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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181448
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/34 20060101AFI20231214BHJP
   B60Q 1/38 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
B60Q1/34 A
B60Q1/38 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023187821
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2019233253の分割
【原出願日】2019-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥 裕章
(57)【要約】
【課題】見栄えの良い車両用灯具を提供する。
【解決手段】車両用灯具は、所定方向に3つ以上並ぶ点灯部と、複数の点灯部のうち所定方向の一端側の点灯部から他端側の点灯部にかけて点灯のタイミングを遅らせるように複数の点灯部を順次点灯させると共に、複数の点灯部のうち最も他端側の終端点灯部とは異なる一の点灯部を点灯させてから一の点灯部に対して他端側に隣り合う点灯部を点灯させるまでの点灯期間よりも、終端点灯部が点灯する終端点灯期間を長くすると共に、複数の点灯期間のうち複数の点灯部の最も一端側の始端点灯部を点灯させてから始端点灯部に対して他端側に隣り合う点灯部を点灯させるまでの初回点灯期間を、他の点灯期間よりも長くする制御装置とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に3つ以上並ぶ点灯部と、
複数の前記点灯部のうち前記所定方向の一端側の前記点灯部から他端側の前記点灯部にかけて点灯のタイミングを遅らせるように複数の前記点灯部を順次点灯させると共に、複数の前記点灯部のうち最も前記他端側の終端点灯部とは異なる一の前記点灯部を点灯させてから一の前記点灯部に対して前記他端側に隣り合う前記点灯部を点灯させるまでの点灯期間よりも、前記終端点灯部が点灯する終端点灯期間を長くすると共に、複数の前記点灯期間のうち複数の前記点灯部の最も前記一端側の始端点灯部を点灯させてから前記始端点灯部に対して前記他端側に隣り合う前記点灯部を点灯させるまでの初回点灯期間を、他の前記点灯期間よりも長くする制御装置と
を備える車両用灯具。
【請求項2】
前記制御装置は、前記終端点灯期間を、前記始端点灯部の点灯開始のタイミングから前記終端点灯部の点灯開始のタイミングまでのシーケンシャル期間よりも長くする
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記制御装置は、前記シーケンシャル期間を0.12秒とする
請求項2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具として、所定方向に並ぶ複数の点灯部が点灯開始のタイミングを遅らせながら点灯する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-145367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、このようなシーケンシャル点灯を行う車両用灯具では、コストの面から点灯部の数を減少させる構成が要求される。点灯部の数を減少させると、点灯部ごとの区切れが強くなり、連続感が低下して、見栄えに影響する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、見栄えの良い車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る車両用灯具は、所定方向に並ぶ複数の点灯部と、複数の前記点灯部のうち前記所定方向の一端側の前記点灯部から他端側の前記点灯部にかけて点灯開始のタイミングを遅らせるように複数の前記点灯部を第1輝度で順次点灯させると共に、複数の前記点灯部のうち一の前記点灯部である第1点灯部を前記第1輝度で点灯させてから前記第1点灯部に対して前記他端側に隣り合う第2点灯部を前記第1輝度で点灯させるまでの期間に前記第2点灯部を前記第1輝度よりも弱い第2輝度で点灯させる制御装置とを備える。
