(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181128
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】収容体
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20231214BHJP
B65D 81/26 20060101ALI20231214BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20231214BHJP
B65D 30/02 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B65D77/04 F
B65D81/26 F
B65D33/00 C
B65D30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094580
(22)【出願日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2022093637
(32)【優先日】2022-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100218855
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 政輝
(72)【発明者】
【氏名】掛谷 公一
(72)【発明者】
【氏名】木内 寛
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064AE14
3E064BA22
3E064BA60
3E064BB04
3E064BC18
3E064FA06
3E064HD07
3E064HE01
3E064HN06
3E064HP01
3E064HT08
3E067AA05
3E067AB01
3E067AB99
3E067BA12B
3E067BA12C
3E067BB14C
3E067BB24B
3E067BB24C
3E067BB30B
3E067CA08
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB07
3E067EB22
3E067EC33
3E067FA04
3E067FC01
3E067GD07
(57)【要約】
【課題】内袋部の破損による固形物の流出を抑えつつ、固形物が取り出しやすい収容体を提供すること。
【解決手段】固形物40と、固形物40を収容する収容部Aを有する収容袋10と、を備える収容体100であって、収容袋10は、対向配置された一対の非透水性樹脂シート1a,1bの少なくとも側端部がヒートシールされて構成され、収容部Aを封止する外袋部1と、一対の非透水性樹脂シート1a,1bの間において、樹脂製の多孔性シート21で構成され、外袋部1とともに収容部Aを形成する内袋部2と、を備え、内袋部2の側端部は、外袋部1の側端部において、一対の非透水性樹脂シート1a,1bの間に挟まれてヒートシールされており、内袋部2の上端部は、一対の非透水性樹脂シート1a,1bの対向面にヒートシールされて、収容部Aに収容される固形物40の周囲を周回する帯状のヒートシール部8を形成する、収容体100を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形物と、前記固形物を収容する収容部を有する収容袋と、を備える収容体であって、
前記収容袋は、
対向配置された一対の非透水性樹脂シートの少なくとも側端部がヒートシールされて構成され、前記収容部を封止する外袋部と、
前記一対の非透水性樹脂シートの間において、樹脂製の多孔性シートで構成され、前記外袋部とともに前記収容部を形成する内袋部と、を備え、
前記内袋部の側端部は、前記外袋部の側端部において、前記一対の非透水性樹脂シートの間に挟まれてヒートシールされており、
前記内袋部の上端部は、前記一対の非透水性樹脂シートの対向面にヒートシールされて、前記収容部に収容される前記固形物の周囲を周回する帯状のヒートシール部を形成する、収容体。
【請求項2】
前記外袋部が、前記外袋部の下端部と前記内袋部の下端部との間に切断予定部を有する、請求項1に記載の収容体。
【請求項3】
前記外袋部が、前記切断予定部の側端部に易開封加工部を有する、請求項2に記載の収容体。
【請求項4】
前記帯状のヒートシール部のヒートシール強度が20N/15mm以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項5】
前記外袋部及び前記内袋部がそれぞれポリオレフィン樹脂を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項6】
前記多孔性シートが細孔を有し、
前記細孔の平均面積が0.3mm2以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項7】
前記多孔性シートの引張強さが200N/50mm以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の収容体。
【請求項8】
