(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018148
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20230131BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20230131BHJP
【FI】
G16H10/60
G06Q50/22
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193241
(22)【出願日】2022-12-02
(62)【分割の表示】P 2018143965の分割
【原出願日】2018-07-31
(31)【優先権主張番号】P 2018085625
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】302010910
【氏名又は名称】株式会社クラスシード
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】矢田 健一
(72)【発明者】
【氏名】友近 宏
(57)【要約】
【課題】補助が利用者の介護などの補助に関する業務を効率よく処理しつつ、補助業務の質を向上させることを可能にするとともに、施設の利用者の個人情報が外部に漏れる可能性を低減しつつ、施設側が導入する際の金銭的な負担をできるだけ低減し得る管理システムを提供することを課題とする。
【解決手段】複数の利用者が利用する施設において、各利用者の体調管理データを、サーバと、当該サーバと通信が可能な管理機器および複数の移動型電子機器とを用いて通信することで、利用者を管理する管理システムであって、管理機器は、サーバ記憶部に記憶した体調管理データのうち、所望の体調管理データを、各利用者、または複数の利用者で構成されるグループ毎に出力する出力部を備え、移動型電子機器は、操作入力部の操作に応じて、サーバ記憶部に記憶した利用者の体調管理データを前記表示部に表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者が利用する施設において、各利用者の体調管理データを、サーバと、当該サーバと通信が可能な管理機器および複数の移動型電子機器とを用いて通信することで、利用者を管理する管理システムであって、
前記移動型電子機器は、
施設における利用者を補助する補助者が体調管理データに関する操作入力および前記管理機器との通信許可を前記サーバに要求するための所定の情報を操作入力する操作入力部と、
前記サーバにデータを送信する送信部と、
前記サーバからデータを受信する受信部と、
前記受信部で受信したデータに応じて所定の内容を表示する表示部と、を備え、
前記サーバは、
前記移動型電子機器からのデータを受信するサーバ受信部と、
外部にデータを送信するサーバ送信部と、
前記移動型電子機器から所定のデータを受信したことを条件として、通信許可する制御を行うサーバ制御部と、
通信許可した前記移動型電子機器から前記サーバ受信部を介して受信された体調管理データを記憶するサーバ記憶部と、を備え、
前記管理機器は、
前記サーバ記憶部に記憶した体調管理データのうち、所望の体調管理データを、各利用者、または複数の利用者で構成されるグループ毎に出力する出力部を備え、
前記移動型電子機器は、前記操作入力部の操作に応じて、前記サーバ記憶部に記憶した利用者の体調管理データを前記表示部に表示することを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記管理機器は、管理者が操作入力する管理操作入力部を備え、
前記サーバ記憶部には、前記管理機器のIPアドレスおよび特定の情報(キーワード)、前記管理操作入力部から操作入力された前記移動型電子機器のアクセス容認時間およびログインリストが記憶されており、
前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部に記憶された前記管理機器のIPアドレスおよび特定の情報、前記移動型電子機器のアクセス時間およびログインリストの条件を満たしている、前記管理機器および前記移動型電子機器を対象として、通信を可能とする通信可能制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記サーバ記憶部は、前記サーバ受信部において受信した前記移動型電子機器からの利用者の体調管理データを累積的に記憶するほか、施設における利用者の利用有無を示す利用データも累積的に記憶し、
前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部に記憶された利用データから、当日利用有の利用者を特定する制御を行い、
特定された利用者の体調管理データについて、前記サーバ記憶部に記憶された過去の体調管理データと、当日の体調管理データとを比較する比較判定制御を行い、当該比較判定制御の結果が、所定の正常範囲外であると判定した場合に、異常であることを警告する警告データを、前記サーバ送信部を介して移動型電子機器に送信する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項4】
前記サーバ記憶部は、移動型電子機器から送信された利用者の静止画像または動画像を記憶し、
前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部に記憶された利用者の静止画像または動画像の編集制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システムに関し、例えば、デイサービスなどの施設において、当該施設を利用する利用者に対して、ヘルパーなどの補助者が補助する際の補助業務を効率化させるとともに、利用者の個人情報が外部に漏れる可能性を低減する管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化が進んでおり、病院や介護施設等を利用する利用者の数が急増しており、病院や介護施設で利用者を補助する看護師やヘルパー、介護士等の補助者の業務負担も増加している。このため、補助者の業務負担をできるだけ軽くするシステムの提供が望まれている。
【0003】
特許文献1には、複数のヘルパーの携帯端末それぞれに、各ヘルパーが担当し得るケア対象者の一覧情報を表示させて、一覧情報の中から担当するケア対象者を選択させる管理システムであって、いずれかのヘルパーの携帯端末から、担当するケア対象者の選択画面の送信要請があると、管理テーブルを参照して、送信要請があった時間とケア対象者への処理の進行状況とに基づき、その時点でヘルパーが担当し得るケア対象者を抽出し、抽出したケア対象者の一覧情報を生成し、ヘルパーの携帯端末に、一覧情報を表示させ、いずれかのヘルパーの携帯端末から、ケア対象者を示す情報に対応付けてケア対象者への処理の進行状況を受け付けると、ケア対象者を示す情報に対応する処理の進行状況を更新することが記載されている。この管理システムによれば、処理の進行状況に応じてその時点で当該ヘルパーが担当し得るケア対象者が抽出されるので、複数のヘルパーが複数のケア対象者を担当する場合に、他のヘルパーが既にケアを行ったケア対象者等を重複して選択することがなく、効率のよい担当割当を行うことができる。また、ヘルパーが担当し得ないケア対象者が一覧情報に含まれないようにすることもできる。これにより、ヘルパーが担当し得るケア対象者を選択的に表示することができ、携帯端末のディスプレイが小さい場合でも、ヘルパーが多くの有用な情報を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、介護施設等では、多くのケア対象者としての利用者が利用しており、それぞれの利用者が必要な日に利用する一方、利用者を介護して補助するヘルパーなどの補助者は、毎日施設で介護しているとは限らず、また、利用者を複数の補助者で不規則に担当するケースが多くみられる。また、介護施設には、たくさんの利用者が利用しており、一人の利用者に対して同じ補助者がずっと介護など補助しているとは限らず、状況に応じて補助者が不規則に交替する場合もある。このような場合、各補助者が、より効率的に補助業務処理を行う必要があるのだが、利用者に関する実施記録が個人情報であるために、その取扱いには十分に注意しなければならない。
【0006】
また、高齢者の人口が増える中、国の財政面の関係から補助金が低減されており、利用者が介護施設等を利用するために必要な費用のうち、利用者が負担する額が増えており、年金で生活している多くの高齢者にとって、高額な費用を介護施設に支払うことは非常に厳しい面がある。このような背景から、利用者に対して高額な費用の支払いを求めるのは難しいので、財政的に厳しい状況にある介護施設も多くあり、利用者の補助業務を効率化する場合でもできるだけ安価に実現することが必須となっている。
【0007】
さらに、利用者が増加する中、利用者に対する補助者の数は、比率的に小さくなっているので、補助業務を単に効率的にするだけでは良質なサービスを提供することが難しく、サービスを維持、もしくはサービスの質を向上させる必要もある。
【0008】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、補助が利用者の介護などの補助に関する業務を効率よく処理しつつ、補助業務の質を向上させることを可能にするとともに、施設の利用者の個人情報が外部に漏れる可能性を低減しつつ、施設側が導入する際の金銭的な負担をできるだけ低減し得る管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、(1)複数の利用者(例えばお年寄りや、怪我を負ったり、病気後に後遺症が残って体の一部が不自由な人たち)が利用する施設(デイサービスやリハビリ病院など)において、各利用者の体調管理データ(例えば、体温、血圧、脈拍数のほか、体調に関するメモなどのデータ)を、サーバと、当該サーバと通信が可能な管理機器(この管理システムを管理する権限を有するシステム管理者が、他の使用者が知らされていないID情報やパスワードなどの特定の情報を入力することによって使用許可された状態で使用するパソコン。なお、この管理機器は、上記特定の情報が入力されないで使用するパソコンは、補助者が使用することも可能である)および複数の移動型電子機器(例えば、タッチセンサを備えた表示画面を有する携帯電話機など)とを用いて通信することで、利用者を管理する管理システムであって、前記移動型電子機器は、施設における利用者を補助する補助者(ヘルパーや介護士、看護師など)が、体調管理データに関する操作入力および前記管理機器との通信許可を前記サーバに要求するための所定の情報(ID情報やパスワードなど)を操作入力する操作入力部(操作ボタン)と、前記サーバにデータを送信する送信部と、前記サーバからデータを受信する受信部と、前記受信部で受信したデータに応じて所定の内容を表示する表示部(表示画面)と、を備え、前記サーバは、前記移動型電子機器からのデータを受信するサーバ受信部と、外部にデータを送信するサーバ送信部と、前記移動型電子機器から所定のデータ(ID情報やパスワード)を受信したことを条件として、通信許可する制御を行うサーバ制御部と、通信許可した前記移動型電子機器から前記サーバ受信部を介して受信された体調管理データを記憶するサーバ記憶部と、を備え、前記管理機器は、前記サーバ記憶部に記憶した体調管理データのうち、所望の体調管理データを、各利用者、または複数の利用者で構成されるグループ毎に出力する出力部を備え、前記移動型電子機器は、前記操作入力部の操作に応じて、前記サーバ記憶部に記憶した利用者の体調管理データを前記表示部に表示することを特徴とする管理システムを提供する。
【0011】
上記(1)の発明によれば、お年寄りや、身体の一部に不自由な箇所を抱える人などが利用するデイサービスなどの介護施設やリハビリなどを行うリハビリ施設を含む施設を対象として、この施設を利用する利用者を介護や介助することで補助する補助者が、利用者の体温、脈拍数、体重、その日の体調に関するメモ書き、施設内で行ったメニューなども含め体調管理データを、携帯電話機などの移動型電子機器を用いた操作入力といった簡単な操作を行うのみとなり、例えば、複数の補助者が同じ利用者に対して交替で補助業務を行っていたとしても、体調管理データが操作入力に応じて順次記憶されていくことになり、表示部を見ることでそれらデータを確認することで、重複して体調管理データを操作入力する必要も無く、補助業務処理を効率的に行うことが可能になる。加えて、共通の電子機器などでデータ管理する場合に、補助者が、その都度、共通の電子機器の設置場所に移動して起動しなければならないが、そのような不便さが解消されるので、補助に関する業務が非常に効率的になる。また、例えば、補助者が、操作入力した体調管理データ内容のうち所望の内容を、利用者、あるいは、複数の利用者で構成されるグループに対して、プリンターなどを通じて適宜にプリントアウトすることでお渡しすることを容易に行え、補助業務の質を向上させることが可能となる。
また、サーバは、所定の情報を操作入力することによって、通信が許可された移動型電子機器に限って、この管理システムおいて補助者が用いることができる制御を行うので、施設における利用者の個人情報が外部に漏れることを低減することが可能になる。このように、個人情報が守られた状況で、補助者にとって補助業務を行うときに非常に便利な携帯電子機器を用いて補助業務を効率的に行うことが可能になるとともに、別途の設備導入などを必要とせずに、安価な管理システムを提供し得る。
【0012】
また、本発明は、(2)上記(1)の発明の構成に加えて、前記管理機器は、管理者が操作入力する管理操作入力部を備え、前記サーバ記憶部には、前記管理機器のIPアドレスおよび特定の情報(キーワードなど)、前記管理操作入力部から操作入力された前記移動型電子機器のアクセス容認時間およびログインリスト(補助者名が記載されたリスト)が記憶されており、前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部に記憶された前記管理機器のIPアドレスおよび特定の情報、前記移動型電子機器のアクセス時間およびログインリストの条件を満たしている、前記管理機器および前記移動型電子機器を対象として、通信を可能とする通信可能制御を行うことを特徴とする。
【0013】
上記(2)の発明によれば、管理機器のIPアドレスおよびキーワードなどの特定の情報と、前記移動型電子機器のアクセス容認時間およびログインリストが、サーバ記憶部に記憶されたものである場合に、管理機器と移動型電子機器との通信を可能としているので、これらの条件を満たしていない移動型電子機器によって利用者の体調管理データなどの個人情報が取得されてしまい、外部に流出する可能性をさらに低減させることが可能となる。
【0014】
