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特開2023-181153電気的接続構造及びウェアラブルデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181153
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】電気的接続構造及びウェアラブルデバイス
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/22 20060101AFI20231214BHJP
   G02C 5/00 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
G02C5/22
G02C5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095820
(22)【出願日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2022094209
(32)【優先日】2022-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】310024066
【氏名又は名称】太陽インキ製造株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592013174
【氏名又は名称】大英エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(74)【代理人】
【識別番号】100135862
【弁理士】
【氏名又は名称】金木 章郎
(72)【発明者】
【氏名】米田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】杉田 直也
(72)【発明者】
【氏名】山本 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】北郷 和英
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006AC00
2H006CA00
(57)【要約】
【課題】 安定した電気的な接続状態を維持できる電気的接続構造及びウェアラブルデバイスを提供する。
【解決手段】 第1導電面を有する第1部材と、前記第1部材に対して変位可能であり、かつ、第2導電面を有する第2部材と、を備え、前記第1部材に対する前記第2部材の変位に応じて、前記第1導電面と前記第2導電面との間の距離が変わり、前記第1部材と前記第2部材とが離隔しかつ向かい合った状態で近づくことで、前記第1導電面と前記第2導電面とが互いに向かい合いつつ当接して電気的に接続される。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電面を有する第1部材と、
前記第1部材に対して変位可能であり、かつ、第2導電面を有する第2部材と、を備え、
前記第1部材に対する前記第2部材の変位に応じて、前記第1導電面と前記第2導電面との間の距離が変わり、
前記第1部材と前記第2部材とが離隔しかつ向かい合った状態で近づくことで、前記第1導電面と前記第2導電面とが互いに向かい合いつつ当接して電気的に接続される、電気的接続構造。
【請求項2】
前記第1導電面と前記第2導電面とが接触した状態のときには、前記第1導電面及び前記第2導電面は、前記第1部材と前記第2部材と重なる、請求項1に記載の電気的接続構造。
【請求項3】
前記第2部材は、前記第1部材に対して回転可能に軸支する軸支部を更に備え、
前記第1導電面及び前記第2導電面は、前記軸支部の回転軸の半径方向に沿って配置される、請求項2に記載の電気的接続構造。
【請求項4】
前記第1導電面は、前記第1部材の端部にかつ前記第1部材が延在する方向に沿って形成され、
前記第2導電面は、前記第2部材の端部にかつ前記第2部材が延在する方向に対して垂直な方向に沿って形成された、請求項2に記載の電気的接続構造。
【請求項5】
前記第1導電面及び前記第2導電面が、平坦面である、請求項2に記載の電気的接続構造。
【請求項6】
前記第1導電面と前記第2導電面とのうちの一方の導電面が、他方の導電面に向かって突出する湾曲面を有し、
前記他方の導電面は、平坦面又は凹曲面を有する、請求項2に記載の電気的接続構造。
【請求項7】
前記第1部材に対して変位可能であり、かつ、前記第2部材を往復移動可能に保持する第3部材をさらに備え、
前記第2部材を前記第3部材に対して移動することにより、前記第2導電面を前記第1導電面に向かい合わせつつ当接させて電気的に接続させる、請求項2に記載の電気的接続構造。
【請求項8】
前記第3部材は、前記第1部材に対して回転可能に軸支する軸支部を更に備え、
前記第1導電面及び前記第2導電面は、前記軸支部の回転軸の半径方向に沿って配置される、請求項7に記載の電気的接続構造。
【請求項9】
導電性を有する第1導電面を有する第1部材と、
前記第1部材に対して変位可能であり、かつ、導電性を有する第2導電面を有する第2部材と、を備え、
前記第1部材に対する前記第2部材の変位に応じて、前記第1導電面と前記第2導電面との間の距離が変わり、
前記第1部材と前記第2部材とが離隔しかつ向かい合った状態で近づくことで、前記第1導電面と前記第2導電面とが互いに向かい合いつつ当接して電気的に接続される、電気的接続構造を有するウェアラブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的接続構造及び電気的接続構造を有するウェアラブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
可動導電面と静止導電面との2つの導電面を接触させて電気的に接続して回路を構成する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-072236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術の電気的接続の構造は、可動導電面を静止導電面に近づけて、2つの導電面の電気的な接続を予め形成し、さらに、可動導電面を静止導電面上で摺動させて、最終的な接続位置まで移動させるものであった。非接続状態と接続状態との切替には、可動導電面の静止導電面に対する摺動動作が常に含まれている。摺動動作により導電面が摩耗しやすく、経時的に、電気的な接続状態が不安定になりやすかった。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものである。その目的は、安定した電気的な接続状態を維持できる電気的接続構造及びウェアラブルデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による電気的接続構造及びウェアラブルデバイスの特徴は、
導電性を有する第1導電面を有する第1部材と、
前記第1部材に対して変位可能であり、かつ、導電性を有する第2導電面を有する第2部材と、を備え、
前記第1部材に対する前記第2部材の変位に応じて、前記第1導電面と前記第2導電面との間の距離が変わり、
前記第1部材と前記第2部材とが離隔しかつ向かい合った状態で近づくことで、前記第1導電面と前記第2導電面とが互いに向かい合いつつ当接して電気的に接続されることである。
【発明の効果】
【0007】
導電部が摩耗しにくく安定した電気的な接続状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態によるスマートグラス100-1の全体を示す前方からの斜視図である。
図2】第1の実施の形態によるスマートグラス100-1の全体を示す後方からの斜視図である。
図3】第1の実施の形態によるスマートグラス100-1の前枠190を示す斜視図である。
図4】第1の実施の形態によるスマートグラス100-1の左側テンプル160L-1を示す後方からの斜視図である。
図5】第1の実施の形態によるスマートグラス100-1の左側テンプル160L-1を示す前方からの斜視図である。
図6】第1の実施の形態によるスマートグラス100-1のヒンジ200-1の動作を示す平面図である。
図7】第2の実施の形態によるスマートグラス100-2の前枠190及び左側ヨロイ130L-2を示す斜視図である。
図8】第2の実施の形態によるスマートグラス100-2の左側テンプル160L-2を前方から示す斜視図である。
図9】第2の実施の形態によるスマートグラス100-2のヒンジ200-2の動作を示す平面図である。
図10】第3の実施の形態によるスマートグラス100-3の前枠190及び左側ヨロイ130L-3を示す斜視図である。
図11】第3の実施の形態によるスマートグラス100-3の左側テンプル160L-3を前方から示す斜視図である。
図12】第3の実施の形態によるスマートグラス100-3のヒンジ200-3の動作を示す平面図である。
図13】第4の実施の形態によるスマートグラス100-4の前枠190及び左側ヨロイ130L-4を示す斜視図である。
図14】第4の実施の形態によるスマートグラス100-4の左側テンプル160L-4を示す前方からの斜視図である。
図15】第4の実施の形態によるスマートグラス100-4のヒンジ200-4の動作を示す平面図である。
図16】第5の実施の形態によるスマートグラス100-5の前枠190と、左側テンプル160L-5と、可動体210との構成を示す分解斜視図である。
図17】第5の実施の形態による可動体210を示す斜視図である。
図18】第5の実施の形態によるスマートグラス100-5のヒンジ200-5の動作を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
<<第1の特徴>>
第1の特徴によれば、
第1導電面(例えば、後述するヨロイ導電部150-1、150-2、150-3、150-4など)を有する第1部材(例えば、後述する前枠190など)と、
前記第1部材に対して変位可能であり、かつ、第2導電面(例えば、後述するテンプル導電部180-1、180-2、180-3、180-4や可動体導電部212-5など)を有する第2部材(例えば、後述するテンプル160-1、160-2、160-3、160-4や可動体210など)と、を備え、
前記第1部材に対する前記第2部材の変位に応じて、前記第1導電面と前記第2導電面との間の距離が変わり、
前記第1部材と前記第2部材とが離隔しかつ向かい合った状態で近づくことで、前記第1導電面と前記第2導電面とが互いに向かい合いつつ当接して電気的に接続される、電気的接続構造が提供される。
【0010】
なお、ヨロイ導電部150-1は、後述する図3、6に示される。ヨロイ導電部150-2は、後述する図7、9に示される。ヨロイ導電部150-3は、後述する図10、12に示される。ヨロイ導電部150-4は、後述する図13、15、18に示される。
【0011】
前枠190は、後述する図1図2図3図6図7図9図10図12図13図15図18に示される。
【0012】
テンプル導電部180-1は、後述する図5、6に示される。テンプル導電部180-2は、後述する図8、9に示される。テンプル導電部180-3は、後述する図11、12に示される。テンプル導電部180-4は、後述する図14、15に示される。可動体導電部212-5は、後述する図16、17に示される。
【0013】
テンプル160-1は、後述する図1に示される。テンプル160-2は、後述する図8に示される。テンプル160-3は、後述する図11に示される。テンプル160-4は、後述する図14に示される。可動体210は、後述する図16、17、18に示される。
【0014】
前記第1導電面と前記第2導電面とを非接触状態から直ちに最終的な接触状態に遷移させることができ、第1導電面と第2導電面が摺動することがなく電気的に接触させることができる。このため、第1導電面及び第2導電面が擦れることなく、第1導電面及び第2導電面の摩耗による劣化を防止でき、非接続状態と接続状態とを繰り返し切り替えた場合でも、安定して電気的に接続することができる。
