(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181235
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】印刷管理システム及び印刷管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231214BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20231214BHJP
【FI】
G06F3/12 360
G06F3/12 303
G06F3/12 375
G06F3/12 382
G06F3/12 364
G06F3/12 351
G06F3/12 362
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023177070
(22)【出願日】2023-10-12
(62)【分割の表示】P 2019133614の分割
【原出願日】2019-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 尚大
(72)【発明者】
【氏名】和田 正範
(57)【要約】
【課題】印刷工程でのグループ化を考慮して、印刷後の後加工処理のスケジュールを作成することができる印刷管理システム及び印刷管理プログラムを提供する。
【解決手段】印刷管理装置10は、CPU11Aを備える。CPU11Aは、同じ属性を有する部品から構成されるグループを生成し、生成されたグループに基づいて複数の印刷装置の印刷スケジュール及び複数の後加工処理装置の後加工処理スケジュールを生成し、印刷スケジュールは、同じグループに含まれる部品が複数の印刷装置のうち同じ印刷装置で連続して印刷されるように生成され、後加工処理スケジュールは、同じグループに含まれる部品が連続して処理されるように生成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
同じ属性を有する部品から構成されるグループを生成し、
生成された前記グループに基づいて複数の印刷装置の印刷スケジュール及び複数の後加工処理装置の後加工処理スケジュールを生成し、
前記印刷スケジュールは、同じグループに含まれる部品が前記複数の印刷装置のうち同じ印刷装置で連続して印刷されるように生成され、
前記後加工処理スケジュールは、同じグループに含まれる部品が連続して処理されるように生成される、
印刷管理システム。
【請求項2】
前記同じグループを構成する部品は同じ連続紙に印刷され、
前記印刷スケジュールは、同じグループに含まれる部品が前記複数の印刷装置のうち連続紙に印刷を行う印刷装置で連続して印刷されるように生成される、
請求項1に記載の印刷管理システム。
【請求項3】
前記後加工処理スケジュールは、同じグループに含まれる部品が印刷される順序の逆順となるように生成される、
請求項2に記載の印刷管理システム。
【請求項4】
前記後加工処理スケジュールは、発送予定日が早い部品から処理されるように生成される、
請求項3に記載の印刷管理システム。
【請求項5】
同じ属性を有する部品から構成されるグループを生成するステップと、
生成された前記グループに基づいて複数の印刷装置の印刷スケジュール及び複数の後加工処理装置の後加工処理スケジュールを生成するステップと、
を含み、
前記印刷スケジュールは、同じグループに含まれる部品が前記複数の印刷装置のうち同じ印刷装置で連続して印刷されるように生成され、
前記後加工処理スケジュールは、同じグループに含まれる部品が連続して処理されるように生成されることを、
コンピュータに実行させるための印刷管理プログラム。
【請求項6】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
同じ属性を有する部品から構成されるグループを生成し、
生成された前記グループに含まれる部品が、発送予定日の遅い順に印刷されるように印刷スケジュールを生成する、
印刷管理システム。
【請求項7】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
同じ属性を有する部品から構成されるグループを生成し、
生成された前記グループに基づいて印刷スケジュールを生成し、
前記印刷スケジュールに基づいて後加工処理スケジュールを生成し、
前記印刷スケジュールは、同じグループに含まれる部品が連続して印刷されるように生成され、
前記後加工処理スケジュールは、同じグループに含まれる部品が連続して処理されるように生成される、
印刷管理システム。
【請求項8】
前記印刷スケジュールは、発送予定日の遅い順に部品が印刷されるように生成され、
前記後加工処理スケジュールは、発送予定日の早い順に部品が処理されるように生成される、
