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特開2023-181218持続放出ミドドリン塩酸塩組成物及び使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181218
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】持続放出ミドドリン塩酸塩組成物及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/165 20060101AFI20231214BHJP
   A61P 9/02 20060101ALI20231214BHJP
   A61P 9/06 20060101ALI20231214BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 9/24 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 9/52 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20231214BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20231214BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20231214BHJP
   A61K 31/137 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A61K31/165
A61P9/02
A61P9/06
A61P43/00 111
A61K9/24
A61K9/52
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/10
A61K47/44
A61K47/14
A61K31/137
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023173876
(22)【出願日】2023-10-05
(62)【分割の表示】P 2020534971の分割
【原出願日】2018-12-21
(31)【優先権主張番号】62/609,842
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/618,374
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519114742
【氏名又は名称】ゼナメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ダンディカー,ヨゲシュ
(72)【発明者】
【氏名】パンシャル,モーリク キリットクマール
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ジャオ
(57)【要約】
【課題】持続放出ミドドリン塩酸塩組成物及びその使用方法等に関する。
【解決手段】本開示は、それを必要とするヒト対象に投与可能な、ミドドリン、その薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。本開示はまた、1日1回又は2回投与可能な、起立性低血圧を治療するための医薬組成物を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
活性薬剤を前記組成物における前記活性薬剤の総量の約20%~約40%(w/w)の範囲で含む第1の放出部分;及び
前記活性薬剤を前記組成物における前記活性薬剤の総量の約60%~約80%(w/w)の範囲で含む第2の放出部分
を含み、
ここでインビトロ溶解試験によって測定される、前記活性薬剤のインビトロ放出速度が、(i)比較的急速である第1の放出、及び(ii)前記インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約10時間後に放出速度における第2の増加を伴わない、第2の放出を含み、
ここで前記活性薬剤が、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、
医薬組成物。
【請求項2】
前記第2の放出が、定常的であるか又は前記第1の放出よりも遅い、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記第2の放出が、前記インビトロ溶解試験の開始の約2~約4.5時間後に生じる放出速度における第2の増加を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
医薬組成物であって、
活性薬剤を前記組成物における前記活性薬剤の総量の約20%~約40%(w/w)の範囲で含む第1の放出部分;及び
前記活性薬剤を前記組成物における前記活性薬剤の総量の約60%~約80%(w/w)の範囲で含む第2の放出部分
を含み、
ここでインビトロ溶解試験によって測定される、前記活性薬剤のインビトロ放出速度が、(i)比較的急速である第1の放出、(ii)前記インビトロ溶解試験の開始の約2時間~約4.5時間後に生じる放出速度における第2の増加を含む第2の放出、及び(iii)前記インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約8時間後に生じる放出速度における第3の増加を含む第3の放出を含み、
ここで前記活性薬剤が、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、
医薬組成物。
【請求項5】
放出速度における前記第2の増加が、前記インビトロ溶解試験の開始の約2~約4時間後に生じる、請求項3又は請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
放出速度における前記第3の増加が、前記インビトロ溶解試験の開始の少なくとも6時間後に生じる、請求項4又は請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
約1.5mg~約45mgの活性薬剤及び賦形剤を含む前記第1の放出部分であって、活性薬剤が第1の放出部分の総重量の約2%~約40%の量で存在する前記第1の放出部分;並びに約3.5mg~約105mgの活性薬剤で及び速度制御剤を含む前記第2の放出部分あって、活性薬剤が第2の放出部分の総重量の約2%~約20%の量で存在する第2の放出部分、を含み、且つ前記第2の放出部分における活性薬剤の量と速度制御剤の比が、約1:1~約1:30(w/w)であり、ここで前記活性薬剤が、ミドドリン、ミド
ドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、且つ前記活性薬剤の総量が約5mg~約150mgである、医薬組成物。
【請求項8】
インビトロ溶解試験によって測定される、前記活性薬剤のインビトロ放出速度が、(i)比較的急速である第1の放出、及び(ii)定常であるか又は前記第1の放出よりも遅く、前記インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約10時間後に第2の増加を伴わない第2の放出を有する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
インビトロ溶解試験によって測定される、前記活性薬剤のインビトロ放出速度が、(i)比較的急速である第1の放出、(ii)前記インビトロ溶解試験の開始の約2時間~約4.5時間後に生じる放出速度における第2の増加を含む第2の放出、及び(iii)前記インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約8時間後に生じる放出速度における第3の増加を含む第3の放出を有する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記第1の放出部分における前記活性薬剤の実質的にすべてが、前記医薬組成物の対象への投与後の約1時間以内に放出され;且つ前記第2の放出部分における前記活性薬剤の実質的にすべてが、前記組成物の前記対象への投与の約1時間後から前記組成物の対象への投与の最大約16時間後の間の期間にわたり放出される、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記活性薬剤が、ミドドリン又はミドドリンの薬学的に許容される塩である、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記第1の放出部分における前記活性薬剤の実質的にすべてが、前記インビトロ溶解試験の開始後約45分以内に放出される、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記第1の放出部分における前記活性薬剤の実質的にすべてが、前記インビトロ溶解試験の開始後約30分以内に放出される、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記インビトロ溶解試験が、0~2時間、0.1N HCl(pH1.2);2~4時間、酢酸塩緩衝液(pH4.5);4~16時間又は4~12時間、リン酸緩衝液(pH6.8)、900mL中、37℃、100rpmでのUSP装置I(バスケット)を用いて実施された、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記第2の放出部分における前記活性薬剤の実質的にすべてが、前記インビトロ溶解試験の開始後、16時間、15時間、14時間、13時間、12時間、11時間、10時間、9時間、又は8時間以内に放出される、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
約1.5mg~約45mgの活性薬剤が、前記組成物の対象への投与後の約1時間以内に放出され、且つ約3.5mg~約105mgの活性薬剤が、前記組成物の対象への投与の約1時間後から約16時間後までに放出される、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記第1の放出部分が、約1.5mg~約45mgの活性薬剤及び賦形剤を含み、ここで前記活性薬剤が、前記第1の放出部分の総重量の約2%~約40%の量で存在し;且つ
前記第2の放出部分が、約3.5mg~約105mgの活性薬剤及び速度制御剤を含み
、ここで前記活性薬剤が、前記第2の放出部分の総重量の約2%~約20%の量で存在し、且つ前記第2の放出部分における活性薬剤の前記量と速度制御剤の前記量の比が、約1:1~約1:30(w/w)である、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記組成物における活性薬剤の総量の少なくとも約20%がインビトロ溶解試験の開始後約1時間以内に放出され、且つ前記組成物における活性薬剤の総量の少なくとも約80%が約12時間以内に放出される、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記医薬組成物における前記活性薬剤の総量の約20%~約40%(w/w)が、前記インビトロ溶解試験の開始後約1時間以内に放出される、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記医薬組成物における前記活性薬剤の総量の少なくとも約95%(w/w)が、前記インビトロ溶解試験の開始後約15時間、約14時間、約13時間、約12時間、約11時間、約10時間、約9時間、又は約8時間以内に放出される、請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記活性薬剤が、約7.5mg~約120mgの総量で存在する、請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記活性薬剤が、約15mg~約100mgの総量で存在する、請求項1~21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記活性薬剤が、約20mg~約35mgの総量で存在する、請求項1~22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
第2の放出段階中の前記活性薬剤の前記インビトロ放出速度が、第1の放出段階中に放出された前記活性薬剤の前記インビトロ放出速度と比べてより遅い、請求項1~23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
錠剤、カプセル剤、口内崩壊錠、咀嚼錠、頬側貼付剤、舌下錠、経口懸濁剤、経口懸濁剤用の散剤、又は経口懸濁剤用の多微粒子の形態である、請求項1~24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
速度制御剤をさらに含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記速度制御剤が、約1:1~約1:30(w/w)、任意に約1:5~約1:15(w/w)の、前記組成物の前記第2の放出部分における前記活性薬剤と前記速度制御剤の重量比で存在する、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記速度制御剤が、水溶性賦形剤、水不溶性賦形剤、水透過性賦形剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項26又は27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記速度制御剤が、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、グアーガム、キトサン及びその誘導体、カルボマー、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル分散液、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、セルローストリアセテート、メタクリル酸共重合体、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ポリ(メチルメタク
リレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、蜜蝋、カルナウバロウ、パラフィンワックス、微結晶ワックス、オゾケライト、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、グリセロールモノオレート、ベヘン酸グリセリル、セチルエステル類、アセチル化モノグリセリド、トリステアリン、トリパルミチン、硬化植物油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項26~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記速度制御剤が、ポリマーである、請求項26~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記速度制御剤が、ヒプロメロース;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC);ヒドロキシエチルセルロース(HEC);ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポビドン;キサンタンガム;グアーガム;キトサン;キトサン誘導体;カルボマー;カラギーナン;カルボキシメチルセルロース;アルギン酸ナトリウム;ポリ糖化グリセリド;ポリエチレングリコール;ポリ酢酸ビニル分散液;酢酸セルロース;酢酸セルロース酪酸塩;酢酸フタル酸セルロース;セルローストリアセテート;メタクリル酸共重合体;ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル;及びそれらの組み合わせから選択される親水性ポリマーである、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記速度制御剤が、ポリ(メチルメタクリレート);ポリ(エチルメタクリレート);ポリ(メチルアクリレート);ポリ(イソプロピルアクリレート);ポリ(イソブチルアクリレート);ポリ(オクタデシルアクリレート);エチルセルロース;セルロースプロピオン酸塩;酢酸セルロースプロピオン酸塩;及びそれらの組み合わせから選択される疎水性ポリマーである、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記速度制御剤が、ワックス;脂肪アルコール;脂肪酸エステル;硬化植物油;及びそれらの組み合わせから選択される非ポリマー剤である、請求項26~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記医薬組成物が、多層錠である、請求項1~33のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記組成物が、第1の放出層と第2の放出層とを含む二層錠である、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記組成物が、第1の放出層と第1の持続放出層及び第2の持続放出層を含む第2の放出層とを含む三層錠である、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記医薬組成物が、複数の急速放出ペレット及び複数の持続放出ペレットを含むカプセル剤である、請求項1~36のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
結合剤、希釈剤、崩壊剤、界面活性剤、色素、滑沢剤、滑剤、香味剤、pH調整剤、可溶化剤、浸潤剤、緩衝剤、又はそれらの任意の組み合わせの1以上をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記結合剤が、アラビアゴム、アルギン酸、カルボマー、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、硬化植物油(タイプI)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、液体グルコース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデ
キストリン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポリメタクリレート、ポビドン、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプン、ゼイン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記崩壊剤が、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末化セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、粉末化セルロース、グリシン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項38又は39に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記滑剤が、デンプン、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項38~40のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、硬化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、中鎖トリグリセリド、ミリスチン酸、パルミチン酸、ポロクサマー、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸亜鉛、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項38~41のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記活性薬剤が、約1.5mg~約45mgの量で前記第1の放出部分に存在し、且つ約3.5mg~約105mgの量で前記第2の放出部分に存在する、請求項1~42のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記第1の放出部分が約4.5~約18mgのミドドリン塩酸塩を含み、且つ前記第2の放出部分が、約10.5~約42mgのミドドリン塩酸塩を含む、請求項43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記医薬組成物の対象への投与により、(i)約1時間以内に少なくとも約12ng/mlに至る比較的急速なピーク血漿濃度のデスグリミドドリン、及び(ii)少なくとも約8時間又は少なくとも約10時間にわたる少なくとも約7ng/ml又は少なくとも約10ng/mlの血漿濃度のデスグリミドドリンがもたらされる、請求項1~44のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤であって、第1の放出部分と第2の放出部分とを含み、ここで
前記第1の放出及び前記第2の放出部分の各々が、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される活性薬剤を含み;且つ
前記第1の放出部分が、前記活性薬剤を約1.5mg~45mgの範囲の量で含み;前記第2の放出部分が、前記活性薬剤を約3.5mg~約105mgの範囲の量で含み;且つ
インビトロ溶解試験において、前記第1の放出部分が、約1時間以内に、前記錠剤、カプセル剤、又は懸濁剤における前記活性薬剤の総量の少なくとも約20%~約40% w/wを放出し、且つ前記第2の放出部分が、前記錠剤、カプセル剤、又は懸濁剤における前記活性薬剤の残存総量を、前記第1の放出部分の放出速度よりも遅い速度で放出する、多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項47】
二層錠又は三層錠を含む、請求項34又は46に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項48】
医薬組成物における前記活性薬剤の総量の実質的にすべてが、前記インビトロ溶解試験の開始後約16時間、約15時間、約14時間、約13時間、約12時間、約11時間、又は約10時間以内に放出される、請求項46又は47に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項49】
