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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181424
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20231214BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20231214BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/69
A63F13/45
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187505
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2022102609の分割
【原出願日】2016-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100167955
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 美可
(72)【発明者】
【氏名】平井 隼人
(72)【発明者】
【氏名】新井 健祐
(57)【要約】
【課題】ユーザーが待機した時間の長さに応じて本コンテンツを獲得し易くすることで、プレイ意欲を向上させる。
【解決手段】本発明は、本コンテンツの付与に先行して仮コンテンツをユーザーに対して付与する仮コンテンツ付与部と、仮コンテンツの待機時間が経過する前にユーザーのゲーム操作が行われたことによって前記待機時間までの残り時間が少ないほど成功し易くした成功確率で抽選を行ない、抽選結果として成功が決定されたことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与し、且つ、ユーザーのゲーム操作が行われずに仮コンテンツの待機時間が経過したことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与する本コンテンツ付与部と、を備えた情報処理装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本コンテンツの付与に先行して仮コンテンツをユーザーに対して付与する仮コンテンツ付与部と、
仮コンテンツの待機時間が経過する前にユーザーのゲーム操作が行われたことによって前記待機時間までの残り時間が少ないほど成功し易くした成功確率で抽選を行ない、抽選結果として成功が決定されたことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与し、且つ、
ユーザーのゲーム操作が行われずに仮コンテンツの待機時間が経過したことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与する本コンテンツ付与部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記本コンテンツには、複数階級のレアリティのうちのいずれかの階級のレアリティが設定されており、
前記本コンテンツ付与部は、
抽選結果として成功が決定された場合に、仮コンテンツの待機時間が経過したことによって付与される本コンテンツと同一階級のレアリティが設定された本コンテンツを付与し、且つ、
抽選結果として失敗が決定された場合には、仮コンテンツの待機時間が経過したことによって付与される本コンテンツよりも低い階級のレアリティが設定された本コンテンツを付与する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記本コンテンツ付与部は、
仮コンテンツの待機時間が経過したことによって付与される本コンテンツよりも低い階級のレアリティが設定された本コンテンツを付与する際に、
付与する前記本コンテンツのレアリティの最低階級を、仮コンテンツの待機時間までの残り時間が少ないほど上昇させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1-3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記仮コンテンツ付与部は、複数種類の仮コンテンツの中から選択したいずれかの種類の仮コンテンツを付与し、
互いに同一種類の仮コンテンツのうち、一方の仮コンテンツを消費させることによって、待機時間が経過する前の待機状態にある他方の仮コンテンツの待機時間を減少させる待機時間制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記待機時間制御部は、
待機時間が経過する前の待機状態にある仮コンテンツと同一種類の仮コンテンツが前記仮コンテンツ付与部によって付与された際に、
付与された同一種類の前記仮コンテンツを自動的に消費させることによって、待機状態にある前記仮コンテンツの待機時間を自動的に減少させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1-3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
待機時間が経過する前の待機状態にある仮コンテンツが存在していないときに空白時間をカウントして、待機状態にある仮コンテンツが存在したときに前記空白時間に基づいて待機時間を減少させる待機時間制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1-6のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
本コンテンツ付与部は、仮コンテンツの待機時間をカウントさせるための有限個の待機枠にセットされた仮コンテンツについてのみ、本コンテンツを前記ユーザーに対して付与する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
コンピューターを、
本コンテンツの付与に先行して仮コンテンツをユーザーに対して付与する仮コンテンツ付与手段、
仮コンテンツの待機時間が経過する前にユーザーのゲーム操作が行われたことによって前記待機時間までの残り時間が少ないほど成功し易くした成功確率で抽選を行ない、抽選結果として成功が決定されたことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与し、且つ、
ユーザーのゲーム操作が行われずに仮コンテンツの待機時間が経過したことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与する本コンテンツ付与手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーがゲームプレイを行なった後に、次のゲームプレイを行なえるようになるまでユーザーに対して待機時間を発生させるゲームを実行する情報処理装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
