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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181475
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
A63F5/04 620
A63F5/04 661
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188216
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2021209488の分割
【原出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】山田 真実
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博之
(72)【発明者】
【氏名】西村 一人
(57)【要約】
【課題】通常時、遊技者に特定操作順でのリール停止操作を強いるペナルティ機能付AT機において、射幸性の向上を図る。
【解決手段】ボーナスゲーム中の規定数を2枚とし、配当が1枚の小役が毎ゲーム当選するようにした。これにより、純増枚数が-1枚/ゲームのボーナスゲームを実現でき、ボーナスゲームでのメダル減少分だけ、AT中の射幸性の向上を図れる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1回のゲームの実行に必要な規定数分の遊技媒体がベットされた状態でのゲーム開始操作に応じて、複数種類の役から入賞を許容する当選役を抽選する抽選手段と、
前記ゲーム開始操作に応じて、それぞれの外周面に複数種類の図柄が配された複数のリールを回転始動させるリール始動手段と、
前記複数のリールの回転始動の後、前記抽選手段による抽選の結果および前記複数のリールに対する停止指示操作に基づいて、当該停止指示操作に対応するリールを所定の最大引込範囲内で停止させる制御を行うリール制御手段と、
前記抽選手段による抽選の結果、ボーナス役に当選し、該ボーナス役が未だ入賞していないボーナス内部状態での前記ボーナス役の入賞に応じて、ボーナスゲームを開始するボーナスゲーム開始手段と、を備えたスロットマシンにおいて、
前記ボーナス内部状態中の前記抽選手段による抽選の結果には、配当の異なる複数種類の小役が前記当選役として決定され、その当選役として決定された複数種類の小役の組合せが互いに異なる複数種類の指示対象当選態様を含み、
前記ボーナス内部状態中の前記抽選手段による抽選の結果が、複数種類の前記指示対象当選態様の何れかとなった指示対象ゲームにおいて、当選役として決定された複数種類の小役のうち、配当が最大の小役の入賞に必要な前記複数のリールに対する停止指示操作順たる正解操作順を指示する指示手段と、
前記指示手段を作動させない非作動ゲームにおいて、前記複数のリールに対する停止指示操作順が特定の操作順でなかった場合に、該特定の操作順であった場合に比べて、遊技者に不利な制御を実行するペナルティ手段と、
前記ボーナス内部状態中の規定数を3、前記ボーナスゲーム中の規定数を2とする規定数設定手段と、
前記規定数設定手段により規定数が2に設定されている場合に、前記抽選手段の抽選対象たる全ての小役の配当を1に変更する小役配当変更手段と、を備え、
前記ボーナスゲーム中に、前記抽選手段は、各小役の当選確率が前記ボーナス内部状態中の当選確率以上となり、且つ、少なくとも何れか1の小役が必ず当選するような抽選を行うことを特徴とする、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、主流のスロットマシンであるAT機は、ホールにおいては基本的に、ボーナス役に当選したものの未だ入賞していない、ボーナス内部中状態に常駐する。このため、入賞を許容する役を抽選する内部抽選処理の仕様は常に一定である。出玉の波は、前記内部抽選処理の結果、所謂押し順小役に当選したゲームにて、配当の大きな正解小役の入賞に必要な停止操作順(以下、正解操作順という)を指示する指示機能を作動させるか否かによって創出しており、指示機能の作動によって出玉が得られる期間をAT(Assist Time)状態と呼んでいる。
【0003】
AT機の射幸性は、AT状態での出玉性能と、通常状態での吸込性能とのバランスで成立しており、出玉性能を高めるためには、吸込性能も高める必要がある。
AT機において、通常状態での吸込性能を高める手法として、遊技者に、特定の停止操作順(例えば、左→中→右の順押し)での遊技を強制すべく、特定の停止操作順以外で遊技が行われた場合にペナルティを課すペナルティ仕様が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ペナルティ仕様のAT機の前記内部抽選処理では、正解操作順が特定の停止操作順以外に設定された押し順小役(以下、押し順小役Aという)の当選確率が、正解操作順が前記特定の停止操作順に設定された押し順小役(以下、押し順小役Bという)の当選確率よりも高く設定される。通常状態中に遊技者は、ペナルティを課されることがないよう、前記特定の停止操作順にて遊技を進めることになるが、相対的に当選確率の高い押し順小役Bに当選したゲームで、前記特定の停止操作順で遊技を行った場合は、配当の大きな正解小役が入賞することはないため、結果として、通常状態の出玉を低く抑えることができる。
【0004】
また、AT機においても、ボーナス役の入賞時にはボーナスゲームが開始されるが、このボーナスゲーム中の出玉性能を抑えたほうが、AT状態での出玉性能を高くすることが出来るため、ボーナスゲームにおいてメダルが減る仕様を採用したAT機も知られている。以下、この仕様を減るボ仕様という(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-000263号公報
【特許文献2】特開2015-120052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、3リールのスロットマシンの場合、停止操作順は6通りとなるが、特許文献2に記載の減るボ仕様は、6通りの停止操作順それぞれが正解操作順に設定された6通りの押し順小役の当選確率に偏りがない場合に、最も有効な手法である。しかしながら、ペナルティ仕様のAT機では、上述の如く、前記6通りの押し小順役の当選確率に偏りがあるため、特許文献2に記載の減るボ仕様では、ボーナスゲーム中の出玉性能を充分に低減できない問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ペナルティ仕様のAT機において、上述の減るボ仕様を用いた場合よりもボーナスゲーム中の出玉性能を抑制することが出来るスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明について説明する。なお、発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号等を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が表示の形態に限定されるものではない。
【0009】
本発明のスロットマシン(1)は、1回のゲームの実行に必要な規定数分の遊技媒体がベットされた状態でのゲーム開始操作に応じて、複数種類の役から入賞を許容する当選役を抽選する抽選手段と、
前記ゲーム開始操作に応じて、それぞれの外周面に複数種類の図柄が配された複数のリール(R1、R2、R3)を回転始動させるリール始動手段と、
前記複数のリール(R1、R2、R3)の回転始動の後、前記抽選手段による抽選の結果および前記複数のリール(R1、R2、R3)に対する停止指示操作に基づいて、当該停止指示操作に対応するリール(R1、R2、R3)を所定の最大引込範囲内で停止させる制御を行うリール制御手段と、
前記抽選手段による抽選の結果、ボーナス役(RB役)に当選し、該ボーナス役(RB役)が未だ入賞していないボーナス内部状態(RT1)での前記ボーナス役(RB役)の入賞に応じて、ボーナスゲーム(RT2)を開始するボーナスゲーム開始手段と、を備えている。
【0010】
また、本発明のスロットマシン(1)は、前記ボーナス内部状態中の前記抽選手段による抽選の結果には、配当の異なる複数種類の小役が前記当選役として決定され、その当選役として決定された複数種類の小役の組合せが互いに異なる複数種類の指示対象当選態様(押し順ベルG2~G7)を含み、
