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  • 特開-皮膚外用組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181423
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】皮膚外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/894 20060101AFI20231214BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20231214BHJP
   A61K 8/9706 20170101ALI20231214BHJP
   A61K 8/99 20170101ALI20231214BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20231214BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
A61K8/894
A61K8/37
A61K8/81
A61K8/73
A61K8/44
A61K8/9706
A61K8/99
A61K8/86
A61Q17/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187486
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2021115618の分割
【原出願日】2016-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2015206497
(32)【優先日】2015-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 一宏
(72)【発明者】
【氏名】河合 優
(72)【発明者】
【氏名】山下 利佳子
(57)【要約】
【課題】 紫外線吸収能および使用感に優れた皮膚外用組成物を提供する。
【解決手段】 (A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、(B)紫外線吸収剤、および(C)水溶性増粘剤を含有する皮膚外用組成物を調製する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線には、紫外線A波(UV-A、315~400nm)及び紫外線B波(UV-B、280~315nm)、その他がある。このうち、UV-Aは、日焼けは引き起こしにくいが、近年の研究で、シミやしわの発生に大きく関わっていることがわかってきている。すなわち、UV-Aは、波長が長く、肌の奥深くまで到達し、例えば、コラーゲンを変性させるなどの影響を及ぼす。
【0003】
UV-Bは波長が短く、UV-Aに比べるとオゾン層や雲に阻まれ、地上に到達する量は全紫外線量の約10%と少量ではある。しかしUV-Bはエネルギーが強く、肌表面の細胞を傷つけたり、炎症を起こしたりするため、皮膚ガンやシミの原因になることもある。
【0004】
このように皮膚に及ぼす紫外線の影響が明らかになるにつれて、紫外線遮断効果の高い日焼け止め組成物に対する要求が高まってきており、種々の日焼け止め組成物が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-17080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、紫外線吸収能を有する皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、本課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、(B)紫外線吸収剤、および(C)水溶性増粘剤を用いることで、紫外線吸収スペクトルの増強能の高い皮膚外用組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記に掲げる皮膚外用組成物を提供する。
項1.(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、(B)紫外線吸収剤、および(C)水溶性増粘剤を含有する皮膚外用組成物。
【0009】
項2.前記(A)ポリエーテル変性シリコーンワックスが、水溶性ポリエーテル変性シリコーンワックスである、項1に記載の皮膚外用組成物。
【0010】
項3.前記水溶性ポリエーテル変性シリコーンワックスが、ビスPEG-18メチルエーテルジメチルシラン、ビスPEG-15メチルエーテルジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、およびPEG-17ジメチコンからなる群より選択される、少なくとも1種である、項1または2に記載の皮膚外用組成物。
【0011】
項4.前記(B)紫外線吸収剤が、油溶性紫外線吸収剤である、項1乃至3のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【0012】
項5.前記(B)紫外線吸収剤が、皮膚外用組成物の全量に対して0.5w/w%以上含有される、項1乃至4のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【0013】
項6.前記(C)水溶性増粘剤が、アクリル酸系増粘剤、セルロース系増剤、ムコ多糖系増粘剤、アミノ酸系増粘剤、海藻類系増粘剤、微生物由来増粘剤、ポリエチレングリコール系増粘剤、およびデンプン系増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種である、項1乃至5のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【0014】
項7.前記(C)水溶性増粘剤が、アクリル酸系増粘剤であり、該アクリル酸系増粘剤は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である、項1乃至6のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
【0015】
項8.日焼け止め組成物である、項1乃至7のいずれか1項記載の皮膚外用組成物。
【0016】
項9.本発明はまた、
(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、
(B)紫外線吸収剤、および
(C)水溶性増粘剤を含有する、日焼け止め用ゲル製剤を提供する。
【0017】
項10.本発明はまた、
(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、
(B)紫外線吸収剤、および
(C)水溶性増粘剤を含有する、水中油型日焼け止め用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、紫外線吸収スペクトルの増強能の高い皮膚外用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1a~cは、本発明の皮膚外用組成物(実施例1~3)および比較例1~3の皮膚外用組成物の紫外線防御効果試験の結果を表わすグラフである。
図2図2は、本発明の皮膚外用組成物(実施例4および比較例4~5の皮膚外用組成物の紫外線防御効果試験の結果を表わすグラフである。
図3図3a~cは、本発明の皮膚外用組成物(実施例5~7)および比較例6~8の皮膚外用組成物の紫外線防御効果試験の結果を表わすグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書において、含有量の単位「w/w%」は、「g/100g」のw/w%と同義である。
【0021】
本明細書において、「油溶性」とは、水への溶解度が1w/w%以下であることをいい、「水溶性」とは、水への溶解度が1w/w%より大きいことをいう。
【0022】
本明細書で「皮膚外用組成物」とは、皮膚に適用できる外用組成物をいう。特に限定はされないが、皮膚外用組成物には、紫外線吸収能を有する日焼け止め組成物が含まれる。ここで、「日焼け止め組成物」は、例えば、製品において日焼け止めを明示する形態を含むが、明示がない場合でも、そのような機能を有する皮膚外用組成物であれば、本明細書でいう「日焼け止め組成物」に含まれる。
【0023】
本発明の皮膚外用組成物は、(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、(B)紫外線吸収剤、および(C)水溶性増粘剤を含有する。
【0024】
