(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181100
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】電池温調システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/613 20140101AFI20231214BHJP
【FI】
H01M10/613
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080847
(22)【出願日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】P 2022093675
(32)【優先日】2022-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】森 大騎
(72)【発明者】
【氏名】榎島 史修
(72)【発明者】
【氏名】加藤 由博
(72)【発明者】
【氏名】近藤 靖裕
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制すること。
【解決手段】第1ヘッダ21の内部には、偏向壁50が設けられている。偏向壁50によって、流入口28から第1ヘッダ21の内部に流入するとともに第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向される。したがって、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことが抑制される。よって、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
外部流体と冷媒との熱交換を行う外部流体熱交換器と、
冷媒を減圧する膨張弁と、
電池と冷媒との熱交換を行う電池熱交換器と、を有する冷凍サイクルを備え、
前記電池熱交換器は、
冷媒を内部に流入させる流入口を有する上流ヘッダと、
前記上流ヘッダに接続されるとともに前記電池との熱交換を行うチューブと、
前記チューブを貫通して並設されるとともに前記上流ヘッダの内部にその並設方向に沿って開口する複数の冷媒流路と、を有し、
前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している電池温調システムであって、
前記上流ヘッダの内部における前記冷媒流路と対向する壁面には、前記並設方向と交差する方向に延在し、前記流入口から前記上流ヘッダの内部に流入するとともに前記上流ヘッダの内部を前記並設方向へ流れる冷媒の一部を、前記並設方向と交差する方向へ偏向させる偏向壁が設けられていることを特徴とする電池温調システム。
【請求項2】
前記偏向壁は、前記並設方向に所定の間隔を置いて複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電池温調システム。
【請求項3】
前記各偏向壁における前記並設方向での投影面積は、前記流入口から遠い位置に配置されている偏向壁ほど大きいことを特徴とする請求項2に記載の電池温調システム。
【請求項4】
前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、前記並設方向に対して交差する方向であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の電池温調システム。
【請求項5】
前記チューブは、前記上流ヘッダの内部に突出する突出部を有し、
前記上流ヘッダの内部は、
前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と重ならない第1領域と、
前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と重なる第2領域と、を有し、
前記偏向壁は、
前記上流ヘッダの内部における前記冷媒流路と対向する壁面から前記並設方向と交差する方向に延在するとともに前記第1領域に配置される第1壁部と、
前記第1壁部から前記並設方向と交差する方向に延在するとともに前記第2領域に配置される第2壁部と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の電池温調システム。
【請求項6】
前記突出部は、前記上流ヘッダの内部における鉛直方向の下方に位置する部分に突出しており、
前記第2領域は、
前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と鉛直方向の上方で重なる上方領域と、
前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と鉛直方向の下方で重なる下方領域と、を含み、
前記第2壁部は、前記上方領域に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の電池温調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池温調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷凍サイクルを用いて電池を温調する電池温調システムが知られている。冷凍サイクルは、圧縮機と、外部流体熱交換器と、膨張弁と、電池熱交換器と、を有している。圧縮機は、冷媒を圧縮して吐出する。外部流体熱交換器は、外部流体と冷媒との熱交換を行う。膨張弁は、冷媒を減圧する。電池熱交換器は、電池と冷媒との熱交換を行う。
【0003】
例えば特許文献1のように、電池熱交換器は、上流ヘッダと、チューブと、複数の冷媒流路と、を有している。上流ヘッダは、流入口を有している。流入口は、上流ヘッダの内部に冷媒を流入させる。チューブは、上流ヘッダに接続されている。複数の冷媒流路は、チューブを貫通して並設されている。複数の冷媒流路は、上流ヘッダの内部にその並設方向に沿って開口する。そして、チューブは、電池との熱交換を行う。このようにして、電池熱交換器にて冷媒と電池との熱交換が行われることにより、電池が予め定められた設定温度に調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような電池熱交換器において、流入口から上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、上流ヘッダから各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している場合を考える。この場合、例えば、流入口から上流ヘッダの内部へ流れ込んだ冷媒の流れに勢いがあると、流入口から上流ヘッダの内部へ流れ込んだ冷媒は、流入口に近い冷媒流路に向けて流れ難い。そして、流入口から上流ヘッダの内部へ流れ込んだ冷媒は、上流ヘッダの内部を流入口から離れるように勢い良く流れて、上流ヘッダの内部における流入口から遠い部分に向かって拡散される。