IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社半導体エネルギー研究所の特許一覧

特開2023-181271撮像装置、携帯情報端末、デジタルスチルカメラ及びビデオカメラ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181271
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】撮像装置、携帯情報端末、デジタルスチルカメラ及びビデオカメラ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20231214BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20231214BHJP
   H04N 25/76 20230101ALI20231214BHJP
【FI】
H01L27/146 C
H04N25/70
H04N25/76
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179945
(22)【出願日】2023-10-19
(62)【分割の表示】P 2022080713の分割
【原出願日】2015-06-25
(31)【優先権主張番号】P 2014132831
(32)【優先日】2014-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2014138703
(32)【優先日】2014-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】黒川 義元
(72)【発明者】
【氏名】井上 広樹
(72)【発明者】
【氏名】王丸 拓郎
(57)【要約】
【課題】生産性が良好でダイナミックレンジが向上した撮像装置を提供する。
【解決手段】p型半導体、n型半導体、及びi型半導体を有する光電変換素子と、画素駆
動回路と、を含む画素を有する撮像装置であって、平面視において、画素駆動回路を構成
する金属材料及び半導体材料の、いずれとも重ならないi型半導体の面積の合計を、i型
半導体全体の面積の、好ましくは65%以上、より好ましくは80%以上、さらに好まし
くは90%以上とする。複数の光電変換素子を同一の半導体層中に設けることで、それぞ
れの光電変換素子を分離するための工程を削減できる。複数の光電変換素子が有するそれ
ぞれのi型半導体層は、p型半導体またはn型半導体により分離される。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子と、第1の回路と、を有し、
前記第1の回路は、第1乃至第5のトランジスタと、容量素子と、第1乃至第9の配線と、を有し、
前記光電変換素子は、n型半導体と、p型半導体と、を有し、
前記第1の配線は、前記n型半導体または前記p型半導体の一方と電気的に接続され、
前記n型半導体または前記p型半導体の他方は、第1のノードと電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1のノードと電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのゲートは前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は前記第7の配線と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は前記第8の配線と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのゲートは前記第3の配線と電気的に接続され、
記第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは第2のノードと電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は前記第1のノードと電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は前記第2のノードと電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのゲートは第6の配線と電気的に接続され、
前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は前記第9の配線と電気的に接され、
前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方は前記第1のノードと電気的に接され、
前記容量素子の一方の電極は前記第2のノードと電気的に接続され、
前記容量素子の他方の電極は前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第5のトランジスタのゲートは前記第5の配線と電気的に接続された撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、撮像装置に関する。具体的には、フォトセンサを有する複数の画素が
設けられた撮像装置に関する。更には、当該撮像装置を有する電子機器に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。例えば、本発明の一態様は、
物、方法、もしくは製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュフ
ァクチャ、もしくは組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。または、本発明
の一態様は、記憶装置、プロセッサそれらの駆動方法またはそれらの製造方法に関する。
【0003】
本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうるもの全般を
指す。よって、トランジスタやダイオードなどの半導体素子や半導体回路は半導体装置で
ある。また、表示装置、発光装置、照明装置、電気光学装置、撮像装置、および電子機器
などは、半導体素子や半導体回路を含む場合がある。よって、表示装置、発光装置、照明
装置、電気光学装置、撮像装置、および電子機器なども半導体装置を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
撮像装置は、携帯電話に標準的に組み込まれており、普及が進んでいる(例えば、特許文
献1)。特に、CMOSイメージセンサは、CCDイメージセンサに対して、低価格、高
解像度、低消費電力などの特徴があり、近年の撮像装置の多くはCMOSイメージセンサ
で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7046282号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CMOSイメージセンサを用いた撮像装置では、様々な環境下での撮像を可能にするため
に、ダイナミックレンジの向上が求められている。
【0007】
また、撮像装置の性能を評価する上で、低消費電力であることも求められる重要な性能の
一つである。特に、携帯電話などの携帯型の電子機器だと、撮像装置の消費電力が多いと
、連続使用時間が短くなってしまう。
【0008】
本発明の一態様は、ダイナミックレンジが向上した撮像装置などを提供することを課題の
一とする。または、本発明の一態様は、撮像された画像の品質が良好な撮像装置などを提
供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、消費電力の少ない撮像装置な
どを提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、生産性の良好な撮像装
置などを提供することを課題の一とする。または、本発明の一態様は、新規な撮像装置ま
たは新規な半導体装置などを提供することを課題の一とする。
【0009】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題
は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図
面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、光電変換素子と、第1の回路と、を有し、第1の回路は、第1乃至第
5のトランジスタと、容量素子と、第1乃至第9の配線と、を有し、光電変換素子は、n
型半導体と、p型半導体と、を有し、第1の配線は、n型半導体またはp型半導体の一方
と電気的に接続され、n型半導体またはp型半導体の他方は、第1のノードと電気的に接
続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1のノードと電気的に
接続され、第1のトランジスタのゲートは第2の配線と電気的に接続され、第1のトラン
ジスタのソースまたはドレインの他方は第7の配線と電気的に接続され、第2のトランジ
スタのソースまたはドレインの一方は第8の配線と電気的に接続され、第2のトランジス
タのソースまたはドレインの他方は第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と
電気的に接続され、第2のトランジスタのゲートは第3の配線と電気的に接続され、第3
のトランジスタのソースまたはドレインの他方は第4の配線と電気的に接続され、第3の
トランジスタのゲートは第2のノードと電気的に接続され、第4のトランジスタのソース
またはドレインの一方は第1のノードと電気的に接続され、第4のトランジスタのソース
またはドレインの他方は第2のノードと電気的に接続され、第4のトランジスタのゲート
は第6の配線と電気的に接続され、第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は
第9の配線と電気的に接続され、第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方は第
1のノードと電気的に接続され、容量素子の一方の電極は第2のノードと電気的に接続さ
れ、容量素子の他方の電極は第4の配線と電気的に接続され、第5のトランジスタのゲー
トは第5の配線と電気的に接続された撮像装置である。
【0011】
また、光電変換素子はi型半導体を有し、平面視において、第1の回路が有する金属材料
及び第1の回路が有する半導体材料の、いずれとも重ならないi型半導体の合計面積が、
i型半導体の全体の面積の65%以上であることが好ましい。
【0012】
第1乃至第5のトランジスタは、チャネルが形成される半導体に酸化物半導体を用いるこ
とが好ましい。
【0013】
また、第1乃至第5のトランジスタに用いる半導体は、光電変換素子が有するi型半導体
と異なる禁制帯幅を有してもよい。
【0014】
または、本発明の一態様は、少なくとも第1及び第2の光電変換素子を有する撮像装置で
あって、第1及び第2の光電変換素子はi型半導体を有し、第1の光電変換素子が有する
i型半導体と、第2の光電変換素子が有するi型半導体は、n型半導体またはp型半導体
を介して隣接することを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様により、ダイナミックレンジが向上した撮像装置などを提供することがで
きる。または、撮像された画像の品質が向上した撮像装置などを提供することができる。
または、撮像間隔の短い撮像装置などを提供することができる。または、消費電力の少な
い撮像装置などを提供することができる。または、生産性の良好な撮像装置などを提供す
ることができる。または、新規な撮像装置または新規な半導体装置などを提供することが
できる。
【0016】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は
、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面
、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一態様の撮像装置の構成例を説明する図。
図2】周辺回路の構成例を説明する図。
図3】画素の構成例を説明する図。
図4】画素駆動回路の平面図及び画素の回路図。
図5】画素の構成例を説明する斜視図。
図6】画素をマトリクス状に配置した例を示す図。
図7】マトリクス状に配置した画素の回路構成例を説明する図。
図8】光電変換素子をマトリクス状に配置した例を示す図。
図9】画素の構成例を説明する図。
図10】画素の構成例を説明する図。
図11】画素の構成例を説明する図。
図12】画素駆動回路の平面図及び画素の回路図。
図13】画素の構成例を説明する斜視図。
図14】画素をマトリクス状に配置した例を示す図。
図15】マトリクス状に配置した画素の回路構成例を説明する図。
図16】画素の構成例を説明する図。
図17】画素駆動回路の平面図及び画素の回路図。
図18】画素の構成例を説明する斜視図。
図19】画素をマトリクス状に配置した例を示す図。
図20】マトリクス状に配置した画素の回路構成例を説明する図。
図21】撮像装置の構成例を説明する図。
図22】トランジスタの一例を説明する図。
図23】エネルギーバンド構造を説明する図。
図24】トランジスタの一例を説明する図。
図25】回路構成の一例を説明する図。
図26】光センサの一例を説明する図。
図27】回路構成の一例を説明する図。
図28】回路動作の一例を説明する図。
図29】回路構成の一例を説明する図。
図30】回路構成の一例を説明する図。
図31】トランジスタの一形態を説明する図。
図32】トランジスタの一形態を説明する図。
図33】トランジスタの一形態を説明する図。
図34】トランジスタの一形態を説明する図。
図35】トランジスタの一形態を説明する図。
図36】容量素子の一形態を説明する図。
図37】本発明の一態様に係る電子機器を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれ
ば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分または同
様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略することがある
【0019】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限
定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、
その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配
線」が一体となって形成されている場合なども含む。
【0020】
また、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合
は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合
と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。
したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、
図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとす
る。
【0021】
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層
、など)であるとする。
【0022】
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能
とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイ
オード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であ
り、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量
素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに
、XとYとが、接続されている場合である。
【0023】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能
とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイ
オード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが
可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイ
ッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか
流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択し
て切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、Xと
Yとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
【0024】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能
とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変
換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電
源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)
、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る
回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成
回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能であ
る。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号
がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとY
とが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとY
とが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
【0025】
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYと
が電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで
接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの
間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている
場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)と
が、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示
的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合
と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
【0026】
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介
さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z
2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース
(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接
的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的
に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現
することが出来る。
【0027】
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2
の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第
1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に
接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第
1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子な
ど)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トラ
ンジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている
」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子な
ど)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トラン
ジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など
)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様
な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トラン
ジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別
して、技術的範囲を決定することができる。
【0028】
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)
は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、第1の接続経路は、第
2の接続経路を有しておらず、第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタ
のソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との
間の経路であり、第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン
(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され
、第3の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、第3の接続経路は、Z2を介した
経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の
端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続さ
れ、第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、第2の接続経路は、トランジス
タを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なく
とも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、第3の接続経路は
、第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタ
のソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介し
て、Xと電気的に接続され、第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、第
2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのド
レイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第
2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に
接続され、第3の電気的パスは、第4の電気的パスを有しておらず、第4の電気的パスは
、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1
の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表
現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタ
のソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、
技術的範囲を決定することができる。
【0029】
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X
、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、
層、など)であるとする。
【0030】
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されてい
る場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もあ
る。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び
電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電
気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場
