(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181057
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】車両用速度制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/14 20060101AFI20231214BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B60W30/14
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191562
(22)【出願日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0070236
(32)【優先日】2022-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】ヨ、ソンユン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ヨンミン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、スンゴン
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA08
3D241BA10
3D241BA44
3D241BA51
3D241CD11
3D241CE02
3D241CE04
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DC40Z
5H181AA01
5H181DD07
5H181FF27
5H181LL09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両の平均速度のみでなく、速度違反取締り始点からの走行距離まで考慮し、算出した車両の加速度に基づいて制限速度を遵守するように車両を制御する。
【解決手段】速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定し、前記設定された目標地点に基づいて目標速度維持始点を設定し、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断されない場合、前記速度違反取締り始点、前記制限速度、前記平均速度、前記速度違反取締り始点からの走行距離、又は前記設定された目標地点のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出する。目標速度、前記制限速度、目標速度下限値、又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する。算出された目標速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
速度違反取締り始点、速度違反取締り終点、速度違反取締り区間の制限速度、車両の平均速度、前記車両の前記速度違反取締り始点からの走行距離、又は前記車両の現在速度のうち一つ以上を受信する通信部と、
前記速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定し、前記設定された目標地点に基づいて目標速度維持始点を設定し、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断されない場合、前記速度違反取締り始点、前記制限速度、前記平均速度、前記速度違反取締り始点からの走行距離、又は前記設定された目標地点のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出する目標速度設定部と、
前記算出された目標速度、前記制限速度、目標速度下限値、又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する必要加速度算出部と、
前記算出された目標速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する制御部と、を含む車両用速度制御装置。
【請求項2】
前記目標速度設定部は、
前記速度違反取締り終点から前記速度違反取締り始点の方向に余裕距離だけ近い地点又は前記速度違反取締り終点のいずれか一つを前記目標地点として設定する、請求項1に記載の車両用速度制御装置。
【請求項3】
前記目標速度設定部は、
前記目標地点から前記速度違反取締り始点の方向に第1距離だけ近い地点又は前記目標地点のいずれか一つを前記目標速度維持始点として設定する、請求項1に記載の車両用速度制御装置。
【請求項4】
前記速度違反取締り終点に基づいて前記目標地点を設定できない場合、
前記必要加速度算出部は、
前記制限速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出し、
前記制御部は、
前記制限速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する、請求項1に記載の車両用速度制御装置。
【請求項5】
前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断される場合、
前記必要加速度算出部は、
前記車両が前記目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出し、
前記制御部は、
前記車両が前記目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する、請求項1に記載の車両用速度制御装置。
【請求項6】
前記目標速度設定部は、
前記速度違反取締り区間の全距離から前記速度違反取締り始点からの走行距離を引き算した値が、前記目標速度維持始点から前記速度違反取締り終点までの距離よりも小さいか同じ値を有する場合、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断する、請求項1に記載の車両用速度制御装置。
【請求項7】
前記目標速度設定部は、
i)前記速度違反取締り始点から前記設定された目標地点までの距離を含む目標距離を前記制限速度で割った値、ii)前記速度違反取締り始点からの走行距離を前記平均速度で割った値、又はiii)前記車両の現在位置から前記設定された目標地点までの距離を含む残余距離のうち一つ以上に基づいて前記目標速度を算出する、請求項1に記載の車両用速度制御装置。
【請求項8】
前記算出された目標速度が正の値を有しないか、又は前記制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合、
前記必要加速度算出部は、
前記制限速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出し、
前記制御部は、
前記制限速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する、請求項1に記載の車両用速度制御装置。
【請求項9】
前記算出された目標速度が前記目標速度下限値よりも小さい、正の値を有する場合、
前記必要加速度算出部は、
前記目標速度下限値又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出し、
前記制御部は、
前記目標速度下限値又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する、請求項1に記載の車両用速度制御装置。
【請求項10】
前記必要加速度算出部は、
前記算出された目標速度から前記車両の現在速度を引き算した値に加速チューニングパラメータを掛けた値を前記必要加速度として算出する、請求項1に記載の車両用速度制御装置。
【請求項11】
通信部を介して、速度違反取締り始点、速度違反取締り終点、速度違反取締り区間の制限速度、車両の平均速度、前記車両の速度違反取締り始点からの走行距離、又は前記車両の現在速度のうち一つ以上を受信する段階と、
目標速度設定部を介して、前記速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定する段階と、
前記目標速度設定部を介して、前記設定された目標地点に基づいて目標速度維持始点を設定する段階と、
前記目標速度設定部を介して、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したか否かを判断する段階と、
