(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181062
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置及びその監視方法
(51)【国際特許分類】
E21B 47/00 20120101AFI20231214BHJP
【FI】
E21B47/00
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211296
(22)【出願日】2022-12-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202210652200.X
(32)【優先日】2022-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】510000839
【氏名又は名称】東北大学
【氏名又は名称原語表記】Northeastern University
【住所又は居所原語表記】NO.11, LANE3, WENHUA ROAD, HEPING DISTRICT, SHENYANG, LIAONING, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】馮 夏庭
(72)【発明者】
【氏名】于 小軍
(72)【発明者】
【氏名】周 揚一
(72)【発明者】
【氏名】李 西凡
(72)【発明者】
【氏名】孫 本通
(72)【発明者】
【氏名】王 飛燕
(57)【要約】
【課題】本発明は、深部工事の現場監視の分野に関し、深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置及びその監視方法を提供する。
【解決手段】該装置は、トンネル床面に設置された支持部材と、前記支持部材に固定されたブッシュ装置(6)と、データ収集器(5)と、ブッシュ接続棒の末端に接続され、かつ前記ブッシュ装置(6)によりトンネルの掘削孔へ直線でブッシュされる掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と、トンネル掘削孔の内部に設置され、掘削孔の方向に沿って延伸され、端と端とが接続される複数の透明接続管(3)と、を含み、前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、前記透明接続管(3)を透過して掘削孔の孔壁の変化を検知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル床面に設置された支持部材と、
前記支持部材に固定されたブッシュ装置(6)と、
データ収集器(5)と、
ブッシュ接続棒(1-8)の末端に接続され、かつ前記ブッシュ装置(6)によりトンネルの掘削孔へ直線でブッシュされる掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と、
トンネル掘削孔の内部に設置され、掘削孔の方向に沿って延伸され、端と端とが接続される複数の透明接続管(3)と、を含み、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、前記透明接続管(3)を透過して掘削孔の孔壁の変化を検知する、ことを特徴とする深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項2】
2つの透明接続管(3)の接続部の外壁に設けられた透明接続管ガイドリング(2)により、接続後の各透明接続管(3)が掘削孔の内部に同軸に配置され、
前記透明接続管ガイドリング(2)は、固定リング(2-2)と、可動リング1(2-1)と、可動リング2(2-4)と、透明接続管案内輪(2-6)とを含み、前記固定リング(2-2)は2つの同じ半円環により構成され、かつ透明接続管ガイドリング締め付けボルト(2-3)により前記透明接続管(3)の外壁に締め付けられ、
可動リング1(2-1)及び可動リング2(2-4)は、それぞれ可動リング1連結ばね(2-10)及び可動リング2連結ばね(2-11)により固定リング(2-2)に接続され、可動リング1(2-1)は案内輪支持ロッド1連結ピン(2-8)により案内輪支持ロッド1(2-5)にヒンジ結合され、可動リング2(2-4)は案内輪支持ロッド2連結ピン(2-9)により案内輪支持ロッド2(2-7)にヒンジ結合され、
前記透明接続管案内輪(2-6)は、案内輪支持ロッド1(2-5)及び案内輪支持ロッド2(2-7)の端部のU字型溝内に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項3】
透明接続管(3)と掘削孔の孔壁との間には前記透明接続管ガイドリング(2)を収納するための間隙がある、ことを特徴とする請求項2に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項4】
各透明接続管(3)は螺合により連結される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項5】
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、順次に集合された孔内3次元レーザー走査探針(1-1)とデジタル掘削孔テレビカメラ(1-3)とを含み、前記孔内3次元レーザー走査探針(1-1)が孔内3次元レーザー走査制御装置(1-2)に接続され、前記デジタル掘削孔テレビカメラ(1-3)がデジタル掘削孔テレビ制御装置(1-4)に接続され、
前記孔内3次元レーザー走査探針(1-1)とデジタル掘削孔テレビカメラ(1-3)はガラス管(1-5)の内部に設置され、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)の両端には周方向にアレイ状に配置された探針案内輪(1-6)が設けられ、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と前記データ収集器(5)とはデータ線(1-7)を介して接続され、かつ前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)の端部にはブッシュ接続棒(1-8)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項6】
前記ブッシュ装置(6)は、並列に設置された2つのF字型挟持具(6-3)と、駆動ブッシュ輪(6-1)と、従動ブッシュ輪(6-2)と、ハンドル(6-4)とを含み、
