IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カプコンの特許一覧

<>
  • 特開-システムおよびプログラム 図1
  • 特開-システムおよびプログラム 図2
  • 特開-システムおよびプログラム 図3
  • 特開-システムおよびプログラム 図4
  • 特開-システムおよびプログラム 図5
  • 特開-システムおよびプログラム 図6
  • 特開-システムおよびプログラム 図7
  • 特開-システムおよびプログラム 図8
  • 特開-システムおよびプログラム 図9
  • 特開-システムおよびプログラム 図10
  • 特開-システムおよびプログラム 図11
  • 特開-システムおよびプログラム 図12
  • 特開-システムおよびプログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181498
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/216 20140101AFI20231214BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20231214BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20231214BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20231214BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20231214BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/65
A63F13/69
A63F13/79 510
A63F13/795
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188536
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2021056720の分割
【原出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(57)【要約】
【課題】ユーザに対して新たな刺激を与えることが可能なシステムおよびプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によれば、システムが提供される。このシステムは、取得ステップおよび関連付けステップを実行可能に構成される。取得ステップでは、複数のユーザからそれぞれ移動情報を取得する。移動情報は、ユーザの、現実世界における目的地または移動経路を含む情報である。関連付ステップでは、移動情報に基づいて、所定の条件を満たすユーザを特定グループに関連付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
取得ステップおよび関連付けステップを実行可能に構成され、
前記取得ステップでは、複数のユーザからそれぞれ移動情報を取得し、
前記移動情報は、ユーザの、現実世界における目的地または移動経路を含む情報であり、
前記関連付ステップでは、前記移動情報に基づいて、所定の条件を満たすユーザを特定グループに関連付ける、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用者の移動中の位置情報に基づいた遊戯の安全性を向上することができるゲームシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2021-29545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
技術の進歩により、ゲームで提供することができる体験は多岐にわたる。
【0005】
本開示では上記事情を鑑み、ユーザに対して新たな刺激を与えることが可能なシステムおよびプログラムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、システムが提供される。このシステムは、取得ステップおよび関連付けステップを実行可能に構成される。取得ステップでは、複数のユーザからそれぞれ移動情報を取得する。移動情報は、ユーザの、現実世界における目的地または移動経路を含む情報である。関連付ステップでは、移動情報に基づいて、所定の条件を満たすユーザを特定グループに関連付ける。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態における情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態における制御部23の機能構成を示すブロック図である。
図3】第1グループと第2グループを説明するための概念図である。
図4】ゲーム内におけるイベントと、パラメータの一例を表す模式図である。
図5】情報処理システム1により実行される処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図6】移動情報の一例を示す図である。
図7】第1グループ内におけるコミュニケーションの一例を示す図である。
図8】第2グループ内においてゲームを実行する様子を示す図である。
図9】第3グループ内においてゲームを実行する様子を示す図である。
図10】第1グループ~第3グループの関係を表すベン図である。
図11】第1グループ~第3グループの他の関係を表すベン図である。
図12】第1グループ~第3グループの他の関係を表すベン図である。
図13】同じ車両に搭乗する第2ユーザを第2グループに関連付ける様子を表す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
[実施形態]
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のユーザ端末3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ユーザ端末3においてゲームが実行される。
【0013】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ユーザ端末3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。つまり、本実施形態におけるユーザは、ゲームをプレイするユーザである。
【0014】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるユーザ端末3を用いて実行される。
【0015】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のユーザ端末3を含む。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ユーザ端末3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のユーザ端末3それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0016】
ユーザ端末3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ユーザ端末3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ユーザ端末3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ユーザ端末3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0017】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とユーザ端末3との相互通信が可能となる。ログイン後、ユーザ端末3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0018】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0019】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0020】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ユーザ端末3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをユーザ端末3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0021】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0022】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0023】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0024】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばユーザ端末3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0025】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのユーザ端末3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0026】
