(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181004
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】配線基板及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20231214BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20231214BHJP
H01Q 1/44 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 B
H01Q1/38
H01Q1/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094724
(22)【出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】飯村 慶太
(72)【発明者】
【氏名】飯岡 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】武 誠司
【テーマコード(参考)】
5E338
5J046
【Fターム(参考)】
5E338AA01
5E338AA16
5E338CC01
5E338CC05
5E338CD15
5E338CD24
5E338EE60
5J046AB06
5J046AB15
5J046PA07
5J046SA00
(57)【要約】
【課題】メッシュ配線層の電気特性の低下を抑制しつつ、メッシュ配線層の外周に位置する配線の存在を視認しにくくすることが可能な、配線基板及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】配線基板10は、透明性を有する基板11と、メッシュ配線層20と、を備え、メッシュ配線層20は、複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とを含む。メッシュ配線層20が配置された領域の外周を仮想外周線20Sとしたとき、仮想外周線20Sの一部において、各第1方向配線21の端部21eと各第2方向配線22の端部22eとが、それぞれ端部連結配線25によって連結されている。第3方向における仮想外周線の一辺の全長をLaとし、全長Laに含まれる端部連結配線25の両端25e、25e間の合計長さをLpとしたとき、0.1La≦Lp≦0.5Laという関係が成り立つ。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明性を有する基板と、
前記基板上に配置された導電性を有するメッシュ配線層と、を備え、
前記メッシュ配線層は、複数の第1方向配線と複数の第2方向配線とを含み、
前記複数の第1方向配線は、それぞれ第1方向に平行であり、
前記複数の第2方向配線は、それぞれ第2方向に平行であり、
前記メッシュ配線層が配置された領域の外周を仮想外周線としたとき、前記仮想外周線は、複数の直線状の辺から構成され、前記仮想外周線は閉じた図形を形成し、
前記仮想外周線の少なくとも一部は、第3方向に沿って延び、
前記第1方向及び前記第2方向は、それぞれ前記第3方向に対して非平行であり、
前記仮想外周線の一部において、各第1方向配線の端部と各第2方向配線の端部とが、それぞれ端部連結配線によって連結され、
前記第3方向における前記仮想外周線の一辺の全長をLaとし、前記全長Laに含まれる前記端部連結配線の両端間の合計長さをLpとしたとき、
0.1La≦Lp≦0.5La
という関係が成り立つ、配線基板。
【請求項2】
前記第3方向に沿って、複数の前記端部連結配線が点線状に配置される、請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記端部連結配線は、直線状に延びる、請求項1に記載の配線基板。
【請求項4】
前記端部連結配線は、折れ線形状又は曲線形状を有する、請求項1に記載の配線基板。
【請求項5】
前記端部連結配線の線幅は、前記第1方向配線の線幅及び前記第2方向配線の線幅よりも細い、請求項1に記載の配線基板。
【請求項6】
前記複数の第1方向配線のピッチ及び前記複数の第2方向配線のピッチは、それぞれ0.01mm以上1mm以下である、請求項1に記載の配線基板。
【請求項7】
前記第1方向配線の線幅及び前記第2方向配線の線幅は、それぞれ0.1μm以上5.0μm以下である、請求項1に記載の配線基板。
【請求項8】
前記メッシュ配線層の周囲に、前記メッシュ配線層から電気的に独立したダミー配線層が設けられている、請求項1に記載の配線基板。
【請求項9】
前記メッシュ配線層は、ミリ波用アンテナとして機能する、請求項1に記載の配線基板。
【請求項10】
透明性を有する基板と、
前記基板上に配置された導電性を有するメッシュ配線層と、を備え、
前記メッシュ配線層は、規則的に配置された複数の閉図形を含み、
各閉図形は、2以上の方向の配線によって取り囲まれており、
前記メッシュ配線層の外周に位置する前記閉図形は、前記メッシュ配線層の外周以外に位置する前記閉図形の一部又は全体を拡大又は縮小した形状を有する、配線基板。
【請求項11】
前記メッシュ配線層の外周側から数えて2個乃至5個の前記閉図形が、前記メッシュ配線層の外周以外に位置する前記閉図形の全体を拡大又は縮小した形状を有する、請求項10に記載の配線基板。
【請求項12】
前記閉図形は、多角形である、請求項10に記載の配線基板。
【請求項13】
前記配線の線幅は、それぞれ0.1μm以上5.0μm以下である、請求項10に記載の配線基板。
【請求項14】
前記メッシュ配線層の周囲に、前記メッシュ配線層から電気的に独立したダミー配線層が設けられている、請求項10に記載の配線基板。
【請求項15】
前記メッシュ配線層は、ミリ波用アンテナとして機能する、請求項10に記載の配線基板。
【請求項16】
透明性を有する基板と、
前記基板上に配置された導電性を有するメッシュ配線層と、を備え、
前記メッシュ配線層は、不規則に配置された複数の閉図形を含み、
各閉図形は、2以上の方向の配線によって取り囲まれており、
前記メッシュ配線層の外周に位置する前記閉図形は、前記メッシュ配線層の外周よりも内側に位置する、配線基板。
【請求項17】
前記配線の線幅は、それぞれ0.1μm以上5.0μm以下である、請求項16に記載の配線基板。
【請求項18】
前記メッシュ配線層の周囲に、前記メッシュ配線層から電気的に独立したダミー配線層が設けられている、請求項16に記載の配線基板。
【請求項19】
前記メッシュ配線層は、ミリ波用アンテナとして機能する、請求項16に記載の配線基板。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか一項に記載の配線基板と、
前記配線基板に積層された表示装置と、を備えた、画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施の形態は、配線基板及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、スマートフォン、タブレット等の携帯端末機器の高機能、小型化、薄型化および軽量化が進んでいる。これら携帯端末機器は、複数の通信帯域を使用するため、通信帯域に応じた複数のアンテナが必要とされる。例えば、携帯端末機器には、電話用アンテナ、WiFi(Wireless Fidelity)用アンテナ、3G(Generation)用アンテナ、4G(Generation)用アンテナ、LTE(Long Term Evolution)用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC(Near Field Communication)用アンテナ等の複数のアンテナが搭載されている。しかしながら、携帯端末機器の小型化に伴い、アンテナの搭載スペースは限られており、アンテナ設計の自由度は狭まっている。また、限られたスペース内にアンテナを内蔵していることから、電波感度が必ずしも満足できるものではない。
【0003】
このため、携帯端末機器の表示領域に搭載できるフィルムアンテナが開発されている。このフィルムアンテナは、透明基材上にアンテナパターンが形成された透明アンテナにおいて、アンテナパターンが、不透明な導電体層の形成部としての導体部と非形成部としての多数の開口部とによるメッシュ状の導電体メッシュ層によって形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、導電体メッシュ層の外周形状と配線のピッチの関係によっては、導電体メッシュ層の外周に位置する配線が途中で切断されることが考えられる。この場合、導電体メッシュ層の外周において、例えばアンテナとしての電気特性が低下するおそれがある。これに対して、導電体メッシュ層の外周に境界線としての配線を設けることが考えられる(例えば特許文献1参照)。この場合、例えばアンテナとしての電気特性は保たれるが、導電体メッシュ層の外周に位置する配線が目立ち、視認しやすくなるおそれがある。
【0006】
本実施の形態は、メッシュ配線層の電気特性の低下を抑制しつつ、メッシュ配線層の外周に位置する配線の存在を視認しにくくすることが可能な、配線基板及び画像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施の形態は、以下の[1]~[20]に関する。
【0008】
[1]透明性を有する基板と、前記基板上に配置された導電性を有するメッシュ配線層と、を備え、前記メッシュ配線層は、複数の第1方向配線と複数の第2方向配線とを含み、前記複数の第1方向配線は、それぞれ第1方向に平行であり、前記複数の第2方向配線は、それぞれ第2方向に平行であり、前記メッシュ配線層が配置された領域の外周を仮想外周線としたとき、前記仮想外周線は、複数の直線状の辺から構成され、前記仮想外周線は閉じた図形を形成し、前記仮想外周線の少なくとも一部は、第3方向に沿って延び、前記第1方向及び前記第2方向は、それぞれ前記第3方向に対して非平行であり、前記仮想外周線の一部において、各第1方向配線の端部と各第2方向配線の端部とが、それぞれ端部連結配線によって連結され、前記第3方向における前記仮想外周線の一辺の全長をLaとし、前記全長Laに含まれる前記端部連結配線の両端間の合計長さをLpとしたとき、0.1La≦Lp≦0.5Laという関係が成り立つ、配線基板。