前記F字型挟持具(6-3)がそれぞれ万力(7)の2つの挟持端に固定され、前記駆動ブッシュ輪(6-1)と従動ブッシュ輪(6-2)がF字型挟持具(6-3)の凹溝内に設置され、前記ブッシュ接続棒(1-8)が駆動ブッシュ輪(6-1)及び従動ブッシュ輪(6-2)の環形凹溝内に挟持され、駆動ブッシュ輪(6-1)のプロペラシャフトには分離可能なハンドル(6-4)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項7】
前記駆動ブッシュ輪(6-1)及び従動ブッシュ輪(6-2)はいずれも樹脂材料からなる、ことを特徴とする請求項6に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項8】
前記透明接続管(3)の孔口端に透明接続管端口制限フランジ(4)が嵌合され、前記透明接続管端口制限フランジ(4)が拡張ねじにより孔口のトンネル岩壁(9)に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項9】
前記支持部材は、三脚架(8)と三脚架(8)に設けられた、ブッシュ装置を固定するための万力(7)とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項10】
S1、掘削孔の深さと単一の透明接続管(3)の長さに応じて、透明接続管(3)と透明接続管ガイドリング(2)の数量を確定することと、
S2、透明接続管ガイドリング(2)を透明接続管(3)のねじ端部の付近に固定することと、
S3、掘削孔の掘削が完了した後、ドリルを取出して直ちに組み立て済みの透明接続管(3)と透明接続管ガイドリング(2)を掘削孔に素早くブッシュし、透明接続管(3)の端部のねじにより順次に次の組立部品を素早く接続することと、
S4、すべての透明接続管(3)と透明接続管ガイドリング(2)の組立部品が全部接続され且つ掘削孔にブッシュされた後、透明接続管端口制限フランジ(4)の中心円孔を透明接続管(3)に嵌合させ且つ孔口の岩壁に固定することと、
S5、ブッシュ装置(6)、万力(7)及び三脚架(8)を接続することと、
S6、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)とデータ収集器(5)を接続することと、
S7、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)のブッシュ接続棒(1-8)をハンドブッシュ装置(6)のブッシュ輪に挟持し、万力(7)と三脚架(8)を調節して掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を透明接続管(3)に挿入させ、監視開始位置になると万力(7)と三脚架(8)を固定することと、
S8、データ収集器(5)を起動して試運転を行い、掘削孔テレビ、孔壁3次元点群のデータ収集がエラーなく行われることを確認した後、定角速度でハンドル(6-4)をゆっくりと揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を直線で孔内にブッシュするとともに、ブッシュ接続棒(1-8)を接続して連続的にブッシュを行うことと、
S9、単回のブッシュの測定データにエラーがある場合、データ収集器(5)を閉じ、ハンドル(6-4)を反対方向に揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を監視開始位置に取戻し、S8を繰り返して再度の監視を行うことと、
S10、単回のブッシュの測定データが信頼できる場合、データ収集器(5)を閉じ、ハンドル(6-4)を反対方向に揺らして、掘削孔から掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を取出し且つ関連部品を整理し、次の監視時点になるとS5~S8を繰り返して再度の監視を行うこととを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の装置に基づく深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深部工事の現場監視の分野に関し、特に深部軟岩掘削孔の変形や亀裂を監視するための一体化非接触監視装置及びその監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
深部の脆弱で亀裂な周辺岩石によるトンネルの大変形問題は、深部工事における世界的な難題の1つであり、周辺岩石の変形や亀裂の現場監視は、深部軟岩の大変形のメカニズムを明らかにし、有効な制御手段を提出するための必要な手段である。
【0003】
現在、深部軟岩トンネルの周辺岩石の内部変形の監視で最も大きな課題の一つは掘削孔の崩壊による機器の損失及び経済的な損失であり、孔壁の補強技術(特許文献1)は孔崩壊のリスクを減少できるが、データ収集の真実性に影響を与え、また、現在の周辺岩石変形の監視はほとんどが多点変位計を用いて掘削孔の1次元変形を監視して間接的に反映するものであり(特許文献2)、掘削孔の変形と亀裂が別々の孔で測定されているため、監視データは互に裏付けができず、データ間の結合関係が破壊される問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第111663894号明細書
【特許文献2】中国実用新案第216206238号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置及びその監視方法を提供する。本発明は、集合されたデジタル掘削孔テレビと孔内3次元レーザー走査により、深部の脆弱で亀裂な周辺岩石の変形や亀裂を一体化で非接触に3次元監視することを実現するとともに、透明接続管の技術を用いて深部の脆弱で亀裂な周辺岩石の孔崩壊の問題を回避することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的手段は、以下の通りである。
本発明に係る、深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置は、
トンネル床面に設けられた支持部材と、前記支持部材に固定されたブッシュ装置と、データ収集器と、ブッシュ接続棒の末端に接続され、且つ前記ブッシュ装置によりトンネル掘削孔に直線的に送られる掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針と、
トンネル掘削孔の内部に設けられ、掘削孔の方向に沿って延伸し、端と端とが接続される複数の透明接続管と、を含み、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針は、前記透明接続管を透過して掘削孔の孔壁の変化を検出する。
【0007】
さらに、2つの透明接続管の接続部の外壁に設けられた透明接続管ガイドリングにより、接続後の各透明接続管は掘削孔の内部に同軸に配置され、