したがって、上流ヘッダの内部では、流入口から遠い部分に冷媒が偏ってしまい、流入口に近い部分と遠い部分とで冷媒の量が不均一になってしまう虞がある。すると、流入口から遠い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量が多くなる一方で、流入口に近い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量が少なくなる。したがって、各冷媒流路を流れる冷媒の量が不均一になってしまうため、チューブ全体で温度分布にばらつきが生じてしまう。チューブ全体で温度分布にばらつきが生じると、結果的に、電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電池温調システムは、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、外部流体と冷媒との熱交換を行う外部流体熱交換器と、冷媒を減圧する膨張弁と、電池と冷媒との熱交換を行う電池熱交換器と、を有する冷凍サイクルを備え、前記電池熱交換器は、冷媒を内部に流入させる流入口を有する上流ヘッダと、前記上流ヘッダに接続されるとともに前記電池との熱交換を行うチューブと、前記チューブを貫通して並設されるとともに前記上流ヘッダの内部にその並設方向に沿って開口する複数の冷媒流路と、を有し、前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している電池温調システムであって、前記上流ヘッダの内部における前記冷媒流路と対向する壁面には、前記並設方向と交差する方向に延在し、前記流入口から前記上流ヘッダの内部に流入するとともに前記上流ヘッダの内部を前記並設方向へ流れる冷媒の一部を、前記並設方向と交差する方向へ偏向させる偏向壁が設けられている。
【0007】
これによれば、偏向壁によって、流入口から上流ヘッダの内部に流入するとともに上流ヘッダの内部を複数の冷媒流路の並設方向へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路の並設方向と交差する方向へ偏向される。したがって、上流ヘッダの内部で、流入口から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことを抑制することができる。よって、流入口から遠い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量が、流入口に近い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0008】
上記電池温調システムにおいて、前記偏向壁は、前記並設方向に所定の間隔を置いて複数配置されているとよい。
これによれば、複数の偏向壁によって、流入口から上流ヘッダの内部に流入するとともに上流ヘッダの内部を複数の冷媒流路の並設方向へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路の並設方向と交差する方向へ偏向され易くなる。したがって、上流ヘッダの内部で、流入口から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【0009】
上記電池温調システムにおいて、前記各偏向壁における前記並設方向での投影面積は、前記流入口から遠い位置に配置されている偏向壁ほど大きいとよい。
これによれば、上流ヘッダの内部における流入口から遠い位置で、複数の冷媒流路の並設方向へ流れる冷媒の一部を、複数の冷媒流路の並設方向と交差する方向へ偏向させ易くすることができる。したがって、上流ヘッダの内部で、流入口から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【0010】
上記電池温調システムにおいて、前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、前記並設方向に対して交差する方向であるとよい。
このような構成において、上流ヘッダの内部で、流入口から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことが、偏向壁によって抑制される。よって、流入口から遠い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量が、流入口に近い位置に存在する冷媒流路を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0011】
上記電池温調システムにおいて、前記チューブは、前記上流ヘッダの内部に突出する突出部を有し、前記上流ヘッダの内部は、前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と重ならない第1領域と、前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と重なる第2領域と、を有し、前記偏向壁は、前記上流ヘッダの内部における前記冷媒流路と対向する壁面から前記並設方向と交差する方向に延在するとともに前記第1領域に配置される第1壁部と、前記第1壁部から前記並設方向と交差する方向に延在するとともに前記第2領域に配置される第2壁部と、を有しているとよい。
【0012】
これによれば、偏向壁の第1壁部によって、流入口から上流ヘッダの内部に流入するとともに上流ヘッダの内部の第1領域を複数の冷媒流路の並設方向へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路の並設方向と交差する方向へ偏向される。さらに、偏向壁の第2壁部によって、流入口から上流ヘッダの内部に流入するとともに上流ヘッダの内部の第2領域を複数の冷媒流路の並設方向へ流れる冷媒の一部も、複数の冷媒流路の並設方向と交差する方向へ偏向される。したがって、上流ヘッダの内部で、流入口から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【0013】
上記電池温調システムにおいて、前記突出部は、前記上流ヘッダの内部における鉛直方向の下方に位置する部分に突出しており、前記第2領域は、前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と鉛直方向の上方で重なる上方領域と、前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と鉛直方向の下方で重なる下方領域と、を含み、前記第2壁部は、前記上方領域に配置されているとよい。
【0014】