前記目標速度設定部を介して、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断されない場合、前記速度違反取締り始点、前記制限速度、前記平均速度、前記速度違反取締り始点からの走行距離、又は前記設定された目標地点のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出する段階と、
必要加速度算出部を介して、前記算出された目標速度、前記制限速度、目標速度下限値、又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階と、
制御部を介して、前記算出された目標速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階と、を含む車両用速度制御方法。
【請求項12】
前記目標地点を設定する段階は、
前記目標速度設定部を介して、前記速度違反取締り終点から前記速度違反取締り始点の方向に余裕距離だけ近い地点又は前記速度違反取締り終点のいずれか一つを前記目標地点として設定する段階を含む、請求項11に記載の車両用速度制御方法。
【請求項13】
前記目標速度維持始点を設定する段階は、
前記目標速度設定部を介して、前記目標地点から前記速度違反取締り始点の方向に第1距離だけ近い地点又は前記目標地点のいずれか一つを前記目標速度維持始点として設定する段階を含む、請求項11に記載の車両用速度制御方法。
【請求項14】
前記速度違反取締り終点に基づいて前記目標地点を設定できない場合、
前記必要加速度算出部を介して、前記制限速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階と、
前記制御部を介して、前記制限速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階と、をさらに含む、請求項11に記載の車両用速度制御方法。
【請求項15】
前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断される場合、
前記必要加速度算出部を介して、前記車両が前記目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階と、
前記制御部を介して、前記車両が前記目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階と、をさらに含む、請求項11に記載の車両用速度制御方法。
【請求項16】
前記車両が前記目標速度維持始点を通過したか否かを判断する段階は、
前記目標速度設定部を介して、前記速度違反取締り区間の全距離から前記速度違反取締り始点からの走行距離を引き算した値が、前記目標速度維持始点から前記速度違反取締り終点までの距離よりも小さいか同じ値を有する場合、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断する段階を含む、請求項11に記載の車両用速度制御方法。
【請求項17】
前記目標速度を算出する段階は、
前記目標速度設定部を介して、i)前記速度違反取締り始点から前記設定された目標地点までの距離を含む目標距離を前記制限速度で割った値、ii)前記速度違反取締り始点からの走行距離を前記平均速度で割った値、又はiii)前記車両の現在位置から前記設定された目標地点までの距離を含む残余距離のうち一つ以上に基づいて前記目標速度を算出する段階を含む、請求項11に記載の車両用速度制御方法。
【請求項18】
前記算出された目標速度が正の値を有しないか、又は前記制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合、
前記必要加速度算出部を介して、前記制限速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階と、
前記制御部を介して、前記制限速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階と、をさらに含む、請求項11に記載の車両用速度制御方法。
【請求項19】
前記算出された目標速度が前記目標速度下限値よりも小さい、正の値を有する場合、
前記必要加速度算出部を介して、前記目標速度下限値又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階と、
前記制御部を介して、前記目標速度下限値又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階と、をさらに含む、請求項11に記載の車両用速度制御方法。
【請求項20】
前記必要加速度を算出する段階は、
前記必要加速度算出部を介して、前記算出された目標速度から前記車両の現在速度を引き算した値に加速チューニングパラメータを掛けた値を前記必要加速度として算出する段階を含む、請求項11に記載の車両用速度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、速度違反取締り区間で車両の速度を制御する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高速国道など多様な道路で走行する車両に対して速度違反取締りを施行する場合がある。
【0003】
速度違反取締り区間では、速度違反取締り始点又は速度違反取締り終点での車両の瞬間速度が制限速度を超える場合のみでなく、速度違反取締り始点から速度違反取締り終点までの平均速度が当該速度違反取締り区間の制限速度を超える場合も当該車両は取締りの対象となる。
【0004】
従来の技術は、速度違反取締り区間で車両の平均速度が制限速度よりも大きい場合、速度違反取締り区間の残余距離と関係なく車両の平均速度を制限速度以下になるように車両の速度を制御する。
【0005】
前記のように速度違反取締り区間の残余距離と関係なく車両の平均速度を調節する方式は、速度違反取締り終点まで十分な距離が残っているにも関わらず必要以上に車両の速度を制限速度よりも低く減速し、平均速度が制限速度以下になると、再び加速するにつれてエネルギーを浪費し、使用者に違和感を与えるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、車両の平均速度のみでなく、速度違反取締り始点からの走行距離まで考慮し、算出した車両の加速度に基づいて制限速度を遵守するように車両を制御する車両用速度制御装置及び方法を提供することを課題とする。
【0007】
本発明の他の実施形態は、速度違反取締り終点から余裕距離だけ速度違反取締り始点に近い地点を目標地点として設定し、目標地点に到達したときに車両の平均速度が速度違反取締り区間の制限速度以下になるように車両を制御することにより、車両の平均速度を制限速度以下になるようにした後、再び車両の速度を高める従来の技術が有しているエネルギーの非効率的な使用を改善してエネルギーを効率的に使用し、使用者の違和感を低下させる車両用速度制御装置及び方法を提供することを課題とする。
【0008】
本発明のさらに他の実施形態は、目標地点から速度違反取締り始点に第1距離だけ近い地点を目標速度維持始点として設定し、車両が目標速度維持始点を通過してから車両の速度を維持することにより、使用者に安定的な走行経験を提供する車両用速度制御装置及び方法を提供することを課題とする。
【0009】
本発明のさらに他の実施形態は、速度違反取締り始点から目標地点までの距離である目標距離、速度違反取締り始点からの走行距離、車両の平均速度、又は車両の現在位置から目標地点までの距離である残余距離のうち一つ以上に基づいて目標速度を持続的に算出することにより、車両の平均速度を精密に制御する車両用速度制御装置及び方法を提供することを課題とする。
【0010】
本発明のさらに他の実施形態は、算出された目標速度が目標速度下限値よりも小さな正の値を有する場合、目標速度下限値を目標速度として設定することにより、使用者の安全を確保する車両用速度制御装置及び方法を提供することを課題とする。
【0011】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、以下の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による車両用速度制御装置は、速度違反取締り始点、速度違反取締り終点、速度違反取締り区間の制限速度、車両の平均速度、前記車両の前記速度違反取締り始点からの走行距離、又は前記車両の現在速度のうち一つ以上を受信する通信部、前記速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定し、前記設定された目標地点に基づいて目標速度維持始点を設定し、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断されない場合、前記速度違反取締り始点、前記制限速度、前記平均速度、前記速度違反取締り始点からの走行距離、又は前記設定された目標地点のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出する目標速度設定部、前記算出された目標速度、前記制限速度、目標速度下限値、又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する必要加速度算出部、及び前記算出された目標速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する制御部を含んでよい。
