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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181172
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】玩具の可動構造
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/36 20060101AFI20231214BHJP
   A63H 3/46 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A63H3/36 G
A63H3/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023168966
(22)【出願日】2023-09-29
(62)【分割の表示】P 2022094540の分割
【原出願日】2022-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】小西 諒
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150CA02
2C150DA05
2C150EH07
2C150EH08
(57)【要約】
【課題】新規な構造の玩具の可動構造を提供する。
【解決手段】玩具の可動構造1は、第1方向に延びる第1の軸14周りに回動可能な第1可動部10と、第1可動部10に連動可能な第2可動部20と、第1可動部10および第2可動部20に対して回動可能に接続される第3可動部30と、を備え、第1可動部10は、第3可動部30と共に第2可動部20に対し、第1方向に交差する第2方向に延びる軸回りに回動可能である。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具の可動構造であって、
第1方向に延びる軸周りに回動可能な第1可動部と、
前記第1可動部に連動可能な第2可動部と、
前記第1可動部および前記第2可動部に対して回動可能に接続される第3可動部と、を備え、
前記第1可動部は、前記第3可動部と共に前記第2可動部に対し、前記第1方向に交差する第2方向に延びる軸回りに回動可能である、
玩具の可動構造。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具の可動構造であって、
前記第3可動部は、前記第1可動部と前記第2可動部との接続間隔が変更可能に連結されている、
玩具の可動構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の玩具の可動構造であって、
前記第1可動部は、前記第2方向に延びる柱状部を有し、
前記第3可動部は、その一端側が前記柱状部の周りに設けられた旋回盤の外周面に沿って旋回可能に連結され、且つ他端側が前記第2可動部に設けられた係合孔に対して摺動可能に連結されている、
玩具の可動構造。
【請求項4】
請求項3に記載の玩具の可動構造であって、
前記旋回盤の旋回面は、前記第2方向に対して傾斜している、
玩具の可動構造。
【請求項5】
請求項3に記載の玩具の可動構造であって、
前記第3可動部は、少なくとも前記一端側が前記旋回盤を挟み込むように係合する一対の部材にて構成されている、
玩具の可動構造。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の玩具の可動構造であって、
前記第3可動部は、両端が軸支され、且つ長手方向の途中に伸縮可能なシリンダ構造を備えている、
玩具の可動構造。
【請求項7】
請求項6に記載の玩具の可動構造であって、
前記第1可動部は、前記第2方向に延びる柱状部を有し、
前記第3可動部は、前記柱状部を挟む位置に一対設けられている、
玩具の可動構造。
【請求項8】
請求項3に記載の玩具の可動構造であって、
前記第1可動部は、前記第3可動部の一端に接触可能なストッパ部によって旋回範囲が規制されている、
玩具の可動構造。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の玩具の可動構造であって、
前記第1可動部は、一対設けられ、
前記一対の第1可動部は、それぞれの一方端において、前記第1方向に延びる軸にて貫通され、
前記一対の第1可動部は、所定角度の範囲で相対移動可能に設けられ、
前記第3可動部、及び前記第2可動部は、前記一対の第1可動部に夫々対応して設けられ、
前記一対の第1可動部の夫々に対応する前記第3可動部、及び前記第2可動部は、前記第1方向に延びる前記軸に対して独立して回動可能である、
玩具の可動構造。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具の可動構造であって、
前記一対の第1可動部には、互いに接触して互いの移動角を制限する可動範囲ストッパが設けられている、
玩具の可動構造。