【0015】
第1導電面は、第1部材に形成されたパターン導体と電気的に接続されている。第2導電面は、第2部材に形成されたパターン導体と電気的に接続されている。第1部材及び第2部材は、立体成形基板として機能する。第1の立体成形基板である第1部材と、第2の立体成形基板である第2部材とを、第1導電面及び第2導電面によって電気的に接続して、全体として立体成形基板として機能させることができる。
【0016】
第1部材及び第2部材は、互いに分離した別体によって構成されても、当初から一体に構成されてもよい。使用時において、第1部材及び第2部材が、完全に分離することなく、繋がった状態を保って、非接続状態と接続状態とを切り替えることができればよい。
【0017】
<<第2の特徴>>
第2の特徴は、第1の特徴において、
前記第1導電面と前記第2導電面とが接触した状態のときには、前記第1導電面及び前記第2導電面は、前記第1部材と前記第2部材と重なる。
【0018】
第1部材と第2部材とが、互いに接触している第1導電面及び第2導電面と重なった状態になり、第1導電面及び第2導電面の損傷や破損を防止でき、電気的な接続状態においても保護でき、劣化しにくくすることができる。なお、第1部材及び第2部材は、第1導電面及び第2導電面の全体と重なっても、第1導電面及び第2導電面の一部のみと重なってもよい。第1導電面及び第2導電面の少なくとも一部を保護して電気的な接触状態が維持できればよい。
【0019】
<<第3の特徴>>
第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、
前記第2部材は、前記第1部材に対して回転可能に軸支する軸支部(例えば、後述する左側ピン202Lなど)を更に備え、
前記第1導電面及び前記第2導電面は、前記軸支部の回転軸の半径方向に沿って配置される。
【0020】
簡素な動作で、非接触状態と接触状態とを即時に遷移させることができる。例えば、第2部材を第1部材に対して往復動作させることができ、第2部材を一定の姿勢を保って第1部材に即時に当接させるので、同様の電気的接続状態を形成することができる。
【0021】
<<第4の特徴>>
第4の特徴は、第1の特徴~第3の特徴において、
前記第1導電面は、前記第1部材の端部にかつ前記第1部材が延在する方向に沿って形成され、
前記第2導電面は、前記第2部材の端部にかつ前記第2部材が延在する方向に対して垂直な方向に沿って形成される。
【0022】
第1導電面及び第2導電面を安定した面に形成することで、電気的な接続を的確に形成できる。
【0023】
<<第5の特徴>>
第5の特徴は、第1の特徴~第4の特徴において、
前記第1導電面及び前記第2導電面が、平坦面(例えば、後述するヨロイ導電部150-1及びテンプル導電部180-1など)である。
【0024】
第1導電面と第2導電面とを互いに平坦な面状に接触させることで、接触状態を的確かつ安定して形成できる。
【0025】
<<第6の特徴>>
第6の特徴は、第1の特徴~第5の特徴において、
前記第1導電面と前記第2導電面とのうちの一方の導電面が、他方の導電面に向かって突出する湾曲面(例えば、後述するテンプル導電部180-2、180-3、180-4など)を有し、
前記他方の導電面は、平坦面又は凹曲面(例えば、後述するヨロイ導電部150-2、150-3、150-4など)を有する。
【0026】
接触面積を増やしたり、少なくとも一部を積極的に接触させたりして、当接状態をより安定させることができる。
【0027】
<<第7の特徴>>
第7の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、
前記第1部材に対して変位可能であり、かつ、前記第2部材(例えば、後述する可動体210など)を往復移動可能に保持する第3部材(例えば、後述するテンプル160-5)をさらに備え、
前記第2部材を前記第3部材に対して移動することにより、前記第2導電面を前記第1導電面に向かい合わせつつ当接させて電気的に接続させる。
【0028】
可動部材をスイッチとして機能させることで、使用者による可動部材の操作で非接触状態と接触状態とを遷移させることができる。非接触状態と接触状態との遷移について、使用者の意思を反映させることができる。
【0029】
さらに、接触状態のときに可動部材を第2部材に係止できる係止部材(例えば、後述する係合孔186及び係合突起218など)を有するのが好ましい。可動部材を第2部材の一定の位置に保持でき、安定して接触状態を形成することができる。
【0030】
<<第8の特徴>>
第8の特徴は、第7の特徴において、
前記第3部材は、前記第1部材に対して回転可能に軸支する軸支部を更に備え、
前記第1導電面及び前記第2導電面は、前記軸支部の回転軸の半径方向に沿って配置される。
【0031】
簡素な動作で、非接触状態と接触状態とを即時に遷移させることができる。例えば、第2部材を第3部材に対して往復動作させることができるともに、第2部材を一定の姿勢を保って第1部材に即時に当接させることができるので、電気的接続状態を形成することができる。
【0032】
<<第9の特徴>>
第9の特徴によれば、
第1導電面(例えば、後述するヨロイ導電部150-1、150-2、150-3、150-4など)を有する第1部材(例えば、後述する前枠190など)と、
前記第1部材に対して変位可能であり、かつ、第2導電面(例えば、後述するテンプル導電部180-1、180-2、180-3、180-4や可動体導電部212-5など)を有する第2部材(例えば、後述するテンプル160-1、160-2、160-3、160-4や可動体210など)と、を備え、
前記第1部材に対する前記第2部材の変位に応じて、前記第1導電面と前記第2導電面との間の距離が変わり、
前記第1部材と前記第2部材とが離隔しかつ向かい合った状態で近づくことで、前記第1導電面と前記第2導電面とが互いに向かい合いつつ当接して電気的に接続される、電気的接続構造を有するウェアラブルデバイス(例えば、後述するスマートグラス100-1、100-2、100-3、100-4、100-5など)が提供される。
【0033】
第1の特徴と同様に、ヨロイ導電部150-1は、後述する図3、6に示される。ヨロイ導電部150-2は、後述する図7、9に示される。ヨロイ導電部150-3は、後述する図10、12に示される。ヨロイ導電部150-4は、後述する図13、15、18に示される。
【0034】
前枠190は、後述する図1図2図3図6図7図9図10図12図13図15図18に示される。
【0035】
テンプル導電部180-1は、後述する図5、6に示される。テンプル導電部180-2は、後述する図8、9に示される。テンプル導電部180-3は、後述する図11、12に示される。テンプル導電部180-4は、後述する図14、15に示される。可動体導電部212-5は、後述する図16、17に示される。
【0036】
テンプル160-1は、後述する図1に示される。テンプル160-2は、後述する図8に示される。テンプル160-3は、後述する図11に示される。テンプル160-4は、後述する図14に示される。テンプル160-5は、後述する図16に示される。
【0037】
前記第1導電面と前記第2導電面とを非接触状態から直ちに最終的な接触状態に遷移させることができ、第1導電面と第2導電面が摺動することがなく電気的に接触させることができる。このため、第1導電面及び第2導電面が擦れることがなく、第1導電面及び第2導電面の摩耗による劣化を防止でき、安定して電気的に接続することができる。
【0038】
ウェアラブルデバイスの不使用時には、電気的な非接触状態にし、ウェアラブルデバイスの使用時には、電気的な接触状態にすることができる。ウェアラブルデバイスの使用状態に応じて、電気的な非接触状態と接触状態とを遷移でき、使用者の負担を軽減できる。
【0039】
前記第1導電面と前記第2導電面とが接触した状態のときには、前記第1導電面及び前記第2導電面は、前記第1部材と前記第2部材とが重なることが好ましい。このように構成することで、ウェアラブルデバイスの使用時には、第1導電面及び第2導電面は、第1部材と第2部材と重なり、第1導電面及び第2導電面の損傷や破損を防止でき、ウェアラブルデバイスの動作を安定化させるとともに、動作の信頼性を高めることができる。
【0040】
<<<<<第1の実施の形態>>>>>
<<<<第1の実施の形態の詳細>>>>
以下に、第1の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施の形態によるスマートグラス100-1の全体を示す前方からの斜視図である。図2は、第1の実施の形態によるスマートグラス100-1の全体を示す後方からの斜視図である。図3は、第1の実施の形態によるスマートグラス100-1の前枠190を示す斜視図である。図4は、第1の実施の形態によるスマートグラス100-1のテンプル160-1を示す後方からの斜視図である。図5は、第1の実施の形態によるスマートグラス100-1のテンプル160-1を示す前方からの斜視図である。図6は、第1の実施の形態によるスマートグラス100-1のヒンジ200-1の動作を示す平面図である。
【0041】
<<<方向等>>>
方向等は、使用者がスマートグラス100-1などを着用した状態で特定する。したがって、各方向等は、使用者の着用状態に応じて偏倚し、実質的にその方向とみなせる方向であればよい。
【0042】
<前方向、正面方向、前側、表側、表面>
前方向、正面方向、前側、表側、表面は、使用者の顔が向く方向などを意味する。
【0043】
<後方向、背面方向、後側、裏側、裏面>
後方向、背面方向、後側、裏側、裏面は、使用者の背中が向く方向などを意味する。
【0044】
<右方向、右側、右面>
右方向、右側、右面は、使用者の右手側の方向などを意味する。
【0045】
<左方向、左側、左面>
左方向、左側、左面は、使用者の左手側の方向などを意味する。
【0046】
<上方向、上側、上面>
上方向、上側、上面は、使用者の頭側の方向などを意味する。後述する下方向と逆の方向であり、重力の方向と逆の方向である。
【0047】
<下方向、下側、下面>
下方向、下側、下面は、使用者の足側の方向などを意味であり、重力の方向などである。すなわち、下方向は、物体を吊り下げた糸の示す方向である。
【0048】
<内方向、内側、内面>
外方向や外側や外面と逆の方向や側や面である。スマートグラス100-1の端部からスマートグラス100-1の中心に向かう方向や側である。
【0049】
<外方向、外側、外面>
外方向、外側、外面は、スマートグラス100-1から離れる方向や側や面である。
【0050】
<垂直方向>
垂直方向は、ある平面や直線を基準にして、それらに対して相対的に直角である方向をいう。言いかえれば、基準とする面や線の法線と平行な方向である。なお、法線とは、曲線や直線上の一点を通り、この点における接線に垂直な直線や、曲面や平面上の一点を通り、この点における接平面に垂直な直線をいう。また、垂直方向には、鉛直方向も含まれるが、垂直方向は鉛直方向に限られない。鉛直方向は、重力に沿った方向である。
【0051】
<<<スマートグラス100-1の機能>>>
スマートグラス100-1は、メガネ型の形態を有するウェアラブルデバイスの一例である。以下では、ウェアラブルデバイスの一例として、スマートグラス100-1について説明する。ウェアラブルデバイスは、以下のような各種の用途に用いることができる。電源を必要とするため、バッテリなどの搭載が不可欠となる。
【0052】
<撮像機能>
スマートグラス100-1にカメラなどの撮像装置を設けることで、写真や動画を撮影できる。使用者が視認している対象物を、撮像して撮像データを残すことができる。
【0053】
<画面表示機能>
スマートグラス100-1に液晶ディスプレイなどの表示装置を設けることで、表示される映像を視認することができる。使用者は、場所や環境などによることなく、コンテンツを楽しむことができる。寝ながらの視聴や公共の場での視聴が可能となる。