【0009】
[2]前記第3方向に沿って、複数の前記端部連結配線が点線状に配置される、[1]に記載の配線基板。
【0010】
[3]前記端部連結配線は、直線状に延びる、[1]又は[2]に記載の配線基板。
【0011】
[4]前記端部連結配線は、折れ線形状又は曲線形状を有する、[1]又は[2]に記載の配線基板。
【0012】
[5]前記端部連結配線の線幅は、前記第1方向配線の線幅及び前記第2方向配線の線幅よりも細い、[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の配線基板。
【0013】
[6]前記複数の第1方向配線のピッチ及び前記複数の第2方向配線のピッチは、それぞれ0.01mm以上1mm以下である、[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の配線基板。
【0014】
[7]前記第1方向配線の線幅及び前記第2方向配線の線幅は、それぞれ0.1μm以上5.0μm以下である、[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の配線基板。
【0015】
[8]前記メッシュ配線層の周囲に、前記メッシュ配線層から電気的に独立したダミー配線層が設けられている、[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の配線基板。
【0016】
[9]前記メッシュ配線層は、ミリ波用アンテナとして機能する、[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の配線基板。
【0017】
[10]透明性を有する基板と、前記基板上に配置された導電性を有するメッシュ配線層と、を備え、前記メッシュ配線層は、規則的に配置された複数の閉図形を含み、各閉図形は、2以上の方向の配線によって取り囲まれており、前記メッシュ配線層の外周に位置する前記閉図形は、前記メッシュ配線層の外周以外に位置する前記閉図形の一部又は全体を拡大又は縮小した形状を有する、配線基板。
【0018】
[11]前記メッシュ配線層の外周側から数えて2個乃至5個の前記閉図形が、前記メッシュ配線層の外周以外に位置する前記閉図形の全体を拡大又は縮小した形状を有する、[10]に記載の配線基板。
【0019】
[12]前記閉図形は、多角形である、[10]又は[11]に記載の配線基板。
【0020】
[13]前記配線の線幅は、それぞれ0.1μm以上5.0μm以下である、[10]乃至[12]のいずれか一つに記載の配線基板。
【0021】
[14]前記メッシュ配線層の周囲に、前記メッシュ配線層から電気的に独立したダミー配線層が設けられている、[10]乃至[13]のいずれか一つに記載の配線基板。
【0022】
[15]前記メッシュ配線層は、ミリ波用アンテナとして機能する、[10]乃至[14]のいずれか一つに記載の配線基板。
【0023】
[16]透明性を有する基板と、前記基板上に配置された導電性を有するメッシュ配線層と、を備え、前記メッシュ配線層は、不規則に配置された複数の閉図形を含み、各閉図形は、2以上の方向の配線によって取り囲まれており、前記メッシュ配線層の外周に位置する前記閉図形は、前記メッシュ配線層の外周よりも内側に位置する、配線基板。
【0024】
[17]前記配線の線幅は、それぞれ0.1μm以上5.0μm以下である、[16]に記載の配線基板。
【0025】
[18]前記メッシュ配線層の周囲に、前記メッシュ配線層から電気的に独立したダミー配線層が設けられている、[16]又は[17]に記載の配線基板。
【0026】
[19]前記メッシュ配線層は、ミリ波用アンテナとして機能する、[16]乃至[18]のいずれか一つに記載の配線基板。
【0027】
[20][1]乃至[19]のいずれか一つに記載の配線基板と、前記配線基板に積層された表示装置と、を備えた、画像表示装置。
【発明の効果】
【0028】
本開示の実施の形態によると、メッシュ配線層の電気特性の低下を抑制しつつ、メッシュ配線層の外周に位置する配線の存在を視認しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態による画像表示装置を示す平面図。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態による配線基板を示す平面図。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態による配線基板を示す断面図(
図3のIV-IV線断面図)。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態による配線基板を示す断面図(
図3のV-V線断面図)。
【
図6】
図6(a)-(f)は、第1の実施の形態による配線基板の製造方法を示す断面図。
【
図7】
図7は、第1の実施の形態の第1変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図8】
図8は、第1の実施の形態の第1変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態の第2変形例による配線基板を示す平面図。
【
図10】
図10は、第1の実施の形態の第2変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図(
図9のX部拡大図)。
【
図11】
図11は、第1の実施の形態の第3変形例による配線基板を示す平面図。
【
図12】
図12は、第1の実施の形態の第3変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図(
図11のXII部拡大図)。
【
図13】
図13は、第2の実施の形態によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図14】
図14は、第2の実施の形態の第1変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図15】
図15は、第2の実施の形態の第2変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図16】
図16は、第2の実施の形態の第3変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図17】
図17は、第2の実施の形態の第4変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図18】
図18は、第2の実施の形態の第4変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図19】
図19(a)(b)は、第2の実施の形態の第5変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図20】
図20(a)(b)は、第2の実施の形態の第6変形例によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【
図21】
図21は、第3の実施の形態によるメッシュ配線層の外周を示す拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1の実施の形態)
まず、
図1乃至
図6により、第1の実施の形態について説明する。
図1乃至
図6は第1の実施の形態を示す図である。
【0031】
以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されることなく、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈する。
【0032】
また、以下の実施の形態において、「X方向」とは、メッシュ配線層の長手方向に対して垂直な方向であり、メッシュ配線層の周波数帯に対応する長さの方向に対して垂直な方向である。「Y方向」とは、X方向に垂直かつメッシュ配線層の長手方向に対して平行な方向であり、メッシュ配線層の周波数帯に対応する長さの方向に対して平行な方向である。「Z方向」とは、X方向及びY方向の両方に垂直かつ配線基板の厚み方向に平行な方向である。また、「表面」とは、Z方向プラス側の面であって、基板に対してメッシュ配線層が設けられた面をいう。「裏面」とは、Z方向マイナス側の面であって、基板に対してメッシュ配線層が設けられた面と反対側の面をいう。なお、本実施の形態において、メッシュ配線層が、電波送受信機能(アンテナとしての機能)を有する場合を例にとって説明するが、メッシュ配線層20は電波送受信機能(アンテナとしての機能)を有さなくても良い。
【0033】
[配線基板の構成]
図1乃至
図5を参照して、本実施の形態による配線基板の構成について説明する。
図1乃至
図5は、本実施の形態による配線基板を示す図である。
【0034】
図1に示すように、本実施の形態による配線基板10は、例えば画像表示装置90の表示装置(ディスプレイ)91上に配置される。このような配線基板10は、透明性を有する基板11と、基板11上に配置された導電性を有するメッシュ配線層20と、を備えている。また、メッシュ配線層20には、給電部40が電気的に接続されている。
【0035】
図2に示すように、メッシュ配線層20は、複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とを含む。複数の第1方向配線21は、それぞれ第1方向D1に平行であり、複数の第2方向配線22は、それぞれ第2方向D2に平行である。メッシュ配線層20が配置された領域の外周を仮想外周線20Sとしたとき、仮想外周線20Sは、複数の直線状の辺20X1~20X4、20Y1~20Y4から構成される。仮想外周線20Sは閉じた図形を形成する。仮想外周線20Sの一部は、第3方向(X方向又はY方向)に沿って延びる。第1方向D1及び第2方向D2は、それぞれ第3方向(X方向又はY方向)に対して非平行である。仮想外周線20Sの一部において、各第1方向配線21の端部21eと各第2方向配線22の端部22eとが、それぞれ端部連結配線25によって連結されている。第3方向(X方向又はY方向)におけるメッシュ配線層20の仮想外周線の一辺の全長をLaとし、全長Laに含まれる端部連結配線25の両端間の合計長さをLpとする。このとき、0.1La≦Lp≦0.5Laという関係が成り立つ。