本明細書において、(A)ポリエーテル変性シリコーンワックスは、常温でろう状で加熱により溶解するポリエーテル変性シリコーンを指し、より具体的には、融点が室温(例えば20℃)以上のポリエーテル変性シリコーンを指す。
【0025】
[(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス]
本発明において、(A)ポリエーテル変性シリコーンワックスとしては、限定はされないが、水溶性ポリエーテル変性シリコーンワックスが好ましい。このような水溶性ポリエーテル変性シリコーンワックスとして、限定はされないが、例えば、ビスPEG-18メチルエーテルジメチルシラン、ビスPEG-15メチルエーテルジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、およびPEG-17ジメチコンからなる群より選択される1種または2種以上を使用することが特に好ましい。限定はされないが、これらのワックスの使用は、本発明の皮膚外用組成物を、べたつきがなく、乳化安定性もよい、さっぱりとした乳化物とする際に好ましい。(A)成分としては、合成して用いること、または市販品をそのまま用いることができる。
【0026】
具体的には、水溶性ポリエーテル変性シリコーンワックスとして、2501CosmeticWax(東レダウ社製、ビスPEG-18メチルエーテルジメチルシラン、融点36~42℃)、DMC 6038(ワッカー社製、ビスPEG-15メチルエーテルジメチコン、融点約30℃)、KF-6004(信越化学社製、PEG-32メチルエーテルジメチコン、融点45℃)、またはSilsoft(登録商標)895(MOMENTIVE社製、PEG-17ジメチコン)などが例示される。
【0027】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する(A)成分の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。皮膚外用組成物の全量に対して、(A)成分の総含有量は、好ましくは0.001w/w%以上であり、より好ましくは、0.01w/w%以上、さらに好ましくは0.1w/w%以上、最も好ましくは0.2w/w%以上である。皮膚外用組成物の全量に対して、(A)成分の総含有量は、好ましくは20w/w%以下であり、より好ましくは10w/w%以下、さらに好ましくは5w/w%以下、最も好ましくは3w/w%以下である。皮膚外用組成物の全量に対して、(A)成分の総含有量は、好ましくは0.001w/w%~20w/w%、より好ましくは、0.01w/w%~10w/w%、さらに好ましくは0.1w/w%~5w/w%、最も好ましくは、0.2w/w%~3w/w%である。
【0028】
[(B)紫外線吸収剤]
本明細書において、(B)紫外線吸収剤とは、紫外線を吸収する性質を有する化合物(成分)をいう。
【0029】
上記紫外線吸収剤としては、たとえば、
(a)パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル(別名:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等ともいう)、メトキシ桂皮酸イソプロピル、α-シアノ-β-フェニル桂皮酸2-エチルヘキシル(オクトクリレン)、メチルケイ皮酸ジイソプロピル、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、2,5-ジイソプロピルケイ皮酸メチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、シノキサート、DEAメトキシシンナマート、フェルラ酸、および、メトキシ桂皮酸イソアミルなどの桂皮酸誘導体;
(b)パラ-アミノ安息香酸(以下、「PABA」と略記する)、エチルPABA、エチル-ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル-ジメチルPABA、グリセリルPABA、PEG-25PABA、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、および、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル(別名:ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等ともいう)などの安息香酸誘導体;
(c)ホモサラート、エチルヘキシルサリチラート、TEAサリチラート、サリチル酸エチレングリコール、および、ジプロピレングリコールサリチラートなどのサリチル酸誘導体;
(d)ジヒドロキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン-1)、テトラヒドロキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン-2)、2―ヒドロキシ―4―メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン-3)、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸(ベンゾフェノン-4)、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン-5)、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン-6)、2,2‘-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン-8)、および、3,3’-カルボニルビス[4-ヒドロキシ-6-メトキシベンゼンスルホン酸]ジナトリウム(ベンゾフェノン-9)などのベンゾフェノン誘導体;
(e)3-ベンジリデンショウノウ、4-メチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム、および、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウなどのベンジリデンショウノウ誘導体;
(f)アニソトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジイソブチル-4’-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、2,4-ビス-〔{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル〕-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(別名:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等ともいう)、および、2,4,6-トリス〔4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕-1,3,5-トリアジンなどのトリアジン誘導体;
(g)フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、および、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウムなどのフェニルベンゾイミダゾール誘導体;
(h)ドロメトリゾールトリシロキサン、および、2,2’―メチレンビス[6―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)―4―(1,1,3,3―テトラメチルブチル)フェノール]などのフェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(i)アントラニル酸メンチルなどのアントラニル誘導体;
(j)ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシルなどのイミダゾリジン誘導体;
(k)ジメチコジエチルベンザルマロナートなどのベンザルマロナート誘導体;
(l)1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエンなどの4,4-ジアリールブタジエン誘導体;ならびに
(m)4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンのようなジベンゾイルメタン誘導体;などをあげることができる。
【0030】
本発明において、(B)紫外線吸収剤としては、油溶性紫外線吸収剤が好ましい。油溶性紫外線吸収剤を用いることで、本発明の皮膚外用組成物は、汗水に強くなり、塗布後の落ちが抑制されると共に、他の成分と相俟って、皮脂なじみがよい均一膜を形成しやすい優れた効果を発揮する組成物となる。
【0031】
ここで、油溶性紫外線吸収剤としては、
