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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181292
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20231214BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALN20231214BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L29/78 617K
H01L29/78 618E
G02F1/1368
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023180884
(22)【出願日】2023-10-20
(62)【分割の表示】P 2022075551の分割
【原出願日】2013-08-28
(31)【優先権主張番号】P 2012188060
(32)【優先日】2012-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(72)【発明者】
【氏名】平形 吉晴
(72)【発明者】
【氏名】西 毅
(57)【要約】
【課題】信頼性を向上させた表示装置を提供する。又は、表示装置の額縁を狭くする。
【解決手段】液晶表示装置などの表示装置において、第1の基板と、第1の基板に重畳す
る第2の基板と、第1の基板と第2の基板の間に設けられた液晶層と、第1の基板と第2
の基板の間で、液晶層を囲む第1のシール材と、第1のシール材を囲み、第1の基板と第
2の基板との間隙を閉塞しつつ、少なくとも第2の基板の側面まで延在する第2のシール
材と、を設けて表示装置を構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁表面上に配置されたゲート電極及び第1の導電膜と、
前記ゲート電極上及び前記第1の導電膜上の第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上面に接する領域を有し、かつ、トランジスタのチャネル形成領域を有する第1の金属酸化物膜と、
前記第1の絶縁膜の上面に接する領域を有する第2の金属酸化物膜と、
前記第1の金属酸化物膜上に配置され、かつ、前記トランジスタのソース電極はまたはドレイン電極としての機能を有する第2の導電膜と、
前記第2の金属酸化物膜上に配置され、かつ、前記第2の金属酸化物膜と電気的に接続された第3の導電膜と、
前記第2の導電膜の上面及び前記第3の導電膜の上面に接するように配置された第2の絶縁膜と、
表示素子の電極としての機能を有し、かつ、前記第2の絶縁膜を介して前記第2の金属酸化物膜と重なりを有する第4の導電膜と、
を有し、
前記第1の金属酸化物膜及び前記第2の金属酸化物膜は、In、Ga及びZnを含み、
前記第1の導電膜は、前記第3の導電膜を介して前記第2の金属酸化物膜と電気的に接続され、
前記第3の導電膜は、前記第4の導電膜と重なりを有し、
前記第3の導電膜は、前記第1の導電膜と重ならない領域を有し、
平面視において、前記第1の導電膜は、前記第1の金属酸化物膜と前記第2の金属酸化物膜との間に配置された領域を有する半導体装置。
【請求項2】
絶縁表面上に配置された第1の導電膜と、
前記第1の導電膜上の第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上面に接する領域を有し、かつ、トランジスタのチャネル形成領域を有する第1の金属酸化物膜と、
前記第1の絶縁膜の上面に接する領域を有する第2の金属酸化物膜と、
前記第1の金属酸化物膜上に配置され、かつ、前記トランジスタのソース電極はまたはドレイン電極としての機能を有する第2の導電膜と、
前記第2の金属酸化物膜上に配置され、かつ、前記第2の金属酸化物膜と電気的に接続された第3の導電膜と、
前記第2の導電膜の上面及び前記第3の導電膜の上面に接するように配置された第2の絶縁膜と、
表示素子の電極としての機能を有し、かつ、前記第2の絶縁膜を介して前記第2の金属酸化物膜と重なりを有する第4の導電膜と、
を有し、
前記第1の金属酸化物膜及び前記第2の金属酸化物膜は、In、Ga及びZnを含み、
前記第1の導電膜は、前記第3の導電膜を介して前記第2の金属酸化物膜と電気的に接続され、
前記第3の導電膜は、前記第4の導電膜と重なりを有し、
前記第3の導電膜は、前記第1の導電膜と重ならない領域を有し、
平面視において、前記第1の導電膜は、前記第1の金属酸化物膜と前記第2の金属酸化物膜との間に配置された領域を有する半導体装置。
【請求項3】
絶縁表面上に配置された第1の導電膜と、
前記第1の導電膜上の第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上面に接する領域を有し、かつ、トランジスタのチャネル形成領域を有する第1の金属酸化物膜と、
前記第1の絶縁膜の上面に接する領域を有する第2の金属酸化物膜と、
前記第1の金属酸化物膜上に配置され、かつ、前記トランジスタのソース電極はまたはドレイン電極としての機能を有する第2の導電膜と、
前記第2の金属酸化物膜上に配置され、かつ、前記第2の金属酸化物膜と電気的に接続された第3の導電膜と、
前記第2の導電膜の上面及び前記第3の導電膜の上面に接するように配置された第2の絶縁膜と、
表示素子の電極としての機能を有し、かつ、前記第2の絶縁膜を介して前記第2の金属酸化物膜と重なりを有する第4の導電膜と、
を有し、
前記第1の金属酸化物膜及び前記第2の金属酸化物膜は、In、Ga及びZnを含み、
前記第1の導電膜は、前記第3の導電膜を介して前記第2の金属酸化物膜と電気的に接続され、
前記第3の導電膜は、前記第4の導電膜と重なりを有し、
前記第3の導電膜は、前記第1の導電膜と重ならない領域を有し、
平面視において、前記第1の導電膜は、前記第1の金属酸化物膜と前記第2の金属酸化物膜との間に配置された領域を有し、
平面視において、前記第3の導電膜は、前記第1の金属酸化物膜と前記第2の金属酸化物膜との間に配置された領域を有する半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。また、本発明の一態様は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低消費電力化や高精細化など、表示装置の高性能化に関する技術開発が進められて
いる。
【0003】
上記表示装置としては、例えば液晶表示装置やエレクトロルミネセンス表示装置(EL表
示装置ともいう)などが挙げられる。
【0004】
上記表示装置が有する表示素子(液晶素子、EL素子など)を駆動するためのトランジス
タの例としては、チャネル形成領域にシリコン半導体を用いたトランジスタ、金属酸化物
半導体を用いたトランジスタなどが挙げられる。例えば、特許文献1に示す表示装置は、
表示素子を駆動するトランジスタとして、チャネル形成領域に金属酸化物半導体を用いた
トランジスタを有する表示装置の一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-44699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の表示装置では、信頼性が不十分であるといった問題があった。例え
ば、従来の表示装置では、2枚の基板の間に表示素子を設け、さらに、該表示素子を囲む
ように該2枚の基板の間にシール材を設け、該2枚の基板を貼り合わせることにより表示
素子を封止している。しかしながら、封止された領域に、シール材を介して外部から水な
どが侵入すると、表示素子や該表示素子を駆動するためのトランジスタの特性が悪化し、
誤動作が生じやすくなってしまう。
【0007】
また、表示装置では、上記2枚の基板が重畳する領域において、シール材に重畳する領域
を含む表示部以外の領域(額縁ともいう)は、狭いことが好ましい。額縁が広くなると、
例えば表示部の占有面積が小さくなってしまう。
【0008】
本発明の一態様では、表示装置の信頼性の向上を課題の一つとする。または、本発明の一
態様では、表示装置の額縁の拡大の抑制を課題の一つとする。なお、本発明の一態様では
、上記課題の少なくとも一つを解決すればよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、複数のシール材を用いて第1の基板と第2の基板との間隙を閉塞す
ることにより、表示装置の動作不良を引き起こす原因となる不純物が、外部から侵入する
ことの抑制を図る。
【0010】
また、本発明の一態様では、複数のシール材の少なくとも一つを、少なくとも第2の基板
の側面に延在するように設けることにより、狭額縁化を図る。
【0011】
本発明の一態様は、第1の基板と、第1の基板に重畳する第2の基板と、第1の基板と第
2の基板の間に設けられた液晶層と、第1の基板と第2の基板の間で、液晶層を囲む第1
のシール材と、第1のシール材を囲み、第1の基板と第2の基板との間隙を閉塞しつつ、
少なくとも第2の基板の側面まで延在する第2のシール材と、を有する表示装置である。
【0012】
本発明の一態様は、表示装置を備えるパネルを有する電子機器である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様により、表示装置の信頼性を向上できる。または、表示装置の額縁の拡大
を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】表示装置の構造例を説明するための図。
図2】表示装置の構造例を説明するための図。
図3】表示装置の構造例を説明するための図。
図4】表示装置の構造例を説明するための図。
図5】表示装置の構造例を説明するための図。
図6】表示装置の作製方法例を説明するための図。
図7】表示装置の作製方法例を説明するための図。
図8】表示装置の作製方法例を説明するための図。
図9】表示装置の作製方法例を説明するための図。
図10】表示装置の作製方法例を説明するための図。
図11】液晶表示装置の構造例を説明するための図。
図12】液晶表示装置の構造例を説明するための図。
図13】電子機器の例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る実施の形態の例について説明する。なお、本発明の趣旨及び範囲から逸脱す
ることなく実施の形態の内容を変更することは、当業者であれば容易である。よって、例
えば本発明は、下記実施の形態の記載内容に限定されない。
【0016】
なお、各実施の形態の内容を互いに適宜組み合わせることができる。また、各実施の形態
の内容を互いに適宜置き換えることができる。
【0017】
また、第1、第2などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付しており、各構成要
