(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181065
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】光学要素、車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/20 20180101AFI20231214BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20231214BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20231214BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20231214BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/14
F21W103:20
F21W103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001944
(22)【出願日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2022094187
(32)【優先日】2022-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】金川 浩章
(72)【発明者】
【氏名】池辺 翔太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和宏
(72)【発明者】
【氏名】松田 陽平
(57)【要約】 (修正有)
【課題】配光特性と発光領域が、ウェッジベース電球の配光特性と発光領域と同等となる光学要素、車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【解決手段】光学要素は、発光素子側とは反対側の端面に設けられ、前記光学要素の中心軸に直交する方向の寸法が、前記発光素子側になるに従い漸減する第1の凹部とを有している。第2の凹部の、前記光学要素の中心軸側の面は、外側に突出する曲面である。前記発光素子から、前記第1の凹部の前記発光素子側の端部に向けて照射された光は、極角が0°の近傍に出射する。前記発光素子から、前記第1の凹部の内壁の、前記発光素子側とは反対側の領域に向けて照射された光は、極角が45°の近傍に出射する。前記発光素子から、前記第1の凹部の内壁の、前記発光素子側の領域に向けて照射された光は、第2の凹部の前記曲面を介して、極角が100°の近傍に出射する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を備えた車両用照明装置に設けられる光学要素であって、
前記光学要素は、前記発光素子の光の出射側に設けられ、
前記発光素子側とは反対側の端面に設けられ、前記光学要素の中心軸に直交する方向の寸法が、前記発光素子側になるに従い漸減する第1の凹部と;
側面の、前記光学要素の前記中心軸を中心として点対称となる位置に設けられた一対の第2の凹部と;
を有し、
前記第2の凹部の、前記光学要素の前記中心軸側の面は、外側に突出する曲面であり、
前記発光素子から、前記第1の凹部の前記発光素子側の端部に向けて照射された光は、極角が0°の近傍に出射し、
前記発光素子から、前記第1の凹部の内壁の、前記発光素子側とは反対側の領域に向けて照射された光は、極角が45°の近傍に出射し、
前記発光素子から、前記第1の凹部の内壁の、前記発光素子側の領域に向けて照射された光は、前記第2の凹部の前記曲面を介して、極角が100°の近傍に出射する光学要素。
【請求項2】
前記第2の凹部の、前記曲面の曲率半径の中心は、前記光学要素の前記中心軸と重ならない請求項1記載の光学要素。
【請求項3】
前記第2の凹部の内部であって、前記曲面に沿って並ぶ複数の凹曲面をさらに有する請求項1または2に記載の光学要素。
【請求項4】
前記発光素子側とは反対側の前記端面の周縁に設けられた複数の第3の凹部をさらに有し、
前記光学要素の前記中心軸を中心とした、前記複数の第3の凹部が設けられた領域の回転方向の位置は、前記第2の凹部の回転方向の位置と同じである請求項1または2に記載の光学要素。
【請求項5】
発光素子と;
前記発光素子が設けられる第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する第1の基板と;
前記第1の基板の前記第2の面に設けられ、前記第2の面に略垂直な方向に延びる第2の基板と;
前記第1の基板の、前記第1の面側に設けられた請求項1記載の光学要素と;
前記第2の基板に設けられ、前記発光素子と電気的に接続された一対の接続パッドと;
を具備した車両用照明装置。
【請求項6】
収納部と、前記収納部の一方の端部に設けられ、板状を呈し、車両用灯具に設けられたソケットのソケット端子に装着される挿入部と、を有するハウジングと;
前記挿入部の幅方向の中央において、前記挿入部の厚み方向に、前記車両用照明装置の中心軸を挟んで設けられた一対の端子と;
をさらに具備し、
前記第2の基板は、前記ハウジングの内部に設けられ、
前記一対の端子の一方の端部側は、前記ハウジングの内部において、前記接続パッドと電気的に接続され、
前記一対の端子の他方の端部側は、前記ハウジングの外部において、前記挿入部の厚み方向の面に設けられている請求項5記載の車両用照明装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置に設けられた一対の接続パッドに電気的に接続される一対のソケット端子を有するソケットと;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光学要素、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
口金を有さないウェッジベース電球が車両用照明装置として用いられている。ウェッジベース電球は白熱電球である。そのため、省電力化、長寿命化などの観点から、ウェッジベース電球は、発光ダイオードなどの発光素子を備えた車両用照明装置と置き換えられるようになってきている。
【0003】
ところが、発光素子の配光特性と発光領域は、ウェッジベース電球の配光特性と発光領域と異なるものとなる。そのため、ウェッジベース電球を発光素子を備えた車両用照明装置に置き換える場合には、発光素子を備えた車両用照明装置の配光特性と発光領域が、ウェッジベース電球の配光特性と発光領域と同等となるようにすることが好ましい。
【0004】
