(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181300
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】臨床ニューロナビゲーションのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20231214BHJP
A61N 2/04 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A61B5/055 380
A61B5/055 382
A61B5/055 390
A61N2/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181759
(22)【出願日】2023-10-23
(62)【分割の表示】P 2020538604の分割
【原出願日】2019-01-11
(31)【優先権主張番号】62/617,121
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503115205
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ノーラン ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】キース サドハイマー
(57)【要約】
【課題】臨床ニューロナビゲーションのためのシステムおよび方法の提供。
【解決手段】一実施形態は、患者の脳の機能的磁気共鳴撮像(fMRI)画像データを取得するステップであって、脳撮像データは、患者の脳内の神経細胞活性化を説明する、ステップと、患者の脳に少なくとも1つの着目領域をマッピングするステップと、fMRI画像データに基づいて、少なくとも1つの着目領域内の機能的小領域を位置特定するステップと、少なくとも2つの着目脳領域の間の機能的関係を決定するステップと、機能的小領域毎にパラメータを発生させるステップと、パラメータに基づいて、機能的小領域毎に標的品質スコアを発生させるステップと、その標的品質スコアおよび患者の神経学的症状に基づいて、脳刺激標的を選択するステップとによって、脳刺激標的を決定するステップとを含む、脳刺激標的を発生させるための方法を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、「Systems and Methods for Personalized Clinical Applications of Accelerated
Theta-Burst Stimulation」と題され、2018年1月12日に出願された、米国仮特許出願第62/617,121号の優先権を主張する。米国仮特許出願第62/617,121号は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、侵襲性および非侵襲性神経変調および埋込可能刺激のための個人化された標的を発生させることに関する。
【背景技術】
【0003】
経頭蓋磁気刺激(TMS)は、鬱病および神経障害性疼痛等の病状を治療するために、強力な磁場が患者の脳の具体的面積を刺激するために利用される非侵襲性医療手技である。短いタイムフレームにおいて繰り返されるTMSの適用は、反復TMS(rTMS)と称される。シータバースト刺激(TBS)は、rTMSのパターン化形態であり、典型的には、トリプレットにおける各刺激の間に20ミリ秒を伴う刺激のトリプレットとして投与され、トリプレットは、200ミリ秒毎に繰り返される。TBSが、連続的に実施されると、これは、皮質性抑制をもたらし、連続的シータバースト刺激(cTBS)と呼ばれ、トリプレットの間に列間間隔を伴って断続的に行われると、これは、興奮性であり、断続的シータバースト刺激(iTBS)と呼ばれる。
【0004】
機能的磁気共鳴撮像(fMRI)は、神経細胞活動が脳内の血行動態応答を追跡することによって測定される、非侵襲性撮像技法である。脳の安静状態は、患者が明示的なタスクを実施していないときの神経細胞活動の測定である。脳の安静状態は、脳内の種々の構造および領域の間の接続性を探求するために使用されることができる。安静状態接続性の一般的実施例は、デフォルトモードネットワーク(DMN)である。機能的性質を共有する脳領域の間の特定の安静状態接続性は、安静状態機能的接続性(RSFC)と呼ばれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態による、臨床ニューロナビゲーションのためのシステムおよび方法が、例証される。一実施形態は、患者の脳の機能的磁気共鳴撮像(fMRI)画像データを取得するステップであって、脳撮像データは、患者の脳内の神経細胞活性化を説明する、ステップと、患者の脳に少なくとも1つの着目領域をマッピングするステップと、fMRI画像データに基づいて、少なくとも1つの着目領域内の機能的小領域を位置特定するステップと、少なくとも2つの着目脳領域の間の機能的関係を決定するステップと、機能的小領域毎にパラメータを発生させるステップと、パラメータに基づいて、機能的小領域毎に標的品質スコアを発生させるステップと、その標的品質スコアおよび患者の神経学的症状に基づいて、脳刺激標的を選択するステップとによって、脳刺激標的を決定するステップとを含む、脳刺激標的を発生させるための方法を含む。
【0006】
別の実施形態では、脳撮像データは、安静状態の間の神経細胞活動を説明する。
【0007】
さらなる実施形態では、脳撮像データを取得するステップはさらに、脳撮像データを前処理するステップを含む。
【0008】
なおも別の実施形態では、脳撮像データを前処理するステップは、生理学的雑音回帰、スライス時間補正、運動補正、共位置合わせ、バンドパスフィルタ処理、およびトレンド除去から成る群から選択される、少なくとも1つの前処理ステップを実施するステップを含む。
【0009】
なおもさらなる実施形態では、脳地図が、少なくとも1つの着目領域を個人の脳解剖学的構造上にマッピングするために使用される。
【0010】
また別の実施形態では、各機能的小領域は、均質な脳活動を説明する。
【0011】
またさらなる実施形態では、機能的小領域は、階層的凝集型クラスタリングを使用して識別され、相互に分離される。
【0012】
別の付加的実施形態では、小領域パラメータは、機能的小領域のサイズ、機能的小領域を構成するボクセルの濃度、機能的小領域と他の機能的小領域との間の相関、および経頭蓋磁気刺激デバイスへの機能的小領域のアクセス性から成る群から選択される。
【0013】
さらなる付加的実施形態では、標的品質スコアは、各機能的小領域の加重パラメータの組み合わせを反映し、より高い品質スコアは、より良好な脳刺激標的を反映する。
【0014】
再び、別の実施形態では、所与の小領域に関する表面影響は、脳の表面上の小領域と脳内の深部に位置する全ての小領域との間の相関係数を説明する階層的クラスタリングアルゴリズムから導出されるスピアマン相関係数のボクセル数加重組み合わせである。
【0015】
再び、さらなる実施形態では、脳刺激標的は、経頭蓋磁気刺激標的である。
【0016】
なおもまた別の実施形態では、加速シータバースト刺激プロトコルに従って、経頭蓋磁気刺激デバイスを使用して脳刺激標的を刺激するステップをさらに含む。
【0017】
なおもまたさらなる実施形態では、脳刺激標的を発生させるためのシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、ニューロナビゲーションアプリケーションを含有するメモリとを備える、ニューロナビゲーションコンピューティングシステムを含み、ニューロナビゲーションアプリケーションは、患者の脳の機能的磁気共鳴撮像(fMRI)画像データを取得することが可能な磁気共鳴撮像機械から脳撮像データを取得し、脳撮像データは、患者の脳内の神経細胞活性化を説明し、患者の脳に少なくとも1つの着目領域をマッピングし、fMRI画像データに基づいて、少なくとも1つの着目領域内の機能的小領域を位置特定し、少なくとも2つの機能的小領域の間の機能的関係を決定し、機能的小領域毎に小領域パラメータを発生させ、小領域パラメータに基づいて、機能的小領域毎に標的品質スコアを発生させ、その標的品質スコアおよび患者の神経学的症状に基づいて、脳刺激標的を選択するようにプロセッサに指図する。
【0018】
なおも別の付加的実施形態では、fMRI画像データは、安静状態の間の神経細胞活動を説明する。
【0019】
なおもさらなる付加的実施形態では、ニューロナビゲーションアプリケーションはさらに、fMRI画像データを前処理するようにプロセッサに指図する。
【0020】
再び、なおも別の実施形態では、fMRI画像データを前処理するために、ニューロナビゲーションアプリケーションはさらに、生理学的雑音回帰、スライス時間補正、運動補正、共位置合わせ、バンドパスフィルタ処理、およびトレンド除去から成る群から選択される、少なくとも1つの前処理ステップを実施するようにプロセッサに指図する。
【0021】
再び、なおもさらなる実施形態では、脳地図が、少なくとも1つの小領域をマッピングするために使用される。
【0022】
また別の付加的実施形態では、各機能的小領域は、均質な脳活動を説明する。
【0023】
またさらなる付加的実施形態では、機能的小領域は、階層的凝集型クラスタリングを使用して位置特定される。
【0024】
再び、また別の実施形態では、小領域パラメータは、機能的小領域のサイズ、機能的小領域を構成するボクセルの濃度、機能的小領域と他の機能的小領域との間の相関、および脳の表面からの小領域のアクセス性から成る群から選択される。
【0025】
再び、またさらなる実施形態では、標的品質スコアは、所与の小領域に関する表面影響を反映する。
【0026】
再び、別の付加的実施形態では、所与の小領域に関する表面影響は、脳の表面上の小領域と脳内の深部に位置する全ての小領域との間の相関係数を説明する階層的クラスタリングアルゴリズムから導出されるスピアマン相関係数の2次元行列の和である。
【0027】
再び、さらなる付加的実施形態では、脳刺激標的は、経頭蓋磁気刺激標的である。
【0028】
なおもまた別の付加的実施形態では、ニューロナビゲーションアプリケーションはさらに、aTBSプロトコルに従って、経頭蓋磁気刺激デバイスを使用して脳刺激標的を刺激するようにプロセッサに指図する。
【0029】
本発明の実施形態による、aTBSを使用する神経学的症状の治療のためのシステムおよび方法が、例証される。一実施形態は、神経学的症状に関連する患者の脳内の場所を表す、個人化された加速シータバースト刺激(aTBS)標的を発生させるステップと、磁場の焦点がaTBS標的の上にあるように、患者の脳に対してTMSデバイスを設置するステップと、神経学的症状を緩和するために、TMSデバイスを使用して、脳へのaTBSプロトコルに従ってTMSをaTBS標的に適用するステップとを含む、神経学的症状を治療するための方法を含む。
【0030】
別の実施形態では、aTBSプロトコルは、aiTBSプロトコルである。
【0031】