【0013】
一実施形態において、前記目標速度設定部は、前記速度違反取締り終点から前記速度違反取締り始点の方向に余裕距離だけ近い地点又は前記速度違反取締り終点のいずれか一つを前記目標地点として設定してよい。
【0014】
一実施形態において、前記目標速度設定部は、前記目標地点から前記速度違反取締り始点の方向に第1距離だけ近い地点又は前記目標地点のいずれか一つを前記目標速度維持始点として設定してよい。
【0015】
一実施形態において、前記速度違反取締り終点に基づいて前記目標地点を設定できない場合、前記必要加速度算出部は、前記制限速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出し、前記制御部は、前記制限速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御してよい。
【0016】
一実施形態において、前記目標速度設定部は、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断される場合、前記車両が前記目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出し、前記制御部は、前記車両が前記目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御してよい。
【0017】
一実施形態において、前記目標速度設定部は、前記速度違反取締り区間の全距離から前記速度違反取締り始点からの走行距離を引き算した値が、前記目標速度維持始点から前記速度違反取締り終点までの距離よりも小さいか同じ値を有する場合、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断してよい。
【0018】
一実施形態において、前記目標速度設定部は、i)前記速度違反取締り始点から前記設定された目標地点までの距離を含む目標距離を前記制限速度で割った値、ii)前記速度違反取締り始点からの走行距離を前記平均速度で割った値、又はiii)前記車両の現在位置から前記設定された目標地点までの距離を含む残余距離のうち一つ以上に基づいて前記目標速度を算出してよい。
【0019】
一実施形態において、前記算出された目標速度が正の値を有しないか、又は前記制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合、前記必要加速度算出部は、前記制限速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出し、前記制御部は、前記制限速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御してよい。
【0020】
一実施形態において、前記算出された目標速度が前記目標速度下限値よりも小さい、正の値を有する場合、前記必要加速度算出部は、前記目標速度下限値又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出し、前記制御部は、前記目標速度下限値又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御してよい。
【0021】
一実施形態において、前記必要加速度算出部は、前記算出された目標速度から前記車両の現在速度を引き算した値に加速チューニングパラメータを掛けた値を前記必要加速度として算出してよい。
【0022】
本発明の他の実施形態による車両用速度制御方法は、通信部を介して、速度違反取締り始点、速度違反取締り終点、速度違反取締り区間の制限速度、車両の平均速度、前記車両の速度違反取締り始点からの走行距離、又は前記車両の現在速度のうち一つ以上を受信する段階、目標速度設定部を介して、前記速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定する段階、前記目標速度設定部を介して、前記設定された目標地点に基づいて目標速度維持始点を設定する段階、前記目標速度設定部を介して、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したか否かを判断する段階、前記目標速度設定部を介して、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断されない場合、前記速度違反取締り始点、前記制限速度、前記平均速度、前記速度違反取締り始点からの走行距離、又は前記設定された目標地点のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出する段階、必要加速度算出部を介して、前記算出された目標速度、前記制限速度、目標速度下限値、又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階、及び制御部を介して、前記算出された目標速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階を含んでよい。
【0023】
一実施形態において、前記目標地点を設定する段階は、前記目標速度設定部を介して、前記速度違反取締り終点から前記速度違反取締り始点の方向に余裕距離だけ近い地点又は前記速度違反取締り終点のいずれか一つを前記目標地点として設定する段階を含んでよい。
【0024】
一実施形態において、前記目標速度維持始点を設定する段階は、前記目標速度設定部を介して、前記目標地点から前記速度違反取締り始点の方向に第1距離だけ近い地点又は前記目標地点のいずれか一つを前記目標速度維持始点として設定する段階を含んでよい。
【0025】
一実施形態において、前記速度違反取締り終点に基づいて前記目標地点を設定できない場合、前記必要加速度算出部を介して、前記制限速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階、及び前記制御部を介して、前記制限速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階をさらに含んでよい。
【0026】
一実施形態において、前記目標速度設定部を介して、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断される場合、前記必要加速度算出部を介して、前記車両が前記目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階、及び前記制御部を介して、前記車両が前記目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階をさらに含んでよい。
【0027】
一実施形態において、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したか否かを判断する段階は、前記目標速度設定部を介して、前記速度違反取締り区間の全距離から前記速度違反取締り始点からの走行距離を引き算した値が、前記目標速度維持始点から前記速度違反取締り終点までの距離よりも小さいか同じ値を有する場合、前記車両が前記目標速度維持始点を通過したと判断する段階を含んでよい。
【0028】
一実施形態において、前記目標速度を算出する段階は、前記目標速度設定部を介して、i)前記速度違反取締り始点から前記設定された目標地点までの距離を含む目標距離を前記制限速度で割った値、ii)前記速度違反取締り始点からの走行距離を前記平均速度で割った値、又はiii)前記車両の現在位置から前記設定された目標地点までの距離を含む残余距離のうち一つ以上に基づいて前記目標速度を算出する段階を含んでよい。
【0029】
一実施形態において、前記算出された目標速度が正の値を有しないか、又は前記制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合、前記必要加速度算出部を介して、前記制限速度又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階、及び前記制御部を介して、前記制限速度又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階をさらに含んでよい。
