(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181173
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】鉄鉱石ペレット
(51)【国際特許分類】
C22B 1/244 20060101AFI20231214BHJP
C21B 13/12 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
C22B1/244
C21B13/12
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023169180
(22)【出願日】2023-09-29
(62)【分割の表示】P 2020508085の分割
【原出願日】2018-04-18
(31)【優先権主張番号】1706116.9
(32)【優先日】2017-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519373822
【氏名又は名称】バインディング ソリューションズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】ナイジェル ピケット
(57)【要約】
【課題】電気アーク炉を使用した鋼の製造のコストを削減すること。
【解決手段】粒子状鉄鉱石と、0.05~1.0質量%の有機バインダーとを含むペレット、及び鋼を製造するための電気アーク炉におけるかかるペレットの使用。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状鉄鉱石と、0.05~1.0質量%、典型的には0.3質量%未満の有機バインダーとを含むペレット。
【請求項2】
前記有機バインダーがポリマー有機バインダーである、請求項1に記載のペレット。
【請求項3】
前記有機バインダーが、ポリアクリルアミド樹脂、レゾール樹脂、ノボラック樹脂、ポリビニルアルコール及び多糖類から選択される、請求項1又は2に記載のペレット。
【請求項4】
前記粒子状鉄鉱石が磁性を有するものである、請求項1~3のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項5】
防水剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項6】
さらに、最大20質量%までの炭素質材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項7】
前記粒子状鉄鉱石が、ペレット化の前に100μmメッシュを通過することができる、請求項1~6のいずれか一項に記載のペレット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のペレットを電気アーク炉において加熱することを含む、鋼の製造方法。
【請求項9】
前記ペレットが還元性雰囲気下で加熱される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
水素、シェールガス又は天然ガスを含む還元性雰囲気下で加熱することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
スクラップ金属と混合することを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ペレットとスクラップ金属の合計の最大50質量%までが前記鉄鉱石ペレットで構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記粒子状鉄鉱石を最大0.3質量%までのバインダーと混合することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のペレットの製造方法。
【請求項14】
必要に応じて請求項13に記載の方法により製造された請求項1~7のいずれか一項に記載のペレットを用意し、前記ペレットを電気アーク炉に輸送し、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法により鋼を製造することを含む、鋼の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気アーク炉において使用するための鉄鉱石を含むペレット及びかかるペレットから鋼を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子状鉄及び他の金属鉱石からのブリケットの製造は、一般的に、当該技術分野で知られている。典型的には、かかる粒子は、ブリケットを形成するために、セメント又はクレイなどのバインダーを使用して結合される。