(a)パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、メトキシ桂皮酸イソプロピル、α-シアノ-β-フェニル桂皮酸2-エチルヘキシル(オクトクリレン)、メチルケイ皮酸ジイソプロピル、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、2,5-ジイソプロピルケイ皮酸メチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、シノキサート、DEAメトキシシンナマート、フェルラ酸、および、メトキシ桂皮酸イソアミル;
(b)PABA、エチルPABA、エチル-ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル-ジメチルPABA、グリセリルPABA、PEG-25PABA、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、および、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル;
(c)エチルヘキシルサリチラート、TEAサリチラート、および、ジプロピレングリコールサリチラート;
(d)ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン-6);
(e)ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ;
(f)アニソトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジイソブチル-4’-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、2,4-ビス-〔{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル〕-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、および、2,4,6-トリス〔4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕-1,3,5-トリアジン;
(h)ドロメトリゾールトリシロキサン;
(i)アントラニル酸メンチル;
(j)ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル;
(k)ジメチコジエチルベンザルマロナート;
(l)1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン;ならびに
(m)4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン;などをあげることができる。
【0032】
これらの(B)紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。紫外線吸収剤は、合成して用いること、または市販品をそのまま用いることができる。
【0033】
本発明の皮膚外用組成物において、紫外線吸収剤として、刺激感やにおいを低減させたり、使用感や溶解性を向上させたりするために、1種または2種以上の上記紫外線吸収剤を、マイクロカプセルに内包させる等の製剤修飾を加えた原料を用いることもできる。具体的には、ポリ(エチレングリコールジメタクリレート)、エチレングリコールジメタクリレート/ジビニルベンゼン共重合体、またはポリ(ジビニルベンゼン)からなるポリマー成分で実質的に構成されたシェルに紫外線吸収剤を内包し、平均粒子径を0.4~10μmとしたマイクロカプセル(紫外線吸収剤内包カプセル)や、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンをゾル-ゲルシリカガラスで内包し、水に分散させたマイクロカプセル(たとえば、Eusolex UV-Pearls OB-S(商品名)、Eusolex UV-Pearls OB-S2(商品名);メルク社製)や同様にメトキシケイヒ酸エチルヘキシルをゾル-ゲルシリカガラスに内包し、水に分散させたマイクロカプセル(たとえば、Eusolex UV-Pearls 2292(商品名)、Eusolex UV-Pearls OMC(商品名);メルク社製)、また、紫外線吸収剤(オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、t-ブチル-メトキシジベンゾイルメタン等)をシリコーン-レジン化加水分解シルク(ポリシリコーン-14)で内包し、平均粒子2μmのマイクロカプセルとし、水に分散させたもの(たとえば、Silasoma(登録商標) ME、Silasoma MEA、Silasoma MEA(S)、Silasoma MEA(V)、Silasoma MEA(L)、Silasoma MFA(S)、Silasoma MFA(LS)、Silasoma EP(S)、Silasoma REA(S)等のSilasomaシリーズ(商品名);成和化成社製)などが例示できる。
【0034】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する(B)成分の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。皮膚外用組成物の全量に対して、(B)成分の総含有量は、好ましくは0.01w/w%以上であり、より好ましくは0.1w/w%以上、さらに好ましくは0.5w/w%以上、さらにより好ましくは1.0w/w%以上、最も好ましくは3.0w/w%以上である。また、皮膚外用組成物の全量に対して(B)成分の総含有量は、好ましくは25w/w%以下であり、より好ましくは20w/w%以下、さらに好ましくは15w/w%以下、最も好ましくは10w/w%以下である。皮膚外用組成物の全量に対して、(B)成分の総含有量は、好ましくは0.01w/w%~25w/w%、より好ましくは、0.1w/w%~20w/w%、さらに好ましくは0.5w/w%~15w/w%、最も好ましくは、1.0w/w%~10w/w%である。
【0035】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(B)成分の配合量の比率は、(A)成分の総含有量1重量部に対して、(B)成分の総含有量が0.0005~25000重量部が好ましく、0.01~2000重量部がより好ましく、0.1~150重量部がさらに好ましく、0.34~50重量部が最も好ましい。
【0036】
[(C)水溶性増粘剤]
本明細書において、(C)水溶性増粘剤とは、水に溶け、かつ粘度を増加させる性質を有する薬剤(成分)をいう。
【0037】
本発明の皮膚外用組成物において、(C)水溶性増粘剤は、アクリル酸系増粘剤、セルロース系増粘剤、ムコ多糖系増粘剤、アミノ酸系増粘剤、海藻類系増粘剤、微生物由来増粘剤、ポリエチレングリコール系増粘剤、またはデンプン系増粘剤であることが好ましい。
【0038】
水溶性増粘剤としては、具体的には、例えば
(a)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリロイルジメチルタウリン塩共重合体、ポリアクリル酸、またはそれらの塩等のアクリル酸系増粘剤;
(b)メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系増粘剤;
(c)ヒアルロン酸・ヒアルロン酸誘導体・およびこれらの塩、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖系増粘剤;
(d)コラーゲン等のアミノ酸系増粘剤;
(e)カラギーナン、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、寒天のような海藻類系増粘剤;
(f)キサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、デキストラン、スクレロチウムガム、ジェランガム等の微生物由来増粘剤;
(g)ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、(PEG-240/デシルテトレデセス-20/HDI)コポリマー、ベヘン酸グリセリル・オクタステアリン酸ポリグリセリル-6等のポリエチレングリコール系増粘剤;および、
(h)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、コーンスターチ等のデンプン系増粘剤;
が例示される。
【0039】
この他に、トリイソステアリン酸エチレングリコール、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシド、ベントナイト、マクロゴール、ガゼインナトリウムなどのその他の水溶性高分子などをあげることができる。
