(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181108
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】超高速スイッチ用直接駆動ラッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 33/38 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
H01H33/38 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089299
(22)【出願日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】17/837,225
(32)【優先日】2022-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴットシャルク、アンドリュー エル.
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、シン
(72)【発明者】
【氏名】スレピアン、ロバート マイケル
(72)【発明者】
【氏名】チャマラジャナガル ゴヴィンダ ナヤカ、サントーシュ クマール
【テーマコード(参考)】
5G028
【Fターム(参考)】
5G028AA17
5G028DB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】開放ストロークが終了した後にスイッチシャフトが跳ね返るのを防止する。
【解決手段】回路遮断器1の可動導体アセンブリを開放ストローク後にラッチするためのラッチアセンブリは、既存のラッチアセンブリにおけるラッチ動作中に一般に損傷を受けやすい構成要素を省略した、合理的なラッチを含む。開示されたラッチアセンブリは、固定されたラッチブロックと、ラッチブロックに回転可能に結合された駆動ラッチと、駆動ラッチと常に係合するように位置決めされた角ピンを有する枢動ハンマーとを備える。ラッチアセンブリは、開放ストロークが開始されると、スイッチシャフトによって係合されるように構造化される。ラッチアセンブリが係合すると、ハンマー角ピンが駆動ラッチを押圧してスイッチシャフトに形成された棚と係合させることにより、スイッチシャフトが開放ストローク後に跳ね返るのを防止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路遮断器の可動導体アセンブリをラッチするためのラッチアセンブリであって、前記ラッチアセンブリが、前記回路遮断器のハウジング内に配置されるように構造化され、
前記回路遮断器ハウジングに対して固定的に位置決めされるように構造化されたラッチブロックと、
前記ラッチブロックに回転可能に結合された駆動ラッチと、
ハンマーであって、前記ハンマーが、
互いに平行に配置された2つの平面側部と、
角ピンであって、前記角ピンが、第1の端部が前記2つの平面側部のうちの第1の平面側部に結合され、第2の端部が前記2つの平面側部のうちの第2の平面側部に結合される、角ピンとを含む、ハンマーと、
前記回路遮断器ハウジングに対して前記ハンマーを固定して位置決めし、前記ハンマーがその周りを回転することができる固定軸を形成するように構造化された回転ピンとを備え、
前記駆動ラッチが、前記2つのハンマー平面側部の間に配置され、
前記駆動ラッチが、前記可動アセンブリのスイッチシャフトに面するように構造化された内側表面と、前記内側表面の反対側に配置され、前記スイッチシャフトから外方に面するように構造化された外側表面とを含み、
前記ハンマー及び前記駆動ラッチが、前記ハンマー角ピンが前記駆動ラッチの前記外側部に常に係合するように構造化される、ラッチアセンブリ。
【請求項2】
前記駆動ラッチの前記内側表面が、ライザによって接合された閉鎖段部及びラッチ段部を含み、
前記閉鎖段部が、前記可動導体アセンブリが閉鎖状態にあるときに前記スイッチシャフトに係合するように構造化され、
前記ライザが、前記可動導体アセンブリが開放状態にあるときに前記スイッチシャフトに係合するように構造化される、請求項1に記載のラッチアセンブリ。
【請求項3】
前記駆動ラッチの前記外側部が、前記ハンマー角ピンを受け入れるように構造化されたノッチと共に形成され、
前記ラッチアセンブリが、前記可動導体アセンブリを前記開放状態に維持するために、前記スイッチシャフトを完全にラッチされた状態又は部分的にラッチされた状態のいずれかでラッチするように構造化され、
前記ラッチアセンブリが、前記部分的にラッチされた状態において、前記駆動ラッチライザが前記スイッチシャフトに係合し、前記ハンマー角ピンが前記駆動ラッチノッチに係合しないように構造化され、
前記ラッチアセンブリが、前記完全にラッチされた状態において、前記駆動ラッチライザが前記スイッチシャフトに係合し、前記ハンマー角ピンが前記駆動ラッチノッチに係合するように構造化され、
前記ラッチアセンブリが、前記ハンマーが前記スイッチシャフトを前記完全にラッチされた状態でラッチするのに十分かつ迅速に回転することができない場合に、前記スイッチシャフトを前記部分的にラッチされた状態でラッチするように構造化される、請求項2に記載のラッチアセンブリ。
【請求項4】
前記駆動ラッチの前記外側表面が、湾曲部分を含み、前記湾曲部分が、頂点と、遠位部分と、近位部分とを含み、
前記遠位部分が、前記閉鎖段部から前記頂点まで延在し、
前記近位部分が、前記頂点から前記ノッチまで延在し、
前記ラッチアセンブリが、前記角ピンが前記駆動ラッチ外側表面の前記近位部分と係合され、前記スイッチシャフトと前記駆動ラッチライザとの間にギャップがあるときに、前記ハンマーを付勢して前記完全にラッチされた状態まで回転させるモーメントアームを生成するように構造化される、請求項3に記載のラッチアセンブリ。
【請求項5】
前記スイッチシャフトによって係合されるように構造化されたリセットシャフトと、
前記リセットシャフトに動作可能に結合されたリセットレバーと、
前記リセットレバーに動作可能に結合され、前記ハンマーに動作可能に結合された爪と、
前記爪に固定して結合された爪ピンとを更に備え、
前記リセットシャフト、前記リセットレバー、及び前記爪が、前記リセットシャフトが前記スイッチシャフトによって押圧されたときに、回転又は枢動するように構造化され、
前記ハンマーが、前記爪が枢動したときに回転するように構造化され、
前記ハンマーが、前記爪ピンを受け入れるように構造化された爪ピン開口部を含み、前記爪ピン開口部が、前記ハンマーが前記閉鎖状態から前記開放状態に回転したときに前記爪ピンに係合するように構造化された爪係合溝を含み、
前記爪ピン開口部が、前記ハンマーが前記完全にラッチされた状態に近づくにつれて、前記爪ピンが前記爪ピン開口部内に留まりながら前記爪係合溝から係合解除されることを可能にするように構造化される、請求項3に記載のラッチアセンブリ。
【請求項6】
前記2つのハンマー平面側部の各々が、突起を含み、
前記ラッチブロックが、前記ラッチアセンブリが前記完全にラッチされた状態に配置されたときに前記ハンマー平面側部の突起を受け入れるように構造化されたいくつかの凹部を含む、請求項3に記載のラッチアセンブリ。
【請求項7】
前記回路遮断器ハウジングに対して定位置に固定され、前記スイッチシャフトに隣接するように構造化された案内ピンを更に備え、
前記ラッチアセンブリが、前記回転ピンの反対側に配置された前記スイッチシャフトの側部に前記案内ピンを位置決めするように構成され、
前記ハンマーが窪みを含み、
前記ハンマーの窪みが、前記ラッチアセンブリが前記閉鎖状態にあるときに前記案内ピンと係合するように構造化される、請求項1に記載のラッチアセンブリ。
【請求項8】
電源と負荷との間を電気的に接続するように構造化された回路遮断器であって、
ハウジングと、
固定分離可能接点及び可動分離可能接点を含む一対の分離可能接点と、
可動アセンブリであって、前記可動アセンブリが、
前記可動分離可能接点を含む可動導体と、
前記可動導体に動作可能に結合されたスイッチシャフトとを含む可動アセンブリと、
前記可動アセンブリを作動させて前記分離可能接点を開閉するように構造化されたアクチュエータと、
前記アクチュエータを作動させるように構造化された電子トリップユニットと、
前記スイッチシャフトによって係合され、前記可動アセンブリをラッチするように構造化されたラッチアセンブリであって、前記ラッチアセンブリが、
前記回路遮断器ハウジングに対して固定して位置決めされたラッチブロックと、
前記ラッチブロックに回転可能に結合された駆動ラッチと、
ハンマーであって、前記ハンマーが、
互いに平行に配置された2つの平面側部と、
角ピンであって、前記角ピンが、第1の端部が前記2つのハンマー平面側部のうちの第1の平面側部に結合され、第2の端部が前記2つのハンマー平面側部のうちの第2の平面側部に結合される、角ピンとを含む、ハンマーと、
前記ハンマーを前記回路遮断器ハウジングに固定して結合し、前記ハンマーがその周りを回転することができる固定軸を形成するように構造化された回転ピンとを含む、ラッチアセンブリとを備え、
前記駆動ラッチが、前記2つのハンマー平面側部の間に配置され、
前記駆動ラッチが、前記スイッチシャフトに面するように構造化された内側表面と、前記内側表面の反対側に配置され、前記スイッチシャフトから外方に面するように構造化された外側表面とを含み、
前記ハンマー及び前記駆動ラッチが、前記ハンマー角ピンが常に前記駆動ラッチの前記外側表面と係合するように構造化される、回路遮断器。
【請求項9】
前記スイッチシャフトが、異なる幅をもつ少なくとも2つの部分、すなわち、第1の幅をもつ第1の部分及び第2の幅をもつ第2の部分であって、前記第2の幅が前記第1の幅よりも大きい、第1の部分及び第2の部分を含み、