このように、突出部が、上流ヘッダの内部における鉛直方向の下方に位置する部分に突出している場合、第2領域においては、上方領域は、下方流域よりも流路断面積が大きい。したがって、第2領域を流れる冷媒は、下方領域よりも上方領域の方が流れ易い。そこで、第2壁部を上方領域に配置した。これによれば、偏向壁の第2壁部によって、流入口から上流ヘッダの内部に流入するとともに上流ヘッダの内部の上方領域を複数の冷媒流路の並設方向へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路の並設方向と交差する方向へ偏向される。したがって、上流ヘッダの内部で、流入口から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、電池全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態における電池温調システムの全体構成を模式的に示す図である。
【
図6】第2実施形態における電池熱交換器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、電池温調システムを具体化した第1実施形態を
図1~
図5にしたがって説明する。本実施形態の電池温調システムは、例えば、車両に搭載されている。本実施形態の電池温調システムは、電池を冷却するために用いられる。
【0018】
<電池温調システム10の基本構成>
図1に示すように、電池温調システム10は、冷凍サイクル11を備えている。電池温調システム10は、冷凍サイクル11を用いて、複数の電池20を冷却する。電池20は、電池セルである角型電池20aを複数有している。電池20は、各角型電池20aの厚み方向がそれぞれ一致した状態で各角型電池20aが互いに並設されることにより構成されている。各角型電池20aは、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池である。複数の電池20は、複数の角型電池20aの並設方向に対して直交する方向に並んで配置されている。そして、複数の電池20が、例えば、図示しないハウジング内に収容されることにより、1つの電池パックとしてパッケージ化されている。
【0019】
冷凍サイクル11は、圧縮機12、外部流体熱交換器13、複数の膨張弁14、及び複数の電池熱交換器15を有している。圧縮機12は、低温低圧の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒を吐出する。外部流体熱交換器13は、外部流体である外気と冷媒との熱交換を行う。外部流体熱交換器13は、圧縮機12から吐出された冷媒を凝縮する。各膨張弁14は、外部流体熱交換器13で凝縮された冷媒を減圧する。各膨張弁14は、外部流体熱交換器13で凝縮されて液化した高温高圧の冷媒を減圧して低温低圧の気液二相状態の冷媒にする。複数の電池熱交換器15は、複数の電池20それぞれに対応して配置されている。各電池熱交換器15には、気液二相状態の冷媒が流れる。各電池熱交換器15は、各電池20と冷媒との熱交換を行う。なお、冷凍サイクル11は、図示しないアキュムレータを有している。アキュムレータは、圧縮機12へのガス状の冷媒の流出を許容し、且つ圧縮機12への液状の冷媒の流出を阻止する。
【0020】
圧縮機12と外部流体熱交換器13とは、第1配管17によって接続されている。外部流体熱交換器13と各電池熱交換器15とは、第2配管18によって接続されている。各電池熱交換器15と圧縮機12とは、第3配管19によって接続されている。
【0021】
<電池熱交換器15>
図2に示すように、各電池熱交換器15は、第1ヘッダ21と、チューブ40と、第2ヘッダ31と、を有している。第1ヘッダ21は、第1ヘッダ本体22と、第1管23と、を有している。第1ヘッダ本体22は、円筒状である。第1管23は、円筒状である。
図1に示すように、各第1管23は、第2配管18に接続されている。各電池熱交換器15の第1管23には、膨張弁14がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、第2ヘッダ31は、第2ヘッダ本体32と、第2管33と、を有している。第2ヘッダ本体32は、円筒状である。第2管33は、円筒状である。
図1に示すように、各電池熱交換器15の第2管33は、第3配管19に接続されている。
【0022】
図2に示すように、第1ヘッダ本体22は、周壁24と、第1端壁25と、第2端壁26と、を有している。周壁24は、円筒状である。第1端壁25は、周壁24の軸方向の一方の開口を閉塞している。第2端壁26は、周壁24の軸方向の他方の開口を閉塞している。周壁24の軸方向は、第1ヘッダ本体22の軸方向でもある。
【0023】
第1ヘッダ本体22は、接続口27を有している。接続口27は、周壁24に形成されている。接続口27は、周壁24を貫通している。接続口27は、周壁24における軸方向の中央部に形成されている。
【0024】
接続口27には、第1管23が接続されている。第1管23は、第1管23の内側が第1ヘッダ本体22の内部に連通した状態で、接続口27に接続されている。第1管23は、第1管23の軸方向が第1ヘッダ本体22の軸方向に対して直交した状態で、接続口27に接続されている。第1管23は、第1ヘッダ本体22に対して、鉛直方向の上方へ延びるように接続口27に接続されている。第1管23の内側は、第1ヘッダ21の内部に冷媒を流入させる流入口28である。したがって、第1ヘッダ21は、冷媒を内部に流入させる流入口28を有する上流ヘッダである。
【0025】
図3及び
図4に示すように、第1ヘッダ本体22は、挿入口29を有している。挿入口29は、周壁24に形成されている。挿入口29は、周壁24を貫通している。挿入口29は、接続口27に対して、周壁24の周方向で90度離れた位置に配置されている。挿入口29は、細長四角孔状である。挿入口29の長手方向は、周壁24の軸方向に延びている。挿入口29における長手方向の中央部は、周壁24における軸方向の中央部に一致している。
【0026】
図2に示すように、第2ヘッダ本体32は、周壁34と、第1端壁35と、第2端壁36と、を有している。周壁34は、円筒状である。第1端壁35は、周壁34の軸方向の一方の開口を閉塞している。第2端壁36は、周壁34の軸方向の他方の開口を閉塞している。周壁34の軸方向は、第2ヘッダ本体32の軸方向でもある。
【0027】
第2ヘッダ本体32は、接続口37を有している。接続口37は、周壁34に形成されている。接続口37は、周壁34を貫通している。接続口37は、周壁34における軸方向の中央部に形成されている。
【0028】
接続口37には、第2管33が接続されている。第2管33は、第2管33の内側が第2ヘッダ本体32の内部に連通した状態で、接続口37に接続されている。第2管33は、第2管33の軸方向が第2ヘッダ本体32の軸方向に対して直交した状態で、接続口37に接続されている。第2管33は、第2ヘッダ本体32に対して、鉛直方向の上方へ延びるように接続口37に接続されている。第2管33の内側は、第2ヘッダ31の内部の冷媒を排出する排出口38である。したがって、第2ヘッダ31は、内部の冷媒を排出する排出口38を有している。
【0029】