また、本発明は、(3)上記(1)の発明の構成に加えて、前記サーバ記憶部は、前記サーバ受信部において受信した前記移動型電子機器からの利用者の体調管理データを累積的に記憶するほか、施設における利用者の利用有無を示す利用データも累積的に記憶し、前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部に記憶された利用データから、当日利用有の利用者を特定する制御を行い、特定された利用者の体調管理データについて、前記サーバ記憶部に記憶された過去の体調管理データと、当日の体調管理データとを比較する比較判定制御を行い、当該比較判定制御の結果が、所定の正常範囲外であると判定した場合に、異常であることを警告する警告データを、前記サーバ送信部を介して移動型電子機器に送信する制御を行うことを特徴とする。
【0015】
上記(3)の発明によれば、サーバ制御部は、過去の体調管理データと、当日の体調管理データとを比較する比較判定した結果が、所定の正常範囲外であると判定した場合に、異常であることを警告する警告データを、移動型携帯電子機器へ送信するので、当日の体調が、過去の体調と比較して、例えば好ましくないことを、移動式電子機器の警告データを通じて、補助者に知らせることが可能となり、効率的に且つ的確に、利用者の介護補助業務を行うことが可能となる。
【0016】
さらに、本発明は、(4)上記(1)の発明の構成に加えて、前記サーバ記憶部は、移動型電子機器から送信された利用者の静止画像または動画像を記憶し、前記サーバ制御部は、前記サーバ記憶部に記憶された利用者の静止画像または動画像の編集制御を行うことを特徴とする。
【0017】
上記(4)の発明によれば、補助者が移動型電子機器を用いて撮影した利用者の静止画像または動画像をサーバに送信することでサーバ記憶部に記憶させておき、サーバ制御部が、記憶部に記憶された利用者の静止画像または動画像を編集制御し、例えば、出力部で編集制御された画像を出力することで、施設での利用者の状況を利用者または利用者の家族、親戚などに提供することが可能となり、補助業務に関する効率化に加えて付加価値の高いサービスを提供することが可能となる。
【0018】
また、本発明の管理システムは、以下のような手段を用いることも可能である。
【0019】
すなわち、(5)上記(1)の管理システムであって、前記記憶部は、前記サーバ受信部において受信した前記移動型電子機器からの利用者の体調管理データを累積的に記憶するほか、施設における利用者の利用有無を示す利用データを累積的に記憶し、前記サーバ制御部は、前記記憶部に記憶された利用データから、当日利用有の利用者を特定する制御を行い、特定された利用者の体調管理データについて、当日の体調管理データの記憶に不足があることを報知する不足報知データを、前記サーバ送信部を介して移動型電子機器に送信する制御を行うという構成とすることが可能である。
【0020】
上記(5)の構成とすることにより、補助者に対して、サーバから移動型電子機器に、不足報知データが送信されることで、例えば、補助者が、利用者の体調管理データの一部を操作入力し忘れたことを知らせることが可能となり、補助者は、利用者の補助業務を効率的且つより的確にすることが可能となる。
【0021】
また、(6)上記(1)の管理システムであって、前記サーバ制御部は、施設の利用者または利用者の代理人が所有する外部電子機器との通信を可能とする制御を行い、前記サーバ制御部は、前記記憶部に記憶された該当する利用者の体調管理データを、前記サーバ送信部を介して、前記外部電子機器に送信する制御を行うという構成とすることが可能である。
【0022】
上記(6)の構成とすることにより、利用者の代理人としての家族などが所有する外部電子機器に対して、利用者の体調管理データを送信するというサービスを提供することが可能となり、例えば、家族が遠方に住んでいる場合でも、利用者の体調管理状況を適宜に把握させることが可能となり、利用者の代理人も含めた補助業務をより効率的に行うことが可能となる。
【0023】
さらに、(7)上記(4)の管理システムであって、前記サーバは、施設の利用者または利用者の代理人が所有する外部電子機器との通信を可能とし、前記サーバ制御部は、編集制御されたデータを、前記サーバ送信部を介して、前記外部電子機器に送信する制御を行うという構成とすることが可能である。
【0024】
上記(7)の構成とすることにより、施設での利用者の状況を利用者または利用者の家族、親戚などに、外部電子機器を通じてお渡しすることが可能となり、例えば、遠方にいる利用者の家族、親戚などにも、その状況を静止画像や動画像などで、リアルに知らせることが可能となり、補助に関する業務効率に加えて付加価値の高いサービスを提供することが可能となる。
【0025】
さらに、(8)上記(1)の管理システムであって、前記記憶部は、前記サーバ制御部が通信許可する制御を行った前記移動型電子機器の特定情報データを記憶し、前記サーバは、所定の表示内容を表示するサーバ表示部と、管理者が前記サーバ操作入力部で所定の操作入力を行うことで、利用者の体調管理データと、前記移動型電子機器の特定情報データとの関係を、前記サーバ表示部に表示する制御を行うサーバ表示制御部とを有するという構成とすることが可能である。
【0026】
上記(8)の構成とすることにより、サーバの管理者は、サーバ表示部に表示されている、利用者の体調管理データと、移動型電子機器の特定情報データとの関係を見ることで、例えば、利用者の各体調管理データが、いずれの移動型電子機器で入力されたか、例えば、移動型電子機器と補助者との関係を別途特定する関係情報まで入力しておけば、いずれの補助者が操作入力したかを確認することが可能となるので、入力ミスなどに対して的確に対応することが可能しやすくなる。
【0027】
(9)上記(1)~(8)のいずれかに記載した管理システムの運用管理を行う運用管理機器を用いて、前記管理機器における設定編集を行う設定編集制御システムであって、前記管理機器には、前記管理操作入力に応じた表示を行う管理表示部を備え、前記運用管理機器は、運用管理者が操作入力を行う運用管理操作入力部と、当該運用管理操作入力部の操作入力に応じた表示を行う運用管理表示部と、前記管理機器にデータを送信する運用管理送信部と、CMSにより前記管理表示部における表示態様の設定編集を制御する運用管理制御部と、を備えることを特徴とする。
【0028】
上記(9)の構成とすることにより、管理システムの運用管理者が、運用管理機器を用いて、CMSによって管理機器の管理表示部における表示態様の設定編集を行うことが可能となり、管理システムのシステム管理者が遠方にいても、例えば、電話などで連絡を取り合いながら、運用管理表示部および管理表示部を通じて、設定編集作業を行うことが可能であり、迅速に効率的に編集作業を行うことが可能となる。
【0029】
また、移動型電子機器は、操作入力部を介して操作入力された、ユーザー名およびパスワードなどの特定の操作入力されたことを条件として、管理機器と通信可能となるが、サーバ記憶部に記憶されたアクセス容認時間およびログインリストと一致する場合、例えば、出勤している補助者名の選択、4桁の数字による簡単なパスワード入力のみの、いわゆる簡単ログインによって、通信が可能となる。
【0030】
さらに、上記簡単ログインを使用できる環境とするために、インターネット上の仮想住所(IPアドレス)をサーバーシステムに通知することによって実現できますが、さらに、現住所のGPS情報(1at、1ng)も、仮想住所に付加させることで、移動型電子機器を特定するための精度を向上することが可能となる。
【0031】
加えて、移動型電子機器から入力されたデータ情報に位置情報を付加し、管理機器からの離間距離、例えば、半径何メートル以内かを確認することによって、信頼できるデータか否かを判別することで、移動型電子機器の特定に関する信頼性を高めることが可能となる。
【0032】
また、GPSが搭載されていない移動型電子機器には、管理システムの管理者が管理機器と同じキーワードを移動型電子機器に登録することで、移動型管理機器となり、この移動型管理機器から送信されたデータは、信頼できるデータとすることが可能となる。
【0033】
さらに、上記移動型管理機器以外の移動型電子機器で、GPSが搭載されているにもかかわらず、何らかの原因で位置情報がとれない場合や誤動作で間違った位置情報であるが、信頼させたい場合は、簡単な認証処理(例えば4桁のパスコード入力やスマホの画面ロック解除のようなもの)を通過させることで信頼できるデータとすることが可能となる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、施設を利用する複数の利用者を補助する補助者は、利用者の体調管理データを、移動型電子機器の操作入力を行うことにしたので、手軽で効率的に補助業務を行うことが可能となり、また、出力部を通じて、所望の体調管理データを、各利用者、または複数の利用者で構成されるグループ毎に出力することが可能となり、業務処理をさらに効率化させることが可能となる。また、移動型電子機器は、サーバが通信許可したものに限られるので、個人情報が外部に漏れることを低減させることが可能となる。さらに、補助者が移動型電子機器を用いる管理システムであり、施設に、安価に導入させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施形態に係る管理システムにおいて、アカウント権限に関するアクセスコントロールを説明するための説明図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る管理システムを説明するための説明図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、簡単ログインの制御メニューを表示する処理フローを示す簡単なフロー図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、各アカウント権限者が、各条件下において管理システムにアクセスが可能であるかを説明するための表を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、移動型電子機器4を用いてアクセス承認を行う際のフローチャート図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、電子機器としてパソコン機を用いて、管理システムにアクセスしてログインする際のフローチャート図を示す。
【
図7】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、ログインを行う際の表示画面であり、簡単ログインを制限されている際の表示画面を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、パソコン機の表示画面における通常ログイン画面を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、パソコン機の表示画面における通常ログイン画面で、IP制限を示唆する表示画面を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、パソコン機の表示画面における通常ログイン画面で、勤務スタッフであるか否かの示唆画面を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、移動型電子機器4の表示部9における通常ログイン画面を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、移動型電子機器4の表示部9における簡単ログイン画面を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、移動型電子機器4の表示部9に表示される連絡ページを示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、移動型電子機器4の表示部9に表示される記録ページを示す図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、移動型電子機器4の表示部9に表示される日報ページを示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、システム管理者および運用管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、利用日欄を示す図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、システム管理者および運用管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、シフト欄を示す図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、システム管理者および運用管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、利用者マスタ欄を示す図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、システム管理者および運用管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、アカウント欄を示す図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、システム管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、設定欄を示す図である。
【
図21】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、システム管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、設定欄のシステムの動作設定を示す図である。
【
図22】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、システム管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、設定欄のシステムの動作設定を示す図である。
【
図23】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が移動型電子機器4の表示部9で入力した情報を表示するためのユーザページを示す図であり、連絡・申し送り欄の表示を示す図である。
【
図24】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の表示部9で入力した情報を表示するためのユーザページを示す図であり、日報欄の表示を示す図である。
【