合も、その範疇に含める。
【0031】
なお、本明細書等において、様々な基板を用いて、トランジスタを形成することが出来る
。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一例としては、半導体
基板(例えば単結晶基板またはシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プ
ラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有
する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合
わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、または基材フィルムなどがある。ガラス基板の一
例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、またはソーダライ
ムガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET
)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表さ
れるプラスチック、またはアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼り合わせ
フィルムの一例としては、ポリフッ化ビニルまたは塩化ビニルなどのビニル、ポリプロピ
レン、ポリエステルなどがある。基材フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、無機蒸着フィルム、または紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶
基板、またはSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイ
ズ、または形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタ
を製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低
消費電力化、または回路の高集積化を図ることができる。
【0032】
なお、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その後、別の基板にトランジスタを転置
し、別の基板上にトランジスタを配置してもよい。トランジスタが転置される基板の一例
としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファ
ン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、
ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再
生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、またはゴム基板などがある。これらの基板を
用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形
成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、または薄型化を図ることができる。
【0033】
また、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、発明の理解を容易とす
るため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する
発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。例えば
、実際の製造工程において、エッチングなどの処理によりレジストマスクなどが意図せず
に目減りすることがあるが、理解を容易とするために省略して示すことがある。
【0034】
また、特に上面図(「平面図」ともいう。)において、図面をわかりやすくするために、
一部の構成要素の記載を省略する場合がある。また、一部の隠れ線等の記載を省略する場
合がある。
【0035】
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直
下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極
B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶
縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0036】
また、ソースおよびドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回
路動作において電流の方向が変化する場合など、動作条件などによって互いに入れ替わる
ため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。このため、
本明細書においては、ソースおよびドレインの用語は、入れ替えて用いることができるも
のとする。
【0037】
また、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で
配置されている状態をいう。従って、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略
平行」とは、二つの直線が-30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、「垂直」および「直交」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置
されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂
直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
【0038】
また、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND電位)またはソース電
位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能で
ある。
【0039】
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度
が0.1原子%未満の元素は不純物と言える。不純物が含まれることにより、例えば、半
導体のDOS(Density of State)が高くなることや、キャリア移動度
が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導
体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族
元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、
特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リ
ン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によっ
て酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンである場合、半導体の特性を
変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13
族元素、第15族元素などがある。
【0040】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるた
めに付すものであり、工程順または積層順など、なんらかの順番や順位を示すものではな
い。また、本明細書等において序数詞が付されていない用語であっても、構成要素の混同
を避けるため、特許請求の範囲において序数詞が付される場合がある。また、本明細書等
において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲において異なる序数詞が
付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、
特許請求の範囲などにおいて序数詞を省略する場合がある。
【0041】
なお、「チャネル長」とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはト
ランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる
領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極
)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのト
ランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。すなわち、
一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明
細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値
、最小値または平均値とする。
【0042】
また、「チャネル幅」とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半
導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成され
る領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つ
のトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。すな
わち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため
、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、
最大値、最小値または平均値とする。
【0043】
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネ
ル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示される
チャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、
立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図
において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる
場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の上面に
形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合
が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よ
りも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
【0044】
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測
による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積
もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状
が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
【0045】
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが重なる
領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャ
ネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel W
idth)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合に
は、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細
書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。な
お、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチ
ャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、
値を決定することができる。
【0046】
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求め
る場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャ
ネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
【0047】
また、本明細書等において、高電源電位VDD(以下、単に「VDD」または「H電位」
ともいう)とは、低電源電位VSSよりも高い電位の電源電位を示す。また、低電源電位
VSS(以下、単に「VSS」または「L電位」ともいう)とは、高電源電位VDDより
も低い電位の電源電位を示す。また、接地電位をVDDまたはVSSとして用いることも
できる。例えばVDDが接地電位の場合には、VSSは接地電位より低い電位であり、V
SSが接地電位の場合には、VDDは接地電位より高い電位である。
【0048】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応
じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜
」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用
語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0049】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の撮像装置について、図面を参照して説明する。
【0050】
<撮像装置100の構成例>
図1(A)は、本発明の一態様の撮像装置100の構成例を示す平面図である。撮像装置
100は、画素部110と、第1の回路260、第2の回路270、第3の回路280、
及び第4の回路290を有する。画素部110は、p行q列(p及びqは2以上の自然数
)のマトリクス状に配置された複数の画素111(撮像素子)を有する。第1の回路26
0乃至第4の回路290は、複数の画素111に接続し、複数の画素111を駆動するた
めの信号を供給する機能を有する。なお、本明細書等において、第1の回路260乃至第
4の回路290などを「周辺回路」もしくは「駆動回路」と呼ぶ場合がある。例えば、第
1の回路260は周辺回路の一部と言える。
【0051】
例えば、第1の回路260または第4の回路290は、画素111から出力されたアナロ
グ信号を処理する機能を有する。例えば、図2に示すように、第1の回路260に信号処
理回路261、列駆動回路262、出力回路263などを設けてもよい。
【0052】
また、図2に示す信号処理回路261は、列ごとに設けられた回路264を有する。回路
264は、ノイズの除去、アナログ-デジタル変換などの信号処理を行う機能を有するこ
とができる。信号処理回路261は列並列型(カラム型)アナログ-デジタル変換装置と
して機能することができる。
【0053】
回路264は、コンパレータ264aとカウンタ回路264bを有する。コンパレータ2
64aは、列ごとに設けられた配線123から入力されるアナログ信号と、配線267か
ら入力される参照用電位信号(例えば、ランプ波信号)の電位を比較する機能を有する。
カウンタ回路264bは、配線268からクロック信号が入力される。カウンタ回路26
4bは、コンパレータ264aでの比較動作により第1の値が出力されている期間を計測
し、計測結果をNビットデジタル値として保持する機能を有する。
【0054】
列駆動回路262は、列選択回路、水平駆動回路等とも呼ばれる。列駆動回路262は、
信号を読み出す列を選択する選択信号を生成する。列駆動回路262は、シフトレジスタ
などで構成することができる。列駆動回路262により列が順次選択され、選択された列
の回路264から出力された信号が、配線269を介して出力回路263に入力される。
配線269は水平転送線として機能することができる。
【0055】
出力回路263に入力された信号は、出力回路263で処理されて、撮像装置100の外
部に出力される。出力回路263は、例えばバッファ回路で構成することができる。また
、出力回路263は、撮像装置100の外部に信号を出力するタイミングを制御できる機
能を有していてもよい。
【0056】
また、例えば、第2の回路270または第3の回路280は、信号を読み出す画素111
を選択する選択信号を生成して出力する機能を有する。なお、第2の回路270または第
3の回路280を、行選択回路、又は垂直駆動回路と呼ぶ場合がある。
【0057】
周辺回路は、少なくとも、論理回路、スイッチ、バッファ、増幅回路、または変換回路の
1つを有する。周辺回路に用いるトランジスタなどは、後述する光電変換素子136を作
製するために形成する半導体の一部を用いて形成してもよい。また、周辺回路に用いるト
ランジスタなどは、後述する画素駆動回路112を作製するために形成する半導体の一部
を用いて形成してもよい。また、周辺回路に用いるトランジスタなどは、これらのトラン
ジスタなどを組み合わせて用いてもよい。また、周辺回路の一部または全部をIC等の半
導体装置で実装してもよい。
【0058】
なお、周辺回路は、第1の回路260乃至第4の回路290のうち、少なくとも1つを省
略してもよい。例えば、第1の回路260または第4の回路290の一方の機能を、第1
の回路260または第4の回路290の他方に付加して、第1の回路260または第4の
回路290の一方を省略してもよい。また、例えば、第2の回路270または第3の回路
280の一方の機能を、第2の回路270または第3の回路280の他方に付加して、第
2の回路270または第3の回路280の一方を省略してもよい。また、例えば、第1の
回路260乃至第4の回路290のいずれか1つに、他の周辺回路の機能を付加すること
で、他の周辺回路を省略してもよい。
【0059】
また、図1(B)に示すように、撮像装置100が有する画素部110において画素11
1を傾けて配置してもよい。画素111を傾けて配置することにより、行方向及び列方向
の画素間隔(ピッチ)を短くすることができる。これにより、撮像装置100で撮像され
た画像の品質をより高めることができる。
【0060】
[画素111の構成例]
画素111の構成例について、図3乃至図5を用いて説明する。画素111は、トランジ
スタ131、トランジスタ132、トランジスタ133、トランジスタ134、容量素子
135、及び光電変換素子136などの機能素子を有する。また、画素111を構成する
機能素子のうち、光電変換素子136以外の機能素子で構成した回路を画素駆動回路11
2と呼ぶ。なお、画素駆動回路112は光電変換素子136と電気的に接続される。画素
駆動回路112は、光電変換素子136の受光量に応じたアナログ信号を生成する機能を
有する。
【0061】
図3(A)は、画素111の平面図である。図3(B)は、光電変換素子136の平面図
である。図4(A)は、画素駆動回路112の平面図である。図4(B)は、画素111
の回路図である。図5は、画素111の構成を説明する斜視図である。画素111は、光
電変換素子136の上に画素駆動回路112を有する。
【0062】
光電変換素子136は、p型半導体221、i型半導体222、およびn型半導体223
を有する。光電変換素子136は、平面視において、p型半導体221とn型半導体22
3の間にi型半導体222を挟んで形成されている。なお、光電変換素子136はi型半
導体222を設けずにp型半導体221とn型半導体223で構成することもできるが、
光電変換素子136にi型半導体222を設けることで検出感度を高めることができる。
【0063】
なお、真性半導体(i型半導体)は、理想的には、不純物を含まずにフェルミレベルが禁
制帯のほぼ中央に位置する半導体であるが、本明細書等では、ドナーとなる不純物または
アクセプタとなる不純物を添加して、フェルミレベルが禁制帯のほぼ中央に位置するよう
にした半導体も真性半導体に含む。また、ドナーとなる不純物またはアクセプタとなる不
純物を含む半導体であっても、真性半導体として機能できる状態の半導体であれば、当該
半導体は真性半導体に含まれる。
【0064】
p型半導体221およびn型半導体223は、平面視において櫛歯状に形成し、i型半導
体222を介して噛み合うように形成することが好ましい。p型半導体221およびn型
半導体223を櫛歯状にすることで、p型半導体221とn型半導体223が向き合う距
離Dを長くすることができる。なお、距離Dは、平面視においてp型半導体221とn型
半導体223に挟まれたi型半導体222の中央を通る線の長さとも言える。距離Dを長
くすることにより、光電変換素子136の検出感度を高めることができる。よって、検出
感度の高い撮像装置100を提供することができる。図3(B)に、距離Dの位置を破線
で示す。また、画素111で可視光を検出する場合、平面視におけるp型半導体221か
らn型半導体223までの距離E(i型半導体222の幅)は、800nm以上とするこ
とが好ましい(図3(B)参照)。
【0065】
また、光電変換素子136を単結晶半導体基板や多結晶半導体基板を用いて形成してもよ
い。単結晶半導体基板や多結晶半導体基板を用いた光電変換素子136は、光の検出感度
が高いため、i型半導体222の形成を省略できる場合がある。
【0066】
また、光電変換素子136を、放射線を吸収して電荷を発生させることが可能な材料を用
いて形成してもよい。放射線を吸収して電荷を発生させることが可能な材料としては、セ
レン、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、ガリウムヒ素、CdTe、CdZn等がある。
【0067】
例えば、光電変換素子136にセレンを用いると、可視光や、紫外光に加えて、X線や、
ガンマ線といった幅広い波長域にわたって良好な光吸収係数を有する光電変換素子136
を実現できる。
【0068】
トランジスタ131のソースまたはドレインの一方は配線123と電気的に接続され、ソ
ースまたはドレインの他方は、トランジスタ132のソースまたはドレインの一方と電気
的に接続されている。トランジスタ131のゲートは配線125と電気的に接続されてい
る。トランジスタ132のソースまたはドレインの他方は配線124と電気的に接続され
、トランジスタ132のゲートはノード152と電気的に接続されている。トランジスタ
133のソースまたはドレインの一方は配線122と電気的に接続され、ソースまたはド
レインの他方はノード152と電気的に接続されている。トランジスタ133のゲートは
配線126と電気的に接続されている。トランジスタ134のソースまたはドレインの一
方はノード151と電気的に接続され、ソースまたはドレインの他方はノード152と電
気的に接続されている。トランジスタ134のゲートは配線127と電気的に接続されて
いる。光電変換素子136(フォトダイオード)の一方の電極(例えば、カソード)は、
ノード151と電気的に接続され、他方の電極(例えば、アノード)は配線121と電気
的に接続されている(図4(A)、図4(B)参照)。
【0069】
ノード152は電荷蓄積部として機能する。また、トランジスタ134は光電変換素子1
36の受光量に応じた電荷(電位)をノード152に転送するための転送トランジスタと
して機能できる。また、トランジスタ133はノード152の電位をリセットするための
リセットトランジスタとして機能できる。また、トランジスタ132はノード152に蓄
積された電荷を増幅する増幅トランジスタとして機能することができる。また、トランジ
スタ131はトランジスタ132で増幅された信号を読み出すための読み出しトランジス
タとして機能できる。
【0070】
光電変換素子136及び画素駆動回路112により生成されたアナログ信号は配線123
に供給することができる。また、例えば、配線121は電位VPDを供給する機能を有す
る。例えば、配線122は電位VRSを供給する機能を有する。例えば、配線124は電
位VPIを供給する機能を有する。例えば、配線125は電位SELを供給する機能を有
する。例えば、配線126は電位PRを供給する機能を有する。例えば、配線127は電
位TXを供給する機能を有する。例えば、配線128は電位VPIを供給する機能を有す
る。
【0071】
また、本実施の形態では、配線121は画素111の外周部を囲うように、網状に設けら
れている。配線121はp型半導体221と電気的に接続されている。配線121を網状
に設けることで、画素部110内の配線121の電位ばらつきを低減し、撮像装置100
の動作を安定させ、撮像装置100の信頼性を高めることができる。また、トランジスタ
134のソースまたはドレインの一方を配線129と電気的に接続し、配線129をn型
半導体223と電気的に接続してもよい(図5参照)。また、トランジスタ131のソー
スまたはドレインの一方を配線141と電気的に接続し、配線141を配線123と電気
的に接続してもよい。また、トランジスタ132のソースまたはドレインの他方を配線1
42と電気的に接続し、配線142を配線124と電気的に接続してもよい。また、トラ
ンジスタ133のソースまたはドレインの一方を配線143と電気的に接続し、配線14
3を配線122と電気的に接続してもよい。また、容量素子135の他方の電極を配線1