【0040】
本発明において、(C)水溶性増粘剤としては、アクリル酸系増粘剤が特に好ましい。本発明において、上記アクリル酸系増粘剤として特に好ましいのは、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、アクリルアミド/アクリル酸アンモニウムコポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)クロスポリマーナトリウム、ポリアクリレート-6、ポリアクリレート-13、(アクリル酸/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、ステアレス-10アリルエーテル・アクリレーツコポリマー、カルボキシビニルポリマーおよびポリアクリルアミドからなる群より選択される1種以上である。
【0041】
その他に、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸誘導体またはこれらの塩、コラーゲン、カンテン、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、マクロゴール、などの使用も好ましい。
【0042】
これらの(C)水溶性増粘剤は、単独で使用しても良く、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの水溶性増粘剤を使用した場合には、特に、水感の多いジェル製剤の作成が可能となり、適度な皮膜感と製剤安定性を有し、使用感のよい、軽いジェル製剤を作ることができる。
【0043】
また、これらは市販品として、PEMULEN(商標)TR-1、TR-2(Lubrizol Advanced Materials社製);カーボポール(商標)ETD2020、Ultrez20Polymer、Ultrez21Polymer、Ultrez10Polymer(Lubrizol Advanced Materials社製)、STRUCTURE(商標)2001(アクゾノーベル社製)、Aristoflex(商標)AVC、HMB(クラリアントジャパン社製)などを使用できる。上記ポリビニルアルコールとしては、たとえば、市販品のゴーセノール(商標)EG-05、EG-40(日本合成化学工業社製)などを使用できる。また、スクワラン等の油剤、非イオン性界面活性剤、および、水などと混合した混合物として使用してもよい。このような混合物として、具体的には、たとえば、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体を含有する市販品であるSIMULGEL(商標)FL、NS(セピック社製);アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン共重合体を含有する市販品であるSIMULGEL(商標)EG(セピック社製)、SIMULGEL(商標)EPG(セピック社製);ステアレス-10アリルエーテル・アクリレーツ共重合体を含有する市販品であるSALCARE(商標)SC80(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製);アクリル酸ナトリウム・アクリル酸メタクリルナトリウム・メタクリル酸ナトリウムメタクリル酸アルキル共重合体を含有する市販品であるSALCARE(商標)SC91(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製);(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマーを含有する市販品であるSEPINOV(商標)P88(セピック社製)、アデカノール(商標)GT-700(旭電化工業社製);および、ポリアクリルアミドを含有する市販品であるSEPIGEL(商標)305(成和化成)などをあげることができる。上記ポリアクリル酸アミドとしては、たとえば、市販品のSEPIGEL(商標)305(成和化成社製)などを使用できる。上記カルボキシビニルポリマーとしては、カーボポール(商標)940、941、980、981、ETD2050、Ultrez10Polymer、(Lubrizol Advanced Materials社製);シンタレンKシンタレンL(3V SIGMA社製);AQUPEC(商標)HV-501E、HV-504E、HV-505E(住友精化社製);ハイビスワコー103、104、105(和光純薬工業社製);ジュンロンPW-110(日本純薬社製)などを使用できる。
【0044】
その他、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーを含有する市販品であるアデカノール(商標)GT-700(旭電化工業社製)、上記デンプン系増粘剤としては、たとえば、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸を含有する市販品であるSTRUCTURE(商標)XL(アクゾノーベル社製)などをあげることができる。
【0045】
また、本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する(C)水溶性増粘成分の含有量は、好ましくは、0.00001w/w%以上、より好ましくは、0.0001w/w%以上、さらに好ましくは、0.001w/w%以上、最も好ましくは0.1w/w%以上である。皮膚外用組成物の全量に対して、(C)成分の総含有量は、好ましくは、20w/w%以下、より好ましくは、10w/w%以下、さらに好ましくは、5w/w%以下である。皮膚外用組成物の全量に対して、(C)成分の総含有量は、好ましくは、0.00001w/w%~20w/w%、より好ましくは、0.0001w/w%~10w/w%、さらに好ましくは、0.001w/w%~5w/w%、最も好ましくは、0.1w/w%~5w/w%である。
【0046】
本発明の皮膚外用組成物において、(A)成分に対する(C)成分の配合量の比率は、(A)成分の総含有量1重量部に対して、(C)成分の総含有量が0.0000005~20000重量部が好ましく、0.000001~2000重量部がより好ましく、0.00002~100重量部がさらに好ましく、0.00034~25重量部が最も好ましい。
【0047】
本発明の皮膚外用組成物は、(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有することにより、高い紫外線吸収能を発揮し、かつ使用感に優れる。すなわち、具体的には、本発明の皮膚外用組成物は、(B)紫外線吸収剤単独で奏される値よりも増強された紫外線吸収能を有することができ、かつぬめり感などが緩和された使い心地のよさを有する。
【0048】
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記(A)~(C)成分の他に、例えば、紫外線乱反射剤、抗酸化剤、美白有効成分、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。
【0049】
[紫外線乱反射剤]
本発明における紫外線乱反射剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の紫外線乱反射剤を使用できる。紫外線乱反射剤としては、酸化金属粉や粘土質の粒子を例示することができる。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、カオリン、またはタルクなどである。
【0050】
本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する紫外線乱反射剤の含有量は、例えば、0.1w/w%以上20w/w%以下の含有量とすることができ、0.5w/w%以上15w/w%以下であってもよく、1.0w/w%以上10w/w%以下であってもよい。
【0051】
[抗酸化剤]
本発明における抗酸化剤(抗酸化成分)は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の抗酸化剤を使用できる。なお、本発明において、抗酸化剤(抗酸化成分、酸化防止成分)とは、活性酸素種等による酸化を阻害、低減、抑制する性質を有する薬剤(成分)をいう。
【0052】
上記抗酸化剤としては、たとえば、
(a)トコフェロール類およびその誘導体またはそれらの塩(たとえば、α-トコフェロール、δ-トコフェロール、酢酸-α-トコフェロール、トコトリエノール)、ピロロキノリンキノンおよびその誘導体またはそれらの塩、ユビキノン類およびその誘導体またはそれらの塩、レチノール類およびその誘導体またはそれらの塩、パントテン酸およびその誘導体またはその塩、エリソルビン酸またはそれらの塩、などのビタミン系抗酸化剤;
