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特開2023-181289固体撮像装置及び固体撮像装置の製造方法、並びに電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181289
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】固体撮像装置及び固体撮像装置の製造方法、並びに電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20231214BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20231214BHJP
   H04N 25/705 20230101ALI20231214BHJP
【FI】
H01L27/146 F
H04N25/70
H04N25/705
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023180681
(22)【出願日】2023-10-20
(62)【分割の表示】P 2020553195の分割
【原出願日】2019-10-15
(31)【優先権主張番号】P 2018195679
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】平松 克規
(57)【要約】
【課題】固体撮像装置の更なる信頼性の向上や製造コストの更なる抑制を実現することができる固体撮像装置を提供すること。
【解決手段】光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、
該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、
該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置。
【請求項2】
前記溝状部が絶縁材料で埋め込めれている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記溝状部が、前記光入射側から順に、前記第1半導体基板の前記光入射側の前記面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、
該第2幅が該第1幅よりも大きい、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記溝状部が、前記第2素子と前記第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記溝状部が素子分離領域に形成されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記溝状部が画素領域外の周辺領域に形成されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記溝状部がスクライブ領域に形成されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
接合補助膜を更に有し、
該接合補助膜が、前記第2絶縁層と前記溝状部との間に配される、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
第1半導体基板の一方の面に溝状部を形成することと、
第2半導体基板と、第2絶縁層と、該第1半導体基板と、第1絶縁層とを、該第1半導体基板の該一方の面と該第2絶縁層とが対向するようにして、この順で積層することと、
該第1半導体基板の該一方の面とは反対側の該第1半導体基板の他方の面から該溝状部が露出するまで、該第1半導体基板を除去する加工をすることと、を含み、
該溝状部を形成することが、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを形成して、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該一方の面に対して斜め方向に延在するように形成することである、固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記積層することの前に、
前記溝状部に絶縁材料を埋め込むことを、更に含む、請求項9に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
固体撮像装置が搭載されて、
該固体撮像装置が、
光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、
該第1半導体基板の該光入射側の面側に形成された溝状部を有し、
該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像装置及び固体撮像装置の製造方法、並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像装置は、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどに広く用いられている。
【0003】
固体撮像装置を製造するにあたり、半導体基板の膜厚のばらつきを防ぐために、SOI(Silicon on Insulator)を用いる技術がある。しかしながら、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いると、固体撮像装置の製造コストが高くなるおそれがある。
【0004】
例えば、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いないで、低コストで固体撮像装置を製造することができる技術が提案されている(特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-353996号公報
【特許文献2】特開2008-182142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2で提案された技術では、本技術においては、固体撮像装置の更なる信頼性の向上が図れないおそれがある。また、本技術において、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いると、固体撮像装置の製造コストが高くなるおそれがある。
【0007】
そこで、本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、固体撮像装置の更なる信頼性の向上や製造コストの更なる抑制を実現することができる固体撮像装置、その固体撮像装置の製造方法、並びにその固体撮像装置を搭載した電子機器を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述の目的を解決するために鋭意研究を行った結果、固体撮像装置の更なる信頼性の向上や製造コストの更なる低減に成功し、本技術を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本技術では、
光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、
該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、
該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置を提供する。
【0010】
本技術に係る固体撮像装置において、前記溝状部は、絶縁材料で埋め込めれていてよい。
【0011】
本技術に係る固体撮像装置において、前記溝状部は、前記光入射側から順に、前記第1半導体基板の前記光入射側の前記面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、該第2幅が該第1幅よりも大きくてよい。
【0012】
本技術に係る固体撮像装置において、前記溝状部は、前記第2素子と前記第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成されてよい。
本技術に係る固体撮像装置において、前記溝状部は、素子分離領域に形成されてよい。
本技術に係る固体撮像装置において、前記溝状部は、画素領域外の周辺領域に形成されてよい。
本技術に係る固体撮像装置において、前記溝状部は、スクライブ領域に形成されてよい。
【0013】
本技術に係る固体撮像装置は、接合補助膜を更に有してよく、該接合補助膜は、前記第2絶縁層と前記溝状部との間に配されてよい。
【0014】
また、本技術では、
第1半導体基板の一方の面に溝状部を形成することと、
第2半導体基板と、第2絶縁層と、該第1半導体基板と、第1絶縁層とを、該第1半導体基板の該一方の面と該第2絶縁層とが対向するようにして、この順で積層することと、
該第1半導体基板の該一方の面とは反対側の該第1半導体基板の他方の面から該溝状部が露出するまで、該第1半導体基板を除去する加工をすることと、を含み、
該溝状部を形成することが、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを形成して、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該一方の面に対して斜め方向に延在するように形成することである、固体撮像装置の製造方法を提供する。