【0036】
基板11は、平面視で略長方形状である。基板11の長手方向はY方向に平行であり、基板11の短手方向はX方向に平行である。基板11は、透明性を有するとともに略平板状であり、その厚みは全体として略均一である。基板11の長手方向(Y方向)の長さL1は、例えば20mm以上300mm以下の範囲としても良く、100mm以上200mm以下の範囲としても良い。基板11の短手方向(X方向)の長さL2は、例えば2mm以上300mm以下の範囲としても良く、3mm以上100mm以下の範囲としても良い。また、基板11の短手方向(X方向)の長さL2は、例えば20mm以上500mm以下の範囲としても良く、50mm以上100mm以下の範囲としても良い。なお、基板11は、その角部がそれぞれ丸みを帯びていても良い。
【0037】
基板11の材料は、可視光線領域での透明性および電気絶縁性を有する材料である。本実施の形態において基板11の材料はポリエチレンテレフタレートであるが、これに限定されない。基板11の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、或いは、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、PTFE、PFA等のフッ素樹脂材料等の有機絶縁性材料を用いることが好ましい。また、基板11の材料としては、用途に応じてガラス、セラミックス等を適宜選択することもできる。なお、基板11は、単一の層によって構成された例を図示したが、これに限定されず、複数の基材又は層が積層された構造であってもよい。また、基板11はフィルム状であっても、板状であってもよい。基板11の厚さは特に制限はなく、用途に応じて適宜選択できる。一例として、基板11の厚みT
1(Z方向の長さ、
図4参照)は、例えば10μm以上200μm以下の範囲としても良い。
【0038】
基板11の誘電正接は、0.002以下であっても良く、0.001以下であることが好ましい。なお、基板11の誘電正接の下限は特にないが、0超としても良い。基板11の誘電正接が上記範囲であることにより、とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失を小さくできる。なお、基板11の誘電正接の下限は、特に限定されない。基板11の比誘電率は、特に制限はないが、2.0以上、10.0以下であっても良い。基板11の比誘電率が2.0以上であることにより、基板11の材料の選択肢を多くできる。また、基板11の比誘電率が10.0以下であることにより、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失を小さくできる。すなわち、基板11の比誘電率が大きくなった場合、基板11の厚みが電磁波の伝搬に与える影響が大きくなる。また、電磁波の伝搬に悪影響がある場合、基板11の誘電正接が大きくなり、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失が大きくなり得る。これに対して、基板11の比誘電率が10.0以下であることにより、基板11の厚みが電磁波の伝搬に与える影響を小さくできる。このため、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失を小さくできる。とりわけメッシュ配線層20が送受信する電磁波(例えばミリ波)が高周波である場合に、電磁波の送受信に伴う利得(感度)の損失を小さくできる。
【0039】
基板11の誘電正接は、IEC 62562に準拠して測定できる。具体的には、まず、メッシュ配線層20が形成されてない部分の基板11を切り出して試験片を準備する。または、メッシュ配線層20が形成された基板11を切り出し、エッチング等によりメッシュ配線層20を除去しても良い。試験片の寸法は、幅10mmから20mm、長さ50mmから100mmとする。次に、IEC 62562に準拠し、誘電正接を測定する。
【0040】
基板11は透明性を有する。本明細書中、透明性を有するとは、波長が400nm以上700nm以下の光線の透過率が85%以上であることを意味する。基板11の可視光線の透過率は85%以上であっても良く、90%以上であることが好ましい。基板11の可視光線の透過率の上限は特にないが、例えば100%以下としても良い。基板11の可視光線の透過率を上記範囲とすることにより、配線基板10の透明性を高め、配線基板10が組み込まれる画像表示装置のディスプレイを視認しやすくできる。なお、可視光線とは、波長が400nm以上700nm以下の光線のことをいう。また、可視光線の透過率が85%以上であるとは、公知の分光光度計(日本分光株式会社製の紫外可視赤外分光光度計:V-670)を用いて基板11に対して吸光度の測定を行った際、400nm以上700nm以下の全波長領域でその透過率が85%以上となることをいう。なお、配線基板10の所定領域の透過率についても、上記紫外可視赤外分光光度計「V-670」を用いて測定できる。メッシュ配線層20が存在する領域の透過率を測定する場合には、上記紫外可視赤外分光光度計の測定範囲(10mm×3mmの範囲)の全体にわたってメッシュ配線層20が含まれるように測定する。
【0041】
本実施の形態において、メッシュ配線層20は、アンテナとしての機能をもつアンテナパターンからなる。
図2において、メッシュ配線層20は、基板11上に1つ形成されている。このメッシュ配線層20は、所定の周波数帯に対応している。すなわち、メッシュ配線層20は、その長さ(Y方向の長さ)L
4が特定の周波数帯に対応した長さとなっている。なお、対応する周波数帯が低周波であるほどメッシュ配線層20の長さL
4が長くなる。配線基板10が例えば画像表示装置90の表示装置91(
図1参照)上に配置される場合、各メッシュ配線層20は、配線基板10が電波送受信機能を有していてもよい。メッシュ配線層20は、電話用アンテナ、WiFi用アンテナ、3G用アンテナ、4G用アンテナ、5G用アンテナ、LTE用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用アンテナ、NFC用アンテナ等のいずれかに対応していても良い。なお、基板11上に、複数のメッシュ配線層20が形成されていても良い。この場合、複数のメッシュ配線層20の長さが互いに異なり、それぞれ異なる周波数帯に対応しても良い。あるいは、配線基板10が電波送受信機能を有していない場合、各メッシュ配線層20は、例えばホバリング(使用者がディスプレイに直接触れなくても操作可能となる機能)、指紋認証、ヒーター、ノイズカット(シールド)等の機能を果たしても良い。
【0042】
メッシュ配線層20は、その長手方向がY方向に平行であり、その短手方向がX方向に平行である。このメッシュ配線層20の仮想外周線20Sは、8つの直線状の辺20X1~20X4、20Y1~20Y4によって構成されている。このうち辺20X1~20X4は、それぞれX方向に平行であり、辺20Y1~20Y4は、それぞれY方向に平行である。仮想外周線20Sは閉じた図形を形成する。本実施の形態において、仮想外周線20Sは、2つの互いに大きさの異なる長方形を接続した図形の外形を構成する。本明細書において、「第3方向」とは、仮想外周線20Sの一部が延びる方向である。本実施の形態の場合、「第3方向」とは、X方向又はY方向のいずれかを意味する。仮想外周線20Sの少なくとも一部は、第3方向に沿って延びている。具体的には、仮想外周線20Sの一部は、X方向に延び、他の一部はY方向に延びる。
【0043】
本明細書において、「仮想外周線20S」とは、マクロ的に見てメッシュ配線層20の外縁を構成する境界線をいう。また「仮想外周線20Sの一部」とは、仮想外周線20Sのうち、少なくとも一定以上(1mm以上)の長さをもつ領域をいう。例えば、8つの辺20X1~20X4、20Y1~20Y4は、それぞれが仮想外周線20Sの一部を構成する。なお、
図3に示すように、「仮想外周線20Sの一部」は、厳密な意味で境界線を構成する直線BL上に存在しなくても良く、境界線を構成する基準となる直線BLに直交する方向に対してそれぞれδ=10μm以内に位置する領域をいう。また、「仮想外周線20Sの少なくとも一部」とは、仮想外周線20Sの全体であっても良く、仮想外周線20Sの一部のみであっても良い。
【0044】
図2に示すように、メッシュ配線層20の長手方向(Y方向)の長さL
4は、例えば3mm以上100mm以下の範囲としても良い。メッシュ配線層20(先端側部分20b)の短手方向(X方向)の幅W
3は、例えば1mm以上10mm以下の範囲としても良い。とりわけメッシュ配線層20は、ミリ波用アンテナであっても良い。メッシュ配線層20がミリ波用アンテナである場合、メッシュ配線層20の長さL
4は、1mm以上10mm以下、より好ましくは1.5mm以上5mm以下の範囲で選択できる。なお、
図2では、メッシュ配線層20がモノポールアンテナとして機能する場合の形状を示したが、これに限らず、ダイポールアンテナ、ループアンテナ、スロットアンテナ、マイクロストリップアンテナ、パッチアンテナ等の形状とすることもできる。
【0045】
メッシュ配線層20は、給電部40側の基端側部分20aと、基端側部分20aに接続された先端側部分20bとを有する。基端側部分20aと先端側部分20bとは、それぞれ平面視で略長方形状を有している。基端側部分20aは、3つの辺20Y3、20X4、20Y4によって取り囲まれている。先端側部分20bは、5つの辺20X2、20Y1、20X1、20Y2、20X3によって取り囲まれている。この場合、先端側部分20bの長さ(Y方向距離)は、基端側部分20aの長さ(Y方向距離)よりも長い。また、先端側部分20bの幅(X方向距離)は基端側部分20aの幅(X方向距離)よりも広い。基端側部分20aの長さ(Y方向の長さ)L5は、0.1mm以上5mm以下としても良い。基端側部分20aの幅(Y方向の長さ)W4は、0.1mm以上5mm以下としても良い。先端側部分20bの長さ(Y方向の長さ)L6は、1mm以上100mm以下としても良い。