請求項7に記載の印刷管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷管理システム及び印刷管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、印刷装置及び後処理装置を用いた複数種類の商材を製造する順序を制御する管理装置が記載されている。この管理装置は、製造する複数の商材の情報を取得する取得手段と、商材の種類ごとに、商材を製造するための複数の工程に関する工程情報を管理する工程管理手段と、を有する。この管理装置は、複数の商材の情報と工程情報とから、複数の商材を製造する順序を決定する順序決定手段と、順序決定手段にて決定した順序に従って、印刷装置及び後処理装置に複数の商材を製造させる制御手段と、を有する。この順序決定手段は、印刷装置及び後処理装置において同一の種類の商材が連続して製造されるように順序を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、連続紙に印刷を行う印刷装置では、1ロールに様々な製品の印刷物が印刷されており、これらの印刷物はロール単位で後加工処理が実施される。多品種少量の印刷等では、印刷の効率化を図るため、製品を構成する部品を属性毎にグループ化し連続性を持たせて処理する場合がある。しかしながら、後加工処理では、印刷工程でのグループ化が考慮されておらず、印刷後の後加工処理を効率的に行えない場合がある。
【0005】
本発明は、印刷工程でのグループ化を考慮して、印刷後の後加工処理のスケジュールを作成することができる印刷管理システム及び印刷管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る印刷管理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、同じ属性を有する部品から構成されるグループを生成し、生成された前記グループに基づいて複数の印刷装置の印刷スケジュール及び複数の後加工処理装置の後加工処理スケジュールを生成し、前記印刷スケジュールは、同じグループに含まれる部品が前記複数の印刷装置のうち同じ印刷装置で連続して印刷されるように生成され、前記後加工処理スケジュールは、同じグループに含まれる部品が連続して処理されるように生成される。
【0007】
第2態様に係る印刷管理システムは、第1態様に係る印刷管理システムにおいて、前記同じグループを構成する部品は同じ連続紙に印刷され、前記印刷スケジュールは、同じグループに含まれる部品が前記複数の印刷装置のうち連続紙に印刷を行う印刷装置で連続して印刷されるように生成される。
【0008】
第3態様に係る印刷管理システムは、第2態様に係る印刷管理システムにおいて、前記後加工処理スケジュールは、同じグループに含まれる部品が印刷される順序の逆順となるように生成される。
【0009】
第4態様に係る印刷管理システムは、第3態様に係る印刷管理システムにおいて、前記後加工処理スケジュールは、発送予定日が早い部品から処理されるように生成される。
【0010】
第5態様に係る印刷管理プログラムは、同じ属性を有する部品から構成されるグループを生成するステップと、生成された前記グループに基づいて複数の印刷装置の印刷スケジュール及び複数の後加工処理装置の後加工処理スケジュールを生成するステップと、を含み、前記印刷スケジュールは、同じグループに含まれる部品が前記複数の印刷装置のうち同じ印刷装置で連続して印刷されるように生成され、前記後加工処理スケジュールは、同じグループに含まれる部品が連続して処理されるように生成されることを、コンピュータに実行させる。
【0011】
第6態様に係る印刷管理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、同じ属性を有する部品から構成されるグループを生成し、生成された前記グループに含まれる部品が、発送予定日の遅い順に印刷されるように印刷スケジュールを生成する。
【0012】
第7態様に係る印刷管理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、同じ属性を有する部品から構成されるグループを生成し、生成された前記グループに基づいて印刷スケジュールを生成し、前記印刷スケジュールに基づいて後加工処理スケジュールを生成し、前記印刷スケジュールは、同じグループに含まれる部品が連続して印刷されるように生成され、前記後加工処理スケジュールは、同じグループに含まれる部品が連続して処理されるように生成される。
【0013】
第8態様に係る印刷管理システムは、第7態様に係る印刷管理システムにおいて、前記印刷スケジュールは、発送予定日の遅い順に部品が印刷されるように生成され、前記後加工処理スケジュールは、発送予定日の早い順に部品が処理されるように生成される。
【発明の効果】
【0014】