さらなる実施形態では、aiTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用するステップを含み、各パルス列は、3Hz~7Hzにおいて適用される、20Hz~70Hzのパルスのセットを含む。
【0032】
なおも別の実施形態では、aiTBSプロトコルはさらに、少なくとも1回の10分セッションにわたって4~10秒毎にパルス列のセットを適用するステップを含む。
【0033】
なおもさらなる実施形態では、aiTBSプロトコルはさらに、1日あたり3~15回のセッションを実行するステップを含み、各セッションの間に25~120分を伴う。
【0034】
また別の実施形態では、aiTBSプロトコルは、2秒パルス列のセットを適用するステップを含み、各列は、5Hzにおける3つの50Hzパルスの形態における磁気刺激パルスを含み、2秒列は、少なくとも10回の10分セッションにわたって10秒毎に適用され、50分のセッション間間隔を伴う。
【0035】
またさらなる実施形態では、aTBSプロトコルは、acTBSプロトコルである。
【0036】
別の付加的実施形態では、acTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用するステップを含み、各パルスは、20Hz~70Hzであり、各パルスは、3Hz~7Hzにおいて適用され、各パルス列は、40~44秒持続する少なくとも1回のセッションにわたって4~10秒毎に適用される。
【0037】
さらなる付加的実施形態では、acTBSプロトコルはさらに、1日あたり10~40回のセッションを適用するステップを含む。
【0038】
再び、別の実施形態では、セッション間間隔は、10~50分である。
【0039】
再び、さらなる実施形態では、acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の40秒セッションにわたって5Hzにおいて適用される50Hzである。
【0040】
なおもまた別の実施形態では、acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の44秒セッションにわたって6Hzにおいて適用される30Hzである。
【0041】
なおもまたさらなる実施形態では、aTBSプロトコルは、少なくとも2日の連続日にわたって適用される。
【0042】
なおも別の付加的実施形態では、aTBS標的を発生させるステップは、治療に先立って患者の脳の安静状態を説明する第1のfMRI画像データを取得するステップを含む。
【0043】
なおもさらなる付加的実施形態では、本方法はさらに、治療後に患者の脳の安静状態を説明する第2のfMRI画像データを取得するステップと、治療の有効性を確認するために、第1のfMRI画像データと第2のfMRI画像データとの間の差異を位置特定するステップとを含む。
【0044】
再び、なおも別の実施形態では、神経学的症状は、臨床的鬱病である。
【0045】
再び、なおもさらなる実施形態では、神経学的症状は、自殺念慮である。
【0046】
また別の付加的実施形態では、神経学的症状を治療するためのシステムは、患者の脳内のaTBS標的に加速シータバースト刺激(aTBS)プロトコルを適用するように指図される、経頭蓋磁気刺激コイルを含む。
【0047】
またさらなる付加的実施形態では、aTBSプロトコルは、aiTBSプロトコルである。
【0048】
再び、また別の実施形態では、aiTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用するステップを含み、各パルス列は、3Hz~7Hzにおいて適用される、20Hz~70Hzのパルスのセットを含む。
【0049】
再び、またさらなる実施形態では、aiTBSプロトコルはさらに、少なくとも1回の10分セッションにわたって4~10秒毎にパルス列のセットを適用するステップを含む。
【0050】
再び、別の付加的実施形態では、aiTBSプロトコルはさらに、1日あたり3~15回のセッションを実行するステップを含み、各セッションの間に25~120分を伴う。
【0051】
再び、さらなる付加的実施形態では、aiTBSプロトコルは、2秒パルス列のセットを適用するステップを含み、各列は、5Hzにおける3つの50Hzパルスの形態における磁気刺激パルスを含み、2秒列は、少なくとも10回の10分セッションにわたって10秒毎に適用され、50分のセッション間間隔を伴う。
【0052】
なおもまた別の付加的実施形態では、aTBSプロトコルは、acTBSプロトコルである。
【0053】
別の実施形態では、acTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用するステップを含み、各パルスは、20Hz~70Hzであり、各パルスは、3Hz~7Hzにおいて適用され、各パルス列は、40~44秒持続する少なくとも1回のセッションにわたって4~10秒毎に適用される。
【0054】
さらなる実施形態では、acTBSプロトコルはさらに、1日あたり10~40回のセッションを適用するステップを含む。
【0055】
なおも別の実施形態では、セッション間間隔は、10~50分である。
【0056】
なおもさらなる実施形態では、acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の40秒セッションにわたって5Hzにおいて適用される50Hzである。
【0057】
また別の実施形態では、acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の44秒セッションにわたって6Hzにおいて適用される30Hzである。
【0058】
またさらなる実施形態では、aTBSプロトコルは、少なくとも2日の連続日にわたって適用される。
【0059】
本発明の実施形態による、埋込可能神経刺激装置を使用する神経学的症状の治療のためのシステムおよび方法が、例証される。一実施形態は、患者の脳の機能的磁気共鳴撮像(fMRI)画像データを取得するステップであって、fMRI画像データは、患者の脳内の神経細胞活性化を説明する、ステップと、患者の脳に少なくとも1つの着目領域をマッピングするステップと、fMRI画像データに基づいて、少なくとも1つの着目領域内の機能的小領域を位置特定するステップと、少なくとも2つの機能的小領域の間の機能的関係を決定するステップと、機能的小領域毎に小領域パラメータを発生させるステップと、小領域パラメータに基づいて、機能的小領域毎に標的品質スコアを発生させるステップと、その標的品質スコアおよび患者の神経学的症状に基づいて、神経刺激装置を埋込するための場所を選択するステップとによって、神経刺激装置を埋込するための患者の脳上の場所を決定するステップと、その場所に神経刺激装置を外科手術的に埋込するステップと、神経学的症状を治療するために、神経刺激装置を使用してその場所において脳に刺激プロトコルを適用するステップとを含む、神経学的症状を治療するための方法を含む。
【0060】
別の実施形態では、fMRI画像データは、安静状態の間の神経細胞活動を説明する。
【0061】
さらなる実施形態では、fMRI画像データを取得するステップはさらに、fMRI画像データを前処理するステップを含む。
【0062】
なおも別の実施形態では、fMRI画像データを前処理するステップは、生理学的雑音回帰、スライス時間補正、運動補正、共位置合わせ、バンドパスフィルタ処理、およびトレンド除去から成る群から選択される、少なくとも1つの前処理ステップを実施するステップを含む。
【0063】
なおもさらなる実施形態では、脳地図が、少なくとも1つの小領域をマッピングするために使用される。
【0064】
また別の実施形態では、各機能的小領域は、均質な脳活動を説明する。
【0065】
またさらなる実施形態では、機能的小領域は、階層的凝集型クラスタリングを使用して位置特定される。
【0066】
別の付加的実施形態では、小領域パラメータは、機能的小領域のサイズ、機能的小領域を構成するボクセルの濃度、機能的小領域と他の機能的小領域との間の相関、および脳の表面からの小領域のアクセス性から成る群から選択される。
【0067】
さらなる付加的実施形態では、標的品質スコアは、所与の小領域に関する表面影響を反映する。
【0068】
再び、別の実施形態では、所与の小領域に関する表面影響は、脳の表面上の小領域と脳内の深部に位置する全ての小領域との間の相関係数を説明する階層的クラスタリングアルゴリズムから導出されるスピアマン相関係数の2次元行列の和である。
【0069】
再び、さらなる実施形態では、aTBSプロトコルは、aiTBSプロトコルである。
【0070】
なおもまた別の実施形態では、aiTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用するステップを含み、各パルス列は、3Hz~7Hzにおいて適用される、20Hz~70Hzのパルスのセットを含む。
【0071】
なおもまたさらなる実施形態では、aiTBSプロトコルはさらに、少なくとも1回の10分セッションにわたって4~10秒毎にパルス列のセットを適用するステップを含む。
【0072】
なおも別の付加的実施形態では、aiTBSプロトコルはさらに、1日あたり3~15回のセッションを実行するステップを含み、各セッションの間に25~120分を伴う。
【0073】
なおもさらなる付加的実施形態では、aiTBSプロトコルは、2秒パルス列のセットを適用するステップを含み、各列は、5Hzにおける3つの50Hzパルスの形態における磁気刺激パルスを含み、2秒列は、少なくとも10回の10分セッションにわたって10秒毎に適用され、50分のセッション間間隔を伴う。
【0074】
再び、なおも別の実施形態では、aTBSプロトコルは、acTBSプロトコルである。
【0075】
再び、なおもさらなる実施形態では、acTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用するステップを含み、各パルスは、20Hz~70Hzであり、各パルスは、3Hz~7Hzにおいて適用され、各パルス列は、40~44秒持続する少なくとも1回のセッションにわたって4~10秒毎に適用される。
【0076】
また別の付加的実施形態では、acTBSプロトコルはさらに、1日あたり10~40回のセッションを適用するステップを含む。
【0077】
またさらなる付加的実施形態では、セッション間間隔は、10~50分である。
【0078】
再び、また別の実施形態では、acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の40秒セッションにわたって5Hzにおいて適用される50Hzである。
【0079】
再び、またさらなる実施形態では、acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の44秒セッションにわたって6Hzにおいて適用される30Hzである。再び、別の付加的実施形態では、aTBSプロトコルは、少なくとも2日の連続日にわたって適用される。
【0080】
再び、さらなる付加的実施形態では、神経学的症状は、臨床的鬱病である。
【0081】