前記第2の放出部分が、速度制御剤を含む、請求項46~48のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項50】
前記第2の放出部分における活性薬剤の量と前記速度制御剤の量の比が、約1:1~約1:30(w/w)、任意に約1:5~約1:15(w/w)の比である、請求項49に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項51】
前記速度制御剤が、水溶性賦形剤、水不溶性賦形剤、水透過性賦形剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項49又は50に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項52】
前記速度制御剤が、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、グアーガム、キトサン及びその誘導体、カルボマー、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル分散液、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、セルローストリアセテート、メタクリル酸共重合体、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、蜜蝋、カルナウバロウ、パラフィンワックス、微結晶ワックス、オゾケライト、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、グリセロールモノオレート、ベヘン酸グリセリル、セチルエステル類、アセチル化モノグリセリド、トリステアリン、トリパルミチン、硬化植物油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項49~51のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項53】
前記速度制御剤が、ポリマーである、請求項49~51のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項54】
前記速度制御剤が、ヒプロメロース;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC);ヒドロキシエチルセルロース(HEC);ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポビドン;キサンタンガム;グアーガム;キトサン;キトサン誘導体;カルボマー;カラギーナン;カルボキシメチルセルロース;アルギン酸ナトリウム;ポリ糖化グリセリド;ポリエチレングリコール;ポリ酢酸ビニル分散液;酢酸セルロース;酢酸セルロース酪酸塩;酢酸フタル酸セルロース;セルローストリアセテート;メタクリル酸共重合体;ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル;及びそれらの組み合わせから選択される親水性ポリマーである、請求項53に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項55】
前記速度制御剤が、ポリ(メチルメタクリレート);ポリ(エチルメタクリレート);ポリ(メチルアクリレート);ポリ(イソプロピルアクリレート);ポリ(イソブチルアクリレート);ポリ(オクタデシルアクリレート);エチルセルロース;セルロースプロ
ピオン酸塩;酢酸セルロースプロピオン酸塩;及びそれらの組み合わせから選択される疎水性ポリマーである、請求項53に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項56】
前記速度制御剤が、ワックス;脂肪アルコール;脂肪酸エステル;硬化植物油;及びそれらの組み合わせから選択される非ポリマー剤である、請求項49~51のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項57】
前記第1の放出部分が、約4.5~約18mgのミドドリン塩酸塩を含み、且つ前記第2の放出部分が、約10.5~約42mgのミドドリン塩酸塩を含む、請求項46~56のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項58】
前記インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約10時間後にインビトロ溶解放出速度における第2の増加が存在しない、請求項46~57のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項59】
前記活性薬剤が、前記組成物における前記活性薬剤の総重量の約20%~約40%の量で前記第1の放出部分に存在し、且つ前記活性薬剤が、前記組成物における前記活性薬剤の総重量の約60~約80%の量で前記第2の放出部分に存在する、請求項46~58のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項60】
前記第1の放出部分が急速放出層を含み、且つ前記第2の放出部分が1以上の持続放出層を含む、請求項46~59のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項61】
前記組成物が、2つより多いか又は3つの薬物含有層を含有しない、請求項46~59のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項62】
フィルムコーティングを含む、請求項1~61のいずれか一項に記載の医薬組成物又は多層錠。
【請求項63】
前記第1の放出部分が、複数の急速放出ペレットを含み、且つ前記第2の放出部分が、複数の持続放出ペレットを含む、請求項46~59のいずれか一項に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項64】
前記第1の放出部分が、約4mgのミドドリン塩酸塩を含み、且つ前記第2の放出部分が、約16mgのミドドリン塩酸塩を含む、請求項46に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項65】
前記第2の放出部分が、親水性ポリマー及び非ポリマー剤を含む速度制御剤をさらに含む、請求項64に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項66】
前記速度制御剤が、メタクリル酸共重合体及び脂肪酸エステルを含む、請求項65に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項67】
前記速度制御剤が、メタクリル酸及びエチルアクリレート共重合体(1:1)及びベヘン酸グリセリルを含む、請求項65に記載の多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤。
【請求項68】
対象における起立性低血圧又は体位性起立性頻脈症候群(POTS)を治療するための方法であって、請求項1~67のいずれか一項に記載の医薬組成物、多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項69】
前記医薬組成物、多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤が、1日1回又は2回投与される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記医薬組成物、多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤が、1日1回投与される、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記対象が、自律神経障害、体位性起立性頻脈症候群(POTS)、逆行性射精若しくは射精の他の障害、ブラッドベリ―・エッグルストン症候群、シャイ・ドレーガー症候群、糖尿病、又はパーキンソン病を患う、請求項68~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記対象が、自律神経不全症に起因する起立性低血圧を患う、請求項68~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記対象が、ブラッドベリ―・エッグルストン症候群、シャイ・ドレーガー症候群、糖尿病、又はパーキンソン病を患う、請求項68~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記対象が、パーキンソン病を患う、請求項68~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
請求項1~67のいずれか一項に記載の医薬組成物、多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤の単回用量が、2.5mg、5mg、又は10mgの3つの即時放出錠における活性薬剤の総量よりも約10%~70%多い活性薬剤を含む、請求項68~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記医薬組成物、多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤の前記単回用量が、2.5mg、5mg、又は10mgの3つの即時放出錠における活性薬剤の総量よりも約40%多い活性薬剤を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記医薬組成物、多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤の前記単回用量が、10mg、20mg、又は40mgの前記活性薬剤を含む、請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
同じ活性薬剤又は異なる活性薬剤を含む、第1の製剤及び第2の製剤を含むキットであって、前記第1の製剤が請求項1~67のいずれか一項に記載の医薬組成物又は多層錠を含む、キット。
【請求項79】
前記第2の製剤が、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性薬剤を含む即時放出製剤であり、ここで前記活性薬剤が、約2.5mg~約20mgの量で存在し、且つ前記第2の製剤の患者への投与の約1時間以内に前記活性薬剤の実質的にすべてを放出するように製剤化される、請求項78に記載のキット。
【請求項80】
前記第2の製剤が、第2の活性薬剤をさらに含む、請求項78又は79に記載のキット。
【請求項81】
前記第2の活性薬剤が、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、オクトレオチド、デスグリミドドリン、それらの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項80に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
[0001] 本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2017年12月22日に出願の米国仮特許出願第62/609,842号および2018年1月17日に出願の米国仮特許出願第62/618,374号に対する優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本開示は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、その活性代謝物デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、またはそれらの組み合わせの医薬組成物、それらの製造方法およびそれを必要とする患者においてそれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 起立性低血圧(体位性低血圧)は、突然立ち上がる、または伸びをするときにヒトの血圧低下を引き起こす。この低血圧症は、主に下肢での重力誘発性の血液の貯留によって引き起こされ、次いで静脈の戻りが損なわれ、その結果、心拍出量の減少およびそれに続く動脈圧の低下をもたらす。
【0004】
[0004] ミドドリン塩酸塩(ミドドリンHClとも呼ばれる)は末梢選択的α-1-アドレナリン作動性アゴニストであり、起立性低血圧の治療が適応症である。ミドドリン塩酸塩は、体位性起立性頻脈症候群(POTS)の患者にも処方され得る。
【0005】
[0005] ミドドリン塩酸塩は、化学名(±)-2-アミノ-N-[2-(2,5-ジメトキシフェニル)-2-ヒドロキシエチル]アセトアミド一塩酸塩であり、以下に示す構造式を有する。
【化1】
【0006】
[0006] 現在米国内では、ミドドリン塩酸塩は、即放性錠剤としてのみ入手可能であり、3つの強度、2.5mg、5mgおよび10mgで入手可能である。米国FDAは、1日3回、10mgまでのミドドリン塩酸塩の投与を推奨している。錠剤は、約4時間間隔で、例えば、朝の起床時、昼、および午後遅くに、服用される。ミドドリン塩酸塩は、仰臥位血圧の著しい上昇を引き起こす可能性がある。睡眠中の仰臥位高血圧の可能性を低下させるために、FDAは、最後の用量を午後6時より前に投与すること、およびとにかく就寝の4時間より前に投与することを推奨している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007] ミドドリンHClは、経口投与時、急速に吸収され、その活性代謝物デスグリミドドリンに変換するプロドラッグである。(デスグリミドドリンとして測定された)ミドドリンの絶対生物学的利用率は、経口錠剤において93%である。デスグリミドドリンの生物学的利用率は、食物による影響を受けない。薬物動態学的試験は、2.5mg、5
mg、及び10mgの単回用量のミドドリンHClにおける線形動力学を示している。さらに、ミドドリンHClがpH非依存性の溶解度を有し、胃腸管全体を通じて吸収されることが見出されている。ミドドリンHClは、その高い水溶性及び高い透過性に起因し、BCSクラスI薬物として分類される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
[0008] 本開示の特定の態様は、組成物における活性薬剤の総量の約20%~約40%(w/w)の範囲で活性薬剤を含む第1の放出部分;及び組成物における活性薬剤の総量の約60%~約80%(w/w)の範囲で活性薬剤を含む第2の放出部分を含む医薬組成物に関し、ここでインビトロ溶解試験によって測定される活性薬剤のインビトロ放出速度は、(i)比較的急速である第1の放出と(ii)インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約10時間後に放出速度における第2の増加を伴わない第2の放出とを含み、ここで活性薬剤は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の放出は、定常であるか又は第1の放出よりも遅い。いくつかの実施形態では、第2の放出は、インビトロ溶解試験の開始の約2~約4.5時間後に生じる放出速度における第2の増加を含む。いくつかの実施形態では、放出速度における第2の増加は、インビトロ溶解試験の開始の2時間~4.5時間後に生じる。好ましい実施形態では、インビトロ溶解試験条件は、0~2時間、0.1N HCl(pH1.2);2~4時間、酢酸塩緩衝液(pH4.5);4~16時間、リン酸緩衝液(pH6.8)、900mL中、37℃、100rpmでのUSP装置I(バスケット)に従う。
【0009】
[0009] 本開示の他の態様は、組成物における活性薬剤の総量の約20%~約40%(w/w)の範囲で活性薬剤を含む第1の放出部分;及び組成物における活性薬剤の総量の約60%~約80%(w/w)の範囲で活性薬剤を含む第2の放出部分を含む医薬組成物に関し、ここでインビトロ溶解試験によって測定される活性薬剤のインビトロ放出速度は、(i)比較的急速である第1の放出と、(ii)インビトロ溶解試験の開始の約2時間~約4.5時間後に生じる放出速度における第2の増加を含む第2の放出と、(iii)インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約8時間後に生じる放出速度における第3の増加を含む第3の放出と、を含み、ここで活性薬剤は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、放出速度における第2の増加は、インビトロ溶解試験の開始の約2~約4時間後に生じる。いくつかの実施形態では、放出速度における第2の増加は、インビトロ溶解試験の開始の2~4.5時間又は2~4時間後に生じる。いくつかの実施形態では、放出速度における第3の増加は、インビトロ溶解試験の開始から少なくとも6時間後に生じる。
【0010】
[0010] 本開示の別の態様は、約1.5mg~約45mgの活性薬剤であって、第1の放出部分の総重量の約2%~約40%の量で存在する活性薬剤及び賦形剤を含む第1の放出部分、並びに約3.5mg~約105mgの活性薬剤であって、第2の放出部分の総重量の約2%~約20%の量で存在する活性薬剤及び速度制御剤を含む第2の放出部分、を含み、且つ速度制御剤の量に対する第2の放出部分における活性薬剤の量が、約1:1~約1:30(w/w)の比であり、ここで活性薬剤が、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、医薬組成物を対象にする。
【0011】
[0011] 一部の実施形態では、医薬組成物は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、または
それらの任意の組み合わせから選択される活性薬剤を合計で約5mg~約150mg含む。一部の実施形態では、活性薬剤は、ミドドリンまたはミドドリンの薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、活性薬剤、例えば、ミドドリンまたはミドドリンの薬学的に許容される塩は、合計で約7.5mg~約120mg存在する。一部の実施形態では、活性薬剤は、医薬組成物中の活性薬剤の総量は、少なくとも15mg(例えば、約15mg~50mg、約18mg~約45mg、または約20mg~約30mg)である。一部の実施形態では、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤または懸濁剤である。
【0012】
[0012] 一部の実施形態では、活性薬剤、例えば、ミドドリン又はその薬学的に許容される塩は、第1の放出部分中に、約1.5mg~約45mg(例えば、約4.5mg~約18mg、または約5mg)の量で存在し、第2の放出部分中に約3.5mg~約105mg(例えば、約10.5mg~約42mg、または約15mg)の量で存在する。いくつかの実施形態では、第1の放出部分は、複数層の錠剤の層または多粒子(例えば、ペレット、粒子、顆粒、ビーズ、球体又はミニタブレット)のカプセル剤又は懸濁剤の形態である。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験によって測定される活性薬剤のインビトロ放出速度は、(i)比較的急速である第1の放出と、(ii)定常であるか又は第1の放出よりも遅く、インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約10時間後に第2の増加を伴わない第2の放出とを有する。いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験の開始の5時間~10時間後に放出速度における第2の増加が存在しない。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験によって測定される活性薬剤のインビトロ放出速度は、(i)比較的急速である第1の放出と、(ii)インビトロ溶解試験の開始の約2時間~約4.5時間後に生じる放出速度における第2の増加を含み、インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約10時間後に第2の増加を伴わない第2の放出とを有する。いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験の開始の2時間~4.5時間後に生じる放出速度における第2の増加が存在し、インビトロ溶解試験の開始の5時間~10時間後に放出速度における第2の増加が存在しない。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験によって測定される活性薬剤のインビトロ放出速度は、(i)比較的急速である第1の放出と、(ii)インビトロ溶解試験の開始の約2時間~約4.5時間後に生じる放出速度における第2の増加を含む第2の放出と、(iii)インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約8時間後に生じる放出速度における第3の増加を含む第3の放出とを有する。いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験の開始の2時間~4.5時間後に生じる放出速度における第2の増加が存在し、インビトロ溶解試験の開始の5時間~8時間後に生じる放出速度における第3の増加が存在する。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態では、第1の放出部分における活性薬剤の実質的にすべてが、インビトロ溶解試験の開始後約45分以内に放出される。いくつかの実施形態では、第1の放出部分における活性薬剤の実質的にすべてが、インビトロ溶解試験の開始後約30分以内に放出される。いくつかの実施形態では、第2の放出部分における活性薬剤の実質的にすべてが、インビトロ溶解試験の開始後、16時間、15時間、14時間、13時間、12時間、11時間、10時間、9時間、又は8時間以内に放出される。いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験は、0~2時間、0.1N HCl(pH1.2);2~4時間、酢酸塩緩衝液(pH4.5);4~16時間(又は4~12時間)、リン酸緩衝液(pH6.8)、900mL中、37℃、100rpmでUSP装置I(バスケット)を用いて実施される。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態では、組成物における活性薬剤の総量の少なくとも約20%がインビトロ溶解試験の開始後約1時間以内に放出され、組成物における活性薬剤の総量の少なくとも約80%が約12時間以内に放出される。いくつかの実施形態では、第1の放出は、インビトロ溶解試験の開始後約1時間以内の、医薬組成物における活性薬剤の総量の約20%~約40%、約20%~約35%、約20%~約30%、約25%~約40%、約25%~約35%、又は約30%~約40%(例えば、20~40%、20~35%、20~30%、25~40%、25~35%、又は30~40%)(w/w)の放出によって特徴づけられ、第2の放出は、第1段階の放出速度よりも遅い、医薬組成物における活性薬剤の残りの総量の放出速度によって特徴づけられ、ここで医薬組成物における活性薬剤の総量の少なくとも約95%が、インビトロ溶解試験の開始後約16時間、15時間、14時間、13時間、12時間、11時間、10時間、9時間、又は8時間以内に放出される。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、医薬組成物における活性薬剤の総量の約20%~約40%(w/w)が、インビトロ溶解試験の開始後約1時間以内に放出される。いくつかの実施形態では、医薬組成物における活性薬剤の総量の少なくとも約95%(w/w)が、インビトロ溶解試験の開始後、約16時間、約15時間、約14時間、約13時間、約12時間、約11時間、約10時間、約9時間又は約8時間以内に放出される。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態では、第2の放出段階における活性薬剤のインビトロ放出速度は、第1段階中に放出される活性薬剤のインビトロ放出速度と比べてより遅い。いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験の開始の5時間~10時間後に生じるインビトロ溶解放出速度における第2の増加が存在しない。いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験の開始の2時間~4.5時間後に生じるインビトロ溶解放出速度における第2の増加が存在する。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態では、第1の放出部分における活性薬剤の実質的にすべてが、医薬組成物の対象への投与後の約1時間以内に放出され;第2の放出部分における活性薬剤の実質的にすべてが、組成物の対象への投与から約1時間後から、組成物の対象への投与後、約16時間、15時間、14時間、13時間、12時間、11時間、10時間、9時間、又は8時間経過するまでの期間にわたり放出される。
