(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181075
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】液体収容容器及び記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20231214BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B41J2/17 205
B41J2/175 153
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023529
(22)【出願日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2022094125
(32)【優先日】2022-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 誠
(72)【発明者】
【氏名】井利 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】能條 成幸
(72)【発明者】
【氏名】大谷 効
(72)【発明者】
【氏名】草野 裕昭
(72)【発明者】
【氏名】高橋 悟
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA23
2C056EC57
2C056FA10
2C056JA01
2C056JB04
2C056JC27
2C056KC02
2C056KC05
2C056KC09
2C056KC10
2C056KC11
2C056KC13
(57)【要約】
【課題】液体収容容器を記録装置に対して着脱する際に漏れた液体を、省スペース、且つ、簡易な構成により、保持することができる技術を提供する。
【解決手段】液体収容容器は、記録装置に対して装着することができる。液体収容容器は、液体を収容する収容部と、収容部に収容された液体を記録装置に供給する供給口と、液体収容容器を記録装置に対して着脱する際に漏れた液体を、毛管力を用いて保持することができる液体保持部と、を備える。液体保持部は、供給口の外周面に沿って、液体収容容器を記録装置に対して装着する装着方向に延在している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置に対して装着することができる液体収容容器であって、
液体を収容する収容部と、
前記収容部に収容された液体を前記記録装置に供給する供給口と、
前記液体収容容器を前記記録装置に対して着脱する際に漏れた液体を、毛管力を用いて保持することができる液体保持部と、を備え、
前記液体保持部は、前記供給口の外周面に沿って、前記液体収容容器を前記記録装置に対して装着する装着方向に延在している、
ことを特徴とする液体収容容器。
【請求項2】
前記液体保持部が有する毛管力は、前記装着方向へ向かう毛管力の方が前記装着方向と交差する方向に向かう毛管力よりも大きい、
請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項3】
前記液体保持部が有する毛管力は、前記記録装置に対して装着する姿勢において、重力方向又は反重力方向へ向かう毛管力よりも前記装着方向とは反対方向に向かう毛管力の方が大きい、
請求項2に記載の液体収容容器。
【請求項4】
前記液体保持部は、繊維体を含む、
請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項5】
前記液体保持部は、前記供給口の外周面に沿って環状に配される、
請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項6】
前記液体保持部が保持することができる液体の量は、略0.015ml以上である、
請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項7】
前記液体保持部の体積は、略24mm3以上である、
請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項8】
前記液体保持部の外周は、カバー部により覆われている、
請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項9】
前記カバー部の先端部は、前記液体保持部の先端部よりも、前記装着方向の先端側に位置する、
請求項8に記載の液体収容容器。
【請求項10】
前記液体保持部は、前記装着方向に延在する1つ以上の溝を備える、
請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項11】
装着時の姿勢において、前記溝の底面は、
前記装着方向の先端側から基端側に向かって下がる様に傾斜している、
請求項10に記載の液体収容容器。
【請求項12】
前記液体保持部は、
第1の繊維体が配された第1の領域と、
前記第1の繊維体とは密度が異なる、第2の繊維体が配された第2の領域と、を含む、
請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項13】
前記第1の繊維体は、
前記第2の繊維体より密度が高く、
前記第2の繊維体よりも前記装着方向における基端側に配される、
請求項12に記載の液体収容容器。
【請求項14】
前記第1の繊維体は、
前記第2の繊維体より密度が高く、
前記第2の繊維体よりも装着時の姿勢において反重力方向側に配される、
請求項12に記載の液体収容容器。
【請求項15】