なおもまた別の付加的実施形態では、神経学的症状は、自殺念慮である。
【0082】
別の実施形態では、埋込可能神経刺激装置が、患者の脳にaTBSプロトコルを適用するように構成される。
【0083】
さらなる実施形態では、aTBSプロトコルは、aiTBSプロトコルである。
【0084】
なおも別の実施形態では、aTBSプロトコルは、acTBSプロトコルである。
【0085】
なおもさらなる実施形態では、埋込可能神経刺激装置はさらに、aTBSプロトコルを断続的に適用するように構成される。
【0086】
また別の実施形態では、埋込可能神経刺激装置はさらに、aTBSプロトコルを連続的に適用するように構成される。
【0087】
またさらなる実施形態では、埋込可能神経刺激装置はさらに、規則的な間隔においてaTBSプロトコルを適用するように構成される。
【0088】
別の付加的実施形態では、埋込可能神経刺激装置はさらに、患者フィードバックに基づいて、aTBSプロトコルを適用するように構成される。
【0089】
さらなる付加的実施形態では、aTBSプロトコルのパラメータは、患者フィードバックに応答して変更される。
【0090】
再び、別の実施形態では、患者フィードバックは、患者の脳活動である。
【0091】
本発明の実施形態による、神経学的症状に関する再発を予測および治療するためのシステムおよび方法が、例証される。一実施形態は、臨床的神経学的症状再発を予測および治療するための方法を含む。本方法は、臨床的神経学的症状を患う患者に関する閾値心拍数変動値を選択するステップと、心臓モニタを使用して、経時的に患者の心拍数変動を監視するステップと、患者の心拍数変動が閾値心拍数変動値を下回って低下すると、再発が差し迫っているというインジケータを提供するステップと、経頭蓋磁気刺激デバイスを使用して、経頭蓋磁気刺激標的が左前頭前野背外側皮質である加速シータバースト刺激プロトコルを適用することによって患者を治療するステップとを含む。
【0092】
さらなる実施形態では、閾値心拍数変動値は、患者に関するベースライン無症候性心拍数変動値および患者に関するベースライン症候性心拍数変動値を取得するステップと、患者に関する無症候性心拍数変動値と患者に関する症候性心拍数変動値との間の中間点を決定するステップとによって選択される。
【0093】
なおも別の実施形態では、閾値心拍数変動値は、母集団平均心拍数変動値を計算することによって選択される。
【0094】
なおもさらなる実施形態では、インジケータはさらに、患者の治療のための予約をスケジューリングするように医療スケジューリングシステムに指図する医療スケジューリングシステムへのメッセージを含む。
【0095】
また別の実施形態では、予約のスケジューリング優先順位は、閾値心拍数変動値と患者の測定された心拍数変動との間の差異に基づく。
【0096】
またさらなる実施形態では、臨床的神経学的症状は、鬱病である。
【0097】
別の付加的実施形態では、インジケータは、患者の平均心拍数変動値が少なくとも3日にわたって閾値心拍数変動値を下回って低下すると提供される。
【0098】
さらなる付加的実施形態では、心臓モニタは、手首搭載心拍数変動モニタである。
【0099】
再び、別の実施形態では、心臓モニタは、無線接続を介してネットワークに接続される。
【0100】
再び、さらなる実施形態では、インジケータは、患者が再発している可能性が高いことを警告する。
【0101】
また別の付加的実施形態では、臨床的神経学的症状再発を予測および治療するためのシステムは、心拍数変動を測定するように構成される、心臓モニタと、心臓モニタと通信する、プロセッサと、プロセッサと通信する、メモリとに関するステップを含む。メモリは、再発予測アプリケーションを含み、再発予測アプリケーションは、臨床的神経学的症状を患う患者に関する閾値心拍数変動値を選択し、心臓モニタを使用して、経時的に患者の心拍数変動を監視し、患者の心拍数変動が閾値心拍数変動値を下回って低下すると、再発が差し迫っているというインジケータを提供するようにプロセッサに指図する。インジケータは、患者が、経頭蓋磁気刺激デバイスを使用して、経頭蓋磁気刺激標的が左前頭前野背外側皮質である加速シータバースト刺激プロトコルを適用する治療を要求するであろうことを示す。
【0102】
なおもまた別の実施形態では、閾値心拍数変動値を選択するために、再発予測アプリケーションはさらに、患者に関するベースライン無症候性心拍数変動値および患者に関するベースライン症候性心拍数変動値を取得し、患者に関する無症候性心拍数変動値と患者に関する症候性心拍数変動値との間の中間点を決定するようにプロセッサに指図する。
【0103】
なおもまたさらなる実施形態では、閾値心拍数変動値は、母集団平均心拍数変動値を計算することによって選択される。
【0104】
なおも別の付加的実施形態では、インジケータはさらに、患者の治療のための予約をスケジューリングするように医療スケジューリングシステムに指図する医療スケジューリングシステムへのメッセージを含む。
【0105】
なおもさらなる付加的実施形態では、予約のスケジューリング優先順位は、閾値心拍数変動値と患者の測定された心拍数変動との間の差異に基づく。
【0106】
再び、なおも別の実施形態では、臨床的神経学的症状は、鬱病である。
【0107】
再び、なおもさらなる実施形態では、インジケータは、患者の平均心拍数変動値が少なくとも3日にわたって閾値心拍数変動値を下回って低下すると提供される。
【0108】
また別の付加的実施形態では、心臓モニタは、手首心臓モニタである。
【0109】
またさらなる付加的実施形態では、心臓モニタは、無線接続を介してネットワークに接続される。
【0110】
再び、また別の実施形態では、本方法はさらに、経頭蓋磁気刺激デバイスに関するステップを含み、治療は、患者に適用される。
【0111】
付加的実施形態および特徴が、続く説明に部分的に記載され、部分的に、本明細書の考察に応じて当業者に明白となるであろう、または本発明の実践によって学習され得る。本発明の性質および利点のさらなる理解が、本明細書の残りの部分および本開示の一部を形成する図面を参照することによって実現され得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
脳刺激標的を発生させるための方法であって、
患者の脳の機能的磁気共鳴撮像(fMRI)画像データを取得することであって、脳撮像データは、前記患者の脳内の神経細胞活性化を説明する、ことと、
脳刺激標的を決定することであって、前記脳刺激標的を決定することは、
前記患者の脳に少なくとも1つの着目領域をマッピングすることと、
前記fMRI画像データに基づいて、前記少なくとも1つの着目領域内の機能的小領域を位置特定することと、
少なくとも2つの着目脳領域の間の機能的関係を決定することと、
機能的小領域毎にパラメータを発生させることと、
前記パラメータに基づいて、機能的小領域毎に標的品質スコアを発生させることと、
その標的品質スコアおよび前記患者の神経学的症状に基づいて、脳刺激標的を選択することと
によって行われる、ことと
を含む、方法。
(項目2)
前記脳撮像データは、安静状態の間の神経細胞活動を説明する、項目1に記載の方法。(項目3)
前記脳撮像データを取得することはさらに、前記脳撮像データを前処理することを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記脳撮像データを前処理することは、生理学的雑音回帰、スライス時間補正、運動補正、共位置合わせ、バンドパスフィルタ処理、およびトレンド除去から成る群から選択される少なくとも1つの前処理ステップを実施することを含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
脳地図が、前記少なくとも1つの着目領域を個人の脳解剖学的構造上にマッピングするために使用される、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記各機能的小領域は、均質な脳活動を説明する、項目1に記載の方法。
(項目7)
機能的小領域は、階層的凝集型クラスタリングを使用して識別され、相互に分離される、項目1に記載の方法。
(項目8)
小領域パラメータは、前記機能的小領域のサイズ、前記機能的小領域を構成するボクセルの濃度、前記機能的小領域と他の機能的小領域との間の相関、および経頭蓋磁気刺激デバイスへの前記機能的小領域のアクセス性から成る群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記標的品質スコアは、各機能的小領域の加重パラメータの組み合わせを反映し、より高い品質スコアは、より良好な脳刺激標的を反映する、項目1に記載の方法。
(項目10)
所与の小領域に関する表面影響は、前記脳の表面上の小領域と前記脳内の深部に位置する全ての小領域との間の相関係数を説明する階層的クラスタリングアルゴリズムから導出されるスピアマン相関係数のボクセル数加重組み合わせである、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記脳刺激標的は、経頭蓋磁気刺激標的である、項目1に記載の方法。
(項目12)
aTBSプロトコルに従って、経頭蓋磁気刺激デバイスを使用して前記脳刺激標的を刺激することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
脳刺激標的を発生させるためのシステムであって、
ニューロナビゲーションコンピューティングシステムであって、前記ニューロナビゲーションコンピューティングシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、ニューロナビゲーションアプリケーションを含有するメモリとを備え、前記ニューロナビゲーションアプリケーションは、
患者の脳の機能的磁気共鳴撮像(fMRI)画像データを取得することが可能な磁気共鳴撮像機械から脳撮像データを取得することであって、前記脳撮像データは、前記患者の脳内の神経細胞活性化を説明する、ことと、
前記患者の脳に少なくとも1つの着目領域をマッピングすることと、
前記fMRI画像データに基づいて、前記少なくとも1つの着目領域内の機能的小領域を位置特定することと、
少なくとも2つの機能的小領域の間の機能的関係を決定することと、
機能的小領域毎に小領域パラメータを発生させることと、
前記小領域パラメータに基づいて、機能的小領域毎に標的品質スコアを発生させることと、
その標的品質スコアおよび前記患者の神経学的症状に基づいて、脳刺激標的を選択することと
を行うように前記プロセッサに指図する、ニューロナビゲーションコンピューティングシステム
を備える、システム。
(項目14)
前記fMRI画像データは、安静状態の間の神経細胞活動を説明する、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記ニューロナビゲーションアプリケーションはさらに、前記fMRI画像データを前処理するように前記プロセッサに指図する、項目13に記載のシステム。
(項目16)