前記透明接続管ガイドリングは、固定リング、可動リング1、可動リング2、透明接続管案内輪を含み、その中、固定リングは、2つの同じ半円環により構成され、かつ透明接続管ガイドリング締め付けボルトにより前記透明接続管の外壁に締め付けられ、
可動リング1及び可動リング2は、それぞれ可動リング1連結ばね及び可動リング2連結ばねにより固定リングに接続され、可動リング1と案内輪支持ロッド1とは、案内輪支持ロッド1連結ピンによりヒンジ結合され、可動リング2と案内輪支持ロッド2とは、案内輪支持ロッド2連結ピンによりヒンジ結合され、
前記透明接続管案内輪は、案内輪支持ロッド1及び案内輪支持ロッド2の端部のU字型の溝内に設けられる。
【0008】
さらに、透明接続管と掘削孔の孔壁との間には、前記透明接続管ガイドリングを収容するための間隙がある。
【0009】
さらに、各透明接続管は螺合により連結される。
【0010】
さらに、前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針は、順次に集合された孔内3次元レーザー走査探針とデジタル掘削孔テレビカメラとを含み、前記孔内3次元レーザー走査探針は孔内3次元レーザー走査制御装置に接続され、前記デジタル掘削孔テレビカメラはデジタル掘削孔テレビ制御装置に接続され、
前記孔内3次元レーザー走査探針とデジタル掘削孔テレビカメラはガラス管の内部に設置され、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針の両端には周方向にアレイ状に配置された探針案内輪が設けられ、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針はデータ線を介して前記データ収集器に接続され、かつ前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針の端部にはブッシュ接続棒が設けられる。
【0011】
さらに、前記ブッシュ装置は、並列設置された2つのF字型挟持具と、駆動ブッシュ輪と、従動ブッシュ輪と、ハンドルと、を含み、
前記F字型挟持具はそれぞれ万力の2つの挟持端部に固定され、前記駆動ブッシュ輪と従動ブッシュ輪はF字型挟持具の凹溝内に設けられ、前記ブッシュ接続棒は駆動ブッシュ輪及び従動ブッシュ輪の環形凹溝内に挟持され、駆動ブッシュ輪のプロペラシャフトには分離可能なハンドルが設けられる。
【0012】
さらに、前記駆動ブッシュ輪と従動ブッシュ輪はいずれも樹脂材料からなる。
【0013】
さらに、前記透明接続管の孔口端には透明接続管端口制限フランジが嵌合され、前記透明接続管端口制限フランジが拡張ねじにより孔口のトンネル岩壁に固定される。
【0014】
さらに、前記支持部材は、三脚架と三脚架に設けられた、ブッシュ装置を固定するための万力とを含む。
【0015】
本発明は、上記装置に基づく深部軟岩掘削孔の変形・亀裂の一体化非接触監視方法をさらに提供し、以下のステップを含む。
S1、掘削孔の深さと単一の透明接続管の長さに応じて透明接続管と透明接続管ガイドリングの数量を確定する。
S2、透明接続管ガイドリングを透明接続管のねじ端部の付近に固定する。
S3、掘削孔の掘削が完了した後、ドリルを取り出して直ちに組み立て済みの透明接続管と透明接続管ガイドリングを素早く掘削孔にブッシュし、透明接続管の端部のねじにより次の組立部品を素早く接続する。
S4、すべての透明接続管と透明接続管ガイドリングの組立部品が全部接続され且つ掘削孔にブッシュされた後、透明接続管端口制限フランジの中心円孔を透明接続管に嵌合させ且つ孔口の岩壁に固定する。
S5、ブッシュ装置、万力、三脚架を接続する。
S6、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針とデータ収集器を接続する。
S7、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針のブッシュ接続棒をハンドブッシュ装置のブッシュ輪に挟持し、万力と三脚架を調整して掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針を透明接続管に挿入させ、監視開始位置になると万力と三脚架を固定する。
S8、データ収集器を起動して試運転を行い、掘削孔テレビと孔壁3次元点群等のデータ収集がエラーなく行われることを確認した後、定角速度でハンドルをゆっくりと揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針を孔内に直線でブッシュするとともに、ブッシュ接続棒を接続して連続的なブッシュを実現する。
S9、単回のブッシュの測定データにエラーがある場合、データ収集器を閉じ、ハンドルを反対方向に揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針を監視開始位置に取戻し、S8を繰り返して再度の監視を行う。
S10、単回のブッシュの測定データが信頼できる場合、データ収集器を閉じ、ハンドルを反対方向に揺らして、掘削孔から掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針を取出し且つ関連部品を整理し、次の監視時点になるとS5~S8を繰り返して再度の監視を行う。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、従来の技術と比べて、以下のメリットがある。
1、本発明は、集合されたデジタル掘削孔テレビ及び孔内3次元レーザー走査により深部の脆弱で亀裂な周辺岩石の変形や亀裂を一体化で非接触に3次元監視することで、データ収集の多元性及び軟岩掘削孔の利用率を高める。
【0017】
2、本発明は、透明接続管ガイドリングを利用して透明接続管の掘削孔における同軸ブッシュを実現し、掘削孔テレビ及び孔内3次元レーザー走査の測定精度をさらに向上する。
【0018】
3、本発明は、透明接続管の技術を用いることで、掘削孔に収束大変形が発生したり、孔崩壊が破裂したりする場合でも、長期にわたって観測を行うことができ、深部の脆弱で亀裂な周辺岩石の孔崩壊による経済および設備の損失の問題を解決する。
【0019】
4、本発明は、ハンドブッシュ装置を用いることで、監視探針の掘削孔内への安定なブッシュを実現し、デジタル画像の展開性と3次元点群の連続性を確保することができる。同時に、透明接続管を組み合わせることで、案内輪が孔壁に直接的に接触して運動する場合、人力のブッシュの不安定の問題を解決し、収集された画像に折り目や視界不良の箇所が生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の実施例または従来技術の技術的手段をより一層明らかに説明するため、以下、実施例または従来技術に対する説明における図面について、簡単に説明する。以下の図面は本発明の一部の実施例であり、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの図面に基づいて、他の図面が得られることは明らかである。
