IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特開2023-181262光源ユニットおよびそれを備えた照明器具
<>
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図1
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図2
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図3
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図4
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図5
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図6
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図7
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図8
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図9
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図10
  • 特開-光源ユニットおよびそれを備えた照明器具 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181262
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】光源ユニットおよびそれを備えた照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/04 20060101AFI20231214BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231214BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231214BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20231214BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20231214BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20231214BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231214BHJP
【FI】
F21V23/04 500
F21V23/00 140
F21S2/00 230
F21V19/00 510
F21V3/02
F21V23/00 120
H01Q1/22 Z
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179708
(22)【出願日】2023-10-18
(62)【分割の表示】P 2022040589の分割
【原出願日】2015-06-15
(31)【優先権主張番号】P 2015096569
(32)【優先日】2015-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 和広
(72)【発明者】
【氏名】竹村 博行
(72)【発明者】
【氏名】五島 成夫
(72)【発明者】
【氏名】七原 淳郎
(72)【発明者】
【氏名】安藤 保
(57)【要約】
【課題】より通信性能を高くすることが可能な光源ユニットおよび照明器具を提供する。
【解決手段】光源ユニット10は、光源部1と、無線通信を行う無線通信部2と、光源部1および無線通信部2を保持する保持体3と、を備えている。保持体3は、金属材料により構成され光源部1を支持する支持部材4と、支持部材4に取り付けられ支持部材4を覆うように内部に空間10aaを形成するカバー部材5と、を有している。無線通信部2は、アンテナ部2aと、通信回路部2bと、を備えている。カバー部材5は、樹脂材料により電波を透過させるように構成されている。アンテナ部2aは、カバー部材5により形成された空間10aaに配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体に取り外し可能に取り付けられる光源ユニットであって、
複数の発光素子を実装した長尺の実装基板を有する光源部と、
電波を媒体として無線通信を行う無線通信部と、
板状であって前記実装基板が取り付けられる取付部と前記取付部の厚み方向に貫通する開口部とを有する長尺の支持部材、及び前記支持部材に取り付けられ前記支持部材を覆うように内部に空間を形成するカバー部材を備え、前記無線通信部を保持する保持体と、
前記光源部及び前記無線通信部に給電する電源部を有し、前記支持部材における前記光源部と反対側に配置されて前記支持部材の長手方向に沿うように前記支持部材に保持される点灯ユニットと、
を備え、
前記無線通信部は、電波の送信または受信の少なくともいずれか一方が可能なアンテナ部と、前記アンテナ部と電気的に接続される通信回路部と、前記アンテナ部を設けた回路基板と、を備え、前記回路基板が前記取付部の表面に対して交差するように配置され、
前記カバー部材は、樹脂材料により電波を透過させるように構成され、
前記カバー部材が前記器具本体から突出するように、前記器具本体に取り付けられ、
天井に設置された前記器具本体に取り付けられた状態で、前記カバー部材の下端は、前記器具本体の下端よりも下方に位置する、
光源ユニット。
【請求項2】
前記アンテナ部は、前記回路基板の第1領域に設けられ、
前記通信回路部は、前記回路基板の第2領域に設けられる、
請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記無線通信部は、前記回路基板を収容する収容ケースを更に備え、
前記収容ケースは、樹脂材料により電波を透過させるように構成される、
請求項1又は2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記無線通信部は、前記支持部材に固定されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記光源部からの光を透過させる透光性を有している、