【0030】
一実施形態において、前記算出された目標速度が前記目標速度下限値よりも小さい、正の値を有する場合、前記必要加速度算出部を介して、前記目標速度下限値又は前記車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階、及び前記制御部を介して、前記目標速度下限値又は前記算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて前記車両を制御する段階をさらに含んでよい。
【0031】
一実施形態において、前記必要加速度を算出する段階は、前記必要加速度算出部を介して、前記算出された目標速度から前記車両の現在速度を引き算した値に加速チューニングパラメータを掛けた値を前記必要加速度として算出する段階を含んでよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明の実施形態は、車両の平均速度のみでなく、速度違反取締り始点からの走行距離まで考慮して算出した車両の加速度に基づいて制限速度を遵守するように車両を制御する車両用速度制御装置及び方法を提供することができる。
【0033】
本発明の他の実施形態は、速度違反取締り終点から余裕距離だけ速度違反取締り始点に近い地点を目標地点として設定し、目標地点に到達したときに車両の平均速度が速度違反取締り区間の制限速度以下になるように車両を制御することにより、車両の平均速度を制限速度以下になるようにした後、再び車両の速度を高める従来の技術が有しているエネルギーの非効率的な使用を改善してエネルギーを効率的に使用し、使用者の違和感を低下させる車両用速度制御装置及び方法を提供することができる。
【0034】
本発明のさらに他の実施形態は、目標地点から速度違反取締り始点に第1距離だけ近い地点を目標速度維持始点として設定し、車両が目標速度維持始点を通過してから車両の速度を維持することにより、使用者に安定的な走行経験を提供する車両用速度制御装置及び方法を提供することができる。
【0035】
本発明のさらに他の実施形態は、速度違反取締り始点から目標地点までの距離である目標距離、速度違反取締り始点からの走行距離、車両の平均速度、又は車両の現在位置から目標地点までの距離である残余距離のうち一つ以上に基づいて目標速度を持続的に算出することにより、車両の平均速度を精密に制御する車両用速度制御装置及び方法を提供することができる。
【0036】
本発明のさらに他の実施形態は、算出された目標速度が目標速度下限値よりも小さな正の値を有する場合、目標速度下限値を目標速度として設定することにより、使用者の安全を確保する車両用速度制御装置及び方法を提供することができる。
【0037】
その他に、本文書を介して直接的又は間接的に把握される様々な効果が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の一実施形態による車両用速度制御装置を示す図である。
【
図2】本発明の他の一実施形態による車両用速度制御装置又は方法により車両を制御する例示を示す図である。
【
図3】本発明のさらに他の一実施形態による車両用速度制御装置又は方法により車両を制御するフローチャートを示す図である。
【
図4a】従来の技術又は本発明の様々な実施形態による車両の位置に対する車両の平均速度又は現在速度を示す図である。
【
図4b】従来の技術又は本発明の様々な実施形態による車両の位置に対する車両の平均速度又は現在速度を示す図である。
【
図4c】従来の技術又は本発明の様々な実施形態による車両の位置に対する車両の平均速度又は現在速度を示す図である。
【
図4d】従来の技術又は本発明の様々な実施形態による車両の位置に対する車両の平均速度又は現在速度を示す図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施形態による車両用速度制御方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の一部実施形態を例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たり、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できる限り同一の符号を有するように留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するに当たり、関連した公知の構成又は機能に対する具体的な説明が、本発明の実施形態に対する理解を妨害すると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0040】
本発明の実施形態の構成要素を説明するに当たり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用してよい。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されるものではない。また、特に定義されない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで用いられる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。一般的に用いられる辞典に定義されている用語と同様の用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味として解釈されなければならず、本出願において明らかに定義されていない限り、理想的かつ過度に形式的な意味に解釈されるものではない。
【0041】
以下、
図1~
図5を参照し、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態による車両用速度制御装置1000を示す図である。
【0043】
本発明の一実施形態による車両用速度制御装置1000は、通信部1001、目標速度設定部1002、必要加速度算出部1003、及び制御部1004を含んでよい。
【0044】
また、本発明の一実施形態による車両用速度制御装置1000は、この図に示されていない一つ又はそれ以上のエレメント(element)を含んでよい。
【0045】
本発明の一実施形態による車両用速度制御装置1000は、車両に備えられてよい(以下、実施形態による車両用速度制御装置1000を含む車両を「自車両」という)。
【0046】
ここで、自車両は、電気自動車(EV、Electric Vehicle)、ハイブリッドカー(HEV、Hybrid Electric Vehicle)、水素電気車、プラグインハイブリッドカー(PHEV、Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又は内燃機関自動車のうち一つ以上を含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0047】
一実施形態による車両用速度制御装置1000は、通信部1001を含んでよい。
【0048】
ここで、通信部1001としては、LIN(Local interconnect Network)、CAN(Controller Area Network)、フレックスレイコミュニケーションバス(FlexRay Communication Bus)、MOST(Media Oriented Systems Transport)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、C-V2X(Cellular Vehicle-to-Everything)、ワイファイ(Wi-Fi)、ワイブロ(WiBro、Wireless Broadband)、又はワイマックス(WiMax、Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの通信方式を用いてよいが、これに限定されるものではない。
【0049】
通信部1001は、ナビゲーション1010と通信して情報が受信されるか送信してよい。
【0050】
ここで、ナビゲーション1010は、自車両に備えられたものであるか、自車両又は車両用速度制御装置1000と通信可能なポータブル機器に備えられたものであってよい。
【0051】
通信部1001は、速度違反取締り始点、速度違反取締り終点、速度違反取締り区間の制限速度、自車両の平均速度、自車両の速度違反取締り始点からの走行距離、又は自車両の現在速度のうち一つ以上を受信してよい。
【0052】
ここで、速度違反取締り始点は、車両の平均速度が制限速度以下になるようにしなければならない速度違反取締り区間が開始する地点であってよく、速度違反取締り終点は、当該速度違反取締り区間が終了する地点であってよい。