【0007】
また、前記制御装置は、前記第1点灯部を前記第1輝度で点灯させると同時に前記第2点灯部を前記第2輝度で点灯させてもよい。
【0008】
また、前記制御装置は、前記第2点灯部を前記第1輝度で点灯させる時点まで前記第2点灯部を前記第2輝度で点灯させてもよい。
【0009】
また、前記第2輝度は、前記第1輝度の半分の輝度であってもよい。
【0010】
本発明の第2態様に係る車両用灯具は、所定方向に並ぶ複数の点灯部と、複数の前記点灯部のうち前記所定方向の一端側の前記点灯部から他端側の前記点灯部にかけて点灯のタイミングを遅らせるように複数の前記点灯部を順次点灯させると共に、複数の前記点灯部のうち最も前記他端側の終端点灯部とは異なる一の前記点灯部である第1点灯部を点灯させてから前記第1点灯部に対して前記他端側に隣り合う第2点灯部を点灯させるまでの期間よりも、前記終端点灯部の点灯期間を長くする制御装置とを備える。
【0011】
また、前記制御装置は、前記終端点灯部の点灯期間を、複数の前記点灯部のうち最も前記一端側の始端点灯部の点灯開始のタイミングから前記終端点灯部の点灯開始のタイミングまでのシーケンシャル期間よりも短くしてもよい。
【0012】
また、前記制御装置は、前記シーケンシャル期間を0.12秒としてもよい。
【0013】
また、前記点灯部は、3つ以上配置され、前記制御装置は、複数の前記期間のうち複数の前記点灯部のうち最も前記一端側の始端点灯部を点灯させてから前記始端点灯部に対して前記他端側に隣り合う点灯部を点灯させるまでの初回点灯期間を、他の前記期間よりも長くしてもよい。
【0014】
また、前記点灯部は、3つ配置されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、見栄えの良い車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、第1実施形態に係る車両の一例を示す側面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る車両用灯具の一例を模式的に示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る光照射部の点灯制御の一例を示す図である。
図4図4は、光照射部の各点灯部を制御に関するタイミングチャートである。
図5図5は、第2実施形態に係る、光照射部の点灯制御の一例を示す図である。
図6図6は、光照射部の各点灯部を制御に関するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る車両1の一例を示す側面図である。図1に示すように、車両1は、車体2と、走行装置3と、車両用灯具100とを備える。車体2は、運転者が搭乗する運転室を有する。車体2は、走行装置3に支持される。走行装置3は、タイヤ4が装着されるホイール5と、車両1の進行方向を変えるための操舵装置と、走行装置3を減速又は停止させるためのブレーキ装置とを有する。走行装置3は、エンジンが発生する動力により作動する。車両1は、車体2の側部に設けられる乗降用ドア6と、車体2の後部に設けられるバックドア7とを備える。乗降用ドア6及びバックドア7はそれぞれ、ヒンジ機構を介して車体2に移動可能に支持される。
【0019】
以下の説明においては、車両1が水平面と平行な地面に配置されることとし、運転室に搭乗した運転者を基準として、前、後、上、下、左、及び右という用語を用いて各部の位置関係について説明する。また、以下の説明においては、地面と接触するタイヤ4の接地面と平行な面を適宜、所定面、と称する。所定面は、水平面と平行である。
【0020】
上下方向は、所定面と直交する方向である。左右方向は、直進状態の車両1のホイール5の回転軸と平行な方向である。前後方向は、上下方向及び左右方向のそれぞれと直交する方向である。左右方向は、車幅方向と同義である。車幅方向外側は、車幅方向において中心から遠い部位又は中心から離れる方向を意味し、車幅方向内側は、車幅方向において中心に近い部位又は中心に向かう方向を意味する。また、側方は、左方及び右方の少なくとも一方を意味し、側部は、左部及び右部の少なくとも一方を意味する。
