IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マジック リープ, インコーポレイテッドの特許一覧

特開2023-181395シャドウマスクを使用した調整可能勾配パターン化のための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181395
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】シャドウマスクを使用した調整可能勾配パターン化のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
G02B5/18
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186409
(22)【出願日】2023-10-31
(62)【分割の表示】P 2020524521の分割
【原出願日】2018-11-06
(31)【優先権主張番号】62/582,082
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シューチャン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ビクラムジト シン
(72)【発明者】
【氏名】カン ルオ
(72)【発明者】
【氏名】ナイ-ウェン ピ
(72)【発明者】
【氏名】フランク ワイ. シュー
(57)【要約】
【課題】シャドウマスクを使用した調整可能勾配パターン化のための方法およびシステムの提供。
【解決手段】可変回折要素深度を伴う回折構造を製作する方法は、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第1の領域と、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率より小さい第2の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第2の領域とを有するシャドウマスクを提供することを含む。方法は、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることも含む。基板は、回折構造に対応しているエッチングマスクを備えている。方法は、基板をエッチング液にさらすことと、基板をエッチングし、第1の深度を有する回折要素を第1の領域に隣接して形成することと、基板をエッチングし、第1の深度より小さい第2の深度を有する回折要素を第2の領域に隣接して形成することとをさらに含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変厚材料を堆積させる方法であって、前記方法は、
基板を提供することであって、前記基板は、複数の回折要素を含む均一回折構造を備える、ことと、
シャドウマスクを提供することであって、前記シャドウマスクは、開口の中心間間隔に対する開口寸法の第1の比率を有する第1の領域と、開口の中心間間隔に対する開口寸法の第2の比率を有する第2の領域とを有し、前記第2の比率は、前記第1の比率よりも小さい、ことと、
前記シャドウマスクを前記基板に隣接するように位置付けることと、
前記基板上で堆積プロセスを実行することにより、前記可変厚材料を堆積させることであって、前記第1の領域に隣接する層厚は、前記第2の領域に隣接する層厚よりも大きい、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記基板は、SiO を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記均一回折構造は、回折格子を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記可変厚材料は、形状適合層を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シャドウマスクは、複数の開口と、前記複数の開口に平行な表面とを備え、
前記基板は、堆積表面を備え、
前記シャドウマスクを前記基板に隣接するように位置付けることは、前記シャドウマスクの前記表面を前記堆積表面に平行に設置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記シャドウマスクは、2つの方向における開口の中心間間隔に対する開口寸法の可変比率によって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記可変厚材料は、前記第1の領域における第1の回折要素深度と、前記第2の領域における前記第1の回折要素深度よりも小さい第2の回折要素深度とによって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記可変厚材料は、前記第1の領域における第1の回折要素幅と、前記第2の領域における前記第1の回折要素幅よりも小さい第2の回折要素幅とによって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板上で前記堆積プロセスを実行することは、プラズマ堆積プロセスを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2017年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/582,082号の利益および優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える様式、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進している。仮想現実、または、「VR」シナリオは、典型的に、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、または、「AR」シナリオは、典型的に、ユーザの周囲の実際の世界の可視化の拡張として、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0003】
これらのディスプレイ技術において成された進歩にもかかわらず、当技術分野において、拡張現実システム、特に、ディスプレイシステムに関連する改良された方法およびシステムの必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、仮想現実および拡張現実結像、および可視化システムに関する。本開示は、概して、回折要素が位置の関数として可変深度を有する回折構造の製作に関連する方法およびシステムに関する。本明細書に説明される実施形態は、接眼ディスプレイのために使用される回折格子ベースの導波管ディスプレイの状況において適用されることができる。特定の実施形態では、ある勾配深度プロファイルを伴う格子が、視野均一性を改良し、光外部結合効率を増加させるために利用される。本明細書に説明されるように、いくつかの実施形態は、シャドウマスクおよびドライエッチングプロセスを利用して、基板表面へのプラズマ密度を制御することによって達成されるある勾配深度プロファイルを伴う格子を製作する。本開示は、コンピュータビジョンおよび画像ディスプレイシステムにおける種々の用途に適用可能である。
【0005】
本発明のある実施形態によると、可変回折要素深度を伴う回折構造を製作する方法が、提供される。方法は、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第1の領域と、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率より小さい第2の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第2の領域とを有するシャドウマスクを提供することと、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることであって、基板は、回折構造に対応しているエッチングマスクを備えている、こととを含む。方法は、基板をエッチング液にさらすことと、基板をエッチングし、第1の深度を有する回折要素を第1の領域に隣接して形成することと、基板をエッチングし、第1の深度より小さい第2の深度を有する回折要素を第2の領域に隣接して形成することとも含む。
【0006】
本発明の別の実施形態によると、マスタ基板を製作する方法が、提供される。方法は、少なくとも第1の方向における第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる第1の領域と、少なくとも第2の方向における第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる第2の領域とを有するシャドウマスクを提供することを含む。方法は、回折特徴によって特徴付けられるエッチングマスクと、第1の露出領域と、第2の露出領域とを有する基板を提供することをも含む。方法は、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることをさらに含む。第1の領域は、最初に、露出領域と整列させられ、第2の領域は、第2の露出領域と整列させられる。加えて、方法は、基板をプラズマエッチングプロセスにさらすことと、第1の回折要素を第1の領域に隣接してエッチングすることとを含む。第1の回折要素は、少なくとも第1の方向における第1の勾配深度プロファイルによって特徴付けられる。さらに、方法は、第2の回折要素を第2の領域に隣接してエッチングすることを含む。第2の回折要素は、少なくとも第2の方向における第2の勾配深度プロファイルによって特徴付けられる。
【0007】