前記ボーナス内部状態(RT1)中の前記抽選手段による抽選の結果が、複数種類の前記指示対象当選態様(押し順ベルG2~G7)の何れかとなった指示対象ゲームにおいて、当選役として決定された複数種類の小役のうち、配当が最大の小役の入賞に必要な前記複数のリール(R1、R2、R3)に対する停止指示操作順たる正解操作順を指示する指示手段と、
前記指示手段を作動させない非作動ゲームにおいて、前記複数のリール(R1、R2、R3)に対する停止指示操作順が特定の操作順(左1st)でなかった場合に、該特定の操作順(左1st)であった場合に比べて、遊技者に不利な制御を実行するペナルティ手段と、を備え、
前記ボーナス内部状態(RT1)中の前記抽選手段による抽選において、複数種類の指示対象当選態様(押し順G2~G7)のうち、正解操作順が前記特定の操作順(左1st)に設定された第1の指示対象当選態様(押し順ベルG2~G3)の当選確率が、正解操作順が前記特定の操作順(左1st)以外に設定された第2の指示対象当選態様(押し順ベルG4~G7)の当選確率よりも小さく設定され、
前記ボーナス内部状態(RT1)中の規定数を3、前記ボーナスゲーム(RT2)中の規定数を2とする規定数設定手段と、
規定数設定手段により規定数が2に設定されている場合に、前記抽選手段の抽選対象たる全ての小役の配当を2または1の何れかに変更する小役配当変更手段と、を備え、
前記ボーナスゲーム(RT2)中に、前記抽選手段は、各小役の当選確率が前記ボーナス内部状態中(RT1)の当選確率以上となり、且つ、少なくとも何れか1の小役が必ず当選するような抽選を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ペナルティ仕様のAT機において、上述の減るボ仕様を用いた場合よりもボーナスゲーム中の出玉性能を抑制することが出来るスロットマシンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るスロットマシン1の斜視図である。
図2】スロットマシン1の兼用表示器の拡大図である。
図3】スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
図4】スロットマシン1の左リール、中リール、および右リールの図柄の配列を示す図である。
図5】スロットマシン1の図柄停止位置および入賞ラインについて説明するための図である。
図6】スロットマシン1のRT状態遷移図である。
図7】スロットマシン1の内部抽選処理において、抽選対象とする複数種類の役を説明する表である。
図8】スロットマシン1の内部抽選処理にて、抽選対象とする複数種類の抽選区分を説明する表である。
図9】スロットマシン1のボーナス非内部中及びボーナス内部中の内部抽選処理の内容を示す表である。
図10】スロットマシン1のボーナスゲーム中の内部抽選処理の内容を示す表である。
図11】スロットマシン1の指示機能に係る遊技状態遷移図である。
図12】スロットマシン1の非有利状態中の処理の流れを示すフローチャートである。
図13】スロットマシン1の第1有利状態中の処理の流れを示すフローチャートである。
図14】スロットマシン1のAT状態(第2有利状態)中の処理の流れを示すフローチャートである。
図15】スロットマシン1の指示実行抽選処理の内容を説明する表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<1.遊技機の外観構成>
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の斜視図である。
スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。
本体2内には、上下方向の中央部より少し上方の位置に、左リールR1、中リールR2、および右リールR3が左右に並べて配置されている。左リールR1、中リールR2、および右リールR3はそれぞれ、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。各リール帯には、21個の図柄が周方向に並べて配列されている。
【0014】
前扉3には、表示部5、操作部6および演出表示部7が設けられている。
表示部5は、左リールR1、中リールR2、および右リールR3と対向する位置に設けられている。表示部5の中央部には、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の周面の一部を視認可能にするためのリール窓8が設けられている。左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転中は、リール窓8内に、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リールR1、中リールR2、および右リールR3が停止すると、リール窓8内に、左リールR1、中リールR2、および右リールR3のそれぞれ3個の図柄、合計9個の図柄が表示される(図柄の停止表示)。
【0015】
リール窓8の下方には、兼用表示器23aおよび払出枚数表示器23bが左右に並べて配置されている。兼用表示器23aおよび払出枚数表示器23bは、たとえば、2桁の数字を表示可能な7セグメント表示器からなる。
【0016】
図2は、スロットマシン1の兼用表示器23aの拡大図である。
兼用表示器23aは、ドット付きの2桁の7セグメント表示器で構成しており、兼用表示器23aの2桁の7セグメント部分は、クレジット数表示器CRと指示モニタNMとで兼用している。また、兼用表示器23aのドット部分は、有利区間ランプYLとして利用している。
【0017】
指示モニタNMは、後述する主制御装置100aから演出サブ制御装置100bに対し、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C及び右ストップボタン15Rの操作順(以下、停止操作順という)を指示するコマンドを送信する際に当該コマンドの種別に応じた識別情報を表示する。
有利区間ランプYLは、指示モニタNMに初回の識別情報を表示するまでは消灯状態、初回の識別情報の表示以降は後述する有利状態が終了するまで点灯状態とされる。
【0018】
図1に戻り、操作部6は、表示部5の下側に配置されている。操作部6には、メダル投入口10、MAXベットボタン11、1枚ベットボタン12、2枚ベットボタン13、スタートレバー14、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15Rおよび精算ボタン16が設けられている。
【0019】
メダル投入口10からメダルが投入されると、ベット数が1ゲームに対する最大ベット数未満である場合は、その投入されたメダルがベットされる。ベット数が最大ベット数の状態で、メダル投入口10からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、50枚を上限として、スロットマシン1にクレジットされる。現在のクレジット数は、クレジット数表示器CRに表示される。
【0020】
MAXベットボタン11は、クレジットからのメダルの引き落としによりベット数を最大ベット数とすべく操作するボタンである。
【0021】
1枚ベットボタン12は、クレジットから1枚のメダルを引き落として、ベット数に1を加算すべく操作するボタンである。
【0022】
また、2枚ベットボタン13は、クレジットから2枚のメダルを引き落として、ベット数に2を加算すべく操作するボタンである。
【0023】
1遊技の実行に必要なメダル枚数を「規定数」という。規定数分のメダルがベットされた後、スタートレバー14が操作されると、1回の遊技(1遊技)が開始され、左リールR1、中リールR2、および右リールR3が回転し始める。左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、および右ストップボタン15Rは、それぞれ左リールR1、中リールR2、および右リールR3に対応して設けられている。左リールR1、中リールR2、および右リールR3が回転し始めた後、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、および右ストップボタン15Rが押操作されると、それぞれ左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転が停止する。
【0024】
なお、以下、左ストップボタン15L→中ストップボタン15C→右ストップボタン15Rの順で各ストップボタンを操作することを「左→中→右」という。
左ストップボタン15L→右ストップボタン15R→中ストップボタン15Cの順で各ストップボタンを操作することを「左→右→中」という。