(b)チオタウリン、システイン、ホモシステイン、アセチルシステイン、メチオニン、チオグリセロール、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムピロ亜硫酸ナトリウム、チオレドキシン、ジチオスレイトール、αリポ酸、エルゴチオネイン、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、などの含硫系抗酸化剤;
(c)ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジル、マロン酸ジエチルヘキシルシリンギリデン、没食子酸およびその誘導体もしくはそれらの塩、クロロゲン酸およびその誘導体またはそれらの塩、などのフェノール系抗酸化剤;
(d)植物(たとえば、ブドウ、オタネニンジン、コンフリーなど)に由来する成分(たとえば、ブドウ種子エキス、ブドウ葉エキス、オタネニンジンエキス、コンフリー葉エキスなど);プロアントシアニジン、へスペリジン、グルコシルヘスペリジン、フラボノイド、などのポリフェノール系抗酸化剤などをあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0053】
本発明の皮膚外用組成物において、上記抗酸化剤が、マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジルおよびその誘導体、マロン酸およびその誘導体、ピロロキノリンキノンおよびその誘導体、トコフェロール類およびその誘導体、チオタウリンおよびその誘導体、ジブチルヒドロキシトルエンおよびその誘導体、没食子酸またはその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、へスペリジンおよびその誘導体、グルコシルヘスペリジンおよびその誘導体、エルゴチオネインおよびその誘導体、フラボノイドおよびその誘導体、または、ジブチルヒドロキシアニソールおよびその誘導体、ならびに、塩の形態をとり得る場合、前記いずれかの化合物の塩および前記いずれかの誘導体の塩等であることが好ましい。なかでも、マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジル、ピロロキノリンキノンおよびその誘導体またはそれらの塩、トコフェロール類およびその誘導体またはそれらの塩、チオタウリン、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸およびその誘導体またはそれらの塩、クロロゲン酸およびその誘導体またはそれらの塩、または、ジブチルヒドロキシアニソールがより好ましい。また、マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジル、マロン酸ジエチルヘキシルシリンギリデン、ピロロキノリンキノンおよびその誘導体またはそれらの塩、トコフェロールおよびその誘導体またはそれらの塩、チオタウリン、ジブチルヒドロキシトルエン、または、没食子酸およびその誘導体またはそれらの塩がさらにより好ましい。
【0054】
また、本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する抗酸化剤の含有量は、0.00001w/w%以上20w/w%以下の含有量とすることができ、0.0001w/w%以上10w/w%以下であってもよく、0.001w/w%以上7w/w%以下であってもよく、0.05w/w%以上5w/w%以下であってもよく、0.03w/w%以上3w/w%以下であってもよく、0.02w/w%以上1w/w%以下であってもよく、0.01w/w%以上0.5w/w%以下であってもよい。
【0055】
[美白有効成分]
本発明における美白有効成分(美白剤)は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の美白有効成分を使用できる。なお、本発明において、美白有効成分(美白剤)とは、肌のくすみやしみ、肝斑等に特に関係しているメラニン色素等による肌の色素沈着を改善、抑制・低減・防止、予防、または遅延させる性質を有する薬剤(成分)をいう。
【0056】
上記美白有効成分としては、たとえば、
(a)ハイドロキノンおよびその誘導体またはそれらの塩(たとえばα-アルブチン、β-アルブチン);コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;アスコルビン酸およびその誘導体またはそれらの塩(たとえば、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル)、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシドなど)、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、トラネキサム酸およびその誘導体またはそれらの塩などのようなチロシナーゼ阻害剤;
(b)カモミラETのようなエンドセリン-1受容体阻害剤;
(c)遊離リノール酸のようなチロシナーゼタンパク質分解促進剤;
(d)アデノシン1リン酸2ナトリウム塩のようなメラニン排出促進剤;
(e)ナイアシンアミドのようなメラニン輸送阻害剤;
(f)その他、美白作用を有する植物成分(たとえば、植物エキスや精油);をあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0057】
本発明の皮膚外用組成物において、上記美白有効成分が、ハイドロキノンおよびその誘導体またはそれらの塩、アスコルビン酸およびその誘導体またはそれらの塩、トラネキサム酸およびその誘導体またはそれらの塩、エラグ酸、ナイアシンアミド等であることが好ましい。なかでも、ハイドロキノン、アルブチン、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル)、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、トラネキサム酸などがより好ましい。
【0058】
また、本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する美白有効成分の含有量は、0.00001w/w%以上20w/w%以下の含有量とすることができ、0.00001w/w%以上10w/w%以下であってもよく、0.001w/w%以上7w/w%以下であってもよく、0.05w/w%以上5w/w%以下であってもよく、0.03w/w%以上3w/w%以下であってもよく、0.02w/w%以上1w/w%以下であってもよく、0.01w/w%以上0.5w/w%以下であってもよい。
【0059】
[抗炎症成分]
本発明における抗炎症成分(抗炎症剤)は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の抗炎症成分を使用できる。なお、本発明において、抗炎症成分(抗炎症剤)とは、表皮等の細胞の炎症を阻害、低減、抑制する性質を有する薬剤(成分)をいう。
【0060】
上記抗炎症成分としては、たとえば、植物(たとえば、コンフリー葉エキスなど)に由来する成分;アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸およびその誘導体またはそれらの塩(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ナトリウムなど)、グリチルレチン酸およびその誘導体またはそれらの塩(グリチルレチン酸ステアリル、18α‐ヒドロキシグリチルレチン酸など)、酸化亜鉛、グアイアズレン、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸およびその誘導体などをあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0061】
本発明の皮膚外用組成物において、上記抗炎症成分が、アラントイン、グリチルリチン酸およびその誘導体またはそれらの塩、グリチルレチン酸およびその誘導体またはそれらの塩、酸化亜鉛、グアイアズレン、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、または、サリチル酸お・BR>謔ムその誘導体またはそれらの塩等であることが好ましい。なかでも、アラントイン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、酸化亜鉛、メントール、カンフル、インドメタシン、サリチル酸がより好ましい。
【0062】