本発明の具体的実施形態によると、可変厚材料を堆積させる方法が、提供される。方法は、基板を提供することと、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第1の領域と、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率より小さい第2の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第2の領域とを有するシャドウマスクを提供することとを含む。方法は、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることと、プラズマ堆積プロセスを基板に対して実施し、可変厚材料を堆積させることとも含む。第1の領域に隣接した層厚は、第2の領域に隣接した層厚より大きい。
【0008】
ある実施形態では、基板は、回折格子を含み得る回折構造を含む成長表面を備えている。可変厚材料は、形状適合層を含むことができる。別の実施形態では、シャドウマスクは、複数の開口と、複数の開口と平行な表面とを備え、基板は、堆積表面を備え、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることは、シャドウマスクの表面を堆積表面と平行に設置することを含む。シャドウマスクは、2つの方向における開口周期性に対する開口寸法の可変比率によって特徴付けられることができる。さらに、ある実施形態では、基板は、複数の回折要素を含む均一回折構造を備え、可変厚材料は、第1の領域における1の回折要素深度と、第2の領域における1の回折要素深度より小さい第2の回折要素深度とによって特徴付けられる。さらに、別の実施形態では、基板は、複数の回折要素を含む均一回折構造を備え、可変厚材料は、第1の領域における1の回折要素幅と、第2の領域における1の回折要素幅より小さい第2の回折要素幅とによって特徴付けられる。
【0009】
本発明の別の具体的実施形態によると、マスタ基板を製作する方法が、提供される。方法は、少なくとも第1の方向における第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる第1の領域と、少なくとも第2の方向における第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる第2の領域とを有するシャドウマスクを提供することを含む。方法は、回折特徴によって特徴付けられるマスクと、第1の露出領域と、第2の露出領域とを有する基板を提供することも含む。方法は、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることも含む。第1の領域は、第1の露出領域と整列させられ、第2の領域は、第2の露出領域と整列させられる。さらに、方法は、基板をプラズマコーティングまたは堆積プロセスのうちの少なくとも1つにさらすことと、第1の回折要素を第1の領域に隣接してコーティングすることとを含む。第1の回折要素は、少なくとも第1の方向における第1の勾配深度および第1の線幅プロファイルによって特徴付けられる。方法は、第2の回折要素を第2の領域に隣接してコーティングすることも含む。第2の回折要素は、少なくとも第2の方向における第2の勾配深度および第2の線幅プロファイルによって特徴付けられる。
【0010】
ある実施形態では、第1の勾配深度は、第2の勾配深度より大きい。別の実施形態では、第1の線幅プロファイルは、第1の幅によって特徴付けられ、第2の線幅プロファイルは、第1の幅より小さい第2の幅によって特徴付けられる。
【0011】
多数の利点が、従来の技法に優る本開示の方法によって達成される。例えば、本発明の実施形態は、エッチングおよび/または堆積システムのために現在利用されているプラズマベースのシステムおよびツール類を、標的表面の近傍におけるプラズマ密度/エネルギーの制御された変動を含むプラズマ密度/エネルギーの改良された制御を達成するように適合させる方法およびシステムを提供する。加えて、実施形態は、プラズマ密度、ガスフロー等に起因して、可変レベルの非均一性を有するシステムを含む現在のシステムのためのプラズマ増強エッチングまたは堆積の均一性を改良する。さらに、本発明の実施形態は、低減させられたシステム複雑性によって特徴付けられ、接触ベースのナノリソグラフィおよびマイクロリソグラフィプロセスのための段階的なパターンテンプレートを製作するより低いコストを提供する。容易に利用可能な材料およびシステムを利用することによって、本発明の実施形態は、プラズマ密度/エネルギーを制御された方式において変動させるために使用され得るマスク/テンプレートおよび材料の製作を可能にする。加えて、実施形態は、段階的に変化する深度を伴うナノ/マイクロ構造を生産することができる。本明細書に説明されるシャドウマスクを利用することによって、可変深度構造が、単一エッチングステップを用いて達成され、複数のリソグラフィ-エッチングプロセスを回避し、それによって、時間およびコストの両方を節約することができる。本開示のこれらおよび他の実施形態は、その利点および特徴の多くとともに、以下の文章および添付の図と併せてより詳細に説明される。
例えば、本発明は、以下を提供する、
(項目1)
可変回折要素深度を伴う回折構造を製作する方法であって、前記方法は、
第1の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第1の領域と、前記第1の開口周期性に対する開口寸法の比率より小さい第2の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第2の領域とを有するシャドウマスクを提供することと、
前記シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることであって、前記基板は、前記回折構造に対応しているエッチングマスクを備えている、ことと、
前記基板をエッチング液にさらすことと、
前記基板をエッチングし、第1の深度を有する回折要素を前記第1の領域に隣接して形成することと、
前記基板をエッチングし、前記第1の深度より小さい第2の深度を有する回折要素を前記第2の領域に隣接して形成することと
を含む、方法。
(項目2)
前記第1の開口周期性に対する開口寸法の比率および前記第2の開口周期性に対する開口寸法の比率は、前記第2の領域における2の開口寸法より大きい前記第1の領域における1の開口寸法と、開口の一定中心間間隔とによって定義される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1の開口周期性に対する開口寸法の比率および前記第2の開口周期性に対する開口寸法の比率は、前記第1の領域における開口の第1の中心間間隔および前記第2の領域における開口の第2の中心間間隔と、一定開口寸法とによって定義される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記シャドウマスクは、前記シャドウマスクにわたって線形に変動する開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記回折構造は、回折格子を備え、前記回折要素は、格子歯を備えている、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記基板をエッチング液にさらすことは、プラズマエッチングプロセスを実施することを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記第1の領域における回折要素をエッチングし、前記第2の領域における回折要素をエッチングした後、前記エッチングマスクを除去することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
プラズマ増強コーティングプロセスを前記基板に対して実施することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記基板は、シリコン基板を備えている、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記第1の深度および前記第2の深度は、約10nm~約150nmに及ぶ、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記回折要素は、非線形に変動する、項目1に記載の方法。
(項目12)
マスタ基板を製作する方法であって、前記方法は、
シャドウマスクを提供することであって、前記シャドウマスクは、
少なくとも第1の方向における第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる第1の領域と、
少なくとも第2の方向における第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる第2の領域と
を有する、ことと、
基板を提供することであって、前記基板は、
回折特徴によって特徴付けられるエッチングマスクと、
第1の露出領域と、
第2の露出領域と
を有する、ことと、
前記シャドウマスクを前記基板に隣接して位置付けることであって、前記第1の領域は、前記第1の露出領域と整列させられ、前記第2の領域は、前記第2の露出領域と整列させられる、ことと、
前記基板をプラズマエッチングプロセスにさらすことと、
第1の回折要素を前記第1の領域に隣接してエッチングすることであって、前記第1の回折要素は、前記少なくとも第1の方向における第1の勾配深度プロファイルによって特徴付けられる、ことと、
第2の回折要素を前記第2の領域に隣接してエッチングすることであって、前記第2の回折要素は、前記少なくとも第2の方向における第2の勾配深度プロファイルによって特徴付けられる、ことと
を含む、方法。
(項目13)