図25】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の表示部9で入力した情報を表示するためのユーザページを示す図であり、利用記録欄の表示を示す図である。
【
図26】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の表示部9で入力した情報を表示するためのユーザページを示す図であり、個人記録欄の表示を示す図である。
【
図27】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の使用許可を設定するユーザページを示す図であり、スタッフリスト欄の表示を示す図である。
【
図28】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の表示部に表示内容を設定するためのユーザページを示す図であり、連絡ボード欄の表示を示す図である。
【
図29】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、システム管理者、運用管理者および補助者が、管理機器3の電子機器としてのパソコン機を用いて、ユーザページで簡単ログインの設定を行う際の表示部の表示画面を示す図であり、システム管理者が用いるパソコン機の表示部における管理者ページにおいて、簡単ログイン欄の表示を示す図である。
【
図30】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、
図29と同様にユーザページを示す図であって、簡単ログイン欄の表示を示す図である。
【
図31】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、
図29と同様に、ユーザページを示す図であって、簡単ログイン欄の表示を示す図である。
【
図32】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、
図29と同様に、ユーザページを示す図であって、簡単ログイン欄の表示を示す図である。
【
図33】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、デバイス個別登録処理のコマンド発行処理を示すフロー図である。
【
図34】本発明の一実施形態に係る管理システムにおいて、デバイス個別登録コマンドの受信側処理のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、本発明について、実施形態の一例を説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0037】
まず、本実施形態の管理システムの概要について、施設としてデイサービスを例にとり説明する。
この管理システムは、複数の利用者、例えば、複数のお年寄りや、けがや病気をした人たちが利用するデイサービス施設で用いられる。この施設では、一日のうち、それぞれ所望の時間のみ利用するために、自宅や宿泊可能な施設から集まった利用者を対象として、リハビリ運動メニューや、レクリエーションメニュー、あるいは食事などが提供される。
【0038】
そして、施設では、スタッフとしての複数人のヘルパーが、移動型電子機器として、例えば、自身の所有する、いわゆるスマートフォンなど携帯電話機を用いて、集まった利用者の体調管理データなどを日毎に取得している。
【0039】
体調管理データとしての項目は、後述するが、例えば、体温、血圧などの測定値を示す「バイタル」、薬の種類や投薬されたかを示す「服薬」、看護師が診た結果を示す「看護師」、入浴したか否かや、入浴時間を示す「入浴」、歯磨や入れ歯の掃除などの「口腔ケア」、便などに関する状況を示す「排泄」、リハビリ運動や認知機能を回復させる運動などの内容や時間などを示す「機能訓練」、施設内で飲食したことや、その内容などを示す食事、レクリエーションなどその他に実施した内容を示す「活動」、利用者や他の補助者に対して連絡する事項を示す「連絡事項」、利用者に対して、利用した月の利用状況や上記の項目をまとめたものを示す「月報」、補助者が他の補助者に「連絡事項」を伝える作業実行を示す「申し送り」などがある。これらは一例である。
【0040】
デイサービス施設において、お年寄りの人たちなど各利用者の上述した体調管理データは、サーバと、このサーバと通信が可能であるシステム管理者が所有するパソコンなどの管理機器および複数の携帯電話機などの移動型電子機器とを用いて通信することで、管理されている。
移動型電子機器は、施設における利用者を補助する介護ヘルパーなどの補助者が、体調管理データに関する操作入力および管理機器との通信許可を、サーバに要求するための所定の操作入力を行う操作ボタンなどの入力部を備える。操作入力部は、液晶などの表示画面をタッチすることで入力可能なタッチ操作手段を含む。
また、移動型電子機器は、サーバにデータを送信する送信部と、サーバからデータを受信する受信部とが備えられている。さらに、移動型電子機器は、受信部で受信したデータに応じて所定の内容を表示するための液晶表示画面などの表示部を備えている。
【0041】
サーバは、移動型電子機器からのデータを受信するサーバ受信部と、外部にデータを送信するサーバ送信部とを備えている。また、サーバは、移動型電子機器からパスワードなどの所定のデータを受信したことを条件として、通信許可する制御を行うCPUからなるサーバ制御部を備えている。この通信許可は、所定のデータを受信する条件以外に、管理機器を介することで、様々な条件を付加することが可能となっている。すなわち、管理機器は、IPアドレスと、キーワードなどの特定の情報とが定義付けられており、サーバは管理機器のIPアドレスおよびキーワードを確認することで、サーバとの通信を許可することが可能となっている。管理機器は、管理者が操作入力する管理操作入力部を備えており、この管理操作入力部を用いて、管理者が移動型電子機器のアクセス容認時間を設定することで、設定したアクセス容認時間外の移動型電子機器のアクセスを拒否することを可能とし、サーバとの通信を制限している。また、管理者は、管理操作入力部を用いて、施設に出勤する補助者のリスト(スタッフリスト)を予め設定しておき、アクセスする移動型電子機器が、設定した出勤する補助者のリスト(ログインリスト、すなわちスタッフリスト)の所有している移動型電子機器であるかを確認し、確認した結果として設定した移動型電子機器ではない場合に、サーバとの通信を制限することを可能としている。
【0042】
このように、補助者が所有する移動型電子機器は、サーバとのアクセスを制限されているが、例えば、サーバが設定したアクセス容認時間およびログインリストの範囲であれば、補助者は、移動型電子機器の操作入力部を用いて、数字4桁などの簡単なパスワード(簡単パスワード)を操作入力するのみで、サーバとのアクセスを可能とし得る。この簡単パスワードでのアクセスを許可するために、例えば、施設内に、サーバと通信可能なパソコンなどの電子機器を用いて操作入力することで設定することが可能となる。この施設内の電子機器は、管理者が所定の情報を操作入力することで、管理機器となり得る。
【0043】
サーバは、サーバ記憶部を備えており、このサーバ記憶部には、上述した管理機器のIPアドレスおよびキーワードなどの特定の情報、管理操作入力部から操作入力された移動型電子機器のアクセス容認時間およびログインリストが記憶されている。サーバ制御部は、先述したサーバ記憶部に記憶された管理機器のIPアドレスおよび特定の情報、移動型電子機器のアクセス時間およびログインリストの条件を満たした場合に、サーバと移動型電子機器との通信を許可する制御を行っており、通信許可した移動型電子機器からサーバ受信部を介して受信された体調管理データをサーバ記憶部に記憶する制御を行っている。
【0044】
管理機器は、サーバ記憶部に記憶した体調管理データのうち、所望の体調管理データを、各利用者、または複数の利用者で構成されるグループ毎に出力する出力部を備えている。このように、補助者から操作入力された体調管理データを、管理者が利用者に対して、個人的に、自身の体調管理情報を出力して提供することが可能となり、また、複数の利用者で構成されるグループ毎にそれぞれの利用者の体調管理情報を出力して、例えば、施設内における月報など月単位、週報など週単位、日報など日単位での情報をまとめる書類作成業務を効率化させることが可能となる。先述したように、この管理機器は、施設内に設置して、管理者が、所定の情報を操作入力することで管理機器として用いる以外に、管理者が所定の情報を操作入力しないで、補助者が操作入力することが可能な作業用パソコンとして用いることも可能であり、この場合は、補助者が、所望の利用者の体調管理データを出力部から出力して、利用者に対して提供することも可能となる。
【0045】
移動型電子機器は、操作入力部の操作に応じて、サーバ記憶部に記憶した利用者の体調管理データを表示部に表示する。これによって、補助者は、自身が操作入力した利用者の体調管理データを再確認できるほか、他の補助者が操作入力した体調管理データも確認することが可能であるので、操作入力の重複や、操作入力漏れなどに気付きやすく、業務の効率化が図れる。
【0046】
例えば、サーバ記憶部は、サーバ受信部において受信した移動型電子機器からの利用者の体調管理データを累積的に記憶するほか、施設における利用者の利用有無を示す利用データも累積的に記憶している。これによって、サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶された利用データから、当日利用有の利用者を特定する制御を行うことが可能となっている。サーバ制御部は、この特定された利用者の体調管理データについて、記憶部に記憶された過去の体調管理データと、当日の体調管理データとを比較する比較判定制御を行うことも可能となっている。そして、サーバ制御部は、この比較判定制御の結果が、所定の正常範囲外であると判定した場合に、異常であることを警告する警告データを、サーバ送信部を介して移動型電子機器に送信する制御を行うこと可能となっている。すなわち、利用者の体温が、いつもは36度前半だが、当日の体温が37度5分まで上昇している場合は、利用者の体調が悪いとして、異常であることを警告する警告データとして、移動型電子機器において、効果音や音声を再生するか、データの表示部分を点滅させたり、色を変えるなどのデータを、当該移動型電子機器へ送信することが可能となっている。これによって、補助者に対して、利用者の体調が悪いことを効率的に、迅速に知らせることが可能となり、適正な業務を効率的に行わせることが可能となる。
【0047】
サーバ記憶部は、移動型電子機器から送信された利用者の静止画像または動画像を記憶することが可能となっている。サーバ制御部は、このサーバ記憶部に記憶された利用者の静止画像または動画像の編集制御を行うことも可能である。例えば、管理機器である場合は管理者が、管理機器ではない施設内のパソコンなどの電子機器である場合は補助者が操作入力することで、静止画像または動画像の編集作業を行って、適宜、利用者に対して、例えば、施設内でのイベントなどの風景を画像を通して提供することが可能となり、補助者の業務の効率化に加えて良質なサービス提供を行うことが可能となる。
【0048】
ここで、管理者が使用する管理機器のための認証キーワードについて説明する。プロバイダが配賦するインターネットアドレス(以下、IPアドレス)は、固定IP契約ではない場合に、定期的、又は設置ルータの設定によりIPアドレス要求が行われ、プロバイダ側が決定した任意のIPアドレスに変更される場合がある。固定IPアドレスで契約している場合は、IPアドレスは変更されることは無い。契約のほとんどが固定IPではなく、動的IP契約となっている。
IPアドレスが変更になった場合、サーバに登録されている施設のIPアドレスと一致しないため、無線接続できず上記「簡単ログイン」を実行することができない。
IPアドレスが変更されるたびに、サーバに変更後のIPアドレスを通知せねばならないが、IPアドレス変更のタイミングが不定期なため、そのトリガーをユーザーページのメニューにある簡単ログインの制御スイッチをユーザーが操作することにより、サーバに通知している。自動的とすることは、プログラミングで可能であるが、トラブル時の設定リスクを考慮すると、自動的ではない方が好ましい。
運用的には、補助者などのスタッフが朝に出勤したときに、施設に設置しているパソコンで、自らがアカウントでログインし、簡単ログインのスイッチをオン作動操作する。すなわち、この操作を行ったときと場所が施設の登録エリアとなり、簡単ログインが使用できるエリアとなる。
しかしながら、悪意を持った補助者などのスタッフが自宅のパソコンでログインし、このスイッチのオン作動操作、あるいはオフ作動操作を行うことで、簡単ログインの停止、エリアの乗っ取りが発生する可能性がある。
これらを防ぐためには、パソコンを特定して、そのパソコンからの情報が正しいものであるか正しいものでないかを判断する必要がある。
【0049】
次に、アカウント権限に関するアクセスコントロールについて説明する。
図1は、本発明の管理システムにおける一実施形態の管理システムについて、各種類のアカウント権限者におけるログインの可否を説明するための説明図である。
アカウント権限は、補助者をはじめとするスタッフ、施設において管理システムを管理し運用する運用管理者、施設おいて管理システムの動作設定まで行うことが可能なシステム管理者、システム設計に関するすべての機能を管理し得る設計者、タブレットCTLといった複数の種別によって異なる。
また、インターネットに接続されるIPアドレスが予め登録されているか否かで制限をかけるIP制限機能の有無によっても、アカウント権限は異なる。
さらに、補助者が、予め当該日に勤務スタッフとしてエントリーされているか否かによって制限をかけるスタッフ登録機能の有無によっても、アカウント機能は異なる。
これら複数の種別に対する、IP制限機能、スタッフ登録機能の有無と、施設内にいるのか、施設外にいるのかとによって、通常ログイン、簡単ログインが可能であるか、様々な条件が設定されている。
【0050】
上記それぞれの条件について、順次説明する。補助者などであるスタッフについて、IP制限が有でスタッフ登録されている場合は、施設内において、通常ログインでのアクセスが可能であるが、施設外において、通常ログインでのアクセスは不可となっている一方、施設内において、簡単ログインでのアクセスが可能であるが、施設外において、簡単ログインが不可となっている。
また、スタッフについて、IP制限が有でスタッフ登録が無い場合は、施設内外において、通常ログイン、簡単ログインともに不可である。
さらに、スタッフについて、IP制限が無く、スタッフ登録が有りの場合は、施設内外において通常ログインが可能であり、施設内における簡単ログインが可能である一方、施設外における簡単ログインが不可となっている。
