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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181265
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】画像合成処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20231214BHJP
   H04N 23/70 20230101ALI20231214BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231214BHJP
   G03B 7/091 20210101ALI20231214BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N23/70
G03B15/00 H
G03B7/091
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179777
(22)【出願日】2023-10-18
(62)【分割の表示】P 2022102960の分割
【原出願日】2018-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】321001056
【氏名又は名称】OMデジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 崇徳
(57)【要約】
【課題】ライブビュー表示において、シャッタースピードを低速に設定した場合の撮影効果を得ると共に適切な明るさの画像を得る。
【解決手段】画像合成処理方法は、複数の撮像フレーム画像を合成する。画像合成処理方法は、合成画像の明るさを特定の明るさにするための合成方法を設定するステップと、特定の時間間隔で繰り返し撮像された複数の撮像フレーム画像を、設定された合成方法に従って合成することにより、特定の明るさの表示フレーム画像を生成するステップと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像フレーム画像を合成する画像合成処理方法において、
合成画像の明るさを特定の明るさにするための合成方法を設定するステップと、
特定の時間間隔で繰り返し撮像された複数の撮像フレーム画像を、設定された上記合成方法に従って合成することにより、特定の明るさの表示フレーム画像を生成するステップと、
を具備することを特徴とする画像合成処理方法。
【請求項2】
上記合成方法を設定するステップは、上記撮像フレーム画像の取得時の輝度情報及び撮像条件に基づいて、上記合成方法を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像合成処理方法。
【請求項3】
上記合成方法を設定するステップは、複数の合成方法を組み合わせた合成方法を設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像合成処理方法。
【請求項4】
上記表示フレーム画像を生成するステップは、新しい撮像フレーム画像が撮像されるたびに上記表示フレーム画像を更新することを特徴とする請求項1に記載の画像合成処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の撮像フレーム画像から表示フレーム画像を生成するための画像合成処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の撮像装置は、ライブビューと称する機能を有し、撮影前に写真の仕上がりを見ながら撮影時の設定を調整できるものが一般的になっている。ライブビューとは、撮影前に被写体の撮像及び表示を繰り返し行う機能のことである。ライブビューでは、レンズの絞りや露出補正に依る画像の明るさ、WB(White Balance)等の設定に依る効果を、表示された被写体画像で確認することができる。以下では、ライブビューに依る表示を「ライブビュー表示」とも称し、ライブビューに依り表示される画像を「ライブビュー画像」とも称す。
【0003】
また、撮像装置において、シャッタースピードの設定に依る効果を撮影前に確認することができるものが知られている。例えば、特許文献1には、撮影レンズに依り結像された被写体像を所定の時間間隔で撮像するとともに、撮像された画像を新しい順に記憶していき、所定の時間間隔ごとに、記憶されている最新の画像から設定されているシャッター速度前の画像までの間の、少なくとも最新画像と設定シャッター速度前の画像とを合成してスルー画像として表示するデジタルカメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-79222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ライブビューでは、AF(Auto focus)性能や画質を確保するために、絞りや撮像感度等の撮像条件を限定するのが一般的である。特許文献1に開示された手法では、シャッタースピードをシミュレーションした画像をライブビュー表示できるものの、上記撮像条件に依る制約の下では、被写体の輝度に因って適切な明るさの画像を表示できない場合がある。この場合の一例を、図26を用いて説明する。
【0006】
図26は、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。
なお、プログラム線図は、適正露出を得るためのBv、Sv、Av、及びTvの関係を示すものである。ここで、Bvは、被写体輝度に対応するAPEX(Additive System of Photographic Exposure)値である。Svは、撮像感度に対応するAPEX値である。Avは、絞りに対応するAPEX値である。Tvは、シャッタースピードに対応するAPEX値である。
【0007】
この例では、静止画撮影ではAvを2から9まで任意に変更可能であるものの、ライブビューではAvの上限値が6に制限されるカメラであると仮定する。
この仮定の下、シャッタースピードを、Tv=0に対応する1秒に設定して静止画撮影を行う場合は、静止画撮影用のプログラム線図に示したとおり、-9≦Bv≦4のBv範囲を適正露出で撮影できる。
【0008】
一方、ライブビューでは、特許文献1の手法に従って複数の画像を例えば加算合成に依り合成してTv=0相当の合成画像をライブビュー画像として表示すると仮定する。この場合も静止画撮影と同じBv範囲を適正露出で表示したいところであるが、Avの上限値が6に制限されていることから、ライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、Bvが-9≦Bv≦1の範囲しか適正露出で表示できず、Bvが1<Bv≦4の範囲は露出オーバーで表示されてしまう。なお、図26のライブビュー用のプログラム線図に示したTvは、合成画像であるライブビュー画像の明るさに対応するTvを示している。
【0009】
本発明は、上記実状に鑑み、ライブビュー表示において、シャッタースピードを低速に設定した場合の撮影効果を得ることができると共に適切な明るさの画像を得ることができる画像合成処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、複数の撮像フレーム画像を合成する画像合成処理方法において、合成画像の明るさを特定の明るさにするための合成方法を設定するステップと、特定の時間間隔で繰り返し撮像された複数の撮像フレーム画像を、設定された上記合成方法に従って合成することにより、特定の明るさの表示フレーム画像を生成するステップと、を具備する画像合成処理方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に依れば、ライブビュー表示において、シャッタースピードを低速に設定した場合の撮影効果を得ることができると共に適切な明るさの画像を得ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る撮像装置であるカメラの構成例を示す図である。
図2】カメラにおいて実行されるメイン処理の流れを示すフローチャートである。
図3】第1の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理(S204)の流れを示すフローチャートである。
図4図3に示した静止画撮影待機動作処理に従って行われるライブビュー動作のタイミングチャートである。
図5図3に示した静止画撮影待機動作処理の実行中における、撮像フレームと合成フレームの関係を示す概念図である。
図6】ライブビュー更新(S313)で液晶モニター又は電子ビューファインダーに表示されたライブビュー画像の一例を模式的に示す図である。
図7】第1の実施形態に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の他の例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の他の例を示す図である。
図10図3に示した静止画撮影待機動作処理の実行中において、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されたとき及びオフに設定されたときの、撮像フレームと合成フレームの関係を示す概念図である。
図11図10に示した概念図において、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されたときの動作及びオフに設定されたときの動作を変形したときの概念図である。
図12図3に示した静止画撮影待機動作処理の実行中において、撮影時シャッタースピードが、より低速に変更されたときの、撮像フレームと合成フレームの関係を示す概念図である。
図13】第2の実施形態に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。
図14】第2の実施形態に係る、重み付け加算合成処理で使用される重みWとBvの関係の一例を示す図である。
図15】第2の実施形態の変形例に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。
図16】第2の実施形態の変形例に係る、重み付け加算合成処理で使用される重みWとBvの関係の一例を示す図である。
図17】S314で検出された被写体輝度に対応するBvの値のフレーム毎の変化の一例を示す図である。
図18】第3の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理(S204)の流れを示すフローチャートである。
図19】第3の実施形態に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。
図20】第4の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理(S204)の流れを示すフローチャートである。
図21】第4の実施形態に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。
図22】第5の実施形態に係る静止画撮影動作処理(S205)の流れを示すフローチャートである。
図23】第5の実施形態に係る、静止画用のプログラム線図と静止画合成用のプログラム線図の一例を示す図である。
図24】第6の実施形態に係る動画撮影待機動作処理(S207)の流れを示すフローチャートである。
図25】第6の実施形態に係る動画撮影動作処理(S208)の流れを示すフローチャートである。
図26】静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る撮像装置であるカメラの構成例を示す図である。
【0014】
図1に示したとおり、カメラ100は、レンズユニット200がボディユニット300に装着された構成を有する。ボディユニット300は、レンズユニット200を着脱自在に構成されている。ボディユニット300へのレンズユニット200の装着は、ボディユニット300に設けられたボディ側マウント部301とレンズユニット200に設けられたレンズ側マウント部201とが互いに勘合することに依り行われる。これに依り、レンズユニット200がボディユニット300に固定されると共に、レンズユニット200に設けられたレンズ側通信コネクタ202とボディユニット300に設けられたボディ側通信コネクタ302とが電気的に接続され、レンズユニット200とボディユニット300との間で通信が可能になる。