請求項1~4のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記無線通信部は、前記回路基板を収容する収容ケースを更に備え、
前記収容ケースは、樹脂材料により電波を透過させるように構成され、
前記収容ケースは、前記アンテナ部を収容するアンテナ収容部を備え、
前記アンテナ収容部は、前記開口部に挿通され、かつ前記カバー部材に向かって突出するように前記空間に配置される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項7】
前記複数の発光素子は、前記実装基板の長手方向に沿って前記実装基板に実装される、
請求項1~6のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項8】
前記無線通信部は、更に、赤外線を媒体として赤外線通信を行うよう構成されている、
請求項1~7のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項9】
前記支持部材は、
一対の側壁部を更に有し、
断面視において、前記取付部と前記一対の側壁部とで、C字状に形成されている、
請求項1~8のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の光源ユニットと、
該光源ユニットを保持する前記器具本体と、
を備える、
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニットおよび照明器具に関し、特に、無線通信が可能な光源ユニットおよびそれを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギ化や利便性の向上を図るために、無線通信で照明器具の遠隔操作が行われる場合がある。
【0003】
この種の照明器具としては、無線部のアンテナが、照明器具内に備えられ照明器具外部と連通される貫通孔に対応して設けられる構造が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0004】
また、照明器具ではないが、無線通信回路と給電線により接続されたアンテナの放射素子を、正面側から見た場合のフレーム領域に位置するように回路基板上に配置させた電子機器も知られている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-33652号公報
【特許文献2】特開2012-235224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、光源ユニットおよびそれを備えた照明器具では、より通信性能の高い構造が求められており、上述の特許文献1や上述の特許文献2を応用した構成だけでは十分でなく、更なる改良が求められている。
【0007】
本発明の目的は、より通信性能を高くすることが可能な光源ユニットおよび照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光源ユニットは、器具本体に取り外し可能に取り付けられる。上記光源ユニットは、光源部と、無線通信部と、保持体と、点灯ユニットと、を備えている。上記光源部は、複数の発光素子を実装した長尺の実装基板を有する。上記無線通信部は、電波を媒体として無線通信を行うことができるように構成されている。上記保持体は、長尺の支持部材、及びカバー部材を備える。上記支持部材は、板状であって上記実装基板が取り付けられる取付部と、上記取付部の厚み方向に貫通する開口部と、を有する。上記カバー部材は、上記支持部材に取り付けられ上記支持部材を覆うように内部に空間を形成する。上記保持体は、上記無線通信部を保持する。上記点灯ユニットは、上記光源部及び上記無線通信部に給電する電源部を有する。上記点灯ユニットは、上記支持部材における上記光源部と反対側に配置されて、上記支持部材の長手方向に沿うように上記支持部材に保持される。上記無線通信部は、電波の送信または受信の少なくともいずれか一方が可能なアンテナ部と、上記アンテナ部と電気的に接続される通信回路部と、上記アンテナ部を設けた回路基板と、を備え、上記回路基板が上記取付部の表面に対して交差するように配置される。上記カバー部材は、樹脂材料により電波を透過させるように構成される。上記光源ユニットは、上記カバー部材が上記器具本体から突出するように、上記器具本体に取り付けられる。天井に設置された上記器具本体に取り付けられた状態で、上記カバー部材の下端は、上記器具本体の下端よりも下方に位置する。
【0009】
本発明の照明器具は、上述の上記光源ユニットと、当該光源ユニットを保持する上記器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光源ユニットは、より通信性能を高くすることが可能となる。
【0011】
本発明の照明器具は、より通信性能を高くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1の光源ユニットを説明する断面図である。
図2】実施形態1の光源ユニットの要部を説明する一部破断した斜視断面図である。
図3】実施形態1の光源ユニットの要部を説明する一部破断した正面図である。
図4】実施形態1の光源ユニットを用いた照明器具を示す分解斜視図である。
図5】実施形態1の光源ユニットを用いた照明器具を示す斜視図である。
図6】実施形態2の光源ユニットの要部を説明する斜視図である。
図7】実施形態2の光源ユニットの要部を説明する一部破断した正面図である。
図8】実施形態2の光源ユニットの側面図である。
図9】実施形態2の光源ユニットにおける要部の分解斜視図である。
図10】実施形態2の光源ユニットを説明する平面説明図である。
図11】実施形態2と比較する光源ユニットを説明する平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
以下では、本実施形態の光源ユニット10について、図1図2および図3を参照して説明する。図4および図5では、光源ユニット10を備えた照明器具30について説明する。図中においては、同じ部材に対し、同じ符号を付して重複する説明を省略する。各図面が示す部材の大きさや位置関係は、説明を明確にするために誇張していることがある。以下の説明において、本実施形態を構成する各要素は、複数の要素を一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、一の部材の機能を複数の部材で分担して実現してもよい。