【請求項11】
請求項9に記載の玩具の可動構造であって、
前記玩具は、胴体又は足首を有し、
前記第2可動部は、前記胴体側若しくは前記足首側の取付部材である、
玩具の可動構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具の可動構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すような四足動物を模した玩具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-017264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された玩具は、脚部においては、関節部分は回動可能であるものの、基本的には棒立ちの状態である。例えば、関節周りの動きに制限があり、実際の動物に近い柔軟な動きができないのが現状であった。
【0005】
本発明は、新規な構造の玩具の可動構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の玩具可動構造は、
玩具の可動構造であって、
第1方向に延びる軸周りに回動可能な第1可動部と、
前記第1可動部に連動可能な第2可動部と、
前記第1可動部および前記第2可動部に対して回動可能に接続される第3可動部と、を備え、
前記第1可動部は、前記第3可動部と共に前記第2可動部に対し、前記第1方向に交差する第2方向に延びる軸回りに回動可能である、
ものである。
【0007】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記第3可動部は、前記第1可動部と前記第2可動部との接続間隔が変更可能に連結されている、ものである。
【0008】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記第1可動部は、前記第2方向に延びる柱状部を有し、
前記第3可動部は、その一端側が前記柱状部の周りに設けられた旋回盤の外周面に沿って旋回可能に連結され、且つ他端側が前記第2可動部に設けられた係合孔に対して摺動可能に連結されている、ものである。
【0009】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記旋回盤の旋回面は、前記第2方向に対して傾斜している、ものせある。
【0010】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記第3可動部は、少なくとも前記一端側が前記旋回盤を挟み込むように係合する一対の部材にて構成されている、ものである。
【0011】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記第3可動部は、両端が軸支され、且つ長手方向の途中に伸縮可能なシリンダ構造を備えている、ものである。
【0012】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記第1可動部は、前記第2方向に延びる柱状部を有し、
前記第3可動部は、前記柱状部を挟む位置に一対設けられている、ものである。
【0013】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記第1可動部は、前記第3可動部の一端に接触可能なストッパ部によって旋回範囲が規制されている、ものである。
【0014】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記第1可動部は、一対設けられ、
前記一対の第1可動部は、それぞれの一方端において、前記第1方向に延びる軸にて貫通され、
前記一対の第1可動部は、所定角度の範囲で相対移動可能に設けられ、
前記第3可動部、及び前記第2可動部は、前記一対の第1可動部に夫々対応して設けられ、
前記一対の第1可動部の夫々に対応する前記第3可動部、及び前記2可動部は、前記第1方向に延びる前記軸に対して独立して回動可能である、ものである。
【0015】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記一対の第1可動部には、互いに接触して互いの移動角を制限する可動範囲ストッパが設けられている、ものである。
【0016】
本発明の一態様の玩具の可動構造であって、
前記玩具は、胴体又は足首を有し、
前記第2可動部は、前記胴体側若しくは前記足首側の取付部材である、ものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、新規な構造の玩具の可動構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る玩具の可動構造を適用した一態様を示す概略斜視図である。
図2図1に示す玩具における左前脚の斜視図である。
図3】図絵2に示す第1可動部、第2可動部、及び第3可動部を分解して示した分解斜視図である。
