(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181080
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20231214BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045000
(22)【出願日】2023-03-22
(62)【分割の表示】P 2022093990の分割
【原出願日】2022-06-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年5月31日に、井本悠樹、片田亜莉紗、上田芳治、鈴木聡一郎、垰田昌宏、佐藤美華、及び青野紳三郎が、ネスレ日本株式会社に対する営業活動において、青野紳三郎が発明したプログラム、情報処理装置、及び方法について公開した。令和4年6月2日に、井本悠樹、大沼広明、廣瀬大樹、及び垰田昌宏が、ユニ・チャーム株式会社に対する営業活動において、青野紳三郎が発明したプログラム、情報処理装置、及び方法について公開した。令和4年6月6日に、井本悠樹、片田亜莉紗、及び上田芳治が、シック・ジャパン株式会社に対する営業活動において、青野紳三郎が発明したプログラム、情報処理装置、及び方法について公開した。令和4年6月8日に、井本悠樹、及び大沼広明が、UCC上島珈琲株式会社に対する営業活動において、青野紳三郎が発明したプログラム、情報処理装置、及び方法について公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】517442661
【氏名又は名称】株式会社フェズ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】青野 紳三郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】広告が有効であるセグメントを正確に特定する。
【解決手段】広告評価システムにおいて、広告評価装置は、複数のユーザが購入した商品の商品情報と、夫々の購入者端末を識別する識別情報とが対応付けられた購入情報を広告情報管理システムから取得する参照情報取得部と、ユーザ夫々の属性に応じて複数のユーザが分類されて識別情報に関連付けられる複数のセグメントのうち、第1広告を表示した購入者端末のユーザが属する複数のセグメントを示すセグメント情報を広告情報管理システムから取得するセグメント情報取得部と、識別情報に基づいて、購入情報とセグメント情報とを対応づけ、複数のセグメントにおける第1広告の効果を示す効果情報を生成する効果情報生成部と、効果情報と効果に対する所定の条件とに基づいて、複数のセグメントのうち、商品に関連する第2広告が有効である有効セグメントを特定するセグメント特定部と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
複数のユーザが購入した商品の商品情報と、前記複数のユーザのそれぞれのユーザ端末
を識別する識別情報とが対応付けられた購入情報を取得する購入情報取得処理と、
前記複数のユーザそれぞれの属性に応じて前記複数のユーザが分類されて前記識別情報
に関連付けられる複数のセグメントのうち、前記商品に関連する第1広告を表示したユー
ザ端末のユーザが属する前記複数のセグメントを示すセグメント情報を取得するセグメン
ト情報取得処理と、
前記識別情報に基づいて、前記購入情報と前記セグメント情報とを対応づけ、前記複数
のセグメントにおける前記第1広告の効果を示す効果情報を生成する効果情報生成処理と
、
前記効果情報と前記効果に対する所定の条件とに基づいて、前記複数のセグメントのう
ち、前記商品に関連する第2広告が有効である有効セグメントを特定するセグメント特定
処理と、
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記効果情報は第1効果情報であり、
前記コンピュータに、
前記効果情報及び前記有効セグメントに基づいて、前記有効セグメントに分類される前
記複数のユーザのそれぞれの前記ユーザ端末に対して前記第2広告を表示させる場合の、
前記第2広告の効果を示す第2効果情報を推定する、効果情報推定処理、
をさらに実行させる、プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記セグメント特定処理は、前記第1効果情報及び前記所定の条件に基づいて、前記複
数のセグメントのうち、前記有効セグメントより前記効果が小さい非有効セグメントをさ
らに特定し、
前記効果情報推定処理は、前記第1効果情報、前記有効セグメント、及び前記非有効セ
グメントに基づいて、前記第2効果情報を生成する、プログラム。
【請求項4】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記効果は第1効果であり、
前記第2効果情報には、
前記有効セグメントに分類される前記複数のユーザのそれぞれの前記ユーザ端末に対し
て前記第2広告を表示させる場合の前記第2広告の第2効果が推定された第1推定効果と
、
前記有効セグメントに分類されない前記複数のセグメントを含む比較セグメントに分類
される前記複数のユーザのそれぞれの前記ユーザ端末に対して前記第2広告が表示された
場合の前記第2効果が推定された第2推定効果との比較を示す比較情報が含まれる、プロ
グラム。
【請求項5】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記第2効果情報には、前記複数のセグメントの少なくとも1つに属するユーザの数に
対する前記有効セグメントに属するユーザの数の割合を示す割合情報が含まれ、
前記効果情報推定処理は、前記複数のユーザのうち第1ユーザが複数の前記有効セグメ
ントに分類される場合に、前記有効セグメントに属するユーザの数を、前記第1ユーザを
重複して数えずに算出して前記第2効果情報を推定する、プログラム。
【請求項6】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記効果情報は、前記第1広告を表示した前記ユーザ端末のユーザ数に対する前記商品
を購入したユーザ数の割合である第1購買率を含む、プログラム。
【請求項7】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記購入情報は、前記商品の購入個数を含み、
前記効果情報は、前記第1広告を表示したユーザ端末のユーザが購入した前記商品の総
数に対する前記購入個数の割合である第2購買率を含む、プログラム。
【請求項8】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記購入情報は、前記商品の購入金額を含み、
前記効果情報は、前記複数のセグメントのそれぞれに分類されるユーザの一人当たりの
購入金額を含む、プログラム。
【請求項9】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記効果情報は、前記複数のセグメントのそれぞれのセグメントに分類されるユーザの
数が、前記複数のセグメントに分類されるユーザの総数に対して占める割合を含む、プロ
グラム。
【請求項10】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記商品情報は第1商品情報であり、前記セグメント情報は第1セグメント情報であり
、
前記コンピュータに、
前記複数のユーザが購入した、前記第1広告に関連付けられない第2商品の第2商品情
報と、前記第2商品を購入したユーザが属する前記複数のセグメントを示す第2セグメン
ト情報とを参照情報として取得する参照情報取得処理、をさらに実行させ、
前記効果情報生成処理は、前記購入情報と前記参照情報とに基づいて生成される、前記
第1広告の前記商品の売り上げへの寄与度を示す情報を含む前記効果情報を生成する、プ
ログラム。
【請求項11】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記購入情報に基づいて、前記複数のユーザそれぞれの分類を示すラベル情報を生成す
る分類処理と、
前記セグメント情報及び前記ラベル情報に基づいて、前記セグメント情報と前記ラベル
情報との対応を示す対応情報を生成する、対応情報生成処理と、をさらに実行させる、プ
ログラム。
【請求項12】
複数のユーザが購入した商品の商品情報と、前記複数のユーザのそれぞれのユーザ端末
を識別する識別情報とが対応付けられた購入情報を取得する購入情報取得部と、
前記複数のユーザそれぞれの属性に応じて前記複数のユーザが分類されて前記識別情報