fMRI画像データを前処理するために、前記ニューロナビゲーションアプリケーションはさらに、生理学的雑音回帰、スライス時間補正、運動補正、共位置合わせ、バンドパスフィルタ処理、およびトレンド除去から成る群から選択される少なくとも1つの前処理ステップを実施するように前記プロセッサに指図する、項目15に記載のシステム。
(項目17)
脳地図が、少なくとも1つの小領域をマッピングするために使用される、項目13に記載のシステム。
(項目18)
前記各機能的小領域は、均質な脳活動を説明する、項目13に記載のシステム。
(項目19)
機能的小領域は、階層的凝集型クラスタリングを使用して位置特定される、項目13に記載のシステム。
(項目20)
小領域パラメータは、前記機能的小領域のサイズ、前記機能的小領域を構成するボクセルの濃度、前記機能的小領域と他の機能的小領域との間の相関、および前記脳の表面からの前記小領域のアクセス性から成る群から選択される、項目13に記載のシステム。
(項目21)
前記標的品質スコアは、所与の小領域に関する表面影響を反映する、項目13に記載のシステム。
(項目22)
前記所与の小領域に関する表面影響は、前記脳の表面上の小領域と前記脳内の深部に位置する全ての小領域との間の相関係数を説明する階層的クラスタリングアルゴリズムから導出されるスピアマン相関係数の2次元行列の和である、項目21に記載のシステム。
(項目23)
前記脳刺激標的は、経頭蓋磁気刺激標的である、項目21に記載のシステム。
(項目24)
前記ニューロナビゲーションアプリケーションはさらに、aTBSプロトコルに従って、経頭蓋磁気刺激デバイスを使用して前記脳刺激標的を刺激するように前記プロセッサに指図する、項目21に記載の方法。
(項目25)
神経学的症状を治療するための方法であって、
神経学的症状に関連する患者の脳内の場所を表す個人化された加速シータバースト刺激(aTBS)標的を発生させることと、
前記磁場の焦点が前記aTBS標的の上にあるように、前記患者の脳に対してTMSデバイスを設置することと、
前記神経学的症状を緩和するために、前記TMSデバイスを使用して、前記脳へのaTBSプロトコルに従ってTMSを前記aTBS標的に適用することと
を含む、方法。
(項目26)
前記aTBSプロトコルは、aiTBSプロトコルである、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記aiTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用することを含み、各パルス列は、3Hz~7Hzにおいて適用される20Hz~70Hzのパルスのセットを含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記aiTBSプロトコルはさらに、少なくとも1回の10分セッションにわたって4~10秒毎に前記パルス列のセットを適用することを含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記aiTBSプロトコルはさらに、1日あたり3~15回のセッションを実行することを含み、各セッションの間に25~120分を伴う、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記aiTBSプロトコルは、2秒パルス列のセットを適用することを含み、各列は、5Hzにおける3つの50Hzパルスの形態における磁気刺激パルスを含み、前記2秒列は、少なくとも10回の10分セッションにわたって10秒毎に適用され、50分のセッション間間隔を伴う、項目26に記載の方法。
(項目31)
前記aTBSプロトコルは、acTBSプロトコルである、項目25に記載の方法。
(項目32)
前記acTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用することを含み、各パルスは、20Hz~70Hzであり、各パルスは、3Hz~7Hzにおいて適用され、各パルス列は、40~44秒持続する少なくとも1回のセッションにわたって4~10秒毎に適用される、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記acTBSプロトコルはさらに、1日あたり10~40回のセッションを適用することを含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記セッション間間隔は、10~50分である、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の40秒セッションにわたって5Hzにおいて適用される50Hzである、項目31に記載の方法。
(項目36)
前記acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の44秒セッションにわたって6Hzにおいて適用される30Hzである、項目31に記載の方法。
(項目37)
前記aTBSプロトコルは、少なくとも2日の連続日にわたって適用される、項目25に記載の方法。
(項目38)
aTBS標的を発生させることは、治療に先立って前記患者の脳の安静状態を説明する第1のfMRI画像データを取得することを含む、項目25に記載の方法。
(項目39)
治療後に前記患者の脳の安静状態を説明する第2のfMRI画像データを取得することと、
前記治療の有効性を確認するために、前記第1のfMRI画像データと前記第2のfMRI画像データとの間の差異を位置特定することと
をさらに含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記神経学的症状は、臨床的鬱病である、項目25に記載の方法。
(項目41)
前記神経学的症状は、自殺念慮である、項目25に記載の方法。
(項目42)
患者の脳内のaTBS標的に加速シータバースト刺激(aTBS)プロトコルを適用するように指図される経頭蓋磁気刺激コイルを備える、神経学的症状を治療するためのシステム。
(項目43)
前記aTBSプロトコルは、aiTBSプロトコルである、項目42に記載のシステム。
(項目44)
前記aiTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用することを含み、各パルス列は、3Hz~7Hzにおいて適用される20Hz~70Hzのパルスのセットを含む、項目43に記載のシステム。
(項目45)
前記aiTBSプロトコルはさらに、少なくとも1回の10分セッションにわたって4~10秒毎に前記パルス列のセットを適用することを含む、項目44に記載のシステム。(項目46)
前記aiTBSプロトコルはさらに、1日あたり3~15回のセッションを実行することを含み、各セッションの間に25~120分を伴う、項目45に記載のシステム。
(項目47)
前記aiTBSプロトコルは、2秒パルス列のセットを適用することを含み、各列は、5Hzにおける3つの50Hzパルスの形態における磁気刺激パルスを含み、前記2秒列は、少なくとも10回の10分セッションにわたって10秒毎に適用され、50分のセッション間間隔を伴う、項目43に記載のシステム。
(項目48)
前記aTBSプロトコルは、acTBSプロトコルである、項目42に記載のシステム。
(項目49)
前記acTBSプロトコルは、パルス列のセットを適用することを含み、各パルスは、20Hz~70Hzであり、各パルスは、3Hz~7Hzにおいて適用され、各パルス列は、40~44秒持続する少なくとも1回のセッションにわたって4~10秒毎に適用される、項目48に記載のシステム。
(項目50)
前記acTBSプロトコルはさらに、1日あたり10~40回のセッションを適用することを含む、項目49に記載のシステム。
(項目51)
前記セッション間間隔は、10~50分である、項目50に記載のシステム。
(項目52)
前記acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の40秒セッションにわたって5Hzにおいて適用される50Hzである、項目48に記載のシステム。
(項目53)
前記acTBSプロトコルは、3パルス列のセットを含み、各パルスは、少なくとも1回の44秒セッションにわたって6Hzにおいて適用される30Hzである、項目48に記載のシステム。
(項目54)
前記aTBSプロトコルは、少なくとも2日の連続日にわたって適用される、項目42に記載のシステム。
(項目55)
神経学的症状を治療するための方法であって、
患者の脳の機能的磁気共鳴撮像(fMRI)画像データを取得することであって、前記fMRI画像データは、前記患者の脳内の神経細胞活性化を説明する、ことと、
神経刺激装置を埋込するための前記患者の脳上の場所を決定することであって、前記神経刺激装置を埋込するための前記患者の脳上の場所を決定することは、
前記患者の脳に少なくとも1つの着目領域をマッピングすることと、
前記fMRI画像データに基づいて、前記少なくとも1つの着目領域内の機能的小領域を位置特定することと、
少なくとも2つの機能的小領域の間の機能的関係を決定することと、
機能的小領域毎に小領域パラメータを発生させることと、
前記小領域パラメータに基づいて、機能的小領域毎に標的品質スコアを発生させることと、
その標的品質スコアおよび患者の神経学的症状に基づいて、神経刺激装置を埋込するための場所を選択することと
によって行われる、ことと、
前記場所に神経刺激装置を外科手術的に埋込することと、
前記神経学的症状を治療するために、前記神経刺激装置を使用して前記場所において前記脳に刺激プロトコルを適用することと
を含む、方法。
(項目56)
前記fMRI画像データは、安静状態の間の神経細胞活動を説明する、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記fMRI画像データを取得することはさらに、前記fMRI画像データを前処理することを含む、項目55に記載の方法。
(項目58)
前記fMRI画像データを前処理することは、生理学的雑音回帰、スライス時間補正、運動補正、共位置合わせ、バンドパスフィルタ処理、およびトレンド除去から成る群から選択される少なくとも1つの前処理ステップを実施することを含む、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記各機能的小領域は、均質な脳活動を説明する、項目55に記載の方法。
(項目60)
機能的小領域は、階層的凝集型クラスタリングを使用して位置特定される、項目55に記載の方法。
(項目61)
小領域パラメータは、前記機能的小領域のサイズ、前記機能的小領域を構成するボクセルの濃度、前記機能的小領域と他の機能的小領域との間の相関、および前記脳の表面からの前記小領域のアクセス性から成る群から選択される、項目55に記載の方法。
(項目62)
前記標的品質スコアは、所与の小領域に関する表面影響を反映する、項目55に記載の方法。
(項目63)
前記所与の小領域に関する表面影響は、前記脳の表面上の小領域と前記脳内の深部に位置する全ての小領域との間の相関係数を説明する階層的クラスタリングアルゴリズムから導出されるスピアマン相関係数の2次元行列の和である、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記aTBSプロトコルは、aiTBSプロトコルである、項目55に記載の方法。