素の数は、序数詞に限定されない。
【0018】
また、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で
配置されている状態をいう。従って、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂
直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従
って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0019】
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す
【0020】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置の例について説明する。
【0021】
本実施の形態に係る表示装置の構成例について図1を用いて説明する。
【0022】
図1(A)は、表示装置の上面模式図であり、図1(B)は、図1(A)に示す線分A-
A’の断面模式図である。なお、便宜のため、図1(A)では、表示装置の一部の構成要
素を省略している。
【0023】
図1(A)及び図1(B)に示す表示装置は、基板101と、基板104と、表示素子を
構成する液晶層105と、シール材106と、シール材107と、シール材108と、を
有する。
【0024】
基板101には、液晶層105の電界を制御するトランジスタなどの素子が形成された層
113が設けられる。なお、層113には、トランジスタ上の保護層や平坦化層などの機
能を有する絶縁層も含まれる。
【0025】
基板104は、基板101に重畳する。基板104には、着色層や遮光層、さらには平坦
化層としての機能を有する絶縁層などが形成された層114が設けられる。なお、図1
A)では、便宜のため、基板104を点線で示している。
【0026】
基板101及び基板104としては、例えばガラス基板を適用できる。
【0027】
液晶層105は、基板101と基板104の間に設けられる。
【0028】
シール材106は、基板101と基板104の間で液晶層105を囲むように設けられる
【0029】
シール材106は、表示素子やトランジスタに対して不純物となる物質(水など)が、外
部から侵入することを防止又は抑制する機能を少なくとも有する。なお、シール材106
に別の機能を付加してもよい。例えば、構造を強化する機能、接着性を強化する機能、耐
衝撃性を強化する機能などをシール材106が有していてもよい。
【0030】
なお、シール材106としては、硬化前に液晶層105と接した場合でも液晶層105に
溶解しない材料を用いることが好ましい。シール材106としては、例えばエポキシ樹脂
、アクリル樹脂などを適用できる。なお、上記樹脂材料は、熱硬化型、光硬化型のいずれ
でもよい。また、シール材106として、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂を混ぜた樹脂
を用いてもよい。このとき、UV開始剤、熱硬化剤、カップリング剤などを混ぜてもよい
。また、フィラーを含んでもよい。
【0031】
シール材107は、シール材106を囲むように設けられ、基板101と基板104との
間隙を閉塞しつつ、少なくとも基板104の側面まで延在するように設けられる。これに
より、基板101と基板104の間にシール材107を設ける場合と比較して額縁を狭く
できる。また、基板101と基板104の間でゲートドライバ103a及びゲートドライ
バ103bなどの周辺回路部にシール材107を設けることにより、額縁を狭くできる。
また、基板104の側面まで延在するようにシール材107を設けることにより、例えば
基板104の機械的強度を高めることができる。また、基板104に加え、基板101の
側面まで延在するようにシール材107を設けて基板101の機械的強度も高めることが
できる。なお、シール材106により、基板101と基板104との間隙が閉塞されてい
る場合は、シール材106に接し、少なくとも基板104の側面まで延在するようにシー
ル材107を設ければよい。
【0032】
シール材107は、表示素子やトランジスタに対して不純物となる物質(水など)が、外
部から侵入することを防止又は抑制する機能を少なくとも有する。なお、シール材107
に別の機能を付加してもよい。例えば、構造を強化する機能、接着性を強化する機能、耐
衝撃性を強化する機能などをシール材107が有していてもよい。
【0033】
シール材107は、シール材106よりも透湿度が低いことが好ましい。シール材107
としては、例えば樹脂材料やフリットガラスなどを含む材料を適用できる。なお、上記樹
脂材料は、熱硬化型であることが好ましい。
【0034】
ここで、透湿度とは、1日当たりに単位面積(1m)のフィルム等の材料を透過する水
の質量(単位g/m・day)を表したものである。透湿度を低くすることにより、外
部からの水や水分等の不純物の侵入を防止又は抑制することができる。
【0035】
上記透湿度は、MOCON法やカップ法と呼ばれる透湿性試験により算出することができ
る。MOCON法とは、測定対象となる材料を透過する水蒸気を、赤外線センサを用いて
測定する方法である。また、カップ法は、測定対象となる材料を透過した水蒸気を、カッ
プに入っている吸湿剤に吸水させ、吸水した吸湿剤の重量変化から透湿度を測定する方法
である。
【0036】
透湿度としては、例えば発光装置用途に市販されているシール材では、100μmの膜厚
とした場合に16g/m・dayである。また、フリットガラスの場合には、0.01
g/m・day以下である。従って、本願発明に係る封止構造を用いることで、表示装
置の透湿度を上記に記載した透湿度以下とすることができる。
【0037】
シール材108は、シール材107を囲むように設けられる。
【0038】
シール材108としては、例えば金属材料又は熱可塑性樹脂(例えばプラスチック)など
を含み、金属材料としては、例えばアルミニウム、銅、鉛、ニッケルなどを含む材料を適
用できる。また、シール材108としてはんだを用いてもよい。このとき、はんだの融点
は、シール材107の融点よりも低いことが好ましい。はんだとしては、Sn-Pb系、
Pb-Sn-Sb系、Sn-Sb系、Sn-Pb-Bi系、Sn-Cu系、Sn-Pb-
Cu系、Sn-In系、Sn-Ag系、Sn-Pb-Ag系、Pb-Ag系などの成分の
材料を用いることができる。ただし、Pbは人体又は環境に有害であるため、無鉛はんだ
を使うことが好ましい。また、シール材108は、シール材106よりも透湿度が低いこ
とが好ましい。また、シール材108は、シール材107よりも透湿度が低いことが好ま
しい。また、シール材108としてステンレス板(例えばSUS板)を設けてもよい。
【0039】
なお、シール材108に適用可能な材料を用いてシール材107を構成してもよい。この
とき、必ずしもシール材108を設けなくてもよい。
【0040】
なお、シール材107及びシール材108の幅は、1mm以下、好ましくは0.5mm以
下であることが好ましい。
【0041】
層113に含まれるトランジスタとしては、例えばチャネル形成領域に酸化物半導体を用
いたトランジスタを用いることができる。
【0042】
酸化物半導体としては、例えばIn系金属酸化物、Zn系金属酸化物、In-Zn系金属
酸化物、又はIn-Ga-Zn系金属酸化物などを適用できる。また、In-Ga-Zn
系金属酸化物に含まれるGaの一部若しくは全部の代わりに他の金属元素を含む金属酸化
物を用いてもよい。なお、上記酸化物半導体が結晶を有していてもよい。
【0043】
以下では、トランジスタのチャネル形成領域に適用可能な酸化物半導体膜の構造について
説明する。
【0044】
酸化物半導体膜は、単結晶酸化物半導体膜と非単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非
単結晶酸化物半導体膜とは、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、多結晶酸化
物半導体膜、CAAC-OS(C Axis Aligned Crystalline
Oxide Semiconductor)膜などをいう。
【0045】
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶成分を有さない酸
化物半導体膜である。微小領域においても結晶部を有さず、膜全体が完全な非晶質構造の
酸化物半導体膜が典型である。
【0046】
微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の大きさの微結晶(ナノ結晶
ともいう。)を含む。従って、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも原
子配列の規則性が高い。そのため、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜より
も欠陥準位密度が低いという特徴がある。
【0047】
CAAC-OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結
晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC-O
S膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内
に収まる大きさの場合も含まれる。CAAC-OS膜は、微結晶酸化物半導体膜よりも欠
陥準位密度が低いという特徴がある。以下、CAAC-OS膜について詳細な説明を行う
【0048】
CAAC-OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Elect
ron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結
晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CA
AC-OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
【0049】
CAAC-OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察
)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子
の各層は、CAAC-OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸
を反映した形状であり、CAAC-OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