前記第1の繊維体の繊度は、2.5dtex以下であり、
前記第2の繊維体の繊度は、5.0dtex以上である、
請求項12に記載の液体収容容器。
【請求項16】
前記第1の繊維体の捲縮数は、略16個/25mmであり、
前記第2の繊維体の捲縮数は、略15個/25mmである、
請求項12に記載の液体収容容器。
【請求項17】
前記第1の繊維体の捲縮率は、略12%であり、
前記第2の繊維体の捲縮率は、略13%である、
請求項12に記載の液体収容容器。
【請求項18】
請求項1に記載の液体収容容器から液体を供給される液体供給ユニットと、
請求項1に記載の液体収容容器が備える前記供給口と接続可能な接続部と、
前記接続部を介して前記液体収容容器から供給された液体を用いて記録を行う記録部と、を備える、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、液体収容容器及び記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インクジェット記録装置(「記録装置」ともいう。)から取り外す際に漏れたインクを吸収する廃インク吸収体(「液体保持部材」ともいう。)を備えるインクカートリッジ(「液体収容容器」ともいう。)が開示されている。特許文献1では、廃インク吸収体は、インクカートリッジの内部に配されたインク袋の下方側(重力方向側)の全体に渡って敷かれている。
【0003】
特許文献2には、液体収納容器が備える供給口部内にて、供給口部から反重力方向及び重力方向に向かって延在し、記録装置に対して液体収納容器を着脱する際に、供給口部内に残留したインクを、毛管力を用いて吸収するインク再吸収部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-4349号公報
【特許文献2】特開2002-178544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
記録装置に対して使い切りの液体収容容器を着脱する際、液体が漏れる場合があるとしても、その液体収容容器についての漏液量には限度がある。このため、液体収容容器が必要以上に大きな液体保持部材を備えることは、製造コストの無駄に繋がる虞がある。更に、特許文献1に係る液体収容容器は、漏れたインクを液体保持部材に導く連通溝を必要としている。このため、液体収容容器内に連通溝を配するスペースが必要となってしまう。
【0006】
特許文献2に係るインク再吸収部材は、供給口部から反重力方向及び重力方向に向かって延在している。このため、液体保持部材を供給口部から反重力方向又は重力方向に延在させるスペースが無い場合、漏れた液体を吸収することが困難となる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本開示は、液体収容容器を記録装置に対して着脱する際に漏れた液体を、省スペース、且つ、簡易な構成により、保持することができる技術を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成すべく、本開示に係る液体収容容器は、記録装置に対して装着することができる液体収容容器であって、液体を収容する収容部と、前記収容部に収容された液体を前記記録装置に供給する供給口と、前記液体収容容器を前記記録装置に対して着脱する際に漏れた液体を、毛管力を用いて保持することができる液体保持部と、を備え、前記液体保持部は、前記供給口の外周面に沿って、前記液体収容容器を前記記録装置に対して装着する装着方向に延在していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る技術によれば、液体収容容器を記録装置に対して着脱する際に漏れた液体を、省スペース、且つ、簡易な構成により、保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施例における記録装置の概略の構成を示す斜視図である。
【
図2】一実施例におけるトレイの内部を模式的に示した斜視図である。
【
図3】一実施例における供給部の模式的な正面図である。
【
図4】一実施例における液体収容容器の内部を示す模式的な平面図である。
【
図7】一実施例における液体収容容器が記録装置に装着された状態を示す模式的な断面図である。
【
図8】一実施例における液体収容容器を記録装置に対して着脱する過程を示す模式的な拡大断面図である。
【
図9】比較例における液体収容容器が記録装置から取り外された状態を示す模式的な拡大断面図である。
【
図10】一実施例における液体保持部を模式的に示す正面図及び断面図である。
【
図11】一実施例における液体保持部を模式的に示す正面図及び断面図である。
【
図12】一実施例における液体保持部を模式的に示す正面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例1]
<記録装置100>
図1は、本実施例における記録装置100の概略の構成を示す斜視図である。
図1に示す様に、記録装置100は、記録ヘッド101と、ガイドレール102と、キャリッジ103と、搬送ローラ104と、液体供給ユニット105と、トレイ106と、液体供給チューブ107と、回復ユニット108と、を備える。
【0012】
本実施例では、トレイ106の内部に配された液体収容容器200(
図2参照)を記録装置100に装着する装着方向を+Y方向とする。一方、液体収容容器200が、記録装置100から取り外される方向を-Y方向とする。また、液体収容容器200の幅方向(つまり、Y方向に平面で直交する方向)を±X方向とする。また、重力方向(下方向)を-Z方向とし、反重力方向(上方向)を+Z方向とする。