(項目65)
前記aTBSプロトコルは、acTBSプロトコルである、項目55に記載の方法。
(項目66)
前記神経学的症状は、臨床的鬱病である、項目55に記載の方法。
(項目67)
前記神経学的症状は、自殺念慮である、項目55に記載の方法。
(項目68)
患者の脳にaTBSプロトコルを適用するように構成される、埋込可能神経刺激装置。(項目69)
前記aTBSプロトコルは、aiTBSプロトコルである、項目68に記載の埋込可能神経刺激装置。
(項目70)
前記aTBSプロトコルは、acTBSプロトコルである、項目68に記載の埋込可能神経刺激装置。
(項目71)
前記埋込可能神経刺激装置はさらに、前記aTBSプロトコルを断続的に適用するように構成される、項目68に記載の埋込可能神経刺激装置。
(項目72)
前記埋込可能神経刺激装置はさらに、患者フィードバックに基づいて、前記aTBSプロトコルを適用するように構成される、項目68に記載の埋込可能神経刺激装置。
(項目73)
前記aTBSプロトコルのパラメータは、前記患者フィードバックに応答して変更される、項目72に記載の埋込可能神経刺激装置。
(項目74)
前記患者フィードバックは、前記患者の脳活動である、項目73に記載の埋込可能神経刺激装置。
(項目75)
臨床的神経学的症状再発を予測および治療するための方法であって、前記方法は、
臨床的神経学的症状を患う患者に関する閾値心拍数変動値を選択することと、
心臓モニタを使用して、経時的に前記患者の心拍数変動を監視することと、
前記患者の心拍数変動が前記閾値心拍数変動値を下回って低下すると、再発が差し迫っているというインジケータを提供することと、
経頭蓋磁気刺激デバイスを使用して、経頭蓋磁気刺激標的が左前頭前野背外側皮質である加速シータバースト刺激プロトコルを適用することによって前記患者を治療することと
を含む、方法。
(項目76)
前記閾値心拍数変動値は、
前記患者に関するベースライン無症候性心拍数変動値および前記患者に関するベースライン症候性心拍数変動値を取得することと、
前記患者に関する無症候性心拍数変動値と前記患者に関する症候性心拍数変動値との間の中間点を決定することと
によって選択される、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記閾値心拍数変動値は、母集団平均心拍数変動値を計算することによって選択される、項目75に記載の方法。
(項目78)
前記インジケータはさらに、前記患者の治療のための予約をスケジューリングするように医療スケジューリングシステムに指図する前記医療スケジューリングシステムへのメッセージを含む、項目75に記載の方法。
(項目79)
前記予約のスケジューリング優先順位は、前記閾値心拍数変動値と前記患者の測定された心拍数変動との間の差異に基づく、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記臨床的神経学的症状は、鬱病である、項目75に記載の方法。
(項目81)
前記インジケータは、前記患者の平均心拍数変動値が少なくとも3日にわたって前記閾値心拍数変動値を下回って低下すると提供される、項目75に記載の方法。
(項目82)
前記心臓モニタは、手首搭載心拍数変動モニタである、項目75に記載の方法。
(項目83)
前記心臓モニタは、無線接続を介してネットワークに接続される、項目75に記載の方法。
(項目84)
インジケータは、前記患者が再発している可能性が高いことを警告する、項目75に記載の方法。
(項目85)
臨床的神経学的症状再発を予測および治療するためのシステムであって、
心拍数変動を測定するように構成される心臓モニタと、
前記心臓モニタと通信するプロセッサと、
メモリであって、前記メモリは、前記プロセッサと通信し、再発予測アプリケーションを備え、前記再発予測アプリケーションは、
臨床的神経学的症状を患う患者に関する閾値心拍数変動値を選択することと、
前記心臓モニタを使用して、経時的に前記患者の心拍数変動を監視することと、
前記患者の心拍数変動が前記閾値心拍数変動値を下回って低下すると、再発が差し迫っているというインジケータを提供することであって、
前記インジケータは、前記患者が、経頭蓋磁気刺激デバイスを使用して、経頭蓋磁気刺激標的が左前頭前野背外側皮質である加速シータバースト刺激プロトコルを適用する治療を要求するであろうことを示す、ことと
を行うように前記プロセッサに指図する、メモリと
を備える、システム。
(項目86)
前記閾値心拍数変動値を選択するために、前記再発予測アプリケーションはさらに、
前記患者に関するベースライン無症候性心拍数変動値および前記患者に関するベースライン症候性心拍数変動値を取得することと、
前記患者に関する無症候性心拍数変動値と前記患者に関する症候性心拍数変動値との間の中間点を決定することと
を行うように前記プロセッサに指図する、項目85に記載のシステム。
(項目87)
前記閾値心拍数変動値は、母集団平均心拍数変動値を計算することによって選択される、項目85に記載のシステム。
(項目88)
前記インジケータはさらに、前記患者の治療のための予約をスケジューリングするように医療スケジューリングシステムに指図する前記医療スケジューリングシステムへのメッセージを含む、項目85に記載のシステム。
(項目89)
前記予約のスケジューリング優先順位は、前記閾値心拍数変動値と前記患者の測定された心拍数変動との間の差異に基づく、項目88に記載のシステム。
(項目90)
前記臨床的神経学的症状は、鬱病である、項目85に記載のシステム。
(項目91)
前記インジケータは、前記患者の平均心拍数変動値が少なくとも3日にわたって前記閾値心拍数変動値を下回って低下すると提供される、項目85に記載のシステム。
(項目92)
前記心臓モニタは、手首心臓モニタである、項目85に記載のシステム。
(項目93)
前記心臓モニタは、無線接続を介してネットワークに接続される、項目85に記載のシステム。
(項目94)
前記経頭蓋磁気刺激デバイスをさらに備え、前記治療は、前記患者に適用される、項目85に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0112】
説明および請求項は、本発明の例示的実施形態として提示され、本発明の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない、以下の図およびデータグラフを参照して、より完全に理解されるであろう。
【0113】
【
図1】
図1は、本発明のある実施形態による、加速シータバースト刺激システムを図示する、略図である。
【0114】
【
図2】
図2は、本発明のある実施形態による、加速シータバースト刺激コンピューティングシステムを図示する、略図である。
【0115】
【
図3】
図3は、本発明のある実施形態による、患者に個人化された加速断続的シータバースト刺激を適用するための方法を図示する、フローチャートである。
【0116】
【
図4】
図4は、本発明のある実施形態による、加速断続的シータバースト刺激に関する刺激スケジュールである。
【0117】
【
図5】
図5は、本発明のある実施形態による、加速連続的シータバースト刺激に関する刺激スケジュールである。
【0118】
【
図6】
図6は、本発明のある実施形態による、個人化された加速シータバースト刺激標的を発生させるための方法を図示する、フローチャートである。
【0119】
【
図7】
図7は、本発明のある実施形態による、着目領域内の機能的小領域を識別するための階層的凝集型クラスタリングアルゴリズムを図示する、チャートのセットである。
【0120】
【
図8A】
図8Aは、本発明のある実施形態による、小領域相関係数のチャートである。
【0121】
【
図8B】
図8Bは、本発明のある実施形態による、ROI 1機能的小領域サイズのチャートである。
【0122】
【
図8C】
図8Cは、本発明のある実施形態による、ROI 1機能的小領域ボクセル非凝集のチャートである。
【0123】
【
図8D】
図8Dは、本発明のある実施形態による、各ROI 1小領域と全てのROI 2小領域との間の正味関係のチャートである。
【0124】
【
図8E】
図8Eは、本発明のある実施形態による、小領域ボクセル濃度のチャートである。
【0125】
【
図8F】
図8Fは、本発明のある実施形態による、クラスタ品質のチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0126】
脳は、繊細な器官であり、したがって、医療専門家が、手技、試験を実施する、または別様にその物理的構造に介入するとき、精密な標的が、非常に有用であり得る。例えば、患者を治療するために脳の特定の部分を刺激するとき、誤った部分を刺激することは、失敗した、または不完全な治療をもたらし得るだけではなく、また、患者に対して悪影響を生じさせ得る。したがって、刺激のための精密な標的を発生および/または利用し得るニューロナビゲーションのためのシステムおよび方法は、失敗率を低減させ、治療の品質を高めることができる。
【0127】
ここで図面に目を向けると、本発明の実施形態による、加速断続的シータバースト磁気刺激の個人化された臨床的適用のためのシステムおよび方法が、図示される。rTMSは、10年近くにわたって米国食品医薬品局によって臨床的鬱病のための効果的な治療として容認されており、最近では、iTBS(3分、600パルス)の1日1回の適用が、FDAによって承認された。最近、シータバースト刺激として公知のrTMSの新しい形態が、その(興奮性の)断続的形態(iTBS)において、治療効果を有するために治療が適用される必要がある時間量を短縮することによって、標準的なrTMSを上回る効率の増加を有することが示されている。例えば、40分のTMS(約3,000パルス)は、3分のiTBS(約600パルス)に対して非劣性であることが示されている。しかしながら、従来のrTMS/TBS治療レジメンは、臨床症候の安定した効果的な低減を達成するために、数週間のセッションがかかり得る。さらに、従来のrTMSおよびiTBS技法は、領域内の全活性の平均に基づいて、脳の一部を標的化している。そのような技法は、患者の個別化された脳構造および接続性のために最適化された標的を発生させることができていない。
【0128】
加速シータバースト刺激(aTBS)は、大量のTBSパルスが脳内の標的化場所に短い周期にわたって適用される、本明細書に説明されるrTMS変形の新しいクラスである。これは、興奮(断続的)を生成するために、または抑制(連続的)を生成するために遂行されることができる。本発明の実施形態による、適切なaTBSプロトコルは、従来のrTMS/TBSと比較して、臨床的改善までの時間を数週間から数日に短縮することができ、患者がより短い時間量にわたって入院し得ることを意味する。
【0129】