44と電気的に接続し、配線144を配線145と電気的に接続し、配線145を配線1
21と電気的に接続してもよい。なお、本実施の形態では、配線124と交差し、かつ、
電気的に接続する配線128を設ける例を示している。配線128を設けることで、画素
部110内の配線124の電位ばらつきを低減し、撮像装置100の動作を安定させ、撮
像装置100の信頼性を高めることができる。なお、容量素子135としてトランジスタ
の寄生容量を用いてもよい。
【0072】
また、画素111を構成する機能素子、配線(電極)は、可能な限りp型半導体221お
よび/またはn型半導体223の上に形成し、可能な限りi型半導体222と重ならない
ようにすることが好ましい。具体的には、平面視におけるi型半導体222と機能素子お
よび配線が重なる面積を、平面視におけるi型半導体222の面積の好ましくは35%以
下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下とすればよい。
【0073】
例えば、画素111で可視光を検出する場合、画素駆動回路112を構成する金属材料又
は半導体材料と、i型半導体222と、が重なる面積の合計が、i型半導体222全体の
面積の好ましくは35%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下
とすればよい。
【0074】
または、平面視において、画素駆動回路112を構成する遮光性材料と重なるi型半導体
222の面積が、i型半導体222全体の面積の好ましくは35%以下、より好ましくは
20%以下、さらに好ましくは10%以下とすればよい。なお、本明細書等における遮光
性材料とは、光の透過率が15%以下である材料をいう。より具体的には、本明細書等に
おける遮光性材料とは、光電変換素子136で検出する光の透過率が15%以下である材
料をいう。
【0075】
または、平面視において、i型半導体222全体の面積に対する実際に受光可能な面積の
割合(「有効開口率」ともいう)が好ましくは65%以上、より好ましくは80%以上、
さらに好ましくは90%以上とすればよい。
【0076】
例えば、画素駆動回路112が有する金属材料及び画素駆動回路112が有する半導体材
料の、いずれとも重ならないi型半導体222の合計面積が、i型半導体222全体の面
積の好ましくは65%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上と
すればよい。
【0077】
または、平面視において、画素駆動回路112を構成する遮光性材料と重ならないi型半
導体222の合計面積が、i型半導体222全体の面積の好ましくは65%以上、より好
ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とすればよい。
【0078】
有効開口率を高めてi型半導体222の露出面積を増やすことで、撮像装置100の検出
感度を高めることができる。また、撮像装置100のダイナミックレンジを高めることが
できる。
【0079】
複数の画素111をマトリクス状に配置する例を図6及び図7に示す。図6は、画素11
1を、3行(n乃至n+2行)2列(m及びm+1列)のマトリクス状に配置した例を示
す平面図である。図7は、図6に対応する回路図である。図6及び図7では、m列とm+
1列(例えば奇数列と偶数列)で画素111の構成を左右入れ替えて鏡面対称とする例を
示している。
【0080】
また、n行目の配線128を、電位VPIを供給する機能を有する配線124と電気的に
接続し、n+1行目の配線128を、電位VRSを供給する機能を有する配線122と電
気的に接続している。このように、配線128と電気的に接続する配線122または配線
124を一定周期毎に変えることで、画素部110内の電位VPI及び電位VRSの電位
ばらつきを低減し、撮像装置100の動作を安定させ、撮像装置100の信頼性を高める
ことができる。
【0081】
図8は、画素111が有する光電変換素子136を、3行(n乃至n+2行)2列(m及
びm+1列)のマトリクス状に配置した例を示す平面図である。光電変換素子136は、
画素111毎に半導体層を分離することなく形成することができる。具体的には、画素部
110内全体に半導体層を形成し、イオン注入法や、イオンドーピング法などを用いて当
該半導体層内にp型半導体221、n型半導体223、及びi型半導体222として機能
する領域を形成することができる。また、画素毎にi型半導体222をp型半導体221
で囲むことで、隣接画素間のi型半導体222との電気的な干渉を防ぐことができる。光
電変換素子136を構成する半導体層を画素毎に分離する必要がないため、光電変換素子
136を効率よく画素111内に設けることができる。よって、撮像装置100の検出感
度を高めることができる。
【0082】
また、p型半導体221を、電源電位を供給する配線の一部として用いてもよい。p型半
導体221を、電源電位を供給する配線の一部として用いることで、画素部110内の電
源電位のばらつきを軽減することができる。なお、p型半導体221とn型半導体223
を、入れ換えて用いてもよい。
【0083】
[カラーフィルタ等]
撮像装置100が有する画素111を副画素として用いて、複数の画素111それぞれに
異なる波長域の光を透過するフィルタ(カラーフィルタ)を設けることで、カラー画像表
示を実現するための情報を取得することができる。
【0084】
図9(E)は、カラー画像を取得するための画素111の一例を示す平面図である。図9
(E)は、赤(R)の波長域を透過するカラーフィルタが設けられた画素111(以下、
「画素111R」ともいう)、緑(G)の波長域を透過するカラーフィルタが設けられた
画素111(以下、「画素111G」ともいう)及び青(B)の波長域を透過するカラー
フィルタが設けられた画素111(以下、「画素111B」ともいう)を有する。画素1
11R、画素111G、画素111Bをまとめて一つの画素113として機能させる。
【0085】
なお、画素111に用いるカラーフィルタは、赤(R)、緑(G)、青(B)に限定され
ず、図9(A)に示すように、それぞれシアン(C)、黄(Y)及びマゼンダ(M)の光
を透過するカラーフィルタを用いてもよい。1つの画素113に3種類の異なる波長域の
光を検出する画素111を設けることで、フルカラー画像を取得することができる。
【0086】
図9(B)は、それぞれ赤(R)、緑(G)及び青(B)の光を透過するカラーフィルタ
が設けられた画素111に加えて、黄(Y)の光を透過するカラーフィルタが設けられた
画素111を有する画素113を例示している。図9(C)は、それぞれシアン(C)、
黄(Y)及びマゼンダ(M)の光を透過するカラーフィルタが設けられた画素111に加
えて、青(B)の光を透過するカラーフィルタが設けられた画素111を有する画素11
3を例示している。1つの画素113に4種類の異なる波長域の光を検出する画素111
を設けることで、取得した画像の色の再現性をさらに高めることができる。
【0087】
また、例えば、画素111R、画素111G、および画素111Bの画素数比(または受
光面積比)は、必ずしも1:1:1である必要は無い。図9(D)に示すように、画素数
比(受光面積比)を赤:緑:青=1:2:1とするBayer配列としてもよい。また、
画素数比(受光面積比)を赤:緑:青=1:6:1としてもよい。
【0088】
なお、画素113に設ける画素111は1つでもよいが、2つ以上が好ましい。例えば、
同じ波長域を検出する画素111を2つ以上設けることで、冗長性を高め、撮像装置10
0の信頼性を高めることができる。
【0089】
また、フィルタとして可視光の波長以下の波長を有する光を吸収または反射して、赤外光
を透過するIR(IR:Infrared)フィルタを用いることで、赤外光を検出する
撮像装置100を実現することができる。また、フィルタとして可視光の波長以上の波長
を有する光を吸収または反射して、紫外光を透過するUV(UV:Ultra Viol
et)フィルタを用いることで、紫外光を検出する撮像装置100を実現することができ
る。また、フィルタとして、放射線を紫外光や可視光に変換するシンチレータを用いるこ
とで、撮像装置100をX線やγ線などを検出する放射線検出器として機能させることも
できる。
【0090】
また、フィルタ602としてND(ND:Neutral Density)フィルター
(減光フィルター)を用いると、光電変換素子(受光素子)に多大な光量の光が入射した
時に生じる、出力が飽和する現象(以下、「出力飽和」ともいう。)を防ぐことができる
。減光量の異なるNDフィルタを組み合わせて用いることで、撮像装置のダイナミックレ
ンジを大きくすることができる。
【0091】
また、前述したフィルタ以外に、画素113にレンズを設けてもよい。ここで、図10
断面図を用いて、画素113、フィルタ602、レンズ600の配置例を説明する。レン
ズ600を設けることで、入射光を光電変換素子に効率よく受光させることができる。具
体的には、図10(A)に示すように、画素113に形成したレンズ600、フィルタ6
02(フィルタ602R、フィルタ602G、フィルタ602B)、及び画素駆動回路1
12等を通して光660を光電変換素子136に入射させる構造とすることができる。
【0092】
ただし、二点鎖線で囲んだ領域に示すように、矢印で示す光660の一部が配線層604
の一部によって遮光されてしまうことがある。したがって、図10(B)に示すように光
電変換素子136側にレンズ600及びフィルタ602を形成して、入射光を光電変換素
子136に効率良く受光させる構造としてもよい。光電変換素子136側から光660を
入射させることで、検出感度の高い撮像装置100を提供することができる。
【0093】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0094】
(実施の形態2)
本実施の形態では、画素111とは異なる構成を有する画素111aについて、図面を用
いて説明する。画素111aは、画素駆動回路112に代えて画素駆動回路512を有す
る。すなわち、画素111aは、画素駆動回路512と光電変換素子136を有する。ま
た、画素111aは画素111と同様の材料及び方法で作製することができる。説明の重
複を軽減するため、本実施の形態では、主に画素111aの画素111と異なる点につい
て説明する。本実施の形態に説明の無い部分については、他の実施の形態を参酌して理解
することができる。
【0095】
図11(A)は、画素111aの平面図である。図11(B)は、光電変換素子136の
平面図である。図12(A)は、画素駆動回路512の平面図である。図12(B)は、
画素111aの回路図である。図13は、画素111aの構成を説明する斜視図である。
画素111aは、光電変換素子136の上に画素駆動回路512を有する。
【0096】
画素111aは、トランジスタ541、トランジスタ542、トランジスタ543、トラ
ンジスタ544、トランジスタ545、容量素子551、容量素子552、及び光電変換
素子136などの機能素子を有する。なお、画素111aを構成する機能素子のうち、光
電変換素子136以外の機能素子で構成した回路が画素駆動回路512である。画素駆動
回路512は光電変換素子136と電気的に接続される(図12(A)、図12(B)参
照)。画素駆動回路512は、光電変換素子136の受光量に応じたアナログ信号を生成
する機能を有する。
【0097】
画素111aにおいて、光電変換素子136の一方の電極(例えば、カソード)は、ノー
ド561と電気的に接続され、他方の電極(例えば、アノード)は配線121と電気的に
接続されている。また、トランジスタ541のソースまたはドレインの一方はノード56
1と電気的に接続され、ソースまたはドレインの他方はノード562と電気的に接続され
ている。また、トランジスタ541のゲートは、配線525と電気的に接続されている。
また、トランジスタ542のソースまたはドレインの一方はノード562と電気的に接続
され、ソースまたはドレインの他方は配線524と電気的に接続されている。また、トラ
ンジスタ542のゲートは、配線523と電気的に接続されている。また、トランジスタ
543のソースまたはドレインの一方は配線527と電気的に接続され、ソースまたはド
レインの他方はノード563と電気的に接続されている。また、トランジスタ543のゲ
ートは、配線526と電気的に接続されている。また、トランジスタ544のソースまた
はドレインの一方は配線528と電気的に接続され、ソースまたはドレインの他方はトラ
ンジスタ545のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。また、トラン
ジスタ544のゲートは、配線522と電気的に接続されている。また、トランジスタ5
45のソースまたはドレインの他方は配線529と電気的に接続され、トランジスタ54
5のゲートは、ノード563と電気的に接続されている。また、容量素子551の一方の
電極は、配線527と電気的に接続され、容量素子551の他方の電極は、ノード563
と電気的に接続されている。また、容量素子552の一方の電極は、ノード563と電気
的に接続され、容量素子552の他方の電極は、ノード562と電気的に接続されている
【0098】
ノード562及びノード563は電荷蓄積部として機能する。また、トランジスタ541
は光電変換素子136の受光量に応じた電荷(電位)をノード562に転送するための転
送トランジスタとして機能できる。また、トランジスタ542はノード562の電位をリ
セットするためのリセットトランジスタとして機能できる。また、トランジスタ543は
ノード563の電位をリセットするためのリセットトランジスタとして機能できる。また
、トランジスタ545はノード563に蓄積された電荷を増幅する増幅トランジスタとし
て機能することができる。また、トランジスタ544はトランジスタ545で増幅された
信号を読み出すための読み出しトランジスタとして機能できる。
【0099】
また、例えば、配線121は電位VPDを供給する機能を有する。例えば、配線522は
電位SELを供給する機能を有する。例えば、配線523は電位PRを供給する機能を有
する。例えば、配線524は電位VRSを供給する機能を有する。例えば、配線525は
電位TXを供給する機能を有する。例えば、配線526は電位Wを供給する機能を有する
。例えば、配線527は電位CSを供給する機能を有する。例えば、配線529は電位V
PIを供給する機能を有する。
【0100】
また、トランジスタ541のソースまたはドレインの一方を配線129と電気的に接続し
、配線129をn型半導体223と電気的に接続してもよい(図13参照。)。また、ト
ランジスタ545のゲートを配線531と電気的に接続し、配線531をノード563と
電気的に接続してもよい。また、容量素子551の他方の電極を配線531と電気的に接
続してもよい。また、容量素子552の一方の電極を配線531と電気的に接続してもよ
い。また、配線531はノード563として機能することができる。また、トランジスタ
544のゲートを配線532と電気的に接続し、配線532を配線522と電気的に接続
してもよい。
【0101】
容量素子552の静電容量は、容量素子551の静電容量よりも大きいことが好ましい。
具体的には、容量素子552の静電容量は、容量素子551の静電容量の2倍以上が好ま
しく、5倍以上がより好ましく、10倍以上がさらに好ましい。
【0102】
画素111aは、光電変換素子136及び画素駆動回路512により生成されたアナログ
信号を配線528に供給することができる。具体的には、光電変換素子136の受光量に
応じて決定されるアナログ信号をノード562およびノード563に保持し、当該アナロ
グ信号をトランジスタ545で増幅して配線528に出力することができる。
【0103】
また、画素駆動回路512は、差分演算回路として機能できる。画素111aを用いた撮
像装置100は、第1フレームで撮像した画像の情報と、第2フレームで撮像した画像の
情報を比較し、その差分を検出することができる。なお、連続したフレーム間でなくても
、撮像した2つの画像の差分を検出することができる。具体的には、第1フレームで撮像
した画像の情報をノード563に保持し、第2フレーム以降に撮像された画像の情報をノ
ード562に保持することで、第1フレームで撮像した画像の情報との差分を検出するこ
とができる。
【0104】
すなわち、画素111aを用いた撮像装置100は、画像の変化を検出することができる
。よって、画像の変化を検出した場合に信号を出力する(もしくは信号の出力を停止する
。)、または、画像に変化が無くなった場合に信号を出力する(もしくは信号の出力を停
止する。)機能を有する装置を実現することができる。例えば、画像に変化があった場合
に録画を開始して、画像の変化が無くなった場合に録画を終了する撮像装置100を実現
することができる。
【0105】
複数の画素111aをマトリクス状に配置する例を図14及び図15に示す。図14は、
画素111aを、3行(n乃至n+2行)2列(m及びm+1列)のマトリクス状に配置
した例を示す平面図である。図15は、図14に対応する回路図である。図14及び図1
5では、m列とm+1列(例えば奇数列と偶数列)で画素111aの構成を左右入れ替え
て鏡面対称とする例を示している。また、m列目の配線522と、m+1列目の配線52
2を、一つの配線522で兼用している。
【0106】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0107】
(実施の形態3)
本実施の形態では、画素111及び画素111aとは異なる構成を有する画素111bに
ついて、図面を用いて説明する。画素111bは、画素111が有する画素駆動回路11
2に代えて、画素駆動回路712を有する。すなわち、画素111bは、画素駆動回路7
12と光電変換素子136を有する。また、画素111bは画素111と同様の材料及び
方法で作製することができる。説明の重複を軽減するため、本実施の形態では、主に画素
111bの画素111と異なる点について説明する。本実施の形態に説明の無い部分につ
いては、他の実施の形態を参酌して理解することができる。
【0108】
図16(A)は、画素111bの平面図である。図16(B)は、光電変換素子136の
平面図である。図17(A)は、画素駆動回路712の平面図である。図17(B)は、
画素111bの回路図である。図18は、画素111bの構成を説明する斜視図である。
画素111bは、光電変換素子136の上に画素駆動回路712を有する。
【0109】
画素111bは、トランジスタ741、トランジスタ742、トランジスタ743、トラ
ンジスタ744、トランジスタ745、容量素子751、及び光電変換素子136などの
機能素子を有する。なお、画素111bを構成する機能素子のうち、光電変換素子136
以外の機能素子で構成した回路が画素駆動回路712である。画素駆動回路712は光電
変換素子136と電気的に接続される(図17(A)、図17(B)参照)。画素駆動回
路712は、光電変換素子136の受光量に応じたアナログ信号を生成する機能を有する
【0110】
画素111bにおいて、光電変換素子136の一方の電極(例えば、カソード)は、ノー
ド761と電気的に接続され、他方の電極(例えば、アノード)は配線121と電気的に
接続されている。また、トランジスタ741のソースまたはドレインの一方はノード76
1と電気的に接続され、トランジスタ741のソースまたはドレインの他方は配線723
と電気的に接続されている。また、トランジスタ741のゲートは、配線724と電気的
に接続されている。また、トランジスタ742のソースまたはドレインの一方は配線72
2と電気的に接続され、ソースまたはドレインの他方はトランジスタ743のソースまた
はドレインの一方と電気的に接続されている。また、トランジスタ742のゲートは、配
線726と電気的に接続されている。また、トランジスタ743のソースまたはドレイン
の他方は配線727と電気的に接続され、トランジスタ743のゲートは、ノード762
と電気的に接続されている。また、トランジスタ744のソースまたはドレインの一方は
、ノード761と電気的に接続され、ソースまたはドレインの他方は、ノード762と電
気的に接続されている。また、トランジスタ744のゲートは、配線729と電気的に接
続されている。また、トランジスタ745のソースまたはドレインの一方は、配線731
と電気的に接続され、ソースまたはドレインの他方は、ノード761と電気的に接続され
ている。
【0111】
配線731は、他の画素が有するトランジスタ745のソースまたはドレインの一方と電
気的に接続する。例えば、n行目の画素111bが有するトランジスタ745のソースま
たはドレインの一方と、n+1行目の画素111bが有するトランジスタ745のソース
またはドレインの一方を電気的に接続することができる。
【0112】
また、トランジスタ745のゲートは、配線728と電気的に接続されている。また、容
量素子751の一方の電極は、配線727と電気的に接続され、容量素子751の他方の
電極は、ノード762と電気的に接続されている。また、配線723は配線725と電気
的に接続されている。配線725は省略してもよいが、配線725を複数の配線723と
電気的に接続することで、画素部110内の配線723の電位ばらつきを低減し、撮像装
置100の動作を安定させ、撮像装置100の信頼性を高めることができる。トランジス
タ741のソースまたはドレインの他方を配線725と電気的に接続することで、配線7
23を省略してもよい。
【0113】
また、配線727は配線721と電気的に接続されている。配線721は省略してもよい
が、配線721を配線727と電気的に接続することで、画素部110内の配線727の
電位ばらつきを低減し、撮像装置100の動作を安定させ、撮像装置100の信頼性を高
めることができる。トランジスタ743のソースまたはドレインの他方と、容量素子75
1の一方の電極を配線721と電気的に接続することで、配線727を省略してもよい。
【0114】
トランジスタ744は光電変換素子136の受光量に応じた電荷(電位)をノード762
に転送するための転送トランジスタとして機能できる。ノード762は電荷蓄積部として
機能する。また、トランジスタ741は、ノード761及びノード762の電位をリセッ
トするためのリセットトランジスタとして機能できる。また、トランジスタ743はノー
ド762に蓄積された電荷を増幅する増幅トランジスタとして機能することができる。ま
た、トランジスタ742はトランジスタ743で増幅された信号を読み出すための読み出
しトランジスタとして機能できる。
【0115】
例えば、n行目の画素111bが有するトランジスタ745のソースまたはドレインの一
方と、n+1行目の画素111bが有するトランジスタ745のソースまたはドレインの
一方を電気的に接続した場合、それぞれのトランジスタ745をオン状態にすると、n行
目の画素111bが有するノード761と、n+1行目の画素111bが有するノード7
61を電気的に接続することができる。すなわち、それぞれのトランジスタ745をオン
状態にすることで、n行目の画素111bが有する光電変換素子136と、n+1行目の
画素111bが有する光電変換素子136を並列接続することができる。複数の光電変換
素子136を並列接続することで、実質的に撮像装置100の受光面積を増やすことがで
きる。例えば、1フレームあたりの撮像時間を短縮することができる。よって、高速な連
続撮像が可能な撮像装置100を提供できる。また、検出感度を高めることができるため
、ダイナミックレンジの広い撮像装置100を提供できる。
【0116】
また、例えば、配線121は電位VPDを供給する機能を有する。例えば、配線721及
び配線727は電位VPIを供給する機能を有する。例えば、配線723及び配線725
は電位VRSを供給する機能を有する。例えば、配線724は電位VPRを供給する機能
を有する。例えば、配線726は電位SELを供給する機能を有する。例えば、配線72
8は電位PAを供給する機能を有する。例えば、配線729は電位TXを供給する機能を
有する。
【0117】
また、トランジスタ741のソースまたはドレインの一方を配線129と電気的に接続し
、配線129をn型半導体223と電気的に接続してもよい(図18参照。)。
【0118】
画素111bは、光電変換素子136及び画素駆動回路712により生成されたアナログ
信号を配線722に供給することができる。具体的には、光電変換素子136の受光量に
応じて決定されるアナログ信号をノード762に保持し、当該アナログ信号をトランジス
タ743で増幅して配線722に出力することができる。
【0119】
複数の画素111bをマトリクス状に配置する例を図19及び図20に示す。図19は、
画素111bを、4行(n乃至n+3行)2列(m及びm+1列)のマトリクス状に配置
した例を示す平面図である。図20は、図19に対応する回路図である。図19及び図2
0では、m列とm+1列(例えば奇数列と偶数列)で画素111bの構成を左右入れ替え
て鏡面対称とする例を示している。また、m列目の配線723と、m+1列目の配線72
3を、一つの配線723で共用している。また、m+1列目の配線721と、m+2列目
の配線721(図示せず。)を、一つの配線721で兼用している。
【0120】
また、図19及び図20では、n行目の画素111bが有するトランジスタ745のソー
スまたはドレインの一方と、n+1行目の画素111bが有するトランジスタ745のソ
ースまたはドレインの一方を、配線731を介して電気的に接続している。また、n+2
行目の画素111bが有するトランジスタ745のソースまたはドレインの一方と、n+
3行目の画素111bが有するトランジスタ745のソースまたはドレインの一方を、配
線731を介して電気的に接続している。
【0121】
なお、上記の画素111bの接続は、隣接する画素111b間での接続に限定されない。
例えば、n行目の画素111bが有するトランジスタ745のソースまたはドレインの一
方を、n+2行目の画素111bが有するトランジスタ745のソースまたはドレインの
一方と電気的に接続してもよい。
【0122】
また、上記の画素111bの接続は、3つ以上の画素111bで行ってもよい。例えば、