【0046】
メッシュ配線層20は、それぞれ金属線が格子形状又は網目形状に形成され、X方向及びY方向に繰り返しパターンを有している。すなわちメッシュ配線層20は、第1方向D1に延びる部分(第1方向配線21)と第2方向D2に延びる部分(第2方向配線22)とから構成されるパターン形状を有している。この場合、第1方向D1及び第2方向D2は、それぞれ第3方向に対して非平行である。すなわち第1方向D1は、X方向及びY方向のいずれにも平行でなく、第2方向D2は、X方向及びY方向のいずれにも平行でない。なお、本実施の形態において、第1方向D1は、X方向及びY方向にそれぞれ45°傾斜しており、第2方向D2は、X方向及びY方向にそれぞれ45°傾斜している。第1方向D1と第2方向D2とは、互いに直交する。
【0047】
図3に示すように、メッシュ配線層20は、複数の第1方向配線21と、複数の第1方向配線21に連結される複数の第2方向配線22とを含む。具体的には、複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とは、全体として一体となって、格子形状又は網目形状を形成している。各第1方向配線21は、第1方向D1に延びている。各第2方向配線22は、第1方向配線21に直交する第2方向D2に延びている。第1方向配線21及び第2方向配線22は、全体として所定の周波数帯に対応する長さL
4(上述したメッシュ配線層20の長さ、
図2参照)を有することにより、アンテナとしての機能を発揮する。なお、各第1方向配線21と各第2方向配線22とは、小さい方の角度が0°超90°未満となるように互いに交差していても良い。
【0048】
メッシュ配線層20においては、互いに隣接する第1方向配線21と、互いに隣接する第2方向配線22とに取り囲まれることにより、複数の開口部23が形成されている。また、第1方向配線21と第2方向配線22とは互いに等間隔に配置されている。すなわち複数の第1方向配線21は、互いに等間隔に配置される。複数の第1方向配線21のピッチP1は、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲としても良く、0.05mm以上0.5mm以下の範囲とすることが好ましい。また、複数の第2方向配線22は、互いに等間隔に配置される。複数の第2方向配線22のピッチP2は、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲としても良く、0.05mm以上0.5mm以下の範囲とすることが好ましい。このように、複数の第1方向配線21と複数の第2方向配線22とがそれぞれ等間隔に配置されていることにより、メッシュ配線層20内で開口部23の大きさにばらつきがなくなり、メッシュ配線層20を肉眼で視認しにくくすることができる。また、第1方向配線21のピッチP1は、第2方向配線22のピッチP2と等しい。このため、各開口部23は、それぞれ平面視略正方形状となっており、各開口部23からは、透明性を有する基板11が露出している。このため、各開口部23の面積を広くすることにより、配線基板10全体としての透明性を高めることができる。なお、各開口部23の一辺の長さL3は、例えば0.01mm以上1mm以下の範囲としても良く、0.05mm以上0.5mm以下の範囲とすることが好ましい。また、開口部23の形状は、仮想外周線20Sの近傍を除く全面で同一形状同一サイズとすることが好ましいが、場所によって変えるなど全面で均一としなくても良い。
【0049】
開口部23は、一対の第1方向配線21と、一対の第2方向配線22とによって取り囲まれている。各第1方向配線21と各第2方向配線22とは、それぞれ交点24において交差している。各開口部23の周囲には、それぞれ複数(この場合は4つ)の交点24が位置している。
【0050】
図3に示すように、本実施の形態において、仮想外周線20Sの一部において、各第1方向配線21の端部21eと各第2方向配線22の端部22eとが、それぞれ端部連結配線25によって連結されている。具体的には、
図3に示すように、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、各第1方向配線21は端部21eを有し、各第2方向配線22は端部22eを有する。各第1方向配線21の端部21eと、各第2方向配線22の端部22eとは、Y方向(第3方向)に互いに離間している。端部連結配線25は、互いに隣接する第1方向配線21の端部21eと、第2方向配線22の端部22eとを連結する。具体的には、第1方向配線21の端部21eと、当該端部21eにより近い方の第2方向配線22の端部22eとが端部連結配線25によって連結される。仮想外周線20Sにおいて、Y方向(第3方向)に沿って複数の端部連結配線25が点線状に配置されることが好ましい。すなわち、Y方向(第3方向)に沿って端部連結配線25が断続的に存在することが好ましい。端部連結配線25は、Y方向に対して平行に直線状に延びる。なお、端部連結配線25は、0°超10°以下だけY方向(第3方向)に対して傾斜していても良い。端部連結配線25は、仮想外周線20Sを構成する直線BL上に存在していなくても良く、直線BLに対してX方向にそれぞれδ=10μm以内の領域に位置していても良い。
【0051】
図2に示すように、Y方向(第3方向)における仮想外周線20Sの一辺の全長をLaとする。ここで全長Laとは、X方向又はY方向(第3方向)における仮想外周線20Sの辺20X1~20X4、20Y1~20Y4のいずれかの長さであり、この場合、辺20Y1の全長である。また
図3に示すように、辺20Y1において、Y方向(第3方向)に沿う、端部連結配線25の両端25e、25e間の合計長さをLpとする。なお、端部連結配線25の端部25e、25eは、それぞれ第1方向配線21の端部21e及び第2方向配線22の端部22eに一致する。ここで、合計長さLpとは、個々の端部連結配線25の両端25e、25e間の長さLp1を、仮想外周線20Sの一部(辺20Y1)の全体にわたって合算した長さをいう(Lp=ΣLp1)。各端部連結配線25の長さLp1とは、各端部連結配線25の一方の端部25eの線幅方向中心と、各端部連結配線25の他方の端部25eの線幅方向中心との、Y方向(第3方向)に沿う長さである。なお、各端部連結配線25の長さLp1は、端部連結配線25がY方向(第3方向)に対して傾斜している場合も、Y方向に沿う長さとして求める。
【0052】
この場合、仮想外周線20Sの一部の全長Laと、Y方向(第3方向)に沿う端部連結配線25の両端25e、25e間の合計長さLpとの間で、0.1La≦Lp≦0.5Laという関係が成り立つ。すなわち端部連結配線25は、仮想外周線20Sの一部(例えば辺20Y1)のうち、10%以上50%以下の領域に存在する。全長Laと合計長さLpとの間で、0.1La≦Lpという関係が成り立つことにより、仮想外周線20Sの一部(例えば辺20Y1)において第1方向配線21と第2方向配線22とが途切れることがない。これによりメッシュ配線層20の電気特性の低下が抑制される。全長Laと合計長さLpとの間で、Lp≦0.5Laという関係が成り立つことにより、仮想外周線20Sの一部(辺20Y1)が肉眼で視認しやすくなることを抑え、不可視性の低下を許容範囲内に留めることができる。なお、全長Laと合計長さLpとの間で、0.15La≦Lpという関係が成り立つことが好ましく、0.2La≦Lpという関係が成り立つことがより好ましい。また、全長Laと合計長さLpとの間で、Lp≦0.45Laという関係が成り立つことが好ましく、Lp≦0.4Laという関係が成り立つことがより好ましい。
【0053】
なお、0.1La≦Lp≦0.5Laという関係が成り立つ範囲内において、一部の第1方向配線21の端部21eと、一部の第2方向配線22の端部22eとが、端部連結配線25によって連結されていなくても良い。また、一部の第1方向配線21の端部21eと、当該端部21eにより遠い方の第2方向配線22の端部22eとが端部連結配線25によって連結されても良い。辺20Y1の一部において、端部連結配線25によって連結されない端部21e、22eが存在しても良い。
【0054】
なお、図示していないが、給電部40側の辺20X4を除く、他の辺20X1、20X2、20X3、20Y2、20Y3、20Y4の全部又は一部についても、同様に、各第1方向配線21の端部21eと各第2方向配線22の端部22eとが、それぞれ端部連結配線25によって連結されても良い。この場合、各辺20X1、20X2、20X3、20Y2、20Y3、20Y4のそれぞれについて、0.1La≦Lp≦0.5Laという関係が成り立つことが好ましい。また、給電部40側の辺20X4を除くメッシュ配線層20の外周の全長をLatとし、辺20X4を除くメッシュ配線層20の外周全体における端部連結配線25の両端25e、25e間の合計長さをLptとする。このとき、0.1Lat≦Lpt≦0.5Latという関係が成り立つことが好ましい。
【0055】
また、各辺20X1、20X2、20X3、20Y1、20Y2、20Y3、20Y4の一部分のみに関して、各第1方向配線21の端部21eと各第2方向配線22の端部22eとが、それぞれ端部連結配線25によって連結されていても良い。この場合、当該一部分に関して、0.1La≦Lp≦0.5Laという関係が成り立つことが好ましい。
【0056】
端部連結配線25の線幅W5は、0.1μm以上5.0μm以下の範囲としても良く、0.5μm以上3.0μm以下としても良い。また、端部連結配線25の線幅W5は、後述する第1方向配線21の線幅W1及び第2方向配線22の線幅W2よりも細くても良い。この場合、端部連結配線25の線幅W5は、0.08μm以上4.0μm以下の範囲としても良く、0.4μm以上2.4μm以下としても良い。端部連結配線25の線幅W5を第1方向配線21の線幅W1及び第2方向配線22の線幅W2よりも細くすることにより、メッシュ配線層20の電気特性を維持しつつ、端部連結配線25の存在を視認しにくくすることができる。