加えて、スタッフについて、IP制限が無く、スタッフ登録が無い場合は、施設内外において、通常ログインおよび簡単ログインともに不可となっている。なお、スタッフが可能な処理は、後述するユーザーページにおけるデータ入力のみ行うことが可能となっている。
【0051】
運用管理者について、IP制限が有でスタッフ登録も有の場合は、施設内において通常ログイン、簡単ログインが可能であるが、施設外において通常ログイン、簡単ログインが不可となっている。
また、運用管理者について、IP制限が有でスタッフ登録が無しの場合は、施設内において通常ログインが可能であるが、簡単ログインが不可であり、施設外においては、通常ログイン、簡単ログインともに不可となっている。
さらに、運用管理者について、IP制限が無しでスタッフ登録が有の場合は、施設内においては、通常ログイン、簡単ログインともに可能であり、施設外においては、通常ログインが可能であるが、簡単ログインが不可となっている。
加えて、運用管理者について、IP制限が無しでスタッフ登録が無しの場合は、施設内外において、通常ログインは可能であるが、施設内外において、簡単ログインは不可である。なお、運用管理者が可能な処理は、後述するユーザーページとデータ登録部に関する管理者ページで運用管理に関するものである。
【0052】
システム管理者、設計者、タブレットCTLについて、IP制限有の場合には、施設内において通常ログインが可能である一方、施設外において通常ログインが不可となっている。
また、システム管理者、設計者、タブレットCTLについて、IP制限無しの場合には、施設内外において通常ログインが可能となっている。なお、システム管理者が可能な処理は、運用管理者権限に加え、システムの動作設定に関するものであり、また、設計者が可能な処理は、運用管理者権限に加え、システム設計に関するすべての機能についてのものであり、さらに、タブレットCTLが可能な処理は、簡単ログインを制御する機能についてのみである。
【0053】
次に、管理システムのアクセス承認に関するフローについて説明する。
まず、サーバにアクセスしようとするスタッフの移動型電子機器や運用管理者のパソコンのIPアドレスを判定し、IPアドレスが該当するものである場合は、施設内であると判断し、簡単ログインが起動され、出勤者名を選択するとともに4桁数字などの簡単なパスワードの操作入力でアクセスが可能となる。
【0054】
IPアドレスが該当するものではない場合は、通常ログインが起動され、ユーザー名、パスワードの操作入力でアクセス可能となり、以降は接続判定処理が行われる。次に、IP制限の付与について判断する。IP制限機能とは、先述したように、サーバに接続されたパソコンのアドレスから接続を許可するか否かの機能であり、ユーザID(アカウント)毎に付与し、接続を許可するIPアドレスリストに自身のIPが定義付けられている。IP制限が無い場合は、権限レベルの種別が判断される。権限レベルとして、システム管理者権限、運用管理者権限、一般権限がある。一般権限の場合は、本日は勤務日として登録されているかが、スタッフリストから判断される。本日は勤務日として登録されていない場合はアクセスが拒否される。また、本日は勤務日として登録されている場合は、今の時間帯が出勤時間となっているかが判断され、出勤時間帯である場合はアクセスが許可され、出勤時間帯でない場合はアクセスが拒否される。また、権限レベルが管理者権限である場合は、アクセスが許可される。
【0055】
また、この発明では、例えば、以下のようなことが言える。すなわち、介護施設や病院などで行われている利用者さんの日々の健康状態や行動記録など様々な情報としての健康管理データを、補助者が携帯電話などの移動型電子機器、パソコンなどで簡単に入力できる管理システムであり、データベースシステムである。
多くのデイサービスでは、補助者であるスタッフが紙に手書きしたものをパソコンに入力操作するなどの作業を行う。この発明では、スタッフが移動型電子機器等で、利用者のそばを離れず、その場で情報入力できるので、記録台に戻る手間やパソコンにデータを入力操作する必要が無い。各利用者の大切な健康管理データは、常に移動型電子機器、パソコン、および管理機器としてのパソコンと通信可能なサーバのデータベースに保存されるので、例えば、月末時の書類作成を自動で行えるなど、大幅な業務改善が図れる。
さらに、本来、介護スタッフなどの補助者は、利用者へサービスを提供することが主業務であり、事務作業やパソコン入力操作作業は最小限にしなければならない。その業務効率を図り、補助者が利用者の為の時間を作ることは、その施設のサービスの向上に繋がり、補助者としてのスタッフの処遇改善にも貢献することが可能となる。
加えて、業務を効率化するASP(アプリケーションサービスプロバイダー)型ITツールであり、管理システムは、インターネットにあるので、施設に安価で導入することが可能であり、且つ、施設の運用に合わせてカスタマイズをすることも可能であることも特徴の一つである。
【0056】
この管理システムは、システム設計者が、この管理システムを導入する施設における管理機器と、インターネットを介した通信により、CMS(コンテンツマネージメントシステム)を用いて、様々な設定を行うことが可能となっており、非常に効率的である。
CMSとは、Webコンテンツを構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に保存・管理し、サイトを構築したり編集したりするソフトウェアのこと。広義には、(Webサイトに限らず)デジタルコンテンツの管理を行うシステムの総称である。Webサイトを構築するには、見出しや文章、画像などを作成するだけでなく、HTMLやCSSなどの言語でレイアウトや装飾を記述し、ページ間にリンクを設定するなどの作業も行う必要がある。これらの異なる種類の要素を分離してそれぞれデータベースやファイルに保存し、サイト構築をソフトウェアで自動的に行うようにしたものがCMSである。CMSを導入すれば、文章や画像を作成する人はHTMLなどを習得して記述する必要はなくなり、デザイナーやコーダーは文字や画像などの要素が更新されるたびにページを更新する必要はなくなる。また、サイト内のナビゲーション要素なども自動生成するため、ページが追加されるたびに関連するページにリンクを追加するといった作業からも解放される。CMSの中には、サイトのデザインをテンプレート(ひな型)としてあらかじめいくつか用意しているものもあり、これを使えば画像の作成やデザインなどを行うことなくサイトを構築することができる。CMSには、作成できるサイトの自由度の高い汎用的なソフトのほかに、ウィキ(Wiki)やブログ(Blog、ウェブログ)など、コンテンツの管理の仕方やサイトのコンセプトに特徴のあるソフトもある。また、それぞれについて、企業のサイト構築に利用するための商用ソフトウェアや、無償で公開されているソフトウェアがある。また、CMSとそれを運用するWebサーバをセットで公開し、サービスの形で提供している事業者もある。
【0057】
次に、本発明の管理システムにおける一実施形態について、図を用いて説明する。
図2は、本実施形態の管理システムを説明するための説明図である。
この管理システムは、複数のお年寄りなどの利用者が利用するデイサービス施設1などの施設において、各利用者の体調管理データを、サーバ2と、サーバ2と通信が可能な管理機器3としてのパソコン機および複数の移動型電子機器4としての携帯電話機を用いて通信することで、利用者を管理する管理システムである。
また、本実施形態では、デイサービス施設外である屋内5に、サーバ2に通信が可能な電子機器(パソコン機)6が設置されている。デイサービス施設1内およびデイサービス施設外である屋内5ともに、無線通信を可能とする通信アンテナ7が設置されている。
移動型電子機器4は、デイサービス施設1における利用者を補助する補助者としての介護ヘルパーが、体調管理データに関する操作入力および管理機器3との通信許可を、サーバ2に要求するための所定の情報を操作入力する操作入力部8と、サーバ2にデータを送信する送信部(図示せず)と、サーバ2からデータを受信する受信部(図示せず)と、受信部で受信したデータに応じて所定の内容を表示する表示部9とを備える。なお、本実施形態の移動型電子機器4は、表示部9に補助者がタッチすることで操作入力することが可能なタッチセンサが備えられており、表示部9に操作入力部8の機能を設けている。
また、サーバ2は、移動型電子機器4からのデータを受信するサーバ受信部(図示せず)と、外部にデータを送信するサーバ送信部(図示せず)と、移動型電子機器4から所定のデータを受信したことを条件として、通信許可する制御を行うCPUからなるサーバ制御部(図示せず)と、通信許可した移動型電子機器4からサーバ受信部を介して受信された体調管理データを記憶するRAMなどからなるサーバ記憶部(図示せず)とを備える。なお、サーバは、サーバ受信部およびサーバ送信部のデータ送受信を制御する通信CPUなどの通信制御部(図示せず)を備えている。
管理機器3は、サーバ記憶部に記憶した体調管理データのうち、所望の体調管理データを、各利用者、または複数の利用者で構成されるグループ毎に出力する出力部10としてのプリンターを備える。この出力部10を通じて、各利用者、または複数の利用者で構成されるグループに対して、必要な体調管理データを紙などに印字するなどの出力を行い、利用者に、適宜、お渡しすることが可能となり、補助者が、その都度、体調管理データを取りまとめる業務の効率を良好なものとし得る。
また、移動型電子機器4は、操作入力部8の操作に応じて、サーバ記憶部に記憶した利用者の体調管理データを表示部9に表示する。補助者は、移動型電子機器4の表示部9を通じ、操作入力部8を用いて操作入力した利用者の体調管理データを確認することができる。これにより、例えば、利用者の介護を行いながら、その場を離れることなく、手元にある移動型電子機器4によって体調管理データを操作入力する、あるいは操作入力した体調管理データを確認することで、まだ、行っていない体調管理データの種類を把握することができるので、業務の効率が非常によくなりやすい。
【0058】
管理機器3は、管理者が操作入力する管理操作入力部11を備えており、管理者が管理操作入力部11を適宜に操作入力することで、先述した出力部10から所望のデータを出力する、あるいは後述する様々な設定を行うことが可能となっている。
また、サーバ記憶部には、管理機器3の固有のIPアドレスおよび特定の情報としての認証キーワード、管理操作入力部11から操作入力された移動型電子機器4のアクセス容認時間およびログインリストが記憶されている。ここで、管理機器3のIPアドレスおよび認証キーワードがサーバ記憶部に記憶されていることで、特定の管理機器3のみが、本実施形態の管理システムにおいて管理を行う権限を持つ機器として認識されることになり、別の管理機器から、なりすましで管理システムに通信する可能性を低減させている。
【0059】
また、アクセス容認時間およびログインリストは、デイサービス施設1において、その日に出勤する補助者のリスト(ログインリスト)、補助者が出勤する時間帯(アクセス容認時間)を示しており、管理者が管理操作入力部11を用いた操作入力によって、予めサーバ記憶部に記憶させておくものである。補助者は、デイサービス施設1に出勤すると、移動型電子機器4を用いて、操作入力部8を用いた操作入力で、この管理システムに通信可能となるように、ログインを行う。このログインは、ユーザID番号とパスワードを操作入力して送信することにより行われる。詳細については後述する。
本実施形態のサーバ2におけるサーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶された管理機器3のIPアドレスおよび特定の情報、移動型電子機器4のアクセス時間およびログインリストの条件を満たしている、管理機器3および移動型電子機器4を対象として、通信を可能とする通信可能制御を行う。すなわち、サーバ制御部は、補助者が移動型電子機器4を用いてログインを行った際に、その日のログインリストに記憶されている移動型電子機器4かどうかを判定するとともに、予め、記憶されたアクセス容認時間にアクセスしたか否かを判定する制御を行い、ログインリストに記憶されており、且つアクセス容認時間にアクセスされたと判定した場合に条件を満たしたとして、その移動型電子機器4と管理機器3との通信を可能とする制御を行う。これによって、なりすましで、アクセス権限を持っていない移動型電子機器4が、管理システムと通信可能状態とすることを、ログインリストおよびアクセス容認時間の2つで更に制限している。
【0060】
図2に示すように、サーバ2では、初期設定の段階で、サーバ記憶部に、デイサービス施設1における管理機器3の施設登録IPアドレスとして、60.127.138.116を記憶し、また、管理機器の3の認証キーワードabcdeを記憶する。また、上述したように、サーバ記憶部には、補助者がログインする移動型電子機器4のリスト、および出勤時間に対応するアクセス容認時間が記憶されている。ここでは、ログイン動作時間として、8:00から17:00、ログインリストとして、補助者の山下薫、織田敏子、山田伸一が、サーバ記憶部に記憶されている。簡単ログインについて、詳細は後述するが、ログインリストにあって、アクセス容認時間内にログインする移動型電子機器4を対象として、通常は補助者が、操作入力部8を用いて、ユーザIDおよびパスワードを操作入力することでログインするところ、それらの操作入力よりも簡単に、例えば、数字4桁を入力するのみでログインを可能とするものである。
【0061】
また、本実施形態では、サーバ2は、管理機器3、移動型電子機器4以外に、別の電子機器6と通信可能となっている。ここで、別の電子機器6は、デイサービス施設外としているが、デイサービス施設内にあってもよい。但し、
図2に示すように、サーバ2は、サーバ記憶部に、接続可能IPアドレスとして、100.127.138.55を記憶しており、この接続可能IPアドレスが登録設定された電子機器を経由することで、管理システムと通信が可能となっている。また、サーバ2におけるサーバ記憶部には、ログインリストのそれぞれに、IP制限の有無が記憶されている。ここでは、山下薫および織田敏子がIP制限有であり、山田伸一がIP制限無となっている。
【0062】
このような通信環境において、デイサービス施設1内では、各補助者は、通常ログインおよび簡単ログインが可能となっているが、電子機器6のエリアからのアクセスの場合は、IP制限のない山田伸一の接続は可能であり、IPアドレスが許可された電子機器7を経由するIP制限有の山下薫および織田敏子も接続可能となるが、通常ログイン時での接続となり、簡単ログインは不可となっている。
【0063】
すなわち、簡単ログインは、アクセス容認時間である8:00から17:00まで、施設登録IPアドレス60.127.138.116で、山下薫、織田敏子、山田伸一の3アカウントのみを許可し、また、簡単ログインの動作制御は、認証キーワードabcdeを持つパソコン機、すなわち、管理機器3からのみ設定可能となる。