【0050】
一方、CAAC-OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TE
M観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列しているこ
とを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られな
い。
【0051】
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC-OS膜の結晶部は配向性を有して
いることがわかる。
【0052】
CAAC-OS膜に対し、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)装
置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC-OS膜
のout-of-plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが
現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属される
ことから、CAAC-OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概
略垂直な方向を向いていることが確認できる。
【0053】
一方、CAAC-OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin-pl
ane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは
、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。InGaZnOの単結晶酸化
物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)と
して試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に
帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC-OS膜の場合は、2θを5
6°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
【0054】
以上のことから、CAAC-OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不
規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行
な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配
列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
【0055】
なお、結晶部は、CAAC-OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行
った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC-OS膜の被形成面また
は上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC-OS膜の形
状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC-OS膜の被形成面
または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
【0056】
また、CAAC-OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC-OS膜
の結晶部が、CAAC-OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面
近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAA
C-OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分
的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
【0057】
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC-OS膜のout-of-plane法
による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れ
る場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC-OS膜中の一部に、c軸配向性
を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC-OS膜は、2θが31°近傍に
ピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
【0058】
CAAC-OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動
が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
【0059】
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CA
AC-OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
【0060】
酸化物半導体膜中に水等の水素を含む化合物が含まれると、該化合物の一部がn型の導電
性を付与する不純物となり、トランジスタのオフ電流の増加、又はしきい値電圧のマイナ
ス方向への変動などの電気的特性の不良を引き起こす場合がある。しかしながら、本実施
の形態で示す表示装置は、表示素子やトランジスタに対して不純物となる物質(水など)
が、外部から侵入することを抑制又は防止する機能を有するシール材106と、シール材
106を囲むように外側に配置され、シール材106よりも透湿度が低いシール材107
と、を含む構成を有するため、表示装置内部への水の混入を抑制又は防止することができ
る。よって、表示装置に含まれる、トランジスタの電気的特性の低下及び変動を抑制し、
表示装置の信頼性を向上させることができる。
【0061】
ただし、層113に含まれるトランジスタは、酸化物半導体を用いたトランジスタに限定
されず、例えば14族(シリコンなど)の元素を有する半導体を含むトランジスタを用い
てもよい。このとき、14族の元素を有する半導体が単結晶、多結晶、又は非晶質でもよ
い。
【0062】
さらに、図1(A)及び図1(B)に示す表示装置には、複数の画素回路が設けられる表
示部102、ゲートドライバ103a、及びゲートドライバ103bが設けられる。例え
ば、ゲートドライバ103a及びゲートドライバ103bは、基板101の層113の一
部に設けられる。なお、ゲートドライバ103a及びゲートドライバ103bのいずれか
一方のみを表示装置に設けてもよい。このとき、額縁は、1mm以下、さらには0.5m
m以下であることが好ましい。
【0063】
複数の画素回路は、表示部102において行列方向に配置される。画素回路は、液晶素子
と、トランジスタと、容量素子と、を有する。液晶素子は、一対の電極と、該一対の電極
により印加される電圧により液晶の配向が制御される液晶層105と、を有する。トラン
ジスタは、液晶層105の電界を制御するトランジスタであり、液晶素子の一対の電極の
一方に電気的に接続される。容量素子は、液晶素子に印加される電圧を保持する機能を有
する。
【0064】
さらに、図1(A)及び図1(B)に示す表示装置には、フレキシブルプリント基板(F
PCともいう)110を介してソースドライバ112が電気的に接続される。フレキシブ
ルプリント基板110は、異方性導電層115を介して層113に設けられた端子電極に
電気的に接続される。なお、ソースドライバ112を層113に設けてもよい。
【0065】
なお、本実施の形態に係る表示装置の構成は、図1に限定されない。
【0066】
例えば、図2(A)及び図2(B)に示す表示装置は、図1(A)及び図1(B)に示す
表示装置に加え、シール材116を有する構成である。図2(A)は、表示装置の上面模
式図であり、図2(B)は、図2(A)に示す線分B-B’の断面模式図である。なお、
図1(A)及び図1(B)に示す表示装置と同じ部分については、図1(A)及び図1
B)に示す表示装置の説明を適宜援用する。
【0067】
シール材116は、シール材106を囲むように設けられ、基板101と基板104との
間隙を閉塞するように設けられる。このとき、シール材107は、シール材116を囲む
ように設けられる。
【0068】
シール材116としては、例えばフリットガラスを含む材料を適用できる。
【0069】
シール材116を設けることにより、表示装置の動作不良の原因となる不純物(水など)
が外部から侵入することの抑制効果をより高めることができる。
【0070】
図3(A)及び図3(B)に示す表示装置は、図2(A)及び図2(B)に示す表示装置
の基板101の内側に基板104が重畳する構成である。図3(A)は、表示装置の上面
模式図であり、図3(B)は、図3(A)に示す線分C-C’の断面模式図である。なお
図1(A)及び図1(B)に示す表示装置と同じ部分については、図1(A)及び図1
(B)に示す表示装置の説明を適宜援用する。
【0071】
このとき、シール材107は、シール材116を囲むように設けられ、基板101と基板
104との間隙を閉塞しつつ、基板101の上面及び基板104の側面まで延在するよう
に設けられる。このとき、シール材108は、シール材107を囲むように設けられる。
上記構成は、例えば図3(A)及び図3(B)に示すように、フレキシブルプリント基板
117a、117bを設けて複数のフレキシブルプリント基板を有する場合などが当ては
まる。
【0072】
さらに、図4(A)に示すように、図1(A)及び図1(B)に示す表示装置のシール材
108を設けない構成としてもよい。
【0073】
また、図4(B)に示すように、図1(A)及び図1(B)に示す表示装置のシール材1
08を設けず、且つシール材107を、基板101の上面の一部及び側面(フレキシブル
プリント基板110と重なる側面を除く)と、基板104の側面とに延在させてもよい。
或いは、図4(B)に示すように、シール材106の側面にシール材107が接してもよ
い。
【0074】
また、図1(A)及び図1(B)に示す表示装置では、基板101及び基板104の上面
と、シール材108及びシール材107の端部とが略一致する場合を例に示したが、これ
