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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181069
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】配線基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004514
(22)【出願日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2022094360
(32)【優先日】2022-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若森 宏喜
(72)【発明者】
【氏名】寺内 伊久哉
(72)【発明者】
【氏名】山田 崇広
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338AA16
5E338CD05
5E338CD14
5E338EE27
(57)【要約】
【課題】断線の虞が低減された配線基板の提供。
【解決手段】本発明の配線基板は、絶縁層101と、絶縁層101上に形成される配線EWを含む導体層102と、を備えている。配線EWは、互いに配線厚さが異なる第1の領域WA1及び第2の領域WA2を含んでおり、第2の領域WA2における配線幅は、第1の領域WA1における配線幅よりも小さく、第2の領域WA2における配線厚さは、第1の領域WA1における配線厚さよりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、前記絶縁層上に形成される配線を含む導体層と、を備える、配線基板であって、
前記配線は、互いに配線厚さが異なる第1の領域及び第2の領域を含んでおり、
前記第2の領域における配線幅は、前記第1の領域における配線幅よりも小さく、
前記第2の領域における配線厚さは、前記第1の領域における配線厚さよりも大きい。
【請求項2】
請求項1記載の配線基板であって、前記第1の領域における前記配線の長さ方向に直交する断面の面積と、前記第2の領域における前記配線の長さ方向に直交する断面の面積とは、略等しい。
【請求項3】
請求項1記載の配線基板であって、前記第2の領域における配線幅は90μm以下であり、配線厚さは18μm以上である。
【請求項4】
請求項1記載の配線基板であって、
前記配線は、前記第1の領域と前記第2の領域との間に介在する第3の領域をさらに含み、
前記第3の領域における配線幅は、前記第1の領域から前記第2の領域に向けて漸移的に減少し、
前記第3の領域における配線厚さは、前記第1の領域から前記第2の領域に向けて漸移的に増大する。
【請求項5】
請求項4記載の配線基板であって、前記第1の領域における配線幅方向に沿った断面の面積と、前記第2の領域における配線幅方向に沿った断面の面積と、前記第3の領域における配線幅方向に沿った断面の面積とは、略等しい。
【請求項6】
請求項1記載の配線基板であって、
前記第1の領域における配線幅と前記第2の領域における配線幅との差は、10μm以下であり、
前記第1の領域における配線厚さと前記第2の領域における配線厚さとの差は、15μm以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている配線基板の製造方法では、配線導体を構成する電解銅めっき層の上面が研磨され、配線導体の厚さが均一にされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-258410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される製造方法により製造される配線基板では、配線導体の厚さは、配線導体の粗密やパターン幅に関係なく研磨により一定にされている。配線の幅が比較的小さい場合には、配線の厚さが減少することで断線の虞が高まる場合があると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の配線基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に形成される配線を含む導体層と、を備えている。前記配線は、互いに配線厚さが異なる第1の領域及び第2の領域を含んでおり、前記第2の領域における配線幅は、前記第1の領域における配線幅よりも小さく、前記第2の領域における配線厚さは、前記第1の領域における配線厚さよりも大きい。
【0006】
本発明の実施形態によれば、同一の配線における配線幅の比較的小さい領域(第2の領域)においては、配線幅の比較的大きい領域(第1の領域)に対して、配線厚さは大きい。配線幅が比較的小さい領域での断線の虞は低減され得ると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の配線基板の一例を示す平面図。
図2A図1におけるA-A線に沿った断面図。
図2B図1におけるB-B線に沿った断面図。