中ストップボタン15C→右ストップボタン15R→左ストップボタン15Lの順で各ストップボタンを操作することを「中→右→左」という。
中ストップボタン15C→左ストップボタン15L→右ストップボタン15Rの順で各ストップボタンを操作することを「中→左→右」という。
右ストップボタン15R→左ストップボタン15L→中ストップボタン15Cの順で各ストップボタンを操作することを「右→左→中」という。
右ストップボタン15R→中ストップボタン15C→左ストップボタン15Lの順で各ストップボタンを操作することを「右→中→左」という。
【0025】
すべてのリールR1、R2、R3が停止した時点で、リール窓8内の有効化されている入賞ライン上に所定の図柄の組合せが並ぶと、その図柄の組合せに対応づけられた役に入賞となる。役によっては、配当として、メダルが払い出される。この入賞に対して払い出されるメダルの枚数は、払出枚数表示器23bに表示される。また、入賞に対して払い出されるメダルは、スロットマシン1に50枚を上限としてクレジットされ、50枚を超える分については、前扉3の最下部に設けられたメダル排出口40からメダルトレイ41に排出される。以上で、1遊技が終了である。
【0026】
精算ボタン16が押操作されると、スロットマシン1にクレジットされているメダルがメダル排出口40からメダルトレイ41に排出される。
【0027】
演出表示部7は、表示部5の上側に配置されている。演出表示部7には、遊技の進行に合わせた演出画像などを表示するための液晶表示器30が設けられている。また、演出表示部7には、液晶表示器30の左側および右側に、遊技中の雰囲気を盛り上げるための効果音などを出力する一対のスピーカ31、31と、装飾ランプ33とが配置されている。
【0028】
また、前扉3には、操作部6とメダルトレイ41との間に、スロットマシン1の機種名などを表示する表示パネル42が装着されている。
【0029】
<2.遊技機の電気的構成>
<2-1.遊技機の電気的構成(主制御装置)>
図3は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【0030】
スロットマシン1は、遊技の中枢的な制御を実行する主制御装置100aと、遊技に付随する演出のための制御を行う演出サブ制御装置100bと、光と音による電飾のための制御を行う電飾制御基板100cとを備えている。
【0031】
主制御装置100aには、CPU101、ROM102、RAM103、入出力ポート104、乱数生成回路105および信号送出回路106が備えられている。
【0032】
CPU101は、ROM102、RAM103、入出力ポート104、乱数生成回路105および信号送出回路106と電気的に接続されている。
【0033】
ROM102には、CPU101によって実行される各種のプログラムが格納されている。また、ROM102には、抽選テーブル107および停止制御テーブル108が格納されている。
【0034】
RAM103は、CPU101によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
【0035】
入出力ポート104には、兼用表示器23a、払出枚数表示器23b、左リールR1、中リールR2、および右リールR3をそれぞれ回転させるためのステッピングモータ51L,51C,51Rと、メダル投入口10から投入されるメダルの排出先を本体2内のメダル貯留部(図示せず)とメダルトレイ41とに切り替えるためのメダルブロックソレノイド52と、メダル貯留部からメダル排出口40を通してメダルトレイ41にメダルを排出するメダル払出駆動モータ53とが制御対象として接続されている。
【0036】
ステッピングモータ51L,51C,51R、メダルブロックソレノイド52およびメダル払出駆動モータ53は、本体2(図1参照)内に設けられている。
【0037】
また、入出力ポート104には、MAXベットボタン11、1枚ベットボタン12、2枚ベットボタン13、スタートレバー14、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15R、精算ボタン16、リール位置検出センサ5R1,5R2,5R3、メダル投入センサ55、およびメダル払出センサ56が接続されている。
【0038】
MAXベットボタン11、1枚ベットボタン12、2枚ベットボタン13、スタートレバー14、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15R、および精算ボタン16が押操作されると、それらに内蔵されたスイッチ(図示せず)から操作信号が出力され、その操作信号が入出力ポート104を介してCPU101に入力される。
【0039】
左リールR1、中リールR2、および右リールR3が1回転する度に、それぞれリール位置検出センサ5R1,5R2,5R3から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート104を介してCPU101に入力される。
【0040】
スタートレバー14が操作されると、CPU101は、ステッピングモータ51L,51C,51Rに駆動パルス信号を出力し、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転を開始させる。CPU101は、ステッピングモータ51L,51C,51Rのステップ数およびリール位置検出センサ5R1,5R2,5R3の検出信号に基づいて、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転位置を常に把握している。
【0041】
左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、および右ストップボタン15Rが押操作されると、CPU101は、停止制御テーブル108を参照し、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転位置に基づいて、ステッピングモータ51L,51C,51Rへの駆動パルス信号の出力を停止し、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の停止を制御する(リール停止制御)。
【0042】
リール停止制御では、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、および右ストップボタン15Rが押操作されてから、それぞれ左リールR1、中リールR2、および右リールR3を所定の最大引込コマ数(たとえば、4コマ)以下の範囲で、その回転を停止させる。
【0043】
メダル投入口10からメダルが投入される度に、メダル投入センサ55から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート104を介してCPU101に入力される。
【0044】
メダル払出駆動モータ53によってメダルがメダルトレイ41に1枚排出される度に、メダル払出センサ56から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート104を介してCPU101に入力される。
【0045】
クレジット数は、RAM103に記憶されている。CPU101は、クレジット数表示器CRを制御し、RAM103に記憶されているクレジット数をクレジット数表示器CRに表示させる。CPU101は、メダルブロックソレノイド52を制御して、クレジット数が50に達するまでは、メダル投入口10から投入されるメダルの排出先をメダル貯留部にし、クレジット数が50に達すると、その排出先をメダルトレイ41にする。また、クレジット数が50に達した後、配当(メダルの払出)がある役に入賞した場合、CPU101は、メダル払出駆動モータ53を制御して、メダルをメダルトレイ41に排出させる。
【0046】
乱数生成回路105は、発振器(図示せず)からのクロックパルスの出力に応答してカウントアップするインクリメントカウンタを含む構成であり、16ビットの乱数を発生させる。生成される乱数の範囲は0~65535となる。
【0047】
スタートレバー14が操作されると、CPU101は、乱数生成回路105から乱数を取得し、複数の役が抽選対象に含まれる内部抽選を実行する。内部抽選では、ROM102の抽選テーブル107から1つの抽選テーブルが読み出して、該抽選テーブルと乱数生成回路105から取得した16ビットの乱数とに基づいて、内部抽選の当選役またはハズレが決定される。
【0048】