このゲームでは、待機時間の経過を待つことによって次のゲームプレイを行なうこともできれば、待機時間が経過する前に所定のゲーム操作を行なうことによって(例えば、回復アイテムを使用するためのゲーム操作を行なうことによって)次のゲームプレイを行なうこともできるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5729795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなゲームでは、本コンテンツの付与に先行して仮コンテンツを付与し、仮コンテンツから本コンテンツを獲得できるようになるまでユーザーに対して待機時間を発生させるようにすることも可能である。そして、待機時間の経過を待つことによって本コンテンツを獲得することができると共に、待機時間が経過する前に所定のゲーム操作を行なうことによって本コンテンツを獲得できるようにすることも可能である。このようにした場合に、待機した時間の長いユーザー及び待機した時間が短いユーザーの双方とも、結果として本コンテンツを獲得できることになる。そのため、長く待機したユーザーにとっては苛立ちを感じさせてしまうことになり、プレイ意欲を低下させるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーが待機した時間の長さに応じて本コンテンツを獲得し易くすることで、プレイ意欲を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、
本コンテンツの付与に先行して仮コンテンツをユーザーに対して付与する仮コンテンツ付与部と、
仮コンテンツの待機時間が経過する前にユーザーのゲーム操作が行われたことによって前記待機時間までの残り時間が少ないほど成功し易くした成功確率で抽選を行ない、抽選結果として成功が決定されたことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与し、且つ、
ユーザーのゲーム操作が行われずに仮コンテンツの待機時間が経過したことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与する本コンテンツ付与部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置である。
このような情報処理装置によれば、仮コンテンツの待機時間が経過する前においては、待機時間までの残り時間が少ないほど成功確率が上昇するため、ユーザーが待機した時間の長さに応じて本コンテンツを獲得し易くなる。
【0007】
また、前記本コンテンツには、複数階級のレアリティのうちのいずれかの階級のレアリティが設定されており、
前記本コンテンツ付与部は、
抽選結果として成功が決定された場合に、仮コンテンツの待機時間が経過したことによって付与される本コンテンツと同一階級のレアリティが設定された本コンテンツを付与し、且つ、
抽選結果として失敗が決定された場合には、仮コンテンツの待機時間が経過したことによって付与される本コンテンツよりも低い階級のレアリティが設定された本コンテンツを付与することが望ましい。
これにより、失敗するリスクがあるものの、成功すれば、本来であれば待機時間が経過したことによって獲得できるレアリティの本コンテンツを、待機時間の経過を待つことなく早期に獲得できることになる。つまり、いつまで待機するかによって成功する可能性が変動することになるので、待機時間におけるゲーム性を高めることができる。
【0008】
また、前記本コンテンツ付与部は、
仮コンテンツの待機時間が経過したことによって付与される本コンテンツよりも低い階級のレアリティが設定された本コンテンツを付与する際に、
付与する前記本コンテンツのレアリティの最低階級を、仮コンテンツの待機時間までの残り時間が少ないほど上昇させることが望ましい。
これにより、失敗した場合であっても、長く待機するほどリスクを軽減することが可能となる。
【0009】
また、前記仮コンテンツ付与部は、複数種類の仮コンテンツの中から選択したいずれかの種類の仮コンテンツを付与し、
互いに同一種類の仮コンテンツのうち、一方の仮コンテンツを消費させることによって、待機時間が経過する前の待機状態にある他方の仮コンテンツの待機時間を減少させる待機時間制御部を備えたことが望ましい。
これにより、同一種類の仮コンテンツを利用することで、待機時間を減少させることができるため、本コンテンツを早期に獲得することが可能となる。
【0010】
また、前記待機時間制御部は、
待機時間が経過する前の待機状態にある仮コンテンツと同一種類の仮コンテンツが前記仮コンテンツ付与部によって付与された際に、
付与された同一種類の前記仮コンテンツを自動的に消費させることによって、待機状態にある前記仮コンテンツの待機時間を自動的に減少させることが望ましい。
これにより、ユーザーがゲーム操作を行なわなくても、待機時間を減少させることが可能となる。
【0011】
また、待機時間が経過する前の待機状態にある仮コンテンツが存在していないときに空白時間をカウントして、待機状態にある仮コンテンツが存在したときに前記空白時間に基づいて待機時間を減少させる待機時間制御部を備えたことが望ましい。
これにより、待機状態にある仮コンテンツが存在していないときの空白時間を利用することで、待機時間を減少させることができるため、本コンテンツを早期に獲得することが可能となる。
【0012】
また、本コンテンツ付与部は、仮コンテンツの待機時間をカウントさせるための有限個の待機枠にセットされた仮コンテンツについてのみ、本コンテンツを前記ユーザーに対して付与することが望ましい。
これにより、成功確率が低くてもよいので待機時間の経過を待たずにゲーム操作を行なって早く待機枠を空き状態にし次々と仮コンテンツをセットすることもできれば、仮コンテンツの待機時間の経過を待って確実に本コンテンツを獲得することもできるため、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0013】
また、コンピューターを、
本コンテンツの付与に先行して仮コンテンツをユーザーに対して付与する仮コンテンツ付与手段、
仮コンテンツの待機時間が経過する前にユーザーのゲーム操作が行われたことによって前記待機時間までの残り時間が少ないほど成功し易くした成功確率で抽選を行ない、抽選結果として成功が決定されたことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与し、且つ、
ユーザーのゲーム操作が行われずに仮コンテンツの待機時間が経過したことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与する本コンテンツ付与手段、
として機能させるためのプログラムである。
このようなプログラムによれば、仮コンテンツの待機時間が経過する前においては、待機時間までの残り時間が少ないほど成功確率が上昇するため、ユーザーが待機した時間の長さに応じて本コンテンツを獲得し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例を示す構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピューターの一例を示すハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係るサーバー装置の一例を示す機能ブロック図である。