前記第1の領域は、少なくとも前記第1の方向に直交する方向における第3の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によってさらに特徴付けられ、
前記第2の領域は、少なくとも前記第2の方向に直交する方向における第4の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によってさらに特徴付けられ、
前記第1の回折要素は、前記第1の方向に直交する前記方向における第3の勾配深度プロファイルによってさらに特徴付けられ、
前記第2の回折要素は、前記第2の方向に直交する前記方向における第4の勾配深度プロファイルによってさらに特徴付けられる、
項目12に記載の方法。
(項目14)
前記第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、前記第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率と等しく、
前記第1の方向および前記第2の方向は、同一方向である、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、開口の一定中心間間隔と、前記第1の方向に沿った段階的な開口寸法とによって定義され、
前記第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、開口の一定中心間間隔と、前記第2の方向に沿った段階的な開口寸法とによって定義される、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、前記第1の方向に沿った一定開口寸法と、開口の段階的な中心間間隔とによって定義され、
前記第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、前記第2の方向に沿った一定開口寸法と、開口の段階的な中心間間隔とによって定義される、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記第1の回折要素および前記第2の回折要素は、格子歯を備えている、項目12に記載の方法。
(項目18)
前記第1の回折要素を前記第1の領域に隣接してエッチングし、前記第2の回折要素を前記第2の領域に隣接してエッチングした後、前記エッチングマスクを除去することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目19)
前記基板は、シリコン基板を備えている、項目12に記載の方法。
(項目20)
前記第1の勾配深度プロファイルは、深度において約5nm~約150nmに及び、
前記第2の勾配深度プロファイルは、深度において約5nm~約150nm及ぶ、項目12に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A図1Aは、本明細書に説明されるある実施形態によるデジタルまたは仮想画像を視認者に提示するために使用され得る視認光学アセンブリ(VOA)内の光経路を図式的に図示する。
【0013】
図1B図1Bは、本発明のある実施形態による回折構造の簡略化された断面図である。
【0014】
図2図2は、本発明のある実施形態によるシャドウマスクを使用する可変深度エッチングを図示する簡略化された断面略図である。
【0015】
図3A図3Aは、本発明のある実施形態による基板および例示的シャドウマスク特徴の簡略化された平面図である。
【0016】
図3B図3Bは、本発明のある実施形態による図3Aに図示される領域の一部の拡大図である。
【0017】
図3C図3Cは、本発明の別の実施形態における図3Aに図示される領域の一部の拡大図である。
【0018】
図4A図4Aは、本発明のある実施形態による可変高格子構造を含む接眼レンズの一部を示す画像である。
【0019】
図4B図4B-4Dは、図4Aに示される3つの測定場所における格子歯のSEM断面の例証である。
図4C図4B-4Dは、図4Aに示される3つの測定場所における格子歯のSEM断面の例証である。
図4D図4B-4Dは、図4Aに示される3つの測定場所における格子歯のSEM断面の例証である。
【0020】
図4E図4Eは、図4Aに図示される接眼レンズの縁からの距離の関数として格子エッチング深度を図示するプロットである。
【0021】
図5A図5A-5Cは、従来の技法を使用して製作される回折構造を図示する平面略図である。
図5B図5A-5Cは、従来の技法を使用して製作される回折構造を図示する平面略図である。
図5C図5A-5Cは、従来の技法を使用して製作される回折構造を図示する平面略図である。
【0022】
図5D図5D-5Fは、本発明の実施形態に従って製作される1次元または2次元輪郭を伴う回折構造を図示する平面略図である。
図5E図5D-5Fは、本発明の実施形態に従って製作される1次元または2次元輪郭を伴う回折構造を図示する平面略図である。
図5F図5D-5Fは、本発明の実施形態に従って製作される1次元または2次元輪郭を伴う回折構造を図示する平面略図である。
【0023】
図6A図6Aは、本発明のある実施形態による格子高勾配を伴う回折構造の簡略化された断面図である。
【0024】
図6B図6Bは、本発明のある実施形態による可変分注体積を伴うデジタル分注パターンを図示する簡略化された平面図である。
【0025】
図6C図6Cは、本発明のある実施形態による混成された界面領域を伴う図6Aに図示される回折構造の簡略化された断面図である。
【0026】
図7図7は、本発明のある実施形態によるシャドウマスクを製作する方法を図示する簡略化されたプロセスフロー図を図示する。
【0027】
図8図8は、本発明のある実施形態による可変深度回折要素を伴う基板を生産するためのシャドウマスクマスタの使用を図示する簡略化された略図である。
【0028】
図9図9は、本発明のある実施形態による可変厚堆積層を図示する簡略化された断面略図である。
【0029】
図10図10は、本発明のある実施形態による可変回折要素深度を伴う回折構造を製作する方法を例証するフローチャートである。
【0030】
図11図11は、本発明のある実施形態によるマスタ基板を製作する方法を例証するフローチャートである。
【0031】
図12図12は、本発明のある実施形態による可変厚材料を堆積させる方法を例証するフローチャートである。
【0032】
図13図13は、本発明のある実施形態によるマスタ基板を製作する方法を例証するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
いくつかの従来の回折ベースの導波管光学ディスプレイでは、固定高のナノ/マイクロ格子パターンが、利用される。しかしながら、光が格子パターンと相互作用するときの光の入射角に応じて、ユーザの眼に向かって外部結合される光強度は、大きく変動し得る。例えば、光強度は、近視野および/または遠視野画像内でユーザの視野にわたって測定されるとき、非均一であり得る。
【0034】
本発明の実施形態は、位置の関数として変動する回折要素深度(例えば、格子深度)、例えば、徐々に変動する回折要素深度を伴う導波管構造の利用を通して、画像強度における非均一性を減少させることによって、ユーザ体験を改良する。これらのナノスケール調節は、回折効率を効果的に調整し、より均一なビューをユーザのために提供する。
【0035】
図1Aは、一実施形態によるデジタルまたは仮想画像を視認者に提示するために使用され得る視認光学アセンブリ(VOA)における光経路を図式的に図示する。VOAは、視認者によって装着され得るプロジェクタ101と、接眼レンズ100とを含む。いくつかの実施形態では、プロジェクタ101は、赤色LEDのグループと、緑色LEDのグループと、青色LEDのグループとを含み得る。例えば、プロジェクタ101は、2つの赤色LEDと、2つの緑色LEDと、2つの青色LEDとを含み得る。接眼レンズ100は、1つ以上の接眼レンズ層を含み得る。一実施形態では、接眼レンズ100は、3つの接眼レンズ層を含み、1つの接眼レンズ層が、3つの原色、赤色、緑色、および青色の各々のためである。別の実施形態では、接眼レンズ100は、6つの接眼レンズ層を含み得、1つの接眼レンズ層の組が、仮想画像を1つの深度平面に形成するために構成された3つの原色の各々のためであり、別の接眼レンズ層の組が、仮想画像を別の深度平面に形成するために構成された3つの原色の各々のためである。さらに別の実施形態では、接眼レンズ100は、3つ以上の異なる深度平面のための3つの原色の各々のための3つ以上の接眼レンズ層を含み得る。各接眼レンズ層は、平面導波管を含み、内部結合格子(ICG)107と、直交瞳エクスパンダ(OPE)領域108と、射出瞳エクスパンダ(EPE)領域109とを含む。
【0036】
プロジェクタ101は、画像光を接眼レンズ100内のICG107上に投影する。ICG107は、プロジェクタ101からの画像光を平面導波管の中に結合し、それをOPE領域108に向かう方向に伝搬する。導波管は、全内部反射(TIR)によって、画像光を水平方向に伝搬する。OPE領域108は、導波管内を伝搬するICG107からの画像光を増大させ、EPE領域109に向け直す回折要素を含む。言い換えると、OPE領域108は、ビームレットをEPEの異なる部分に送達される直交方向に増大させる。EPE領域109は、導波管内を伝搬する画像光の一部を外部結合し、視認者の眼102に向ける回折要素を含む。この方式で、プロジェクタ101によって投影された画像は、視認者の眼102によって視認され得る。
【0037】
上で説明されるように、プロジェクタ101によって生成された画像光は、3つの原色、すなわち、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R)の光を含み得る。そのような画像光は、各構成色における画像光が、接眼レンズ内のそれぞれの導波管に結合され得るように、構成色に分離されることができる。本開示の実施形態は、図示されるプロジェクタの使用に限定されず、他のタイプのプロジェクタも、本開示の種々の実施形態において利用されることができる。