【0054】
<人体情報のモニタリング>
スマートグラス100-1に各種のセンサーを設けることで、目や体の動作や、日ごろの稼働状態や、集中力などさまざまな身体の状態を取得できる。使用者の健康に役立てることができる。
【0055】
<AR(拡張現実)>
スマートグラス100-1を用いることで、ARを楽しむこともできる。
【0056】
<照明装置>
スマートグラス100-1に使用者の前方などを照明するライトを設けることができる。使用者の視野を的確に照明するとともに、ヘルメットなどのような拘束感を低減することができる。
【0057】
<<<スマートグラス100-1の構成>>>
図1に示すように、スマートグラス100-1は、主に、
リム110(右側リム110R及び左側リム110L)と、
ブリッジ120と、
ヨロイ130-1(右側ヨロイ130R-1及び左側ヨロイ130L-1)と、
テンプル160-1(右側テンプル160R-1及び左側テンプル160L-1)と、
を備える。
【0058】
<<リム110>>
図1に示すように、リム110は、右側リム110R及び左側リム110Lからなる。区別する必要がない場合には、単にリム110と称する。リム110は、主に周回する形状を有する。リム110の内周側に溝(図示せず)を有する。溝は、レンズやディスプレイなど(図示せず)の各種の部品を支えて外れないように保持する。
【0059】
<パターン導体EP>
リム110の表面や内部にリム110に沿って少なくとも1本のパターン導体EPが設けられている。パターン導体EPは、主に長尺な形状を有する。パターン導体EPには、電力や各種の信号が流れる。また、LEDなどの電子部品が、リム110の表面に設けられる。電子部品は、導電体によって給電されたり制御信号が供給されたりする。
【0060】
<一体化>
右側リム110R及び左側リム110Lが一体になった構造でよい。ヨロイ130-1等に装着する電子部品の種類や構造などに応じて、リム110の全体の形状や構造を定めればよい。
【0061】
<右側端部102R及び左側端部102L>
右側リム110Rの右側の端部が、スマートグラス100-1や前枠190の右側端部102Rとなる。左側リム110Lの左側の端部が、スマートグラス100-1や前枠190の左側端部102Lとなる。
【0062】
<<ブリッジ120>>
ブリッジ120は、右側リム110R及び左側リム110Lを連結して一体化するための部材である。右側リム110R及び左側リム110L並びにブリッジ120によって、スマートグラス100-1の正面部分が構成される。以下では、右側リム110R及び左側リム110L並びにブリッジ120を前枠190と総称する。右側リム110R及び左側リム110L並びにブリッジ120によって、スマートグラス100-1の前枠190のおおよその外形が画定される。
【0063】
ブリッジ120の表面や内部にも少なくとも1本のパターン導体EPが設けられている。また、LEDなどの電子部品が、ブリッジ120の表面に設けられる。電子部品は、導電体によって給電されたり制御信号が供給されたりする。
【0064】
<<ヨロイ130-1>>
図3に示すように、ヨロイ130-1は、右側ヨロイ130R-1及び左側ヨロイ130L-1からなる。区別する必要がない場合には、単にヨロイ130-1と称する。ヨロイ130-1は、リム110の端部に設けられる。ヨロイ130-1は、後述するヒンジ200-1の一部を構成する。
【0065】
<<右側ヨロイ130R-1>>
右側ヨロイ130R-1は、右側リム110Rの裏面の右側の端部に右側リム110Rに一体に設けられる。右側リム110Rは、右側の端部に右側ヨロイ130R-1を有する。右側ヨロイ130R-1は、右側リム110Rの裏面で上下方向に沿って延在する。右側ヨロイ130R-1は、右側リム110Rの裏面から後方向に向かって突出する。
【0066】
右側ヨロイ130R-1は、略直方体状の右側羽根部140R-1と、略円柱状の第1の右側軸筒部134Rとを有する。右側羽根部140R-1と第1の右側軸筒部134Rとは、一体に形成される。
【0067】
<第1の右側軸筒部134R>
第1の右側軸筒部134Rは、上下方向に延在する右側貫通孔136Rを有する。右側ヨロイ130R-1は、右側上面部132RU及び右側下面部132RBを有する。右側ヨロイ130R-1は、右側テンプル160R-1を回転可能に連結する。
【0068】
<右側羽根部140R-1>
右側羽根部140R-1は、右側導電面形成部142R-1と右側端平面部144Rと右側湾曲面部146Rとを有する。右側導電面形成部142R-1は、後方向に向かう。右側導電面形成部142R-1は、左右方向及び上下方向に延在する平面状の形状を有する。右側導電面形成部142R-1は、前枠190がなす面に沿って延在する。
【0069】
<右側導電面形成部142R-1及び右側ヨロイ導電部150R-1>
右側導電面形成部142R-1は、右側ヨロイ導電部150R-1を有する。右側ヨロイ導電部150R-1は、右側導電面形成部142R-1に沿って平面状の形状を有する。第1の実施の形態では、右側ヨロイ導電部150R-1は、右上側ヨロイ導電部150RUと右下側ヨロイ導電部150RBとを有する。右上側ヨロイ導電部150RU及び右下側ヨロイ導電部150RBも右側導電面形成部142R-1に沿って平面状の形状を有する。右上側ヨロイ導電部150RU及び右下側ヨロイ導電部150RBは、左右方向に沿って幅W1を有する。右側ヨロイ導電部150R-1の数は、2つに限られない。右側ヨロイ導電部150R-1の数は、所望する数にすればよい。
【0070】
<右側端平面部144R>
右側端平面部144Rは、右方向に向かう。右側端平面部144Rは、前後方向及び上下方向に延在する平面状の形状を有する。右側端平面部144Rは、前枠190がなす面に対して垂直な方向に沿って延在する。右側端平面部144Rは、パターン導体EPを有する。パターン導体EPは、右側端平面部144Rに沿って線状の形状を有する。
【0071】
<右側湾曲面部146R>
右側湾曲面部146Rは、右側導電面形成部142R-1と右側端平面部144Rとの間に位置する。右側湾曲面部146Rは、円筒の一部の湾曲した形状を有する。右側湾曲面部146Rは、パターン導体EPを有する。パターン導体EPは、右側湾曲面部146Rに沿って線状の形状を有する。パターン導体EPは、右側ヨロイ導電部150R-1と電気的に接続して形成されている。右側ヨロイ導電部150R-1については、後述する。
【0072】
<左側ヨロイ130L-1>
左側ヨロイ130L-1は、左側リム110Lの裏面の左側の端部に左側リム110Lに一体に設けられる。左側リム110Lは、左側の端部に左側ヨロイ130L-1を有する。左側ヨロイ130L-1は、左側リム110Lの裏面で上下方向に沿って延在する。左側ヨロイ130L-1は、左側リム110Lの裏面から後方向に向かって突出する。
【0073】
左側ヨロイ130L-1は、略直方体状の左側羽根部140L-1と、略円柱状の第1の左側軸筒部134Lとを有する。左側羽根部140L-1と第1の左側軸筒部134Lとは、一体に形成される。
【0074】
<第1の左側軸筒部134L>
第1の左側軸筒部134Lは、上下方向に延在する左側貫通孔136Lを有する。左側ヨロイ130L-1は、左側上面部132LU及び左側下面部132LBを有する。左側ヨロイ130L-1は、左側テンプル160L-1を回転可能に連結する。
【0075】
<左側羽根部140L-1>
左側羽根部140L-1は、左側導電面形成部142L-1と左側端平面部144Lと左側湾曲面部146Lとを有する。左側導電面形成部142L-1は、後方向に向かう。左側導電面形成部142L-1は、左右方向及び上下方向に延在する平面状の形状を有する。左側導電面形成部142L-1は、前枠190がなす面に沿って延在する。
【0076】
<左側導電面形成部142L-1及び左側ヨロイ導電部150L-1>
左側導電面形成部142L-1は、左側ヨロイ導電部150L-1を有する。左側ヨロイ導電部150L-1は、左側導電面形成部142L-1に沿って平面状の形状を有する。第1の実施の形態では、左側ヨロイ導電部150L-1は、左上側ヨロイ導電部150LUと左下側ヨロイ導電部150LBとを有する。左上側ヨロイ導電部150LU及び左下側ヨロイ導電部150LBも左側導電面形成部142L-1に沿って平面状の形状を有する。左上側ヨロイ導電部150LUと左下側ヨロイ導電部150LBは、左右方向に沿って幅W1を有する。左側ヨロイ導電部150L-1の数は、2つに限られない。左側ヨロイ導電部150L-1の数は、所望する数にすればよい。
【0077】
<左側端平面部144L>
左側端平面部144Lは、左方向に向かう。左側端平面部144Lは、前後方向及び上下方向に延在する平面状の形状を有する。左側端平面部144Lは、前枠190がなす面に対して垂直な方向に沿って延在する。左側端平面部144Lは、パターン導体EPを有する。パターン導体EPは、左側端平面部144Lに沿って線状の形状を有する。
【0078】
<左側湾曲面部146L>
左側湾曲面部146Lは、左側導電面形成部142L-1と左側端平面部144Lとの間に位置する。左側湾曲面部146Lは、円筒の一部の湾曲した形状を有する。左側湾曲面部146Lは、パターン導体EPを有する。パターン導体EPは、左側湾曲面部146Lに沿って線状の形状を有する。パターン導体EPは、左側ヨロイ導電部150L-1と電気的に接続して形成されている。左側ヨロイ導電部150L-1については、後述する。
【0079】
<右側ヨロイ導電部150R-1及び左側ヨロイ導電部150L-1など>
第1の実施の形態の右側ヨロイ導電部150R-1及び左側ヨロイ導電部150L-1、右上側ヨロイ導電部150RU及び右下側ヨロイ導電部150RB、左上側ヨロイ導電部150LUと左下側ヨロイ導電部150LBを、ヨロイ導電部150-1と総称する。
【0080】
<<テンプル160-1>>
テンプル160-1は、スマートグラス100-1の着用者の耳に掛けるための部材である。テンプル160-1は、右側テンプル160R-1及び左側テンプル160L-1からなる。区別する必要がない場合には、単にテンプル160-1と称する。
【0081】
図4は、スマートグラス100-1の左側テンプル160L-1を示す後方からの斜視図である。図5は、スマートグラス100-1の左側テンプル160L-1を示す前方からの斜視図である。なお、スマートグラス100-1の右側テンプル160R-1も左側テンプル160L-1と同様の構成を有する。右側テンプル160R-1の構成を示す符号については、以下のように読み替えればよい。
【0082】
第2の左下側軸筒部170LBを第2の右下側軸筒部170RBと読み替え、第2の左上側軸筒部170LUを第2の右上側軸筒部170RUと読み替えればよい。
【0083】
左下貫通孔172LBを右下貫通孔172RBと読み替え、左上貫通孔172LUを右上貫通孔172RUと読み替えればよい。
【0084】
左側端面部174Lを右側端面部174Rと読み替えればよい。左側導電面形成部176Lを右側導電面形成部176Rと読み替えればよい。左側湾曲面部178Lを右側湾曲面部178Rと読み替えればよい。
【0085】
左下側テンプル導電部180LBを右下側テンプル導電部180RBと読み替えればよい。左上側テンプル導電部180LUを右上側テンプル導電部180RUと読み替えればよい。
【0086】
テンプル160-1は、長尺な形状を有する。テンプル160-1は、使用時において、前後方向に延在する。テンプル160-1は、使用時には、ヨロイ130から後方に向かって延在する。すなわち、テンプル160-1は、使用時には、前枠190がなす面に対して略垂直方向に延在する。テンプル160-1は、後述するヒンジ200-1で回転させる(折り曲げる)ことで、通常の眼鏡と同様に、リム110やブリッジ120に重ねて折りたたむことができる。
【0087】
<前側の端部162及び後側の端部164>