【0021】
[0021] いくつかの実施形態では、約l5mgの持続放出(extended release)組成物の対象への投与により、(i)少なくとも約12ng/ml(例えば、少なくとも12ng/ml、少なくとも13ng/ml、又は少なくとも14ng/ml)に至る比較的急速なピーク血漿濃度のデスグリミドドリン、及び(ii)少なくとも約7ng/ml(例えば、少なくとも7ng/ml、少なくとも8ng/ml、少なくとも9ng/ml、又は少なくとも10ng/ml)の血漿濃度のデスグリミドドリンが少なくとも8時間又は少なくとも10時間、もたらされる。約7.5mgの持続放出組成物の対象への投与により、上に示されたピーク血漿濃度の約半分、即ち少なくとも約6ng/ml(例えば、少なくとも6ng/ml、少なくとも6.5ng/ml、又は少なくとも7ng/ml)がもたらされることが予想される。同様に、約30mgの持続放出組成物の対象への投与により、上に示されたピーク血漿濃度の約2倍、即ち少なくとも約24ng/ml(例えば、少なくとも24ng/ml、少なくとも26ng/ml、又は少なくとも28ng/ml)がもたらされることが予想される。
【0022】
[0022] いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、口内崩壊錠、咀嚼錠、頬側貼付剤、舌下錠、経口懸濁剤、経口懸濁剤用の散剤、又は経口懸濁剤用の多微粒子の形態である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、多層錠(例えば二層錠又は三層錠)の形態である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、カプセル剤の形態であ
る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、懸濁剤、例えば、液体媒体中の多微粒子(例えば、ペレット、粒子、顆粒、ビーズ、球体、又はミニタブレット)の形態である。
【0023】
[0023] いくつかの実施形態では、医薬組成物は、速度制御剤を含む。いくつかの実施形態では、速度制御剤は、約1:1~約1:30(w/w)、任意に、1:2~1:20(w/w)、1:3~1:15(w/w)、1:5~1:20(w/w)、又は1:5~1:15(w/w)の、速度制御剤に対する組成物の第2の放出部分における活性薬剤の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、速度制御剤は、水溶性賦形剤、水不溶性賦形剤、水透過性賦形剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、結合剤、希釈剤、崩壊剤、界面活性剤、色素、滑沢剤、滑剤、香味剤、pH調整剤、可溶化剤、浸潤剤、緩衝剤、又はそれらの任意の組み合わせの1以上をさらに含む。
【0024】
[0024] いくつかの実施形態では、本明細書における第1の放出部分は、急速放出部分、例えば即時放出又は持続放出部分を含む。いくつかの実施形態では、本明細書における第2の放出部分は、持続放出を含む。
【0025】
[0025] いくつかの実施形態では、医薬組成物は、多層錠、例えば、急速放出(例えば即時放出)層を含む第1の放出部分と持続放出層を含む第2の放出部分とを含む二層錠、又は急速放出(例えば即時放出)層を含む第1の放出部分と2つの持続放出層を含む第2の放出部分とを含む三層錠である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、急速放出多微粒子(例えば即時放出ペレット)を含む第1の放出部分と持続放出多微粒子(例えば持続放出ペレット)を含む第2の放出部分とを含むカプセル剤又は懸濁剤である。
【0026】
[0026] いくつかの実施形態では、該部分は、多層錠、例えば二層錠又は三層錠の層である。別の実施形態では、医薬組成物は、第1の放出層(例えば即時放出層)と第2の放出層(例えば持続放出層)とを含む、対象への経口投与用の多層錠である。いくつかの実施形態では、多層錠は、二層錠である。いくつかの実施形態では、多層錠は、2つの持続放出層を含む三層錠である。いくつかの実施形態では、第1の放出層(例えば即時放出層)及び1以上の第2の放出層(例えば持続放出層)は各々、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性薬剤を含む。いくつかの実施形態では、第1の放出層は、活性薬剤を約1.5mg~45mgの範囲の量で含み、1以上の第2の放出層は、活性薬剤を約3.5mg~約105mgの範囲の量で含む。いくつかの実施形態では、第1の放出層は、インビトロ溶解試験において、約1時間以内に錠剤中の活性薬剤の総量の約20%~約40%(例えば約30%)w/wを放出するように製剤化され;且つ1以上の第2の放出層は、約1時間から、少なくとも約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、又は約16時間に至る延長された持続時間にわたり、錠剤中の活性薬剤の総量の約60%~約80%(例えば約70%)w/wを放出するように製剤化される。いくつかの実施形態では、1以上の第2の放出層中の活性薬剤は、多層錠の対象への投与の約1時間後から放出され、1以上の第2の放出層中の活性薬剤の少なくとも約95%が、多層錠の対象への投与から約16時間、15時間、14時間、13時間、12時間、11時間、10時間、9時間、又は8時間に至るまで放出される。
【0027】
[0027] いくつかの実施形態では、多層錠の1以上の第2の放出(例えば持続放出)層又はカプセル剤若しくは懸濁剤の第2の放出(例えば持続放出)多微粒子は、速度制御剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、速度制御剤は、水溶性、水不溶性、水透過性、又は水不透過性賦形剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1以上の持続放出層は、第2の放出層中の活性薬剤の量と第2の放出層中の速度制御剤の量の比が、少なくとも1:1~1:30(例えば、1:2~1:20(w/w
)、1:5~1:20(w/w)、又は1:5~1:15(w/w))の比を含む。多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤はまた、1以上の充填剤、色素、滑沢剤、滑剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、界面活性剤、香味剤、pH調整剤、可溶化剤、浸潤剤、緩衝剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0028】
[0028] いくつかの実施形態では、医薬組成物は、第1の放出部分と第2の放出部分とを含む。いくつかの実施形態では、第1の放出部分は、約4mgのミドドリン塩酸塩を含み、第2の放出部分は、約16mgのミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、第2の放出部分は、親水性ポリマー及び非ポリマー剤を含む速度制御剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、速度制御剤は、メタクリル酸共重合体及び脂肪酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、速度制御剤は、メタクリル酸及びエチルアクリレート共重合体(1:1)並びにベヘン酸グリセリルを含む。
【0029】
[0029] 本開示のさらなる態様は、対象における起立性低血圧又は体位性起立性頻脈症候群(POTS)を治療するか又はその発生率を低減するための方法であって、本開示の医薬組成物、例えば、多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤を投与することを含む方法を対象とする。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1日1回又は1日2回投与される。
【0030】
[0030] いくつかの実施形態では、対象に投与される医薬組成物の単回の総一日用量は、1日3回投与される即時放出錠(例えば5mg錠剤)の総一日用量よりも多い(例えば、10~40%、10~35%、10~30%、15~40%、15~35%、15~30%、又は約25%多い)。例えば、本明細書に開示される医薬組成物の20mg用量が、1日3回投与される1つの5mg即時放出錠(総一日用量が15mg)の代わりに、1日1回投与され得る(総一日用量が20mg)。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の10mg用量が、1日3回投与される1つの2.5mg即時放出錠(総一日用量が7.5mg)の代わりに、1日1回投与され得る(総一日用量が10mg)。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物の40mg用量が、1日3回投与される1つの10mg即時放出錠(総一日用量が30mg)の代わりに、1日1回投与され得る(総一日用量が40mg)。いくつかの実施形態では、10mg、20mg、又は40mg用量は、急速放出部分と持続放出部分とを含む多層錠(例えば二層又は三層錠)である。
【0031】
[0031] いくつかの実施形態では、対象は、起立性低血圧、自律神経障害、体位性起立性頻脈症候群(POTS)、逆行性射精若しくは射精の他の障害、ブラッドベリ―・エッグルストン(Bradbury-Eggleston)症候群、シャイ・ドレーガー症候群、糖尿病、又はパーキンソン病を患う。いくつかの実施形態では、対象は、自律神経不全症に起因する起立性低血圧を患う。
【0032】
[0032] 別の実施形態では、キットが提供される。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に開示される多微粒子(例えば、ペレット、粒子、顆粒、ビーズ、球体、又はミニタブレット)及び液体媒体を含み、ここで多微粒子は、液体媒体と組み合わせ、懸濁液を形成し得る。いくつかの実施形態では、キットは、第1の製剤及び第2の製剤を含み、ここで第1の製剤及び第2の製剤は、同じか又は異なり、且つ第1の製剤は、第1の放出部分と第2の放出部分とを含む組成物であり、ここで第1の放出部分と第2の放出部分の双方は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性薬剤を含み;活性薬剤は、第1の放出部分中に約1.5mg~45mgの範囲で存在し、活性薬剤は、第2の放出部分中に約3.5mg~約105mgの範囲で存在し;第1の放出部分は、インビトロ溶解試験の開始後約1時間以内に、錠剤中の活性薬剤の総量の約20%~約40%、約20%~約35%、約20%~約30%、約25%~約40
%、約25%~約35%、約30%~約40%、又は約30%~35% w/wを放出するように製剤化され;且つ第2の放出部分は、インビトロ溶解試験の開始の約1時間後から約16時間後にかけての期間にわたり、錠剤中の活性薬剤の総量の残り(例えば、約60~80%、例えば約70%)を放出するように製剤化される。
【0033】
[0033] いくつかの実施形態では、キットの第2の製剤は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性薬剤を含有する即時放出製剤であり得;ここで活性薬剤は、2.5mg~20mgの範囲で存在し、対象への第2の製剤の投与から約1時間以内に活性薬剤の実質的にすべてを放出するように製剤化される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図面の簡単な説明
図1】[0034]15mg、30mg、及び45mgのミドドリンHClの急速放出/持続放出二層錠製剤における(12時間にわたって放出される活性薬剤の百分率として示される)インビトロ溶解特性を比較するグラフである。
図2】[0035]30mgのミドドリンHClを含有する急速放出/持続放出二層錠製剤における(12時間にわたって放出される活性薬剤の量(mg)として示される)インビトロ溶解特性を図示するグラフである。
図3】[0036]0、4、及び8時間後の5mg即時放出錠の投与(即ちTIDレジメン)後のデスグリミドドリン(ミドドリンHClの活性代謝物)のシミュレートされた20時間血漿濃度(ng/mL)特性を示す。
図4】[0037]本開示の15mg及び20mgの急速放出/持続放出製剤におけるデスグリミドドリン(ミドドリンHClの活性代謝物)のシミュレートされた24時間血漿濃度(ng/mL)特性を5mgのTID即時放出錠のシミュレートされた血漿特性と比較して示す。
図5】[0038]本開示の20mg製剤におけるシミュレートされた溶解特性(経時的に放出される薬剤パーセントを示す)を示す。
図6】[0039]1日1回の本開示の20mg製剤におけるデスグリミドドリンのシミュレートされた20時間血漿濃度(ng/mL)特性を5mgのTID即時放出錠と比較して示す。
図7】[0040]20mgのミドドリンHClを含有する三層錠製剤におけるシミュレートされた経時的な薬物放出特性(%/時間として示される)を示す。
図8】[0041]20mgのミドドリンHClを含有する急速放出/持続放出三層錠製剤における経時的な薬物放出速度(%/時間として示される)を図示するグラフである。
図9】[0042]実施例17のミドドリンHClの20mg製剤における溶解特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
詳細な説明
[0043] 本開示の特定の態様は、活性薬剤の一部分を比較的急速に、例えば投与後の少なくとも最初の1時間以内に対象にまず放出し、活性薬剤の第2の(又は残存)部分を長期間、例えば投与後の最大で約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、若しくは約16時間の期間にわたって対象に放出する、活性薬剤、例えば、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、又はそれらの任意の組み合わせ(例えばミドドリンHCl又はデスグリミドドリン)を含む医薬組成物を対象とする。開示される固有の急速放出/持続放出(FR+ER)製剤は、(i)少なくとも12ng/mL(例えば少なくとも14ng/mL)の血漿レベルのデスグリミドドリンを1時間以内に供し、且つ(ii)少なくとも3ng/mL、少なくとも7ng/mL、少なくとも10ng/mL、少なくとも12ng/mL、若
しくは少なくとも14ng/mLの血漿レベルのデスグリミドドリンをある期間、例えば単回用量の投与後の約4~約12時間(例えば、少なくとも8時間)維持することができ、またそれを必要とする対象(例えば起立性低血圧患者)の血圧を、所望されるレベル以内(例えば、収縮期で90mmHg超及び拡張期で60mmHg超、例えば約120/80mmHg)に、その日全体を通じて(例えば、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間、又は少なくとも16時間)維持することができる。
【0036】
[0044] いくつかの実施形態では、本開示は、初期により高用量を送達し、その後に血圧を所望される範囲内でその日全体を通じて維持する持続放出を行う、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、ミドドリンHCl又はデスグリミドドリン)の改善された製剤を提供する。
【0037】
[0045] 10mg即時放出錠の経口投与時、ミドドリンの血漿レベルは、約30分後にピークに達し、次いで低下し、約25分の半減期を有する一方で、活性代謝物のデスグリミドドリンは、ミドドリンの初期投与後の約1~2時間で第1のピーク血液濃度(例えば約10ng/mL)に達し、約3~4時間の半減期を有する。即時放出錠に関連するミドドリン及びデスグリミドドリンの短い半減期には、その日全体を通じて、デスグリミドドリンの最低有効血液濃度(例えば最低で3ng/mL又は7ng/mL)を維持するための頻回投与が必要である。
【0038】
[0046] 起立性低血圧を患っている患者は、午前中に、現在利用可能な2.5mg、5mg、及び10mgの即時放出錠(TID)の第1の用量の摂取後であっても、午後及び夜間と比べて一層の不快感を報告している。例えば、4時間の間隔で1日3回投与される5mg即時放出錠におけるデスグリミドドリン(ミドドリンHClの活性代謝物)のシミュレートされた血漿特性は、第1の用量が第3の用量と同様の高いデスグリミドドリンのレベルをもたらさないことを示す(図3を参照)。このモデリングアッセイは、デスグリミドドリンレベルが各用量とともに上昇し、第3の用量の投与後に最大濃度に達することを示唆する。しかし、このシミュレートされたデータによると、例えば第1のIR投与後の5mg即時放出のTIDレジメンに従っている患者において、血漿濃度がデスグリミドドリンの少なくとも約12ng/mL若しくは約14ng/mLのレベルに達していないことが示唆される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される第1の放出/第2の放出製剤は、投与の1時間以内に、少なくとも約12ng/mL又は少なくとも約14ng/mLの血漿濃度のデスグリミドドリンをもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される第1の放出/第2の放出製剤は、投与後の少なくとも8時間、少なくとも10時間、又は少なくとも12時間、デスグリミドドリンの血漿濃度を少なくとも約7ng/mL又は少なくとも約10ng/mLで維持する。したがって、本明細書に開示される第1の放出/第2の放出製剤は、現在注目されているIR(TID)製剤よりも改善された特性を提供する。
【0039】
[0047] 短い半減期の結果としての頻回投与(例えば1日3回)に加えて、即時放出製剤に伴う別の課題は、複数回用量の投与が、その日全体を通じて目まい及び/又は意識朦朧などの患者の症状を管理するための長期間にわたる患者の血圧を十分には維持しないという点である。例えば、活性薬剤が各投与時に放出され、その後に除去されるとき、即時放出ミドドリンの複数回用量により、患者の血圧における反復的上昇及び低下が生じ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される第1の放出/第2の放出製剤は、目まい及び/又は意識朦朧などの患者の症状をその日全体を通じて軽減する。
【0040】
[0048] 加えて、即時放出錠の複数回投与(例えば1日3回)は、患者コンプライアン
スが低下させる。即時放出用量の投与の欠如又は遅延の結果、患者の状態の悪化や時として管理不能が生じ得る。本願は、即時放出錠よりも低頻度に、例えば1日1回で投与可能であり、それにより患者コンプライアンスを改善する薬物の製剤を提供する。
【0041】
定義
[0049] 本明細書において、以下の単語および句は、それらが使用される文脈がそうではないことを示す範囲を除いて、一般的に下記に示す意味を有することが意図される。
【0042】
[0050] 本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数への言及を含むことに留意されたい。
【0043】
[0051] 本明細書において、用語「約」は、およそ±10%を意味する。用語「約」が数値または範囲と共に使用される場合、それは、示された数値の上下に境界を広げることによって、その値または範囲を変化させる。一般に、用語「約」は、本明細書では、異なる変動値(例えば、±30%、±20%、±5%、±1%など)が示されていない限り、記載された値より、10パーセント前後(より高いまたはより低い)、すなわち±10%の変動値によって数値を変化させるために使用する。
【0044】
[0052] 本明細書で使用されるとき、「および/または」は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のいずれかおよびすべての可能な組合せを包含し、ならびに代替(「or(または)」)で解釈されるときには組合せが欠如していることを指す。
【0045】