前記スイッチシャフトが、前記第1の部分と前記第2の部分との接合によって形成された棚を更に含み、
前記駆動ラッチの前記内側表面が、2つの段部、すなわち、閉鎖段部及びラッチ段部を含み、
前記駆動ラッチの前記内側表面が、前記閉鎖段部と前記ラッチ段部とを接合するライザを更に含み、
前記駆動ラッチの前記閉鎖段部が、前記ラッチアセンブリが閉鎖状態にあるときに前記スイッチシャフトに係合するように構造化され、
前記駆動ラッチの前記ライザが、前記ラッチアセンブリがラッチされた状態にあるときに前記スイッチシャフト棚に係合するように構造化される、請求項8に記載の回路遮断器。
【請求項10】
前記駆動ラッチの前記外側表面が、前記ハンマー角ピンを受け入れるように構造化されたノッチと共に形成され、
前記ラッチアセンブリが、前記可動導体アセンブリを前記開放状態に維持するために、前記スイッチシャフトを完全にラッチされた状態又は部分的にラッチされた状態のいずれかでラッチするように構造化され、
前記ラッチアセンブリが、前記部分的にラッチされた状態において、前記ハンマー角ピンが前記駆動ラッチの前記ノッチに係合しないように構造化され、
前記ラッチアセンブリが、前記完全にラッチされた状態において、前記ハンマー角ピンが前記駆動ラッチノッチに係合するように構造化され、
前記ラッチアセンブリが、前記ハンマーが前記スイッチシャフトを前記完全にラッチされた状態でラッチするのに十分かつ迅速に回転することができない場合に、前記スイッチシャフトを前記部分的にラッチされた状態でラッチするように構造化される、請求項9に記載の回路遮断器。
【請求項11】
低速ソレノイドと、
アームを含むソレノイドパドルであって、前記ソレノイドパドルが、前記低速ソレノイドによって作動されるように構造化される、ソレノイドパドルと、
閉鎖ソレノイドと、
前記閉鎖ソレノイドによって電力供給されるように構造化されたハンマー・カム・アセンブリとを更に備え、
前記ハンマーが、前記ハンマー・カム・アセンブリによって係合されるように構造化されたカム係合ピンと、前記ソレノイド・パドル・アームによって係合されるように構造化されたパドル係合ピンとを更に含み、
前記回路遮断器が、前記可動導体アセンブリをラッチ解除して再閉鎖する決定がなされたときに、前記低速ソレノイド及び前記閉鎖ソレノイドを作動させるように構成され、
前記低速ソレノイドアームが、前記低速ソレノイドが作動されたときに回転して前記パドル係合ピンに係合するように構造化され、
前記ハンマーが、前記低速ソレノイドアームの前記回転によって前記パドル係合ピンが係合されたときに開放位置に向かって回転するように構造化され、
前記ハンマーが、前記ソレノイド・パドル・アーム・ハンマーによる前記パドル係合ピンの前記係合からの前記ハンマーの前記回転が、結果的に前記カム係合ピンを回転させて前記ハンマー・カム・アセンブリと係合させるように構造化され、
前記ハンマー・カム・アセンブリが、前記閉鎖ソレノイドが作動されたときに、前記カム係合ピンに力を及ぼして前記ハンマーを前記閉鎖状態に回転させるように構造化される、請求項10に記載の回路遮断器。
【請求項12】
前記角ピンが、前記ソレノイド・パドル・アームによる前記ハンマーの前記回転中に、前記駆動ラッチの前記ノッチから係合解除するように構造化され、
前記駆動ラッチが、前記角ピンが前記ノッチから係合解除されると、前記ライザを前記スイッチシャフト棚から係合解除するように構造化される、請求項11に記載の回路遮断器。
【請求項13】
前記駆動ラッチの前記外側表面が、湾曲部分を含み、前記湾曲部分が、頂点と、遠位部分と、近位部分とを含み、
前記遠位部分が、前記閉鎖段部から前記頂点まで延在し、
前記近位部分が、前記頂点から前記ノッチまで延在し、
前記ラッチアセンブリが、前記角ピンが前記駆動ラッチ外側表面の前記近位部分と係合され、前記スイッチシャフトと前記駆動ラッチライザとの間にギャップがあるときに、前記ハンマーを付勢して前記完全にラッチされた状態まで回転させるモーメントアームを生成するように構造化される、請求項10に記載の回路遮断器。
【請求項14】
前記回路遮断器ハウジングに対して固定して位置決めされた取り付けブロックと、
前記回路遮断器ハウジングに対して固定して位置決めされた案内ピンとを更に備え、
前記取り付けブロックが、前記ラッチブロックの反対側に配置された前記スイッチシャフトの側部で前記スイッチシャフトに対して横方向に位置決めされるように、前記ラッチブロックに隣接して位置決めされ、
前記案内ピンが、前記取り付けブロックの反対側に配置された前記スイッチシャフトの側部で前記スイッチシャフトに隣接して位置決めされる、請求項8に記載の回路遮断器。
【請求項15】
回路遮断器の可動導体アセンブリをラッチするためのラッチアセンブリであって、前記ラッチアセンブリが、前記回路遮断器のハウジング内に配置されるように構造化され、
前記回路遮断器ハウジングに対して固定的に位置決めされるように構造化されたラッチブロックと、
前記ラッチブロックに回転可能に結合された駆動ラッチと、
ハンマーであって、前記ハンマーが、
互いに平行に配置された2つの平面側部と、
角ピンであって、前記角ピンが、第1の端部が前記2つの平面側部のうちの第1の平面側部に結合され、第2の端部が前記2つの平面側部のうちの第2の平面側部に結合される、角ピンと、
複数の円柱形ピンであって、前記円柱形ピンの各々が、第1の端部で前記2つの平面側部のうちの第1の平面側部に結合され、第2の端部で前記2つの平面側部のうちの第2の平面側部に結合され、前記複数の円柱形ピンが、
前記2つの平面側部のうちの各々の第1の端部に結合されたパドル係合ピンと、
前記第1の端部の反対側に配置された前記2つの平面側部のうちの各々の第2の端部に結合されたカム係合ピンと、
前記角ピンと前記カム係合ピンとの間で前記平面側部に結合されたいくつかの内部ハンマーピンとを含む、複数の円柱形ピンとを含む、ハンマーと、
前記回路遮断器ハウジングに対して前記ハンマーを固定して位置決めし、前記ハンマーがその周りを回転することができる固定軸を形成するように構造化された回転ピンとを備え、
前記ラッチアセンブリが、前記角ピンと前記内部ハンマーピンとの間に前記可動導体アセンブリのスイッチシャフトを受け入れるように構造化され、
前記駆動ラッチが、前記2つのハンマー平面側部の間に配置され、
前記駆動ラッチが、前記スイッチシャフトに面するように構造化された内側表面と、前記内側表面の反対側に配置され、前記スイッチシャフトから外方に面するように構造化された外側表面とを含み、
前記駆動ラッチの前記外側部が、前記ハンマー角ピンを受け入れるように構造化されたノッチと共に形成され、
前記ハンマー及び前記駆動ラッチが、前記ハンマー角ピンが前記駆動ラッチの前記外側表面に常に係合するように構造化される、ラッチアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された概念は、概して、回路遮断器に関し、特に、回路遮断器において使用される可動導体アセンブリを移動させるためのラッチ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、限定するものではないが、サーキットブレーカーなどの回路遮断器は、典型的には、過負荷状態などの過電流状態、短絡、又はアーク事故若しくは接地事故などの別の障害状態に起因する損傷から電気回路を保護するために使用される。
図1を参照すると、概略的に示された回路遮断器1などの回路遮断器は、一般に、線導体4及び中性導体6を介して電源2と負荷3との間に電気的に接続されるように構造化される。回路遮断器は、典型的には、スイッチとして動作する分離可能な電気接点8を含む。分離可能接点8が閉鎖状態で互いに接触している場合、回路遮断器に接続された任意の回路に電流を流すことができる。分離可能接点8が開放状態で互いに分離されると、回路遮断器に接続された任意の回路を通じての電流の流れが妨げられる。典型的には、回路遮断器は、分離可能接点8を迅速に開閉するように設計されたアクチュエータ10と、電流センサ14又は他のタイプのセンサを使用していくつかの障害状態を検出する電子トリップユニット12などのトリップ機構とを含む。障害状態を検知すると、トリップユニット12は、アクチュエータ10にコマンド信号を送信して、分離可能接点8を自動的にトリップして開放するように構成される。
【0003】
典型的には、分離可能接点8の一方は、定位置に固定されて静止したままであり、他方の分離可能接点8は、電極ステムと電極ステムの一端に配置された接点とを含む可動導体アセンブリの一部である。駆動アセンブリは、可動電極ステムの他端に動作可能に結合される。トリップユニット12が障害状態を検出し、アクチュエータ10に分離可能接点8を開放するように命令することによって開放ストロークを開始すると、アクチュエータ10は、可動導体アセンブリを固定された分離可能接点から離れるように駆動することによって、駆動アセンブリに分離可能接点8を開放させる。アクチュエータ10及び駆動アセンブリは、障害状態の影響を軽減するために、可動導体アセンブリを固定された分離可能接点から迅速に離れるように駆動できる必要がある。
【0004】
可動導体アセンブリ及び駆動アセンブリの質量が大きいため、機械的な分離可能接点8を開放するのには相当な力を必要とする。開放ストロークの終了時に可動導体アセンブリをラッチするために、ラッチ機構が必要とされる。これは、可動導体アセンブリを開放するために相当な力が加えられ、開放ストロークの終了時に可動アセンブリが跳ね返り、障害状態が解消される前に分離可能接点8を再閉鎖する可能性があるので、可動電極を開放状態で維持するためである。ラッチアセンブリは、いくつかの構成要素が、開放ストローク中に互いにうまく調整されたシーケンスで移動する必要があり、ラッチ構成要素のいずれかが想定通りに正確かつ/又は迅速に機能しない場合、誤動作により、開放ストロークのシーケンスでの所定の段階で必要とされる位置にいくつかの構成要素が位置決めされず、それによって、可動導体アセンブリが跳ね返り時に及ぼす衝撃に起因して、いくつかの構成要素が著しい損傷を被るリスクが生じる。