図3A】一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3B】一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3C】一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3D】一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3E】一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3F】一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3G】一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す図。
図3H】一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の配線基板が図面を参照しながら説明される。以下、参照される図面においては、各構成要素の正確な比率を示すことは意図されておらず、本実施形態の特徴が理解され易いように描かれている。
【0009】
図1には、一実施形態の配線基板の一例である配線基板の平面図が示されている。図2Aには、図1におけるA-A線に沿った断面図が示され、図2Bには、図1におけるB-B線沿った断面図が示されている。なお、図1に示される平面図及び図2A、2Bに示される断面図は、実施形態の配線基板が有し得る複数の絶縁層及び導体層のうち、実施形態の配線基板が有すべき任意の1層の導体層102及び絶縁層101の一部分を示している。導体層102の絶縁層101と反対側には、さらなる絶縁層が積層される場合がある。また、絶縁層101の導体層102と反対側には、更なる導体層が形成される場合がある。
【0010】
なお、本実施形態の配線基板の説明においては、絶縁層101の厚さ方向において、導体層102が形成される側を、「上」、「上側」と称し、導体層102が形成される側に対して反対側を、「下」、「下側」と称する。
【0011】
絶縁層101は、例えば、所謂ビルドアップ配線基板の形態の配線基板を構成し得る複数の絶縁層の内の任意の一層の絶縁層であり、例えば、エポキシ樹脂を用いて形成され得る。絶縁層101は、例えば、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などの絶縁性樹脂を用いて形成される場合もある。絶縁層101は、ガラス繊維などの補強材(芯材)及び/又はシリカ、アルミナなどの無機フィラーを含む場合がある。
【0012】
絶縁層101上に形成される導体層102は、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成され得る。導体層102は、例えば、銅箔などの金属箔、及び/又は、めっきもしくはスパッタリングなどで形成される金属膜によって構成され得る。図示の例では、絶縁層101の表面上に形成されている導体層102は、無電解めっき膜層102n(好ましくは無電解銅めっき膜)、及び電解めっき膜層102e(好ましくは電解銅めっき膜)を含む2層構造を有している。しかし、導体層102の構造は、無電解めっき膜層102n及び電解めっき膜層102eの2層構造に限定されない。導体層102は金属箔層、無電解めっき膜層、及び電解めっき膜層を含む3層以上の層構造を有する場合があり得る。
【0013】
実施形態の配線基板に含まれる導体層102は、その導体パターンとして配線EWを有するようにパターニングされている。図示される3本の配線EWは、それぞれ、配線EWの長さ方向において、配線幅の異なる複数の領域を有している。具体的には、配線EWは、配線幅が比較的大きい第1の領域WA1、及び、第1の領域WA1よりも配線幅の小さい第2の領域WA2を有している。第1の領域WA1における配線幅A1は第2の領域WA2における配線幅A2よりも大きい。また、図示の例では、複数の配線EWのそれぞれは、導体層102に含まれる、平面方向(絶縁層101の表面の延在方向)おいて拡がる所謂ベタパターンBPと隣接している。
【0014】
図2Aには、配線EWの第1の領域WA1に対応する部分の配線幅方向に沿った断面が示され、図2Bには、配線EWの第2の領域WA2に対応する部分の配線幅方向に沿った断面が示されている。図2A図2Bとの比較から理解されるように、配線EWの厚さについて、第2の領域WA2における配線厚さT2が、第1の領域WA1における配線厚さT1よりも大きい。すなわち、配線EWは、配線幅が比較的大きく、且つ、配線厚さが比較的小さい第1の領域WA1と、配線幅が比較的小さく、且つ、配線厚さが比較的大きい第2の領域WA2とを有している。
【0015】
第2の領域WA2の配線幅A2は第1の領域WA1の配線幅A1より小さく、第2の領域WA2の配線厚さT2は第1の領域WA1の配線厚さT1より大きい。このように、配線EWの比較的配線幅が小さい第2の領域WA2において、配線厚さが比較的大きくされていることによって、配線EWの、特に第2の領域WA2における断線の虞が低減される場合がある。
【0016】
例えば、具体的には、配線EWの第1の領域WA1においては、配線幅は、12μm~95μm程度に形成され、配線厚さは8μm~15μm程度とされ得る。これに対して、配線EWの第2の領域WA2においては、配線幅は、7μm~90μm程度に形成され、配線厚さは12μm~18μm程度とされ得る。
【0017】
配線EWの比較的配線幅が小さい第2の領域WA2において、配線厚さが比較的大きくされていることにより、同一の配線EW内における抵抗値のばらつきの程度を小さく抑制することが可能となり得る。すなわち、同一の配線EW内における、配線幅方向に沿った、配線の長さ方向に直交する断面の面積(断面積)のばらつきの程度が抑制される場合がある。
【0018】