図4】本実施形態に係るクライアント端末の一例を示す機能ブロック図である。
図5】本実施形態における情報処理システムの動作例を説明するフローチャートである。
図6】仮アイテム情報の一例を示す構成図である。
図7】ユーザー情報の一例を示す構成図である。
図8】設定画面の一例を示すイメージ図である。
図9】待機情報の一例を示す構成図である。
図10】本アイテム情報の一例を示す構成図である。
図11】待機画面の一例を示すイメージ図である。
図12】待機時間までの残り時間と成功確率との関係を説明する図である。
図13】待機時間までの残り時間と失敗時に付与される宝石の最低階級との関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施形態に係る情報処理装置、プログラム及び情報処理システムについて詳細に説明する。なお、本発明はコンテンツ(アイテム)をユーザーに所持させるゲームを採用する情報処理装置、プログラム及び情報処理システム等に広く適用できる。
【0016】
[実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、1台以上のクライアント端末10とサーバー装置20とがネットワークNを介して接続されている。
【0017】
クライアント端末10は、ユーザーが操作するPC、スマートフォン、タブレットなどの端末装置や、家庭用や業務用のゲーム専用機器などの端末装置である。サーバー装置20は、クライアント端末10でユーザーにより行われるゲームの管理や制御、ゲーム内での課金処理等を行う。ネットワークNは、インターネット等であって、移動無線基地局などを含む。
【0018】
なお、本発明は図1に示すクライアント・サーバー型の情報処理システム1の他、ゲーム内での課金処理を行う仕組みを別途設けることで単体のゲーム装置においても適用可能である。図1の情報処理システム1は一例であって用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。例えば、図1のサーバー装置20は複数のコンピューターに分散して構成してもよい。
【0019】
<ハードウェア構成>
《クライアント端末及びサーバー装置》
図2は、本実施形態に係るコンピューター50の一例を示すハードウェア構成図である。本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバー装置20は、例えば図2に示すハードウェア構成のコンピューター50により実現される。なお、コンピューター50は情報処理装置の一例である。
【0020】
コンピューター50は、図2に示すように、CPU51、RAM52、ROM53、通信インタフェース54、入力装置55、表示装置56、外部インタフェース57、及びHDD58などを備えており、それぞれがバスラインBで相互に接続されている。なお、入力装置55及び表示装置56は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0021】
CPU51は、ROM53やHDD58などの記憶装置からプログラムやデータをRAM52上に読み出し、読み出したプログラムやデータに基づく各種処理を実行することによって、コンピューター全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0022】
RAM52は、プログラムやデータを一時保持するための揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例であり、CPU51が各種処理を実行する際のワークエリアとしても利用される。
【0023】
ROM53は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM53には、コンピューター50の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。
【0024】
通信インタフェース54は、コンピューター50をネットワークNに接続するためのインタフェースである。これにより、コンピューター50は通信インタフェース54を介してデータ通信を行うことができる。
【0025】
入力装置55は、ユーザー又は管理者が各種信号を入力するのに用いる装置である。本実施形態における入力装置55は、例えば、タッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどの操作装置である。
【0026】
表示装置56は、ユーザー又は管理者に対して各種情報を画面表示するための装置である。本実施形態における表示装置56は、例えば、液晶や有機ELなどのディスプレイである。
【0027】
外部インタフェース57は、外部装置とデータ通信可能に接続するためのインタフェースである。これにより、コンピューター50は外部インタフェース57を介して記録媒体の読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。外部装置は、例えば、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどの記録媒体である。
【0028】
HDD58は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピューター全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。
【0029】
なお、HDD58に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用してもよい。
【0030】
本実施形態に係るクライアント端末10及びサーバー装置20は、上述したハードウェア構成のコンピューター50においてプログラムを実行することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0031】
<ソフトウェア構成>
《サーバー装置》
図3は、本実施形態に係るサーバー装置20の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態に係るサーバー装置20は、例えば図3に示す機能ブロックにより実現される。
【0032】
本実施形態に係るサーバー装置20は、プログラムを実行することにより、サーバー制御部200、サーバー記憶部220、及びサーバー通信部240を実現する。
【0033】
サーバー制御部200は、各種ゲームに関する処理を実行する機能を有する。このサーバー制御部200は、ゲーム実行部201、仮アイテム付与部202、本アイテム付与部203、待機時間制御部204、及び表示制御部205を含む。
【0034】
ゲーム実行部201は、クライアント端末10がユーザーから受け付けたゲーム操作に基づいて、コンテンツの一例としてのアイテム(仮アイテムや本アイテム)を用いるゲームの進行を制御する。
【0035】
仮アイテム付与部202は、仮コンテンツ付与部の一例であって、後述する仮アイテム情報(仮コンテンツ情報)に設定された複数の仮アイテムうちのいずれかをユーザーに対して付与する。本実施形態では、本アイテムの付与に先行して仮アイテムをユーザーに対して付与する。
【0036】