【0038】
プロジェクタ101は、LED光源103と、シリコン上液晶(LCOS)空間光変調器(SLM)104とを含むが、本開示の実施形態は、このプロジェクタ技術に限定されず、ファイバ走査プロジェクタ、変形可能ミラーデバイス、微小機械スキャナ、LEDではなくレーザ光源の使用、正面照明型設計を含む光学系、導波管、およびビームスプリッタの他の配列等を含む他のプロジェクタ技術も含むことができる。
【0039】
いくつかの接眼レンズ層では、格子構造は、空間的に均質な回折効率および光学位相を格子構造の全表面に有することができる。図1Aに図示されるようなOPEの場合、この不変性は、基板が実質的に平坦である場合、コヒーレントアーチファクトにつながり得る。これらのコヒーレントアーチファクトは、光がOPE格子領域内で辿り得る複数の伝搬経路に関連する干渉効果から生じ、それは、格子領域の出口において強く変調された出力強度として現れ得る。これらの変調は、多くの場合、「条線」と称される暗い帯域を接眼レンズによって生産された出力画像内に生産し、それは、観察位置が変化させられるにつれて、異なる角度に関して生じる。加えて、回折効率における不変性は、格子構造の中への伝搬距離の関数として、出力強度を指数関数的に減少させる結果をもたらし得る。
【0040】
故に、本発明の実施形態は、回折効率を位置の関数として変動させ、これらの干渉効果を低減または排除することによって、これらおよび他の画像アーチファクトを低減させる。本明細書に説明されるように、結合効率とも称される回折効率の変動は、格子高を位置の関数として修正することによって達成されることができ、それは、所望されるような回折効率の変動をもたらす。例えば、OPE内の格子高の可変分布は、光学位相を乱し、OPE内の全ての可能な光学経路間のコヒーレンスが低減させられるので、出力画像の干渉ベースの画像アーチファクトを低減させるであろう。さらに、EPE内の格子の高さの段階的な変動は、出力画像内の視野にわたる増加させられた明度均一性および異なる眼位置にわたる明度均一性をもたらし、それによって、光が格子を通して伝搬するときの位置の関数としての強度低下(均一回折効率構造の特性である)を防止するであろう。
【0041】
図1Bは、本発明のある実施形態による回折構造の簡略化された断面図である。図1Bに図示されるように、回折要素(すなわち、格子歯)は、x-軸に沿って測定された位置の関数としての可変深度/高によって特徴付けられる。上で議論されるように、図1Bに図示されるような回折構造が、図1Aに図示される接眼レンズのEPE区分において利用される場合、従来の格子を使用すると、位置に伴って低下し得る位置の関数として外部結合される光の強度は、増加させられた均一性によって特徴付けられ、ユーザの体験を改良することができる。
【0042】
格子構造が、テンプレートを使用して製作される場合、図1Bに図示される格子深度のグラデーションは、テンプレートエッチングプロセス中、インプリントされた導波管のためにテンプレートにおいて選択的に調整されることができる。格子構造が、直接製作される場合、格子深度のグラデーションは、本明細書に説明される方法およびシステムを使用して、製作中(例えば、エッチング中)、選択的に調整されることができる。ある実施形態では、可変格子深度を伴う構造(すなわち、深度は、基板の平面表面160に対して測定される)は、可変高を伴う格子を含むであろうコピーをインプリントするためのマスタとして使用される。当然ながら、マスタが可変格子高を有する他の設計(すなわち、高さが、格子歯の底部と整列させられた傾けられた平面に対して測定される)も、利用されることができる。
【0043】
本発明の実施形態は、近視野および遠視野画像均一性の両方に対処しない従来のアプローチにおいて観察される問題を克服する。加えて、マルチステップエッチングまたは電子ビームリソグラフィ後にエッチングを使用して製作され得るステップベースの(すなわち、デジタル)変動アプローチを含む従来のアプローチでは、ステップベースの変動は、異なるサイズのステップ間のデジタルステップおよび/または鮮明な境界の結果、散乱をもたらす。本発明の実施形態を使用することによって、位置の関数としての回折要素の深度の所定のアナログ変動が、格子深度における従来のステップベースの変動から利用可能ではない利点とともに達成される。上で説明されるように、本明細書に説明される方法およびシステムは、格子結合係数が位置の関数として変動し、明度均一性およびユーザ体験を改良することを可能にする。
【0044】
図2は、本発明のある実施形態によるシャドウマスクを使用した可変深度エッチングを図示する簡略化された断面略図である。図2では、シャドウマスク210が、基板205に近接して設置され、基板205上で、エッチングマスク207は、パターン化されている。エッチングマスク207は、ハードマスクと称され得る。いくつかの実施形態では、開口があるシャドウマスクの平面は、基板の上部表面と平行に位置付けられ、シャドウマスクとエッチングマスクの上部表面との間の距離Dは、約100μm~数センチメートル、例えば、約1mmに及ぶことができる。プラズマ220が、シャドウマスク210を通過し、基板205のエッチングが、エッチングマスク207によって被覆されない基板の部分に生じる。エッチングマスク207の寸法は、典型的に、約サブミクロンの幾何学形状であろうことを理解されたい。故に、図2は、開口間の中心間隔および開口寸法が、エッチングマスク寸法より数桁大きいので、正確な縮尺で描かれていない。
【0045】
シャドウマスク210は、x-方向の関数として寸法が変動する開口212、214、216、および218を有するように製作されている。図2に示される例に図示されるように、開口212は、30μmの幅を有し、開口214は、60μmの幅を有し、開口216は、90μmの幅を有し、開口218は、120μmの幅を有する。この例では、開口の中心間間隔215は、150μmであるが、それは、本発明によって要求されず、開口と開口幅との間の他の間隔も、利用されることができる。可変開口寸法の結果、基板表面に到達するプラズマ密度は、基板にわたって変動し、より高いプラズマ密度は、より広い開口218に隣接し、より低いプラズマ密度は、より狭い開口212に隣接する。プラズマ密度は、拡散プロセスによって影響されるであろう。その結果、開口は、異なる寸法を有するが、x-方向およびy-方向におけるプラズマの拡散は、基板表面にわたる位置の関数としてのプラズマ密度のほぼ連続した変動をもたらすであろう。4つの開口212-218が、位置の関数としての可変サイズ開口を例示するために図示されるが、本発明は、この少数の開口に限定されないことが当業者に明白であろう。むしろ、それぞれ小量ずつ変動する多数の開口が、幅の増加に伴って、一連の開口を提供するために使用され、例えば、150μm中心の約65個の開口が、開口を幅30μm~120μmで変動させるために使用され得、それは、約ミクロンの開口間幅の増加を有し得る。図2では、マスク周期性に関連した開口サイズの変動は、位置の関数として(すなわち、x-方向に)線形であるが、それは、本発明によって要求されない。他の実装では、位置に伴う変動は、非線形である。エッチング表面におけるプラズマの密度は、シャドウマスクにおける開口のサイズおよび間隔の関数であるので、開口間の等間隔を伴う可変サイズの開口を利用することに加え、他の実施形態は、等サイズ開口を伴う開口間の間隔を変動させることができる。さらに、開口サイズおよび間隔の両方が、マスク面積に対する開口の所望の比率、および基板表面における結果として生じる所望のプラズマ密度を達成するために変動させられることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0046】
当業者に明白であろうように、格子深度に影響を及ぼす、化学/物理エッチングレートは、基板表面に到達するプラズマ密度の関数である。したがって、図2に図示されるように、より広い開口218に隣接した格子深度Hは、より狭い開口212に隣接した格子深度Hより大きい。故に、本発明の実施形態は、シャドウマスクを利用して、位置の関数として可変プラズマ密度を生成し、それは、基板にわたる位置の関数として回折要素深度/高の段階的またはアナログ変動であり得る変動をもたらす。回折要素(例えば、格子歯)のエッチングした後、エッチングマスク207は、除去されることができる。
【0047】
単一方向(すなわち、x-方向)における変動が、図2に図示されるが、本発明の実施形態は、この例に限定されず、2次元(例えば、x-方向およびy-方向の両方)における変動が、本発明の範囲内に含まれる。さらに、図2は、左から右に略線形に増加する格子深度を示すが、格子深度が、別の所定の様式で変動し、所望の深度プロファイルを達成することも可能である。例えば、格子深度は、線形減少、線形増加、非線形に、正弦曲線状に、可変深度(例えば、深い格子の後に、より浅い格子が続き、その後に、より深い格子が続く、または任意の特定のパターン)を伴って等において変動し得る。いくつかの実施形態では、これらの可変格子深度プロファイルは、格子を作成するために使用されるシャドウマスクの開口の間隔によって、および/または格子を作成するために使用されるエッチング液のエッチングレートによって制御され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0048】