第1態様~第8態様によれば、印刷工程でのグループ化を考慮して、印刷後の後加工処理のスケジュールを作成することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る印刷管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る印刷管理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る印刷スケジュール生成処理の説明に供する図である。
【
図4】実施形態に係る後加工処理スケジュール生成処理の説明に供する図である。
【
図5】実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係る印刷グループ一覧リスト画面の一例を示す正面図である。
【
図7】実施形態に係る後加工処理グループ一覧リスト画面の一例を示す正面図である。
【
図8】実施形態に係る後加工処理スケジュール画面の一例を示す正面図である。
【
図9】実施形態に係る印刷グループ化属性設定画面の一例を示す正面図である。
【
図10】実施形態に係るスケジューリング全般設定画面の一例を示す正面図である。
【
図11】実施形態に係る印刷グループ内優先度設定画面の一例を示す正面図である。
【
図12】実施形態に係る印刷グループ間優先度設定画面の一例を示す正面図である。
【
図13】実施形態に係る後加工処理グループ間優先度設定画面の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る印刷管理システム90の構成の一例を示す図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る印刷管理システム90は、印刷管理装置10と、受注サーバ60と、印刷制御サーバ70と、後加工処理制御サーバ80と、を備えている。
【0019】
受注サーバ60は、印刷管理装置10と有線通信又は無線通信を介して接続されている。受注サーバ60は、クライアントから各種の製品の注文を受け付け、受け付けた製品の注文内容を示す受注情報を印刷管理装置10に送信する。
【0020】
印刷管理装置10には、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。印刷管理装置10は、印刷制御サーバ70及び後加工処理制御サーバ80の各々と有線通信又は無線通信を介して接続されている。印刷管理装置10は、受注サーバ60から受信する受注情報に基づいて、印刷制御サーバ70に対して、印刷工程を制御するための印刷制御情報を送信すると共と、後加工処理制御サーバ80に対して、後加工処理工程を制御するための後加工処理制御情報を送信する。この後加工処理工程とは、印刷工程の後に実施される後加工処理を行う工程である。
【0021】
印刷制御サーバ70は、有線通信又は無線通信を介して印刷装置71と接続されている。印刷装置71は、複数台であってもよい。印刷装置71は、印刷制御サーバ70から受信する印刷制御情報に従って印刷を実行する。印刷装置71が印刷対象とする用紙は、例えば、ロール紙等の連続紙でもよいし、所定サイズに予めカットされたカット紙でもよい。
【0022】
後加工処理制御サーバ80は、有線通信又は無線通信を介して後加工処理装置81と接続されている。後加工処理装置81は、複数台であってもよい。後加工処理装置81は、後加工処理制御サーバ80から受信する後加工処理制御情報に従って後加工処理を実行する。この後加工処理には、例えば、印刷工程で印刷された印刷物(以下、「シート」という。)の印刷面に、傷や汚れが付着することを抑制するためにニスをコーティングする等の加工を行う処理、ページ順に並ぶように折られた状態の本文のシートを綴じ合わせて表紙を付け、冊子の形態にする処理、製本された冊子の余白部分を切断して、予め定められた大きさに仕上げる処理等が含まれる。
【0023】
印刷管理装置10は、印刷装置71の印刷スケジュール及び後加工処理装置81の後加工処理スケジュールを管理する。具体的に、印刷管理装置10は、印刷装置71の印刷スケジュールを生成し、生成した印刷スケジュールに従って印刷工程を管理する。また、印刷管理装置10は、後加工処理装置81の後加工処理スケジュールを生成し、生成した後加工処理スケジュールに従って後加工処理工程を管理する。
【0024】
なお、印刷管理装置10は、印刷制御サーバ70の機能及び後加工処理制御サーバ80の機能を備えていてもよい。この場合、印刷管理装置10が直接印刷装置71及び後加工処理装置81の各々を制御する。
【0025】
図2は、本実施形態に係る印刷管理装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、本実施形態に係る印刷管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、通信部15と、を備えている。