【0064】
図3は、簡単ログインの制御メニューを表示する処理フローを示す簡単なフロー図である。まず、信頼パソコン、すなわち、管理機器3のための認証キーワードについて、説明する。プロバイダが配賦するIPアドレス(インターネットアドレス)は、固定IP契約ではない場合、定期的、又は通信アンテナとしての設置ルータの設定によりIPアドレスの要求が行われ、プロバイダ側が決定した任意のIPアドレスに変更される場合がある。固定IPアドレスで契約している場合は、IPアドレスは変更されることはなく、契約のほとんどが固定IPではない動的IP契約である。IPアドレスが変更になった場合、サーバに登録されているデイサービス施設のIPアドレスと一致しないため、WIFI接続できずに、簡単ログインを実行することができない。このように、IPアドレスが変更されるたびに、サーバに変更後のIPアドレスを通知しなければならないが、IPアドレス変更のタイミングが不定期なため、そのトリガーを後述するユーザページのメニュー画面にある簡単ログインの制御スイッチをユーザが操作することにより、サーバに通知している。
実際のフローとしては、補助者が、デイサービス施設に出勤すると、デイサービス内に設置されている電子機器で自らのアカウントでログインを行い、表示画面に表示される簡単ログインのSWをONにする。すなわち、この簡単ログインのSWをONにする時と場所が、デイサービス施設の登録エリアとなり、簡単ログインを使用することが可能となる。しかしながら、悪意を持った補助者を含むデイサービスのスタッフが、例えば、自宅のパソコン機でログインを行いこの簡単ログインのSWをON/OFFすることで、簡単ログインの停止や、エリアの乗っ取りが発生する可能性がある。これらを防ぐために、通信しているパソコンなどの電子機器を特定し、当該電子機器からの情報が正しいものか、正しくないものかを判断する必要がある。このような背景の中、
図3に示される処理フローが行われるのである。
【0065】
まず、パソコンなどの電子機器を用いて、補助者は、サーバ2と通信可能とするログインの操作を行い(ステップS1)、サーバ2は、このログイン操作された電子機器の認証キーワードが、予めサーバ記憶部に記憶されたものか否かを判断する(ステップS2)。次に、ステップS2で認証キーワードが予め記憶されたものであると判断した場合は、この電子機器は、信頼パソコン機、すなわち管理機器3と判断して、管理機器3の表示画面に簡単ログインを表示する制御を行う(ステップS3)。そして、この表示画面に表示された簡単ログインにおけるSW12をONとする操作が行われることで、管理機器3は、IPアドレスを、サーバに通知する制御が行われるのである。管理機器の表示画面においては、例えば、SW12がON状態のときに、緑色となるように表示して、簡単ログインの使用が可能な状態であることを示す。また、ステップS2において、サーバ2が、電子機器から送信される認証キーワードが、サーバ記憶部に記憶されたものではないと判断した場合は、この電子機器は信頼できないものであるとして、管理機器3ではないと判断し、表示画面に制御不可であるという表示を行い、例えば、このパソコン機は、デイサービス内での使用登録がされていないため、簡単ログインができないこと、簡単ログインの操作を行うようにするには、システム管理者の権限を有するアカウントでログインすることなどを表示させる制御を行う(ステップS4)。
【0066】
次に、各アカウント権限者に対して、IP制限の有無、出勤の有無に応じた移動型電子機器4、および管理機器を含む電子機器が、時間内および時間外のアクセスが可能であるかについて説明する。
図4は、各アカウント権限者が、各条件下において管理システムにアクセスが可能であるかを説明するための表を示す図である。なお、
図4において、tabletとPC(パソコン)とにおいて、login(ログイン)が可能であるが、PCは、所定の条件を満たした場合に管理機器3となり、所定の条件を満たさない場合に移動型電子機器と同様の電子機器として用いることも可能となる。
【0067】
まず、システム管理者は、この管理システムを提供する側の者であるため、IP制限の有無、出勤の有無に関係なく、すべてにおいて、アクセスが可能な状態となっている。運用管理者は、デイサービス施設1において、管理機器3を用いて管理システムを運用していく者である。運用管理者は、IP制限が無い場合、デイサービス施設1の出勤の有無に関係なく、すべてにおいて、アクセスが可能な状態となっている。さらに、運用管理者は、IP制限があり、端末のIPがNGである場合は、デイサービス施設1に勤務している日か、勤務せずに休日であるかによって異なり、勤務している日は、すべてにおいて、アクセスが可能な状態となっている。一方、勤務せずに休日であるときは、移動型電子機器4からのログインができず、PCからのログインは条件によってログインできるか否かが異なり、運用管理者が勤務している日は、すべてにおいて、アクセスが可能な状態となっているが、勤務せずに休日であるときは、PCを管理機器3としてログインした際にはログインが可能であり、管理機器3としてではなく、移動型電子機器4と同様の電子機器としてログインをした際にはログインができない。スタッフリスト、すなわち、ログインリストの登録漏れがあった場合は、ログインできない場合があるため、その電子機器を認証させるために、各管理者が登録する認証キーワードが必要となる。
【0068】
補助者、すなわち、スタッフは、IP制限が無い場合、勤務している日は、アクセス容認時間、すなわち、時間内アクセスであるときはログインが可能な状態である一方、時間外アクセスであるときはログインが不可な状態である。また、スタッフは、IP制限が無い場合、休日では移動型電子機器4でのアクセスによるログインが不可な状態である一方、電子機器が管理機器3としたときの時間内アクセスに限ってログインが可能な状態であるが、時間外アクセスはログインが不可な状態である。
さらに、スタッフは、IP制限があり、端末のIPが使用可能な場合、勤務している日は、移動型電子機器4での時間内アクセスによるログインが可能な状態である一方、時間外アクセスによるログインが不可な状態であり、電子機器が管理機器3としたときの時間内アクセスによるログインが可能な状態である一方、時間外アクセスによるログインが不可な状態である。
休日では時間内アクセスおよび時間外アクセスによるログインが不可な状態である一方、電子機器での時間内アクセスは、電子機器が管理機器3としたときはログインが可能な状態であるが、単に電子機器のときはログインが不可な状態であり、時間外アクセスによるログインも不可な状態である。また、スタッフは、IP制限があり、端末のIPが使用可能な場合、勤務している日は、移動電子機器4での時間内アクセスによるログインが可能な状態である。これは、スタッフが、勤務中に外出先で移動型電子機器4を用いて操作入力することを想定しており、例えば、通信アンテナなどの移動体通信によって利用者の自宅において操作入力する場合や、移動体通信で補助者を含む担当者会議を行う場合などが想定される。スタッフは、IP制限があり、端末のIPが使用不可なとき、勤務している日は、移動型電子機器4での時間外アクセスによるログインが不可な状態であり、電子機器での時間内アクセスによるログインが可能な状態であり、時間外アクセスによるログインが不可な状態となっている。
また、スタッフは、IP制限があり、端末のIPが使用不可なとき、休日は、移動型電子機器4での時間内アクセス、時間外アクセスともにログインが不可な状態である一方、電子機器での時間内アクセスは、電子機器が管理機器3としたときはログインが可能な状態であるが、単に電子機器のときはログインが不可な状態であり、時間外アクセスもログインが不可な状態であり、電子機器での時間外アクセスは、ログインできない状態となっている。なお、本実施形態の管理システムにおいては、基本的に、システム管理者権限では、IP制限を無効としている。
【0069】
次に、本実施形態のアクセス承認に関するロジックフローについて説明する。
図5は、本実施形態の管理システムにおいて、移動型電子機器4を用いてアクセス承認を行う際のフローチャート図である。なお、このロジックフローは、
図4に示す表に基づき展開する。ここで、移動型電子機器4は、所定の条件を満たすと、管理機器3としての機能を有することになる。
まず、操作者が移動型電子機器4の操作入力部8による操作入力で、この管理システムにアクセスすると、サーバ2におけるサーバ制御部は、このIPアドレスが登録エリア、すなわち、デイサービス施設1内にあるか否かを判断し(ステップS11)、デイサービス施設1内にあると判断すると、上述した簡単ログインを起動し、操作者に対して、出勤者の名前を選択させ、簡単な4桁の数字でのパスワードの操作入力を要求し、これらが所定条件を満たしていると、管理システムにログインさせる制御を行う一方(ステップS12)、ステップS11において、IPアドレスが登録エリアにはないと判断すると、上述した通常ログインを起動し、ユーザ名、パスワード入力を要求して、接続判定処理の制御を行う(ステップS13)。
【0070】
通常ログインが起動すると、次に、サーバ制御部は、IP制限が付与されているアカウントであるか否かを判断し、アカウントにIP制限がチェックされているかを確認する(ステップS14)。先述したが、IP制限機能とは、サーバ2に接続されたパソコンのアドレスから接続を許可するか否かの機能であり、ユーザID(アカウント)毎に付与し、接続を許可するIPアドレスのリストに自身のIPアドレスが、サーバ記憶部に登録記憶されているかで、可否が決定する。
【0071】
そして、ステップS14において、サーバ制御部が、IP制限が無いと判断した場合に、アカウントの権限レベルの種別を判断する(ステップS15)。アカウント権限には、先述したように、システム管理者権限、運用管理者権限、一般権限があり、それぞれのアカウント毎に設定されている。
【0072】
ステップS15において、サーバ制御部は、権限レベルが一般権限であると判断した場合は、ログインしたアカウントが、本日の勤務日として登録されているか否かを、サーバ記憶部に記憶されているスタッフリスト、すなわち、ログインリストから判定する(ステップS16)。そして、ステップS16において、サーバ制御部が、本日は勤務日として登録していないと判定したときには、この電子機器からのアクセスを拒否するように制御する一方、本日は勤務日として登録されていると判定したときには、ログインした時間である今は営業時間帯であるかを判断し(ステップS17)。ステップS17において、今は営業時間帯ではないと判断したときはこの電子機器からのアクセスを拒否するように制御する一方、今は営業時間帯ではあると判断したときは、この電子機器からのアクセスを許可する。なお、ステップS15において、サーバ制御部は、権限レベルが管理者権限であると判断した場合は、この電子機器からのアクセスを許可する。
【0073】
ステップS14において、サーバ制御部が、アクセスした電子機器はIP制限が付与されており、IP制限ありと判断した場合、ステップS16と同様に、ログインしたアカウントが、本日の勤務日として登録されているか否かを、サーバ記憶部に記憶されているスタッフリスト、すなわち、ログインリストから判定する(ステップS18)。そして、サーバ制御部は、本日は勤務日として登録されていないと判断したときは、ステップS15と同様に、ログインしたアカウントの権限レベルの種別を、サーバ記憶部に記憶された内容から判断し(ステップS19)、このアカウントが一般権限であると判断した場合は、この電子機器からのアクセスを拒否する制御を行い、このアカウントが管理者権限であると判断した場合は、この電子機器のIPアドレスは接続許可IPアドレスとしてサーバ記憶部における接続許可IPアドレス登録テーブルに登録として記憶されているか否かを判定する(ステップS20)。
【0074】
このステップS20において、サーバ制御部が、接続許可されているIPアドレスとして、接続許可IPアドレス登録テーブルに登録として記憶されていないと判定した場合は接続NGとして、この電子機器からのアクセスを拒否する制御を行う一方、接続許可されているIPアドレスとして、接続許可IPアドレス登録テーブルに登録として記憶されていると判定した場合は接続OKとして、この電子機器からのアクセスを許可する制御を行う。
【0075】
ステップS18に戻り、サーバ制御部は、本日は勤務日として登録されていると判断したときは、ログインしたアカウントの権限レベルの種別を、サーバ記憶部に記憶された内容から判断し(ステップS21)、このアカウントが一般権限であると判断した場合は、サーバ制御部が、ログインした時間である今は営業時間帯であり、簡単ログインの動作時間帯で設定し登録記憶された時間帯であるかを判断し(ステップS22)、今は営業時間帯ではないと判断したときはこの電子機器からのアクセスを拒否するように制御する一方、今は営業時間帯ではあると判断したときは、この電子機器からのアクセスを許可する。なお、ステップS21において、サーバ制御部がアカウント権限が管理者権限であると判断したときには、この電子機器からのアクセスを許可する制御を行う。
【0076】
なお、
図5を用いたフローの説明では、アクセスする電子機器として移動型電子機器4を用いた場合を想定したものであり、
図4におけるスマホ通常ログインのフローとなる。
【0077】
図6は、電子機器としてパソコン機を用いて、管理システムにアクセスしてログインする際のフローチャート図を示す。なお、パソコン機は、所定の条件を満たすと管理機器3となり、所定の条件を満たさないと一般の電子機器としてのパソコン機となる。まず、サーバ制御部は、ログインを行ったパソコン機が、本日、最初のログインであるか否かを判断し(ステップS41)、本日、最初のログインであると判断した場合は、そのパソコン機が固定IPを有するか、動的IPを有するかを判断し(ステップS42)、動的IPを有すると判断した場合は、簡単ログインSWを初期化させる制御を行う(ステップS43)。
【0078】
次に、サーバ制御部は、ログインされたパソコン機から送信されたユーザ名、パスワードが正しいか否かを判断する制御を行い(ステップS44)、これらユーザ名、パスワードが正しくないと判断した場合はログインによるアクセスを拒否する制御行う一方、これらユーザ名、パスワードが正しいと判断した場合は、このパソコン機は、管理機器としての信頼PCであるか否かを判断する制御を行い(ステップS45)、信頼PCであると判断した場合、サーバ記憶部に一時的に記憶された信頼PCのキーワードデータを更新する(ステップS46)。このキーワードデータは、セキュリティの関係上、例えば、有効期限を1か月程度とする。
【0079】