図4】第3可動部の取付け構造を示すための分解斜視図である。
図5】第2可動部を、第1可動部、及び第3可動部に対して分離した状態を示す斜視図である。
図6図2のX-X線部分の断面図である。
図7】第1可動部が回動するときの動作説明図である。
図8】ねじれ動作の規制状態を示す斜視図である。
図9図2に示す左前脚の外側へのひねり状態を示す斜視図である。
図10】前脚の胴体接続部の分解斜視図である。
図11】前脚の胴体接続部を使った脚部の開き動作を示す斜視図である。
図12図1に示す玩具における左後脚の斜視図である。
図13】可動構造における第3可動部の変形例を示す一部断面で示す側面図である。
図14図13に示す第3可動部の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一側面を表す一態様について、図1図14を参照して説明する。
【0020】
図1は、本願に係る可動構造を備える玩具の一態様を示す概略斜視図である。
図1に示すように、玩具100は、頭部101、胴体部102(胴体)、及び尾部103を有し、胴体部102には、4つの肢脚部105が取付けられた仮想ロボットを模した玩具である。例えば、玩具100は、仮想上の武装や装甲を着脱して変更可能な戦闘兵器を模して機械的構造を有している。玩具100において、肢脚部105に後述する可動構造1が適用されている。なお、各肢脚部105の取付け部分の外側(図中において上端側)には、例えば、前後に揺動可能な武装部材104などが取付けられている。
【0021】
図2は、図1に示す玩具100における左前脚の斜視図である。図3は、第1可動部10、第2可動部20、及び第3可動部30を分解して示した分解斜視図である。なお、玩具100において、右前脚については、左前脚と左右対称で同じ構造であるので説明を省略する。また、肢脚部105の武装部材104は、取り外した状態で図示する。
【0022】
図2に示すように、可動構造1は、胴体接続部50を介して胴体部102に連結されており、回動軸線CL1、CL2、CL3の部分にて関節のように動くこと可能に構成されている。例えば、可動構造1は、第1方向(回動軸線CL1に沿った方向)に延びる第1の軸14を中心にその周りに回動可能な図中上下に延びる第1可動部10と、第1可動部10の先端側に連結されて連動可能な上下の第2可動部20と、第1可動部10、及び第2可動部20の両方に対して回動可能に接続された上下の第3可動部30と、を備えている。
【0023】
ここで、図2及び図3に示す前脚の可動構造1においては、第1可動部10、第2可動部20、及び第3可動部30は、上下に連結された状態で一対設けられているが、上下一対の同じ構成要素の説明については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。
【0024】
図3に示すように、回動軸線CL1周りに設けられる第1可動部10は、第1の軸14に回転可能に貫通された一対の円柱形のボス部11を中心にして上下に延出されている。ボス部11は、例えば、関節部分を構成するように接触した状態で第1の軸14に貫通され、両ボス部11の回転半径方向に上下に延びる円柱の柱状部12をそれぞれ備えている。第2可動部20は、柱状部12の先端側に連結されている。より詳細には、第1可動部10は、上下一対のものが第1の軸14を中心にして所定の交差角度を成して回転可能に設けられている。更に、上側の第2可動部20u(20)が胴体部102側に接続されて前脚の肩部を構成し、下側の第2可動部20d(20)が足部40との接続部を構成している。また、第3可動部30は、その詳細につては後述するが、柱状部12に対して傾斜して配置され、一端側が第1可動部10の柱状部12の回り取付けられると共に他端側が第2可動部20に取付けられる。
【0025】
なお、ボス部11の外面には、隣合うボス部11同士の相対的な回転位置を規制する可動範囲ストッパ18が設けられている。この可動範囲ストッパ18には、後述するストッパ15を装着する装着突起19が突設されている。
【0026】
上下の柱状部12の延出方向は、回動軸線CL1(第1方向)に交差する脚軸線CL4の方向(第2方向)であって、上側の脚軸線CL4と下側の脚軸線CL4が所定の角度(関節の角度)を成している。そして、両柱状部12は、両第2可動部20u,20d(20)に対して、それぞれの脚軸線CL4を中心にして回動可能に連結されている。また、両第2可動部20u,20d(20)は、共に略円筒形の部材であり、それぞれの回動軸線CL2,CL3が回動軸線CL1に略平行になるように設けられている。
【0027】
上側の第2可動部20uにおいては、その回動軸線CL2上に位置する支軸20cが胴体接続部50に取り付けられている。また、下側の第2可動部20dは、例えば、足連結部20eを介して足部40に接続されている。なお、足連結部20eは、その詳細について説明を省略するが、例えば、足部40を連結するボールジョイント等(図6参照)を介して上下動並びに回転動可能に保持している。また、足部40の先端側には、複数の爪部41が設けられており、これらの爪部41も、個々に上下左右に回動できるように適宜構成されている。