【0013】
記録装置100は、記録ヘッド101の往復移動(主走査)と、記録媒体である記録用シートSの所定ピッチごとの搬送(副走査)と、を繰り返す。記録装置100は、これらの動きと同期させながら記録ヘッド101から選択的に、複数の種類がある液体を吐出させ、記録媒体である記録用シートSに着弾させることで、記録動作を実行する装置である。記録動作の例として、文字、又は記号、又は画像、又はこれらの組み合わせ等を形成することが挙げられる。尚、記録媒体としては、液滴を着弾させて文字等を形成することができるものであれば任意のものを用いてよい。例えば、紙、布、光ディスクラベル面、プラスチックシート、OHPシート、封筒等、種々の材質及び形態のものを記録媒体として用いることができる。
【0014】
図1において、記録ヘッド101は、2本のガイドレール102に摺動自在に支持され、不図示のモータ等の駆動手段により、ガイドレール102に沿って一直線上を往復移動するキャリッジ103に着脱可能に搭載されている。記録ヘッド101の液体吐出面に対面し、記録ヘッド101の液体吐出部から吐出された液体を受ける記録用シートSは、搬送手段である搬送ローラ104により、キャリッジ103の移動方向と交差する方向(つまり、図中の矢印方向)に搬送される。記録ヘッド101は、複数の液体吐出部として、それぞれ異なる種類の液体を吐出して記録を行うための複数のノズル列を備える。尚、異なる種類の液体とは、例えば異なる色のインクであってもよいし、顔料インクと染料インクとのように同色で性質が異なるインクであってもよい。
【0015】
液体供給ユニット105には、液体収容容器200をそれぞれ収納した複数のトレイ106が、着脱可能に装着されている。液体供給ユニット105と記録ヘッド101とは、それぞれ液体の種類に対応した複数の液体供給チューブ107によって接続されている。液体収容容器200を液体供給ユニット105に装着することで、液体収容容器200内に収容された各種類の液体を、記録ヘッド101の各ノズル列に独立して供給することが可能となる。
【0016】
記録ヘッド101の往復移動範囲内で、且つ、記録用シートSの通過範囲外の領域である非記録領域には、回復ユニット108が、記録ヘッド101の液体吐出面と対面する様に配されている。回復ユニット108は、記録ヘッド101の液体吐出面をキャッピングするためのキャップ部と、液体吐出口面をキャッピングした状態で強制的に液体を吸引するための吸引機構と、液体吐出面の汚れを払拭するためのクリーニングブレード等と、を備えている。この吸引動作は、記録装置100の記録動作に先立って、回復ユニット108によって行われる。これにより、記録装置100を長期間放置した後に動作させた場合でも、記録ヘッド101の吐出部内の残留気泡や吐出口近傍の増粘した液体を除去し、記録ヘッド101の吐出特性を維持することができる。
【0017】
<液体収容容器200>
図2は、本実施例におけるトレイ106の内部を模式的に示した斜視図である。
図2に示す様に、液体収容容器200は、トレイ106の内部に、着脱可能に配される。液体収容容器200は、液体を収容する収容部201と、液体を記録装置100(
図1参照)に供給する供給部202を備えている。供給部202は、供給口203と、液体保持部材204と、カバー部205と、を含んで構成されている。
【0018】
液体収容容器200は、収容部201に収容する液体の種類毎に独立している。供給部202を記録装置100の接続部に接続することで、収容部201に収容された液体を記録装置100に供給することができる。本実施例では、供給部202は、収容部201から液体収容容器200を記録装置100に装着する装着方向に延在している。供給口203の外周面には、液体収容容器200を記録装置100に装着する際に漏れた液体を、毛細管現象を生じさせて吸収することで、保持可能な液体保持部材204が配されている。
【0019】
液体保持部材204は、供給口203の外周面に沿って、液体収容容器200を前記記録装置100に対して装着する装着方向に延在している。液体保持部材204は、繊維体を含んで構成されている。繊維体として、例えば、ポリプロピレン、又は高密度ポリエチレン、又はこれらの混合剤等を好適に利用することができる。更に、本実施例では、供給口203の外周面には、供給口203と液体保持部材204とを覆うカバー部205が形成されている。
【0020】
図3は、本実施例における供給部202の模式的な正面図である。
図3に示す様に、供給部202は、供給口203の内部を封止する封止部材300を備える。封止部材300には、封止部材300を装着方向(Y方向)に貫通する貫通孔301が形成されている。尚、
図3では、貫通孔301を塞ぐ弁体302が見えている。
【0021】
また、液体保持部材204は、供給口203の外周面とカバー部205の内周面との隙間に、装着方向とは反対方向(つまり、図中の奥行き方向)に向かって圧入されている。本実施形態では、液体保持部材204は、供給口203の外周面に沿って、環状に配されている。
【0022】
図4は、本実施例における液体収容容器200の内部を示す模式的な平面図である。
図4では、液体収容容器200は、記録装置100(
図1参照)に装着された向きで示されている。
図4に示す様に、収容部201の内部には、収容部201の内部から外部まで連通する流路が形成された流路ユニット400が、配されている。供給部202は、流路ユニット400の装着方向における先端側に形成されている。
【0023】
図5は、
図4の模式的なV-V線断面図である。