テンプル160-1は、前側の端部162と後側の端部164とを有する。右側テンプル160R-1は、前側の右側端部162Rと後側の右側端部164Rとを有する。左側テンプル160L-1は、前側の左側端部162Lと後側の左側端部164Lとを有する。
【0088】
前側の右側端部162R及び前側の左側端部162Lは、使用時に前枠190に向かう端部である。後側の右側端部164Rは、右側テンプル160R-1の前側の右側端部162Rから長手方向の反対側に位置する端部である。後側の左側端部164Lは、左側テンプル160L-1の前側の左側端部162Lから長手方向の反対側に位置する端部である。
【0089】
<収容部166とモダン168>
テンプル160-1は、収容部166とモダン168とを有する。右側テンプル160R-1は、右側収容部166Rと右側モダン168Rとを有する。左側テンプル160L-1は、左側収容部166Lと左側モダン168Lとを有する。収容部166は、前側の端部162側に位置する。モダン168は、後側の端部164側に位置する。モダン168は、耳あて部分として機能する部材である。
【0090】
収容部166は、テンプル160-1に沿って形成される。収容部166は、長尺な形状の収容空間を有する。収容部166には、バッテリや電子部品などを収容できる。スマートグラス100-1の機能に応じて、収容部166に収容する部品などを定めればよい。収容部166の内側や外側の表面には、収容する部品などに応じてパターン導体EPが形成される。パターン導体EPを介して、電力や各種の信号を電子部品に供給することができる。
【0091】
スマートグラス100-1に設けられる各種の電子部品は、前枠190に設けられることが多い。このため、スマートグラス100-1の重心の位置は前側に偏倚し、着け心地が悪くなったり、スマートグラス100-1が使用者から外れやすくなったりした。この点で、テンプル160-1に収容部を設けたことにより、スマートグラス100-1の重心の位置を後側に調整でき、着け心地を良好にするとともに、安定してスマートグラス100-1を着用することができる。
【0092】
<第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LB(第2の軸筒部170)>
左側テンプル160L-1は、第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LB(第2の軸筒部170)を有する。第2の左上側軸筒部170LUは、前側の左側端部162Lの上部に設けられている。第2の左下側軸筒部170LBは、前側の左側端部162Lの下部に設けられている。第2の左上側軸筒部170LUと第2の左下側軸筒部170LBとは、前側の左側端部162Lにおいて、離隔して配置される。第2の左上側軸筒部170LUと第2の左下側軸筒部170LBとの間隔は、左側ヨロイ130L-1の第1の左側軸筒部134Lの上下方向の長さ(高さ)と略同じである。第2の左上側軸筒部170LUと第2の左下側軸筒部170LBとで第1の左側軸筒部134Lを挟んで左側テンプル160L-1を配置できる。左側テンプル160L-1の配置については後述する。
【0093】
第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LBは、前側の左側端部162Lから前枠190に向かって突出する。第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LBは、略円板状の形状を有する。第2の左上側軸筒部170LUは、略中央に左上貫通孔172LUを有する。第2の左下側軸筒部170LBは、略中央に左下貫通孔172LBを有する。第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LBは、第1の左側軸筒部134Lと係合する。第1の左側軸筒部134Lとの係合については、後述する。
【0094】
<左側端面部174L>
左側テンプル160L-1の前側の左側端部162Lは、左側端面部174Lを有する。左側端面部174Lは、左側ヨロイ130L-1の左側羽根部140L-1に向かうことができる。左側端面部174Lは、左右方向及び上下方向に延在する平面状の形状を有する。左側端面部174Lは、上下方向に沿った長尺な形状を有する。
【0095】
左側端面部174Lは、左側導電面形成部176L及び左側湾曲面部178Lを有する。左側導電面形成部176Lは、左側ヨロイ130L-1の左側導電面形成部142L-1に向かうことができる。左側導電面形成部176Lは、左右方向及び上下方向に延在する平面状の形状を有する。左側導電面形成部176Lは、上下方向に沿った長尺な形状を有する。左側導電面形成部176Lは、左側テンプル導電部180L-1を有する。左側テンプル導電部180L-1は、左側導電面形成部176Lに沿って平面状の形状を有する。
【0096】
第1の実施の形態では、左側テンプル導電部180L-1は、左上側テンプル導電部180LUと左下側テンプル導電部180LBとを有する。左上側テンプル導電部180LUと左下側テンプル導電部180LBも左側導電面形成部176Lに沿って平面状の形状を有する。左上側テンプル導電部180LU及び左下側テンプル導電部180LBは、上下方向に沿った長尺な形状を有する。左上側テンプル導電部180LU及び左下側テンプル導電部180LBは、左右方向の幅W2を有する。左側テンプル導電部180L-1の数は、2つに限られない。左側テンプル導電部180L-1の数は、所望する数にすればよい。
【0097】
<第2の右上側軸筒部170RU及び第2の右下側軸筒部170RB(第2の軸筒部170)>
右側テンプル160R-1は、第2の右上側軸筒部170RU及び第2の右下側軸筒部170RB(第2の軸筒部170)を有する。第2の右上側軸筒部170RUは、前側の右側端部162Rの上部に設けられている。第2の右下側軸筒部170RBは、前側の右側端部162Rの下部に設けられている。第2の右上側軸筒部170RUと第2の右下側軸筒部170RBとは、前側の右側端部162Rにおいて、離隔して配置される。第2の右上側軸筒部170RUと第2の右下側軸筒部170RBとの間隔は、右側ヨロイ130R-1の第1の右側軸筒部134Rの上下方向の長さ(高さ)と略同じである。第2の右上側軸筒部170RUと第2の右下側軸筒部170RBとで第1の右側軸筒部134Rを挟んで右側テンプル160R-1を配置できる。右側テンプル160R-1の配置については後述する。
【0098】
第2の右上側軸筒部170RU及び第2の右下側軸筒部170RBは、前側の右側端部162Rから前枠190に向かって突出する。第2の右上側軸筒部170RU及び第2の右下側軸筒部170RBは、略円板状の形状を有する。第2の右上側軸筒部170RUは、略中央に右上貫通孔172RUを有する。第2の右下側軸筒部170RBは、略中央に右下貫通孔172RBを有する。第2の右上側軸筒部170RU及び第2の右下側軸筒部170RBは、第1の右側軸筒部134Rと係合する。第1の右側軸筒部134Rとの係合については、後述する。
【0099】
<右側端面部174R>
右側テンプル160R-1の前側の右側端部162Rは、右側端面部174Rを有する。右側端面部174Rは、右側ヨロイ130R-1の右側羽根部140R-1に向かうことができる。右側端面部174Rは、左右方向及び上下方向に延在する平面状の形状を有する。右側端面部174Rは、上下方向に沿った長尺な形状を有する。
【0100】
右側端面部174Rは、右側導電面形成部176R及び右側湾曲面部178Rを有する。右側導電面形成部176Rは、右側ヨロイ130R-1の右側導電面形成部142R-1に向かうことができる。右側導電面形成部176Rは、左右方向及び上下方向に延在する平面状の形状を有する。右側導電面形成部176Rは、上下方向に沿った長尺な形状を有する。右側導電面形成部176Rは、右側テンプル導電部180R-1を有する。右側テンプル導電部180R-1は、右側導電面形成部176Rに沿って平面状の形状を有する。
【0101】
第1の実施の形態では、右側テンプル導電部180R-1は、右上側テンプル導電部180RUと右下側テンプル導電部180RBとを有する。右上側テンプル導電部180RUと右下側テンプル導電部180RBも右側導電面形成部176Rに沿って平面状の形状を有する。右上側テンプル導電部180RU及び右下側テンプル導電部180RBは、上下方向に沿った長尺な形状を有する。右上側テンプル導電部180RU及び右下側テンプル導電部180RBは、左右方向の幅W2を有する。右側テンプル導電部180R-1の数は、2つに限られない。右側テンプル導電部180R-1の数は、所望する数にすればよい。
【0102】
<右側テンプル導電部180R-1及び左側テンプル導電部180L-1>
第1の実施の形態の右側テンプル導電部180R-1及び左側テンプル導電部180L-1、右上側テンプル導電部180RU及び右下側テンプル導電部180RB、左上側テンプル導電部180LU及び左下側テンプル導電部180LBをテンプル導電部180-1と総称する。
【0103】
<<前枠190>>
前枠190は、スマートグラス100-1の正面部分を構成する。前枠190は、右側リム110R及び左側リム110L並びにブリッジ120を有する。
【0104】
<<ヒンジ200-1>>
ヒンジ200-1は、右側ヒンジ200R-1と左側ヒンジ200L-1とからなる。区別する必要がない場合には、単にヒンジ200-1と称する。
【0105】
<左側ヒンジ200L-1>
左側ヒンジ200L-1は、左側ヨロイ130L-1の左側羽根部140L-1及び第1の左側軸筒部134Lと、左側テンプル160L-1の第2の左側軸筒部170Lとを有する。
【0106】
前述したように、第2の左上側軸筒部170LUと第2の左下側軸筒部170LBとの間に第1の左側軸筒部134Lを配置できる。第1の左側軸筒部134Lの左側貫通孔136Lと、第2の左上側軸筒部170LUの左上貫通孔172LUと、第2の左下側軸筒部170LBの左下貫通孔172LBとが同心となるように、第1の左側軸筒部134Lと第2の左上側軸筒部170LUと第2の左下側軸筒部170LBを配置して、左側貫通孔136Lと左上貫通孔172LUと左下貫通孔172LBとに左側ピン202Lを挿通させる。このように構成することで、左側ヒンジ200L-1は、左側テンプル160L-1を左側リム110Lに対して回転可能に軸支されることができる。左側テンプル160L-1は、左側ピン202Lを中心にして前枠190に対して開閉可能となる。
【0107】
<右側ヒンジ200R-1>
右側ヒンジ200R-1は、右側ヨロイ130R-1の右側羽根部140R-1及び第1の右側軸筒部134Rと、右側テンプル160R-1の第2の右側軸筒部170Rとからなる。
【0108】
前述したように、第2の右上側軸筒部170RUと第2の右下側軸筒部170RBとの間に第1の右側軸筒部134Rを配置できる。第1の右側軸筒部134Rの右側貫通孔136Rと、第2の右上側軸筒部170RUの右上貫通孔172RUと、第2の右下側軸筒部170RBの右下貫通孔172RBとが同心となるように、第1の右側軸筒部134Rと第2の右上側軸筒部170RUと第2の右下側軸筒部170RBを配置して、右側貫通孔136Rと右上貫通孔172RUと右下貫通孔172RBとに右側ピン202Rを挿通させる。このように構成することで、右側ヒンジ200R-1は、右側テンプル160R-1を右側リム110Rに対して回転可能に軸支されることができる。右側テンプル160R-1は、右側ピン202Rを中心にして前枠190に対して開閉可能となる。
【0109】
<<<リム110、ブリッジ120、ヨロイ130、テンプル160-1の材料等>>>
リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1は、立体的に成形した後に、リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1の表面に回路を形成し、その後、必要に応じてソルダーレジストを形成する。リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1の成形材料としては、セラミック等の無機系材料や樹脂等を用いた有機系材料が挙げられる。