【0021】
本実施形態において、車両外側とは、所定面内の車両1の中心に対する放射方向においてその中心から遠い部位又は中心から離れる方向をいう。車両内側とは、所定面内の車両1の中心に対する放射方向においてその中心に近い部位又は中心に向かう方向をいう。所定面内の車両1の中心は、例えば運転室に位置する。
【0022】
本実施形態において、車両用灯具100は、車体2の後部の左側及び右側のそれぞれに設けられる。車体2の後部の左側に設けられる車両用灯具100の構造と車体2の後部の右側に設けられる車両用灯具100の構造とは、左右方向について対称であり、実質的に同一の構造である。以下、車体2の後部の右側に設けられる車両用灯具100について主に説明し、車体2の後部の左側に設けられる車両用灯具100についての説明は簡略又は省略する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を模式的に示す図である。本実施形態では、車両用灯具100が、車両1の車体2の後部に取り付けられる車両用ターンランプである場合を例に挙げて説明する。車両用灯具100は、例えば車体2側とバックドア7側とに跨って配置されてもよいし、車体2側又はバックドア7側の一方にのみ配置されてもよい。車両用灯具100は、ハウジング10と、光照射部20と、制御装置30とを備える。
【0024】
ハウジング10は、灯室11内に光照射部20を収容する。ハウジング10は、ヘッドランプの点灯と連動して点灯するテールランプ、ブレーキ装置の作動と連動して点灯するストップランプ等が配置されてもよい。
【0025】
光照射部20は、複数の点灯部を有する。本実施形態では、例えば3つの点灯部(21、22、23)が設けられる。点灯部は、例えば4つ以上であってもよい。なお、点灯部は、5つ以下が好ましい。本実施形態に係る構成は、点灯部の数が少ない場合に、より有効である。点灯部21、22、23は、それぞれ、例えば半導体型光源等の光源と、光源からの光を反射するリフレクタとを有するいわゆる反射型の構成が用いられる。なお、点灯部21、22、23は、反射型の構成に限定されず、他の構成が用いられてもよい。光照射部20は、点灯部21、22、23ごとに点灯及び消灯のタイミングを個別に制御可能である。
【0026】
点灯部21、点灯部22及び点灯部23は、例えば左右方向に延びた矩形状であるが、これに限定されず、他の形状であってもよい。点灯部21、点灯部22及び点灯部23は、左右方向(所定方向)に一列に並んでいる。本実施形態において、図2に示す左側が所定方向の一端側であり、右側が所定方向の他端側であるとする。なお、点灯部21、点灯部22及び点灯部23が並ぶ所定方向については、左右方向に限定されず、上下方向であってもよいし、上下方向と左右方向とが組み合わされた方向(例えば、L状に折れ曲がる方向)であってもよい。点灯部21は、最も一端側の始端点灯部である。点灯部23は、最も他端側の終端点灯部である。
【0027】
制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサと、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージとを含む。制御装置30は、車両用灯具100に制御信号を出力して、その車両用灯具100を制御する。
【0028】
制御装置30は、信号取得部31と、点灯制御部32と、記憶部33とを有する。信号取得部31は、車体2の運転室に設けられる操作装置9からの操作信号を取得する。操作装置9は、例えば車両に搭載される方向指示器及びハザードスイッチ等、ターンシグナルランプを点灯させるための操作スイッチを含む。
【0029】
点灯制御部32は、複数の点灯部のうち所定方向の一端側の点灯部21から他端側の点灯部22、23にかけて点灯開始のタイミングを遅らせるように当該複数の点灯部21、22、23を第1輝度で順次点灯させる、いわゆるシーケンシャル点灯を行う。
【0030】
このシーケンシャル点灯において、点灯制御部32は、複数の点灯部21、22、23のうち一の点灯部である第1点灯部を第1輝度で点灯させてから第1点灯部に対して他端側に隣り合う第2点灯部を第1輝度で点灯させるまでの期間に第2点灯部を第1輝度よりも弱い第2輝度で点灯させる。第2輝度は、例えば第1輝度の半分の輝度とすることができる。