前記帯状のヒートシール部は、前記非透水性樹脂シートを上下に二分する仮想線よりも下方に設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
観賞魚飼育用水槽内の底面に敷設される砂利等は、ペットショップ等で袋詰めにされて販売されている。砂利等を袋詰めした製品は、砂利等の内容物を袋詰めした後、製品の流通過程において、砂利同士が擦れ合うことにより砂利の表面が削られ、微粉末が生じる。この微粉末は、砂利の表面等に付着した状態で店頭に陳列されるが、微粉末が付着した砂利を水槽に投入すると水が濁るため、製品の購入者は、水槽に砂利を投入する前に微粉末を除去する必要がある。
【0003】
微粉末を除去する方法としては、例えば、透水性のシート部材からなる柔軟な内袋と、非透水性のシート部材からなる柔軟な外袋とを備える粒状物用包装袋を用いる方法が提案されている(特許文献1参照)。より具体例には、粒状物用包装袋の内袋に砂利を入れ、粒状物用包装袋の開口部から水等を流入させることにより微粉末を除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような包装袋で砂利を収容する場合、内袋には大きな負荷がかかる。包装袋を開封して砂利を洗浄する場合にも、洗浄中に砂利の突起等により内袋に設けられた細孔が大きく広げられたり、亀裂が生じたりすることにより微粉末と共に砂利が流出することが懸念される。また、砂利を洗浄した後、水槽に投入する際、透水性シート部材で構成される内袋が大きすぎると、砂利が透水性シートに引っかかって、砂利が取り出しにくくなる場合がある。
【0006】
そこで、本開示は、内袋部の破損による固形物の流出を抑えつつ、固形物が取り出しやすい収容体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面は、固形物と、固形物を収容する収容部を有する収容袋と、を備える収容体であって、対向配置された一対の非透水性樹脂シートの少なくとも側端部がヒートシールされて構成され、収容部を封止する外袋部と、一対の非透水性樹脂シートの間において、樹脂製の多孔性シートで構成され、外袋部とともに収容部を形成する内袋部と、を備え、内袋部の側端部は、外袋部の側端部において、一対の非透水性樹脂シートの間に挟まれてヒートシールされており、内袋部の上端部は、一対の非透水性樹脂シートの対向面にヒートシールされて、収容部に収容される固形物の周囲を周回する帯状のヒートシール部を形成する、収容袋を提供する。
【0008】
上記収容袋は、内袋部の上端部が、一対の非透水性樹脂シートの対向面にヒートシールされて、固形物の周囲を周回する帯状のヒートシール部を形成している。すなわち、固形物は、帯状のヒートシール部の下側(収容袋の下部側)において内袋部により保持され、帯状のヒートシール部よりも上側(収容袋の上部側)において外袋部により収容されている。このように、固形物の一部のみが多孔性シートで構成される内袋部に保持されることになるため、固形物と接する内袋部のサイズを小さくすることができる。そのため、固形物全体を内袋部で保持する場合に比べて、内袋部のサイズを小さくして内袋部を構成する多孔性シートの伸びを低減し、内袋部が破損するのを抑制することができる。これによって、内袋部の破損による固形物の流出を抑制することができる。また、多孔性シートで構成される内袋部のサイズを小さくすることが可能になるため、固形物を取り出す際に固形物が多孔性シートに引っかかりにくく、固形物を取り出しやすくすることができる。また、収容部に水が溜まりやすくなり、固形物を満遍なく洗浄することができる。また、多孔性シートとの摩擦によって固形物が傷ついたり、崩壊したりすることを抑制できる。
【0009】
上記収容袋において、外袋部は、外袋部の下端部と有底内袋部の下端部との間に切断予定部を有してよい。外袋部が切断予定部を有することにより、外袋部の下端部に排水口を円滑に形成することができる。これによって、固形物の洗浄作業を円滑に行うことができる。
【0010】
外袋部は、切断予定部の側端部に易開封加工部を有してもよい。外袋部が易開封加工部を有することにより、収容袋を開封しやすくなる。
【0011】
上記収容袋において、帯状のヒートシール部のヒートシール強度は20N/15mm以上であってよい。これにより内袋部と外袋部との密着性が十分に高くなり、固形物の質量が大きくても内袋部の上端部が外袋部を構成する一対の非透水性樹脂シートの対向面から剥離しにくくなる。
【0012】
上記収容袋において、外袋部及び内袋部はそれぞれポリオレフィン樹脂を含むものであってよい。これにより、外袋部と内袋部の密着性を十分に向上しつつ、強度、柔軟性、及び透明性を十分に高くすることができる。
【0013】
上記収容袋において、多孔性シートは細孔を有し、細孔の平均面積が0.3mm2以上であってよい。これにより、効率よく微粉末を排出することができる。
【0014】
上記収容袋において、多孔性シートの引張強さは200N/50mm以上であってよい。これにより、内袋部の破損をより抑制することができる。
【0015】
上記収容袋において、帯状のヒートシール部は、非透水性樹脂シートを上下に二分する仮想線よりも下方に設けられていてもよい。これにより、内袋部を構成する多孔性シートの伸びを一層小さくすることができる。これにより、内袋部の破損を十分に抑制することができる。また、収容袋の下端を切断して固形物を洗浄する際に、収容部に水が溜まりやすくなり、固形物を満遍なく洗浄することができる。