【0005】
したがって、回路遮断器における可動導体アセンブリのラッチ機構には改良の余地がある。
【発明の概要】
【0006】
これらの必要性及び他の必要性は、従来のラッチアセンブリにおいてラッチ動作中に一般に損傷を受けやすい構成要素を省くことにより、ラッチ誤動作の可能性を大幅に低減した合理的な設計の駆動ラッチを備える回路遮断器のラッチアセンブリによって満たされる。駆動ラッチに加えて、開示されたラッチアセンブリは、固定ラッチブロックと、駆動ラッチと常に接触するように位置決めされた角ピンを有する枢動ハンマーとを備える。駆動ラッチは、ラッチブロックに回転可能に結合される。ラッチアセンブリは、回路遮断器の可動導体アセンブリの開放ストロークが開始された後に、回路遮断器のスイッチシャフトによって係合されるように構造化される。ハンマーの角ピンは、スイッチシャフトがラッチアセンブリと係合すると、駆動ラッチを押圧してスイッチシャフトに形成された溝と係合させるように構成され、これにより、開放ストロークが終了した後にスイッチシャフトが跳ね返るのを防止する。加えて、ハンマーは、駆動ラッチがスイッチシャフトに係合したときに開放状態に向かって付勢されるように構造化され、したがって、スイッチシャフトの跳ね返りを更に防止する。
【0007】
開示された概念の一態様によれば、回路遮断器の可動導体アセンブリをラッチするためのラッチアセンブリは、回路遮断器のハウジング内に配置されるように構造化され、回路遮断器ハウジングに対して固定して位置決めされるように構造化されたラッチブロックと、ラッチブロックに回転可能に結合された駆動ラッチと、ハンマーと、回路遮断器ハウジングに対してハンマーを固定して位置決めし、ハンマーが回転することができる固定軸を形成するように構造化された回転ピンとを備える。ハンマーは、互いに平行に配置された2つの平面側部と、角ピンとを備える。角ピンは、第1の端部が2つの平面側部のうちの第1の平面側部に結合され、第2の端部が2つの平面側部のうちの第2の平面側部に結合される。
【0008】
駆動ラッチは、2つのハンマー平面側部の間に配置され、可動導体アセンブリのスイッチシャフトに面するように構造化された内側部と、スイッチシャフトから外方に面するように構造化された内側部の反対側に配置された外側部とを備える。ハンマー及び駆動ラッチは、ハンマー角ピンが常に駆動ラッチの外側部と係合するように構造化される。
【0009】
開示された概念の別の態様によれば、回路遮断器は、ハウジングと、固定分離可能接点及び可動分離可能接点を備える一対の分離可能接点と、可動分離可能接点を備える可動導体及び可動導体に動作可能に結合されたスイッチシャフトを含む可動アセンブリと、可動アセンブリを作動させて分離可能接点を開閉するように構造化されたアクチュエータと、アクチュエータを作動させるように構造化された電子トリップユニットと、スイッチシャフトによって係合されるように構造化されたラッチアセンブリとを備える。ラッチアセンブリは、回路遮断器ハウジングに対して固定して位置決めされるように構造化されたラッチブロックと、ラッチブロックに回転可能に結合された駆動ラッチと、ハンマーと、ハンマーを回路遮断器ハウジングに固定して結合し、ハンマーが回転できる固定軸を形成するように構造化された回転ピンとを備える。ハンマーは、互いに平行に配置された2つの平面側部と、角ピンとを備える。角ピンは、第1の端部で2つのハンマー平面側部のうちの第1のハンマー平面側部に結合され、第2の端部で2つのハンマー平面側部のうちの第2のハンマー平面側部に結合される。駆動ラッチは、2つのハンマー平面側部の間に配置され、スイッチシャフトに面するように構造化された内側部と、スイッチシャフトから外方に面するように構造化された内側部の反対側に配置された外側部とを備える。ハンマー及び駆動ラッチは、ハンマー角ピンが常に駆動ラッチの外側部と係合するように構造化される。
【0010】
開示された概念の更なる態様によれば、回路遮断器の可動導体アセンブリをラッチするためのラッチアセンブリは、回路遮断器のハウジング内に配置されるように構造化され、回路遮断器ハウジングに対して固定して位置決めされるように構造化されたラッチブロックと、ラッチブロックに回転可能に結合された駆動ラッチと、ハンマーと、回路遮断器ハウジングに対してハンマーを固定して位置決めし、ハンマーが回転することができる固定軸を形成するように構造化された回転ピンとを備える。ハンマーは、互いに平行に配置された2つの平面側部と、角ピンであって、その角ピンが、第1の端部で2つの平面側部のうちの第1の平面側部に結合され、第2の端部で2つの平面側部のうちの第2の平面側部に結合される、角ピンと、複数の円柱形ピンであって、その円柱形ピンの各々が、第1の端部で2つの平面側部のうちの第1の平面側部に結合され、第2の端部で2つの平面側部のうちの第2の平面側部に結合される、円柱形ピンとを備える。複数の円柱形ピンは、2つの平面側部のうちの各々の第1の端部に結合されたパドル係合ピンと、第1の端部の反対側に配置された2つの平面側部のうちの各々の第2の端部に結合されたカム係合ピンと、角ピンとカム係合ピンとの間で平面側部に結合されたいくつかの内部ハンマーピンとを備える。ラッチアセンブリは、角ピンと内部ハンマーピンとの間に可動導体アセンブリのスイッチシャフトを受け入れるように構造化される。駆動ラッチは、2つのハンマー平面側部の間に配置され、スイッチシャフトに面するように構造化された内側部と、スイッチシャフトから外方に面するように構造化された内側部の反対側に配置された外側部とを備える。ハンマー及び駆動ラッチは、ハンマー角ピンが常に駆動ラッチの外側部と係合するように構造化される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の完全な理解は、添付図面と併せて読むと、以下の発明を実施するための最良の形態から得ることができる。
【
図2A】開示された概念の例示的な実施形態による、
図1に概略的に示す回路遮断器などの回路遮断器と共に使用するための、可動導体アセンブリ及び直接駆動ラッチを使用する改良されたラッチアセンブリの断面図である。
【
図2B】ラッチアセンブリのハンマーが取り外された状態の
図2Aに示す回路遮断器の部分の等角斜視図であり、アクチュエータハウジング及びアクチュエータハウジングに結合された
図2Aに示す図では見えない閉鎖ソレノイドのより多くの部分を示している。
【
図3】
図2A及び
図2Bに示す回路遮断器の部分の代替の等角図であり、アクチュエータハウジング全体と、閉鎖ソレノイドとアクチュエータハウジングの内部に配置されたソレノイドパドルとの間の機械的なリンクを示す。
【
図4】
図2Aに示すラッチアセンブリのラッチブロック、直接駆動ラッチ、及びハンマーの拡大等角図である。
【
図5A】開示された概念の例示的な実施形態による、
図4に示す観察面4S1-4S1に沿った、
図2Aに示すラッチアセンブリの拡大断面図である。この図では、
図2Aに示す可動導体アセンブリの開放ストローク中に、初期の開放状態から完全な開放位置に向かって移動する回路遮断器のスイッチシャフトを示している。
【
図5B】
図4に示す平面4S2-4S2に沿った、
図5Aに示す開放ストロークの同じ初期の開放段階中のラッチアセンブリの立面図である。
【
図5C】開示された概念の例示的な実施形態による、スイッチシャフトを完全にラッチするプロセスの中間段階における
図5Aに示すラッチアセンブリの同じ断面図である。この図では、スイッチシャフトが、開放ストロークの終了に達して跳ね返りを始めた後、完全にラッチされた位置に向かって移動している。
【
図5D】
図5Cに示すラッチの同じ中間段階中の
図5Bに示すラッチアセンブリの同じ断面図を示す。
【
図5E】開示された概念の例示的な実施形態による、スイッチシャフトが完全にラッチされた位置に達した後の
図5Cに示すラッチアセンブリの同じ断面図を示す。
【
図5F】開示された概念の例示的な実施形態による、
図5Cに示すラッチアセンブリの同じ断面図の一部分であるが、
図5Cからのいくつかの隠れた構成要素を示す。この図では、スイッチシャフト及びハンマーが完全にラッチされた位置ではなく、部分的にラッチされた位置にあり、ねじりばね及びカムアセンブリが、他の力がハンマーに作用しない場合に、ハンマーを完全にラッチされた位置まで回転させるように推進できるモーメントアームを作り出す方法を示している。
【
図6A】開示された概念の例示的な実施形態による、
図2Aに示す回路遮断器の可動導体アセンブリを再閉鎖する初期段階における、
図5Eに示すラッチアセンブリの(
図4に示す平面4S1-4S1に沿った)同じ断面図である。
【
図6B】
図4に示す平面4S2-4S2に沿った、
図6Aに示す開放ストロークの同じ初期の再閉鎖段階中のラッチアセンブリの立面図である。
【
図6C】開示された概念の例示的な実施形態による、
図4に示す観察面6C-6Cに沿った、
図2Aに示すラッチアセンブリの拡大断面図である。この図では、
図6A及び
図6Bに示す段階に続く可動導体アセンブリを再閉鎖する中間段階を示している。
【
図6D】開示された概念の例示的な実施形態による、
図6Cに示す段階に続く可動導体アセンブリを再閉鎖する最終段階における
図6Aに示すラッチアセンブリの同じ断面図を示す。この図では、スイッチシャフトが駆動ラッチから係合解除されて、スイッチシャフトが完全な閉鎖位置に移動することを可能にしている。
【
図7】回路遮断器用の既知のラッチアセンブリに使用されるラッチブロック、dシャフト型ラッチ、及びdシャフト型ラッチ構成を代表するハンマーの拡大等角図である。
【
図8A】