n行目の画素111bが有するトランジスタ745のソースまたはドレインの一方を、n
+1行目及びn+2行目の画素111bが有するトランジスタ745のソースまたはドレ
インの一方と電気的に接続してもよい。
【0123】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0124】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態に示した撮像装置100を固体撮像素子の一種である
CMOSイメージセンサで構成する場合の一例について、図21乃至図25を用いて説明
する。図21に示す画素領域251は、撮像装置100が有する画素111、画素111
a、または画素111bの一部の断面図である。図21に示す周辺回路領域252は、撮
像装置100が有する周辺回路の一部の断面図である。また、図21に示すトランジスタ
134の拡大図を図22(A)に示す。また、図21に示す容量素子135の拡大図を図
22(B)に示す。また、図21に示すトランジスタ281の拡大図を図24(A)に示
す。また、図21に示すトランジスタ282の拡大図を図24(B)に示す。また、図2
1に示すトランジスタ134は、例えば画素111aのトランジスタ541に相当する。
なお、本実施の形態に示すトランジスタ134の構造は、上記実施の形態に示す他のトラ
ンジスタにも用いることができる。
【0125】
本実施の形態で例示する撮像装置100は、基板101上に絶縁層102を有し、絶縁層
102上にpin型の接合が形成された光電変換素子136を有する。上記実施の形態で
説明した通り、光電変換素子136は、p型半導体221、i型半導体222、およびn
型半導体223を有する。
【0126】
基板101としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、金属基
板、半導体基板などを用いることができる。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐
熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。その基板の一例としては、半導体基板(
例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI(SOI:Silicon on Ins
ulator)基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基
板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、などがある。ガラス基板の
一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライ
ムガラスなどがある。
【0127】
また、光電変換素子136および画素駆動回路112の形成後に、機械研磨法やエッチン
グ法などを用いて基板101を除去してもよい。基板101として光電変換素子136で
検出する光が透過できる材料を用いると、基板101側から光電変換素子136に光を入
射することができる。
【0128】
絶縁層102は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコ
ン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ラン
タン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム及び酸化タンタルなどの酸化物材料や、窒化シリコ
ン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどの窒化物材料など
を、単層または多層で形成することができる。絶縁層102は、スパッタリング法やCV
D法、熱酸化法、塗布法、印刷法等を用いて形成することが可能である。
【0129】
p型半導体221、i型半導体222、およびn型半導体223の形成は、例えば、絶縁
層102上にi型半導体222を形成した後に、i型半導体222の上にマスクを形成し
、i型半導体222の一部に選択的に不純物元素を導入して実現できる。不純物元素の導
入は、例えば、イオン注入法や、イオンドーピング法を用いて行うことができる。不純物
元素の導入後、マスクを除去する。
【0130】
p型半導体221、i型半導体222、およびn型半導体223は、単結晶半導体、多結
晶半導体、微結晶半導体、ナノクリスタル半導体、セミアモルファス半導体、非晶質半導
体、等を用いて形成することができる。例えば、非晶質シリコンや、微結晶ゲルマニウム
等を用いることができる。また、炭化シリコンやガリウム砒素などの化合物半導体を用い
ることができる。
【0131】
p型半導体221、i型半導体222、およびn型半導体223を形成するための材料と
してシリコンを用いる場合、p型の導電型を付与する不純物元素としては、例えば第13
族元素を用いることができる。また、n型の導電型を付与する不純物元素としては、例え
ば第15族元素を用いることができる。
【0132】
また、例えば、上記半導体をSOIにより形成する場合、絶縁層102はBOX層(BO
X:Buried Oxide)であってもよい。
【0133】
また、本実施の形態に示す撮像装置100は、p型半導体221、i型半導体222、お
よびn型半導体223上に絶縁層103と絶縁層104を有する。絶縁層103および絶
縁層104は、絶縁層102と同様の材料および方法で形成することができる。なお、絶
縁層103と絶縁層104のどちらか一方を省略してもよいし、絶縁層をさらに積層して
もよい。
【0134】
また、本実施の形態に示す撮像装置100は、絶縁層104上に平坦な表面を有する絶縁
層105を形成する。絶縁層105は、絶縁層102と同様の材料および方法で形成する
ことができる。また、絶縁層105として、低誘電率材料(low-k材料)、シロキサ
ン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)などを用いてもよい。
また、絶縁層105表面に化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechani
cal Polishing)処理(以下、「CMP処理」ともいう。)を行ってもよい
。CMP処理を行うことにより、試料表面の凹凸を低減し、この後形成される絶縁層や導
電層の被覆性を高めることができる。
【0135】
また、絶縁層103乃至絶縁層105のp型半導体221と重なる領域に開口224が形
成され、絶縁層103乃至絶縁層105のn型半導体223と重なる領域に開口225が
形成されている。また、開口224および開口225中に、コンタクトプラグ106が形
成されている。コンタクトプラグ106は絶縁層に設けられた開口内に導電性材料を埋め
込むことで形成される。導電性材料として、例えば、タングステン、ポリシリコン等の埋
め込み性の高い導電性材料を用いることができる。また、図示しないが、当該材料の側面
および底面を、チタン層、窒化チタン層又はこれらの積層等からなるバリア層(拡散防止
層)で覆うことができる。この場合、バリア膜も含めてコンタクトプラグという場合があ
る。なお、開口224及び開口225は、その数や配置に特段の制約は無い。よって、レ
イアウトの自由度が高い撮像装置を実現できる。
【0136】
また、絶縁層105の上に、配線121および配線129が形成されている。配線121
は、開口224に設けられたコンタクトプラグ106を介してp型半導体221と電気的
に接続されている。また、配線129は、開口225に設けられたコンタクトプラグ10
6を介してn型半導体223と電気的に接続されている。
【0137】
また、配線121および配線129を覆って絶縁層107を形成されている。絶縁層10
7は、絶縁層105と同様の材料および方法で形成することができる。また、絶縁層10
7表面にCMP処理を行ってもよい。CMP処理を行うことにより、試料表面の凹凸を低
減し、この後形成される絶縁層や導電層の被覆性を高めることができる。
【0138】
配線121および配線129は、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イット
リウム、ジルコニウム、モリブデン、マンガン、銀、タンタル、またはタングステンなど
の金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いることがで
きる。例えば、マンガンを含む銅膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する
二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-
アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造
、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、そのチ
タン膜または窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上
にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン
膜と、そのモリブデン膜または窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を
積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造、タン
グステン膜上に銅膜を積層し、さらにその上にタングステン膜を形成する三層構造等があ
る。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネ
オジム、スカンジウムから選ばれた一または複数を組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜
を用いてもよい。
【0139】
なお、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、亜鉛酸化物
、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸
化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、イン
ジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの酸素を含む導電性材
料、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、前述
した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることも
できる。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料を組み合わせた積
層構造とすることもできる。また、前述した金属元素を含む材料、酸素を含む導電性材料
、および窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。
【0140】
トランジスタ134、トランジスタ289、及び容量素子135は、絶縁層108及び絶
縁層109を介して絶縁層107上に形成されている。図21に図示していないが、トラ
ンジスタ131、トランジスタ132、及びトランジスタ133等も絶縁層108及び絶
縁層109を介して絶縁層107上に形成される。なお、本実施の形態では、トランジス
タ134、及びトランジスタ289をトップゲート構造のトランジスタとして例示してい
るが、ボトムゲート構造のトランジスタとしてもよい。図21に図示していない他のトラ
ンジスタも同様である。
【0141】
また、上記トランジスタとして、逆スタガ型のトランジスタや、順スタガ型のトランジス
タを用いることも可能である。また、チャネルが形成される半導体層を2つのゲート電極
で挟む構造の、デュアルゲート型のトランジスタを用いることも可能である。また、シン
グルゲート構造のトランジスタに限定されず、複数のチャネル形成領域を有するマルチゲ
ート型トランジスタ、例えばダブルゲート型トランジスタとしてもよい。
【0142】
また、上記トランジスタとして、プレーナ型、FIN型(フィン型)、TRI-GATE
型(トライゲート型)などの、様々な構成のトランジスタを用いることが出来る。
【0143】
上記トランジスタは、それぞれが同様の構造を有していてもよいし、異なる構造を有して
いてもよい。トランジスタのサイズ(例えば、チャネル長、およびチャネル幅)等は、各
トランジスタで適宜調整すればよい。撮像装置100が有する複数のトランジスタを全て
同じ構造とする場合は、それぞれのトランジスタを同じ工程で同時に作製することができ
る。
【0144】
トランジスタ134は、ゲート電極として機能することができる電極243と、ソース電
極またはドレイン電極の一方として機能することができる電極244と、ソース電極また
はドレイン電極の他方として機能することができる電極245と、ゲート絶縁層として機
能できる絶縁層117と、半導体層242と、を有する。
【0145】
なお、図21では、トランジスタ134のソース電極またはドレイン電極の他方として機
能する電極と、容量素子135の一方の電極として機能することができる電極を、どちら
も電極245を用いて形成している。ただし、本発明の一態様はこれに限定されない。ト
ランジスタ134のソース電極またはドレイン電極の他方として機能する電極と、容量素
子135の一方の電極として機能することができる電極を、それぞれ異なる電極を用いて
形成してもよい。
【0146】
また、容量素子135は、容量素子135の一方の電極として機能することができる電極
245と、他方の電極として機能することができる電極273が、絶縁層277及び半導
体層272cを介して重なる構成を有する。本実施の形態では、電極273を電極273
aと電極273bの積層とする例を示している。電極273は、電極243と同時に形成
することができる。よって、電極273aは電極243aと同時に形成することができ、
電極273bは電極243bと同時に形成することができる。また、絶縁層277及び半
導体層272cは、誘電体として機能できる。また、絶縁層277は絶縁層117と同時
に形成することができる。また、半導体層272cは半導体層242cと同時に形成する
ことができる。なお、絶縁層277と半導体層272cの一方は省略してもよい。
【0147】
絶縁層108は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の不純物の拡散を
防ぐ機能を有する絶縁膜を用いて形成することが好ましい。該絶縁膜としては、酸化シリ
コン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化ハフニ
ウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム等がある。なお、該
絶縁膜として、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化
アルミニウム等を用いることで、光電変換素子136側から拡散する不純物が、半導体層
242へ到達することを抑制することができる。なお、絶縁層108は、スパッタリング
法、CVD法、蒸着法、熱酸化法などにより形成することができる。絶縁層108は、こ
れらの材料を単層で、もしくは積層して用いることができる。
【0148】
絶縁層109は絶縁層102と同様の材料および方法で形成することができる。また、半
導体層242として酸化物半導体を用いる場合、絶縁層109に化学量論的組成を満たす
酸素よりも多くの酸素を含む絶縁層を用いて形成することが好ましい。化学量論的組成を
満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁層は、加熱により酸素の一部が脱離する。化学量
論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁層は、層の表面温度が100℃以上7
00℃以下、好ましくは100℃以上500℃以下の加熱処理で行われるTDS分析にて
、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ま
しくは3.0×1020atoms/cm以上である絶縁層である。
【0149】
また、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁層は、絶縁層に酸素を添
加する処理を行って形成することもできる。酸素を添加する処理は、酸素雰囲気下による
熱処理や、イオン注入装置、イオンドーピング装置またはプラズマ処理装置を用いて行う
ことができる。酸素を添加するためのガスとしては、16もしくは18などの酸
素ガス、亜酸化窒素ガスまたはオゾンガスなどを用いることができる。なお、本明細書で
は酸素を添加する処理を「酸素ドープ処理」ともいう。
【0150】
トランジスタ134、トランジスタ289等の半導体層は、単結晶半導体、多結晶半導体
、微結晶半導体、ナノクリスタル半導体、セミアモルファス半導体、非晶質半導体等を用
いて形成することができる。例えば、非晶質シリコンや、微結晶ゲルマニウム等を用いる
ことができる。また、炭化シリコン、ガリウム砒素、酸化物半導体、窒化物半導体などの
化合物半導体や、有機半導体等を用いることができる。
【0151】
本実施の形態では、半導体層242として酸化物半導体を用いる例について説明する。ま
た、本実施の形態では、半導体層242を、半導体層242a、半導体層242b、およ
び半導体層242cの積層とする場合について説明する。
【0152】
半導体層242a、半導体層242b、および半導体層242cは、InもしくはGaの
一方、または両方を含む材料で形成する。代表的には、In-Ga酸化物(InとGaを
含む酸化物)、In-Zn酸化物(InとZnを含む酸化物)、In-M-Zn酸化物(
Inと、元素Mと、Znを含む酸化物。元素Mは、Al、Ti、Ga、Y、Zr、La、
Ce、NdまたはHfから選ばれた1種類以上の元素で、Inよりも酸素との結合力が強
い金属元素である。)がある。
【0153】
半導体層242aおよび半導体層242cは、半導体層242bを構成する金属元素のう
ち、1種類以上の同じ金属元素を含む材料により形成されることが好ましい。このような
材料を用いると、半導体層242aおよび半導体層242bとの界面、ならびに半導体層
242cおよび半導体層242bとの界面に界面準位を生じにくくすることができる。よ
って、界面におけるキャリアの散乱や捕獲が生じにくく、トランジスタの電界効果移動度
を向上させることが可能となる。また、トランジスタのしきい値電圧のばらつきを低減す
ることが可能となる。よって、良好な電気特性を有する半導体装置を実現することが可能
となる。
【0154】
半導体層242aおよび半導体層242cの厚さは、3nm以上100nm以下、好まし
くは3nm以上50nm以下とする。また、半導体層242bの厚さは、3nm以上20
0nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50n
m以下とする。
【0155】
また、半導体層242bがIn-M-Zn酸化物であり、半導体層242aおよび半導体
層242cもIn-M-Zn酸化物であるとき、半導体層242aおよび半導体層242
cをIn:M:Zn=x:y:z[原子数比]、半導体層242bをIn:M:Z
n=x:y:z[原子数比]とすると、y/xがy/xよりも大きくなる
ように半導体層242a、半導体層242c、および半導体層242bを選択する。好ま
しくは、y/xがy/xよりも1.5倍以上大きくなるように半導体層242a
、半導体層242c、および半導体層242bを選択する。さらに好ましくは、y/x
がy/xよりも2倍以上大きくなるように半導体層242a、半導体層242c、
および半導体層242bを選択する。より好ましくは、y/xがy/xよりも3
倍以上大きくなるように半導体層242a、半導体層242cおよび半導体層242bを
選択する。このとき、半導体層242bにおいて、yがx以上であるとトランジスタ
に安定した電気特性を付与できるため好ましい。ただし、yがxの3倍以上になると
、トランジスタの電界効果移動度が低下してしまうため、yはxの3倍未満であると
好ましい。半導体層242aおよび半導体層242cを上記構成とすることにより、半導
体層242aおよび半導体層242cを、半導体層242bよりも酸素欠損が生じにくい
層とすることができる。
【0156】
なお、半導体層242aおよび半導体層242cがIn-M-Zn酸化物であるとき、Z
nおよびOを除いてのInと元素Mの含有率は、好ましくはInが50atomic%未
満、元素Mが50atomic%以上、さらに好ましくはInが25atomic%未満
、元素Mが75atomic%以上とする。また、半導体層242bがIn-M-Zn酸
化物であるとき、ZnおよびOを除いてのInと元素Mの含有率は好ましくはInが25
atomic%以上、元素Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34a
tomic%以上、元素Mが66atomic%未満とする。
【0157】
例えば、InまたはGaを含む半導体層242a、およびInまたはGaを含む半導体層
242cとしてIn:Ga:Zn=1:3:2、1:3:4、1:3:6、1:6:4、
または1:9:6などの原子数比のターゲットを用いて形成したIn-Ga-Zn酸化物
や、In:Ga=1:9などの原子数比のターゲットを用いて形成したIn-Ga酸化物
や、酸化ガリウムなどを用いることができる。また、半導体層242bとしてIn:Ga
:Zn=3:1:2、1:1:1、5:5:6、または4:2:4.1などの原子数比の
ターゲットを用いて形成したIn-Ga-Zn酸化物を用いることができる。なお、半導
体層242a、半導体層242b、および半導体層242cの原子数比はそれぞれ、誤差
として上記の原子数比のプラスマイナス20%の変動を含む。
【0158】
半導体層242bを用いたトランジスタに安定した電気特性を付与するためには、半導体
層242b中の不純物および酸素欠損を低減して高純度真性化し、半導体層242bを真
性または実質的に真性と見なせる酸化物半導体層とすることが好ましい。また、少なくと
も半導体層242b中のチャネル形成領域が真性または実質的に真性と見なせる半導体層
とすることが好ましい。
【0159】
なお、実質的に真性と見なせる酸化物半導体層とは、酸化物半導体層中のキャリア密度が
、1×1017/cm未満、1×1015/cm未満、または1×1013/cm
未満である酸化物半導体層をいう。
【0160】
[酸化物半導体のエネルギーバンド構造]
ここで、半導体層242a、半導体層242b、および半導体層242cの積層により構
成される半導体層242の機能およびその効果について、図23示すエネルギーバンド構
造図を用いて説明する。図23は、図22(A)にC1-C2の一点鎖線で示す部位のエ
ネルギーバンド構造図である。図23は、トランジスタ134のチャネル形成領域のエネ
ルギーバンド構造を示している。
【0161】
図23中、Ec382、Ec383a、Ec383b、Ec383c、Ec386は、そ
れぞれ、絶縁層109、半導体層242a、半導体層242b、半導体層242c、絶縁
層117の伝導帯下端のエネルギーを示している。
【0162】
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(「電子親和力」ともいう。)は、真
空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう。)からエネ
ルギーギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータ(
HORIBA JOBIN YVON社 UT-300)を用いて測定できる。また、真
空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultrav
iolet Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社
VersaProbe)を用いて測定できる。
【0163】
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:2のターゲットを用いて形成したIn-G
a-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである
。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4のターゲットを用いて形成したIn-
Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.4eV、電子親和力は約4.5eVであ
る。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:6のターゲットを用いて形成したIn
-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.3eV、電子親和力は約4.5eVで
ある。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:2のターゲットを用いて形成したI
n-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.9eV、電子親和力は約4.3eV
である。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:8のターゲットを用いて形成した
In-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.4e
Vである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:10のターゲットを用いて形成
したIn-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.