さらに、aTBSを実施するための方法は、患者の特質を考慮する、TBS刺激のための個人化されたaTBS標的を発生させるステップを含むことができる。個人化された標的は、aTBSが患者毎の治療の効率および/または有効性を最大限にするために発生されることができる。TMSコイルは、現在、脳内の深部の構造を標的化することが不可能であるため、個人化されたaTBS標的は、深部領域に連結される表面領域を刺激するために発生されることができ、深部脳刺激の必要性を回避する。
【0130】
適切な標的化の重要性は、慢性的な精神疾患の重大な症候によって強調される。例えば、重度の臨床的鬱病を患う人物では、神経系外科手術は、最終手段の治療と見なされる。埋込刺激装置による治療が失敗した場合、自殺の発生率は、劇的に増加する。本明細書に説明されるニューロナビゲーション技法を使用することによって、適切かつ効果的な標的化が、外科手術に先立って達成され、多数の方法での手技の成功率を高めることができる。多くの実施形態では、aTBSは、選択された標的または標的のセットを刺激することによって外科手術に先立って神経細胞インプラントの有効性を試験するために、試験的に実施される。種々の実施形態では、最良の試験結果を伴う標的が、埋込可能システムのための標的として選択される。患者および/または医療専門家にとって十分に高い成功率を伴ういかなる標的も見出されない場合では、侵襲性外科手術は、完全に回避されることができる。磁気刺激および電気刺激は、密接に関連するため、埋込神経刺激装置は、類似する結果を伴うaTBS磁気プロトコルと類似する電気刺激プロトコルを提供するようにプログラムされることができる。aTBSおよびニューロナビゲーション標的化方法を実施するためのシステムが、下記に議論される。
【0131】
aTBSシステム
本発明の実施形態による、aTBSシステムは、患者の脳の神経撮像データを入手し、aTBSデバイスを用いた治療のための個人化されたaTBS標的を発生させることができる。多くの実施形態では、aTBSシステムは、aTBSデバイスを含む。本発明のある実施形態による、aTBSシステムの概念図が、
図1に示される。aTBSシステム100は、aTBSデバイス110を含む。aTBSデバイスは、aTBSによって要求される周波数、強度、および持続時間を伴う磁気パルスを送達することが可能である任意のTMSコイルであり得る。aTBSデバイスは、限定ではないが、MagVenture(Farum, Denmark)によって生産されるMagventure X100、The Magstim Company Limited(Whitland, United Kingdom)によって生産されるMagstimコイル、Neurosoft(Utrecht, Netherlands)によって生産されるNeurosoftコイル、およびその両方がBrainsway Ltd.(Jerusalem,
Israel)によって生産されるBrainsway H7-deep-TMSシステムまたはH1 Coil TMSデバイスであり得る。しかしながら、任意のTMSコイルが、本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるように使用されることができる。さらに、aTBSシステムは、脳の異なる領域をより良好に標的化するために、1つを上回るaTBSデバイスを含むことができる。
【0132】
多数の実施形態では、ニューロナビゲーションシステムは、aTBS標的に対してaTBSデバイスを正しく設置するために使用されることができる。aTBS標的を表示することが可能なニューロナビゲーションシステムは、Localite GmbH(Sankt Augustin, Germany)によって生産されるLocalite TMS Navigator、ANT Neuro(Netherlands)によって生産されるvisor2システム、およびRogue Solutions Ltd.(Cardiff, Wales)によって生産されるBrainSite TMS Navigationを含むことができる。しかしながら、aTBSデバイスの設置を補助することが可能な任意の種類のニューロナビゲーションデバイスが、本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるように利用されることができる。多数の実施形態では、ニューロナビゲーションシステムは、下記に説明される標的化プロセスを使用して発生される標的または標的のセットを提供される、および/または発生させる。
【0133】
aTBSシステム100はさらに、aTBSコンピューティングシステム120と、脳撮像デバイス130とを含む。aTBSコンピューティングシステムは、脳撮像データを処理し、個人化されたaTBS標的を発生させることが可能な1つ以上のコンピューティングデバイスとして実装されることができる。脳撮像デバイスは、患者の脳を説明する撮像データを取得することが可能である。脳撮像デバイスは、構造的、機能的撮像データ、および/または安静状態撮像データを取得することができる。多数の実施形態では、脳撮像デバイスは、磁気共鳴撮像(MRI)機械、機能的MRI機械(fMRI)、または本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるような任意の他の脳走査デバイスである。機能的撮像データは、患者が具体的タスクを実施している、および/または具体的刺激を提供される間、fMRI走査装置または他の脳撮像デバイスを使用して患者を走査することによって取得されることができる。安静状態撮像データは、患者がいかなるタスクも実施していない間、fMRI走査装置または他の脳撮像デバイスを使用して患者を走査することによって取得されることができる。
【0134】
加えて、aTBSシステム100は、インターフェースデバイス140を含む。インターフェースデバイスは、限定ではないが、コンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、または本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるような任意の他のタイプのコンピューティングインターフェースデバイスであり得る。多くの実施形態では、インターフェースデバイスは、脳撮像デバイス、aTBSコンピューティングシステム、および/またはaTBSデバイスとインターフェースをとるために使用される。多数の実施形態では、aTBSコンピューティングシステムおよびインターフェースデバイスは、同一の物理的デバイスを使用して実装される。aTBSシステム100は、aTBSデバイス110、aTBSコンピューティングシステム120、およびインターフェースデバイス130を接続するネットワーク150を含む。種々の実施形態では、ネットワークは、インターネットである。しかしながら、限定ではないが、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、またはコンピューティングデバイスを接続することが可能な任意の他のコンピューティングネットワーク等の任意のネットワークが、所与の用途の要件に対して適切であるように使用されることができる。
【0135】
具体的aTBSシステムが、
図1に関して図示されるが、当業者は、限定ではないが、異なるデバイスが、ネットワークによって接続されない、または全てが接続されるわけではないシステムアーキテクチャを含む、aTBSシステムの多数の異なる構成が可能性として考えられることを理解するであろう。aTBSコンピューティングシステムが、下記に議論される。
【0136】
aTBSコンピューティングシステム
本発明の実施形態による、aTBSコンピューティングシステムは、所与の患者に関する個人化されたaTBS標的を発生させることができる。本発明のある実施形態による、aTBSコンピューティングシステムの概念図が、
図2に示される。aTBSコンピューティングシステム200は、通信インターフェース220およびメモリ230と通信するプロセッサ210を含む。多数の実施形態では、aTBSコンピューティングシステムは、複数のプロセッサ、複数のメモリ、および/または複数の通信インターフェースを含む。種々の実施形態では、aTBSコンピューティングシステムのコンポーネントは、複数のハードウェアプラットフォームを横断して分散される。
【0137】
プロセッサ210は、限定ではないが、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット、グラフィカル処理ユニット、並列処理エンジン、または本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるような任意の他のタイプのプロセッサを含む、任意のタイプのコンピュータ処理ユニットであり得る。通信インターフェース220は、他のaTBSコンピューティングシステム、脳撮像デバイス、aTBSデバイス、および/またはインターフェースデバイスからデータを伝送および受信するために利用されることができる。通信インターフェースは、本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるように種々のデバイスと通信するために、複数のポートおよび/または通信技術を含むことができる。
【0138】
メモリ230は、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ、または本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるような任意の他のメモリフォーマットを含む、揮発性および/または不揮発性メモリの任意の組み合わせを使用して実装されることができる。多数の実施形態では、メモリ230は、限定ではないが、aTBS標的化アプリケーション232および撮像データ234を含む、種々のデータを記憶する。多くの実施形態では、aTBS標的化アプリケーションおよび/または撮像データは、通信インターフェースを介して受信される。プロセッサ210は、限定ではないが、撮像データを処理するステップおよびaTBS標的を発生させるステップを含む、種々のaTBSプロセスを実施するようにaTBS標的化アプリケーションによって指図されることができる。
【0139】
本発明の実施形態による、aTBSコンピューティングシステムに関する具体的アーキテクチャが、
図2に概念的に図示されるが、限定ではないが、aTBSを実施するようにaTBSデバイスに指図する、撮像データを捕捉するように脳撮像デバイスに指図する、および/または上記と同様に実施することが可能な異なるハードウェアを利用するものを含む、種々のアーキテクチャのうちのいずれかもまた、利用されることができる。さらに、aTBSコンピューティングシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステム内の複数のサーバ上で実装されることができる。例えば、aTBSコンピューティングシステムは、本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるような種々の遠隔「クラウド」コンピューティングシステム上で実装されることができる。しかしながら、当業者は、「コンピューティングシステム」が、限定ではないが、パーソナルコンピュータ、サーバ、コンピューティングデバイスのクラスタ、および/または医療デバイスに組み込まれるコンピューティングデバイスを含む、任意の適切なコンピューティングデバイス上で実装され得ることを理解するであろう。多数の実施形態では、aTBSコンピューティングシステムは、統合aTBSデバイスの一部として実装される。種々のaTBSプロセスの議論が、下記に見出される。