【0015】
本技術に係る固体撮像装置の製造方法は、前記積層することの前に、前記溝状部に絶縁材料を埋め込むことを、更に含んでよい。
【0016】
さらに、本技術では、
固体撮像装置が搭載されて、
該固体撮像装置が、
光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、
該第1半導体基板の該光入射側の面側に形成された溝状部を有し、
該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在する、
電子機器を提供する。
【0017】
本技術によれば、固体撮像装置の更なる信頼性の向上や製造コストの更なる抑制を実現することができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本技術を適用した固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図である。
図2】本技術を適用した固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図及び本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す断面図である。
図3】本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す断面図である。
図4】本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す断面図である。
図5】本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す上面図である。
図6】本技術を適用した固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図である。
図7】固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図である。
図8】固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図及び固体撮像装置の構成例を示す断面図である。
図9】本技術を適用した第1~第4の実施形態の固体撮像装置の使用例を示す図である。
図10】本技術を適用した第6の実施形態に係る電子機器の一例の機能ブロック図である。
図11】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図12】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、特に断りがない限り、図面において、「上」とは図中の上方向又は上側を意味し、「下」とは、図中の下方向又は下側を意味し、「左」とは図中の左方向又は左側を意味し、「右」とは図中の右方向又は右側を意味する。また、図面については、同一又は同等の要素又は部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】
説明は以下の順序で行う。
1.本技術の概要
2.第1の実施形態(固体撮像装置の例1)
3.第2の実施形態(固体撮像装置の例2)
4.第3の実施形態(固体撮像装置の例3)
5.第4の実施形態(固体撮像装置の例4)
6.第5の実施形態(固体撮像装置の製造方法の例1)
7.第6の実施形態(電子機器の例)
8.本技術を適用した固体撮像装置の使用例
9.内視鏡手術システムへの応用例
【0021】
<1.本技術の概要>
まず、本技術の概要について説明をする。
【0022】
積層トランジスタ(Tr)の構造を備える固体撮像装置の製造においては、接合した半導体基板(Si基板)の膜厚のばらつきにより、デバイス特性がばらつくため、半導体基板の膜厚の制御が必要である。したがって、半導体基板の膜厚ばらつきの少ないSOI(Silicon on Insulator)基板を用いて、積層トランジスタ(Tr)の構造を備える固体撮像装置を製造している。
【0023】
しかしながら、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いた固体撮像装置の製造方法は、基板が高価であるため、製造コストが高くなることがある。
【0024】
以下、図7及び図8を用いて、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いた固体撮像装置の製造方法について説明をする。図7(a)~(c)及び図8(a)~(c)は、SOI基板を用いた固体撮像装置ついての製造方法を説明するための断面図である。
【0025】
図7(a)に示されるように、第2素子5(例えば、トランジスタ)を第2半導体基板4に形成して、第2半導体基板4上には第2絶縁層3(PMD膜(Pre-Metal Dielectric))を成膜する。第2半導体基板4には、図示はされていないがフォトダイオード(PD、光電変換部)を形成する。
【0026】
図7(b)において、シリコン基板9-3に絶縁層(BOX層)9-2を介してシリコン層9-1が形成されたSOI基板9を用いて、シリコン基板9-1と第2絶縁層3とが対向するようにして、第2絶縁層3を介してSOI基板9-と第2半導体基板4とを接合させる。
【0027】
続いて、図7(c)に示されるように、シリコン基板9-3を及び絶縁層(BOX層)9-2を除去する。
【0028】
次に、図8を用いて説明をする。
【0029】
図8(a)に示されるように、シリコン層9-1の左方向(図2(a)中の左側)と右方向(図2(a)中の右側)には、シリコン(Si)を除去して、絶縁材料から構成された素子分離領域11aを形成し、さらに、シリコン(Si)を除去して、第2半導体基板4(第2素子5)とコンタクトをする領域に絶縁材料から構成された領域12aをシリコン層9-1に形成をする。
【0030】
続いて、図8(b)に示されるように、第1素子7(例えば、トランジスタ)を、シリコン層9-1の左方向の素子分離領域11aと領域12aとの間に形成して、シリコン層9-1上に、第1絶縁層6(PMD膜(Pre-Metal Dielectric))を成膜する。
【0031】
最後に、図8(c)に、固体撮像装置8000が作製されたことを示す。固体撮像装置8000は、光入射側(図8(c)中の下側)から順に、フォトダイオード(PD)(光電変換部)(不図示)と第2素子5とが設けられた第2半導体基板4と、第2絶縁層3と、第1素子7が設けられたシリコン層9-1と、第1絶縁層6とが積層されて構成されている。領域12aに貫通ビア8を貫通させて、貫通ビア8を介して、第1素子7と第2素子5とを接続する。
【0032】
本技術は上記の事情を鑑みてなされたものである。本技術を適用した固体撮像装置は、光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置である。また、本技術を適用した固体撮像装置の製造方法は、第1半導体基板の一方の面に溝状部を形成することと、第2半導体基板と、第2絶縁層と、該第1半導体基板と、第1絶縁層とを、該第1半導体基板の該一方の面と該第2絶縁層とが対向するようにして、この順で積層することと、該第1半導体基板の該一方の面とは反対側の該第1半導体基板の他方の面から該溝状部が露出するまで、該第1半導体基板を除去する加工をすることと、を含み、該溝状部を形成することが、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを形成して、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該一方の面に対して斜め方向に延在するように形成することである、固体撮像装置の製造方法である。
【0033】
本技術によれば、固体撮像装置の更なる信頼性の向上や製造コストの抑制を実現することができる。詳しくは、本技術によれば、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いないで、通常の半導体基板(バルク基板)を用いるので製造コストを低減でき、さらに、薄膜化の際に終点検出機能として作用する溝状部を用いて、高精度に半導体基板の膜厚を制御して、デバイス特性の向上を実現することができる。
【0034】
以下に、本技術に係る実施の形態について詳細に説明をする。
【0035】
<2.第1の実施形態(固体撮像装置の例1)>
本技術に係る第1の実施形態(固体撮像装置の例1)の固体撮像装置について、説明をする。
【0036】
本技術に係る第1の実施形態(固体撮像装置の例1)の固体撮像装置は、光入射側から順に、光電変換部(例えば、フォトダイオード(PD))と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置である。
【0037】
そして、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、光入射側から順に、第1半導体基板の光入射側の面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、第2幅が第1幅よりも大きく、第2素子と第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成される。