また、本発明の皮膚外用組成物において、皮膚外用組成物の全量に対する上記抗炎症成分の含有量は、0.00001w/w%以上20w/w%以下の含有量とすることができ、0.0001w/w%以上10w/w%以下であってもよく、0.001w/w%以上5w/w%以下であってもよく、0.05w/w%以上3w/w%以下であってもよく、0.03w/w%以上1w/w%以下であってもよく、0.02w/w%以上0.5w/w%以下であってもよく、0.01w/w%以上0.1w/w%以下であってもよい。
【0063】
[その他の基剤または担体]
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品や医薬部外品に使用される公知の基剤または担体を含むことができる。基剤または担体は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0064】
基剤または担体としては、パラフィン、流動パラフィン、スクワラン、白ロウ、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、セレシン、ワセリン、ハードファット、マイクロクリスタリンワックス、α-オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸のような脂肪酸;トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリオクタノイン)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルのようなトリ脂肪酸グリセリド;セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールのような高級アルコール;メチルポリシロキサン、ジデカメチルシクロペンタシロキサン、メチルシロキサン網状重合体、、メチルハイドロジェンポリシロキサン、のようなシリコーン類;;;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスエリットのようなエステル類;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル;水などの水系基剤などをあげることができる。
【0065】
なかでも、炭化水素(特に、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、軽質流動パラフィン、流動パラフィン)、トリ脂肪酸グリセリド(特に、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、高級アルコール(特に、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)、シリコーン油(特に、メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、エチルトリシロキサン、メチルトリメチコン、メチルシロキサン網状重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、ジメチルポリシロキサン)、エステル類(特に、イソノナン酸イソノニル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット)、多糖類(特に、デキストリン、マルトデキストリン)、グリコールエーテル(特に、ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、水が好ましい。
【0066】
本発明の皮膚外用組成物が基剤の水を含む場合、限定はされないが、皮膚外用組成物の全量に対する水の含有量は、30w/w%以上99w/w%以下が好ましく、40w/w%以上95w/w%以下がより好ましく、50w/w%以上90w/w%以下がさらに好ましい。本発明の皮膚外用組成物は、最も好ましくは50w/w%以上の水を含有するO/W乳化組成物である。
【0067】
[添加剤]
本発明の皮膚外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品や医薬部外品に添加される公知の添加剤、たとえば、界面活性剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤などを添加することができる。添加剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0068】
界面活性剤としては、たとえば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸のようなグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリルのようなポリグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80(HCO-80)などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤などをあげることができる。
【0069】
なかでも、グリセリン脂肪酸類(特に、モノステアリン酸グリセリル)、ポリグリセリン脂肪酸類(特に、モノステアリン酸ポリグリセリル)、硬化ヒマシ油誘導体(特に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60))、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(特に、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60))、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(特に、ポリオキシエチレンセチルエーテル)、シリコーン系界面活性剤(特に、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)が好ましい。
【0070】
保存剤、防腐剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどをあげることができる。なかでも、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノールが好ましい。
【0071】
pH調整剤としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸など)、有機酸(乳酸、酢酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、ε-アミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジンなど)などをあげることができる。なかでも、コハク酸、コハク酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、トリエタノールアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
【0072】
キレート剤としては、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA-2Naなど)、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸などをあげることができる。なかでも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
【0073】
安定化剤としては、ブチルヒドロキシアニソールなどをあげることができる。
【0074】
刺激低減剤としては、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどをあげることができる。
【0075】
着色剤としては、無機顔料、天然色素などをあげることができる。
【0076】
[その他の活性成分]
本発明において、皮膚外用組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、抗シワ・老化防止成分、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、ビタミン類、保湿成分、DNAの損傷の予防および、/または修復作用を有する成分、抗菌成分、収斂成分などの、化粧品や医薬部外品に添加しうる他の活性成分を配合することができる。他の活性成分は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
【0077】
抗シワ、老化防止成分としては、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノールおよびその誘導体、レチノイン酸、レチナールなど)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトンなどをあげることができる。なかでも、アルテミアエキス、加水分解大豆タンパク、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールが好ましい。