そこで、配光特性と発光領域が、ウェッジベース電球の配光特性と発光領域と同等となる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、配光特性と発光領域が、ウェッジベース電球の配光特性と発光領域と同等となる光学要素、車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る光学要素は、発光素子を備えた車両用照明装置に設けられる光学要素である。前記光学要素は、前記発光素子の光の出射側に設けられている。前記光学要素は、前記発光素子側とは反対側の端面に設けられ、前記光学要素の中心軸に直交する方向の寸法が、前記発光素子側になるに従い漸減する第1の凹部と;側面の、前記光学要素の前記中心軸を中心として点対称となる位置に設けられた一対の第2の凹部と;を有している。前記第2の凹部の、前記光学要素の前記中心軸側の面は、外側に突出する曲面である。前記発光素子から、前記第1の凹部の前記発光素子側の端部に向けて照射された光は、極角が0°の近傍に出射する。前記発光素子から、前記第1の凹部の内壁の、前記発光素子側とは反対側の領域に向けて照射された光は、極角が45°の近傍に出射する。前記発光素子から、前記第1の凹部の内壁の、前記発光素子側の領域に向けて照射された光は、前記第2の凹部の前記曲面を介して、極角が100°の近傍に出射する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、配光特性と発光領域が、ウェッジベース電球の配光特性と発光領域と同等となる光学要素、車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式分解図である。
【
図2】発光部、および接続部を例示するための模式斜視図である。
【
図5】
図4における光学要素のA-A線断面図である。
【
図7】
図6における光学要素のB-B線断面図である。
【
図8】
図4における光学要素のC-C線断面図である。
【
図9】他の実施形態に係る光学要素を例示するための模式斜視図である。
【
図17】他の実施形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
【
図18】
図17における車両用照明装置を、Y方向における反対側から見た模式斜視図である。
【
図19】(a)~(c)は、光学要素の作用を例示するための図である。
【
図20】本実施の形態に係る車両用灯具を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、各図中における矢印X、Y、Zは、互いに直交する三方向を表している。例えば、Z方向は、車両用照明装置の中心軸に沿った方向としている。X方向は、車両用照明装置の、ソケットのソケット端子に装着する部分の幅方向としている。Y方向は、車両用照明装置の、ソケットのソケット端子に装着する部分の厚み方向としている。
【0011】
(光学要素、および車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、車両用灯具100に設けられたソケット101のソケット端子101a、101bに装着可能な車両用照明装置である。車両用照明装置1としては、例えば、自動車や鉄道車両などに設けられるルームランプ、メーターランプ、読書灯、制動灯、方向指示灯、尾灯などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式分解図である。
図2は、発光部10、および接続部20を例示するための模式斜視図である。
なお、
図2は、
図1における発光部10、および接続部20を、Y方向における反対側から見た場合である。
【0013】
図1、および
図2に示すように、車両用照明装置1には、例えば、発光部10、接続部20、光学要素30、ハウジング40、および端子50が設けられている。
【0014】
図1、および
図2に示すように、発光部10は、例えば、基板11(第1の基板の一例に相当する)、および発光素子12を有する。
基板11は、例えば、ハウジング40の収納部41の、挿入部42側とは反対側の端部に設けられている。基板11は、例えば、板状を呈し、面11a(第1の面の一例に相当する)と、面11aに対向する面11b(第2の面の一例に相当する)とを有する。基板11の平面形状は、例えば、中心点を含む円の一部である。ただし、基板11の平面形状は、例示をしたものに限定されるわけではない。基板11の平面形状は、例えば、多角形などであってもよい。
【0015】
基板11は、絶縁性材料から形成することができる。基板11は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウム)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料から形成される。また、基板11は、例えば、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したメタルコア基板などであってもよい。
【0016】
発光素子12の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板11を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、酸化アルミニウムなどを用いたフィラーを混合させたものである。
【0017】
基板11の厚みは、例えば、0.5mm~3.0mm程度である。ただし、基板11の厚みは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0018】
基板11の面11aには、配線パターン11cが設けられている。配線パターン11cは、例えば、実装パッドを有する。実装パッドには、発光素子12が電気的に接続される。配線パターン11cは、例えば、銅、アルミニウム、銀などの低抵抗金属から形成される。
【0019】
発光素子12は、基板11の面11aに少なくとも1つ設けることができる。発光素子12の光の出射面の中心は、車両用照明装置1の中心軸1aと重なっている。
発光素子12は、例えば、発光ダイオード、レーザダイオード、有機発光ダイオードなどとすることができる。
【0020】
発光素子12は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。また、発光素子12は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。なお、
図1、および
図2に例示をした発光素子12は、表面実装型の発光素子である。
【0021】