【0038】
本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、任意の材料、例えば、無機材料、有機材料、高分子材料で埋め込めれてよいが、絶縁材料で埋め込まれるのが好ましい。
【0039】
絶縁材料は、例えば、酸化シリコン系材料(SiO等)、窒化シリコン系材料(Si等)が挙げられる。
【0040】
本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置によれば、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いないで、通常の半導体基板(バルク基板)を用いるので製造コストを低減でき、さらに、薄膜化の際に終点検出機能として作用する上記の溝状部を用いて、高精度に半導体基板の膜厚を制御して、デバイス特性の向上を実現することができる。
【0041】
以下、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置について、図1図2図3(a)及び図5を用いて更に詳細に説明をする。図1図2は、本技術を適用した固体撮像装置の製造方法を説明し、本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す断面図である。具体的には、図1(a)~(c)及び図2(a)~(c)は、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置ついての製造方法を説明するための断面図であり、図2(c)は、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置である固体撮像装置2000の断面図である。
【0042】
図3(a)は、本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す断面図であり、具体的には、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置である固体撮像装置3000-aの断面図である。
【0043】
図5は、本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す上面図であり、具体的には、図5(a)は、光入射側とは反対側の方向から見た第2半導体基板4の上面図(第2半導体基板4の平面レイアウト図)であり、図5(b)は、光入射側とは反対側の方向から見た第1半導体基板2の上面図(第1半導体基板2の平面レイアウト図)であり、図5(c)は、光入射側とは反対側の方向から見た、第1半導体基板2と第2半導体基板4とを積層した固体撮像装置6000の上面図(固体撮像装置6000の平面レイアウト図)である。
【0044】
まず、図1図2を用いて、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置についての製造方法を説明しながら、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置を説明する。なお、本技術を適用した固体撮像装置の製造方法については、下記の<6.第5の実施形態(固体撮像装置の製造方法の例1)>の欄で、詳細に後述する。
【0045】
図1(a-1)に示されるように、例えば絶縁材料が埋め込められた溝状部1-1(トレンチ部と称する場合もある。)が第1半導体基板2の上面(図1(a-1)の上側)に形成されている。溝状部1-1は、右側壁S-2(図1(a-1)中では左側であり、左側壁となっている。以下同じ。)と左側壁S-1(図1(a-2)中では右側であり、右側壁となっている。以下同じ。)と、を有し、更に上辺H-2(図1(a-1)の上側)と下辺H-1(図1(a-1)の下側)とを有する。溝状部1-1は、上辺H-2の長さは下辺H-1の長さより長く、テーパー形状を有する。H-2の長さは、第1半導体基板2の上面と略平行方向の長さであって、図1(a-1)中では左右の長さ(幅)である。同様に、H-1の長さも、第1半導体基板2の上面と略平行方向の長さであって、図1(a-1)中では左右の長さ(幅)である。そして、右側壁S-2及び左側壁S-1は、第1半導体基板2の上面に対して、下方向(図1(a-1)の下側)に、かつ、斜め方向に延在している。
【0046】
図1(a―2)に示されるように、第2素子5(例えば、トランジスタ)が第2半導体基板4に形成されて、第2半導体基板4上には第2絶縁層3(PMD膜(Pre-Metal Dielectric))が成膜されている。第2半導体基板4には、図示はされていないがフォトダイオード(PD、光電変換部)が形成されている。
【0047】
図1(b)に示されるように、図1(a-1)で示される第1半導体基板2を180度で回転させて(ひっくり返して)、溝状部1-1が形成された第1半導体基板2の面と第2絶縁層3の面とが対向するようにして、第2絶縁層3を介して第1半導体基板2(上層基板)と第2半導体基板4(下層基板)とを接合させる。図1(b)に示されるように、第1半導体基板2は、上記のとおり、180度で回転されるので(ひっくり返されるので)、溝状部1-1は逆テーパー形状となる。すなわち、溝状部1-1は、左側壁S-1(図1(b)の左側)と右側壁S-2(図1(b)の右側)と、上辺H-1(図1(b)の上側)と下辺H-2(図1(b)の下側)とを有して、下辺H-2の長さは上辺H-1の長さよりも長い。
【0048】
図1(c)に示されるように、第1半導体基板2(上層基板)を、図1(b)に示される第1半導体基板2(上層基板)の上面(図1(b)中の上側)から、溝状部1-1が露出するまで除去して、第1半導体基板2(上層基板)を薄く加工する。溝状部1-1は、薄く加工するうえでの、加工を停止するための終点検出機能を有する。溝状部1-1が第1半導体基板2(上層基板)に形成されることにより、第1半導体基板2(上層基板)の膜厚を高精度に制御することができる。
【0049】
図2を用いて説明をする。
【0050】
図2(a)に示されるように、第1半導体基板2(上層基板)の左方向(図2(a)中の左側)と右方向(図2(a)中の右側)には素子分離領域が形成されている。
【0051】
そして、図2(b)に示されるように、第1素子7(例えば、トランジスタ)が第1半導体基板2(上層基板)の左方向の素子分離領域11と溝状部1-1の間に形成されて、第1半導体基板2(上層基板)上には第1絶縁層6(PMD膜(Pre-Metal Dielectric))が成膜されている。
【0052】
最後に、図2(c)には、溝状部1-1の領域に貫通ビア8を貫通させて、貫通ビア8を介して、第1素子7と第2素子5とが接続し、固体撮像装置2000が作製されたことが示されている。すなわち、溝状部1-1が、貫通ビア8が第1半導体基板2(上層基板)を貫通する貫通領域に形成されて、固体撮像装置2000が作製されている。固体撮像装置2000は、光入射側(図2(c)中の下側)から順に、フォトダイオード(光電変換部)(不図示)と第2素子5とが設けられた第2半導体基板4(下層基板)と、第2絶縁層3と、第1素子7が設けられた第1半導体基板2と、第1絶縁層6とが積層されて構成されている。固体撮像装置2000は、上述したとおり、第1半導体基板2(上層基板)に形成された溝状部1-1を有して、また、2つの素子分離領域11を有している。溝状部1-1は、例えば、絶縁材料が埋め込められており、2つの素子分離領域11は絶縁膜から構成されており、第1半導体基板2(上層基板)の左方向と右方向とに形成されている。
【0053】
図2(c)に示されるように、溝状部1-1は、左側壁S-1(図2(c)の左側)と右側壁S-2(図2(c)の右側)と、上辺H-1(図1(b)の上側)と下辺H-2(図1(b)の下側)とを有する。そして、下辺H-2の長さは上辺H-1の長さよりも長いので、溝状部1-1は、逆テーパー形状となる。なお、溝状部1-1は、前述のとおり、図2(c)では逆テーパー形状となっているが、溝状部の上部は上辺H-1と略一致していなく、例えば上凸状(図2(c)中の上側)であってもよいし、溝状部の下部は、下辺H-2と略一致していなく、例えば、下凸状(図2(c)中の下側)であってもよい。同様に、溝状部1-1に埋め込められた絶縁材料の形状は、図2(c)では、溝状部1-1と同様に逆テーパー形状を有しているが、絶縁材料の形状の上辺H-1に対応する部分は上凸状(図2(c)中の上側)に盛り上がってもよいし、絶縁材料の形状の下辺H-2に対応する部分は下凸状(図2(c)中の下側)に盛り上がってもよい。
【0054】
左側壁S-1及び右側壁S-2は、第1半導体基板2の光入射側の面に対して、上方向(図2(c)の上側)に、かつ、斜め方向に延在している。溝状部1-1と、左方向の絶縁膜から構成された素子分離領域11との間には第1素子7が形成されており、溝状部1-1が、絶縁材料で埋め込めれているときは、溝状部1-1は素子分離領域に形成されて素子分離機能の役割をも担っていてもよい。
【0055】
なお、固体撮像装置2000には、不図示であるが、第2半導体基板4(下層基板)の下部(図2(c)中の下側)には、光入射側から順に、例えば、光を集光するためのオンチップレンズ、カラーフィルタ(青色光用カラーフィルタ、緑色光用カラーフィルタ、赤色光用カラーフィルタ等)等が備えられていてよい。