内部抽選によりいずれかの役に当選していなければ、リール停止制御により、リール窓8内に停止表示される9個の図柄(左リールR1、中リールR2、および右リールR3のそれぞれ3個の図柄)が入賞態様をなすことはなく、役が入賞することはない。小役が入賞すると、CPU101は、払出枚数表示器23bを制御して、その配当として払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示器23bに表示させる。
【0049】
また、CPU101は、信号送出回路106を介して、演出サブ制御装置100bおよび電飾制御基板100cに制御に必要な信号をコマンドとして送出する。
【0050】
なお、スロットマシン1では、1~6までの6段階の設定値から1の設定値を選択することで、スロットマシン1の払出率の高低を設定することが出来るようになっている。なお、設定値が大きいほど、払出率が高くなる。
図示は省略するが、入出力ポート104には、本体2内に設けられ、設定値の選択(変更)時に操作する設定変更スイッチ及び設定変更ボタンが接続されている。設定変更スイッチは、設定キーを差し込んで時計回りに回転させることでオンとなるキースイッチ、設定変更ボタンはプッシュボタンにより構成している。
【0051】
設定値の選択(変更)時には、まず、前扉3を開放した状態で、設定変更スイッチに設定キーを差し込んで時計回りに回転させ、スロットマシン1の動作モードを設定変更モードに変更する。設定変更モードへ移行すると、兼用表示器23aに、現在の設定値が表示される。また、設定変更モードにて、設定変更ボタンを1回押すごとに、兼用表示器23aに表示されている設定値が1~5の場合には1インクリメントされるとともに、6の場合には1に戻るようになっている。このように、兼用表示器23aに表示される設定値を確認しつつ、設定変更ボタンを操作することで、所望の設定値の選択が可能となっている。所望の設定値が兼用表示器23aに表示された状態で、スタートレバー14を操作することで、設定値の選択(変更)が完了する。そして、設定変更スイッチに差し込んだ設定キーを反時計回りに回転させて、動作モードを通常(遊技)モードに復帰させ、設定変更スイッチから、設定キーを抜き取ることで設定選択(変更)作業が完了する。
【0052】
<2-2.遊技機の電気的構成(演出サブ制御装置等)>
演出サブ制御装置100bには、CPU200、ROM201、RAM202、信号入力回路203、駆動回路204および乱数生成回路205が備えられている。
【0053】
CPU200は、ROM201、RAM202、信号入力回路203、駆動回路204および乱数生成回路205と電気的に接続されている。
【0054】
ROM201には、CPU200によって実行される各種のプログラムが格納されている。
【0055】
RAM202は、CPU200によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
【0056】
信号入力回路203には、主制御装置100aの信号送出回路106からの信号が入力される。
【0057】
乱数生成回路205は、発振器(図示せず)からのクロックパルスの出力に応答してカウントアップするインクリメントカウンタを含む構成であり、16ビットの乱数を発生させる。生成される乱数の範囲は0~65535となる。
【0058】
CPU200は、ROM201に格納されているプログラムを実行し、信号入力回路203から入力される信号と、乱数生成回路205から取得した乱数とに基づき、演出抽選を行い、抽選の結果に基づき、駆動回路204を介して、液晶表示器30の表示を制御する。
【0059】
電飾制御基板100cは、主制御装置100aから送信されるコマンドに基づいて、装飾ランプ32を含むスロットマシン1に搭載された各種LEDの点灯を制御する。また、スピーカ31からの効果音の出力を制御する。
【0060】
<3.リール配列・停止位置の説明>
図4は、左リールR1、中リールR2および右リールR3の各周面(リール帯)に描かれている図柄の配列を示す図である。
【0061】
左リールR1の周面には、「月」、「スイカ」、「リプレイ」、「ベル」、「白7」、「チェリー」、「白7」、「リプレイ」、「ベル」、「ブランク」、「赤7」、「青7」、「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」、「黒バー」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」、および「ベル」の21個の図柄が左リールR1の回転時にリール窓8内にこの順に現れるように配列されている。
【0062】
中リールR2の周面には、「ベル」、「リプレイ」、「黒バー」、「スイカ」、「ベル」、「リプレイ」、「月」、「チェリー」、「ベル」、「リプレイ」、「赤7」、「青7」、「スイカ」、「ベル」、「リプレイ」、「ブランク」、「チェリー」、「ベル」、「リプレイ」、「白7」および「スイカ」の21個の図柄が中リールR2の回転時にリール窓8内にこの順に現れるように配列されている。
【0063】
右リールR3の周面には、「ベル」、「黒バー」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」、「青7」、「赤7」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」、「ブランク」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」、「白7」、「リプレイ」および「スイカ」の21個の図柄が右リールR3の回転時にリール窓8内にこの順に現れるように配列されている。
【0064】
図5は、図柄停止位置PL1,PL2,PL3,PC1,PC2,PC3,PR1,PR2,PR3および有効ラインについて説明するための図である。
【0065】
左リールR1が停止すると、リール窓8内で上下に並ぶ図柄停止位置PL1,PL2,PL3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0066】
中リールR2が停止すると、リール窓8内で上下に並ぶ図柄停止位置PC1,PC2,PC3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0067】
右リールR3が停止すると、リール窓8内で上下に並ぶ図柄停止位置PR1,PR2,PR3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
【0068】
スロットマシン1は、図柄停止位置PL2、PC2及びPR2を結ぶラインを有効ラインNLとするいわゆる1ライン機である。
以下、リール窓8内の上段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC1,PR1を結ぶラインを上段ラインL1、中段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL2,PC2,PR2を結ぶラインを中段ラインL2、下段に横一列に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC3,PR3を結ぶラインを下段ラインL3、右下がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL1,PC2,PR3を結ぶラインを右下がりラインL4、右上がりの斜めライン上に整列する3つの図柄停止位置PL3,PC2,PR1を結ぶラインを右上がりラインL5という。
【0069】
内部抽選での当選役に対応した図柄の組合せが有効ラインNLに並ぶと、その当選役に入賞となる。内部抽選にて抽選の対象とする役には、ボーナス役、小役、及びリプレイ役を含む。ボーナス役は、当選した場合は入賞するまで当選状態が維持される、所謂持越し役である。これに対し、小役及びリプレイ役は、3つのリールR1~R3が全て停止して1回のゲームが終了すると、当選状態が消滅する役である。小役は、入賞に伴いメダルが払い出される役、リプレイ役は、入賞に伴い、メダルのベット不要で次ゲームを実行することが出来る役である。
【0070】
<4.内部抽選処理の詳細>
図6は、スロットマシン1における、前記内部抽選での抽選仕様が異なる遊技状態(以下、RT状態という)の遷移を示す図である。
図6に示す通り、スロットマシン1には、ボーナス非内部中RT0、ボーナス内部中RT1、及びボーナスゲームRT2の3種類のRT状態を搭載している。ボーナス非内部中RT0での内部抽選の結果、ボーナス役に当選すると、当該ボーナス役が入賞するまで、ボーナス内部中RT1へ移行する。ボーナス内部中RT1にてボーナス役が入賞すると、ボーナスゲームRT2を開始し、ボーナスゲームRT2の終了後は、ボーナス非内部中RT0へ移行する。