図7に示す構成要素を含み、関連する可動導体アセンブリが開放ストローク中に、一部の回路遮断器で使用される既知のラッチアセンブリを表す、dシャフト型ラッチアセンブリの断面図であり、この図は、
図7に示す線7S1-7S1に沿った断面図である。
【
図8B】
図7に示す線7S2-7S2に沿った、
図8Aに示す開放ストロークの同じ段階中のラッチアセンブリの代替断面図である。
【
図9A】開放ストローク中のdシャフト型ラッチのdシャフトと回路遮断器のスイッチシャフトとの間の位置合わせを示す、
図8Aの一部分の拡大図である。
【
図9B】
図9Aに示すラッチアセンブリの同じ部分を示し、dシャフト型ラッチアセンブリがスイッチシャフトをラッチできず、スイッチシャフトが跳ね返った後に発生するdシャフトとスイッチシャフトとの位置ずれを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で使用される方向句、例えば、左、右、前部、後部、頂部、底部、及びそれらの変形などは、図面に示される要素の向きに関するものであり、そこに明示的に記載されない限り、特許請求の範囲を限定しない。
【0013】
本明細書で使用するとき、2つ以上の部分が共に「結合されている」という記述は、それらの部分が、共に直接接合されているか、又は1つ以上の中間部分を介して接合されているかのいずれかを意味するものとする。
【0014】
本明細書で使用される場合、「第1の」及び「第2の」などの序数の用語が名詞を修飾するために使用される場合、そのような使用は、単に1つの項目を別の項目から区別することを意図するものであり、具体的に記載されない限り、連続的な順序を必要とするものではない。
【0015】
本明細書で使用される場合、「数」という用語は、1又は1よりも大きい整数(すなわち、複数)を意味するものとする。
【0016】
ここで
図2Aを参照すると、
図1に概略的に示す回路遮断器1などの回路遮断器の一部分の断面図が示されている。回路遮断器1の一部のサブアセンブリは、それら自体のハウジングを備え、
図2Aには、アクチュエータハウジング15が示されている。
図2Aに示す断面図では、ハウジング15の単一の壁のみが見えるが、
図2B及び
図3では、ハウジング15のより多くの部分が見える。
図2Aは、固定接点22を備える固定導体21、可動導体24、及び駆動アセンブリ30に加えて、開示された概念の例示的な実施形態によるラッチアセンブリ100を示す。用語「近位」及び「遠位」は、
図2Aに示すような回路遮断器1の構成要素の特定の端部を指すために以下で使用される。具体的には、回路遮断器1の構成要素に関して本明細書で使用される場合、「近位」という用語は、
図2Aに示すように、固定導体21に最も近く配置された構成要素の端部を指す。したがって、回路遮断器1の構成要素に関して本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、
図2Aに示すように、固定導体21から最も遠く配置された構成要素の端部を指す。所与の構成要素について、構成要素の近位端及び構成要素の遠位端は、互いに対向して配置されることが理解されよう。
【0017】
更に
図2Aを参照すると、可動導体24は、電極ステムの近位端に配置された可動接点25を有する電極ステムを備える。固定接点22及び可動接点25は一体となって、
図1に概略的に示す分離可能接点8を構成している。可動電極ステム24の遠位端は、絶縁カップリング34を介して絶縁シャフト32の近位端に結合され、絶縁シャフト32の遠位端は、駆動シャフト36の近位端に結合される。駆動アセンブリ30は、他の構成要素の中でも、絶縁シャフト32と、絶縁カップリング34と、駆動シャフト36とを備える。駆動シャフト36の遠位端は、スイッチシャフト136の近位端に結合され、スイッチシャフト136の遠位端は、(本明細書で更に後述するように)開放ストローク中にラッチアセンブリ100と係合する。可動導体24、駆動アセンブリ30、及びスイッチシャフト136は、まとめて可動アセンブリ38と呼ぶことができる。
【0018】
図1に概略的に示すアクチュエータ10は、いくつかの機構のうちのいずれか1つを備えることができ、
図2Aに示すアクチュエータは、トムソン・コイル・アクチュエータ40である。トムソン・コイル・アクチュエータ40は、トムソンコイル42と、絶縁シャフト32に機械的に結合された導電性プレート44とを備える。衝撃ワッシャ46が導電性プレート44に結合され、ストッププレート48がアクチュエータハウジング15に対して定位置に固定される。トリップユニット12(
図1)によって障害状態が検出されると、トリップユニット12は、トムソンコイル42に作動電流を供給し、導電性プレート44をトムソンコイル42から反発させるための磁力を発生させる。磁力は、可動アセンブリ38を矢印80によって示す方向(以下、「開放方向80」と呼ぶ)に移動させることによって回路遮断器1の開放ストロークを開始し、したがって、可動接点25及び固定接点22を互いから物理的に分離し、電気的に絶縁する。開放ストローク中、可動アセンブリ38が移動することができる最大距離は、ワッシャ46がストッププレート48に衝突するまでにかかる距離である。
【0019】
本明細書において、回路遮断器1又はその構成要素のいずれかの「開放ストローク」又は「開放」とは、開放方向80への可動アセンブリ38の移動を指すことに留意されたい。したがって、構成要素が「開放」、「開放状態」、又は「開放位置」にあると言及される場合、構成要素の配置は、固定接点24及び可動接点25が分離されていることを示すと理解されるべきである。逆に、構成要素が「閉鎖」、「閉鎖状態」、又は「閉鎖位置」にあると言及される場合、構成要素の配置は、固定接点24及び可動接点25が互いに接触していることを示すと理解されるべきである。また、
図2Aにおいて、開放方向80とは反対の方向を矢印90で示す。この反対の方向は、以下「閉鎖方向90」と言及され、可動アセンブリ38が閉鎖方向90に十分な距離を移動する結果として生じる分離可能接点8の閉鎖を示す。更に、本明細書で使用される場合、「跳ね返り」という用語は、可動アセンブリ38が開放ストロークの終了に達した後の構成要素間の衝突から生じる、閉鎖方向90への可動アセンブリ38の移動を指す。跳ね返りが大きすぎると、障害状態が解消される前に分離可能接点8が意図せずに再閉鎖する可能性があるので、跳ね返りを最小限に抑えることが一般に望ましいことが理解される。更に、本明細書で使用されるように、「横方向」又は「横方向に」という用語は、移動又は平面を説明するために使用される場合、開放方向80及び閉鎖方向90に垂直に配置される方向又は平面を指す。
【0020】
以下に更に詳述するように、ラッチアセンブリ100及び可動アセンブリ38は、開放ストローク中にスイッチシャフト136が開放方向80に移動すると、スイッチシャフト136がラッチアセンブリ100に係合するように構造化される。したがって、開放ストローク中の衝撃ワッシャ46とストッププレート48との間の衝撃によって可動アセンブリ38が閉鎖位置に向かって跳ね返る可能性があるので、障害状態が解消されてラッチアセンブリ100が意図的に係合解除されるまで、可動アセンブリ38が開放状態のままであることを確実にする。
図2Aに加えて
図2B及び
図3を参照すると、回路遮断器1は、ソレノイドハウジング51及び低速開放ソレノイド52を備える低速開放ソレノイドアセンブリ50と、閉鎖ソレノイド53と、アーム56を備えるソレノイドパドル54と、ハンマー・リセット・アセンブリ55とを更に含む。トムソン・コイル・アクチュエータ40は、障害、過負荷、短絡などのような異常な状態の間の高速な開放のために使用されるが、低速開放ソレノイドアセンブリ50は、通常の開放動作、すなわち定格電流スイッチング動作の間に使用される。
図3に示すように、回路遮断器1は、ソレノイドパドル54の作動を可能にする閉鎖ソレノイドリンク57と、パドルリンク58と、ソレノイドリンク戻しばね59とを更に備える。これについては、
図6A~
図6Dに関連して本明細書で更に詳述する。ラッチ解除及び再閉鎖動作中の低速開放アセンブリ50、閉鎖ソレノイド53、ソレノイドパドル54、及びハンマー・リセット・アセンブリ55の使用についてもまた、
図6A~
図6Dに関連して本明細書で更に詳述する。回路遮断器1は、接点ばね60と、ばねフォーク62と、伝達シャフト64とを更に含む。機構は本明細書ではこれ以上詳述しないが、接点ばね60、ばねフォーク62、及び伝達シャフト64の機能の1つは、可動アセンブリ38がラッチアセンブリ100によってラッチされていないときに可動アセンブリ38が閉鎖位置に移動するように、可動アセンブリ38を閉鎖位置に付勢することである。
【0021】
ここで
図2Aに加えて
図4を参照すると、ラッチアセンブリ100は、ラッチブロック101と、駆動ラッチ102と、ハンマー118とを備える(ただし、ハンマー118については、
図5A~
図5Fの説明と併せて本明細書において後で更に詳細に説明する)。ラッチブロック101は、アクチュエータハウジング15に対して定位置に固定されている。1つの非限定的な例では、ラッチブロック101には、アクチュエータハウジング15に固定して結合されたピンを受け入れるように構造化された複数の開口部99が形成される。駆動ラッチ102は、駆動ラッチ102がラッチブロック101に対して軸を中心に回転することができるように、ラッチブロック101に回転可能に結合される。1つの非限定的な例では、駆動ラッチ102は、駆動ラッチ102に結合され、ラッチブロック101に形成されたスロット104(
図4に番号付けされている)に挿入されたピン103(
図4では見えないが、
図5A~
図5Dに示され、番号付けされている)を介してラッチブロック101に結合されることができる。
【0022】
ラッチブロック101には、駆動ラッチ102の近位端を受け入れるように構造化されたポケット105(