【0057】
図4に示すように、各第1方向配線21は、その長手方向に垂直な断面(第2方向D2の断面)が略長方形形状又は略正方形形状となっている。この場合、第1方向配線21の断面形状は、第1方向配線21の長手方向(第1方向D1)に沿って略均一となっている。また、
図5に示すように、各第2方向配線22の長手方向に垂直な断面(第1方向D1の断面)の形状は、略長方形形状又は略正方形形状であり、上述した第1方向配線21の断面(第2方向D2の断面)形状と略同一である。この場合、第2方向配線22の断面形状は、第2方向配線22の長手方向(第2方向D2)に沿って略均一となっている。第1方向配線21と第2方向配線22の断面形状は、必ずしも略長方形形状又は略正方形形状でなくても良い。第1方向配線21と第2方向配線22の断面形状は、例えば表面側(Z方向プラス側)が裏面側(Z方向マイナス側)よりも狭い略台形形状、あるいは、長手方向両側に位置する側面が湾曲した形状であっても良い。
【0058】
本実施の形態において、第1方向配線21の線幅W
1(第2方向D2における長さ、
図4参照)及び第2方向配線22の線幅W
2(第1方向D1における長さ、
図5参照)は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。例えば、第1方向配線21の線幅W
1は0.1μm以上5.0μm以下の範囲としても良く、0.5μm以上3.0μm以下としても良い。また、第2方向配線22の線幅W
2は、0.1μm以上5.0μm以下の範囲としても良く、0.5μm以上3.0μm以下としても良い。さらに、第1方向配線21の高さH
1(Z方向の長さ、
図4参照)及び第2方向配線22の高さH
2(Z方向の長さ、
図5参照)は特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。第1方向配線21の高さH
1及び第2方向配線22の高さH
2は、それぞれ例えば0.1μm以上5.0μm以下の範囲としても良く、0.2μm以上2.0μm以下としても良い。
【0059】
第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は、導電性を有する金属材料であればよい。本実施の形態において第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は銅であるが、これに限定されない。第1方向配線21及び第2方向配線22の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、鉄、ニッケルなどの金属材料(含む合金)を用いることができる。また第1方向配線21及び第2方向配線22は、電解めっき法によって形成されためっき層であっても良い。
【0060】
メッシュ配線層20の全体の開口率Atは、87%以上としても良く、90%以上としても良く、95%以上としても良い。開口率Atは、100%未満としても良く、98%以下としても良く、96%以下としても良い。配線基板10の全体の開口率Atをこの範囲とすることにより、配線基板10の導電性と透明性を確保できる。なお、開口率とは、所定の領域(メッシュ配線層20の全域)の単位面積に占める、開口領域(第1方向配線21、第2方向配線22等の金属部分が存在せず、基板11が露出する領域)の面積の割合(%)をいう。
【0061】
メッシュ配線層20のシート抵抗値は、5Ω/□以下となっていても良く、4Ω/□以下となっていても良い。メッシュ配線層20のシート抵抗値を上記範囲とすることにより、メッシュ配線層20の性能を維持することができる。具体的には、アンテナとしてのメッシュ配線層20の放射効率(メッシュ配線層20の単体に入力された電力がどれだけ放射されたかを示す割合)を高めることができる。メッシュ配線層20のシート抵抗値(Ω/□)は、以下のようにして求めることができる。すなわち、メッシュ配線層20の長手方向(Y方向)両端部間の抵抗値Rを実測する。次に、この抵抗値Rをメッシュ配線層20の長さL4と幅W3との比(L4/W3)で除することにより、メッシュ配線層20のシート抵抗値Rs(Ω/□)を求めることができる。すなわちシート抵抗値Rs=R×W4/L3となる。
【0062】
なお、図示しないが、基板11の表面上であって、メッシュ配線層20を覆うように保護層が形成されていても良い。保護層は、メッシュ配線層20を保護するものであり、基板11のうち少なくともメッシュ配線層20を覆うように形成される。保護層の材料としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂とそれらの変性樹脂と共重合体、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニル樹脂とそれらの共重合体、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアミド、塩素化ポリオレフィン等の無色透明の絶縁性樹脂を用いることができる。
【0063】
基板11とメッシュ配線層20との間に図示しないプライマー層が形成されていても良い。プライマー層は、メッシュ配線層20と基板11との密着性を向上させる。プライマー層は、基板11の表面の略全域に設けられていても良い。プライマー層は、無色透明であっても良い。またプライマー層は、高分子材料を含んでいても良い。これにより、メッシュ配線層20と基板11との密着性を効果的に向上させることができる。プライマー層は、アクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂を含んでいることが好ましい。これにより、メッシュ配線層20との密着性をより効果的に向上させることができる。プライマー層の厚みは、0.05μm以上0.5μm以下としても良い。プライマー層の厚みが上記範囲であることにより、メッシュ配線層20と基板11との密着性を向上させるとともに、配線基板10の透明性を確保できる。
【0064】
再度
図2を参照すると、給電部40は、メッシュ配線層20に電気的に接続されている。この給電部40は、略長方形状の導電性の薄板状部材からなる。給電部40の長手方向はX方向に平行であり、給電部40の短手方向はY方向に平行である。また、給電部40は、基板11の長手方向端部(Y方向マイナス側端部)に配置されている。給電部40の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、錫、アルミニウム、鉄、ニッケルなどの金属材料(含む合金)を用いることができる。この給電部40は、配線基板10が画像表示装置90(
図1参照)に組み込まれた際、画像表示装置90の無線通信用回路92と電気的に接続される。なお、給電部40は、基板11の表面に設けられているが、これに限らず、給電部40の一部又は全部が基板11の周縁よりも外側に位置していても良い。また、給電部40を柔軟に形成することにより、給電部40が画像表示装置90の側面や裏面に回り込んで、側面や裏面側で電気的に接続できるようにしても良い。
【0065】
[配線基板の製造方法]
次に、
図6(a)-(f)を参照して、本実施の形態による配線基板の製造方法について説明する。
図6(a)-(f)は、本実施の形態による配線基板の製造方法を示す断面図である。
【0066】
図6(a)に示すように、透明性を有する基板11を準備する。
【0067】
次に、基板11上に、複数の第1方向配線21と、複数の第1方向配線21を連結する複数の第2方向配線22とを含むメッシュ配線層20を形成する。
【0068】
この際、まず、
図6(b)に示すように、基板11の表面の略全域に金属箔51を積層する。本実施の形態において金属箔51の厚さは、0.1μm以上5.0μm以下であってもよい。本実施の形態において金属箔51は、銅を含んでいてもよい。
【0069】
次に、
図6(c)に示すように、金属箔51の表面の略全域に光硬化性絶縁レジスト52を供給する。この光硬化性絶縁レジスト52としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ系樹脂等の有機樹脂を挙げることができる。
【0070】
続いて、
図6(d)に示すように、絶縁層54をフォトリソグラフィ法により形成する。この場合、フォトリソグラフィ法により光硬化性絶縁レジスト52をパターニングし、絶縁層54(レジストパターン)を形成する。この際、第1方向配線21及び第2方向配線22に対応する金属箔51が露出するように、絶縁層54を形成する。
【0071】
次に、
図6(e)に示すように、基板11の表面上の、絶縁層54に覆われていない部分に位置する金属箔51を除去する。この際、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸・塩酸等の強酸、過硫酸塩、過酸化水素またはこれらの水溶液、または以上の組合せ等を用いたウェット処理を行うことによって、基板11の表面が露出するように金属箔51をエッチングする。
【0072】
続いて、
図6(f)に示すように、絶縁層54を除去する。この場合、過マンガン酸塩溶液やN-メチル-2-ピロリドン、酸又はアルカリ溶液等を用いたウェット処理や、酸素プラズマを用いたドライ処理を行うことによって、金属箔51上の絶縁層54を除去する。
【0073】
このようにして、基板11と、基板11上に設けられたメッシュ配線層20とを有する配線基板10が得られる。この場合、メッシュ配線層20は、第1方向配線21、第2方向配線22及び端部連結配線25を含む。
【0074】
[本実施の形態の作用]
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0075】