[0053] 用語「活性薬剤」は、生物学的活性物質など、予防的および/または治療的処置に有用な物質を指す。典型的には、活性薬剤は、薬物化合物である有機分子、それらの塩、代謝物などである。本明細書の開示において、用語「活性薬剤」は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、その活性代謝物デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、またはそれらの組み合わせを指すことができる。例えば、活性薬剤は、ミドドリン塩酸塩であることができる。
【0046】
[0054]用語「ミドドリン」は、以下の化学構造を有する化合物を指す。
【化2】
【0047】
[0055] 本開示の目的のために、別段示さない限り、「ミドドリン」を含む製剤または医薬組成物に言及するとき、当該実施形態は、ミドドリンまたはミドドリンの薬学的に許容される塩、例えばミドドリン塩酸塩(ミドドリンHCl)を含み得ることを理解されたい。
【0048】
[0056] 用語「デスグリミドドリン」は、以下の化学構造を有するミドドリンの活性代謝物を指す。
【化3】
【0049】
[0057] 本開示の目的として、特に指定されない限り、「デスグリミドドリン」を含む製剤又は医薬組成物を参照するとき、該実施形態がデスグリミドドリン又はデスグリミドドリンの薬学的に許容される塩を含み得ることは理解されるべきである。
【0050】
[0058] 所与の化合物の用語「薬学的に許容される塩」は、所与の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、且つ生物学的に又はそれ以外では望ましくない塩を指す。「薬学的に許容される塩」として、例えば無機酸を有する塩及び有機酸を有する塩が挙げられる。酸付加塩として本明細書に記載の化合物は、酸性塩の溶液を塩基性化することにより、対応する遊離塩基に形成されてもよい。逆に、付加塩、特に薬学的に許容される付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を調製するための通常の手順に従い、対応する遊離塩基を好適な有機溶媒に溶解し、溶液を酸で処理することにより生成されてもよい。当業者は、非毒性の薬学的に許容される付加塩を調製するために用いてもよい様々な合成方法を理解するであろう。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸から調製されてもよい。無機酸由来の塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。有機酸由来の塩は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエン-スルホン酸、サリチル酸などを含む。同様に、薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基及び有機塩基から調製され得る。無機塩基由来の塩は、例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム及びマグネシウム塩を含む。有機塩基由来の塩として、限定はされないが、一次、二次及び三次アミンの塩が挙げられる。一実施形態では、ミドドリン又はデスグリミドドリンの薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。
【0051】
[0059] 用語「部分」は、本明細書で用いられるとき、全体又は総計(例えば、全錠剤又は活性薬剤の総量)の部分、百分率、又は占有率を指す。
【0052】
[0060] 用語「実質的にすべて」は、本明細書で用いられるとき、総量の大部分、例えば、総量の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%を指す。
【0053】
[0061] 用語「対象」は、本明細書で用いられるとき、ヒト、例えばヒト患者を指す。
【0054】
[0062] 用語「第1の放出部分」又は「急速放出部分」は、本明細書で用いられるとき、インビトロ溶解試験の開始後、比較的急速に、例えば約1時間以内に内部に含有される活性薬剤を放出する本明細書に開示される医薬組成物の一部分を指す。いくつかの実施形態では、第1の放出部分は、即時放出送達系を含む。
【0055】
[0063] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される急速放出/持続放出組成物についてのインビトロ溶解条件は、インビボ放出条件を模倣するように設計される。好ましい実施形態では、インビトロ溶解試験条件は、0~2時間、0.1N HCl(pH1.2);2~4時間、酢酸塩緩衝液(pH4.5);4~16時間、リン酸緩衝液(pH6.8)、900mL中、37℃、100rpmでのUSP装置I(バスケット)である。
【0056】
[0064] 用語「即時放出」は、本明細書で用いられるとき、活性薬剤の少なくとも一部が遅延なく医薬組成物又は製剤から放出される送達系を指す。いくつかの実施形態では、活性薬剤の即時放出は、インビトロ溶解試験の開始後約30分~約1時間以内である。いくつかの実施形態では、活性薬剤の即時放出は、対象への投与後の約1時間以内である。
【0057】
[0065] 用語「第2の放出部分」又は「持続放出部分」は、本明細書で用いられるとき、ある期間にわたり内部に含有される活性薬剤を放出する本明細書に開示される医薬組成物の一部分を指す。いくつかの実施形態では、第2の放出部分は、持続放出送達系を含む。
【0058】
[0066] 本明細書において、「持続放出」という用語は、それによって活性薬剤が特定の期間(すなわち持続放出期間)にわたって放出されるデリバリーシステムを指す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、活性薬剤の少なくとも一部の放出を最大約8時間、最大約10時間、最大約12時間、最大約14時間、最大約16時間、約1時間~約16時間、約1時間~約14時間、約1時間~約12時間、約1時間~約10時間、約1~約8時間、インビトロ溶解試験の開始から延ばすことができる。いくつかの実施形態では、活性薬剤の持続放出は、対象への投与後、最大約8時間、最大約10時間、最大約12時間、最大約14時間、最大約16時間、約1時間~約16時間、約1時間~約14時間、約1時間~約12時間、約1時間~約10時間、約1~約8時間にわたる。
【0059】
[0067] 用語「速度制御剤」は、その主な機能が、投与形態からの活性原薬の放出持続時間を変更することである剤を指す。
【0060】
[0068] 本明細書において「パーセント」または「%」は、他に特定されない限り、重量(w/w)パーセントを指す。
【0061】
[0069] 本明細書において、「薬物放出パーセント」という用語は、医薬組成物中の活性薬剤の総量と比較して、特定の時間に医薬組成物から放出された活性薬剤の割合(百分率)(w/w%)を指す。例えば、溶出試験で、医薬組成物が1時間で全活性物質の20重量%、2時間で28重量%、および3時間で35重量%を放出する場合、この医薬組成物の薬物放出パーセントは、1時間で20(w/w)%、2時間で28(w/w)%、および3時間で35(w/w)%である。
【0062】
[0070] 用語「放出速度」は、ある期間にわたり医薬組成物から放出される活性薬剤の量を指す。例えば、放出速度は、1時間あたり放出される活性薬剤の量(例えば、mg/時間)又は1時間あたり放出される活性薬剤の百分率(例えば、%/時間)として報告され得る。放出速度は、インビトロ試験、例えばインビトロ溶解試験、又はインビボ試験により測定され得る。本明細書に記載の通り、薬物放出速度は、インビトロ溶解試験における特定時点に放出される薬物パーセントにおける、先行時点と比べてのおおよその漸増により測定され得る。例えば、医薬組成物の薬物放出パーセントが1時間で20%(w/w)、2時間で28%(w/w)、且つ3時間で35%(w/w)である場合、薬物放出速度は、1時間で20%/時間、2時間で8%/時間、且つ3時間で7%/時間として説明することができる。
【0063】
[0071] 用語「放出特性」は、特定時点で測定される活性薬剤の量又は百分率を表すインビトロ溶解曲線を指す。或いは、用語「放出特性」はまた、特定時点で測定される活性薬剤血漿濃度を表すインビボ血漿曲線を指し得る。
【0064】
[0072] 用語「増加」は、本明細書で用いられるとき、インビトロ溶解放出特性におけ
るピーク(又はショルダー若しくはプラトー)に対する組成物からの活性薬剤放出速度の増加を指し、及び/又は用語「増加」はまた、インビボ放出特性におけるピーク(又はショルダー若しくはプラトー)に対する活性薬剤血漿濃度の増加を指し得る。上で考察したように、インビトロ溶解試験における活性薬剤放出速度は、溶解試験における特定時点での活性薬剤放出パーセントにおける、先行時点と比べての漸増により、概ね説明することができる。
【0065】
[0073] 用語「第2の増加」は、本明細書で用いられるとき、初期放出又は第1の増加後の組成物からの活性薬剤放出速度の増加を指す。いくつかの実施形態では、開示される製剤は、インビトロ溶解試験の開始の5時間後(例えば約5~10時間後の間)に第2の増加を有しない。
【0066】
[0074] 用語「第3の増加」は、本明細書で用いられるとき、初期放出(又は第1の増加)後及び第2の増加後の組成物からの活性薬剤放出速度の増加を指す。
【0067】
[0075] 用語「治療」または「治療すること」は、哺乳動物における疾患の任意の治療を意味し、これには以下が含まれる。
(i)疾患の臨床症状を発症させないことにより、疾患の発生を予防すること、または減少させること、
(ii)疾患の臨床症状の発症を阻止することにより、疾患を阻害すること、および/または
(iii)疾患の臨床症状を後退させることにより、疾患を軽減すること。
【0068】
[0076] 「有効量」は、治療しようとする状態に罹患しているかまたは罹患する危険がある対象に化合物を投与したときに、有益な臨床結果が達成され得る化合物または製剤の量である。「有益な臨床結果」は、血圧の上昇、めまいがなくなる、および/または軽い頭痛がなくなるなど、対象における症状の数または重症度の減少のうちの1つ以上を含み得る。
【0069】
[0077] 本明細書で用いられるとき、「多微粒子(multi-particulates)」(「多微粒子(a multi- particulate)」と互換可能に用いられる)は、複数回単位の薬物送達システムを形成する、所望される特徴を示す別々の小型薬剤の単位を指す。多微粒子は、例えば、薬剤粒子、顆粒、ペレット、ビーズ、球、又はミニタブレットの形態であり得る。
【0070】
[0078] 本明細書において「含む(comprising)」という言語で記載されている態様ではいずれも、「からなる(consisting of)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語で記載された類似の態様も提供される。本明細書または特許請求の範囲において、「含む(include)」または「含んでいる(including)」という用語が使用されている限り、その用語が、特許請求の範囲において遷移語として使用されるときに解釈されるように、「含む(comprising)」という用語と類似の様式で包含的であることが意図されている。
【0071】
[0079] 本明細書において、用語「任意の」および「任意に」は、その後に記載される状況が発生してもしなくてもよいことを意味し、したがってこの記載は、状況が発生する場合および発生しない場合を含む。
【0072】
[0080] さらに、用語「または」が使用される限り(例えば、AまたはB)、この用語は「AまたはBまたはその両方」を意味することが意図される。出願人が「AまたはBのみであり、両方ではない」ことを示すことを意図する場合、「AまたはBのみであり、両
方ではない」という用語が用いられる。したがって、本明細書における「または」という用語の使用は、包括的であり、排他的使用ではない。Bryan A.Gamer「A Dictionary of Modern Legal Usage 624」(第2編、1995)を参照されたい。また、本明細書または特許請求の範囲において「内(in)」または「内へ(into)」という用語が使用されている限り、「上(on)」または「上へ(on~)」をさらに意味することを意図している。
【0073】
[0081] さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループに関して記載されている場合、当業者であれば、開示がマーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても記載されていることを理解するであろう。当業者には理解されるように、書面による記載を提供することなどのいずれかの目的およびあらゆる目的のために、本明細書に開示されたすべての範囲はまた、いかなるまたはあらゆる可能な部分範囲およびそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。列挙された範囲はいずれも、同じ範囲を少なくとも2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに細分する範囲も十分に記載し、実施可能にするものとして容易に認識できる。非限定的な例として、本明細書で論じている各範囲は、下3分の1、中3分の1および上3分の1などに容易に分類できる。当業者には理解されるように、「最大(up to)」、「少なくとも(at least)」、「より大きい(greater than)」、「未満(less than)」などのすべての用語は、引用された数字を含み、次いで上述の部分範囲に細分することができる範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各個々のメンバーを含む。例えば、1~3のメンバーを有する群は、1、2、または3個のメンバーを有する群を指す。同様に、1~5のメンバーを有する群は、1、2、3、4、または5のメンバーを有する群を指す、などである。本明細書では、様々な態様および実施形態が開示されているが、他の態様および実施形態は当業者には明らかであろう。
【0074】
医薬組成物
[0082] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、1以上の活性薬剤を含有し得る。活性薬剤は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一実施形態では、活性薬剤は、ミドドリン又はその薬学的に許容される塩、例えばミドドリン塩酸塩(HCl)である。別の実施形態では、活性薬剤は、デスグリミドドリン又はその薬学的に許容される塩である。
【0075】
[0083] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、限定はされないが、錠剤、カプセル剤、口内崩壊錠、咀嚼錠、頬側貼付剤、舌下錠、経口懸濁剤、又は散剤、顆粒剤、又は経口懸濁剤用の多微粒子であり得る。
【0076】
[0084] いくつかの実施形態では、固有の放出特性を有する本明細書で想定される医薬組成物は、限定はされないが、
1.急速放出層及び持続放出層を含有する二層錠;
2.急速放出層及び2つの持続放出層を含有する三層錠;
3.持続放出コア錠上の急速放出コーティング剤;
4.急速放出錠中に持続放出錠を含む錠剤中錠剤剤形;
5.持続放出コア及び急速放出コーティングを有する圧縮コーティング錠;
6.持続放出コーティング、次いでさらなる急速放出コーティング剤でコーティングされた急速放出コア;
7.持続放出コア及び急速放出コーティングを有する多微粒子(例えば、ペレット、粒子、顆粒、ビーズ、球体、又はミニタブレット)で充填されたカプセル剤又は多微粒子から圧縮された錠剤;
8.カプセル剤内部に充填されてもよい又は錠剤に圧縮されてもよい、急速放出及び持
続放出多微粒子の混合物;
9.当該技術分野で公知の適切な送達媒体に懸濁されてもよい又は再構成用のサシェ剤に充填されてもよい、急速放出及び持続放出多微粒子の混合物;及び
10.急速放出剤の層コーティングを有する持続放出浸透圧制御錠剤
を含み得る。
【0077】
[0085] いくつかの実施形態では、急速放出及び持続放出部分は各々、ミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物の急速放出部分は、組成物中のミドドリン塩酸塩の約20%~約45%、約20%~約40%、約25%~約40%、約30%~約40%、約30%~約50%、又は約30%~約35%(例えば、20~45%、20~40%、25~40%、30~50%、30~40%、又は30~35%)(w/w)を含む。本明細書に開示される医薬組成物は、経口投与用に、例えば、錠剤、懸濁剤、又は多微粒子で充填されたカプセル剤の形態で製剤化され得る。
【0078】
[0086] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、同じ又は異なる賦形剤を含み得る、複数の異なる識別可能な部分を含み得る。一実施形態では、医薬組成物は、急速放出部分及び持続放出部分を含み得る(例えば、ここで急速放出及び持続放出部分は各々、ミドドリン塩酸塩を含む)。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、多層組成物、例えば、2以上の薬物含有層を含む多層錠であり得る。特定の実施形態では、医薬組成物は、二層錠又は三層錠である。特定の実施形態では、医薬組成物は、急速放出及び持続放出多微粒子で充填されたカプセル剤である。
【0079】
[0087] いくつかの実施形態では、本明細書に開示の医薬組成物は、活性薬剤を約5mg~約150mg、約7.5mg~約150mg、約7.5mg~約120mg、約5mg~約100mg、約7.5mg~約100mg、約7.5mg~約75mg、約7.5mg~約50mg、約10mg~約100mg~約15mg~約100mg、約20mg~約100mg、約10mg~約75mg、約10mg~約50mg。約15mg~約75mg、約15mg~約50mg、約20mg~約75mg、約20mg~約50mg、約10mg~約20mg、約25mg~約35mg、または約40mg~約50mg含む。一実施形態において、医薬組成物は、約5mg、約7.5mg、約10mg、約12.5mg、約15、mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27.5mg、約30mg、約32.5mg、約35mg、約37.5mg、約40mg、約42.5mg、約45mg、約47.5mg、約50mg、約60mg、約100mg、約120mg、または約150mgの活性薬剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、活性薬剤は、ミドドリン塩酸塩である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の医薬組成物は、1用量単位(例えば、単一錠剤、カプセル剤または懸濁剤)当たり、総量で約20mgのミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の医薬組成物は、1用量単位(例えば、単一錠剤、カプセル剤または懸濁剤)当たり、総量で約10mgのミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の医薬組成物は、1用量単位(例えば、単一錠剤、カプセル剤または懸濁剤)当たり、総量で約40mgのミドドリン塩酸塩を含む。
【0080】
[0088] いくつかの実施形態では、本明細書に開示の医薬組成物は、急速放出部分及び持続放出部分を含む。いくつかの実施形態では、急速放出部分は、組成物中の活性薬剤の総量の、約15%~約50%、約20%~約45%、約20%~約40%、約25%~約45%、約25%~約40%、約25%~約35%、約30%~約45%、約30%~約40%、または約30%~約35%の量(w/w)の活性薬剤を含む。別の実施形態では、急速放出部分は、組成物の活性薬剤の総量の、約15%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約40%、約45%、または
約50%の量(w/w)で活性薬剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、活性薬剤は、ミドドリン塩酸塩である。
【0081】
[0089] 別の実施形態では、急速放出部分は、約0.75mg~約75mg、約1mg~約60mg、約2mg~約50mg、約2.25mg~約36mg、約3mg~約12mg、約4mg~約20mg、約4.5~約18mg、約6mg~約24mg、約3mg~約6mg、約7.5mg~約10.5mg、または約12mg~約15mgの範囲の量で活性薬剤を含むことができる。他の実施形態では、急速放出部分は、約1mg、約1.5mg、約2mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約6.5mg、約7mg、約7.5mg、約8mg、約8.5mg、約9mg、約9.5mg、約10mg、約10.5mg、約11mg、約12mg、約12.5mg、約13mg、約13.5mg、約14mg、約14.5mg、約15mg、約15.5mg、約16mg、約16.5mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約24mg、約27mg、約30mg、約36mg、約40mg、約45mg、約48mg、約54mg、または約67.5mgの活性薬剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、活性薬剤は、ミドドリン塩酸塩である。
【0082】
[0090] いくつかの実施形態では、持続放出部分は、組成物中の活性薬剤の総量の、約50%~約85%、約55%~約80%、約55%~約75%、約60%~約80%、約60%~約75%、約55%~約70%、約65%~約70%、または約60%~約70%の量(w/w)の活性薬剤を含む。別の実施形態では、持続放出部分は、組成物の活性薬剤の総量の、約50%、約55%、約65%、約65%、約70%、約75%、約80%、または約85%の量(w/w)で活性薬剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、活性薬剤は、ミドドリン塩酸塩である。
【0083】