図5に示す様に、流路ユニット400は、第1の流路部材501と、第2の流路部材502と、第3の流路部材503と、仕切り部材504と、を含んで構成されている。第1の流路部材501は、重力方向における上位側に位置している。第2の流路部材502は、重力方向における下方側に位置している。第1の流路部材501と第2の流路部材502との間には、水平方向に延在する仕切り部材504が、挟み込まれている。仕切り部材504は、第1の流路部材501と第2の流路部材502との間に挟まれ固定されることで、収容部201の内部を、重力方向上位の第1の収容室505aと、下位の第2の収容室505bと、に区分けしている。第1の流路部材501及び第2の流路部材502の装着方向における先端側には、第1の流路部材501及び第2の流路部材502を介して導かれてきた液体を合流させて、更に先端側に流す流路が形成された第3の流路部材503が接合されている。この様な構成によれば、仕切り部材504を備えない同等の大きさの液体収容容器に比べて、液体を収容する各室の重力方向の長さ(即ち、高さ)を略半分とし、液体が沈降する方向の濃度差を低減することができる。
【0024】
第1の流路部材501には、第1の収容室505aに収容されている液体を導入する第1の導入部506aと、導入した液体を第3の流路部材503へ導く第1の流路507aと、が形成されている。第2の流路部材502には、第2の収容室505bに収容されている液体を導入する第2の導入部506bと、導入した液体を第3の流路部材503へ導く第2の流路507bと、が形成されている。
【0025】
第3の流路部材503には、第1の流路507a及び第2の流路507bから導かれた液体が合流する合流部508と、合流部508から装着方向に向かって連続する第3の流路507cと、が形成されている。合流部508にて合流した液体は、第3の流路507cへ導かれる。第3の流路507cの開口部は、封止部材300により、封止されている。
【0026】
供給口203は、第3の流路部材503における基部の正面(図中の+Y方向側を向く面)から装着方向に延在している。上述した封止部材300は、供給口203の開口から装着方向とは反対方向(つまり、図中の-Y方向)に向かって圧入されている。これにより、液体収容容器200が記録装置100に装着されていない状態では、液体は、第3の流路507cの開口よりも、装着方向における先端側へは流れない。
【0027】
図6は、
図3の模式的なVI-VI線断面図である。
図6に示す様に、第3の流路507c内には、弾性部材であるコイルばね601と、弁体302と、が配されている。コイルばね601の一端は、第3の流路507c内の基端部に固定され、他端は弁体302に固定されている。弁体302は、コイルばね601によって装着方向(図中の右方向)に付勢されている。弁体302は、封止部材300の背面側(つまり、-Y方向を向く面)から貫通孔301の周縁部に接することで貫通孔301を塞いでいる。弁体302における封止部材300を塞ぐ面には、接続ユニット700(
図7参照)に配された中空針701の尖端部801(
図8(b)参照)が嵌合する嵌合部602が、形成されている。尚、嵌合部602の形状は、尖端部801の形状に対応している。貫通孔301の内径は、装着方向における基端側と先端側とで、大きさが異なる。貫通孔301は、装着方向における基端側から先端側に向かって、途中の位置までは徐々に拡径しているが、当該途中の位置からは同じ径を維持している。
【0028】
液体収容容器200が記録装置100に装着されていない状態では、第3の流路507cの開口は、貫通孔301を除き、封止部材300により封止されている。そして、弁体302が貫通孔301を塞ぐことで、第3の流路507cの開口が完全に塞がれる。尚、コイルばね601に付勢された弁体302が、封止部材300に接することで貫通孔301を塞ぐことを考慮すると、封止部材300は、弁体302からの押圧に耐えることができる程度の剛性を有することが好ましい。
【0029】
図7は、本実施例における液体収容容器200が記録装置100(
図1参照)に装着された状態を示す模式的な断面図である。記録装置100には、液体収容容器200に収容されている液体を吸引するポンプ機構(不図示)が配されている。上述した記録動作が実行される際、液体収容容器200内の液体は、ポンプ機構による吸引によって生じた負圧により、記録装置100に吸い込まれる。これにより、液体収容容器200から記録装置100に向かう液体の流れが発生する。
【0030】
記録装置100が備える液体供給ユニット105(
図1参照)は、その内部に液体収容容器200の供給部202を接続可能な接続ユニット700を備えている。接続ユニット700は、接続ユニット700本体から装着方向とは反対方向に延在する中空針701を備えている。中空針701の内部は中空状になっており、中空流路701aが形成されている。更に、中空針701には、中空針701の外部から中空流路701a内に液体を導入する導入孔(不図示)が形成されている。
【0031】
接続ユニット700は、液体収容容器200が備える供給部202との接続部として機能する。液体収容容器200が備える供給部202を記録装置100が備える接続ユニット700に接続することで、相対的に、記録装置100が備える中空針701を液体収容容器200が備える第3の流路507cの内部に挿入することができる。中空針701が第3の流路507c内に挿入されることで、液体収容容器200が備える第1の導入部506a及び第2の導入部506bから第3の流路507cに導かれた液体を、記録装置100が備える中空流路701a内に導入することができる。従って、この様な構成によれば、液体収容容器200に収容されている液体を、記録装置100が備える接続ユニット700及び液体供給チューブ107を介して、記録ヘッド101に供給することができる。