【0003】
かかるブリケットは、高炉又は直接鉄還元(DRI)で使用される。ブリケットをうまく輸送し、高炉内で使用できるように、ブリケットは十分に強く設計されている。ブリケットは、高炉から溶融炉に至るまでその完全性を維持できるものである必要がある。そうでないと、高炉又はDRIプラントの性能が悪影響を受ける可能性がある。セメント又はクレイの使用に関連する問題は、セメント又はクレイの使用は、プロセスの最後に生成される鉄及びスラグ中のシリカの量が増加させることである。
【0004】
かかるブリケットに必要とされる高い強度は、デンプンやポリビニルアルコール(PVA)などのより高価なバインダーの使用を制限してきた。
【0005】
電気アーク炉は、例えば2つのグラファイト電極間で、電気アークを使用して、装入材料を加熱する。装入材料と電極の間にアークが形成される。装入材料は、装入材料を通過する電流と、アークによって発生する放射エネルギーによって加熱され、3000℃に達することがある。
【0006】
典型的には、電気アーク炉は、スクラップ金属から鋼を生産するために使用される。典型的には、細断処理物(白物家電、自動車又は他の軽量形鋼に由来)又はヘビーメルト(梁の大型スラブ)が使用される。スクラップ金属を使用する場合の問題は、投入鋼材(ひいては生産される鋼)の品質がしばしば低いことである。鋼は、しばしば、それに比較的高価な海綿鉄又は銑鉄が加えられることを必要とある。スクラップ金属は現在1トン当たり約$280であり、海綿鉄はしばしばこれよりも高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
出願人は、鉄のより安価な供給源を使用は、アーク炉を使用してより低費用で鋼を生産することを可能にすることを認識した。鉄鉱石などの代替源を使用する場合の問題の1つは、鉄鉱石を鉄に還元する必要があることである。これは、典型的には、アーク炉では行われない。しかしながら、出願人は、鉄鉱石の粒子状廃棄物を使用し、アーク炉において還元性雰囲気を使用できれば、これを使用できることを認識した。
【0008】
アーク炉において使用するためのペレットの製造は、高炉で使用される従来のペレットとは異なる問題を引き起こす。ペレットは、アーク炉の上部にあるスラグの層を破るために十分に重い必要がある。しかしながら、ペレットは、また、ペレット内の鉄鉱石が炉内の還元性雰囲気と反応して鉄を生成することができるのに十分に多孔質でなければならない。その後、鉄はスクラップ金属と混合して、アーク炉において必要な鋼を生成する。また、粒子をまとめる結合は、粒子が溶融し、溶融金属に均一に分散できるように十分に弱い必要がある。
【0009】
粒子状材料を使用すると、酸化鉄の表面積が増加するため、酸化鉄は還元性雰囲気とより効率的に反応できる。さらに、本発明者らは、有機バインダーを使用する場合、このバインダーは炉の熱で燃え尽き、ペレットの多孔性が増加し、還元性雰囲気とより容易に反応することを認識した。鉄鉱石のペレットのコストは、典型的には、鉄鉱石のスポット価格に対して100%のプレミアムである。(ペレットの価格は、現在、1トンあたり約120ドルである。)。したがって、このプロセスによって、アーク炉で生産される鋼の価格を下げることができる。
【0010】
さらに、より安価な還元性ガスの選択は、アーク炉を使用した鋼の製造コストの削減にも役立つ。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、粒子状鉄鉱石と1.5質量%未満のバインダーとを含むペレットを提供する。バインダーは、典型的には、有機バインダーである。上述のように、有機バインダーは、典型的には、炉の熱によって燃え尽き、炉内の材料の多孔性を増加させるという利点がある。粒子状材料は、典型的には直径が4mm以下、より典型的には1mm未満、もしくは500ミクロン未満、又は100ミクロン未満である。これは、篩を通過できるかどうかで判断できる。典型的には、粒子状材料の少なくとも10質量%が、ペレットに形成される前に100μmの篩を通過することができる。より一般的には、当該材料を、30μm又は20μmの篩サイズを使用して篩にかける。当該材料の少なくとも50%、80%又は100%が篩を通過することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「ペレット」という用語には、ペレット、ロッド、ペンシルスラグ(pencils slugs)と一般に呼ばれる物体が包含されることに注意されるべきである。ペレットは、典型的には20mm、より典型的には16mm又は15mmの最大平均直径、2mm、特に5mmの最小平均直径、又は10~12mmの平均直径を有する。これらの物体は、圧縮された形態の素材であるという共通の特徴を共有し、主にそれらのサイズ及び形状により区別される。