【0021】
【
図1】深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置の正面図である。
【
図2】掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針の3次元構成の概略図である。
【
図3】透明接続管ガイドリングの3次元構成の概略図である。
【
図5】透明接続管端口制限フランジの3次元構成の概略図である。
【
図6】ハンドブッシュ装置の3次元構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
なお、コンフリクトがない場合、本発明の実施例と実施例における特徴を互いに組み合わせることが可能である。以下、図面を参考しながら実施例と併せて本発明を詳細に説明する。
【0023】
本発明に係る実施例の目的、技術的手段及びメリットがより一層明らかになるように、以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的手段を明らかで完全に説明する。なお、説明になった実施例は全部の実施例ではなく、本発明に係る一部の実施例だけであることは明らかである。以下、少なくとも一つの例示的な実施例に対する説明は実際的には説明的なものであり、本発明及びその応用または使用についていかなる制限をするものではない。本発明の実施例に基づいて、当業者により創造的な労働を行わずに得られたすべての他の実施例はいずれも本発明の請求の範囲に属するべきである。
【0024】
図1~6に示すように、本発明は、深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置を提供し、該装置は、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1、透明接続管ガイドリング2、透明接続管3、透明接続管端口制限フランジ4、データ収集器5、ハンドブッシュ装置6、万力7、三脚架8等を主に含む。その中、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1は孔内3次元レーザー走査探針1-1とデジタル掘削孔テレビカメラ1-3から集合されてなり、且つ透明接続管3内で直線運動を行うことができる。透明接続管3は、透明接続管ガイドリング2の補助により掘削孔内で同軸直線運動を行うことができ、掘削孔における透明接続管3の組立速度を向上させることができる。掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1は、ハンドブッシュ装置6により、透明接続管3内で一方向に安定してブッシュされる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態として、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1は、順次に集合された孔内3次元レーザー走査探針1-1、孔内3次元レーザー走査制御装置1-2、デジタル掘削孔テレビカメラ1-3、デジタル掘削孔テレビ制御装置1-4を含み、その中、孔内3次元レーザー走査探針1-1とデジタル掘削孔テレビカメラ1-3は、ガラス管1-5と上記の透明接続管3を透過して、孔壁に対して3次元レーザー走査と高解像度撮影を同時に行う。その中、ガラス管1-5は、湿気、粉塵等の環境下での監視条件に適応するように、密封と保護の役割を果たす。掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1の両端に設けられ且つ周方向にアレイ状に配置された探針案内輪1-6はいずれも透明接続管3の内壁に接触され、これにより掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1が上記の透明接続管3内で同軸直線運動を行う。掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1と透明接続管3の内径が一致しない場合は、機器の光学監視センターを掘削孔と同軸に設置して監視精度を向上させることができ、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1と上記のデータ収集器5とがデータ線1-7を介して接続し、ブッシュ接続棒1-8により直線ブッシュを実現する。光学監視センターを掘削孔と同軸設置するのは現在の検知器の通常の設置であり、例えば、よく使われているJL-IDOI(D)掘削孔の3次元高解像テレビイメージャは、光学監視センターを備えており、その光学監視センターを掘削孔と同軸で設置することは、容易に実現できることである。
【0026】
本発明の好ましい実施形態として、透明接続管ガイドリング2は、固定リング2-2、可動リング12-1、可動リング22-4、透明接続管案内輪2-6を主に備え、その中、固定リング2-2は2つの同じ半円環により構成され、かつ透明接続管ガイドリング締め付けボルト2-3により上記の透明接続管3の外壁に締め付けられ、透明接続管案内輪2-6が案内輪支持ロッド12-5及び案内輪支持ロッド22-7のU字型の溝内に設けられ、案内輪支持ロッド12-5と案内輪支持ロッド22-7により孔壁に支持され、可動リング12-1及び可動リング22-4は、それぞれ可動リング1連結ばね2-10及び可動リング2連結ばね2-11を介して固定リング2-2に接続され、可動リング12-1及び可動リング22-4は、それぞれ案内輪支持ロッド1連結ピン2-8及び案内輪支持ロッド2連結ピン2-9を介して案内輪支持ロッド12-5及び案内輪支持ロッド22-7にヒンジ結合され、孔径が変化したり、孔壁が起伏したりすると、孔壁の圧力により透明接続管案内輪2-6が変化し、さらに案内輪支持ロッド12-5と案内輪支持ロッド22-7とのなす角が変化するとともに、可動リング12-1及び可動リング22-4と固定リング2-2との間隔が変更され、周方向にアレイ状に配置された可動リング1連結ばね2-10と可動リング2連結ばね2-11の伸縮長さが自動的に変更され、これにより透明接続管案内輪2-6を常に掘削孔の内壁に押さえ付け、その結果、透明接続管3の掘削孔内における同軸ブッシュを確保し、テレビと孔内3次元レーザー走査による掘削孔の測定精度を向上させる。
【0027】