【0014】
本実施形態の光源ユニット10は、図1図2および図3に示すように、光源部1と、無線通信部2と、保持体3と、を備えている。無線通信部2は、電波を媒体として無線通信を行うことができるように構成されている。保持体3は、光源部1および無線通信部2を保持する。保持体3は、支持部材4と、カバー部材5と、を有している。支持部材4は、金属材料により構成されている。支持部材4は、光源部1を支持するように構成されている。カバー部材5は、支持部材4に取り付けられる。カバー部材5は、支持部材4を覆うように内部に空間10aaを形成する。無線通信部2は、アンテナ部2aと、通信回路部2bと、を備えている。アンテナ部2aは、電波の送信または受信の少なくともいずれか一方が可能なように構成されている。通信回路部2bは、アンテナ部2aと電気的に接続される。カバー部材5は、樹脂材料により構成されている。カバー部材5は、電波を透過させるように構成されている。アンテナ部2aは、カバー部材5により形成された空間10aaに配置されている。
【0015】
本実施形態の光源ユニット10は、アンテナ部2aが電波を透過させるカバー部材5により形成された空間10aaに配置されているので、より通信性能を高くすることが可能となる。
【0016】
以下、本実施形態の光源ユニット10について詳細に説明する。
【0017】
光源部1は、発光素子1aと、発光素子1aを電気的に接続する実装基板1bと、を備えている。発光素子1aは、LED(Light Emitting Diode)を用いている。発光素子1a
は、はんだにより、実装基板1bに設けられた配線部と電気的に接続している。
【0018】
実装基板1bは、長尺、かつ平板状の外形形状をしている。実装基板1bは、図2および図3に示すように、長手方向に沿って、複数の発光素子1aが実装されている。実装基板1bは、配線部を用いて、複数の発光素子1aを電気的に直列接続させている。複数の発光素子1aは、実装基板1bの短手方向における中央部において、実装基板1bの長手方向に沿って直線状に配置されている。実装基板1bは、たとえば、プリント配線板を用いることができる。実装基板1bは、発光素子1aの実装面を除いて、レジスト膜が形成されている。実装基板1bは、プリント配線板だけに限られず、たとえば、セラミック基板、金属ベースプリント配線板などを用いてもよい。実装基板1bは、支持部材4の取付部4aに取り付けられ支持されている。光源部1は、LEDを用いた構成だけに限られず、有機エレクトロルミネッセンス素子や放電灯などで構成されていてもよい。
【0019】
支持部材4は、長尺の外形形状をしている。支持部材4は、たとえば、鋼板を用いて形成することができる。支持部材4は、板状の取付部4aと、一対の側壁部4bと、を有している。支持部材4は、断面視において、取付部4aと一対の側壁部4bとで、C字状に形成されている。取付部4aは、正面視において、長尺の矩形状に形成されている。側壁部4bは、取付部4aの短手方向における両端から取付部4aと直交する方向に延びるように設けられている。側壁部4bの先端部には、外方に向かって突出する突出部4eが設けられている。支持部材4は、長手方向の全長に亘って、突出部4eを設けている。
【0020】
突出部4eは、側壁部4bの先端が巻かれて円筒状に形成されている。取付部4aの中央部には、長手方向に沿って、凹所4adが設けられている。凹所4adは、底部4cbと、一対の側部4ccと、を備えている。底部4cbは、正面視において、長尺の矩形状に形成されている。側部4ccは、底部4cbの長手方向に沿って、底部4cbから立ち上がるように設けられている。支持部材4は、底部4cbの所定位置に実装基板1bが配置できるように構成されている。支持部材4は、底部4cbから突出する係止片4sを有している。係止片4sは、実装基板1bの厚み方向に貫通した孔部1bcに挿通できるように構成されている。支持部材4は、係止片4sが折り曲げ加工されることで、実装基板1bを係止片4sと底部4cbとの間に、かしめ固定することができる。
【0021】
一対の側部4ccは、底部4cbから離れるにつれ、互いの距離が広がるように設けられている。側部4ccの表面は、発光素子1aからの光を反射する反射面を構成している。取付部4aの長手方向の一端部には、厚み方向に開口する開口部4aaが設けられている。開口部4aaは、取付部4aの端部を切り欠くように構成されてもよいし、取付部4aの厚み方向に貫通する貫通孔のように構成されてもよい。開口部4aaは、たとえば、支持部材4を構成する金属板の打ち抜き加工により形成することができる。
【0022】
光源ユニット10は、金属材料より形成された支持部材4に実装基板1bを当接させて支持させることで、支持部材4を放熱板として利用することができる。支持部材4は、樹脂に比べて熱伝導性の高い鋼板により形成されている場合、発光素子1aで発生した熱を、外部に効率よく放熱させることが可能となる。支持部材4の材料は、鋼板だけに限られず、アルミニウム、銅やステンレスなどの金属材料により形成してもよい。支持部材4は、板金の打ち抜き加工および曲げ加工を施すことで形成される。支持部材4は、カバー部材5を取り付けることができるように構成されている。
【0023】
カバー部材5は、長尺に構成されている。カバー部材5は、光源部1を覆うように、支持部材4に取り付けられる。カバー部材5は、発光素子1aが実装された実装基板1bを覆うことで、支持部材4との間に空間10aaができるように構成されている。カバー部材5は、カバー本体5aと、カバーエンド5bと、を備えている。
【0024】
カバー本体5aは、半円筒状の光出射部5cと、一対の突壁部5dとを備えている。突壁部5dは、光出射部5cの長手方向に沿って設けられている。一対の突壁部5dは、光出射部5cの両端部より互いに平行に突出するように形成されている。一対の突壁部5dの先端それぞれには、互いに近づく向きに突出する突起部5eが設けられている。
【0025】
突起部5eは、支持部材4の突出部4eに引っ掛けることができるように構成されている。突壁部5dには、突起部5eと光出射部5cとの間に、内突部5fを備えている。一対の内突部5fは、対向する突壁部5dに向かうように内側に突出する。光出射部5cの長手方向における両端部には、延出部5hが設けられている。延出部5hは、光出射部5cと連なるように、突壁部5dの外側まで延出している。カバー本体5aは、光出射部5cと突壁部5dと突起部5eと延出部5hと内突部5fが一体的に形成されている。