また、速度違反取締り区間の制限速度は、当該速度違反取締り区間で自車両が遵守しなければならない速度であって、自車両の平均速度と比較される基準を含んでよい。
【0053】
また、自車両の平均速度は、速度違反取締り始点からの自車両の平均速度を含んでよい。
【0054】
通信部1001は、目標速度設定部1002、必要加速度算出部1003、又は制御部1004のうち一つ以上と通信してよい。
【0055】
通信部1001は、速度違反取締り始点、速度違反取締り終点、速度違反取締り区間の制限速度、自車両の平均速度、又は自車両の速度違反取締り始点からの走行距離のうち一つ以上を目標速度設定部1002に伝達してよい。
【0056】
また、通信部1001は、自車両の現在速度を必要加速度算出部1003に伝達してよい。
【0057】
車両用速度制御装置1000は、目標速度設定部1002を含んでよい。
【0058】
目標速度設定部1002は、通信部1001から速度違反取締り始点、速度違反取締り終点、速度違反取締り区間の制限速度、自車両の平均速度、又は自車両の速度違反取締り始点からの走行距離のうち一つ以上を受信してよい。
【0059】
目標速度設定部1002は、速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定してよい。
【0060】
ここで、目標地点は、速度違反取締り終点から速度違反取締り始点の方向に余裕距離だけ近い地点であるか、又は目標地点が設定されない場合、速度違反取締り終点が目標地点であってよい。
【0061】
また、目標地点は、車両用速度制御装置1000が自車両の速度を制御するに当たり、自車両が目標地点に到達したときに自車両の平均速度が制限速度以下になるように制御する目標になる地点を含んでよい。
【0062】
目標速度設定部1002が速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定する技術的特徴については、
図2に関する説明で詳細に説明する。
【0063】
そして、目標速度設定部1002は、設定された目標地点に基づいて目標速度維持始点を設定してよい。
【0064】
ここで、目標速度維持始点は、目標地点から速度違反取締り始点の方向に第1距離だけ近い地点であるか、又は目標地点が目標速度維持始点であってよい。
【0065】
また、目標速度維持始点は、自車両が目標速度維持始点に到達したときに自車両の速度を維持し始める始点を含んでよい。
【0066】
目標速度設定部1002が設定された目標地点に基づいて目標速度維持始点を設定する技術的特徴については、
図2に関する説明で詳細に説明する。
【0067】
目標速度設定部1002は、自車両が目標速度維持始点を通過したと判断されない場合、速度違反取締り始点、制限速度、平均速度、速度違反取締り始点からの走行距離、又は設定された目標地点のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出してよい。
【0068】
ここで、目標速度は、自車両が目標地点に到達したときに自車両の平均速度が制限速度以下になるようにするために、車両の現在位置から目標地点まで自車両が走行しなければならない速度の平均値を含んでよい。
【0069】
そして、目標速度は、自車両が走行するにつれて持続的に算出されて変化させられてよい。
【0070】
目標速度設定部1002が目標速度を算出する技術的特徴については、
図2~3に関する説明で詳細に説明する。
【0071】
目標速度設定部1002は、自車両が目標速度維持始点を通過したと判断されない場合に目標速度を算出できるので、目標速度設定部1002は、自車両が目標速度維持始点を通過する前に持続的に目標速度を算出してよい。
【0072】
目標速度設定部1002は、目標地点、目標速度維持始点、又は目標速度のうち一つ以上を通信部1001、必要加速度算出部1003、又は制御部1004のうち一つ以上に伝達してよい。
【0073】
車両用速度制御装置1000は、必要加速度算出部1003を含んでよい。
【0074】
必要加速度算出部1003は、算出された目標速度又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出してよい。
【0075】
必要加速度は、自車両が目標速度で走行するために、自車両に制御されなければならない加速度であってよい。
【0076】
必要加速度算出部1003が必要加速度を算出する具体的な内容は、
図3に関する説明で詳細に説明する。
【0077】
必要加速度算出部1003は、算出された必要加速度を通信部1001、目標速度設定部1002、又は制御部1004のうち一つ以上に伝達してよい。
【0078】
車両用速度制御装置1000は、制御部1004を含んでよい。
【0079】
制御部1004は、算出された目標速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて自車両を制御してよい。
【0080】
制御部1004は、自車両の加速装置、制動装置、又は操向装置のうち一つ以上を制御し、自車両を必要加速度に符合するように制御してよい。
【0081】
制御部1004が自車両を制御する具体的な内容は、
図3に関する説明で詳細に説明する。
【0082】
図2は、本発明の他の一実施形態による車両用速度制御装置(例えば、
図1の1000)又は方法により車両を制御する例示を示す図である。
【0083】
図2は、自車両2000が速度違反取締り始点2001を通過して速度違反取締り終点2002に走行するときの任意の時点を示す図であってよい。
【0084】
この図において、当該速度違反取締り区間の制限速度は、100km/hであってよい。よって、速度違反取締り始点2001における自車両の速度、速度違反取締り終点2002における自車両の速度、速度違反取締り始点2001から速度違反取締り終点2002までの自車両の平均速度は、制限速度である100km/h以下である必要がある。
【0085】
この図において、自車両2000は、速度違反取締り始点2001で速度違反取締り始点2001からの走行距離だけ通過して現在位置で走行中であってよい。
【0086】
目標速度設定部(例えば、
図1の1002)は、速度違反取締り終点2002から速度違反取締り始点2001の方向に余裕距離だけ近い地点又は速度違反取締り終点2002のいずれか一つを目標地点として設定してよい。
【0087】
例えば、余裕距離は500mであってよいが、自車両2000の速度違反取締り始点2001からの走行距離、自車両2000の速度違反取締り始点2001からの平均速度、速度違反取締り区間の全距離、制限速度、当該速度違反取締り区間の具体的な交通状況、又は使用者の設定などによりいくらでも変わってよい。
【0088】
この図においては、速度違反取締り終点2002から速度違反取締り始点2001の方向に余裕距離だけ近い地点を目標地点として設定された場合であってよい。
【0089】
自車両2000が目標地点に到達したときに、自車両2000の速度違反取締り始点2001からの平均速度は、当該速度違反取締り区間の制限速度である100km/hであってよい。
【0090】
もし、自車両2000の平均速度が制限速度以上の状態を維持し、速度違反取締り終点2002の直前で制限速度以下になるように制御すると、使用者は、制限速度を超えた状態で走行することによる不安感を感じる可能性がある。
【0091】
また、速度違反取締り終点2002の直前で自車両2000の平均速度が制限速度以下になるように制御しようとする場合において、速度違反取締り終点2002で他の車両の交通などの状況により自車両2000の減速が行われない場合、自車両2000は、制限速度よりも大きい平均速度で速度違反取締り終点2002を経て取締りの対象となる場合がある。
【0092】
実施形態による車両用速度制御装置又は方法は、速度違反取締り終点2002から速度違反取締り始点2001の方向に余裕距離だけ近い地点を目標地点として設定することにより、使用者にとってまだ速度違反取締り終点2002に到達せずに目標地点を通過して走行中であるとしても、自車両2000の平均速度が制限速度よりも低いか同一に制御されることにより、使用者の違和感を解消し、使用者の安全を確保することができる。
【0093】
ただし、目標地点又は余裕距離が設定されないか、又は自車両2000が既に多くの距離を走行して自車両2000が速度違反取締り終点2002に近接した場合などには、目標速度設定部は、速度違反取締り終点2002を目標地点として設定してよい。
【0094】
ここで、自車両2000の現在位置から目標地点までの距離は、残余距離であってよい。
【0095】
そして、速度違反取締り始点2001から目標地点までの距離は、目標距離であってよい。
【0096】
そして、目標距離と余裕距離を合算した値の距離は、速度違反取締り区間の全距離であってよい。
【0097】