【0140】
aTBSを実施するためのプロセス
伝統的なrTMS手技は、長い時間周期にわたって多数のパルスを利用する。伝統的なTBSは、rTMSと類似する結果を達成するために要求されるパルスの数を低減させるパターン化パルスを利用する。しかしながら、いずれの方法も、1週間以内に臨床的に有用な変化を生成することができない。本発明の実施形態による、aTBSを実施するためのプロセスは、従来のrTMS/TBS方法と比較して、加速された治療レジメンを含むことができる。
【0141】
ここで
図3に目を向けると、本発明のある実施形態による、aTBSを実施するためのプロセスが、図示される。プロセス300は、患者脳撮像データを取得するステップ(310)を含む。多数の実施形態では、患者脳撮像データは、解剖学的撮像データ、安静状態撮像データ、機能的撮像データ、および/または本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるような任意の他の脳撮像データを含む。解剖学的撮像データは、限定ではないが、構造的MRI走査データ、拡散テンソル撮像データ、コンピュータトモグラフィ走査、および/または撮像技術によって生成される脳の任意の他の構造的画像を含むことができる。機能的撮像データは、脳の神経細胞活性化を説明する撮像データである。安静状態撮像データは、安静状態の間の脳の神経細胞活性化を説明する撮像データである。多数の実施形態では、機能的撮像データおよび安静状態撮像データは、fMRI走査から取得される。
【0142】
患者脳撮像データは、個人化されたaTBS標的を発生させる(320)ために使用されることができる。aTBSは、個人化されたaTBS標的において患者に適用される(330)ことができる。多くの実施形態では、aTBS治療を適用するために利用されるTMSコイルは、コイルの設置および/またはコイル角度、したがって、磁場の配向を操作することによって標的上に合焦される。多くの実施形態では、aTBSは、所定のプロトコルに従って適用される。aTBSプロトコルは、限定ではないが、症状の重症度、aiTBSまたはacTBSが使用されるどうか、または本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるような任意の他の因子を含む、多数の因子に応じて変動し得る。aTBSプロトコルは、適用されるべきiTBSの形態を説明するパラメータのセットと、iTBSが適用されるときを説明するスケジュールとを含むことができる。多数の実施形態では、電場測定値を含み、コイル角度の選択肢を知らせるために使用される。
【0143】
多数の実施形態では、aiTBSスケジュールは、数日にわたって1日あたり複数回のセッションにわたってiTBSパルスを適用することを伴う。種々の実施形態では、iTBSパルスパラメータは、2秒列にわたって5Hzにおける3パルス、50Hzパルスを伴い、10分セッションにわたって10秒毎に列を伴う(1回のセッションあたり1,800の合計パルス)。多くの実施形態では、aiTBSスケジュールは、5日の連続日にわたって50分のセッション間間隔を伴う1日あたり10回のセッションを実行することを説明する(1日あたり18,000パルス、90,000の合計パルス)。
【0144】
しかしながら、広い範囲のパラメータが、使用されることができ、例えば、iTBSパルスパラメータは、3Hz~7Hzにおいて、20Hz~70Hzの任意の数のパルスを伴い、4秒~10秒毎に列を伴い、25分~120分のセッション間間隔を伴うことができる。本発明のある実施形態による、aiTBSを使用する治療のための例示的スケジュールが、
図4に図示される。
【0145】
種々の実施形態では、cTBSパルスパラメータは、40秒セッションにわたって5Hzにおいて50Hzパルスを伴う3パルス列を伴う(1回のセッションあたり600の合計パルス)。種々の実施形態では、cTBSパルスパラメータは、44秒セッションにわたって6Hzにおける3パルス、30Hzパルスを伴う(1回のセッションあたり800の合計パルス)。多くのacTBS実施形態では、30回のセッションが、1日あたりに適用され、5日の連続日にわたって15分のセッション間間隔を伴う(1日あたり18,000パルス、90,000の合計パルス)。しかしながら、広い範囲のパラメータが、使用されることができ、例えば、cTBSパラメータは、3Hz~7Hzにおいて20Hz~70Hzの任意の数のパルスを伴い、10~50分のセッション間間隔を伴うことができる。本発明のある実施形態による、acTBSを使用する治療のための例示的スケジュールが、
図5に図示される。
【0146】
しかしながら、aTBSプロトコルに関するTBSパラメータおよびスケジュールは、変動され得る。例えば、パルスの数またはセッションの周波数は、患者の不応性および/または臨床症状の重症度に応じて増加または減少されることができる(すなわち、鬱病があまり重度ではない場合、より少ないパルスが、効果的に利用され、それによって、治療時間をさらに短縮することができる)。多数の実施形態では、1回のセッションあたりのパルスの数は、適用されるaTBSのタイプに応じて、約600~2,400に及ぶ。種々の実施形態では、aiTBSに関するセッションの回数は、1日あたり3~15回のセッションに及ぶ。多くの実施形態では、acTBSに関するセッションの回数は、1日あたり10~40回のセッションに及ぶ。それにもかかわらず、当業者は、任意の数のパルスおよび長さのセッション間間隔が、個々の患者の必要性に適合するように、本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるように使用され得ることを理解するであろう。
【0147】
患者の安静状態の変化が、安静状態撮像データを取得するステップに関して上記に説明されるものと類似する方法を使用して測定される(340)ことができる。所望される臨床結果をもたらすほど十分な安静状態の変化が存在する(350)場合、治療は、随意に、終了することができる。十分な患者の安静状態の変化が存在していない(350)場合、付加的aTBS治療セッションが、実施されることができる。
【0148】
本発明の実施形態による、aTBSを実施するための具体的プロセスが、上記に説明され、
図3に関して示されるが、しかしながら、限定ではないが、代替数のパルス、セッション、周波数、撮像方法、および/または安静状態の変化の程度を使用するものを含む、任意の数のプロセスが、本発明の実施形態による具体的用途の要件に対して適切であるように利用されることができる。
【0149】
aTBS標的の発生
全ての人物は、一意の脳構造および接続性を有する。全ての脳を横断する平均が、標的を発生させるために使用されているが、これは、各患者の特質を無視している。本発明の実施形態による、aTBSを実施するためのプロセスは、標準的なiTBS治療を上回って効率および有効性を高めるために、個人化されたaTBS標的を発生させるステップを含むことができる。ここで
図6に目を向けると、本発明のある実施形態による、aTBS標的を発生させるためのプロセスが、図示される。
【0150】
プロセス600は、脳撮像データを取得するステップ(610)を含む。多くの実施形態では、脳撮像データは、上記に説明されるものと類似する構造的撮像データ、安静状態撮像データ、および/または機能的撮像データを含む。多数の実施形態では、脳撮像データは、前処理される。前処理ステップは、限定ではないが、生理学的雑音回帰、スライス時間補正、運動補正、共位置合わせ、バンドパスフィルタ処理、トレンド除去、および/または所与の用途の要件に対して適切であるような任意の他の前処理ステップを含むことができる。脳撮像データは、個別化された解剖学的構造上に標準化された着目領域(ROI)をマッピングする(620)ために使用されることができる。多数の実施形態では、個別化された解剖学的構造上に標準化された着目領域をマッピングするステップは、構造的撮像データを標準化された脳地図に整合させ、整合パラメータを逆転させ、個人の解剖学的構造上に標準化されたROIをマッピングすることによって実施される。標準化された脳地図は、TMSを用いて標的化可能である1つ以上の脳領域を定義することができる。種々の実施形態では、脳地図は、具体的TMSコイルを用いて標的化可能である脳領域を定義する。多数の実施形態では、タスクベースのfMRIが、TMSを用いて標的化されるべきである脳領域の範囲を制限および/または拡大するために使用される。
【0151】
多くの実施形態では、ROI内の機能的活性化の個人化されたマップが、発生される(630)。種々の実施形態では、ROI内の機能的活性化は、機能的撮像データおよび/または安静状態撮像データを使用して識別される。個別化されたROIのマップおよび安静状態撮像データは、ROI内の機能的小領域の個人化されたマップを発生させる(640)ために使用されることができる。多数の実施形態では、機能的小領域は、全ての時間的脳活動が、小領域の空間的範囲を横断して高度に相関するROI内の脳領域として定義される。多くの実施形態では、安静状態撮像データは、脳の領域の間の機能的接続性を説明する安静状態機能的接続性データを発生させるために使用されることができる。多数の実施形態では、限定ではないが、機能的接続性およびタスクベースの神経細胞活性化等の安静状態撮像データから抽出された安静状態データが、個人化された着目領域にマッピングされることができる。多数の実施形態では、ROI内のタスクベースの機能的活性化の個人化されたマップが、機能的小領域の機能的接続性ベースの個人化されたマップを精緻化または拡大するために利用されることができる。タスクベースの機能的撮像データは、小領域の間の機能的接続性のより精緻化された、および/またはより高い品質の分析につながることができる。
【0152】
加えて、ROIを横断する安静状態機能的接続性データは、機能的小領域にさらに分割されることができ、したがって、各分割された小領域は、一連の安静状態走査にわたって測定されるような均質な脳活動から構成される。多数の実施形態では、分割は、限定ではないが、階層的凝集型クラスタリング等の階層的クラスタリングを使用して達成される。しかしながら、任意の分割方法が、所与の実施形態の要件に対して適切であるように使用されることができる。種々の実施形態では、小領域のサイズは、均質な方式で作用するボクセルの数によって決定される。したがって、小領域のサイズは、小領域の機能、小領域が位置する脳の構造、患者の脳の特質、および脳の接続性および反応性に影響を及ぼすいくつかの他の因子のうちのいずれかに応じて、異なるROIを横断して変動し得る。
【0153】