【0015】
レンズユニット200は、撮影レンズ203、レンズ駆動回路204、絞り205、絞り駆動回路206、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)207、及びレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下「LCPU」と称す)208を含む。
【0016】
撮影レンズ203は、被写体の光学像である被写体像を撮像素子306の撮像面に結像する。図1では、説明の便宜上、撮影レンズ203を1つのレンズとして示すが、実際には、フォーカスレンズやズームレンズを含む複数のレンズから構成されている。
【0017】
レンズ駆動回路204は、LCPU208の制御の下、撮影レンズ203に含まれるフォーカスレンズやズームレンズを駆動する。レンズ駆動回路204は、ステッピングモータやモータドライバを含んで構成される。モータドライバは、「モータドライブ回路」とも称す。
【0018】
絞り205は、開口面積を変化させることに依り、撮像面に結像される被写体像の光量を調整する。これに依り、露出の調整が行われる。
絞り駆動回路206は、LCPU208の制御の下、絞り205を駆動する。絞り駆動回路206は、ステッピングモータやモータドライバを含んで構成される。
【0019】
EEPROM207は、レンズユニット200の動作を制御するプログラムや、そのプログラムの実行に必要なデータや、レンズユニット200に関する情報等を記憶する。レンズユニット200に関する情報は、撮影レンズ203の情報を含む。
【0020】
LCPU208は、例えばCPU(Central Processing Unit)といったプロセッサを含み、EEPROM207に記憶されたプログラムを実行する。これに依り、LCPU208は、レンズ側通信コネクタ202を経由してボディ制御用マイクロコンピュータ(以下「BCPU」と称す)327と通信を行い、BCPU327の制御の下、レンズユニット200の各部を制御してレンズユニット200の全体動作を制御する。なお、LCPU208は、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)又はFPGA(field-programmable gate array)等の専用回路に依り構成されてもよい。
【0021】
ボディユニット300は、シャッター303、シャッターチャージ機構304、シャッター制御回路305、撮像素子306、撮像素子インターフェース回路(以下「撮像素子I/F回路」と称す)307、画像処理コントローラ308、記録メディア309、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)310、FLASH ROM(Read Only Memory)(以下「フラッシュROM」と称す)311、外部出力端子312、液晶モニター313、電子ビューファインダー314、撮像ステージ315、撮像ステージ駆動回路316、姿勢変化検出部317、防振制御回路318、ストロボ319、ストロボ駆動回路320、電源回路321、電池322、無線回路323、動作表示部324、カメラ操作SW(switch)325、EEPROM326、及びBCPU327を含む。
【0022】
シャッター303は、先幕3031及び後幕3032の開閉動作を行うことに依り、撮像素子306の撮像面を露光状態又は遮光状態にする。シャッター303は、例えばフォーカルプレーンシャッターである。
【0023】
シャッターチャージ機構304は、BCPU327の制御の下、シャッター303の先幕3031と後幕3032を駆動するバネをチャージする。
シャッター制御回路305は、BCPU327の制御の下、シャッター303の動作を制御する。詳しくは、先幕3031と後幕3032の動作を制御する。
【0024】
撮像素子306は、撮像面に結像された被写体像を電気信号に変換する。すなわち、被写体像を撮像する。撮像素子306は、例えばCCD(charge coupled device)又はCMOS(complementary metal oxide semiconductor)等のイメージセンサである。
【0025】
撮像素子I/F回路307は、BCPU327の制御の下、撮像素子306の動作を制御すると共に、撮像素子306から出力される画像信号を画像処理コントローラ308へ出力する。なお、BCPU327に依る撮像素子I/F回路307の制御は、画像処理コントローラ308を経由して行われる。
【0026】
画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、撮像素子306から出力された画像信号に対してγ補正、色変換、デモザイキング等の各種の画像処理を施して画像データ(以下単に「画像」とも称す)を生成する。例えば、ライブビュー用に適した画像処理を施してライブビュー用の画像を生成したり、記録用に適した画像処理を施して記録用の画像を生成したりする。なお、ライブビュー用に適した画像処理や記録用に適した画像処理を現像処理とも称す。また、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、BCPU327に依り設定された合成処理方法に従って合成画像データ(以下単に「合成画像」とも称す)を生成する。また、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、生成した合成画像に対し、ライブビュー用に適した画像処理を施してライブビュー用の画像を生成したり、記録用に適した画像処理を施して記録用の画像を生成したりする。また、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、記録メディア309に記録された画像に対して伸張処理を含む画像処理を施して再生用の画像を生成する。なお、画像処理コントローラ308は、ASICやFPGA等の専用回路に依り構成されてもよいし、例えばCPUといったプロセッサを含んで構成されてもよい。
【0027】
記録メディア309は、ボディユニット300に対して着脱自在なSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の不揮発性の記録媒体である。なお、記録メディア309は、ボディユニット300に内蔵されたハードディスクや半導体メモリ等でもよい。記録メディア309は、例えば、画像処理コントローラ308に依り生成された画像を記録する。
【0028】
SDRAM310は、画像処理コントローラ308のワークエリアとして使用され、例えば、画像処理コントローラ308に依る処理中の画像が一時的に格納される。
フラッシュROM311は、画像処理コントローラ308に依る画像処理に必要な各種パラメータ等を記憶する。なお、画像処理コントローラ308がプロセッサを含んで構成される場合は、フラッシュROM311が、そのプロセッサに依り実行されるプログラムや、そのプログラムの実行に必要なデータ等を記憶してもよい。
【0029】
外部出力端子312は、ケーブルを経由して外部装置と接続され、例えば、画像処理コントローラ308に依り生成された画像を外部装置へ出力する。
液晶モニター313は、画像処理コントローラ308に依り生成された画像や各種情報等を表示する。
【0030】
電子ビューファインダー314は、液晶モニター313と同様に、画像処理コントローラ308に依り生成された画像や各種情報等を表示する。
撮像ステージ315は、撮像素子306を撮像面に平行な方向へ移動させると共に、撮像素子306を、撮像面に直交する軸を回転軸として回転させる駆動機構である。撮像ステージ315は、撮像素子306を平行移動及び回転させるための複数のアクチュエータを含んで構成される。複数のアクチュエータは、例えばVCM(Voice Coil Motor)である。
【0031】
撮像ステージ駆動回路316は、BCPU327及び防振制御回路318の制御の下、撮像ステージ315を駆動する。
姿勢変化検出部317は、カメラ100の姿勢変化を検出する。姿勢変化検出部317は、Y方向Gセンサ3171、X方向Gセンサ3172、ピッチジャイロセンサ(以下単に「ピッチジャイロ」と称す)3173、ヨージャイロセンサ(以下単に「ヨージャイロ」と称す)3174、ロールジャイロセンサ(以下単に「ロールジャイロ」と称す)3175を含む。なお、本実施形態では、撮影レンズ203の光軸方向をZ方向とし、その光軸方向に直交し且つ互いに直交する2つの方向である水平方向及び垂直方向をX方向及びY方向とする。
【0032】
Y方向Gセンサ3171は、カメラ100のY方向の加速度を検出する。
X方向Gセンサ3172は、カメラ100のX方向の加速度を検出する。
ピッチジャイロ3173は、カメラ100のピッチ方向の回転角速度を検出する。ここで、カメラ100のピッチ方向の回転角速度は、X方向の軸を回転軸とするカメラ100の回転角速度でもある。
【0033】
ヨージャイロ3174は、カメラ100のヨー方向の回転角速度を検出する。ここで、カメラ100のヨー方向の回転角速度は、Y方向の軸を回転軸とするカメラ100の回転角速度でもある。
【0034】
ロールジャイロ3175は、カメラ100のロール方向の回転角速度を検出する。ここで、カメラ100のロール方向の回転角速度は、Z方向の軸を回転軸とするカメラ100の回転角速度でもある。
【0035】
防振制御回路318は、BCPU327の制御の下、姿勢変化検出部317の検出結果であるY方向Gセンサ3171、X方向Gセンサ3172、ピッチジャイロ3173、ヨージャイロ3174、及びロールジャイロ3175の各検出結果に基づいて、撮像ステージ駆動回路316を制御することに依り、撮像素子306の撮像面に結像されている被写体像の像ぶれを打ち消す方向に撮像素子306を移動させる。
【0036】
ストロボ319は、露光動作であるシャッター303の動作に同期して発光する。ストロボ319は、光源として、例えばキセノンランプ又はLED(Light Emitting Diode)を含む。
【0037】
ストロボ駆動回路320は、BCPU327の制御の下、ストロボ319を駆動して発光させる。
電源回路321は、BCPU327の制御の下、電池322の電圧を、カメラ100の各部の回路が必要とする電圧に変換して供給する。
【0038】
無線回路323は、BCPU327の制御の下、図示しない外部装置と無線通信を行い、例えば、画像処理コントローラ308に依り生成された画像を外部装置へ出力する。
動作表示部324は、カメラ100の動作状態をユーザに通知するためのLEDを備え、BCPU327の制御の下、カメラ100の動作状態に応じてLEDを点灯又は消灯させる。
【0039】
カメラ操作SW325は、カメラ100の電源をオン状態又はオフ状態へ切り換えるための指示入力を受け付ける電源スイッチ(以下「電源SW」と称す)、撮影指示入力を受け付けるレリーズスイッチ、動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、又は再生モードへ切り換えるための指示入力を受け付けるモード切換スイッチ、メニュー画面を表示する指示入力を受け付けるメニュースイッチ、メニュー画面上の項目を選択する指示入力を受け付ける選択スイッチ、選択された項目を確定する指示入力を受け付ける確定スイッチ等の各種スイッチを備える。メニュー画面は、液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に表示される。例えば、撮影時のシャッタースピードや露出等の撮影条件は、メニュースイッチ、選択スイッチ、及び確定スイッチの操作に依り、メニュー画面から入力、設定が可能である。なお、撮影時のシャッタースピードは、撮影時の露光時間に対応する。
【0040】
EEPROM326は、カメラ100の動作を制御するプログラムや、そのプログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。