に関連付けられる複数のセグメントのうち、前記商品に関連する第1広告を表示したユー
ザ端末のユーザが属する前記複数のセグメントを示すセグメント情報を取得するセグメン
ト情報取得部と、
前記識別情報に基づいて、前記購入情報と前記セグメント情報とを対応づけ、前記複数
のセグメントにおける前記第1広告の効果を示す効果情報を生成する効果情報生成部と、
前記効果情報と前記効果に対する所定の条件とに基づいて、前記複数のセグメントのう
ち、前記商品に関連する第2広告が有効である有効セグメントを特定するセグメント特定
部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが、
複数のユーザが購入した商品の商品情報と、前記複数のユーザのそれぞれのユーザ端末
を識別する識別情報とが対応付けられた購入情報を取得することと、
前記複数のユーザそれぞれの属性に応じて前記複数のユーザが分類されて前記識別情報
に関連付けられる複数のセグメントのうち、前記商品に関連する第1広告を表示したユー
ザ端末のユーザが属する前記複数のセグメントを示すセグメント情報を取得することと、
前記識別情報に基づいて、前記購入情報と前記セグメント情報とを対応づけ、前記複数
のセグメントにおける前記第1広告の効果を示す効果情報を生成することと、
前記効果情報と前記効果に対する所定の条件とに基づいて、前記複数のセグメントのう
ち、前記商品に関連する第2広告が有効である有効セグメントを特定することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどのネットワークを通して消費者に配信される広告が、消費者の購買
行動にどの程度影響を与えるのかを評価することは、広告主の広告活動のために重要であ
る。
【0003】
特許文献1には、広告と購買行動の対応をより正確に把握するための広告分析装置が示
される。特許文献1に記載の広告分析装置では、ネットワーク上で広告を閲覧するユーザ
を特定する閲覧用IDと、店舗で商品を購入する際にユーザを特定する購入用IDとの対
応に基づいて、ネットワークでのユーザの広告閲覧履歴と、店舗での商品購買履歴との対
応を把握する。特許文献1に記載の装置によると、広告を出した後に、広告と購買行動と
の対応付けを行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
広告方法の一つに、ある消費者のグループ(セグメント)を対象に広告を提供するター
ゲティング広告という方法がある。ターゲティングを適切に行うことで、より消費者によ
る購買へと繋がるように広告を提供することができる。特許文献1に記載の装置では、広
告を出した後の広告と購買行動の対応付けを行うことは可能であるものの、広告の提供前
において、どのセグメントへの広告が購買行動を促進し得る有効なセグメントであるのか
を判断することは難しい。広告を出す対象となるセグメントが十分に絞り込まれない場合
、広告主の広告費用は増加する。また、広告主をサポートする広告プランナーにとっても
、広告主へのよりよい提案を行うことが難しくなる。
【0006】
そこで、本発明は、広告が有効であるセグメントを正確に特定することができるプログ
ラム、情報処理装置、及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、複数のユーザが購入した商品の
商品情報と、複数のユーザのそれぞれのユーザ端末を識別する識別情報とが対応付けられ
た購入情報を取得する購入情報取得処理と、複数のユーザそれぞれの属性に応じて複数の
ユーザが分類されて識別情報に関連付けられる複数のセグメントのうち、商品に関連する
第1広告を表示したユーザ端末のユーザが属する複数のセグメントを示すセグメント情報
を取得するセグメント情報取得処理と、識別情報に基づいて、購入情報とセグメント情報
とを対応づけ、複数のセグメントにおける第1広告の効果を示す効果情報を生成する効果
情報生成処理と、効果情報と効果に対する所定の条件とに基づいて、複数のセグメントの
うち、商品に関連する第2広告が有効である有効セグメントを特定するセグメント特定処
理と、を実行させる。
【0008】
この態様によれば、商品情報と、商品を購入したユーザと、第1広告を表示したユーザ
のセグメントとの対応付けが可能となる。効果情報生成処理によって、購入情報が考慮さ
れて第1広告の効果を示す効果情報が生成される。効果情報と所定の条件に基づいて、複
数のセグメントの中から同じ商品に関連する第2広告が有効なセグメントが特定される。
有効セグメントは、実際の購買活動を示す購入情報に基づく第1広告の効果に基づいて特
定されるので、同じ商品に関連する第2広告が有効であるセグメントを正確に特定するこ
とができる。
【0009】
上記態様において、プログラムは、コンピュータに、効果情報及び有効セグメントに基
づいて、有効セグメントに分類される複数のユーザのそれぞれのユーザ端末に対して第2
広告を表示させる場合の、第2広告の効果を示す第2効果情報を推定する、効果情報推定
処理、をさらに実行させてもよい。
【0010】
正確に特定された第2広告が有効であるセグメントに対して、第2広告を表示させた場
合の効果を示す第2効果情報を推定することで、コンピュータのユーザ(広告主や広告プ
ランナー等)が、第2効果情報を参照しつつ、どのセグメントへ広告を出すかを判断でき
るようになる。これにより、コンピュータのユーザの広告に関する判断が行われやすくな
る。
【0011】
上記態様において、セグメント特定処理は、第1効果情報及び所定の条件に基づいて、
複数のセグメントのうち、有効セグメントより効果が小さい非有効セグメントをさらに特
定し、効果情報推定処理は、第1効果情報、有効セグメント、及び非有効セグメントに基
づいて、第2効果情報を生成する、プログラム。
【0012】
有効なセグメントを特定するのみならず、効果が小さい非有効セグメントを特定するこ
とで、例えば、コンピュータのユーザが、効果が有効と非有効の中間にあるセグメントを
含めて、第2広告を出すか否かを判断するようにできるので、ユーザの広告に関する判断
が行われやすくなる。
【0013】
上記態様において、第2効果情報には、有効セグメントに分類される複数のユーザのそ
れぞれのユーザ端末に対して第2広告を表示させる場合の第2広告の効果が推定された第
1推定効果と、有効セグメントに分類されない複数のセグメントを含む比較セグメントに
分類される複数のユーザのそれぞれのユーザ端末に対して第2広告が表示された場合の第
2広告の効果が推定された第2推定効果との比較を示す比較情報が含まれてもよい。
【0014】
比較情報をコンピュータのユーザに示すことによって、ユーザは有効セグメントの評価
をより行いやすくなる。よって、ユーザの広告に関する判断が行われやすくなる。
【0015】
上記態様において、第2効果情報には、複数のセグメントの少なくとも1つに属するユ
ーザの数に対する有効セグメントに属するユーザの数の割合を示す割合情報が含まれ、効
果情報推定処理は、複数のユーザのうち第1ユーザが複数の有効セグメントに分類される
場合に、有効セグメントに属するユーザの数を、第1ユーザを重複して数えずに算出して
第2効果情報を推定してもよい。
【0016】
これにより、第2効果情報の推定において、第1ユーザの購買行動が重複して考慮され
ないようにできる。よって、第1ユーザの影響が第2効果情報に大きい影響を与えること
を避けつつ、有効セグメントを特定できる。したがって、第2広告が有効であるセグメン
トをより正確に特定することができる。
【0017】
上記態様において、効果情報は、第1広告を表示したユーザ端末のユーザ数に対する商
品を購入したユーザ数の割合である第1購買率を含んでもよい。
【0018】
上記態様において、購入情報は、商品の購入個数を含み、効果情報は、第1広告を表示
したユーザ端末のユーザが購入した商品の総数に対する購入個数の割合である第2購買率
を含んでもよい。
【0019】
第1購買率又は第2購買率をコンピュータのユーザに示すことによって、ユーザは有効
セグメントの評価をより行いやすくなる。よって、ユーザの広告に関する判断が行われや
すくなる。
【0020】
上記態様において、購入情報は、商品の購入金額を含み、効果情報は、複数のセグメン
トのそれぞれに分類されるユーザの一人当たりの購入金額を含んでもよい。
【0021】
一人当たりの購入金額をコンピュータのユーザに示すことによって、ユーザは有効セグ
メントの評価をより行いやすくなる。よって、ユーザの広告に関する判断が行われやすく
なる。
【0022】
上記態様において、効果情報は、複数のセグメントのそれぞれのセグメントに分類され
るユーザの数が、複数のセグメントに分類されるユーザの総数に対して占める割合を含ん