また、発光素子12は、チップ状の発光素子とすることもできる。チップ状の発光素子は、例えば、COB(Chip On Board)により実装することができる。この場合、チップ状の発光素子と、チップ状の発光素子と配線パターン11cを電気的に接続する配線と、チップ状の発光素子と配線を囲む枠状の部材と、枠状の部材の内側に設けられチップ状の発光素子と配線を覆う封止部などと、を基板11の面11aに設けることができる。また、封止部には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。なお、蛍光体の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
発光素子12の光の出射面は、基板11の面11aと略平行とすることができる。
【0022】
接続部20は、例えば、基板21(第2の基板の一例に相当する)、および回路部品22を有する。
基板21は、発光素子12と電気的に接続される配線パターン21eを有し、ハウジング40の内部に設けられている。
【0023】
基板21は、例えば、板状を呈し、基板11の面11bに略垂直な方向に延びている。 基板21は、例えば、実装部21a、および装着部21bを有する。実装部21a、および装着部21bは、一体に形成することができる。
【0024】
Y方向から見た場合、実装部21aの形状は、例えば、四角形とすることができる。実装部21aの一方の端部は、基板11の面11bに設けられる。例えば、実装部21aの一方の端部は、基板11の面11bに接着することができる。また、実装部21aの一方の端部に凸部を設け、基板11の面11bに、実装部21aの凸部が嵌合される孔、凹部、溝などを設けることもできる。
【0025】
実装部21aの幅寸法は、例えば、5.0mm~15.0mm程度とすることができる。ただし、実装部21aの幅寸法は、基板11の大きさ、回路部品22の数や大きさなどに応じて適宜変更することができる。なお、実装部21aの幅寸法は、X方向における実装部21aの寸法である。
実装部21aの厚みは、例えば、0.1mm~3.0mm程度とすることができる。なお、実装部21aの厚みは、Y方向における実装部21aの寸法である。
【0026】
Y方向から見た場合、装着部21bの形状は、例えば、四角形とすることができる。装着部21bの一方の端部は、実装部21aの、基板11側とは反対側の端部に設けられている。装着部21bは、実装部21aの、基板11側とは反対側の端部からZ方向に延びている。
【0027】
装着部21bの幅寸法は、実装部21aの幅寸法よりも小さい。装着部21bの厚みは、実装部21aの厚みと同じとすることができる。
装着部21bは、例えば、X方向における実装部21aの中央に設けることができる。
【0028】
基板21(実装部21a、装着部21b)の材料は、例えば、前述した基板11の材料と同じとすることができる。発光素子12において発生した熱は、例えば、基板11を介して基板21に伝わり、基板21から端子50などを介して外部に放出される。そのため、発光素子12の温度上昇の抑制を考慮すると、熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。この場合、基板21の材料は、基板11の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0029】
基板21(実装部21a、装着部21b)の面21c、および面21dには、配線パターン21eを設けることができる。面21cに設けられた配線パターン21eと、面21dに設けられた配線パターン21eとは、例えば、導通ビアを介して、電気的に接続することができる。配線パターン21eは、例えば、銅、アルミニウム、銀などの低抵抗金属から形成される。配線パターン21eは、接続部21e2を介して、基板11に設けられた配線パターン11cと電気的に接続される。接続部21e2は、例えば、半田付けなどにより形成されたものとすることができる。
【0030】
実装部21aに設けられた配線パターン21eには、回路部品22が実装される。配線パターン21eは、装着部21bに設けられた一対の接続パッド21e1と電気的に接続される。すなわち、一対の接続パッド21e1は、基板21(装着部21b)に設けられ、発光素子12と電気的に接続されている。接続パッド21e1は、例えば、配線パターン21eと一体に形成することができる。接続パッド21e1は、基板21(装着部21b)の面21cと面21dに設けられている。一対の接続パッド21e1のそれぞれは、端子50を介して、ソケット101に設けられたソケット端子101a、101bと電気的に接続される。ソケット101に設けられたソケット端子101aを、端子50を介して、一方の接続パッド21e1と電気的に接続することで、配線パターン21eおよび配線パターン11cを介して、ソケット端子101aを発光素子12の一方の極性の電極に電気的に接続することができる。また、ソケット端子101bを、端子50を介して、他方の接続パッド21e1と電気的に接続することで、配線パターン21eおよび配線パターン11cを介して、ソケット端子101bを発光素子12の他方の極性の電極に電気的に接続することができる。
【0031】
なお、
図1、および
図2においては、回路部品22が、実装部21aの両面に設けられる場合を例示したが、回路部品22が、実装部21aの一方の面に設けられるようにしてもよい。ただし、回路部品22が、実装部21aの両面に設けられていれば、実装部21aの小型化、ひいては、車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0032】
回路部品22は、発光素子12を有する発光回路を構成するために用いられる受動素子または能動素子とすることができる。
回路部品22は、例えば、ダイオード22a、抵抗22b、コンデンサ22cなどとすることができる。
ただし、回路部品22の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子12を有する発光回路の構成に応じて適宜変更することができる。例えば、回路部品22は、前述したものの他に、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、ツェナーダイオード、インダクタ、サージアブソーバ、バリスタ、FETやバイポーラトランジスタなどのトランジスタ、集積回路、演算素子などであってもよい。集積回路は、例えば、点滅回路、定電流回路、点灯回路(駆動回路)の少なくともいずれかを備えたものとすることができる。
【0033】
ここで、発光ダイオードなどの発光素子12には、極性がある。そのため、逆方向電圧が発光素子12に印加されないようにするためにダイオードを設けることができる。この場合、車両用照明装置1を車両用灯具100のソケット101に装着する際に方向性が無くなれば、車両用照明装置1の装着作業が容易となる。
【0034】
例えば、4つのダイオードを用いてブリッジ回路(ブリッジダイオード)を構成すれば、車両用照明装置1に無極性回路を設けることができる。