【0110】
無機系材料としては、シリカ、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、ガラス粉末、非繊維状ガラス、ガラスファイバー、カーボン、カーボンファイバー、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華、窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素窒化アルミニウム等を好適に用いることができる。有機系材料としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を好適に用いることができる。
【0111】
リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1は、樹脂成形品からなり、樹脂成形品に回路が形成されるものが好ましい。リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1は、重量が軽く成形が容易な熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることが望ましい。公知慣用の樹脂を用いることができるが、特に、リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1は、はんだを用いて電子部品を電気的に接続させるので、耐熱性に優れたフッ素樹脂、ポリカーボネートポリアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、非晶ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー等のエンジニアリングプラスチックや、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、シリコン樹脂等の熱硬化性樹脂が好適である。
【0112】
リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1は、複数の種類にできる。例えば、リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1の種類には、形状や大きさや構造などを互いに異ならしめたものがある。リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1の表面には、パターン導体EPが一体に形成される。パターン導体EPを表面に一体に形成することで、リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1は、立体成形基板として機能する。
【0113】
電子回路が異なり、パターン導体EPが異なる場合であっても、同じ形状、大きさ、構造のリム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1を流用できる場合がある。リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1を流用することで、用意すべきリム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1の種類を抑えることができる。
【0114】
リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1は、金型成型、切削成型又は3Dプリンターによる3Dプリンティング等により作製する。中でも、金型成型が一般的だが、金型の製造では、コストが嵩みやすく、小ロットや中ロットの生産では採算が取れない。専用の金型ではなく、共通の金型を数種類作製することで、コストの低減化を図ることができる。また、リム110、ブリッジ120、ヨロイ130及びテンプル160-1の種類を少なくすることで、製造工程での管理などの簡便化を図ることができる。
【0115】
<<電気的接続の形成>>
右側テンプル160R-1は、右側ピン202Rを中心にして前枠190に対して回転することができる。左側テンプル160L-1は、左側ピン202Lを中心にして前枠190に対して回転することができる。
【0116】
図6(a)及び(b)は、左側テンプル160L-1が前枠190に対して回転する状態を示す平面図である。図6(a)は、左側テンプル導電部180L-1は、左側ヨロイ導電部150L-1と接する状態を示す。図6(b)は、左側テンプル導電部180L-1が、左側ヨロイ導電部150L-1から離隔している状態を示す。図6(a)及び(b)は、左側テンプル160L-1について示したが、右側テンプル160R-1も同様である。図6(a)及び(b)は、平面図であり、左上側ヨロイ導電部150LU及び左上側テンプル導電部180LUのみを示すが、左下側ヨロイ導電部150LB及び左下側テンプル導電部180LBも同様である。以下では、左側テンプル160L-1を代表的に説明する。
【0117】
図6(a)及び(b)に示すように、左側テンプル160L-1の回転により、左側テンプル160L-1の前側の左側端部162Lの左側テンプル導電部180L-1は、左側ヨロイ130L-1の左側ヨロイ導電部150L-1に向かい合った状態で近づくことができる。すなわち、左側テンプル導電部180L-1が左側ヨロイ導電部150L-1から離隔している状態(図6(b))において、左側テンプル160L-1が回転することで、左側テンプル導電部180L-1が揺動して、左側ヨロイ導電部150L-1に近づく。左側テンプル導電部180L-1が、扉の開閉動作と同様に、左側ピン202Lを中心にして揺動する。
【0118】
図6(a)に示すように、左側テンプル導電部180L-1は、左側ヨロイ導電部150L-1と接するときには、左側テンプル導電部180L-1の全面が、左側ヨロイ導電部150L-1と当接する。左側テンプル導電部180L-1は、左側ヨロイ導電部150L-1などを含む他の部材と摺動することがなく、左側ヨロイ導電部150L-1に近づき(図6(b))、左側ヨロイ導電部150L-1に向かい合った状態で即時に(突如に)左側テンプル導電部180L-1の全面が左側ヨロイ導電部150L-1と当接する。左側テンプル導電部180L-1の全面が、左側ヨロイ導電部150L-1に向かい合った状態で近づき、直ちに左側ヨロイ導電部150L-1と接触する。
【0119】
左側テンプル導電部180L-1が左側ヨロイ導電部150L-1と当接することで、左側テンプル導電部180L-1の全面が左側ヨロイ導電部150L-1と電気的に接続される。このように構成したことにより、左側テンプル導電部180L-1や左側ヨロイ導電部150L-1は、摺動することがないので、擦れることがなく、左側テンプル導電部180L-1及び左側ヨロイ導電部150L-1の摩耗による劣化を防止でき、安定して電気的に接続することができる。摺動することなく、非接触状態から直ちに最終的な接触状態に遷移させることができる。
【0120】
右側テンプル160R-1についても同様に、右側テンプル導電部180R-1は、右側ヨロイ導電部150R-1と接するときには、右側テンプル導電部180R-1の全面が、右側ヨロイ導電部150R-1と当接する。右側テンプル導電部180R-1は、右側ヨロイ導電部150R-1などを含む他の部材と摺動することがなく、右側ヨロイ導電部150R-1に近づき、右側ヨロイ導電部150R-1に向かい合った状態で即時に(突如に)右側テンプル導電部180R-1の全面が右側ヨロイ導電部150R-1と当接する。右側テンプル導電部180R-1の全面が、右側ヨロイ導電部150R-1に向かい合った状態で近づいて、直ちに右側ヨロイ導電部150R-1と接触する。
【0121】
右側テンプル導電部180R-1や右側ヨロイ導電部150R-1は、摺動することがないので、擦れることがなく、右側テンプル導電部180R-1及び右側ヨロイ導電部150R-1の摩耗による劣化を防止でき、安定して電気的に接続することができる。摺動することなく、非接触状態から直ちに最終的な接触状態に遷移させることができる。
【0122】
図6(a)に示すように、左側テンプル導電部180L-1が、左側ヨロイ導電部150L-1と接触した状態となったときには、左側テンプル導電部180L-1は、左側ヨロイ130L-1によって前方向から覆われ、左側ヨロイ導電部150L-1は、左側テンプル160L-1によって後方向から覆われる。すなわち、左側テンプル導電部180L-1が、左側ヨロイ導電部150L-1と接触した状態となったときには、左側テンプル導電部180L-1は、左側ヨロイ130L-1と重なり、左側ヨロイ導電部150L-1は、左側テンプル160L-1と重なる。このように、左側テンプル導電部180L-1及び左側ヨロイ導電部150L-1は、左側テンプル160L-1及び左側ヨロイ130L-1によって挟まれ、電気的な接続状態が保護され、損傷されにくくすることができる。
【0123】
<<<<<第2の実施の形態>>>>>
第1の実施の形態では、ヨロイ導電部150-1が平面の形状を有し、テンプル導電部180-1が平面状の形状を有し、ヨロイ導電部150-1とテンプル導電部180-1とが、電気的な非接続状態と接続状態とを即時に遷移できる構成を有した。ヨロイ導電部150及びテンプル導電部180は、非接続状態から接続状態に即時に遷移できるものであれば、平面の形状に限られない。
【0124】
<<<<スマートグラス100-2>>>>
以下では、図7図9を用いて、第2の実施の形態によるスマートグラス100-2の構成を説明する。図7は、第2の実施の形態によるスマートグラス100-2の前枠190及び左側ヨロイ130L-2を示す斜視図である。図8は、第2の実施の形態によるスマートグラス100-2の左側テンプル160L-2を前方から示す斜視図である。図9は、第2の実施の形態によるスマートグラス100-2のヒンジ200-2の動作を示す平面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成には、同じ符号を付した。また、図7図9を用いて、代表的に左側テンプル160L-2について説明するが、右側テンプル160R-2も同様の構成を有し同様に機能する。
【0125】
第2の実施の形態によるスマートグラス100-2は、ヨロイ130-2及びテンプル160-2を有する。
【0126】
<<ヨロイ130-2>>
ヨロイ130-2は、右側ヨロイ130R-2(図示せず)及び左側ヨロイ130L-2からなる。第2の実施の形態では、代表的に左側ヨロイ130L-2について説明するが、右側ヨロイ130R-2も左側ヨロイ130L-2と同様の構成を有し同様に機能する。
【0127】
左側ヨロイ130L-2は、略直方体状の左側羽根部140L-2と、略円柱状の第1の左側軸筒部134Lとを有する。左側羽根部140L-2と第1の左側軸筒部134Lとは、一体に形成される。第1の左側軸筒部134Lは、上下方向に延在する左側貫通孔136Lを有する。第1の左側軸筒部134Lは、第1の実施の形態と同様の構成を有する。
【0128】
左側羽根部140L-2は、左側導電面形成部142L-2を有する。左側導電面形成部142L-2は、互いに離隔した複数の溝状部(凹部)152-2を有する(明瞭のため、以下、単に溝状部152-2と称する)。溝状部152-2は、所定の幅及び深さを有する。複数の溝状部152-2は、上下方向に沿って並んで形成されている。溝状部152-2の溝底は、凹んだ湾曲面によって構成される。具体的には、溝状部152-2の溝底は、半円筒状や四半円筒状などの湾曲した凹んだ形状を有する。溝状部152-2の溝底は、楕円筒状や長円筒状の一部の形状を有してもよい。溝状部152-2の形状を、後述する突条部182-2の形状に合せることで、接触面積を大きくすることができる。
【0129】