5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1のターゲットを用いて形
成したIn-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.2eV、電子親和力は約4
.7eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:2のターゲットを用いて
形成したIn-Ga-Zn酸化物のエネルギーギャップは約2.8eV、電子親和力は約
5.0eVである。
【0164】
絶縁層109と絶縁層117は絶縁物であるため、Ec382とEc386は、Ec38
3a、Ec383b、およびEc383cよりも真空準位に近い(電子親和力が小さい)
【0165】
また、Ec383aは、Ec383bよりも真空準位に近い。具体的には、Ec383a
は、Ec383bよりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0
.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下真
空準位に近いことが好ましい。
【0166】
また、Ec383cは、Ec383bよりも真空準位に近い。具体的には、Ec383c
は、Ec383bよりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0
.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下真
空準位に近いことが好ましい。
【0167】
また、半導体層242aと半導体層242bとの界面近傍、および、半導体層242bと
半導体層242cとの界面近傍では、混合領域が形成されるため、伝導帯下端のエネルギ
ーは連続的に変化する。即ち、これらの界面において、準位は存在しないか、ほとんどな
い。
【0168】
従って、当該エネルギーバンド構造を有する積層構造において、電子は半導体層242b
を主として移動することになる。そのため、半導体層242aと絶縁層109との界面、
または、半導体層242cと絶縁層117との界面に準位が存在したとしても、当該準位
は電子の移動にほとんど影響しない。また、半導体層242aと半導体層242bとの界
面、および半導体層242cと半導体層242bとの界面に準位が存在しないか、ほとん
どないため、当該領域において電子の移動を阻害することもない。従って、上記酸化物半
導体の積層構造を有するトランジスタ134は、高い電界効果移動度を実現することがで
きる。
【0169】
なお、図23に示すように、半導体層242aと絶縁層109の界面、および半導体層2
42cと絶縁層117の界面近傍には、不純物や欠陥に起因したトラップ準位390が形
成され得るものの、半導体層242a、および半導体層242cがあることにより、半導
体層242bと当該トラップ準位とを遠ざけることができる。
【0170】
特に、本実施の形態に例示するトランジスタ134は、半導体層242bの上面と側面が
半導体層242cと接し、半導体層242bの下面が半導体層242aと接して形成され
ている(図22(A)に図示せず。図35(C)参考のこと。)。このように、半導体層
242bを半導体層242aと半導体層242cで覆う構成とすることで、上記トラップ
準位の影響をさらに低減することができる。
【0171】
ただし、Ec383aまたはEc383cと、Ec383bとのエネルギー差が小さい場
合、半導体層242bの電子が該エネルギー差を越えてトラップ準位に達することがある
。トラップ準位に電子が捕獲されることで、絶縁層の界面にマイナスの固定電荷が生じ、
トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。
【0172】
従って、Ec383a、およびEc383cと、Ec383bとのエネルギー差を、それ
ぞれ0.1eV以上、好ましくは0.15eV以上とすると、トランジスタのしきい値電
圧の変動が低減され、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができるため、好
ましい。
【0173】
また、半導体層242a、および半導体層242cのバンドギャップは、半導体層242
bのバンドギャップよりも広いほうが好ましい。
【0174】
本発明の一態様によれば、電気特性のばらつきが少ないトランジスタを実現することがで
きる。よって、電気特性のばらつきが少ない半導体装置を実現することができる。本発明
の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。よって、信頼
性の良好な半導体装置を実現することができる。
【0175】
また、酸化物半導体のバンドギャップは2eV以上あるため、チャネルが形成される半導
体層に酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流を極めて小さくすることができる
。具体的には、チャネル幅1μm当たりのオフ電流を室温下において1×10-20A未
満、好ましくは1×10-22A未満、さらに好ましくは1×10-24A未満とするこ
とができる。すなわち、オンオフ比を20桁以上150桁以下とすることができる。
【0176】
本発明の一態様によれば、消費電力が少ないトランジスタを実現することができる。よっ
て、消費電力が少ない撮像装置や半導体装置を実現することができる。
【0177】
また、半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタ(「OSトランジスタ」ともいう)
はオフ電流が著しく低いため、トランジスタ133及びトランジスタ134にOSトラン
ジスタを用いることで、容量素子135を小さくすることができる。または、容量素子1
35を設けずに、トランジスタなどの寄生容量を容量素子135に代えて用いることがで
きる。よって、光電変換素子136の受光可能面積を大きくすることができる。また、ト
ランジスタ131及びトランジスタ132の少なくとも一方にOSトランジスタを用いる
ことで、配線123と配線124間に意図せず流れる電流(「漏れ電流」又は「リーク電
流」ともいう。)を低減することができる(図4参照。)。よって、撮像装置100の消
費電力を低減することができる。また、配線123及び配線124へのノイズの混入を低
減することができ、撮像装置100で撮像された画像の品質を向上させることができる。
また、信頼性の高い撮像装置100を提供することができる。
【0178】
また、トランジスタ541、トランジスタ542及びトランジスタ543にOSトランジ
スタを用いることで、容量素子551及び容量素子552を小さくすることができる。ま
たは、容量素子551及び容量素子552を設けずに、トランジスタなどの寄生容量を容
量素子551及び容量素子552に代えて用いることができる。よって、光電変換素子1
36の受光可能面積を大きくすることができる。また、トランジスタ544及びトランジ
スタ545の少なくとも一方にOSトランジスタを用いることで、配線528と配線52
9間に流れるリーク電流を低減することができる(図12参照。)。よって、撮像装置1
00の消費電力を低減することができる。また、配線528及び配線529へのノイズの
混入を低減することができ、撮像装置100で撮像された画像の品質を向上させることが
できる。また、信頼性の高い撮像装置100を提供することができる。
【0179】
また、トランジスタ744にOSトランジスタを用いることで、容量素子751を小さく
することができる。または、容量素子751を設けずに、トランジスタなどの寄生容量を
容量素子751に代えて用いることができる。よって、光電変換素子136の受光可能面
積を大きくすることができる。また、トランジスタ741及びトランジスタ745にOS
トランジスタを用いることで、ノード761及びノード762へのノイズの混入を低減す
ることができる。また、トランジスタ742及びトランジスタ743の少なくとも一方に
OSトランジスタを用いることで、配線722と配線727間に流れるリーク電流を低減
することができる(図17参照。)。よって、撮像装置100の消費電力を低減すること
ができる。また、配線722及び配線727にノイズが混入しにくくすることができ、撮
像装置100で撮像された画像の品質を向上させることができる。また、信頼性の高い撮
像装置100を提供することができる。
【0180】
本発明の一態様によれば、検出感度の高い撮像装置や半導体装置を実現することができる
。また、本発明の一態様によれば、ダイナミックレンジの広い撮像装置や半導体装置を実
現することができる。
【0181】
また、酸化物半導体はバンドギャップが広いため、酸化物半導体を用いた半導体装置は使
用できる環境の温度範囲が広い。本発明の一態様によれば、動作温度範囲が広い撮像装置
や半導体装置を実現することができる。
【0182】
なお、上述の3層構造は一例である。例えば、半導体層242aまたは半導体層242c
の一方を形成しない2層構造としても構わない。
【0183】
[酸化物半導体について]
ここで、半導体層242に適用可能な酸化物半導体膜について詳細に説明しておく。
【0184】
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非
単結晶酸化物半導体膜とは、CAAC-OS(C Axis Aligned Crys
talline Oxide Semiconductor)膜、多結晶酸化物半導体膜
、微結晶酸化物半導体膜、非晶質酸化物半導体膜などをいう。
【0185】
まずは、CAAC-OS膜について説明する。
【0186】
CAAC-OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
【0187】
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Micro
scope)によって、CAAC-OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(
高分解能TEM像ともいう。)を観察することで複数の結晶部を確認することができる。
一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバ
ウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC-OS膜は、結
晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
【0188】
試料面と略平行な方向から、CAAC-OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると、
結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、
CAAC-OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した
形状であり、CAAC-OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
【0189】
一方、試料面と略垂直な方向から、CAAC-OS膜の平面の高分解能TEM像を観察す
ると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認で
きる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
【0190】
CAAC-OS膜に対し、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)装
置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC-OS膜
のout-of-plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが
現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属される
ことから、CAAC-OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略
垂直な方向を向いていることが確認できる。
【0191】
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC-OS膜のout-of-plane法
による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れ
る場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC-OS膜中の一部に、c軸配向性
を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC-OS膜は、2θが31°近傍に
ピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
【0192】
CAAC-OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、
シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコ
ンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化
物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる
要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径
(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の
原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純
物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
【0193】
また、CAAC-OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物
半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによって
キャリア発生源となることがある。
【0194】
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または
実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜
は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、
当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(
ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純
度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導
体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとな
る。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要す
る時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が
高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定と
なる場合がある。
【0195】
また、CAAC-OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性
の変動が小さい。
【0196】
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
【0197】
微結晶酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領
域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。微結晶酸化物半導体膜
に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大き
さであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微
結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体膜を、nc
-OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)
膜と呼ぶ。また、nc-OS膜は、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確
認できない場合がある。
【0198】
nc-OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上
3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OS膜は、異なる
結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。し
たがって、nc-OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かな
い場合がある。例えば、nc-OS膜に対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXR
D装置を用いて構造解析を行うと、out-of-plane法による解析では、結晶面
を示すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ
径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折(制限視野電子回折ともいう。)を
行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し
、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子
回折を行うと、スポットが観測される。また、nc-OS膜に対しナノビーム電子回折を
行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、
nc-OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが
観測される場合がある。
【0199】
nc-OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。その
ため、nc-OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、
nc-OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc-O
S膜は、CAAC-OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
【0200】
次に、非晶質酸化物半導体膜について説明する。
【0201】
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶部を有さない酸化
物半導体膜である。石英のような無定形状態を有する酸化物半導体膜が一例である。
【0202】
非晶質酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において結晶部を確認することができない。
【0203】
非晶質酸化物半導体膜に対し、XRD装置を用いた構造解析を行うと、out-of-p
lane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、非晶質酸化物半
導体膜に対し、電子回折を行うと、ハローパターンが観測される。また、非晶質酸化物半
導体膜に対し、ナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測されず、ハローパターンが
観測される。
【0204】
なお、酸化物半導体膜は、nc-OS膜と非晶質酸化物半導体膜との間の物性を示す構造
を有する場合がある。そのような構造を有する酸化物半導体膜を、特に非晶質ライク酸化
物半導体(a-like OS:amorphous-like Oxide Semi
conductor)膜と呼ぶ。
【0205】
a-like OS膜は、高分解能TEM像において鬆(ボイドともいう。)が観察され
る場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる
領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。a-like OS膜は、
TEMによる観察程度の微量な電子照射によって、結晶化が起こり、結晶部の成長が見ら
れる場合がある。一方、良質なnc-OS膜であれば、TEMによる観察程度の微量な電
子照射による結晶化はほとんど見られない。
【0206】
なお、a-like OS膜およびnc-OS膜の結晶部の大きさの計測は、高分解能T
EM像を用いて行うことができる。例えば、InGaZnOの結晶は層状構造を有し、
In-O層の間に、Ga-Zn-O層を2層有する。InGaZnOの結晶の単位格子
は、In-O層を3層有し、またGa-Zn-O層を6層有する、計9層がc軸方向に層
状に重なった構造を有する。よって、これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の
格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nm
と求められている。そのため、高分解能TEM像における格子縞に着目し、格子縞の間隔
が0.28nm以上0.30nm以下である箇所においては、それぞれの格子縞がInG
aZnOの結晶のa-b面に対応する。
【0207】
また、酸化物半導体膜は、構造ごとに密度が異なる場合がある。例えば、ある酸化物半導
体膜の組成がわかれば、該組成と同じ組成における単結晶の密度と比較することにより、
その酸化物半導体膜の構造を推定することができる。例えば、単結晶の密度に対し、a-
like OS膜の密度は78.6%以上92.3%未満となる。また、例えば、単結晶
の密度に対し、nc-OS膜の密度およびCAAC-OS膜の密度は92.3%以上10
0%未満となる。なお、単結晶の密度に対し密度が78%未満となる酸化物半導体膜は、
成膜すること自体が困難である。
【0208】
上記について、具体例を用いて説明する。例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子
数比]を満たす酸化物半導体膜において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnO
の密度は6.357g/cmとなる。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1
[原子数比]を満たす酸化物半導体膜において、a-like OS膜の密度は5.0g
/cm以上5.9g/cm未満となる。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:
1[原子数比]を満たす酸化物半導体膜において、nc-OS膜の密度およびCAAC-
OS膜の密度は5.9g/cm以上6.3g/cm未満となる。
【0209】
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合がある。その場合、任意の割合で組成の異なる
単結晶を組み合わせることにより、所望の組成の単結晶に相当する密度を算出することが
できる。所望の組成の単結晶の密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して