【0078】
角質柔軟成分としては、ラノリン、尿素、αヒドロキシ酸(フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコール酸、サリチル酸、リンゴ酸など)、クエン酸などをあげることができる。なかでも、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、サリチル酸、フィチン酸が好ましい。
【0079】
細胞賦活化成分としては、植物(たとえば、ビルベリー)に由来する成分;γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類;グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などをあげることができる。なかでも、ビルベリー葉エキスが好ましい。
【0080】
ビタミン類としては、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d-δ-トコフェリルレチノエート、α-トコフェリルレチノエート、β-トコフェリルレチノエートなどのビタミンA類;β-カロチン、α-カロチン、γ-カロチン、δ-カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノンなどのプロビタミンA類;δ-トコフェロール、α-トコフェロール、β-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム、δ-トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなどのビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステルなどのビタミンB2類;ニコチン酸メチル、ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L-アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル)、などのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノンなどのビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩などのビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’-リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミンなどのビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミンなどのビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸などの葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D-パンテテイン、D-パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテルなどのパントテン酸類;ビオチン、ビオシチンなどのビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α-リポ酸、オロット酸、γ-オリザノールなどのビタミン様作用因子などをあげることができる。
【0081】
なかでも、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのビタミンA類;アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル)、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸などのビタミンC類;δ-トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなどのビタミンE類;ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類が好ましい。
【0082】
保湿成分としては、植物(たとえば、チガヤ)に由来する成分;アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンのようなアミノ酸およびその誘導体;コラーゲン、ゼラチン、エラスチンのようなタンパク質やペプチド、その加水分解物;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリンなどの多価アルコール;ソルビトールのような糖アルコール;レシチン、水素添加レシチンのようなリン脂質;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素のようなNMF由来成分;ポリグルタミン酸;MPCポリマー(たとえば、LIPIDURE(商標)など)などのリン脂質極性基を有する高分子;ポリオキシプロピレンメチルグルコシド;PPG-10メチルグルコース(たとえば、マクビオブライド MG(商標)シリーズ(日油株式会社製)等)、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン(たとえば、ウィルブライド(商標)S-753(日油株式会社製));トリメチルグリシン(ベタイン);ヒドロキシエチルウレア;アクリル酸・アクリルアミド・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体;ソルビトールなどをあげることができる。なかでも、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、MPCポリマーグリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、トリメチルグリシン(ベタイン)、ヒドロキシエチルウレア、水素添加レシチン、ソルビトールが好ましい。
【0083】
DNAの損傷の予防および、/または修復作用を有する成分としては、動物(たとえば、アルテミア)に由来する成分;植物(たとえば、キャッツクロー)に由来する成分;DNA、DNA塩、RNA、RNA塩などの核酸成分をあげることができる。なかでも、アルテミアエキス、DNA-Naが好ましい。
【0084】
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸およびその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシンなどをあげることができる。なかでも、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸およびその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシンが好ましく、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸およびその誘導体、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノールがより好ましい。
【0085】
収斂成分としては、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウムなどの金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸をあげることができる。なかでも、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸アルミニウムカリウム、タンニン酸が好ましい。
【0086】
[製剤形態]
また、本発明における皮膚外用組成物は、各成分を常法に従って、たとえば、混合撹拌することにより調製できる。
【0087】
本発明における皮膚外用組成物は、薬剤の形態は特に限定されず、化粧品または医薬部外品の形態として公知の形態を採ることができる。このような公知の形態の中でも、たとえば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、パウダー剤、パップ剤、不織布などのシートに薬液を含浸させたシート剤、リップスティックのようなスティック剤などをあげることができる。なかでも、使用感が良い点で、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤が好ましく、ゲル剤がより好ましい。本発明の皮膚外用組成物は、水溶液、水系懸濁液、水系乳液、水性ジェル、水系ローションの製剤形態が好適である。また、製剤に応じて水中油型(O/W)、油中水型(W/O)など、使用目的や所望の使用感に応じて、適宜選択できるが、特には、水中油型(O/W)の組成物であることが好ましい。