図4において番号付けされている)が形成されており、ポケット105は、駆動ラッチ102がラッチブロック101内で横方向に移動することができないように、すなわちピン103の長手方向軸と一致する方向に移動することができないようにサイズ決めされている。ラッチブロック101には、その遠位側に2つの凹部106も形成されている。駆動ラッチ102は、少なくとも2つの表面、すなわち、スイッチシャフト136に面するように構造化された内側表面107(
図4に示され、番号付けされている)と、スイッチシャフト136から外方に面するように構造化された外側表面108(
図4では見えないが、
図5A及び
図5Cに示され、番号付けされている)とを備える。
【0023】
ここで、
図2A及び
図4に加えて
図5A~
図5Fを参照すると、
図5A~
図5Bは、開放ストロークが開始された直後の初期の開放状態におけるスイッチシャフト136及びラッチアセンブリ100の配置を示していることに留意されたい。
図5C~
図5Dは、ラッチの初期段階を示しており、スイッチシャフトは、開放ストロークの終了に達して跳ね返り始めた後、完全にラッチされた位置に向かって移動している。
図5Eは、ラッチアセンブリ100及びスイッチシャフト136が完全にラッチされた状態を示し、
図5Fは、ラッチアセンブリ100及びスイッチシャフト136が部分的にラッチされた状態を示している。
図5A~
図5Fに示すように、ラッチアセンブリ100は、リセットシャフト111と、リセットレバー112と、爪ばね115と、爪116と、爪ピン117と、ハンマー118とを更に備える。リセットシャフト111は、リセットシャフト111とリセットレバー112に形成されたシャフト係合開口部113との間の係合を介してリセットレバー112に動作可能に結合される(
図5B及び
図5Dに示す)。リセットレバー112は、爪ばね115を介して爪116に更に動作可能に結合され、爪116は、爪ピン117を介してハンマー118に更に動作可能に結合される。
【0024】
更に、
図4に最もよく示すように、ハンマー118は、角ピン119と、2つの平面側部180と、複数の円柱形ハンマーピンとを備え、円柱形ハンマーピンは、いくつかの内部ハンマーピン181と、カム係合ピン182と、パドル係合ピン183とを含む。2つの平面側部180は、角ピン119及び円柱形ハンマーピンが2つの平面側部180を互いに結合することができるように、角ピン119及び円柱形ハンマーピンの端部を受け入れるように構造化された開口部を有して形成される。加えて、本明細書で更に後述するように、角ピン119はまた、ラッチ動作中に駆動ラッチ102を直接駆動し、カム係合ピン182及びパドル係合ピン183は、ラッチ後に可動アセンブリ38をラッチ解除及び再閉鎖するために使用される(
図6A~
図6Dに関連して詳述する)。
【0025】
スイッチシャフト136は、直線的にのみ(すなわち、
図2Aに示す開放方向80及び閉鎖方向90にのみ)移動するように構成されており、
図5A~
図5Eを見ると、ラッチブロック101、駆動ラッチ102、及びハンマー118は、スイッチシャフト136の遠位端が常にハンマー角ピン119と内部ハンマーピン181との間に配置されるように構造化されていることが分かることに留意されたい。加えて、2つのハンマー平面側部180は、平面側部180の内部平坦面184及び外部平坦面185が、スイッチシャフト136が開放方向80又は閉鎖方向90に移動する経路と一致する任意の線に平行であるように、互いに平行に、かつスイッチシャフト132の移動経路に平行に配置されるように構造化される。各平面側部180について、平面側部180の内部平坦面184は、他方の平面側部180に面する表面である。すなわち、各平面側部180の内部平坦面184は、他方の平面側部180の内部平坦面184に面する。したがって、各平面側部180について、その平面側部180の外部平坦面185は、内部平坦面184の反対側に配置された平坦面である。
【0026】
ハンマー118の2つの平面側部180の各々は、近位縁部186及び遠位縁部187を更に備え、所与の平面側部180について、各近位縁部186及び各遠位縁部187は、平面側部180の内部平坦面184及び外部平坦面185に隣接し、それらの間に延在する。
図4では遠位縁部187のみが見えており、
図5Cでは近位縁部186及び遠位縁部187の両方がラベル付けされている。各近位縁部186は突起188(
図5Cにおいてラベル付けされている)を備え、その突起188は近位縁部186の隣接部分に対して凸状になっており、各遠位縁部187は窪み189(
図2A、
図4、及び
図5Cにおいて番号付けされている)を備え、その窪み189は遠位縁部187の隣接部分に対して凹状になっている。
【0027】
図5Aに示すように、各突起188は、曲率中心点191を備え、各窪み189は、曲率中心点192を備える(窪み189は、
図5Aでは番号付けされていない)。各ハンマー平面側部180について、突起188及び窪み189は、平面側部180を通って延在する角ピン119に隣接しており、その結果、突起曲率中心点191から窪み曲率中心点192まで延在する線(
図5Aに番号なしで示されている)は、角ピン119を通過しなければならない。前述のように、ラッチブロック101は、その遠位側に2つの凹部106を備え、これらの凹部106は、ラッチアセンブリ100が完全にラッチされた状態に配置されたとき、ハンマーの突起188を受け入れるように構造化される。これについては、
図5Eに関連して本明細書で更に詳述する。
【0028】
ラッチ動作に含まれる段部の詳細な説明を提供する前に、ラッチを容易にするスイッチシャフト136及び駆動ラッチ102の特定の特徴に留意されたい。
図2Aから分かるように、スイッチシャフト136は、幅が異なる少なくとも2つの部分、すなわち、第1の幅の第1の部分137と、第1の幅よりも大きい第2の幅の第2の部分138とを備えるように構造化されており、第1の部分137と第2の部分138との接合によって棚139(
図5A、
図5C、及び
図5Eでも番号付けされている)が形成されている。ラッチ102は、2つの段部、すなわち、閉鎖段部109(
図2Aにおいて番号付けされている)及びラッチ段部110(
図2Aにおいて番号付けされていないが、
図5A、
図5C、及び
図5Eにおいて番号付けされている)を含むように設計されており、閉鎖段部109及びラッチ段部110は、ライザ150(
図5A、
図5C、
図5E、及び
図5Fにおいて番号付けされている)によって互いに接合されている。閉鎖段部109、ラッチ段部110、及びライザ150は、内側表面107に形成され、可動アセンブリ38が閉鎖状態にあるか、完全にラッチされた開放状態にあるか、又は部分的にラッチされた開放状態にあるかに応じて、異なる時間に棚139に係合するように構造化される。
図2Aに示すように、駆動ラッチ102は、可動アセンブリ38が閉鎖状態にあるときに、その閉鎖段部109がスイッチシャフト136の棚139に係合するように構造化されており、
図5E~
図5Fに関して本明細書で更に後述するように、駆動ラッチ102は、ライザ150が棚139に係合し、開放ストロークが終わった後に可動アセンブリ38が跳ね返るときに、完全にラッチされた状態又は部分的にラッチされた状態のいずれかでスイッチシャフト136をラッチできるように、開放ストローク中に回転するように構成される。
【0029】
ラッチアセンブリ100の構成要素が、開放ストローク後に可動アセンブリ38をラッチするように機能する方法の詳細が、ここで提供される。まず
図5A及び
図5Bを参照すると、これらの図は、トムソン・コイル・アクチュエータ40又は低速開放ソレノイドアセンブリ50のいずれかが可動アセンブリ38(
図2A)の開放ストロークを開始することに起因して、スイッチシャフト136が完全な開放位置に向かって開放方向80に移動している初期の開放状態を示している。回路遮断器1の構成要素は、開放ストロークが開始されてスイッチシャフト136が開放方向80に移動するように推進されたときに、接点ばね60(
図2A)がスイッチシャフト136に対して力を及ぼし、それによってスイッチシャフト136が駆動ラッチ102の閉鎖段部109を押圧するように配置されている。
図5A及び
図5Bは、スイッチシャフト136が閉鎖段部109を押圧した直後に閉鎖段部109との接触を失い、開放ストロークの開始時に開放方向80への移動を開始することを示している。駆動ラッチ閉鎖段部109に対するスイッチシャフト136の押圧により、駆動ラッチ102の外側表面108がハンマー118の角ピン119に対して力を及ぼし、それによってハンマー118の開放回転シーケンスを開始する。ハンマー118の開放回転は、ラッチアセンブリ100がスイッチシャフト136を開放状態でラッチすることを可能にする回転であり、当該開放回転は、ハンマー118のカム係合ピン183を取り付けブロック124(取り付けブロック124は本明細書で後述する)から離れるように移動させる回転であり、当該開放回転は、
図5A~
図5Fに示す図に対して反時計回りである。スイッチシャフト棚139が駆動ラッチ閉鎖段部109から係合解除された(すなわち、接触を失った)後、開放方向80へのスイッチシャフト136の移動により、スイッチシャフト136の遠位端がリセットシャフト111を押圧する。
【0030】
スイッチシャフト136とリセットシャフト111との間の衝撃により、リセットシャフト111が、ハンマー118の開放回転を更に推進するラッチアセンブリ100の構成要素による一連の動作を開始する。具体的には、スイッチシャフト136とリセットシャフト111との間の衝撃により、リセットシャフト111とリセットレバー112との間の動作可能な結合に起因して、リセットレバー112が枢動する。リセットレバー112の枢動により、リセットレバー112と爪116との間の動作可能な結合に起因して、結果として爪116が枢動する。爪116の枢動により、爪116とハンマー118との間の動作可能な結合に起因して、結果としてハンマー118に回転力を及ぼす(前述のように、ハンマーの回転は、