【0026】
カバーエンド5bは、支持部材4およびカバー本体5aの長手方向の端部に設けられる。カバーエンド5bは、半円板状の外形形状に形成される。カバーエンド5bは、カバー本体5aの内突部5fを挟み持つ挟持部5gを備えている。カバーエンド5bは、カバー本体5aの端部において、挟持部5gが内突部5fを挟み持つことで、カバー本体5aに取り付けられる。カバー部材5は、カバー本体5aとカバーエンド5bとで複数の面を備える多面体を構成している。カバーエンド5bは、光源部1から光を出射させるカバー部材5の面のうちで、もっとも小さい面を備えている。
【0027】
本実施形態の光源ユニット10では、カバー部材5は、光源部1からの光を透過させる透光性を有している。カバー部材5は、カバー部材5の外底面5aaより、光源部1からの光を外部に出射させる。光源ユニット10は、カバー部材5が光源部1からの光を透過させる透光性を有していることで、光源部1の光利用効率の低下を抑制することができる。カバー部材5は、発光素子1aから放射された光を効率よく透過できる構成が好ましい。カバー部材5は、電波の透過性の高い材料を用いることが好ましい。カバー部材5は、たとえば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの樹脂材料を用いて形成することができる。カバー部材5は、たとえば、射出成形により形成することができる。カバー部材5は、透光性の樹脂材料に光拡散材を含有させてもよい。
【0028】
カバー部材5は、カバー本体5aとカバーエンド5bとを、同じ材料で形成させてもよいし、異なる材料で形成させてもよい。カバー部材5は、カバー本体5aとカバーエンド5bとを、同じ厚みで形成させてもよいし、カバー本体5aに対して、カバーエンド5bの厚みを異なるように形成されていてもよい。
【0029】
無線通信部2は、支持部材4に取り付けられる。無線通信部2は、アンテナ部2aと通信回路部2bとを用いて、無線通信を行うことができるように構成されている。無線通信部2は、アンテナ部2aと通信回路部2bとに加え、回路基板6と、回路基板6を収容する収容ケース7と、を備えている。
【0030】
回路基板6は、平板状の外形形状をしている。回路基板6は、たとえば、プリント配線板を用いることができる。回路基板6は、アンテナ部2aが設けられる第1領域6caと、通信回路部2bが設けられる第2領域6cbとを有している。回路基板6は、アンテナ部2aで受信された通信信号を通信回路部2bに入力することができるように構成されている。回路基板6は、通信回路部2bが出力した通信信号を、アンテナ部2aから外部に無線で放射できるように構成されている。
【0031】
アンテナ部2aは、たとえば、回路基板6における所定形状の配線6aを用いて形成させることができる。所定形状の配線6aとしては、たとえば、図1に示すように、配線6
aを折り曲げて形成させた迂回配線などが挙げられる。アンテナ部2aは、回路基板6の厚み方向の一面だけに設けてもよいし、両面に設けてもよい。アンテナ部2aは、回路基板6の配線6aを利用して形成した構成だけに限られず、回路基板6とは別途に形成させてもよい。アンテナ部2aは、回路基板6の配線6aを利用して形成する場合、回路基板6と別途にアンテナ部2aを形成する構造と比較して、アンテナ部2aの部品コストを抑制し安価に構成することができる。アンテナ部2aは、回路基板6と別途に形成させる場合、回路基板6の第1領域6caに適宜に固定させればよい。通信回路部2bは、たとえば、水晶発振器、マイクロコンピュータなどの電子部品6dを搭載して、電波の送信または受信の少なくともいずれか一方を行うことができるように構成されている。
【0032】
収容ケース7は、直方体状の外形形状をしている。収容ケース7は、たとえば、蓋体7aと、ケース本体7bと、を備えた構成とすることができる。収容ケース7は、ケース本体7bに回路基板6を収容し、蓋体7aを被せることで、内部が空洞な箱状とすることができる。収容ケース7は、アンテナ部2aを蓋体7aに収容させ、通信回路部2bをケース本体7bに収容できるように、回路基板6を配置している。蓋体7aは、アンテナ部2aを収容するアンテナ収容部7cを構成している。収容ケース7は、支持部材4に固定させることができるように、長手方向に突出した板状の固定部7dを、ケース本体7bに備えている。固定部7dは、厚み方向に貫通する螺子孔を備えている。収容ケース7は、支持部材4の貫通孔を挿通する螺子7eが、固定部7dで螺子止めできるように構成されている。収容ケース7は、取付部4aの厚み方向に貫通する開口部4aaにアンテナ収容部7cを挿通させることができるように構成させている。
【0033】
収容ケース7は、電波を透過する材料によって形成されている。収容ケース7の材料としては、たとえば、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などの合成樹脂を用いることができる。収容ケース7は、収容ケース7を構成する合成樹脂に光拡散材を含有させることができる。
【0034】
無線通信部2は、開口部4aaからカバー部材5に向かってアンテナ収容部7cを突出させた状態で、支持部材4を介して螺子7eが固定部7dに螺子止めされている。無線通信部2は、カバー部材5に向かってアンテナ収容部7cを突出させることで、回路基板6を底部4cbの表面に対して交差するように配置されている。無線通信部2は、カバー部材5に向かって支持部材4の凹所4adから突出するように空間10aaに配置されることで、アンテナ部2aの通信性能を高めることが可能となる。光源ユニット10は、たとえば、アンテナ部2aが形成された回路基板6の一面を支持部材4の長手方向と直交する方向に沿わせることで、支持部材4の長手方向への電波の指向性を高めることができる。
【0035】
すなわち、本実施形態の光源ユニット10では、無線通信部2は、回路基板6と、収容ケース7と、を備えている。収容ケース7は、回路基板6を収容することができるように構成されている。回路基板6は、アンテナ部2aが設けられる第1領域6caと、通信回路部2bが設けられる第2領域6cbとを有している。収容ケース7は、樹脂材料により電波を透過させるように構成されている。
【0036】
光源ユニット10は、回路基板6を収容する収容ケース7により、無線通信部2の取り扱いを容易に行うことが可能となる。