に限られず、例えば図5(A)に示すように、シール材107の端部が基板101及び/
又は基板104の上面の一部と接する領域を有する構成であってもよい。また、シール材
107の端部が基板101及び/又は基板104の上面の一部と接する領域を有する場合
、シール材108の端部が、当該領域に重なるように設けられた構成としてもよい。これ
により、基板101及び基板104の機械的強度を高めることができる。
【0075】
または、図5(B)に示すように、シール材107の端部が基板101及び/又は基板1
04の上面の一部と接する領域を有し、シール材108の端部が当該領域と重なり、且つ
基板101及び/又は基板104の上面の一部と接する領域を有する構成であってもよい
。これにより、基板101及び基板104の機械的強度を高めつつ、表示装置の動作不良
を引き起こす不純物の侵入の抑制効果を高めることができる。
【0076】
なお、図2(A)及び図2(B)に示す表示装置の構成と、図3(A)及び図3(B)、
図4(A)及び図4(B)、図5(A)及び図5(B)に示す表示装置の構成を適宜組み
合わせてもよい。
【0077】
次に、本実施の形態に係る表示装置の作製方法例として、図1(A)及び図1(B)に示
す表示装置の作製方法例について図6乃至図9を用いて説明する。ここでは、一例として
、One Drop Filling(ODFともいう)法を用いた表示装置の作製方法
例について説明する。なお、これに限定されず、ODF法の代わりに液晶注入法を用いて
もよい。
【0078】
まず、基板101を準備し、基板101にトランジスタなどの素子を形成することにより
層113を形成し、層113の上にシール材106を形成する(図6(A-1)及び図6
(A-2)参照)。
【0079】
層113の形成では、例えば、表示部102に配置され、画素回路を構成するトランジス
タと、ゲートドライバ103a及びゲートドライバ103bを構成するトランジスタとを
形成する。さらに、このとき、トランジスタの上に絶縁層を形成し、該絶縁層の上に液晶
素子を構成する電極を形成してもよい。また、配向膜などが必要な場合には、配向膜を形
成し、ラビング処理を行ってもよい。
【0080】
さらに、シール材106の形成では、例えばスクリーン印刷法、インクジェット装置、又
はディスペンス装置などを用いて、層113に閉ループ状にシールパターンを形成する。
なお、シールパターンを、矩形状、円形状、楕円形状、又は多角形状にしてもよい。また
、シールパターンの形成は、必ずしも基板101上に行う必要はなく、例えば、予め層1
14が設けられた基板104を用意し、該層114の上にシールパターンを形成して、シ
ール材106としてもよい。
【0081】
次に、平面視においてシール材106に囲まれた領域に液晶120を滴下する(図6(B
-1)及び図6(B-2)参照)。
【0082】
例えば、ディスペンス装置又はインクジェット装置などを用いて液晶120を滴下する。
なお、複数滴の液晶120を滴下してもよい。
【0083】
次に、着色層や遮光層を含む層114を予め形成しておいた基板104と、基板101と
、を層113と層114が向かい合うように貼り合わせる。さらに、熱処理を行いシール
材106を硬化させた後、基板101及び基板104を分断する(図7(A-1)及び図
7(A-2)参照)。このとき、シール材106に囲まれた領域の液晶120が液晶層1
05に相当する。なお、層114に配向膜などが必要な場合には、予め配向膜を形成し、
ラビング処理を行ってもよい。
【0084】
基板101と基板104の貼り合わせでは、例えば減圧雰囲気下で基板101と基板10
4を貼り合わせることにより、シール材106に囲まれた領域に液晶120を充填しやす
くできる。また、基板101と基板104を貼り合わせた後に液晶の配向を制御するため
の熱処理を行ってもよい。
【0085】
なお、液晶層105として、ブルー相を示す液晶を用いた場合、シール材106を硬化さ
せる前に、液晶層105において、等方相からブルー相への相転移処理と高分子安定化処
理を行うことが好ましい。例えば、液晶層105をブルー相と等方相間の相転移温度から
+10℃以内、好ましくは+5℃以内の温度で熱処理を行い、徐々に降温させることによ
り相転移処理を行うことができる。なお、ブルー相と等方相間の相転移温度とは、昇温時
にブルー相から等方相に転移する温度または降温時に等方相からブルー相に相転移する温
度をいう。また、例えばブルー相を発現した状態で、液晶、カイラル剤、紫外線硬化樹脂
及び光重合開始剤を含む液晶材料に、紫外線硬化樹脂及び光重合開始剤が反応する波長の
光を照射することにより、高分子安定化処理を行うことができる。
【0086】
また、基板101と基板104の分断では、例えばスクライバー装置、ロールカッターな
どの切断装置を用いて基板101及び基板104のそれぞれを分断する。
【0087】
次に、基板101と基板104との間隙を閉塞するようにシール材107を形成する(図
7(B-1)及び図7(B-2)参照)。
【0088】
図7(B-1)及び図7(B-2)に示すように、基板101と基板104を貼り合わせ
た後に、シール材107を形成することにより、基板101又は基板104の上にシール
材107を形成した後に基板101と基板104を貼り合わせる場合と比較して額縁を狭
くできる。
【0089】
シール材107の形成では、例えばディスペンス装置などを用いて、シール材107に適
用可能な材料を含むペーストを基板104の側面に沿って滴下する。ここでは、一例とし
てフリットガラスを用いてシール材107を形成する場合について説明する。
【0090】
フリットガラスを用いてシール材107を形成する場合、まずディスペンス装置などを用
いて、ガラス粉末と接着性を有する有機樹脂を混合したフリットペーストを、基板104
の側面に沿って滴下し、基板101と基板104との間隙を閉塞させる。その後熱処理を
行い、上記フリットペースト中の有機物を除去してフリットペーストを溶融、固化させる
ことによりシール材107を形成する。また、これに限定されず、例えばガラスリボンな
どを基板104の側面に沿って貼り、その後熱処理を行い、基板101と基板104との
間隙を閉塞させて、シール材107を形成してもよい。
【0091】
なお、上記熱処理としてレーザ光を照射してもよい。このとき、レーザ光により液晶層1
05が劣化しないように、出力を調整することが好ましい。また、レーザ光を照射する際
に、例えば光ファイバーなどを介してレーザ発振器からレーザ光を取り出してもよい。な
お、シール材106とシール材107は離れていることが好ましいが、これに限定されず
、接していてもよい。
【0092】
このときのレーザ光としては、例えば、エキシマレーザに代表される気体レーザ、YAG
レーザに代表される固体レーザを光源として適用できる。レーザ光の波長としては、赤外
光域であることが好ましく、波長780nmから2000nmが適用される。例えば、波
長810nm~波長940nmのレーザ光を用いることが好ましい。また、ビーム形状と
しては、特に限定はなく、例えば矩形状、線状、又は円状などにすることができる。
【0093】
また、フリットガラスに用いられるガラス粉末としては、例えば酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化バリウム、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素
、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化テルル、酸化アルミニウム、二酸化シリコン、酸化鉛
、酸化スズ、酸化リン、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化鉄、酸化銅、酸化チタン、
酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化アンチモン、ホウ酸鉛ガラス、リン酸スズガラス
、バナジン酸塩ガラス、及びホウケイ酸ガラスのうち、一つ又は複数を含む材料を適用で
きる。また、上記フリットペーストに顔料などを添加することにより、レーザ光の吸収率
を高めることができ、レーザ光の出力を低くできる。また、他の層へのレーザ光によるダ
メージを小さくできる。
【0094】
なお、フリットガラスを用いて図2(A)及び図2(B)に示すシール材116を形成す
る場合も、上記と同様の材料及び方法を用いて形成できる。このとき、例えば基板104
の上からレーザ光を照射することによりフリットペーストを溶融し、ガラス粉末を結合さ
せ、その後固化させることによりシール材116を形成できる。
【0095】
また、フリットガラスを用いて図2(A)及び図2(B)に示すシール材116を形成す
る場合、減圧下にてシール材107を形成することにより、基板101と基板104との
密着性を高めることができる。
【0096】
次に、シール材107を囲むようにシール材108を形成する(図8(A-1)及び図8
(A-2)参照)。
【0097】
シール材108として金属材料を用いる場合、例えば、スパッタリング法などを用いて、
シール材107の側面にシール材108に適用可能な金属材料の膜を成膜することにより
、シール材108を形成できる。
【0098】
また、シール材108としてはんだを用いる場合、例えば、加熱されたこて先から超音波
を発振させながら、該こてによりはんだをシール材107に融着させることによりシール
材108を形成してもよい。このような方法を用いると、超音波により空洞現象が起こり
、例えばシール材107に形成される被膜を除去しつつ、シール材108を形成できるた
め、シール材107とシール材108の密着性を高めることができる。
【0099】
なお、これに限定されず、例えば、図10(A-1)及び図10(A-2)に示すように
、シール材108に適用可能な材料により予め作製しておいた中空構造の型130を上か
ら基板101及び基板104により構成される構造体にはめ込むことによりシール材10
8を形成してもよい。なお、これに限定されず、例えばシール材107を予め型130の
内側に形成しておき、シール材107が形成された型130を上記構造体にはめ込むこと
により、シール材107及びシール材108を形成してもよい。
【0100】
次に、シール材108の側面からレーザ光121を照射する(図8(B-1)及び図8
B-2)参照)。このとき、レーザ光121としては、例えば上記シール材107の形成
の際の熱処理と同じレーザ光を適用してもよい。
【0101】
例えば、基板101を水平方向に回転させながら、基板101と水平方向からレーザ光1
21を照射する。このとき、レーザ光121は、例えばシール材108を介してシール材
107の一部を溶融できる程度の出力であることが好ましい。レーザ光121を照射する
ことにより、シール材107とシール材108の密着性を向上させることができる。なお