【0032】
<液体の保持>
図8は、本実施例における液体収容容器200を記録装置100(
図1参照)に対して着脱する過程を示す模式的な拡大断面図である。
図8(a)は、液体収容容器200が、記録装置100に装着された状態を示す。
図8(a)の右下に示した矢印は、液体収容容器200を記録装置100に装着する装着方向を示す。
図8(a)に示す様に、中空針701は、装着方向とは反対方向に尖っている尖端部801を備えている。装着過程では、液体収容容器200の供給部202を記録装置100の接続ユニット700に接続することで、記録装置100が備える中空針701の尖端部801が、液体収容容器200が備える弁体302に形成された嵌合部602に嵌合する。そして、中空針701によって押圧される弁体302は、コイルばね601の付勢力に抗して装着方向とは反対方向に移動する。これにより、弁体302が封止部材300から離れ、第3の流路507c内では、液体が、中空針701の導入孔(不図示)から中空流路701a内に流入する。そして、液体は、中空流路701aを介して、接続ユニット700本体の内部に流れていくことが可能になる。つまり、中空針701を貫通孔301に挿入し、弁体302を移動させることで、液体収容容器200から記録装置100に液体を供給する流路を形成することができる。尚、図示した状態では、中空針701は、貫通孔301における内径が小さい方の孔部に密嵌した状態である。この様な構成によれば、液体収容容器200が記録装置100に装着された際、液体が中空針701と貫通孔301との隙間から漏れることを抑制しつつ、記録装置100へ液体を供給することができる。
【0033】
この後、図示した状態で、液体収容容器200内の液体が使い切られると、記録装置100に装着された液体収容容器200は取り外され、新品の液体収容容器200に交換される。つまり、一般的には、液体収容容器200が使い切られたタイミングで、液体収容容器200の着脱が行われる。
【0034】
図8(b)は、
図8(a)の状態から、液体収容容器200を記録装置100から取り外した状態を示す。
図8(b)の右下に示した矢印は、液体収容容器200を記録装置100から取り外す方向を示す。液体収容容器200が記録装置100から取り外される際、コイルばね601及び弁体302は、液体収容容器200の装着時とは、逆順に動作する。即ち、貫通孔301は、再度、弁体302によって塞がれた状態となる。
【0035】
しかし、貫通孔301が弁体302によって塞がれるとしても、相対的に中空針701が貫通孔301から引き抜かれる際に、第3の流路507c内に残留していた液体802が、中空針701と貫通孔301との隙間から漏れてしまう場合がある。また、中空針701が貫通孔301から引き抜かれた後に、中空流路701aに残留していた液体802が、中空針701の導入孔(不図示)から漏れて、貫通孔301の内周面に落下してしまう場合もある。更には、中空針701の表面に付着していた液体が、貫通孔301の内周面に落下してしまう場合もある。この様な場合には、漏れた液体802が、貫通孔301の内周面に残留してしまう。そして、貫通孔301の内周面に残留した液体802は、供給口203の開口から外部に流出してしまう。弁体302が貫通孔301を塞いでおり、液体802は、液体収容容器200内に戻ることができないためである。
【0036】
そこで、本実施例では、液体が供給口203から流出したとしても、供給口203の外周面に配された液体保持部材204が、毛管力によって液体を保持する。図示する様に、液体保持部材204は、供給口203の外周面において、供給口203の開口から装着方向とは反対方向に向かって延在している。本実施形態において、液体保持部材204における装着方向への長さと、装着方向に交差する方向への長さと、を比べると、装着方向への長さの方が、装着方向に交差する方向への長さよりも長い。具体的には、液体保持部材204における装着方向(Y方向)への長さと、装着方向に交差する重力方向(Z方向)と、を比べると、装着方向への長さの方が、重力方向への長さよりも長い。この構成によって、液体の移動可能領域を多く有する装着方向の奥側に対して液体が移動し、回収される。
【0037】
尚、液体保持部材204の装着方向の奥側に積極的に液体を移動させるためには、例えば液体保持部材204の構成を装着方向奥に向けて厚みを厚くした液体保持部材204を平坦な構造に加工する。これにより液体保持部材204が有する毛管力は、装着方向奥側(Y方向)へ向かう毛管力の方が装着方向と交差する方向(Z方向)に向かう毛管力よりも大きくなり、所望の液体の移動を可能にする。従って、供給口203から液体が流出したとしても、液体保持部材204の先端領域から奥側の領域に毛管力を用いて、装着方向とは反対方向の液体回収領域に液体を引き込んで保持することができる。
【0038】
また、本実施例では、カバー部205の先端は、液体保持部材204の先端よりも装着方向における先端側に延在(突出)している。本来的には、本実施例における液体保持部材204は、漏れた液体が液体保持部材204を通過するよりも先に、漏れた液体を全て吸収することができるように構成されている。しかし、何かしらの理由により、漏れた液体の吸収が間に合わない場合もある。この様な場合であっても、本実施例では、カバー部205の先端が、液体保持部材204の先端よりも装着方向における先端側に延在している。このため、漏れた液体をカバー部205の内周面を用いて、一旦、保持することが可能となる。そして、カバー部205の内周面に保持されている液体を液体保持部材204に吸収させることができる。従って、この様な構成によれば、液体保持部材204における液体の吸収が間に合わなかった場合であっても、カバー部205の先端が漏れた液体の受け口となり、少なくともカバー部205よりも外側に流れ出したり、飛散したりすることが抑制される。