【0028】
柱状部12に一体に設けられた旋回盤13は、その旋回面13eが脚軸線CL4(第2方向)に対して所定角度θ(図4参照)で傾いた円形構造である。そして、第3可動部30は、その一端側33が環状に構成されて、旋回盤13の旋回面13eに対して摺動可能に取付けられ、他端側32が第2可動部20の係合孔22に連結される。
【0029】
図4は、第3可動部30の取付け構造を示すための分解斜視図である。図5は、第2可動部20を、第1可動部10、及び第3可動部30に対して分離した状態を示す斜視図である。
【0030】
第3可動部30は、図4に示すように、柱状部12を左右方向から挟み込むように係合する左右一対の分割部材30L,30Rにて構成されている。第3可動部30は、肉厚に構成された本体胴部31の一端側33が旋回盤13を囲む環状形状で内方に突出する環状突壁33aを有する。一方、本体胴部31の他端側32には、突軸32aが突設され、突軸32aの先端に先端球状部32bが設けられている。
旋回盤13には、外周面に円周方向に沿ったガイド溝13gが設けられている。したがって、第3可動部30は、ガイド溝13gに環状突壁33aが嵌合して柱状部12の周りに摺動可能に連結される。
【0031】
第2可動部20は、前述したように略円筒形の部材で、その外面には、図5に示すように、柱状部12の先端12bが回転可能に連結される取付孔20hが設けられている。また、第2可動部20には、取付孔20hに隣接した位置に第2可動部20の径方向に突出した厚肉の突出壁21が設けられている。この突出壁21には、取付孔20hと同じ方向に開口し、断面が円形の長孔状の係合孔22が設けられている。そして、係合孔22には、先端球状部32bが摺動可能に係合される。
【0032】
図6は、図2のX-X線部分の断面図である。
図6に示すように、回動軸線CL1よりも上側においては、第3可動部30は、第2可動部20と第1可動部10とを結ぶ上側の脚軸線CL4に対し、図中において、左上側から右下側に向かって、前述した傾斜θを有した状態で連結するように設けられている。一方、回動軸線CL1よりも下側の第3可動部30は、第2可動部20と第1可動部10とを結ぶ上側の脚軸線CL4に対し、図中において、左下側から右上側に向かって、前述した傾斜θを有した状態で連結するように設けられている。このようにして、回動軸線CL1を有する部分が、例えば、脚部(前脚)の上下略中央の関節部分として構成されている。
【0033】
図7は、第1可動部10が回動するときの動作説明図である。
脚部を旋回させるねじれ動作は、上下の第2可動部20(図示では上側の片方のみ図示)に対して第1可動部10が回動する場合で、この動作について説明する。
第1可動部10が回動する前の状態では、例えば、図7に示すように、先端球状部32bが係合孔22の最深側(上側)に位置している。そして、第1可動部10が左右の何れかの方向に回転(図中の矢印A方向の回転)する。この回転によって、脚軸線CL4に対して傾斜して設けられている旋回盤13が回転すると、当該旋回盤13は、その最上端に位置しる最上端部位13tが若干下側へ移動する。この旋回盤13の動きによって、第3可動部30は、下方に移動(図中の一点鎖線にて示した矢印B方向に移動)する。この下方への移動に伴って、先端球状部32bは、係合孔22内において開口側(図中において下側)に移動する。また、先端球状部32bが移動したときには、第3可動部30の本体胴部31も回転移動することで、突軸32aは、係合孔22に対して回転した分だけ当初の位置に比べて傾斜した状態となる。
【0034】
このように、第3可動部30は、第1可動部10が回動して第1可動部10と第2可動部20との向きが捩れた状態となっても、第1可動部10と第2可動部20との接続間隔を若干変えるだけでその接続状態を維持する。
【0035】
図8は、ねじれ動作の規制状態を示す斜視図である。
脚部を旋回させるねじれ動作を行う場合、図8に示すように、第1可動部10を、第2可動部20に対して相対的に回転させる。すなわち、脚部を上方から見た場合、回動軸線CL2に対して回動軸線CL1が交差する向きに旋回させる。この回転に際して、第3可動部30は、旋回盤13に引きずられるように第1可動部10と共に回転する。しかし、第3可動部30は、第1可動部10とは回転移動のズレを起こして摩擦力が増大し、移動量が徐々に小さくなって第1可動部10よりも先に回転が停止する。したがって、第1可動部10の回転量の制限、すなわち、ねじれ動作の制限は、第1可動部10と第3可動部30との摩擦力によって設定することが可能である。また、この回転による摩擦力が小さいときには、第3可動部30に対して第1可動部10の相対移動量が大きくなるが、この場合、図8に示すように、第1可動部10側に設けられたストッパ15と、本体胴部31の端面31eと、が当接してねじれ動作量(旋回範囲)を規制することができる。
【0036】