本アイテム付与部203は、本コンテンツ付与部の一例であって、後述する本アイテム情報(本コンテンツ情報)に設定された複数の本アイテムうちのいずれかをユーザーに対して付与する。本実施形態では、ユーザーのゲーム操作が行われずに待機時間が経過したことによって本アイテムが必ず付与されるようになっている。そして例外的に、待機時間が経過する前にユーザーのゲーム操作が行われると、待機時間までの残り時間に応じた成功確率に基づき抽選が行われ、その抽選結果によって本アイテムが付与される場合がある。
【0037】
待機時間制御部204は、所定条件に基づいて待機時間を制御する。本実施形態では、互いに同一種類の仮アイテムのうち、一方の仮アイテムを消費させることによって、待機時間が経過する前の待機状態にある他方の仮アイテムの待機時間を減少させる。また、待機時間が経過する前の待機状態にある仮アイテムが存在していないときに空白時間をカウントして、待機状態にある仮アイテムが存在したときにその空白時間に基づいて待機時間を減少させる。
【0038】
表示制御部205は、例えば、ゲーム実行部201が実行するゲーム(各種アイテムを用いて行われるゲーム)の進行等に従い各種画面のデータを生成することによって、クライアント端末10の画面表示を制御する。
【0039】
サーバー記憶部220は、ゲームに関する情報を記憶する機能を有する。このサーバー記憶部220は、キャラクター情報記憶部221、仮アイテム情報記憶部222(仮コンテンツ情報記憶部)、本アイテム情報記憶部223(本コンテンツ情報記憶部)、及びユーザー情報記憶部224を含む。
【0040】
キャラクター情報記憶部221は、各種キャラクターに関するキャラクター情報を記憶している。キャラクター情報記憶部221が記憶するキャラクター情報には、ゲームで利用されるキャラクターが設定されている。
【0041】
仮アイテム情報記憶部222は、仮コンテンツの一例としての仮アイテムに関する仮アイテム情報(仮コンテンツ情報)を記憶している。仮アイテム情報記憶部222が記憶する仮アイテム情報には、仮アイテムの一例としての「宝箱」が設定されている。
【0042】
本アイテム情報記憶部223は、本コンテンツの一例としての本アイテムに関する本アイテム情報(本コンテンツ情報)を記憶している。本アイテム情報記憶部223が記憶する本アイテム情報には、本アイテムの一例としての「宝石」が設定されている。
【0043】
ユーザー情報記憶部224は、ユーザーに関するユーザー情報を記憶している。ユーザー情報記憶部224が記憶するユーザー情報には、ユーザーが所持する各種アイテムや各種キャラクター等が設定されている。
【0044】
サーバー通信部240は、ネットワークNを介してクライアント端末10との通信を行う機能を有する。
【0045】
《クライアント端末》
図4は、本実施形態に係るクライアント端末10の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態に係るクライアント端末10は、例えば図4に示す機能ブロックにより実現される。
【0046】
本実施形態に係るクライアント端末10は、プログラムを実行することにより、クライアント制御部100、クライアント記憶部120、クライアント通信部140、操作受付部150、画面表示部160を実現する。クライアント制御部100は、要求送信部101、応答受信部102を含む。
【0047】
操作受付部150は、クライアント端末10を操作するユーザーからの操作を受け付ける。また、クライアント制御部100は、クライアント端末10におけるゲームに関する処理を行う。要求送信部101は、操作受付部150がユーザーから受け付けた操作の内容に基づき、サーバー装置20に対して要求を送信する。応答受信部102は、要求送信部101がサーバー装置20に対して送信した要求に対する処理結果などの応答を受信する。
【0048】
また、クライアント記憶部120は、クライアント端末10において必要となる情報を記憶する。クライアント通信部140は、サーバー装置20との通信を行う。画面表示部160は、サーバー装置20からの制御に従い、クライアント端末10の画面表示を行う。
【0049】
なお、上述したように、本実施形態に係る情報処理システム1では、サーバー装置20がゲームの進行や表示制御を行うが、クライアント端末10が行ってもよい。具体的には、ゲーム実行部及び表示制御部の少なくとも一方を、サーバー装置20のサーバー制御部200に設けない構成にする一方で、クライアント端末10のクライアント制御部100に設ける構成にしてもよい。
【0050】
また、クライアント端末10のクライアント制御部100は、HTML(Hyper Text Markup Language)等で記載されたページデータやページデータ内に含まれるスクリプトなどをサーバー装置20から受信して、ゲームに関する処理を行うブラウザ型がある。また、クライアント端末10のクライアント制御部100は、インストールされたアプリケーションに基づいて、ゲームに関する処理を行うアプリケーション型がある。
【0051】
<ゲームの概要>
ここでは、本実施形態におけるゲームの概要について説明する。本実施形態におけるゲームは、複数キャラクターから構成されるパーティに対して敵キャラクターを出現させ、出現した敵キャラクターとパーティを構成する各キャラクターとを対戦させる対戦ゲームである。
【0052】
この対戦ゲームには、敵キャラクターを倒すことを目的とするクエストが難易度に応じて複数設定されている。ユーザーは、自らの所持するキャラクター等を用いてパーティを編成し、いずれかのクエストを選択して敵キャラクターとの対戦に挑むことができる。その対戦中には、その選択されたクエストにて獲得可能に設定された「宝箱」(仮アイテム)がユーザーに付与される場合がある。本実施形態では、金、銀、銅の3種類の「宝箱」が付与されるように設定されている。
【0053】
「宝箱」を獲得できたユーザーは、その「宝箱」を開封すべく自己の待機枠にセットする。本実施形態では、自己の待機枠に対して最大3つまで「宝箱」をセットできるようになっている。待機枠に「宝箱」がセットされると、待機時間のカウントが開始される。本実施形態では、「宝箱」の種類毎に異なる待機時間が設定されている。この待機時間が経過すると、待機枠にセットされた「宝箱」を開封することができる。待機枠にセットされた「宝箱」が開封されると、「宝石」(本アイテム)がその「宝箱」の中身としてユーザーに付与される。なお、ユーザーが待機枠に宝箱をセットしなくても、宝箱を入手した時点で待機枠に空きがあれば自動でセットされても良い。その際、宝箱の入手順で待機枠にセットされる。そして、待機時間の経過により待機枠が空くと、次の宝箱が当該待機枠に自動でセットされても良い(オート開封、オートセット)。
【0054】
「宝箱」の中身となる「宝石」については、その「宝箱」の種類に応じたレアリティが設定されている。本実施形態では、「銅の宝箱」、「銀の宝箱」、「金の宝箱」の順番で、その中身として獲得できる「宝石」のレアリティが高くなるように設定されている。
【0055】
また、待機枠に「宝箱」がセットされた後、ユーザーが待機時間の経過を待たずに「宝箱」を途中で開封するためのゲーム操作を行なうと、その「宝箱」の開封について成功又は失敗が抽選によって決定される。本実施形態では、「宝箱」を途中で開封するゲーム操作がユーザーによって行われたとき、待機時間までの残り時間が少ないほど成功し易い成功確率が設定されている。そのため、待機時間の経過前においては、待機した時間が長いユーザーほど「宝箱」の開封について成功し易くなっている。