具体的には、配線EWの、配線幅が比較的大きい第1の領域WA1における配線の長さ方向に直交する断面の面積と、配線幅が比較的小さい第2の領域WA2における配線の長さ方向に直交する断面の面積との差異は、それぞれの領域における配線厚さが調整されていることにより、抑制され得る。例えば、第1の領域WA1における配線EWの配線幅A1が30μm程度であり第2の領域WA2における配線幅A2が20μm程度である場合には、第1の領域WA1における配線EWの配線厚さT1が10μm程度とされ第2の領域WA2における配線厚さT2が15μm程度とされ得る。
【0019】
好ましくは、第1の領域WA1における配線幅方向に沿った、配線の長さ方向に直交する断面の面積と、第2の領域WA2における配線幅方向に沿った、配線の長さ方向に直交する断面の面積とは、略一定とされ得る。換言すれば、配線EWの第1の領域WA1における配線長さ方向における単位長さ当たりの電気抵抗値と、配線EWの第2の領域WA2における配線長さ方向における単位長さ当たりの電気抵抗値とは、略等しい値を有し得る。上述されたように、第1の領域WA1における配線幅A1及び配線厚さT1と、第2の領域WA2における配線幅A2及び配線厚さT2との関係が調整されていることにより、断線の虞が低減されると共に抵抗値のばらつきが抑えられる配線EWが提供され得る。
【0020】
なお、導体層102内における導体厚さの差異の程度は、導体層102上に被覆され得るさらなる絶縁層と、導体層102及び導体層102のパターン間に露出する絶縁層101との密着の観点から、小さい方が望ましい場合がある。従って、配線EWにおける、第1の領域WA1の配線厚さと第2の領域WA2の配線厚さとの差は15μm以下であることが望ましい場合がある。また、同一の配線EW内での配線幅の差異(第1の領域WA1における配線幅と第2の領域WA2における配線幅との差異)は、同一の配線内における抵抗値の変化を抑制しながらも、配線厚さの差異を抑制させる観点から30μm以下とされていることが好ましく、10μm以下とされることがさらに好ましい。
【0021】
配線基板の製造方法の説明において後述されるように、導体層102の形成においては、配線EW周囲に形成されるべき導体の存在量の調整により、配線EWの厚さの調整が比較的精度高く実現される場合がある。従って、形成される導体層102では、配線EWの第1の領域WA1の周囲に存在する導体の量と、第2の領域WA2の周囲に存在する導体の量とが異なる場合がある。
【0022】
図1に示されるように、第1の領域WA1と第2の領域WA2との間には、第1の領域WA1から第2の領域WA2へと漸移的に配線幅が減少する領域が形成されている。第1の領域WA1と第2の領域WA2との間に介在している漸移的に配線幅が変化する領域は第3の領域WA3と称される。配線幅が第1の領域WA1から第2の領域WA2に向けて漸移的に減少している第3の領域WA3においては、配線厚さが第1の領域WA1から第2の領域WA2に向けて漸移的に増加している。
【0023】
第1の領域WA1における配線の長さ方向に直交する断面の面積と、第2の領域WA2における配線の長さ方向に直交する断面の面積とが、略一定とされることが上述されたように、第3の領域WA3における配線の長さ方向に直交する断面の面積も、第1の領域WA1及び第2の領域WA2の断面積と略一定にされ得る。
【0024】
この場合、第3の領域WA3において、漸移的な配線幅の変化に伴って、断面積が一定となるように、配線厚さが漸移的に変化し得る。具体的には、第3の領域WA3においては、第1の領域WA1から第2の領域WA2にむけて漸移的に配線幅が減少するのに伴って、第1の領域WA1から第2の領域WA2にむけて、断面積が一定となるように、漸移的に配線厚さが増大し得る。これにより、同一の配線EWにおける単位長さ当たりの電気抵抗値は略一定である場合があり得る。
【0025】
実施形態の配線基板は、任意の一般的な配線基板の製造方法によって製造され得る。図3A図3Hを参照して、図1に示される、配線基板が有する絶縁層101上の導体層102が製造される場合を例に、配線基板の製造方法が説明される。なお、以下、図3A図3Hを参照して説明される製造方法においては、図2A及び図2Bと同様に、配線基板の絶縁層101及び導体層102に対応する部分の断面図が示され、特に、導体層102の製造について説明される。
【0026】
先ず、図3Aに示されるように、絶縁層101の積層までが完了した積層体が用意される。絶縁層101としては、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などの絶縁性樹脂を含む樹脂フィルムが用いられ得る。絶縁層101の一方の表面上の全体に亘って金属膜層102nが形成される。例えば、無電解めっきによって、無電解銅めっき膜層である金属膜層102nが形成される。金属膜層102nは、例えば、銅を含むターゲットを用いたスパッタリングによって形成される場合があり得る。
【0027】
次いで、図3Bに示されるように、金属膜層102n上には、電解めっき用のめっきレジスト102rが形成される。例えば、金属膜層102n上の全域を被覆するように、例えば、感光性のポリヒドロキシエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、又はポリイミド樹脂などを含むめっきレジスト102rが、例えば、スプレーコーティング又はフィルムの貼り付けなどによって全域に形成される。
【0028】
