態では施設(1)への入場を許可しない許可レベルが対応付けられている顔情報を用いた顔認証を行わないことで、認証部(475)の処理負担を低減することができる。
【0125】
第10の態様に係る登録システム(3)では、第9の態様において、認証部(475)は、第3取得部(473)によって取得された顔画像(G1)が、人(H1)の顔の少なくとも一部が遮蔽されている画像である場合に、人(H1)の顔の一部が遮蔽された状態であっても施設(1)への入場が許可される許可レベルを一の許可レベルとして決定する。
【0126】
この態様によれば、人(H1)の顔の一部が遮蔽されている場合に、人(H1)の顔の一部が遮蔽された状態であっても施設(1)への入場を許可する許可レベルが対応付けられている顔情報を用いた顔認証を行うことで、認証部(475)の処理負担を低減することができる。
【0127】
第11の態様に係る登録システム(3)では、第2の態様において、人(H1)の属性に応じて、登録部(474)が顔情報に対応付けることができる許可レベルの数が異なる。
【0128】
この態様によれば、人(H1)の属性に応じて、登録部(474)が顔情報に対応付けることができる許可レベルの数が異なるため、各属性に適した態様で認証用情報を登録することができる。
【0129】
第1の態様以外の構成については、登録システム(3)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0130】
第12の態様に係る登録方法は、施設(1)への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報を登録する登録方法である。登録方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、登録ステップと、を有する。第1取得ステップでは、人(H1)の顔を含む顔画像(G1)に基づく顔情報を取得する。第2取得ステップでは、施設(1)における人(H1)の属性に関する属性情報を取得する。登録ステップでは、人(H1)の属性に基づく許可レベルを顔情報に対応付けて、顔情報を施設(1)への入場を許可するか否かを判定するための認証用情報として登録する。
【0131】
この態様によれば、人(H1)の属性に基づく許可レベルを顔情報に対応付けて認証用情報として登録することができる。例えば、人(H1)の属性が「来訪者」である場合に、人(H1)の顔の一部がマスク等の遮蔽物によって遮蔽された状態であっても施設(1)への入場が許可される許可レベルを、来訪者の顔情報に対応付けて認証用情報として登録する。したがって、例えば施設(1)の来訪者の認証用情報を登録する際に、来訪者がマスク等の遮蔽物を取り外す必要がないため、認証用情報の登録を容易にすることができる。
【0132】
第13の態様に係るプログラムは、第12の態様に係る登録方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、プログラムである。
【0133】
この態様によれば、人(H1)の属性に基づく許可レベルを顔情報に対応付けて認証用情報として登録することができる。例えば、人(H1)の属性が「来訪者」である場合に、人(H1)の顔の一部がマスク等の遮蔽物によって遮蔽された状態であっても施設(1)への入場が許可される許可レベルを、来訪者の顔情報に対応付けて認証用情報として登録する。したがって、例えば施設(1)の来訪者の認証用情報を登録する際に、来訪者がマスク等の遮蔽物を取り外す必要がないため、認証用情報の登録を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0134】
1 施設
3 登録システム
471 第1取得部
472 第2取得部
473 第3取得部
474 登録部
475 認証部
663 報知部
G1 顔画像
H1 人