具体的に適応する場合、透明接続管3は、掘削孔を掘削した後、直ちに取り付けられ、且つ一回だけの取り付けで永遠に使用することができ、透明接続管3は高透明度アクリル管からなり、且つその外壁と孔壁との間に所定の間隙を有し、前記透明接続管ガイドリング2がこの間隙に配置されるため、掘削孔は制限なく収束変形または孔崩壊の破裂が自由に発生し得ることができ、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1は、透明接続管3を透過して掘削孔に発生した局部的または全体的な3次元変形及び亀裂拡大の状況を定期的に捕捉することができ、掘削孔透明接続管3の両端にはそれぞれ螺合できる雌ねじと雄ねじが設けられることで、無限の接続が可能となり、深さが異なる掘削孔に適応することができる。
【0028】
本発明の好ましい実施形態として、透明接続管端口制限フランジ4は透明接続管3の孔口端に嵌合されて、上向き垂直な掘削孔又は上向き傾斜な掘削孔を監視に用いられ、拡張ねじを介して孔口のトンネルの岩壁に固定することで、透明接続管3と透明接続管ガイドリング2が重力作用により掘削孔から自動的に滑り落ち、作業者や機器に安全上の問題を引き起こすことを防止することができる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態として、ハンドブッシュ装置6は、2つのF字型挟持具6-3、1つの駆動ブッシュ輪6-1、3つの従動ブッシュ輪6-2、ハンドル6-4を主に含み、その中、2つのF字型挟持具6-3がそれぞれ万力7の2つの挟持端部に固定され、駆動ブッシュ輪6-1と従動ブッシュ輪6-2とがF字型挟持具6-3の凹溝内に設けられ、上記のブッシュ接続棒1-8が駆動ブッシュ輪6-1と従動ブッシュ輪6-2との環形凹溝内に挟持され、挟持力の大きさが万力7により調節され、ハンドル6-4を一方向に揺らすことで、ブッシュ輪の原位置回動をブッシュ接続棒1-8の直線運動に切替することができ、ブッシュ輪とブッシュ接続棒1-8との間の摩擦力を高めるために、ブッシュ輪は樹脂材料を使用し、ハンドブッシュ装置6は万力7と三脚架8により位置と角度を調節して、異なる角度、地勢に応じる掘削孔の測定を実現することができる。万力7と三脚架8については、特徴的な説明を省略し、汎用型であればよい。
【0030】
本発明は、上記装置を用いた深部軟岩掘削孔の変形・亀裂の一体化非接触監視方法をさらに提供し、以下のステップを含む。
S1、掘削孔の深さと単一の透明接続管3の長さに応じて、透明接続管3と透明接続管ガイドリング2の数量を確定する。
S2、透明接続管ガイドリング2を透明接続管3のねじ端部の付近に固定する。
S3、掘削孔の掘削が完了した後、ドリルを取出して直ちに組み立て済みの透明接続管3と透明接続管ガイドリング2を掘削孔に素早くブッシュし、透明接続管3の端部のねじにより順次に次の組立部品を素早く接続する。これにより、透明接続管3のブッシュ前に孔崩壊が発生してブッシュできないことを防止し、通常は最初の透明接続管3の内部端口は湿気、粉塵が透明接続管3内に入らないように、密封する必要がある。
S4、すべての透明接続管3と透明接続管ガイドリング2の組立部品が全部接続され且つ掘削孔にブッシュされた後、透明接続管端口制限フランジ4の中心円孔を透明接続管3に嵌合させ且つ孔口の岩壁に固定する。なお、上向き垂直な掘削孔又は上向き傾斜な掘削孔は、このステップを必要とし、他の掘削孔は、透明接続管端口制限フランジを設けなくてもよい。
S5、ハンドブッシュ装置6、万力7及び三脚架8を接続する。
S6、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1とデータ収集器5を接続する。なお、掘削孔内に湿気、粉塵がある場合、透明接続管内径よりほぼ大きい清潔海綿棒を掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1に接続してもよい。
S7、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1のブッシュ接続棒をハンドブッシュ装置6のブッシュ輪に挟持し、万力7と三脚架8を調節して掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1を透明接続管3に挿入させ、監視開始位置になると、万力7と三脚架8を固定する。
S8、データ収集器5を起動して試運転を行い、掘削孔テレビ、孔壁3次元点群等のデータ収集がエラーなく行われることを確認した後、定角速度でハンドル6-4をゆっくりと揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を直線で孔内にブッシュするとともに、ブッシュ接続棒1-8を接続して連続的にブッシュを行うようにする。
S9、単回のブッシュの測定データにエラーがある場合、データ収集器5を閉じ、ハンドル6-4を反対方向に揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1を監視開始位置に取戻し、S8を繰り返して再度の監視を行う。
S10、単回のブッシュの測定データが信頼できる場合、データ収集器5を閉じ、ハンドル6-4を反対方向に揺らして、掘削孔から掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1を取出し且つ関連部品を整理し、次の監視時点になるとS5~S8を繰り返して再度の監視を行う。
【0031】
本明細書に記載の実施形態は、本発明の主旨を例として説明するためのものにすぎない。当業者は、説明した具体的な実施形態に対して、種々の修正や補充や類似の置換をしてもよく、これらの修正や補充や類似の置換は本発明の主旨又は請求の範囲から逸脱することがない。
【0032】
本明細書において、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針1、孔内3次元レーザー走査探針1-1、孔内3次元レーザー走査制御装置1-2、デジタル掘削孔テレビカメラ1-3、デジタル掘削孔テレビ制御装置1-4、ガラス管1-5、探針案内輪1-6、データ線1-7、ブッシュ接続棒1-8、透明接続管ガイドリング2、可動リング12-1、固定リング2-2、透明ガイドリング締め付けボルト2-3、可動リング22-4、案内輪支持ロッド12-5、透明接続管の案内輪2-6、案内輪支持ロッド22-7、案内輪支持ロッド1連結ピン2-8、案内輪支持ロッド2連結ピン2-9、可動リング1連結ばね2-10、可動リング2連結ばね2-11、透明接続管3、透明接続管端口制限フランジ4、データ収集器5、ハンドブッシュ装置6、駆動ブッシュ輪6-1、従動ブッシュ輪6-2、挟持具6-3、ハンドル6-4、万力7、三脚架8等の用語が使用されているが、他の用語を使用する可能性を否定するものではない。これらの用語は、単に本発明の本質をより便利に説明して解釈するために使用されるものであり、これらを付加的な制限として解釈することは、本発明の主旨に反するものである。