図1に示すように、本実施の形態による配線基板10は、画像表示装置90に組み込まれる。画像表示装置90は、表示装置(ディスプレイ)91を有する。表示装置91は、例えば有機EL(Electro Luminescence)表示装置であっても良い。表示装置91は、例えば図示しない金属層、支持基材、樹脂基材、薄膜トランジスタ(TFT)、及び有機EL層を含んでも良い。表示装置91上には、図示しないタッチセンサが配置されても良い。なお、表示装置91は、有機EL表示装置に限られるものではない。例えば、表示装置91は、それ自体が発光する機能をもつ他の表示装置であっても良い。表示装置91は、マイクロLED素子(発光体)を含むマイクロLED表示装置であっても良い。また、表示装置91は、液晶を含む液晶表示装置であっても良い。配線基板10は、表示装置91上に直接又は間接的に配置される。このような画像表示装置90としては、例えばスマートフォン、タブレット等の携帯端末機器を挙げられる。配線基板10のメッシュ配線層20は、給電部40を介して画像表示装置90の無線通信用回路92に電気的に接続される。このようにして、メッシュ配線層20を介して、所定の周波数の電波を送受信でき、画像表示装置90を用いて通信を行うことができる。本実施の形態において、このような、表示装置91と、表示装置91上に配置された配線基板10とを備えた画像表示装置90も提供する。
【0076】
本実施の形態において、メッシュ配線層20の仮想外周線20Sの一部において、各第1方向配線21の端部21eと各第2方向配線22の端部22eとが、それぞれ端部連結配線25によって連結されている。また第3方向(X方向又はY方向)における仮想外周線20Sの一辺の全長をLaとし、第3方向(X方向又はY方向)における端部連結配線25の両端25e、25e間の合計長さをLpとする。このとき、0.1La≦Lp≦0.5Laという関係が成り立つ。これにより、仮想外周線20Sがメッシュ配線層20の交点24と一致していない場合でも、各第1方向配線21の端部21eと各第2方向配線22の端部22eとが途切れた状態になることがない。これにより、メッシュ配線層20の外周における電気特性の低下を抑制できる。一方、仮に第1方向配線21の端部21eと第2方向配線22の端部22eとが連結されることなくメッシュ配線層20の外周において途切れていると、この部分から電磁波の放射が起こり、余計な周波数のノイズが発生するおそれがある。
【0077】
また本実施の形態によれば、端部連結配線25が、仮想外周線20Sの全体に設けられていない。これにより、各第1方向配線21及び各第2方向配線22の方向と異なる方向を向く端部連結配線25が目立ちにくい。この結果、メッシュ配線層20の外周を観察者の肉眼で視認しにくくすることができ、観察者がメッシュ配線層20の存在を認識しないようにすることができる。
【0078】
このように、本実施の形態によれば、メッシュ配線層20の電気特性を向上しつつメッシュ配線層20の不可視性の低下を抑制できる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、メッシュ配線層20の外周において、第3方向(X方向又はY方向)に沿って複数の端部連結配線25が点線状に配置される。これにより、第3方向(X方向又はY方向)に沿って端部連結配線25が均一に配置される。この結果、メッシュ配線層20の外周において、端部連結配線25が目立ちにくく、メッシュ配線層20の外周を観察者の肉眼で視認しにくくすることができる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、配線基板10は、透明性を有する基板11と、基板11上に配置されたメッシュ配線層20とを備えている。このメッシュ配線層20は、不透明な導電体層の形成部としての導体部と、多数の開口部とによるメッシュ状のパターンを有しているので、配線基板10の透明性が確保されている。これにより、配線基板10が表示装置91上に配置されたとき、メッシュ配線層20の開口部23から表示装置91を視認でき、表示装置91の視認性が妨げられることがない。
【0081】
[変形例]
次に、本実施の形態による配線基板の変形例について説明する。
【0082】
(第1変形例)
図7及び
図8は、配線基板の第1変形例を示している。
図7及び
図8に示す変形例は、端部連結配線25の構成が異なるものであり、他の構成は上述した
図1乃至
図6に示す実施の形態と略同一である。
図7及び
図8において、
図1乃至
図6に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0083】
図7及び
図8に示す配線基板10において、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、各第1方向配線21の端部21eと各第2方向配線22の端部22eとが、それぞれ端部連結配線25によって連結されている。この場合、端部連結配線25は、非直線状に延びている。
【0084】
図7に示すように、端部連結配線25は、折れ線形状を有していても良い。具体的には、端部連結配線25は、平面視V字状であっても良い。端部連結配線25は、辺20Y1よりもメッシュ配線層20の内側に位置する。端部連結配線25は、第1配線部分25aと第2配線部分25bとを含む。第1配線部分25aは、第1方向配線21と平行であっても良い。第2配線部分25bは、第2方向配線22と平行であっても良い。このように、端部連結配線25が折れ線形状を有することにより、端部連結配線25の延伸方向が、第1方向配線21又は第2方向配線22の延伸方向に近づくので、端部連結配線25の存在をより視認しにくくすることができる。
【0085】
図8に示すように、端部連結配線25は、曲線形状を有していても良い。具体的には、端部連結配線25は、平面視半円形状又は半楕円形状を有していても良い。端部連結配線25は、辺20Y1よりもメッシュ配線層20の内側に位置する。このように、端部連結配線25が曲線形状を有することにより、端部連結配線25の延伸方向が様々な方向を向くので、端部連結配線25の存在をより視認しにくくすることができる。
【0086】
本変形例においても、仮想外周線20Sの一辺の全長La(
図2)と、Y方向(第3方向)に沿う端部連結配線25の両端25e、25e間の合計長さLpとの間で、0.1La≦Lp≦0.5Laという関係が成り立つ。この場合、各端部連結配線25の長さLp1とは、各端部連結配線25の一方の端部25eの線幅方向中心と、各端部連結配線25の他方の端部25eの線幅方向中心との、Y方向(第3方向)に沿う長さをいう。
【0087】
(第2変形例)
図9及び
図10は、配線基板の第2変形例を示している。
図9及び
図10に示す変形例は、メッシュ配線層20の周囲にダミー配線層30が設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した
図1乃至
図8に示す形態と略同一である。
図9及び
図10において、
図1乃至
図8に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0088】
図9に示す配線基板10において、メッシュ配線層20の周囲に沿ってダミー配線層30が設けられている。このダミー配線層30は、メッシュ配線層20とは異なり、実質的にアンテナとしての機能を果たすことはない。
【0089】
図10に示すように、ダミー配線層30は、複数の第1方向ダミー配線31と複数の第2方向ダミー配線32とを含む。各第1方向ダミー配線31及び各第2方向ダミー配線32は、それぞれメッシュ配線層20(第1方向配線21及び第2方向配線22)から電気的に独立している。また、第1方向ダミー配線31及び第2方向ダミー配線32は、ダミー配線層30内の全域にわたって規則的に配置されている。各第1方向ダミー配線31は、第1方向D1に平行であり、各第1方向配線21の延長線上に位置する。各第2方向ダミー配線32は、第2方向D2に平行であり、各第2方向配線22の延長線上に位置する。複数の第1方向ダミー配線31は、互いに平面方向に離間するとともに、基板11上に突出して配置されている。複数の第2方向ダミー配線32は、互いに平面方向に離間するとともに、基板11上に突出して配置されている。各第1方向ダミー配線31及び各第2方向ダミー配線32は、メッシュ配線層20、給電部40、他の第1方向ダミー配線31、及び他の第2方向ダミー配線32から電気的に独立している。各第1方向ダミー配線31及び第2方向ダミー配線32は、それぞれ平面視直線状である。なお、ダミー配線層30は、端部連結配線25と同一の方向に延びる追加のダミー配線を有していても良い。この追加のダミー配線は、第3方向(X方向又はY方向)に延びていてもよい。あるいは、追加のダミー配線は、第1方向D1又は第2方向D2に延びていても良い。
【0090】
この場合、各第1方向ダミー配線31及び各第2方向ダミー配線32は、互いに交わらない。すなわちダミー配線層30は、メッシュ配線層20の交点24に対応する領域が欠落した形状をもつ。これにより、メッシュ配線層20とダミー配線層30との相違を目視で認識しにくくすることができ、基板11上に配置されたメッシュ配線層20を見えにくくすることができる。ダミー配線層30の開口率は、メッシュ配線層20の開口率と同一であっても良く、異なっていても良いが、メッシュ配線層20の開口率に近いことが好ましい。
【0091】
このように、メッシュ配線層20の周囲に、メッシュ配線層20から電気的に独立したダミー配線層30が配置されていることにより、メッシュ配線層20の外縁を不明瞭にすることができる。これにより、画像表示装置90の表面上でメッシュ配線層20を見えにくくすることができ、画像表示装置90の使用者がメッシュ配線層20を肉眼で認識しにくくすることができる。
【0092】
(第3変形例)
図11及び
図12は、配線基板の第3変形例を示している。
図11及び
図12に示す変形例は、メッシュ配線層20の周囲に互いに開口率が異なる複数のダミー配線層30A、30Bが設けられている点が異なるものであり、他の構成は上述した
図1乃至
図10に示す形態と略同一である。
図11及び
図12において、
図1乃至
図10に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0093】