BCPU327は、例えばCPUといったプロセッサを含み、EEPROM326に記憶されたプログラムを実行する。これに依り、BCPU327は、ボディ側通信コネクタ302を経由してLCPU208と通信を行うと共に、カメラ100の各部を制御してカメラ100の全体動作を制御する。例えば、カメラ操作SW325の操作に依り入力された撮影時のシャッタースピードや露出等の撮影条件の設定や、画像処理コントローラ308に対する合成処理方法の設定は、BCPU327に依り行われる。なお、BCPU327は、例えば、ASIC又はFPGA等の専用回路に依り構成されてもよい。
【0041】
次に、カメラ100において実行される処理について説明する。
カメラ100において実行される処理は、BCPU327の制御の下に行われる。
図2は、カメラ100において実行されるメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
図2に示したとおり、メイン処理では、まずS201において、BCPU327は、カメラ操作SW325の電源SWに依り、カメラ100の電源がオン状態にされたか否かを判定する。
【0043】
S201の判定結果がNOの場合は、S201の判定を繰り返す。
一方、S201の判定結果がYESの場合、S202において、BCPU327は、カメラ初期化処理を行う。この処理では、例えば、レンズユニット200に関する情報をLCPU208から取得する等の処理が行われる。
【0044】
S203において、BCPU327は、設定されている動作モードが、静止画撮影モード、動画撮影モード、及び再生モードのいずれであるかを判定する。なお、動作モードの切り換えは、カメラ操作SW325のモード切換スイッチに依り行われる。
【0045】
S203の判定結果が静止画撮影モードである場合、S204において、BCPU327は、静止画撮影待機動作処理を行う。この処理の詳細は、図3を用いて後述する。
S204の処理中において静止画撮影指示が為されると、S205において、BCPU327は、静止画撮影動作処理を行う。本実施形態では、設定されているシャッタースピード、露出等の撮影条件に従って被写体の静止画を撮影し、その静止画を記録メディア309に記録する、という静止画撮影動作を行うための処理が行われる。
【0046】
S206において、BCPU327は、静止画撮影動作が終了したか否かを判定する。
S206の判定結果がNOの場合は、S206の判定を繰り返す。
一方、S206の判定結果がYESの場合は、処理がS212へ進む。
【0047】
S203の判定結果が動画撮影モードである場合、S207において、BCPU327は、動画撮影待機動作処理を行う。本実施形態では、被写体像を撮像して液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に表示する、という動作を繰り返すための処理が行われる。
【0048】
S207の処理中において動画撮影開始指示が為されと、S208において、BCPU327は、動画撮影動作処理を行う。本実施形態では、動画撮影終了指示が為されるまで、設定されているシャッタースピードや露出等の撮影条件に従って被写体の動画を撮影し、その動画を記録メディア309に記録する、という動画撮影動作を行うための処理が行われる。
【0049】
S209において、BCPU327は、動画撮影動作が終了したか否かを判定する。
S209の判定結果がNOの場合は、S209の判定を繰り返す。
一方、S209の判定結果がYESの場合は、処理がS212へ進む。
【0050】
S203の判定結果が再生モードである場合、S210において、BCPU327は、再生モード動作処理を行う。この処理では、例えば、記録メディア309に記録されている画像データを液晶モニター313に表示する、という再生モード動作を行うための処理が行われる。
【0051】
S211において、BCPU327は、再生モード動作が終了したか否かを判定する。
S211の判定結果がNOの場合は、S211の判定を繰り返す。
一方、S211の判定結果がYESの場合は、処理がS212へ進む。
【0052】
S212において、BCPU327は、カメラ操作SW325の電源SWに依り、カメラ100の電源がオフ状態にされたか否かを判定する。
S212の判定結果がNoの場合は、処理がS203へ戻る。
【0053】
一方、S212の判定結果がYESの場合、S213において、BCPU327は、終了処理を行い、そして図2に示したメイン処理が終了する。
図3は、静止画撮影待機動作処理(S204)の流れを示すフローチャートである。
【0054】
図3に示したとおり、静止画撮影待機動作処理では、まずS301において、BCPU327は、初期化処理を行う。この処理では、バッファクリア処理等が行われる。バッファクリア処理とは、SDRAM310をクリアする処理のことである。
【0055】
S302において、BCPU327は、長秒時フラグを0に設定する。長秒時フラグは、長秒時ライブビュー機能がオフに設定されているときに0に設定され、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されているときに1に設定されるフラグである。長秒時ライブビュー機能とは、長秒時の撮影時シャッタースピードに依る効果を撮影前に確認することができる機能のことであり、以下では単に「長秒時ライブビュー」とも称す。ここで想定される長秒時の撮影時シャッタースピードは、ライブビュー用のフレームレートに対応するシャッタースピードよりも低速のシャッタースピードである。例えば、ライブビュー用のフレームレートが120フレーム/秒であるとすると、想定される長秒時の撮影時シャッタースピードは、1/120よりも低速なシャッタースピードとなる。長秒時ライブビュー機能のオン又はオフは、カメラ操作SW325のメニュースイッチ、選択スイッチ、及び確定スイッチに依りメニュー画面から設定することができる。なお、この機能のオン又はオフは、メニュー画面から設定されるのではなく、専用のスイッチを用いて設定されてもよい。この場合は、カメラ操作SW325が、長秒時ライブビュー機能のオン又はオフを選択するための指示入力を受け付けるスイッチを備えてもよい。あるいは、そのスイッチの押下時のみ、もしくは、レリーズスイッチの半押下時のみ、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されてもよい。
【0056】
S303において、BCPU327は、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されているか否かを判定する。
S303の判定結果がYESの場合、S304において、BCPU327は、長秒時フラグを1に設定し、処理がS305へ進む。
【0057】
一方、S303の判定結果がNOの場合は、処理がS305へ進む。
S305において、BCPU327は、ライブビュー用の撮像素子駆動処理を開始する。ライブビュー用の撮像素子駆動処理とは、ライブビュー用のフレームレートに従って、被写体像の撮像及び画像信号の出力を繰り返す処理のことである。
【0058】
S306において、撮像素子I/F回路307は、BCPU327の制御の下、撮像素子306から1フレーム分の画像信号を読み出して画像処理コントローラ308へ出力する。これは、撮像素子I/F回路307が、撮像素子306から出力された1フレーム分の画像信号を画像処理コントローラ308へ出力することでもある。
【0059】
S307において、BCPU327は、当該S307の処理が、図3に示した静止画撮影待機動作処理の開始後に初めて行われるものであるか否かを判定する。
S307の判定結果がYESの場合は、処理がS314へ進む。
【0060】
一方、S307の判定結果がNOの場合、S308において、BCPU327は、長秒時フラグが1に設定されているか否かを判定する。
S308の判定結果がNOの場合は、処理がS312へ進む。
【0061】
一方、S308の判定結果がYESの場合、S309において、BCPU327は、合成枚数を算出する。合成枚数は、後述する画像合成処理(S311)において、合成画像の生成に用いられる画像の数である。合成枚数は、例えば、撮像素子306の1フレームの露光時間を、1/(ライブビュー用のフレームレート)とすると、(設定されている撮影時シャッタースピード)/(1/(ライブビュー用のフレームレート))に依り算出される。例えば、設定されている撮影時シャッタースピードが1/15秒、ライブビュー用のフレームレートが120フレーム/秒であるとすると、(1/15)/(1/120)=8となり、合成枚数が8となる。但し、この算出方法では、算出結果の値が小数点以下を含む場合があり、必ずしも整数値にはならない。そこで、算出結果の値が小数点以下を含む場合は、小数点以下を切り捨て、切り上げ、又は四捨五入する等して、算出結果の値が整数値にされる。あるいは、算出結果の値が整数値にするために、ライブビュー用のフレームレートを変更してもよい。
【0062】
S310において、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、S306で撮像素子306から読み出された画像信号に応じた画像を、SDRAM310に格納する、という画像バッファリングを行う。このときにSDRAM310に格納された画像を、以下、「バッファリング画像」とも称す。
【0063】
S311において、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、SDRAM310に格納されている合成枚数分のバッファリング画像を後述のS316で設定される合成処理方法に従って合成することに依り、設定されている撮影時シャッタースピードに対応する露光時間で露光された画像相当の画像となる合成画像を生成する、という画像合成処理を行う。ここで、合成枚数は、S309で算出された合成枚数である。また、設定されている撮影時シャッタースピードに対応する露光時間で露光された画像相当の画像とは、擬似的にシャッタースピードを撮影時シャッタースピードまで延ばした場合の画像のことでもある。
【0064】
但し、S311において、合成枚数分のバッファリング画像がSDRAM310に格納されていない場合、又は、S309で算出された合成枚数が1以下の場合は、合成画像の生成を行わず、処理がS312へ進む。
【0065】
S311において合成画像の生成が行われる場合、合成画像の生成に用いられる合成枚数分のバッファリング画像は、SDRAM310に最後に格納されたバッファリング画像をi番目に格納されたバッファリング画像とし、S309で算出された合成枚数をNとすると、i-N+1番目からi番目までに格納されたN個のバッファリング画像となる。また、合成画像の生成は、合成枚数分のバッファリング画像を、BCPU327に依り設定された合成処理方法に従って合成することに依り行われるものであるが、その詳細については後述する。
【0066】
S312において、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、現像処理を行う。詳しくは、S311の後のS312では、S311で生成された合成画像に対して現像処理を行う。但し、S311で合成画像の生成が行われていない場合には、S310でSDRAM310に最後に格納されたバッファリング画像に対して現像処理を行う。一方、S308の判定結果がNOである場合のS312では、S306で読み出された画像信号に応じた画像に対して現像処理を行う。なお、S312で現像処理が行われた画像は、ライブビュー画像でもある。
【0067】
S313において、BCPU327は、S312で現像処理が行われた画像を、液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に表示する、或いは、液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に表示されている画像を、S312で現像処理が行われた画像へ置き換える、というライブビュー更新処理を行う。なお、S312で現像処理が行われた画像の表示先又は出力先は、液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に限らず、外部表示装置であってもよい。この場合、その外部表示装置は、外部出力端子312に接続された外部表示装置であってもよいし、無線回路323を介して無線接続された外部表示装置であってもよい。
【0068】
S314において、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、被写体輝度を検出する。被写体輝度の検出は、例えば、S306で読み出された画像信号に基づいて行われる。