【0031】
また、点灯制御部32は、第1点灯部を第1輝度で点灯させると同時に第2点灯部を第2輝度で点灯させることができる。点灯制御部32は、第2点灯部を第1輝度で点灯させるタイミングに到達するまで第2点灯部を第2輝度で点灯させることができる。この場合、点灯制御部32は、第2点灯部を第1輝度で伝統させるタイミングにおいて、当該第2点灯部の輝度を第2輝度から第1輝度に切り替える制御を行う。
【0032】
記憶部33は、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータが記憶される記憶装置を含む。記憶装置は、例えば、ROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD等である。記憶部33は、1つの記憶装置又は複数の記憶装置から実装される。記憶部33は、上記の点灯制御に関するデータを記憶することができる。例えば、記憶部33は、点灯部21、22、23の点灯開始のタイミングに関するデータ等が記憶される。
【0033】
次に、車両用灯具100の動作の一例を説明する。図3は、本実施形態に係る光照射部20の点灯制御の一例を示す図である。図4は、光照射部20の各点灯部を制御に関するタイミングチャートである。操作装置9からの信号を取得していない状態において、点灯制御部32は、点灯部21、22、23の各部に対して基準電圧V0が供給されるように制御する。
【0034】
運転者によって方向指示器の操作又はハザードスイッチの操作等、操作装置9に対して所定の操作が行われた場合、車両用灯具100は、信号取得部31において操作装置9からの信号を取得する。点灯制御部32は、取得された信号に応じて、光照射部20の点灯制御を行う。
【0035】
点灯制御部32は、図4に示すように、操作装置9からの信号を取得した時点t1において、点灯部21に対して第1輝度で点灯させるための電圧V1が供給されるように制御する。また、点灯制御部32は、時点t1において、点灯部22に対して第2輝度で点灯させるための電圧V2が供給されるように制御する。ここで、第2輝度は、第1輝度の半分の輝度とすることができる。
【0036】
この制御により、図3に示すように、車両用灯具100は、第1点灯状態ST1となる。第1点灯状態ST1は、点灯部21が第1輝度で点灯し、点灯部22が第1輝度の半分の第2輝度で点灯し、点灯部23が消灯した状態である。第1点灯状態ST1の開始時点(時点t1)においては、点灯部21が第1輝度で点灯すると同時に、点灯部22が第2輝度で点灯する。
【0037】
その後、点灯制御部32は、図4に示すように、点灯部22を第1輝度で点灯させる時点t2において、点灯部22に対して第1輝度で点灯させるための電圧V3が供給されるように制御する。電圧V3は、例えば電圧V1と同一又はほぼ同一の値とすることができる。また、点灯制御部32は、時点t2において、点灯部23に対して第2輝度で点灯させるための電圧V4が供給されるように制御する。電圧V4は、例えば電圧V2と同一又はほぼ同一の値とすることができる。
【0038】
この制御により、図3に示すように、車両用灯具100は、第2点灯状態ST2となる。第2点灯状態ST2は、点灯部21が第1輝度で点灯した状態が継続し、点灯部22が第1輝度で点灯し、点灯部23が第1輝度の半分の第2輝度で点灯する状態である。第2点灯状態ST2の開始時点(時点t2)においては、点灯部22が第2輝度から第1輝度に切り替わると同時に、点灯部23が点灯する。
【0039】
その後、点灯制御部32は、図4に示すように、点灯部23を第1輝度で点灯させる時点t3において、点灯部23に対して第1輝度で点灯させるための電圧V5が供給されるように制御する。電圧V5は、例えば電圧V1、V3と同一又はほぼ同一の値とすることができる。
【0040】
この制御により、図3に示すように、車両用灯具100は、第3点灯状態ST3となる。第3点灯状態ST3は、点灯部21、22、23が第1輝度で点灯した状態である。上記制御では、第1点灯状態ST1から第3点灯状態ST3に変化する場合において、点灯部22、23が第1輝度で点灯する前に半分の輝度の第2輝度で点灯するため、点灯部21、22、23ごとの区切れが緩和される。
【0041】