なお、スロットマシン1では、ボーナス非内部中RT0及びボーナス内部中RT1での規定数は3枚、ボーナスゲームRT2での規定数は2枚に設定している。
【0071】
図7は、スロットマシン1に搭載された条件装置(以下、役ともいう)の名称、及び個々の役に対応づけられた入賞図柄組合せを示すとともに、規定数毎に抽選対象とするか否かと入賞に対する配当とを示した図である。
図7に示す如く、スロットマシン1では、ボーナス役としてRB役、小役としてベル1~ベル4、不正解ベル1~不正解ベル10、チェリー1~チェリー5、及びスイカの20通り、リプレイ役としてリプレイ1~リプレイ4の4通り、合計25通りの役を設定している。
【0072】
RB役は、遊技関連規則上の第1種特別役物で、RB役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、「黒バー」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。RB役が入賞した場合、該入賞に対する配当はないが、次ゲームからボーナスゲームRT2(以下、RBゲームともいう)が開始される。RBゲームは、RBゲーム中に払い出されたメダル枚数が8枚を超えたゲームで終了する。
RB役は、当然ながら、規定数が3枚のボーナス非内部中RT0でのみ内部抽選での抽選対象役とされ、ボーナス内部中RT1及び規定数が2枚のボーナスゲームRT2は、内部抽選での抽選対象役としない。
【0073】
次に、小役について説明する。
ベル1役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、「ベル」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。
ベル2役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1及び中リールR2については「ベル」、右リールR3については「リプレイ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
ベル3役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1及び右リールR3については「リプレイ」、中リールR2については「ベル」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
ベル4役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「チェリー」、中リールR2については「ベル」図柄がそれぞれ並べば、右リールR3については、何れの図柄が停止しても入賞となる図柄組合せに設定している。図中のANYの記載は、何れの図柄でもよい旨を示している。
ベル1~4役の入賞に対する配当はそれぞれ、規定数によって異なるように設定しており、規定数が2枚のときは1枚、規定数が3枚のときは10枚に設定している。
【0074】
不正解ベル1役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「ベル」、中リールR2については「チェリー」、右リールR3については「リプレイ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル2役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「ベル」、中リールR2については「スイカ」、右リールR3については「リプレイ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル3役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「リプレイ」、中リールR2については「チェリー」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル4役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「リプレイ」、中リールR2については「スイカ」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル5役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「青7」、中リールR2については「チェリー」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル6役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「青7」、中リールR2については「スイカ」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル7役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「ブランク」、中リールR2については「青7」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル8役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「ブランク」、中リールR2については「月」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル9役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「ブランク」、中リールR2については「黒バー」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル10役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「ブランク」、中リールR2については「白7」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
不正解ベル1~10役の入賞に対する配当はそれぞれ、規定数が2枚及び3枚の何れの場合でも1枚に設定している。
【0075】
チェリー1役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「チェリー」、中リールR2については「チェリー」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
チェリー2役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「チェリー」、中リールR2については「スイカ」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
チェリー3役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「黒バー」、中リールR2については「チェリー」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
チェリー4役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「黒バー」、中リールR2については「スイカ」、右リールR3については「スイカ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
チェリー5役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「黒バー」、中リールR2については「リプレイ」、右リールR3については何れの図柄でもよい図柄組合せに設定している。
チェリー1~5役の入賞に対する配当はそれぞれ、規定数が2枚及び3枚の何れの場合でも1枚に設定している。
【0076】
スイカ役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、「スイカ」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。スイカ役の入賞に対する配当は、規定数によって異なるように設定しており、規定数が2枚のときは1枚、規定数が3枚のときは4枚に設定している。
【0077】
次に、リプレイ役について説明する。
リプレイ1役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、「リプレイ」図柄が並ぶ図柄組合せに設定している。