【0069】
S315において、BCPU327は、長秒時フラグが1に設定されているか否かを判定する。
S315の判定結果がNOの場合は、処理がS317へ進む。
【0070】
一方、S315の判定結果がYESの場合、S316において、BCPU327は、次回の画像合成処理(S311)で用いられる合成処理方法を決定し、画像処理コントローラ308に設定する。合成処理方法は、設定されている撮影時シャッタースピードに対応するライブビュー用のプログラム線図と、S314で検出された被写体輝度に対応するBvの値とに基づいて決定される。ライブビュー用のプログラム線図は、長秒時ライブビューにおいて適正露出を得るためのBv、Sv、Av、及びTvbの関係を示すと共に合成処理方法を指定するものである。ここで、Tvbは、合成画像であるライブビュー画像の明るさに対応するTvを示している。ライブビュー用のプログラム線図は、設定可能な撮影時シャッタースピード毎に用意され、例えばフラッシュROM311に予め記憶されている。あるいは、基準となる撮影時シャッタースピードに対応するプログラム線図のみを記憶しておき、他の撮影時シャッタースピードに対応するプログラム線図は、基準となるプログラム線図に基づいて計算に依り求めてもよい。ライブビュー用のプログラム線図の詳細については後述する。S316の後は、処理がS317へ進む。
【0071】
S317において、BCPU327は、露出を設定する。詳しくは、S316の後のS317では、S316で使用したプログラム線図とBvの値とに基づいてAv及びSvの値を決定し、決定したAv及びSvの値に基づいて、絞り205の駆動及び撮像感度の設定を行う。絞り205の駆動は、決定したAvの値をLCPU208に通知し、そのAvの値に基づいてLCPU208が絞り駆動回路206を制御することに依って行われる。また、撮像感度の設定は、決定したSvの値に対応する撮像感度を、画像処理コントローラ308を経由して撮像素子I/F回路307に設定し、その設定に応じて撮像素子I/F回路307が撮像素子306を制御することに依って行われる。一方、SS315の判定結果がNOの場合のS317では、例えば、S314で検出された被写体輝度に基づいて、絞り205の駆動及び撮像感度の設定を行う。
【0072】
S318において、BCPU327は、静止画撮影指示が為されたか否かを判定する。なお、静止画撮影指示は、レリーズスイッチに依り行うことができる。
S318の判定結果がNOの場合は、処理がS306へ戻る。
【0073】
一方、S318の判定結果がYESの場合、S319において、BCPU327は、S305で開始したライブビュー用の撮像素子駆動処理を終了し、図3に示した静止画撮影待機動作処理を終了する。
【0074】
図4は、図3に示した静止画撮影待機動作処理に従って行われるライブビュー動作のタイミングチャートである。但し、このライブビュー動作は、図3に示した静止画撮影待機動作処理において画像合成処理(S311)が繰り返し行われているときの動作を示している。
【0075】
図4に示したとおり、このライブビュー動作では、ライブビュー用のフレームレートに応じた垂直同期信号VDの立ち上がりに同期して、ライブビュー用のフレームレートに対応する露光時間の露光及び画像信号の出力が行われ、続いて、画像合成処理、現像処理が行われて、その処理結果である画像が表示される、といった一連の処理が繰り返し行われる。ここで、露光は撮像に対応し、処理結果である画像はライブビュー画像に対応し、その表示はライブビュー表示に対応する。
【0076】
図5は、図3に示した静止画撮影待機動作処理の実行中における、撮像フレームと合成フレームの関係を示す概念図である。但し、ここでは、静止画撮影待機動作処理の実行中において、合成枚数に変化が無いとし、合成画像を生成する画像合成処理(S311)が繰り返し行われているとする。また、ライブビュー用のフレームレートが120フレーム/秒であるとし、撮影時シャッタースピードとして1/15秒が設定されているとする。この場合は、撮像素子306の1フレームの露光時間を1/120秒とすると、(1/15)/(1/120)=8となり、合成枚数が8となる。
【0077】
図5に示したとおり、この場合は、合成枚数が8となるので、8枚の撮像フレーム画像を用いて表示フレーム画像の生成が行われる。なお、撮像フレーム画像は、バッファリング画像でもある。すなわち、8つのフレームを合成した合成フレームにおいて露光された8つの撮像フレーム画像を用いて、表示フレーム画像の生成が行われる。なお、表示フレーム画像は、現像処理(S312)の処理結果となる画像である。
【0078】
例えば、Nフレーム目の表示フレーム画像は、N-7フレーム目からNフレーム目までのフレームを合成した合成フレームにおいて露光された8つの撮像フレーム画像を用いて生成、表示され、N+1フレーム目の表示フレーム画像は、N-6フレーム目からN+1フレーム目までのフレームを合成した合成フレームにおいて露光された8つの撮像フレーム画像を用いて生成、表示され、という方式で合成するフレームをずらしながら、表示フレーム画像の更新が行われる。
【0079】
図6は、ライブビュー更新(S313)で液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に表示されたライブビュー画像の一例を模式的に示す図である。
図6の左側に示したライブビュー画像は、長秒時ライブビュー機能がオフに設定されているときに表示されたライブビュー画像である。このライブビュー画像は、画像信号に応じた画像に現像処理が行われた画像であり、所謂、通常時のライブビュー画像である。
【0080】
図6の右側に示したライブビュー画像は、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されているときに表示されたライブビュー画像である。このライブビュー画像は、合成画像に現像処理が行われた画像である。
【0081】
図6に示したとおり、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されているときのライブビュー画像に依るライブビュー表示に依れば、長秒時の撮影時シャッタースピードに依る効果を撮影前に確認することができる。
【0082】
次に、図7を用いて、合成処理方法設定(S316)及び露出設定(S317)の一例を説明する。
図7は、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。なお、図7に示した静止画撮影用のプログラム線図は、図26に示した静止画撮影用のプログラム線図と同じものである。
【0083】
この例では、ライブビュー用のフレームレートが64フレーム/秒であるとし、撮影時シャッタースピードとして1秒が設定されているとする。なお、64フレーム/秒のライブビュー用のフレームレートは、1/64秒のシャッタースピード、Tv=6に相当し、1秒の撮影時シャッタースピードは、Tv=0に対応する。
【0084】
この例の場合、静止画撮影では、図7の静止画撮影用のプログラム線図に示したとおり、Bvが-9から4までの範囲で適正露出の撮影が可能である。これに対し、長秒時ライブビューでは、合成処理方法として加算合成処理が設定されて合成画像の生成が行われる場合は、図7のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、Bvが-9から1までの範囲でしか適正露出のライブビュー画像が得られない。なお、これについては、図26を用いて説明したとおりである。
【0085】
そこで、合成処理方法設定(S316)では、図7のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次の合成処理方法が設定される。
【0086】
Bvの値が-9≦Bv≦1のときは、加算合成処理が設定される。
Bvの値が1<Bv≦4のときは、平均合成処理が設定される。
平均合成処理では、被写体の動きとして、Tv=0相当のスローシャッター効果を得ることができ、ライブビュー用のフレームレートにおける1フレーム分の画像の明るさとしてTv=6相当の明るさが維持されるため、Bvが1<Bv≦4の範囲でも適正露出の画像を得ることができる。
【0087】
なお、加算合成処理では、対応する画素毎に画素値の累積加算を行うことに依って合成画像が生成され、平均合成処理では、対応する画素毎に画素値の平均を算出することに依って合成画像が生成される。
【0088】
露出設定(S317)では、図7のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、Bvの値に応じて、次のSv及びAvの値が決定され、その値に応じて露出が設定される。
【0089】
Bvの値が-9≦Bv≦-3のときは、Sv=-Bv+2、Av=2に決定される。
Bvの値が-3<Bv≦1のときは、Sv=5、Av=Bv+5に決定される。
Bvの値が1<Bv≦3のときは、Sv=-Bv+8、Av=2に決定される。
【0090】
Bvの値が3<Bv≦4のときは、Sv=5、Av=Bv-1に決定される。
次に、図8を用いて、撮影時シャッタースピードが変更された場合の、合成処理方法設定(S316)及び露出設定(S317)の一例を説明する。
【0091】
図8は、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の他の例を示す図である。
この例では、撮影時シャッタースピードが1秒から1/4秒へ変更されたとする。1/4秒の撮影時シャッタースピードは、Tv=2に対応する。この例では、Tvの値が0から2へ2段シフトすることから、図8のプログラム線図に示したとおり、図7に示したプログラム線図に対して、合成処理方法及び露出を決定するBvの値もシフトする。
【0092】
そこで、合成処理方法設定(S316)では、図8のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次の合成処理方法が設定される。
【0093】
Bvの値が-7≦Bv≦3のときは、加算合成処理が設定される。
Bvの値が3<Bv≦6のときは、平均合成処理が設定される。
露出設定(S317)では、図8のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、Bvの値に応じて、次のSv及びAvの値が決定され、その値に応じて露出が設定される。
【0094】
Bvの値が-7≦Bv≦-1のときは、Sv=-Bv+4、Av=2に決定される。
Bvの値が-1<Bv≦3のときは、Sv=5、Av=Bv+3に決定される。
Bvの値が3<Bv≦6のときは、Sv=5、Av=Bv-1に設定される。
【0095】
図7及び図8を用いて説明した、合成処理方法設定(S316)及び露出設定(S317)では、合成処理方法として加算合成処理を積極的に設定する例を示したが、例えば、長秒時ライブビューの画質を優先する場合には、平均合成処理を積極的に設定した方がよい。ここで、図9を用いて、平均合成処理を積極的に設定する場合の、合成処理方法設定(S316)及び露出設定(S317)の一例を説明する。
【0096】
図9は、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の他の例を示す図である。
この例でも、ライブビュー用のフレームレートが64フレーム/秒であるとし、撮影時シャッタースピードとして1秒が設定されているとする。
【0097】
この例の場合、合成処理方法設定(S316)では、図9のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次の合成処理方法が設定される。
【0098】
Bvの値が-9≦Bv<-3のときは、加算合成処理が設定される。
Bvの値が-3≦Bv≦4のときは、平均合成処理が設定される。
露出設定(S317)では、図9のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、Bvの値に応じて、次のSv及びAvの値が決定され、その値に応じて露出が設定される。
【0099】
Bvの値が-9≦Bv<-3のときは、Sv=-Bv+2、Av=2に決定される。
Bvの値が-3≦Bv<3のときは、Sv=-Bv+8、Av=2に決定される。
Bvの値が3≦Bv≦4のときは、Sv=5、Av=Bv-1に決定される。