【0056】
そして、「宝箱」の開封について成功した場合には、待機時間が経過したことによって付与される「宝石」と同一階級のレアリティが設定された「宝石」を獲得できる。その一方、「宝箱」の開封について失敗した場合には、待機時間が経過したことによって付与される「宝石」よりも低い階級のレアリティが設定された「宝石」を獲得できる(または、何も獲得できないようにしてもよい)。
【0057】
このように、ユーザーによって「宝箱」が待機枠にセットされ、待機時間の経過前にて途中開封のためのゲーム操作が行われると、抽選結果として開封の成功が決定されれば、「宝石」を獲得できる。そして、ユーザーによって途中開封のためのゲーム操作が行われずに待機時間が経過した後には、「宝石」を必ず獲得できる。これにより、「宝箱」の待機時間が経過するのを待ってから確実に「宝石」を手に入れるか、それとも待機時間の経過を待たずに、その待機時間の経過を待ったときに付与される「宝石」の獲得にチャレンジするか、戦略を立てながら選択できるようになる。
【0058】
<動作>
図5は、本実施形態における情報処理システム1の動作例を説明するフローチャートである。
【0059】
サーバー装置20のゲーム実行部201は、クライアント端末10からのリクエストを受け付けると、設定画面をクライアント端末10に表示させるように表示制御部205に画面表示制御の実行を要求する(ステップS11)。
【0060】
表示制御部205は、ゲーム実行部201から画面表示制御の実行を要求されると、仮アイテム情報記憶部222が記憶する仮アイテム情報及びユーザー情報記憶部224が記憶するユーザー情報に基づいて、設定画面をクライアント端末10の画面表示部160に表示させる制御を行なう。
【0061】
図6は、仮アイテム情報の一例を示す構成図である。この仮アイテム情報は、項目として仮アイテムID、種類、出現確率、待機時間、宝石のレアリティ等を有する。仮アイテムIDは、宝箱を一意に識別するための情報である。種類は、宝箱の種類を示す情報である。出現確率は、仮アイテム付与部202によって対戦中に宝箱が付与される確率を示す情報である。ここでは、「金の宝箱」の出現確率が最も低く設定されている。つまり、「金の宝箱」が最も入手しにくいことになる。待機時間は、宝箱を確実に手に入れることのできる待ち時間を示す情報である。宝石のレアリティは、宝箱の中身としての宝石に設定されたレアリティの階級を示す情報である。ここでは、「金の宝箱」の中身としての宝石に設定されたレアリティの階級が最も高く設定されている。
【0062】
図7は、ユーザー情報の一例を示す構成図である。このユーザー情報は、項目としてユーザーID、キャラクター、ポイント、宝箱、宝石、仮想通貨、待機情報、パーティ情報等を有する。ユーザーIDは、ユーザーを一意に識別するための情報である。キャラクターは、ユーザーが所持するキャラクターのキャラクターIDを示す情報である。ポイントは、ユーザーが所持するポイント量を示す情報である。ユーザーは自己のポイントを消費させることで、クエストでの対戦に挑むことができる。宝箱は、ユーザーが所持する宝箱を示す情報である。ここでは、図中にて括弧書きで示すように、宝箱の種類毎に所持数も併せて設定されている。宝石は、ユーザーが所持する宝石のアイテムIDを示す情報である。仮想通貨は、ユーザーの所持する仮想通貨の金額を示す情報である。待機情報は、ユーザーの待機枠にセットされている宝箱に関する情報である。パーティ情報は、ユーザーによって編成されたパーティに含まれるキャラクターを示す情報である。
【0063】
図8は、設定画面の一例を示すイメージ図である。この設定画面500には、宝箱表示領域501と、待機枠セット領域502が表示されている。宝箱表示領域501には、ユーザー情報に基づき、ユーザーの所持する宝箱が表示される。待機枠セット領域502は、第1の待機枠502a、第2の待機枠502b、第3の待機枠502cが含まれており、それぞれの待機枠に1つずつ宝箱をセットすることができる。このように本実施形態では、ユーザーの待機枠に個数制限を設けている。そのため、待機枠の個数分以上(3つ以上)の宝箱をユーザーが所持していても、待機枠の個数分しか宝箱をセットできないことになる。つまり、残り分の宝箱は待機枠が空き状態になるまで所持し続けなければならないことになる。第1の待機枠502aには、宝箱表示領域501の中からユーザーによって選択された「金の宝箱」と、その「金の宝箱」のセットを確定させるための操作ボタン503とが表示される。また第1の待機枠502aには、仮アイテム情報に基づき、「金の宝箱」の待機時間(「3時間」)や「金の宝箱」の中身である宝石のレアリティ(「レア度5」)も表示されている。第2の待機枠502b及び第3の待機枠502cには、未だ宝箱が選択されていない状態が表示されている。
【0064】
ユーザーは、クライアント端末10の画面表示部160に設定画面500が表示されているときに、待機枠セット領域502にて待機枠の宝箱に対応する操作ボタン503を押すことで、その待機枠に宝箱をセットするためのゲーム操作をクライアント端末10に対して行う。
【0065】
図5に戻り、このようにして設定画面500にてユーザーのゲーム操作が行われると、クライアント端末10の操作受付部150はユーザーのゲーム操作に基づく操作内容を受け付ける(ステップS12)。そして、クライアント端末10の要求送信部101は、操作受付部150がユーザーから受け付けた操作内容に基づき、サーバー装置20にセット処理の要求を行う。
【0066】
次に、サーバー装置20のゲーム実行部201は、クライアント端末10から操作内容を受け付けると、そのユーザーのユーザー情報に設定された待機情報の更新を行ない、設定画面500においてユーザーが選択した宝箱を待機枠にセットする(ステップS13)。そして、ユーザーの操作によって宝箱が待機枠にセットされると、タイマーによる待機時間のカウントが開始される。
【0067】
図9は、待機情報の一例を示す構成図である。この待機情報は、項目として待機枠、宝箱、セット日時、残り時間等を有する。待機枠は、宝箱をセットできる3つの待機枠を特定するための情報である。宝箱は、待機枠にセットされた宝箱を示す情報である。セット日時は、ユーザーの操作によって宝箱が待機枠にセットされた日時を示す情報である。残り時間は、ユーザーの操作によって宝箱がセットされた時点から待機時間までの残り時間を示す情報である。
【0068】
図5に戻り、次に、サーバー装置20のゲーム実行部201は、そのユーザーのユーザー情報に設定された待機情報を参照して、待機枠にセットされた宝箱の待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS14)。
【0069】
この判定の結果、待機枠にセットされた宝箱の待機時間が経過していないと判定された場合は、後述するステップS16の処理に進む。その一方で、待機枠にセットされた宝箱の待機時間が経過したと判定された場合には、次のステップS15の処理に進む。
【0070】