[0091] 別の実施形態では、持続放出部分は、約2.5mg~約127.5mg、約3mg~約110mg、約3.75~約102mg、約3.75~約102mg、約5.25mg~約84mg、約12mg~約96mg、約10.5mg~約84mg、約9~約72mg、約7mg~約14mg、約17.5mg~約24.5mg、または約28mg~約35mgの範囲の量で活性薬剤を含む。別の実施形態では、持続放出部分は、活性薬剤を、約2.5、約5mg、約6mg、約7mg、約7.5、約8mg、約8.5mg、約9mg、約9.625mg、約10mg、約10.5mg、約11mg、約12mg、約12.5mg、約13mg、約13.5mg、約14mg、約15mg、約15.5mg、約16mg、約16.5mg、約17mg、約17.5mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約27.5mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約38mg、約40mg、約42mg、約48mg、約55mg、約60mg、約66mg、約70mg、約72mg、約80mg、約84mg、約96mg、約100mg、または約127.5mg含むことができる。いくつかの実施形態では、活性薬剤は、ミドドリン塩酸塩である。
【0084】
[0092] いくつかの実施形態では、急速放出部分は約3mg~約9mgのミドドリン塩酸塩を含み、持続放出部分は約9mg~約21mgのミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、急速放出部分および持続放出部分は、それぞれ、約5mgおよび約15mgのミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、急速放出部分および持続放出部分は、それぞれ、約6mgおよび約9mgのミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、急速放出部分および持続放出部分は、それぞれ、約4mgおよび約16mgのミドドリン塩酸塩を含む。
【0085】
[0093] 本明細書に開示される医薬組成物の持続放出部分は、1以上の速度制御剤を有効量で含み得る。速度制御剤は、例えば、水溶性、水不溶性、水透過性、水不透過性の賦形剤、及びそれらの混合物であり得る。速度制御剤は、ポリマー剤又は非ポリマー剤であり得る。速度制御剤は、親水性ポリマー又は疎水性ポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、速度制御剤は、医薬組成物に組み込まれる。一実施形態では、速度制御剤は、持続放出部分に組み込まれる。別の実施形態では、医薬組成物の持続放出部分は、速度制御剤でコーティングされる。
【0086】
[0094] いくつかの実施形態では、速度制御剤は、ヒプロメロース;ヒドロキシプロピルセルロース(HPC);ヒドロキシエチルセルロース(HEC);ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポビドン;キサンタンガム;グアーガム;キトサン;キトサン誘導体;カルボマー;カラギーナン;カルボキシメチルセルロース;アルギン酸ナトリウム;ポリ糖化(polyglycolized)グリセリド;ポリエチレングリコール;ポリ酢酸ビニル分散液;酢酸セルロース;酢酸セルロース酪酸塩;酢酸フタル酸セルロース;セルローストリアセテート;メタクリル酸共重合体;ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル;及びそれらの組み合わせから選択される親水性ポリマーである。一実施形態では、速度制御剤は、ヒプロメロースである。別の実施形態では、速度制御剤は、ヒプロメロース(例えば、USPヒプロメロース2208)又はMETHOCEL(商標)K4M(COLORCON(登録商標))である。いくつかの実施形態では、速度制御剤は、メタクリル酸共重合体、例えばメタクリル酸及びエチルアクリレート共重合体(1:1)(例えば、Eudragit L100-55(登録商標))である。いくつかの実施形態では、速度制御剤は、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(例えば、AquaSolve(登録商標)LG)である。
【0087】
[0095] 他の実施形態では、速度制御剤は、ポリ(メチルメタクリレート);ポリ(エチルメタクリレート);ポリ(メチルアクリレート);ポリ(イソプロピルアクリレート);ポリ(イソブチルアクリレート);ポリ(オクタデシルアクリレート);エチルセルロース;セルロースプロピオネート;酢酸セルロースプロピオネート;及びそれらの組み合わせから選択される疎水性ポリマーである。
【0088】
[0096] いくつかの実施形態では、速度制御剤は、ワックス;脂肪アルコール;脂肪酸エステル;硬化植物油;及びそれらの組み合わせから選択される非ポリマー剤である。いくつかの実施形態では、速度制御剤は、ベヘン酸グリセリルである。
【0089】
[0097] いくつかの実施形態では、持続放出部分は、速度制御剤を、持続放出部分における活性薬剤の重量と速度制御剤の重量比で、約1:1~約1:30(w/w)、約1:1~約1:20(w/w)、約1:2~約1:15(w/w)、約1:3~約1:15(w/w)、約1:5~約1:15(w/w)、又は約1:5~約1:10(w/w)の比で含み得る。別の実施形態では、持続放出部分は、速度制御剤を、持続放出部分における活性薬剤の重量と速度制御剤の重量比で、約1:5(w/w)、約1:7(w/w)、約1:10(w/w)、約1:12(w/w)、約1:15(w/w)、約1:20(w/w)、約1:25(w/w)、又は約1:30(w/w)の比で含む。
【0090】
[0098] いくつかの実施形態では、持続放出部分は、2以上の速度制御剤の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、持続放出部分は、2つの速度制御剤の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、持続放出部分は、メタクリル酸共重合体及びベヘン酸グリセリルを速度制御剤として含み得る。いくつかの実施形態では、持続放出部分は、メタクリル酸及びエチルアクリレート共重合体(1:1)及びベヘン酸グリセリルを速度制御剤として含み得る。
【0091】
[0099] 本明細書に開示される医薬組成物は、1以上の充填剤、結合剤、希釈剤、崩壊
剤、界面活性剤、色素、滑沢剤、滑剤、香味剤、pH調整剤、可溶化剤、浸潤剤、緩衝剤、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0092】
[0100] 結合剤の例として、限定はされないが、アラビアゴム(acacia)、アルギン酸、カルボマー、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、硬化植物油(タイプI)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、液体グルコース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポリメタクリレート、ポビドン、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプン、ゼインなど、又はそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、又はポビドンである。
【0093】
[0101] 希釈剤の例として、限定はされないが、微結晶性セルロース、ラクトース、デンプン、スクロース、無水及び二塩基性リン酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、アルギン酸アンモニウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース末、ケイ化微結晶性セルロース、圧縮性糖、菓子用糖(confectioner’s sugar)、コーンスターチ、アルファ化デンプン、
デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、エリスリトール、エチルセルロース、フルクトース、パルミトステアリン酸グリセリル、イソマルト、ラクチトール一水和物、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、麦芽糖、中鎖トリグリセリド、ポリデキストロース、ポリメタクリレート、シメチコン、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、滅菌トウモロコシ及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0094】
[0102] 崩壊剤の例として、限定はされないが、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末化セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、粉末化セルロース、グリシン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースなど、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0095】
[0103] 滑剤の例として、限定はされないが、デンプン、タルク、二酸化ケイ素、例えば、コロイド状二酸化ケイ素など、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0096】
[0104] 滑沢剤の例として、限定はされないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、硬化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、中鎖トリグリセリド、ミリスチン酸、パルミチン酸、ポロクサマー、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸亜鉛など、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0097】
[0105] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、フィルムコーティングが組成物の放出特性を修飾しないように、フィルムコーティングでさらにコーティングすることができる。組成物をフィルムコーティングするために使用可能な好適な材料として、限定はされないが、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、既製のプリミックス、例えば、Opadry(登録商標)(ヒプロメロース、PEG)(Colorcon)、Opadry(登録商標)II(ポリビニルアルコール、PEG、タルク、及び二酸化チタン)、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0098】
[0106] 本明細書に開示される医薬組成物は、当該技術分野で公知の幾つもの製造プロセスによって調製され得る。好適な製造プロセスの非限定例として、乾式造粒、湿式造粒、ローラー圧縮、押出成形/球形化、回転造粒(rotary pelletization)、ホットメルト押出成形、流動層造粒、流動層コーティング、圧縮コーティング、粉体コーティングなどが挙げられる。
【0099】
[0107] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、(1)約4mgのミドドリンHCl;微結晶性セルロース;クロスカルメロースナトリウム又はデンプングリコール酸ナトリウム;黄色酸化鉄又は赤色酸化鉄;タルク;及びステアリン酸マグネシウムを含む急速放出層、並びに(2)約16mgのミドドリンHCl;メタクリル酸及びエチルアクリレート共重合体(1:1)又はヒプロメロース酢酸コハク酸塩;ベヘン酸グリセリル;ポビドン;及びステアリン酸マグネシウムを含む持続放出層、を含む。いくつかの実施形態では、急速放出層は、約4mgのミドドリンHCl、約135mgの微結晶性セルロース、約9mgのクロスカルメロースナトリウム、約0.75mgの赤色酸化鉄、約0.75mgのタルク、及び約0.75mgのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、持続放出層は、約16mgのミドドリンHCl;約100~340mgのメタクリル酸及びエチルアクリレート共重合体(1:1)又はヒプロメロース酢酸コハク酸塩;約10~40mgのベヘン酸グリセリル;約10~40mgのポビドン;及び約0.6~1.8mgのステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、持続放出層は、約16mgのミドドリンHCl;約262mgのメタクリル酸及びエチルアクリレート共重合体(1:1);約20mgのベヘン酸グリセリル;約20mgのポビドン;及び約1.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む。
【0100】
[0108] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、活性薬剤(例えばミドドリン塩酸塩)の、対象への投与後の、最大約16時間、最大約15時間、最大約14時間、最大約13時間、最大約12時間、最大約11時間、最大約10時間、最大約9時間、又は最大約8時間にわたるインビボ放出を可能にし、(i)活性薬剤の急速放出である第1段階、及び(ii)活性薬剤の持続放出である第2段階を含むインビトロ溶解試験における放出特性によって特徴づけることができる。いくつかの実施形態では、第2段階の放出は、定常的であるか又は第1の(急速)放出よりも遅い。いくつかの実施形態では、第2段階は、インビトロ溶解試験の開始の約2~約4.5時間後に放出速度における第2の増加を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、インビトロ溶解試験の開始から5時間後に第2の増加を含まない(例えば、第2の増加が5~10時間の間(between 510 hours)に生じることはない)。いくつかの実施形態では、第2段階は、インビト
ロ溶解試験の開始の少なくとも約6時間後に放出速度における第3の増加を含む。
【0101】
[0109] いくつかの実施形態では、第一段階は、インビトロ溶解試験の開始後、約2時間、約90分、約1時間、約55分、約50分、約45分、約40分、約35分、約30分、約25分、約20分、または約15分で、急速放出部分中の活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)が、実質的に全て、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または全てが放出することによって特徴づけられる。
【0102】
[0110] いくつかの実施形態では、第一段階は、インビトロ溶解試験の開始後、約2時間、約90分、約1時間、約55分、約50分、約45分、約40分、約35分、約30分、約25分、約20分、または約15分で、組成物中の活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)の総量の約15%~約55%、約20%~約55%、約20%~約50%、約20%~約45%、約20%~約40%、約25%~約40%、約30%~約50%、または約30%~約40%(例えば、15~55%、20~55%、20~50%、20~45%、20~40%、25~40%、30~50%、または30~40%)、が放出する
ことによって特徴づけられる。別の実施形態では、第一段階は、インビトロ溶解試験の開始後、1時間未満、55分未満、50分未満、45分未満、40分未満、35分未満、30分未満、25分未満、20分未満、または15分未満で、組成物中の活性薬剤の総量の約15%~約55%、約20%~約55%、約20%~約50%、約20%~約45%、約20%~約40%、約25%~約40%、約30%~約50%、または約30%~約40%(例えば、15~55%、20~55%、20~50%、20~45%、20~40%、25~40%、30~50%、または30~40%)、が放出することによって特徴づけられる。
【0103】
[0111] 別の実施形態では、第二段階は、インビトロ溶解試験の開始後、約8~約16時間、約10~約16時間、約12~約16時間、約14~約16時間、約8~約14時間、約8~約12時間、約8~約10時間、約10~約14時間、約10~約12時間、または約12~約14時間(例えば、約16時間、約15時間、約14時間、約13時間、約12時間、約11時間、約10時間、または約8時間)の延長されたまたは延期された期間にわたって、持続放出部分中の活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)が、実質的に全て、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または全てが放出することによって特徴づけられる。一実施形態では、第二段階は、インビトロ溶解試験の開始後、約8~約12時間、約9~約12時間、約10~約12時間、約11~約12時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、または約14時間の延長されたまたは延期された期間にわたって、持続放出部分中の活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)が、実質的に全て、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または全てが放出することによって特徴づけられる。
【0104】
[0112] いくつかの実施形態では、第一段階は比較的急速であり、第二段階は第一段階よりも定常的であるかまたはより遅く、インビトロ溶解試験の開始後、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約4~約12時間の間、約4~約11時間の間、約4~約10時間の間、約4~約9時間の間、約4~約8時間の間、約4.5~約12時間の間、約4.5~約11時間の間、約4.5~約10時間の間、約4.5~約9時間の間、約4.5~約8時間の間、約5~約12時間の間、約5~約11時間の間、約5~約10時間の間、約5~約9時間の間、約5~約8時間の間、約6~約12時間の間、約6~約11時間の間、約6~約10時間の間、約6~約9時間の間は、第二の増加がない。
【0105】
[0113] いくつかの実施形態では、第一段階は比較的急速であり、第二段階は第一段階よりも定常的であるかまたはより遅く、放出速度の第二の増加が、インビトロ溶解試験の開始後、約3時間~約5時間、約3時間~約4.5時間、約3.5~約4.5時間、約4~約4.5時間、約4時間、約4.5時間、約5時間より前、または5時間より前に起こる。
【0106】
[0114] いくつかの実施形態では、本明細書に開示の医薬組成物は急速放出部分及び持続放出部分を含み、溶解試験開始後、約2時間以内に、組成物中の活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)の全量の、約45%~約75%、約45%~約70%、約45%~約65%、約55%~約65%、または約60%~約70%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、または少なくとも約70%が放出する、インビトロ溶解放出プロファイルによって特徴づけられる。さらなる実施形態では、溶解試験開始後、約4時間以内に、組成物中の活性薬剤の全量の、約55%~約85%、約55%~約80%、約55%~約77%、約58%~約77
%、約70%~約80%、約75%~約85%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約85%が放出する。別の実施形態では、溶解試験開始後、約6時間以内に、組成物中の活性薬剤の全量の、約65%~約90%、約65%~約87%、約65%~約85%、少なくとも約80%~約90%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、または少なくとも約90%が放出する。別の実施形態では、溶解試験開始後、約8時間以内に、組成物中の活性薬剤の全量の、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%が放出する。別の実施形態では、溶解試験開始後、約9時間、約9.5時間、約10時間、約10.5時間、約11時間、または約11.5時間以内に、組成物中の活性薬剤の全量の、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または全てが放出する。別の実施形態では、溶解試験開始後、12時間、12.5時間、13時間、13.5時間、14時間、14.5時間、15時間、15.5時間または16時間以内に、組成物中の活性薬剤の全量の、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または全てが放出する。
【0107】
[0115] いくつかの実施形態では、持続放出部分は、医薬組成物中の活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)の全重量の残分を、急速放出部分の放出速度よりも遅い速度で放出する。いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験で測定した活性薬剤放出速度の第二の増加は、溶解試験の開始後、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、または6時間、起こらない。別の実施形態では、第二の増加は、溶解試験の開始後、約4~約16時間、約4~約15時間、約4~約14時間、約4~約14時間、約4~約12時間、約4~約11時間、約4~約10時間、約4~約9時間、約4~約8時間、約4.5~約16時間、約4.5~約15時間、約4.5~約14時間、約4.5~約13時間、約4.5~約12時間、約4.5~約11時間、約4.5~約10時間、約4.5~約9時間、約4.5~約8時間、約5~約16時間、約5~約15時間、約5~約14時間、約5~約13時間、約5~約12時間、約5~約11時間、約5~約10時間、約5~約9時間、約5~約8時間、約6~約16時間、約6~約15時間、約6~約14時間、約6~約13時間、約6~約12時間、約6~約11時間、約6~約10時間、約6~約9時間、または約6~約8時間の間は起こらない。
【0108】
[0116] いくつかの実施形態では、インビトロ溶解試験で測定した活性薬剤放出速度の第二の増加は、溶解試験の開始後、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間後に起こるが、溶解試験の開始後、5時間後には起こらない。別の実施形態では、第二の増加は、溶解試験の開始後、約3~約5時間、約3~約4.5時間、約3.5~約4.5時間、または約4~約4.5時間の間に起こる。