【0027】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM(Read Only Memory)11B、RAM(Random Access Memory)11C、及び入出力インターフェース(I/O)11Dを備えており、これら各部がバスを介して各々接続されている。
【0028】
I/O11Dには、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、通信部15と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O11Dを介して、CPU11Aと相互に通信可能とされる。
【0029】
制御部11は、印刷管理装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、印刷管理装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部11の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部11の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0030】
記憶部12としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部12には、本実施形態に係る印刷管理機能を実現するための印刷管理プログラム12Aが記憶される。なお、この印刷管理プログラム12Aは、ROM11Bに記憶されていてもよい。
【0031】
印刷管理プログラム12Aは、例えば、印刷管理装置10に予めインストールされていてもよい。印刷管理プログラム12Aは、不揮発性の非一時的(non-transitory)記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、印刷管理装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の非一時的記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0032】
表示部13には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部13は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部14には、例えば、キーボードやマウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部13及び操作部14は、印刷管理装置10のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部13は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0033】
通信部15は、インターネットや、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続されており、受注サーバ60、印刷制御サーバ70、及び後加工処理制御サーバ80の各々との間でネットワークを介して通信が可能とされる。ネットワークを介しての通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。
【0034】
ところで、上述したように、後加工処理では、印刷工程でのグループ化が考慮されておらず、印刷後の後加工処理を効率的に行えない場合がある。
【0035】
このため、本実施形態に係る印刷管理装置10のCPU11Aは、記憶部12に記憶されている印刷管理プログラム12AをRAM11Cに書き込んで実行することで、以下のように機能する。このCPU11Aは、プロセッサの一例である。
【0036】
CPU11Aは、印刷装置71及び後加工処理装置81を用いて製品を製造する場合に、製品を構成する部品を属性毎にグループ化して得られる印刷グループに基づいて、印刷スケジュールを生成する。この印刷グループは、グループ内の部品の印刷順を変更可能とされている。CPU11Aは、印刷グループに含まれる部品により構成される製品をグループ化して得られる後加工処理グループに基づいて、後加工処理スケジュールを生成する。この後加工処理グループは、グループ内の製品毎に後加工処理を実行するジョブの実行順序である後加工処理順を変更可能とされている。印刷グループは、1つ以上であればよく、同様に、後加工処理グループも、1つ以上であればよい。なお、ロール紙を用いる場合、1ロールが1グループに対応する。
【0037】