第2ヘッダ本体32は、挿入口39を有している。挿入口39は、周壁34に形成されている。挿入口39は、周壁34を貫通している。挿入口39は、接続口37に対して、周壁34の周方向で90度離れた位置に配置されている。挿入口39は、細長四角孔状である。挿入口39の長手方向は、周壁34の軸方向に延びている。挿入口39における長手方向の中央部は、周壁34における軸方向の中央部に一致している。
【0030】
図2、
図3及び
図4に示すように、チューブ40は、例えば、長四角筒状である。チューブ40は、扁平状である。
図2に示すように、チューブ40は、第1ヘッダ21と第2ヘッダ31とを接続している。チューブ40は、チューブ40の長手方向が第1ヘッダ21から第2ヘッダ31に向かう方向と一致した状態で、第1ヘッダ21及び第2ヘッダ31に対して配置されている。チューブ40の短手方向は、チューブ40の幅方向である。チューブ40は、チューブ40の幅方向が第1ヘッダ本体22の軸方向及び第2ヘッダ本体32の軸方向に一致した状態で、第1ヘッダ21及び第2ヘッダ31に対して配置されている。
【0031】
図3に示すように、チューブ40の長手方向の一端部である第1端部は、挿入口29を介して第1ヘッダ本体22の内部に突出した状態で、第1ヘッダ本体22に接続されている。チューブ40の長手方向の他端部である第2端部は、挿入口39を介して第2ヘッダ本体32の内部に突出した状態で、第2ヘッダ本体32に接続されている。チューブ40は、第1ヘッダ本体22及び第2ヘッダ本体32に対して、水平方向へ延びるように第1ヘッダ本体22及び第2ヘッダ本体32に接続されている。
【0032】
図4に示すように、電池熱交換器15は、複数の冷媒流路41を有している。複数の冷媒流路41は、チューブ40を貫通して並設されている。複数の冷媒流路41の並設方向X1は、チューブ40の幅方向に一致している。複数の冷媒流路41の並設方向X1は、第1ヘッダ本体22の軸方向及び第2ヘッダ本体32の軸方向に一致している。
【0033】
図3に示すように、複数の冷媒流路41は、入口42を有している。各入口42は、第1ヘッダ本体22の内部に開口している。したがって、複数の冷媒流路41は、第1ヘッダ21の内部に開口する入口42を有している。また、複数の冷媒流路41は、出口43を有している。各出口43は、第2ヘッダ本体32の内部に開口している。したがって、複数の冷媒流路41は、第2ヘッダ31の内部に開口する出口43を有している。そして、第1ヘッダ本体22の内部と第2ヘッダ本体32の内部とは、複数の冷媒流路41を介して連通している。したがって、複数の冷媒流路41は、第1ヘッダ21の内部にその並設方向X1に沿って開口する。
【0034】
図3及び
図4では、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向を矢印R1で示している。また、
図3では、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向を矢印R2で示している。
図3及び
図4に示すように、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向と、は直交している。したがって、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している。
【0035】
図4に示すように、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して直交する方向である。したがって、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して交差する方向である。
【0036】
図5に示すように、チューブ40は、電池20に接触する外面44を有している。外面44は、平坦面状である。外面44は、電池20と熱的に結合されている。チューブ40の外面44は、電池20を鉛直方向の下方から支持している。したがって、電池20は、チューブ40の外面44に載置されている。チューブ40は、複数の冷媒流路41を流れる冷媒と電池20との熱交換を行う。
【0037】
<偏向壁50>
図4及び
図5に示すように、第1ヘッダ21の内部には、偏向壁50が設けられている。偏向壁50は、複数の冷媒流路41の並設方向X1に所定の間隔を置いて複数配置されている。複数の偏向壁50は、一対の第1偏向壁51と、一対の第2偏向壁52と、を含む。各第1偏向壁51及び各第2偏向壁52は、平板状である。
【0038】
一対の第1偏向壁51は、第1ヘッダ本体22の軸方向の中央部を挟む位置にそれぞれ配置されている。一対の第2偏向壁52は、一対の第1偏向壁51を挟む位置にそれぞれ配置されている。一対の第2偏向壁52は、一対の第1偏向壁51よりも流入口28から遠い位置に配置されている。
【0039】
図3に示すように、各第1偏向壁51及び各第2偏向壁52は、第1ヘッダ本体22の軸方向から見たとき、半月形状になっている。各第1偏向壁51及び各第1偏向壁51は、相似形状である。各第2偏向壁52は、各第1偏向壁51よりも大きい。
【0040】
各第1偏向壁51及び各第2偏向壁52は、周壁24の内周面における各冷媒流路41の入口42と対向する部分からチューブ40に向けて突出している。したがって、第1ヘッダ21の内部における冷媒流路41と対向する壁面には、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向に延在する各第1偏向壁51及び各第2偏向壁52が設けられている。各第1偏向壁51の厚み方向及び各第2偏向壁52の厚み方向は一致している。各第1偏向壁51における周壁24の内周面からの突出方向、及び各第2偏向壁52における周壁24の内周面からの突出方向は、第1ヘッダ本体22の軸方向に対して直交する方向である。周壁24の内周面における入口42と対向する部分からの各第2偏向壁52の突出長さL2は、周壁24の内周面における入口42と対向する部分からの各第1偏向壁51の突出長さL1よりも長い。
【0041】
したがって、各偏向壁50における複数の冷媒流路41の並設方向X1での投影面積は、流入口28から遠い位置に配置されている偏向壁50ほど大きい。そして、各偏向壁50は、流入口28から第1ヘッダ21の内部に流入するとともに第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部を、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向させる。
【0042】
[第1実施形態の作用]
次に、第1実施形態の作用について説明する。
図1に示すように、圧縮機12から第1配管17へ吐出された高温高圧の冷媒は、外部流体熱交換器13に供給される。外部流体熱交換器13に供給された冷媒は、外部流体熱交換器13にて外気との熱交換が行われることにより凝縮されて液化する。外部流体熱交換器13で凝縮されて液化した高温高圧の冷媒は、第2配管18を介して各電池熱交換器15の第1管23にそれぞれ分配される。各第1管23に分配された冷媒は、各膨張弁14を通過する際にそれぞれ減圧される。