【発明の効果】
【0016】
内袋部の破損による固形物の流出を抑えつつ、固形物が取り出しやすい収容体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態に係る収容体を、外袋部の一部を切り欠いて示す図である。
【
図3】
図1に示される収容体の形状を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、場合により図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す符号の向きを基準とする。更に、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0019】
<収容体及び収容袋>
図1に示す収容体100は、収容袋10と収容袋10内に密封された固形物40とを備える。収容袋10は、対向配置された一対の非透水性樹脂シート1a,1bの側端部がヒートシールされて構成され、収容部Aを封止する外袋部1と、樹脂製の多孔性シート21を折り返した状態で一対の非透水性樹脂シート1a,1bの間に固定することによって形成され、固形物40を保持する内袋部2と、を備える。内袋部2の側端部は、外袋部1の側端部において、一対の非透水性樹脂シート1a,1bの間に挟まれてヒートシールされている。内袋部2の上端部は、一対の非透水性樹脂シート1a,1bの対向面にヒートシールされて、固形物40の周囲を周回する帯状のヒートシール部8を形成する。
図1では、外袋部1の切り欠いた部分のみから収容部Aに収容された固形物40が示されているが、外袋部1及び内袋部2を、透明性を有する樹脂で構成して、固形物40を収容体100の外側から視認できるようにしてもよい。
【0020】
図2及び
図3は、収容体100を非透水性樹脂シート1a側から見たときの図である。収容袋10(外袋部1)の側端部は、側端シール部4で構成されている。側端シール部4は、一対の非透水性樹脂シート1a,1bの側端部同士が収容袋10の正面視における縦方向(以下、単に縦方向ともいう。)に沿ってヒートシールされた部分である。
【0021】
側端シール部4の幅(
図3に示す幅Wa)は、例えば、十分なシール強度を達成する観点から、5mm以上であってもよく、10mm以下であってもよい。側端シール部4の長さ(
図3に示す長さLa)は、外袋部1の縦方向の長さと略同一である。側端シール部4の長さLaは、例えば、180mm以上又は230mm以上であってもよく、350mm以下又は300mm以下であってもよい。
【0022】
収容袋10(外袋部1)の上端部及び下端部は、それぞれ上端シール部5及び下端シール部6で構成されている。上端シール部5及び下端シール部6は、それぞれ一対の非透水性樹脂シート1a,1bの上下端部同士を収容袋10の正面視における横方向(以下、単に横方向ともいう。)に沿ってヒートシールした部分である。本明細書において、側端シール部4と上端シール部5とが交わる領域は、側端シール部4と上端シール部5のいずれの領域にも該当するものとする。側端シール部4と下端シール部6とが交わる領域は、側端シール部4と下端シール部6のいずれの領域にも該当するものとする。
【0023】
上端シール部5の幅(
図3に示す幅Wb)、及び下端シール部6の幅(
図3に示す幅Wc)は、それぞれ独立に、十分なシール強度を達成する観点から、例えば、5mm以上であってもよい。上端シール部5の幅及び下端シール部6の幅は、それぞれ独立に、10mm以下であってもよい。上端シール部5及び下端シール部6の長さ(
図3に示す長さLb)は、外袋部1の横方向の長さと略同一であってもよい。上端シール部5及び下端シール部6の長さLbは、例えば、150mm以上又は200mm以上であってもよく、280mm以下又は230mm以下であってもよい。
【0024】
内袋部2は、下端において一つの谷折り部2aを有する。内袋部2の下端から外袋部1の下端までの距離(
図3に示す距離Da)は、例えば、5mm以上であってもよく、50mm以下であってもよい。
【0025】
収容袋10は、外袋部1の下端部と内袋部2の下端部(谷折り部2a)との間に切断予定部50を有していてもよい。切断予定部50は、外袋部1の下端に沿って延びる切断予定線であってよい。切断予定部50は、ハーフカット線で構成されていてもよいし、印刷等で描かれた直線、点線又は破線であってもよい。外袋部1が切断予定部50を有することにより、外袋部1の下端部を切り取って、固形物40を洗浄して生じる洗浄水を排水するための排水口を円滑に形成することができる。切断予定部50によって切断され、収容袋10から切除される領域を切除領域という。
【0026】
外袋部1は、側端シール部4(第3側端シール部4c)に易開封加工部7を有してもよい。易開封加工部7は、例えば、ノッチ、ハーフカット、開封箇所を示す刻印等であってもよい。切断予定部50は、易開封加工部7を起点として外袋部1の下端に沿って延びていてよい。易開封加工部7を有することにより、収容袋10を開封しやすくなる。本実施形態では易開封加工部7は一方の第3側端シール部4cにのみ設けられているが、変形例では両方の第3側端シール部4cに設けられていてよい。別の変形例では、易開封加工部7又は切断予定部50は設けられていなくてもよい。