、必ずしもシール材108の側面からレーザ光121を照射しなくてもよく、例えば基板
101表面を基準面として10度~45度の角度からレーザ光を照射してもよい。
【0102】
また、シール材107にフリットガラスを用いた場合、シール材108の形成前にシール
材107にレーザ光を照射し、仮焼成を行ってもよい。その後、シール材108を形成し
、シール材108の側面からレーザ光121を照射してシール材107を溶融し、ガラス
粉末を結合させ、固化させてもよい。
【0103】
次に、ソースドライバ112が接続されたフレキシブルプリント基板110を、異方性導
電層115を用いて端子部に貼り付ける(図9(A-1)及び図9(A-2)参照)。
【0104】
以上が図1(A)及び図1(B)に示す表示装置の作製方法例の説明である。
【0105】
図1乃至図10を参照して説明したように、本実施の形態に係る表示装置の一例では、2
つの基板間に液晶層を封止する機能を有する第1のシール材を設け、さらに、第1の基板
と第2の基板との間隙を閉塞しつつ、少なくとも第2の基板の側面まで延在する第2のシ
ール材を設ける。第2のシール材を設けることにより、表示装置の動作不良を引き起こす
不純物(水など)の侵入を抑制できる。よって、信頼性を向上させることができる。さら
に、第2のシール材を囲むように第3のシール材を設けることにより、上記不純物の侵入
の抑制効果を高めることができる。
【0106】
また、本実施の形態に係る表示装置の一例では、第1の基板と第2の基板を貼り合わせた
後に、第1の基板と第2の基板との間隙を閉塞しつつ、少なくとも第2の基板の側面まで
延在するように上記第2のシール材を設ける。これにより、第1の基板の上に第2のシー
ル材を形成した後に第2の基板と貼り合わせる場合と比較して額縁を狭くできる。
【0107】
以上に示した本実施の形態の方法、構成は、他の実施の形態の方法、構成と適宜組み合わ
せることができる。
【0108】
(実施の形態2)
本実施の形態では、表示装置の一例として、チャネル形成領域に金属酸化物半導体を用い
たトランジスタを備える液晶表示装置の例について説明する。
【0109】
本実施の形態に係る液晶表示装置の表示方式としては、TN(Twisted Nema
tic)モード、IPS(In Plane Switching)モード、STN(S
uper Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Ali
gnment)モード、ASM(Axially Symmetric Aligned
Micro-cell)モード、OCB(Optically Compensate
d Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Li
quid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric
Liquid Crystal)モード、MVA(Multi-Domain Vert
ical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertica
l Alignment)モード、FFS(Fringe Field Switchi
ng)モード、又はTBA(Transverse Bend Alignment)モ
ードなどを用いてもよい。
【0110】
また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物により液晶素子を構成しても
よい。ブルー相を示す液晶は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるた
め、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。
【0111】
ブルー相を示す液晶は、応答時間が短く、光学的等方性であるため、配向処理が不要であ
り、視野角依存性が小さい。よって、ブルー相を示す液晶を用いることにより、液晶表示
装置の動作を速くできる。
【0112】
本実施の形態に係る液晶表示装置の構造例について図11を参照して説明する。
【0113】
図11(A)は、液晶表示装置の上面模式図であり、図11(B)は図11(A)の線分
M-Nの断面模式図である。なお、便宜のため、図11(A)では、液晶表示装置の構成
要素の一部が省略されている。
【0114】
図11(A)及び図11(B)に示す液晶表示装置は、画素回路が設けられた表示部70
2、ゲートドライバ703a、ゲートドライバ703b、及びソースドライバ712を有
する。
【0115】
さらに、導電層753a及び導電層753bは、絶縁層751を挟んで基板701の一平
面に設けられる。
【0116】
導電層753aは、ゲートドライバ703bに設けられる。導電層753aは、ゲートド
ライバ703bのトランジスタのゲートとしての機能を有する。
【0117】
導電層753bは、表示部702に設けられる。導電層753bは、画素回路のトランジ
スタのゲートとしての機能を有する。画素回路のトランジスタは、液晶層705にかかる
電界を制御する機能を有する。
【0118】
絶縁層754は、導電層753a及び導電層753bの上に設けられる。絶縁層754は
、ゲートドライバ703bのトランジスタのゲート絶縁層、及び画素回路のトランジスタ
のゲート絶縁層としての機能を有する。
【0119】
半導体層755aは、絶縁層754を挟んで導電層753aに重畳する。半導体層755
aは、ゲートドライバ703bのトランジスタのチャネルが形成される層(チャネル形成
層ともいう)としての機能を有する。
【0120】
半導体層755bは、絶縁層754を挟んで導電層753bに重畳する。半導体層755
bは、画素回路のトランジスタのチャネル形成層としての機能を有する。なお、半導体層
755a及び半導体層755bは、同一の半導体層により形成される。
【0121】
導電層756aは、半導体層755aに電気的に接続される。導電層756aは、ゲート
ドライバ703bのトランジスタのソース及びドレインの一方としての機能を有する。
【0122】
導電層756bは、半導体層755aに電気的に接続される。導電層756bは、ゲート
ドライバ703bのトランジスタのソース及びドレインの他方としての機能を有する。
【0123】
導電層756cは、半導体層755bに電気的に接続される。導電層756cは、画素回
路のトランジスタのソース及びドレインの一方としての機能を有する。
【0124】
導電層756dは、半導体層755bに電気的に接続される。導電層756dは、画素回
路のトランジスタのソース及びドレインの他方としての機能を有する。
【0125】
導電層756eは、絶縁層754の上に設けられる。導電層756eは、例えばゲートド
ライバ703bに電気的に接続される。導電層756eは、端子電極としての機能を有す
る。なお、導電層756a乃至導電層756eは、同一の導電層により形成される。
【0126】
絶縁層757は、半導体層755a及び半導体層755bの上、及び導電層756a乃至
導電層756dの上に設けられる。絶縁層757は、トランジスタを保護する絶縁層(保
護絶縁層ともいう)としての機能を有する。
【0127】
絶縁層758は、絶縁層757の上に設けられる。絶縁層758は、平坦化層としての機
能を有する。また、絶縁層758を設けることにより、絶縁層758よりも下層の導電層
と絶縁層758よりも上層の導電層とによる寄生容量の発生を抑制できる。
【0128】
導電層759aは、絶縁層758の上に設けられる。
【0129】
導電層759aは、絶縁層757及び絶縁層758を挟んで半導体層755aに重畳する
。導電層759aは、ゲートドライバ703bのトランジスタのゲートとしての機能を有
する。例えば、導電層759aをゲートドライバ703bのトランジスタのバックゲート
として機能させてもよい。例えば、Nチャネル型トランジスタの場合、上記バックゲート
とソースの間の電圧を、負電圧にしてもよい。これにより、トランジスタのしきい値電圧
を正方向にシフトさせることができる。また、導電層759aを定電位に固定してもよい
【0130】
導電層759bは、絶縁層758の上に設けられる。導電層759bは、画素回路の容量
素子が有する一対の電極の一方としての機能を有する。なお、導電層759a及び導電層
759bは、同一の導電層により形成される。
【0131】
絶縁層760は、導電層759bを挟んで絶縁層758の上に設けられる。なお、絶縁層
760のうち、ゲートドライバ703a及びゲートドライバ703bのトランジスタの上
に形成される部分を除去することにより、絶縁層758中の水素や水を外部に放出できる
ため、絶縁層757から絶縁層758が剥がれてしまうことを抑制できる。絶縁層760
は、保護絶縁層としての機能を有する。また、絶縁層760は、画素回路の容量素子の誘
電体層としての機能を有する。
【0132】
導電層761は、絶縁層760の上に設けられ、絶縁層757、絶縁層758、及び絶縁
層760を貫通して設けられた開口部により導電層756dに電気的に接続される。さら
に、導電層761は、絶縁層760を挟んで導電層759bに重畳する。導電層761は
、画素回路の液晶素子が有する一対の電極の一方、及び容量素子が有する一対の電極の他
方としての機能を有する。
【0133】
絶縁層762は、導電層761を挟んで絶縁層758の上又は絶縁層760の上に設けら
れる。絶縁層762は、配向膜としての機能を有する。
【0134】
着色層771は、基板704の一平面の一部に設けられる。着色層771は、カラーフィ
ルタとしての機能を有する。
【0135】
絶縁層772は、着色層771を挟んで基板704の一平面に設けられる。絶縁層772
は、平坦化層としての機能を有する。
【0136】
導電層773は、絶縁層772の一平面に設けられる。導電層773は、画素回路の液晶
素子が有する一対の電極の他方としての機能を有する。
【0137】
絶縁層774は、導電層773の上に設けられる。絶縁層774は、配向膜としての機能
を有する。
【0138】
シール材706は、基板701と基板704の間で、液晶層705を囲むように設けられ
る。シール材706は、例えば図1(A)及び図1(B)に示すシール材106に相当す
る。
【0139】
シール材707は、シール材706を囲み、基板701と基板704との間隙を閉塞しつ
つ、基板704の側面と基板701の上面又は側面まで延在して設けられる。シール材7
07は、例えば図1(A)及び図1(B)に示すシール材107に相当する。
【0140】
シール材708は、シール材707を囲むように設けられる。シール材708は、例えば
図1(A)及び図1(B)に示すシール材108に相当する。
【0141】
フレキシブルプリント基板710は、導電層780及び異方性導電層781を介して導電