そして、目標速度設定部は、目標地点から速度違反取締り始点2001の方向に第1距離だけ近い地点を目標速度維持始点として設定してよい。
【0098】
例えば、第1距離は1500mであってよいが、自車両2000の速度違反取締り始点2001からの走行距離、自車両2000の速度違反取締り始点2001からの平均速度、速度違反取締り区間の全距離、制限速度、当該速度違反取締り区間の具体的な交通状況、余裕距離、又は使用者の設定などによりいくらでも変わってよい。
【0099】
ここで、目標速度維持始点から速度違反取締り終点2002までの距離は、目標速度維持距離であってよい。
【0100】
従来の技術は、速度違反取締り区間を走行する車両の平均速度が制限速度よりも大きい場合、残余距離を考慮せず、車両の平均速度が制限速度以下になるように制御した。
【0101】
このような従来の技術は、車両の平均速度を制限速度以下になるようにするために、残余距離が十分に残っているにもかかわらず、必要以上に車両の速度を低く減速して車両の平均速度が制限速度より以下になるようにした後、車両を再加速するにつれて、エネルギー浪費をもたらし、使用者に違和感を与えるという問題があった。
【0102】
実施形態による車両用速度制御装置又は方法は、目標地点から速度違反取締り始点2001の方向に第1距離だけ近い地点を目標速度維持始点として設定し、自車両2000が目標速度維持始点に到達した時点から車両の速度を目標速度、制限速度、又は目標速度下限値に維持して走行するようにし、自車両2000が目標地点に到達したときに自車両2000の平均速度が制限速度以下になるように制御することにより、従来の技術が車両の平均速度を制限速度以下になるように制御してから車両を再加速するにつれて、エネルギーを非効率的に使用した問題を改善することができる。
【0103】
目標速度設定部は、自車両2000が速度違反取締り始点2001を通過して目標速度維持始点に到達する前まで目標速度を持続的に算出することができる。
【0104】
具体的には、目標速度設定部は、i)速度違反取締り始点2001から設定された目標地点までの距離を含む目標距離を制限速度で割った値、ii)速度違反取締り始点2001からの走行距離を平均速度で割った値、又はiii)自車両2000の現在位置から設定された目標地点までの距離を含む残余距離のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出してよい。
【0105】
より具体的には、目標速度設定部は、下記数学式1により目標速度を算出してよい。
【数1】
【0106】
ここで、残余距離は、自車両2000の現在位置から目標地点までの距離であり、目標距離は、速度違反取締り始点2001から目標地点までの距離であり、制限速度は、自車両2000が走行中の速度違反取締り区間の制限速度であり、走行距離は、自車両2000が速度違反取締り始点2001から走行した距離であって、速度違反取締り始点2001から自車両2000の現在位置までの距離であり、平均速度は、自車両2000が速度違反取締り始点2001から現在位置まで走行した平均速度であってよい。
【0107】
また、目標速度設定部は、自車両2000が目標速度維持始点に到達する前まで持続的に目標速度を算出して更新してよい。
【0108】
このように、実施形態による車両用速度制御装置又は方法は、自車両2000が目標維持始点に到達する前に目標速度を持続的に算出することにより、車両の平均速度を精密に制御することができる。
【0109】
そして、必要加速度算出部は、自車両2000が目標速度維持始点を通過したと判断される場合、自車両2000が目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度に基づいて必要加速度を算出し、車両を制御することができる。
【0110】
具体的には、自車両2000が目標速度維持始点を通過したと判断される場合、必要加速度算出部は、車両が目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出してよい。
【0111】
そして、制御部は、自車両2000が目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて車両を制御してよい。
【0112】
前述したように、自車両2000が目標速度維持始点を通過した場合、実施形態による車両用速度制御装置又は方法は、自車両2000が目標速度を維持して目標地点に到達し、自車両2000の平均速度が制限速度以下になるように制御してよい。
【0113】
言い換えれば、実施形態による車両用速度制御装置又は方法は、自車両2000が目標速度維持始点を通過したと判断される場合、目標速度を持続的に算出することを中断し、自車両2000が目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度に基づいて車両を制御してよい。
【0114】
一方、必要加速度算出部は、速度違反取締り終点2002に基づいて目標地点を設定できない場合、制限速度に基づいて必要加速度を算出してよい。
【0115】
例えば、必要加速度算出部は、速度違反取締り終点2002に関する情報が正確に入力されないか、又は目標地点を設定できない場合は、前記数学式1により目標速度を算出できないので、制限速度又は自車両2000の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出してよい。
【0116】
そして、制御部は、制限速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて自車両2000を制御してよい。
【0117】
図3は、本発明のさらに他の一実施形態による車両用速度制御装置(例えば、
図1の1000)又は方法により車両を制御するフローチャートを示す図である。
【0118】
目標速度設定部(例えば、
図1の1002)は、速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定できるか否かを判断することができる(3000)。
【0119】
必要加速度算出部(例えば、
図1の1003)は、速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定できない場合(3000のNO)、制限速度に基づいて必要加速度を算出することができる(3010)。
【0120】
具体的には、必要加速度算出部は、速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定できない場合(3000のNO)、制限速度又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出することができる(3010)。
【0121】
そして、制御部(例えば、
図1の1004)は、速度違反取締り終点に基づいて前記目標地点を設定できない場合(3000のNO)、制限速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて自車両を制御することができる(3020)。
【0122】
この場合において、算出された必要加速度は、速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定できない場合(3000のNO)、制限速度又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて算出された必要加速度(3010)であってよい。
【0123】
また、目標速度設定部は、速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定できる場合(3000のYES)、速度違反取締り終点から速度違反取締り始点の方向に余裕距離だけ近い地点又は速度違反取締り終点を目標地点として設定することができる(3001)。
【0124】
そして、目標速度設定部は、目標地点に基づいて目標速度維持始点を設定することができる(3002)。
【0125】
具体的には、目標速度設定部は、目標地点から速度違反取締り始点の方向に第1距離だけ近い地点又は目標地点を目標速度維持始点として設定することができる(3002)。
【0126】
そして、目標速度設定部は、自車両が目標速度維持始点を通過したか否かを判断することができる(3003)。
【0127】
具体的には、目標速度設定部は、速度違反取締り区間の全距離から速度違反取締り始点からの走行距離を引き算した値が、目標速度維持始点から速度違反取締り終点までの距離よりも小さいか同じ値を有する場合、自車両が目標速度維持始点を通過したと判断することができる(3003のYES)。
【0128】