【0027】
内袋部2の側端部は、一対の非透水性樹脂シート1a,1bの間に挟まれてヒートシールされている。すなわち、側端シール部4は、非透水性樹脂シート1a,1bが、内袋部2を構成する多孔性シート21を介してヒートシールされている第1側端シール部4a、並びに、非透水性樹脂シート1a,1b同士が直接接するようにヒートシールされている第2側端シール部4b及び第3側端シール部4cを有する。第1側端シール部4aは、第2側端シール部4bと第3側端シール部4cとの間に位置する。
【0028】
第1側端シール部4aの長さ(
図3に示す長さLc)は、内袋部2の縦方向の長さと略同一である。第1側端シール部4aの長さLcは、例えば、40mm以上又は50mm以上であってもよく、200mm以下であってもよい。長さLcが200mm以下であることにより、内袋部2と固形物40との接触面積が十分に少なくなるため、内袋部2の破損による固形物40の流出をより抑えることができる。長さLcが40mm以上であることにより、内袋部2の表面積が大きくなることから排水効率を高くすることができる。
【0029】
内袋部2の上端部は、一対の非透水性樹脂シート1a,1bの対向面(内側表面)にヒートシールされ、帯状のヒートシール部8を形成している。すなわち、帯状のヒートシール部8は、非透水性樹脂シート1aと内袋部2の上端部とがヒートシールされているシール部8a、及び非透水性樹脂シート1bと内袋部2の上端部とがヒートシールされているシール部8bで構成されている。シール部8aとシール部8bは第1側端シール部4aにおいて繋がっている。これによって、ヒートシール部8は、収容部Aに収容される固形物40の周りを周回している。本明細書において、側端シール部4(第1側端シール部4a)と帯状のヒートシール部8(シール部8a,8b)とが交わる領域は、側端シール部4と帯状のヒートシール部8のいずれの領域にも該当するものとする。
【0030】
帯状のヒートシール部8の長さ(
図3に示す長さLd)は、内袋部2の横方向の長さと略同一であってよく、下端シール部6の長さLbと略同一であってもよい。帯状のヒートシール部8の長さLdは、例えば、150mm以上又は200mm以上であってもよく、280mm以下又は230mm以下であってもよい。
【0031】
帯状のヒートシール部8のヒートシール強度は、20N/15mm以上、30N/15mm以上、又は40N/15mm以上であってもよい。このようなヒートシール部8を有する収容袋10は、外袋部1と内袋部2との密着性に十分に優れる。したがって、密度が大きな固形物40を収容しても、内袋部2を外袋部1に固定するヒートシール部8が剥離することを十分に抑制することができる。帯状のヒートシール部8のヒートシール強度は、100N/15mm以下、70N/15mm以下、又は50N/15mm以下であってもよい。
【0032】
帯状のヒートシール部は8、非透水性樹脂シート1a,1bを上下に二分する仮想線VL(
図2)よりも下方に形成されてよい。これによって、内袋部2を構成する多孔性シート21の伸びを一層小さくすることができる。これによって、内袋部2の破損を十分に抑制することができる。また、収容袋10の下端を切断して固形物40を洗浄する際に、収容部Aに水が溜まりやすくなり、固形物40を満遍なく洗浄することができる。
【0033】
外袋部1の上端から帯状のヒートシール部8の上端までの距離(
図3に示す距離Db)は、例えば、20mm以上であってもよい。外袋部1の上端から帯状のヒートシール部8の上端までの距離が長くなることによって、多孔性シート21のサイズを小さくしても収容袋10の容量を維持することができる。これによって固形物40を取り出す際に固形物40が内袋部2を構成する多孔性シート21により引っかかりにくくすることができる。また、多孔性シート21のサイズを小さくすることにより排水量が少なくなるため、収容部Aに水が溜まりやすくなり、固形物40を満遍なく洗浄することができる。距離Dbは、260mm以下又は250mm以下であってもよい。外袋部1の上端から帯状のヒートシール部8の上端までの距離が短くなることによって、収容袋10にユーザーが手等を挿入して、固形物40を洗浄しやすくなる。
【0034】
図1及び
図4に示すように、収容袋10は、外袋部1と内袋部2とで形成される収容部Aを有する。
図4に示すように非透水性樹脂シート1a,1bは、シーラント層31と基材層32とが積層されている積層シートで構成されている。また、
図4に示すような断面において内袋部2はV字形状を呈している。収容部Aは、固形物40が充填されている充填部と、充填部の上方に隙間部とを有する。帯状のヒートシール部8は、固形物40の周囲を周回している。すなわち、固形物40は、帯状のヒートシール部8を超えて、収容部Aにおける帯状のヒートシール部8と上端シール部5との間まで充填されている。
【0035】
内袋部2は下端に谷折り部2aを有する。谷折り部2aは下端シール部6に沿うように延びている。多孔性シート21は、谷折り部2aが形成されるように折り返された状態で、側端部と上端部とがそれぞれヒートシールで固定されている。谷折り部2aと下端シール部6との間に隙間を設けることによって、切断予定部50による切断を円滑に行うことができる。