なお、ここでいう製品とは、部品のまとまりを示す単位であって、一例として、本、雑誌、冊子等の書籍がある。この場合、部品には、書籍を構成する本文、表紙等が含まれる。また、属性とは種類や特徴を示すものであって、一例として、製品を注文した顧客の顧客ID(Identification)、シート表面の色数、シート裏面の色数、部品ID、用紙ID、用紙のサイズを表す用紙寸法等、顧客の識別情報や印刷対象となる用紙の種類等の様々な属性が含まれる。また、印刷スケジュールでは、部品をグループ化の対象とし、後加工処理スケジュールでは、製品をグループ化の対象とする。
【0038】
また、CPU11Aは、後加工処理グループに含まれる製品の後加工処理順を、予め定められた順序に従って変更する。この予め定められた順序は、一例として、印刷グループに含まれる部品の印刷順の逆順である。例えば、印刷済みのロール紙を後加工処理に掛ける場合、最初に印刷された印刷物はロール紙の奥側となり、最後に印刷された印刷物はロール紙の手前側となる。このため、最後の印刷物は最初に後加工処理が実施され、最初の印刷物は最後に後加工処理が実施される。このため、後加工処理順を印刷順の逆順に変更することで、完成品の要求に沿った後加工処理が適切にされる後加工処理スケジュールが生成される。なお、予め定められた順序は、ユーザによって指定されたり、選択されたりするものであってもよい。
【0039】
より具体的に、CPU11Aは、印刷グループに含まれる部品の印刷順を、製品の発送予定日の遅い順に変更し、後加工処理グループに含まれる製品の後加工処理順を、製品の発送予定日の早い順に変更する。これにより、製品の発送予定日の早い順に後加工処理が実施され、後加工処理が効率化される。なお、発送予定日に代えて、用紙サイズ、ステープルの針数、糊付け箇所の数を表す糊数等を適用してもよい。用紙サイズの場合、印刷グループに含まれる部品の印刷順を、用紙サイズの小さい順に変更し、後加工処理グループに含まれる製品の後加工処理順を、用紙サイズの大きい順に変更する。また、ステープルの針数の場合、印刷グループに含まれる部品の印刷順を、針数の少ない順に変更し、後加工処理グループに含まれる製品の後加工処理順を、針数の多い順に変更する。また、糊数の場合、印刷グループに含まれる部品の印刷順を、糊数の少ない順に変更し、後加工処理グループに含まれる製品の後加工処理順を、糊数の多い順に変更する。
【0040】
印刷グループが複数ある場合、複数の印刷グループは、印刷グループ間の印刷順を変更可能とされている。また、後加工処理グループが複数ある場合、複数の後加工処理グループは、後加工処理グループ間の後加工処理順を変更可能とされている。
【0041】
この場合、CPU11Aは、複数の印刷グループの印刷順を、予め定められた順序に従って変更し、複数の後加工処理グループの後加工処理順を、予め定められた順序と同一の順序に従って変更する。この予め定められた順序は、一例として、製品の発送予定日の早い順である。
【0042】
より具体的に、CPU11Aは、後加工処理グループが複数の製品を含む場合、予め定められた条件に従って、複数の製品のうちの1つの製品を、他の後加工処理グループとの比較対象として特定する。この予め定められた条件は、一例として、製品の発送予定日が最も早いという条件である。この例の場合、後加工処理グループに複数の製品が含まれている場合、発送予定日が最も早い製品が比較対象として特定され、特定された製品と、他の後加工処理グループの製品とが比較される。
【0043】
また、後加工処理スケジュールは、複数の後加工処理グループについて、グループ単位で変更及び削除の少なくとも一方が可能とされている。
【0044】
次に、
図3を参照して、印刷スケジュール生成処理について具体的に説明する。
【0045】
図3は、本実施形態に係る印刷スケジュール生成処理の説明に供する図である。
【0046】
図3の(S1)では、受注サーバ60から取得した受注情報の一例を示している。この受注情報には、一例として、製品、部品、顧客ID、及び発送予定日が含まれている。
図3の例では、製品は書籍であり、部品は本文である。
【0047】
図3の(S2)では、顧客IDを用いて部品をグループ化した状態を示している。印刷グループG1は、顧客IDが「あ社」である、部品a、部品b、及び部品cを含むグループを示す。印刷グループG2は、顧客IDが「い社」である、部品dを含むグループを示す。印刷グループG3は、顧客IDが「う社」である、部品eを含むグループを示す。印刷グループG4は、顧客IDが「え社」である、部品fを含むグループを示す。
【0048】
図3の(S3)では、グループ内の部品の印刷順を、製品の発送予定日の遅い順に変更した状態を示している。例えば、
図3の印刷グループG1では、製品の発送予定日の遅い順に、部品c、部品b、及び部品aとなる。このため、印刷グループG1では、部品c、部品b、及び部品aの順に変更される。
【0049】
図3の(S4)では、グループ間の印刷順を、製品の発送予定日の早い順に変更した状態を示している。例えば、