図5A~
図5Fに示す図に対して反時計回りである)。爪116とハンマー118との間の動作可能な結合は、爪ピン117と、ハンマー118に形成された爪ピン開口部120の爪係合溝121との間の係合によって容易にされ、爪ピン開口部120は、爪ピン117を受け入れるように構造化されている(爪ピン開口部120及び爪係合溝121は、
図5B、
図5D、及び
図5Eにおいて番号付けされている)。ハンマーは、回転ピン122(
図5A~
図5Dにおいて番号付けされている)によって形成された固定軸の周りを回転し、その回転ピンは、アクチュエータハウジング15に固定して結合され、ハンマー118の平面側部180に形成された回転ピン開口部123(
図4において番号付けされている)を通して挿入されている。
【0031】
前述のように、回路遮断器1は、スイッチシャフト136が横方向に(すなわち、開放方向80又は閉鎖方向90に対して垂直に配置された任意の方向に)移動する能力を最小限に抑えることによって、スイッチシャフト136が直線的に(すなわち、開放方向80又は閉鎖方向90のいずれかに)のみ移動することを確実にするために、取り付けブロック124及び案内ピン126を更に含むことができる。取り付けブロック124は、アクチュエータハウジング15に固定して結合され、例えば、限定するものではないが、いくつかのピンで取り付けブロック124をハウジング15に固定することを含む任意の適切な方法を使用して結合することができる。取り付けブロック124は、ラッチブロック101の反対側に配置されたスイッチシャフト136の側部でスイッチシャフト136に対して横方向に位置決めされるように、ラッチブロック101に隣接して位置決めされる。案内ピン126はまた、アクチュエータハウジング15に固定して結合され、その案内ピン126は、回転ピン122の反対側かつ取り付けブロック124の反対側に配置されたスイッチシャフト136の側部に位置決めされることによって、スイッチシャフト136の直線移動を確実にすることが理解されよう。取り付けブロック124及び案内ピン126を含むことにより、駆動ラッチ102及びハンマー118が、ラッチアセンブリ100の適切な動作のために必要とされるように係合することも確実にする。
【0032】
再び
図2Aを参照すると、ハンマー平面側部180の遠位縁部187に形成された窪み189は、ラッチアセンブリ100が閉鎖状態にあるときに案内ピン126に係合するように構造化されており、ハンマー118は、ハンマーの窪み189が案内ピン126に係合する点を過ぎて(
図2Aに示す図に対して)時計回り方向に更に回転することができないことが理解されよう。ラッチブロック101、駆動ラッチ102、及びハンマー118はすべて、ハンマー118の角ピン119が常に駆動ラッチ102の外側部108(
図5A及び
図5C)に係合するように比例して構造化されており、したがって、ハンマー118が上述のように開放ストローク中に(
図5A~
図5Fに示す図に対して)反時計回りに回転すると、結果として生じる角ピン119の動きによって駆動ラッチ102も回転する。
【0033】
更に
図5A及び
図5Bを参照すると、スイッチシャフト136の遠位端がリセットシャフト111を最初に押圧しながら開放方向80に移動した後、スイッチシャフト136は、リセットレバー112、爪116、ハンマー118、及び駆動ラッチ102の後続の枢動及び回転が行われる間、開放方向80に短い距離だけ移動し続けることが理解されよう。スイッチシャフト136は、衝撃ワッシャ46(
図2A)がストッププレート48(
図2A)に衝突するまで、開放方向80に移動する。衝撃ワッシャ46とストッププレート48との間の衝撃により、スイッチシャフト136の跳ね返りを開始し、スイッチシャフトは、開放方向80への移動を停止し、次いで、閉鎖方向90への移動を開始する。
図5C及び
図5Dをそれぞれ
図5A及び
図5Bと比較すると、
図5C及び
図5Dは、
図5A及び
図5Bに対するハンマー118及び駆動ラッチ102の前述した開放回転を示していることが分かる。
【0034】
図5C及び
図5Dを参照すると、ラッチアセンブリ100は、スイッチシャフト136が跳ね返り始めるときまでにハンマー118が回転して、その角ピン119がラッチブロック101及び駆動ラッチ102の外側表面108に形成されたノッチ127の両方に向かってより近くに移動することを確実にするように構造化されている。角ピン119は、常に、すなわち閉鎖状態から開放ストロークを通して、かつ可動アセンブリ38の跳ね返りを通して、駆動ラッチ102の外側表面108と係合したままであることに留意されたい。駆動ラッチ102の外側表面108は、ラッチ段部110とノッチ127との間に延在する湾曲部分を備えることに留意されたい。外側表面108のこの湾曲部分は、頂点140、遠位部分142、及び近位部分144を備える(
図5Cは、頂点140、遠位部分142、及び近位部分144が番号付けされて示される唯一の図である)。遠位部分142は、ラッチ段部110と頂点140との間に延在し、近位部分144は、頂点140とノッチ127との間に延在する。
図5Cを
図5Aと比較すると、ハンマー118の開放回転が、角ピン119を外側表面遠位部分142(
図5A)との係合から外側表面近位部分144(
図5C)との係合に移動させることが理解されよう。
図5C及び
図5Dに示す状態は、スイッチシャフトを完全にラッチするプロセスにおける中間段階を示している(完全にラッチされた状態は
図5Eに示されている)。完全なラッチプロセス中にラッチアセンブリ100がとるこの中間状態は、
図5Cに示すように、ハンマー角ピン119と外側表面近位部分144との係合と、スイッチシャフト棚139と駆動ラッチ102のライザ150との間のギャップG1との両方によって識別されることができる。
【0035】
次に
図5Eを参照すると、完全にラッチされた開放状態が示されている。ラッチアセンブリ100の構成要素は、ラッチアセンブリ100が
図5C及び
図5Dに示す中間状態に達すると、スイッチシャフト136及びラッチアセンブリ100を完全にラッチされた構成に持っていく運動量を生成するように構造化及び構成される。特に、
図5Cを参照すると、角ピン119が駆動ラッチ外側表面108の近位部分144に係合するようにハンマー118が十分に回転すると(
図5Cに示す)、スイッチシャフト棚139と駆動ラッチライザ150との間にギャップ(すなわち、
図5Cに示すギャップG1)がある限り、ねじりばね及びカムアセンブリ(ねじりばね及びカムアセンブリは
図5Fにおいて番号付けされ、それに関して更に詳述されている)によって、ハンマー118に及ぼされる力により生じるモーメントアームは、
図5Eに示すように、角ピン119が駆動ラッチ102のノッチ127に係合するまで、ハンマー118を推進して回転させ続ける。
図5Cに加えて
図5Dを再び簡単に参照すると、ハンマー118が、角ピン119が駆動ラッチ外側表面108の近位部分144に係合するのに十分な距離を回転すると(
図5C)、爪ピン117は、ハンマー118の爪係合溝121から係合解除されるが(
図5Dでは、爪ピン117と爪係合溝121との間に形成されるギャップG2を参照)、爪ピン開口部120内に依然として残存していることに留意されたい。
【0036】
更に
図5Eを参照すると、完全にラッチされた状態では、ラッチブロック101の遠位側に形成された2つの凹部106(
図5Eでは見えないが、
図5Cに示され番号付けされている)がハンマーの突起188を受け入れており、このことにより、
図5Cに示す突起188の位置を
図5Eのその位置と比較することによって観察することができる(
図5Cに示す突起188は
図5Eでは見えない)ことに留意されたい。ハンマー角ピン119と駆動ラッチノッチ127との間の係合、及び駆動ラッチライザ150とスイッチシャフト棚139との間の係合は、スイッチシャフト136が閉鎖方向90へ更に移動するのを妨げ、したがって、
図6A~
図6Dに関して後述するように、ラッチ解除及び再閉鎖動作が意図的に開始されるまで、分離可能接点8が物理的に分離され、電気的に絶縁された状態が維持されることを確実にする。
【0037】
ラッチアセンブリ100は、開放ストロークがトムソン・コイル・アクチュエータ40によって開始される高速ストロークであるか、低速開放ソレノイドアセンブリ50によって開始される通常ストロークであるかにかかわらず、スイッチシャフト136を完全にラッチされた状態にラッチするように設計されていることに留意されたい。通常速度の開放ストローク中では、スイッチシャフト136は比較的遅い速度で移動し、跳ね返り時間は比較的長く、高速の開放ストローク中では、スイッチシャフト136は比較的速い速度で移動し、跳ね返り時間は比較的短い。スイッチシャフト136の通常の開放ストローク中のより遅い移動速度は、通常の開放ストローク中にハンマー118がよりゆっくりと回転するように、スイッチシャフト136がラッチアセンブリ100の構成要素に及ぼす力をより小さくする。しかしながら、スイッチシャフト136の開放ストローク中及び跳ね返り中のより遅い移動速度は、
図5Eに示すように、ラッチアセンブリ100がスイッチシャフト136を完全にラッチするために、ハンマー118が十分に回転するのに十分な時間を提供する。スイッチシャフト136の高速の開放ストローク中のより速い移動速度は、スイッチシャフト136がより速く跳ね返る結果となり、
図5Eに示すように、スイッチシャフト136を完全にラッチするために、ハンマー118が十分に回転する時間が少なくなる。しかしながら、スイッチシャフト136の高速の開放ストローク中のより速い移動速度はまた、スイッチシャフト136がラッチアセンブリ100の構成要素により大きい力を及ぼすことになるので、ハンマー118は、ラッチアセンブリが高速の開放ストローク中にスイッチシャフト136を完全にラッチすることができるように、より迅速に回転する。