さらに、図2は、回折要素のためのハードマスクが、パターン化され、次いで、シャドウマスクが、利用され、可変深度の回折要素を形成する構造を図示するが、それは、本発明によって要求されない。他の実施形態は、回折要素(例えば、均一格子パターン)が、形成され、ハードマスクが、除去され、シャドウマスクが、次いで、回折要素の一部を選択的に除去し、可変高を伴う回折構造を形成するために使用されるプロセスフローを利用することができる。エッチングマスクは、可変深度が所望される実施形態において利用されることができる。加えて、周期的回折格子構造が、図2では、例証的例として、エッチングマスク207によって画定されるが、これは、本発明によって要求されず、(円形、多角形等を含む異なる断面形状の)柱または孔、断続格子、正弦波状線および空間、線分等を含む他のナノ構造も、本発明の範囲内に含まれる。
【0049】
シャドウマスクは、プラズマエッチング環境において耐エッチング性であり、機械的剛性を提供する種々の材料を使用して製作されることができる。例えば、シャドウマスクは、フォトリソグラフィを使用してパターン化され、次いで、エッチングされ、ウエハ表面にわたって可変サイズ開口部を提供するシリコンウエハを使用して製作されることができる。シリコンウエハの一部のレーザアブレーションも、シャドウマスクを製作するために使用されることができる。ステンレス鋼メッシュまたは陽極酸化アルミニウムメッシュも、形成され、シャドウマスクとして使用されることができる。加えて、例えば、Al、SiO、ZnO、TiO、Au、Ag、Cu、Pt、Ir等を含む保護コーティングが、メッシュ(例えば、シリコン)の上に形成され、エッチングに好ましくない材料を保護することができる。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態は、ドライエッチングプロセス中の使用に関連して議論されるが、本発明の実施形態は、他のプラズマエッチングプロセスを含むエッチング/成長環境の拡散制御が、利用され、製作プロセスを位置の関数として変動させる、様々な半導体製作プロセスに適用可能である。さらなる例として、本発明の実施形態は、可変高の特徴を形成するプラズマ堆積(例えば、スパッタ、化学蒸着(CVD)、低圧CVD(LP-CVD)、プラズマ増強CVD(PECVD)等)、金属支援化学エッチングを含むウェットエッチングプロセス、表面における前駆体濃度または化学種の濃度が堆積/エッチングレートに影響を及ぼす他の製作プロセス等に適用可能である。
【0051】
図3Aは、本発明のある実施形態による基板および例示的シャドウマスク特徴の簡略化された平面図である。図3Aに図示される例示的シャドウマスク310は、x、y位置の関数としての異なる開口サイズがエッチング深度を変動させるために使用され得る方法を図示し、図示される具体的開口は、本発明の実施形態を限定するものではない。図3Aでは、シャドウマスク310の3つの異なる領域、小開口を伴う第1の領域312、中間開口を伴う第2の領域314、および大開口を伴う第3の領域316が、図示される。
【0052】
図3Aに図示される例示的シャドウマスク310では、開口周期性とも称される開口間の中心間間隔は、150μmであるが、それは、単に、例示的である。シャドウマスクにおける開口が正方形として図示されるが、これは、単に、例示的であり、長方形、多角形、円形、卵形等を含む他の開口幾何学形状も、利用されることができる。開口は、数ミクロン(例えば、10μm)~数ミリメートルの寸法の範囲であることができ、シャドウマスクの厚さは、1μm~数ミリメートルに及ぶことができる。図3Aを参照すると、図示されるシャドウマスクは、80μm厚であり、150μmの開口間の中心間間隔(すなわち、開口周期性)と、30μm~120μm内のサイズに及ぶ開口寸法とを有する。シャドウマスクの異なる領域は、直交瞳エクスパンダ322および射出瞳エクスパンダ324を含む異なる光学構造に関連付けられることができる。例えば、シャドウマスクの1つ以上の領域は、1つ以上の光学構造に関連付けられることができる。
【0053】
図3Aを参照すると、シャドウマスクの各領域は、開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられることができる。x-方向およびy-方向における等寸法を有する開口(すなわち、正方形または円形開口)に関して、開口周期性に対する開口寸法の比率は、x-方向およびy-方向の両方において等しくあり得るが、それは、本発明によって要求されず、比率は、異なる方向において異なり得る。領域312は、小開口サイズであるので、開口周期性に対する開口寸法の低比率を有する一方、対照的に、領域316は、領域312と316との間の一定開口周期性(すなわち、開口間の一定中心間間隔)を前提として、開口周期性に対する開口寸法のより高い比率を有する。開口周期性に対する開口寸法の比率は、領域312、314、および316の各々において均一として図示されるが、それは、単に、例示的であり、比率は、例えば、サイズが徐々に変化させられるにつれて、各領域内および領域間で変動し得ることを理解されたい。
【0054】
図3Bは、本発明のある実施形態による領域312および316の一部の拡大図である。いくつかの実施形態では、例えば、図3Bに示されるように、1つの領域における開口寸法(例えば、領域316a内のx)は、第2の領域における開口寸法(例えば、領域312a内のx)より大きく、開口の中心間間隔(例えば、領域316aおよび312a内のp)は、一定であり、それによって、比率の変動(例えば、領域316a内のRおよび領域312a内のR)を提供する。図3Cは、本発明の別の実施形態における領域312および316の一部の拡大図である。図3Cに図示される実施形態では、第1の領域における開口の中心間間隔(例えば、領域316b内のp)は、第2の領域における開口の中心間間隔(例えば、領域312b内のp)より小さく、領域の両方内の開口寸法(例えば、領域316bおよび312b内のx)は、一定であり、それによって、比率の変動(例えば、領域316b内のR1および領域312b内のR)を提供する。接眼レンズの異なる部分では、比率は、特定の用途の必要に応じて変動し得る。例として、図3では、直交瞳エクスパンダ322は、開口寸法または周期性における変動を殆どまたは全く有しておらず、したがって、y-方向に一定比率を有するが、負のx-方向における開口寸法と開口間隔の比率を増加させる。他方では、射出瞳エクスパンダ324は、実質的に線形な変動をy-方向に有するが、x-方向における変動を殆どまたは全く有していない。
【0055】
図3Aは、シャドウマスクの領域を別々の要素として図示するが、これらの別々の領域は、サイズにおいて領域312から領域316に徐々に増加する開口を有する連続的に変動するシャドウマスクの区分を示すためのみに使用されていることを理解されたい。開口サイズが、増大するとき、それは、シャドウマスク製作中に制御され、シャドウマスク310の領域312に対応する基板表面におけるプラズマ密度は、シャドウマスク310の領域316に対応するエリアにおける基板表面におけるプラズマ密度より小さいであろう。故に、領域316に対応する基板エリアのエッチングレートは、領域312に対応する基板エリアのエッチングレートより高く、位置の関数としての可変格子深度および可変結合係数を伴う回折要素の形成を可能にするであろう。したがって、プラズマ密度が位置の関数として調整されることを可能にする、可変サイズ開口を伴うシャドウマスクは、位置の関数としてのエッチング深度の調整をもたらす。したがって、別々の領域312、314、および316の図3Aにおける例証は、単に、開口サイズが、シャドウマスクにわたって変動し(例えば、徐々に)、位置の関数としての可変プラズマ密度の結果、基板上の位置の関数としてのエッチングレートおよび格子深度の変動を可能にすることを図示するためのものである。
【0056】
図4Aは、本発明のある実施形態による可変高格子構造を含む接眼レンズの一部を示す画像である。図4Aに図示されるように、3つの測定場所、410、412、および414が、示される。図4B-4Dは、それぞれ、図4Aに示される3つの測定場所410、412、および414における格子歯のSEM断面の例証である。図4Eは、図4Aに図示される接眼レンズの縁405からの距離の関数として、格子エッチング深度を図示するプロットである。
【0057】
図4B-4Dを参照すると、格子エッチング深度が、接眼レンズにわたって3つの場所において測定される。本明細書に説明されるシャドウマスク技法を使用することによって、アナログの段階的勾配回折構造が、製作される。エッチング深度における勾配は、図4A-4Eでは、1つの次元勾配を伴うシリコンウエハに関して図示されるが、それは、単に、例であり、2次元構造を含む他の勾配構造が、他の材料において製作されることができることを理解されたい。
【0058】
図4A-4Dに図示される構造を製作するために、シリコンウエハ上に熱的に成長させられたSiOのエッチングマスクが、最初に、格子歯を製作するためのシャドウマスクを伴わずに、エッチングされた。次いで、開口寸法における1次元変動を伴うシャドウマスクが、シリコンウエハ表面から2mmに位置付けられ、シリコンウエハが、エッチングされた。格子エッチングの深度は、接眼レンズの縁405からの距離に対して測定された。場所410では、約60nmの格子深度dが、図4Bに図示されるように生産され、場所412では、約78nmの格子深度dが、図4Cに図示されるように生産され、場所414では、約100nmの格子深度dが、図4Dに図示されるように生産された。距離に伴った格子エッチング深度の変動は、図4Eに図示され、格子深度は、接眼レンズの35mmサイズにわたって、約60nm~約110nmに及ぶ。本発明の実施形態は、概して、接眼レンズにわたって可視のステップまたは線を生産する、従来の技法とは対照的に、位置に伴って実質的に段階的な格子深度変動を提供する。したがって、本発明の実施形態は、ユーザの眼に表示される仮想画像内の平滑近視野および遠視野画像を可能にする。
【0059】