層756eに電気的に接続される。フレキシブルプリント基板710は、例えばゲートド
ライバ703a、ゲートドライバ703b、ソースドライバ712、及び表示部702の
画素回路に電気的に接続される。
【0142】
さらに、図12は、横電界方式の表示装置の断面模式図であり、図11(A)及び図11
(B)に示す表示装置と比較した場合、絶縁層758、絶縁層760、絶縁層762、導
電層773、絶縁層774が無く、導電層753c、導電層793、導電層756fを別
途有し、導電層761の代わりに導電層791aを有し、導電層759aの代わりに導電
層791bを有し、液晶層705の代わりに液晶層792を有する点が異なる。図11
A)及び図11(B)に示す表示装置と同じ部分については、図11(A)及び図11
B)に示す表示装置の説明を適宜援用する。
【0143】
導電層753cは、絶縁層751の上に設けられる。導電層753cは、容量線としての
機能を有する。導電層753cは、導電層753a、導電層753bと同一の導電層によ
り形成される。
【0144】
導電層793は、絶縁層754の上に設けられる。導電層793は、容量素子が有する一
対の電極の一方としての機能を有する。
【0145】
導電層756fは、絶縁層754の上に設けられ、絶縁層754を貫通して設けられた開
口部により導電層753cに電気的に接続される。さらに、導電層756fは、導電層7
93に電気的に接続される。導電層756fは、配線としての機能を有する。導電層75
6fは、導電層756a乃至導電層756eと同一の導電層により形成される。
【0146】
導電層791aは、絶縁層757の上に設けられ、絶縁層757を貫通して設けられた開
口部により導電層756dに電気的に接続される。また、導電層791aは、櫛歯部を有
し、櫛歯部の櫛のそれぞれが絶縁層757を挟んで導電層793に重畳する。導電層79
1aは、画素回路の液晶素子が有する一対の電極の一方としての機能を有する。さらに、
導電層791aは、画素回路の容量素子が有する一対の電極の他方としての機能を有する
。このとき、導電層793は、画素回路の液晶素子が有する一対の電極の他方としての機
能を有する。
【0147】
導電層791bは、絶縁層757の上に設けられ、絶縁層757を挟んで半導体層755
aに重畳する。導電層791bは、ゲートドライバ703bのトランジスタのゲートとし
ての機能を有する。例えば、導電層791bをゲートドライバ703bのトランジスタの
バックゲートとして機能させてもよい。例えば、Nチャネル型トランジスタの場合、上記
バックゲートとソースの間の電圧を、負電圧にしてもよい。これにより、トランジスタの
しきい値電圧を正方向にシフトさせることができる。また、導電層791bを定電位に固
定してもよい。
【0148】
液晶層792は、シール材706に囲まれ、導電層791aと導電層793の上に設けら
れる。
【0149】
なお、導電層791a及び導電層791bを挟んで絶縁層757の上に保護層としての機
能を有する絶縁層を設けてもよい。また、絶縁層772の上に保護層としての機能を有す
る絶縁層を設けてもよい。また、上記保護層が配向膜としての機能を有していてもよい。
【0150】
なお、図11(A)及び図11(B)、並びに図12では、トランジスタをチャネルエッ
チ型のトランジスタとしているが、これに限定されず、例えばチャネル保護型のトランジ
スタとしてもよい。また、トップゲート型のトランジスタとしてもよい。
【0151】
さらに、図11(A)及び図11(B)、並びに図12に示す表示装置の各構成要素につ
いて説明する。なお、各層を積層構造にしてもよい。
【0152】
基板701及び基板704としては、例えばガラス基板などを適用できる。ガラス基板と
しては、例えばバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノ
ケイ酸ガラスなどの無アルカリガラス基板を用いるとよい。
【0153】
絶縁層751としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸
化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化ア
ルミニウム、又は酸化ハフニウムなどの材料を含む層を適用できる。このとき、絶縁層7
51により基板701からの不純物の侵入を抑制できることが好ましい。なお、必ずしも
絶縁層751を設けなくてもよい。
【0154】
導電層753a乃至導電層753cとしては、例えばモリブデン、チタン、クロム、タン
タル、マグネシウム、銀、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、又はスカンジウ
ムなどの金属材料を含む層を適用できる。
【0155】
絶縁層754及び絶縁層757としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化
シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸
化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化窒化アルミニウム、窒
化酸化アルミニウム、又は酸化ハフニウムなどの材料を含む層を適用できる。また、絶縁
層754として、酸化物層を用いてもよい。上記酸化物層としては、例えばIn:Ga:
Zn=1:3:2の原子比である酸化物の層などを用いることができる。
【0156】
なお、酸化物半導体層を酸素が過飽和の状態とするため、酸化物半導体層に接する絶縁層
(絶縁層754及び絶縁層757)は、過剰酸素を含む層を有することが好ましい。
【0157】
過剰酸素を含む絶縁層は、プラズマCVD法やスパッタリング法における成膜条件を適宜
設定して膜中に酸素を多く含ませた酸化シリコン膜や、酸化窒化シリコン膜を用いる。ま
た、イオン注入法やイオンドーピング法やプラズマ処理によって酸素を添加してもよい。
【0158】
さらに過剰酸素を含む絶縁層の外側に配置されるように、酸素、水素、又は水に対するブ
ロッキング層を絶縁層754及び絶縁層757として設けることが好ましい。これにより
、酸化物半導体層に含まれる酸素の外部への拡散と、外部から酸化物半導体層への水素、
水などの侵入を防止できる。ブロッキング層としては、例えば窒化シリコン、酸化アルミ
ニウム、窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化
窒化イットリウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、又は酸化ハフニウム
などの材料を含む層などを適用できる。
【0159】
過剰酸素を含む絶縁層又はブロッキング層で酸化物半導体層を包み込むことで、酸化物半
導体層において化学量論的組成とほぼ一致するような状態、または化学量論的組成より酸
素が多い過飽和の状態とすることができる。
【0160】
例えば、第1の窒化シリコン層、第2の窒化シリコン層、及び酸化窒化シリコン層の積層
により絶縁層754を構成してもよい。このとき、第1の窒化シリコン層は、第2の窒化
シリコン層よりも欠陥が少ないことが好ましい。また、第2の窒化シリコン層は、第1の
窒化シリコン層よりも水素脱離量及びアンモニア脱離量が少ないことが好ましい。
【0161】
また、例えば第1の酸化窒化シリコン層、第2の酸化窒化シリコン層、及び窒化シリコン
層の積層により絶縁層757を構成してもよい。このとき、第2の酸化窒化シリコン層は
、第1の酸化窒化シリコン層よりも酸素が多いことが好ましい。また、このとき、窒化シ
リコン層は、第1の酸化窒化シリコン層、第2の酸化窒化シリコン層よりも酸素、水素又
は水に対するブロッキング性が高いことが好ましい。
【0162】
半導体層755a及び半導体層755bとしては、例えば酸化物半導体層を用いることが
できる。
【0163】
上記酸化物半導体としては、例えばIn系金属酸化物、Zn系金属酸化物、In-Zn系
金属酸化物、又はIn-Ga-Zn系金属酸化物などを適用できる。また、上記In-G
a-Zn系金属酸化物に含まれるGaの一部若しくは全部の代わりに他の金属元素を含む
金属酸化物を用いてもよい。
【0164】
なお、上記酸化物半導体が結晶を有していてもよい。例えば、上記酸化物半導体が多結晶
又は単結晶でもよい。また、上記酸化物半導体が非晶質でもよい。
【0165】
上記他の金属元素としては、例えばガリウムよりも多くの酸素原子と結合が可能な金属元
素を用いればよく、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ゲルマニウム、及び錫の
いずれか一つ又は複数の元素を用いればよい。また、上記他の金属元素としては、ランタ
ン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テ
ルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、及び
ルテチウムのいずれか一つ又は複数の元素を用いればよい。これらの金属元素は、スタビ
ライザーとしての機能を有する。なお、これらの金属元素の添加量は、金属酸化物が半導
体として機能することが可能な量である。酸素原子との結合がガリウムよりも多くできる
金属元素を用い、さらには金属酸化物中に酸素を供給することにより、金属酸化物中の酸
素欠陥を少なくできる。
【0166】
さらに、例えばIn:Ga:Zn=1:1:1の原子比である第1の酸化物半導体層、I
n:Ga:Zn=3:1:2の原子比である第2の酸化物半導体層、及びIn:Ga:Z
n=1:1:1の原子比である第3の酸化物半導体層の積層により、半導体層755a及
び半導体層755bを構成してもよい。上記積層により半導体層755a及び半導体層7
55bを構成することにより、例えばトランジスタを埋め込みチャネルにすることができ
、電界効果移動度を高めることができる。
【0167】
上記酸化物半導体を含むトランジスタは、バンドギャップが広いため熱励起によるリーク
電流が少ない。さらに、正孔の有効質量が10以上と重く、トンネル障壁の高さが2.8
eV以上と高い。これにより、トンネル電流が少ない。さらに、半導体層中のキャリアが
極めて少ない。よって、オフ電流を低くできる。例えば、オフ電流は、室温(25℃)で
チャネル幅1μmあたり1×10-19A(100zA)以下である。より好ましくは1
×10-22A(100yA)以下である。トランジスタのオフ電流は、低ければ低いほ
どよいが、トランジスタのオフ電流の下限値は、約1×10-30A/μmであると見積
もられる。なお、上記酸化物半導体層に限定されず、半導体層755a及び半導体層75
5bとして14族(シリコンなど)の元素を有する半導体層を用いてもよい。例えば、シ
リコンを含む半導体層としては、単結晶シリコン層、多結晶シリコン層、又は非晶質シリ
コン層などを用いることができる。