【0036】
収容袋10の側端シール部4、上端シール部5、下端シール部6、及び帯状のヒートシール部8は、それぞれ同様のヒートシール条件で形成されていてもよく、異なるヒートシール条件で形成されていてもよい。側端シール部4、上端シール部5、下端シール部6、及び帯状のヒートシール部8は、それぞれ、例えば、温度120~150℃、時間0.3~1.5秒、圧力0.2~0.5MPaの条件でヒートシールされて形成されていてもよい。
【0037】
図5は、第2側端シール部4bとこれに隣接する非シール部の断面図である。第3側端シール部4cも第2側端シール部4bと同様の構造を有する。第2側端シール部4b及び第3側端シール部4cでは、非透水性樹脂シート1a,1bそれぞれのシーラント層31同士が直接接するようにヒートシールされている。第2側端シール部4b及び第3側端シール部4cは、基材層32、シーラント層31、シーラント層31、及び基材層32をこの順に有する積層構造を有している。
【0038】
図6は、第1側端シール部4aとこれに隣接する非シール部の断面図である。第1側端シール部4aでは、非透水性樹脂シート1aと多孔性シート21、非透水性樹脂シート1bと多孔性シート21、及び多孔性シート21同士が、それぞれ直接接するようにヒートシールされている。第1側端シール部4aは、基材層32、シーラント層31、多孔性シート21、多孔性シート21、シーラント層31、及び基材層32をこの順に有する積層構造を有している。
【0039】
<非透水性樹脂シート>
一対の非透水性樹脂シート1a,1bは、それぞれ基材層32と、シーラント層31とを少なくとも含む積層体であってもよいし、基材層32とシーラント層31の間にその他の層を有する積層体であってもよい。
【0040】
[基材層]
基材層32は、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等を含む樹脂層であってもよく、ポリアミドを含む樹脂層であってもよい。ポリアミドとしては、ナイロンが挙げられる。基材層32におけるポリアミドの含有量は、基材層32の全量を基準として、85~100質量%、又は90~100質量%であってもよい。
【0041】
基材層32は、上記の樹脂以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤等が挙げられる。基材層32におけるその他の成分の含有量は、基材層32の全量を基準として、0~15質量%、又は0~10質量%であってもよい。
【0042】
基材層32の融点は、ヒートシール時に、基材層32の溶融を抑制する観点から、シーラント層31の融点よりも高くてもよい。基材層32の融点は、例えば、シーラント層31の融点より10℃以上高くてもよく、15℃以上高くてもよく、20℃以上高くてもよい。基材層32の融点は、例えば、160℃以上であってもよく、240℃以下であってもよい。基材層32の融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
【0043】
基材層32の厚さは、例えば、5~50μmであってもよい。
【0044】
基材層32は、未延伸のフィルムであってもよい。基材層32が未延伸のフィルムであることで、樹脂の配向性がほとんどなく、引っ張りやせん断のような外部応力に対して伸びやすく、破断しにくい。基材層32は、単一の層であってよく、複数の層で形成されていてもよい。
【0045】
[シーラント層]
シーラント層31は、例えば、ポリオレフィン樹脂を含む層であってもよく、ポリエチレン樹脂を含む層であってもよい。シーラント層31が、ポリエチレン樹脂を含む層である場合、ポリエチレン樹脂は、石油由来のものに限定されず、その一部又は全部が生物由来の樹脂材料(例えば、バイオマス由来のエチレンを原材料に用いたバイオマスポリエチレン)であってもよい。
【0046】
シーラント層31は、ポリエチレン樹脂として、例えば、密度が0.925g/cm3未満であるポリエチレン樹脂を含んでもよく、密度が0.90~0.92g/cm3のポリエチレン樹脂を含んでもよい。シーラント層31は、ポリエチレン樹脂として、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE)等を含んでもよく、これらの混合物であってもよい。シーラント層31におけるポリオレフィン樹脂の含有量は、基材層32の全量を基準として、85~100質量%、又は90~100質量%であってもよい。
【0047】
シーラント層31は、ポリオレフィン樹脂以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、スリップ剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、光安定剤、脱水剤、粘着付与剤、結晶核剤、可塑剤等の添加剤が挙げられる。シーラント層31におけるその他の成分の含有量は、シーラント層31の全量を基準として、0~15質量%、又は0~10質量%であってもよい。
【0048】