【0043】
図4及び
図5に示すように、減圧された冷媒は、気液二相状態で流入口28から各第1ヘッダ本体22の内部へ流れ込む。流入口28から第1ヘッダ本体22の内部へ流れ込んだ冷媒の流れに勢いがあると、流入口28から第1ヘッダ本体22の内部へ流れ込んだ冷媒は、流入口28に近い冷媒流路41に向けて流れ難い。そして、流入口28から第1ヘッダ本体22の内部へ流れ込んだ冷媒は、第1ヘッダ本体22の内部を流入口28から離れるように勢い良く流れようとする。
【0044】
このとき、複数の偏向壁50によって、流入口28から第1ヘッダ21の内部に流入するとともに第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向される。具体的には、
図5において矢印A1で示すように、第1ヘッダ本体22の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部の流れが、各第1偏向壁51によって、第1ヘッダ本体22から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向へ偏向される。
【0045】
また、第1ヘッダ本体22の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部は、
図5において矢印A2で示すように、各第1偏向壁51によって流れが偏向されずに、各第2偏向壁52に向けて流れる。そして、
図5において矢印A2で示すように、第1ヘッダ本体22の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部が、各第2偏向壁52によって、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向される。
【0046】
したがって、第1ヘッダ本体22の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことが抑制される。よって、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことが抑制される。
【0047】
このように、各チューブ40にて冷媒と電池20との熱交換が行われることにより、各電池20が冷却される。各チューブ40の各冷媒流路41を通過した冷媒は、出口43を介して第2ヘッダ本体32の内部に流出する。第2ヘッダ本体32の内部に流出した冷媒は、第2管33を介して第3配管19に合流する。そして、第3配管19に合流した冷媒は、第3配管19を介して圧縮機12に還流される。
【0048】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1-1)第1ヘッダ21の内部には、偏向壁50が設けられている。これによれば、偏向壁50によって、流入口28から第1ヘッダ21の内部に流入するとともに第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向される。したがって、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことを抑制することができる。よって、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0049】
(1-2)偏向壁50は、複数の冷媒流路41の並設方向X1に所定の間隔を置いて複数配置されている。これによれば、複数の偏向壁50によって、第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向され易くなる。したがって、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【0050】
(1-3)各偏向壁50における複数の冷媒流路41の並設方向X1での投影面積は、流入口28から遠い位置に配置されている偏向壁50ほど大きい。これによれば、第1ヘッダ21の内部における流入口28から遠い位置で、複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部を、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向させ易くすることができる。したがって、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【0051】
(1-4)流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して交差する方向である。このような構成において、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことが、偏向壁50によって抑制される。よって、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0052】
(1-5)第1ヘッダ21の内部に偏向壁50が設けるだけで、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができるため、電池熱交換器15の全体の体格が大型化することが無い。したがって、省スペース化を図りつつも、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことを抑制することができる。
【0053】
[第2実施形態]
以下、電池温調システムを具体化した第2実施形態を
図6にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。第2実施形態では、各第1偏向壁及び各第2偏向壁それぞれの形状が第1実施形態とは異なる。
【0054】
<突出部>
図6に示すように、挿入口29は、周壁24における鉛直方向の下方に位置する部分に形成されている。挿入口29は、接続口27に対して、周壁24の周方向で90度離れた位置であって、且つ、周壁24の周方向で180度離れた位置の間の領域の部分に配置されている。チューブ40の第1端部は、挿入口29を介して第1ヘッダ本体22の内部に突出した状態で、第1ヘッダ本体22に接続されている。したがって、チューブ40は、第1ヘッダ21の内部に突出する突出部45を有している。突出部45は、第1ヘッダ21の内部における鉛直方向の下方に位置する部分に突出している。
【0055】
突出部45は、外面44に連続する第1外面45aと、第1外面45aとは反対側に位置する第2外面45bと、を有している。第1外面45aは、突出部45における鉛直方向の上側に位置する面である。第2外面45bは、突出部45における鉛直方向の下側に位置する面である。第1外面45a及び第2外面45bは、それぞれ平坦面状である。第1外面45a及び第2外面45bは、互いに平行である。
【0056】