図2に例示をしたダイオード22aは、いわゆる二素子ダイオードである。ダイオード22aが二素子ダイオードであれば、2つのダイオード22aを用いてブリッジ回路を構成することができるので、実装面積を小さくすることができる。
【0035】
抵抗22bは、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、
図1に例示をした抵抗22bは、表面実装型の抵抗器である。表面実装型の抵抗器とすれば、実装面積を小さくすることができる。
【0036】
ここで、発光素子12の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子12から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子12から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、発光素子12と直列接続された抵抗22bにより、発光素子12に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗22bの抵抗値を変化させることで、発光素子12に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。
【0037】
例えば、抵抗22bが表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子12の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗22bを選択する。例えば、抵抗22bが膜状の抵抗器の場合には、膜状の抵抗器の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。
【0038】
また、抵抗22bは、発光素子12に過大な電流が流れないようにする役割を有することもできる。
抵抗22bの数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子12の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0039】
コンデンサ22cは、例えば、ノイズ対策や電圧を平滑化させるために設けることができる。コンデンサ22cは、例えば、表面実装型のコンデンサ22cとすることができる。表面実装型のコンデンサ22cとすれば、実装面積を小さくすることができる。
【0040】
また、例えば、回路部品22の少なくとも一部を、基板11に設けることもできる。
また、例えば、回路部品22の少なくとも一部を、車両用照明装置1が装着される車両用灯具100の筐体102などに設けることもできる。この様にすれば、車両用照明装置1の構成を簡略化することができるので、車両用照明装置1の低コスト化を図ることができる。ただし、回路部品22が車両用照明装置1に設けられていれば、車両用照明装置1の保護や多機能化を図るのが容易となる。
【0041】
図1に示すように、光学要素30は、発光部10(発光素子12)の光の出射側を覆うように設けることができる。例えば、光学要素30は、基板11の面11aを覆うように設けることができる。例えば、光学要素30の発光部10側の端部には、一対の取付部31を設けることができる。光学要素30は、一対の取付部31を用いて、ハウジング40に着脱自在に取り付けられる。光学要素30は、例えば、ポリカーボネートやアクリルなどの透光性樹脂から形成することができる。
光学要素30は、発光部10(発光素子12)を保護するとともに、発光素子12から照射された光の配光特性と発光領域を制御する。
なお、光学要素30に関する詳細は後述する。
【0042】
ハウジング40は、収納部41、および挿入部42を有する。収納部41、および挿入部42は、一体に形成することができる。ハウジング40(収納部41、挿入部42)は、例えば、樹脂などの絶縁性材料から形成することができる。ハウジング40は、例えば、射出成形などにより形成することができる。
【0043】
収納部41は、筒状を呈し、一方の端部が開口している。収納部41の内部には、発光部10(基板11)、および接続部20(基板21)が収納される。基板11は、収納部41の開口を塞ぐように設けることができる。この様にすれば、収納部41の内部にゴミなどが侵入するのを抑制することができる。また、基板21の姿勢や位置を安定させることができる。そのため、端子50に過大な力が作用するのを抑制することができる。
【0044】
挿入部42は、板状を呈し、収納部41の開口側とは反対側の端部に設けられている。挿入部42は、ソケット端子101a、101bに装着される。挿入部42の内部には、基板21の装着部21bが挿入される空間が設けられている。Y方向から見た場合、挿入部42の形状は、例えば、四角形とすることができる。
【0045】
図1に示すように、端子50は、一対設けることができる。一対の端子50は、挿入部42のX方向(幅方向)の中央において、挿入部42の厚み方向に、車両用照明装置1の中心軸1aを挟んで設けられている。一対の端子50は、基板21の配線パターン21e(接続パッド21e1)と電気的に接続される。
例えば、一対の端子50の一方の端部側は、ハウジング40の内部において接続パッド21e1と電気的に接続されている。例えば、一対の端子50の他方の端部側は、ハウジング40の外部において、挿入部42の厚み方向の面42a、42bに設けられている。
【0046】
端子50は、例えば、第1の接触部51、第2の接触部52、および接続部53を有する。第2の接触部52は、第1の接触部51と対向している。第1の接触部51、および第2の接触部52は、Z方向に延びている。接続部53の一方の端部は第1の接触部51と接続され、接続部53の他方の端部は第2の接触部52と接続されている。
【0047】
第1の接触部51、第2の接触部52、および接続部53は、板状を呈し、一体に形成されている。端子50は、導電性材料から形成される。端子50は、例えば、銅合金やステンレスなどの金属から形成される。
【0048】
第1の接触部51は、挿入部42の内部に設けられる。第1の接触部51は、装着部21bに設けられた接続パッド21e1と電気的に接続される。例えば、第1の接触部51は、導電性材料を用いて、接続パッド21e1に接合することができる。導電性材料は、例えば、半田や導電性接着剤などである。
第2の接触部52は、挿入部42の面42a、42bに設けられる。第2の接触部52は、ソケット端子101a、101bに接触させることができる。
【0049】
端子50は、例えば、以下の様にして形成することができる。
まず、導電性材料を用いて、帯状の導電性部材を接続パッド21e1に接合する。次に、帯状の導電性部材が接合された接続部20をハウジング40(挿入部42)の内部に装着する。続いて、帯状の導電性部材を折り曲げて、第1の接触部51、第2の接触部52、および接続部53を有する端子50を形成する。なお、