【0168】
例えば、水素又は水などの不純物を可能な限り除去し、酸素を供給して酸素欠損を可能な
限り減らすことにより、上記酸化物半導体を含むトランジスタを作製できる。このとき、
チャネル形成領域において、ドナー不純物といわれる水素の量を、二次イオン質量分析法
(SIMSともいう)の測定値で1×1019/cm以下、好ましくは1×1018
cm以下に低減することが好ましい。
【0169】
例えば、酸化物半導体層に接する層として酸素を含む層を用い、また、加熱処理を行うこ
とにより、酸化物半導体層を高純度化させることができる。
【0170】
また、形成直後の酸化物半導体層は、化学量論的組成より酸素が多い過飽和の状態である
ことが好ましい。例えば、スパッタリング法を用いて酸化物半導体層を形成する場合、成
膜ガスの酸素の占める割合が多い条件で形成することが好ましく、特に酸素雰囲気(例え
ば酸素ガス100%)で成膜を行うことが好ましい。
【0171】
また、スパッタリング装置において、成膜室内の残留水分は、少ないことが好ましい。こ
のため、スパッタリング装置に吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。また、コー
ルドトラップを用いてもよい。
【0172】
また、酸化物半導体層の形成では、加熱処理を行うことが好ましい。このときの加熱処理
の温度は、150℃以上基板の歪み点未満の温度、さらには、300℃以上450℃以下
であることが好ましい。なお、加熱処理を複数回行ってもよい。
【0173】
上記加熱処理に用いられる加熱処理装置としては、GRTA(Gas Rapid Th
ermal Annealing)装置又はLRTA(Lamp Rapid Ther
mal Annealing)装置などのRTA(Rapid Thermal Ann
ealing)装置を用いてもよい。なお、これに限定されず、電気炉など、別の加熱処
理装置を用いてもよい。
【0174】
また、上記加熱処理を行った後、その加熱温度を維持しつつ、又はその加熱温度から降温
する過程で該加熱処理を行った炉と同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度のNOガス、又
は超乾燥エア(露点が-40℃以下、好ましくは-60℃以下の雰囲気)を導入するとよ
い。このとき、酸素ガス又はNOガスは、水及び水素などを含まないことが好ましい。
また、加熱処理装置に導入する酸素ガス又はNOガスの純度は、6N以上、好ましくは
7N以上であると良い。すなわち、酸素ガス又はNOガス中の不純物濃度は、1ppm
以下、好ましくは0.1ppm以下であることが好ましい。この工程により、酸化物半導
体層に酸素が供給され、酸化物半導体層中の酸素欠乏に起因する欠陥を低減できる。なお
、上記高純度の酸素ガス、高純度のNOガス、又は超乾燥エアの導入は、上記加熱処理
時に行ってもよい。
【0175】
高純度化させた酸化物半導体層を電界効果トランジスタに用いることにより、酸化物半導
体層のキャリア密度を1×1014/cm未満、好ましくは1×1012/cm未満
、さらに好ましくは1×1011/cm未満にできる。このように、キャリア密度を少
なくすることにより、チャネル幅1μmあたりの電界効果トランジスタのオフ電流を1×
10-19A(100zA)以下、より好ましくは1×10-22A(100yA)以下
にまで抑制できる。電界効果トランジスタのオフ電流は、低ければ低いほどよいが、電界
効果トランジスタのオフ電流の下限値は、約1×10-30A/μmであると見積もられ
る。
【0176】
なお、上記酸化物半導体を、CAAC-OSとしてもよい。
【0177】
例えば、スパッタリング法を用いてCAAC-OSである酸化物半導体層を形成できる。
このとき、多結晶である酸化物半導体スパッタリング用ターゲットを用いてスパッタリン
グを行う。上記スパッタリング用ターゲットにイオンが衝突すると、スパッタリング用タ
ーゲットに含まれる結晶領域がa-b面から劈開し、a-b面に平行な面を有する平板状
又はペレット状のスパッタリング粒子として剥離することがある。このとき、結晶状態を
維持したまま、上記スパッタリング粒子が基板に到達することにより、スパッタリング用
ターゲットの結晶状態が基板に転写される。これにより、CAAC-OSが形成される。
【0178】
また、CAAC-OSを形成するために、以下の条件を適用することが好ましい。
【0179】
例えば、不純物濃度を低減させてCAAC-OSを形成することにより、不純物による酸
化物半導体の結晶状態の崩壊を抑制できる。例えば、スパッタリング装置の成膜室内に存
在する不純物(水素、水、二酸化炭素、及び窒素など)を低減することが好ましい。また
、成膜ガス中の不純物を低減することが好ましい。例えば、成膜ガスとして露点が-80
℃以下、好ましくは-100℃以下である成膜ガスを用いることが好ましい。
【0180】
また、成膜時の基板温度を高くすることが好ましい。上記基板温度を高くすることにより
、平板状のスパッタリング粒子が基板に到達したときに、スパッタリング粒子のマイグレ
ーションが起こり、平らな面を向けてスパッタリング粒子を基板に付着させることができ
る。例えば、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500
℃以下として酸化物半導体膜を成膜することにより酸化物半導体層を形成する。
【0181】
また、成膜ガス中の酸素割合を高くし、電力を最適化して成膜時のプラズマダメージを抑
制させることが好ましい。例えば、成膜ガス中の酸素割合を、30体積%以上、好ましく
は100体積%にすることが好ましい。
【0182】
導電層756a乃至導電層756f、導電層780としては、例えばモリブデン、チタン
、クロム、タンタル、マグネシウム、銀、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、
スカンジウム、又はルテニウムなどの金属材料を含む層を適用できる。例えば、タングス
テン層、アルミニウム層、及びチタン層の積層により導電層756a乃至導電層756f
を構成してもよい。
【0183】
絶縁層758としては、例えば有機絶縁材料又は無機絶縁材料の層などを適用できる。例
えば、アクリル樹脂などを用いて絶縁層758を構成してもよい。
【0184】
導電層759a及び導電層759bとしては、例えば導体としての機能を有し、光を透過
する金属酸化物の層などを適用できる。例えば、酸化インジウム酸化亜鉛又はインジウム
錫酸化物などを適用できる。
【0185】
絶縁層760、絶縁層762、及び絶縁層774としては、例えば絶縁層754に適用可
能な材料を適用できる。例えば窒化シリコン層を用いて絶縁層762を構成できる。
【0186】
導電層761及び導電層773としては、例えば光を透過する金属酸化物の層などを適用
できる。例えば、酸化インジウム酸化亜鉛又はインジウム錫酸化物などを適用できる。
【0187】
着色層771は、例えば赤(R)、緑(G)、及び青(B)の一つを呈する光を透過する
機能を有する。着色層771としては、染料又は顔料を含む層を用いることができる。
【0188】
絶縁層772としては、例えば有機絶縁材料又は無機絶縁材料の層などを適用できる。
【0189】
液晶層705としては、例えばTN液晶、OCB液晶、STN液晶、VA液晶、ECB型
液晶、GH液晶、高分子分散型液晶、又はディスコチック液晶などを含む層を用いること
ができる。
【0190】
液晶層792としては、例えばブルー相を示す液晶を含む層を適用できる。なお、横電界
方式でも配向の制御が可能であれば例えば液晶層705に適用可能な他の液晶を含む層を
用いてもよい。
【0191】
ブルー相を示す液晶を含む層は、例えばブルー相を示す液晶、カイラル剤、液晶性モノマ
ー、非液晶性モノマー、及び重合開始剤を含む液晶組成物により構成される。ブルー相を
示す液晶は、応答時間が短く、光学的等方性であるため、配向処理が不要であり、視野角
依存性が小さい。よって、ブルー相を示す液晶を用いることにより、液晶表示装置の動作
を速くできる。
【0192】
導電層793としては、光を透過する導電材料を用いることができ、例えば光を透過する
金属酸化物の層などを適用できる。例えば、酸化インジウム酸化亜鉛又はインジウム錫酸
化物などを適用できる。なお、半導体層755a及び半導体層755bと同一層を用いて
形成された半導体層を、N型化することにより導電層793を形成してもよい。例えば、
半導体層755a及び半導体層755bと同一層を用いて形成された半導体層の酸素欠損
を増やす、N型の導電型を付与する元素を添加することにより、N型にすることができる
【0193】
シール材706としては、実施の形態1に示すシール材106と同様の材料を適用できる
。また、実施の形態1に示すシール材106と同様の方法でシール材706を形成できる
【0194】
シール材707としては、実施の形態1に示すシール材107と同様の材料を適用できる
。また、実施の形態1に示すシール材107と同様の方法でシール材707を形成できる
【0195】
シール材708としては、実施の形態1に示すシール材108と同様の材料を適用できる
。また、実施の形態1に示すシール材108と同様の方法でシール材708を形成できる
【0196】
以上が図11及び図12に示す液晶表示装置の構造例の説明である。
【0197】
図11及び図12を参照して説明したように、本実施の形態に係る液晶表示装置の一例で
は、表示部に画素回路を有し、画素回路を、液晶素子と、トランジスタと、容量素子と、
を有する構成にする。さらに、トランジスタとして、チャネル形成領域を酸化物半導体に
有するトランジスタを用いる。さらに、2つの基板間に液晶層を封止する機能を有する第
1のシール材を設け、さらに、第1の基板と第2の基板との間隙を閉塞しつつ、少なくと
も第2の基板の側面まで延在する第2のシール材を設ける。
【0198】
図11及び図12を参照して説明したように、本実施の形態に係る液晶表示装置の一例で
は、トランジスタとして、チャネル形成領域を酸化物半導体に有するトランジスタを用い
る。さらに、2つの基板間に液晶層を封止する機能を有する第1のシール材を設け、さら
に、第1の基板と第2の基板との間隙を閉塞しつつ、少なくとも第2の基板の側面まで延
在する第2のシール材を設ける。
【0199】
酸化物半導体にチャネルが形成されるトランジスタでは、水などが半導体層に侵入すると
一部がドナーとなり、例えばオフ電流の増加などの電気的特性の低下を引き起こす要因、
またはしきい値電圧のマイナスシフトなど、電気的特性の変動を引き起こす要因となる場
合があるが、上記第2のシール材を設けることにより、外部からの水などの不純物の侵入
を抑制できるため、トランジスタの電気的特性の低下及び変動を抑制できる。よって、液
晶表示装置の信頼性を向上させることができる。さらに、第2のシール材を囲むように第