また、一対の第1可動部10の連結部分においては、ボス部11に設けられた可動範囲ストッパ18は、例えば、上下の脚軸線CL4が開くよう動作(図8において、矢印C方向)したときに、可動範囲ストッパ18の基部18b同士が当接する。これにより、上下の第1可動部10の移動角を制限することができる。
【0037】
図9は、図2に示す左前脚の外側へのひねり状態を示す斜視図である。
上述の如く構成された可動構造1において、関節部分の屈伸動作以外に、例えば、図9に示すように、脚部のねじれ動作を行うことができる。この場合、図示の脚部を上方から見て回動軸線CL2の向きに対して、回動軸線CL1を反時計回り方向に旋回させる。また、足首部分の回動軸線CL3についても、上方から見て更に反時計回りの方向に旋回するように捻った状態とすることができる。このように、胴体部102に対して上下2つの第1可動部10を共に開く方ように回転することで、足部40が、胴体部102に対して大きく開かれる。また、図9に示す状態とは逆に、足部40を内側(胴体部102側)に曲げるような動きもできる。更に、上下の第1可動部10を異なった方向に回転させた場合には、より複雑なねじれ状態を表現することができる。
【0038】
図10は、前脚の胴体接続部50の分解斜視図であり、図11は、前脚の胴体接続部50を使った脚部の開き動作を示す斜視図である。
胴体接続部50は、図10に示すように、一端の取付部54が胴体部102に取付けられた横連結部52と、横連結部52の他端の支軸部55に回動可能に軸支された縦連結部51と、を備えている。そして、縦連結部51の連結孔56には、上側の第2可動部20uの支軸20cが連結される。横連結部52は、例えば、回動軸部52cを有する胴体側連結部52aと、回動軸部52cが嵌入される嵌合孔52dを有する脚側連結部52bと、を有している。そして、脚側連結部52bは、胴体側連結部52aに対して回動軸部52c周りに回転可能に接続される。胴体接続部50がこのように構成されていることで、図11に示すように、前脚部は、胴体部102に対して、横方向(左側方向)に大きく開く動作ができる。
【0039】
図12は、図1に示す玩具における左後脚の斜視図である。
図12に示す左後脚の場合、前脚と異なる点は、胴体接続部60の構造、上下一対の第1可動部10の連結向き、及び足部40の足首連結部46の長さ等が異なる。それ以外の部分については、前述した前脚と同じ構成である。例えば、後脚の場合、上下一対の第1可動部10は、連結箇所が上側の第2可動部20よりも前方側に位置し、前脚の場合とは胴体部102の向きに対する前後が反転した構成となっている。また、胴体接続部60については、前脚の場合のようにリンク構造とはなっておらず、胴体部102の略前後方向に延びる一本の支持部材にて構成されている。このように構成された後脚においては、その動作は、図11に示した開き動作以外の動作については、前脚の動作と同様な動作をすることができる。
【0040】
第3可動部30の構造については、図13、及び図14に示すように変更することも可能である。
図13は、可動構造1における第3可動部30の変形例を示す一部断面で示す側面図であり、図14は、図13に示す第3可動部30の概略斜視図である。
【0041】
図13に示す第3可動部30においては、例えば、シリンダ本体部35、及びシリンダシャフト本体部36を備えるシリンダ構造である。シリンダ本体部35は、その一端側(図中において左側)が第1可動部10側の突出壁17に第1可動側連結部35bを介して連結され、シリンダ本体部35の他端側には、シリンダ開口35aが第2可動部20側に向って開口している。シリンダシャフト本体部36は、その一端側(図中において右側)が第2可動部20側の突出壁21に第2可動側連結部36bを介して連結されている。そして、シリンダ本体部35側に向って突出するシリンダシャフト36aが、シリンダ開口35aに挿入されている。
【0042】
このように構成されている場合、例えば第1可動部10が回転したときに、第2可動部20側の突出壁17と第1可動部10側の突出壁21との距離が変化する。このとき、シリンダシャフト36aがシリンダ開口35a内を移動することで、シリンダ本体部35とシリンダシャフト本体部36との間隔が変わり、これに伴って、シリンダ本体部35とシリンダシャフト本体部36との間隔が変化する。そして、シリンダシャフト36aとシリンダ開口35aとの摩擦力、シリンダ開口35a内の空気の出入り具合等によって第3可動部30の伸縮時の弾力や、動きをコントロールすることが可能である。
【0043】
図14に示すように、第3可動部30を構成するシリンダ本体部35とシリンダシャフト本体部36は、柱状部12を挟むように両側に配置されている。このように配置されていることで、一方側のシリンダ本体部35とシリンダシャフト本体部36の間隔が広がった場合には、他方側のシリンダ本体部35とシリンダシャフト本体部36の間隔が狭まるように交互に動作する。すなわち、内外の筋肉のように動作することができる。
【0044】