【0100】
なお、合成処理方法設定(S316)及び露出設定(S317)で使用されるライブビュー用のプログラム線図は、図7図8、及び図9を用いて説明したものに限定されるものではない。
【0101】
図10は、図3に示した静止画撮影待機動作処理の実行中において、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されたとき及びオフに設定されたときの、撮像フレームと合成フレームの関係を示す概念図である。但し、ここでは、静止画撮影待機動作処理の実行中において、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されてからオフに設定されるまでの間は、合成枚数に変化が無いとし、画像合成処理(S311)が繰り返し行われるとする。また、このときの合成枚数を4とする。
【0102】
図10に示したとおり、この場合は、長秒時ライブビュー機能がオフに設定されている間は、通常のライブビュー動作が行われる。通常のライブビュー動作とは、S303、S308、及びS315の判定結果がNOの場合の動作である。そして、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されると、その時点を示す「開始トリガー」の後、合成枚数分の4つの撮像フレーム画像が揃ったところで、その4つの撮像フレーム画像を用いて表示フレーム画像の生成、表示が行われる。ここで、その4つの撮像フレーム画像は、N+2フレーム目からN+5フレーム目までの合成フレームにおいて露光された4つの撮像フレーム画像である。なお、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されてから4つの撮像フレーム画像が揃う前までの間は、通常のライブビュー動作と同じ動作が行われる。その後、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されている間は、図5に示したものと同様に、合成するフレームをずらしながら、表示フレーム画像の更新が行われる。そして、長秒時ライブビュー機能がオフに設定されると、その時点を示す「終了トリガー」の後、速やかに通常のライブビュー動作に戻る。
【0103】
図11は、図10に示した概念図において、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されたときの動作及びオフに設定されたときの動作を変形したときの概念図である。
図11に示したとおり、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されてから合成枚数分の撮像フレーム画像が揃う前までの間は、1フレーム毎に、合成する撮像フレーム画像数を1つずつ増加させながら合成画像となる表示フレーム画像の生成を行ってもよい。また、長秒時ライブビュー機能がオフに設定されたときは、1フレーム毎に、合成する撮像フレーム画像数を1つずつ減少させながら合成画像となる表示フレーム画像の生成を行ってもよい。
【0104】
あるいは、図10の概念図に示した動作と図11に示した概念図の動作とを組み合わせてもよい。
図12は、図3に示した静止画撮影待機動作処理の実行中において、撮影時シャッタースピードが、より低速に変更されたときの、撮像フレームと合成フレームの関係を示す概念図である。但し、ここでは、静止画撮影待機動作処理の実行中において、画像合成処理(S311)が繰り返し行われているとする。また、撮影時シャッタースピードが、より低速に変更されたことに伴って、合成枚数が4から6へ変更されたとする。
【0105】
図12に示したとおり、この場合は、撮影時シャッタースピードが変更された時点でSDRAM310がクリアされ、その後、変更後の合成枚数分の6つの撮像フレーム画像が揃う前までの間は、1フレーム毎に、合成する撮像フレーム画像数を1つずつ増加させながら合成画像となる表示フレーム画像の生成、表示が行われる。その後、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されている間は、図5に示したものと同様に、合成するフレームをずらしながら、表示フレーム画像の更新が行われる。
【0106】
また、図示はしないが、撮影時シャッタースピードが変更された時点でSDRAM310のクリアを行わず、その時点から、変更後の合成枚数分の6つの撮像フレーム画像が揃う前までの間は、1フレーム毎に、合成する撮像フレーム画像数を1つずつ増加させながら合成画像となる表示フレーム画像の生成、表示が行われてもよい。
【0107】
また、図示はしないが、撮影時シャッタースピードが、より高速に変更され、それに伴い合成枚数が減少する方向に変更された場合は、撮影時シャッタースピードが変更された時点から、1フレーム毎に、合成する撮像フレーム画像数を、変更後の合成枚数になるまで1つずつ減少させながら合成画像となる表示フレーム画像の生成、表示が行われる。
【0108】
以上のとおり、第1の実施形態に依れば、設定されている撮影時シャッタースピードが低速であっても、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されていれば、ライブビュー表示において、その撮影時シャッタースピードのよる効果を確認することができると共に適切な明るさのライブビュー画像を表示することもできる。
【0109】
なお、本実施形態において、ライブビュー動作中は、画像信号の読み出しが連続的に行われる為、電子シャッターが用いられる。電子シャッターは、撮像素子306が有する電子シャッター機能に依り実現され、BCPU327の制御の下、撮像素子I/F回路307に依り制御される。
【0110】
また、本実施形態において、ライブビュー動作中の各フレームの非露光時間が長いと、画像合成処理(S307)に依り生成される合成画像が、動体領域において違和感のある画像になってしまう虞がある。そこで、ライブビュー動作中の撮像時シャッタースピードは、合成画像の生成に用いられる複数のバッファリング画像が取得される複数のフレームにおける各フレームの露光時間が不連続となるのを防止するため、上述のとおり1/(ライブビュー用のフレームレート)、又は、それにできるだけ近い値とされる。例えば、ライブビュー用のフレームレートが120フレーム/秒である場合は、ライブビュー動作中の撮像時シャッタースピードが1/120秒とされる。
【0111】
また、本実施形態において、設定されている撮影時シャッタースピードが、例えば1/(ライブビュー用のフレームレート)以上といった高速である場合は、撮影時シャッタースピードを忠実に再現するために、撮像時シャッタースピードを、撮影時シャッタースピードに合わせてもよい。あるいは、撮影時シャッタースピードが高速である場合は、ライブビュー表示において撮影時シャッタースピードに依る見え方の違いがほとんど無いため、ライブビュー表示の見易さを鑑みて、通常時のライブビュー動作と同様に撮像時シャッタースピードを制御してもよい。
<第2の実施形態>
【0112】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この説明では、第1の実施形態に対して異なる点のみを説明する。また、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0113】
第1の実施形態で説明した、合成処理方法設定(S316)及び露出設定(S317)では、特定の輝度においてSvやAvの値がジャンプする場合があった。ライブビュー表示の見栄えやAF性能を考慮すると、SvやAvの値を連続的に変化させる方が好ましい。そこで、第2の実施形態では、合成処理方法として更に重み付け加算合成処理を設定可能にすることで、それを可能にした。
【0114】
加算合成、平均合成、及び重み付け加算合成の各処理は、次の演算式に依って定義することができる。
加算合成:S=I+I+I+…+I
【0115】
平均合成:S=I/N+I/N+I/N+…+I/N
重み付け加算合成:S=WI+WI+WI+…+WI
ここで、IはK番目の画像の画素値、Sは合成画像の画素値、Nは合成フレーム数、Wは重みである。
【0116】
図13及び図14を用いて、第2の実施形態に係る、合成処理方法設定(S316)及び露出設定(S317)の一例を説明する。
図13は、第2の実施形態に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。図14は、第2の実施形態に係る、重み付け加算合成処理で使用される重みWとBvの関係の一例を示す図である。
【0117】
この例では、図7を用いて説明した例と同様に、ライブビュー用のフレームレートが64フレーム/秒であるとし、撮影時シャッタースピードとして1秒が設定されているとする。
【0118】
この例において、第2の実施形態に係る合成処理方法設定(S316)では、図13のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次の合成処理方法が設定される。
【0119】
Bvの値が-9≦Bv≦-3のときは、加算合成処理が設定される。
Bvの値が-3<Bv<3のときは、重み付け加算合成処理が設定される。但し、このときの重みWは、図14に示したとおり、-logW=Bv+3という関係式を満たす値とされる。なお、この関係式は、例えば、図13に示したライブビュー用のプログラム線図に対応付けられてフラッシュROM311に記憶されている。
【0120】
Bvの値が3≦Bv≦4のときは、平均合成処理が設定される。
第2の実施形態に係る露出設定(S317)では、図13のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次のSv及びAvの値が決定される。
【0121】
Bvの値が-9≦Bv≦-3のときは、Sv=-Bv+2、Av=2に決定される。
Bvの値が-3<Bv<3のときは、Sv=5、Av=2に決定される。
Bvの値が3≦Bv≦4のときは、Sv=5、Av=Bv-1に決定される。
【0122】
重み付け加算合成処理では、平均合成処理と同様に、被写体の動きとして、Tv=0相当のスローシャッター効果を得ることができる。また、ライブビュー用のフレームレートにおける1フレーム分の画像の明るさは重みWに依って変化するため、SvやAvの値を維持しつつBvが-3から3の範囲でも適正露出の画像を得ることが可能になる。
【0123】
以上のとおり、第2の実施形態に依れば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、Bvの値に応じてSvやAvの値がジャンプすることがないので、ライブビュー表示の見栄えやAF性能に悪影響を及ぼす虞はない。
【0124】
なお、第2の実施形態において、例えば、静止画撮影時のシャッタースピード及び絞りに関わらず、常に適切な明るさのライブビュー画像を表示する構成とすることも可能である。これを、図15及び図16を用いて説明する。
【0125】
図15は、第2の実施形態の変形例に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。図16は、第2の実施形態の変形例に係る、重み付け加算合成処理で使用される重みWとBvの関係の一例を示す図である。
【0126】
ここで説明する例では、静止画撮影時のシャッタースピード及び絞りを、Tv=0に対応するシャッタースピード及びAv=5に対応する絞りであるとする。
この例において、第2の実施形態の変形例に係る合成処理方法設定(S316)では、図15のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次の合成処理方法が設定される。
【0127】
Bvの値がBv<-6のときは、重み付け加算合成処理が設定される。但し、このときの重みWは、図16に示したとおり、-logW=Bv+6という関係式を満たす値とされる。
【0128】
Bvの値が-6≦Bv≦0のときは、加算合成処理が設定される。
Bvの値が0<Bvのときは、重み付け加算合成処理が設定される。但し、このときの重みWは、図16に示したとおり、-logW=Bvという関係式を満たす値とされる。
【0129】
なお、図16に示した関係式は、例えば、図15に示したライブビュー用のプログラム線図に対応付けられてフラッシュROM311に記憶されている。