隣り合う溝状部152-2は、壁部154-2によって隔たれている。壁部154-2は、溝状部152-2の溝底から立設されている。隣り合う壁部154-2は、互いに平行に所定の間隔を有して配置される。隣り合う壁部154-2の間隔が、溝状部152-2の溝の長さとなる。
【0130】
溝状部152-2の各々には、溝底に沿って左側ヨロイ導電部150L-2が形成される。
【0131】
左側羽根部140L-2は、左側側部にパターン導体EPを有する。パターン導体EPは、線状の形状を有する。
【0132】
<<テンプル160-2>>
テンプル160-2は、右側テンプル160R-2(図示せず)及び左側テンプル160L-2からなる。第2の実施の形態では、代表的に左側テンプル160L-2について説明するが、右側テンプル160R-2も左側テンプル160L-2と同様の構成を有し同様に機能する。
【0133】
左側テンプル160L-2は、第1の実施の形態のテンプル160-1と同様に、長尺な形状を有し、前側の左側端部162Lと後側の左側端部164Lとを有する。左側テンプル160L-2は、テンプル160-1と同様に、収容部166及びモダン168を有する。
【0134】
左側テンプル160L-2は、第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LB(第2の軸筒部170)を有する。具体的には、図8に示すように、左側テンプル160L-2の左側収容部166Lの前部に、第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LBを有する。テンプル160-1と同様に、第2の左上側軸筒部170LUと第2の左下側軸筒部170LBとで第1の左側軸筒部134Lを挟んで左側テンプル160L-2を配置できる。
【0135】
<左側端面部174L>
左側テンプル160L-2の前側の左側端部162Lは、左側端面部174Lを有する。左側端面部174Lは、左側ヨロイ130L-2の左側羽根部140L-2に向かうことができる。
【0136】
左側端面部174Lは、互いに離隔した複数の突条部(凸部)182-2を有する(明瞭のため、以下、単に突条部182-2と称する)。突条部182-2は、所定の幅及び高さを有する。複数の突条部182-2は、上下方向に沿って並んで形成されている。突条部182-2の突出面は、突出する湾曲面によって構成される。突出面は、溝状部152-2と向かい合って、溝底と当接する面である。具体的には、突条部182-2の突出面は、半円筒状や四半円筒状などの湾曲した突出する形状を有する(図8及び図9(a)及び(b)参照)。突条部182-2の突出面は、楕円筒状や長円筒状の一部の形状を有してもよい。隣り合う突条部182-2は、互いに平行に所定の間隔を有して配置される。突条部182-2の各々の突出面に沿って左側テンプル導電部180L-2が形成されている。
【0137】
左側テンプル160L-2は、パターン導体EPを有する。パターン導体EPは、線状の形状を有する。パターン導体EPは、左側テンプル導電部180L-2と電気的に接続されて形成される。左側テンプル導電部180L-2は、収容部166のパターン導体EPと電気的に接続されている。例えば、収容部166に収容されるバッテリの電力を左側テンプル導電部180L-2に導くことができる。
【0138】
<電気的接続>
図9(a)及び(b)に示すように、左側テンプル160L-2は、左側ピン202Lを中心にして前枠190に対して回転することができる。図9(a)は、左側テンプル導電部180L-2が、左側ヨロイ導電部150L-2と接する状態を示す。図9(b)は、左側テンプル導電部180L-2が、左側ヨロイ導電部150L-2から離隔している状態を示す。左側テンプル導電部180L-2が左側ヨロイ導電部150L-2から離隔している状態(図9(b))において、左側テンプル160L-2の回転により、左側テンプル160L-2の左側テンプル導電部180L-2は、左側ヨロイ130L-2の左側ヨロイ導電部150L-2に向かい合った状態で近づくことができる。左側ヨロイ130L-2の一の溝状部152-2には、左側テンプル160L-2の一の突条部182-2が対応する。左側ヨロイ130L-2の一の左側ヨロイ導電部150L-2が、左側テンプル160L-2の一の左側テンプル導電部180L-2が対応する。
【0139】
左側テンプル導電部180L-2は、左側ヨロイ導電部150L-2などを含む他の部材と摺動することがなく、左側ヨロイ導電部150L-2に近づき(図9(b))、左側ヨロイ導電部150L-2に向かい合った状態で即時に(突如に)左側テンプル導電部180L-2の全面が左側ヨロイ導電部150L-2と当接する(図9(a))。左側テンプル導電部180L-2の全面が、左側ヨロイ導電部150L-2に向かい合った状態で近づき(図9(b))、直ちに左側ヨロイ導電部150L-2と接触する(図9(a))。
【0140】
左側テンプル導電部180L-2や左側ヨロイ導電部150L-2は、摺動することがないので、擦れることがなく、左側テンプル導電部180L-2及び左側ヨロイ導電部150L-2の摩耗による劣化を防止でき、安定して電気的に接続することができる。摺動することなく、非接触状態から直ちに最終的な接触状態に遷移させることができる。
【0141】
前述した例では、左側ヨロイ130L-2に溝状部152-2を設け、左側テンプル160L-2に突条部182-2を設ける例を示したが、左側ヨロイ130L-2に突条部を設け、左側テンプル160L-2に溝状部を設ける構成としてもよい。
【0142】
図9(a)に示すように、左側テンプル導電部180L-2が、左側ヨロイ導電部150L-2と接触した状態となったときには、左側テンプル導電部180L-2は、左側ヨロイ130L-2によって前方向から覆われ、左側ヨロイ導電部150L-2は、左側テンプル160L-2によって後方向から覆われる。すなわち、左側テンプル導電部180L-2が、左側ヨロイ導電部150L-2と接触した状態となったときには、左側テンプル導電部180L-2は、左側ヨロイ130L-2と重なり、左側ヨロイ導電部150L-2は、左側テンプル160L-2と重なる。このように、左側テンプル導電部180L-2及び左側ヨロイ導電部150L-2は、左側テンプル160L-2及び左側ヨロイ130L-2によって挟まれ、電気的な接続状態が保護され、損傷されにくくすることができる。
【0143】
<<<<<第3の実施の形態>>>>>
第1の実施の形態では、ヨロイ導電部150-1が平面の形状を有し、テンプル導電部180-1が平面状の形状を有し、ヨロイ導電部150-1とテンプル導電部180-1とが、電気的な非接続状態と接続状態とを即時に遷移できる構成を有した。ヨロイ導電部150及びテンプル導電部180は、非接続状態から接続状態に即時に遷移できるものであれば、平面の形状に限られない。
【0144】
<<<<スマートグラス100-3>>>>
以下では、図10図12を用いて、第3の実施の形態によるスマートグラス100-3の構成を説明する。図10は、第3の実施の形態によるスマートグラス100-3の前枠190及び左側ヨロイ130L-3を示す斜視図である。図11は、第3の実施の形態によるスマートグラス100-3の左側テンプル160L-3を前方から示す斜視図である。図12は、第3の実施の形態によるスマートグラス100-3のヒンジ200-3の動作を示す平面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成には、同じ符号を付した。また、図10図12を用いて、代表的に左側テンプル160L-3について説明するが、右側テンプル160R-3も同様の構成を有し同様に機能する。
【0145】
第3の実施の形態によるスマートグラス100-3は、ヨロイ130-3及びテンプル160-3を有する。
【0146】
<<ヨロイ130-3>>
ヨロイ130-3は、右側ヨロイ130R-3(図示せず)及び左側ヨロイ130L-3からなる。第3の実施の形態では、代表的に左側ヨロイ130L-3について説明するが、右側ヨロイ130R-3も左側ヨロイ130L-3と同様の構成を有し同様に機能する。
【0147】
左側ヨロイ130L-3は、略円柱状の第1の左側軸筒部134Lを有する。第1の左側軸筒部134Lは、上下方向に延在する左側貫通孔136Lを有する。第1の左側軸筒部134Lは、第1の実施の形態と同様の構成を有する。
【0148】
第3の実施の形態によるスマートグラス100-3は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なり、左側リム110Lが、左側導電面形成部142L-3を有する。左側導電面形成部142L-3は、互いに離隔した複数の溝状部(凹部)152-3を有する(明瞭のため、以下、単に溝状部152-3と称する)。溝状部152-3は、所定の幅及び深さを有する。複数の溝状部152-3は、上下方向に沿って並んで形成されている。溝状部152-3の溝底は、平坦な面によって構成される。溝状部152-3の形状を、後述する突条部182-3の形状に合せることで、接触面積を大きくすることができる。
【0149】
隣り合う溝状部152-3は、壁部154-3によって隔たれている。壁部154-3は、溝状部152-3の溝底から立設されている。隣り合う壁部154-3は、互いに平行に所定の間隔を有して配置される。隣り合う壁部154-3の間隔が、溝状部152-3の溝の長さとなる。
【0150】
溝状部152-3の各々には、溝底に沿って左側ヨロイ導電部150L-3が形成される。
【0151】
左側リム110Lは、左側側部にパターン導体EPを有する。パターン導体EPは、線状の形状を有する。
【0152】
<<テンプル160-3>>
テンプル160-3は、右側テンプル160R-3(図示せず)及び左側テンプル160L-3からなる。第3の実施の形態では、代表的に左側テンプル160L-3について説明するが、右側テンプル160R-3も左側テンプル160L-3と同様の構成を有し同様に機能する。
【0153】
左側テンプル160L-3は、第1の実施の形態のテンプル160-1と同様に、長尺な形状を有し、前側の左側端部162Lと後側の左側端部164Lとを有する。左側テンプル160L-3は、テンプル160-1と同様に、収容部166及びモダン168を有する。
【0154】
左側テンプル160L-3は、第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LB(第2の軸筒部170)を有する。テンプル160-1と同様に、第2の左上側軸筒部170LUと第2の左下側軸筒部170LBとで第1の左側軸筒部134Lを挟んで左側テンプル160L-3を配置できる。
【0155】
<左側端面部174L>
左側テンプル160L-3の前側の左側端部162Lは、左側端面部174Lを有する。左側端面部174Lは、左側リム110Lに向かうことができる。
【0156】
左側端面部174Lは、互いに離隔した複数の突条部(凸部)182-3を有する(明瞭のため、以下、単に突条部182-3と称する)。突条部182-3は、所定の幅及び高さを有する。複数の突条部182-3は、上下方向に沿って並んで形成されている。突条部182-3の突出面は、2つの湾曲した湾曲面と2つの湾曲面に挟まれた平坦面とを有する(図11及び図12(b)参照)。突出面は、溝状部152-3と向かい合って、溝底と当接する面である。隣り合う突条部182-3は、互いに平行に所定の間隔を有して配置される。突条部182-3の各々の突出面に沿って左側テンプル導電部180L-3が形成されている。すなわち、左側テンプル導電部180L-3は、突条部182-3の突出面の2つの湾曲した湾曲面と、2つの湾曲面に挟まれた平坦面とに形成される。なお、左側テンプル導電部180L-3は、突条部182-3の平坦面のみに形成されてもよい。後述するように、左側テンプル導電部180L-3が左側ヨロイ導電部150L-3と電気的に接続できればよい。
【0157】