目標速度設定部は、自車両が目標速度維持始点を通過したと判断される場合(3003のYES)、目標速度を算出せず、自車両が目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度に対して判断することができる(3005~3006以下)。
【0129】
これは、前述したように、自車両が目標速度維持始点を通過した場合(3003のYES)、新しく目標速度を算出する必要がないからである。
【0130】
一方、目標速度設定部は、自車両が目標速度維持始点を通過したと判断されない場合(3003のNO)、目標速度を算出することができる(3004)。
【0131】
具体的には、目標速度設定部は、i)速度違反取締り始点から設定された目標地点までの距離を含む目標距離を制限速度で割った値、ii)速度違反取締り始点からの走行距離を平均速度で割った値、又はiii)自車両の現在位置から設定された目標地点までの距離を含む残余距離のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出することができる(3004)。
【0132】
より具体的には、目標速度設定部は、前記
図2に関する説明の数学式1により目標速度を算出することができる(3004)。
【0133】
そして、目標速度設定部は、算出された目標速度が制限速度よりも小さな正の値を有するか否かを判断することができる(3005)。
【0134】
必要加速度算出部は、算出された目標速度が正の値を有しないか、又は制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合(3005のNO)、制限速度に基づいて必要加速度を算出することができる(3010)。
【0135】
具体的には、必要加速度算出部は、算出された目標速度が正の値を有しないか、又は制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合(3005のNO)、制限速度又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出することができる(3010)。
【0136】
そして、制御部は、算出された目標速度が正の値を有しないか、又は制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合(3005のNO)、制限速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて自車両を制御することができる(3020)。
【0137】
この場合において、算出された必要加速度は、算出された目標速度が正の値を有しないか、又は制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合(3005のNO)、制限速度又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて算出された必要加速度(3010)であってよい。
【0138】
例えば、自車両の現在位置までの平均速度が一定の水準以下に低い場合、自車両の速度を十分に高めても目標地点までの自車両の平均速度が制限速度よりも低い場合がある。
【0139】
ただし、制限速度より現在自車両の平均速度が十分に低いという理由で必要以上に自車両の速度を高く制御することは、使用者及び他の車両の安全を脅かす可能性がある。
【0140】
したがって、必要加速度算出部は、前記
図2に関する説明の数学式1により算出された目標速度が正の値を有しないか、又は制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合(3005のNO)、制限速度に基づいて必要加速度を算出することにより(3010)、使用者及び他の車両の使用者の安全を確保することができる。
【0141】
一方、必要加速度算出部は、算出された目標速度が制限速度よりも小さな正の値を有する場合(3005のYES)、算出された目標速度が目標速度下限値よりも大きい値を有するか否かを判断することができる(3006)。
【0142】
必要加速度算出部は、算出された目標速度が目標速度下限値よりも小さいか同じである、正の値を有する場合(3006のNO)、目標速度下限値に基づいて必要加速度を算出することができる(3012)。
【0143】
例えば、自車両の現在位置までの平均速度が制限速度を遥かに上回る場合、目標地点まで制限速度より十分に低い速度で走行してこそ、目標地点に到達した自車両の平均速度が制限速度以下になる場合がある。
【0144】
ただし、制限速度より現在自車両の平均速度が十分に大きいという理由で、自車両を急減速するか制限速度よりも大幅低い速度で道路を走行するようになると、他の車両の交通を妨害するか、使用者及び他の車両の使用者の安全を脅かすことがあり得る。
【0145】
したがって、必要加速度算出部は、算出された目標速度が目標速度下限値よりも小さいか同じである、正の値を有する場合(3006のNO)、目標速度下限値に基づいて必要加速度を算出することにより(3012)、交通状況を円滑にしながらも、使用者及び他の車両の使用者の安全を確保することができる。
そして、目標速度下限値は、制限速度に0から1の間の数を掛けた値であってよい。
【0146】
例えば、目標速度下限値は、制限速度に0.5を掛けた値であってよい。
【0147】
一方、目標速度下限値は、当該速度違反取締り区間に関する道路法規上最低制限速度と同じ値であってよいが、当該速度違反取締り区間の具体的な状況に応じて、法廷最低制限速度よりも大きい値としてもよい。
【0148】
一方、この図においては、必要加速度算出部が算出された目標速度が制限速度よりも小さな正の値を有するか否かを判断した後(3005)、算出された目標速度が目標速度下限値よりも大きい値を有するか否かを判断するが(3006)、これは理解を助けるための例示であって、前記判断(3005及び3006)の順序は、この図に示したものと異なってよく、前記判断(3005及び3006)は、並列的に同時に行われてもよい。
【0149】
そして、目標速度設定部は、算出された目標速度が制限速度よりも小さく、目標速度下限値よりも大きい値を有する場合(3005のYES及び3006のYES)、算出された目標速度に基づいて必要加速度を算出することができる(3011)。
【0150】
具体的には、目標速度設定部は、算出された目標速度が制限速度よりも小さく、目標速度下限値よりも大きい値を有する場合(3005のYES及び3006のYES)、必要加速度算出部は、算出された目標速度から自車両の現在速度を引き算した値に加速チューニングパラメータを掛けた値を必要加速度として算出することができる(3011)。
【0151】
より具体的には、必要加速度算出部は、下記数学式2により必要加速度を算出することができる(3011)。
【数2】
【0152】
ここで、目標速度は、目標速度設定部により算出された値であってよく(3004)、現在速度は、必要加速度を算出する時点における自車両の現在速度であり、Kは、加速チューニングパラメータであってよい。
【0153】
一方、場合によって、前記数学式2により、目標速度は、制限速度であるか(3010)又は目標速度下限値(3012)を代入して必要加速度を算出することができる。
【0154】
具体的には、i)目標地点設定を設定できない場合(3000のNO)、又は算出された目標速度が正の値を有しないか、又は制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合(3005のNO)には、数学式2の目標速度に制限速度を代入して必要加速度を算出することができ(3010)、ii)算出された目標速度が目標速度下限値よりも小さい、正の値を有する場合(3006のNO)には、数学式2の目標速度に目標速度下限値を代入して必要加速度を算出することができる(3012)。
【0155】
このように、必要加速度算出部は、算出された目標速度、制限速度、目標速度下限値、又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出することができる(3010、3011、又は3012)。
【0156】
そして、制御部は、算出された目標速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて自車両を制御することができる(3020)。
【0157】
例えば、制御部は、目標速度と必要加速度を自車両に備えられた車間距離制御機から算出された目標速度及び必要加速度と比較し、車両の加速装置、制動装置、又は操向装置のうち一つ以上に伝達して制御することができる(3020)。
【0158】
そして、目標速度設定部は、目標地点を設定できるか否か再び判断し(3000)、その判断後の前述した過程を繰り返すことができる(3001など)。
【0159】