【0013】
バインダーはポリマーバインダーであることができ、例えばポリアクリルアミド樹脂、レゾール樹脂もしくはノボラック樹脂などの有機樹脂、及び/又は例えばデンプン、ヒドロキシエチルメチルセルロース、アラビアゴム、グアーガム又はキサンタンガムなどの多糖類から選択することができる。多糖類は増粘剤として使用されてもよい。ヒドロキシエチルメチルセルロース(MHEC)は、特に優れた保存寿命を有することがわかった。これは有機樹脂と混合されてもよい。
【0014】
例えば、バインダーの総量は、1.0質量%、0.8質量%、0.6質量%、0.5質量%、少なくとも0.05質量%、少なくとも0.1質量%、又は少なくとも0.2質量%であることができる。樹脂に対する多糖類の量は、組み合わせて使用される場合、0.5~0.1%の樹脂に対して、多糖類0.1~0.5質量%であることができる。
【0015】
ポリビニルアルコール(PVA)は、0~0.3質量%、特に0.1~0.2質量%の量で、他のバインダーの代わりに、又は他のバインダーに加えてバインダーとして使用されてもよい。典型的には、ポリビニルアルコールは、必要に応じて他のバインダーに加えて追加され、グリーン強度及び硬化強度を改善する。
【0016】
デンプンの例としては、例えば、小麦、トウモロコシ及び大麦デンプンが挙げられる。より典型的には、ジャガイモデンプンは比較的安価であるため、デンプンはジャガイモデンプンである。
【0017】
ポリビニルアルコールは、典型的には、けん化と呼ばれるプロセスでポリ酢酸ビニルを水酸化ナトリウムと反応させることによってアセテートの酢酸基をヒドロキシル基に置き換えることにより、ポリ酢酸ビニルから商業的に形成される。部分けん化とは、アセテート基のいくつかがヒドロキシル基に置き換わっており、それにより少なくとも部分的にけん化されたポリビニルアルコール残基が形成されることを意味する。
【0018】
典型的には、PVAは少なくとも80%のけん化度、典型的には少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%のけん化度を有する。PVAは、例えば、ドイツ国のKuraray Europe GmbHから商業的に入手することができる。典型的には、それは水溶液として利用される。PVAは、例えば、水酸化ナトリウム分を含むように変性されてもよい。
【0019】
典型的には、PVAバインダーは12~13%の活性ポリマー含有量を有し、溶液中にあるときに4~6の範囲内のpHを有する。
【0020】
レゾールは、ホルムアルデヒドとフェノールの比が1を超える(通常、約1.5である)塩基触媒フェノール-ホルムアルデヒド樹脂である。ノボラックは、ホルムアルデヒドとフェノールのモル比が1未満のフェノール-ホルムアルデヒド樹脂である。
【0021】
典型的には、追加のバインダー、例えば無機バインダー、例えばクレイなどは粒子状材料に追加されない。
【0022】
添加剤による鉄の濡れを改善するために、例えばSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)などの界面活性剤が微量で加えられてもよい。
【0023】
典型的には、鉄鉱石は、例えば電気炉からの尾鉱又は粉塵である。当該鉱石は磁鉄鉱(Fe3O4)又は赤鉄鉱(Fe2O3)であることができる。鉄鉱石は、天然に存在する汚染物質を含んでもよい。
【0024】
粒子状鉄鉱石は、50%未満、より典型的には30%未満、又は25%未満の水分含有量を有していてもよい。典型的には、水分含有量は、少なくとも2質量%、又は少なくとも5質量%もしくは10質量%である。
【0025】
典型的には、混合物を凝集させるためにツインシャフトバッチ混合物(twin-shaft batching mixtures)が使用される。全体として、ペレットを形成するために、プレス又は押出機が典型的に使用される。
【0026】
ペレットの材料の耐候性を高めるために、防水剤が使用されてもよい。防水剤は、例えば噴霧により、粒子状材料と組み合わされても、ペレットの外表面上の層として組み合わされてもよい。防水剤としては、例えば、スチレン-アクリレート共重合体、及び瀝青エマルジョンが挙げられる。
【0027】
ペレットは、さらに、最大20質量%の炭素質材料を含んでもよい。炭素質材料は、例えば、コークス、カーボンブラック、泥炭又は石炭であることができる。石炭は、亜炭、亜歴青炭、歴青炭、一般炭又は無煙炭などの任意のグレードの石炭であることができる。炭素質材料は、典型的には粒子状であり、鉄粒子について上で定義した粒径を有することができる。
【0028】
ペレットは、15質量%未満、10質量%未満、又は5質量%未満の炭素質材料を含んでもよい。
【0029】