図1に示す端子50は、折り曲げ加工後の端子50を表している。
【0050】
また、帯状の導電性部材を折り曲げて端子50を形成し、形成された端子50を挿入部42に差し込むようにすることもできる。そして、例えば、装着部21bの接続パッド21e1にペースト状の導電性材料を塗布し、端子50が取り付けられたハウジング40の内部に接続部20を装着し、ペースト状の導電性材料を硬化させることで、第1の接触部51と接続パッド21e1とを接合することもできる。
【0051】
第1の接触部51と接続パッド21e1とが接合されていれば、走行などに伴う振動が加わったとしても、第1の接触部51と接続パッド21e1との間の電気的な接続を維持することができる。また、ハウジング40から発光部10、および接続部20が脱落するのを抑制することができる。
【0052】
次に、光学要素30についてさらに説明する。
ウェッジベース電球は、白熱電球であるためほぼ全方位に向けて光を照射する。これに対して発光素子12は、主に前方に光を照射する。そのため、発光素子12の配光特性と発光領域は、ウェッジベース電球の配光特性と発光領域と異なるものとなる。例えば、発光素子12の場合には、前方(極角0°~50°)は光度が高く、後方(極角90°~100°)は光度が著しく低くなる。
【0053】
ウェッジベース電球を発光素子12を備えた車両用照明装置1に置き換える場合、発光素子12を備えた車両用照明装置1の配光特性と発光領域が、ウェッジベース電球の配光特性と発光領域と同等となるようにすることが好ましい。
そのため、発光素子12の光の出射側には光学要素30が設けられている。光学要素30は、入射した光の一部を車両用照明装置1の中心軸1aと交差する方向に出射する。
図3は、光学要素30をZ方向から見た模式図である。
図4は、光学要素30をY方向から見た模式図である。
図5は、
図4における光学要素30のA-A線断面図である。
図6は、光学要素30をX方向から見た模式図である。
図7は、
図6における光学要素30のB-B線断面図である。
図8は、
図4における光学要素30のC-C線断面図である。
【0054】
図1に示すように、光学要素30の外観は、例えば、略円柱状とすることができる。例えば、光学要素30の中心軸30aは、車両用照明装置1の中心軸1aとほぼ重なるようにすることができる。
図3、
図5、および
図7に示すように、光学要素30の、発光素子12側とは反対側の端面30bには凹部30b1(第1の凹部の一例に相当する)が設けられている。凹部30b1の中心軸は、光学要素30の中心軸30aと重なっている。中心軸30aに直交する方向における凹部30b1の寸法は、発光素子12側になるに従い漸減している。
【0055】
また、凹部30b1の内壁は、例えば、Z方向に並ぶ領域30b1a、領域30b1b、領域30b1c、および領域30b1dを有する。
領域30b1aは、発光素子12側(凹部30b1の底面側)に位置している。領域30b1aの発光素子12側の端部は、中心軸30aと直交する平坦な面とすることができる。領域30b1aの側面は、例えば、光学要素30の内側に向けて突出する曲面(例えば、球面の一部)となっている。
領域30b1bは、凹部30b1の開口と領域30b1aとの間(領域30b1aの開口側)に位置している。領域30b1bは、例えば、光学要素30の外側に向けて突出する曲面となっている。
領域30b1cは、凹部30b1の開口と領域30b1bとの間(領域30b1bの開口側)に位置している。領域30b1cは、例えば、光学要素30の外側に向けて突出する曲面となっている。
領域30b1dは、凹部30b1の開口と領域30b1cとの間(領域30b1cの開口側)に位置している。領域30b1dは、例えば、光学要素30の外側に向けて突出する曲面となっている。
また、領域30b1dの曲面の曲率半径は、領域30b1cの曲面の曲率半径よりも大きい。領域30b1cの曲面の曲率半径は、領域30b1bの曲面の曲率半径よりも大きい。
【0056】
また、
図3、
図5、
図7、および
図8に示すように、凹部30b1の内壁には、凹部30b4が設けられている。凹部30b4は、例えば、X方向に延びている。Z方向から見た場合の凹部30b4の形状は長方形とすることができる。
【0057】
図3、
図4、および
図6に示すように、端面30bの周縁には、複数の凹部30b2(第3の凹部の一例に相当する)が設けられた領域30b3が一対設けられている。一対の領域30b3は、中心軸30aを中心として点対称となる位置に設けられている。領域30b3の中心角は、例えば、100°とすることができる。
【0058】
図4、
図5、
図6、および
図8に示すように、光学要素30の側面30cには、凹部30c1(第2の凹部の一例に相当する)が一対設けられている。一対の凹部30c1は、中心軸30aを中心として点対称となる位置に設けられている。
また、
図4に示すように、光学要素30の中心軸30aを中心とした、複数の凹部30b2が設けられた領域30b3の回転方向の位置は、凹部30c1の回転方向の位置と同じとすることができる。すなわち、Z方向において、凹部30c1の上方(凹部30b1の開口側)に領域30b3(複数の凹部30b2)を設けることができる。
【0059】
図8に示すように、凹部30c1の、中心軸30a側の面30c1aは、外側に突出する曲面とすることができる。面30c1aは、例えば、円筒面の一部とすることができる。曲面である面30c1aの曲率半径の中心30c1bは、中心軸30aと重ならない位置に設けられている。例えば、中心30c1bは、中心軸30aから外側に離れた位置に設けられている。
また、面30c1aの表面に光を拡散させる凹凸を設けることができる。凹凸は、例えば、ローレット加工などにより形成することができる。
【0060】
図4、
図5、および
図6に示すように、凹部30c1の内部であって、面30c1aの下方(凹部30b1の開口側とは反対側)には、面30c1aに沿って並ぶ複数の凹曲面30c1cが設けられている。凹曲面30c1cは、面30c1a側の端部が中心軸30aに近づく方向に傾斜している。
【0061】
次に、他の実施形態に係る光学要素130について例示する。
光学要素130は、
図1に例示をした光学要素30と同様に、発光部10(発光素子12)の光の出射側を覆うように設けることができる。例えば、光学要素130は、基板11の面11aを覆うように設けることができる。例えば、光学要素130の発光部10側の端部には、一対の取付部31を設けることができる。光学要素130は、一対の取付部31を用いて、ハウジング40に着脱自在に取り付けられる。光学要素130は、例えば、ポリカーボネートやアクリルなどの透光性樹脂から形成することができる。 光学要素130は、発光部10(発光素子12)を保護するとともに、発光素子12から照射された光の配光特性と発光領域を制御する。