でもよい。
【0023】
セグメントの割合をコンピュータのユーザに示すことによって、ユーザは有効セグメン
トの評価をより行いやすくなる。よって、ユーザの広告に関する判断が行われやすくなる
。
【0024】
上記態様において、商品情報は第1商品情報であり、セグメント情報は第1セグメント
情報であり、コンピュータに、複数のユーザが購入した、第1広告に関連付けられない第
2商品の第2商品情報と、第2商品を購入したユーザが属する複数のセグメントを示す第
2セグメント情報とを参照情報として取得する参照情報取得処理、をさらに実行させ、効
果情報生成処理は、購入情報と参照情報とに基づいて生成される、第1広告の商品の売り
上げへの寄与度を示す情報を含む効果情報を生成してもよい。
【0025】
第2商品の購入情報を含めて効果情報を生成することで、コンピュータのユーザが第1
広告の効果をより正確に把握することが可能となる。よって、ユーザの広告に関する判断
が行われやすくなる。
【0026】
上記態様において、コンピュータに、購入情報に基づいて、複数のユーザそれぞれの分
類を示すラベル情報を生成する分類処理と、セグメント情報及びラベル情報に基づいて、
セグメント情報とラベル情報との対応を示す対応情報を生成する、対応情報生成処理と、
をさらに実行させてもよい。
【0027】
購入情報に基づいて生成されるラベル情報にセグメント情報を対応付けるようにするこ
とで、セグメント情報のみでは十分な分類がされない、複数のユーザそれぞれの分類をセ
グメント情報に関連付けることができる。これにより、例えば、ラベル情報に基づいて、
セグメント情報を選択することが可能となり、第2広告が有効であるセグメントをより正
確に特定するようにできる。
【0028】
本発明の他の態様に係る情報処理装置は、複数のユーザが購入した商品の商品情報と、
複数のユーザのそれぞれのユーザ端末を識別する識別情報とが対応付けられた購入情報を
取得する購入情報取得部と、複数のユーザそれぞれの属性に応じて複数のユーザが分類さ
れて識別情報に関連付けられる複数のセグメントのうち、商品に関連する第1広告を表示
したユーザ端末のユーザが属する複数のセグメントを示すセグメント情報を取得するセグ
メント情報取得部と、識別情報に基づいて、購入情報とセグメント情報とを対応づけ、複
数のセグメントにおける第1広告の効果を示す効果情報を生成する効果情報生成部と、効
果情報と効果に対する所定の条件とに基づいて、複数のセグメントのうち、商品に関連す
る第2広告が有効である有効セグメントを特定するセグメント特定部と、を備える。
【0029】
本発明の他の態様に係る方法は、コンピュータが、複数のユーザが購入した商品の商品
情報と、複数のユーザのそれぞれのユーザ端末を識別する識別情報とが対応付けられた購
入情報を取得することと、複数のユーザそれぞれの属性に応じて複数のユーザが分類され
て識別情報に関連付けられる複数のセグメントのうち、商品に関連する第1広告を表示し
たユーザ端末のユーザが属する複数のセグメントを示すセグメント情報を取得することと
、識別情報に基づいて、購入情報とセグメント情報とを対応づけ、複数のセグメントにお
ける第1広告の効果を示す効果情報を生成することと、効果情報と効果に対する所定の条
件とに基づいて、複数のセグメントのうち、商品に関連する第2広告が有効である有効セ
グメントを特定することと、を含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、広告が有効であるセグメントを正確に特定することができるプログラ
ム、情報処理装置、及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本実施形態に係る広告評価システムの概略図である。
【
図2】本実施形態に係る広告評価システムの処理の概略を説明する図である。
【
図3】本実施形態に係る広告評価システムの各装置のブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る購入情報管理システムに記憶される情報の一例である。
【
図5】本実施形態に係る広告情報管理システムに記憶される情報の一例である。
【
図6】本実施形態に係る購入情報の更新処理を説明する図である。
【
図7】本実施形態に係る広告の評価及び効果の推定の処理を説明する図である。
【
図15】本実施形態に係る推定効果画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において
、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0033】
図1は、本実施形態に係る広告評価システム10の概略を示すブロック図である。広告
評価システム10は、広告評価装置101、購入者端末201、購入情報管理システム3
01、広告情報管理システム401、及び評価者端末501を備える。なお、
図1では、
簡略化のために、購入者端末201が1つしか示されていないが、実際には、複数の購入
者端末が存在する。
【0034】
広告評価システム10は、広告評価装置101が、広告評価装置101とネットワーク
Nを通じて通信可能に接続される購入情報管理システム301、広告情報管理システム4
01、評価者端末501との間で情報処理を行い、購入者端末201に表示される広告の
効果を評価する情報処理システムである。
【0035】
ネットワークNは、例えば、インターネット、携帯電話網といったネットワーク、LA
N(Local Area Network)、あるいはこれらを組み合わせたネットワ
ークにより実現される。
【0036】
広告評価装置101は、所定のプログラムを実行することによって所定の処理を行うコ
ンピュータを有するサーバ装置である。
【0037】
購入者端末201は、例えば、広告の閲覧や商品の購入を行う者(ユーザ)が使用する
情報処理装置であり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等であ
る。
【0038】
購入情報管理システム301は、例えば、商品を販売する小売店等によって管理される
、売上管理システムである。購入情報管理システム301は、例えば、店頭で代金精算を
行う機能を有する端末(ポイントオブセールス端末,精算アプリケーションがインストー
ルされたスマートフォン,タブレット端末等)と当該端末に接続されるサーバによって構
成される情報処理システムである。あるいは、購入情報管理システム301は、インター
ネット上の電子商取引サイト(ECサイト)を管理するサーバ等を含む情報処理システム
であってもよい。
【0039】
広告情報管理システム401は、例えば、ネットワークNを通じた広告の提供を管理す
る。広告情報管理システム401は、例えば、アドネットワークを管理して、ネットワー
クNを通じて配信される画面内の広告枠に対して広告を表示させるサーバ等の情報処理シ
ステムである。あるいは、広告情報管理システム401は、例えば、DSP(Deman
d Side Platform)及びSSP(Supply Side Platfo
rm)を通じて、ネットワークNを通じて購入者端末201の画面(例えばウェブページ
やアプリ)内の広告枠に広告を表示させるサーバ等の情報処理システムである。
【0040】
また、広告情報管理システム401は、広告を表示した購入者端末201のそれぞれを
識別する識別情報を管理する。識別情報は、例えば、広告識別子(広告ID)である。広
告識別子とは、広告用に端末を一意に識別するための情報である。
【0041】
広告情報管理システム401は、広告識別子をある1人のユーザとみなして、当該ユー
ザを年齢等の属性や趣味などに応じたグループに分類する。例えば、広告情報管理システ
ム401は、ユーザの性別、年齢、収入等のデモグラフィックデータや、ユーザの趣味・
嗜好等の心理的側面に関するサイコグラフィックデータ等に基づいて、広告識別子を、デ
モグラフィックデータやサイコグラフィックデータ等に応じて区分されるグループに関連
付ける。デモグラフィックデータやサイコグラフィックデータ等に応じたグループをセグ
メントという。広告情報管理システム401は、選択されたセグメントに対して、所定の
広告を提供するようなターゲット広告を提供することができる。
【0042】
評価者端末501は、例えば、広告主又は広告主の広告提供をサポートする広告プラン
ナーが使用する情報処理装置であり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコン
ピュータ等である。
【0043】
図2を参照して、広告評価システム10による情報処理の概要について説明する。