【0056】
次に、図3(a)を用いて説明をする。
【0057】
図3(a)に示される固体撮像装置3000-aは、上記で説明をした固体撮像装置2000と同じ構成をしているので、固体撮像装置3000-aについての詳細な説明は省略するが、固体撮像装置3000-aについて簡単に説明をすると、固体撮像装置3000-aは、光入射側(図3(a)中の下側)から順に、フォトダイオード(PD)(光電変換部)(不図示)と第2素子5とが設けられた第2半導体基板4(下層基板)と、第2絶縁層3と、第1素子7が設けられた第1半導体基板2と、第1絶縁層6とが積層されて構成されている。また、固体撮像装置3000-aは、第1半導体基板2(上層基板)に形成された溝状部1-1と、2つの素子分離領域11とを有している。溝状部1-1は、例えば、絶縁材料が埋め込められており、2つの素子分離領域11は絶縁膜から構成されており、第1半導体基板2(上層基板)の左方向と右方向とに形成されている。固体撮像装置3000-aに有される溝状部1-1も、第1半導体基板2(上層基板)を薄く加工するうえでの、加工を停止するための終点検出機能を有する。固体撮像装置3000-aにおいても、溝状部1-1が第1半導体基板2(上層基板)に形成されることにより、第1半導体基板2(上層基板)の膜厚が高精度に制御され得る。
【0058】
図5を用いて説明をする。
【0059】
図5(a)に示されるように、第2半導体基板4(下層基板)には、フォトダイオード(不図示)から電荷を読み出すための転送ゲート(TG)4-1、フローティングディフージョン(FD)4-2、well領域4-3、第1半導体基板2(上層基板)とコンタクトをするための貫通ビア10等が形成されている。
【0060】
図5(b)に示されるように、第1半導体基板2(上層基板)には、Ampトランジス2-1、RSTトランジスタ2-2、SELトタンジスタ2-3、第2半導体基板4(下層基板)とコンタクトをするための貫通ビア10等が形成されている。図5(b)に示される第1半導体基板(上層基板)のP領域は、貫通ビア10を介して、第2半導体基板(下層基板)とコンタクトを形成する領域であり、第1半導体基板2(上層基板)の薄膜化をするうえでの薄膜化の終点検出機能を有する溝状部が形成されてもよい。また、図5(b)に示される第1半導体基板(上層基板)のQ領域は、第1半導体基板(上層基板)に形成される素子分離領域であり、第1半導体基板2(上層基板)の薄膜化をするうえでの薄膜化の終点検出機能を有する溝状部が形成されてもよい。
【0061】
図5(c)は、固体撮像装置5000を示す。図5(c)に示されるように、固体撮像装置5000は、図5(a)に示される第2半導体基板4(下層基板)と図5(b)に示される第1半導体基板2(上層基板)とが積層されて、積層トランジスタ(Tr)構造を備える固体撮像装置である。
【0062】
<3.第2の実施形態(固体撮像装置の例2)>
本技術に係る第2の実施形態(固体撮像装置の例2)の固体撮像装置について、説明をする。
【0063】
本技術に係る第2の実施形態(固体撮像装置の例2)の固体撮像装置は、光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置である。
【0064】
そして、本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、光入射側から順に、第1半導体基板の光入射側の面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、第2幅が第1幅よりも大きく、素子分離領域に形成される。
【0065】
本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、任意の材料、例えば、無機材料、有機材料、高分子材料で埋め込めれてよいが、絶縁材料で埋め込まれるのが好ましい。
【0066】
絶縁材料は、例えば、酸化シリコン系材料(SiO等)、窒化シリコン系材料(Si等)等が挙げられる。
【0067】
本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置によれば、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いないで、通常の半導体基板(バルク基板)を用いるので製造コストを低減でき、さらに、薄膜化の際に終点検出機能として作用する上記の溝状部を用いて、高精度に半導体基板の膜厚を制御して、デバイス特性の向上を実現することができる。
【0068】
以下、本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置について、図3(b)を用いて更に詳細に説明をする。図3(b)は、本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す図であり、具体的には、本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置である固体撮像装置3000-bの断面図である。
【0069】
図3(b)に示されるように、固体撮像装置3000-bは、光入射側(図3(b)中の下側)から順に、フォトダイオード(PD)(光電変換部)(不図示)と第2素子5とが設けられた第2半導体基板4(下層基板)と、第2絶縁層3と、第1素子7が設けられた第1半導体基板2(上層基板)と、第1絶縁層6とが積層されて構成されている。また、固体撮像装置3000-bは、第1半導体基板2(上層基板)に形成された2つの溝状部1-2及び1-3を有している。図3(b)に示されるように、溝状部1-2は、第1半導体基板2(上層基板)の左方向(図3(b)中の左方向)の素子分離領域に形成され、溝状部1-3は、第1半導体基板2(上層基板)の右方向(図3(b)中の右方向)の素子分離領域に形成されている。溝状部1-2及び1-3は、例えば、絶縁材料が埋め込められている。
【0070】
溝状部1-2及び1-3は、第1半導体基板2(上層基板)を薄く加工するうえでの、加工を停止するための終点検出機能を有する。固体撮像装置3000-bにおいて、溝状部1-2及び1-3が第1半導体基板2(上層基板)に形成されることにより、第1半導体基板2(上層基板)の膜厚が高精度に制御され得る。また、溝状部1-2及び1-3は、素子分離領域に形成されて素子分離機能をも有する。なお、固体撮像装置3000-bにおいて、溝状部1-2及び1-3のどちらか一方が形成されていてもよい。
【0071】
溝状部1-2及び1-3のそれぞれは、左側壁S-1(図3(b)の左側)と右側壁S-2(図3(b)の右側)と、上辺H-1(図3(b)の上側)と下辺H-2(図3(b)の下側)とを有する。そして、下辺H-2の長さは上辺H-1の長さよりも長いので、溝状部1-2及び1-3のそれぞれは、逆テーパー形状となる。左側壁S-1及び右側壁S-2は、第1半導体基板2の光入射側の面に対して、上方向(図3(b)の上側)に、かつ、斜め方向に延在している。図3(b)では、溝状部1-2と、貫通部12との間には第1素子7が形成されている。
【0072】
固体撮像装置3000-bにおいて、貫通ビア8が貫通する貫通部12は絶縁材料から構成されている。貫通ビア8は、素子分離領域に形成されて素子分離機能の役割をも担っていてもよい。また、貫通部12は、終点検出機能としての溝状部であってもよい、図3(b)に示される貫通部12はテーパー形状であるが、溝状部に例えば絶縁材料を埋め込むことの製造適性上の観点からは、逆テーパー形状であることが好ましい。
【0073】
本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置は上記で述べた以外は、特に技術的な矛盾がない限り、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置で述べた内容をそのまま適用することができる。
【0074】
<4.第3の実施形態(固体撮像装置の例3)>
本技術に係る第3の実施形態(固体撮像装置の例3)の固体撮像装置について、説明をする。
【0075】
本技術に係る第3の実施形態(固体撮像装置の例3)の固体撮像装置は、光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置である。
【0076】
そして、本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、光入射側から順に、第1半導体基板の光入射側の面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、第2幅が第1幅よりも大きく、画素領域外の周辺領域に形成される。本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、画素領域外の周辺回路領域に形成されてもよいし、スクライブ領域(例えば、ガードリング領域)に形成されてもよい。
【0077】
本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、任意の材料、例えば、無機材料、有機材料、高分子材料で埋め込めれてよいが、絶縁材料で埋め込まれるのが好ましい。
【0078】