図3の印刷グループG1では、複数の部品が含まれているため、製品の発送予定日が最も早い部品の発送予定日を印刷グループG1の代表値(
図3の例では「09/03」)とする。この結果、印刷グループG4、印刷グループG2、印刷グループG1、及び印刷グループG3の順に変更される。但し、印刷グループG1の発送予定日と印刷グループG3の発送予定日とは同一の値である。この場合、例えば、入稿順に変更される。このようにして得られた結果が印刷スケジュールとされる。
【0050】
次に、
図4を参照して、後加工処理スケジュール生成処理について具体的に説明する。
【0051】
図4は、本実施形態に係る後加工処理スケジュール生成処理の説明に供する図である。
【0052】
図4の(S11)では、
図3の例と同様に、受注サーバ60から取得した受注情報を示している。
【0053】
図4の(S12)では、後加工処理スケジュールの対象とされる製品群を示している。この後加工処理スケジュールでは、
図3の例に示す印刷スケジュールに含まれる部品の製品が対象とされる。
【0054】
図4の(S13)では、
図3の印刷グループに含まれる部品により構成される製品をグループ化した状態を示している。例えば、印刷グループG1は、後加工処理グループH1に対応する。同様に、印刷グループG2は、後加工処理グループH2に対応し、印刷グループG3は、後加工処理グループH3に対応し、印刷グループG4は、後加工処理グループH4に対応する。
【0055】
図4の(S14)では、グループ内の製品の後加工処理順を、印刷グループに含まれる部品の印刷順の逆順に変更した状態を示している。例えば、
図4の後加工処理グループH1に含まれる製品の後加工処理順は、印刷グループG1の部品の印刷順の逆順に変更される。この場合、製品A、製品B、及び製品Cの順、つまり、発送予定日の早い順に変更される。
【0056】
図4の(S15)では、グループ間の後加工処理順を、製品の発送予定日の早い順に変更した状態を示している。例えば、
図4の後加工処理グループH1では、複数の製品が含まれているため、製品の発送予定日が最も早い製品の発送予定日を後加工処理グループH1の代表値(
図4の例では「09/03」)とする。この結果、後加工処理グループH4、後加工処理グループH2、後加工処理グループH1、及び後加工処理グループH3の順に変更される。但し、後加工処理グループH1の発送予定日と後加工処理グループH3の発送予定日とは同一の値である。この場合、例えば、入稿順に変更される。このようにして得られた結果が後加工処理スケジュールとされる。なお、上述したように、後加工処理スケジュールは、複数の後加工処理グループについて、グループ単位で変更及び削除の少なくとも一方が可能とされている。
【0057】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る印刷管理装置10の作用を説明する。
【0058】
図5は、本実施形態に係る印刷管理プログラム12Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0059】
まず、印刷管理装置10の電源がオンされて起動されると、印刷管理プログラム12Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0060】
図5のステップ100では、CPU11Aが、印刷スケジュールの実施が設定されているか否かを判定する。印刷スケジュールの実施が設定されていると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ101に移行し、印刷スケジュールの実施が設定されていないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ100で待機となる。
【0061】
ステップ101では、CPU11Aが、一例として、上述の
図3の(S2)に示すように、製品を構成する部品を属性毎にグループ化して印刷グループを作成する。具体的に、
図3の例では、属性として顧客IDを用いて、印刷グループG1~印刷グループG4を作成する。
【0062】
ステップ102では、CPU11Aが、一例として、上述の
図3の(S3)に示すように、印刷グループ内で部品の印刷順を変更する。具体的に、
図3の例では、ロール紙を用いており、印刷グループG1における部品の印刷順を発送予定日の遅い順に変更する。
【0063】
ステップ103では、CPU11Aが、一例として、上述の
図3の(S4)に示すように、印刷グループ間で印刷順を変更する。具体的に、
図3の例では、印刷グループG1~印刷グループG4の印刷順を発送予定日の早い順に変更する。なお、印刷グループG1は複数の部品を含むため、複数の部品の発送予定日のうち最も早い発送予定日(