【0044】
ステップ(A)において、ある商品Pに対するプロモーションのための施策Cが決定さ
れる。施策Cには、例えば商品Pの広告ADを含む少なくとも1つの広告が関連付けられ
る。施策Cに関する情報は、例えば、購入情報管理システム301の施策情報DBに記憶
される。
【0045】
ステップ(B)において、施策Cと広告ADの情報とが広告情報管理システム401に
記憶される。施策Cと広告ADの情報は、広告情報管理システム401の広告表示情報D
Bに記憶される。なお、施策Cと広告ADの情報は、購入情報管理システム301に記憶
されたこれらの情報が広告情報管理システム401にアップロードされてもよく、広告情
報管理システム401に記憶されたこれらの情報が購入情報管理システム301にダウン
ロードされてもよい。
【0046】
ステップ(C)において、広告情報管理システム401を通じて、購入者端末201に
対して広告ADが配信される。広告ADは、例えば、購入者端末201に相当する端末D
1がウェブブラウザを起動している際に、ウェブブラウザに表示されるウェブページに設
けられる広告枠ADSに表示される。なお、広告枠ADSは、ウェブページ内に限らず、
購入者端末201で実行される様々なアプリケーションの表示領域内に設けられる。広告
ADを表示した端末の広告識別子は、広告情報管理システム401に記憶される。例えば
、
図2では、広告表示情報DBにおいて、施策Cにおける広告ADを表示した端末の広告
識別子として、端末D1の広告識別子及び端末D2の広告識別子(図中では「端末D1」
、「端末D2」と記載されている。)が施策C及び広告ADに対応付けられて記憶される
。
【0047】
ステップ(D)において、端末D1のユーザUが、端末D1に表示された広告ADを閲
覧する。
【0048】
広告ADがユーザの購買行動に寄与した場合、ステップ(E)においてユーザが商品P
を購入する。商品Pが購入される場合、広告主(販売者)は、例えば、端末D1に記憶さ
れる専用アプリケーションを通じて、端末D1の広告識別子を取得する。例えば、購入金
額や回数等に応じたポイント付与を管理するアプリケーションを通じて、端末D1に2次
元バーコード等が表示される店舗端末MDによって当該2次元バーコードが読み取られる
ことにより、端末D1の広告識別子が取得される。なお、店舗端末MDとは、店頭で代金
精算を行う機能を有する端末である。
【0049】
ステップ(F)において、商品Pを示す情報と、購入したユーザの端末の広告識別子と
、商品Pの売上を示す情報とを含む購入情報が、ネットワークを通じて、店舗端末MDか
ら購入情報管理システム301に送信される。送信された情報は、購入情報管理システム
301の購入情報DBに記憶される。なお、例えば、ユーザUが端末D1を操作し、専用
アプリケーション若しくはウェブブラウザを用いて、ECサイトを通じて商品Pを購入す
る場合は、購入情報管理システム301が直接的に端末D1から広告識別子を取得しても
よい。また、商品Pの情報及び売り上げの情報も店舗端末MDを介さずに取得されてもよ
い。
【0050】
例えば、
図2では、購入情報DBには、商品Pが、広告識別子「端末D1」及び「端末
D2」で識別される端末によって購入され、それぞれの売り上げは「売上X」、「売上Y
」である場合の例が示される。
【0051】
ステップ(A)から(F)までの処理によって、広告ADを閲覧したユーザが実際に商
品Pを購入したことが記憶される。
【0052】
次に、評価者端末501は、広告評価装置101及び購入情報管理システム301と通
信を行い、広告ADの評価を行う。ステップ(G)において、評価者端末501は、購入
情報管理システム301から、購入情報DBに記憶される購入情報と施策情報DBに記憶
される施策情報を取得する。
【0053】
ステップ(H)において、評価者端末501は、広告評価装置101に対して、施策情
報をアップロードする。
【0054】
ステップ(I)において、広告評価装置101は、広告情報管理システム401にアク
セスし、施策情報及び購入情報DBに記憶される広告識別子に基づいて特定される、購入
情報DBに記憶される広告識別子のうち、広告ADを表示した端末の広告識別子に関連付
けられるセグメント情報のリクエストを送信する。このとき、セグメント情報に加えて、
広告ADを表示した端末の広告識別子を合わせて取得してもよい。
【0055】
ステップ(J)において、広告情報管理システム401から広告評価装置101に、広
告ADを表示した端末の広告識別子に関連付けられるセグメント(セグメント情報)が送
信される。広告評価装置101によって取得されるセグメント情報は、広告ADを表示の
上、商品Pの購入に用いられた端末の広告識別子に関連付けられるセグメントを含む。こ
のセグメントは、広告情報管理システム401において、購入情報DBに記憶される広告
識別子と、広告ADを表示した端末の広告識別子とが突合されることで特定される。
【0056】
広告評価装置101は、購入情報及びセグメント情報に基づいて、セグメント別の売上
を集計することができる。これにより、各セグメントに対する広告の効果が算出される。
例えば、セグメントS1に対する広告の効果を測定するために、セグメント情報において
セグメントS1に関連付けられる端末の広告識別子が抽出される。次に、抽出された広告
識別子に基づいて、購入情報における商品Pの売り上げが特定され、効果が算出される。
図2の例では、セグメントS1には、セグメント情報においてセグメントS1に関連付け
られている端末D1の売上Xが関連付けられる。セグメントS1の売上Xに基づいて、セ
グメントS1に対する広告ADの効果Pが算出される。同様に、セグメントS2,S3に
対しても効果Q,Rがそれぞれ算出される。
【0057】
ステップ(K)において、広告評価装置101は、広告ADの効果に基づいて、各セグ
メントの評価を示す評価情報を評価者端末501に送信する。評価情報には、例えば、効
果が所定の条件を満たすセグメントが有効セグメントであるとする情報が含まれる。
図2
では、セグメントS1が有効セグメントとされる一例が示される。
【0058】
広告評価システム10では、商品Pの購入情報に広告識別子を含めることで、実際に商
品Pを購入した端末の広告識別子でありかつ広告ADを表示した端末の広告識別子を特定
することができる。この特定された広告識別子に関連付けられるセグメントに対して、広
告ADの効果を測定することで、広告ADが有効なセグメントが特定される。
【0059】
広告評価システム10は、例えば、以下のように活用される。ここでは、広告ADを用
いたプロモーションが2回行われるとする。1回目のプロモーションでは、セグメントの
選択が行われず、任意のセグメントに対して広告ADが提供される。この時、広告ADの
提供のための予算は少額とし、広告活動は小規模に行われる。その後、広告主や広告プラ
ンナー等は、広告評価システム10を用いて、広告ADが有効であるセグメントを特定す
る。2回目のプロモーションでは、有効であるセグメントにターゲティングし、広告を提
供する。これにより、購買が促進されやすいセグメントや、新たに発見されたセグメント
に対して広告を提供することができる。
【0060】
なお、広告が有効であると特定された有効セグメントは、必ずしも、広告ADと同じ広
告に対する評価を示すものではない。例えば、商品Pに対する広告AD1(第1広告)へ
の評価によって有効セグメントが特定された場合、その有効セグメントは同様の商品Pに
関する広告AD2(第2広告)も有効なセグメントとして見ることができる。例えば、上
記の例においては、1回目のプロモーションで使用される広告ADは、必ずしも2回目の
プロモーションで使用される必要はなく、同様の商品に関する広告であれば他の広告を使
用してもよい。
【0061】
また、広告評価システム10は、ステップ(I)の処理による広告情報管理システム4
01へのセグメント情報のリクエストを送信するステップを省略してもよい。この場合、
広告情報管理システム401から、リクエストなしに、広告ADを表示した端末の広告識
別子に関連付けられるセグメント情報が取得される。つまり、広告情報管理システム40
1のセグメント情報の提供方法に応じて、ステップ(I)の処理の要否が変わる。例えば
、広告情報管理システム401が広告評価装置101からのリクエストを要求せず、セグ
メント情報を任意のタイミングで広告評価装置101に送信してもよい。また、この場合
も広告ADを表示した端末の広告識別子を合わせて取得する。この場合、広告ADの表示
のみを行った端末の広告識別子に関連付けられるセグメント、及び広告ADを表示の上、
商品Pの購入に用いられた端末の広告識別子に関連付けられるセグメントがセグメント情