ペレットは、典型的には、炉に入れられる前に、例えば焼結せずに、あるいは60℃超、又は40℃もしくは30℃超に加熱せずに、冷間成形される。
【0030】
炉、例えばアーク炉などにおいて本発明に係るペレットを加熱することを含む鋼の製造方法も提供される。典型的には、ペレットは還元性雰囲気下で加熱され、鉄鉱石を、鋼に組み込まれるべき鉄に変換する。還元性雰囲気は、例えば、水素、シェールガス又は他の天然ガスであってもよい。水素ガスは、化石燃料の処理からの副産物としてしばしば生成される。シェールガスは、シェール層内に閉じ込められている天然ガスである。シェールガスは、米国においてますます重要な天然ガス供給源となっており、世界のその他の潜在的なガス頁岩に関心が広がっている。ガス頁岩は比較的安価な天然ガス供給源になってきた。天然ガスの代替供給源としては、例えば、英国沿岸沖の北海のガス田内の天然ガス鉱床が挙げられる。
【0031】
この方法は、典型的には、ペレットをスクラップ金属と混合することを含む。典型的には、ペレットとスクラップ金属の合計の最大50質量%までが鉄鉱石ペレットである。より典型的には、使用されるペレットの量は、ペレットの質量の40%未満、30%未満、20%未満、又は少なくとも5%である。
【0032】
粒子状鉄鉱石を最大0.3質量%までのバインダーと混合することを含む、本発明に係るペレットの製造方法も提供される。バインダー及び鉄鉱石は上記定義のとおりであることができる。上に示したように、典型的には、混合物を凝集させるためにツインシャフトバッチ混合が使用される。典型的には、押出機を使用してペレットを形成することができる。
【0033】
ペレットの圧縮量は、例えば、必要な圧縮量に応じて、粒子状鉄鉱石とバインダーの混合物を多かれ少なかれ真空下に置くことによって変えることができる。真空を大きくすると、ペレットの圧縮が増加する。あるいは、これは、ペレットを形成するために使用される圧力の量によって制御されてもよい。
【0034】
本発明はまた、鋼の製造方法であって、必要に応じて本発明に係るペレットを製造する方法により製造された本発明に係るペレットを用意し、ペレットを電気アーク炉に輸送し、本発明の方法により鋼を製造することを含む、鋼の製造方法を提供する。
【0035】
ペレットは、それが使用される場所とは別の場所で製造されてもよい。すなわち、ペレットは、例えば粉鉄鉱石の堆積物がある場所でバインダーと組み合わせることによりペレットにすることで製造され、次いで、地理的に別の場所の電気アーク炉に輸送される。輸送は、例えば、船舶、道路又は鉄道による場合がある。
【0036】
あるいは、バインダーは、アーク炉と実質的に同じ場所で粒子状鉄鉱石と混合され、次いで、アーク炉に入れられてもよい。
【0037】
ペレットは、例えば、コンベアベルトによって、あるいは、ペレットをアーク炉に移動させるための他の適切な手段によって、アーク炉に入れることができる。
【0038】
ここで、本発明を単なる例として説明する。
【0039】
高炉における冷間結合鉄鉱石ペレットの還元特性の調査
直接還元及びサブマージドアーク炉(submerged Arc Furnace)の条件
様々なサンプルを以下の方法で試験した。
ペレットを小さなインコネルレトルトに入れ、活性炭顆粒で周りを囲んだ。容器を閉じて、マッフル炉の内側に配置した。フルサイズのプラント内の状態をシミュレートするために、様々な熱及び時間で炉をサイクルした。
サンプルが自然に室温まで冷却されたときに、サンプルの状態を評価した。
【0040】
1.サンプルのタイプ:未選鉱鉱石、主に赤鉄鉱
粉末状のレゾール型樹脂及びグリーン強度を得るための液体ポリマーバインダーを含むバインダーを使用した16×16mmペレット。冷間圧縮強度(cold compression strength)>5kN。
テストサイクル
a.600℃/30分間
b.600℃/2時間
c.1000℃/1時間
結果:
a.サンプルに顕微鏡で容易に見える微小亀裂が生じた。サンプルは、磁鉄鉱への還元を示すある程度の磁性を発現した。
b.サンプルは非常に磁性があり、膨張割れにより寸法が1~3%増加した。
c.サンプルは硬化し、寸法が原寸に戻った。
【0041】
2.サンプルのタイプ:選別された鉱鉱石、主に磁鉄鉱
粉末状のレゾール型樹脂及びグリーン強度を得るための液体ポリマーバインダーを含むバインダーを使用した16×16mmペレット。冷間圧縮強度>6kN。
テストサイクル
a.600℃/30分間
b.600℃/2時間
c.1000℃/1時間
結果
a.変化は観察されなかった。
b.顕微鏡下で観察した場合、ペレットは本質的に小胞を有していた。
c.寸法変化- 5~10%分減少、高度に小胞を有していた。
【0042】
3.サンプルのタイプ:混合BF廃棄物
液体ポリマーバインダーを含むバインダーを使用した16×16mmペレット。冷間圧縮強度>5kN。