その後、点灯制御部32は、点灯部21、22、23を消灯させる時点t4において、点灯部21、22、23に対して電圧V0を供給する。これにより、点灯部21、22、23が消灯する。以降、点灯制御部32は、操作装置9から所定の操作を終了する旨の信号を受信するまで、所定期間毎に上記動作を繰り返し行う。
【0042】
以上のように、第1実施形態に係る車両用灯具100は、所定方向に並ぶ複数の点灯部21、22、23と、複数の点灯部21、22、23のうち所定方向の一端側の点灯部21から他端側の点灯部23にかけて点灯開始のタイミングを遅らせるように複数の点灯部21、22、23を第1輝度で順次点灯させると共に、複数の点灯部21、22、23のうち最も他端側の終端点灯部(点灯部23)とは異なる一の点灯部である点灯部21、22を第1輝度で点灯させてから点灯部21、22に対して他端側に隣り合う点灯部22、23を第1輝度で点灯させるまでの期間に点灯部22、23を第1輝度よりも弱い第2輝度で点灯させる制御装置30とを備える。
【0043】
この構成によれば、点灯部21、22、23を順に第1輝度で点灯させる際、2番目以降の点灯部22、23を第1輝度で点灯させる前に第1輝度よりも小さい第2輝度で点灯させるため、点灯部21、22、23の輝度差を埋めてグラデーションを形成することができる。これにより、シーケンシャル点灯を行う場合に、複数の点灯部21、22、23の間の区切れを緩和することができ、連続感を高めることができるため、車両用灯具100の見栄えを良くすることができる。
【0044】
上記の車両用灯具100において、制御装置30は、点灯部21、22を第1輝度で点灯させると同時に点灯部22、23を第2輝度で点灯させる。これにより、複数の点灯部21、22、23の間の連続感をより効果的に高めることができる。
【0045】
上記の車両用灯具100において、制御装置30は、点灯部22、23を第1輝度で点灯させるタイミングに到達するまで点灯部22、23を第2輝度で点灯させる。これにより、複数の点灯部21、22、23の間の連続感をより効果的に高めることができる。
【0046】
また、第2輝度は、第1輝度の半分の輝度である。これにより、第1輝度と第2輝度とのバランスが確保され、複数の点灯部21、22、23の間の連続感をより効果的に高めることができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、点灯制御部32の制御内容が第1実施形態とは異なる。以下、第1実施形態との相違点を中心として説明する。
【0048】
本実施形態において、点灯制御部32は、第1実施形態と同様、点灯部21から点灯部22、23にかけて点灯開始のタイミングを遅らせるように当該複数の点灯部21、22、23を第1輝度で順次点灯させる、いわゆるシーケンシャル点灯を行う。
【0049】
このシーケンシャル点灯において、点灯制御部32は、複数の点灯部21、22、23のうち最も他端側(右側)の終端点灯部である点灯部23とは異なる一の点灯部21、22を点灯させてから点灯部21、22に対して他端側に隣り合う点灯部22、23を点灯させるまでの期間よりも、終端点灯部である点灯部23の点灯期間を長くする。
【0050】
点灯制御部32は、終端点灯部である点灯部23の点灯期間を、複数の点灯部21、22、23のうち最も一端側の始端点灯部である点灯部21の点灯開始のタイミングから終端点灯部である点灯部23の点灯開始のタイミングまでのシーケンシャル期間(Ts:図6参照)よりも短くすることができる。点灯制御部32は、このシーケンシャル期間Tsを例えば0.10秒以上0.15秒以下とすることができ、好ましくは0.12秒とすることができる。シーケンシャル期間Tsを0.10秒以上とすることにより、シーケンシャル点灯を外部から十分に認識可能となる。また、シーケンシャル期間Tsを0.15秒以下とすることにより、点灯部ごとの区切れを緩和し、連続感を十分に高めることが可能となる。点灯制御部32は、複数の期間のうち始端点灯部である点灯部21を点灯させてから点灯部21に対して他端側に隣り合う点灯部22を点灯させるまでの初回点灯期間を、他の期間よりも長くすることができる。
【0051】
車両用灯具100の他の構成については、第1実施形態と同様である。
【0052】