【0039】
また、液体保持部材204に液体が保持されている状態で、ユーザが液体保持部材204に触れてしまうと、ユーザの手指に液体が付着してしまう虞がある。しかし、カバー部205の先端が延在(突出)した状態に構成され、液体保持部材204全体を覆っていることで、ユーザが、意図せずに、液体保持部材204に触れてしまう虞が低減される。さらには、使用後に取り外された液体収容容器20の先端部に指や服、あるいは机や壁等が触れるようなことがあってもこれらを汚してしまうことが抑制される。
【0040】
<比較例>
以下、本実施例における液体収容容器200の理解を容易にするために、液体保持部材204が配される効果について、仮想の構成を比較例として説明する。
【0041】
図9は、比較例における液体収容容器200が記録装置100から取り外された状態を示す模式的な拡大断面図である。
図9に示す様に、比較例における液体収容容器200の供給口203は、液体保持部材204及びカバー部205を備えていない。液体保持部材204が配されていない場合、液体収容容器200の着脱時に漏れた液体802は、供給口203から外部に向かって流出することとなる。
【0042】
他方、本実施形態の様に液体保持部材204が配されている場合、液体802が流出したとしても、液体保持部材204がこれを保持することができる。つまり、漏れた液体802が周囲を汚染することが抑制される。以上が、液体保持部材204が配される効果の説明である。
【0043】
<液体保持部材204>
ところで、上述した様に、一般的には、液体収容容器200が使い切られたタイミングで、液体収容容器200の交換が行われる。つまり、一般的な、液体収容容器200の着脱回数は、1回であると言える。しかし、ユーザが、何かしらの理由により、イレギュラーなタイミングで、液体収容容器200を複数回、着脱する場合もある。そこで、本実施例では、液体収容容器200が、イレギュラーなタイミングで、記録装置100に対して着脱される回数を、2回までと想定している。つまり、本実施例では、合計3回(一般的なタイミングで1回、イレギュラーなタイミングで2回)の着脱が行われることを想定している。これに伴い、本実施例における液体保持部材204は、液体が3回漏れた場合であっても、液体を十分に吸収することができるように構成されている。
【0044】
本実施例では、着脱が1回行われる際に、一滴の液体が漏れると想定している。そして、液体の一滴あたりにおける量は、略0.005mlであると想定している。そうすると、以下の式により、本実施例における漏液量を概算することができる。
【0045】
着脱1回あたりの漏液量(略0.005ml)×総合的な着脱回数(3回)=略0.015ml・・・(式1)
【0046】
ここで、全ての漏れた液体(つまり、略0.015mlの液体)を保持することができる、液体保持部材204の体積は、略24mm3である。繊維体である液体保持部材204の体積が略24mm3以上であれば、漏れた液体を十分に保持することができる。
【0047】
以下、液体保持部材204における配置の一例を説明する。供給口203の外径をΦ8.0mmとし、装着方向における長さを10.0mmとした場合、液体保持部材204の高さ(つまり、Z方向への長さ)は、1.0mm以上とし、装着方向(つまり、Y方向)への長さは、3.0mm以上とするとよい。この様な配置によれば、液体保持部材204の体積を略24mm3以上にすることができる。以上が、液体保持部材204における配置の説明である。
【0048】
<まとめ>
以上説明した様に、本実施例における液体保持部は、供給口の外周面という比較的狭い領域に供給口の一部として配される。このため、従来に比べると、液体保持部を小型化することができ、液体保持部を配するための領域を新たに用意する必要がない。従って、本実施例に係る技術によれば、液体収容容器を小型化及び低コスト化することができる。
【0049】
また、本実施例では、液体保持部の外周面にカバー部が配されている。そして、カバー部の先端は、液体保持部の先端よりも、装着方向における先端側に延在している。このため、液体保持部が、想定通りに液体を保持することができなかった場合であっても、一旦、カバー部の内周面に液体を保持した後に、再度、液体保持部に液体を吸収させることができる。従って、カバー部が配されることで、カバー部が配されていない場合に比べると、液体を吸収することができる可能性が向上する。
【0050】
よって、本実施例における液体収容容器によれば、液体収容容器を記録装置に対して着脱する際に漏れた液体を、省スペース、且つ、簡易な構成により、保持することができる。更に、液体保持部がカバー部に覆われていることで、カバー部が配されていない場合に比べると、液体収容容器を着脱する際における手指の汚れも抑制することができる。
【0051】
[実施例2]
図10は、本実施例における液体保持部を示す模式図である。
図10(a)は、本実施例における供給部202の模式的な正面図である。
図10(b)は、
図10(a)の模式的なXb-Xb線断面図である。
図10(a)に示す様に、本実施例では、少なくとも1つの溝1000が、液体保持部の重力方向側に形成されている。尚、本実施例では、溝1000は、液体保持部材204が配されていない領域であるともいえる。溝1000が形成されることで、液体保持部材204の側面も形成される。尚、