図4a、4b、4c、及び4dは、従来の技術又は本発明の様々な実施形態による車両の位置に対する車両の平均速度又は現在速度を示す図である。
【0160】
図4a、4b、4c、及び4dは、従来の技術又は本発明の実施形態により制限速度が100km/hであり、全距離が5kmである速度違反取締り区間で自車両が120km/hの速度で走行して自車両の平均速度を制限速度以下に制御するときの自車両の現在速度又は平均速度を自車両の位置に応じて示したグラフであってよい。
【0161】
図4a、4b、4c、又は4dは、それぞれの図は、自車両の平均速度を制限速度以下に低め始める自車両の位置が互いに異なる4つの場合を含んでいる。
【0162】
図4a及び4bは、従来の技術により自車両の制限速度が100km/hである速度違反取締り区間を120km/hで走行した後、自車両の平均速度を制限速度以下に制御する4つの場合を示したグラフであってよい。
【0163】
図4aは、従来の技術により自車両が120km/hで走行した後、自車両の平均速度を制限速度である100km/h以下に制御するときに、自車両の現在速度を示したグラフであってよい。
【0164】
図4aに示された4つの場合のいずれも、自車両の平均速度を低めるために残余距離を考慮せず、自車両の現在速度を急激に低めて自車両の平均速度が制限速度よりも低くなった場合において、再び加速する場合に該当する。
【0165】
このように自車両の速度を急減速してから再び加速する従来の技術は、再加速するにつれて、エネルギーを非効率的に使用する問題がある。
【0166】
図4bは、従来の技術により自車両が120km/hで走行した後、自車両の平均速度を制限速度である100km/h以下に制御するときに、自車両の平均速度を示したグラフであってよい。
【0167】
図4cは、本発明の実施形態による車両用速度制御装置又は方法により自車両が120km/hで走行した後、自車両の平均速度を制限速度である100km/h以下に制御するときに、自車両の現在速度を示したグラフであってよい。
【0168】
図4cに示されたように、本発明の実施形態による車両用速度制御装置又は方法は、目標維持始点まで持続的な目標速度を算出して自車両を制御し、目標維持始点後からは新しく目標速度を算出しないので、ある地点後からは自車両の現在速度をそのまま維持することができる。
【0169】
このように、本発明の実施形態による車両用速度制御装置又は方法は、従来の技術とは異なり、自車両の急減速後の再加速によるエネルギーの非効率的な使用を防止することができる。
【0170】
図4dは、本発明の実施形態による車両用速度制御装置又は方法により自車両が120km/hで走行した後、自車両の平均速度を制限速度である100km/h以下に制御するときに、自車両の平均速度を示したグラフであってよい。
【0171】
図5は、本発明のさらに他の実施形態による車両用速度制御方法を示す図である。
【0172】
図1~
図4dで前述した車両用速度制御装置(例えば、
図1の1000)は、この図で説明する方法を行ってよい。
【0173】
本発明の一実施形態による車両用速度制御方法は、通信部(例えば、
図1の1001)を介して、速度違反取締り始点、速度違反取締り終点、速度違反取締り区間の制限速度、自車両の平均速度、自車両の速度違反取締り始点からの走行距離、又は自車両の現在速度のうち一つ以上を受信する段階(S5001)、目標速度設定部(例えば、
図1の1002)を介して、速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定する段階(S5002)、目標速度設定部を介して、設定された目標地点に基づいて目標速度維持始点を設定する段階(S5003)、目標速度設定部を介して、自車両が目標速度維持始点を通過したか否かを判断する段階(S5004)、目標速度設定部を介して、自車両が目標速度維持始点を通過したと判断されない場合、速度違反取締り始点、制限速度、平均速度、速度違反取締り始点からの走行距離、又は設定された目標地点のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出する段階(S5005)、必要加速度算出部(例えば、
図1の1003)を介して、算出された目標速度又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階(S5006)、及び制御部(例えば、
図1の1004)を介して、算出された目標速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて車両を制御する段階(S5007)を含んでよい。
【0174】
S5001段階は、
図1~
図4dで前述した通信部により行われてよい。
【0175】
S5002、S5003、S5004、乃至S5005段階は、
図1~
図4dで前述した目標速度設定部により行われてよい。
【0176】
S5002段階は、目標速度設定部を介して、速度違反取締り終点から速度違反取締り始点の方向に余裕距離だけ近い地点又は速度違反取締り終点のいずれか一つを目標地点として設定する段階を含んでよい。
【0177】
一方、一実施形態による車両用速度制御方法は、速度違反取締り終点に基づいて目標地点を設定できない場合、必要加速度算出部を介して、制限速度又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階、及び制御部を介して、制限速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて自車両を制御する段階をさらに含んでよい。
【0178】
S5003段階は、目標速度設定部を介して、目標地点から速度違反取締り始点の方向に第1距離だけ近い地点を目標速度維持始点として設定する段階を含んでよい。
【0179】
S5004段階は、目標速度設定部を介して、速度違反取締り区間の全距離から速度違反取締り始点からの走行距離を引き算した値が、目標速度維持始点から速度違反取締り終点までの距離よりも小さいか同じ値を有する場合、自車両が目標速度維持始点を通過したと判断する段階を含んでよい。
【0180】
一方、一実施形態による車両用速度制御方法は、自車両が目標速度維持始点を通過したと判断される場合、必要加速度算出部を介して、自車両が目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階、及び制御部を介して、自車両が目標速度維持始点を通過する前に算出された目標速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて自車両を制御する段階をさらに含んでよい。
【0181】
S5005段階は、目標速度設定部を介して、i)速度違反取締り始点から設定された目標地点までの距離を含む目標距離を制限速度で割った値、ii)速度違反取締り始点からの走行距離を平均速度で割った値、又はiii)自車両の現在位置から設定された目標地点までの距離を含む残余距離のうち一つ以上に基づいて目標速度を算出する段階を含んでよい。
【0182】
一方、一実施形態による車両用速度制御方法は、算出された目標速度が正の値を有しないか、又は制限速度よりも大きいか同じ値を有する場合、必要加速度算出部を介して、制限速度又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階、及び制御部を介して、制限速度又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて自車両を制御する段階をさらに含んでよい。
【0183】
また、一実施形態による車両用速度制御方法は、算出された目標速度が目標速度下限値よりも小さい、正の値を有する場合、必要加速度算出部を介して、目標速度下限値又は自車両の現在速度のうち一つ以上に基づいて必要加速度を算出する段階、及び制御部を介して、目標速度下限値又は算出された必要加速度のうち一つ以上に基づいて自車両を制御する段階をさらに含んでよい。
【0184】
S5006段階は、
図1~
図4dで前述した必要加速度算出部により行われてよい。
【0185】
S5006段階は、必要加速度算出部を介して、算出された目標速度から自車両の現在速度を引き算した値に加速チューニングパラメータを掛けた値を必要加速度として算出する段階を含んでよい。
【0186】
S5007段階は、
図1~
図4dで前述した制御部により行われてよい。
【0187】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能である。
【0188】
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等の範囲内の全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。