図11に示す配線基板10において、メッシュ配線層20の周囲に沿って互いに開口率が異なる複数(この場合は2つ)のダミー配線層30A、30B(第1ダミー配線層30A及び第2ダミー配線層30B)が設けられている。具体的には、メッシュ配線層20の周囲に沿って第1ダミー配線層30Aが配置され、第1ダミー配線層30Aの周囲に沿って第2ダミー配線層30Bが配置されている。なお、第1ダミー配線層30Aの構成は、
図9及び
図10に示すダミー配線層30の構成と同一としても良い。ダミー配線層30A、30Bは、メッシュ配線層20とは異なり、実質的にアンテナとしての機能を果たすことはない。
【0094】
図12に示すように、ダミー配線層30A、30Bは、それぞれ複数の第1方向ダミー配線31と複数の第2方向ダミー配線32とを含む。各第1方向ダミー配線31は、第1方向D1に平行であり、各第1方向配線21の延長線上に位置する。各第2方向ダミー配線32は、第2方向D2に平行であり、各第2方向配線22の延長線上に位置する。各第1方向ダミー配線31及び第2方向ダミー配線32は、それぞれ平面視直線状である。これにより、メッシュ配線層20と第1ダミー配線層30Aとの相違、及び、第1ダミー配線層30Aと第2ダミー配線層30Bとの相違を目視で認識しにくくすることができ、基板11上に配置されたメッシュ配線層20を見えにくくすることができる。
【0095】
この場合、第2ダミー配線層30Bの第1方向ダミー配線31の長さは、第1ダミー配線層30Aの第1方向ダミー配線31の長さよりも短い。同様に、第2ダミー配線層30Bの第2方向ダミー配線32の長さは、第1ダミー配線層30Aの第2方向ダミー配線32の長さよりも短い。これにより、第1ダミー配線層30Aの開口率は、メッシュ配線層20の開口率よりも大きく、第1ダミー配線層30Aの開口率は、第2ダミー配線層30Bの開口率よりも大きい。また、互いに開口率が異なる3つ以上のダミー配線層を設けても良い。この場合、各ダミー配線層の開口率は、メッシュ配線層20に近いものから遠いものに向けて、徐々に大きくなることが好ましい。
【0096】
このように、メッシュ配線層20から電気的に独立したダミー配線層30A、30Bが配置されていることにより、メッシュ配線層20の外縁をより不明瞭にすることができる。これにより、画像表示装置90の表面上でメッシュ配線層20を見えにくくすることができ、画像表示装置90の使用者がメッシュ配線層20を肉眼で認識しにくくすることができる。
【0097】
(第2の実施の形態)
次に、
図13乃至
図20を参照して第2の実施の形態について説明する。
図13乃至
図20は第2の実施の形態を示す図である。
図13乃至
図20において、
図1乃至
図12に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0098】
本実施の形態による配線基板10は、透明性を有する基板11と、基板11上に配置されたメッシュ配線層20と、を備える。メッシュ配線層20は、規則的に配置された複数の閉図形26を含む。各閉図形26は、2以上の方向の配線21、22によって取り囲まれている。メッシュ配線層20の外周(仮想外周線20S上)に位置する閉図形26は、メッシュ配線層20の外周(仮想外周線20S上)以外に位置する閉図形26の一部又は全体を拡大又は縮小した形状を有する。これにより、メッシュ配線層20の外周に位置する閉図形26は、メッシュ配線層20の外周(仮想外周線20S)よりも内側に位置する。
【0099】
図13に示すように、メッシュ配線層20は、規則的に配置された複数の閉図形26を含む。この場合、閉図形26は、それぞれ多角形であり、より具体的には、正方形又は平行四辺形等の四角形である。各閉図形26は、開口部23の周囲を取り囲むように配置された、一対の第1方向配線21と、一対の第2方向配線22とによって構成される。本明細書において、「閉図形」とは、基板11上で直線及び/又は曲線からなる配線によって取り囲まれた閉じた図形をいう。メッシュ配線層20は、一種類の閉図形26によって構成されていても良く、複数種類の閉図形26によって構成されていても良い。
【0100】
図13に示すように、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、当該辺20Y1に最も近い1列の閉図形26(以下、外周閉図形26Aともいう)は、他の列の閉図形26(以下、基準閉図形26Bともいう)の形状と異なる。すなわち、外周閉図形26Aは、基準閉図形26Bの形状の一部を縮小した形状をもつ。具体的には、外周閉図形26Aのうち、辺20Y1に近い側に位置する一対の辺26s、26sが、メッシュ配線層20の内側に向けて変形されている。一対の辺26s、26sの交点24pは、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1上に存在する。なお、交点24pは、辺20Y1に対してX方向にそれぞれδ=10μm以内の領域に位置していても良い。
【0101】
図13において、辺20Y1に最も近い閉図形26が基準閉図形26Bであると仮定する(
図13の仮想線参照)。このとき、辺20Y1に最も近い基準閉図形26Bの交点24pが辺20Y1よりも外側に位置する場合、当該交点24pを辺20Y1上に移動し、当該基準閉図形26Bの一部を縮小して外周閉図形26Aとしても良い。
【0102】
配線基板10のその他の構成は、上述した第1の実施の形態の場合と同様にしても良い。
【0103】
本実施の形態においても、メッシュ配線層20の周囲に、メッシュ配線層20から電気的に独立したダミー配線層30、30A、30Bが設けられていても良い(
図9乃至
図12参照)。
【0104】
本実施の形態において、メッシュ配線層20の外周に位置する外周閉図形26Aは、メッシュ配線層20の外周以外に位置する基準閉図形26Bの一部を縮小した形状を有する。この場合、メッシュ配線層20の外周において、各第1方向配線21と各第2方向配線22とが途切れることがない。これにより、メッシュ配線層20の外周における電気特性の低下を抑制できる。また、メッシュ配線層20の外周に位置する外周閉図形26Aは、基準閉図形26Bに近い形状を有している。これにより、メッシュ配線層20の外周を観察者の肉眼で視認しにくくすることができ、観察者がメッシュ配線層20の存在を認識しないようにすることができる。
【0105】
[変形例]
次に、本実施の形態による配線基板の変形例について説明する。
【0106】
(第1変形例)
図14は、配線基板の第1変形例を示している。
図14において、
図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0107】
図14において、メッシュ配線層20は、規則的に配置された複数の閉図形26を含む。仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、当該辺20Y1に最も近い1列の外周閉図形26Aは、他の列の基準閉図形26Bの形状と異なる。すなわち、外周閉図形26Aは、基準閉図形26Bの形状の一部を拡大した形状をもつ。具体的には、外周閉図形26Aのうち、辺20Y1に近い側に位置する一対の辺26s、26sが、メッシュ配線層20の外側に向けて変形されている。一対の辺26s、26sの交点24pは、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1上に存在する。交点24pは、辺20Y1に対してX方向にそれぞれ10μm以内の領域に位置していても良い。
【0108】
図14において、辺20Y1に最も近い閉図形26が基準閉図形26Bであると仮定する(
図14の仮想線参照)。このとき、辺20Y1に最も近い基準閉図形26Bの交点24pが辺20Y1よりも内側に位置する場合、当該交点24pを辺20Y1上に移動し、当該基準閉図形26Bの一部を拡大して外周閉図形26Aとしても良い。
【0109】
(第2変形例)
図15は、配線基板の第2変形例を示している。
図15において、
図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0110】
図15において、メッシュ配線層20は、規則的に配置された複数の閉図形26を含む。仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、当該辺20Y1に最も近い1列の外周閉図形26Aは、他の列の基準閉図形26Bの形状と異なる。すなわち、外周閉図形26Aは、基準閉図形26Bの形状の全体を縮小した形状をもつ。具体的には、辺20Y1に最も近い外周閉図形26Aは、その全体が基準閉図形26Bに対してX方向に縮小されている。外周閉図形26Aの1つの交点24pは、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1上に存在する。交点24pは、辺20Y1に対してX方向にそれぞれ10μm以内の領域に位置していても良い。なお、辺20Y1に2番目に近い外周閉図形26Aの一対の辺26s1、26s1は、メッシュ配線層20の内側に向けて変形されている。
【0111】
図15において、辺20Y1に最も近い閉図形26が基準閉図形26Bであると仮定する(
図15の仮想線参照)。このとき、辺20Y1に最も近い基準閉図形26Bの交点24pが辺20Y1よりも外側に位置する場合、当該交点24pを辺20Y1上に移動し、当該基準閉図形26Bの全体を縮小して外周閉図形26Aとしても良い。
【0112】
(第3変形例)
図16は、配線基板の第3変形例を示している。
図16において、
図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0113】
図16において、メッシュ配線層20は、規則的に配置された複数の閉図形26を含む。仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、当該辺20Y1に最も近い1列の外周閉図形26Aは、他の列の基準閉図形26Bの形状と異なる。すなわち、外周閉図形26Aは、基準閉図形26Bの形状の全体を拡大した形状をもつ。具体的には、辺20Y1に最も近い外周閉図形26Aは、その全体が基準閉図形26Bに対してX方向に拡大されている。外周閉図形26Aの1つの交点24pは、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1上に存在する。交点24pは、辺20Y1に対してX方向にそれぞれ10μm以内の領域に位置していても良い。なお、辺20Y1に2番目に近い外周閉図形26Aの一対の辺26s1、26s1は、メッシュ配線層20の外側に向けて変形されている。