次に、サーバー装置20のゲーム実行部201は、待機枠にセットされた宝箱の待機時間が経過したと判定された場合には、ユーザーの開封操作を受け付けたことによって本アイテム付与部203に対して本アイテム付与処理の実行を要求する(ステップS15)。
【0071】
本アイテム付与部203は、ゲーム実行部201から本アイテム付与処理の実行を要求されると、仮アイテム情報記憶部222が記憶する仮アイテム情報を参照して、待機時間が経過した宝箱の中身である宝石のレアリティを特定する。ここでは、図6に示すように、待機時間が経過した宝箱が「金の宝箱」である場合は、その中身である宝石のレアリティは「レア度5」となる。また、「銀の宝箱」である場合は、宝石のレアリティは「レア度4」となり、「銅の宝箱」である場合は、宝石のレアリティは「レア度3」となる。
【0072】
そして、本アイテム付与部203は、本アイテム情報記憶部223が記憶する本アイテム情報を参照して、その特定されたレアリティの宝石を複数種類の宝石の中からランダムに取得して、ユーザーに対して付与する。この際、本アイテム付与部203は、ユーザー情報記憶部224が記憶するユーザー情報を更新して、待機時間が経過した宝箱をユーザーの所持分から消去すると共に、付与された宝石をユーザーの所持するアイテムとして設定する。またこれに併せて、そのユーザー情報に設定された待機情報を更新し、待機時間が経過した宝箱を待機枠から消去することによってその待機枠を空き状態にする。
【0073】
図10は、本アイテム情報の一例を示す構成図である。この本アイテム情報は、項目として本アイテムID、種類、レア度等を有する。本アイテムIDは、本アイテムを一意に識別するための情報である。種類は、本アイテムの種類を示す情報である。レア度は、本アイテムに設定されたレアリティの階級を示す情報である。
【0074】
次に、サーバー装置20のゲーム実行部201は、上述したステップS14の処理で、待機枠にセットされた宝箱の待機時間が経過していないと判定された場合には、ユーザーが待機時間の経過を待たずに宝箱を途中で開封するためのゲーム操作を行なったか否かを判定する(ステップS16)。ユーザーは、図11に示すような待機画面において、待機枠にセットされた宝箱を途中で開封するためのゲーム操作を行なうことができる。
【0075】
図11は、待機画面の一例を示すイメージ図である。この待機画面550には、待機枠表示領域551が表示されている。待機枠表示領域551には、第1の待機枠551aと、第2の待機枠551bと、第3の待機枠551cが含まれている。それぞれの待機枠には、待機枠にセットされた宝箱の待機時間、待機時間までの残り時間、成功確率、待機枠にセットされた宝箱を途中で開封するための操作ボタン552が含まれている。
【0076】
待機枠にセットされた宝箱の開封を希望するユーザーは、クライアント端末10の画面表示部160に待機画面550が表示されているときに、待機枠表示領域551にて待機枠の宝箱に対応する操作ボタン552を押すことで、その宝箱を途中で開封するためのゲーム操作をクライアント端末10に対して行う。
【0077】
本実施形態では、このように待機枠の個数が制限されている。そのため、待機枠の個数分以上(3つ以上)の宝箱をユーザーが所持していても、待機枠の個数分しか宝箱をセットできないことになる。つまり、残り分の宝箱は待機枠が空き状態になるまで所持し続けなければならないことになる。そのため、成功確率が低くてもよいので宝箱を早く開封したいユーザーは、宝箱の途中開封を行なうことで待機枠を空き状態にし、残り分の宝箱を次々とセットすればよい。その一方で、宝箱を確実に開封したいユーザーは、待機時間が経過するまで待てばよい。このようにしてユーザーは、戦略を立てながら待機枠に宝箱をセットすることができる。
【0078】
このようにして待機画面550にてユーザーのゲーム操作が行われると、クライアント端末10の操作受付部150はユーザーのゲーム操作に基づく操作内容を受け付ける。そして、クライアント端末10の要求送信部101は、操作受付部150がユーザーから受け付けた操作内容に基づき、サーバー装置20に開封抽選処理の要求を行う。
【0079】
上述したステップS16の処理による判定の結果、宝箱を途中で開封するためのゲーム操作が行われないと判定された場合は、ステップS14の処理に戻り、再び待機時間が経過したか否かについての判定が行われる。その一方で、宝箱を途中で開封するためのゲーム操作が行われたと判定された場合には、次のステップS17の処理に進む。
【0080】
次に、サーバー装置20の本アイテム付与部203は、上述したステップS16の処理にて、待機枠にセットされた宝箱を開封するためのゲーム操作が行われたと判定された場合には、その宝箱の開封について成功又は失敗を抽選によって決定する開封抽選を行なう(ステップS17)。
【0081】
この開封抽選では、図12に示すように、宝箱を開封するゲーム操作がユーザーによって行われたとき、待機時間までの残り時間が少ないほど成功し易い成功確率が設定されている。そのため、待機時間の経過前においては、待機した時間が長いほど宝箱の開封について成功し易くなっている。
【0082】
図12は、待機時間までの残り時間と成功確率との関係を説明する図である。ここでは、宝箱の種類ごとに、待機時間までの残り時間と成功確率との関係が定められている。それぞれの宝箱は、待機時間までの残り時間が少なくなるにつれて、成功確率が上昇するように設定されている。
【0083】
次に、サーバー装置20の本アイテム付与部203は、上述したステップS17にて開封抽選が行われた結果、待機枠にセットされた宝箱の開封について成功が決定されたか否かを判定する(ステップS18)。
【0084】
この判定の結果、待機枠にセットされた宝箱の開封について失敗が決定された場合には、後述するステップS20に進む。その一方で、待機枠にセットされた宝箱の開封について成功が決定された場合には、次のステップS19の処理に進む。
【0085】
次に、サーバー装置20の本アイテム付与部203は、待機枠にセットされた宝箱の開封について成功が決定された場合には、上述したステップS15の処理にて宝箱の待機時間が経過したことによって付与される宝石と同一階級のレアリティが設定された宝石を付与する(ステップS19)。
【0086】
具体的には、本アイテム付与部203は、仮アイテム情報記憶部222が記憶する仮アイテム情報を参照して、成功が決定された宝箱の中身である宝石のレアリティを特定する。ここでは、図6に示すように、成功が決定された宝箱が「金の宝箱」である場合は、その中身である宝石のレアリティは「レア度5」となる。また、「銀の宝箱」である場合は、宝石のレアリティは「レア度4」となり、「銅の宝箱」である場合は、宝石のレアリティは「レア度3」となる。
【0087】
そして、本アイテム付与部203は、本アイテム情報記憶部223が記憶する本アイテム情報を参照して、その特定されたレアリティの宝石を複数種類の宝石の中からランダムに取得して、ユーザーに対して付与する。この際、本アイテム付与部203は、ユーザー情報記憶部224が記憶するユーザー情報を更新して、成功が決定された宝箱をユーザーの所持分から消去すると共に、付与された宝石をユーザーの所持するアイテムとして設定する。またこれに併せて、そのユーザー情報に設定された待機情報を更新し、成功が決定された宝箱を待機枠から消去することによってその待機枠を空き状態にする。