シーラント層31の融点は、ヒートシール時に、シーラント層31を基材層32よりも優先的に溶融させる観点から、基材層32の融点よりも低くてもよい。シーラント層31の融点は、例えば、基材層32の融点より10℃以上低くてもよく、15℃以上低くてもよく、20℃以上低くてもよい。シーラント層31の融点は、110℃以上であってもよく、125℃以下であってもよい。シーラント層31の融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
【0049】
シーラント層31の厚さは、例えば、20~200μm、又は50~150μmであってもよい。
【0050】
(その他の層)
積層体は、基材層32とシーラント層31との間に接着層(不図示)を更に含んでもよい。接着層を形成する接着剤は、接着方法に合わせて選定することができるが、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤等を用いることができる。このような接着層を設けることで、基材層32とシーラント層31との密着性を高くしてデラミネーションしにくくなり、耐圧性及び耐衝撃性がより向上する。
【0051】
積層体は、例えば、水蒸気及び酸素に対するガスバリア性向上の観点から、ガスバリア層を更に含んでもよい。ガスバリア層は、基材層32とシーラント層31との間に設けられてもよく、基材層32のシーラント層31とは反対側の面に設けられてもよい。積層体がガスバリア層を含むことで、内容物の水蒸気及び酸素による劣化を抑制し、長期的に品質を保持しやすくなる。
【0052】
ガスバリア層の一例として、無機酸化物の蒸着層が挙げられる。無機酸化物の蒸着層を用いることにより、ごく薄い層で、高いバリア性を得ることができる。無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、及び酸化錫が挙げられる。透明性及びバリア性の観点から、無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、及び酸化マグネシウムからなる群より選択されてもよい。無機酸化物の蒸着層の厚さは、例えば、5~100nm、又は10~50nmであってもよい。無機酸化物の蒸着層の厚さが5nm以上であることで優れたバリア性を得やすく、無機酸化物の蒸着層の厚さが100nm以下であることで積層体の可撓性を維持しやすい。蒸着層は、例えば、物理気相成長法、化学気相成長法等によって形成することができる。
【0053】
積層体は、無機酸化物の蒸着層に代えて、又は無機酸化物の蒸着層に加えて、金属層(金属箔)を含んでもよい。金属層としては、アルミニウム、ステンレス鋼等からなる各種金属箔を用いることができ、防湿性、延展性等の加工性及びコスト等の観点から、アルミニウム箔であってもよい。アルミニウム箔としては、軟質アルミニウム箔を用いることができる。アルミニウム箔は、耐ピンホール性及び成型時の延展性が優れる観点から、鉄を含んでもよい。金属層の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性等の観点から、7~50μm、又は9~15μmであってもよい。
【0054】
積層体は、基材層32とシーラント層31との間にアンカーコート層を備えていてもよい。アンカーコート層は、アンカーコート剤を用いて形成することができる。アンカーコート剤としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、及びポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。アンカーコート剤としては、耐熱性及び層間接着強度の観点から、アクリルウレタン系樹脂及びポリエステル系ポリウレタン樹脂の少なくとも一方であってもよい。アンカーコート層は、積層体のリサイクル性に影響を与えない範囲のごく薄い層であってもよい。
【0055】
積層体は、印刷層を更に含んでもよい。印刷層は、基材層32とシーラント層31との間に設けられてもよく、基材層32のシーラント層31とは反対側の面に設けられてもよい。
【0056】
<多孔性シート>
多孔性シート21は、例えば、複数の細孔を有し、非透水性樹脂シートとヒートシールできる樹脂シート(透水性シート)である。多孔性シートを構成する樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が挙げられる。多孔性シート21は、樹脂シートに複数の細孔を形成して作製してもよく、市販品であってもよい。多孔性シート21の市販品としては、ENEOSテクノマテリアル株式会社製のワリフ及びCLAF(ともに商品名)が挙げられる。多孔性シート21は単一の層であってよく、細孔を有する複数の層で形成されていてもよい。
【0057】
多孔性シート21の細孔の平均面積は、収容する固形物40の大きさに応じて決定される。細孔の平均面積は、効率よく微粉末を排出する観点から、0.1mm2以上、0.2mm2以上、又は0.3mm2以上であってもよい。細孔の平均面積は、収容する固形物40が流出することを抑制する観点から、4mm2以下又は1mm2以下であってもよい。細孔の平均面積は、多孔性シート21において任意に選択される10個の細孔を目視又は顕微鏡で確認して測定されるそれぞれの細孔面積の算術平均値を意味する。
【0058】