【0088】
本発明の皮膚外用組成物は、乳液、クリーム、化粧品、ボディローション、ボディークリームのような基礎化粧品の形態で用いられ得る。また、本発明の皮膚外用組成物は、ファンデーション、口紅、ほお紅、アイメイク、おしろい、マニキュア、ペディキュア等のメークアップ化粧料の形態でも用いられ得る。
【0089】
本発明により紫外線吸収機能を増強させることができるので、本発明の皮膚外用組成物は、紫外線B波(UV-B)に対する防御指数であるSPF(Sun Protection Factor)の値や、紫外線A波(UV-A)に対する防御指数であるPA(Protection Grade of UVA)の値が高い皮膚外用組成物とすることができる。例えば、本発明の皮膚外用組成物は、SPF値が、SPF10以上、好ましくはSPF20以上、より好ましくはSPF30以上、更に好ましくはSPF40以上、特に好ましくはSPF50以上であり得る。また例えば、本発明の皮膚外用組成物は、PA値がPA+、好ましくはPA++、より好ましくはPA+++、更に好ましくはPA++++であり得る。
【0090】
本発明は、さらに、以下の方法または用途に関する。
すなわち、
【0091】
皮膚外用剤の製造の為の
(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、
(B)紫外線吸収剤、および
(C)水溶性増粘剤を含有する組成物の使用。
【0092】
日焼け止め用製剤の製造の為の
(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、
(B)紫外線吸収剤、および
(C)水溶性増粘剤を含有する組成物の使用。
【0093】
上記組成物の使用において、好ましくは、上記(A)ポリエーテル変性シリコーンワックスは、水溶性ポリエーテル変性シリコーンワックスであり得る。
【0094】
好ましくは、上記水溶性ポリエーテル変性シリコーンワックスは、ビスPEG-18メチルエーテルジメチルシラン、ビスPEG-15メチルエーテルジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、およびPEG-17ジメチコンからなる群より選択される、少なくとも1種であり得る。
【0095】
上記組成物の使用において、好ましくは、上記(B)紫外線吸収剤は、油溶性紫外線吸収剤であり得る。
【0096】
好ましくは、上記(B)紫外線吸収剤は、組成物の全量に対して0.5w/w%以上含まれ得る。
【0097】
上記組成物の使用において、上記(C)水溶性増粘剤は、アクリル酸系増粘剤、セルロース系増粘剤、ムコ多糖系増粘剤、アミノ酸系増粘剤、海藻類系増粘剤、微生物由来増粘剤、ポリエチレングリコール系増粘剤、およびデンプン系増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種であり得る。
【0098】
上記(C)水溶性増粘剤は、アクリル酸系増粘剤であり、当該アクリル酸系増粘剤は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体であり得る。
【0099】
好ましくは、上記日焼け止め用製剤は、ゲル製剤であり得る。
【0100】
好ましくは、上記日焼け止め用製剤は、水中油型日焼け止め用組成物であり得る。
【0101】
本発明は、さらに、以下の方法に関する。
すなわち、
【0102】
(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、
(B)紫外線吸収剤、および
(C)水溶性増粘剤を皮膚に塗布することによって、日焼けを防止する方法。
【0103】
上記日焼けを防止する方法において、好ましくは、上記(A)ポリエーテル変性シリコーンワックスは、水溶性ポリエーテル変性シリコーンワックスであり得る。
【0104】
好ましくは、上記水溶性ポリエーテル変性シリコーンワックスは、ビスPEG-18メチルエーテルジメチルシラン、ビスPEG-15メチルエーテルジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、およびPEG-17ジメチコンからなる群より選択される、少なくとも1種であり得る。
【0105】
上記日焼けを防止する方法において、好ましくは、上記(B)紫外線吸収剤は、油溶性紫外線吸収剤であり得る。
【0106】
上記日焼けを防止する方法において、好ましくは、上記(A)ポリエーテル変性シリコーンワックス、(B)紫外線吸収剤、および(C)水溶性増粘剤は、該(A)成分、(B)成分、および(C)成分を含む組成物の形態で皮膚に塗布され得る。
【0107】
好ましくは、上記(B)紫外線吸収剤は、組成物の全量に対して0.5w/w%以上含まれ得る。
【0108】
上記日焼けを防止する方法において、上記(C)水溶性増粘剤は、アクリル酸系増粘剤、セルロース系増粘剤、ムコ多糖系増粘剤、アミノ酸系増粘剤、海藻類系増粘剤、微生物由来増粘剤、ポリエチレングリコール系増粘剤、およびデンプン系増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種であり得る。
【0109】
上記(C)水溶性増粘剤は、アクリル酸系増粘剤であり、当該アクリル酸系増粘剤は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体であり得る。
【0110】
好ましくは、上記組成物は、ゲル製剤または水中油型組成物であり得る。
【実施例0111】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、表1~5における各成分量の単位は、w/w%である。
【0112】
表1~3に示す組成の日焼け止め組成物を常法に従って調製した。具体的には、油相成分と水相成分をそれぞれ秤量し、必要に応じ加熱溶解させた。その後、水相へ油相を投入し、ホモミキサーで撹拌し調製し均一なO/W型組成物を調製した。また、必要に応じ、撹拌後に中和剤を添加して均一なO/W型組成物を調製した。
【0113】
試験例1:紫外線防御効果試験
表1~3に記載の各日焼け止め組成物を、ポリメチルメタクリレート製の板(三洋貿易社製、HeloplateHD6)に1.3mg/cmになるように均一に塗布し、自然乾燥させた後、紫外線吸収スペクトルを、紫外線分光光度計(日本分光社製、V-650)を用いて測定した。
結果を図1~3に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
実施例1~4は、(A)成分のビスPEG-18メチルエーテルジメチルシランを除いた比較例1~4に比べて、図1に示すように紫外線防御効果(紫外線吸収スペクトルの増強効果)を有していた。また、同様に実施例4は、(C)成分の(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーを除いた比較例5に比べて、図2に示すように、紫外線防御効果を有していた。
【0117】
【表3】
表中*1の原料名は、SIMULGELNSであり、*2の原料名は、SIMULGELEGである。
【0118】
図3に示す通り、実施例5~7は、それぞれ(A)成分を除いた比較例6~8と比べて顕著な紫外線防御効果(紫外線吸収スペクトルの増強効果)を有していた。
【0119】
実施例1~7と同様に、表4に示す組成の日焼け止め組成物を常法に従って調製し、紫外線防御効果を試験した。
【表4】
【0120】
その結果、実施例8は、比較例9に比べ紫外線防御効果(紫外線吸収スペクトルの増強効果)が得られ、特に350nm付近のピークトップで差異のある、顕著な紫外線防御効果を有していた。
【0121】
試験例2 使用感試験
表2の実施例4および比較例4の日焼け止め組成物を用いて、使用感を確認した。5人のパネラーに各サンプルを使用してもらい、増粘剤に由来するぬめり感の評価を行った。ぬめり感のなさを比較した結果、5名中4名が比較例4に比べて、実施例4はぬめり感がないと評価した。
【0122】
(C)成分である水溶性増粘剤に(B)成分である紫外線吸収剤を多量に配合した比較例4は使用感が損なわれる一方、(B)成分及び(C)成分に加えて更に(A)成分であるポリエーテル変性シリコーンワックスを配合した本発明の日焼け止め組成物は、優れた使用感を示すことがわかった。このように、本発明によれば、使用感に優れ、かつ紫外線吸収能が増強された日焼け止め組成物を提供することができる。
【0123】
製剤例
下記表5に記載の製剤を調製する。製剤例1~10は、いずれもO/W型ゲル剤の日焼け止め組成物である。
【0124】
【表5】
図1
図2
図3