【0033】
(付記1)
トンネル床面に設置された支持部材と、
前記支持部材に固定されたブッシュ装置(6)と、
データ収集器(5)と、
ブッシュ接続棒(1-8)の末端に接続され、かつ前記ブッシュ装置(6)によりトンネルの掘削孔へ直線でブッシュされる掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と、
トンネル掘削孔の内部に設置され、掘削孔の方向に沿って延伸され、端と端とが接続される複数の透明接続管(3)と、を含み、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、前記透明接続管(3)を透過して掘削孔の孔壁の変化を検知する、ことを特徴とする深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【0034】
(付記2)
2つの透明接続管(3)の接続部の外壁に設けられた透明接続管ガイドリング(2)により、接続後の各透明接続管(3)が掘削孔の内部に同軸に配置され、
前記透明接続管ガイドリング(2)は、固定リング(2-2)と、可動リング1(2-1)と、可動リング2(2-4)と、透明接続管案内輪(2-6)とを含み、前記固定リング(2-2)は2つの同じ半円環により構成され、かつ透明接続管ガイドリング締め付けボルト(2-3)により前記透明接続管(3)の外壁に締め付けられ、
可動リング1(2-1)及び可動リング2(2-4)は、それぞれ可動リング1連結ばね(2-10)及び可動リング2連結ばね(2-11)により固定リング(2-2)に接続され、可動リング1(2-1)は案内輪支持ロッド1連結ピン(2-8)により案内輪支持ロッド1(2-5)にヒンジ結合され、可動リング2(2-4)は案内輪支持ロッド2連結ピン(2-9)により案内輪支持ロッド2(2-7)にヒンジ結合され、
前記透明接続管案内輪(2-6)は、案内輪支持ロッド1(2-5)及び案内輪支持ロッド2(2-7)の端部のU字型溝内に設けられる、ことを特徴とする付記1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【0035】
(付記3)
透明接続管(3)と掘削孔の孔壁との間には前記透明接続管ガイドリング(2)を収納するための間隙がある、ことを特徴とする付記2に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【0036】
(付記4)
各透明接続管(3)は螺合により連結される、ことを特徴とする付記1~3のいずれか一つに記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【0037】
(付記5)
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、順次に集合された孔内3次元レーザー走査探針(1-1)とデジタル掘削孔テレビカメラ(1-3)とを含み、前記孔内3次元レーザー走査探針(1-1)が孔内3次元レーザー走査制御装置(1-2)に接続され、前記デジタル掘削孔テレビカメラ(1-3)がデジタル掘削孔テレビ制御装置(1-4)に接続され、
前記孔内3次元レーザー走査探針(1-1)とデジタル掘削孔テレビカメラ(1-3)はガラス管(1-5)の内部に設置され、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)の両端には周方向にアレイ状に配置された探針案内輪(1-6)が設けられ、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と前記データ収集器(5)とはデータ線(1-7)を介して接続され、かつ前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)の端部にはブッシュ接続棒(1-8)が設けられる、ことを特徴とする付記1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【0038】
(付記6)
前記ブッシュ装置(6)は、並列に設置された2つのF字型挟持具(6-3)と、駆動ブッシュ輪(6-1)と、従動ブッシュ輪(6-2)と、ハンドル(6-4)とを含み、
前記F字型挟持具(6-3)がそれぞれ万力(7)の2つの挟持端に固定され、前記駆動ブッシュ輪(6-1)と従動ブッシュ輪(6-2)がF字型挟持具(6-3)の凹溝内に設置され、前記ブッシュ接続棒(1-8)が駆動ブッシュ輪(6-1)及び従動ブッシュ輪(6-2)の環形凹溝内に挟持され、駆動ブッシュ輪(6-1)のプロペラシャフトには分離可能なハンドル(6-4)が設けられる、ことを特徴とする付記1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【0039】
(付記7)
前記駆動ブッシュ輪(6-1)及び従動ブッシュ輪(6-2)はいずれも樹脂材料からなる、ことを特徴とする付記6に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【0040】
(付記8)
前記透明接続管(3)の孔口端に透明接続管端口制限フランジ(4)が嵌合され、前記透明接続管端口制限フランジ(4)が拡張ねじにより孔口のトンネル岩壁(9)に固定される、ことを特徴とする付記1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【0041】
(付記9)
前記支持部材は、三脚架(8)と三脚架(8)に設けられた、ブッシュ装置を固定するための万力(7)とを含む、ことを特徴とする付記1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【0042】
(付記10)
S1、掘削孔の深さと単一の透明接続管(3)の長さに応じて、透明接続管(3)と透明接続管ガイドリング(2)の数量を確定することと、
S2、透明接続管ガイドリング(2)を透明接続管(3)のねじ端部の付近に固定することと、
S3、掘削孔の掘削が完了した後、ドリルを取出して直ちに組み立て済みの透明接続管(3)と透明接続管ガイドリング(2)を掘削孔に素早くブッシュし、透明接続管(3)の端部のねじにより順次に次の組立部品を素早く接続することと、
S4、すべての透明接続管(3)と透明接続管ガイドリング(2)の組立部品が全部接続され且つ掘削孔にブッシュされた後、透明接続管端口制限フランジ(4)の中心円孔を透明接続管(3)に嵌合させ且つ孔口の岩壁に固定することと、
S5、ブッシュ装置(6)、万力(7)及び三脚架(8)を接続することと、