【0037】
本実施形態の光源ユニット10では、支持部材4は、光源部1が取り付けられる板状の取付部4aを備えている。支持部材4は、取付部4aの厚み方向に貫通する開口部4aaを有している。収容ケース7は、アンテナ部2aを収容するアンテナ収容部7cを備えている。アンテナ収容部7cは、開口部4aaに挿通され、かつカバー部材5に向かって突出するように空間10aaに配置される。
【0038】
光源ユニット10は、アンテナ収容部7cが開口部4aaに挿通され、かつカバー部材5に向かって突出するように空間10aaに配置されることで、空間10aaに設けられる無線通信部2の部分を小さくさせることができる。
【0039】
無線通信部2は、たとえば、光源ユニット10を備えた照明器具30の外部に配置された通信装置に対して、電波により通信信号を送信や受信できるように構成されている。無線通信部2は、たとえば、人検知センサと接続された通信装置から人の存在を示す無線信号を受信することができる。光源ユニット10は、人検知センサからの人の存在を示す無線信号を受信すれば、光源部1を点灯させるように構成することができる。光源ユニット10は、人検知センサからの人の不在を示す無線信号を受信すれば、光源部1を減光または消灯させるように構成することができる。無線通信部2は、たとえば、光源ユニット10の故障の有無を示す無線信号を通信装置に送信することができる。無線通信部2は、たとえば、光源ユニット10における消費電力を示す無線信号を通信装置に送信することができる。
【0040】
すなわち、無線通信部2は、無線信号を送受信する機能を備えている。無線通信部2は、無線信号を送信する機能のみを有する構成としてもよい。無線通信部2は、無線信号を受信する機能のみを有する構成としてもよい。
【0041】
無線通信部2が送信する無線信号の周波数は、たとえば、UHF帯を用いることができる。無線通信部2は、無線通信として、たとえば、2.4GHz帯の小電力データ通信システムを用いている。無線通信部2は、2.4GHz帯の小電力データ通信システムを用いる構成だけに限られず、たとえば、920MHz帯の特定小電力無線通信システムを用いてもよい。
【0042】
光源ユニット10は、光源部1と無線通信部2と保持体3とに加え、図4に示す点灯ユニット8を備えている。
【0043】
点灯ユニット8は、光源部1および無線通信部2と電気的に接続されている。点灯ユニット8は、光源部1の点灯を制御する制御部と、光源部1や無線通信部2に給電する電源部とを備えた構成とすることができる。電源部は、商用交流電源などの外部電源からの電力を所定の電力に変換して、光源部1、無線通信部2に各別に電力を供給できるように構成されている。点灯ユニット8は、無線通信部2からの信号に基づいて、光源部1の点灯を制御することができるように構成されている。点灯ユニット8は、制御部や電源部を構成する点灯基板8aと、点灯基板8aを収容するハウジング部8cとを備えている。
【0044】
点灯基板8aは、たとえば、電源部が交流電圧を直流電圧に変換するように構成されている。点灯ユニット8は、支持部材4における光源部1と反対側に保持される。光源ユニット10は、外部からの電力が点灯ユニット8に給電されるように構成されている。点灯基板8aには、複数種の電装部品8bが実装される。
【0045】
電装部品8bは、点灯ユニット8を構成する各種の回路を構成するために用いられる。各種の回路としては、たとえば、フィルタ回路、昇圧回路、降圧回路、主制御回路、制御電源回路、調光制御回路、消灯制御回路などが挙げられる。電装部品8bとしては、たとえば、トランス、ダイオード、コンデンサ、スイッチング素子やマイクロコンピュータなどが挙げられる。外部電源は、たとえば、商用交流電源を用いることができる。点灯ユニット8には、交流電力が給電される。
【0046】
ハウジング部8cは、一面に開口が形成された矩形箱状の外形形状をしている。点灯ユ
ニット8は、点灯基板8aを収容したハウジング部8cが支持部材4に取り付けられるように構成されている。ハウジング部8cは、開口が支持部材4の取付部4aで塞がれるように配置される。ハウジング部8cは、金属製の板材の折り曲げ加工によって、形成することができる。ハウジング部8cは、たとえば、取付螺子8dなどを用いて、支持部材4に取り付けられる。
【0047】
無線通信部2は、回路基板6と電気的に接続された配線コード2fを介して、点灯ユニット8と電気的に接続される。配線コード2fは、シールド線を用いることができる。シールド線は、被覆付き導線の周りに細い導線や金属箔で包んだ構造としている。シールド線は、外部の導線や金属箔をグランド電位にして、内部の導線に通信信号を流すことができるように構成されている。
【0048】
ところで、本願と比較のための光源ユニットでは、外部に無線通信部2のアンテナ部2aが突出しているとデザイン自由度が制約され、見栄えが悪い印象を与えることがある。光源ユニットは、光源部1で生じた熱を外部に効率よく放熱させるため、金属材料からなる支持部材4に光源部1を取り付けている。光源ユニットは、見栄えを良くするために、無線通信部2を単純に支持部材4に配置させた場合、アンテナ部2aの指向性や利得などの通信性能が低下する傾向にある。
【0049】
光源ユニット10は、取付部4aの表面に対して、回路基板6を交差するように配置させた場合、回路基板6を平行に配置した場合よりも、金属材料からなる支持部材4に電波が吸収されることを抑制し、無線通信部2からの電波の放射強度比を高くできる。光源ユニット10は、取付部4aの表面に対して、回路基板6を交差するように配置させた場合、回路基板6を平行に配置した場合よりも、無線通信部2の電波放射強度比のばらつきを小さくすることも可能となる。
【0050】
本実施形態の光源ユニット10では、無線通信部2は、支持部材4の長手方向において、点灯ユニット8から離れた位置に配置されている。無線通信部2は、水晶発振器などを備えており、光源部1もしくは点灯ユニット8からの熱により加熱されると、出力される電波が弱くなるおそれがある。無線通信部2は、点灯ユニット8から離れた位置に配置されていることで、通信性能の低下を抑制させることが可能となる。
【0051】
無線通信部2は、支持部材4の端部に設けられている場合、カバーエンド5bに無線通信部2の影が映る場合もある。光源ユニット10では、カバー部材5全体のうち、カバーエンド5bの面積が小さく、照明への寄与が少ないため、アンテナ部2aにより光源部1からの光を遮蔽する影響を小さくすることができる。光源ユニット10では、アンテナ部2aにより光源部1からの光を遮蔽する影響を小さくすることで、無線通信部2の存在を目立ちにくくすることが可能となる。