第2の実施形態の変形例に係る露出設定(S317)では、図15のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次のSv及びAvの値が決定される。
【0130】
Bvの値がBv<-6のときは、Sv=11、Av=5に決定される。
Bvの値が-6≦Bv≦0のときは、Sv=-Bv+5、Av=5に決定される。
Bvの値が0<Bvのときは、Sv=5、Av=5に決定される。
【0131】
この変形例に依れば、静止画撮影では-6≦Bv≦0の範囲でしか適正露出が得られないが、ライブビューではBvの全範囲で適正露出を得ることができる。加えて、撮影時シャッタースピードだけでなく被写界深度も静止画撮影と同等の画像をライブビュー表示することができる。
【0132】
また、第2の実施形態では、ライブビュー動作中に被写体輝度が時間的に変化すると、その変化のたびに画像合成処理(S311)で使用される合成処理方法が変更され、ライブビュー表示が安定しない虞があった。そこで、画像合成処理(S311)では、次に述べるとおり、ライブビュー表示の安定に好適な処理を行ってもよい。
【0133】
図17は、S314で検出された被写体輝度に対応するBvの値のフレーム毎の変化の一例を示す図である。ここで、フレームは、ライブビュー用のフレームレートにおけるフレームである。
【0134】
図17に示したとおり、この例では、iフレーム目以前はBv=-4であり、i+1フレーム目はBv=0であり、i+2フレーム目以降はBv=4である。
この場合、図13に示したライブビュー用のプログラム線図及び図14に示した重みWとBvの関係に従って、合成処理方法設定(S316)及び露出設定(S317)が行われるとすると、撮像及び画像合成処理(S311)が次のとおり行われる。
【0135】
iフレーム目までは、Bv=-4であるので、Sv=6に対応する感度、Av=2に対応する絞りで撮像し、64枚のバッファリング画像を加算合成する。これを式で表すと、S=Ii-63+Ii-62+…+Ii-1+Iとなる。
【0136】
i+1フレーム目では、Bv=0であるので、Sv=5に対応する感度、Av=2に対応する絞りで撮像し、i+1フレーム目のバッファリング画像のみを重み1/8で重み付け加算合成する。これを式で表すと、Si+1=Ii-62+Ii-61+…+I+(1/8)Ii+1となる。
【0137】
i+2フレーム目では、Bv=4であるので、Sv=5に対応する感度、Av=3に対応する絞りで撮像し、i+2フレーム目のバッファリング画像のみを平均合成する。これを式で表すと、Si+2=Ii-61+Ii-60+…+(1/8)Ii+1+Ii+2/64となる。
【0138】
i+3フレーム目では、Bv=4であるので、Sv=5に対応する感度、Av=3に対応する絞りで撮像し、i+2フレーム目とi+3フレーム目のバッファリング画像のみを平均合成する。これを式で表すと、Si+3=Ii-60+Ii-59+…+(1/8)Ii+1+Ii+2/64+Ii+3/64となる。
【0139】
以降、i+64フレーム目までは、同様の処理を繰り返す。
i+65フレーム目以降は、Bv=4であるので、Sv=5に対応する感度、Av=3に対応する絞りで撮像し、64枚のバッファリング画像を平均合成する。(Si+65=Ii+2/64+Ii+3/64+…+Ii+64/64+Ii+65/64)
【0140】
この処理に依り、ライブビュー表示を安定させることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この説明では、第1の実施形態に対して異なる点のみを説明する。また、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0141】
図18は、第3の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理(S204)の流れを示すフローチャートである。
図18に示したとおり、第3の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理は、図3に示した第1の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理に対して、S314の後であってS315の前に感度設定(S1801)が行われると共にS317の代わりに絞り設定(S1802)が行われる点が異なる。
【0142】
感度設定(S1801)では、BCPU327が、設定されている撮影時シャッタースピードに対応するライブビュー用のプログラム線図と、S314で検出された被写体輝度に対応するBvの値とに基づいて、Svの値を決定し、そのSvの値に対応する感度を設定する。
【0143】
絞り設定(S1802)では、BCPU327が、設定されている撮影時シャッタースピードに対応するライブビュー用のプログラム線図と、S1801で決定されたSvの値とに基づいて、Avの値を決定し、そのAvの値に対応する絞りを設定する。
【0144】
また、図18に示した第3の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理において、合成処理方法設定(S316)では、設定されている撮影時シャッタースピードに対応するライブビュー用のプログラム線図と、S1801で決定されたSvの値とに基づいて、合成処理方法が決定される。
【0145】
その他については、第1の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理と同様である。
次に、図19を用いて、第3の実施形態に係る、感度設定(S1801)、合成処理方法設定(S316)、及び絞り設定(S1802)の一例を説明する。
【0146】
図19は、第3の実施形態に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。
この例では、ライブビュー用のフレームレートが64フレーム/秒であるとし、撮影時シャッタースピードとして1/4秒が設定されているとする。
【0147】
この例において、感度設定(S1801)では、図19のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次のSvの値が決定される。
【0148】
Bvの値が-7≦Bv<-4のときは、Sv=-Bv+4に決定される。
Bvの値が-4≦Bv≦0のときは、Sv=8に決定される。
Bvの値が0<Bv<3のときは、Sv=-Bv+8に決定される。
【0149】
Bvの値が3≦Bv≦6のときは、Sv=5に決定される。
第3の実施形態に係る合成処理方法設定(S316)では、図19のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、S1801で決定されたSvの値に応じて、次の合成処理方法が設定される。
【0150】
Svの値が5≦Sv<8のときは、平均合成処理が設定される。
Svの値が8≦Sv≦11のときは、加算合成処理が設定される。
絞り設定(S1802)では、図19のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、S1801で決定されたSvの値に応じて、次のAvの値が決定される。
【0151】
Svの値が5≦Sv<8のときは、Av=Bv+Sv-6に決定される。
Svの値が8≦Sv≦11のときは、Av=Bv+Sv-2に決定される。
以上のとおり、第3の実施形態に依っても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第4の実施形態>
【0152】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。この説明では、第1の実施形態に対して異なる点のみを説明する。また、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0153】
図20は、第4の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理(S204)の流れを示すフローチャートである。
図20に示したとおり、第4の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理は、図3に示した第1の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理に対して、S314の後であってS315の前に絞り設定(S2001)が行われると共にS317の代わりに感度設定(S2002)が行われる点が異なる。
【0154】
絞り設定(S2001)では、BCPU327が、設定されている撮影時シャッタースピードに対応するライブビュー用のプログラム線図と、S314で検出された被写体輝度に対応するBvの値とに基づいて、Avの値を決定し、そのAvの値に対応する絞りを設定する。
【0155】
感度設定(S2002)では、BCPU327が、設定されている撮影時シャッタースピードに対応するライブビュー用のプログラム線図と、S2001で決定されたAvの値とに基づいて、Svの値を決定し、そのSvの値に対応する感度を設定する。
【0156】
また、図20に示した第4の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理において、合成処理方法設定(S316)では、設定されている撮影時シャッタースピードに対応するライブビュー用のプログラム線図と、S2001で決定されたAvの値とに基づいて、合成処理方法が決定される。
【0157】
その他については、第1の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理と同様である。
次に、図21を用いて、第4の実施形態に係る、絞り設定(S2001)、合成処理方法設定(S316)、及び感度設定(S2002)の一例を説明する。
【0158】
図21は、第4の実施形態に係る、静止画撮影用のプログラム線図とライブビュー用のプログラム線図の一例を示す図である。
この例では、第3の実施形態と同様に、ライブビュー用のフレームレートが64フレーム/秒であるとし、撮影時シャッタースピードとして1/4秒が設定されているとする。
【0159】
この例において、絞り設定(S2001)では、図21のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次のAvの値が決定される。
【0160】
Bvの値が-7≦Bv≦-1のときは、Av=2に決定される。
Bvの値が-1<Bv<1のときは、Av=Bv+3に決定される。
Bvの値が1≦Bv≦5のときは、Av=4に決定される。
【0161】
Bvの値が5<Bv≦6のときは、Av=Bv-1に決定される。
第4の実施形態に係る合成処理方法設定(S316)では、図21のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、S2001で決定されたAvの値に応じて、次の合成処理方法が設定される。
【0162】
Avの値が2≦Av≦4のときは、加算合成処理が設定される。
Avの値が4<Av≦5のときは、平均合成処理が設定される。
感度設定(S2002)では、図21のライブビュー用のプログラム線図に示したとおり、S2001で決定されたAvの値に応じて、次のSvの値が決定される。
【0163】
Avの値が2≦Av≦4のときは、Sv=Av-Bv+2に決定される。
Avの値が4<Av≦5のときは、Sv=Av-Bv+6に決定される。
以上のとおり、第4の実施形態に依っても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第5の実施形態>
【0164】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。この説明では、第1の実施形態に対して異なる点のみを説明する。また、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0165】
第5の実施形態では、画像処理コントローラ308が、更に、撮影された静止画を合成する機能を有する。
図22は、第5の実施形態に係る静止画撮影動作処理(S205)の流れを示すフローチャートである。
【0166】
図22に示したとおり、第5の実施形態に係る静止画撮影動作処理では、まずS2201において、BCPU327は、図3のS301の初期化処理と同様の処理を行う。