リプレイ2役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「青7」、中リールR2については「リプレイ」、右リールR3については「リプレイ」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
リプレイ3役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「白7」、中リールR2については「リプレイ」、右リールR3については「ベル」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
リプレイ4役の入賞図柄組合せは、有効ラインNL上に、左リールR1については「白7」、中リールR2については「リプレイ」、右リールR3については「青7」図柄がそれぞれ並ぶ図柄組合せに設定している。
リプレイ1~4役は、規定数が3枚のボーナス非内部中RT0及びボーナス内部中RT1でのみ、内部抽選での抽選対象役とされ、ボーナスゲームRT2では内部抽選での抽選対象役としない。
【0078】
図8は、スロットマシン1の内部抽選処理にて抽選対象とする複数種類の抽選区分を示している。
【0079】
ボーナス抽選区分G1は、ボーナス役であるRB役と、リプレイ1~4役とが重複当選する抽選区分である。スロットマシン1では、ボーナス役と小役、またはボーナス役とリプレイ役とが重複当選したゲームでは、小役またはリプレイ役をボーナス役よりも優先して入賞させるリール停止制御を採用しているため、ボーナス抽選区分G1に当選したゲームでは、リプレイ1~4役の何れかが入賞し、RB役が入賞することはない。
【0080】
押し順ベル抽選区分G2~G7はそれぞれ、一般的に押し順小役と呼ばれる抽選区分である。さらに詳しくは、配当の異なる複数種類の小役が重複当選するとともに、停止操作順が予め定めた正解操作順と合致した場合には、停止操作タイミングにかかわらず配当が最大の小役が入賞するが、停止操作順が前記正解操作順と合致しなかった場合には、配当が最大の小役が入賞することはないように設定された抽選区分である。
押し順ベル抽選区分G2~G7の何れかに当選したゲームでは、停止操作順が、正解操作順と合致した場合には、停止操作タイミングにかかわらず配当が10枚のベル1~4役の何れかが入賞するが、正解操作順と合致しなかった場合には、ベル1~4役の何れも入賞することはなく、停止操作タイミングによって、配当が1枚の不正解ベル1~10役の何れかが入賞するか、入賞を取りこぼす。
【0081】
押し順ベル抽選区分G2は、ベル1~2役と、不正解ベル1~6役とが重複当選する抽選区分で、正解操作順は、左→中→右の順に設定している。
押し順ベル抽選区分G3は、ベル3~4役と、不正解ベル1~7役とが重複当選する抽選区分で、正解操作順は、左→右→中の順に設定している。
押し順ベル抽選区分G4は、ベル1役と、不正解ベル1~6役と、不正解ベル8役とが重複当選する抽選区分で、正解操作順は、中→左→右の順に設定している。
押し順ベル抽選区分G5は、ベル2役と、不正解ベル1~6役と、不正解ベル9役とが重複当選する抽選区分で、正解操作順は、中→右→左の順に設定している。
押し順ベル抽選区分G6は、ベル3役と、不正解ベル1~6役と、不正解ベル10役とが重複当選する抽選区分で、正解操作順は、右→中→左の順に設定している。
押し順ベル抽選区分G7は、ベル4役と、不正解ベル1~9役とが重複当選する抽選区分で、正解操作順は、右→左→中の順に設定している。
【0082】
レア小役抽選区分G8は、チェリー1~5役が重複当選する抽選区分である。レア小役抽選区分G8に当選したゲームでは、停止操作タイミングによって、配当が1枚のチェリー1~5役の何れかが入賞するか、入賞を取りこぼす。
レア小役抽選区分G9は、スイカ役が単独当選する抽選区分である。レア小役抽選区分G9に当選したゲームでは、停止操作タイミングによって、配当が4枚のスイカ役が入賞するか、入賞を取りこぼす。
【0083】
リプレイ抽選区分G10は、リプレイ1~4役が重複当選する抽選区分である。リプレイ抽選区分G10に当選したゲームでは、停止操作順及びタイミングにかかわらず、リプレイ1~4役の何れかが入賞する。
【0084】
全小役重複抽選区分G11は、全ての小役、具体的には、ベル1~4役と、不正解ベル1~10役と、チェリー1~5役と、スイカ役とが重複当選する抽選区分である。全小役重複抽選区分G11は、RBゲーム専用の抽選区分で、RBゲーム中に全小役重複抽選区分G11に当選したゲームでは、停止操作順及びタイミングにかかわらず、ベル1~4役、不正解ベル1~10役、チェリー1~5役及びスイカ役の何れかが入賞する。また、上述した通り、RBゲーム中の規定数は2枚、規定数2枚の場合、全ての小役の配当を1枚に設定しているので、入賞に対する配当は1枚である。
【0085】
次に、図9及び図10を参照して、スロットマシン1の設定値1~6における、各RT状態での抽選仕様を説明する。
なお、図9及び図10は、各抽選区分の当選範囲に相当する抽選値を設定値毎に示している。なお、内部抽選処理での乱数値の範囲は0~65535のため、設定値毎の各抽選区分の当選確率は、抽選値/65536により算出できる。
【0086】
図9は、ボーナス非内部中RT0及びボーナス内部中RT1の抽選仕様を示している。
ボーナス抽選区分G1の抽選値は、設定値にかかわらず16384、その当選確率は1/4に設定している。上述の通り、ボーナス非内部中RT0に、ボーナス抽選区分G1に当選すると、ボーナス内部中RT1へ移行するが、ボーナス内部中RT1に移行後は、内部抽選の対象役からRB役を除外するため、ボーナス内部中RT1において、ボーナス抽選区分G1に当選した場合は、リプレイ1~4役の重複当選となる。
【0087】
押し順ベル抽選区分G2及びG3の抽選値はそれぞれ、設定値にかかわらず4000、その当選確率は約1/16.38に設定している。
押し順ベル抽選区分G4~G7の抽選値はそれぞれ、設定値にかかわらず8000、その当選確率は約1/8.19に設定している。
レア小役抽選区分G8の抽選値は、設定値が1の場合は1600、設定値が2の場合は1660、設定値が3の場合は1768、設定値が4の場合は1884、設定値が5の場合は1960、設定値が6の場合は2048にそれぞれ設定している。
レア小役抽選区分G9の抽選値は、設定値が1の場合は546、設定値が2の場合は565、設定値が3の場合は585、設定値が4の場合は607、設定値が5の場合は630、設定値が6の場合は655にそれぞれ設定している。
リプレイ抽選区分G10の抽選値は、設定値が1の場合は7006、設定値が2の場合は6927、設定値が3の場合は6799、設定値が4の場合は6661、設定値が5の場合は6562、設定値が6の場合は6449にそれぞれ設定している。
なお、ボーナス非内部中RT0及びボーナス内部中RT1中の内部抽選の結果、抽選区分G1~G10の何れにも当選しない所謂ハズレとなることはなく、必ず抽選区分G1~G10の何れかに当選するように構成している。
【0088】
また、上述の通り、スロットマシン1では、ボーナス役と小役またはリプレイ役とが重複当選したゲームでは、小役またはリプレイ役をボーナス役よりも優先して入賞させるリール停止制御を採用しており、ボーナス内部中RT1中の内部抽選結果がハズレとなることもないので、RB役の入賞機会は、ボーナス内部中RT1中に、レア小役抽選区分G8に当選したゲームまたはレア小役抽選区分G9に当選したゲームで、黒バー図柄を狙って停止操作を行った場合に限定される。従い、ボーナス内部中RT1にRB役が入賞するのは極めて稀で、ボーナス非内部中RT0にて当選確率1/4のボーナス抽選区分G1に当選し、ボーナス内部中RT1に移行した後は、基本的にはボーナス内部中RT1に滞在しつづけることになる。
【0089】
図10は、ボーナスゲームRT2での抽選仕様を示している。
ボーナスゲームRT2での内部抽選では、全小役重複抽選区分G11のみを抽選対象としており、抽選値は、設定値にかかわらず65536、その当選確率は1/1に設定している。上述の通り、ボーナスゲームRT2、即ちRBゲームにて全小役重複抽選区分G11に当選したゲームでは、停止操作順及びタイミングにかかわらず、ベル1~4役、不正解ベル1~10役、チェリー1~5役及びスイカ役の何れかが入賞するが、上述の通り、RBゲームでの規定数は2枚、規定数2枚の場合は全ての小役の配当を1枚に設定しているので、入賞に対する配当は1枚である。また、上述の通り、RBゲームは、RBゲーム中に払い出されたメダル枚数が8枚を超えたゲームで終了する。従い、RBゲームは、2枚のメダル投入に対して1枚の配当が得られるというゲームを、9ゲーム繰り返して終了し、結果、RBゲーム終了時はRBゲーム開始時に比べて9枚メダルが減ることになる。従い、RBゲームはメダルが減るボーナス、即ち、スロットマシン1は、所謂減るボ仕様を採用している。