次に、車両用灯具100の動作の他の例を説明する。図5は、本実施形態に係る光照射部20の点灯制御の他の例を示す図である。図6は、光照射部20の各点灯部の制御に関するタイミングチャートである。上記の動作例と同様に、操作装置9からの信号を取得していない状態において、点灯制御部32は、点灯部21、22、23の各部に対して基準電圧V0が供給されるように制御する。
【0053】
また、運転者によって方向指示器の操作又はハザードスイッチの操作等、操作装置9に対して所定の操作が行われた場合、車両用灯具100は、信号取得部31において操作装置9からの信号を取得する。点灯制御部32は、取得された信号に応じて、光照射部20の点灯制御を行う。
【0054】
点灯制御部32は、図6に示すように、操作装置9からの信号を取得した時点t5において、始端点灯部である点灯部21に対して第1輝度で点灯させるための電圧V1が供給されるように制御する。この制御により、図5に示すように、車両用灯具100は、第4点灯状態ST4となる。第4点灯状態ST4は、点灯部21が第1輝度で点灯し、点灯部22、23が消灯した状態である。
【0055】
第4点灯状態ST4は、点灯部22を第1輝度で点灯させる時点t6まで継続させる。なお、本実施形態において、第4点灯状態ST4が継続する期間は、始端点灯部である点灯部21を点灯させた時点t5から点灯部21に対して他端側に隣り合う点灯部22を点灯させる時点t6までの期間T1である。当該期間T1は、初回点灯期間である。
【0056】
その後、点灯制御部32は、図6に示すように、点灯部22を第1輝度で点灯させる時点t6において、点灯部22に対して第1輝度で点灯させるための電圧V3が供給されるように制御する。この制御により、図5に示すように、車両用灯具100は、第5点灯状態ST5となる。第5点灯状態ST5は、点灯部21が第1輝度で点灯した状態が継続し、点灯部22が第1輝度で点灯し、点灯部23が消灯した状態である。
【0057】
第5点灯状態ST5は、点灯部23を第1輝度で点灯させる時点t7まで継続させる。本実施形態において、第5点灯状態ST5が継続する期間T2は、初回点灯期間T1に比べて短い。換言すると、初回点灯期間T1は、期間T2に比べて長い。このように初回点灯期間T1を他の期間(本実施形態では期間T2)に比べて長くすることにより、シーケンシャル点灯において点灯部21、22、23の点灯の流れを強調することができる。
【0058】
その後、点灯制御部32は、図6に示すように、終端点灯部である点灯部23を第1輝度で点灯させる時点t7において、点灯部23に対して第1輝度で点灯させるための電圧V5が供給されるように制御する。この制御により、図5に示すように、車両用灯具100は、第6点灯状態ST6となる。第6点灯状態ST6は、点灯部21、22、23が第1輝度で点灯した状態である。
【0059】
第6点灯状態ST6は、点灯部21、22、23を消灯させる時点t8まで継続させる。本実施形態において、第6点灯状態ST6が継続する期間、つまり点灯部23が点灯する期間T3は、始端点灯部である点灯部21の点灯開始の時点t5から終端点灯部である点灯部23の点灯開始の時点t7までのシーケンシャル期間Tsよりも長い。このように終端点灯部である点灯部23の点灯期間をシーケンシャル期間Tsよりも長くすることにより、シーケンシャル点灯において点灯部21、22、23の点灯の流れを強調することができる。
【0060】
その後、点灯制御部32は、点灯部21、22、23を消灯させる時点t8において、点灯部21、22、23に対して電圧V0を供給する。これにより、点灯部21、22、23が消灯する。
【0061】
以上のように、第2実施形態に係る車両用灯具100は、所定方向に並ぶ複数の点灯部21、22、23と、複数の点灯部21、22、23のうち所定方向の一端側の点灯部21から他端側の点灯部23にかけて点灯開始のタイミングを遅らせるように複数の点灯部21、22、23を第1輝度で順次点灯させると共に、複数の点灯部21、22、23をのうち終端点灯部である点灯部23とは異なる一の点灯部21、22を点灯させてから点灯部21、22に対して他端側に隣り合う点灯部22、23を点灯させるまでの期間よりも、点灯部23の点灯期間を長くする制御装置30とを備える。
【0062】