【0038】
ここで
図5Fを参照すると、例示的な実施形態による、ラッチアセンブリ100及びスイッチシャフト136の部分的なラッチ状態が示されている。ラッチアセンブリ100は、通常の速度及び高速の開放ストロークの両方の後にスイッチシャフト136を完全にラッチするように構造化されているが、部品製造及び組み立てプロセスで生じる変動により、ラッチアセンブリ100の構造及び構成の変動を引き起こす可能性があることに留意されたい。部品の寸法及び位置合わせのわずかな変動であっても、ハンマー118が十分に回転するのを妨げ、跳ね返り時にスイッチシャフト136の完全なラッチを達成できない可能性がある。しかしながら、ラッチアセンブリ100は、ハンマー118がスイッチシャフト136を完全にラッチされた状態にラッチするのに十分な速さで回転できない場合に、スイッチシャフト136を
図5Fに示す部分的にラッチされた状態でラッチできるように有利に構造化されている。スイッチシャフトの完全なラッチを達成できないことは最悪の場合のシナリオではあるが、部分的なラッチが、分離可能接点が意図せずに再閉鎖するのを効果的に妨げるので、部分的なラッチは依然としてラッチ動作が成功したと見なされることに留意されたい。また、スイッチシャフト棚136と駆動ラッチライザ150との間の係合は、完全にラッチされた状態及び部分的にラッチされた状態の両方に共通であることに留意されたい。
【0039】
ラッチアセンブリ100がスイッチシャフト136を完全にラッチされた状態(
図5E)又は部分的にラッチされた状態(
図5F)にラッチするかどうかの決定要因は、ハンマー118が十分に回転して角ピン119が外側表面近位部分144に係合するときまでに、スイッチシャフト棚139と駆動ラッチライザ150との間にギャップ(すなわち、
図5CのギャップG1)が存在するか否かにある。
図5Fを参照すると、
図5Fに示す部分的にラッチされた状態は、ハンマー角ピン119が駆動ラッチの外側表面近位部分144と係合したとき、スイッチシャフト棚139が駆動ラッチ102のライザ150と係合することに起因するが、角ピン119は駆動ラッチ102のノッチ127と係合する前であることに留意されたい。別の言い方をすれば、部分的にラッチされた状態を引き起こす動作条件では、ハンマー118が十分に回転して角ピン119が外側表面近位部分144に係合するときまでに、スイッチシャフト棚139と駆動ラッチライザ150との間にギャップ(すなわち、
図5CのギャップG1)があることを防止し、これにより、ハンマー118がスイッチシャフト136を完全にラッチするために更に回転することができなくなる。
【0040】
更に
図5Fを参照すると、ラッチ動作に寄与する力のいくつかがここで詳述されている。回路遮断器1は、ハンマー・カム・アセンブリ193及びねじりばね196を更に備え、カムアセンブリ193は、カムシャフト194及びフォロワ195を備える。ねじりばねは、第1の端部197と、中央部分198と、第1の端部197の反対側に配置された第2の端部199とを備える。ばね中央部分198は、カムシャフト194に結合され、カムアセンブリ193のカムとして機能する。カムアセンブリ193及びねじりばね196は、各図を作成するために使用された切断面に応じて、
図5A~
図5Eのうちの一部のみでしか見ることができないことに留意されたい。ラッチプロセス中、ねじりばね196によって、カムフォロワ195を介してハンマー118のカム係合ピン182に力が及ぼされる。前述したように、ハンマー118は、アクチュエータハウジング15に固定して結合された回転ピン122によって形成された固定軸の周りを回転するように構造化されている。ラッチ中にねじりばね196によってカム係合ピン182に及ぼされる力は、カムフォロワ195からカム係合ピン182を通って延在する力作用線Fを生み出し、それによってモーメントアームMを作り出す。モーメントアームMは、力作用線Fから回転ピン122へ延在している。モーメントアームMは、
図5Fに示す図に関して正であることに留意されたい。
【0041】
スイッチシャフト136の部分的なラッチを示す
図5Fでは、力F及びモーメントアームMによって作り出されたモーメントがハンマー118を完全にラッチされた位置に回転させるのを妨げているのは、スイッチシャフト棚139と駆動ラッチライザ150との間の係合であることに留意されたい。更に、ラッチアセンブリ100の構成要素が、スイッチシャフト136の部分的なラッチではなく完全なラッチを可能にするのに十分迅速に移動する場合、力F及びモーメントアームMは、ハンマー118を
図5Cに示す状態から
図5Eに示す完全にラッチされた状態へと推進するものであることに留意されたい。
【0042】
次に、
図6A~
図6D及び
図2A~
図3を参照して、分離可能接点8の再閉鎖が望まれるときに行われるラッチ解除プロセスをここで詳細に説明する。まず
図6A及び
図6Bを参照すると、ラッチアセンブリ100及びスイッチシャフト136が完全にラッチされた状態にあるとき、低速開放ソレノイド52(
図2A~
図2B)及び閉鎖ソレノイド53(
図2B~
図3)が作動されると、ラッチ解除プロセスが開始する。まず、低速開放ソレノイド52には、通常速度の開放ストロークを作動させるために使用される電圧と比較して低減された低減電圧が供給される。低速開放ソレノイド52に低減された電圧が供給されると、低速開放ソレノイド52によってスイッチシャフト136に及ぼされる磁力が、スイッチシャフト136を開口部直下80にゆっくりと移動させるように作動させ、それにより、完全にラッチされた状態で、スイッチシャフト136及び駆動ラッチ102によって互いに及ぼされる力を除去する。
【0043】
次に、ソレノイドパドル54を作動させるために閉鎖ソレノイド53に電圧が供給される。閉鎖ソレノイド53に電圧が供給されると、閉鎖ソレノイド53はソレノイドリンク57に磁力を及ぼし、これによりパドルリンク58がソレノイドパドル54を回転させる。ソレノイドパドル54の回転は、パドルアーム56をその非作動位置(ソレノイドパドル54及びアーム56の非作動位置が
図5A~
図5Eに示されている)からハンマー118のパドル係合ピン183と係合するように回転させて、ハンマー角ピン119によって駆動ラッチ102に及ぼされるラッチ力を除去する。
【0044】
ラッチ解除プロセスは、ラッチアセンブリ100及びスイッチシャフト136が部分的にラッチされた状態(
図5F)にあるときと同様であるが、プロセスの開始時に追加の工程を伴う。ラッチ解除プロセスが始まるときに、ラッチアセンブリ100及びスイッチシャフト136が部分的にラッチされた状態にある場合、低速開放ソレノイド52の作動、及びスイッチシャフト136及び駆動ラッチ102によって互いに及ぼされたラッチ力の除去は、
図5Fに関して前述した正のモーメントアームMに起因して、ハンマー118を最初に、完全にラッチされた状態と同じ位置に回転させる(すなわち、ハンマー118が
図5Eに示す位置に達するように、ハンマー118を
図6A~
図6Dに示す図に対して反時計回りに回転させる)。次いで、電圧が閉鎖ソレノイド53に供給されると、プロセスが完全にラッチされた状態から開始するときに発生するのと同じ動作、すなわち、閉鎖ソレノイド53がソレノイドリンク57に磁力を及ぼし、これにより、パドルリンク58がソレノイドパドル54を回転させ、その結果、パドルアーム56がその非作動位置から先に述べたように回転してハンマー118のパドル係合ピン183と係合し、ハンマー角ピン119によって駆動ラッチ102に及ぼされたラッチ力を除去するという動作が発生する。
【0045】
更に
図6A及び
図6Bを参照し、併せて
図6C及び
図6Dを参照すると、ソレノイドアーム56がハンマー118を回転させて、ハンマー角ピン119が駆動ラッチ102のノッチ127から係合解除されると、
図6Cを
図6A及び
図6Bと比較することによって分かるように、この回転はまた、ハンマー118のカム係合ピン182を取り付けブロック124に向かってより近くに(すなわち、
図6A~
図6Dに示す図に対して時計回り方向に)移動させる。閉鎖ソレノイド53(
図2B)は、ハンマー・カム・アセンブリ193に動作可能に結合され、閉鎖ソレノイド53は、低速開放ソレノイド52と協調して作動され、それにより、ソレノイド・パドル・アーム56が、カム・アセンブリ・フォロワ195がハンマーカム係合ピン182に係合するようにハンマー118を十分に回転させると、カムアセンブリ193は、ハンマー118を更に回転させるためにカム係合ピン182に力を加えることができ、その結果、カム係合ピン182は、取り付けブロック124に向かって(すなわち、
図6A~
図6Dに示す図に対して時計回り方向に)更に近くに移動して閉鎖状態になる。
図6Dを
図6Cと比較すると、カム係合ピン182は、
図6Dの方が
図6Cよりも取り付けブロック124に近いことが分かる。
【0046】
図6Dを参照すると、ハンマー・カム・アセンブリ193がハンマー118をその閉鎖状態に回転させると、閉鎖ソレノイド53が作動停止される。閉鎖ソレノイド53の作動停止から生じる磁力の除去により、ソレノイドリンク戻しばね59が、ソレノイドパドル54及びパドルアーム56を作動停止位置(
図6Dに示す作動停止位置は、
図5A~
図5Eに示す位置と同じである)に戻し、ハンマー118のパドル係合ピン183から係合解除するように付勢することを可能にする。低速開放ソレノイド52もまた、閉鎖ソレノイド53が停止されると停止される。ハンマー118がその閉鎖状態に回転すると、ラッチプロセスの段階中に発生したリセットシャフト111、リセットレバー112、及び爪116の回転及び枢動が逆方向に発生する。すなわち、ハンマー118の回転が爪116を枢動させ、爪116の枢動が結果としてリセットレバー112を枢動させ、リセットレバー112の枢動が結果としてリセットシャフト111を回転させることになる。