図1に図示される1次元変動に加え、本発明の実施形態は、2次元変動を伴うシャドウマスクを利用して、2D輪郭のための格子深度/高の混成された段階的変化によって特徴付けられる構造を製作することができる。図5A-5Cは、従来の技法を使用して製作される回折構造を図示する平面略図である。図5D-5Fは、本発明の実施形態に従って製作される1次元または2次元輪郭を伴う回折構造を図示する平面略図である。シャドウマスクにおける開口のサイズ、デューティーサイクル(すなわち、ピッチ)を制御することによって、1次元または2次元のいずれかのパターンが、所定のエッチング深度勾配を伴って製作されることができる。1次元ステップ輪郭等の従来の技法と比較して、困難である2次元輪郭が、本発明の実施形態によって可能にされる。したがって、本明細書に説明されるシャドウマスク技法は、2次元輪郭またはシャドウマスク開口分布に基づく具体的設計への調整のみを可能にするだけではなく、従来の技法を使用して利用不可能である所定の勾配プロファイルを達成するために境界を混成することができる。
【0060】
図5A-5Cを参照すると、マルチステップリソグラフィ/エッチングを含む従来の技法を使用して製作される1次元(図5A)、2次元(図5B)、および円形(図5C)輪郭が、図示される。より暗いグレーエリアは、より深いエッチングプロファイルに関連付けられ、より明るいグレーエリアは、より浅いエッチングプロファイルに関連付けられる。隣接する区分間のステップまたは境界は、明確に現れている。使用中、これらの明確に異なる境界を伴う回折構造は、遠視野および/または近視野画像強度における散乱または変動を境界において生産し、それによって、画質およびユーザ体験に悪影響を及ぼすであろう。これらの従来の結果とは対照的に、本発明の実施形態は、段階的様式において変動し、位置の関数として連続しているように見える勾配を提供する1次元(図5D)、2次元(図5E)、および円形(図5F)輪郭を提供する。
【0061】
図6Aは、本発明のある実施形態による格子高勾配を伴う回折構造の簡略化された断面図である。図6Bは、本発明のある実施形態による可変分注体積を伴うデジタル分注パターンを図示する簡略化された平面図である。図6Cは、本発明のある実施形態による混成された界面領域を伴う図6Aに図示される回折構造の簡略化された断面図である。
【0062】
図6Aを参照すると、回折構造は、本明細書に説明されるように、可変深度を伴う格子歯を含む。第2の次元における変動も含み得るこの構造は、本明細書に説明される技法を使用して、製作されることができる。いくつかの実施形態では、回折構造は、シリコン、SiO等において製作され、ナノインプリントリソグラフィプロセス、例えば、ジェットおよびフラッシュインプリントリソグラフィ(J-FIL)プロセスにおけるテンプレートとして使用されるであろう。図6Bに図示されるように、レジストパターンまたは他の好適な液体が、印刷ヘッドを介した液滴パターンを用いて、分注されることができ、それは、数百個のノズルを利用することができる。故に、分注パターンは、調整可能有限体積を伴う液滴を含むことができる。しかしながら、いくつかの実装では、液滴体積は、連続的に調節されることができない。図6Bでは、液体体積は、デジタル分注パターンにおいて分注され、所定の体積を区分620、622、624、および626の各々に伴う。例えば、液滴体積が、1pLである場合、区分620は、9pLの液体を有し、区分622は、16pLの液体を有し、区分624は、25pLの液体を有し、区分626は、36pLの液体を有するであろう。故に、各区分は、区分あたりの液滴体積および液滴の数の関数である所定の残留層厚(RLT)を有するであろう。初期分注が、完了された後、各区分内の異なる体積が、隣接する区分間にステップ630をたらすであろう。
【0063】
図6Cを参照すると、図6Aに示されるそれ等のアナログ勾配テンプレートを使用して、図6Bに示されるそれ等のパターン化された液滴の体積をインプリントすることによって形成され得る回折格子の断面が、示される。インプリント中、液体が、各区分内に拡散し、拡散によって区分を横断するので、区分縁の近傍のRLTは、断続的ではなく、図6Cに図示されるように、平滑に変動するであろう。故に、区分境界、例えば、境界632の縁における液体(例えば、レジスト)の拡散は、区分間の界面領域におけるRLTの混成をもたらすであろう。区分境界における平滑遷移の結果、境界における光学散乱は、別々の境界を伴う構造と比較して、低減させられるであろう。基板の基部に対して測定されるより浅いものからより深いものへの格子歯高の変動は、区分620から区分626に増加させられた液体体積に関係するであろう。
【0064】
図7は、本発明のある実施形態によるシャドウマスクを製作する方法を図示する簡略化されたプロセスフロー図を図示する。プロセスは、絶縁体上シリコン(SOI)基板から開始し、その上にクロムエッチングマスク層738が、堆積させられる(710)。SOI基板は、シリコンハンドルウエハ730と、埋設酸化物層732と、単結晶シリコン層734と、背面酸化物層736とを含む。シリコンシャドウマスクが、このプロセスフローに図示されるが、これは、本発明によって要求されず、SiO、金属、他の誘電性材料等を含む他の材料も、シャドウマスクとしての使用のために好適である。
【0065】
パターン化する層740が、クロム層738上に形成され、パターン化する層(例えば、フォトレジスト)は、所定の開口サイズを伴ってパターン化される(712)。下で説明されるように、位置の関数としてサイズにおいて変動する開口が、このプロセスステップにおいて画定される。パターン化されたパターン化する層を使用して、クロム層738が、例えば、ドライエッチングプロセスを使用して、エッチングされ、パターン化する層内のパターンをクロム層の中に転写し(714)、クロム層は、後続エッチングプロセスにおけるハードマスクとして使用されるであろう。
【0066】
単結晶シリコン層734のエッチングのために、パターン化されたクロム層742は、例えば、プラズマエッチング中、ハードマスクとしての役割を果たし、クロム層内のパターンは、単結晶シリコン層の中へのエッチング中、転写されるであろう(716)。プロセスステップ716に図示されるように、シリコンエッチングプロセスは、埋設酸化物層732に到達すると、終了される。
【0067】
シャドウマスクの側方寸法を画定するために、背面酸化物層736が、パターン化される(718)。この開口部は、次いで、埋設酸化物層732において終端する、深層エッチング(例えば、ドライエッチング)を使用して、シリコンハンドルウエハ730をエッチングするために使用される(720)。シリコンハンドルウエハの厚さ(例えば、約80μm~800μm、例えば、500μm)は、機械的強度および剛性をシャドウマスクに提供する。埋設酸化物層732は、次いで、除去され、グリッドまたはメッシュパターンを単結晶シリコン層734内に残す(722)。製作プロセスは、クロムハードマスクおよびパターン化する層の残りの部分を除去することによって完了される(724)。差込図750は、平面図において、プロセスステップ724に図示されるグリッドパターン内の開口を図示する。当業者に明白であろうように、開口の寸法は、シャドウマスクにわたって変動し、差込図750に図示される開口サイズの均一性は、開口サイズが、例えば、構造にわたってゆっくりと変化し得るので、シャドウマスクの一部を単に図示するためのものである。加えて、SOI基板が、図7に図示される例示的プロセスフローにおいて使用されるが、他の材料およびプロセスも、使用されることができ、本発明の範囲内に含まれる。
【0068】
例えば、ドライエッチングが、図7に図示されるが、他の実装は、シリコンが、KOHを使用して異方的にエッチングされ、孔をウエハ/シート上に生成シ得るウェットエッチングプロセスを利用する。他の金属および誘電性材料も、異方的または等方的にのいずれにおいても、ウェットエッチングされることができる。さらに、レーザ穿孔/アブレーションも、使用されることができ、例えば、レーザが、ミクロンより大きい桁の開口に適正なサブミクロン精度を伴って、孔をシリコン、金属、ガラス、または他の誘電性材料内に穿孔するために使用されることができる。加えて、金属支援化学ウェットエッチング(MaCe)プロセスも、使用されることができ、例えば、金(Au)が、シリコンウェットエッチングを補助し、異方性エッチングを生産するために使用されることができる。
【0069】
図8は、本発明のある実施形態による可変深度回折要素を伴う基板を生産するためのシャドウマスクマスタの使用を図示する簡略化された略図である。図8では、勾配デューティサイクル開口を伴うシャドウマスクマスタ805が、基板820に隣接して設置される。シャドウマスクマスタ805は、この例では、4つの領域812、814、816、および818を含み、それらの各々は、可変開口サイズを有し、勾配デューティサイクル開口を生産し、より明るい色は、図3Aに図示される領域316に類似するより大きいデューティサイクルを表し、より暗い色は、図3Aに図示される領域312に類似するより小さいデューティサイクルを表す。一例では、4つの異なる接眼レンズが、シャドウマスクマスタを使用してパターン化されることができる。
【0070】
基板820が、エッチングされ、マスタ基板830を形成する。図8に図示されるように、シャドウマスクマスタ805は、基板820に隣接して(例えば、その上部に)整列させられ、基板820は、レジストで概して保護され、シャドウマスクマスタ805における領域812、814、816、および818に対応する4つの領域822、824、826、および828において露出させられている。図8では、マスタ基板830上のより暗い領域は、より深いエッチング深度を表す。特定の開口サイズに調整し、シャドウマスクマスタ上のデューティサイクルを変動させることによって、標的エッチング深度勾配が、基板820の中にエッチングされ、多重場マスタ基板830を形成することができる。マスタ基板830は、次いで、高屈折率基板の上にインプリントするための、接触ベースのナノリソグラフィプロセス(例えば、J-FIL)のためのマスタテンプレートとして使用され、したがって、導波管として、または光学導波管として使用されるべき高屈折率層または基板を直接エッチングすることにおけるシャドウマスクとして使用されることができる。