報として取得される。広告評価装置101は、購入情報DBに記憶される広告識別子と広
告ADを表示した端末の広告識別子とを突合し、広告ADを表示の上、商品Pの購入に用
いられた端末の広告識別子に関連付けられるセグメントを特定する。
【0062】
図2及び以降の実施形態では、購入情報管理システム301では、購入情報DBと施策
情報DBとは分離されて設けられているが、これらは1つのデータベースで一元的に管理
されてもよい。また、広告情報管理システム401では、広告表示情報DBとセグメント
DBとは分離されて設けられているが、これらは1つのデータベースで一元的に管理され
てもよい。
【0063】
図3を参照して、広告評価装置101、購入者端末201、購入情報管理システム30
1、広告情報管理システム401、及び評価者端末501の構成について説明する。広告
評価装置101、購入者端末201、購入情報管理システム301、広告情報管理システ
ム401、及び評価者端末501の各部は、それぞれの端末、装置又はシステムにおいて
、メモリ等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行
したりすることによって、実現することができる。
【0064】
広告評価装置101について説明する、広告評価装置101は、記憶部1011、通信
部1012、購入情報取得部1013、セグメント情報取得部1014、効果情報生成部
1015、セグメント特定部1016、効果情報推定部1017、参照情報取得部101
8、分類部1019、及び対応情報生成部1020を有する。
【0065】
記憶部1011は、広告評価装置101での処理に用いられる各種の情報を記憶する。
【0066】
通信部1012は、広告評価装置101によるネットワークNを通じた、購入情報管理
システム301、広告情報管理システム401、及び評価者端末501を含む外部との間
の通信を制御する。
【0067】
購入情報取得部1013は、複数のユーザが購入した商品の商品情報と、複数のユーザ
のそれぞれのユーザ端末を識別する識別情報とが対応付けられた購入情報を取得する。購
入情報取得部1013は、例えば、評価者端末501を通じて、購入情報管理システム3
01に記憶されている購入情報を取得する。あるいは、購入情報取得部1013は、購入
情報管理システム301と直接通信し、購入情報管理システム301に記憶されている購
入情報を取得してもよい。
【0068】
図4には、購入情報管理システム301における購入情報の一例が示される。購入情報
は、購入情報管理システム301の記憶部3011における購入情報DB3012に記憶
される。購入情報は、「商品名」、「商品ID」、「商品単価」、「購入個数」、及び「
広告識別子」の項目を有する。
【0069】
「商品名」の項目には、商品の名称が記憶される。「商品ID」の項目には、個々の商
品を識別する情報が記憶される。商品IDは、例えば、GTIN(Global Tra
de Item Number)であり、事業者及び商品を識別するコードである。日本
では、JANコード(Japanese Article Number)が用いられる
。「商品単価」の項目には、商品の単価が記憶される。例えば、
図3の例では、商品ID
が「X…11」の商品Pの商品単価は3,100円であり、商品IDが「Y…11」の商
品Qの商品単価は2,500円である。「購入個数」の項目には、ユーザが購入した商品
の個数が記憶される。「広告識別子」の広告には、商品の購入の際に取得された広告識別
子が記憶される。
図3の例では、広告識別子「D001」で識別されるユーザが、商品P
を2つ購入し、広告識別子「D002」で識別されるユーザが、商品Pを1つ購入したこ
と等が記憶される。なお、購入情報DB3011に記録される購入情報には、それぞれの
購入における購入金額の合計値が記憶されていてもよい。
【0070】
また、記憶部3011には、施策情報DB3013において、商品と商品の販促のため
の施策とを示す情報が施策情報として記憶される。施策情報は、「施策名」、「施策ID
」、及び「対象商品」の項目を有する。「施策名」及び「施策ID」の項目には、施策の
名称及び施策を識別する情報が記録される。「対象商品」の項目には、施策にて広告する
対象となる商品の情報が記憶される。この項目には、例えば商品名が記憶されてもよく、
商品IDが記憶されてもよい。「対象広告」の項目には、例えば広告名が記憶される。図
4の例では、「施策名」がキャンペーンAであり、「施策ID」がCP001である施策
が、「対象商品」である商品Pのプロモーションのために設けられる。キャンペーンAで
は、「対象広告」として広告A及び広告Bを含む広告が使用される。
【0071】
セグメント情報取得部1014は、評価者端末501を通じて、施策情報をさらに取得
し、施策情報に基づいて、複数のセグメントのうち、商品に関連する広告を表示したユー
ザ端末のユーザが属する前記複数のセグメントを示すセグメント情報を取得する。具体的
には、セグメント情報取得部1014は、購入情報に含まれる広告識別子に基づいて、広
告情報管理システム401に記憶されるセグメント情報を参照し、商品を購入したユーザ
の端末であり、かつ商品に関する広告を表示した端末の広告識別子に関連付けられるセグ
メントを取得する。なお、セグメント情報取得部1014は、購入情報管理システム30
1と直接通信し、購入情報管理システム301に記憶されている施策情報を取得してもよ
い。
【0072】
図5には、広告情報管理システム401に記憶される広告表示情報及びセグメント情報
の一例が示される。広告表示情報は、「施策名」、「施策ID」、「対象広告」、及び「
広告識別子」の項目を有する。「施策名」及び「施策ID」の項目には、施策情報DB3
013に記憶される情報と同様の情報が記憶される。「対象広告」の項目には、例えば広
告名が記憶される。「広告識別子」の項目には、広告情報管理システム401が購入者端
末201に広告を表示する際に取得された広告識別子が記憶される。
図5の例では、キャ
ンペーンAに含まれる対象広告である広告Aが、広告識別子D001,D002,D00
3を有する購入者端末201に表示された場合の例が示される。
【0073】
セグメント情報は、「広告識別子」、「セグメント」、「親セグメント」、及び「セグ
メントID」の項目を有する。「広告識別子」の項目には、広告情報管理システム401
を通じて広告が表示された端末の広告識別子が記憶される。「セグメント」の項目には、
広告識別子で識別される端末を有するユーザが属するセグメントが記憶される。「親セグ
メント」の項目には、「セグメント」の上位概念のセグメントが記憶される。「セグメン
トID」の項目には、個々のセグメントを識別する情報が示される。
【0074】
図5の例では、「広告識別子」がD001の端末を有するユーザは、「ゲームマニア」
、「バイク(中古車)」、「年収が平均(50%以下)」、「子供あり」、「賃貸」とい
うセグメントに関連付けられる。ここで、「ゲームマニア」、「バイク(中古車)」とい
うセグメントには「ゲームファン」、「オートバイ」という親セグメントがそれぞれ関連
付けられる。ここで、「ゲームマニア」というセグメントは、対象のユーザがゲームの熱
心なファンであることを意味し、「バイク(中古車)」というセグメントは対象のユーザ
が中古バイクに関心を有することを意味する。それぞれのセグメントに対して、それらの
上位概念として、ゲーム好きであることを意味する「ゲームファン」という親セグメント
、オートバイ好きであることを意味する「オートバイ」という親セグメントが関係付けれ
られる。
【0075】
「ゲームマニア」、「バイク(中古車)」、「ゲームファン」、「オートバイ」という
セグメントは、ユーザの趣味や嗜好を示すサイコグラフィックデータである。「年収が平
均(50%以下)」、「子供あり」、「賃貸」というセグメントは、性別、年齢、収入、
住居形態等を示すデモグラフィックデータである。サイコグラフィックデータによる分類
では、例えば、犬好き且つ猫好きのように、あるユーザは重複するセグメントに分類され
ることが可能である一方、デモグラフィックデータによる分類ではその性質上、あるユー
ザが重複するセグメントに分類されることがない。例えば、ある年収レンジのセグメント
にあるユーザは他の年収レンジのセグメントには分類されない。サイコグラフィックデー
タとデモグラフィックデータは、上記の例のような相違点を有する。
【0076】
セグメント情報取得部1014は、広告識別子をキーとして、広告表示情報DB401
2,セグメントDB4013を参照し、セグメント情報を取得する。なお、セグメント情
報には、各セグメント別に、対象広告が表示された端末の総数(広告識別子の総数)が含