【0109】
[0117] いくつかの実施形態では、例えば、持続放出部分の放出速度の減少が急速放出部分の放出速度の減少よりも少ない場合(例えば、インビトロ溶解試験の開始後、約15分~約1時間後に起こる)、活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)の放出速度は、持続放出期間の間は実質的に減少しない。いくつかの実施形態では、持続放出期間における活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)の放出速度の減少は、インビトロ溶解試験の開始後、約1時間~約16時間、約1時間~約15時間、約1時間~約14時間、約1時間~約13時間、約1時間~約12時間、約1時間~約11時間、約1時間~約10時間、約1
時間~約9時間、約1時間~約8時間、約1.5時間~約12時間、約1.5時間~約11時間、約1.5時間~約10時間、約1.5時間~約9時間、約1.5時間~約8時間、約2時間~約12時間、約2時間~約11時間、約2時間~約10時間、約2時間~約9時間、約2時間~約8時間、約2.5時間~約12時間、約2.5時間~約11時間、約2.5時間~約10時間、約2.5時間~約9時間、約2.5時間~約8時間、約3時間~約12時間、約3時間~約11時間、約3時間~約10時間、約3時間~約9時間、約3時間~約8時間、約4時間~約12時間、約4時間~約11時間、約4時間~約10時間、約4時間~約9時間、または約4時間~約8時間の間に、約l0%/時間未満、約9%/時間未満、約8%/時間未満、約7%/時間未満、約6%/時間未満、約5%/時間未満、約4%/時間未満、または約3%/未満、起こる。
【0110】
[0118] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、対象への投与後、最大約16時間、最大約15時間、最大約14時間、最大約13時間、最大約12時間、最大約11時間、最大約10時間、最大約9時間、又は最大約8時間にわたる活性薬剤(例えばミドドリン塩酸塩)のインビボ放出を可能にし、(i)デスグリミドドリンのピーク血漿濃度を含む第1段階、及び(ii)デスグリミドドリンの治療有効血漿濃度を含む第2段階によって特徴づけることができる。いくつかの実施形態では、第2段階におけるデスグリミドドリンの血漿濃度は、定常的であるか又は第1段階のピーク血漿濃度よりも低く維持する。いくつかの実施形態では、第2段階は、医薬組成物の対象への投与後の約2時間~約4.5時間にデスグリミドドリンの血漿濃度における第2の増加を含む。いくつかの実施形態では、第2段階は、医薬組成物の対象への投与後の5時間後にデスグリミドドリンの血漿濃度における第2の増加を含まない(例えば、5~10時間に第2の増加は生じない)。いくつかの実施形態では、第2段階は、医薬組成物の対象への投与後の少なくとも約6時間にデスグリミドドリンの血漿濃度における第3の増加を含む。いくつかの実施形態では、デスグリミドドリンの第1段階のピーク血漿濃度は、少なくとも10ng/mL、少なくとも11ng/mL、少なくとも12ng/mL、少なくとも13ng/mL、又は少なくとも14ng/mLである。いくつかの実施形態では、デスグリミドドリンの血漿濃度は、医薬組成物の対象への投与後の少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、又は少なくとも10時間にわたり、少なくとも7ng/mL、少なくとも8ng/mL、少なくとも9ng/mL、少なくとも10ng/mL、少なくとも11ng/mL、少なくとも12ng/mL、少なくとも13ng/mL、又は少なくとも14ng/mLのレベルで維持される。
【0111】
[0119] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、対象への投与後の、(i)活性薬剤(例えばミドドリンHCl)の急速放出である第1段階、及び(ii)活性薬剤の持続放出である第2段階を含む放出特性によって特徴づけることができる。
【0112】
[0120] いくつかの実施形態では、インビボ放出特性の第1段階は、組成物の対象への投与後、約30分、約45分、約1時間、約90分、約2時間、約15分~約2時間、約30分~約2時間、約30分~約90分、又は約30分~60分以内での、組成物における活性薬剤の総量の最大約20%、最大約30%、最大約35%、最大約40%、最大約45%、最大約50%、又は最大約55%(w/w)の放出によって特徴づけることができる。
【0113】
[0121] いくつかの実施形態では、インビボ放出特性の第2段階は、組成物における全活性薬剤の約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、又は約85%(w/w)又はそれ以下が、投与後の約30分~約16時間、約45分~約16時間、約1時間~約16時間、約90分~約16時間、約2時間~約16時間、約30分~約14時間、約45分~約14時間、約1時間~約14時間、約90分~約14時間、約2時
間~約14時間、約30分~約12時間、約45分~約12時間、約1時間~約12時間、約90分~約12時間、約2時間~約12時間、約30分~約10時間、約45分~約10時間、約1時間~約10時間、約90分~約10時間、約2時間~約10時間、約30分~約8時間、約45分~約8時間、約1時間~約8時間、約90分~約8時間、又は約2時間~約8時間といった長期間にわたって放出されていることによって特徴づけることができる。他の実施形態では、インビボ放出特性の第2段階は、組成物における全活性薬剤の約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、又は約85%(w/w)又はそれ以下が、投与後の約30分~約12時間、約45分~約12時間、約1時間~約12時間、約90分~約12時間、又は約2時間~約12時間といった長期間にわたって放出されていることによって特徴づけることができる。他の実施形態では、インビボ放出特性の第2段階は、組成物における全活性薬剤の約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、又は約85%(w/w)又はそれ以下が、投与後の約8時間~約16時間、約8時間~約14時間、約8時間~約12時間、約8時間~約10時間、又は約6時間~約8時間に至る長期間にわたって放出されていることによって特徴づけることができる。いくつかの実施形態では、インビボ放出特性は、
(i)活性薬剤の総量の約20%~約45%、約20%~約40%、約20%~約30%、約25%~約40%、約25%~約35%、又は約30%~約40% w/wが、医薬組成物の投与後の約1時間以内に放出されるように製剤化されること;及び
(ii)活性薬剤の残存総量が、医薬組成物の投与後の約6~12(例えば約8~10)時間にわたって放出されるように製剤化されること
によって特徴づけることができる。
【0114】
[0122] いくつかの実施形態では、第1段階は比較的急速であり、且つ第2段階は定常的であるか又は第1段階よりも遅く、医薬組成物の対象への投与後の5~10時間(例えば、約5時間、約5.5時間、約6時間、約6.5時間、約7時間、約7.5、又は約8時間)、第2の増加が生じない。いくつかの実施形態では、第1段階は比較的急速であり、且つ第2段階は定常的であるか又は第1段階よりも遅く、医薬組成物の対象への投与後の約4.5~約16時間の間、約4.5~約15時間の間、約4.5~約14時間の間、約4.5~約13時間の間、約4.5~約12時間の間、約4.5~約11時間の間、約4.5~約10時間の間、約4.5~約9時間の間、約4.5~約8時間の間、約5~約16時間の間、約5~約15時間の間、約5~約14時間の間、約5~約13時間の間、約5~約12時間の間、約5~約11時間の間、約5~約10時間の間、約5~約9時間の間、約5~約8時間の間、約6~約16時間の間、約6~約15時間の間、約6~約14時間の間、約6~約13時間の間、約6~約12時間の間、約6~約11時間の間、約6~約10時間の間、約6~約9時間の間、又は約6~約8時間の間、第2の増加が生じない。
【0115】
[0123] いくつかの実施形態では、医薬組成物の持続放出部分における活性薬剤(例えばミドドリンHCl)の放出速度は、医薬組成物の対象への投与後の約2~約4.5時間にわたり、デスグリミドドリンの血漿濃度における第2の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、持続放出部分は、医薬組成物の対象への投与後の5時間にわたり、デスグリミドドリンの血漿濃度における第2の増加をもたらさない(例えば、5~10時間、第2の増加は生じない)。いくつかの実施形態では、持続放出部分は、医薬組成物の対象への投与後の少なくとも約6時間、デスグリミドドリンの血漿濃度における第3の増加をもたらす。
【0116】
[0124] いくつかの実施形態では、約15mgの持続放出組成物の急速放出部分は、約1時間以内に、少なくとも12ng/mL、少なくとも13ng/mL、又は少なくとも14ng/mLの、第1段階のデスグリミドドリンのピーク血漿濃度をもたらす。いくつかの実施形態では、約7.5mgの持続放出組成物の急速放出部分は、約1時間以内に少
なくとも7ng/mLの、第1段階のデスグリミドドリンのピーク血漿濃度をもたらす。いくつかの実施形態では、約30mgの持続放出組成物の急速放出部分は、約1時間以内に少なくとも24ng/mLの、第1段階のデスグリミドドリンのピーク血漿濃度をもたらす。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物の対象への投与後の少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、又は少なくとも10時間にわたり、少なくとも7ng/mL、少なくとも8ng/mL、少なくとも9ng/mL、少なくとも10ng/mL、少なくとも11ng/mL、又は少なくとも12ng/mLのデスグリミドドリンの血漿濃度をもたらす。
【0117】
使用方法
[0125] 本開示は、本明細書に開示される医薬組成物を用いる方法を提供する。本開示のいくつかの態様は、それを必要とするヒト対象における起立性低血圧を治療するか又はその発生率を低減する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を対象とする。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、起立の1分後に測定される収縮期血圧を増加させる。いくつかの実施形態では、組成物は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物により、対象の血圧がその日一日を通じて所望されるレベル以内に、例えば収縮期が90mmHg超、拡張期が60mmHg超、例えば約120/80mmHgに維持される。
【0118】
[0126] 本開示の医薬組成物は、起立性低血圧;体位性起立性頻脈症候群(POTS);自律神経障害;ブラッドベリ―・エッグルストン症候群、シャイ・ドレーガー症候群、糖尿病、及びパーキンソン病に関連する自律神経不全症に対応する慢性起立性低血圧の症状;並びに逆行性射精の少なくとも1つを含む障害を治療するか又はその発生率を低減するため、用いることができる。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、パーキンソン病を患っている対象における起立性低血圧を治療するため、用いることができる。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、体位性起立性頻脈症候群(POTS)を患っているか又はそれを患うリスクがある対象を治療するため、用いることができる。
【0119】
[0127] 特定の態様では、本方法は、自律神経不全症に起因する起立性低血圧を患っているか又はそれを患うリスクがある対象を治療することに向けられ、本明細書に開示される医薬組成物を有効量でそれを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、ブラッドベリ―・エッグルストン症候群、シャイ・ドレーガー症候群、糖尿病、又はパーキンソン病を患っている。
【0120】
[0128] 特定の態様では、本方法は、起立性低血圧を患うか又はそれを患うリスクがある、パーキンソン病を有する対象を治療することに向けられ、本明細書に開示される医薬組成物を有効量でそれを必要とする対象に投与することを含む。
【0121】
[0129] 特定の態様では、本方法は、起立性低血圧を患うか又はそれを患うリスクがある、体位性起立性頻脈症候群(POTS)を有する対象を治療することに向けられ、本明細書に開示される医薬組成物を有効量でそれを必要とする対象に投与することを含む。
【0122】
[0130] いくつかの実施形態では、対象は、10~50歳、10~25歳、例えば、13~18歳、13~21歳、又は13~25歳である。いくつかの実施形態では、対象は、男性又は女性である。いくつかの実施形態では、対象は男性である。いくつかの実施形態では、対象は女性である。いくつかの実施形態では、対象は、13~25歳の女性であり、POTSを患う。いくつかの実施形態では、対象は、パーキンソン病を患う。いくつかの実施形態では、対象は、早発性パーキンソン病(例えば50歳以下である)を患う。いくつかの実施形態では、対象は、50歳を上回る。
【0123】
[0131] 治療方法は、本明細書に開示される医薬組成物を単回用量で対象に投与することを含み得る。投与は、活性薬剤の対象の血漿への急速放出(例えば、2時間、90分、1時間、45分、30分、又は15分以内)及び活性薬剤の対象の血漿への持続放出(例えば、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、又は少なくとも14時間)をもたらすのに有効であり得る。活性薬剤は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせの1以上を含み得る。
【0124】
[0132] いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に開示される医薬組成物を、1日3回投与される即時放出錠の対応する総一日用量よりも多い単回の総一日用量で投与することを含み、例えば、本明細書に開示される医薬組成物は、5mgの即時放出錠の1日3回の投与(即ち、15mg用量のIRの総一日用量)の代わりに、20mgの単回用量で投与され得る。いくつかの実施形態では、20mg用量は、急速放出部分及び持続放出部分を含む多層錠(例えば二層又は三層錠)である。
【0125】
[0133] いくつかの実施形態では、単回用量を投与することで、急速放出期間中、対象における血圧を(例えば、少なくとも12ng/mL又は少なくとも14ng/mLに)有効に上昇させ、持続放出期間中、対象における血圧を(例えば、少なくとも7ng/mL、少なくとも8ng/mL、少なくとも9ng/mL、又は少なくとも10ng/mLのレベルで)維持することができる。単回用量は、活性薬剤を、約5mg、5.5mg、6mg、6.5mg、7mg、7.5mg、8mg、8.5mg、9mg、9.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5mg、30mg、32.5mg、35mg、37.5mg、40mg、42.5mg、45mg、47.5mg、50mg、52.5mg、55mg、57.5mg、60mg、62.5mg、65mg、67.5mg、70mg、72.5mg、75mg、77.5mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、及び150mg、例えば、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約45mg、又は約5mg~約150mgの間、約5mg~約120mgの間、約5mg~約100mgの間、約5mg~約75mgの間、約10~約70mgの間、約4mg~約50mgの間、若しくは約18mg~約25mgの間の範囲の量で含み得る。
【0126】
[0134] いくつかの実施形態では、医薬組成物は経口懸濁剤であり、用量は対象に対して有効なレベルまで滴定され得る。対象は、活性薬剤の初期用量から開始することができ、後続用量は、初期用量に対する対象の応答に基づいて調節可能である。用量滴定は、便宜的には経口懸濁剤形において対象に投与されるべき経口懸濁の体積を調節することにより達成可能である。
【0127】
[0135] いくつかの実施形態では、本願の方法は、活性薬剤(例えばミドドリン塩酸塩)が即時放出用量よりも低い頻度で投与されることを可能にするだけでなく、血圧をその日一日を通じて臨床的に許容される範囲、例えば収縮期が90mmHg超で且つ拡張期が60mmHg超、例えば約120/80mmHgで維持する。
【0128】
[0136] 本方法は、本明細書に記載の医薬組成物のいずれかの態様に従い、対象に単回用量を投与することを含み得る。例えば、本方法は、急速放出層及び持続放出層を含む多層錠、例えば二層錠又は三層錠;急速放出コーティングでコーティングされた持続放出コア;急速放出錠と持続放出錠との組み合わせ;経口投与に適した液体担体(又は懸濁媒体)中に分散するように設計された、急速放出の集団及び持続放出の集団を含む複数の微粒子;又は急速放出の集団及び持続放出の集団である複数の多微粒子(例えば、粒子、顆粒、ビーズ、球体、又はミニタブレット)のペレットの少なくとも1つを含む剤形で単回用量を対象に投与することを含み得る。本方法は、複数の微粒子(例えば本明細書に開示さ
れる多微粒子)を液体と組み合わせ、次いで対象に経口投与することをさらに含み得、ここで複数の微粒子(例えば本明細書に開示される多微粒子)は、経口投与に適した液体担体中に分散される。
【0129】
[0137] いくつかの実施形態では、本方法は、持続放出期間にわたる活性薬剤の対象の血漿への持続放出が持続放出速度によって特徴づけられるとおり、対象に単回用量を投与することを含み得る。本方法は、医薬組成物における活性薬剤の約50%(w/w)超が持続放出期間にわたって対象に放出されるように、対象に単回用量を投与することを含み得る。持続放出期間は、数時間以内、又は4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、若しくは16時間の少なくとも1つ又は少なくとも約1つ、例えば約12時間、又は例えば、約4時間~約12時間の間、6時間~12時間の間、8時間~12時間の間、8時間~14時間の間、若しくは8時間~16時間の間といった先行値のいずれか2つの間の範囲であり得る。
【0130】
[0138] 一実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物、例えば、錠剤、カプセル剤、又は懸濁剤は、1日1回又は2回、それを必要とするヒト対象に投与される。別の実施形態では、医薬組成物は、1日1回、それを必要とするヒト対象に投与される。投与される用量は、対象における好適な治療的応答を得るほどに十分であってもよい。
【0131】
[0139] 一実施形態では、本開示は、それを必要とするヒト対象における起立性低血圧を治療する方法であって、
約1.5mg~約45mg(例えば、約2mg~約25mg、約4mg~約20mg、約4mg~約15mg、又は約5mg~約10mg)の、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性薬剤を含む急速放出部分;及び
約3.5mg~約105mg(例えば、約4mg~約75mg、約5mg~約50mg、約5mg~約25mg、約5mg~約20mg、約7.5mg~約15mg、又は約10mg~約15mg)の、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性薬剤を含む持続放出部分
を含む医薬組成物をヒト対象に投与することを含む方法を提供する。
【0132】
[0140] いくつかの実施形態では、医薬組成物は、組成物における活性薬剤の総量の最大約20%、最大約30%、最大約35%、最大約40%、最大約45%、最大約50%、又は最大約55%(w/w)が1時間以内に放出され、組成物における活性薬剤の総量の少なくとも約95%が8、10、12、14、若しくは16時間以内に放出されるようなインビトロ溶解放出特性を有する。
【0133】
[0141] 別の実施形態では、本方法は、約1.5mg~約45mg(例えば、約2mg~約25mg、約4mg~約20mg、約4mg~約15mg、または約5mg~約10mg)のミドドリン塩酸塩、結合剤、滑剤及び滑沢剤を含む急速放出部分であって、ここで、ミドドリン塩酸塩は、急速放出部分の総量の、最大40%、最大35%、最大30%、最大25%、約2%~約30%、約2%~約20%、または約2%~約10%の量で存在する急速放出部分と;約3.5mg~約105mg(例えば、約4mg~約75mg、約5mg~約50mg、約5mg~約25mg、約5mg~約20mg、約7.5mg~約15mg、または約10mg~約15mg)のミドドリン塩酸塩および速度制御剤を含む持続放出部分であっって、ここで、ミドドリン塩酸塩は、持続放出部分の総量の、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、約2%~約30%、約2%~約20%、または約2%~約10%の量で存在し、ミドドリン塩酸塩:速度制御剤の重量比が約1:1~約1:30である持続放出部分と;を含む医薬組成物を投与することを含
む。
【0134】
[0142] いくつかの実施形態では、急速放出部分は、急速放出部分の総量の、約1%~約40%、約2%~約40%、約2%~約20%、約2%~約15%、約2%~約10%、約2%~約5%、約3%~約15%、約3%~約10%、約3%~約10%、または約3%~約5%のミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、急速放出部分は、急速放出部分の総量の、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%のミドドリン塩酸塩を含む。
【0135】
[0143] いくつかの実施形態では、持続放出部分は、持続放出部分の総量の、約2%~約20%、約2%~約15%、約2%~約10%、約3%~約15%、約3%~約10%、約3%~約5%、約4%~約10%、約4%~約8%、または約4%~約6%のミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、持続放出部分は、持続放出部分の総量の、約1%、2%,3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%のミドドリン塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、持続放出部分中のミドドリン塩酸塩:持続放出部分中の速度制御剤の重量比は、約1:1~約1:20、約1:1~約1:10、約1:1~約1:8、約1:1~約1:7、約1:1~約1:6、または約1:1~約1:5である。いくつかの実施形態では、持続放出部分中のミドドリン塩酸塩:持続放出部分中の速度制御剤の重量比は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、または1:10である。