【0071】
図9は、本発明のある実施形態による可変厚堆積層を図示する簡略化された断面略図である。図9では、シャドウマスク(図示せず)が、堆積プロセスに適用され、第1の領域における1の厚さtおよび第2の領域における2の厚さtを伴う徐々に変動する堆積層910を製作している。図9に図示されるように、より高い開口周期性に対する開口寸法の比率を伴うシャドウマスクの部分に隣接した領域内に堆積させられた層は、より低い開口周期性に対する開口寸法の比率を伴うシャドウマスクの部分に隣接した領域内に堆積させられた層より大きい厚さを有する。したがって、均一高の格子要素から開始して、本明細書に説明されるシャドウマスク技法は、位置の関数としての堆積層厚の変動の結果として、第1の領域における1の勾配深度および第2の領域における2の勾配深度によって特徴付けられる回折要素を形成するために有用である。さらに、図9に図示されるように、第1の領域における回折要素は、第2の領域内の線幅プロファイルwより広い、x-方向に測定された線幅プロファイルwによって特徴付けられる。その結果、本発明の実施形態によって提供される回折要素は、シャドウマスクの開口周期性に対する開口寸法の比率に関連する位置の関数としての深度および幅の両方の変動を含むことができる。
【0072】
例えば、大気プラズマ増強CVD(APPECVD)、スパッタ堆積および蒸発等の従来の物理的堆積プロセスを含む多数のプラズマ支援堆積プロセスが、本発明の実施形態を使用して、実装されることができる。その上に堆積させられる層が形成される基板に隣接するようなシャドウマスクの設置は、コーティング/堆積厚の変動をもたらし、類似開口ピッチに関して、より大きい開口を有するエリアは、より厚いコーティングでコーティングされる一方、より小さい開口を有するエリアは、より薄いコーティングでコーティングされる。故に、従来の堆積技法を使用して容易に生産されない、コーティング厚における勾配が、生産される。図9では、APPECVDまたはスパッタプロセスを使用して生産された形状適合コーティングが、回折格子または他の好適な回折構造であり得るナノパターンにわたって図示される。
【0073】
図10は、本発明のある実施形態による可変回折要素深度を伴う回折構造を製作する方法を例証するフローチャートである。方法は、ステップ1005において、シャドウマスクを提供することを含む。シャドウマスクは、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第1の領域と、第2の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第2の領域とを有し得る。第2の開口周期性に対する開口寸法の比率は、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率より小さくあり得る。いくつかの実施形態では、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率および第2の開口周期性に対する開口寸法の比率は、第2の領域における2の開口寸法より大きい第1の領域における1の開口寸法と、開口の一定中心間間隔とによって定義される。いくつかの実施形態では、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率および第2の開口周期性に対する開口寸法の比率は、第1の領域における開口の第1の中心間間隔および第2の領域における開口の第2の中心間間隔と、一定開口寸法とによって定義される。本明細書で使用されるように、開口周期性は、中心間開口間隔とも称され得る。
【0074】
方法は、ステップ1010において、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることをさらに含む。いくつかの実施形態では、シャドウマスクは、シャドウマスクにわたって線形に変動する開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる。シャドウマスクは、耐エッチング性材料を使用して製作され得、保護コーティングを含み、エッチングに好ましくない材料を保護し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、基板は、シリコン基板を備え得る。他の実施形態では、基板は、エッチングされ得る任意の好適な材料を備え得る。基板は、回折構造に対応しているエッチングマスクを備え得る。エッチングマスクは、本明細書では、ハードマスクとも称され得る。いくつかの実施形態では、回折構造は、回折格子を備え得、回折要素は、格子歯を備えている。
【0076】
方法は、ステップ1015において、基板をエッチング液にさらすことをさらに含む。いくつかの実施形態では、基板をエッチング液にさらすことは、プラズマエッチングプロセスを実施することを含み得る。例えば、プラズマは、シャドウマスクを通過し、エッチングマスクによって被覆されていない部分において、基板をエッチングし得る。他の実施形態では、基板のために選択された材料をエッチングすることが可能な任意の好適なエッチング液が、使用され得る。
【0077】
方法は、ステップ1020において、第1の領域に隣接して、基板をエッチングし、第1の深度を有するに回折要素を形成することをさらに含む。方法は、ステップ1025において、第2の領域に隣接して、基板をエッチングし、第1の深度より小さい第2の深度を有する回折要素を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、回折要素は、非線形に変動する。いくつかの実施形態では、第1の深度および第2の深度は、約10nm~約150nmに及び得る。第1および第2の深度は、シャドウマスクにおける可変サイズの開口に起因して変動し、より多いまたはより少ない量のエッチング液が基板と接触することを可能にし得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の領域における回折要素をエッチングし、第2の領域における回折要素をエッチングした後、エッチングマスクを除去することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、プラズマ増強コーティングプロセスを基板に対して実施することをさらに含む。
【0079】
図10に図示される具体的ステップは、本発明の別の実施形態による可変回折要素深度を伴う回折構造を製作する特定の方法を提供することを理解されたい。他の一続きのステップも、代替実施形態に従って実施され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概略されたステップを異なる順序で実施し得る。さらに、図10に図示される個々のステップは、個々のステップに適切な種々の一続きで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて、追加または除去され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0080】
図11は、本発明のある実施形態によるマスタ基板を製作する方法を例証するフローチャートである。方法は、ステップ1105において、第1の領域と、第2の領域とを有するシャドウマスクを提供することを含む。第1の領域は、少なくとも第1の方向における第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられ得る。第2の領域は、少なくとも第2の方向における第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられ得る。シャドウマスクは、任意の好適な耐エッチング性材料を備え得る。開口周期性は、本明細書では、中心間開口間隔とも称され得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率と等しく、第1の方向および第2の方向は、同一方向である。いくつかの実施形態では、第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、開口の一定中心間間隔と、第1の方向に沿った段階的な開口寸法とによって定義され得、第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、開口の一定中心間間隔と、第2の方向に沿った段階的な開口寸法とによって定義され得る。いくつかの実施形態では、第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、第1の方向に沿った一定開口寸法と、開口の段階的な中心間間隔とによって定義され得、第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率は、第2の方向に沿った一定開口寸法と、開口の段階的な中心間間隔とによって定義される。
【0082】
方法は、ステップ1110において、基板を提供することをさらに含む。基板は、回折特徴によって特徴付けられるエッチングマスクと、第1の露出領域と、第2の露出領域とを有し得る。エッチングマスクは、本明細書では、ハードマスクとも称され得る。いくつかの実施形態では、基板は、シリコン基板を備え得る。いくつかの実施形態では、基板は、任意の好適なエッチング可能材料を備え得る。
【0083】