左側テンプル160L-3は、パターン導体EPを有する。パターン導体EPは、線状の形状を有する。パターン導体EPは、左側テンプル導電部180L-3と電気的に接続されて形成される。左側テンプル導電部180L-3は、収容部166のパターン導体EPと電気的に接続されている。例えば、収容部166に収容されるバッテリの電力を左側テンプル導電部180L-3に導くことができる。
【0158】
<電気的接続>
図12(a)及び(b)に示すように、左側テンプル160L-3は、左側ピン202Lを中心にして前枠190に対して回転することができる。図12(a)は、左側テンプル導電部180L-3は、左側ヨロイ導電部150L-3と接する状態を示す。図12(b)は、左側テンプル導電部180L-3が、左側ヨロイ導電部150L-3から離隔している状態を示す。左側テンプル導電部180L-3が左側ヨロイ導電部150L-3から離隔している状態(図12(b))において、左側テンプル160L-3の回転により、左側テンプル160L-3の左側テンプル導電部180L-3は、左側ヨロイ130L-3の左側ヨロイ導電部150L-3に向かい合った状態で近づくことができる。左側ヨロイ130L-3の一の溝状部152-3には、左側テンプル160L-3の一の突条部182-3が対応する。左側ヨロイ130L-3の一の左側ヨロイ導電部150L-3が、左側テンプル160L-3の一の左側テンプル導電部180L-3が対応する。
【0159】
左側テンプル導電部180L-3は、左側ヨロイ導電部150L-3などを含む他の部材と摺動することがなく、左側ヨロイ導電部150L-3に近づき(図12(b))、左側ヨロイ導電部150L-3に向かい合った状態で即時に(突如に)、突条部182-3の平坦面に形成された左側テンプル導電部180L-3が左側ヨロイ導電部150L-3と当接する(図12(a))。突条部182-3の平坦面に形成された左側テンプル導電部180L-3が、左側ヨロイ導電部150L-3に向かい合った状態で近づき(図12(b))、直ちに左側ヨロイ導電部150L-3と接触する(図12(a))。
【0160】
左側テンプル導電部180L-3や左側ヨロイ導電部150L-3は、摺動することがないので、擦れることがなく、左側テンプル導電部180L-3及び左側ヨロイ導電部150L-3の摩耗による劣化を防止でき、安定して電気的に接続することができる。摺動することなく、非接触状態から直ちに最終的な接触状態に遷移させることができる。
【0161】
前述した例では、左側ヨロイ130L-3に溝状部152-3を設け、左側テンプル160L-3に突条部182-3を設ける例を示したが、左側ヨロイ130L-3に突条部を設け、左側テンプル160L-3に溝状部を設ける構成としてもよい。
【0162】
図12(a)に示すように、左側テンプル導電部180L-3が、左側ヨロイ導電部150L-3と接触した状態となったときには、左側テンプル導電部180L-3は、左側ヨロイ130L-3によって前方向から覆われ、左側ヨロイ導電部150L-3は、左側テンプル160L-3によって後方向から覆われる。すなわち、左側テンプル導電部180L-3が、左側ヨロイ導電部150L-3と接触した状態となったときには、左側テンプル導電部180L-3は、左側ヨロイ130L-3と重なり、左側ヨロイ導電部150L-3は、左側テンプル160L-3と重なる。このように、左側テンプル導電部180L-3及び左側ヨロイ導電部150L-3は、左側テンプル160L-3及び左側ヨロイ130L-3によって挟まれ、電気的な接続状態が保護され、損傷されにくくすることができる。
【0163】
<<<<<第4の実施の形態>>>>>
第1の実施の形態では、ヨロイ導電部150-1が平面の形状を有し、テンプル導電部180-1が平面状の形状を有し、ヨロイ導電部150-1とテンプル導電部180-1とが、電気的な非接続状態と接続状態とを即時に遷移できる構成を有した。ヨロイ導電部150及びテンプル導電部180は、非接続状態から接続状態に即時に遷移できるものであれば、平面の形状に限られない。
【0164】
<<<<スマートグラス100-4>>>>
以下では、図13図15を用いて、第4の実施の形態によるスマートグラス100-4の構成を説明する。図13は、第4の実施の形態によるスマートグラス100-4の前枠190及び左側ヨロイ130L-4を示す斜視図である。図14は、第4の実施の形態によるスマートグラス100-4の左側テンプル160L-4を示す前方からの斜視図である。図15は、第4の実施の形態によるスマートグラス100-4のヒンジ200-4の動作を示す平面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成には、同じ符号を付した。また、図13図15を用いて、代表的に左側テンプル160L-4について説明するが、右側テンプル160R-4も同様の構成を有し同様に機能する。
【0165】
第4の実施の形態によるスマートグラス100-4は、ヨロイ130-4及びテンプル160-4を有する。
【0166】
<<ヨロイ130-4>>
ヨロイ130-4は、右側ヨロイ130R-4(図示せず)及び左側ヨロイ130L-4からなる。第4の実施の形態では、代表的に左側ヨロイ130L-4について説明するが、右側ヨロイ130R-4も左側ヨロイ130L-4と同様の構成を有し同様に機能する。
【0167】
左側ヨロイ130L-4は、略直方体状の左側羽根部140L-4と、略円柱状の第1の左側軸筒部134Lとを有する。左側羽根部140L-4と第1の左側軸筒部134Lとは、一体に形成される。第1の左側軸筒部134Lは、上下方向に延在する左側貫通孔136Lを有する。第1の左側軸筒部134Lは、第1の実施の形態と同様の構成を有する。
【0168】
左側羽根部140L-4は、左側導電面形成部142L-4を有する。左側導電面形成部142L-4は、互いに離隔した複数の溝状部(凹部)152-4を有する(明瞭のため、以下、単に溝状部152-4と称する)。溝状部152-4は、所定の幅及び深さを有する。複数の溝状部152-4は、上下方向に沿って並んで形成されている。溝状部152-4の溝底は、略平坦な形状を有する。溝状部152-4の内方向に向かう側壁は、半円筒状の形状を有する。溝状部152-4の形状を、後述する突起部182-4の形状に合せることで、接触面積を大きくすることができる。
【0169】
隣り合う溝状部152-4は、壁部154-4によって隔たれている。壁部154-4は、溝状部152-4の溝底から立設されている。隣り合う壁部154-4は、互いに平行に所定の間隔を有して配置される。隣り合う壁部154-4の間隔が、溝状部152-4の溝の長さとなる。
【0170】
溝状部152-4の各々には、溝底に沿って左側ヨロイ導電部150L-4が形成される。
【0171】
左側羽根部140L-4は、左側側部にパターン導体EPを有する。パターン導体EPは、線状の形状を有する。
【0172】
<<テンプル160-4>>
テンプル160-4は、右側テンプル160R-4(図示せず)及び左側テンプル160L-4からなる。第4の実施の形態では、代表的に左側テンプル160L-4について説明するが、右側テンプル160R-4も左側テンプル160L-4と同様の構成を有し同様に機能する。
【0173】
左側テンプル160L-4は、第1の実施の形態のテンプル160-1と同様に、長尺な形状を有し、前側の左側端部162Lと後側の左側端部164Lとを有する。左側テンプル160L-4は、テンプル160-1と同様に、収容部166及びモダン168を有する。
【0174】
左側テンプル160L-4は、第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LB(第2の軸筒部170)を有する。テンプル160-1と同様に、第2の左上側軸筒部170LUと第2の左下側軸筒部170LBとで第1の左側軸筒部134Lを挟んで左側テンプル160L-4を配置できる。
【0175】
<左側端面部174L>
左側テンプル160L-4の前側の左側端部162Lは、左側端面部174Lを有する。左側端面部174Lは、左側ヨロイ130L-4の左側羽根部140L-4に向かうことができる。
【0176】
左側端面部174Lは、互いに離隔した複数の突起部(凸部)182-4を有する(明瞭のため、以下、単に突起部182-4と称する)。突起部182-4は、所定の半径及び高さを有する。複数の突起部182-4は、上下方向に沿って並んで形成されている。突起部182-4の突出面は、突出する略半球面によって構成される(図14及び図15(b)参照)。突起部182-4の先端が、略半球面の形状を有すればよい。突出面は、溝状部152-4と向かい合って、溝底と当接する面である。隣り合う突起部182-4は、互いに平行に所定の間隔を有して配置される。突起部182-4の各々の突出面に沿って左側テンプル導電部180L-4が形成されている。なお、左側テンプル導電部180L-4は、突起部182-4の前側の先端部のみに形成されても良い。後述するように、左側テンプル導電部180L-4は左側ヨロイ導電部150L-4と電気的に接続できれば良い。
【0177】
左側テンプル160L-4は、パターン導体EPを有する。パターン導体EPは、線状の形状を有する。パターン導体EPは、左側テンプル導電部180L-4と電気的に接続されて形成される。左側テンプル導電部180L-4は、収容部166のパターン導体EPと電気的に接続されている。例えば、収容部166に収容されるバッテリの電力を左側テンプル導電部180L-4に導くことができる。
【0178】
<電気的接続>
図15(a)及び(b)に示すように、左側テンプル160L-4は、左側ピン202Lを中心にして前枠190に対して回転することができる。図15(a)は、左側テンプル導電部180L-4が、左側ヨロイ導電部150L-4と接する状態を示す。図15(b)は、左側テンプル導電部180L-4が、左側ヨロイ導電部150L-4から離隔している状態を示す。左側テンプル導電部180L-4が左側ヨロイ導電部150L-4から離隔している状態(図9(b))において、左側テンプル160L-4の回転により、左側テンプル160L-4の左側テンプル導電部180L-4は、左側ヨロイ130L-4の左側ヨロイ導電部150L-4に向かい合った状態で近づくことができる。左側ヨロイ130L-4の一の溝状部152-4には、左側テンプル160L-4の一の突起部182-4が対応する。左側ヨロイ130L-4の一の左側ヨロイ導電部150L-4が、左側テンプル160L-4の一の左側テンプル導電部180L-4が対応する。
【0179】
左側テンプル導電部180L-4は、左側ヨロイ導電部150L-4などを含む他の部材と摺動することがなく、左側ヨロイ導電部150L-4に近づき(図15(b))、左側ヨロイ導電部150L-4に向かい合った状態で即時に(突如に)、突起部182-4の前側の先端部に形成された左側テンプル導電部180L-4が左側ヨロイ導電部150L-4と当接する(図15(a))。突起部182-4の前側の先端部に形成された左側テンプル導電部180L-4が、左側ヨロイ導電部150L-4に向かい合った状態で近づき(図15(b))、直ちに左側ヨロイ導電部150L-4と接触する(図15(a))。
【0180】
左側テンプル導電部180L-4や左側ヨロイ導電部150L-4は、摺動することがないので、擦れることがなく、左側テンプル導電部180L-4及び左側ヨロイ導電部150L-4の摩耗による劣化を防止でき、安定して電気的に接続することができる。摺動することなく、非接触状態から直ちに最終的な接触状態に遷移させることができる。
【0181】
前述した例では、左側ヨロイ130L-4に溝状部152-4を設け、左側テンプル160L-4に突起部182-4を設ける例を示したが、左側ヨロイ130L-4に突起部を設け、左側テンプル160L-4に溝状部を設ける構成としてもよい。
【0182】