【0090】
よって、スロットマシン1において、RBゲームは、1枚のメダルを失うゲームが9ゲーム繰り返され、結果として9枚のメダルを失うに過ぎないため、遊技者にとって、RB役を入賞させるメリットは皆無である。加えて、上述の如く、RB役の入賞機会も極めて稀、かつ入賞機会の到来時に、黒バー図柄を狙って停止操作を行わない限り、RB役が入賞することもないので、ホールでRB役が入賞することはまずない。
【0091】
一方、スロットマシンの型式検定試験におけるシミュレーション試験では、一度当選すれば入賞するまで当選状態が維持される所謂ボーナス役は、当選ゲームで入賞する(以下、前提1という)こととし、所謂押し順小役は、指示機能の作動如何にかかわらず全ての当選ゲームで最大配当小役が入賞する(以下、前提2という)こととして、出玉シミュレーションが行われ、この結果、基準を超えるメダルが獲得できた場合は、型式検定試験不適合となる。型式検定試験不適合のスロットマシンは、ホールに設置することができない。
【0092】
シミュレーション試験は、上記の前提1からボーナス内部中は存在せず、上記の前提2から所謂押し順役の当選時に全て正解操作順で停止操作が行われたと仮定した試験であるといえる。上述の通り、スロットマシン1において、RB役を含むボーナス抽選区分G1のボーナス非内部中RT0の当選確率は1/4のため、シミュレーション試験では、ボーナス抽選区分G1に当選するまでのボーナス非内部中RT0の滞在ゲーム数は平均で4ゲーム、RB役は当選ゲームで入賞し、入賞後は、メダルが9枚減る9ゲームのRBゲームを実行し、再度ボーナス非内部中RT0に戻るというループを繰り返すことになる。
従い、上記の前提2から、シミュレーション試験におけるメダル増加期間は、ボーナス非内部中RT0になるが、上述の通り、平均4ゲームという極めて短い期間で終了し、1ゲームあたりのメダル純増枚数も約4.2枚に設定している(図8及び図9から算出できる)ため、シミュレーション試験で型式試験不適合になることはないように設計している。
【0093】
遊技機関連規則上、ボーナスゲームは、小役の当選確率を変動させることのできる期間であり、本来的にはボーナスゲーム中以外の通常時よりも有利な遊技期間として用いることを想定して定められたものであるため、ボーナスゲーム中の全ての小役の当選確率は、通常時に比べて向上している必要がある。スロットマシン1では、RBゲーム中の各小役の当選確率は、1/1であるため、ボーナス非内部中RT0及びボーナス内部中RT1の各小役の当選確率よりも向上しており、ボーナスゲームの要件を満たしている。このように、スロットマシン1では、極めて簡単な方法で、減るボを実現している。
【0094】
また、ボーナス中も規定数を変えずに、通常時には複数の抽選区分に含まれていた複数の小役のうち、配当が同じ小役を1つの抽選区分に纏めて同時当選させるとともに、纏めることで生じた内部抽選での空きの数値範囲をハズレとすることで、減るボを実現する従来の手法を用いた場合、通常時の複数種類の押し順小役に含まれる複数種類の正解小役を1つに纏めた正解小役抽選区分の当選確率も、前記複数種類の押し順小役のうち、最も当選確率の高い抽選区分の当選確率よりも高い必要がある。
本スロットマシン1は、図9に示す如く、押し順ベルG2~G7の当選確率に偏りのあるペナルティ仕様を採用しており、従来の減るボ手法を用いた場合、RBゲームにおける前記正解小役抽選区分の抽選値は、最低でも、通常時の押し順ベルG2~G7の抽選値のうち、最も高い抽選値である8000よりも大きくする必要がある。
【0095】
また、ペナルティ仕様は、AT期間の純増を高めるべく採用する仕様であり、純増を高めるには、非AT期間中にペナルティが課されることとなる停止操作順に正解操作順が設定された押し順小役(以下、ペナルティ対象押し順小役という)の当選確率は、高ければ高いほどよく、正解小役の配当も大きければ大きいほど良い。
従い、ペナルティ仕様のスロットマシンに、従来の減るボ手法を適用した場合、通常時のペナルティ対象押し順小役の当選確率の高さに起因して、ボーナス中の正解小役抽選区分の当選確率も高くせざるを得ず、結果として、ボーナス中に所望の吸込み性能を得られなくなってしまうことがある。
【0096】
一方、従来の減るボ手法に代え、スロットマシン1で採用した新たな減るボ手法によれば、通常時のペナルティ対象押し順小役の当選確率や、正解小役の配当にかかわらず、極めて簡単な方法で、毎ゲーム1枚減るボーナスを実現することが出来る。スロットマシンの設計段階においては、従来の減るボ手法を採用した場合に、毎ゲーム1枚以上減るボーナスを実現できるのであれば、従来の減るボ手法を用いればよいし、実現できないのであれば、スロットマシン1で採用した新たな減るボ手法を用いればよい。
【0097】
<5.遊技の詳細説明>
次に、スロットマシン1での遊技の詳細について説明する。
【0098】
<5-1.指示機能に係る遊技状態フロー>
図11は、スロットマシン1における、指示機能に係る遊技状態遷移を示す図である。
【0099】
スロットマシン1の指示機能に係る遊技状態は、指示機能が作動不可能な非有利状態と、指示機能が作動可能な有利状態とに大別される。指示機能が作動すると、押し順ベルG2~G7の何れかに当選した遊技で、主制御装置100aから演出サブ制御装置100bに対して、正解操作順を指示するコマンドが送信されるとともに、指示モニタNMに正解操作順に対応する識別情報が表示される。演出サブ制御装置100bは、主制御装置100aからの指示コマンドに従って、液晶表示器30への表示や、スピーカ31、31からの音声出力により、前記正解操作順を遊技者に報知する。主制御装置100aが指示モニタNMに識別情報の表示を行って、演出サブ制御装置100bに対し指示コマンドを送信したことを、指示機能の作動という。
非有利状態中においては、有利区間ランプYLは消灯状態とされ、内部抽選処理の結果に応じて有利状態移行抽選を実行し、該有利状態移行抽選に当選すると有利状態に移行する。
【0100】
前記有利状態は、指示機能を作動させない第1有利状態と、指示機能を作動させる第2有利状態とで構成している。第2有利状態をAT状態という。前記有利状態移行抽選の当選時には、先ず第1有利状態へ移行する。
そして、第1有利状態にて、AT状態移行抽選に当選するか、当該AT状態移行抽選に当選することなく、実行ゲーム数が天井ゲーム数に到達すると、AT状態へ移行する。有利区間ランプYLは、AT状態への移行とともに、消灯状態から点灯状態とされる。
そして、AT状態が終了すると、非有利状態へ転落し、これとともに有利区間ランプYLも、点灯状態から消灯状態とされる。
【0101】
また、スロットマシン1は、有利状態に係るリミッタ機能を搭載している。具体的にリミッタ機能は、有利状態中の実行遊技数が1500遊技に至った場合、または有利状態中の差枚数(有利状態中に獲得したメダル枚数と投入したメダル枚数との差分)が2400枚を超えた場合に、強制的に有利状態を終了して非有利状態に移行させるものである。
従い、AT状態は、AT状態を継続可能な権利、具体的には、残りゲーム数や残りセットストック数を消費し尽くしたこと、及びリミッタ機能の作動の何れかによって、終了する。
【0102】
以下、指示機能に係る遊技制御について説明する。
図6を参照して説明したように、スロットマシン1のRT状態は、RT0~RT3のうちの何れかとなるが、このうち、ボーナス非内部中RT0は、設定変更後のRT状態である。設定変更時には、指示機能に係る遊技状態も非有利状態とされる。また、ボーナス非内部中RT0では、上述の有利状態移行抽選を行わないこととしている。
従って、ボーナス非内部中RT0に滞在中に、有利状態に移行することはなく、ボーナス非内部中RT0滞在中は、非有利状態とされる。
【0103】
そして、ボーナス非内部中RT0にて、ボーナス抽選区分G1に当選し、ボーナス内部中RT1へ移行したことを条件に、上述の有利状態移行抽選を含む、指示機能に係る各種抽選処理を実行することとしている。
【0104】
<5-2.非有利状態>
図12は、スロットマシン1の非有利状態中の処理の流れを示すフローチャートである。