【0047】
スイッチシャフト136及び駆動ラッチ102は、(
図6Aに示すように)低速開放ソレノイド52の作動に伴って発生する初期のラッチ解除後に、互いに係合されなくなることが理解されよう。初期のラッチ解除工程後のスイッチシャフト136の駆動ラッチ102からの係合解除、並びにハンマー118、爪116、リセットレバー112、及びリセットシャフト111の回転及び枢動により、リセットレバー111及びスイッチシャフト136が、リセットシャフト111が回転してリセットシャフト136の遠位端を押圧するように互いに接触し、リセットシャフト136を閉鎖方向90に移動させる。前述のように、回路遮断器1は、接点ばね60と、ばねフォーク62と、可動アセンブリ38がラッチされていないときに可動アセンブリ38を閉鎖状態に付勢するように構造化された伝達シャフト64とを含む。したがって、スイッチシャフト棚139と駆動ラッチ102との間の係合の欠如、及びスイッチシャフト136の遠位端に対するリセットレバー111の押動により、
図6Dに示すように、スイッチシャフト136を閉鎖方向90に移動させる。ラッチアセンブリ100は、ハンマー118が閉鎖位置に回転するときまでに、角ピン119が駆動ラッチ102を十分に回転させ、スイッチシャフト139が、
図2に示すように、駆動ラッチ102の閉鎖段部109がスイッチシャフト136のスイッチシャフト棚139にもう一度係合できるのに十分な距離を移動するように構造化されている。
【0048】
ここで
図7、
図8A~
図8B、及び
図9A~
図9Bを参照すると、dシャフト型ラッチアセンブリ200及びその構成要素が、
図2A~
図6Dに示すラッチ102及びラッチアセンブリ100の有利な特徴を強調するための基準として示されている。
図7は、回路遮断器用の既知のラッチアセンブリで使用されるdシャフト型ラッチを表すラッチブロック201及びdシャフト型ラッチ202を示し、
図8A~
図8B及び
図9A~
図9Bは、
図7に示すラッチブロック201及びdシャフトラッチ202を含むラッチアセンブリ200を示す。
図7に示すように、Dシャフトラッチ202は、複数の脚部203と、dシャフト204とを備える。脚部203は、ハンマー218の平面側部219とラッチアセンブリ200が取り付けられる回路遮断器の側壁との間の自由空間の量を減少させることによって、横方向(すなわち、dシャフト204の長手方向軸と一致する方向)へのdシャフトラッチ202の移動を制限する役割を果たす。ハンマー平面側部219は、結合ピン220によって互いに結合されており、結合ピン220の端部は、ハンマー平面側部219から横方向に延びていることに留意されたい。
【0049】
以下で更に詳述するように、ラッチアセンブリ200の構成要素が、開放ストローク中に必要とされるように正確に移動しない場合、dシャフトラッチ202の脚部203が望ましくない衝撃を受け、結果として変形を受ける可能性が高くなる。対照的に、ラッチアセンブリ100において、ラッチブロック101に形成されたウェル105内に駆動ラッチ102を結合することにより、駆動ラッチ102が横方向に(すなわち、ピン103の長手方向軸と一致する方向に)移動するのを妨げ、したがって、脚203に匹敵する追加の構成要素を駆動ラッチ102内に含める必要がなくなる。dシャフトラッチ202と比較して駆動ラッチ102の比較的合理的な設計、特に脚部203の排除は、ラッチ102及びラッチアセンブリ100の他の構成要素への損傷の可能性を大幅に減少させており、したがって、dシャフト型ラッチ及びラッチアセンブリよりも改良されていることを意味する。
【0050】
更に
図7~
図9Bを参照すると、ラッチアセンブリ200は、ラッチアセンブリ100と同様のいくつかの構成要素を備えており、構成要素の特定の詳細は、dシャフトラッチ202と駆動ラッチ102との間の構造上の差異により異なることが分かる。ラッチブロック201及びdシャフトラッチ202に加えて、ラッチアセンブリ200は、リセットシャフト211、リセットレバー212、爪216、及びハンマー218を備える。ラッチアセンブリ100の対応する構成要素と同様に、リセットシャフト211は、リセットレバー212に動作可能に結合され、リセットレバー212は、爪ばね215を介して爪216に更に動作可能に結合され、爪216は、爪ピン217を介してハンマー218に更に動作可能に結合される。加えて、ラッチアセンブリ200を使用する回路遮断器は、スイッチシャフト136と同様であり、スイッチシャフト136の代わりに配置されたスイッチシャフト236を含み、スイッチシャフト236の遠位端は、dシャフトラッチ202によってラッチされるのに適した設計上の特徴を含んでいる。
【0051】
ラッチアセンブリ200の構成要素は、ラッチアセンブリ100の対応する構成要素と同様に機能するように構造化されている。すなわち、ラッチアセンブリ200が意図されたように動作する場合、スイッチシャフト236の遠位端は、スイッチシャフト236が開放ストローク中に開放方向80に移動するときに、リセットシャフト211を押圧する。スイッチシャフト236とリセットシャフト211との間の衝撃は、結果として、リセットシャフト211を回転させ、それによって、リセットシャフト211とリセットレバー212との間の動作可能な結合により、リセットレバー212を枢動させる。リセットレバー212の枢動は、結果として、リセットレバー212と爪216との間の動作可能な結合により、爪216を枢動させる。爪216の枢動は、結果として、爪216とハンマー218との間の動作可能な結合に起因して、ハンマー218を回転させる(ハンマー218の回転方向は、
図8A~
図8Bに示す図に対して反時計回りである)。
【0052】
図8Aは、関連する可動アセンブリの開放ストロークが開始された後に、完全な開放位置に向かって開放方向80に移動するスイッチシャフト236を示し、
図9Aは、
図8Aの一部分の拡大図を示す。
図9Aを参照すると、スイッチシャフト236を適切にラッチし、跳ね返りを防止するために、
図9Aに示す開放ストロークの段階と開放ストロークの終了との間の時間において、dシャフトラッチ202は、ラッチ202のdシャフト204が、その円柱形表面244がスイッチシャフト236の第1の棚262が閉鎖方向90にかなりの距離を移動するのを妨げるために十分に回転することができるように、十分に大きく枢動しなければならないことが理解されよう。dシャフトラッチ202のdシャフト204の回転度合いは、dシャフト242の平坦縁部246の配置によって視覚的に判断することができる。
【0053】
次に、ラッチ動作に失敗した場合について、
図9Bを参照して説明する。
図9Bは、
図9Aに示すラッチアセンブリ200の同じ部分の拡大図を示すが、
図9Bは、誤作動により、dシャフトラッチ202が、開放ストロークの終了後にスイッチシャフト236をラッチするのに十分な時間内で適切な位置に移動するのを妨げられた後のラッチアセンブリ200を示している。すなわち、
図9Bは、跳ね返りの開始時に閉鎖方向90に移動するラッチ解除されたスイッチシャフト236を示しており、結果として、可動アセンブリ38が所望よりも更に閉鎖方向90に移動することになる。
【0054】
具体的には、
図9Bに示すように、ラッチアセンブリ200の構成要素が、dシャフト242の円柱形表面244がスイッチシャフト236の第1の棚262が閉鎖方向90に移動するのを妨げるのに十分な速さで移動しない場合、スイッチシャフト236は閉鎖方向90に移動し続ける。結果として、dシャフトの円柱形表面244がスイッチシャフト236の第2の棚264を妨げたときに初めて、スイッチシャフト236は閉鎖方向90への移動を停止する。すなわち、ラッチアセンブリ200がスイッチシャフト236の跳ね返りを防止できない場合、スイッチシャフト236は距離R(
図8Bにラベル付けされている)だけ跳ね返る。ハンマー結合ピン220の端部は、ハンマー平面側部219(
図7参照)から横方向に延在するので、意図しない跳ね返りは、結合ピン220の端部をdシャフトラッチ202の脚部203に衝突させ、したがって脚部203を損傷させる。
【0055】
駆動ラッチ102(
図4)をdシャフトラッチ202(
図7)と比較すると、ラッチアセンブリ100がラッチに対してより合理的な設計を提供することは明らかである。加えて、横方向の平面の観点から、駆動ラッチ102全体は、ハンマー118の2つの平面側部180の間に配置されるが、dシャフトラッチ202の大部分(例えば、脚部203)は、ハンマー218の2つの平面側部219の間に配置されない。ラッチアセンブリ100(
図5A~
図5Dに示す)及びラッチアセンブリ200(
図6A~
図8Bに示す)の機構を比較すると、駆動ラッチ102の合理的な設計及びハンマー118の平面側部180の間のその配置が、dシャフトラッチ202で発生し得るラッチ動作におけるいくつかの誤動作の原因を排除することは明らかである。意図しない跳ね返りを防止することに加えて、脚部203の省略及び駆動ラッチ102の改良された設計の他の特徴は、ラッチ動作中にラッチの構成要素が損傷する機会を完全に排除しないまでも、大幅に減少させ、保守及び修理の必要性を著しく減少させる。
【0056】
本発明の特定の実施形態について詳細に説明してきたが、当業者であれば、それらの詳細に対する様々な修正及び代替が、本開示の全体的な教示に照らして開発され得ることを理解するであろう。したがって、開示された特定の配置は、単に例示的なものであり、添付の特許請求の範囲の全容及びそれらの任意の及び全ての等価物を与えられる本開示の概念の範囲に関して限定されるものではないことを意味する。