S6、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)とデータ収集器(5)を接続することと、
S7、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)のブッシュ接続棒(1-8)をハンドブッシュ装置(6)のブッシュ輪に挟持し、万力(7)と三脚架(8)を調節して掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を透明接続管(3)に挿入させ、監視開始位置になると万力(7)と三脚架(8)を固定することと、
S8、データ収集器(5)を起動して試運転を行い、掘削孔テレビ、孔壁3次元点群のデータ収集がエラーなく行われることを確認した後、定角速度でハンドル(6-4)をゆっくりと揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を直線で孔内にブッシュするとともに、ブッシュ接続棒(1-8)を接続して連続的にブッシュを行うことと、
S9、単回のブッシュの測定データにエラーがある場合、データ収集器(5)を閉じ、ハンドル(6-4)を反対方向に揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を監視開始位置に取戻し、S8を繰り返して再度の監視を行うことと、
S10、単回のブッシュの測定データが信頼できる場合、データ収集器(5)を閉じ、ハンドル(6-4)を反対方向に揺らして、掘削孔から掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を取出し且つ関連部品を整理し、次の監視時点になるとS5~S8を繰り返して再度の監視を行うこととを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の装置に基づく深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視方法。
【符号の説明】
【0043】
1 掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針
1-1 孔内3次元レーザー走査探針
1-2 孔内3次元レーザー走査制御装置
1-3 デジタル掘削孔テレビカメラ
1-4 デジタル掘削孔テレビ制御装置
1-5 ガラス管
1-6 探針案内輪
1-7 データ線
1-8 ブッシュ接続棒
2 透明接続管ガイドリング
2-1 可動リング1
2-2 固定リング
2-3 透明接続管ガイドリング締め付けボルト
2-4 可動リング2
2-5 案内輪支持ロッド1
2-6 透明接続管案内輪
2-7 案内輪支持ロッド2
2-8 案内輪支持ロッド1連結ピン
2-9 案内輪支持ロッド2連結ピン
2-10 可動リング1連結ばね
2-11 可動リング2連結ばね
3 透明接続管
4 透明接続管端口制限フランジ
5 データ収集器
6 ハンドブッシュ装置
6-1 駆動ブッシュ輪
6-2 従動ブッシュ輪
6-3 挟持具
6-4 ハンドル
7 万力
8 三脚架
9 トンネル岩壁
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル床面に設置された支持部材と、
前記支持部材に固定されたブッシュ装置(6)と、
データ収集器(5)と、
ブッシュ接続棒(1-8)の末端に接続され、かつ前記ブッシュ装置(6)によりトンネルの掘削孔へ直線でブッシュされる掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と、
トンネル掘削孔の内部に設置され、掘削孔の方向に沿って延伸され、端と端とが接続される複数の透明接続管(3)と、を含み、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、前記透明接続管(3)を透過して掘削孔の孔壁の変化を検知し、
2つの透明接続管(3)の接続部の外壁に設けられた透明接続管ガイドリング(2)により、接続後の各透明接続管(3)が掘削孔の内部に同軸に配置され、
前記透明接続管ガイドリング(2)は、固定リング(2-2)と、可動リング1(2-1)と、可動リング2(2-4)と、透明接続管案内輪(2-6)とを含み、前記固定リング(2-2)は2つの同じ半円環により構成され、かつ透明接続管ガイドリング締め付けボルト(2-3)により前記透明接続管(3)の外壁に締め付けられ、
可動リング1(2-1)及び可動リング2(2-4)は、それぞれ可動リング1連結ばね(2-10)及び可動リング2連結ばね(2-11)により固定リング(2-2)に接続され、可動リング1(2-1)は案内輪支持ロッド1連結ピン(2-8)により案内輪支持ロッド1(2-5)にヒンジ結合され、可動リング2(2-4)は案内輪支持ロッド2連結ピン(2-9)により案内輪支持ロッド2(2-7)にヒンジ結合され、
前記透明接続管案内輪(2-6)は、案内輪支持ロッド1(2-5)及び案内輪支持ロッド2(2-7)の端部のU字型溝内に設けられる、ことを特徴とする深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項2】
透明接続管(3)と掘削孔の孔壁との間には前記透明接続管ガイドリング(2)を収納するための間隙がある、ことを特徴とする請求項1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項3】
各透明接続管(3)は螺合により連結される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項4】
トンネル床面に設置された支持部材と、
前記支持部材に固定されたブッシュ装置(6)と、
データ収集器(5)と、
ブッシュ接続棒(1-8)の末端に接続され、かつ前記ブッシュ装置(6)によりトンネルの掘削孔へ直線でブッシュされる掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と、
トンネル掘削孔の内部に設置され、掘削孔の方向に沿って延伸され、端と端とが接続される複数の透明接続管(3)と、を含み、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、前記透明接続管(3)を透過して掘削孔の孔壁の変化を検知し、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、順次に集合された孔内3次元レーザー走査探針(1-1)とデジタル掘削孔テレビカメラ(1-3)とを含み、前記孔内3次元レーザー走査探針(1-1)が孔内3次元レーザー走査制御装置(1-2)に接続され、前記デジタル掘削孔テレビカメラ(1-3)がデジタル掘削孔テレビ制御装置(1-4)に接続され、