S2202において、BCPU327は、合成モードフラグを0に設定する。合成モードフラグは、静止画合成モードが設定されていないときは0に設定され、静止画合成モードが設定されているときは1に設定されるフラグである。静止画合成モードは、複数の静止画を合成して記録するモードである。静止画合成モードの設定は、カメラ操作SW325のメニュースイッチ、選択スイッチ、及び確定スイッチに依りメニュー画面から設定することができる。なお、この設定は、メニュー画面から行われるのではなく、専用のスイッチを用いて行われてもよい。この場合は、カメラ操作SW325が、静止画合成モードを設定するための指示入力を受け付けるスイッチを備えてもよい。
【0167】
S2203において、BCPU327は、静止画合成モードが設定されているか否かを判定する。
S2203の判定結果がNOの場合は、処理がS2206へ進む。
【0168】
一方、S2203の判定結果がYESの場合、S2204において、BCPU327は、合成モードフラグを1に設定する。
S2205において、BCPU327は、合成枚数を算出する。合成枚数は、後述するS2210で合成画像の生成に使用される静止画の数である。合成枚数は、ユーザが設定した総露光時間に基づいて算出される。総露光時間は、合成画像の生成に使用される複数の静止画の総露光時間である。総露光時間の設定は、例えば、カメラ操作SW325の操作に依り行うことができる。合成枚数の算出は、合成枚数をMとし、設定されている総露光時間に相当するTvをTvcとし、ライブビュー用のフレームレートの1フレームにおける露光時間に相当するTvをTvaとすると、合成枚数Mは、次式を用いて算出される。
【0169】
M=2^(Tva-Tvc)、ここで、「^」は冪乗を示す。
S2206において、BCPU327は、露出を設定する。詳しくは、S2203の判定結果がYESの後のS2206では、設定されている総露光時間に対応するTvであるTvcに対応する静止画合成用のプログラム線図と、S314で最後に検出された被写体輝度に対応するBvの値とに基づいてAv及びSvの値を決定し、決定したAv及びSvの値に基づいて、絞り205の駆動及び撮像感度の設定を行う。一方、S2203の判定結果がNOの後のS2206では、S314で最後に検出された被写体輝度に基づいて、絞り205の駆動及び撮像感度の設定を行う。
【0170】
S2207において、BCPU327は、静止画用の撮像素子駆動処理を開始する。
S2208において、撮像素子I/F回路307は、BCPU327の制御の下、撮像素子306から画像信号を読み出して画像処理コントローラ308へ出力する。画像処理コントローラ308は、撮像素子306から読み出された画像信号に応じた画像を、SDRAM310に格納する。ここで格納された画像は、静止画に対応する。
【0171】
S2209において、BCPU327は、合成モードフラグが1に設定されているか否かを判定する。
S2209の判定結果がNOの場合は、処理がS2212へ進む。
【0172】
一方、S2209の判定結果がYESの場合、S2210において、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、SDRAM310に格納された合成枚数分の画像を、設定されている合成処理方法に従って合成することに依り、設定されている総露光時間に対応する露光時間で露光された画像相当の合成画像を生成する、という画像合成処理を行う。ここで、合成枚数は、S2205で算出された合成枚数である。設定されている合成処理方法は、設定されている総露光時間に対応するTvであるTvcに対応する静止画合成用のプログラム線図と、S314で最後に検出された被写体輝度に対応するBvの値とに基づいて決定される。
【0173】
但し、S2210において、合成枚数分の画像がSDRAM310に格納されていない場合は、合成画像の生成を行わず、処理がS2211へ進む。
S2211において、BCPU327は、撮影終了か否かを判定する。この判定では、S2210において合成画像の生成が行われ場合に判定結果がYESとなり、そうでない場合は判定結果がNOとなる。
【0174】
S2211の判定結果がNOの場合は、処理がS2208へ戻る。
一方、S2211の判定結果がYESの場合、S2212において、BCPU327は、静止画用の撮像素子駆動処理を終了する。
【0175】
S2213において、BCPU327は、現像処理を行う。詳しくは、S2209の判定結果がYESの後のS2213では、S2210で生成された合成画像に対して現像処理を行う。一方、S2209の判定結果がNOの後のS2213では、S2208で読み出された画像信号に応じた画像に対して現像処理を行う。
【0176】
S2214において、BCPU327は、S2213で現像処理が行われた画像を液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に表示する。なお、S2213で現像処理が行われた画像の表示先又は出力先は、液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に限らず、外部表示装置であってもよい。この場合、その外部表示装置は、外部出力端子312に接続された外部表示装置であってもよいし、無線回路323を介して無線接続された外部表示装置であってもよい。
【0177】
S2215において、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、S2213で現像処理が行われた画像、又は、S2214で液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に表示された画像を、静止画用の画像として、記録メディア309に記録する。なお、静止画用の画像の記録先又は出力先は、記録メディア309に限らず、外部記録装置であってもよい。この場合、その外部記録装置は、外部出力端子312に接続された外部記録装置であってもよいし、無線回路323を介して無線接続された外部記録装置であってもよい。
【0178】
S2215の記録が終了すると、図22に示した静止画撮影動作処理を終了する。
次に、図23を用いて、画像合成処理(S2210)で使用される合成処理方法の設定及び露出設定(S2206)の一例を説明する。
【0179】
図23は、第5の実施形態に係る、静止画用のプログラム線図と静止画合成用のプログラム線図の一例を示す図である。
画像合成処理(S2210)で使用される合成処理方法の設定では、図23の静止画合成用のプログラム線図に示したとおり、S314で最後に検出された被写体輝度に対応するBvの値に応じて、次の合成処理方法が設定される。
【0180】
Bvの値が-7≦Bv<-2のときは、加算合成処理が設定される。
Bvの値が-2≦Bv≦6のときは、平均合成処理が設定される。
露出設定(S2206)では、図23の静止画合成用のプログラム線図に示したとおり、Bvの値に応じて、次のSv及びAvの値が決定され、その値に応じて露出が設定される。
【0181】
Bvの値が-7≦Bv<-6のときは、Sv=-Bv-1、Av=2
Bvの値が-6≦Bv<-2のときは、Sv=5、Av=Bv+8
Bvの値が-2≦Bv<3のときは、Sv=-Bv+8、Av=2
【0182】
Bvの値が3≦Bv≦6のときは、Sv=5、Av=Bv-1
以上のとおり、第5の実施形態に依れば、所望の総露光時間に対応する露光時間で露光された画像相当の静止画を、静止画の合成に依り生成することができる。
<第6の実施形態>
【0183】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。この説明では、第1の実施形態に対して異なる点のみを説明する。また、第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0184】
図24は、第6の実施形態に係る動画撮影待機動作処理(S207)の流れを示すフローチャートである。
図24に示した動画撮影待機動作処理の流れは、基本的に、図3に示した第1の実施形態に係る静止画撮影待機動作処理の流れと同じである。
【0185】
図24に示した動画撮影待機動作処理において、S2401乃至S2404における処理は、図3のS301乃至S304における処理と同じである。なお、S2403では、長秒時動画であるか否かの判定がBCPU327に依り行われる。この判定では、長秒時ライブビュー機能がオンに設定されている場合は長秒時動画であると判定され、長秒時ライブビュー機能がオフに設定されている場合は長秒時動画でないと判定される。従って、S2403の判定は、実質的に図3のS303の判定と同じである。
【0186】
S2405において、BCPU327は、動画用の撮像素子駆動処理を開始する。この動画用の撮像素子駆動処理は、図3のS305で開始されるライブビュー用の撮像素子駆動処理と実質的に同じである。
【0187】
S2406乃至S24317における処理は、図3のS306乃至S317における処理と同じである。
S2418において、BCPU327は、動画撮影開始指示が為されたか否かを判定する。なお、動画撮影開始指示は、レリーズスイッチに依り行うことができる。
【0188】
S2418の判定結果がNOの場合は、処理がS2406へ戻る。
一方、S2418の判定結果がYESの場合は、図24に示した動画撮影待機動作処理が終了する。
【0189】
図25は、第6の実施形態に係る動画撮影動作処理(S208)の流れを示すフローチャートである。
図25に示した動画撮影動作処理において、S2501における処理は、図24のS2406における処理と同じである。S2502乃至S2507における処理は、図24のS2408乃至S2413における処理と同じである。
【0190】
S2508において、画像処理コントローラ308は、BCPU327の制御の下、S2506で現像処理が行われた画像、又は、S2507で液晶モニター313又は電子ビューファインダー314に表示された画像を、動画用の画像として、記録メディア309に記録する。なお、ここで記録される動画用の画像は、動画の1フレーム分の画像である。動画用の画像の記録先又は出力先は、記録メディア309に限らず、外部記録装置であってもよい。この場合、その外部記録装置は、外部出力端子312に接続された外部記録装置であってもよいし、無線回路323を介して無線接続された外部記録装置であってもよい。
【0191】
S2509乃至2512における処理は、S2414乃至S2417における処理と同じである。
S2513において、BCPU327は、動画撮影終了指示が為されたか否かを判定する。なお、動画撮影終了指示も、レリーズスイッチに依り行うことができる。
【0192】
S2513の判定結果がNOの場合は、処理がS2501へ戻る。
一方、S2513の判定結果がYESの場合、S2514において、BCPU327は、S2405で開始した動画用の撮像素子駆動処理を終了し、図25に示した動画撮影動作処理が終了する。
【0193】
なお、第6の実施形態において、S2413及びS2507で表示されるライブビュー画像のサイズとS2508で記録される動画用の画像のサイズが異なる場合に、それぞれを別々に生成するのは非効率である。そこで、図24に示した動画撮影待機動作処理及び図25に示した動画撮影動作処理において扱う画像のサイズを、記録される動画用の画像サイズに合わせ、S2413及びS2507においては、画像サイズを縮小させた画像を表示してもよい。あるいは、動画用の画像に高い解像度が求められていない場合には、図24に示した動画撮影待機動作処理及び図25に示した動画撮影動作処理において扱う画像のサイズを適度な画像サイズとし、S2413及びS2507においては、画像サイズをアップコンバートに依り拡大させた画像を表示してもよい。なお、この画像サイズの縮小又は拡大は、例えば、S2412及びS2506の現像処理の中で行われる。
【0194】
以上のとおり、第6の実施形態に依れば、動画撮影待機動作中においてはライブビュー表示を行わせ、動画撮影動作中においてはライブビュー表示と共に、動画記録又は外部装置への動画出力を行わせることができる。ライブビュー表示においては、第1の実施形態と同様の効果が得られることは勿論である。
【0195】
以上に説明した各実施形態における合成処理方法の設定、Sv及びAvの値の決定について、以下、補足説明を行う。
まず、Tvに関して、Tva、Tvb、及びTvcを、次のとおり定義する。