【0052】
言い換えれば、本実施形態の光源ユニット10では、カバー部材5は、複数の面が組み合わされ、かつ光源部1を覆うように形成されている。無線通信部2は、複数の面のうちで、最も小さい面の近傍に配置されていることが好ましい。
【0053】
光源ユニット10は、無線通信部2が、複数の面のうちで、最も小さい面の近傍に配置されていることにより、カバー部材5に無線通信部2の影が投影されても、無線通信部2を目立ちにくくすることができる。複数の面のうちで、最も小さい面は、光源ユニット10において、光源部1から放射される光が少ない面であり、無線通信部2が近傍に配置されても、より大きな面の近傍に配置させる場合と比較して、無線通信部2による遮光の影響を小さくすることが可能となる。すなわち、無線通信部2は、光源ユニット10において、主照明としての寄与度が低い光源ユニット10の端部に配置している。
【0054】
光源ユニット10は、カバー部材5のカバーエンド5bと、収容ケース7との間に隙間を設けている。光源ユニット10では、カバー部材5のカバーエンド5bと、収容ケース7との間に隙間を設けているため、支持部材4やカバー部材5で散乱した光の回り込みにより、光源ユニット10の端部が極端に暗くなることを抑制することができる。
【0055】
収容ケース7は、合成樹脂中に光拡散材を含有させることで、カバー部材5に回路基板6が映り込んで外部から回路基板6が視認されることを抑制することができる。収容ケース7は、回路基板6が外部から映り込んで視認されることを抑制することで、光源ユニット10の見栄えを良くすることができる。収容ケース7は、合成樹脂中に光拡散材を含有させることで、収容ケース7とカバー部材5との間に入り込んだ光を外部に反射させ、光拡散材を含有しない構成と比較して、無線通信部2が設けられた光源ユニット10の端部の輝度の低下を抑制させることもできる。収容ケース7は、収容ケース7を構成する合成樹脂に光拡散材を含有させることで、白色に着色されることが好ましい。
【0056】
以下では、光源ユニット10の組立工程について説明する。
【0057】
光源ユニット10の組立工程では、発光素子1aを実装基板1bに実装してあらかじめ光源部1を準備している。組立工程では、実装基板1bが実装された支持部材4の取付部4aと反対側に、無線通信部2および点灯ユニット8が取り付けられる。
【0058】
組立工程では、支持部材4の開口部4aaからアンテナ収容部7cをカバー部材5に向かって突出するように配置させた状態で、支持部材4を介して螺子7eを収容ケース7の固定部7dに螺子止めすることで、無線通信部2が支持部材4に固定される。無線通信部2は、回路基板6と電気的に接続され収容ケース7から導出した配線コード2fを点灯ユニット8と電気的に接続させる。
【0059】
次に、組立工程では、実装基板1bを覆うように、カバー部材5を支持部材4に取り付ける。組立工程では、カバー部材5の突起部5eが支持部材4の突出部4eに嵌め合わせられる。カバー部材5は、一対の突起部5eが、対応する突出部4eと各別に引っ掛けられることで、支持部材4に組み付けられる。組立工程では、カバー部材5の突壁部5dと、支持部材4の側壁部4bとを適宜に螺子止めすることで、カバー部材5と支持部材4を一体的に固定することができる。組立工程では、カバーエンド5bがカバー部材5および支持部材4の長手方向の両端部に取付けられることで、光源ユニット10を組み立てることができる。
【0060】
以下では、光源ユニット10を備えた照明器具30について、図4および図5を参照しながら簡単に説明する。
【0061】
照明器具30は、上述の光源ユニット10と、光源ユニット10を保持する器具本体31と、を備えている。
【0062】
照明器具30は、光源ユニット10のアンテナ部2aがカバー部材5により形成された空間10aaに配置されるので、より通信性能を高くすることが可能となる。
【0063】
照明器具30は、たとえば、天井材に直付けされるように構成されている。器具本体31は、吊りボルトを用いて、天井材に取り付けられる構成とすることができる。器具本体31は、長尺の外形形状をしている。器具本体31は、扁平な箱状に形成されている。器具本体31は、中央部に凹部31aaを有している。凹部31aaは、器具本体31の一面が矩形状に窪んだ外形形状をしている。凹部31aaは、器具本体31の全長に亘って
設けられている。凹部31aaは、光源ユニット10の一部を収容して、光源ユニット10を取り付けることができるように構成されている。延出部5hは、光源ユニット10が器具本体31に取り付けられた状態で、器具本体の31の凹部31aaの開口端縁と重なるように設けられている。器具本体31は、金属板により形成されている。
【0064】
器具本体31の底面部31aには、挿通孔31caが設けられている。挿通孔31caは、外部電源と電気的に接続された給電用の電源線が挿通される。底面部31aは、器具本体31の長手方向に沿って、複数の挿通孔31caが設けられている。
【0065】
底面部31aには、吊りボルトを通すボルト挿通孔31cbが設けられている。ボルト挿通孔31cbは、器具本体31の長手方向に沿って、4つ設けられている。ボルト挿通孔31cbは、吊りボルトが挿通できるように構成されている。ボルト挿通孔31cbに挿通される吊りボルトには、ナットが締め付けられる。
【0066】
器具本体31は、短手方向において、凹部31aaの両側に凹部31aaの開口端縁から延出する傾斜部31bを有している。傾斜部31bは、凹部31aaから離れるにつれ、器具本体31の厚みが薄くなるように傾斜している。器具本体31は、板金を折り曲げ加工することで形成することができる。器具本体31は、エンドキャップ31eを備えている。エンドキャップ31eは、器具本体31の長手方向の両端部に設けられている。エンドキャップ31eは、正面視において、台形形状としている。
【0067】
器具本体31の材料としては、鋼板を採用することができる。器具本体31の材料は、鋼板だけに限られず、たとえば、アルミニウム、ステンレスや銅合金などを採用してもよい。照明器具30は、器具本体31を金属製とすることで、樹脂製の場合に比べて、光源ユニット10の発光素子1aで発生した熱を、器具本体31を通して効率よく外部に放熱させることが可能となる。照明器具30は、器具本体31から突出する光源ユニット10のカバー部材5により形成された空間10aaにアンテナ部2aが配置されているので、通信性能をより高くすることが可能となる。