この構成によれば、点灯部21、22を点灯させてから当該点灯部21、22に対して他端側に隣り合う点灯部22、23を点灯させるまでの期間よりも、終端点灯部である点灯部23の点灯期間を長くすることにより、シーケンシャル点灯において点灯部21、22、23の点灯の流れを強調することができる。これにより、複数の点灯部21、22、23によりシーケンシャル点灯を行う場合に連続感を高めることができ、車両用灯具100の見栄えを良くすることができる。また、点灯部21、22、23を駆動する際の駆動電圧が1種類であるため、制御装置30における回路の複雑化が抑制される。
【0063】
上記の車両用灯具100において、制御装置30は、点灯部23の点灯期間を、複数の点灯部のうち始端点灯部である点灯部21の点灯開始の時点t5から点灯部23の点灯開始の時点t7までのシーケンシャル期間Tsよりも短くする。この構成によれば、終端点灯部である点灯部23の点灯期間をシーケンシャル期間Tsよりも長くすることにより、シーケンシャル点灯において点灯部21、22、23の点灯の流れを強調することができる。
【0064】
上記の車両用灯具100において、制御装置30は、シーケンシャル期間Tsを0.12秒とする。これにより、シーケンシャル点灯を外部から十分に認識可能となり、点灯部ごとの区切れを緩和し、連続感を十分に高めることが可能となる。
【0065】
上記の車両用灯具100において、点灯部21、22、23は、3つ以上配置され、制御装置30は、複数の期間T1、T2のうち始端点灯部である点灯部21を点灯させてから点灯部22を点灯させるまでの初回点灯期間T1を、他の期間(T2)よりも長くする。これにより、シーケンシャル点灯において点灯部21、22、23の点灯の流れを強調することができる。
【0066】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記第1実施形態において、第2輝度が第1輝度の半分の輝度である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。第2輝度は、第1輝度よりも小さい輝度であれば、任意の値に設定することができる。
【0067】
また、上記第1実施形態において、点灯部21、22を第1輝度で点灯させると同時に点灯部22、23を第2輝度で点灯させる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、点灯部21、22を第1輝度で点灯させてから所定期間が経過した後に点灯部22、23を第2輝度で点灯させてもよい。
【0068】
また、上記第1実施形態において、点灯部22、23を第1輝度で点灯させる時点まで当該点灯部22、23を第2輝度で点灯させる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、点灯部22、23を第2輝度で点灯させてから所定期間が経過した後に点灯部22、23を消灯させ、その後、点灯部22、23を第1輝度で点灯させるようにしてもよい。
【0069】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態において、点灯部が3つ配置される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。点灯部は、4つ以上配置されてもよい。第2実施形態において、点灯部が4つ以上配置される場合、複数の点灯部21、22、23をのうち終端点灯部とは異なる第1点灯部を点灯させてから当該第1点灯部に対して他端側に隣り合う第2点灯部を点灯させるまでの期間について、初回点灯期間T1から次回以降の期間にかけて順に短くなるようにすることができる。これにより、シーケンシャル点灯において複数の点灯の流れを強調することができる。
【符号の説明】
【0070】
ST1…第1点灯状態、ST2…第2点灯状態、ST3…第3点灯状態、ST4…第4点灯状態、ST5…第5点灯状態、ST6…第6点灯状態、T1,T2,T3…期間(T1…初回点灯期間)、Ts…シーケンシャル期間、V0,V1,V2,V3,V4,V5…電圧(V0…基準電圧)、1…車両、2…車体、3…走行装置、4…タイヤ、5…ホイール、6…乗降用ドア、7…バックドア、9…操作装置、10…ハウジング、11…灯室、20…光照射部、21,22,23…点灯部、30…制御装置、31…信号取得部、32…点灯制御部、33…記憶部、100…車両用灯具
図1
図2
図3
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図5
図6