突出部45の軸方向の端面45cは、平坦面状である。突出部45の端面45cは、鉛直方向に延びている。突出部45の端面45cには、複数の冷媒流路41の入口42が開口している。
【0057】
<第1領域及び第2領域>
第1ヘッダ21の内部は、第1領域Z1と、第2領域Z2と、を有している。第1領域Z1は、第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1から見たとき、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で突出部45と重なっていない。第2領域Z2は、第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1から見たとき、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で突出部45と重なっている。
【0058】
ここで、突出部45の端面45c上を鉛直方向に通過する直線を仮想直線L10とする。このとき、第1領域Z1は、第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1から見たとき、第1ヘッダ21の内部における仮想直線L10よりも挿入口29とは反対側に位置する領域である。第2領域Z2は、第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1から見たとき、第1ヘッダ21の内部における仮想直線L10よりも挿入口29側に位置する領域である。
【0059】
第2領域Z2は、上方領域Z21と、下方領域Z22と、を含む。上方領域Z21は、第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1から見たとき、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で突出部45と鉛直方向の上方で重なっている。下方領域Z22は、第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1から見たとき、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で突出部45と鉛直方向の下方で重なっている。
【0060】
<偏向壁>
第1偏向壁51は、第1壁部51aと、第2壁部51bと、を有している。第1壁部51aは、第1領域Z1に配置されている。第1壁部51aは、周壁24の内周面における各冷媒流路41の入口42と対向する部分からチューブ40に向けて突出している。第1壁部51aにおける周壁24の内周面からの突出方向は、第1ヘッダ本体22の軸方向に対して直交する方向である。したがって、第1壁部51aは、第1ヘッダ21の内部における冷媒流路41と対向する壁面から複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向に延在している。
【0061】
第2壁部51bは、第1壁部51aから複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向に延在している。第2壁部51bは、第1壁部51aにおける鉛直方向の上部から上方領域Z21に向けて延びている。第2壁部51bの大部分は、上方領域Z21に配置されている。第2壁部51bの外周縁は、周壁24の内周面における上方領域Z21を画定する内面に連続している。第2壁部51bの下縁部51cは、鉛直方向で突出部45の第1外面45aと対向している。第2壁部51bの下縁部51cは、突出部45の第1外面45aと平行に延びている。このように、第2壁部51bは、第1壁部51aから複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向に延在するとともに第2領域Z2に配置されている。
【0062】
第2偏向壁52は、第1壁部52aと、第2壁部52bと、を有している。第1壁部52aは、第1領域Z1に配置されている。第1壁部52aは、周壁24の内周面における各冷媒流路41の入口42と対向する部分からチューブ40に向けて突出している。第1壁部52aにおける周壁24の内周面からの突出方向は、第1ヘッダ本体22の軸方向に対して直交する方向である。したがって、第1壁部52aは、第1ヘッダ21の内部における冷媒流路41と対向する壁面から複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向に延在している。
【0063】
第2壁部52bは、第1壁部52aから複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向に延在している。第2壁部52bは、第1壁部52aにおける鉛直方向の上部から上方領域Z21に向けて延びている。第2壁部52bの大部分は、上方領域Z21に配置されている。第2壁部52bの外周縁は、周壁24の内周面における上方領域Z21を画定する内面に連続している。第2壁部52bの下縁部52cは、鉛直方向で突出部45の第1外面45aと対向している。第2壁部52bの下縁部52cは、突出部45の第1外面45aと平行に延びている。このように、第2壁部52bは、第1壁部52aから複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向に延在するとともに第2領域Z2に配置されている。
【0064】
周壁24の内周面における入口42と対向する部分からの第2偏向壁52の第1壁部52aの突出長さL2は、周壁24の内周面における入口42と対向する部分からの第1偏向壁51の第1壁部51aの突出長さL1よりも長い。第2偏向壁52の第2壁部52bの下縁部52cと突出部45の第1外面45aとの間の鉛直方向での距離L12は、第1偏向壁51の第2壁部51bの下縁部51cと突出部45の第1外面45aとの間の鉛直方向での距離L11よりも短い。したがって、各偏向壁50における複数の冷媒流路41の並設方向X1での投影面積は、流入口28から遠い位置に配置されている偏向壁50ほど大きい。
【0065】
[第2実施形態の作用]
次に、第2実施形態の作用について説明する。
第1壁部51a,52aは、流入口28から第1ヘッダ21の内部に流入するとともに第1ヘッダ21の内部の第1領域Z1を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部を、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向させる。第2壁部51b,52bは、流入口28から第1ヘッダ21の内部に流入するとともに第1ヘッダ21の内部の上方領域Z21を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部を、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向させる。
【0066】