絶縁材料は、例えば、酸化シリコン系材料(SiO等)、窒化シリコン系材料(Si等)が挙げられる。
【0079】
本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置によれば、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いないで、通常の半導体基板(バルク基板)を用いるので製造コストを低減でき、さらに、薄膜化の際に終点検出機能として作用する上記の溝状部を用いて、高精度に半導体基板の膜厚を制御して、デバイス特性の向上を実現することができる。
【0080】
以下、本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置について、図4(a)を用いて更に詳細に説明をする。図4(a)は、本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す図であり、具体的には、本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置である固体撮像装置4000-aの断面図である。
【0081】
図4(a)に示されるように、固体撮像装置4000-aは、光入射側(図4(a)中の下側)から順に、フォトダイオード(PD)(光電変換部)(不図示)と第2素子5とが設けられた第2半導体基板4(下層基板)と、第2絶縁層3と、第1素子7が設けられた第1半導体基板2(上層基板)と、第1絶縁層6とが積層されて構成されている。また、固体撮像装置3000-bは、第1半導体基板2(上層基板)に形成された溝状部1-4を有している。図4(a)に示されるように、溝状部1-4は、画素領域外の周辺領域に形成されている。溝状部1-4は、ダミーとして、画素領域外の周辺回路領域に形成されてもよいし、スクライブ領域(例えば、ガードリング領域)に形成されてもよい。溝状部1-4は、例えば、絶縁材料が埋め込められている。
【0082】
溝状部1-4は、第1半導体基板2(上層基板)を薄く加工するうえでの、加工を停止するための終点検出機能を有する。固体撮像装置4000-aにおいて、溝状部1-4が第1半導体基板2(上層基板)に形成されることにより、第1半導体基板2(上層基板)の膜厚が高精度に制御され得る。
【0083】
溝状部1-4は、左側壁S-1(図4(a)の左側)と右側壁S-2(図4(a)の右側)と、上辺H-1(図4(a)の上側)と下辺H-2(図4(a)の下側)とを有する。そして、下辺H-2の長さは上辺H-1の長さよりも長いので、溝状部1-4は、逆テーパー形状となる。左側壁S-1及び右側壁S-2は、第1半導体基板2の光入射側の面に対して、上方向(図4(a)の上側)に、かつ、斜め方向に延在している。
【0084】
そして、固体撮像装置4000-aは、2つの素子分離領域11を有している。2つの素子分離領域11は絶縁膜から構成されており、第1半導体基板2(上層基板)の左方向と右方向とに形成されている。また、固体撮像装置4000-aは、貫通ビア8が貫通する貫通部12を有し、貫通部12は絶縁材料から構成されている。図4(a)では、第1半導体基板2の左方向の素子分離領域11と、貫通部12との間に第1素子7が形成されている。貫通ビア8は、素子分離領域に形成されて素子分離機能の役割をも担っていてもよい。また、貫通部12は、終点検出機能としての溝状部であってもよい、図4(b)に示される貫通部12はテーパー形状であるが、溝状部に例えば絶縁材料を埋め込むことの製造適性上の観点からは、逆テーパー形状であることが好ましい。
【0085】
本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置は上記で述べた以外は、特に技術的な矛盾がない限り、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置で述べた内容をそのまま適用することができる。
【0086】
以上、本技術に係る第1~第3の実施形態の固体撮像装置について説明をしたが、本技術に係る固体撮像装置においては、本技術に係る第1の実施形態の固体撮像装置が有する溝状部1-1、本技術に係る第2の実施形態の固体撮像装置が有する溝状部1-2及び1-3、並びに本技術に係る第3の実施形態の固体撮像装置が有する溝状部1-4のいずれかを単独で用いてもよいし、溝状部1-1、1-2、1-3及び1-4の中から随意に複数個の溝状部を選んで、適宜自由に組み合わせて用いてもよい。
【0087】
<5.第4の実施形態(固体撮像装置の例4)>
本技術に係る第4の実施形態(固体撮像装置の例4)の固体撮像装置について、説明をする。
【0088】
本技術に係る第4の実施形態(固体撮像装置の例4)の固体撮像装置は、光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置である。
【0089】
そして、本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置は、接合補助膜を更に有し、接合補助膜は、第2絶縁層と溝状部との間に配される。また、本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、光入射側から順に、第1半導体基板の光入射側の面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、第2幅が第1幅よりも大きい。さらに、本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、第2素子と第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成されてもよいし、素子分離領域に形成されてもよいし、画素領域外の周辺領域に形成されてもよい。本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部が、画素領域外の周辺領域に形成される場合は、画素領域外の周辺回路領域に形成されてもよいし、スクライブ領域(例えば、ガードリング領域)に形成されてもよい。
【0090】
本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置に有される溝状部は、任意の材料、例えば、無機材料、有機材料、高分子材料で埋め込めれてよいが、絶縁材料で埋め込まれるのが好ましい。
【0091】
絶縁材料は、例えば、酸化シリコン系材料(SiO等)、窒化シリコン系材料(Si等)が挙げられる。
【0092】
本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置によれば、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いないで、通常の半導体基板(バルク基板)を用いるので製造コストを低減でき、さらに、薄膜化の際に終点検出機能として作用する上記の溝状部を用いて、高精度に半導体基板の膜厚を制御して、デバイス特性の向上を実現することができる。
【0093】
以下、本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置について、図4(b)を用いて更に詳細に説明をする。図4(b)は、本技術を適用した固体撮像装置の構成例を示す図であり、具体的には、本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置である固体撮像装置4000-bの断面図である。
【0094】
図4(b)に示されるように、固体撮像装置4000-bは、光入射側(図4(b)中の下側)から順に、フォトダイオード(PD)(光電変換部)(不図示)と第2素子5とが設けられた第2半導体基板4(下層基板)と、第2絶縁層3と、第1素子7が設けられた第1半導体基板2(上層基板)と、第1絶縁層6とが積層されて構成されている。また、固体撮像装置4000-bは、第1半導体基板2(上層基板)に形成された溝状部1-1を有している。そして、接合補助膜50が、第2絶縁層3と溝状部1-1(第1半導体基板2)との間に配されている。接合補助膜50は、第1半導体基板2(上層基板)と第2半導体基板4(下層基板)との接合を補助する膜として機能する。図4(b)に示されるように、溝状部1-1は、貫通ビア8が第1半導体基板2(上層基板)を貫通する貫通領域に形成されて、例えば、絶縁材料が埋め込められている。固体撮像装置4000-bは、2つの素子分離領域11を有している。2つの素子分離領域11は絶縁膜から構成されており、第1半導体基板2(上層基板)の左方向と右方向とに形成されている。
【0095】
溝状部1-1は、第1半導体基板2(上層基板)を薄く加工するうえでの、加工を停止するための終点検出機能を有する。固体撮像装置4000-bにおいて、溝状部1-1が第1半導体基板2(上層基板)に形成されることにより、第1半導体基板2(上層基板)の膜厚が高精度に制御され得る。
【0096】
溝状部1-1は、左側壁S-1(図4(b)の左側)と右側壁S-2(図4(b)の右側)と、上辺H-1(図4(b)の上側)と下辺H-2(図4(b)の下側)とを有する。そして、下辺H-2の長さは上辺H-1の長さよりも長いので、溝状部1-1は、逆テーパー形状となる。左側壁S-1及び右側壁S-2は、第1半導体基板2の光入射側の面に対して、上方向(図4(b)の上側)に、かつ、斜め方向に延在している。