【0088】
次に、サーバー装置20の本アイテム付与部203は、待機枠にセットされた宝箱の開封について失敗が決定された場合には、上述したステップS15の処理にて宝箱の待機時間が経過したことによって付与される宝石とよりも低い階級のレアリティが設定された宝石を付与する(ステップS20)。
【0089】
具体的には、本アイテム付与部203は、仮アイテム情報記憶部222が記憶する仮アイテム情報を参照して、失敗が決定された宝箱の中身である宝石のレアリティを特定する。ここでは、図6に示すように、失敗が決定された宝箱が「金の宝箱」である場合は、その中身である宝石のレアリティは「レア度3」又は「レア度4」となる。また、「銀の宝箱」である場合は、宝石のレアリティは「レア度2」又は「レア度3」となり、「銅の宝箱」である場合は、宝石のレアリティは「レア度1」又は「レア度2」となる。
【0090】
そして、本アイテム付与部203は、本アイテム情報記憶部223が記憶する本アイテム情報を参照して、その特定されたいずれかのレアリティの宝石を複数種類の宝石の中からランダムに取得して、ユーザーに対して付与する。この際、本アイテム付与部203は、ユーザー情報記憶部224が記憶するユーザー情報を更新して、失敗が決定された宝箱をユーザーの所持分から消去すると共に、付与された宝石をユーザーの所持するアイテムとして設定する。またこれに併せて、そのユーザー情報に設定された待機情報を更新し、失敗が決定された宝箱を待機枠から消去することによってその待機枠を空き状態にする。
【0091】
このように、本実施形態における情報処理システムによれば、待機時間の経過後においては、ユーザーは長時間に亘って待ち続ける必要があるものの、宝箱の中身である宝石を確実に獲得できる。その一方で、待機時間の経過前においては、ユーザーが待機した時間の長さに応じて宝箱の中身である宝石(待機時間の経過後に得られる宝石と同じレア度の宝石)を獲得し易くすることで、プレイ意欲を向上させることが可能となる。
【0092】
[その他の実施形態]
前述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0093】
<待機時間の制御>
前述の実施形態では、待機時間制御部204が、待機枠にセットされた宝箱の待機時間を短くする制御を行なうことも可能である。
【0094】
例えば、待機時間制御部204が、互いに同一種類の宝箱のうち、一方の宝箱を消費させることによって、待機枠にセットされ待機状態にある他方の宝箱の待機時間を減少させることも可能である。具体的には、図8に示す設定画面500にて、1つの待機枠で既に待機状態にある「銅の宝箱」がセットされている場合に、ユーザーが他の「銅の宝箱」を同じ待機枠に重複してセットするゲーム操作を行なうと、他の「銅の宝箱」が消費され(ユーザーの手元からなくなり)、待機状態にある「銅の宝箱」の待機時間(「1時間」)から所定時間(例えば「5分」)が減少されるように制御する。なお、待機時間から減少させる所定時間は、固定時間(例えば「5分」)でもよいし、待機時間までの残り時間を半分に減らしてもよい。したがって、宝箱の中身を複数獲得したいユーザーは、既に同一種類の宝箱がセットされた待機枠とは別の待機枠に他方の宝箱をセットすればよく、その一方で、宝箱の中身を早く獲得したいユーザーは、宝箱の中身を獲得できる機会が減る(同一種類の宝箱を消費する)ことを条件に、既に同一種類の宝箱がセットされた待機枠と同じ待機枠に他方の宝箱を重複してセットすればよい。
【0095】
また例えば、待機時間制御部204が、既に待機枠にセットされ待機状態にある宝箱と同一種類の宝箱が仮アイテム付与部202によって付与された際に、付与された同一種類の宝箱を自動的に消費させることで、既に待機状態にある宝箱の待機時間を自動的に減少させることも可能である。具体的には、3つすべての待機枠で既に待機状態にある「金の宝箱」、「銀の宝箱」、「銅の宝箱」がそれぞれセットされている場合において、仮アイテム付与部202によって「銅の宝箱」が付与された際に、その付与された「銅の宝箱」を自動的に消費させることによって、待機枠で既に待機状態にある「銅の宝箱」の待機時間(「1時間」)から所定時間(例えば「5分」)が減少されるように自動的に制御する。
【0096】
また例えば、待機時間制御部204が、待機枠で待機状態にある宝箱が存在していないときに空白時間をカウントして、新たに待機枠にセットされ待機状態にある宝箱が存在したときに、そのカウントされた空白時間に基づいて待機時間を減少させることも可能である。
具体的には、3つの待機枠のいずれにも宝箱がセットされていない場合において、その空白時間をカウントする。その後、新たに「銅の宝箱」が待機枠にセットされると、それまでにカウントされた空白時間(例えば「5分」)が消費され、「銅の宝箱」の待機時間(「1時間」)から空白時間(「5分」)が減少されるように制御する。
また、それまでにカウントされた空白時間よりも少ない時間を減少させることも可能である。例えば、3つの待機枠のいずれにも宝箱がセットされていない場合において、その空白時間をカウントする。その後、新たに「銅の宝箱」が待機枠にセットされると、それまでにカウントされた空白時間(例えば「5分」)が消費され、「銅の宝箱」の待機時間(「1時間」)から空白時間の半分(「2分30秒」)が減少されるように制御する。これにより、空白時間を増やすよりも、空白時間が増えないように待機枠に宝箱をセットした方が、有効な時間の使い方ができる。その結果、継続プレイを促すことができる。
なお、上記の具体例において、空白時間には、宝箱を開封できる状態になってから実際にユーザーが開封するまでの時間を含めてもよい。
また、上記の具体例において、待機画面550において、それまでにカウントされた空白時間を棒グラフ等で表示してもよい。
【0097】
また例えば、待機時間制御部204が、ユーザーのゲームプレイ状況に基づいて、待機枠にセットされ待機状態にある宝箱の待機時間を減少させることも可能である。具体的には、ゲームへのログイン回数が所定回数に達した場合に、待機枠にセットされ待機状態にある宝箱の待機時間から所定時間が減少されるように制御する。または、クエストをクリアした回数が所定回数に達した場合に、待機枠にセットされ待機状態にある宝箱の待機時間から所定時間が減少されるように制御する。または、ユーザーによって消費されたポイント量が所定量に達した場合に、待機枠にセットされ待機状態にある宝箱の待機時間から所定時間が減少されるように制御する。
【0098】
なお、上記の例では、待機時間制御部204が、待機枠にセットされた宝箱の待機時間を短くする代わりに(例えば、「金の宝箱」であれば、待機時間を「3時間」から「2時間」にする)、待機時間をそのままにして残り時間を短くすることも可能である(例えば、「金の宝箱」であれば、待機時間を「3時間」のままにして、現時点における残り時間が「2時間」であれば「1時間」にする)。
【0099】
前述の実施形態では、待機時間制御部204が、待機枠にセットされた宝箱の待機時間を短くする制御を行なった際、待機時間までの残り時間がマイナスになった場合には、付与される宝石の数を増やしてもよいし、宝石の他に別アイテムをさらに付与してもよいし、宝石のレアリティの階級を上昇させてもよい。例えば、待機時間までの残り時間が「1分」であるときに、同一種類の宝箱を重複してセットしたことによって待機時間が減少されたり、カウントされた空白時間に基づいて待機時間を減少されたりしたことで、残り時間が「-4分」になったとする。この場合に、レアリティの階級を1段階だけ上昇させた宝石を付与する(例えば、「銀の宝箱」であれば「レア度4」の宝石が付与されるべきところ、「金の宝箱」の中身である「レア度5」の宝石を付与する等)。