機能的小領域の間の関係は、種々の技法を使用して決定される(650)ことができる。多数の実施形態では、機能的小領域内の全てのボクセルタイムコースの中央値と最も高度に相関するボクセルタイムコースが、機能的小領域の活動を反映するものとして選択されることができる。多くの実施形態では、小領域内のボクセルに関する全てのタイムコースの単純な平均をとることが、使用されることができるが、これは、あまりロバストではない傾向がある。各機能的小領域を単一のタイムコースに低減させることによって、均質なボクセルの群内で起こる脳活動の典型的なタイムコースの正確な表現が、決定されることができる。
【0154】
本発明のある実施形態による、例示的群化および相関計算が、
図7に図示される。さらに、単一の代表的なタイムコースは、同一のROI内に存在する機能的小領域の間の相関係数の計算を可能にする。しかしながら、これらの相関係数は、高い相関係数を伴うボクセルの群が、同一の小領域に編成される傾向があるため、低くなる傾向があるであろう。分割を通して識別された各機能的小領域を単一のタイムコースに低減させるプロセスはさらに、脳を横断する複数のROIを横断して発見された全ての機能的小領域の間の相関係数の計算を可能にする。例えば、左背外側前頭前野皮質内の複数の小領域が、帯状回皮質内の複数の小領域と相関することができるが、任意の数の異なる脳構造内の任意の数の異なる小領域が、相関することができる。本発明のある実施形態による、複数のROIを横断する相関の例示的セットが、
図8A-8Fに図示される。
【0155】
プロセス600はさらに、機能的小領域をパラメータ化するステップ(660)を含む。小領域は、限定ではないが、小領域のサイズ、すなわち、ボクセルの数または脳の体積、ボクセルの空間的濃度、すなわち、ボクセルの数を小領域を構成する全てのボクセルの間の平均ユークリッド3次元空間距離で除算したもの、所与の小領域と他の機能的小領域との間の機能的関係(すなわち、ボクセル加重平均相関係数)、および/または限定ではないが、小領域の深さ、および/または小領域が別の小領域によって不明瞭にされているかどうか等の脳の表面からの小領域のアクセス性等の種々のパラメータに関する値を割り当てられることができる。しかしながら、任意の数のパラメータまたはパラメータ加重スキームが、所与の用途の要件に対して適切であるように使用されることができる。
【0156】
機能的小領域パラメータは、機能的小領域毎に標的品質スコアを計算する(670)ために使用されることができる。多数の実施形態では、小領域毎の標的品質スコアは、小領域パラメータの加重組み合わせの関数である。多くの実施形態では、標的品質スコアは、小領域のセットに関する表面影響(ボクセルサイズ加重相関係数)を決定することによって発生される。多くの実施形態では、所与の小領域に関する表面影響は、表面ROI小領域と深部ROI小領域の全てとの間の相関係数を説明する階層的クラスタリングアルゴリズムから導出されるスピアマンまたはピアソン相関係数の2次元行列の和である。多数の実施形態では、第1のROIは、脳の表面の近傍に位置し、第2のROIは、脳組織内のより深くに位置する。しかしながら、深さの差異は、ROI比較のための要件ではない。深部小領域に対して好影響を及ぼす表面ROI小領域および深部小領域に対して悪影響を及ぼす表面ROI小領域が、表面影響計算に基づいて決定されることができる。いくつかの実施形態では、治療のタイプに応じて、好影響を及ぼす小領域のみ、または悪影響を及ぼす小領域のみがさらに、標的と見なされてもよい。多数の実施形態では、表面小領域濃度が、計算されることができる。多くの実施形態では、表面小領域濃度は、表面小領域内のボクセルの数を、小領域内のボクセルの間の平均ユークリッド距離によって測定されるような表面小領域非凝集で除算することによって計算されることができる。表面小領域濃度はさらに、解釈を補助するために正規化されることができる。多数の実施形態では、標的品質スコアは、表面小領域濃度を特定の小領域の表面影響で乗算することによって決定される。したがって、標的品質スコアは、所与の表面小領域を刺激することの深部小領域に対する潜在的影響および小領域がTMSコイルによって標的化され得る能力および効率の両方を反映することができる。しかしながら、任意の数の方法が、本発明の実施形態の具体的用途の要件に対して適切であるように標的品質スコアを発生させるために使用されることができる。
【0157】
個人化されたaTBS標的が、標的品質スコアに基づいて発生される(680)ことができる。多数の実施形態では、最も高い品質の標的が、個人化されたaTBS標的として選択される。種々の実施形態では、1つを上回る標的が、選択されることができる。
【0158】
本発明の実施形態による、aTBS標的を発生させるための具体的プロセスが、上記に説明され、
図6に関して示されるが、しかしながら、限定ではないが、異なる、および/またはより少ないタイプの撮像データを使用する、異なる小領域パラメータ、異なる分割方法、および/または任意の他の品質発生方法を使用するものを含む、任意の数のプロセスが、本発明の実施形態による具体的用途の要件に適切であるように利用されることができる。
【0159】
aTBSを使用する臨床治療
臨床評価では、aTBSが心身の両方の種々の異なる病状を治療するために使用され得ると決定される。例えば、aiTBSは、左背外側前頭前野皮質(L-DLPFC)にわたって実施されると、自殺念慮を低減させ、鬱病の症候を軽減することに効果的である。L-DLPFC治療にわたってaiTBSを受ける患者は、多くの場合、2~5日で入院から退院することが可能である。さらに、L-DLPFCにわたるaiTBSは、多数の精神疾患および種々のタイプの癌、種々の心臓病、および炎症症状と相関する、心拍数変動を増加させるために使用されることができる。種々の実施形態では、心拍数変動は、梁下帯状回皮質(SCC)の変化をもたらし、ひいては、心拍数に影響を及ぼすために使用され得る迷走神経の変化をもたらし得るように、L-DLPFCを標的化することによって治療される。心拍数変動は、交感神経/副交感神経のバランスの前頭前野調節不全の解決のための治療応答性がある神経生理学的バイオマーカとして使用されることができる。例えば、多くの実施形態では、心拍数減速が、標的関与を確認するために使用される。同様に、心拍数減速の進行中の記録が、進行中の標的確認のために使用されることができる。識別された機能的小領域が、心拍数変動に影響を及ぼすために最良の利用可能な標的を見出すために使用されることができる。これは、心拍数または心拍数変動に対するその効果のためにROI TMS刺激を用いて各機能的小領域を反復的に試験することによって行われることができる。
【0160】
埋込可能aTBS
多数の実施形態では、重度の臨床症状に関して、aTBSは、埋込神経刺激装置によって適用されることができる。aTBSプロトコルは、磁気刺激の代わりに電気刺激に適合されることができ、刺激は、外部磁気刺激の必要性を伴わずに長期的に適用されることができる。さらに、rTMSデバイスを用いた外部aTBSが、正しい標的選択肢および治療有効性を調べるために実施されることができ、次いで、神経刺激装置が、硬膜外または硬膜下のいずれかで肯定的な結果をもたらす可能性が最も高いと決定された標的にわたって埋込されることができる。多数の実施形態では、神経刺激装置は、刺激を提供し、脳活動を記録する。刺激および記録チャネルの両方を提供することによって、閉ループシステムが、達成されることができる。記録された脳活動に基づいて、刺激は、提供されるaTBSの量を増加または減少させるか、または刺激標的を変更するかのいずれかのために変調されることができる。さらに、機械学習アルゴリズムが、その人物に関する最適な刺激方略に適合するために使用されることができる。例えば、肯定的な神経学的活動が記録される場合、刺激は、異常な神経学的活動が検出されるまで中止することができる。多数の実施形態では、脳活動を記録することは、標準的な皮質脳波検査(ECoG)方法を使用して達成される。
【0161】
種々の実施形態では、複数の刺激電極が、aTBS適用またはその他のいずれかのために、複数の標的にわたって埋込されることができる。活動を記録することは、安全上の理由およびaTBS適用に関する臨床的な理由から、異なる応答に応答して異なる電極を選択的にアクティブ化または非アクティブ化するために使用されることができる。例えば、発作活動が、脳の特定の面積内で検出される場合、その領域内の刺激電極が、正常な脳活動を誘発するために非アクティブ化および/または利用されることができる。
【0162】
神経刺激装置はまた、静的プロトコルが所望の脳活性化パターンを維持するために利用される、開ループパラメータと併用されることができる。多くの実施形態では、静的プロトコルは、外部コントローラを介して適合または修正されることができる。多くの神経刺激装置デバイスは、本発明のある実施形態の所与の用途の要件に対して適切であるような開ループおよび/または閉ループフォーマットの組み合わせを使用する。
【0163】
上記のように、神経刺激装置は、上記のニューロナビゲーション技法を使用して選択された標的上に設置されることができる。しかしながら、外科医が、神経刺激装置を設置しているとき、手技の間に設置を検証することが、有用であり得る。多数の実施形態では、脳刺激に対する器官応答が、設置を検証するために使用されることができる。例えば、L-DLPFC上に設置される電極が、心拍数に影響を及ぼすことができ、心拍数を測定することによって、L-DLPFCの刺激は、検証されることができる。L-DLPFC刺激はまた、鬱病に影響を及ぼすことができるため、これは、臨床的鬱病を治療するための神経刺激装置の埋込のための有用な臨床ツールであり得る。
【0164】
皮質脳波検査(硬膜外/硬膜下)、EEG、およびNIRSは、心拍数および心拍数変動と相関することができ、両方は、進行中の有効な刺激の閉ループインジケータとして使用されることができる。
【0165】
さらに、aTBSは、興奮性(aiTBS)または抑制性(acTBS)効果を有するように実施されることが可能であるため、正しい標的が選択されると、脳以外にも影響を及ぼし得る種々の神経学的変化が、実装されることができる。例えば、視床下部を操作することは、視床下部-脳下垂体-副腎軸を改変することによって、コルチゾールの分泌に影響を及ぼすことができる。加えて、傷害後の神経学的可塑性が、異なる神経細胞接続を興奮および抑制させることによって増加されることができる。同様に、aTBSは、標的化される神経細胞ネットワークまたは別の場所で神経学的可塑性を直接増加させることによって、学習および技能習得を助長するために使用されることができる。
【0166】
aTBSを実施するための具体的システムおよび方法が、上記に議論されるが、多くの異なるシステムおよび方法が、本発明の多くの異なる実施形態に従って実装されることができる。したがって、本発明は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、具体的に説明されるもの以外の方法で実践され得ることを理解されたい。したがって、本発明の実施形態は、あらゆる点で例証的であり、制限的ではないと見なされるべきである。故に、本発明の範囲は、例証される実施形態によってではなく、添付される請求項およびそれらの均等物によって決定されるべきである。