【0136】
[0144] いくつかの実施形態では、急速放出部分は、急速放出部分の総量の約2%~約10%または約3%~約5%のミドドリン塩酸塩を含み、持続放出部分は、持続放出部分の総量の約2%~約15%または約4%~約6%のミドドリン塩酸塩を含み、持続放出部分中のミドドリン塩酸塩:持続放出部分中の速度制御剤の重量比は、約1:4~約1:5である。
【0137】
[0145] いくつかの実施形態では、本方法は、急速放出部分と持続放出部分を伴う医薬組成物であって、急速放出部分と持続放出部分の両方が、活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)を含む医薬組成物を投与することに関する。いくつかの実施形態では、急速放出部分中の活性薬剤は、インビトロ溶解試験の開始後、約60分、約50分、約45分、約40分、約35分、約30分、約25分、約20分、約15分、約10分、または約5分以内に放出される。いくつかの実施形態では、急速放出部分中の活性薬剤は、対象への投与後、約90分、約60分、約50分、約45分、約40分、約35分、約30分、約25分、約20分、約15分、約10分、または約5分以内に放出される。いくつかの実施形態では、活性薬剤の少なくとも一部は、インビトロ溶解試験の開始後、約1時間~約16時間、約1時間~約15時間、約1時間~約14時間、約1時間~約13時間、約1時間~約12時間、約1時間~約11時間、または1時間~約10時間の時間にわたって放出される。いくつかの実施形態では、活性薬剤の少なくとも一部は、対象への投与後、約1時間~約16時間、約1時間~約15時間、約1時間~約14時間、約1時間~約13時間、約1時間~約12時間、約1時間~約11時間、または1時間~約10時間の時間にわたって放出される。
【0138】
[0146] いくつかの実施形態では、医薬組成物の投与は、医薬組成物の対象への経口投与後に、約2ng/mL~約100ng/mL、約2ng/mL~約50ng/mL、約2ng/mL~約25ng/mL、約2ng/mL~約15ng/mL、または約2ng/mL~約10ng/mLの範囲の、ミドドリン塩酸塩またはその活性代謝物の最大血漿濃度(Cmax)をもたらす。一実施形態では、医薬組成物の投与は、対象において、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少
なくとも約12時間、または少なくとも約16時間の間、活性代謝物であるデスグリミドドリンの、少なくとも3ng/mL、少なくとも4ng/mL、少なくとも5ng/mL、少なくとも6ng/mL、少なくとも7ng/mL、少なくとも8ng/mL、少なくとも9ng/mL、少なくとも10ng/mL、少なくとも11ng/mL、少なくとも12ng/mL、少なくとも13ng/mL、少なくとも14ng/mL、少なくとも15ng/mL、または少なくとも14ng/mLの血漿レベルをもたらすことができる。
【0139】
[0147] いくつかの実施形態では、適用される方法は、対象における起立性低血圧の治療に使用される、本明細書に開示の医薬組成物の多層錠、カプセル剤、懸濁剤または他の投与形態に関する。いくつかの実施形態では、本方法は、活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)を、約1.5mg~45mg(例えば、約4mg~約75mg、約5mg~約50mg、約5mg~約25mg、約5mg~約20mg、約7.5mg~約15mg、または約10mg~約15mg)の範囲で含む急速放出層と、活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)を、3.5mg~約105mg(例えば、約2mg~約25mg、約4mg~約20mg、約4mg~約15mg、または約5mg~約10mg)の範囲で含む持続放出層を含む、二層錠または三層錠を提供する工程を含むことができる。錠剤の急速放出層は、インビトロ溶解試験において、最大約20%、最大約30%、最大約35%、最大約40%、最大約45%、最大約50%、または最大約55%(w/w)の活性薬剤を、約1時間以内に放出するように構成することができる。持続放出層(単数または複数)は、溶解試験の開始後、活性薬剤の残量を、約1時間~約8時間、約1時間~約10時間、約1時間~約12時間または約1時間~約16時間の延長された期間で放出するよう構成することができる。
【0140】
用量
[0148] 本明細書に開示する医薬組成物は、それを必要とするヒト対象に、1日1回または2回投与することができる。一実施形態では、医薬製剤は、それを必要とするヒト対象に1日1回投与することができる錠剤である。投与される用量は、対象において、所望の治療および/または予防応答を起こすのに有効なものであることができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5mg~約150mg、約5mg~約120mg、約7.5~約150mg、約7.5mg~約120mg、約5mg~約100mg、約7.5mg~約100mg、約7.5mg~約75mg、約7.5mg~約50mg、約10mg~約100mg、約15mg~約100mg、約20mg~約100mg、約10mg~約75mg、約10mg~約50mg、約15mg~約75mg、約15mg~約50mg、約20mg~約75mg、約20mg~約50mg、約18mg~約25mg、または約20~約25mgの活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)の用量を含み、これが1日1回又は2回投与される。一実施形態では、医薬組成物は、約5mg、約7.5mg、約10mg、約12.5mg、約15mg、約17.5mg、約18mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27.5mg、約30mg、約32.5mg、約35mg、約37.5mg、約40mg、約42.5mg、約45mg、約47.5mg、約50mg、約60mg、約100mg、約120mg、または約150mgの活性薬剤(例えば、ミドドリン塩酸塩)の用量を含み、これが1日1回又は2回投与される。
【0141】
[0149] いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、1日1回投与用の剤形を含み、ここで剤形中の活性薬剤(例えばミドドリンHCl)の総量は、3つの即時放出錠(例えば、2.5mg、5mg、又は10mgの3つのIR錠)における活性薬剤(例えばミドドリンHCl)の総量よりも少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、又は少なくとも70%多い。いくつかの実施形態では、1日1回投与用の剤形は、3つの即時放出錠(例えば、2.5mg、5mg、又は10mgの3つのIR錠)における活性薬剤(例えばミドドリンHCl)の総量
よりも70%未満、60%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、10~70%の間、10~55%の間、10~50%の間、10~40%の間、10~35%の間、10~30%の間、15~50%の間、15~40%の間、15~35%の間、15~30%の間、20~50%の間、20~40%の間、20~35%の間、20~30%の間、25~50%の間、25~40%の間、25~35%の間、25~30%の間、30~50%の間、30~45%の間、30~40%の間、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%だけ多い活性薬剤(例えばミドドリンHCl)を含む。例えば、本明細書に開示される医薬組成物の単一の10mg剤形は、1日3回投与される2.5mgの即時放出錠(7.5mgの総一日用量)の代わりに1日1回(10mgの総一日用量)投与され得る。本明細書に開示される医薬組成物の単一の20mg剤形は、1日3回投与される5mgの即時放出錠(15mgの総一日用量)の代わりに1日1回(20mgの総一日用量)投与され得る。本明細書に開示される医薬組成物の単一の40mg剤形は、1日3回投与される10mgの即時放出錠(30mgの総一日用量)の代わりに1日1回(40mgの総一日用量)投与され得る。いくつかの実施形態では、1日1回投与用の10mg、20mg、又は40mg用量は、急速放出部分と持続放出部分とを含む多層錠(例えば二層又は三層錠)である。
作製方法
【0142】
[0150] いくつかの態様では、本願は、本明細書に開示される医薬組成物を作製することを対象とする。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口送達用に調製される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、口内崩壊錠、咀嚼錠、頬側貼付剤、舌下錠、経口懸濁剤、又は散剤、顆粒剤、又は経口懸濁剤用の多微粒子である。
【0143】
[0151] 特定の実施形態では、作製する方法は、急速放出層及び持続放出層を有する多層錠(例えば二層錠又は三層錠)、持続放出コア及び持続放出コア上の急速放出コーティング剤を有する錠剤、急速放出錠中に持続放出錠を有する錠剤中錠剤、持続放出コア及び急速放出コートを有する圧縮コーティング錠、持続放出コーティング剤、次いで急速放出コーティング剤でコーティングされた急速放出コア、持続放出コア及び急速放出コーティングを有する多微粒子(例えば、ペレット、粒子、顆粒、ビーズ、球体、又はミニタブレット)で充填されたカプセル剤、錠剤に圧縮された急速及び持続放出多微粒子の混合物、再構成用にサシェ剤に充填された急速及び持続放出多微粒子の混合物、又は急速放出剤の層コーティングを有する持続放出浸透圧制御錠剤を含む医薬組成物を作製することを含む。
【0144】
[0152] いくつかの実施形態では、医薬組成物を作製するための方法は、ボトムスプレー法により流動層プロセッサーにおける微結晶性セルロース球体上に層状化された活性薬剤を含む薬物層状化分散液を含む。薬物層状化多微粒子の第1の部分(例えば、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、又は約70%)が、速度制御剤(例えばエチルセルロース及びオレイン酸)でコーティングされて、第1の持続放出多微粒子部分を形成し;薬物層状化多微粒子の第2の部分(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、又は約20%)が、速度制御剤(例えば、Eudragit(登録商標)L 30D 55)でコーティングされて、第2の持続放出多微粒子部分を形成し;急速放出(コーティングされていない薬物層状化多微粒子)、第1の持続放出多微粒子、及び第2の持続放出多微粒子は、(例えば、タルク及びステアリン酸マグネシウムを用いて)潤滑され、カプセル剤に充填される。
【0145】
[0153] いくつかの実施形態では、医薬組成物を作製するための方法は、乾式造粒、湿式造粒、ローラー圧縮、押出成形/球形化、回転造粒、ホットメルト押出成形、流動層造粒、流動層コーティング、圧縮コーティング、粉体コーティングなどの1以上を含む。
【0146】
キット
[0154] 一実施形態では、キットが提供される。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に開示される多微粒子(例えば、ペレット、粒子、顆粒、ビーズ、球体、又はミニタブレット)及び液体媒体を含み、ここで多微粒子は、液体媒体と組み合わせ、懸濁液を形成することができる。いくつかの実施形態では、キットは、同じ活性薬剤又は異なる活性薬剤を含む、第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物を含む。一実施形態では、第1の医薬組成物は、急速放出部分及び持続放出部分を含み、ここで急速放出部分と持続放出部分の双方は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、及びデスグリミドドリンの薬学的に許容される塩からなる群から選択される活性薬剤を含む。一実施形態では、活性薬剤は、急速放出部分中に約1.5mg~45mg(例えば、約4mg~約75mg、約5mg~約50mg、約5mg~約25mg、約5mg~約20mg、約7.5mg~約15mg、又は約10mg~約15mg)の範囲で存在し、また活性薬剤は、持続放出部分中に 約3.5mg~約105mg(例えば、約2mg~約25mg、約4mg~約20mg、約4mg~約15mg、又は約5mg~約10mg)の範囲で存在する。別の実施形態では、急速放出部分は、組成物における活性薬剤の総量の約20%~約55%、約20%~約50%、約20%~約45%、約20%~約40%、約25%~約40%、約30%~約50%、又は約30%~約40%(例えば、20~55%、20~50%、20~45%、20~40%、25~40%、30~50%、又は30~40%)w/wを約1時間以内に放出し、持続放出部分は、組成物における活性薬剤の残存総量を、約1時間~約16時間、約1~約14時間、約1~約12時間、約1~約10時間、又は約1~約8時間にわたり放出する。
【0147】
[0155] 特定の実施形態では、第2の組成物は、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、及びデスグリミドドリンの薬学的に許容される塩からなる群から選択される活性薬剤を含む急速放出組成物であり得る。一実施形態では、活性薬剤は、2.5mg~20mgの範囲で存在し、第2の組成物の対象への投与から約1時間以内に活性薬剤の実質的にすべてを放出する。別の実施形態では、第1の組成物及び第2の組成物は、同時に対象に投与される。さらに別の実施形態では、第1の組成物及び第2の組成物は、順次に対象に投与され、ここで第2の組成物は、第1の組成物の後に投与される。
【0148】
併用療法
[0156] 本願の特定の態様は、対象を治療するための方法であって、本明細書に開示される医薬組成物とさらに追加的な活性薬剤を含む医薬組成物とを投与することを含む方法を対象とする。追加的な活性薬剤は、ミドドリン、その薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、その薬学的に許容される塩、又はそれらの組み合わせと有利に併用可能な任意の活性原体であり得る。追加的な活性薬剤の非限定例として、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、オクトレオチドなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、他の活性薬剤を含有する1以上の医薬組成物と付属的に、例えば同じ剤形における活性薬剤の同時投与、異なる剤形における活性薬剤の同時投与、又は活性薬剤の分割投与により、投与され得る。
【実施例0149】
[0157] 本開示を、以下の実施例によってさらに例示するが、これらは単に例示的に提供され、その範囲を限定するものではない。特定の改変および均等物は当業者に明らかであり、本開示の範囲内に含まれることが意図される。本開示は、以下の製剤例を提供するが、これに限定されない。
【0150】
実施例1
ミドドリンHClの二層錠の調製及びインビトロ溶解試験
[0158] 表1に示す成分を用いて、急速放出層及び持続放出層を含有するミドドリン塩酸塩の二層錠(15mg、20mg、30mg、及び45mg)を調製した。ミドドリンHClを微結晶性セルロース、及び着色剤と混和した。次に、混合物をコロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑した。持続放出層においては、ミドドリンHCl、微結晶性セルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを混合し、精製水を用いて造粒した。顆粒を乾燥し、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑した。二層錠剤プレスを用いて、急速放出層及び持続放出層を二層錠に圧縮した。
【0151】
【表1】
【0152】
[0159] 実施例1の二層錠についてのインビトロ溶解試験を、0~2時間、0.1N HCl(pH1.2);2~4時間、酢酸塩緩衝液(pH4.5);4~16時間、リン酸緩衝液(pH6.8)、900mL中、37℃、100rpmでのUSP装置I(バスケット)の条件下で実施した。異なる緩衝液及び撹拌速度(75及び150rpm)で類似の溶解特性が認められた。これらの結果は、ミドドリンの薬物放出速度がシミュレートされた急速な、食事による溶解条件に非依存的であることを示し、インビボでの食物効果の不在を示唆する。
【0153】
[0160] 図1は、表1の錠剤におけるインビトロ溶解特性を示す。図1は、15mg、
30mg、及び45mgのミドドリンHClを含有する錠剤が、急速放出層からの活性薬剤の約40%~50%の約1時間以内の急速放出、及び12時間の試験期間にわたる残存する活性薬剤の持続放出を示すことを示す。
【0154】
[0161] 30mgのミドドリンHCl錠剤の溶解特性を図2に示す。これらのデータは、30mgのミドドリンHClを含有する急速放出/持続放出組成物が活性薬剤の急速放出とその後の少なくとも10時間にわたる活性薬剤の持続放出とを示すことを示す。
【0155】
[0162] 実施例1で試験した二層錠についてのインビトロ溶解データは、有効な急速放出期間とその後の定常的な持続放出期間におけるインビボでの開示される医薬製剤の使用を支持する。
【0156】
実施例2
シミュレートされたデスグリミドドリン血漿特性
[0163] 0、4、及び8時間での5mg即時放出錠の投与(即ちTIDレジメン)後のデスグリミドドリン(ミドドリンHClの活性代謝物)の血漿特性を、公知のモデリング方法を用いてシミュレートした。5mg即時放出錠(TID)についてシミュレートしたデスグリミドドリン血漿濃度(ng/mL)対時間(時間)を図3に示す。シミュレーションから、第1の即時放出のTID用量が第3の即時放出のTID用量と同程度に高いレベルのデスグリミドドリンをもたらさないことを認めることができる。シミュレーションにて示すように、第3の用量の投与後、デスグリミドドリンレベルは、各用量とともに増加し、最大濃度(約14ng/mL)に達する。
【0157】
[0164] 同じモデリング方法を用いて、デスグリミドドリンの血漿特性を、本開示の15mg及び20mg急速放出/持続放出錠(表1に示される製剤)(FR+ER)の0、4、及び8時間での投与(即ちTIDレジメン)後、5mg即時放出錠と比べてシミュレートした。これらの製剤についてのシミュレートしたデスグリミドドリン血漿濃度(ng/mL)対時間(時間)を図4に示す。図4に示すように、FR+ERの15mg錠剤をシミュレートし、TID即時放出の5mg錠剤と比較したとき、それは初期に(約1時間以内に)14ng/mLを超えるデスグリミドドリンをもたらす。より高い強度、即ち20mgでのさらなるFR+ER製剤もまた、この高い初期ピークのデスグリミドドリン濃度を達成した(シミュレートした)。これらのFR+ER錠剤は、インビトロでの急速な初期薬物放出(30分以内に約40%)を示し、初期放出後の第2の増加を示さなかった。
【0158】
実施例3
シミュレートされた溶解及びデスグリミドドリン血漿特性
[0165] 20mgのFR+ER製剤を実施例7(表5)に示すように設計し、これらの製剤の1日1回用量について溶解及び血漿特性をシミュレートした。要するに、20mg製剤は、急速放出層及び持続放出層を含有する持続放出三層錠として調製する。
【0159】
[0166] 図5に示すように、20mgのFR+ER製剤についてシミュレートした溶解特性は、約2~4時間後の急速な第2の増加及び約6時間後の第3の増加にかけての緩徐な定常放出(slow-steady release)をもたらす場合の除放薬物放出段階を有する。シミュ
レートした溶解特性はまた、最大約8時間の薬物放出を示す。
【0160】
[0167] 実施例2で用いる同じモデリング方法を用いて、20mgのFR+ER錠剤の0、4、及び8時間での投与(即ちTIDレジメン)後のデスグリミドドリンの血漿特性を、5mg即時放出錠と比べてシミュレートした。20mgのFR+ER錠剤についてのシミュレートしたデスグリミドドリン血漿特性もまた、1時間以内に、5mgの即時放出
(TID)についてのシミュレートした血漿特性と比べてより高い初期デスグリミドドリン血漿レベル(14ng/mL超)を達成した。さらに、20mgのFR+ER錠剤は、図6に示す通り、少なくとも約10mg/mLのデスグリミドドリンレベルを少なくとも約10時間にわたり維持する。
【0161】
[0168] これらのシミュレートした血漿特性は、5mg即時放出のTIDレジメンの第1の用量と比べて、デスグリミドドリンのより急速なレベル(14ng/mL超)が約1時間以内に達成されたことを示す。シミュレートした血漿特性はまた、デスグリミドドリンの約10時間にわたる持続的レベル(少なくとも10ng/mL)を示す。
【0162】
実施例4
持続放出コーティング及び急速放出コーティング剤でコーティングされたミドドリンHClの急速放出コア
[0169] 持続放出コーティング、次いで急速放出コーティング剤でコーティングした45mg急速放出コアは、表2に示す成分を用いて調製することができる。ミドドリンHClを微結晶性セルロースと混和し、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムで潤滑する。この潤滑された混合物を急速放出コア錠剤に圧縮する。錠剤をエチルセルロース水分散液及びヒプロメロースでコーティングし、持続放出フィルムを形成する。コーティングした持続放出錠をミドドリンHClの水溶液及びヒプロメロースでさらにコーティングし、錠剤上に外部急速放出コーティング剤を形成する。
【0163】
【表2】
【0164】
実施例5
持続放出コア及び急速放出コーティングを有するペレットで充填されたミドドリンHClのカプセル剤
[0170] 持続放出コア及び急速放出コーティングを有するペレットを充填した30mgカプセル剤は、表3に示す成分を用いて調製することができる。高剪断造粒機におけるポビドンの水溶液を用いて、ミドドリンHCl、微結晶性セルロース及びヒプロメロースを混和し、造粒する。押出機及びスフェロナイザーを用いて、湿潤塊を押し出し、球状化し、湿潤球状ペレットを形成する。これらの持続放出マトリックスペレットを流動層乾燥機で乾燥し、ミドドリンHClの水溶液及びヒプロメロースでさらにコーティングし、外部急速放出剤層を形成する。カプセル充填機を用いて、これらのペレットをサイズ1のカプセル剤に充填する。