【0196】
Tva:合成前画像1つの露光時間に対応するTv
Tvb:合成後画像の明るさに相当するTv
Tvc:合成後画像の総露光時間に対応するTv
【0197】
ここで、合成前画像は、撮像フレーム画像である。合成後画像は、合成画像である。合成後画像の総露光時間は、合成後画像の生成に使用された合成前画像の露光時間の合計である。
【0198】
合成前後で画像の明るさがA倍になった場合、Tvb=Tva-logAと表すことができる。例えば、64フレームのTva=6の合成前画像を加算合成した場合、明るさは64倍になるので、Tvb=6-log64=0となる。また、64フレームのTva=6の合成前画像を平均合成した場合、明るさは1倍になるので、Tvb=6-log1=6となる。
【0199】
Nフレームの合成前画像を合成した場合、合成方法に依らず、Tvc=Tva-logN=Tvb+logA-logNと表すことができる。例えば、64フレームのTva=6の合成前画像を合成した場合は、Tvc=6-log64=0となる。これについて、加算合成の観点では、64フレームのTva=6の合成前画像を加算合成した場合、明るさは64倍になるので、Tvc=Tvb+log64-log64=Tvb=0となる。また、平均合成の観点では、64フレームのTva=6の合成前画像を平均合成した場合、明るさは1倍になるので、Tvc=Tvb+log1-log4=Tvb‐6=0となる。つまり、合成方法に依らず、Tvc=0となる。
【0200】
また、Tv、Tva、Tvcを、次のとおり定義する。
Tv:ユーザが設定した静止画撮影時の露光時間に相当するTv
Tva:ライブビュー1フレームの露光時間に相当するTv
【0201】
Tvc:合成に依るライブビュー画像の露光時間に相当するTv
ここで、ユーザが設定した静止画撮影時の露光時間は、撮影時シャッタースピードである。TvaとTvの関係においては、Tva>Tvの関係がある。長秒時ライブビュー機能がオンに設定されている場合は、合成に依るライブビュー画像の露光時間を静止画撮影時の露光時間と同等とするため、Tvc=Tvの関係がある。加算合成の場合は、Tvb=Tvcの関係がある。平均合成の場合は、Tvb=Tvaの関係がある。
【0202】
また、カメラ100は、次の範囲で静止画撮影可能と仮定する。
最大絞り:Avmin
最小絞り:Avmax
【0203】
最低感度:Svmin
最高感度:Svmax
ここで、最大絞りとは、絞り205に依る開口面積を最大にした状態のことであり、この状態に対応するAvの値は最小となる。最小絞りとは、絞り205に依る開口面積を最小にした状態のことであり、この状態に対応するAvの値は最大となる。
【0204】
また、静止画撮影で適正露出が得られる輝度範囲は、Tv+Av=Sv+Bvの関係から、次のとおり表される。
最低輝度:Bvmin=Tv+Avmin-Svmax
【0205】
最高輝度:Bvmax=Tv+Avmax-Svmin
これらを前提に、まず、第1の実施形態について補足説明を行う。
ここでは、ライブビューにおける最小絞りに次の制限があると仮定する。
【0206】
ライブビューにおける最小絞り:Avmax'<Avmax
加算合成に依り適正露出が得られる輝度範囲は、次のとおり表される。
最低輝度:Bvmin(加算)=Tvc+Avmin-Svmax
【0207】
最高輝度:Bvmax(加算)=Tvc+Avmax'-Svmin
ここで、Bvmin(加算)=Bvminでもあり、Bvmax(加算)<Bvmax
でもある。
【0208】
平均合成に依り適正露出が得られる輝度範囲は、次のとおり表される。
最低輝度:Bvmin(平均)=Tva+Avmin-Svmax
最高輝度:Bvmax(平均)=Tva+Avmax'-Svmin
【0209】
ここで、Bvmin(平均)>Bvmin(加算)でもあり、Bvmax(平均)>Bvmax(加算)でもある。
図7及び図8を用いて説明した例の場合は、検出された被写体輝度に対応するBvの値に依って、次のとおり合成処理方法が設定される。この設定方法は、加算合成処理を優先した設定方法でもある。
【0210】
Bvmin≦Bv≦Bvmax(加算):加算合成処理
Bvmax(加算)<Bv≦Bvmax:平均合成処理
また、図9を用いて説明した例の場合は、検出された被写体輝度に対応するBvの値に依って、次のとおり合成処理方法が設定される。この設定方法は、平均合成処理を優先した設定方法でもある。
【0211】
Bvmin≦Bv<Bvmin(平均):加算合成処理
Bvmin(平均)≦Bv≦Bvmax:平均合成処理
Av、Svの値は、次の関係式を満たす値に決定される。
【0212】
加算合成処理:Av-Sv=Bv-Tvc
平均合成処理:Av-Sv=Bv-Tva
この関係式に依ればAvとSvの値の決め方に自由度があるため、条件を設定して一意に決定する。第1実施形態の場合は、Svの値が最小となる条件を設定する。
【0213】
次に、第2の実施形態について補足説明を行う。
重みW、合成枚数Nとして重み付け加算合成を行った場合、合成前後で明るさはN×W倍となるため、Tvb=Tva-logNW=(Tva-logN)-logW=Tvc-logWと表される。
【0214】
第2の実施形態では、絞りや感度のジャンプ、即ちAvやSvのジャンプ、を避けるため、各合成処理において、次のとおり制約が設けられる。
加算合成処理:Av=Avmin
【0215】
重み付け加算合成処理:Av=Avmin、Sv=Svmin、1/N<W<1
平均合成処理:Sv=Svmin
この制約の下、加算合成処理で適正露出が得られる輝度範囲は、次のとおり表される。
【0216】
最低輝度:Bvmin(加算)=Tvc+Avmin-Svmax
最高輝度:Bvmax(加算)=Tvc+Avmin-Svmin
ここで、Bvmin(加算)=Bvminでもある。
【0217】
重み付け加算合成処理で適正露出が得られる輝度範囲は、次のとおり表される。
最低輝度:Bvmin(重み付け加算)=Tvc+Avmin-Svmin
最高輝度:Bvmax(重み付け加算)=Tva+Avmin-Svmin
【0218】
ここで、Bvmin(重み付け加算)=Bvmax(加算)でもあり、Bvmax(重み付け加算)=Bvmin(平均)でもある。
平均合成処理で適正露出が得られる輝度範囲は、次のとおり表される。
【0219】
最低輝度:Bvmin(平均)=Tva+Avmin-Svmin
最高輝度:Bvmax(平均)=Tva+Avmax'-Svmin
図13及び図14を用いて説明した例では、検出された被写体輝度に対応するBvの値に依って、次のとおり合成処理方法が設定される。
【0220】
Bvmin≦Bv≦Bvmax(加算):加算合成処理
Bvmax(加算)<Bv<Bvmin(平均):重み付け加算合成処理
Bvmin(平均)≦Bv≦Bvmax:平均合成処理
【0221】
Av、Svの値は、次のとおり決定される。
加算合成処理:Av=Avmin、Sv=Tvc+Avmin-Bv
重み付け加算合成処理:Av=Avmin、Sv=Svmin、但し、重みWは、logW=Tvc+Avmin-Svmin-Bvを満たす値
【0222】
平均合成処理:Av=Bv+Svmin-Tva、Sv=Svmin
また、図15及び図16を用いて説明した例では、検出された被写体輝度に対応するBvの値に依って、次のとおり合成処理方法が設定される。
【0223】
Bvmin≦Bv≦Bvmax(加算):加算合成処理
Bv<Bvmin(加算)、Bvmax(加算)<Bv:重み付け加算合成処理
図15及び図16を用いて説明した例は、Avの値が固定の例であり、Av=5となる。
【0224】
Svの値は、Bvの値に応じて決定される。
次に、第3の実施形態について補足説明を行う。
第3の実施形態では、Svの値に依って、次のとおり合成処理方法が設定される。
【0225】
Sv≦Sv≦Svmax:加算合成処理
Svmin≦Sv<Sv:平均合成処理
なお、加算合成処理を実施するSvの範囲、平均合成処理を実施するSvの範囲は、予め決められている。
【0226】
この制限の下、Avが決定される。
次に、第4の実施形態について補足説明を行う。
第4の実施形態では、Avの値に依って、次のとおり合成処理方法が設定される。
【0227】
Avmin≦Av≦Av:加算合成処理
Av<Av≦Avmax':平均合成処理
なお、加算合成処理を実施するAvの範囲、平均合成を実施するAvの範囲は、予め決められている。
【0228】
この制限の下、Svが決定される。
次に、第5の実施形態について補足説明を行う。
ここでは、Tv=Tvで撮影した画像をM枚平均合成して静止画を生成し記録する場合を仮定する。この場合、合成後の静止画に関するTva、Tvb、Tvcは、次のとおり表される。
【0229】
Tva=Tv
Tvb=Tv
Tvc=Tv-log
【0230】
なお、平均合成では合成前後で明るさが変化しないため、Tvb=Tvとなる。
静止画合成モードでは、Tva、Tvb、Tvcが、次のとおり表される。
Tva=Tva
【0231】
加算合成処理の場合のTvb=Tv-log
平均合成処理の場合のTvb=Tva
Tvc=Tv-log
【0232】
このとき、加算合成処理で適正露出が得られる輝度範囲は、次のとおり表される。
最低輝度:Bvmin(加算)=Tv-logM+Avmin-Svmax
最高輝度:Bvmax(加算)=Tv-logM+Avmax'-Svmin
【0233】
また、平均合成処理で適正露出が得られる輝度範囲は、次のとおり表される。
最低輝度:Bvmin(平均)=Tva+Avmin-Svmax
最高輝度:Bvmax(平均)=Tva+Avmax'-Svmin
【0234】
図23を用いて説明した例では、検出された被写体輝度に対応するBvの値に依って、次のとおり合成処理方法が設定される。
Bvmin≦Bv≦Bvmax(加算):加算合成処理
Bvmax(加算)<Bv≦Bvmax:平均合成処理
【0235】
Av、Svの値は、第1の実施形態と同様に決定される。
第6の実施形態については、第1の実施形態と同様に、合成処理方法、Svの値、及びAvの値が決定される。
【0236】
なお、以上に説明した各実施形態において、加算合成処理、平均合成処理、及び重み付け加算合成処理の各処理は、例えば、本出願人が過去に出願した特願2017-218733に開示の画像合成処理の手順に従って行われてもよい。この場合、例えば、加算合成処理では、ゲイン値を1として画像の累積加算が行われ、平均合成処理では、ゲイン値を1/合成枚数として画像の累積加算が行われる。
【0237】
以上、本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせに依り、様々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素のいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0238】
100 カメラ
200 レンズユニット
201 レンズ側マウント部
202 レンズ側通信コネクタ
203 撮影レンズ
204 レンズ駆動回路
205 絞り
206 絞り駆動回路
207 EEPROM
208 レンズ制御用マイクロコンピュータ(LCPU)
300 ボディユニット
301 ボディ側マウント部
302 ボディ側通信コネクタ
303 シャッター
304 シャッターチャージ機構
305 シャッター制御回路
306 撮像素子
307 撮像素子インターフェース回路(撮像素子I/F回路)
308 画像処理コントローラ
309 記録メディア
310 SDRAM
311 フラッシュROM(FRASH ROM)
312 外部出力端子
313 液晶モニター
314 電子ビューファインダー
315 撮像ステージ
316 撮像ステージ駆動回路
317 姿勢変化検出部
318 防振制御回路
319 ストロボ
320 ストロボ駆動回路
321 電源回路
322 電池
323 無線回路
324 動作表示部
325 カメラ操作SW
326 EEPROM
327 ボディ制御用マイクロコンピュータ(BCPU)
3031 先幕
3032 後幕
3171 Y方向Gセンサ
3172 X方向Gセンサ
3173 ピッチジャイロセンサ(ピッチジャイロ)
3174 ヨージャイロセンサ(ヨージャイロ)
3175 ロールジャイロセンサ(ロールジャイロ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図26