図15(a)に示すように、左側テンプル導電部180L-4が、左側ヨロイ導電部150L-4と接触した状態となったときには、左側テンプル導電部180L-4は、左側ヨロイ130L-4によって前方向から覆われ、左側ヨロイ導電部150L-4は、左側テンプル160L-4によって後方向から覆われる。すなわち、左側テンプル導電部180L-4が、左側ヨロイ導電部150L-4と接触した状態となったときには、左側テンプル導電部180L-4は、左側ヨロイ130L-4と重なり、左側ヨロイ導電部150L-4は、左側テンプル160L-4と重なる。このように、左側テンプル導電部180L-4及び左側ヨロイ導電部150L-4は、左側テンプル160L-4及び左側ヨロイ130L-4によって挟まれ、電気的な接続状態が保護され、損傷されにくくすることができる。
【0183】
<<<<<第5の実施の形態>>>>>
第1~第4の実施の形態では、スマートグラス100-1~100-4の着用に応じて、テンプル160-1~160-4を回転させて、テンプル導電部180とヨロイ導電部150とを電気的に接触させる構成を示した。このような構成にすることで、着用に応じて電源を供給することができ、構成を簡素にするとともに、着用を簡便にできる。
【0184】
このような構成とは別に、使用者の意思によって電源の供給又は遮断をできる構成としてもよい。後述するように、スマートグラス100-5は、使用者が操作できる可動体210を有する。
【0185】
<<<<スマートグラス100-5>>>>
以下では、図16図18を用いて、第5の実施の形態によるスマートグラス100-5の構成を説明する。図16は、第5の実施の形態によるスマートグラス100-5の前枠190と、左側テンプル160L-5と、可動体210との構成を示す分解斜視図である。図17は、第5の実施の形態による可動体210を示す斜視図である。図18は、第5の実施の形態によるスマートグラス100-5のヒンジ200-5の動作を示す平面図である。なお、第1の実施の形態及び第4の実施の形態と同様の構成には、同じ符号を付した。また、図16図18を用いて、代表的に左側テンプル160L-5について説明するが、右側テンプル160R-5も同様の構成を有し同様に機能する。
【0186】
第5の実施の形態によるスマートグラス100-5は、ヨロイ130-4、テンプル160-5及び可動体210を有する。
【0187】
<<ヨロイ130-4>>
スマートグラス100-5は、第4の実施の形態のスマートグラス100-4のヨロイ130-4を有する(図13参照)。第4の実施の形態と同様の構成には、同じ符号を付した。ヨロイ130-4は、略直方体状の左側羽根部140L-4と、略円柱状の第1の左側軸筒部134Lとを有する。左側羽根部140L-4は、左側導電面形成部142L-4を有する。左側導電面形成部142L-4は、互いに離隔した複数の溝状部(凹部)152-4を有する。隣り合う溝状部152-4は、壁部154-4によって隔たれている。溝状部152-4の各々には、溝底に沿って左側ヨロイ導電部150L-4が形成される。
【0188】
<<左側テンプル160L-5>>
左側テンプル160L-5は、第1の実施の形態のテンプル160-1と同様に、長尺な形状を有し、前側の左側端部162Lと後側の左側端部164Lとを有する。テンプル160-5は、テンプル160-1と同様に、収容部166及びモダン168を有する。
【0189】
左側テンプル160L-5は、第2の左上側軸筒部170LU及び第2の左下側軸筒部170LB(第2の軸筒部170)を有する。テンプル160-1と同様に、第2の左上側軸筒部170LUと第2の左下側軸筒部170LBとで左側ヨロイ130L-4の第1の左側軸筒部134Lを挟んで左側テンプル160L-5を配置できる。
【0190】
<<左側テンプル導電部184-5>>
図16に示すように、左側テンプル160L-5は、少なくとも1本の左側テンプル導電部184-5を外側に有する。左側テンプル導電部184-5は、長尺な形状を有する。左側テンプル導電部184-5は、左側テンプル160L-5の長手方向に沿って配置されている。左側テンプル導電部184-5は、収容部166のパターン導体EPと電気的に接続されている。例えば、収容部166に収容されるバッテリの電力を左側テンプル導電部184-5に導くことができる。
【0191】
<<可動体210>>
可動体210は、左側テンプル160L-5に設けられる。具体的には、可動体210は、左側テンプル160L-5の収容部166の一部と重なるように左側テンプル160L-5に設けられる。可動体210は、左側テンプル160L-5の長手方向に沿って往復移動できる。可動体210は、直線状に往復移動できる。後述するように、可動体210は、係合突起218を有し、左側テンプル160L-5の収容部166は、係合孔186を有する。係合突起218と係合孔186との係合によって、可動体210を往復移動させることができる。詳細は、後述する。
【0192】
<可動体導電部212-5>
図17及び図18に示すように、可動体210は、左側テンプル160L-5と向かい合う側(内側)に、可動体導電部212-5を有する。なお、図18(a)は、可動体210の突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5が、左側ヨロイ導電部150L-4と接する状態を示す。図18(b)は、可動体210の突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5が、左側ヨロイ導電部150L-4から離隔している状態を示す。
【0193】
可動体導電部212-5は、左側テンプル導電部184-5に対応する。可動体導電部212-5は、左側テンプル導電部184-5と電気的に接触している。可動体210は、左側テンプル160L-5に向かって押圧されるように、左側テンプル160L-5に係合している。可動体導電部212-5は、左側テンプル160L-5に沿って長尺な形状を有する。可動体210が、左側テンプル160L-5の長手方向に沿って往復移動する間においても、可動体導電部212-5は、左側テンプル導電部184-5との電気的接続が維持されている。
【0194】
可動体210は、可動体端面部214を有する。可動体端面部214は、互いに離隔した複数の突起部(凸部)216を有する(明瞭のため、以下、単に突起部216と称する)。突起部216は、第4の実施の形態の突条部182-2と同等の構成を有し同様に機能する。突起部216は、所定の半径及び高さを有する。複数の突起部216は、上下方向に沿って並んで形成されている。突起部216の突出面は、突出する略半球面によって構成される。突起部216の先端が、略半球面の形状を有すればよい。突起部216の突出面は、ヨロイ130-4の溝状部152-4と向かい合って、溝状部152-4の溝底と当接する面である(図13参照)。突起部216は、互いに所定の間隔を有して配置される。突起部216の各々の突出面に沿って可動体導電部212-5が連続して形成されている。なお、可動体導電部212-5は、突起部216の前側の先端部分にのみ形成されていても良い。後述するように、可動体導電部212-5は左側ヨロイ導電部150L-4と電気的に接続できれば良い。
【0195】
<電気的接続>
可動体210は、左側テンプル160L-5に沿って、往復移動できる。可動体210の移動により、可動体210の突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5(図17参照)は、左側ヨロイ130L-4の左側ヨロイ導電部150L-4(図13参照)に向かい合った状態で近づくことができる。左側ヨロイ130L-4の一の溝状部152-4には、可動体210の一の突起部216が対応する。左側ヨロイ130L-4の一の左側ヨロイ導電部150L-4が、可動体210の一の可動体導電部212-5が対応する。
【0196】
可動体導電部212-5は、左側ヨロイ導電部150L-4などのヨロイ130-4を構成するいずれの部材とも摺動することがなく、左側ヨロイ導電部150L-4に近づき(図18(b))、左側ヨロイ導電部150L-4に向かい合った状態で即時に(突如に)、突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5が左側ヨロイ導電部150L-4と当接する(図18(a))。突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5が、左側ヨロイ導電部150L-4に向かい合った状態で近づき(図18(b))、直ちに左側ヨロイ導電部150L-4と接触する(図18(a))。
【0197】
突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5や左側ヨロイ導電部150L-4は、ヨロイ130-4を構成するいずれの部材と摺動することがないので、擦れることがなく、突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5及び左側ヨロイ導電部150L-4の摩耗による劣化を防止でき、安定して電気的に接続することができる。摺動することなく、非接触状態から直ちに最終的な接触状態に遷移させることができる。
【0198】
このように、可動体210を用いることで、左側テンプル160L-5の開閉動作とは別に、スイッチとして機能させることができる。
【0199】
図16に示すように、左側テンプル160L-5の収容部166は、係合孔186を有する。係合孔186は、左側テンプル160L-5の長手方向に沿った略長円状の形状を有する。図17に示すように、可動体210は、係合突起218を有する。可動体210の係合突起218は、左側テンプル160L-5の係合孔186と係合する。係合突起218は、略長円状の係合孔186の長手方向に沿って移動することができる。係合突起218と係合孔186との係合により、左側テンプル160L-5の長手方向に沿って可動体210を安定して往復移動させるとともに、可動体210を左側テンプル160L-5の最前の一定の位置に掛止させて、可動体導電部212-5が左側ヨロイ導電部150L-4と当接した状態を維持することができる。
【0200】
前述した例では、左側テンプル160L-5に可動体210を設ける例を示したが、リム110やヨロイ130側に可動体210を左側テンプル160L-5に対して移動可能に設けてもよい。
【0201】
突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5が、左側ヨロイ導電部150L-4と接触した状態となったときには、突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5は、左側ヨロイ130L-4によって前方向から覆われ、左側ヨロイ導電部150L-4は、可動体210によって後方向から覆われる。すなわち、突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5が、左側ヨロイ導電部150L-4と接触した状態となったときには、突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5は、左側ヨロイ130L-4と重なり、左側ヨロイ導電部150L-4は、可動体導電部212-5と重なる。このように、突起部216の前側の先端部分に形成された可動体導電部212-5及び左側ヨロイ導電部150L-4は、可動体210及び左側ヨロイ130L-4によって挟まれ、電気的な接続状態が保護され、損傷されにくくすることができる。
【0202】
<<<<実施の形態の範囲>>>>
上述したように、第1~第5の実施の形態を記載した。しかし、この開示の一部をなす記載及び図面は、限定するものと理解すべきでない。ここで記載していない様々な実施の形態等が含まれる。
【符号の説明】
【0203】
100-1、100-2、100-3、100-4、100-5 スマートグラス
130-1、130-2、130-3、130-4、130-5 ヨロイ
150-1、150-2、150-3、150-4 ヨロイ導電部
160-1、160-2、160-3、160-4、160-5 テンプル
180-1、180-2、180-3、180-4 テンプル導電部
190 前枠
210 可動体
212-5 可動体導電部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18