方法は、ステップ1115において、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることをさらに含む。第1の領域は、第1の露出領域と整列させられ、第2の領域は、第2の露出領域と整列させられ得る。方法は、ステップ1120において、基板をプラズマエッチングプロセスにさらすことをさらに含む。このプロセスにより、プラズマは、エッチングマスクによって被覆されていない基板の部分において、シャドウマスクを通過し得る。
【0084】
方法は、ステップ1125において、第1の回折要素を第1の領域に隣接してエッチングすることをさらに含む。第1の回折要素は、少なくとも第1の方向における第1の勾配深度プロファイルによって特徴付けられ得る。方法は、ステップ1130において、第2の回折要素を第2の領域に隣接してエッチングすることをさらに含む。第2の回折要素は、少なくとも第2の方向における第2の勾配深度プロファイルによって特徴付けられ得る。第1の回折要素と第2の回折要素との間の異なる深度プロファイルは、プラズマエッチングプロセスにおいて使用されるシャドウマスクにおける可変サイズの開口から生じ得る。例えば、より大きい開口は、より多くのプラズマが基板と接触することを可能にし得る一方、より小さい開口は、より少ないプラズマが基板と接触することを可能にし得る。これは、可変プラズマ密度が表面に到達し、可変サイズおよび深度の回折要素を作成する結果をもたらし得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1の回折要素および第2の回折要素は、格子歯を備え得る。いくつかの実施形態では、方法は、第1の回折要素を第1の領域に隣接してエッチングし、第2の回折要素を第2の領域に隣接してエッチングした後、エッチングマスクを除去することをさらに含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1の領域は、少なくとも第1の方向に直交する方向における第3の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によってさらに特徴付けられ得、第2の領域は、少なくとも第2の方向に直交する方向における第4の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によってさらに特徴付けられ得、第1の回折要素は、少なくとも第1の方向に直交する方向における第3の勾配深度プロファイルによってさらに特徴付けられ、第2の回折要素は、少なくとも第2の方向に直交する方向における第4の勾配深度プロファイルによってさらに特徴付けられる。
【0087】
図11に図示される具体的ステップは、本発明の別の実施形態によるマスタ基板を製作する特定の方法を提供することを理解されたい。他の一続きのステップも、代替実施形態に従って実施され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概略されたステップを異なる順序で実施し得る。さらに、図11に図示される個々のステップは、個々のステップに適切な種々の一続きで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて、追加または除去され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0088】
図12は、本発明のある実施形態による可変厚材料を堆積させる方法を例証するフローチャートである。方法は、ステップ1205において、基板を提供することを含む。いくつかの実施形態では、基板は、回折構造を含む成長表面を備え得る。回折構造は、回折格子を備え得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、基板は、複数の回折要素を含む均一回折構造を備え得、可変厚材料は、第1の領域における1の回折要素深度と、第2の領域における1の回折要素深度より小さい第2の回折要素深度とによって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、基板は、複数の回折要素を含む均一回折構造を備え得、可変厚材料は、第1の領域における1の回折要素幅と、第2の領域における1の回折要素幅より小さい第2の回折要素幅とによって特徴付けられ得る。
【0090】
方法は、ステップ1210において、シャドウマスクを提供することをさらに含む。シャドウマスクは、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第1の領域と、第1の開口周期性に対する開口寸法の比率より小さい第2の開口周期性に対する開口寸法の比率を伴う第2の領域とを有し得る。いくつかの実施形態では、シャドウマスクは、2つの方向における開口周期性に対する開口寸法の可変比率によって特徴付けられ得る。
【0091】
方法は、ステップ1215において、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることをさらに含む。方法は、ステップ1220において、プラズマ堆積プロセスを基板に対して実施し、可変厚材料を堆積させることをさらに含む。第1の領域に隣接した層厚は、第2の領域に隣接した層厚より大きくあり得る。いくつかの実施形態では、可変厚材料は、形状適合層を備え得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、シャドウマスクは、複数の開口と、複数の開口と平行な表面とを備え得る。基板は、堆積表面を備え得る。いくつかの実施形態では、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることは、シャドウマスクの表面を堆積表面と平行に設置することを含み得る。
【0093】
図12に図示される具体的ステップは、本発明の別の実施形態による可変厚材料を堆積させる特定の方法を提供することを理解されたい。他の一続きのステップも、代替実施形態に従って実施され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概略されたステップを異なる順序で実施し得る。さらに、図12に図示される個々のステップは、個々のステップに適切な種々の一続きで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて、追加または除去され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0094】
図13は、本発明のある実施形態によるマスタ基板を製作する方法を例証するフローチャートである。方法は、ステップ1305において、シャドウマスクを提供することを含む。シャドウマスクは、少なくとも第1の方向における第1の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる第1の領域を有し得る。シャドウマスクはさらに、少なくとも第2の方向における第2の勾配開口周期性に対する開口寸法の比率によって特徴付けられる第2の領域を有し得る。
【0095】
方法は、ステップ1310において、基板を提供することをさらに含む。基板は、回折特徴によって特徴付けられるマスクと、第1の露出領域と、第2の露出領域とを有し得る。方法は、ステップ1315において、シャドウマスクを基板に隣接して位置付けることをさらに含む。第1の領域は、第1の露出領域と整列させられ得、第2の領域は、第2の露出領域と整列させられ得る。方法は、ステップ1320において、基板をプラズマコーティングまたは堆積プロセスのうちの少なくとも1つにさらすことをさらに含む。
【0096】
方法は、ステップ1325において、第1の回折要素を第1の領域に隣接してコーティングすることをさらに含む。第1の回折要素は、少なくとも第1の方向における第1の勾配深度および第1の線幅プロファイルによって特徴付けられ得る。方法は、ステップ1330において、第2の回折要素を第2の領域に隣接してコーティングすることをさらに含む。第2の回折要素は、少なくとも第2の方向における第2の勾配深度および第2の線幅プロファイルによって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、第1の勾配深度は、第2の勾配深度より大きくあり得る。いくつかの実施形態では、第1の線幅プロファイルは、第1の幅によって特徴付けられ得、第2の線幅プロファイルは、第1の幅より小さい第2の幅によって特徴付けられ得る。したがって、本発明のいくつかの実施形態によって提供される回折要素は、シャドウマスクの開口周期性に対する開口寸法の比率に関連する位置の関数としての深度および幅の両方の変動を含み得る。
【0097】
図13に図示される具体的ステップは、本発明の別の実施形態によるマスタ基板を製作する特定の方法を提供することを理解されたい。他の一続きのステップも、代替実施形態に従って実施され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概略されたステップを異なる順序で実施し得る。さらに、図13に図示される個々のステップは、個々のステップに適切な種々の一続きで実施され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、追加のステップが、特定の用途に応じて、追加または除去され得る。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0098】
また、本明細書に説明される例および実施形態は、例証的目的のためだけのものであり、それに照らして、種々の修正または変更が、当業者に示唆され、本願の精神および権限ならびに添付の請求項の範囲内に含まれるべきであることを理解されたい。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13