、加重平均を用いて算出すればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を
組み合わせて算出することが好ましい。
【0210】
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、a-like OS膜、微結
晶酸化物半導体膜、CAAC-OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
【0211】
ところで、酸化物半導体膜がCAAC-OS膜であったとしても、部分的にnc-OS膜
などと同様の回折パターンが観測される場合がある。したがって、CAAC-OS膜の良
否は、一定の範囲におけるCAAC-OS膜の回折パターンが観測される領域の割合(C
AAC化率ともいう。)で表すことができる場合がある。例えば、良質なCAAC-OS
膜であれば、CAAC化率は、50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは9
0%以上、より好ましくは95%以上となる。なお、CAAC-OS膜と異なる回折パタ
ーンが観測される領域の割合を非CAAC化率と表記する。
【0212】
半導体層242a、半導体層242b、および半導体層242cに適用可能な酸化物半導
体の一例として、インジウムを含む酸化物を挙げることができる。酸化物は、例えば、イ
ンジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、酸化物半導体は、
元素Mを含むと好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム、ガリウム、イットリウ
ムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコ
ン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリ
ウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただ
し、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例
えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。元素Mは、例えば、酸化物のエネルギ
ーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、酸化物半導体は、亜鉛を含むと
好ましい。酸化物が亜鉛を含むと、例えば、酸化物を結晶化しやすくなる。
【0213】
ただし、酸化物半導体は、インジウムを含む酸化物に限定されない。酸化物半導体は、例
えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物、ガリウム酸化物であっても構わない。
【0214】
また酸化物半導体は、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。酸化物半導体のエネ
ルギーギャップは、例えば、2.5eV以上4.2eV以下、好ましくは2.8eV以上
3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上3.5eV以下とする。
【0215】
以下では、酸化物半導体中における不純物の影響について説明する。なお、トランジスタ
の電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減し、低キャリア密
度化および高純度化することが有効である。なお、酸化物半導体のキャリア密度は、1×
1017個/cm未満、1×1015個/cm未満、または1×1013個/cm
未満とする。酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃
度も低減することが好ましい。
【0216】
例えば、酸化物半導体中のシリコンは、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合が
ある。そのため、酸化物半導体中のシリコン濃度を、二次イオン質量分析法(SIMS:
Secondary Ion Mass Spectrometry)において、1×1
19atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm未満、さら
に好ましくは2×1018atoms/cm未満とする。
【0217】
また、酸化物半導体中に水素が含まれると、キャリア密度を増大させてしまう場合がある
。酸化物半導体の水素濃度はSIMSにおいて、2×1020atoms/cm以下、
好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atom
s/cm以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm以下とする。また、
酸化物半導体中に窒素が含まれると、キャリア密度を増大させてしまう場合がある。酸化
物半導体の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ま
しくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/
cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。
【0218】
また、酸化物半導体の水素濃度を低減するために、半導体層242と接する絶縁層109
および絶縁層117の水素濃度を低減すると好ましい。絶縁層109および絶縁層117
の水素濃度はSIMSにおいて、2×1020atoms/cm以下、好ましくは5×
1019atoms/cm以下、より好ましくは1×1019atoms/cm以下
、さらに好ましくは5×1018atoms/cm以下とする。また、酸化物半導体の
窒素濃度を低減するために、絶縁層109および絶縁層117の窒素濃度を低減すると好
ましい。絶縁層109および絶縁層117の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×10
atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ま
しくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms
/cm以下とする。
【0219】
本実施の形態では、まず、絶縁層109上に半導体層242aを形成し、半導体層242
a上に半導体層242bを形成する。
【0220】
なお、酸化物半導体層の成膜には、スパッタリング法を用いることが好ましい。スパッタ
リング法としては、RFスパッタリング法、DCスパッタリング法、ACスパッタリング
法等を用いることができる。DCスパッタリング法、またはACスパッタリング法は、R
Fスパッタリング法よりも均一性良く成膜することができる。
【0221】
本実施の形態では、半導体層242aとして、In-Ga-Zn酸化物ターゲット(In
:Ga:Zn=1:3:2)を用いて、スパッタリング法により厚さ20nmのIn-G
a-Zn酸化物を形成する。なお、半導体層242aに適用可能な構成元素および組成は
これに限られるものではない。
【0222】
また、半導体層242a形成後に酸素ドープ処理を行ってもよい。
【0223】
次に、半導体層242a上に、半導体層242bを形成する。本実施の形態では、半導体
層242bとして、In-Ga-Zn酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=1:1:1
)を用いて、スパッタリング法により厚さ30nmのIn-Ga-Zn酸化物を形成する
。なお、半導体層242bに適用可能な構成元素および組成はこれに限られるものではな
い。
【0224】
また、半導体層242b形成後に酸素ドープ処理を行ってもよい。
【0225】
次に、半導体層242aおよび半導体層242bに含まれる水分または水素などの不純物
をさらに低減して、半導体層242aおよび半導体層242bを高純度化するために、加
熱処理を行ってもよい。
【0226】
例えば、減圧雰囲気下、窒素や希ガスなどの不活性雰囲気下、酸化性雰囲気下、又は超乾
燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定
した場合の水分量が20ppm(露点換算で-55℃)以下、好ましくは1ppm以下、
好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で、半導体層242aおよび半導体層242
bに加熱処理を施す。なお、酸化性雰囲気とは、酸素、オゾンまたは窒化酸素などの酸化
性ガスを10ppm以上含有する雰囲気をいう。また、不活性雰囲気とは、前述の酸化性
ガスが10ppm未満であり、その他、窒素または希ガスで充填された雰囲気をいう。
【0227】
また、加熱処理を行うことにより、不純物の放出と同時に絶縁層109に含まれる酸素を
半導体層242aおよび半導体層242bに拡散させ、半導体層242aおよび半導体層
242bの酸素欠損を低減することができる。なお、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後
に、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行
ってもよい。なお、加熱処理は、半導体層242bの形成後であれば、いつ行ってもよい
。例えば、半導体層242bの選択的なエッチング後に加熱処理を行ってもよい。
【0228】
加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下で行えば
よい。処理時間は24時間以内とする。24時間を超える加熱処理は生産性の低下を招く
ため好ましくない。
【0229】
次に、半導体層242b上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて、半導
体層242aおよび半導体層242bの一部を選択的にエッチングする。この時、絶縁層
109の一部がエッチングされ、絶縁層109に凸部が形成される場合がある。
【0230】
半導体層242aおよび半導体層242bのエッチングは、ドライエッチング法でもウェ
ットエッチング法でもよく、両方を用いてもよい。エッチング終了後、レジストマスクを
除去する。
【0231】
また、トランジスタ134は、半導体層242b上に、半導体層242bの一部と接して
、電極244および電極245を有する。電極244および電極245(これらと同じ層
で形成される他の電極または配線を含む)は、配線121と同様の材料および方法で形成
することができる。
【0232】
また、トランジスタ134は、半導体層242b、電極244、および電極245上に半
導体層242cを有する。半導体層242cは、半導体層242b、電極244、および
電極245の、それぞれの一部と接する。
【0233】
本実施の形態では、半導体層242cを、In-Ga-Zn酸化物ターゲット(In:G
a:Zn=1:3:2)を用いたスパッタリング法により形成する。なお、半導体層24
2cに適用可能な構成元素および組成はこれに限られるものではない。例えば、半導体層
242cとして酸化ガリウムを用いてもよい。また、半導体層242cに酸素ドープ処理
を行ってもよい。
【0234】
また、トランジスタ134は、半導体層242c上に絶縁層117を有する。絶縁層11
7はゲート絶縁層として機能することができる。絶縁層117は、絶縁層102と同様の
材料及び方法で形成することができる。また、絶縁層117に酸素ドープ処理を行っても
よい。
【0235】
半導体層242cおよび絶縁層117の形成後、絶縁層117上にマスクを形成し、半導
体層242cおよび絶縁層117の一部を選択的にエッチングして、島状の半導体層24
2c、および島状の絶縁層117としてもよい。
【0236】
また、トランジスタ134は、絶縁層117上に電極243を有する。電極243(これ
らと同じ層で形成される他の電極または配線を含む)は、配線121と同様の材料および
方法で形成することができる。
【0237】
本実施の形態では、電極243を電極243aと電極243bの積層とする例を示してい
る。例えば、電極243aを窒化タンタルで形成し、電極243bを銅で形成する。電極
243aがバリア層として機能し、銅元素の拡散を防ぐことができる。よって、信頼性の
高い半導体装置を実現することができる。
【0238】
また、トランジスタ134は、電極243を覆う絶縁層118を有する。絶縁層118は
、絶縁層102と同様の材料及び方法で形成することができる。また、絶縁層118に酸
素ドープ処理を行ってもよい。また、絶縁層118表面にCMP処理を行ってもよい。
【0239】
また、絶縁層118上に絶縁層119を有する。絶縁層119は、絶縁層105と同様の
材料および方法で形成することができる。また、絶縁層119表面にCMP処理を行って
もよい。CMP処理を行うことにより、試料表面の凹凸を低減し、この後形成される絶縁
層や導電層の被覆性を高めることができる。また、絶縁層119および絶縁層118の一
部に開口が形成されている。また、該開口中に、コンタクトプラグが形成されている。
【0240】
また、絶縁層119の上に、配線127、及び配線144(これらと同じ層で形成される
他の電極または配線を含む)が形成されている。配線144は、絶縁層119及び絶縁層
118に設けられた開口において、コンタクトプラグを介して電極273と電気的に接続
されている。また、配線127は、絶縁層119及び絶縁層118に設けられた開口にお
いて、コンタクトプラグを介して電極243と電気的に接続されている。
【0241】
また、撮像装置100は、配線127、及び配線144(これらと同じ層で形成される他
の電極または配線を含む)を覆って絶縁層115を有する。絶縁層115は、絶縁層10
5と同様の材料および方法で形成することができる。また、絶縁層115表面にCMP処
理を行ってもよい。CMP処理を行うことにより、試料表面の凹凸を低減し、この後形成
される絶縁層や導電層の被覆性を高めることができる。また、絶縁層115の一部に開口
が形成されている。
【0242】
また、絶縁層115の上に、配線122、配線123、及び配線266(これらと同じ層
で形成される他の電極または配線を含む)が形成されている。
【0243】
なお、配線122、配線123、及び配線266(これらと同じ層で形成される他の電極
または配線を含む)は、それぞれが絶縁層中に形成された開口およびコンタクトプラグを
介して、他層の配線または他層の電極と電気的に接続することができる。
【0244】
また、配線122、配線123、及び配線266を覆って絶縁層116を有する。絶縁層
116は、絶縁層105と同様の材料および方法で形成することができる。また、絶縁層
116表面にCMP処理を行ってもよい。
【0245】
周辺回路を構成するトランジスタの一例として、図21に示したトランジスタ281の拡
大断面図を図24(A)に示す。また、図21に示したトランジスタ282の拡大断面図
図24(B)に示す。本実施の形態では、一例として、トランジスタ281がpチャネ
ル型のトランジスタ、トランジスタ282がnチャネル型のトランジスタである場合につ
いて説明する。
【0246】
トランジスタ281は、チャネルが形成されるi型半導体283、p型半導体285、絶
縁層286、電極287、側壁288を有する。また、i型半導体283中の側壁288
と重なる領域に低濃度p型不純物領域284を有する。
【0247】
トランジスタ281が有するi型半導体283は、光電変換素子136が有するi型半導
体222と同一工程で同時に形成することができる。また、トランジスタ281が有する
p型半導体285は、光電変換素子136が有するp型半導体221と同一工程で同時に
形成することができる。
【0248】
絶縁層286はゲート絶縁層として機能できる。また、電極287はゲート電極として機
能できる。低濃度p型不純物領域284は、電極287形成後、側壁288形成前に、電
極287をマスクとして用いて不純物元素を導入することにより形成することができる。
すなわち、低濃度p型不純物領域284は、自己整合方式により形成することができる。
なお、低濃度p型不純物領域284はp型半導体285と同じ導電型を有し、導電型を付
与する不純物の濃度がp型半導体285よりも少ない。
【0249】
トランジスタ282はトランジスタ281と同様の構成を有するが、低濃度p型不純物領
域284とp型半導体285に換えて、低濃度n型不純物領域294とn型半導体295
を有する点が異なる。
【0250】
また、トランジスタ282が有するn型半導体295は、光電変換素子136が有するn
型半導体223と同一工程で同時に形成することができる。また、トランジスタ281と
同様に、低濃度n型不純物領域294は、自己整合方式により形成することができる。な
お、低濃度n型不純物領域294はn型半導体295と同じ導電型を有し、導電型を付与
する不純物の濃度がn型半導体295よりも少ない。
【0251】
なお、本明細書等で開示された、金属膜、半導体膜、無機絶縁膜など様々な膜はスパッタ
リング法やプラズマCVD法により形成することができるが、他の方法、例えば、熱CV
D(Chemical Vapor Deposition)法により形成してもよい。
熱CVD法の例としてMOCVD(Metal Organic Chemical V
apor Deposition)法やALD(Atomic Layer Depos
ition)法を使っても良い。
【0252】
熱CVD法は、プラズマを使わない成膜方法のため、プラズマダメージにより欠陥が生成
されることが無いという利点を有する。
【0253】
熱CVD法は、原料ガスと酸化剤を同時にチャンバー内に送り、チャンバー内を大気圧ま
たは減圧下とし、基板近傍または基板上で反応させて基板上に堆積させることで成膜を行
ってもよい。
【0254】
また、ALD法は、チャンバー内を大気圧または減圧下とし、反応のための原料ガスが順
次にチャンバーに導入され、そのガス導入の順序を繰り返すことで成膜を行ってもよい。
例えば、それぞれのスイッチングバルブ(高速バルブとも呼ぶ)を切り替えて2種類以上
の原料ガスを順番にチャンバーに供給し、複数種の原料ガスが混ざらないように第1の原
料ガスと同時またはその後に不活性ガス(アルゴン、或いは窒素など)などを導入し、第
2の原料ガスを導入する。なお、同時に不活性ガスを導入する場合には、不活性ガスはキ
ャリアガスとなり、また、第2の原料ガスの導入時にも同時に不活性ガスを導入してもよ
い。また、不活性ガスを導入する代わりに真空排気によって第1の原料ガスを排出した後
、第2の原料ガスを導入してもよい。第1の原料ガスが基板の表面に吸着して第1の層を
成膜し、後から導入される第2の原料ガスと反応して、第2の層が第1の層上に積層され
て薄膜が形成される。このガス導入順序を制御しつつ所望の厚さになるまで複数回繰り返
すことで、段差被覆性に優れた薄膜を形成することができる。薄膜の厚さは、ガス導入順
序を繰り返す回数によって調節することができるため、精密な膜厚調節が可能であり、微
細なFET(Field Effect Transistor)を作製する場合に適し
ている。
【0255】
MOCVD法やALD法などの熱CVD法は、これまでに記載した実施形態に開示された
金属膜、半導体膜、無機絶縁膜など様々な膜を形成することができ、例えば、In-Ga
-Zn-O膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム、トリメチルガリウム、及びジ
メチル亜鉛を用いる。なお、トリメチルインジウムの化学式は、In(CHである
。また、トリメチルガリウムの化学式は、Ga(CHである。また、ジメチル亜鉛
の化学式は、Zn(CHである。また、これらの組み合わせに限定されず、トリメ
チルガリウムに代えてトリエチルガリウム(化学式Ga(C)を用いることも
でき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(化学式Zn(C)を用いることも
できる。
【0256】
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化ハフニウム膜を形成する場合には、溶媒と
ハフニウム前駆体化合物を含む液体(ハフニウムアルコキシドや、テトラキスジメチルア
ミドハフニウム(TDMAH)などのハフニウムアミド)を気化させた原料ガスと、酸化
剤としてオゾン(O)の2種類のガスを用いる。なお、テトラキスジメチルアミドハフ
ニウムの化学式はHf[N(CHである。また、他の材料液としては、テトラ
キス(エチルメチルアミド)ハフニウムなどがある。
【0257】
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化アルミニウム膜を形成する場合には、溶媒
とアルミニウム前駆体化合物を含む液体(トリメチルアルミニウム(TMA)など)を気
化させた原料ガスと、酸化剤としてHOの2種類のガスを用いる。なお、トリメチルア
ルミニウムの化学式はAl(CHである。また、他の材料液としては、トリス(ジ
メチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,
2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナート)などがある。
【0258】
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化シリコン膜を形成する場合には、ヘキサク
ロロジシランを被成膜面に吸着させ、吸着物に含まれる塩素を除去し、酸化性ガス(O
、一酸化二窒素)のラジカルを供給して吸着物と反応させる。
【0259】
例えば、ALDを利用する成膜装置によりタングステン膜を成膜する場合には、WF
スとBガスを順次繰り返し導入して初期タングステン膜を形成し、その後、WF
ガスとHガスを順次繰り返し導入してタングステン膜を形成する。なお、Bガス
に代えてSiHガスを用いてもよい。
【0260】
例えば、ALDを利用する成膜装置により酸化物半導体膜、例えばIn-Ga-Zn-O
膜を成膜する場合には、In(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してIn-
O層を形成し、その後、Ga(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してGaO
層を形成し、更にその後Zn(CHガスとOガスを順次繰り返し導入してZnO
層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。また、これらのガスを用い
てIn-Ga-O層やIn-Zn-O層、Ga-Zn-O層などの混合化合物層を形成し
ても良い。なお、Oガスに変えてAr等の不活性ガスで水をバブリングして得られたH
Oガスを用いても良いが、Hを含まないOガスを用いる方が好ましい。また、In(
CHガスにかえて、In(Cガスを用いても良い。また、Ga(CH
ガスにかえて、Ga(Cガスを用いても良い。また、Zn(CH
スを用いても良い。
【0261】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0262】
(実施の形態5)
周辺回路及び画素回路に、OR回路、AND回路、NAND回路、及びNOR回路などの
論理回路や、インバータ回路、バッファ回路、シフトレジスタ回路、フリップフロップ回
路、エンコーダ回路、デコーダ回路、増幅回路、アナログスイッチ回路、積分回路、微分
回路、及びメモリ素子などを適宜設けることができる。
【0263】
本実施の形態では、図25(A)乃至図25(E)を用いて、周辺回路及び画素回路に用
いることができるCMOS回路などの一例を示す。なお、図25などの回路図において酸
化物半導体を用いたトランジスタであることを明示するために、トランジスタの回路記号
に「OS」の記載を付している。
【0264】
図25(A)に示すCMOS回路は、pチャネル型のトランジスタ281とnチャネル型
のトランジスタ282を直列に接続し、且つ、それぞれのゲートを接続した、いわゆるイ