次に、サーバ制御部は、ログインしたパソコン機がIP制限付与のアカウントを有するか否かを判断する制御を行い(ステップS47)、IP制限が付与されていないアカウントであると判断した場合は、先述したアカウントの権限レベルの種別を判断する制御を行い(ステップS48)、アカウントの権限レベルが管理者権限である場合はログインによるアクセスを許可する一方、アカウントの権限レベルが一般権限である場合は、本日は勤務日であるか否かを判断する制御を行う(ステップS49)。
次に、サーバ制御部は、ステップS49において、本日は勤務日ではないと判断したときには、ログインしたパソコン機が、管理機器3としての機能を有する信頼PCであるか否かを判断し(ステップS50)、信頼PCではないと判断した場合は、このパソコン機からのアクセスを拒否する制御を行う。
サーバ制御部は、ステップS49において、本日は勤務日であると判断したとき、および、ステップS50において、パソコン機が信頼PCであると判断したときは、デイサービス施設が今は営業時間であるか否かを判断する制御を行い、今は営業時間であると判断した場合はパソコン機のアクセスを許可する制御を行う一方、今は営業時間ではないと判断した場合は、このパソコン機からのアクセスを拒否する制御を行う(ステップS51)。
【0080】
サーバ制御部は、ステップS47において、ログインしたパソコン機がIP制限付与のアカウントであると判断する制御を行った場合には、本日は勤務日であるか否かを判断する制御を行い(ステップS52)、本日は勤務日であると判断した場合は、先述したアカウントの権限レベルの種別を判断する制御を行い(ステップS53)、アカウントの権限レベルが管理者権限である場合はログインによるアクセスを許可する一方、アカウントの権限レベルが一般権限である場合は、デイサービス施設が今は営業時間内であるか否かを判断する制御を行い(ステップS54)、今は営業時間内であると判断した場合はログインによるアクセスを許可する一方、今は営業時間外であると判断した場合はログインによるアクセスを拒否する制御を行う。
【0081】
サーバ制御部は、ステップS52において、パソコン機でログインしたユーザ名(ユーザID)が本日に出勤する日の対象ではないと判断した場合、ログインしたパソコン機のIPアドレスが、サーバ記憶部に記憶されたIPアドレスであるかを判定する制御を行い(ステップS55)、サーバ記憶部に記憶されたIPアドレスであると判定した場合は接続OKとしてログインによるアクセスを許可する制御を行う一方、サーバ記憶部に記憶されたIPアドレスではないと判定した場合は接続NGとし、次に、ログインしたパソコン機が、管理機器3としての機能を有する信頼PCであるか否かを判断し(ステップS56)、信頼PCではないと判断した場合は、このパソコン機からのアクセスを拒否する制御を行う一方、信頼PCであると判断した場合は、アカウントの権限レベルの種別を判断する制御を行い(ステップS57)、アカウントの権限レベルが管理者権限である場合はログインによるアクセスを許可する一方、アカウントの権限レベルが一般権限である場合は、デイサービス施設が今は営業時間内であるか否かを判断する制御を行い(ステップS58)、今は営業時間内であると判断した場合はログインによるアクセスを許可する一方、今は営業時間外であると判断した場合はログインによるアクセスを拒否する制御を行う。
【0082】
サーバ制御部は、ステップS45において、ユーザ名、パスワードが正しいと判断したパソコン機は、管理機器としての信頼PCではないと判断した場合は、パソコン機でログインしたアカウント権限が、システム管理者を対象としているかを判断する制御を行い(ステップS59)、システム管理者ではないと判断した場合はステップS47へと進み、システム管理者であると判断した場合は、このパソコン機を信頼PCとして登録するか否かを判断する制御を行う(ステップS60)。サーバ記憶部に、信頼PCとしてのキーワードが登録記憶されていない場合は、デイサービス施設に設置されたパソコン機としてのキーワードが設定されていないので、このパソコン機をデイサービス施設に設置するパソコン機として登録するために、サーバ制御部は、キーワードを設定し、パソコン機の表示画面に、例えば、「このパソコン機を登録するために、ボタンを押して下さい」などの登録要請のメッセージを表示する制御を行い、パソコン機の操作者が、この表示に応じて、登録するか否かの判断を操作入力してサーバへ送信し、サーバ制御部は登録するか否かの判断をする制御を行うことになる。
ステップS60において、このパソコン機を信頼PCとして登録すると判断する制御を行った場合、
サーバ制御部は、このパソコン機のキーワードが、管理機器3としてのキーワードがサーバ記憶部に記憶されているかを判断し(ステップS61)、管理機器3としてのキーワードがサーバ記憶部に記憶されていると判断した場合は、このパソコン機を信頼PCとして、サーバ記憶部に一時的に記憶する(ステップS62)一方、管理機器3としてのキーワードとしてサーバ記憶部に記憶されていないと判断した場合は、すでに信頼PCで管理機器としてのキーワードがサーバ記憶部に記憶されているので、ログインによるアクセスを許可する制御を行う。また、サーバ制御部は、ステップS60において、このパソコン機を信頼PCとして登録しないと判断した場合は、そのまま、ログインによるアクセスを許可する制御を行う。
【0083】
次に、ログインを行う際のパソコン機の表示画面の例を説明する。
図7はログインを行う際の表示画面であり、簡単ログインを制限されている際の表示画面を示す図である。
図7に示すように、簡単ログインを制限されている場合は、サーバ制御部は、「「簡単ログイン」を制限しています。管理者にお問い合わせください」というメッセージ表示21の制御を行い、操作者に対して、通常ログイン操作を行うのか、リトライ操作を行うのかを選択させる選択表示の制御を行う。なお、操作者には、スタッフや運用管理者、システム管理者など、様々である。
【0084】
図8は、パソコン機の表示画面における通常ログイン画面を示す図である。
図8の選択表示において、操作者が通常ログインの操作入力を行った場合に、サーバ制御部は、通常ログイン画面を表示する制御を行い、通常ログイン画面では、ユーザID、パスワードが表示され、操作者にログイン操作か、戻る操作のいずれかを選択させる選択表示の制御を行う。
【0085】
図9は、パソコン機の表示画面における通常ログイン画面で、IP制限を示唆する表示画面を示す図である。サーバ制御部は、パソコン機の表示画面において、通常ログイン画面で、操作者に対して、IP制限が行われている場合に、「IP制限により接続が拒否されました。」といった示唆表示22を、ユーザID、パスワードの入力画面において表示する制御を行う。これにより、操作者は、このパソコン機はIP制限がかかっていることを確認し得る。
【0086】
図10は、パソコン機の表示画面における通常ログイン画面で、勤務スタッフであるか否かの示唆画面を示す図である。サーバ制御部は、通常ログイン画面において、操作者が操作入力したユーザID、パスワードに対して、ログインリスト、すなわち、スタッフリストにない場合、「本日の勤務スタッフとしてエントリーされていないため接続が拒否されました。」というメッセージ表示23の制御を行う。このメッセージ表示によって、操作者は、勤務スタッフではなく拒否されたことを認識し得る。
【0087】
図11は、移動型電子機器4の表示部9における通常ログイン画面を示す図である。サーバ制御部は、補助者などのスタッフを含む操作者に対して、移動型電子機器4の表示部9に通常ログイン画面を表示する制御を行い、この通常ログイン画面では、操作者に対してユーザIDおよびパスワードの操作入力を要求する表示とともに、ログイン操作か戻る操作のいずれかを選択する選択表示の制御を行う。
【0088】
図12は、移動型電子機器4の表示部9における簡単ログイン画面を示す図である。サーバ制御部は、補助者などのスタッフを含む操作者に対して、移動型電子機器4の表示部9に簡単ログイン画面を表示する制御を行い、この簡単ログイン画面では、ユーザIDの操作入力を要求することなく、今日、出勤するスタッフリストの一覧表示の制御を行い、操作者に自身の名前を選択させるとともに、4桁の数字からなる簡単なパスワードの操作入力を促すスタッフモードでのログイン画面を表示する制御を行う。
【0089】
サーバ制御部は、ログインした移動型電子機器4の表示部9に、体調管理データを操作入力させるための連絡ページ、記録ページ、日報ページを表示する制御を行う。
図13は、移動型電子機器4の表示部9に表示される連絡ページを示す図である。サーバ制御部は、この連絡ページにおいて、日付、連絡する相手、連絡事項と勤務スタッフ名と本日の利用者数とからなる連絡ボード欄、および特定のスタッフへ連絡しておく申し送り欄には申し送り宛て先と種別と内容などを表示する制御を行う。
【0090】
図14は、移動型電子機器4の表示部9に表示される記録ページを示す図である。サーバ制御部は、移動型電子機器4の表示部9に、体調管理データを入力させるための複数の項目を一覧表示する制御を行い、体温などバイタル1、血圧などのバイタル2、デイサービス施設1への利用者の送迎、服薬、看護師、入浴、口腔ケア、排泄、機能訓練、食事、活動、連絡事項、月報、申し送りといった項目を表示する制御を行う。この記録ページには、ログアウトの操作入力を指示する表示も行われる。
【0091】
図15は、移動型電子機器4の表示部9に表示される日報ページを示す図である。サーバ制御部は、移動型電子機器4の表示部9に、日報ページとして、日付、コメントの操作入力が可能な業務内容欄、始業時間および就業時間の操作入力が可能な就業時間欄、スタッフ数および利用者数の操作入力が可能な勤務者数欄、スタッフリスト名を操作入力するスタッフリスト欄を表示する制御を行う。この日報ページでは、操作者にログアウト指示を操作入力させるログアウト表示も行われている。
【0092】
次に、本実施形態の管理システムにおいて、
図4に示すアカウント権限において、システム管理者および運用管理者が電子機器としてのパソコン機を用いて、管理表示部における表示画面の説明を行う。
図16は、システム管理者および運用管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、利用日欄を示す図である。サーバ制御部は、管理者ページとして、利用日欄、シフト欄、利用者マスタ欄、アカウント欄および設定欄を表示画面に表示する制御を行うが、運用管理者には設定欄はなく設定することはできない。利用日欄においては、デイサービス利用者の利用日設定として、日付、利用者リストを男性、女性に分けて、アイウエオ順に表示し、各利用者のお名前、年齢、要支援度や要介護度を示す適用、利用日を操作入力し得る一覧を表示する制御を行い、これらの一覧について、システム管理者および運用管理者は、パソコン機の操作入力部を用いた操作入力や、表示内容の確認を行うことが可能となっている。
【0093】
図17は、システム管理者および運用管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、シフト欄を示す図である。サーバ制御部は、シフト欄において、勤務シフトの管理表として、各スタッフの名前、勤務曜日、勤務日数と、各スタッフが勤務する日付を、横方向に示されたカレンダーにチェックするとともに、各日付の利用者数、勤務者数を一覧にまとめて表示する制御を行い、これらの一覧について、システム管理者は、管理操作入力部を用いた操作入力や、管理機器3の表示内容の確認を行うことが可能となっている。
【0094】
図18は、システム管理者および運用管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、利用者マスタ欄を示す図である。制御部は、各利用者を男性、女性に分けて、縦方向に並べ、各利用者の年齢、利用日、補助度合いのレベル、補助者の担当者名、入所日及び退所日、地図の有無、写真データの登録および回転・削除などの編集、フェースシートとして顔写真の最新PDF、その編集などの一覧表示の制御を行い、これらの一覧について、システム管理者は、管理操作入力部を用いた操作入力や、表示内容の確認を行うことが可能となっている。
【0095】
図19は、システム管理者および運用管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、アカウント欄を示す図である。サーバ制御部は、各ユーザ者名、例えば、システム管理者名、運用管理者名を縦方向に並べ、各ユーザのID、アカウント権限、基本出勤日、電話番号、IP制限の有無、データの更新日時などの一覧表示の制御を行い、これらの一覧について、システム管理者は、パソコン機の操作入力部を用いた操作入力や、表示内容の確認を行うことが可能となっているが、運用管理者は表示内容の確認のみで操作入力はできない。
【0096】
図20は、システム管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、設定欄を示す図であるが、運用管理者は表示および操作はできない。
サーバ制御部は、グループメニュー設定、IPアドレス制限、セレクターの設定、システムの動作設定を表示する制御を行い、グループメニュー設定として、利用者グループの追加やメンバーグループの設定を行うことをメッセージ表示する制御を行い、IPアドレス制限では、システムを操作できるユーザをIPアドレスによって制限し、接続を許可するIPアドレスの設定し、ユーザアカウントのIP制限設定が、その条件であることをメッセージ表示する制御を行い、セレクターの設定として、システムで使用する種別項目や定型文等の選択データの設定についてメッセージ表示する制御を行い、システムの動作設定として、システムの動作に関連する基本設定を行い、企業名入力、マップ用緯度経度情報、簡単ログインの稼働時間の設定を行うことのメッセージ表示を制御する。システム管理者は、管理操作入力部を用いた操作入力によって、上述した各設定を、管理機器3の管理表示部における表示内容を、自身が用いているパソコン機の表示画面を通して確認しながら設定することが可能となっている。この設定可能については、利用日欄、シフト欄、利用者マスタ欄、アカウント欄も同様であり、これらの設定は、CMSを用いることで実行可能となっている。
【0097】
図21は、システム管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、設定欄のシステムの動作設定を示す図であるが、運用管理者は表示および操作はできない。システムの動作設定を行う場合に、デイサービス施設内の設定でパソコン機を登録設定する表示画面を示す図である。サーバ制御部は、システムの動作設定を行う担当者名を設定表示し、システムの動作設定する内容として、サイト名称、西暦/和暦表示、PDFの許可、データの一括編集、このパソコン機をデイサービス施設の設置マシンとして登録、簡単ログインの自動制御、スタッフモード、簡単ログイン時の利用者顔写真登録、簡単ログインの動作時間帯、簡単ログインの自動ログアウト時間、申し送り情報数、申し送り表示モード、非グループのデフォルト表示設定、利用者マスタのメモなどを、縦方向に表示する制御を行い、上述した各設定を、管理機器3の管理表示部における表示内容を、自身が用いているパソコン機の表示画面を通して確認しながら設定することが可能となっている。