前記孔内3次元レーザー走査探針(1-1)とデジタル掘削孔テレビカメラ(1-3)はガラス管(1-5)の内部に設置され、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)の両端には周方向にアレイ状に配置された探針案内輪(1-6)が設けられ、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と前記データ収集器(5)とはデータ線(1-7)を介して接続され、かつ前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)の端部にはブッシュ接続棒(1-8)が設けられる、ことを特徴とする深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項5】
トンネル床面に設置された支持部材と、
前記支持部材に固定されたブッシュ装置(6)と、
データ収集器(5)と、
ブッシュ接続棒(1-8)の末端に接続され、かつ前記ブッシュ装置(6)によりトンネルの掘削孔へ直線でブッシュされる掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と、
トンネル掘削孔の内部に設置され、掘削孔の方向に沿って延伸され、端と端とが接続される複数の透明接続管(3)と、を含み、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、前記透明接続管(3)を透過して掘削孔の孔壁の変化を検知し、
前記ブッシュ装置(6)は、並列に設置された2つのF字型挟持具(6-3)と、駆動ブッシュ輪(6-1)と、従動ブッシュ輪(6-2)と、ハンドル(6-4)とを含み、
前記F字型挟持具(6-3)がそれぞれ万力(7)の2つの挟持端に固定され、前記駆動ブッシュ輪(6-1)と従動ブッシュ輪(6-2)がF字型挟持具(6-3)の凹溝内に設置され、前記ブッシュ接続棒(1-8)が駆動ブッシュ輪(6-1)及び従動ブッシュ輪(6-2)の環形凹溝内に挟持され、駆動ブッシュ輪(6-1)のプロペラシャフトには分離可能なハンドル(6-4)が設けられる、ことを特徴とする深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項6】
前記駆動ブッシュ輪(6-1)及び従動ブッシュ輪(6-2)はいずれも樹脂材料からなる、ことを特徴とする請求項5に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項7】
前記透明接続管(3)の孔口端に透明接続管端口制限フランジ(4)が嵌合され、前記透明接続管端口制限フランジ(4)が拡張ねじにより孔口のトンネル岩壁(9)に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項8】
前記支持部材は、三脚架(8)と三脚架(8)に設けられた、ブッシュ装置を固定するための万力(7)とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置。
【請求項9】
トンネル床面に設置された支持部材と、
前記支持部材に固定されたブッシュ装置(6)と、
データ収集器(5)と、
ブッシュ接続棒(1-8)の末端に接続され、かつ前記ブッシュ装置(6)によりトンネルの掘削孔へ直線でブッシュされる掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)と、
トンネル掘削孔の内部に設置され、掘削孔の方向に沿って延伸され、端と端とが接続される複数の透明接続管(3)と、を含み、
前記掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)は、前記透明接続管(3)を透過して掘削孔の孔壁の変化を検知する、深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視装置に基づく深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視方法であって、
S1、掘削孔の深さと単一の透明接続管(3)の長さに応じて、透明接続管(3)と透明接続管ガイドリング(2)の数量を確定することと、
S2、透明接続管ガイドリング(2)を透明接続管(3)のねじ端部の付近に固定することと、
S3、掘削孔の掘削が完了した後、ドリルを取出して直ちに組み立て済みの透明接続管(3)と透明接続管ガイドリング(2)を掘削孔に素早くブッシュし、透明接続管(3)の端部のねじにより順次に次の組立部品を素早く接続することと、
S4、すべての透明接続管(3)と透明接続管ガイドリング(2)の組立部品が全部接続され且つ掘削孔にブッシュされた後、透明接続管端口制限フランジ(4)の中心円孔を透明接続管(3)に嵌合させ且つ孔口の岩壁に固定することと、
S5、ブッシュ装置(6)、万力(7)及び三脚架(8)を接続することと、
S6、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)とデータ収集器(5)を接続することと、
S7、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)のブッシュ接続棒(1-8)をハンドブッシュ装置(6)のブッシュ輪に挟持し、万力(7)と三脚架(8)を調節して掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を透明接続管(3)に挿入させ、監視開始位置になると万力(7)と三脚架(8)を固定することと、
S8、データ収集器(5)を起動して試運転を行い、掘削孔テレビ、孔壁3次元点群のデータ収集がエラーなく行われることを確認した後、定角速度でハンドル(6-4)をゆっくりと揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を直線で孔内にブッシュするとともに、ブッシュ接続棒(1-8)を接続して連続的にブッシュを行うことと、
S9、単回のブッシュの測定データにエラーがある場合、データ収集器(5)を閉じ、ハンドル(6-4)を反対方向に揺らして、掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を監視開始位置に取戻し、S8を繰り返して再度の監視を行うことと、
S10、単回のブッシュの測定データが信頼できる場合、データ収集器(5)を閉じ、ハンドル(6-4)を反対方向に揺らして、掘削孔から掘削孔変形・亀裂一体化非接触監視探針(1)を取出し且つ関連部品を整理し、次の監視時点になるとS5~S8を繰り返して再度の監視を行うこととを含む、ことを特徴とする深部軟岩掘削孔の変形・亀裂を監視するための一体化非接触監視方法。