【0062】
図9は、光学要素130を例示するための模式斜視図である。
図10は、光学要素130をZ方向から見た模式図である。
図11は、光学要素130をY方向から見た模式図である。
図12は、
図11における光学要素130のD-D線断面図である。
図13は、光学要素130をX方向から見た模式図である。
図14は、
図13における光学要素130のE-E断面図である。
図15は、
図13における光学要素130のF-F断面図である。
図16は、
図11における光学要素130のG-G線断面図である。
【0063】
図9に示すように、光学要素130の外観は、例えば、略円柱状とすることができる。例えば、光学要素130の中心軸130aは、車両用照明装置1の中心軸1aとほぼ重なるようにすることができる。
図9、
図10、
図12、および
図14に示すように、光学要素130の、発光素子12側とは反対側の端面130bには凹部130b1(第1の凹部の一例に相当する)が設けられている。凹部130b1の中心軸は、光学要素130の中心軸130aと重なっている。中心軸130aに直交する方向における凹部130b1の寸法は、発光素子12側になるに従い漸減している。
【0064】
また、前述した光学要素30の凹部30b1と同様に、凹部130b1の内壁は、例えば、Z方向に並ぶ領域30b1a、領域30b1b、領域30b1c、および領域30b1dを有する。
また、前述した光学要素30の凹部30b1と同様に、凹部130b1の内壁には、凹部30b4が設けられている。
【0065】
前述した光学要素30の端面30bと同様に、端面130bの周縁には、複数の凹部30b2(第3の凹部の一例に相当する)が設けられた領域30b3が一対設けられている。一対の領域30b3は、中心軸130aを中心として点対称となる位置に設けられている。領域30b3の中心角は、例えば、100°とすることができる。
【0066】
前述した光学要素30の側面30cと同様に、光学要素130の側面130cには、凹部130c1(第2の凹部の一例に相当する)が一対設けられている。一対の凹部130c1は、中心軸130aを中心として点対称となる位置に設けられている。
また、
図11に示すように、光学要素130の中心軸130aを中心とした、複数の凹部30b2が設けられた領域30b3の回転方向の位置は、凹部130c1の回転方向の位置と同じとすることができる。すなわち、Z方向において、凹部130c1の上方(凹部130b1の開口側)に領域30b3(複数の凹部30b2)を設けることができる。
【0067】
図16に示すように、凹部130c1の、中心軸130a側の面30c1aは、外側に突出する曲面とすることができる。面30c1aは、例えば、円筒面の一部とすることができる。曲面である面30c1aの曲率半径の中心30c1bは、中心軸130aと重ならない位置に設けられている。例えば、中心30c1bは、中心軸130aから外側に離れた位置に設けられている。
また、面30c1aの表面に光を拡散させる凹凸を設けることができる。凹凸は、例えば、ローレット加工などにより形成することができる。
【0068】
図9、
図11、
図12、
図13、および
図15に示すように、凹部130c1の内部であって、面30c1aの下方(凹部130b1の開口側とは反対側)には、少なくとも1つの凸部130c1cを設けることができる。
図9、
図11、
図12、
図13、および
図15に示すように、複数の凸部130c1cを設ける場合には、複数の凸部130c1cをZ方向に並べて設けることができる。
【0069】
図12、
図13、および
図15においては、凸部130c1cの先端は、光学要素130の側面130cの外側に突出していない構成を例示したが、光学要素130の側面130cの外側に対して同等の位置とする構成や、突出させる構成としても良い。複数の凸部130c1cを設ける場合には、凸部130c1cの先端の位置は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。この場合、複数の凸部130c1cの先端の位置により、発光素子12から照射された光の配光特性と発光領域を制御することもできる。例えば、
図12、および
図13に示すように、複数の凸部130c1cの先端は、上方(凹部30b1の開口側)に設けられる凸部130c1cになるほど、光学要素130の中心軸130a側に位置する様にすることができる。この様にすれば、発光素子12から照射された光の配光特性と発光領域を所定の範囲内とするのが容易となる。
【0070】
図15に示すように、Z方向から見た場合の、凸部130c1cの形状は、光学要素130の中心軸130aを中心とした円環の一部とすることができる。
図12、および
図13に示すように、Z方向における凸部130c1cの寸法は、先端側から、光学要素130の中心軸130a側に向かうに従い、漸増している。また、Z方向における凸部130c1cの2つの面のうち少なくともいずれかは、傾斜面とすることができる、傾斜面は、平坦な面であってもよいし、凸状の曲面であってもよいし、凹状の曲面であってもよい。また、複数の凸部130c1cを設ける場合には、最も下方(凹部130b1の開口側とは反対側)に設けられる凸部130c1cを、Z方向における凹部130c1の内壁に設けることもできる。
【0071】
凸部130c1cの数、寸法、形状、および先端の位置は、車両用照明装置1に要求される、光の配光特性と発光領域に応じて適宜変更することができる。凸部130c1cの数、寸法、形状、および先端の位置は、例えば、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
【0072】
以上においては、光学要素30(130)が、発光部10、接続部20、ハウジング40、および端子50を備えた車両用照明装置に設けられる場合を例示した。しかしながら、光学要素30(130)は、ハウジング40、および端子50を備えていない車両用照明装置にも設けることができる。
【0073】
図17は、他の実施形態に係る車両用照明装置61を例示するための模式斜視図である。
図18は、
図17における車両用照明装置61を、Y方向における反対側から見た模式斜視図である。
図17、および
図18に示すように、車両用照明装置61には、例えば、発光部10、接続部62、および光学要素30(130)が設けられている。
【0074】
接続部62は、例えば、基板63、および回路部品22を有する。
基板63は、例えば、板状を呈し、基板11の面11bに略垂直な方向に延びている。 Y方向から見た場合、基板63の形状は、例えば、四角形とすることができる。基板63の一方の端部は、基板11の面11bに設けられる。例えば、基板63の一方の端部は、基板11の面11bに接着することができる。また、基板63の一方の端部に凸部を設け、基板11の面11bに、基板63の凸部が嵌合される孔、凹部、溝などを設けることもできる。基板63の寸法や材料は、例えば、前述した基板21と同様とすることができる。