図3の例では「09/03」)を比較対象として特定する。また、印刷グループ間で発送予定日が同一である場合、例えば、入稿順に変更する。
【0064】
ステップ104では、CPU11Aが、ステップ103で印刷順を変更した印刷グループに基づいて、印刷スケジュールを生成する。
【0065】
ステップ105では、CPU11Aが、ユーザによる設定内容に従って、後加工処理をグループ化するか否かを判定する。後加工処理をグループ化すると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ106に移行し、後加工処理をグループ化しないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ110に移行する。
【0066】
ステップ106では、CPU11Aが、一例として、上述の
図4の(S13)に示すように、印刷グループと同一構成、つまり、印刷グループに含まれる部品により構成される製品をグループ化して後加工処理グループを作成する。具体的に、
図4の例では、印刷グループG1~印刷グループG4に対応して、後加工処理グループH1~後加工処理グループH4を作成する。
【0067】
ステップ107では、CPU11Aが、一例として、上述の
図4の(S14)に示すように、後加工処理グループ内で製品の後加工処理順を変更する。具体的に、
図4の例では、上述したようにロール紙を用いており、後加工処理グループH1における製品の後加工処理順を発送予定日の早い順に変更する。
【0068】
ステップ108では、CPU11Aが、一例として、上述の
図4の(S15)に示すように、後加工処理グループ間で後加工処理順を変更する。具体的に、
図4の例では、後加工処理グループH1~後加工処理グループH4の後加工処理順を発送予定日の早い順に変更する。なお、後加工処理グループH1は複数の製品を含むため、複数の製品の発送予定日のうち最も早い発送予定日(
図4の例では「09/03」)を比較対象として特定する。また、後加工処理グループ間で発送予定日が同一である場合、例えば、入稿順に変更する。
【0069】
ステップ109では、CPU11Aが、ステップ108で後加工処理順を変更した後加工処理グループに基づいて、後加工処理スケジュールを生成し、本印刷管理プログラム12Aによる一連の処理を終了する。
【0070】
一方、ステップ110では、CPU11Aが、全製品をそれぞれ単グループとなるよう後加工処理グループを作成し、スケジューリングを実施し、本印刷管理プログラム12Aによる一連の処理を終了する。
【0071】
次に、
図6~
図13を参照して、本実施形態に係る印刷スケジュール生成処理及び後加工処理スケジュール生成処理に関する画面例について説明する。
【0072】
図6は、本実施形態に係る印刷グループ一覧リスト画面の一例を示す正面図である。
【0073】
図6に示す印刷グループ一覧リスト画面は、ユーザによる操作に従って、表示部13に表示される。なお、この印刷グループ一覧リスト画面は、印刷管理装置10にアクセス可能な外部のPCに表示するようにしてもよい。この印刷グループ一覧リスト画面には、グループジョブIDと、グループジョブIDに含まれる製品ジョブIDとが表示される。また、この製品ジョブIDに対応付けて、一例として、顧客情報-名称、製品名、部品番号、部品名、部品ステータス、・・・等が表示される。
【0074】
図7は、本実施形態に係る後加工処理グループ一覧リスト画面の一例を示す正面図である。
【0075】
図7に示す後加工処理グループ一覧リスト画面は、ユーザによる操作に従って、表示部13に表示される。なお、この後加工処理グループ一覧リスト画面は、
図6の例と同様に、印刷管理装置10にアクセス可能な外部のPCに表示するようにしてもよい。この後加工処理グループ一覧リスト画面には、加工グループIDが表示される。また、この加工グループIDに対応付けて、一例として、製品ジョブID、発送予定日時、顧客情報-名称、製品名、・・・等が表示される。
【0076】
図8は、本実施形態に係る後加工処理スケジュール画面の一例を示す正面図である。
【0077】
図8に示す後加工処理スケジュール画面は、ユーザによる操作に従って、表示部13に表示される。なお、この後加工処理スケジュール画面は、
図6の例と同様に、印刷管理装置10にアクセス可能な外部のPCに表示するようにしてもよい。この後加工処理スケジュール画面には、加工グループIDと共に、製品情報が表示される。この製品情報には、加工順序に対応付けて、一例として、製品ジョブID、部数、製品名、製品ステータス等が表示される。
【0078】
図9は、本実施形態に係る印刷グループ化属性設定画面の一例を示す正面図である。
【0079】
図9に示す印刷グループ化属性設定画面は、ユーザによる操作に従って、表示部13に表示される。なお、この印刷グループ化属性設定画面は、