したがって、第1ヘッダ本体22の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことが抑制される。よって、流入口28から遠い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量が、流入口28に近い位置に存在する冷媒流路41を流れる冷媒の量よりも多くなってしまうことが抑制される。したがって、各冷媒流路41を流れる冷媒の量が均等になり易くなるため、チューブ40全体で温度分布にばらつきが生じ難くなる。その結果、電池20全体で温度分布にばらつきが生じてしまうことが抑制される。
【0067】
[第2の実施形態の効果]
第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(2-1)第1壁部51a,52aによって、第1ヘッダ21の内部の第1領域Z1を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向される。さらに、第2壁部51b,52bによって、第1ヘッダ21の内部の第2領域Z2を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部も、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向される。したがって、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【0068】
(2-2)突出部45が、第1ヘッダ21の内部における鉛直方向の下方に位置する部分に突出している場合、第2領域Z2においては、上方領域Z21は、下方領域Z22よりも流路断面積が大きい。したがって、第2領域Z2を流れる冷媒は、下方領域Z22よりも上方領域Z21の方が流れ易い。そこで、第2壁部51b,52bを上方領域Z21に配置した。これによれば、第2壁部51b,52bによって、第1ヘッダ21の内部の上方領域Z21を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部が、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向される。したがって、第1ヘッダ21の内部で、流入口28から遠い部分に冷媒が偏ってしまうことをさらに抑制し易くすることができる。
【0069】
(2-3)流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込んだ冷媒は気液二相状態である。液冷媒は、自重により第1ヘッダ21の内部における鉛直方向の下部に溜まりやすい。このとき、突出部45が、第1ヘッダ21の内部における鉛直方向の下方に位置する部分に突出している。このため、自重により第1ヘッダ21の内部における鉛直方向の下部に溜まった液冷媒が、各入口42を介して各冷媒流路41に流れ込み易くなっている。
【0070】
[変更例]
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0071】
○ 上記各実施形態において、第1ヘッダ21の内部に設けられる偏向壁50の数は、特に限定されるものではない。よって、偏向壁50は、複数の冷媒流路41の並設方向X1に所定の間隔を置いて複数配置されていなくてもよい。
【0072】
○ 第1実施形態において、各第2偏向壁52の突出長さL2が、各第1偏向壁51の突出長さL1と同じであってもよい。要は、各偏向壁50における複数の冷媒流路41の並設方向X1での投影面積が、全て同じであってもよい。
【0073】
○ 第1実施形態において、各第2偏向壁52の突出長さL2が、各第1偏向壁51の突出長さL1よりも短くてもよい。要は、各偏向壁50における複数の冷媒流路41の並設方向X1での投影面積が、流入口28から遠い位置に配置されている偏向壁50ほど小さくてもよい。
【0074】
○ 第2実施形態において、第2偏向壁52の第1壁部52aの突出長さL2が、第1偏向壁51の第1壁部51aの突出長さL1と同じであってもよい。
○ 第2実施形態において、第2偏向壁52の第1壁部52aの突出長さL2が、第1偏向壁51の第1壁部51aの突出長さL1よりも短くてもよい。
【0075】
○ 第2実施形態において、第2壁部52bの下縁部52cと突出部45の第1外面45aとの間の鉛直方向での距離L12が、第2壁部51bの下縁部51cと突出部45の第1外面45aとの間の鉛直方向での距離L11と同じであってもよい。
【0076】
○ 第2実施形態において、第2壁部52bの下縁部52cと突出部45の第1外面45aとの間の鉛直方向での距離L12が、第2壁部51bの下縁部51cと突出部45の第1外面45aとの間の鉛直方向での距離L11よりも長くてもよい。
【0077】
○ 第2実施形態において、上方領域Z21に加えて下方領域Z22にも第2壁部が配置されていてもよい。要は、偏向壁50は、第1壁部51a,52aから複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向に延在するとともに第2領域Z2に配置される第2壁部を有していればよい。
【0078】
○ 第2実施形態において、突出部45が、第1ヘッダ21の内部における鉛直方向の下方に位置する部分に突出していなくてもよい。例えば、突出部45が、第1ヘッダ21の内部における鉛直方向の中央部に位置する部分に突出していてもよいし、第1ヘッダ21の内部における鉛直方向の上方に位置する部分に突出していてもよい。そして、例えば、偏向壁50の第2壁部が、下方領域Z22にのみ配置されていてもよい。
【0079】
○ 上記各実施形態において、各第1偏向壁51における周壁24の内周面からの突出方向、及び各第2偏向壁52における周壁24の内周面からの突出方向は、第1ヘッダ本体22の軸方向に対して斜めに延びる方向であってもよい。
【0080】
○ 第1実施形態において、各第1偏向壁51及び各第2偏向壁52における第1ヘッダ本体22の軸方向から見たときの形状が半月形状でなくてもよい。各第1偏向壁51及び各第2偏向壁52における第1ヘッダ本体22の軸方向から見たときの形状は特に限定されるものではない。要は、各偏向壁50は、流入口28から第1ヘッダ21の内部に流入するとともに第1ヘッダ21の内部を複数の冷媒流路41の並設方向X1へ流れる冷媒の一部を、複数の冷媒流路41の並設方向X1と交差する方向へ偏向させるものであればよい。
【0081】
○ 上記各実施形態において、電池温調システム10は、電池20を暖機するために用いられてもよい。この場合、圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒は、図示しない四方弁によって、各電池熱交換器15に供給される。よって、各電池熱交換器15には、圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒が流れる。具体的には、圧縮機12から吐出された冷媒は、第3配管19を介して各電池熱交換器15の第2管33にそれぞれ分配される。各第2管33に分配された冷媒は、各第2ヘッダ本体32の内部へ流れ込む。よって、第2管33の内側は、第2ヘッダ31の内部に冷媒を流入させる流入口である。したがって、第2ヘッダ31は、内部に冷媒を流入させる流入口を有する上流ヘッダである。この場合、第2ヘッダ31の内部には、偏向壁50が設けられている。