ンバータ回路の構成例を示している。
【0265】
図25(B)に示すCMOS回路は、pチャネル型のトランジスタ281とnチャネル型
のトランジスタ282を並列に接続した、いわゆるアナログスイッチ回路の構成例を示し
ている。
【0266】
図25(C)に示す回路は、nチャネル型のトランジスタ289のソースまたはドレイン
の一方を、pチャネル型のトランジスタ281のゲートおよび容量素子257の一方の電
極に接続した、いわゆるメモリ素子の構成例を示している。また、図25(D)に示す回
路は、nチャネル型のトランジスタ289のソースまたはドレインの一方を、容量素子2
57の一方の電極に接続した、いわゆるメモリ素子の構成例を示している。
【0267】
図25(C)および図25(D)に示す回路は、トランジスタ289のソースまたはドレ
インの他方から入力された電荷を、ノード256に保持することができる。トランジスタ
289に酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることで、長期間に渡ってノード25
6の電荷を保持することができる。また、トランジスタ281を、チャネルが形成される
半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタとしてもよい。
【0268】
図25(E)に示す回路は、光センサの構成例を示している。図25(E)において、チ
ャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタ292のソースまたは
ドレインの一方はフォトダイオード291と電気的に接続され、トランジスタ292のソ
ースまたはドレインの他方はノード254を介してトランジスタ293のゲートと電気的
に接続されている。チャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタ
292は、オフ電流を極めて小さくすることができるため、受光した光量に応じて決定さ
れるノード254の電位が変動しにくい。よって、ノイズの影響を受けにくい撮像装置を
実現することができる。
【0269】
また、一例として、図25(E)に示した光センサにおけるフォトダイオード291をセ
レン系半導体SSeとする回路図を、図26(A)に示す。
【0270】
セレン系半導体SSeとしては、電圧を印加することで1個の入射光子から複数の電子を
取り出すことのできる、アバランシェ増倍という現象を利用して光電変換が可能な素子で
ある。従って、セレン系半導体SSeを有する光センサでは、入射される光量に対する電
子の増幅を大きく、高感度のセンサとすることができる。
【0271】
セレン系半導体SSeとしては、非晶質性を有するセレン系半導体、あるいは結晶性を有
するセレン系半導体を用いることができる。結晶性を有するセレン系半導体は、一例とし
て、非晶質性を有するセレン系半導体を成膜後、熱処理することで得ればよい。なお結晶
性を有するセレン系半導体の結晶粒径を画素ピッチより小さくすることで、画素ごとの特
性ばらつきが低減し、得られる画像の画質が均一になり好ましい。
【0272】
セレン系半導体SSeの中でも結晶性を有するセレン系半導体は、光吸収係数を広い波長
域にわたって有するといった特性を有する。そのため、可視光や、紫外光に加えて、X線
や、ガンマ線といった幅広い波長域の撮像素子として利用することができ、X線や、ガン
マ線といった短い波長域の光を直接電荷に変換できる、所謂直接変換型の素子として用い
ることができる。
【0273】
図26(B)には、図26(A)に示す回路構成の一部に対応する、断面構造の模式図で
ある。図26(B)では、トランジスタ292、トランジスタ292に接続される電極E
Pix、セレン系半導体SSe、電極EVPD、及び基板Subを図示している。
【0274】
電極EVPD、及び基板Subが設けられる側より、セレン系半導体SSeに向けて光を
入射する。そのため電極EVPD、及び基板Subは透光性を有することが好ましい。電
極EVPDとしては、インジウム錫酸化物を用い、基板Subとしては、ガラス基板を用
いることができる。
【0275】
セレン系半導体SSe、及びセレン系半導体SSeに積層して設ける電極EVPDは、画
素ごとに形状を加工することなく用いることができる。形状を加工するための工程を削減
することができるため、作製コストの低減、及び作製歩留まりの向上を図ることができる
【0276】
なお、セレン系半導体SSeは、一例として、カルコパイライト系半導体を挙げることが
できる。具体例としては、CuIn1-xGaSe(0≦x≦1)(CIGSと略記
)を挙げることができる。CIGSは、蒸着法、スパッタリング法等を用いて形成するこ
とができる。
【0277】
カルコパイライト系半導体であるセレン系半導体SSeは、数V(5乃至20V)程度の
電圧を印加することで、アバランシェ増倍を発現できる。セレン系半導体SSeに電圧を
印加して光の照射によって生じる信号電荷の移動における直進性を高めることができる。
なおセレン系半導体SSeの膜厚は、1μm以下と薄くすることで、印加する電圧を小さ
くできる。
【0278】
なおセレン系半導体SSeの膜厚が薄い場合、電圧印加時に暗電流が流れるが、上述した
カルコパイライト系半導体であるCIGSに暗電流が流れることを防ぐための層(正孔注
入障壁層)を設けることで、暗電流が流れることを抑制できる。正孔注入障壁層としては
、酸化物半導体を用いればよく、一例としては酸化ガリウムを用いることができる。正孔
注入障壁層の膜厚は、セレン系半導体SSeの膜厚より小さいことが好ましい。
【0279】
図26(C)には、図26(B)とは異なる、断面構造の模式図である。図26(C)で
は、トランジスタ292、トランジスタ292に接続される電極EPix、セレン系半導
体SSe、電極EVPD、及び基板Subの他に、正孔注入障壁層EOSを図示している
【0280】
以上説明したようにセンサとしてセレン系半導体SSeを用いることで、作製コストの低
減、及び作製歩留まりの向上、画素ごとの特性ばらつき低減することができ、高感度のセ
ンサとすることができる。従って、より精度の高い撮像データの取得が可能な撮像装置と
することができる。
【0281】
なお、本実施の形態で説明したセレン系半導体SSeは、他の実施の形態に示した光電変
換素子として用いることも可能である。
【0282】
図27に、4つの光センサ(画素)に対して、1つのリセットトランジスタ、1つの増幅
トランジスタ、1つのリセット線を兼用する垂直4画素共有型の回路構成例を示す。トラ
ンジスタ及び配線を兼用とすることで、トランジスタ及び配線を削減し、1画素あたりの
占有面積の縮小による微細化や、フォトダイオードの受光面積拡大によるノイズの低減を
実現することができる。
【0283】
図27において、トランジスタ1414のゲートが配線1451(TRF1)と電気的に
接続され、トランジスタ1424のゲートが配線1452(TRF2)と電気的に接続さ
れ、トランジスタ1434のゲートが配線1453(TRF3)と電気的に接続され、ト
ランジスタ1444のゲートが配線1454(TRF4)と電気的に接続されている。ま
た、トランジスタ1414のソースまたはドレインの一方がフォトダイオード1412(
PD1)と電気的に接続され、トランジスタ1424のソースまたはドレインの一方がフ
ォトダイオード1422(PD2)と電気的に接続され、トランジスタ1434のソース
またはドレインの一方がフォトダイオード1432(PD3)と電気的に接続され、トラ
ンジスタ1444のソースまたはドレインの一方がフォトダイオード1442(PD4)
と電気的に接続されている。また、トランジスタ1414、トランジスタ1424、トラ
ンジスタ1434、及びトランジスタ1444それぞれの、ソースまたはドレインの他方
がノード1410(ND)と電気的に接続されている。
【0284】
また、トランジスタ1406のソースまたはドレインの一方と、トランジスタ1408の
ゲートがノード1410と電気的に接続されている。また、トランジスタ1406のゲー
トが配線1461(RST1)と電気的に接続され、トランジスタ1406のソースまた
はドレインの他方とトランジスタ1408のソースまたはドレインの一方が、配線143
0(VDD)と電気的に接続されている。また、トランジスタ1408のソースまたはド
レインの他方が配線1470と電気的に接続されている。
【0285】
次に、図27に例示した垂直4画素共有型の回路の動作例を図28のタイミングチャート
に従って説明する。1ライン目の駆動は、まず配線1461(RST1)にトランジスタ
1406をオン状態とする電位(例えば、H電位。)を供給し、トランジスタ1406を
オン状態とする。すると、ノード1410の電位がVDDになる。
【0286】
次に、配線1461にトランジスタ1406をオフ状態とする電位(例えば、L電位。)
を供給し、トランジスタ1406をオフ状態とする。この時、ノード1410に他の電流
パスがなければノード1410の電位はVDDに保持される。
【0287】
次に、配線1451(TRF1)にトランジスタ1414をオン状態とする電位(例えば
、H電位。)を供給し、トランジスタ1414をオン状態とする。この時、フォトダイオ
ード1412(PD1)に光が当たると、受光量に応じた電流がフォトダイオード141
2とトランジスタ1414に流れ、ノード1410の電位が低下する。次に、配線145
1(TRF1)にトランジスタ1414をオフ状態とする電位(例えば、L電位。)を供
給し、トランジスタ1414をオフ状態とすると、ノード1410の電位が保持される。
この時のノード1410の電位を、トランジスタ1408を介して配線1470に出力す
る。
【0288】
2ライン目の駆動は、まず、再び配線1461にトランジスタ1406をオン状態とする
電位を供給し、トランジスタ1406をオン状態とする。すると、ノード1410の電位
がVDDとなる。次に、配線1461にトランジスタ1406をオフ状態とする電位を供
給し、トランジスタ1406をオフ状態とする。
【0289】
次に、配線1452(TRF2)にトランジスタ1424をオン状態とする電位を供給し
、トランジスタ1424をオン状態とする。この時、フォトダイオード1422(PD2
)に光が当たると、受光量に応じた電流がフォトダイオード1422とトランジスタ14
24に流れ、ノード1410の電位が低下する。次に、配線1452(TRF2)にトラ
ンジスタ1424をオフ状態とする電位(例えば、L電位。)を供給し、トランジスタ1
424をオフ状態とすると、ノード1410の電位が保持される。この時のノード141
0の電位を、トランジスタ1408を介して配線1470に出力する。
【0290】
3ライン目の駆動は、まず、再び配線1461にトランジスタ1406をオン状態とする
電位を供給し、トランジスタ1406をオン状態とする。すると、ノード1410の電位
がVDDとなる。次に、配線1461にトランジスタ1406をオフ状態とする電位を供
給し、トランジスタ1406をオフ状態とする。
【0291】
次に、配線1453(TRF3)にトランジスタ1434をオン状態とする電位を供給し
、トランジスタ1434をオン状態とする。この時、フォトダイオード1432(PD3
)に光が当たると、受光量に応じた電流がフォトダイオード1432とトランジスタ14
34に流れ、ノード1410の電位が低下する。次に、配線1453(TRF3)にトラ
ンジスタ1434をオフ状態とする電位(例えば、L電位。)を供給し、トランジスタ1
434をオフ状態とすると、ノード1410の電位が保持される。この時のノード141
0の電位を、トランジスタ1408を介して配線1470に出力する。
【0292】
4ライン目の駆動は、まず、再び配線1461にトランジスタ1406をオン状態とする
電位を供給し、トランジスタ1406をオン状態とする。すると、ノード1410の電位
がVDDとなる。次に、配線1461にトランジスタ1406をオフ状態とする電位を供
給し、トランジスタ1406をオフ状態とする。
【0293】
次に、配線1454(TRF4)にトランジスタ1444をオン状態とする電位を供給し
、トランジスタ1444をオン状態とする。この時、フォトダイオード1442(PD4
)に光が当たると、受光量に応じた電流がフォトダイオード1442とトランジスタ14
44に流れ、ノード1410の電位が低下する。次に、配線1454(TRF4)にトラ
ンジスタ1444をオフ状態とする電位(例えば、L電位。)を供給し、トランジスタ1
444をオフ状態とすると、ノード1410の電位が保持される。この時のノード141
0の電位を、トランジスタ1408を介して配線1470に出力する。
【0294】
このようにして、図27に例示した垂直4画素共有型の回路を動作させることができる。
【0295】
また、周辺回路に、図29(A)に示すシフトレジスタ回路1800とバッファ回路19
00を組み合わせた回路を設けてもよい。また、周辺回路に、図29(B)に示すシフト
レジスタ回路1810とバッファ回路1910とアナログスイッチ回路2100を組み合
わせた回路を設けてもよい。各垂直出力線2110はアナログスイッチ回路2100によ
って選択され、出力信号を出力線2200に出力する。アナログスイッチ回路2100は
シフトレジスタ回路1810とバッファ回路1910で順次選択することができる。
【0296】
また、上記実施の形態に示した回路図において、配線123、配線528、配線722、
配線1470などに、図30(A)、図30(B)、または図30(C)に示すような積
分回路が接続されていてもよい。当該回路によって、読み出し信号(アナログ信号)のS
/N比を高めることができ、より微弱な光を検出することができる。すなわち、撮像装置
の感度を高めることができる。
【0297】
図30(A)は、演算増幅回路(OPアンプともいう)を用いた積分回路である。演算増
幅回路の反転入力端子は、抵抗素子Rを介して入力端子137に接続される。演算増幅回
路の非反転入力端子は、接地電位に接続される。演算増幅回路の出力端子は、容量素子C
を介して演算増幅回路の反転入力端子に接続される。
【0298】
図30(B)は、図30(A)とは異なる構成の演算増幅回路を用いた積分回路である。
演算増幅回路の反転入力端子は、抵抗素子Rと容量素子C1を介して入力端子137に接
続される。演算増幅回路の非反転入力端子は、接地電位に接続される。演算増幅回路の出
力端子は、容量素子C2を介して演算増幅回路の反転入力端子に接続される。
【0299】
図30(C)は、図30(A)および図30(B)とは異なる構成の演算増幅回路を用い
た積分回路である。演算増幅回路の非反転入力端子は、抵抗素子Rを介して入力端子13
7に接続される。演算増幅回路の出力端子は、演算増幅回路の反転入力端子に接続される
。なお、抵抗素子Rと容量素子Cは、CR積分回路を構成する。また、演算増幅回路はユ
ニティゲインバッファを構成する。
【0300】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0301】
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態に示したトランジスタと置き換えて使用することがで
きるトランジスタの構成例について、図31乃至図35を用いて説明する。また、ノード
の構成例について、図36を用いて説明する。
【0302】
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図31(A1)に例示するトランジスタ410は、ボトムゲート型のトランジスタの一種
であるチャネル保護型のトランジスタである。トランジスタ410は、絶縁層109上に
ゲート電極として機能できる電極246を有する。また、電極246上に絶縁層117を
介して半導体層242を有する。電極246は配線121と同様の材料及び方法で形成す
ることができる。
【0303】
また、トランジスタ410は、半導体層242のチャネル形成領域上に、チャネル保護層
として機能できる絶縁層209を有する。絶縁層209は、絶縁層117と同様の材料お
よび方法により形成することができる。電極244の一部、および電極245の一部は、
絶縁層209上に形成される。
【0304】
チャネル形成領域上に絶縁層209を設けることで、電極244および電極245の形成
時に生じる半導体層242の露出を防ぐことができる。よって、電極244および電極2
45の形成時に半導体層242の薄膜化を防ぐことができる。本発明の一態様によれば、
電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
【0305】
図31(A2)に示すトランジスタ411は、絶縁層118上にバックゲート電極として
機能できる電極213を有する点が、トランジスタ410と異なる。電極213は、配線
121と同様の材料および方法で形成することができる。
【0306】
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体
層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電
極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位と
してもよいし、GND電位や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位
をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変
化させることができる。
【0307】
電極246および電極213は、どちらもゲート電極として機能することができる。よっ
て、絶縁層117、絶縁層209、および絶縁層118は、ゲート絶縁層として機能する
ことができる。
【0308】
なお、電極246または電極213の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バッ
クゲート電極」という場合がある。例えば、トランジスタ411において、電極213を
「ゲート電極」と言う場合、電極246を「バックゲート電極」と言う場合がある。また
、電極213を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ411をトップゲート
型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極246および電極213のど
ちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合が
ある。
【0309】
半導体層242を挟んで電極246および電極213を設けることで、更には、電極24
6および電極213を同電位とすることで、半導体層242においてキャリアの流れる領
域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、ト
ランジスタ411のオン電流が大きくなる共に、電界効果移動度が高くなる。
【0310】
したがって、トランジスタ411は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジ
スタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ411の占有面積を
小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくす
ることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現する
ことができる。
【0311】
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で
生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気
などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく
形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる
【0312】
また、電極246および電極213は、それぞれが外部からの電界を遮蔽する機能を有す
るため、絶縁層109側もしくは電極213上方に生じる荷電粒子等の電荷が半導体層2
42のチャネル形成領域に影響しない。この結果、ストレス試験(例えば、ゲートに負の
電荷を印加する-GBT(Gate Bias-Temperature)ストレス試験
)の劣化が抑制されると共に、異なるドレイン電圧におけるオン電流の立ち上がり電圧の
変動を抑制することができる。なお、この効果は、電極246および電極213が、同電
位、または異なる電位の場合において生じる。
【0313】
なお、BTストレス試験は加速試験の一種であり、長期間の使用によって起こるトランジ
スタの特性変化(すなわち、経年変化)を、短時間で評価することができる。特に、BT
ストレス試験前後におけるトランジスタのしきい値電圧の変動量は、信頼性を調べるため
の重要な指標となる。BTストレス試験前後において、しきい値電圧の変動量が少ないほ
ど、信頼性が高いトランジスタであるといえる。
【0314】
また、電極246および電極213を有し、且つ電極246および電極213を同電位と
することで、しきい値電圧の変動量が低減される。このため、複数のトランジスタにおけ
る電気特性のばらつきも同時に低減される。
【0315】
また、バックゲート電極を有するトランジスタは、ゲートに正の電荷を印加する+GBT
ストレス試験前後におけるしきい値電圧の変動も、バックゲート電極を有さないトランジ
スタより小さい。
【0316】
また、バックゲート電極側から光が入射する場合に、バックゲート電極を、遮光性を有す
る導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐ
ことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフト
するなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
【0317】
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、
信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
【0318】
図31(B1)に例示するトランジスタ420は、ボトムゲート型のトランジスタの1つ
であるチャネル保護型のトランジスタである。トランジスタ420は、トランジスタ41
0とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層209が半導体層242を覆っている点が異
なる。また、半導体層242と重なる絶縁層209の一部を選択的に除去して形成した開
口部において、半導体層242と電極244が電気的に接続している。また、半導体層2
42と重なる絶縁層209の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層
242と電極245が電気的に接続している。絶縁層209の、チャネル形成領域と重な
る領域は、チャネル保護層として機能できる。
【0319】
図31(B2)に示すトランジスタ421は、絶縁層118上にバックゲート電極として
機能できる電極213を有する点が、トランジスタ420と異なる。
【0320】
絶縁層209を設けることで、電極244および電極245の形成時に生じる半導体層2
42の露出を防ぐことができる。よって、電極244および電極245の形成時に半導体
層242の薄膜化を防ぐことができる。
【0321】
また、トランジスタ420およびトランジスタ421は、トランジスタ410およびトラ
ンジスタ411よりも、電極244と電極246の間の距離と、電極245と電極246
の間の距離が長くなる。よって、電極244と電極246の間に生じる寄生容量を小さく
することができる。また、電極245と電極246の間に生じる寄生容量を小さくするこ
とができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
【0322】
〔トップゲート型トランジスタ〕
図32(A1)に例示するトランジスタ430は、トップゲート型のトランジスタの1つ