図10(b)では、供給口203の反重力方向側に、液体保持部材204の断面が見えている。他方、供給口203の重力方向側に、液体保持部材204の側面が見えている。
【0052】
本実施例では、液体保持部材204が環状に配される場合と比べると、液体保持部材204の側面が形成される分、液体と接触可能な面積を増やすことができる。つまり、液体は、液体保持部材204の正面から吸収されるだけでなく、溝1000に沿って引き込まれ、液体保持部材204の側面からも吸収される。よって、本実施例における液体保持部によれば、
図8で説明した構成に比べ、液体の吸収が容易となる。
【0053】
[実施例3]
図11は、本実施例における液体保持部を示す模式図である。
図11(a)は、本実施例における供給部202の模式的な正面図である。
図11(b)は、
図11(a)の模式的なXIb-XIb線断面図である。
図11(b)に示す様に、本実施例における液体保持部材204は、第1の領域1101と、第1の領域1101から装着方向における先端側に連続して配された第2の領域1102と、を含んでいる。第1の領域1101には第1の繊維体が配され、第2の領域1102には第2の繊維体が配されている。第1の繊維体は、第2の繊維体よりも密度が高い。このため、第1の繊維体が配された第1の領域1101の方が、第2の繊維体が配された第2の領域1102よりも、毛管力が大きくなる。
【0054】
本実施例では、第1の繊維体の繊度を2.5dtex以下、第2の繊維体の繊度を5.0dtex以上、としてもよい。他の例として、第1の繊維体の捲縮数を略16個/25mm、第2の繊維体の捲縮数を略15個/25mm、としてもよい。他の例として、第1の繊維体の捲縮率を略12%、第2の繊維体の捲縮率を略13%、としてもよい。
【0055】
これにより、液体を吸収した後、装着方向における基端側にて液体を保持しやすくなる。つまり、保持している液体が、装着方向における先端側に流出していくことを抑制することができる。よって、本実施例における液体保持部によれば、
図8で説明した構成に比べ、液体の保持性を向上させることができる。このように毛管力の異なる2つの繊維体を用いることで、第1の実施形態で説明したように1つの繊維体からなる液体保持部材204の毛管力を調整する場合に比べ、容易に所望の毛管力を具備する液体保持部材204を構成できる。
【0056】
[実施例4]
図12は、本実施例における液体保持部を示す模式図である。
図12(a)は、本実施例における供給部202の模式的な正面図である。
図12(b)は、
図12(a)の模式的なXIIb-XIIb線断面図である。
図12(b)に示す様に、本実施例では、第2の繊維体が配された第2の領域1102が、液体保持部の重力方向側に位置している。
他方、第2の繊維体よりも密度が高い第1の繊維体が配された第1の領域1101が、第2の領域1102から反重力方向側に向かって、第2の領域1102から連続して形成されている。つまり、第1の繊維体は、第2の繊維体よりも装着時の姿勢において反重力方向側に配されている。従って、本実施例における液体保持部では、反重力方向側の毛管力が、重力方向側の毛管力よりも、大きくなる。
【0057】
この様な構成によれば、第2の領域1102に保持されている液体は、毛管力により、第2の領域1102から第1の領域1101に移動していく。これにより、重力方向側に配されている第2の領域1102は、液体を保持できる状態を維持しやすくなる。よって、本実施例おける液体保持部によれば、
図8で説明した構成に比べ、液体の保持性を向上させることができる。
【0058】
[その他の実施形態]
上述した実施例は、任意の実施例を組み合わせて実施することができる。
【0059】
実施例1では、液体保持部材204は、装着方向におけるカバー部205の基端部から供給口203の先端部まで延在していた。液体保持部材204の他の例として、手指の汚れ及び不測の液体漏洩が問題とならない限りにおいて、液体保持部材204を供給口203の先端部よりも装着方向における先端側に延在させてもよい。具体的には、液体保持部材204は、装着方向におけるカバー部205の先端部まで延在していてもよい。この様な構成によれば、実施例1と比べると、液体保持部材204の体積が増え、液体を保持することができる量を増やすことができる。
【0060】
実施例1では、液体保持部材204は、供給口203の外周面に沿って環状に形成されていたが、漏れた液体を十分に保持することができる体積を有しているのであれば、重力方向側のみに形成されてもよい。
【0061】
実施例2では、溝1000の底面は、装着方向に延在していたが、装着時の姿勢において、装着方向における先端側から基端側に向かって下がっていく様に、溝1000の底面を傾斜させてもよい。この様な構成によれば、装着方向における先端から基端に向かう、液体の流れを強めることができる。これにより、溝1000の装着方向における基端側に液体が溜まりやすくなり、液体を保持しやすくなる。また、溝1000の底面が傾斜している分、実施例1と比べると、液体保持部材204における側面の表面積も増える。従って、全体として、液体保持部材204の表面積を増やすことができるため、液体の吸収が容易となる。
【0062】
実施例2では、溝1000の数は1つであったが、溝1000は、複数形成されてもよい。本来的には、液体収容容器200を着脱する際に漏れた液体は、重力方向に垂れて落ちていく。しかし、何かしらの理由により、液体が重力方向に垂れずに吹出してしまう場合もある。そこで、溝1000を複数形成することで、想定していない方向に液体が吹出した場合であっても液体を保持することができるようになる。また、溝1000の数が1つである場合、液体収容容器200の製造過程では、溝1000の開口が反重力方向を向くように、厳密な位置合わせが必要となる場合がある。これに対し、溝1000の数が複数である場合、溝部全体として、溝部の開口が、おおよそ反重力方向側を向くように、位置を合わせればよい。つまり、溝1000の数が複数である場合、実施例2と比べると、液体収容容器200の製造が容易となる場合がある。従って、液体収容容器200における製造の容易性を考慮すると、溝1000を、複数形成することが好ましい。