【0098】
図22は、システム管理者がパソコン機を用いて、管理ページを示す図であり、設定欄のシステムの動作設定を示す図であるが、運用管理者は表示および操作はできない。
システムの動作設定を行う場合に、デイサービス施設内の設定でパソコン機を登録解除する表示画面を示す図である。サーバ制御部は、
図22において示し、先述したシステムの動作設定と同様の内容を設定することが可能となっている。
【0099】
図23は、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が移動型電子機器4の表示部9で入力した情報を表示するためのユーザページを示す図であり、連絡・申し送り欄の表示を示す図である。
このユーザページでは、連絡・申し送り欄、日報欄、利用記録欄、個人記録欄、スタッフリスト欄、連絡ボード欄、簡単ログイン欄を設けて、それぞれの欄に応じた内容を表示する制御を行う。サーバ制御部は、ユーザページにおける連絡・申し送り欄において、日付、連絡事項および勤務スタッフからなる連絡ボード、申し送りの対象となる利用者の体調管理データの表示制御を行い、それぞれの項目について、操作入力部8からの操作入力に応じて、体調管理データをサーバ記憶部に記憶させる制御を行う。なお、このユーザページで操作入力された内容が、例えば、
図14に示す移動型電子機器4の表示部9における連絡欄の表示内容と対応する。
【0100】
図24は、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の表示部9で入力した情報を表示するためのユーザページを示す図であり、日報欄の表示を示す図である。
このユーザページでは、日付、利用者数および利用者の氏名からなる利用者情報、補助者であるスタッフ数およびスタッフメンバーからなるスタッフ情報、業務内容、就業時間、勤務者数、スタッフリストなどを表示する制御を行い、それぞれの項目について、操作入力部8からの操作入力に応じて、体調管理データをサーバ記憶部に記憶させる制御を行う。なお、この表示内容は、
図16に示す移動型電子機器4の表示部9における表示内容と対応する。
【0101】
図25は、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の表示部9で入力した情報を表示するためのユーザページを示す図であり、利用記録欄の表示を示す図である。
このユーザページでは、日付、各利用者の体調管理データ、すなわち、バイタル1として、ここでは体温、血圧値、脈拍数、デイサービス施設1への来所および帰宅を示す送迎、服薬、看護師の診察内容、入浴の有無、口腔ケアの有無、排泄の状況、不自由になった身体を回復させるための機能訓練のチェック、食事量などの食事、次回のデイサービス施設の利用予定日を表示する制御を行い、それぞれの項目について、操作入力部8からの操作入力に応じて、体調管理データをサーバ記憶部に記憶させる制御を行う。
【0102】
図26は、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の表示部9で入力した情報を表示するためのユーザページを示す図であり、個人記録欄の表示を示す図である。
このユーザページでは、利用者個人単位の記録として、日付、各利用者のお名前、FS(フェースシート)、入退日、記憶されたデータ数などの表示の制御を行い、図示はしないが、利用者個人単位で、体調管理データを表示したり、出力部10から、利用者個人単位での体調管理データを出力する制御を行う。
【0103】
図27は、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の使用許可を設定するユーザページを示す図であり、スタッフリスト欄の表示を示す図である。
このユーザページでは、スタッフリスト欄の詳細として、日付をカレンダーで示すとともに、それぞれの日付に対応するスタッフリストのユーザID、氏名、登録の解除設定を表示する制御を行う。
【0104】
図28は、運用管理者および補助者が管理機器3を用いて、運用管理者および補助者が用いる移動型電子機器4の表示部に表示内容を設定するためのユーザページを示す図であり、連絡ボード欄の表示を示す図である。
このユーザページでは、連絡ボード欄の詳細として、日付をカレンダーで示すとともに、日付に応じた連絡事項を表示する制御を行う。この連絡ボードは、
図14の移動型電子機器4の表示部9の連絡ボードに対応しており、サーバ制御部は、この管理ページにおける連絡ボードで操作入力された内容を、サーバ記憶部に記憶する制御を行うことで、
図14に示す移動型電子機器4の表示部9の表示内容に反映される制御を行う。移動型電子機器4の操作入力部8により操作入力された連絡ボードの内容は、管理機器3の管理表示部に反映されることはいうまでもない。
【0105】
図29乃至
図32は、システム管理者、運用管理者および補助者が、管理機器3の電子機器としてのパソコン機を用いて、ユーザページで簡単ログインの設定を行う際の表示部の表示画面を示す図である。
図29は、システム管理者が用いるパソコン機の表示部における管理者ページにおいて、簡単ログイン欄の表示を示す図である。
サーバ制御部は、このユーザページでは、簡単ログイン欄の詳細として、移動型電子機器4での簡単なログインができるように設定するための表示制御を行い、パソコン機における操作入力部の操作入力に応じて、簡単ログイン作動がON状態となっていることの示唆表示を制御し、示唆表示として、円形状のボタン表示31を行い、簡単ログイン作動がON状態であることを緑色で表示する制御を行うとともに、「現在、このWiFIエリアから「簡単ログイン」が使用できます」といったメッセージ表示と、接続IPアドレスと、簡単ログインの有効時間帯を表示する制御を行い、これによって、簡単ログインの作動がON状態であること、その設定内容を容易に確認できるとともに、容易に設定操作させることが可能となる。なお、この
図29では、デイサービス施設1内での簡単ログインの設定についての表示を示している。
【0106】
図30は、
図29と同様にユーザページを示す図であって、簡単ログイン欄の表示を示す図であり、簡単ログイン作動がON状態であることを緑色でボタン表示31する制御を行うとともに、「このWiFIエリアからの「簡単ログイン」は許可されていません」といったメッセージ表示と、、接続IPアドレスと、簡単ログインの有効時間帯を表示する制御を行い、これによって、簡単ログインの作動が条件付きでON状態であることを容易に確認させることを可能としている。これは、簡単ログインの作動がON状態であるが、例えば、デイサービス施設1外において移動型電子機器4からの簡単ログインは不可であることを示している。
【0107】
図31は、
図29と同様に、ユーザページを示す図であって、簡単ログイン欄の表示を示す図であり、簡単ログイン作動がOFF状態であることを赤色でボタン表示す31する制御を行い、これによって、簡単ログインの作動が不可状態であることを容易に確認させることを可能としている。
【0108】
図32は、
図29と同様に、ユーザページを示す図であって、簡単ログイン欄の表示を示す図である。サーバ制御部は、サーバ記憶部に登録記憶されていない電子機器としてのパソコン機からのアクセスに対して、簡単ログインは行うことができないというメッセージ表示24の制御を行い、「このPCは施設内での使用登録がされていないため「簡単ログイン」の制御操作をすることができません。操作を必要とする場合は、システム管理者権限を有するアカウントでログインしてください。」をメッセージ表示する制御を行い、これにより、簡単ログインの設定を行うためには、システム管理者としてのアカウント権限を有していないと不可であることを確認させることを可能としている。
【0109】
本実施形態の管理システムでは、上述したように、サーバ制御部は、サーバ記憶部に、サーバ受信部において受信した移動型電子機器からの利用者の体調管理データを累積的に記憶する制御を行い、また、デイサービス施設1における利用者の利用有無を示す利用データも累積的に記憶する制御を行うとともに、サーバ記憶部に記憶された利用者の利用データから、当日利用有の利用者を特定する制御を行っている。このように、デイサービス施設1に、当日、利用有とされた利用者のうち、特定された利用者に着目し、サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶された、この特定された利用者の体調管理データについて、過去の体調管理データと、当日の体調管理データとを比較する比較判定制御を行う。サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶された過去の体調管理データについて、例えば、血圧値を例にとると、最高血圧値の平均値と、最低血圧値の平均値を通常の血圧値として算出し、当日の血圧値における最高血圧値および最低血圧値とを比較する制御を行う。例えば、利用者が、デイサービス施設1を1年間150回利用しており、補助者によって操作入力された体調管理データとしての血圧値が、各利用される毎に、サーバ記憶部に記憶されており、当日に、補助者が計測した特定の利用者の血圧値が、最高血圧値160mmHg、最低血圧値125mmHgであり、補助者はこれを移動型電子機器4の操作入力部8で操作入力すると、サーバ制御部は、サーバ記憶部に当日の血圧値として記憶するとともに、サーバ記憶部にこれまで累積的に記憶され、算出制御によって算出される、特定の利用者における血圧値の平均値である最高血圧値125mmHg、最低血圧値85mmHgと、当日の血圧値とを比較制御する。
そして、サーバ制御部は、この比較制御の結果として、例えば、最高血圧値の平均値と当日の測定した最高血圧値との差異、または最低血圧値の平均値と当日の測定した最低血圧値との差異が、30mmHg以上である場合など、所定の正常範囲外(所定の正常範囲を30mmHg以内としている)であると判定した場合に、補助者の操作入力する移動型電子機器4に、血圧値が異常であることを警告する警告データを送信する制御を行う。移動型電子機器4では、サーバ2から送信された警告データを受信すると、例えば、移動型電子機器4において、この移動型電子機器4が備える図示しないスピーカでアラームなどの効果音による音表示を行ったり、表示部9に血圧値が異常であることを示唆するために、体調管理データを操作入力するための記録ページにおける血圧値の数字の色を、通常の黒色から赤色に変化させたり、血圧値の数字を点滅させたり、異常である旨のメッセージ表示を行う。
これら警告データに対する示唆表示は、サーバ制御部の制御によって行わせることも可能であり、また、移動型電子機器4の制御部によって制御することも可能である。
【0110】
このように、サーバ制御部は、過去の体調管理データと、当日の体調管理データとを比較する比較判定した結果が、所定の正常範囲外であると判定した場合に、異常であることを警告する警告データを、移動型電子機器4へ送信し、これに応じて、移動型電子機器4において示唆表示を行うので、当日の体調が、過去の体調と比較して、例えば好ましくないことを、移動型電子機器の警告データを通じて、補助者に知らせることが可能となり、効率的に且つ的確に、利用者の介護補助業務を行うことが可能となる。例えば、通常の血圧値が低い利用者の場合、少し血圧値が高めでも、利用者の普段の血圧値を知らない補助者が、当日の血圧値を測定しても、異常に気付きにくいところ、補助者に的確に異常を知らせることが可能となり、質の高い業務を提供することが可能となる。なお、上述した場合には、補助者は移動型電子機器4を用いているが、これに限定されるものでなく、例えば、デイサービス施設1内に設置されているパソコン機を用いた場合でも適用可能である。
【0111】
また、本実施形態では、補助者が、移動型電子機器4を用いて、例えば、デイサービス施設1内において、カラオケやゲームを行っている利用者を、静止画像または動画像として撮影し、この移動型電子機器4が、サーバ2に送信することで、サーバ制御部は、移動型電子機器4から送信された利用者の静止画像または動画像をサーバ記憶部に記憶する。これらの画像は、日付などと対応付けてサーバ記憶部に記憶されており、サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶された利用者の静止画像または動画像の編集制御を行うことが可能となっている。例えば、補助者などサービス施設1のスタッフが、この管理システムに所定のアクセス許可を得た電子機器としてのパソコン機を用いて、過去3年間のイベント等の際の利用者の活動状況をまとめるといった編集のための操作入力を行い、サーバ制御部は、この編集のための操作入力を受けて編集制御を行い、例えば、出力部10によって、編集制御した画像をプリントアウトするなどして利用者や利用者の家族に提供することも可能である。なお、編集制御の対象は、利用者のみならず、複数の利用者から構成される1つのグループとすることも可能である。
このように、補助者が移動型電子機器4を用いて撮影した利用者の静止画像または動画像をサーバに送信することで、サーバ制御部は、サーバ記憶部にこれら画像を記憶させておき、サーバ記憶部に記憶された利用者の静止画像または動画像を編集制御し、例えば、出力部で編集制御された画像を出力することで、デイサービス施設1での利用者の状況を利用者または利用者の家族、親戚などに提供することが可能となり、補助者の業務に関する効率化に加えて付加価値の高いサービスを提供することが可能となる。
【0112】
本実施形態の管理システムにおいて、サーバ制御部は、サーバ受信部において受信した移動型電子機器4からの利用者の体調管理データをサーバ記憶部に累積的に記憶する制御を行うほか、デイサービス施設1における利用者の利用有無を示す利用データをサーバ記憶部に累積的に記憶する制御を行う。そして、サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶された利用データから、当日利用有の利用者を特定する制御を行い、この特定された利用者の体調管理データについて、サーバ記憶部に、当日の体調管理データの記憶に不足があることを判断する制御を行い、この不足していると判断した場合には、これを報知する報知データを、サーバ送信部を介して移動型電子機器に送信する制御を行う。
移動型電子機器4では、サーバ2から送信された不足報知データを受信すると、例えば、移動型電子機器4において、この移動型電子機器4が備える図示しないスピーカでアラームなどの効果音による音表示を行ったり、表示部9における不足していることを示唆するメッセージ表示を行う。これら報知データに対する示唆表示は、サーバ制御部の制御によって行わせることも可能であり、また、移動型電子機器4の制御部によって制御することも可能である。