【0082】
そして、各チューブ40にて冷媒と電池20との熱交換が行われることにより、各電池20が暖機される。各チューブ40の各冷媒流路41を通過した冷媒は、第1ヘッダ本体22の内部に流出する。この場合、第1ヘッダ21の内部には、偏向壁50は設けられていない。第1ヘッダ本体22の内部に流出した冷媒は、第1管23を流れるとともに膨張弁14を通過する際に減圧される。減圧された冷媒は、第2配管18に合流する。そして、第2配管18に合流した冷媒は、第2配管18を介して外部流体熱交換器13に供給される。外部流体熱交換器13に供給された冷媒は、外部流体熱交換器13にて外気との熱交換が行われることにより蒸発する。そして、外部流体熱交換器13にて蒸発された冷媒は、第1配管17を介して圧縮機12に還流される。このように、電池温調システム10が、電池20を暖機するために用いられる場合であっても、第2ヘッダ31の内部に偏向壁50が設けられていることにより、上述した[実施形態の作用]及び[実施形態の効果]を奏することができる。
【0083】
○ 上記各実施形態において、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向が、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して、斜めに延びる方向であってもよい。要は、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差していればよい。
【0084】
○ 上記各実施形態において、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向が、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して、斜めに延びる方向であってもよい。要は、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向が、複数の冷媒流路41の並設方向X1に対して交差する方向であればよい。
【0085】
○ 上記各実施形態において、例えば、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向が、複数の冷媒流路41の並設方向X1と同一方向であってもよい。要は、流入口28から第1ヘッダ21の内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、第1ヘッダ21から各冷媒流路41へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差していればよい。
【0086】
○ 上記各実施形態において、外部流体熱交換器13は、例えば、外部流体である冷却水と冷媒との熱交換を行うことが可能である構成であってもよい。
上記実施形態は、以下の付記に記載する構成を含む。
【0087】
<付記1>
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
外部流体と冷媒との熱交換を行う外部流体熱交換器と、
冷媒を減圧する膨張弁と、
電池と冷媒との熱交換を行う電池熱交換器と、を有する冷凍サイクルを備え、
前記電池熱交換器は、
冷媒を内部に流入させる流入口を有する上流ヘッダと、
前記上流ヘッダに接続されるとともに前記電池との熱交換を行うチューブと、
前記チューブを貫通して並設されるとともに前記上流ヘッダの内部にその並設方向に沿って開口する複数の冷媒流路と、を有し、
前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向と、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向と、が交差している電池温調システムであって、
前記上流ヘッダの内部における前記冷媒流路と対向する壁面には、前記並設方向と交差する方向に延在し、前記流入口から前記上流ヘッダの内部に流入するとともに前記上流ヘッダの内部を前記並設方向へ流れる冷媒の一部を、前記並設方向と交差する方向へ偏向させる偏向壁が設けられていることを特徴とする電池温調システム。
【0088】
<付記2>
前記偏向壁は、前記並設方向に所定の間隔を置いて複数配置されていることを特徴とする<付記1>に記載の電池温調システム。
【0089】
<付記3>
前記各偏向壁における前記並設方向での投影面積は、前記流入口から遠い位置に配置されている偏向壁ほど大きいことを特徴とする<付記2>に記載の電池温調システム。
【0090】
<付記4>
前記流入口から前記上流ヘッダの内部へ流れ込む冷媒の流れ方向は、前記並設方向に対して交差する方向であることを特徴とする<付記1>~<付記3>のいずれか1つに記載の電池温調システム。
【0091】
<付記5>
前記チューブは、前記上流ヘッダの内部に突出する突出部を有し、
前記上流ヘッダの内部は、
前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と重ならない第1領域と、
前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と重なる第2領域と、を有し、
前記偏向壁は、
前記上流ヘッダの内部における前記冷媒流路と対向する壁面から前記並設方向と交差する方向に延在するとともに前記第1領域に配置される第1壁部と、
前記第1壁部から前記並設方向と交差する方向に延在するとともに前記第2領域に配置される第2壁部と、を有していることを特徴とする<付記1>~<付記4>のいずれか1つに記載の電池温調システム。
【0092】
<付記6>
前記突出部は、前記上流ヘッダの内部における鉛直方向の下方に位置する部分に突出しており、
前記第2領域は、
前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と鉛直方向の上方で重なる上方領域と、
前記上流ヘッダの内部を前記並設方向から見たとき、前記上流ヘッダから前記各冷媒流路へ流れ込む冷媒の流れ方向に対して直交する方向で前記突出部と鉛直方向の下方で重なる下方領域と、を含み、
前記第2壁部は、前記上方領域に配置されていることを特徴とする<付記5>に記載の電池温調システム。
【符号の説明】
【0093】
10…電池温調システム、11…冷凍サイクル、12…圧縮機、13…外部流体熱交換器、14…膨張弁、15…電池熱交換器、20…電池、21…第1ヘッダ、28…流入口、40…チューブ、41…冷媒流路、45…突出部、50…偏向壁、51a,52a…第1壁部、51b,52b…第2壁部、Z1…第1領域、Z2…第2領域、Z21…上方領域、Z22…下方領域。