まれる。
【0077】
効果情報生成部1015は、購入情報とセグメント情報とを対応づけ、複数のセグメン
トのそれぞれにおける広告の効果を示す効果情報を生成する。効果情報は、例えば、1人
あたり購入金額、購買率(数量ベース)、購買率(人数ベース)、セグメント比率、CP
M(Cost Per Mille)調整比率として表される。
【0078】
1人あたり購入金額は、各セグメントにおける、ユーザ1人あたりの対象商品の購入金
額である。購買率(数量ベース)は、広告を閲覧の上で商品を購入したユーザ数にそれぞ
れの購入個数を乗じた値を、広告を閲覧したユーザの総数で除して算出される。購買率(
人数ベース)は、広告を閲覧の上で商品を購入したユーザ数を、広告を閲覧したユーザの
総数で除して算出される。セグメント比率は、あるセグメントに属するユーザの数の全セ
グメントのユーザ総数に対する比率である。CPM調整比率(推奨値)は、購買率等に基
づいて算出される、広告費用の増加の程度の推奨値である。例えば、CPM調整比率は、
同様の商品に対して、再度広告を出す際に、どの程度CPMを調整すればよいかを示す情
報である。
【0079】
セグメント特定部1016は、効果情報と効果に対する所定の条件とに基づいて、複数
のセグメントのうち、商品に関連する広告が有効である有効セグメントを特定する。セグ
メント特定部1016は、例えば、全セグメントにおける購買率の平均値である平均購買
率を算出し、平均購買率の信頼区間を算出する。次に、セグメント特定部1016は各セ
グメントの購買率の信頼区間を算出する。セグメント特定部1016は、平均購買率の信
頼区間の上限値より、あるセグメントの信頼区間の下限値が大きい場合に、当該セグメン
トを有効セグメントと判定する。
【0080】
また、セグメント特定部1016は、平均購買率の信頼区間の下限値より、あるセグメ
ントの信頼区間の上限値が小さい場合に、当該セグメントを、広告の提供に適さない非有
効セグメントと判定してもよい。また、セグメント特定部1016は、信頼区間が重なる
セグメントは中立セグメントと判定してもよい。非有効セグメント及び中立セグメントを
、有効セグメントとの対比のための比較セグメントとよぶこともできる。
【0081】
また、セグメント特定部1016は、セグメント全体の平均に対する相対的な条件では
なく、効果に対する絶対的な条件に基づいて有効セグメントの特定を行ってもよい。例え
ば、セグメント特定部1016は、あるセグメントが所定の購買率を上回る場合には、当
該セグメントを有効セグメントとしてもよい。
【0082】
有効セグメントを、全セグメント及び各セグメントの信頼区間の相違という相対的な条
件に基づいて特定することで、広告そのものの販促効果とセグメントの適性とを区別する
ことができる。広告が消費者の購買行動を促しにくい内容であった場合には、効果に対す
る絶対的な基準で有効セグメントを特定した場合、どのセグメントも特定されない場合が
ある。例えば、購買率が所定の値以上のセグメントを有効セグメントとする場合に、どの
セグメントも購買率が低いことによって有効セグメントが特定されない場合がある。この
場合、各セグメント間の相違をユーザが把握することができない。一方、効果に対する相
対的な基準に基づく場合は、広告そのものの広告効果への影響を受けにくくなるので、有
効セグメントをより適切に特定し、ユーザはセグメント間の相違を把握することが可能と
なる。
【0083】
効果情報推定部1017は、効果情報及び有効セグメントに基づいて、有効セグメント
に分類される複数のユーザのそれぞれのユーザ端末に対して広告を表示させる場合に、広
告の効果を示す推定された効果情報(第2効果情報)を推定する。推定された効果情報は
、例えば、最適セグメント購買率、対象セグメント購買率、除外セグメント購買率、標準
ベンチマーク購買率、最大リフト値期待割合、及び選択セグメント比率として表される。
【0084】
最適セグメント購買率は、非有効セグメントに属するユーザを購買率の算出の際のユー
ザ総数から除いた場合の、有効セグメントにおける購買率である。対象セグメント購買率
は、有効セグメントの購買率の平均値である。除外セグメント購買率は、非有効セグメン
トの購買率の平均値である。標準ベンチマーク購買率は、全セグメントの購買率の平均値
である。最大リフト値期待割合は、売り上げの増加の程度が所定の算出方法に基づいて算
出された値である。選択セグメント比率は、効果情報の推定対象となったセグメントが、
全セグメントに占める割合である。
【0085】
効果情報推定部1017は、あるユーザが複数の有効セグメントに分類される場合には
、当該有効セグメントに属するユーザの数を、当該ユーザを重複して数えずに算出した上
で、効果情報を推定する。
【0086】
参照情報取得部1018は、複数のユーザが購入した、広告対象でない商品の商品情報
と、当該商品を購入したユーザが属する複数のセグメントを示すセグメント情報とを参照
情報として取得する。参照情報取得部1018は、購入情報管理システム301を参照し
て、広告対象でない商品(第2商品)に関する購入情報を取得する。参照情報取得部10
18は、広告情報管理システム401を参照し、参照情報取得部1018が取得した購入
情報に含まれる広告識別子に基づいて、広告対象でない商品を購入したユーザが属するセ
グメントを示す情報(第2セグメント情報)を取得する。
【0087】
参照情報取得部1018が取得した参照情報に基づいて、効果情報生成部1015は、
広告の商品の売り上げへの寄与度を示す情報を生成してもよい。例えば、効果情報生成部
1015は効果情報として、商品の売り上げの程度が所定の基準に基づいて算出される売
上インデックスという指標を、広告対象の商品と広告対象でない商品のそれぞれについて
算出してもよい。効果情報には、売上インデックスそのものや、売上インデックス間の差
などが含まれる。
【0088】
分類部1019は、購入情報に基づいて、複数のユーザそれぞれの分類を示すラベル情
報を生成する。分類部1019は、例えば、クラスタリングを行い、ユーザをラベリング
する。ラベル情報の区分け方法はセグメント情報における区分け方法と異なっていてもよ
い。対応情報生成部1020は、セグメント情報及びラベル情報に基づいて、セグメント
情報とラベル情報との対応を示す対応情報を生成する。対応情報生成部1020は、異な
った区分けが行われているラベル情報とセグメント情報とを対応付ける。
【0089】
購入者端末201について説明する。購入者端末201は、記憶部2011、表示部2
014、通信部2015、及び制御部2016を有する。記憶部2011には、購入者端
末201の広告ID2012が記憶される。また、記憶部2011には、アプリケーショ
ン2013が記憶される。アプリケーション2013は、例えばインターネットブラウジ
ングを行うウェブブラウザや、小売店舗がユーザへのポイントの付与などの管理を行うた
めの専用アプリケーション等である。表示部2014は、例えばディスプレイである。通
信部2015は、購入者端末201と外部との間の通信を制御する。制御部2016は、
購入者端末201における各種の情報処理を制御する。
【0090】
購入情報管理システム301について説明する。購入情報管理システム301は、記憶
部3011、通信部3014、及び制御部3015を有する。記憶部3011には、上述
の購入情報DB3012、施策情報DB3013が含まれる。通信部3014は、購入情
報管理システム301と外部との間の通信を制御する。制御部3015は、購入情報管理
システム301における各種の情報処理を制御する。
【0091】
広告情報管理システム401について説明する。広告情報管理システム401は、記憶
部4011、通信部4014、及び制御部4015を有する。記憶部4011には、上述
の広告表示情報DB4012、セグメントDB4013が含まれる。通信部4014は、
広告情報管理システム401と外部との間の通信を制御する。制御部4015は、広告情
報管理システム401における各種の情報処理を制御する。
【0092】
評価者端末501について説明する。評価者端末501は、記憶部5011、表示部5
012、通信部5013、及び制御部5014を有する。記憶部5011は、評価者端末
501での処理に用いられる各種の情報を記憶する。表示部5012は、評価者端末50
1のディスプレイである。通信部5013は、評価者端末501と外部との間の通信を制
御する。制御部5014は、評価者端末501における各種の情報処理を制御する。
【0093】
図6を参照して、広告評価システム10における情報処理について説明する。
図6では
、ユーザへの広告の表示から、実際の購入による購入情報の更新までの処理を説明する。