【0075】
前述した基板21と同様に、基板63の面63a、および面63bには、配線パターン21eを設けることができる。面63acに設けられた配線パターン21eと、面63bに設けられた配線パターン21eとは、例えば、導通ビアを介して、電気的に接続することができる。配線パターン21eは、接続部21e2を介して、基板11に設けられた配線パターン11cと電気的に接続される。接続部21e2は、例えば、半田付けなどにより形成されたものとすることができる。
【0076】
前述した基板21と同様に、配線パターン21eには、回路部品22が実装される。なお、回路部品22が、基板63の両面に設けられる場合を例示したが、回路部品22が、基板63の一方の面に設けられるようにしてもよい。ただし、回路部品22が、基板63の両面に設けられていれば、基板63の小型化、ひいては、車両用照明装置61の小型化を図ることができる。
【0077】
また、前述した基板21と同様に、配線パターン21eは、基板63に設けられた一対の接続パッド21e1と電気的に接続される。一対の接続パッド21e1は、例えば、配線パターン21eと一体に形成することができる。接続パッド21e1は、基板63の面63aと面63bに設けられている。一対の接続パッド21e1のそれぞれは、ソケット101に設けられたソケット端子101a、101bと電気的に直接接続される。
【0078】
一対の接続パッド21e1の配置は、前述した基板21と同様とすることができる。例えば、一対の接続パッド21e1は、互いに対向している。一対の接続パッド21e1は、基板63の幅方向(X方向)の中央において、基板63の厚み方向(Y方向)に、車両用照明装置61の中心軸61aを挟んで設けられている。基板63の幅方向(X方向)において、面63aに設けられた接続パッド21e1は、面63aの中央に設けられている。基板63の幅方向において、面63bに設けられた接続パッド21e1は、面63bの中央に設けられている。
【0079】
また、基板63の幅方向(X方向)において、基板63の面63aに一対の接続パッド21e1を並べて設けることもできる。この場合、基板63の幅方向(X方向)における中心線を対称軸として線対称となる位置に一対の接続パッド21e1を設けることができる。一対の接続パッド21e1は、ウェッジベース電球に設けられた一対のリード線と同じ位置に設けることができる。なお、一対の接続パッド21e1が、基板63の面63aに設けられる場合を説明したが、一対の接続パッド21e1は、基板63の面63bに設けることもできるし、基板63の面63aと面63bに設けることもできる。
【0080】
一対の接続パッド21e1が、ウェッジベース電球に設けられた一対のリード線と同じ位置に設けられていれば、ウェッジベース電球が装着されるソケットに、車両用照明装置61を装着することができる。すなわち、ソケットの兼用化を図ることができる。
【0081】
一方、ウェッジベース電球の点灯回路と、発光素子を備えた車両用照明装置の点灯回路とは構成が異なる。そのため、ウェッジベース電球のソケットに、発光素子を備えた車両用照明装置を間違えて装着した際に、ウェッジベース電球の点灯回路から発光素子に電流が流れて、発光素子が故障する場合がある。
【0082】
この場合、前述した車両用照明装置1においては、一対の端子50が、挿入部42の幅方向の中央において、挿入部42の厚み方向に、車両用照明装置1の中心軸1aを挟んで設けられている。すなわち、一対の端子50が、ウェッジベース電球に設けられた一対のリード線と異なる位置に設けられている。
【0083】
また、車両用照明装置61においても、一対の接続パッド21e1が、基板63の幅方向の中央において、基板63の厚み方向に、車両用照明装置61の中心軸61aを挟んで設けられていれば、一対の接続パッド21e1が、ウェッジベース電球に設けられた一対のリード線と異なる位置に設けられる。
【0084】
一対の端子50や、一対の接続パッド21e1が、ウェッジベース電球に設けられた一対のリード線と異なる位置に設けられていれば、ウェッジベース電球のソケットに、発光素子12を備えた車両用照明装置1、61を間違えて装着したとしても、ウェッジベース電球の点灯回路から発光素子12に電流が流れるのを抑制することができる。そのため、発光素子12が故障するのを抑制することができる。
【0085】
図19(a)~(c)は、光学要素30(130)の作用を例示するための図である。
図19(a)に示すように、発光素子12から凹部30b1の領域30b1aの端部に向けて照射された光は、領域30b1aの端部を透過して、極角が0°の近傍に出射する。領域30b1aの端部は平坦面であるため、入射した光を効率良く透過させることができる。また、領域30b1aの端部の面積は小さいので、極角が0°の近傍に出射する光の光度が高くなるのを抑制することができる。
【0086】
図19(b)に示すように、発光素子12から、凹部30b1の内壁の、発光素子12側とは反対側の領域(領域30b1b、領域30b1c、および領域30b1d)に向けて照射された光は、凹部30b1の内壁により反射されて、極角が45°の近傍に出射する。前述した様に、領域30b1dの曲面の曲率半径は、領域30b1cの曲面の曲率半径よりも大きい。領域30b1cの曲面の曲率半径は、領域30b1bの曲面の曲率半径よりも大きい。そのため、領域30b1b、領域30b1c、および領域30b1dのそれぞれに入射した光の反射方向をある程度揃えることができる。その結果、極角が45°の近傍に出射する光の光度を高くすることができる。
【0087】
図19(c)に示すように、発光素子12から、凹部30b1の内壁の、発光素子12側の領域(領域30b1aの側部)に向けて照射された光は、領域30b1aの側部により反射されて、凹部30c1(130c1)の面30c1aに入射する。凹部30c1(130c1)の面30c1aに入射した光は、極角が100°の近傍に出射する。この際、面30c1aにより光が集光される。そのため、極角が100°の近傍に出射する光の光度を高くすることができる。
【0088】
光学要素30(130)が設けられていれば、極角が-100°~100°の範囲に光を効率良く照射することができるので、車両用照明装置1の配光特性と発光領域が、ウェッジベース電球の配光特性と発光領域と同等となるようにすることができる。
【0089】
(車両用灯具)
本発明の1つの実施形態において、車両用照明装置1を具備した車両用灯具100を提供することができる。前述した車両用照明装置1に関する説明、および車両用照明装置1の変形例(例えば、車両用照明装置61)は、いずれも車両用灯具100に適用することができる。