多孔性シート21の開口率は、収容する固形物の大きさに応じて決定される。多孔性シートの開口率は、効率よく微粉末を排出する観点から、20%以上であってもよい。多孔性シートの開口率は、収容する固形物が流出することを抑制する観点から、70%以下であってもよい。多孔性シートの開口率は、多孔性シートの表面において、1cm×1cmの範囲を顕微鏡で観察したときの細孔の面積割合を意味する。
【0059】
多孔性シート21の引張強度は、内袋部の破損をより抑制することができる観点から、200N/50mm以上、210N/50mm以上、又は220N/50mm以上であってもよい。
【0060】
多孔性シート21の厚さは、例えば、3~30μmであってもよい。多孔性シート21は、メッシュ状のシートであってもよいし、樹脂製シートにパンチ穴を設けたものであってもよい。
【0061】
<固形物>
固形物40としては例えば粒状物が挙げられる。固形物40は、例えば砂利、食料品であってもよい。食料品としては、米、漬物、冷凍食品等が挙げられる。水又はお湯等と直接接触させることが必要な固形物40が好適である。
【0062】
収容袋10に収容される固形物40の量は、収容袋10の大きさに応じて決定してよく、例えば、0.5~10kgであってもよい。収容袋10に収容される固形物40の大きさは特に限定されず、例えば、最大径が0.5~10mmであってもよい。固形物40の最大径は、固形物40を顕微鏡で観察して測定することができる。固形物が球状ではない場合、二次元画像に示される固形物の外接円を描き、当該外接円の直径として測定することができる。このようにして測定される直径の最大値の最大径とする。
【0063】
収容体100の使用方法の一例を説明する。上端シール部5を開封して収容体100の収容部Aを開放する。切断予定部50と同様のものを、上端シール部5の下側に設け、上端シール部5を切り取って収容部Aを開封してもよい。続いて、外袋部1を切断予定部50に沿って切断し、収容体100の下部も開放する。収容体100の上方から水(例えば水道水)を導入し、固形物40を洗浄する。洗浄によって生じる洗浄水は、主として内袋部2の谷折り部2aを通過して、収容体100から導出される。このようにして、固形物40を洗浄することができる。洗浄時にも固形物40は内袋部2で保持されるため、固形物40が流出することを抑制できる。
【0064】
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、外袋部の両側端部及び上下端部の少なくとも一つはヒートシールされていなくてもよい。二方袋を用いて外袋部を形成すれば、下端部にヒートシール部を設けることなく固形を密封することができる。
【0065】
本開示は以下の[1]~[8]の内容を含む。
[1]固形物と、前記固形物を収容する収容部を有する収容袋と、を備える収容体であって、
前記収容袋は、
対向配置された一対の非透水性樹脂シートの少なくとも側端部がヒートシールされて構成され、前記収容部を封止する外袋部と、
前記一対の非透水性樹脂シートの間において、樹脂製の多孔性シートで構成され、前記外袋部とともに前記収容部を形成する内袋部と、を備え、
前記内袋部の側端部は、前記外袋部の側端部において、前記一対の非透水性樹脂シートの間に挟まれてヒートシールされており、
前記内袋部の上端部は、前記一対の非透水性樹脂シートの対向面にヒートシールされて、前記収容部に収容される前記固形物の周囲を周回する帯状のヒートシール部を形成する、収容体。
[2]前記外袋部が、前記外袋部の下端部と前記内袋部の下端部との間に切断予定部を有する、[1]に記載の収容体。
[3]前記外袋部が、前記切断予定部の側端部に易開封加工部を有する、[2]に記載の収容体。
[4]前記帯状のヒートシール部のヒートシール強度が20N/15mm以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の収容体。
[5]前記外袋部及び前記内袋部がそれぞれポリオレフィン樹脂を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の収容体。
[6]前記多孔性シートが細孔を有し、
前記細孔の平均面積が0.3μm以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の収容体。
[7]前記多孔性シートの引張強さが200N/50mm以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の収容体。
[8]前記帯状のヒートシール部は、前記非透水性樹脂シートを上下に二分する仮想線よりも下方に設けられている、[1]~[7]のいずれかに記載の収容体。
【実施例0066】
実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明するが、本開示は下記の実施例に限定されるものではない。
【0067】
(実施例1)
非透水性樹脂シートとしてナイロン層(厚さ15μm)とLLDPE層(厚さ80μm)の樹脂フィルムを準備した。樹脂フィルムを200mm×280mmにカットし、これを2枚作製した。また、多孔性シートとしてENEOSテクノマテリアル株式会社製のワリフHS24(細孔の平均面積0.3mm2、引張強度225N/50mm)を準備し、ワリフを200mm×200mmにカットした。
【0068】