デイサービス施設1においては、多くの利用者が利用しており、それに対する補助者の比率は少なく、補助者は、他の利用者の状況によって、補助していた利用者の補助を途中で一時的に止めてしまう場合も多く、体調管理データの操作入力や測定自体も部分的に忘れてしまうこともある。このような状況下では、補助者に対して、サーバから移動型電子機器に、不足報知データが送信されることで、移動型電子機器において、示唆表示が行われ、例えば、補助者が、利用者の体調管理データの一部を操作入力し忘れたことを知らせることが可能となり、補助者は、利用者の補助業務を効率的且つより的確にすることが可能となる。
【0113】
本実施形態の管理システムにおいて、サーバ制御部は、デイサービス施設1の利用者または利用者の代理人が所有する外部電子機器、例えば、移動型電子機器やパソコン機などとの通信を可能とする制御を行い、サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶された該当する利用者の体調管理データを、サーバ送信部を介して、この外部電子機器に送信する制御を行うことが可能となっている。この外部電子機器の送信タイミングは、運用管理者が適宜の手動タイミングであってもよく、また、1か月毎の定期的なタイミングで自動的に行うものでもよく、さらに、外部電子機器からの送信要求に応じて、自動的に送信するものでもよい。
これによって、利用者や利用者の代理人としての家族などが所有する外部電子機器に対して、利用者の体調管理データを送信するというサービスを提供することが可能となり、例えば、家族が遠方に住んでいる場合でも、利用者の体調管理状況を適宜に把握させることが可能となり、利用者の代理人も含めた補助業務をより効率的に行うことが可能となる。
なお、外部電子機器の送信先情報については、予め、サーバ記憶部に記憶しておき、記憶された送信先情報に基づき、体調管理データを送信することにより、個人情報が他に漏れないようにする。仮に、外部電子機器の送信先情報に変更がある場合は、変更された外部電子機器の送信先に、これまでサーバ記憶部に記憶された体調管理データのうち、特記事項情報を送信することが可能である。この特記事項情報は、補助者が操作入力する体調管理データの一つとして記憶されたものであってもよく、また、サーバ記憶部に記憶された体調管理データから導かれるデータ、例えば、日毎の平均体温や平均血圧、通常の食欲などの情報データであってもよい。すなわち、サーバ制御部は、外部電子機器の送信先情報に変更があったことを判断して、特記事項情報を、変更した外部電子機器に送信するように制御することが可能となる。これによって、外部電子機器の送信先である利用者の家族など保護者は、これまでの利用者の状況を把握することで、以後の体調管理データの見方、注意の仕方を知ることが可能となる。これによって、利用者側へ質の良いサービスを提供することが可能となる。
【0114】
サーバは、デイサービス施設1の利用者または利用者の代理人が所有する外部電子機器との通信を可能とし、サーバ制御部は、編集制御されたデータを、サーバ送信部を介して、外部電子機器に送信する制御を行うことも可能となっている。この送信タイミングについても、デイサービス施設1の運用管理者などが、適宜の手動のタイミングとしたり、1か月毎の定期的なタイミングとすることが可能である。また、外部電子機器からのアクセスを契機として、編集制御されたデータを送信するようにしてもよい。
これによって、デイサービス施設1での利用者の状況を利用者または利用者の家族、親戚などに、外部電子機器を通じて提供することが可能となり、例えば、遠方にいる利用者の家族、親戚などにも、その状況を静止画像や動画像などで、リアルに知らせることが可能となり、補助に関する業務効率に加えて付加価値の高いサービスを提供することが可能となる。
【0115】
先述したように、サーバ記憶部は、サーバ受信部において受信した移動型電子機器からの利用者の体調管理データを累積的に記憶するほか、施設における利用者の利用有無を示す利用データも累積的に記憶し、サーバ制御部は、サーバ記憶部に記憶された利用データから、当日利用有の利用者を特定する制御を行い、特定された利用者の体調管理データについて、サーバ記憶部に記憶された過去の体調管理データと、当日の体調管理データとを比較する比較判定制御を行うが、例えば、当該比較判定制御の結果が、所定の正常範囲外であると判定した場合に、異常であることを警告する警告データを、サーバ送信部を介して、デイサービス施設1の利用者または利用者の代理人が所有する外部電子機器への送信する制御を行うことも可能である。
これによって、デイサービス施設1での利用者の状況を利用者または利用者の家族、親戚などに、外部電子機器を通じて、利用者の体調が思わしくないことを自動的に知らせることが可能となる。利用者は、お年寄りが多く、体調に変化が出やすく、体調が悪くなる度に、利用者の家族、親戚などに連絡することは業務効率が悪いが、上記構成によれば、体調の変化に応じて所定の正常範囲外である場合に、利用者または利用者の代理人などが所有する外部電子機器へ警告データを送信することで、利用者側に適宜、効率的に体調の変化を知らせることが可能となり、デイサービス施設の業務効率を向上させるとともに、優良なサービスを提供することが可能となる。例えば、サーバ制御部は、所定の正常範囲外を複数の段階に分けて、体調管理データを、サーバ記憶部に記憶する制御を行い、正常の範囲外の複数の段階に基づく異常の度合いによって、警告データの種類を変えて、外部電子機器へ送信することも可能である。これによって、利用者側へ、利用者の体調の変化について、より詳細に分かりやすく情報を提供することが可能となる。
【0116】
さらに、サーバ制御部は、通信許可する制御を行った移動型電子機器の特定情報データをサーバ記憶部に記憶する制御を行い、サーバは、所定の表示内容を表示するサーバ表示部と、管理者がサーバ操作入力部で所定の操作入力を行うことで、利用者の体調管理データと、移動型電子機器の特定情報データとの関係を、サーバ表示部に表示する制御を行うサーバ表示制御部とを有するという構成とすることが可能である。移動型電子機器の特定情報とは、移動型電子機器と移動型電子機器を用いる補助者との関係を特定する情報であり、サーバは、移動型電子機器から、補助者を特定することも可能である。
このように構成することにより、サーバの管理者は、サーバ表示部に表示されている、利用者の体調管理データと、移動型電子機器の特定情報データとの関係を見ることで、例えば、利用者の各体調管理データが、いずれの移動型電子機器で入力されたか、例えば、移動型電子機器と補助者との関係を別途特定する関係情報まで入力しておけば、いずれの補助者が操作入力したかを確認することが可能となるので、入力ミスなどに対して的確に対応することを可能としやすくなる。
補助者は、管理システムにログインする際に、ユーザIDおよびパスワードを操作入力する必要があり、サーバ制御部は、この操作入力の内容によって、どの補助者からの操作入力かを認識することが可能であるが、デイサービス施設1においては、個人情報の漏洩が問題となるので、デイサービス施設1が許可する移動型電子機器のみを用いることが想定される。このため、サーバ制御部が、ログインする移動型電子機器の特定情報を認識することが非常に重要となる。移動型電子機器を用いて、ユーザIDおよびパスワードでログインすることと、移動型電子機器の特定情報とによって、なりすましでログインすることで個人情報が漏洩することをより低減させることが可能となる。
【0117】
以上のように説明した管理システムについては、CMSを用いて、各デイサービス施設に設定導入することが可能である。これを可能とするために、例えば、運用管理を行う運用管理機器を用いて、管理機器における設定編集を行う設定編集制御システムを用いる。この設定編集制御システムは、管理機器には、管理操作入力に応じた表示を行う管理表示部を備え、運用管理機器は、運用管理者が操作入力を行う運用管理操作入力部と、当該運用管理操作入力部の操作入力に応じた表示を行う運用管理表示部と、管理機器にデータを送信する運用管理送信部と、CMSにより管理表示部における表示態様の設定編集を制御する運用管理制御部と、を備える。
このように構成することにより、管理システムの運用管理者が、運用管理機器を用いて、CMSによって管理機器の管理表示部における表示態様の設定編集を行うことが可能となり、管理システムのシステム管理者が遠方にいても、例えば、電話などで連絡を取り合いながら、運用管理表示部および管理表示部を通じて、設定編集作業を行うことが可能であり、迅速に効率的に編集作業を行うことが可能となるのである。
【0118】
ここで、上記本実施形態におけるデバイス個別登録処理のコマンド発行処理について説明する。
図33は、デバイス個別登録処理のコマンド発行処理を示すフロー図である。この図において、アカウント権限者の一つであるシステム管理者は、登録したいデバイスコマンドを発行する。そのコマンドの有効時間は、例えば、コマンド発行後10分間で、その間に登録対象となるデバイスでログインしなければならない。ログイン後、個別の認証用の共通キーワードが、サーバ側と端末側に記憶される。
まず、それぞれのデバイスに応じたコマンドを発行する。デバイスとしては、いわゆる信頼PC、信頼スマホ、すなわち信頼移動型電子機器、個人の移動型電子機器などのユーザデバイスがあり、デバイスが信頼PCの場合は、信頼PC用登録要求コマンドを発行する(ステップS101)。また、デバイスが信頼スマホの場合は、信頼スマホ用登録要求コマンドを発行する(ステップS102)。さらに、デバイスが個人持ちのスマホなどのユーザデバイスの場合は、ユーザデバイス用登録要求コマンドを発行する(ステップS103)。サーバ制御部は、各コマンドを発行した後、10分が経過したか否かを判断する制御を行う(ステップS104)。そして、ステップS104では、サーバ制御部が10分を経過していないと判断している間は、適宜時間単位で繰り返しこの処理が行われ、10分が経過したと判断した場合は、タイムアウトとしてコマンド無効処理の制御を行う(ステップS105)。
【0119】
図34は、デバイスの個別登録コマンドの受信側処理のフローを示す図である。この図では、デバイスを用いて、この管理システムに設定登録させることを目的としており、デバイスとしては、先述したように、デイサービス施設内のパソコン機や、スマホなどの移動型電子機器などが考えられる。まず、デバイスを用いた操作入力によってログイン処理が行われ、サーバ制御部は、このログイン処理したデバイスの固有データを受信して、この固有データが認証し得るものか否かを判断する、いわゆるログイン認証処理を行う(ステップS111)。
【0120】
ステップS111において、サーバ制御部は、固有データが認証し得るものではない場合は、繰り返しこの認証処理の制御を行い、固有データが認証し得るものであると判断した場合は、このデバイスが信頼PC(パソコン機)、もしくは信頼スマホ(移動型電子機器)として既に認証済みとして、サーバ記憶部に記憶されているか否かを判断する処理制御を行う(ステップS112)。このステップS112において、サーバ制御部が、このデバイスが信頼PC、もしくは信頼スマホとして、サーバ記憶部に記憶していると判断する制御を行った場合、上述した共通のキーワードを変更する制御を行うとともに、変更するキーワードの記憶期限を延長する制御を行う。このように、キーワードはセキュリティの関係上、サーバ制御部は、設定された有効期限、例えば、1か月を過ぎると、共通キーワードを変更する制御を行うが、ログインしたデバイスに対する共通キーワードは、ログインをしたときから再度、有効期限を設定する制御を行うようにしており、cookie更新、すなわち、サーバ記憶部にその都度、共通キーワードを更新して記憶する制御を行う(ステップS113)。このとき、デバイス側における記憶部においても更新記憶する制御が行われる。このステップS113の制御が行われた後は、通常処理が行われる。
【0121】
ステップS112において、サーバ制御部が、本デバイスが信頼PC、もしくは信頼スマホとして認証済みではないと判断する制御を行った場合、次に、このデバイスに対応するアカウント権限者はシステム管理者であるか否かを判断する制御を行い(ステップS114)、システム管理者であると判断した場合は、
図33で説明したように、信頼PC用、もしくは信頼スマホ用の登録要求コマンドがサーバ側で受信されているかを判断する制御を行い(ステップS115)、上記登録要求コマンドが受信されていないと判断する場合は通常処理を行い、上記登録要求コマンドが受信されていると判断する場合は、信頼PC用、もしくは信頼スマホ用のデバイスであるとして、cookie更新、すなわち、サーバ記憶部に、このデバイスを信頼PC用、もしくは信頼スマホであるとして記憶する制御を行い(ステップS116)、通常処理を行う。
【0122】
ステップS114において、このデバイスに対応するアカウント権限者は、システム管理者ではなく、一般、運用管理者権限を有していると判断した場合、サーバ制御部は、このデバイスは、ユーザデバイス用、例えば、補助者の使用する移動型電子機器用として、サーバ記憶部に認証済みであるか否かを判断する制御を行い(ステップS117)、このステップS117において、このデバイスは、ユーザデバイス用として認証済みではないと判断した場合は、次に、ユーザデバイス用の登録要求コマンドがサーバ側に受信されているのか否かを判断する制御を行う(ステップS118)。そして、このステップS118において、サーバ制御部は、このユーザデバイス用の登録要求コマンドがサーバ側に受信されていると判断した場合は、ユーザデバイスとして、サーバ記憶に記憶して登録する制御を行い(ステップS119)、このユーザデバイス用の登録要求コマンドがサーバ側に受信されていないと判断した場合は、アクセスを拒否する制御を行ってステップS111に戻り、ログイン認証処理に戻り、デバイスに対してログインを促す制御を行う。また、ステップS117において、このデバイスは、ユーザデバイス用として認証済みであると判断した場合は、このデバイスがユーザデバイス用であるとして、ステップS113と同様に、共通キーワードを変更するとともに、記憶の期限延長
をサーバ記憶部に記憶される(ステップS120)。
【0123】
上記説明した実施形態は、一例にすぎず、本発明の管理システムは、広く他の実施形態にも適用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 デイサービス施設
2 サーバ
3 管理機器
4 移動型電子機器
5 デイサービス施設外
6 電子機器
7 通信アンテナ
8 操作入力部
9 表示部
10 出力部
11 管理操作入力部
21 メッセージ表示
22 メッセージ表示
23 メッセージ表示
31 ボタン表示