非有利状態中には、まず、ステップS1201にて内部抽選処理を実行し、ステップS1202にて、左→中→右または左→右→中の順番(まとめて以下、左1stという)にて停止操作が行われたかを判断する。ステップS1202にてイエスと判断した場合には、ステップS1203にて有利状態移行抽選処理を実行する。次のステップS1204では、ステップS1203の有利状態移行抽選処理にて当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1205にて有利状態開始処理を実行後、第1有利状態を開始すべく、ステップS1206にて第1有利状態中処理を開始してリターンする。
具体的に、ステップS1203の有利状態移行抽選処理は、内部抽選処理の結果、抽選区分G1~G7の何れかに当選したゲームで実行することとし、その当選確率は50%に設定している。また、ステップS1205の有利状態開始処理では、上述した有利状態中の実行遊技数や、差枚数等の各種カウンタの初期化処理等、有利状態開始時に必要な各種初期化処理を実行する。
【0105】
一方、ステップS1202にてノーと判断した場合、即ち左1st以外の順番で停止操作が行われた場合には、ペナルティとしてステップS1203の有利状態移行抽選処理を行わないこととしている。従い、この場合には、ステップS1201へ戻り、非有利状態を継続する。
【0106】
<5-3.第1有利状態>
図13は、スロットマシン1の第1有利状態中の処理の流れを示すフローチャートである。
第1有利状態中には、まず、ステップS1301にて内部抽選処理を実行し、ステップS1302にて、左1stにて停止操作が行われたかを判断する。ステップS1302にてイエスと判断した場合には、ステップS1303にてAT状態移行抽選処理を実行する。一方、ステップS1302にてノーと判断した場合、即ち左1st以外の順番で停止操作が行われた場合には、ペナルティとしてステップS1303のAT状態移行抽選処理をスキップして、ステップS1304へ移行する。AT移行抽選処理の詳細については説明を省略する。
ステップS1304では、消化ゲーム数を1インクリメントし、次のステップS1305では、消化ゲーム数が天井ゲーム数に至ったか否かを判断する。なお、消化ゲーム数には、前述の有利状態開始処理(S1205)にて、初期値としてゼロをセットしている。
ステップS1305にてノーと判断した場合には、ステップS1306にて、ステップS1303のAT状態移行抽選処理にて当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1307へ移行する。ステップS1305にてイエスと判断した場合にも、ステップS1307へ移行する。ステップS1307では、AT状態を開始すべく、AT状態中処理を開始してリターンする。
一方、ステップS1306にてノーと判断した場合には、ステップS1301に戻り、第1有利状態を継続する。
【0107】
<5-4.AT状態(第2有利状態)>
図14は、スロットマシン1のAT状態(第2有利状態)中の処理の流れを示すフローチャートである。
AT状態中には、まず、ステップS1401にて内部抽選処理を実行し、ステップS1402にて、押し順ベルG2~G7の何れかに当選したか否かを判断する。ステップS1402にてイエスと判断した場合、即ち、押し順ベルG2~G7の何れかに当選したゲームでは、ステップS1403~S1406の処理を行うが、これについては後述する。一方、ステップS1402にてノーと判断した場合にはステップS1407に移行する。
ステップS1407では、内部抽選結果に応じて、AT状態継続の対価として消費され、消費し尽くされるとAT終了となるパラメータ(以下、AT継続権という)の上乗せ抽選処理を実行し、当選した場合には、AT継続権の上乗せを行う。次のステップS1408では、指示モードが低純増モードの場合に、高純増モードへ昇格させるか否かを決定するモードアップ抽選処理を実行する。指示モードについては後述する。次のステップS1409では、AT継続権の有無や、リミッタ作動条件を満たしたか否かを確認することによりAT状態を継続するか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1401に戻りAT状態を継続する一方、ノーと判断した場合には、ステップS1410にて有利状態終了処理の実行後、ステップS1411にて非有利状態中処理を開始してリターンする。具体的に有利状態終了処理では、終了させるべき有利状態の制御に用いていた、指示機能に関わる一切の情報をクリアする。
【0108】
<5-4-1.押し順ベルG2~G7当選時の処理>
次に、ステップS1403~S1406の処理について説明する。
スロットマシン1の指示モードとは、AT状態中の押し順ベルG2~G7当選時の指示機能の作動モードのことをいい、指示モードとして、100%指示機能を作動させる高純増モードと、一定の割合で指示機能を作動させない低純増モードとを有しており、AT状態開始時の指示モードは低純増モードとし、上述のステップS1408のモードアップ抽選処理にて当選した後は、高純増モードとされる。
【0109】
ステップS1403では、指示モードが低純増モードか否かを判断し、ノーと判断した場合、即ち高純増モードの場合には、ステップS1404~1405をスキップしてステップS1406へ移行する。一方、ステップS1403にてイエスと判断した場合、即ち低純増モードの場合には、ステップS1404にて、指示実行抽選処理を実行する。次のステップS1405では、指示実行抽選処理にて当選したか否かを判断し、イエスと判断した場合には、ステップS1406に移行する一方、ノーと判断した場合には、ステップS1406をスキップしてステップS1407へ移行する。ステップS1406では、指示機能を作動させて正解操作順を報知し、ステップS1407へ移行する。
【0110】
<5-4-2.指示実行抽選処理>
図15に、指示実行抽選処理の内容を示す。
上述したように、スロットマシン1ではペナルティ仕様を採用しているので、正解操作順が左1stに設定された押し順ベルG2及びG3の当選確率が4000/65536であるのに対し、左1st以外に設定された押し順ベルG4~G7の当選確率は8000/65536と高くなっている。
このため、例えば、押し順ベルG2~G7の何れに当選した場合でも一律の確率で指示実行抽選を行った場合、指示しないと決定したゲーム(以下、指示なしゲームという)においても、押し順ベルG4~G7に当選している確率が、押し順ベルG2及びG3に当選している確率よりも高くなる。即ち、指示なしゲームでは、左1st以外の順番で停止操作を行ったほうが、左1stの順番で停止操作を行った場合よりも、正解操作順に合致する確率が高くなる。よって、AT状態中の指示なしゲームにおいて、左1st以外の順番で停止操作を行う遊技者と、左1stの順番で停止操作を行う遊技者とで、不公平が生じてしまう問題がある。
【0111】
そこで、スロットマシン1では、この問題を解決すべく、指示なしゲームにて、何れの順番で停止操作を行ったとしても、正解操作順に合致する確率が同等となるように、押し順ベルG2~G7毎の当選確率を考慮し、押し順ベルG2~G7毎に、指示実行抽選の当選確率を定めることとした。
具体的には、図15に示す如く、押し順ベルG2及びG3に当選したゲームでの指示実行抽選当選確率は50%、押し順ベルG4~G7に当選したゲームでの指示実行抽選当選確率は75%にそれぞれ設定した。
【0112】
この結果、指示なしゲームとなる指示なし確率は、押し順ベルG2~G7の何れに当選したゲームにおいても同等の2000/65536とすることができるので、指示なしゲームで何れの順番で停止操作を行ったとしても、正解操作順に合致する確率を同等とすることができる。この結果、指示なしゲームでの配当期待値は、全ての停止操作順で均等とすることが出来る。
また、図15の最終行に記載の通り、低純増モードでは、押し順ベルG2~G7当選ゲーム全体での指示実行抽選当選確率は70%に設定している。
【0113】
以上説明した通り、スロットマシン1の指示実行抽選方法によれば、AT状態中の出玉性能を段階的に変化させるペナルティ仕様のAT機において、上記の指示なしゲームにて、遊技者が何れの操作順で停止操作を行っても、停止操作順によって不公平が生じることはなく、設計通りの出玉性能を実現できる。
【0114】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0115】
1 スロットマシン
R1 左リール
R2 中リール
R3 右リール
14 スタートレバー
15L 左ストップボタン
15C 中ストップボタン
15R 右ストップボタン
100a 主制御装置
101 CPU
102 ROM
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15