【0114】
図16において、辺20Y1に最も近い閉図形26が基準閉図形26Bであると仮定する(
図16の仮想線参照)。このとき、辺20Y1に最も近い基準閉図形26Bの交点24pが辺20Y1よりも内側に位置する場合、当該交点24pを辺20Y1上に移動し、当該基準閉図形26Bの全体を拡大して外周閉図形26Aとしても良い。
【0115】
(第4変形例)
図17及び
図18は、配線基板の第4変形例を示している。
図17及び
図18において、
図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0116】
図17及び
図18において、メッシュ配線層20は、規則的に配置された複数の閉図形26を含む。仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、外周側(仮想外周線20S側)から数えて2個(2列)の外周閉図形26Aは、他の列の基準閉図形26Bの形状と異なる。すなわち、外周側から数えて2個の外周閉図形26Aは、基準閉図形26Bの形状の全体を縮小した形状(
図17)又は拡大した形状(
図18)をもつ。具体的には、辺20Y1側から数えて2列の外周閉図形26Aは、基準閉図形26Bに対してX方向に縮小(
図17)又は拡大(
図18)されている。辺20Y1に最も近い外周閉図形26Aの1つの交点24pは、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1上に存在する。交点24pは、辺20Y1に対してX方向にそれぞれ10μm以内の領域に位置していても良い。なお、辺20Y1に3番目に近い外周閉図形26Aの一対の辺26s1、26s1は、メッシュ配線層20の内側(
図17)又は外側(
図18)に向けて変形されている。
【0117】
図17及び
図18において、辺20Y1に最も近い閉図形26が基準閉図形26Bであると仮定する(
図17及び
図18の仮想線参照)。このとき、辺20Y1に最も近い基準閉図形26Bの交点24pが辺20Y1よりも外側に位置する場合(
図17)、当該交点24pを辺20Y1上に移動する。これにより、外周側から数えて1番目及び2番目の外周閉図形26Aの全体を縮小しても良い。あるいは、辺20Y1に最も近い基準閉図形26Bの交点24pが辺20Y1よりも内側に位置する場合(
図18)、当該交点24pを辺20Y1上に移動する。これにより、外周側から数えて1番目及び2番目の外周閉図形26Aの全体を拡大しても良い。
【0118】
なお、本変形例において、外周側から数えて3個乃至5個の外周閉図形26Aが、基準閉図形26Bの全体を縮小又は拡大した形状を有していてもよい。このように、外周側から数えて2個以上の閉図形26を縮小又は拡大することにより、個々の閉図形26の変形量が抑えられる。これにより、メッシュ配線層20の不可視性の低下を抑制でき、観察者がメッシュ配線層20の存在を認識しにくくすることができる。また、外周側から数えて5個以下の閉図形26を縮小又は拡大することにより、基準閉図形26Bと形状の異なる外周閉図形26Aの数を抑え、メッシュ配線層20の電気特性の低下を抑制できる。
【0119】
(第5変形例)
図19(a)(b)は、配線基板の第5変形例を示している。
図19(a)(b)において、
図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0120】
図19(a)(b)において、メッシュ配線層20は、規則的に配置された複数の閉図形26を含む。各閉図形26は、長方形又は正方形である。この場合、各第1方向配線21はY方向に平行に延び、各第2方向配線22はX方向に平行に延びる。仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、当該辺20Y1に最も近い1列の外周閉図形26Aは、他の列の基準閉図形26Bの形状と異なる。すなわち、外周閉図形26Aは、基準閉図形26Bの形状の全体を縮小した形状(
図19(a))、又は拡大した形状(
図19(b))をもつ。具体的には、外周閉図形26Aのうち、辺20Y1に近い側に位置する第1方向配線21が、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1上に存在する。なお、当該第1方向配線21は、辺20Y1に対してX方向にそれぞれ10μm以内の領域に位置していても良い。
【0121】
図19(a)(b)において、辺20Y1に最も近い閉図形26が基準閉図形26Bであると仮定する(
図19(a)(b)の仮想線参照)。このとき、辺20Y1に最も近い第1方向配線21が辺20Y1よりも外側に位置する場合(
図19(a))、当該第1方向配線21を辺20Y1上に移動し、当該第1方向配線21を含む基準閉図形26Bの全体を縮小して外周閉図形26Aとしても良い。あるいは、辺20Y1に最も近い第1方向配線21が辺20Y1よりも内側に位置する場合(
図19(b))、当該第1方向配線21を辺20Y1上に移動し、当該第1方向配線21を含む基準閉図形26Bの全体を拡大して外周閉図形26Aとしても良い。
【0122】
(第6変形例)
図20(a)(b)は、配線基板の第6変形例を示している。
図20(a)(b)において、
図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0123】
図20(a)(b)において、メッシュ配線層20は、規則的に配置された複数の閉図形26を含む。各閉図形26は、多角形であり、より具体的には12角形の凹多角形である。この場合、各閉図形26は、12本の配線21wによって取り囲まれている。仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、当該辺20Y1に最も近い1列の外周閉図形26Aは、他の列の基準閉図形26Bの形状と異なる。すなわち、外周閉図形26Aは、基準閉図形26Bの形状の全体を縮小した形状(
図20(a))、又は拡大した形状(
図20(b))をもつ。具体的には、外周閉図形26Aの2つの交点24pは、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1上に存在する。なお、交点24pは、辺20Y1に対してX方向にそれぞれ10μm以内の領域に位置していても良い。
【0124】
図20(a)(b)において、辺20Y1に最も近い閉図形26が基準閉図形26Bであると仮定する(
図20(a)(b)の仮想線参照)。このとき、辺20Y1に最も近い交点24pが辺20Y1よりも外側に位置する場合(
図20(a))、当該交点24pを辺20Y1上に移動し、当該交点24pを含む基準閉図形26Bの全体を縮小して外周閉図形26Aとしても良い。あるいは、辺20Y1に最も近い交点24pが辺20Y1よりも内側に位置する場合(
図20(b))、当該交点24pを辺20Y1上に移動し、当該交点24pを含む基準閉図形26Bの全体を拡大して外周閉図形26Aとしても良い。
【0125】
(第3の実施の形態)
次に、
図21を参照して第3の実施の形態について説明する。
図21は第3の実施の形態によるメッシュ配線層の外周を示す図である。
図21において、
図1乃至
図12に示す第1の実施の形態及び
図13乃至
図20に示す第2の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0126】
本実施の形態による配線基板10は、透明性を有する基板11と、基板11上に配置されたメッシュ配線層20と、を備える。メッシュ配線層20は、不規則に配置された複数の閉図形26を含む。各閉図形26は、2以上の方向の配線21wによって取り囲まれている。メッシュ配線層20の外周(仮想外周線20S上)に位置する閉図形26は、メッシュ配線層20の外周(仮想外周線20S)よりも内側に位置する。
【0127】
図21に示すように、メッシュ配線層20は、不規則に配置された複数の閉図形26を含む。この場合、閉図形26は、それぞれ多角形であり、より具体的には、それぞれ不規則な四角形である。閉図形26は、四角形以外の多角形であっても良い。各閉図形26は、開口部23の周囲を取り囲むように配置された、複数の配線21wによって構成される。
【0128】
図21に示すように、仮想外周線20Sを構成する辺20Y1において、当該辺20Y1に最も近い閉図形26の交点24pは、仮想外周線20Sを構成する直線BL上に存在する。なお、交点24pは、辺20Y1に対してX方向にそれぞれδ=10μm以内の領域に位置していても良い。
【0129】
配線基板10のその他の構成は、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態の場合と同様にしても良い。
【0130】
本実施の形態において、メッシュ配線層20の外周に位置する閉図形26は、メッシュ配線層20の外周よりも内側に位置する。この場合、メッシュ配線層20の外周において、配線21wが途切れた状態になることがない。これにより、メッシュ配線層20の外周における電気特性の低下を抑制できる。また、メッシュ配線層20の外周に位置する複数の閉図形26は、不規則な形状を有している。これにより、メッシュ配線層20の外周を観察者の肉眼で視認しにくくすることができ、観察者がメッシュ配線層20の存在を認識しないようにすることができる。
【0131】
上記実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0132】
10 配線基板
11 基板
20 メッシュ配線層
20S 仮想外周線
21 第1方向配線
21e 端部
22 第2方向配線
22e 端部
23 開口部
24 交点
25 端部連結配線
25e 端部
26 閉図形
40 給電部
90 画像表示装置