次いで、図3C、及び、図3Dに示されるように、めっきレジスト102rに開口が形成される。めっきレジスト102rには、導体層102が有するべき、配線EW及びベタパターンBPを有する導体パターン(図1参照)に応じた、開口が形成される。なお、図3C及び後に参照する図3E図3Gには、実施形態の配線基板の説明において参照された、図2Aに示される第1の領域WA1の断面に対応する部分が示されており、図3D及び後に参照する図3F図3Hには、図2Bに示される第2の領域WA2の断面に対応する部分が示されている。
【0029】
めっきレジスト102rの開口は、例えば、適切な開口パターンを有するマスクを用いた露光及び現像によって形成され得る。具体的には、めっきレジスト102rには、形成されるべき配線EWのパターンに従った開口WO、及び、形成されるべきベタパターンBPに従った開口POが形成される。
【0030】
図3C図3Dとの比較から理解されるように、形成されるべき配線EWの第2の領域WA2に対応する部分の開口WOの開口幅は、第1の領域WA1に対応する部分の開口WOの開口幅よりも小さく形成される。形成されるべき配線EWの第2の領域WA2に対応する部分の開口WOの開口幅は7μm~90μm程度に形成され、形成されるべき配線EWの第1の領域WA1に対応する部分の開口WOの開口幅は12μm~95μm程度に形成され得る。
【0031】
開口WOに隣接して形成される開口POは、平面視において、第1の領域WA1に対応する部分の開口WOの周囲の領域の面積に占める開口WO、POの面積の割合と、第2の領域WA2に対応する部分の開口WOの周囲の領域の面積に占める開口WO、POの面積の割合とが異なるように形成され得る。
【0032】
第2の領域WA2に対応する開口WOの周囲の領域における開口WO、POが占める面積の割合が、第1の領域WA1に対応する開口WOの周囲の領域における開口WO、POが占める面積の割合よりも小さくなるように開口POが形成されることにより、続く、図3E、及び図3Fを参照して説明される電解めっき層102eの形成が良好に実現され得る。図3E、及び、図3F、に示されるような、開口WO内への厚さの異なる電解めっき層102eの充填が良好に実現される場合がある。
【0033】
次いで、図3E、及び、図3Fに示されるように、開口WO、PO内に、電解めっきにより導体が充填され、電解めっき層102eが形成される。金属膜層102nをシード層として用いた電解めっきにより、めっきレジスト102rの開口WOの内部が導体で充填され配線EWを構成する電解めっき層102eが形成されると共に、開口POの内部が導体で充填され配線EW周囲のベタパターンを構成する電解めっき層102eが形成される。
【0034】
電解めっき層102eの形成においては、図3E及び図3Fに示されるように、図3Fに示される、形成される配線EWの第2の領域WA2に対応する部分の電解めっき層102eは、図3Eに示される、形成される配線EWの第1の領域WA1に対応する部分の電解めっき層102eよりも厚さが大きく形成される。上述されたような、開口WO周囲の領域における開口POが占める割合が異なる場合、開口WO、PO内に形成される電解めっき層102eの厚さが異なり得る。具体的には、開口WO及び開口POの配置に関連した電流密度の分布に伴う、電解めっきの条件(温度、めっき時間など)の適切な調整により、開口WO周囲の領域における開口POが占める割合が異なる領域での厚さが異なる電解めっき層102eが、比較的良好に形成される場合がある。
【0035】
第1の領域WA1に対応する、図3Eに示される配線EWの配線厚さ(金属膜層102n及び電解めっき層102eの厚さ)は、開口WOの幅(配線幅)が12μm~95μmである場合には、8μm~15μmとなるように形成され得る。これに比して、第2の領域WA2に対応する、図3Fに示される、配線EWの配線厚さは、開口WOの幅が7μm~90μmである場合には、12μm~18μmとなるように形成され得る。このように、配線幅に対する配線厚さが調整され得ることにより、形成される配線EWの第1の領域WA1と第2の領域WA2とにおける配線の断面積が略等しく調整される場合があり得る。
【0036】
次いで、図3G及び図3Hに示されるように、めっきレジスト102rが除去されると共に、めっきレジスト102rの除去により露出する金属膜層102nがエッチングにより除去される。配線EWを含む導体層102の形成が完了する。配線基板の製造においては、導体層102の形成が完了した後、導体層102上に任意の更なる絶縁層及び導体層が積層される場合がある。
【0037】
実施形態の配線基板は、配線基板が備える導体層102が、図示される構造、並びに、本明細書において例示される構造、形状、及び材料を備えるものに限定されない。導体層102に含まれる配線EWは、少なくとも配線幅が比較的大きく配線厚さが比較的小さい第1の領域WA1と、第1の領域WA1よりも配線幅が小さく配線厚さの大きい第2の領域WA2とを有していればよい。配線EWは、第1の領域WA1及び第2の領域WA2と配線幅並びに配線厚さが異なる更なる第4の領域をも有する場合がある。また、配線基板が備える絶縁層101には、導体層102と、導体層102と反対側に形成され得る導体層とを接続するビア導体が形成され得る。
【符号の説明】
【0038】
101 絶縁層
102 導体層
102n 金属膜層
102e 電解めっき層
102r めっきレジスト
EW 配線
BP ベタパターン
WO、PO 開口
WA1 第1の領域
WA2 第2の領域
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H