【0097】
本技術に係る第4の実施形態の固体撮像装置は上記で述べた以外は、特に技術的な矛盾がない限り、本技術に係る第1~3の実施形態の固体撮像装置で述べた内容がそのまま適用することができる。
【0098】
<6.第5の実施形態(固体撮像装置の製造方法の例1)>
次に、本技術に係る第5の実施形態(固体撮像装置の製造方法の例1)の固体撮像装置の製造方法について、説明をする。
【0099】
本技術に係る第5の実施形態(固体撮像装置の製造方法の例1)の固体撮像装置の製造方法は、第1半導体基板の一方の面に溝状部を形成することと、第2半導体基板と、第2絶縁層と、該第1半導体基板と、第1絶縁層とを、該第1半導体基板の該一方の面と該第2絶縁層とが対向するようにして、この順で積層することと、該第1半導体基板の該一方の面とは反対側の該第1半導体基板の他方の面から該溝状部が露出するまで、該第1半導体基板を除去する加工をすることと、を含み、該溝状部を形成することが、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを形成して、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該一方の面に対して斜め方向に延在するように形成することである、製造方法である。本技術に係る第5の実施形態(固体撮像装置の製造方法の例1)の固体撮像装置の製造方法において、第2半導体基板と、第2絶縁層と、該第1半導体基板と、第1絶縁層とを、該第1半導体基板の該一方の面と該第2絶縁層とが対向するようにして、この順で積層することの前に、前記溝状部に絶縁材料を埋め込むことを、更に含んでよい。絶縁材料は、例えば、酸化シリコン系材料(SiO等)、窒化シリコン系材料(Si等)が挙げられる。
【0100】
そして、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の製造方法において、溝状部を形成することは、光入射側から順に、第1半導体基板の光入射側の面に対して略平行である第2幅と第1幅とを形成して、第2幅が1幅よりも大きくなるように形成して、溝状部を第2素子と第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成することでもよい。
【0101】
また、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の製造方法において、溝状部を形成することは、光入射側から順に、第1半導体基板の光入射側の面に対して略平行である第2幅と第1幅とを形成して、第2幅が1幅よりも大きくなるように形成して、溝状部を素子分離領域に形成することでもよい。
【0102】
さらに、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の製造方法において、溝状部を形成することは、光入射側から順に、第1半導体基板の光入射側の面に対して略平行である第2幅と第1幅とを形成して、第2幅が1幅よりも大きくなるように形成して、溝状部を画素領域外の周辺領域に形成することでもよい。溝状部を画素領域外の周辺領域に形成することの場合、溝状部を画素領域外の周辺回路領域に形成してもよいし、スクライブ領域(例えば、ガードリング領域)に形成してもよい。
【0103】
またさらに、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の製造方法において、接合補助膜を、第2絶縁層と溝状部との間に形成してもよく、溝状部を形成することは、光入射側から順に、第1半導体基板の光入射側の面に対して略平行である第2幅と第1幅とを形成して、第2幅が1幅よりも大きくなるように形成して、溝状部を、第2素子と第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成することでもよいし、素子分離領域に形成してもよいし、画素領域外の周辺領域に形成することでもよい。溝状部を画素領域外の周辺領域に形成することの場合は、溝状部を画素領域外の周辺回路領域に形成してもよいし、スクライブ領域(例えば、ガードリング領域)に形成してもよい。
【0104】
本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の製造方法を用いて製造された固体撮像装置によれば、SOI基板を用いないで、通常の半導体基板(バルク基板)を用いるので製造コストを低減でき、さらに、薄膜化の際に終点検出機能として作用する上記の溝状部を用いて、高精度に半導体基板の膜厚を制御して、デバイス特性の向上を実現することができる。
【0105】
以下、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の製造方法について、図6を用いて更に詳細に説明をする。図6は、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の製造方法を説明するための図であり、具体的には、図6(a)~(d)は、本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0106】
図6(a)は、第1半導体基板2(上層基板)の上面(図6(a)の上側)に溝状部1-1a(埋め込み前)が形成されたことを示す図である。溝状部1-1aは、リソグラフィ及びドライエッチングを用いて作製する。
【0107】
図6(b)に示されるように、例えば絶縁材料を溝状部1-1aに埋め込み、第1半導体基板2の上面(図6(b)の上側)をCMPにて平坦化して、埋め込められた溝状部1-1が第1半導体基板2の上面(図6(b)の上側)に形成されている。溝状部1-1は、左側壁S-2(図6(b)の左側)と右側壁S-1(図6(a-2)の右側)とを有し、更に上辺H-2(図6(b)の上側)と下辺H-1(図6(b)の下側)とを有する。溝状部1-1は、上辺H-2の長さは下辺H-1の長さより長く、テーパー形状を有する。H-2の長さは、第1半導体基板2の上面と略平行方向の長さであって、図6(b)中では左右の長さ(幅)である。同様に、H-1の長さも、第1半導体基板2の上面と略平行方向の長さであって、図6(b)中では左右の長さ(幅)である。そして、左側壁S-2及び右側壁S-1は、第1半導体基板2の上面に対して、下方向(図6(b)の下側)に、かつ、斜め方向に延在している。
【0108】
図6(c)に示されるように、図6(b)で示される第1半導体基板2を180度で回転させて(ひっくり返して)、溝状部1-1が形成された第1半導体基板2の面と第2絶縁層3の面とが対向するようにして、第2絶縁層3を介して第1半導体基板2(上層基板)と第2半導体基板4(下層基板)とを接合させる。図6(c)に示されるように、第1半導体基板2は、上記のとおり、180度で回転されるので(ひっくり返されるので)、溝状部1-1は逆テーパー形状となる。すなわち、溝状部1-1は、左側壁S-1(図6(c)の左側)と右側壁S-2(図6(c)の右側)と、上辺H-1(図6(c)の上側)と下辺H-2(図6(c)の下側)とを有して、下辺H-2の長さは上辺H-1の長さよりも長い。
【0109】
図6(d)に示されるように、第1半導体基板2(上層基板)を、グラインダー、ドライエッチング、CMP等を用いて、図6(c)に示される第1半導体基板2(上層基板)の上面(図6(c)中の上側)から、溝状部1-1が露出するまで除去して、第1半導体基板2(上層基板)を薄く加工する。溝状部1-1は、薄く加工するうえでの、加工を停止するための終点検出機能を有する。溝状部1-1が第1半導体基板2(上層基板)に形成されることにより、第1半導体基板2(上層基板)の膜厚を高精度に制御することができる。
【0110】
図6(d)の後工程は、例えば、図2で説明した内容がそのまま適用でき、固体撮像装置が製造される。そして、図6で説明をした本技術に係る第5の実施形態の固体撮像装置の製造方法の内容は、本技術に係る第1~4の実施形態の固体撮像装置を製造するために用いられる。
【0111】
<7.第6の実施形態(電子機器の例)>
本技術に係る第6の実施形態の電子機器は、本技術に係る固体撮像装置が搭載された電子機器であり、本技術に係る固体撮像装置は、光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、該第1半導体基板の該光入射側の面側に形成された溝状部を有し、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置である。
【0112】
例えば、本技術に係る第6の実施形態の電子機器は、本技術に係る第1の実施形態~第4の実施形態の固体撮像装置のうち、いずれか一つ実施形態の固体撮像装置が搭載された電子機器である。
【0113】
<8.本技術を適用した固体撮像装置の使用例>
図9は、イメージセンサとしての本技術に係る第1~第4の実施形態の固体撮像装置の使用例を示す図である。
【0114】
上述した第1~第4の実施形態の固体撮像装置は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングするさまざまなケースに使用することができる。すなわち、図9に示すように、例えば、鑑賞の用に供される画像を撮影する鑑賞の分野、交通の分野、家電の分野、医療・ヘルスケアの分野、セキュリティの分野、美容の分野、スポーツの分野、農業の分野等において用いられる装置(例えば、上述した第5の実施形態の電子機器)に、第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0115】