カットしたワリフを半分に折り、樹脂フィルム(横200mm×縦280mm)/半分に折ったワリフ(横200mm×縦100mm)/樹脂フィルム(横200mm×縦280mm)の順に積層した。このとき、半分に折ったワリフの折り目側を下端、折り目側とは反対側を上端として、ワリフの上端を、樹脂フィルムの下端から140mmの位置に配置した。このとき、ワリフの下端と樹脂フィルムの下端との間に横200mm×縦30mmの切除領域を設けた。ワリフの上端と樹脂フィルムとを120℃、0.5秒、0.3MPa、幅10mmの条件でヒートシールして帯状のヒートシール部を形成した。次いで、一対の樹脂フィルム及びワリフの横方向の両端を揃えた状態で両側端部、及び一対の樹脂フィルムの縦方向の下端部をそれぞれ120℃、0.5秒、0.3MPa、幅10mmの条件でヒートシールした。これによって、側端シール部と下端シール部を形成した。このようにして、収容袋を作製した。
【0069】
(実施例2)
樹脂フィルムを230mm×350mmにカットし、ワリフを230mm×200mmにカットし、樹脂フィルム(横230mm×縦350mm)/半分に折り畳んだワリフ(横230mm×縦100mm)/樹脂フィルム(横230mm×縦350mm)の順に積層し、横230mm×縦30mmの切除領域を設けたこと以外は実施例1と同様にして収容袋を作製した。
【0070】
(実施例3)
樹脂フィルムを200mm×315mmにカットしたこと、多孔性シートとして萩原工業株式会社製のPEメルタッククロスNATURAL(細孔の平均面積0.3mm2、引張強度221N/50mm)を用いたこと、多孔性シートを200mm×100mmにカットしたこと、樹脂フィルム(横200mm×縦315mm)/半分に折った多孔性シート(横200mm×縦50mm)/樹脂フィルム(横200mm×縦315mm)の順に積層して収容袋を作製したこと以外は実施例1と同様にして収容袋を作製した。
【0071】
(実施例4)
多孔性シートを200mm×130mmにカットしたこと、樹脂フィルム(横200mm×縦315mm)/半分に折った多孔性シート(横200mm×縦65mm)/樹脂フィルム(横200mm×縦315mm)の順に積層して収容袋を作製したこと以外は実施例3と同様にして収容袋を作製した。
【0072】
(実施例5)
樹脂フィルムを160mm×265mmにカットしたこと、多孔性シートを160mm×100mmにカットしたこと、樹脂フィルム(横160mm×縦265mm)/半分に折った多孔性シート(横160mm×縦50mm)/樹脂フィルム(横160mm×縦265mm)の順に積層して収容袋を作製したこと以外は実施例3と同様にして収容袋を作製した。
【0073】
(実施例6)
樹脂フィルムを160mm×265mmにカットしたこと、多孔性シートを160mm×130mmにカットしたこと、樹脂フィルム(横160mm×縦265mm)/半分に折った多孔性シート(横160mm×縦65mm)/樹脂フィルム(横160mm×縦265mm)の順に積層して収容袋を作製したこと以外は実施例3と同様にして収容袋を作製した。
【0074】
固形物として砂利A(比重1.4、粒径3~5mm)と、砂利B(比重0.8、粒径2~4mm)とを用意した。砂利Aは微粉が少なく、砂利は丸みを帯びた形状であった。砂利Bは微粉が多く、突起を有する砂利が多く存在した。実施例1、5、及び6で作製した収容袋に砂利A又は砂利Bを1kg入れて2つの収容体を得た。また、実施例2~4で作製した収容袋に砂利A又は砂利Bを2kg入れて2つの収容体を得た。
【0075】
<評価>
[水抜け]
固形物を収容した収容袋の上端から水道水を10L/minの速度で導入し、収容袋の水抜け性を評価した。水抜け性は、水道水を15秒間導入した後、導入を停止してから30秒以内に全ての水道水が排出された場合を評価A、30秒を超える場合を評価Bとして評価した。評価結果を表1に示す。
【0076】
[微粉除去]
固形物を収容した収容袋の上端から水道水を10L/minの速度で導入し、15秒間固形物を洗浄し、微粉除去性を評価した。微粉除去性は、洗浄した後の固形物を水槽に入れたときに、水槽の水が透明であった場合を評価A、水槽の水が濁った場合を評価Bとして評価した。評価結果を表1に示す。
【0077】
[強度]
固形物を収容した収容袋の上端から水道水を30L/minの速度で導入することにより強度を評価した。強度は、内袋部の破損、細孔の変形、及び外袋部の破れが確認できない場合を評価A、内袋部の破損、細孔の変形、及び外袋部の破れのいずれかが確認できた場合を評価Bとして評価した。評価結果を表1に示す。
【0078】
[ヒートシール強度]
JIS Z0238:1998に準拠して帯状のヒートシール部のヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度は、剥離速度300mm/分でT字剥離した時の最大荷重とした。測定結果を表1に示す。
【0079】
1…外袋部、1a,1b…非透水性樹脂シート、2…内袋部、4…側端シール部、4a…第1側端シール部、4b…第2側端シール部、4c…第3側端シール部、5…上端シール部、6…下端シール部、7…易開封加工部、8…帯状のヒートシール部、10…収容袋、21…多孔性シート、31…シーラント層、32…基材層、40…固形物、50…切断予定部、100…収容体、A…収容部。