である。トランジスタ430は、絶縁層109の上に半導体層242を有し、半導体層2
42および絶縁層109上に、半導体層242の一部に接する電極244および半導体層
242の一部に接する電極245を有し、半導体層242、電極244、および電極24
5上に絶縁層117を有し、絶縁層117上に電極246を有する。
【0323】
トランジスタ430は、電極246および電極244、並びに、電極246および電極2
45が重ならないため、電極246および電極244間に生じる寄生容量、並びに、電極
246および電極245間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極24
6を形成した後に、電極246をマスクとして用いて不純物元素255を半導体層242
に導入することで、半導体層242中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域
を形成することができる(図32(A3)参照)。本発明の一態様によれば、電気特性の
良好なトランジスタを実現することができる。
【0324】
なお、不純物元素255の導入は、イオン注入装置、イオンドーピング装置またはプラズ
マ処理装置を用いて行うことができる。
【0325】
不純物元素255としては、例えば、第13族元素または第15族元素のうち、少なくと
も一種類の元素を用いることができる。また、半導体層242に酸化物半導体を用いる場
合は、不純物元素255として、希ガス、水素、および窒素のうち、少なくとも一種類の
元素を用いることも可能である。
【0326】
図32(A2)に示すトランジスタ431は、電極213および絶縁層217を有する点
がトランジスタ430と異なる。トランジスタ431は、絶縁層109の上に形成された
電極213を有し、電極213上に形成された絶縁層217を有する。前述した通り、電
極213は、バックゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層217は、
ゲート絶縁層として機能することができる。絶縁層217は、絶縁層117と同様の材料
および方法により形成することができる。
【0327】
トランジスタ411と同様に、トランジスタ431は、占有面積に対して大きいオン電流
を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ4
31の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占
有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導
体装置を実現することができる。
【0328】
図32(B1)に例示するトランジスタ440は、トップゲート型のトランジスタの1つ
である。トランジスタ440は、電極244および電極245を形成した後に半導体層2
42を形成する点が、トランジスタ430と異なる。また、図32(B2)に例示するト
ランジスタ441は、電極213および絶縁層217を有する点が、トランジスタ440
と異なる。トランジスタ440およびトランジスタ441において、半導体層242の一
部は電極244上に形成され、半導体層242の他の一部は電極245上に形成される。
【0329】
トランジスタ411と同様に、トランジスタ441は、占有面積に対して大きいオン電流
を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ4
41の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占
有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導
体装置を実現することができる。
【0330】
トランジスタ440およびトランジスタ441も、電極246を形成した後に、電極24
6をマスクとして用いて不純物元素255を半導体層242に導入することで、半導体層
242中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、
電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば
、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0331】
〔s-channel型トランジスタ〕
図33に例示するトランジスタ450は、半導体層242bの上面及び側面が半導体層2
42cに覆われた構造を有する。図33(A)はトランジスタ450の上面図である。図
33(B)は、図33(A)中のX1-X2の一点鎖線で示した部位の断面図(チャネル
長方向の断面図)である。図33(C)は、図33(A)中のY1-Y2の一点鎖線で示
した部位の断面図(チャネル幅方向の断面図)である。
【0332】
絶縁層109に設けた凸部上に半導体層242bを設けることによって、半導体層242
bの側面を電極243で覆うことができる。すなわち、トランジスタ450は、電極24
3の電界によって、半導体層242bを電気的に取り囲むことができる構造を有している
。このように、導電膜の電界によって、チャネルが形成される半導体層を電気的に取り囲
むトランジスタの構造を、surrounded channel(s-channel
)構造とよぶ。また、s-channel構造を有するトランジスタを、「s-chan
nel型トランジスタ」もしくは「s-channelトランジスタ」ともいう。
【0333】
s-channel構造では、半導体層242bの全体(バルク)にチャネルが形成され
る場合がある。s-channel構造では、トランジスタのドレイン電流を大きくする
ことができ、さらに大きいオン電流を得ることができる。また、電極243の電界によっ
て、半導体層242bに形成されるチャネル形成領域の全領域を空乏化することができる
。したがって、s-channel構造では、トランジスタのオフ電流をさらに小さくす
ることができる。
【0334】
なお、絶縁層109の凸部を高くし、また、チャネル幅を小さくすることで、s-cha
nnel構造によるオン電流の増大効果、オフ電流の低減効果などをより高めることがで
きる。また、半導体層242bの形成時に、露出する半導体層242aを除去してもよい
。この場合、半導体層242aと半導体層242bの側面が揃う場合がある。
【0335】
また、図34に示すトランジスタ451のように、半導体層242の下方に、絶縁層を介
して電極213を設けてもよい。図34(A)はトランジスタ451の上面図である。図
34(B)は、図34(A)中のX1-X2の一点鎖線で示した部位の断面図である。図
34(C)は、図34(A)中のY1-Y2の一点鎖線で示した部位の断面図である。
【0336】
また、図35に示すトランジスタ452のように、電極243の上方に層214を設けて
もよい。図35(A)はトランジスタ452の上面図である。図35(B)は、図35
A)中のX1-X2の一点鎖線で示した部位の断面図である。図35(C)は、図35
A)中のY1-Y2の一点鎖線で示した部位の断面図である。
【0337】
図35では、層214を絶縁層119上に設けているが、絶縁層118上に設けてもよい
。層214を、遮光性を有する材料で形成することで、光照射によるトランジスタの特性
変動や、信頼性の低下などを防ぐことができる。なお、層214を少なくとも半導体層2
42bよりも大きく形成し、層214で半導体層242bを覆うことで、上記の効果を高
めることができる。層214は、有機物材料、無機物材料、又は金属材料を用いて作製す
ることができる。また、層214を導電性材料で作製した場合、層214に電圧を供給し
てもよいし、電気的に浮遊した(フローティング)状態としてもよい。
【0338】
また、上記実施の形態に示した容量素子135は、トランジスタ134がオフ状態となる
と電極245がフローティング状態となり、ノイズなどの周囲の電位変動の影響を受けや
すくなる。すなわち、トランジスタ134がオフ状態となると、ノイズなどの周囲の電界
の影響により、ノード152として機能できる電極245の電位が変動する場合がある。
【0339】
〔ノード152〕
図36の断面図に示すように、容量素子135を構成する電極245よりも下層に絶縁層
を介して電極212を設けることで、ノード152として機能できる電極245の電位変
動を抑えることができる。電極212は、配線121と同様の材料及び方法で形成するこ
とができる。
【0340】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0341】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る撮像装置を用いた電子機器の一例について説明
する。
【0342】
本発明の一態様に係る撮像装置を用いた電子機器として、テレビ、モニタ等の表示装置、
照明装置、デスクトップ型或いはノート型のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ
、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記憶され
た静止画又は動画を再生する画像再生装置、ポータブルCDプレーヤ、ラジオ、テープレ
コーダ、ヘッドホンステレオ、ステレオ、ナビゲーションシステム、置き時計、壁掛け時
計、コードレス電話子機、トランシーバ、携帯電話、自動車電話、携帯型ゲーム機、タブ
レット型端末、パチンコ機などの大型ゲーム機、電卓、携帯情報端末、電子手帳、電子書
籍、電子翻訳機、音声入力機器、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電気シェーバ、
電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、温水器、扇風機
、毛髪乾燥機、エアコンディショナー、加湿器、除湿器などの空調設備、食器洗い器、食
器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA
保存用冷凍庫、懐中電灯、チェーンソー等の工具、煙感知器、透析装置等の医療機器、フ
ァクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売
機などが挙げられる。さらに、誘導灯、信号機、ベルトコンベア、エレベータ、エスカレ
ータ、産業用ロボット、電力貯蔵システム、電力の平準化やスマートグリッドのための蓄
電装置等の産業機器が挙げられる。また、蓄電体等からの電力を用いて電動機により推進
する移動体なども、電子機器の範疇に含まれるものとする。上記移動体として、例えば、
電気自動車(EV)、内燃機関と電動機を併せ持ったハイブリッド車(HEV)、プラグ
インハイブリッド車(PHEV)、これらのタイヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、電
動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、ゴルフ用カート、小
型又は大型船舶、潜水艦、ヘリコプター、航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑
星探査機、宇宙船などが挙げられる。
【0343】
図37(A)はビデオカメラであり、第1筐体941、第2筐体942、表示部943、
操作スイッチ944、レンズ945、接続部946等を有する。操作スイッチ944およ
びレンズ945は第1筐体941に設けられており、表示部943は第2筐体942に設
けられている。そして、第1筐体941と第2筐体942とは、接続部946により接続
されており、第1筐体941と第2筐体942の間の角度は、接続部946により変更が
可能である。表示部943における映像を、接続部946における第1筐体941と第2
筐体942との間の角度に従って切り替える構成としても良い。レンズ945の焦点とな
る位置には本発明の一態様の撮像装置を備えることができる。
【0344】
図37(B)は携帯電話であり、筐体951に、表示部952、マイク957、スピーカ
ー954、カメラ959、入出力端子956、操作スイッチ955などを有する。カメラ
959には本発明の一態様の撮像装置を用いることができる。
【0345】
図37(C)はデジタルカメラであり、筐体921、シャッターボタン922、マイク9
23、発光部927、レンズ925等を有する。レンズ925の焦点となる位置には本発
明の一態様の撮像装置を備えることができる。
【0346】
図37(D)は携帯型ゲーム機であり、筐体901、筐体902、表示部903、表示部
904、マイク905、スピーカー906、操作スイッチ907、スタイラス908、カ
メラ909等を有する。なお、図37(D)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部9
03と表示部904とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限
定されない。カメラ909には本発明の一態様の撮像装置を用いることができる。
【0347】
図37(E)は腕時計型の情報端末であり、筐体931、表示部932、リストバンド9
33、カメラ939等を有する。表示部932はタッチパネルとなっていてもよい。カメ
ラ939には本発明の一態様の撮像装置を用いることができる。
【0348】
図37(F)は携帯データ端末であり、第1筐体911、表示部912、カメラ919等
を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができ
る。カメラ919には本発明の一態様の撮像装置を用いることができる。
【0349】
なお、本発明の一態様の撮像装置を具備していれば、上記で示した電子機器に特に限定さ
れないことは言うまでもない。
【0350】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【符号の説明】
【0351】
100 撮像装置
101 基板
102 絶縁層
103 絶縁層
104 絶縁層
105 絶縁層
106 コンタクトプラグ
107 絶縁層
108 絶縁層
109 絶縁層
110 画素部
111 画素
112 画素駆動回路
113 画素
115 絶縁層
116 絶縁層
117 絶縁層
118 絶縁層
119 絶縁層
121 配線
122 配線
123 配線
124 配線
125 配線
126 配線
127 配線
128 配線
129 配線
131 トランジスタ
132 トランジスタ
133 トランジスタ
134 トランジスタ
135 容量素子
136 光電変換素子
137 入力端子
141 配線
142 配線
143 配線
144 配線
145 配線
151 ノード
152 ノード
209 絶縁層
212 電極
213 電極
214 層
217 絶縁層
221 p型半導体
222 i型半導体
223 n型半導体
224 開口
225 開口
242 半導体層
243 電極
244 電極
245 電極
246 電極
251 画素領域
252 周辺回路領域
254 ノード
255 不純物元素
256 ノード
257 容量素子
260 回路
261 信号処理回路
262 列駆動回路
263 出力回路
264 回路
266 配線
267 配線
268 配線
269 配線
270 回路
273 電極
277 絶縁層
280 回路
281 トランジスタ
282 トランジスタ
283 i型半導体
284 低濃度p型不純物領域
285 p型半導体
286 絶縁層
287 電極
288 側壁
289 トランジスタ
290 回路
291 フォトダイオード
292 トランジスタ
293 トランジスタ
294 低濃度n型不純物領域
295 n型半導体
382 Ec
386 Ec
390 トラップ準位
410 トランジスタ
411 トランジスタ
420 トランジスタ
421 トランジスタ
430 トランジスタ
431 トランジスタ
440 トランジスタ
441 トランジスタ
450 トランジスタ
451 トランジスタ
452 トランジスタ
512 画素駆動回路
522 配線
523 配線
524 配線
525 配線
526 配線
527 配線
528 配線
529 配線
531 配線
532 配線
541 トランジスタ
542 トランジスタ
543 トランジスタ
544 トランジスタ
545 トランジスタ
551 容量素子
552 容量素子
561 ノード
562 ノード
563 ノード
600 レンズ
602 フィルタ
604 配線層
660 光
712 画素駆動回路
721 配線
722 配線
723 配線
724 配線
725 配線
726 配線
727 配線
728 配線
729 配線
731 配線
741 トランジスタ
742 トランジスタ
743 トランジスタ
744 トランジスタ
745 トランジスタ
751 容量素子
761 ノード
762 ノード
901 筐体
902 筐体
903 表示部
904 表示部
905 マイク
906 スピーカー
907 操作スイッチ
908 スタイラス
909 カメラ
911 筐体
912 表示部
919 カメラ
921 筐体
922 シャッターボタン
923 マイク
925 レンズ
927 発光部
931 筐体
932 表示部
933 リストバンド
939 カメラ
941 筐体
942 筐体
943 表示部
944 操作スイッチ
945 レンズ
946 接続部
951 筐体
952 表示部
954 スピーカー
956 入出力端子
957 マイク
959 カメラ
1406 トランジスタ
1408 トランジスタ
1410 ノード
1412 フォトダイオード
1414 トランジスタ
1422 フォトダイオード
1424 トランジスタ
1430 配線
1432 フォトダイオード
1434 トランジスタ
1442 フォトダイオード
1444 トランジスタ
1451 配線
1452 配線
1453 配線
1454 配線
1461 配線
1470 配線
1800 シフトレジスタ回路
1810 シフトレジスタ回路
1900 バッファ回路
1910 バッファ回路
2100 アナログスイッチ回路
2110 垂直出力線
2200 出力線
111a 画素
111b 画素
111B 画素
111G 画素
111R 画素
242a 半導体層
242b 半導体層
242c 半導体層
243a 電極
243b 電極
264a コンパレータ
264b カウンタ回路
272c 半導体層
383a Ec
383b Ec
383c Ec
602B フィルタ
602G フィルタ
602R フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
【手続補正書】
【提出日】2023-11-08
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の開口部を有する配線層と、
前記配線層と電気的に接続され、且つ容量の電極の一方として機能する領域を有する導電層と、
前記複数の開口部の一を通して光が入射する第1のフォトダイオードと、
ソース又はドレインの一方が前記第1のフォトダイオードと電気的に接続される第1の転送トランジスタと、
前記複数の開口部の他の一を通して光が入射する第2のフォトダイオードと、
ソース又はドレインの一方が前記第2のフォトダイオードと電気的に接続される第2の転送トランジスタと、
ゲートが前記第1の転送トランジスタのソース又はドレインの他方及び前記第2の転送トランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される増幅トランジスタと、
ソース又はドレインの一方が前記増幅トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続される読み出しトランジスタと、
ソース又はドレインの一方が前記増幅トランジスタのゲートと電気的に接続されるリセットトランジスタと、
前記増幅トランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される第1の配線と、
前記リセットトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される第2の配線と、
前記読み出しトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される第3の配線と、を有し、
前記第1の配線は、第1の方向に延伸した第1の領域を有し、
前記第1の領域は、前記複数の開口部の一の前記第1の方向に沿った辺の一方に対応する前記配線層の少なくとも一部と前記第1の方向に沿って重なる領域を有し、
前記第2の配線は、第1の方向に延伸した第2の領域を有し、
前記第2の領域は、前記複数の開口部の一の前記第1の方向に沿った辺の他方に対応する前記配線層の少なくとも一部と前記第1の方向に沿って重なる領域を有し、
前記第3の配線は、前記第1の配線及び前記第2の配線と同層に設けられている撮像装置。
【請求項2】
複数の開口部を有する配線層と、
絶縁膜を介して重なるように設けられた第1導電層及び第2導電層を有する容量と、
前記複数の開口部の一を通して光が入射する第1のフォトダイオードと、
ソース又はドレインの一方が前記第1のフォトダイオードと電気的に接続される第1の転送トランジスタと、
前記複数の開口部の他の一を通して光が入射する第2のフォトダイオードと、
ソース又はドレインの一方が前記第2のフォトダイオードと電気的に接続される第2の転送トランジスタと、
ゲートが前記第1の転送トランジスタのソース又はドレインの他方及び前記第2の転送トランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される増幅トランジスタと、
ソース又はドレインの一方が前記増幅トランジスタのソース又はドレインの一方と電気的に接続される読み出しトランジスタと、
ソース又はドレインの一方が前記増幅トランジスタのゲートと電気的に接続されるリセットトランジスタと、
前記増幅トランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される第1の配線と、
前記リセットトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される第2の配線と、
前記読み出しトランジスタのソース又はドレインの他方と電気的に接続される第3の配線と、を有し、
前記配線層は、前記第1導電層又は前記第2導電層の一方と電気的に接続され、
前記第1の配線は、第1の方向に延伸した第1の領域を有し、
前記第1の領域は、前記複数の開口部の一の前記第1の方向に沿った辺の一方に対応する前記配線層の少なくとも一部と前記第1の方向に沿って重なる領域を有し、
前記第2の配線は、第1の方向に延伸した第2の領域を有し、
前記第2の領域は、前記複数の開口部の一の前記第1の方向に沿った辺の他方に対応する前記配線層の少なくとも一部と前記第1の方向に沿って重なる領域を有し、
前記第3の配線は、前記第1の配線及び前記第2の配線と同層に設けられている撮像装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記配線層は、電位が供給される撮像装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2において、
前記配線層は、アノード電位が供給される撮像装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記配線層は、網状の領域を有する撮像装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
前記第1の配線及び前記第2の配線は、電位を供給する機能を有する撮像装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の撮像装置を有する携帯情報端末。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の撮像装置を有するデジタルスチルカメラ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の撮像装置を有するビデオカメラ。