以上述べたように、図1図14に示した本態様においては、動物の手足を模した玩具の可動構造において、第1方向に延びる第1の軸14周りに回動して関節のように屈伸動可能な第1可動部10が、第1の軸14を揺動するさせる方向(第1方向と交差する第2方向に延びる)に旋回することができるように構成されていることから、関節付近を捻じるように回すことができる。この結果、実際の関節周りの動きに近い動きをすることができる。また、動物のような柔軟な動きを再現することができる。
【0045】
本態様においては、第3可動部30は、第1可動部10と第2可動部20との接続間隔が変更可能に連結していることで、例えば、第2方向に延びる第2の軸である柱状部12(脚部骨が伸びた長手方向の軸)の周りにおいて、この柱状部12が回転したときに当該柱状部12の周り纏わりつくように伸縮する筋肉の伸び縮みを表現でき、実際の動物に近い動きが可能である。
【0046】
本態様においては、第3可動部30の一端側33が旋回盤13の旋回面13eの外周に摺動可能に支持されていることで、一端側33と他端側32の連結は維持されたままの状態で柱状部12の回転を許容することができる。この結果、柱状部12と第3可動部30とは、当該柱状部12の軸周りにおける相対位置がずれるようにねじれ動作ができる。
【0047】
更に、本態様においては、第1可動部10の回転によって第1可動部10と第2可動部20の連結距離を変える一つの構成としては、例えば、旋回盤13の旋回面13eが柱状部12(第2方向)に対して傾斜していることで、柱状部12が回転したとき場合、第3可動部30は、旋回盤13上を移動して当該柱状部12の長手方向に移動する。この結果、柱状部12の一端部(前脚の膝)が向きを変えるように回転したときでも、第3可動部30の連結は、連結距離を変えながら連結状態が維持され、まるで、動物の筋肉部分のように伸縮動作が行われるように、例えば、脚部の膝部分の旋回(ねじれ)が可能となる。また、ねじれ角度が大きくなるのに伴って、摩擦力が大きくなるように設定することも可能であり、これにより、実際の動物に近い関節の動きを模することが可能である。
【0048】
本態様においては、第3可動部30は、旋回盤13を挟み込むように係合する一対の分割部材30L,30Rにて構成されていることで、内外の筋肉形状を表現し易い。また、一対の組合せにて構成されていることで、分割部材30L,30Rを旋回盤13に組み込むときに、組み立て性が良い。
【0049】
本態様においては、第3可動部30は、その長手方向の途中に伸縮可能なシリンダ構造を備えていることで、シリンダ構造で支持しながら第1可動部10の柱状部12の回転を支持することができる。また、柱状部12をその径方向において挟む位置に一対のシリンダ構造の第3可動部30が配置されていることで、内外の筋肉が表現できる。また、一対のシリンダ構造の第3可動部30は、柱状部12の回転方向が交互に行われてた時には、交互に伸縮動作が行われ、実際の動物の筋肉に近い動きが可能である。
【0050】
本態様においては、第1可動部10は、第3可動部30の一端に接触可能なストッパ15によっての旋回範囲を規制することができる。また、第3可動部30と第1可動部10との回転相対位置が制限されることで、第2可動部20と他端側32との外れが防止される。更に、旋回部分の部品の保護ができる。
【0051】
本態様においては、第1可動部10が一対の柱状部12が所定の方向に延びるように設けられることで、膝や肘といった関節部分を模すことができる。また、捻れ動作が独立して可能構造が上下に設けられることで、例えば、膝から上の脚部を胴体部分に対して旋回する一方、これとは独立して、膝から下の脚部についても自在に旋回できる。この結果、実際の動物に近い動きが可能になる。
【0052】
本態様においては、一対の第1可動部10において、第1方向の軸線周りの方向の回転角度を制限する可動範囲ストッパ18が設けられていることで、例えば、膝部分の可動範囲を制限して実際の動物に近い動きが可能になる。また、一対の第1可動部10の回りすぎを制限することで、回転部分の部品の保護ができる。
【0053】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、四つ足動物を模したロボット玩具について説明したが、これに限るものではなく、二足歩行のロボットや蛇のような蛇行するロボットなど様々な形態の可動構造を有する玩具に適用可能である。また、脚部に限らず、腕部や胴部、しっぽ部など可動する部分に適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 可動構造
10 第1可動部
14 第1の軸
12 柱状部
13 旋回盤
15 ストッパ
18 可動範囲ストッパ
20 第2可動部
22 係合孔
30 第3可動部
30L、30R 一対の分割部材(一対の部材)
32 第3可動部の他端側
33 第3可動部の一端側
図1
図2
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