【0068】
照明器具30は、天井直付け型の構造だけに限られない。照明器具30は、光源ユニット10を支持部材4に取り付けることができる限り、適宜に他の構造の照明器具に利用することができる。照明器具30では、器具本体31は、光源ユニット10の取り付けと取り外しを自在に行うことができるように構成されている。
【0069】
(実施形態2)
図6に示す本実施形態の光源ユニット10は、図1に示す実施形態1と同様の構成であり、無線通信部2の構造が主として相違する。なお、本実施形態の光源ユニット10では、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0070】
本実施形態の光源ユニット10では、図7に示すように、光源部1と保持体3とカバー部材5それぞれは、長尺状に形成されている。アンテナ収容部7cは、図8に示すように、カバー部材5の長手方向に沿った方向から見て、カバー部材5に向かって突出する先端部7fが、対向するカバー部材5の内底面5abの形状に沿った外形形状に形成されている。
【0071】
本実施形態の光源ユニット10は、アンテナ収容部7cの先端部7fがカバー部材5の内底面5abに沿った外形形状のため、光源部1の光によりアンテナ収容部7cの影がカバー部材5に投影されても、アンテナ収容部7cの形状を目立ちにくくすることができる。
【0072】
本実施形態の光源ユニット10は、実施形態1のアンテナ収容部7cのごとく、カバー部材5の内底面5abの形状に沿わない構成と比較し、カバー部材5において先端部7fの外形形状が影となって顕在化することを抑制し、より見栄えを良くできる。また、本実施形態の光源ユニット10では、アンテナ収容部7cは、先端部7fがカバー部材5の内底面5abに沿った円弧状に形成されているので、カバー部材5に向かう角張った出っ張りがない。本実施形態の光源ユニット10は、カバー部材5に向かう角張った出っ張りがないので、カバー部材5の支持部材4への取り付けに際し、カバー部材5と無線通信部2における先端部7fとが当たりにくく、組立作業性を向上させることもできる。光源ユニット10は、先端部7fと、カバー部材5の内底面5abとの距離を、たとえば、3mm程度に設定することができる。
【0073】
以下では、本実施形態における無線通信部2の具体的な構造について図9を用いて説明する。
【0074】
無線通信部2は、実施形態1と同様に、収容ケース7が蓋体7aとケース本体7bとを備えている。蓋体7aは、アンテナ収容部7cと、平板部7gと、脚部7hと、を備えている。平板部7gは、矩形平板状の外形形状をしている。アンテナ収容部7cは、平板部7gの一表面から立設するように設けられている。アンテナ収容部7cは、正面視において、長手方向が平板部7gの長手方向と平行となるように設けられている。脚部7hは、平板部7gにおけるアンテナ収容部7cと反対側に突出している。脚部7hは、平板部7gから突出する先端に爪部7jを備えている。一対の脚部7hは、矩形状の平板部7gの長手方向で対向するように配置されている。脚部7hは、矩形状の平板部7gにおける短手方向の各辺に沿って、2個ずつ合計4個設けられている。脚部7hは、平板部7gに対し、爪部7jの突出方向と反対側に撓むことができるように弾性を有している。
【0075】
蓋体7aは、平板部7gの厚み方向に貫通する貫通孔7faが設けられている。平板部7gは、正面視において、アンテナ収容部7cの長手方向の一端部に貫通孔7faが設けられている。蓋体7aは、アンテナ収容部7cの長手方向における貫通孔7faとは反対の他端部に、平板部7gからアンテナ収容部7cに渡って突出する規制部7sを備えている。
【0076】
ケース本体7bは、矩形状の底壁部7b1と、一対の第1側壁部7b2と、一対の第2側壁部7b3と、を備えている。一対の第1側壁部7b2は、底壁部7b1の長手方向に沿って、底壁部7b1から立ち上がるように、対向して設けられている。一対の第2側壁部7b3は、底壁部7b1の短手方向に沿って、底壁部7b1から立ち上がるように、対向して設けられている。ケース本体7bは、矩形状の底壁部7b1と一対の第1側壁部7b2と一対の第2側壁部7b3とで、一面が開放された箱状に形成されている。ケース本体7bは、底壁部7b1の長手方向に沿って、第2側壁部7b3から外方に突出する出張部7b4を備えている。出張部7b4には、図6に示す螺子7eが固定される螺子固定部7rを備えている。
【0077】
一対の第2側壁部7b3の一方には、回路基板6の一側端を挟み込む一対のリブ7kが底壁部7b1から突出するように設けられている。一対の第2側壁部7b3の他方には、回路基板6の他側端を収容する溝部7mが設けられている。ケース本体7bは、リブ7kと溝部7mを用いて、通信回路部2bが設けられた回路基板6の第2領域6cb側を保持できるように構成されている。回路基板6は、配線コード2fと電気的に接続される。配線コード2fは、先端にコネクタ2hを備えている。配線コード2fは、結束バンド2gで結束されている。結束バンド2gは、たとえば、長尺のバンドの一端にロック部品を備え、反対側の端を筒状のロック部品に通して結束できる構成としている。
【0078】
一対の第1側壁部7b2のうちの一方には、ケース本体7bにおける開口側から切り欠かれるように設けられた切欠部7nを備えている。無線通信部2は、切欠部7nを介して、配線コード2fを収容ケース7の内部から外部に導出できるように構成されている。収容ケース7は、ケース本体7bに窪み部7tを備えている。窪み部7tは、結束バンド2gを収容できるように構成されている。収容ケース7は、配線コード2fを結束させる結束バンド2gを窪み部7tに収容することで、配線コード2fが収容ケース7に対して引っ張られた場合の張力止めとして機能させることができる。
【0079】
収容ケース7は、爪部7jと係り合う係合溝7uを備えている。収容ケース7は、ケース本体7bの開口を塞ぐように蓋体7aが被せられ、脚部7hの爪部7jが係合溝7uと係り合うことで、蓋体7aとケース本体7bとを固定させることができる。無線通信部2は、アンテナ部2aで受信した信号に基づいて、通信回路部2bが生成した調光信号を、配線コード2fを介して、出力できるように構成されている。
【0080】