【0063】
本開示は、以下の構成を含む。
【0064】
[構成1]
記録装置に対して装着することができる液体収容容器であって、
液体を収容する収容部と、
前記収容部に収容された液体を前記記録装置に供給する供給口と、
前記液体収容容器を前記記録装置に対して着脱する際に漏れた液体を、毛管力を用いて保持することができる液体保持部と、を備え、
前記液体保持部は、前記供給口の外周面に沿って、前記液体収容容器を前記記録装置に対して装着する装着方向に延在している、
ことを特徴とする液体収容容器。
【0065】
[構成2]
前記液体保持部が有する毛管力は、前記装着方向へ向かう毛管力の方が前記装着方向と交差する方向に向かう毛管力よりも大きい、
構成1に記載の液体収容容器。
【0066】
[構成3]
前記液体保持部が有する毛管力は、前記記録装置に対して装着する姿勢において、重力方向又は反重力方向へ向かう毛管力よりも前記装着方向とは反対方向に向かう毛管力の方が大きい、
構成2に記載の液体収容容器。
【0067】
[構成4]
前記液体保持部は、繊維体を含む、
構成1乃至3の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0068】
[構成5]
前記液体保持部は、前記供給口の外周面に沿って環状に配される、
構成1乃至4の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0069】
[構成6]
前記液体保持部が保持することができる液体の量は、略0.015ml以上である、
構成1乃至5の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0070】
[構成7]
前記液体保持部の体積は、略24mm3以上である、
構成1乃至6の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0071】
[構成8]
前記液体保持部の外周は、カバー部により覆われている、
構成1乃至7の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0072】
[構成9]
前記カバー部の先端部は、前記液体保持部の先端部よりも、前記装着方向の先端側に位置する、
構成8に記載の液体収容容器。
【0073】
[構成10]
前記液体保持部は、前記装着方向に延在する1つ以上の溝を備える、
構成1乃至9の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0074】
[構成11]
装着時の姿勢において、前記溝の底面は、
前記装着方向の先端側から基端側に向かって下がる様に傾斜している、
構成10に記載の液体収容容器。
【0075】
[構成12]
前記液体保持部は、
第1の繊維体が配された第1の領域と、
前記第1の繊維体とは密度が異なる、第2の繊維体が配された第2の領域と、を含む、
構成1乃至11の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0076】
[構成13]
前記第1の繊維体は、
前記第2の繊維体より密度が高く、
前記第2の繊維体よりも前記装着方向における基端側に配される、
構成12に記載の液体収容容器。
【0077】
[構成14]
前記第1の繊維体は、
前記第2の繊維体より密度が高く、
前記第2の繊維体よりも装着時の姿勢において反重力方向側に配される、
構成12又は13に記載の液体収容容器。
【0078】
[構成15]
前記第1の繊維体の繊度は、2.5dtex以下であり、
前記第2の繊維体の繊度は、5.0dtex以上である、
構成12乃至14の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0079】
[構成16]
前記第1の繊維体の捲縮数は、略16個/25mmであり、
前記第2の繊維体の捲縮数は、略15個/25mmである、
構成12乃至15の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0080】
[構成17]
前記第1の繊維体の捲縮率は、略12%であり、
前記第2の繊維体の捲縮率は、略13%である、
構成12乃至16の何れか1項に記載の液体収容容器。
【0081】
[構成18]
構成1に記載の液体収容容器から液体を供給される液体供給ユニットと、
構成1に記載の液体収容容器が備える前記供給口と接続可能な接続部と、
前記接続部を介して前記液体収容容器から供給された液体を用いて記録を行う記録部と、を備える、
ことを特徴とする記録装置。
【0082】
本開示は、例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本開示は、開示された例示的な実施形態に限定されない。以下の請求項の範囲は、全てのそのような変更、及び、同等の構造、及び、機能を包含するように、最も広い解釈が与えられるべきである。
【符号の説明】
【0083】
200…液体収容容器
201…収容部
203…供給口
204…液体保持部材
300…封止部材
301…貫通孔
302…弁体
504…仕切り部材
507c…第3の流路
601…コイルばね
602…嵌合部