具体的には、鑑賞の分野においては、例えば、デジタルカメラやスマートフォン、カメラ機能付きの携帯電話機等の、鑑賞の用に供される画像を撮影するための装置に、第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0116】
交通の分野においては、例えば、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置に、第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0117】
家電の分野においては、例えば、ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、テレビ受像機や冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置で、第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0118】
医療・ヘルスケアの分野においては、例えば、内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置に、第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0119】
セキュリティの分野においては、例えば、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置に、第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0120】
美容の分野においては、例えば、肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置に、第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0121】
スポーツの分野において、例えば、スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラプルカメラ等の、スポーツの用に供される装置に、第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0122】
農業の分野においては、例えば、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置に、第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置を使用することができる。
【0123】
次に、本技術に係る第1~第4の実施形態の固体撮像装置の使用例を具体的に説明する。例えば、上述で説明をした第1~第4の実施形態のいずれか1つの実施形態の固体撮像装置は、固体撮像装置101として、例えばデジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話など、撮像機能を備えたあらゆるタイプの電子機器に適用することができる。図10に、その一例として、電子機器102(カメラ)の概略構成を示す。この電子機器102は、例えば静止画または動画を撮影可能なビデオカメラであり、固体撮像装置101と、光学系(光学レンズ)310と、シャッタ装置311と、固体撮像装置101およびシャッタ装置311を駆動する駆動部313と、信号処理部312とを有する。
【0124】
光学系310は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置101の画素部101aへ導くものである。この光学系310は、複数の光学レンズから構成されていてもよい。シャッタ装置311は、固体撮像装置101への光照射期間および遮光期間を制御するものである。駆動部313は、固体撮像装置101の転送動作およびシャッタ装置311のシャッタ動作を制御するものである。信号処理部312は、固体撮像装置101から出力された信号に対し、各種の信号処理を行うものである。信号処理後の映像信号Doutは、メモリなどの記憶媒体に記憶されるか、あるいは、モニタ等に出力される。
【0125】
<9.内視鏡手術システムへの応用例>
本技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術(本技術)は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0126】
図11は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0127】
図11では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0128】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0129】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0130】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0131】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0132】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0133】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0134】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0135】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0136】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0137】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0138】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0139】
図12は、図11に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0140】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0141】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0142】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0143】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0144】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0145】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0146】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0147】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0148】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0149】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0150】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0151】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0152】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0153】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0154】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0155】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0156】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、内視鏡11100や、カメラヘッド11102(の撮像部11402)等に適用され得る。具体的には、本開示の固体撮像装置111は、撮像部10402に適用することができる。内視鏡11100や、カメラヘッド11102(の撮像部11402)等に本開示に係る技術を適用することにより、歩留まりを向上させ、製造に係るコストを低減させることが可能となる。
【0157】