【0165】
【表3】
【0166】
実施例6
直接圧縮法によって調製される、急速及び持続放出層を有するミドドリンHClの二層持続放出錠
[0171] 急速及び持続放出層を有する18mgの二層持続放出錠は、表4に示す成分を用いて調製することができる。急速放出層においては、ミドドリンHCl、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム及び黄色酸化鉄を混和し、タルク及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。持続放出層においては、ミドドリンHCl、微結晶性セルロース及びヒプロメロースを混和し、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。次に、二層錠剤プレスを用いて、これらの潤滑された層を二層錠に圧縮する。
【0167】
【表4】
【0168】
実施例7
直接圧縮法によって調製される、急速放出層及び2つの持続放出層を有するミドドリンHClの三層持続放出錠
[0172] 1つの急速層及び2つの持続放出層を有する20mgの三層持続放出錠は、表5に示す成分を用いて調製することができる。急速放出層においては、ミドドリンHCl、微結晶性セルロース、クロスポビドン及び黄色酸化鉄を混和し、タルク及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。第1の持続放出層においては、ミドドリンHCl、微結晶性セルロース、ヒプロメロース及び赤色酸化鉄を混和し、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。第2の持続放出層においては、ミドドリンHCl、微結晶性セルロース及びヒプロメロースを混和し、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。次に、多層錠剤プレスを用いて、これらの潤滑された層を三層錠に圧縮する。三層錠製剤における経時的な薬物放出特性及び放出速度(%/時間)を各々、図7及び8に示す。
【0169】
【表5】
【0170】
実施例8
有孔パンコーティング法により急速放出コーティング剤でコーティングされた、湿式造粒法による高剪断造粒機において調製される、ミドドリンHClの持続放出親水性マトリックスコア
[0173] 持続放出親水性マトリックスコアと持続放出コア上に急速放出コーティング剤を有する24mg錠剤は、表6に示す成分を用いて調製することができる。ミドドリンHCl、微結晶性セルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを高剪断造粒機にて混和する。混合物を、精製水を用いる湿式造粒法により造粒する。顆粒を乾燥し、製粉し、コロイド状二酸化ケイ素及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。潤滑された混合物を持続放出コア錠剤に圧縮する。これらの持続放出コア錠剤は、有孔コーティングパン中、ミドドリンHCl、ヒプロメロース、ポリエチレングリコール及び精製水を含有する急速放出剤コーティング溶液でコーティングする。
【0171】
【表6】
【0172】
実施例9
水透過性のある機能性コーティング剤とその後の有孔コーティングパンにおける急速放出コーティング剤でコーティングされた、直接圧縮法により調製される、ミドドリンHClの持続放出親水性マトリックスコア
[0174] 持続放出親水性マトリックスコア、水透過性のある機能性コーティング剤、及び急速放出コーティング剤を有する27mg錠剤を、表7に示す成分を用いて調製する。ミドドリンHCl、ラクトース一水和物及びヒプロメロースを混和し、タルク及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。潤滑された混合物を持続放出コア錠剤に圧縮する。これらの錠剤は、Surelease(登録商標)及びOpadry(登録商標)Clearの水分散液を含有する機能性コーティング剤でコーティングする。錠剤は、ミドドリンHCl、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、及び精製水を含有する急速放出コーティング剤でさらにコーティングする。
【0173】
【表7】
【0174】
実施例10
錠剤中錠剤圧縮法により急速放出コーティング剤で被覆された、トップスプレー造粒法によって調製される、持続放出コアを有するミドドリンHClの錠剤中錠剤
[0175] 急速放出錠中に持続放出錠を有する15mg錠剤中錠剤は、表8に示す成分を用いて調製することができる。持続放出コア錠剤においては、ミドドリンHCl及びラクトース一水和物を混和し、流動層プロセッサーにおけるトップスプレー造粒によりSurelease(登録商標)を用いて造粒する。顆粒を乾燥し、製粉し、タルク及びステアリン酸マ
グネシウムを用いて潤滑する。急速放出の外部錠剤においては、ミドドリンHCl、クロスポビドン及び赤色酸化鉄の混合物を、微結晶性セルロースと幾何学的に混合する。次に、混合物をタルク及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。専用設計した錠剤中錠剤圧縮機を用いて、持続放出コア錠剤を圧縮し、次いで持続放出コア錠剤周囲の外部急速放出錠を圧縮する。
【0175】
【表8】
【0176】
実施例11
圧縮コーティング法により急速放出コーティング剤でコーティングされた、溶融造粒法によって調製される、ミドドリンHClの持続放出疎水性コア
[0176] 持続放出疎水性コア及び急速放出外部コーティングを有する45mgの圧縮コーティング錠は、表9に示す成分を用いて調製することができる。持続放出コア錠剤においては、ミドドリンHCl、微結晶性セルロース及び硬化ヒマシ油をスチームジャケット付き高剪断ミキサー造粒機にて混和する。次に、混合物を、硬化ヒマシ油を蒸気の助けを借りて融解することにより造粒する。顆粒を冷却し、製粉し、フマル酸ステアリルナトリウムを用いて潤滑する。急速放出外部コーティング錠においては、ミドドリンHCl、デンプングリコール酸ナトリウム及び赤色酸化鉄の混合物を、微結晶性セルロースと幾何学的に混合する。次に、混合物をタルク及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。専用設計した圧縮機を用いて、持続放出コア錠剤を圧縮し、次いで外部急速放出コーティング錠を圧縮する。
【0177】
【表9】
【0178】
実施例12
薬物層状化及び機能性コーティング法によって調製される、急速及び持続放出ペレットを含有するミドドリンHClの持続放出カプセル剤
[0177] 急速放出ペレット及び機能性コーティング持続放出ペレットを含有する15mgの持続放出カプセル剤は、表10に示す成分を用いて調製することができる。精製水中、ミドドリンHCl、ヒプロメロース、及びタルクを含有する薬物層状化分散液を、ボトムスプレー法により流動層プロセッサーにおいて微結晶性セルロース球体上に層状化し、急速放出ペレットを調製する。これらの薬物層状化ペレットの一部分をエチルセルロース及びオレイン酸のエタノール溶液でコーティングし、持続放出ペレットを形成する。次に、急速放出及び持続放出ペレットをタルク及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑し、カプセル剤に充填する。
【0179】
【表10】
【0180】
実施例13
薬物層状化及び機能性コーティング法によって調製される、急速及び持続放出ペレットを含有するミドドリンの持続放出カプセル剤
[0178] 急速放出ペレット及び機能性コーティング持続放出ペレットを含有する20mgの持続放出カプセル剤は、表11に示す成分を用いて調製することができる。精製水中、ミドドリンHCl、ヒプロメロース、及びタルクを含有する薬物層状化分散液を、ボトムスプレー法により流動層プロセッサーにおいて微結晶性セルロース球体上に層状化し、急速放出ペレットを調製する。これらの薬物層状化ペレットの一部分(50%)をエチルセルロース及びオレイン酸のエタノール溶液でコーティングし、持続放出ペレットの第1の集団を形成する。薬物層状化ペレットの第2の部分(20%)をEudragit(登録商標)L 30D 55の水分散液でコーティングし、持続放出ペレットの第2の集団を形成する。次に、急速放出及び持続放出ペレットをタルク及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑し、カプセル剤に充填する。
【0181】
【表11】
【0182】
実施例14
急速及び持続放出ペレットを含有するミドドリンHClの経口崩壊持続放出錠
[0179] 急速放出及び機能性コーティング持続放出ペレットを含有する15mgの経口崩壊持続放出錠は、表12に示す成分を用いて調製することができる。精製水中、ミドドリンHCl、ヒプロメロース、及びタルクを含有する薬物層状化分散液を、ボトムスプレー法により流動層プロセッサーにおいて微結晶性セルロース球体上に層状化し、薬物層状化ペレットを調製する。次に、これらのペレットをエチルセルロース及びオレイン酸のエタノール溶液でコーティングし、持続放出ペレットを形成する。これらの持続放出ペレットを、ミドドリンHCl、ヒプロメロース及びタルクを含有する水分散液を用いて、急速放出コーティング剤でさらにコーティングする。次に、ペレットを、微結晶性セルロース、マンニトール、クロスカルメロースナトリウム、アスパルテーム及びペパーミント香料と混和し、ステアリン酸マグネシウムで潤滑する。次に、潤滑された混合物を口内崩壊錠に圧縮する。
【0183】
【表12】
【0184】
実施例15
急速放出コーティング剤でコーティングされた持続放出ペレットを含有する再構成用のミドドリンHClの持続放出サシェ剤
[0180] 急速放出コーティング剤でコーティングされた持続放出ペレットを含有する30mgの持続放出サシェ剤は、表13に示す成分を用いて調製することができる。ミドドリンHCl、微結晶性セルロース及びヒプロメロースを混合し、高剪断造粒機においてポビドンの非水溶液を用いて造粒する。湿潤塊を押し出し、押出物を球状化し、球状ペレットを形成する。次に、これらの持続放出ペレットを乾燥し、サイズ分類し、ボトムスプレー法により流動層プロセッサーにおいて密封コーティング溶液でコーティングする。密封コーティングペレットを急速放出コーティング剤でさらにコーティングする。次に、これらのペレットをキサンタンガム、マンニトール、オレンジ香料と混和し、ステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。次に、混合物をサシェ剤に充填する。サシェ剤の内容物を、投与時、水で再構成し、持続放出懸濁液を形成する。
【0185】
【表13】
【0186】
実施例16
有孔コーティングパンにおいて急速放出コーティング剤でコーティングされた、トップスプレー造粒法によって調製される、浸透圧薬物送達に基づくミドドリンHClの持続放出錠
[0181] 浸透圧薬物送達に基づく60mgの持続放出錠は、表14に示す成分を用いて調製することができる。持続放出剤層においては、ミドドリンHCl、微結晶性セルロース、ポリエチレンオキシドを、トップスプレー造粒により、精製水を用いる流動層プロセッサーにおいて造粒する。顆粒を乾燥し、製粉し、ステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。プッシュ層もまた、持続放出剤層と同様のトップスプレー造粒により調製する。次に、多層錠圧縮機を用いて、両層を二層錠に圧縮する。次に、これらの錠剤を、アセトン及び精製水混合物中、酢酸セルロース及びポリエチレングリコールの機能性コーティング溶液でコーティングする。次に、これらの錠剤を、レーザー穿孔機を通過させ、薬物層側に開口部を穿孔する。次に、錠剤をミドドリンHCl及びヒプロメロースの水溶液でコーティングし、急速放出コーティング剤を形成する。
【0187】
【表14】
【0188】
実施例17
スラッグ法により調製される、急速放出層及び持続放出層を有するミドドリンHClの二層持続放出錠
[0182] 急速及び持続放出層を有する20mgの二層持続放出錠は、表15に示す成分を用いてスラッグ法により調製することができる。急速放出層においては、ミドドリンHCl、ケイ化微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム及び赤色酸化鉄を混和し、タルク及びステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。持続放出層においては、ミドドリンHCl、メタクリル酸及びエチルアクリレート共重合体(1:1)、及びポビドンを混和し、ベヘン酸グリセリルを用いて潤滑し、スラッグに変換する。スラッグを所望される顆粒サイズに製粉し、ステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑する。次に、潤滑された層を二層錠に圧縮する。
【0189】
【表15】
【0190】
[0183] 図9は、pH1.2(0.1N塩酸)、0~2時間;pH4.5(酢酸塩緩衝液)、2~4時間;pH6.8(リン酸緩衝液)、4時間以上、900mL中、100RPMでのUSP装置1(バスケット)を用いての上で考察したミドドリンHClの20mg錠剤における溶解特性を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
活性薬剤を前記組成物における前記活性薬剤の総量の約20%~約0%(w/w)の範囲で含む急速放出部分;及び
前記活性薬剤を前記組成物における前記活性薬剤の総量の約0%~約80%(w/w)の範囲で含む持続放出部分を含み、
ここで、前記活性薬剤のインビボ放出速度が、ヒト対象への投与後約30分~約2時間以内に、前記組成物中の前記活性薬剤の総量の約20%~約55%が放出されることを特徴とし、
ここで前記活性薬剤が、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、
医薬組成物。
【請求項2】
前記持続放出が、定常的であるか又は前記急速放出よりも遅い、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
約1.5mg~約45mgの活性薬剤及び賦形剤を含む前記急速放出部分であって、前記活性薬剤が前記急速放出部分の総重量の約2%~約40%の量で存在する前記急速放出部分;並びに約3.5mg~約105mgの活性薬剤及び速度制御剤を含む前記持続放出部分あって、前記活性薬剤が前記持続放出部分の総重量の約2%~約20%の量で存在する前記持続放出部分、を含み、且つ前記持続放出部分における活性薬剤の量と速度制御剤の比が、約1:1~約1:30(w/w)であり、ここで前記活性薬剤が、ミドドリン、ミドドリンの薬学的に許容される塩、デスグリミドドリン、デスグリミドドリンの薬学的に許容される塩、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、且つ前記活性薬剤の総量が約5mg~約150mgである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記急速放出部分における前記活性薬剤の実質的にすべてが、前記医薬組成物の対象への投与後の約1時間以内に放出され;且つ前記持続放出部分における前記活性薬剤の実質的にすべてが、前記組成物の前記対象への投与の約1時間後から前記組成物の対象への投与の最大約16時間後の間の期間にわたり放出される、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
インビトロ溶解試験により測定される前記活性剤の溶解速度が、(i)比較的急速である第1の放出と、(ii)インビトロ溶解試験開始から約5時間~約10時間後に起こる放出速度の第2の増加を伴わない第2の放出とを含み、
前記インビトロ溶解試験が、0~2時間、0.1N HCl(pH1.2);2~4時間、酢酸塩緩衝液(pH4.5);4~16時間又は4~12時間、リン酸緩衝液(pH6.8)、900mL中、37℃、100rpmでのUSP装置I(バスケット)を用いて実施された、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記第2の放出が、前記インビトロ溶解試験の開始後、約2~約4.5時間後に起こる放出速度の第2の増加を含む、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
(iii)前記インビトロ溶解試験の開始の約5時間~約8時間後に生じる放出速度における第3の増加を含む第3の放出をさらに含む、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記組成物における活性薬剤の総量の少なくとも約20%がインビトロ溶解試験の開始後約1時間以内に放出され、且つ前記組成物における活性薬剤の総量の少なくとも約80%が約12時間以内に放出される、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記医薬組成物における前記活性薬剤の総量の少なくとも約95%(w/w)が、前記インビトロ溶解試験の開始後約9時間、又は約10時間以内に放出される、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記活性薬剤が、約7.5mg~約120mgの総量で存在する、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
持続放出部分の前記活性薬剤の前記インビトロ放出速度が、急速放出部分から放出された前記活性薬剤の前記インビトロ放出速度と比べてより遅い、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
速度制御剤をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記速度制御剤が、約1:1~約1:30(w/w)の、前記組成物の前記持続放出部分における前記活性薬剤と前記速度制御剤の重量比で存在する、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記速度制御剤が、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、グアーガム、キトサン及びその誘導体、カルボマー、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル分散液、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、セルローストリアセテート、メタクリル酸共重合体、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、蜜蝋、カルナウバロウ、パラフィンワックス、微結晶ワックス、オゾケライト、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、グリセロールモノオレート、ベヘン酸グリセリル、セチルエステル類、アセチル化モノグリセリド、トリステアリン、トリパルミチン、硬化植物油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1213のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記医薬組成物が、多層錠であるか、又は複数の急速放出ペレット及び複数の持続放出ペレットを含むカプセル剤である、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記活性薬剤が、約1.5mg~約45mgの量で前記急速放出部分に存在し、且つ約3.5mg~約105mgの量で前記持続放出部分に存在する、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記医薬組成物の対象への投与により、(i)約1時間以内に少なくとも約12ng/mlに至る比較的急速なピーク血漿濃度のデスグリミドドリン、及び(ii)少なくとも約8時間又は少なくとも約10時間にわたる少なくとも約7ng/ml又は少なくとも約10ng/mlの血漿濃度のデスグリミドドリンがもたらされる、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記医薬組成物が、多層錠、カプセル剤、又は懸濁剤であり、第1の放出部分と第2の放出部分とを含み、ここで
前記急速放出部分が、前記活性薬剤を約1.5mg~45mgの範囲の量で含み;前記持続放出部分が、前記活性薬剤を約3.5mg~約105mgの範囲の量で含み;且つ
インビトロ溶解試験において、前記急速放出部分が、約1時間以内に、前記錠剤、カプセル剤、又は懸濁剤における前記活性薬剤の総量の少なくとも約20%~約0% w/wを放出し、且つ前記持続放出部分が、前記錠剤、カプセル剤、又は懸濁剤における前記活性薬剤の残存総量を、前記急速放出部分の放出速度よりも遅い速度で放出
前記インビトロ溶解試験が、0~2時間、0.1N HCl(pH1.2);2~4時間、酢酸塩緩衝液(pH4.5);4~16時間又は4~12時間、リン酸緩衝液(pH6.8)、900mL中、37℃、100rpmでのUSP装置I(バスケット)を用いて実施された、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記持続放出部分が、速度制御剤を含み、前記速度制御剤が、水溶性賦形剤、水不溶性賦形剤、水透過性賦形剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記持続放出部分における活性薬剤の量と前記速度制御剤の量の比が、約1:1~約1:30(w/w)、任意に約1:5~約1:15(w/w)の比である、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項20】
前記持続放出部分が、メタクリル酸共重合体及び脂肪酸エステルを含む速度制御剤をさらに含む、請求項18に記載の医薬組成物
【請求項21】
起立性低血圧又は体位性起立性頻脈症候群(POTS)を治療するための請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項22】
前記医薬組成物の単回用量が、2.5mg、5mg、又は10mgの3つの即時放出錠における活性薬剤の総量よりも約10%~70%多い、請求項21に記載の医薬組成物
【請求項23】
第1の製剤及び第2の製剤を含むキットであって、前記第1及び第2の製剤が、同一の活性剤又は異なる活性剤を含み、且つ第1の製剤が、請求項1~22の何れか1項に記載の医薬組成物を含む、キット。
【外国語明細書】