【0094】
ステップS601において、評価者端末501が施策情報を生成する。これは、例えば
、広告主や広告プランナーが商品に対する広告を作成することとして実行される。
【0095】
ステップS602において、評価者端末501は、広告情報管理システム401に施策
情報を送信する。なお、施策情報は、例えば広告情報管理システム401によって提供さ
れる施策生成サービスによって作成されてもよく、その場合、評価者端末501を通じて
広告情報管理システム401が操作されることで施策情報が広告情報管理システム401
に記録される。
【0096】
ステップS603において、広告情報管理システム401は、広告表示情報を生成し、
広告表示情報DB4012を更新する。
【0097】
例えば、購入者端末201があるウェブサイトを訪問する等した場合に、ステップS6
04において、広告情報管理システム401から購入者端末201に広告が送信される。
【0098】
ステップS605において、購入者端末201の表示部2014に広告が表示される。
【0099】
ステップS606において、広告情報管理システム401は、広告を表示した購入者端
末201の広告識別子を購入者端末201から取得する。
【0100】
ステップS607において、広告情報管理システム401は、表示された広告及び取得
された広告識別子に基づいて、広告表示情報DB4012の広告表示情報を更新する。
【0101】
ステップS608において、購入者端末201は購入記録画面を表示する。例えば、購
入者端末201のユーザが、実店舗での商品を購入する場合等においてアプリケーション
2013を起動すると、購入記録画面が表示される。購入記録画面とは、例えば、店舗端
末で読み取り可能であり、ユーザを識別するためのバーコードを表示する画面である。
【0102】
ステップS609において、購入情報管理システム301は、例えば店舗端末によって
、ある商品の購入記録と購入記録画面を読み取ることで、購入者端末201から、商品の
購入記録と広告識別子とを取得する。購入記録には商品名、商品ID、商品単価、購入個
数等の情報が含まれる。
【0103】
ステップS610において、購入情報管理システム301は、購入記録及び広告識別子
に基づいて購入情報を更新する。
【0104】
図7を参照して、広告評価システム10における情報処理について説明する。
図7では
、広告を表示した端末のセグメントと購入情報に基づく、広告の効果の算出及び効果の推
定について説明する。
【0105】
ステップS701において、評価者端末501は購入情報管理システム301から購入
情報を取得する。
【0106】
ステップS702において、評価者端末501は広告評価装置101に施策情報及び購
入情報を送信する。
図8には、購入情報取得部1013が評価者端末501に表示させる
、施策情報及び購入情報の送信画面801の一例が示される。
【0107】
送信画面801は、入力欄8011,8012,8013,8014,8015,80
16.8017,8018及び抽出実行ボタン8019を有する。
【0108】
入力欄8011には、購入情報を記録する小売店の情報が入力される。入力欄8012
には、セグメントの抽出対象となる施策名が入力される。入力欄8013には、セグメン
トの抽出対象となる施策の施策IDが入力される。入力欄8014,8015には抽出期
間の開始日と終了日が入力される。抽出期間を設定することで、期間内に広告に接触した
端末の広告識別子に関連付けられたセグメントを抽出することができる。入力欄8017
には、施策における対象商品に関する情報が入力される。例えば、入力欄8017には、
対象商品のJANコードが入力される。入力欄8018には、参照情報取得部1018に
よって購入情報及びセグメント情報が取得される広告対象でない商品に関する情報が入力
される。
【0109】
それぞれの入力欄に情報が入力された後に抽出実行ボタン8019が、ユーザのクリッ
ク又はタップ等の操作によって選択されると、広告評価装置101に施策情報及び購入情
報が送信される。
【0110】
ステップS703において、セグメント情報取得部1014は、取得した施策情報を広
告情報管理システム401に送信する。
【0111】
ステップS704において、広告情報管理システム401は、施策情報に基づいて、広
告を表示した端末のセグメントを抽出し、セグメント情報を生成する。
【0112】
ステップS705において、セグメント情報取得部1014は広告情報管理システム4
01からセグメント情報を取得する。
【0113】
ステップS706において、効果情報生成部1015は、購入情報及びセグメント情報
を、購入情報に含まれる広告識別子を基に対応づけて、各セグメントに対する広告の効果
を示す効果情報を生成する。
【0114】
ステップS707において、セグメント特定部1016は、所定の条件に基づいて、有
効セグメントを特定する。
【0115】
ステップS708において、セグメント特定部1016は、評価者端末501にセグメ
ント評価結果を送信する。
【0116】
ステップS709において、評価者端末501にセグメント評価結果が表示される。
【0117】
図9から
図14は、各セグメントに対するセグメント評価結果を表示する評価画面90
1,1001,1101,1201,1301,1401である。
【0118】
評価画面901は、アフィニティ(趣味・嗜好)に関するセグメントの評価結果を表示
する画面である。評価画面901の効果表示領域902には、セグメントの効果及び有効
セグメントが区別可能に表示される。
【0119】
効果表示領域902の表は、「セグメントID」、「見積算出対象該否」、「推奨ター
ゲット」、「セグメント」、「親セグメント」、「性別」、「1人あたり購入金額」、「
購買率(数量ベース)」、「購買率(人数ベース)」、「売上インデックス」、「売上イ
ンデックス差」、「セグメント比率」、及び「CPM調整比率」の項目を有する。「セグ
メントID」、「セグメント」、「親セグメント」、及び「性別」にはセグメントに関す
る情報がそれぞれ表示される。
【0120】
「1人あたり購入金額」、「購買率(数量ベース)」、「購買率(人数ベース)」、「
売上インデックス」、「売上インデックス差」、「セグメント比率」、及び「CPM調整
比率」の項目には、効果情報生成部1015によって生成された効果情報がそれぞれ表示
される。
【0121】
「見積算出対象該否」の項目は、当該セグメントが効果情報推定部1017による効果
の推定の対象となるセグメントであるか否かが表示される。また、「推奨ターゲット」の
項目は、セグメント特定部1016によって当該セグメントが有効セグメントであるか否
かを示す情報が表示される。「見積算出対象該否」の項目は、「対象」又は「非対象」を
評価者端末501のユーザがボタンBTを通じた操作によってインタラクティブに切り替
え可能である。広告評価装置101は、評価者端末501からの切り替え入力に応じて、
当該セグメントが効果情報推定部1017による効果の推定の条件となるセグメントであ
るか否かを記憶する。「推奨ターゲット」の項目にて「ターゲティング推奨」とされる有
効セグメントの場合、「見積算出対象該否」の項目は、当該セグメントが効果情報推定部
1017による効果の推定の条件となるセグメントであることが自動的に記憶されてもよ
い。例えば、「セグメントID」が20524のセグメントは、「推奨ターゲット」が「
ターゲティング推奨」として表示されるものの、「見積算出対象該否」が「非対象」とさ
れている。
【0122】
図9では、例えば、「セグメントID」が20520のセグメントは、「見積算出対象
該否」が「対象」であり、「推奨ターゲット」が「ターゲティング推奨」として表示され
る。
【0123】
「セグメントID」が20520のセグメントは、「セグメント」が「ゲームマニア」、
「親セグメント」が「ゲームファン」である。また、「性別」は「女性」である。購入情
報に基づいて、「1人あたり購入金額」、「購買率(数量ベース)」、「購買率(人数ベ
ース)」、「セグメント比率」、及び「CPM調整比率」がそれぞれ算出されている。ま
た、購入情報及び参照情報に基づいて、「売上インデックス」、「売上インデックス差」
がそれぞれ表示されている。ここで、「売上インデックス差」が「-56」と表示されて
いることは、比較対象の商品の売上インデックスは、対象商品の売上インデックスである
「161」から56を引いた値(105)であることを意味する。
【0124】
評価画面901は、タブT1,T2,T3,T4,T5を有しており、それぞれのタブ
には「アフィニティ」、「購買意向」、「世帯年収」、「子供の有無」、「詳しいユーザ