ここでは、一例として内視鏡手術システムについて説明したが、本開示に係る技術は、その他、例えば、顕微鏡手術システム等に適用されてもよい。
【0158】
なお、本技術は、上述した実施形態及び応用例に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0159】
また、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0160】
また、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
[1]
光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、
該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、
該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の面に対して斜め方向に延在する、固体撮像装置。
[2]
前記溝状部が絶縁材料で埋め込めれている、[1]に記載の固体撮像装置。
[3]
前記溝状部が、前記光入射側から順に、前記第1半導体基板の前記光入射側の前記面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、
該第2幅が該第1幅よりも大きい、[1]又は[2]に記載の固体撮像装置。
[4]
前記溝状部が、前記第2素子と前記第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成されている、[1]から[3]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[5]
前記溝状部が素子分離領域に形成されている、[1]から[4]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[6]
前記溝状部が画素領域外の周辺領域に形成されている、[1]から[5]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[7]
前記溝状部がスクライブ領域に形成されている、[1]から[6]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[8]
接合補助膜を更に有し、
該接合補助膜が、前記第2絶縁層と前記溝状部との間に配される、[1]から[7]のいずれか1つに記載の固体撮像装置。
[9]
第1半導体基板の一方の面に溝状部を形成することと、
第2半導体基板と、第2絶縁層と、該第1半導体基板と、第1絶縁層とを、該第1半導体基板の該一方の面と該第2絶縁層とが対向するようにして、この順で積層することと、
該第1半導体基板の該一方の面とは反対側の該第1半導体基板の他方の面から該溝状部が露出するまで、該第1半導体基板を除去する加工をすることと、を含み、
該溝状部を形成することが、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを形成して、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該一方の面に対して斜め方向に延在するように形成することである、固体撮像装置の製造方法。
[10]
前記積層することの前に、
前記溝状部に絶縁材料を埋め込むことを、更に含む、[9]に記載の固体撮像装置の製造方法。
[11]
前記溝状部が、前記光入射側から順に、前記第1半導体基板の前記光入射側の前記面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、
該第2幅が該1幅よりも大きい、[9]又は[10]に記載の固体撮像装置の製造方法。
[12]
前記溝状部を、前記第2素子と前記第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成することを更に含む、[9]から[11]のいずれか1つに記載の固体撮像装置の製造方法。
[13]
前記溝状部を、素子分離領域に形成することを更に含む、[9]から[12]のいずれか1つに記載の固体撮像装置の製造方法。
[14]
前記溝状部を、画素領域外の周辺領域に形成することを更に含む、[9]から[13]のいずれか1つに記載の固体撮像装置の製造方法。
[15]
前記溝状部を、スクライブ領域に形成することを更に含む、[9]から[14]のいずれか1つに記載の固体撮像装置の製造方法。
[16]
接合補助膜を、前記第2絶縁層と前記溝状部との間に形成することを更に含む、[9]から[15]のいずれか1つに記載の固体撮像装置の製造方法。
[17]
固体撮像装置が搭載されて、
該固体撮像装置が、
光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、
該第1半導体基板の該光入射側の面側に形成された溝状部を有し、
該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在する、
電子機器。
[18]
[1]から[8]のいずれか1つに記載の固体撮像装置が搭載された、電子機器。
【符号の説明】
【0161】
1(1-1、1-1a、1-2、1-3、1-4、1-5)・・・溝状部、2・・・第1半導体基板(上層基板)、3・・・第2絶縁層、4・・・第2半導体基板(下層基板)、5・・・第1素子、6・・・第1絶縁層、7・・・第2素子、8・・・貫通ビア、50・・・接合補助膜、2000、3000-a、3000-b、4000-a、4000-b、5000、8000・・・固体撮像装置、S-1・・・左側壁、S-2・・・右側壁、H-1・・・上辺、H-2・・・下辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、
該第1半導体基板に形成された溝状部を有し、
該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の面に対して斜め方向に延在し、
前記溝状部が、絶縁材料で埋め込まれており、前記光入射側から順に、前記第1半導体基板の前記光入射側の前記面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、
該第2幅が該第1幅よりも大きく、
前記溝状部が、前記第2素子と前記第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成されている、固体撮像装置。
【請求項2】
前記溝状部が素子分離領域に形成されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記溝状部が画素領域外の周辺領域に形成されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記溝状部がスクライブ領域に形成されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
接合補助膜を更に有し、
該接合補助膜が、前記第2絶縁層と前記溝状部との間に配される、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
第1素子が設けられた第1半導体基板の一方の面に溝状部を形成することと、
第2素子が設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、該第1半導体基板と、第1絶縁層とを、該第1半導体基板の該一方の面と該第2絶縁層とが対向するようにして、この順で積層することと、
該第1半導体基板の該一方の面とは反対側の該第1半導体基板の他方の面から該溝状部が露出するまで、該第1半導体基板を除去する加工をすることと、を含み、
該溝状部を形成することが、該溝状部が第1側壁と第2側壁とを形成して、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該一方の面に対して斜め方向に延在するように形成することであり、
前記積層することの前に、
前記溝状部に絶縁材料を埋め込むことを、更に含み、
前記溝状部を形成することが、光入射側から順に、前記第1半導体基板の光入射側の面に対して略平行である第2幅と第1幅とを形成して、該第2幅が該第1幅よりも大きくなるように形成して、前記溝状部を、前記第2素子と前記第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成することである、固体撮像装置の製造方法。
【請求項7】
固体撮像装置が搭載されて、
該固体撮像装置が、
光入射側から順に、光電変換部と第2素子とが設けられた第2半導体基板と、第2絶縁層と、第1素子が設けられた第1半導体基板と、第1絶縁層とが配され、
該第1半導体基板の該光入射側の面側に形成された溝状部を有し、
該溝状部が第1側壁と第2側壁とを有し、該第1側壁及び該第2側壁のうち少なくとも一方の側壁の一部が、該第1半導体基板の該光入射側の該面に対して斜め方向に延在し、
前記溝状部が、絶縁材料で埋め込まれており、前記光入射側から順に、前記第1半導体基板の前記光入射側の前記面に対して略平行である第2幅と第1幅とを有し、
該第2幅が該第1幅よりも大きく、
前記溝状部が、前記第2素子と前記第1素子とを接続する貫通ビアが貫通する領域に形成されている、電子機器。