テストサイクル
a.600℃/30分間
b.1100℃/1時間
結果
a.色の変化及び強度の低下。
b.高度に小胞を有し、強度が増加、焼結結合の証拠。
【0043】
4.サンプルのタイプ:混合EAFダスト
有機液体バインダーを使用した32×32mmペレット。
テストサイクル
a.600℃/30分間
b.1000℃/1時間
結果
a-変化は観察されなかった。
b-体積25%減少。強度のわずかな変化。
【0044】
例:
5.0~50ミクロンのサイズの低品位赤鉄鉱石尾鉱は20%の水分含有量を有する。
上記鉱石に、サイズ範囲-500ミクロンの0.5%アニオン性ポリアクリルアミド粉末を加え、高せん断ミキサーで混合する。
生産の補助として、例えばSLSなどの微量の界面活性剤を追加する。
真空押出を使用して15mmの開口部を通じて押出し、ペレット寸法に切断する。
押出前の水分含有量は20%であり、押出後は16%である。
硬化時間は25℃で24時間である。
試験結果:圧縮強度>250kg/cm2
RDI乃至ISO 4696-2静置=36
【0045】
6.密度2.3~2.5t/m3、等級0~100ミクロン、水分含有量13%±3の高品位磁鉄鉱精鉱。これは、ペレットグレードに選鉱された場合、多くの赤鉄鉱鉱石に特有のものである。
鉱石に、高分子量のヒドロキシエチルメチルセルロースなどの合成増粘剤と水溶性で粉末状のノボラック樹脂0.5%を加え、次に、高せん断ミキサーで混合する。
例えばアラビアゴム、グアーガム、キサンタムガムなどのガムも使用できるが、フィールドでの保存期間が短いことが判明した。
真空押出しを使用して15mmの開口部を通じて押出し、ペレット寸法に切断する。25℃で24時間硬化した後、ペレットは250kg/cm2を超える強度を有する。
550及び900℃での熱安定性は次のとおりである。
550℃/1時間-50%を超える強度を保持。
900℃/1時間-60%を超える強度を保持。
PvOHを混合物に0.1~0.2%添加して、グリーン強度及び硬化強度を>400kg/cm2に高めることができる。
【0046】
7.バグハウスフィルターからの電気アーク炉ダスト:
代替バインダーは、2%溶液の高分子量MHECである。5~10%を加え、高せん断ミキサーで混合する。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
7.バグハウスフィルターからの電気アーク炉ダスト:
代替バインダーは、2%溶液の高分子量MHECである。5~10%を加え、高せん断ミキサーで混合する。
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
粒子状鉄鉱石と、0.05~1.0質量%、典型的には0.3質量%未満の有機バインダーとを含むペレット。
[態様2]
前記有機バインダーがポリマー有機バインダーである、態様1に記載のペレット。
[態様3]
前記有機バインダーが、ポリアクリルアミド樹脂、レゾール樹脂、ノボラック樹脂、ポリビニルアルコール及び多糖類から選択される、態様1又は2に記載のペレット。
[態様4]
前記粒子状鉄鉱石が磁性を有するものである、態様1~3のいずれか一つに記載のペレット。
[態様5]
防水剤を含む、態様1~4のいずれか一つに記載のペレット。
[態様6]
さらに、最大20質量%までの炭素質材料を含む、態様1~5のいずれか一つに記載のペレット。
[態様7]
前記粒子状鉄鉱石が、ペレット化の前に100μmメッシュを通過することができる、態様1~6のいずれか一つに記載のペレット。
[態様8]
態様1~7のいずれか一つに記載のペレットを電気アーク炉において加熱することを含む、鋼の製造方法。
[態様9]
前記ペレットが還元性雰囲気下で加熱される、態様8に記載の方法。
[態様10]
水素、シェールガス又は天然ガスを含む還元性雰囲気下で加熱することを含む、態様9に記載の方法。
[態様11]
スクラップ金属と混合することを含む、態様8~10のいずれか一つに記載の方法。
[態様12]
前記ペレットとスクラップ金属の合計の最大50質量%までが前記鉄鉱石ペレットで構成される、態様11に記載の方法。
[態様13]
前記粒子状鉄鉱石を最大0.3質量%までのバインダーと混合することを含む、態様1~7のいずれか一つに記載のペレットの製造方法。
[態様14]
必要に応じて態様13に記載の方法により製造された態様1~7のいずれか一つに記載のペレットを用意し、前記ペレットを電気アーク炉に輸送し、態様8~13のいずれか一つに記載の方法により鋼を製造することを含む、鋼の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子状鉄鉱石と、0.05~1.0質量%、典型的には0.3質量%未満の有機バインダーとを含むペレット。
【外国語明細書】