【0090】
図20は、本実施の形態に係る車両用灯具100を例示するための模式図である。
なお、以下においては、一例として、前述した車両用照明装置1が1つ設けられる場合を例示するが、車両用照明装置1は、少なくとも1つ設けられていればよい。また、車両用照明装置61が、少なくとも1つ設けられていてもよいし、車両用照明装置1と車両用照明装置61が設けられていてもよい。
【0091】
図20に示すように、車両用灯具100には、例えば、車両用照明装置1、ソケット101、筐体102、およびカバー103を設けることができる。
【0092】
ソケット101は、筐体102に設けることができる。ソケット101には、車両用照明装置1に設けられたハウジング40の挿入部42が挿入される。ソケット101は、例えば、樹脂などの絶縁性材料から形成される。
また、
図20においては、ソケット101と筐体102とを別個に設ける場合を例示したが、ソケット101と筐体102とを一体的に形成しても良い。
【0093】
ソケット101には、一方の端部に開口する凹部を設けることができる。凹部の内部には、車両用照明装置1(挿入部42)が挿入される。また、凹部の内部には、一方の電圧極性(例えば、プラス)に対応するソケット端子101aと、他方の電圧極性(例えば、マイナス)に対応するソケット端子101bを設けることができる。なお、前述したように、車両用照明装置1に無極性回路が設けられていれば、車両用照明装置1(挿入部42)の装着方向は限定されない。
【0094】
ソケット端子101a、101bは弾性変形が可能である。挿入部42を凹部の内部に挿入した際に、ソケット端子101a、101bは、それぞれ、端子50と電気的に接続される。
【0095】
ソケット端子101a、101bには、車両用灯具100の外部に設けられた点灯回路などを電気的に接続することができる。なお、筐体102の内部および外面の少なくともいずれかに点灯回路を設けることもできる。
【0096】
筐体102の形状は、例えば、一方の端部側が開口した箱状とすることができる。筐体102は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成される。
カバー103は、筐体102の開口を塞ぐように設けることができる。カバー103は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー103は、レンズなどの機能を有するものとしたり、グレアを抑制するものとしたりすることができる。また、カバー103は、筐体102に開閉可能に設けたり、着脱可能に設けたりすることができる。
【0097】
その他、筐体102の内部に、リフレクタ、レンズなどの光学要素を設けることもできる。
【0098】
なお、車両用照明装置61が設けられる場合には、車両用照明装置61に設けられた基板63がソケット101に挿入される。ソケット端子101a、101bは、それぞれ、接続パッド21e1と電気的に接続される。
【0099】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0100】
以下、前述した実施形態に関する付記を示す。
【0101】
(付記1)
発光素子を備えた車両用照明装置に設けられる光学要素であって、
前記光学要素は、前記発光素子の光の出射側に設けられ、
前記発光素子側とは反対側の端面に設けられ、前記光学要素の中心軸に直交する方向の寸法が、前記発光素子側になるに従い漸減する第1の凹部と;
側面の、前記光学要素の前記中心軸を中心として点対称となる位置に設けられた一対の第2の凹部と;
を有し、
前記第2の凹部の、前記光学要素の前記中心軸側の面は、外側に突出する曲面であり、
前記発光素子から、前記第1の凹部の前記発光素子側の端部に向けて照射された光は、極角が0°の近傍に出射し、
前記発光素子から、前記第1の凹部の内壁の、前記発光素子側とは反対側の領域に向けて照射された光は、極角が45°の近傍に出射し、
前記発光素子から、前記第1の凹部の内壁の、前記発光素子側の領域に向けて照射された光は、前記第2の凹部の前記曲面を介して、極角が100°の近傍に出射する光学要素。
【0102】
(付記2)
前記第2の凹部の、前記曲面の曲率半径の中心は、前記光学要素の前記中心軸と重ならない付記1記載の光学要素。
【0103】
(付記3)
前記第2の凹部の内部であって、前記曲面に沿って並ぶ複数の凹曲面をさらに有する付記1または2に記載の光学要素。
【0104】
(付記4)
前記発光素子側とは反対側の前記端面の周縁に設けられた複数の第3の凹部をさらに有し、
前記光学要素の前記中心軸を中心とした、前記複数の第3の凹部が設けられた領域の回転方向の位置は、前記第2の凹部の回転方向の位置と同じである付記1~3のいずれか1つに記載の光学要素。
【0105】
(付記5)
発光素子と;
前記発光素子が設けられる第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する第1の基板と;
前記第1の基板の前記第2の面に設けられ、前記第2の面に略垂直な方向に延びる第2の基板と;
前記第1の基板の、前記第1の面側に設けられた付記1~4のいずれか1つに記載の光学要素と;
前記第2の基板に設けられ、前記発光素子と電気的に接続された一対の接続パッドと;
を具備した車両用照明装置。
【0106】
(付記6)
収納部と、前記収納部の一方の端部に設けられ、板状を呈し、車両用灯具に設けられたソケットのソケット端子に装着される挿入部と、を有するハウジングと;
前記挿入部の幅方向の中央において、前記挿入部の厚み方向に、前記車両用照明装置の中心軸を挟んで設けられた一対の端子と;
をさらに具備し、
前記第2の基板は、前記ハウジングの内部に設けられ、
前記一対の端子の一方の端部側は、前記ハウジングの内部において、前記接続パッドと電気的に接続され、
前記一対の端子の他方の端部側は、前記ハウジングの外部において、前記挿入部の厚み方向の面に設けられている付記5記載の車両用照明装置。
【0107】
(付記7)
付記5または6に記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置に設けられた一対の接続パッドに電気的に接続される一対のソケット端子を有するソケットと;
を具備した車両用灯具。
【符号の説明】
【0108】
1 車両用照明装置、1a 中心軸、10 発光部、11 基板、11a 面、11b 面、12 発光素子、21 基板、21e 配線パターン、21e1 接続パッド、30 光学要素、30a 中心軸、30b1 凹部、30b1a~30b1d 領域、40 ハウジング、41 収納部、42 挿入部、50 端子、61 車両用照明装置、61a 中心軸、63 基板、100 車両用灯具、101 ソケット、101a ソケット端子、101b ソケット端子