3のシール材を設けることにより、上記不純物の侵入を抑制する効果をより高めることが
できる。
【0200】
また、本実施の形態に係る表示装置の一例では、第1の基板と第2の基板を貼り合わせた
後に、第1の基板と第2の基板との間隙を閉塞しつつ、少なくとも第2の基板の側面まで
延在するように上記第2のシール材を設ける。これにより、第1の基板の上に第2のシー
ル材を形成した後に第2の基板と貼り合わせる場合と比較して額縁を狭くできる。
【0201】
また、本実施の形態に係る液晶表示装置の一例では、画素回路と同一基板上にゲートドラ
イバなどの駆動回路を設ける。これにより、画素回路と駆動回路を接続するための配線の
数を少なくできる。
【0202】
(実施の形態3)
本実施の形態では、表示装置を用いたパネルを備える電子機器の例について、図13を参
照して説明する。
【0203】
図13(A)に示す電子機器は、携帯型情報端末の一例である。
【0204】
図13(A)に示す電子機器は、筐体1011と、筐体1011に設けられたパネル10
12と、ボタン1013と、スピーカー1014と、を具備する。
【0205】
なお、筐体1011に、外部機器に接続するための接続端子及び操作ボタンが設けられて
いてもよい。
【0206】
さらに、実施の形態1又は実施の形態2の表示装置を用いてパネル1012を構成しても
よい。
【0207】
さらに、タッチパネルを用いてパネル1012を構成してもよい。これにより、パネル1
012においてタッチ検出を行うことができる。タッチパネルとしては、例えば光学式タ
ッチパネル、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどを適用できる。
【0208】
ボタン1013は、筐体1011に設けられる。例えば、ボタン1013が電源ボタンで
あれば、ボタン1013を押すことにより、電子機器のオン状態を制御できる。
【0209】
スピーカー1014は、筐体1011に設けられる。スピーカー1014は音声を出力す
る。
【0210】
なお、筐体1011にマイクが設けられていてもよい。筐体1011にマイクを設けられ
ることにより、例えば図13(A)に示す電子機器を電話機として機能させることができ
る。
【0211】
図13(A)に示す電子機器は、例えば電話機、電子書籍、パーソナルコンピュータ、及
び遊技機の一つ又は複数としての機能を有する。
【0212】
図13(B)に示す電子機器は、折り畳み式の情報端末の一例である。
【0213】
図13(B)に示す電子機器は、筐体1021aと、筐体1021bと、筐体1021a
に設けられたパネル1022aと、筐体1021bに設けられたパネル1022bと、軸
部1023と、ボタン1024と、接続端子1025と、記録媒体挿入部1026と、ス
ピーカー1027と、を備える。
【0214】
筐体1021aと筐体1021bは、軸部1023により接続される。
【0215】
さらに、実施の形態1又は実施の形態2の表示装置を用いてパネル1022a及びパネル
1022bを構成してもよい。
【0216】
さらに、タッチパネルを用いてパネル1022a及びパネル1022bを構成してもよい
。これにより、パネル1022a及びパネル1022bにおいてタッチ検出を行うことが
できる。タッチパネルとしては、例えば光学式タッチパネル、静電容量式タッチパネル、
抵抗膜式タッチパネルなどを適用できる。
【0217】
図13(B)に示す電子機器は、軸部1023を有するため、パネル1022aとパネル
1022bを対向させて折り畳むことができる。
【0218】
ボタン1024は、筐体1021bに設けられる。なお、筐体1021aにボタン102
4を設けてもよい。例えば、ボタン1024が電源ボタンであれば、ボタン1024を押
すことにより、電子機器のオン状態を制御できる。
【0219】
接続端子1025は、筐体1021aに設けられる。なお、筐体1021bに接続端子1
025が設けられていてもよい。また、接続端子1025が筐体1021a及び筐体10
21bの一方又は両方に複数設けられていてもよい。接続端子1025は、図13(B)
に示す電子機器と他の機器を接続するための端子である。
【0220】
記録媒体挿入部1026は、筐体1021aに設けられる。筐体1021bに記録媒体挿
入部1026が設けられていてもよい。また、記録媒体挿入部1026が筐体1021a
及び筐体1021bの一方又は両方に複数設けられていてもよい。例えば、記録媒体挿入
部にカード型記録媒体を挿入することにより、カード型記録媒体のデータを電子機器に読
み出し、又は電子機器内のデータをカード型記録媒体に書き込むことができる。
【0221】
スピーカー1027は、筐体1021bに設けられる。スピーカー1027は、音声を出
力する。なお、筐体1021aにスピーカー1027を設けてもよい。
【0222】
なお、筐体1021a又は筐体1021bにマイクを設けてもよい。筐体1021a又は
筐体1021bにマイクが設けられることにより、例えば図13(B)に示す電子機器を
電話機として機能させることができる。
【0223】
図13(B)に示す電子機器は、例えば電話機、電子書籍、パーソナルコンピュータ、及
び遊技機の一つ又は複数としての機能を有する。
【0224】
図13(C)に示す電子機器は、据え置き型情報端末の一例である。図13(C)に示す
電子機器は、筐体1031と、筐体1031に設けられたパネル1032と、ボタン10
33と、スピーカー1034と、を具備する。
【0225】
さらに、実施の形態1又は実施の形態2の表示装置を用いてパネル1032を構成しても
よい。
【0226】
さらに、タッチパネルを用いてパネル1032を構成してもよい。これにより、パネル1
032においてタッチ検出を行うことができる。タッチパネルとしては、例えば光学式タ
ッチパネル、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどを適用できる。
【0227】
なお、筐体1031の甲板部1035にパネル1032と同様のパネルを設けてもよい。
【0228】
さらに、筐体1031に券などを出力する券出力部、硬貨投入部、及び紙幣挿入部などを
設けてもよい。
【0229】
ボタン1033は、筐体1031に設けられる。例えば、ボタン1033が電源ボタンで
あれば、ボタン1033を押すことにより、電子機器のオン状態を制御できる。
【0230】
スピーカー1034は、筐体1031に設けられる。スピーカー1034は、音声を出力
する。
【0231】
図13(C)に示す電子機器は、例えば現金自動預け払い機、チケットなどの注文をする
ための情報通信端末(マルチメディアステーションともいう)、又は遊技機としての機能
を有する。
【0232】
図13(D)は、据え置き型情報端末の一例である。図13(D)に示す電子機器は、筐
体1041と、筐体1041に設けられたパネル1042と、筐体1041を支持する支
持台1043と、ボタン1044と、接続端子1045と、スピーカー1046と、を備
える。
【0233】
なお、筐体1041に外部機器に接続させるための接続端子を設けてもよい。
【0234】
さらに、実施の形態1又は実施の形態2の表示装置を用いてパネル1042を構成しても
よい。
【0235】
さらに、タッチパネルを用いてパネル1042を構成してもよい。これにより、パネル1
042においてタッチ検出を行うことができる。タッチパネルとしては、例えば光学式タ
ッチパネル、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどを適用できる。
【0236】
ボタン1044は、筐体1041に設けられる。例えば、ボタン1044が電源ボタンで
あれば、ボタン1044を押すことにより、電子機器のオン状態を制御できる。
【0237】
接続端子1045は、筐体1041に設けられる。接続端子1045は、図13(D)に
示す電子機器と他の機器を接続するための端子である。例えば、接続端子1045により
図13(D)に示す電子機器とパーソナルコンピュータを接続すると、パーソナルコンピ
ュータから入力されるデータ信号に応じた画像をパネル1042に表示させることができ
る。例えば、図13(D)に示す電子機器のパネル1042が接続する他の電子機器のパ
ネルより大きければ、当該他の電子機器の表示画像を拡大することができ、複数の人が同
時に視認しやすくなる。
【0238】
スピーカー1046は、筐体1041に設けられる。スピーカー1046は、音声を出力
する。
【0239】
図13(D)に示す電子機器は、例えば出力モニタ、パーソナルコンピュータ、及びテレ
ビジョン装置の一つ又は複数としての機能を有する。
【0240】
以上が図13に示す電子機器の例の説明である。
【0241】
図13を参照して説明したように、本実施の形態に係る電子機器では、実施の形態1又は
実施の形態2に示す表示装置を用いたパネルを設けることにより、信頼性の高い電子機器
を提供できる。
【符号の説明】
【0242】
101 基板
102 表示部
103a ゲートドライバ
103b ゲートドライバ
104 基板
105 液晶層
106 シール材
107 シール材
108 シール材
110 フレキシブルプリント基板
112 ソースドライバ
113 層
114 層
115 異方性導電層
116 シール材
117a フレキシブルプリント基板
117b フレキシブルプリント基板
120 液晶
121 レーザ光
130 型
701 基板
702 表示部
703a ゲートドライバ
703b ゲートドライバ
704 基板
705 液晶層
706 シール材
707 シール材
708 シール材
710 フレキシブルプリント基板
712 ソースドライバ
751 絶縁層
753a 導電層
753b 導電層
753c 導電層
754 絶縁層
755a 半導体層
755b 半導体層
756a 導電層
756b 導電層
756c 導電層
756d 導電層
756e 導電層
756f 導電層
757 絶縁層
758 絶縁層
759a 導電層
759b 導電層
760 絶縁層
761 導電層
762 絶縁層
771 着色層
772 絶縁層
773 導電層
774 絶縁層
780 導電層
781 異方性導電層
791a 導電層
791b 導電層
792 液晶層
793 導電層
1011 筐体
1012 パネル
1013 ボタン
1014 スピーカー
1021a 筐体
1021b 筐体
1022a パネル
1022b パネル
1023 軸部
1024 ボタン
1025 接続端子
1026 記録媒体挿入部
1027 スピーカー
1031 筐体
1032 パネル
1033 ボタン
1034 スピーカー
1035 甲板部
1041 筐体
1042 パネル
1043 支持台
1044 ボタン
1045 接続端子
1046 スピーカー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13