【0100】
<仮アイテムの省略>
前述の実施形態では、宝箱(仮アイテム)の獲得を前提として宝石(本アイテム)を獲得できる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、所定時間(例えば24時間)ゲームに参加することによって特別アイテムが付与されるイベントゲームを行なう。このとき、その所定時間(例えば24時間)のうちの半分まで(12時間まで)参加したがその後は途中で離脱したユーザーに対し、その所定時間(24時間)までの残り時間に応じた成功確率(例えば残り12時間で50%)で抽選を行い、抽選結果により成功が決定された場合には特別アイテムを付与し、失敗が決定された場合には特別アイテムを付与しないようにすることも可能である。
【0101】
<課金>
前述の実施形態では、待機枠にセットされた宝箱を開封するゲーム操作を行うために、ユーザーの所持する仮想通貨を消費させてもよい。なお、仮想通貨を消費させる場合には、開封抽選によって失敗が決定された場合に、成功が決定された場合と同じ宝石を付与してもよいし、宝石の他に別アイテムを付与してもよい。さらに、仮想通貨を消費させる場合には、待機時間までの残り時間に関係なく、仮想通貨の消費を一定額にすることが望ましい。
【0102】
<待機時間の経過前後における本アイテムの付与>
前述の実施形態では、待機枠にセットされた宝箱の開封について失敗が決定された際に、宝箱の待機時間が経過したことによって付与される宝石よりも低い階級のレアリティが設定された宝石が付与される。この際、本アイテム付与部203によって付与される宝石のレアリティの最低階級を、宝箱の待機時間までの残り時間が少ないほど上昇させてもよい。例えば、図13に示すように、宝箱を開封するゲーム操作がユーザーによって行われたとき、待機時間までの残り時間が少ないほど、本アイテム付与部203によって付与される宝石のレアリティの最低階級が高くなるように設定することもできる。宝箱の開封が失敗した場合、待機した時間が長いユーザーほど苛立ちを感じやすいが、待機した時間が長くなるほど宝石のレアリティの最低階級が高くなるため、このようなユーザーの苛立ちを軽減できる。
【0103】
図13は、待機時間までの残り時間と失敗時に付与される宝石の最低階級との関係を説明する図である。ここでは、宝箱の種類ごとに、待機時間までの残り時間と最低階級との関係が定められている。それぞれの宝箱は、待機時間までの残り時間が少なくなるにつれて、失敗時に付与される宝石に設定されたレアリティの最低階級が上昇するように設定されている。
【0104】
<特別待機枠>
上記の実施形態では、通常の待機枠3つ分の大きさの特別待機枠を一時的に設けると共に、通常の宝箱3つ分の大きさの特大宝箱をユーザーが獲得できるようにしてもよい。この場合、特別待機枠に特大宝箱をセットすると、特別待機枠に対応する待機時間(例えば24時間)が経過することによって開封できる。
【0105】
<特別宝箱>
上記の実施形態では、通常の待機時間よりも少ない待機時間が設定された特別宝箱をユーザーが獲得できるようにしてもよい。例えば、特別な「金の宝箱」を獲得できた場合に、それが待機枠にセットされると、待機時間が通常であれば「3時間」であるところ、その1/3の「1時間」となる。
【0106】
<複数待機枠使用>
上記の実施形態では、1つの宝箱に対して1つの待機枠だけでなく、複数の待機枠(2つ目、3つ目の待機枠)をセットできるようにしても良い。その場合、待機枠分だけ待機時間が短くなる。例えば、通常であれば「金の宝箱」が1つ分の待機枠にセットされると、待機時間は「3時間」であるが、もう1つ分の待機枠を使用してセットすることで、待機時間が1/2の「1時間30分」となる。そして、さらにもう1つ分の待機枠を使用してセットすると、待機時間は1/3の「1時間」となる。また、複数の待機枠のセットは、既にセットされている宝箱に対して、途中からセットできるようにしてもよく、そのセットを途中から解除できるようにしてもよい。
【0107】
<仮アイテム付与部>
上記の実施形態では、仮アイテム付与部202は、すべての待機枠に宝箱(仮アイテム)がセットされているか否かを判定し、すべての待機枠に宝箱がセットされていると判定された場合には、ユーザーに宝箱を付与しないように制御することも可能である。このようにすることによって、ユーザーは対戦中に宝箱を獲得できなくなるため、セットされた宝箱を早く開封し待機枠に空き状態を作りたくなる。この場合には、待機時間の経過を待たずに、宝箱を途中開封することが有効となる。
【0108】
<コンテンツ>
上記の実施形態では、仮アイテム情報に設定された仮アイテムや、本アイテム情報に設定された本アイテムであったが、コンテンツはこれに限られるものではない。例えば、コンテンツは、キャラクター、カード、フィギュア、アバター等でもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 情報処理システム、10 クライアント端末、20 サーバー装置、50 コンピューター、51 CPU、52 RAM、53 ROM、54 通信インタフェース、55 入力装置、56 表示装置、57 外部インタフェース、58 HDD、100 クライアント制御部、101 要求送信部、102 応答受信部、120 クライアント記憶部、140 クライアント通信部、150 操作受付部、160 画面表示部、200 サーバー制御部、201 ゲーム実行部、202 仮アイテム付与部、203 本アイテム付与部、204 待機時間制御部、205 表示制御部、220 サーバー記憶部、221 キャラクター情報記憶部、222 仮アイテム情報記憶部、223 本アイテム情報記憶部、224 ユーザー情報記憶部、240 サーバー通信部、500 設定画面、501 宝箱表示領域、502 待機枠セット領域、502a 第1の待機枠、502b 第2の待機枠、502c 第3の待機枠、503 操作ボタン、550 待機画面、551 待機枠表示領域、551a 第1の待機枠、551b 第2の待機枠、551c 第3の待機枠、552 操作ボタン、B バスライン、N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本コンテンツの付与に先行して仮コンテンツをユーザーに対して付与する仮コンテンツ付与部と、
仮コンテンツの待機時間が経過する前にユーザーのゲーム操作が行われたことによって前記待機時間までの残り時間が少ないほど成功し易くした成功確率で抽選を行ない、抽選結果として成功が決定されたことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与し、且つ、
ユーザーのゲーム操作が行われずに仮コンテンツの待機時間が経過したことによって本コンテンツを前記ユーザーに対して付与する本コンテンツ付与部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。