属性」という表示がされる。評価者端末501のユーザは、各タブを切り替える操作を行
うことで、評価画面901,1001,1101,1201,1301を表示させること
ができる。
【0125】
図10には、購買意向に関するセグメントに関する評価画面1001が示される。評価
画面1001は、効果表示領域1002を有する。購買意向に関するセグメントは、例え
ば、「ブラックフライデーに買い物」、「バイク(中古車)」、「メーカーX」等のセグ
メントである。各セグメントは、それぞれの親セグメント「ゲームファン」、「オートバ
イ」、「自動車(メーカー別)」を有している。評価画面1001でも評価画面901と
同様の効果が表示される。なお、各効果は一部図示を省略している。
【0126】
また、「推奨ターゲット」の項目にて「有意差なし」と表示されるセグメントは、セグ
メント特定部1016によって非有効セグメントとされたセグメントである。この場合、
「見積算出対象該否」の項目は、当該セグメントが効果情報推定部1017による効果の
推定の条件とならないセグメントであることが自動的に記憶されている。
【0127】
図11には、世帯年収のセグメントに関する評価画面1101が示される。評価画面1
101は、効果表示領域1102を有する。
図12には、子供の有無のセグメントに関す
る評価画面1201が示される。評価画面1201は、効果表示領域1202を有する。
【0128】
これらの評価画面1101,1201では、「推奨ターゲット」の項目にて「有意差な
し」と表示され、「見積算出対象該否」の項目は、当該セグメントが効果情報推定部10
17による効果の推定の条件とならないセグメントが優先されて表示されている。これは
、世帯年収や子供の有無があるユーザが重複するセグメントに分類されることがない分類
方法であることによる。例えば、ある世帯年収のセグメントをターゲティング推奨とする
場合には、他の世帯年収のセグメントは除外されてしまう。これにより、効果情報推定部
1017が効果を推定する際に考慮されるユーザの数が極端に少なくなる。これは推定精
度の低下につながるため、あるユーザが重複するセグメントに分類されることがないセグ
メントに関しては、セグメント特定部1016は、見積算出対象該否が非対象となるセグ
メントが優先して表示されるように、評価者端末501に評価画面1101,1201を
表示させる。
【0129】
図13には、詳しいユーザ属性のセグメントに関する評価画面1301が示される。購
買意向に関するセグメントは、例えば、住居形態に関する「賃貸」というセグメントや、
家族構成に関してより詳細な「子供あり(4~5歳の幼稚園児)」、「独身」等のセグメ
ントがある。評価画面1301でも評価画面901と同様の効果が表示される。
【0130】
評価者端末501のユーザは、各タブを切り替える操作を行い、評価画面901,10
01,1101,1201,1301を表示させ、各セグメントの「見積算出対象該否」
を「対象」又は「非対象」と設定する。
【0131】
評価者端末501のユーザが、
図13のボタン1903を選択することで、
図14に示
される、評価画面1401が、評価者端末501に表示される。評価画面1401は、「
見積算出対象該否」が「対象」とされたセグメントの効果が表示される効果表示領域14
02を有する。
【0132】
評価者端末501のユーザが、選択されたセグメントを確認の上、「効果の見積を実行
」と書かれたボタン1403を選択する操作入力を行うと、ステップS710において、
評価者端末501から広告評価装置101に見積対象のセグメントを示す情報が送信され
る。見積対象セグメントとは、「見積算出対象該否」が「対象」とされたセグメントであ
る。
【0133】
ステップS711において、効果情報推定部1017は、購入情報と見積対象セグメン
トに基づいて、見積対象セグメントにおける広告の効果を示す効果情報を推定する。
【0134】
ステップS712において、効果情報推定部1017は、推定された効果情報を評価者
端末501に送信する。
【0135】
ステップS713において、評価者端末501に、推定された効果情報が表示される。
図15には、推定された効果情報が表示される推定結果画面1501の一例が示される。
推定結果画面1501は、推定結果表示領域1502を有する。推定結果表示領域150
2の表は、「見積ID」、「最適セグメント購買率」、「対象セグメント購買率」、「除
外セグメント購買率」、「標準ベンチマーク購買率」、「最大リフト値期待割合」、及び
「選択セグメント比率」の項目を有する。「見積ID」は、個々の推定結果を識別する情
報である。また、「最適セグメント購買率」、「対象セグメント購買率」、「除外セグメ
ント購買率」、「標準ベンチマーク購買率」、「最大リフト値期待割合」、及び「選択セ
グメント比率」の各情報は、効果情報推定部1017によって算出された情報である。
【0136】
図15の例では、「最適セグメント購買率」、「対象セグメント購買率」、「除外セグ
メント購買率」はそれぞれ、「2.54%」、「1.5%」、「0.67%」である。「
対象セグメント購買率」が「1.5%」であることは、有効セグメントの購買率の平均が
1.5%であることを意味する。「対象セグメント購買率」は、有効セグメントに対して
広告を表示させる場合の広告の第2効果が推定された情報(第1推定効果)である。また
、「除外セグメント購買率」が「0.67%」であることは、非有効セグメントの購買率
の平均が0.67%であることを意味する。
【0137】
「最適セグメント購買率」が「2.54%」であることは、全セグメントから非有効セ
グメントを除外した場合の有効セグメントに対する購買率の平均が2.54%であること
を意味する。「最適セグメント購買率」は、有効セグメントをターゲティングした場合の
購買率であり、ターゲティングによる広告の効果の向上を示す情報である。つまり、「最
適セグメント購買率」は、有効セグメントに分類されない複数のセグメント(比較セグメ
ント)に広告を提供する場合の効果(第2推定効果)が推定された情報である。評価者端
末501のユーザは、「最適セグメント購買率」と「対象セグメント購買率」を見比べる
ことで、ターゲティングの有効性を比較することが可能となる。
【0138】
図15の例では、「標準ベンチマーク購買率」、「最大リフト値期待割合」、「選択セ
グメント比率」はそれぞれ、「1.01%」、「251pt」、「35.15%」である
。「標準ベンチマーク購買率」が「1.01%」であることは、広告を表示した端末が属
するセグメントの全体を分母とした場合の購買率である。この数値は、ターゲティングが
行われていない場合の購買率を示している。「最大リフト値期待割合」は所定の基準に基
づいて算出された、ターゲティングが行われていない場合と最適セグメントにターゲティ
ングを行う場合との広告の効果を示す情報である。「最大リフト値期待割合」の値が大き
いほどターゲティング効果が大きい。「選択セグメント比率」は「35.15%」であり
比較的大きい値である。したがって、あまり多くのセグメントが限定されてはおらず、高
い広告効果をより広いターゲットに提供できることが示される。
【0139】
広告評価システム10は、先に述べたように、1回目のプロモーションでは、セグメン
トの選択が行われず、任意のセグメントに対して広告ADが提供され、その後、広告が有
効であるセグメントが特定され、その効果の推定された値が推定結果画面1501に表示
される。2回目のプロモーションの際には、有効であるセグメントにターゲティングし、
広告を提供するようにできる。これにより、購買が促進されやすいセグメントや、新たに
発見されたセグメントに対して広告を提供することができる。
【0140】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定
して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件
、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができ
る。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可
能である。
【符号の説明】
【0141】
10…広告評価システム、101…広告評価装置、1011…記憶部、1012…通信
部、1013…購入情報取得部、1014…セグメント情報取得部、1015…効果情報
生成部、1016…セグメント特定部、1017…効果情報推定部、1018…参照情報
取得部、1019…分類部、1020…対応情報生成部、201…購入者端末、301…
購入情報管理システム、401…広告情報管理システム、501…評価者端末