無線通信部2は、電波を媒体として無線通信を行う構成に加え、赤外線を媒体として赤外線通信を行う構成も備えている。無線通信部2は、回路基板6の第2領域6cbに赤外光を受光する受光素子6eを実装している。受光素子6eは、フォトダイオードやフォトトランジスタで構成することができる。受光素子6eは、蓋体7aの貫通孔7faを介して、赤外線信号を受信できるように構成されている。
【0081】
無線通信部2は、あらかじめ複数の光源ユニット10がグループ化されている場合、グループごとに制御させる信号が受信できるように構成されている。グループ化された光源ユニット10は、無線通信部2が受信した信号に基づいて、調光制御することができる。複数の光源ユニット10の各々は、赤外線信号を利用して、光源ユニット10ごとの光源部1から照射される光出力を調整できるように構成されている。光源ユニット10は、たとえば、外部のリモートコントローラから放射される赤外線信号を受信して、光源ユニット10の各々の光出力の設定を行うことができるように構成できる。光源ユニット10は、リモートコントローラから放射される赤外線信号で、複数の光源ユニット10ごとに弁別するアドレスが設定されるように構成されている。
【0082】
ところで、光源ユニット10では、光源部1の長手方向の端部に発光素子1aを近づけるように多く配置することで、より光出力を高くすることができる。また、光源ユニット10では、アンテナ部2aを収容するアンテナ収容部7cがカバー部材5の内底面5ab側に突出しているほど、通信性能を高めることができる。
【0083】
しかしながら、図11に示す参考例の光源ユニットでは、無線通信部2が設けられる場合、発光素子1aが光源部1の長手方向の端部に近づくほど、発光素子1aからの直接光がアンテナ収容部7cに遮光されるおそれがある。また、光源ユニットは、アンテナ収容部7cがカバー部材5側に突出するほど、発光素子1aからの直接光がアンテナ収容部7cに遮光されるおそれがある。参考例の光源ユニットでは、より光出力を向上させようとする場合、発光素子1aからの直接光がアンテナ収容部7cに遮光され、カバー本体5aにアンテナ収容部7cの影が生じるおそれがある。図11では、発光素子1aからの直接光を二点破線の矢印で例示し、カバー本体5aの影が生ずる部分を破線の領域で示している。
【0084】
本実施形態の光源ユニット10では、無線通信部2は、アンテナ収容部7cが板状の外形形状をしている。アンテナ収容部7cは、光源部1の長手方向と交差するように配置されている。先端部7fは、カバー部材5と対向する面が、光源部1の長手方向に沿って光源部1に近づくほど、内底面5abから遠のく傾斜面7fbを構成している。
【0085】
本実施形態の光源ユニット10は、アンテナ収容部7cの先端部7fが傾斜面7fbを有していることで、より光出力を向上させつつ、カバー本体5aにアンテナ収容部7cの影が生ずることを抑制することができる。
【0086】
以下では、本実施形態の光源ユニット10の組立工程について説明する。
【0087】
光源ユニット10の組立工程では、発光素子1aが実装基板1bに実装された光源部1を、支持部材4の取付部4aに取り付ける。支持部材4は、底部4cbの表面から突出する係合片4tを有している。係合片4tは、図6に示すように、底部4cbの表面から突出する第1突片4taと、支持部材4の長手方向に沿って、無線通信部2に向かう方向に第1突片4taの先端から突出した第2突片4tbと、を備えている。係合片4tは、第1突片4taと第2突片4tbとでL字状の外形形状をしている。一対の係合片4tは、実装基板1bの短手方向に対向して設けられており、実装基板1bの厚み方向に切り欠かれた切欠溝1bdを挟むように構成されている。
【0088】
組立工程では、実装基板1bが実装された支持部材4の取付部4aと反対側からアンテナ収容部7cが突出するように、無線通信部2が取り付けられる。支持部材4は、係合片4tの第1突片4taが、実装基板1bの切欠溝1bdの縁に突き合わられた状態で、無線通信部2が取り付けられている。
【0089】
本実施形態の光源ユニット10では、収容ケース7は、光源部1と対向し光源部1の長手方向の移動を規制する規制部7sを備えている。
【0090】
光源ユニット10は、光源部1と無線通信部2とが支持部材4に取り付けられた場合、光源部1の長手方向において、規制部7sと第2突片4tbとの距離が、規制部7sと第1突片4taに挟まれる光源部1の長さよりも、短くなるように設定されている。
【0091】
光源ユニット10は、規制部7sが光源部1の長手方向の移動を規制することができるので、無線通信部2を光源部1の抜け止めに利用することができる。本実施形態の光源ユニット10では、実装基板1bを支持部材4に固定する際に、実施形態1のごとく、係止片4sの折り曲げ加工を行うことなく組み立てることができる。
【0092】
組立工程では、支持部材4の開口部4aaからアンテナ収容部7cをカバー部材5に向かって突出するように配置させた状態で、螺子7eが支持部材4を介して収容ケース7の螺子固定部7rに固定され、無線通信部2が支持部材4に固定される。
【0093】
次に、組立工程では、実装基板1bを覆うように、カバー部材5を支持部材4に取り付ける。組立工程では、カバー部材5の突起部5eが支持部材4の突出部4eに嵌め合わせられる。カバー部材5は、一対の突起部5eが、対応する突出部4eと各別に引っ掛けられることで、支持部材4に組み付けられる。組立工程では、カバー部材5の突壁部5dと、支持部材4の側壁部4bとを適宜に螺子止めすることで、カバー部材5と支持部材4を一体的に固定することができる。組立工程では、カバーエンド5bがカバー部材5および支持部材4の長手方向の両端部に取付けられることで、光源ユニット10を組み立てることができる。
【0094】
本実施形態の光源ユニット10は、実施形態1と同様にして、器具本体31に取り付けられて、照明器具30を構成することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 光源部
2 無線通信部
2a アンテナ部
2b 通信回路部
3 保持体
4 支持部材
4a 取付部
4aa 開口部
5 カバー部材
5ab 内底面
6 回路基板
6ca 第1領域
6cb 第2領域
7 収容ケース
7c アンテナ収容部
7f 先端部
7fb 傾斜面
7s 規制部
10 光源ユニット
10aa 空間
30 照明器具
31 器具本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11