図6の例と同様に、印刷管理装置10にアクセス可能な外部のPCに表示するようにしてもよい。この印刷グループ化属性設定画面は、製品を構成する部品をグループ化する際に適用する属性を設定するための画面である。この属性には、一例として、上述したように、顧客ID、シート表面の色数、シート裏面の色数、部品ID、用紙ID、用紙寸法、・・・等の様々な属性が含まれる。
【0080】
図10は、本実施形態に係るスケジューリング全般設定画面の一例を示す正面図である。
【0081】
図10に示すスケジューリング全般設定画面は、ユーザによる操作に従って、表示部13に表示される。なお、このスケジューリング全般設定画面は、
図6の例と同様に、印刷管理装置10にアクセス可能な外部のPCに表示するようにしてもよい。このスケジューリング全般設定画面では、一例として、「スケジューリング」が選択指定されている。この場合、「本文のグループ構成で加工を並べる」が選択指定可能とされる。ここでいう本文とは、部品の一例である。この「本文のグループ構成で加工を並べる」が選択指定された場合、印刷グループを考慮して後加工処理グループが作成される。また、この「本文のグループ構成で加工を並べる」が選択指定された場合、「印刷の逆順に並べる」又は「印刷と同じ順に並べる」が選択指定可能とされる。ここでは、「印刷の逆順に並べる」が選択指定されている。
【0082】
図11は、本実施形態に係る印刷グループ内優先度設定画面の一例を示す正面図である。
【0083】
図11に示す印刷グループ内優先度設定画面は、ユーザによる操作に従って、表示部13に表示される。なお、この印刷グループ内優先度設定画面は、
図6の例と同様に、印刷管理装置10にアクセス可能な外部のPCに表示するようにしてもよい。この印刷グループ内優先度設定画面は、印刷グループ内で部品の印刷順を並べ替える際に、並べ替えの条件を選択指定するための画面である。この並べ替えの条件には、一例として、ページ数、仕上がり面積、加工種別ID、ジョブID、最短発送予定日時、ページ総数(ページ数×部数)、・・・等が含まれる。
【0084】
図12は、本実施形態に係る印刷グループ間優先度設定画面の一例を示す正面図である。
【0085】
図12に示す印刷グループ間優先度設定画面は、ユーザによる操作に従って、表示部13に表示される。なお、この印刷グループ間優先度設定画面は、
図6の例と同様に、印刷管理装置10にアクセス可能な外部のPCに表示するようにしてもよい。この印刷グループ間優先度設定画面は、印刷グループ間の印刷順を並べ替える際に、並べ替えの条件を選択指定するための画面である。この並べ替えの条件には、一例として、納期、ページ数、部数、面付け数、加工種別ID、入稿順、・・・等が含まれる。
【0086】
図13は、本実施形態に係る後加工処理グループ間優先度設定画面の一例を示す正面図である。
【0087】
図13に示す後加工処理グループ間優先度設定画面は、ユーザによる操作に従って、表示部13に表示される。なお、この後加工処理グループ間優先度設定画面は、
図6の例と同様に、印刷管理装置10にアクセス可能な外部のPCに表示するようにしてもよい。この後加工処理グループ間優先度設定画面は、後加工処理グループ間の後加工処理順を並べ替える際に、並べ替えの条件を選択指定するための画面である。この並べ替えの条件には、一例として、品目作業予定日、判型ID、用紙ID、糊使用有無、針数、針の形状、発送予定日時、・・・等が含まれる。
【0088】
このように本実施形態によれば、製品を構成する部品をグループ化して得られた印刷グループを考慮して、印刷グループと同一構成の後加工処理グループが作成される。この後加工処理グループではグループ内及びグループ間で後加工処理順を変更可能とされており、印刷後の後加工処理が効率的に管理される。
【0089】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0090】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0091】
以上、実施形態に係る印刷管理装置を例示して説明した。実施形態は、印刷管理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0092】
その他、上記実施形態で説明した印刷管理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0093】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0095】
10 印刷管理装置
11 制御部
11A CPU
11B ROM
11C RAM
11D I/O
12 記憶部
12A 印刷管理プログラム
13 表示部
14 操作部
15 通信部
60 受注サーバ
70 印刷制御サーバ
71 印刷装置
80 後加工処理制御サーバ
81 後加工処理装置
90 印刷管理システム