<ユーザ端末3>
ユーザ端末3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ユーザ端末3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0027】
通信部31は、ユーザ端末3と、情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ユーザ端末3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ユーザ端末3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0028】
また、ユーザ端末3は、通信部31を介して、位置情報および移動情報に含まれる経路情報を取得可能に構成される。そして、公共交通機関の利用に用いる各種アプリケーションを利用して決済を実行する場合には、決済日時、決済場所、決済金額などを他の情報処理装置との間で送受信可能に構成される。
【0029】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるユーザ端末3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ユーザ端末3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0030】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるユーザ端末3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるユーザ端末3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0031】
特に、制御部33は、自装置であるユーザ端末3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるユーザ端末3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0032】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ユーザ端末3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0033】
2.2 機能構成
次に、情報処理装置2の制御部23の各機能構成について説明する。ここで、本実施形態に係るシステムは、情報処理システム1により実現され、特に制御部23により実現される。
【0034】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2のうち、制御部23の機能構成を示すブロック図である。制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、取得部231、関連付部232、ゲーム制御部233、進行制御部234および付与部235として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0035】
取得部231は、取得ステップを実行可能に構成される。取得部231は、取得ステップにおいて、複数のユーザからそれぞれ移動情報を取得する。移動情報は、ユーザの、現実世界における目的地または移動経路を含む情報である。
【0036】
ここで、現実世界における目的地は、ユーザ端末3により実行される地図アプリケーションやMaaS(Mobility as a Service:モビリティ・アズ・ア・サービス/マース)に利用されるアプリケーションなどに入力される目的地であり、現在地または任意の出発地とともに、ユーザが入力デバイス4cを操作して入力する。例えば、大阪で暮らしているユーザが東京に向かうときには、出発地が大阪となり、目的地が東京となる。ここで、現在地、出発地、目的地の粒度は任意であり、住所、地名、区画、駅、建物名、緯度および経度などにより指定することができる。
【0037】
また、移動経路は、現実世界における出発地から目的地までの移動経路である。ユーザが自動車などの車両で移動する場合には、移動経路は、道路名および交差点名などにより表現される。例えば、大阪駅から東京駅まで自動車で移動する場合には、移動経路は、「大阪駅>・・・>阪神高速11号池田線/ルート11に入る>左側2車線を使用して梅田ランプ東(交差点)で左折する(11-03/梅田の表示)>・・・>阪神高速11号池田線/ルート11に入る>・・・>首都高速3号渋谷線/ルート3を進む>・・・>東京駅」などと表現される。また、大阪駅から東京駅まで電車で移動する場合には、移動経路は、「大阪駅>東海道・山陽本線 各停 高槻行>新大阪駅>東海道・山陽新幹線 のぞみ22号 のぞみ東京行>品川駅>上野東京ライン 普通 小金井行>東京駅」などと表現される。
【0038】
関連付部232は、関連付けステップを実行可能に構成される。関連付部232は、関連付けステップにおいて、移動情報に基づいて、所定の条件を満たすユーザを特定グループに関連付ける。本実施形態では、関連付けステップにおいて、同一のゲームをプレイするユーザを特定グループに関連付ける。本実施形態では、関連付部232は、第1関連処理、第2関連処理および第3関連処理を実行する。所定の条件および第1関連処理~第3関連処理の詳細は後述する。
【0039】
ゲーム制御部233は、ゲーム制御ステップを実行可能に構成される。ゲーム制御部233は、ゲーム制御ステップにおいて、ゲーム内における所定のイベントを実行する。ここで、イベントの種別は任意であり、特定のクエスト、特定のバトル、ガチャの実行などもイベントに含まれる。また、本実施形態では、ゲーム制御部233は、ゲーム制御処理を実行可能に構成される。所定のイベントは、図4を用いて後述する。
【0040】
進行制御部234は、進行制御ステップを実行可能に構成される。進行制御部234は、進行制御ステップにおいて、グループに属するユーザ同士でのゲーム内におけるコミュニケーションの進行を制御する。
【0041】
付与部235は、付与ステップを実行可能に構成される。付与部235は、付与ステップにおいて、ユーザがゲームを構成するイベントをクリアした場合、ユーザに対して報酬を付与する。報酬は、イベントを開始するために必要なパラメータであり、且つ、時間経過とともに減少するパラメータである。
【0042】
3.種々の情報と用語の説明
本節では、情報処理システム1によって扱われる種々の情報と用語とについて説明する。
【0043】
「ユーザ名」とは、ユーザ自身が設定した任意の文字列により構成される、ユーザを識別するための名称である。「ユーザランク」とは、ユーザのレベルを表す指標であり、ゲームステージのクリア等によってランクアップし、ランクアップすると、新たなゲームステージが解放される、アイテムの購入が可能になる等、ユーザにとってプレイの幅が広がる。
【0044】
「消費媒体」とは、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、「クエスト」と称されるゲームステージのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0045】
報酬の一例である「スタミナ」とは、ゲームのプレイに伴って消費されるパラメータである。スタミナは、例えば、「クエスト」と称されるゲームステージのプレイに伴って消費される。ゲームステージは、イベントの一例である。すなわち、本実施形態では、報酬は、イベントを開始するために必要なパラメータである。スタミナは、クエストの進行によらず、現実の時間の経過に応じて回復する。また、スタミナは、消費媒体や各種ゲーム内アイテムの消費等のユーザの指示に応じて回復することができる。また、スタミナは、クエストの進行によるユーザランクのランクアップ等により、ユーザの指示に応じることなく回復される場合もある。
【0046】
「パラメータに関する情報」とは、例えば、スタミナに関する情報である。スタミナに関する情報とは、例えば、スタミナの現在値、上限値、もしくは上限値に対応するユーザランク、単位時間(例えば、スタミナの値を「1」回復させるために必要な時間の単位)、回復速度(例えば、1分あたりのスタミナの値が回復する量(以下、「回復量」ともいう))、またはスタミナが回復してから経過した時間などを含む。なお本実施形態では、スタミナの上限値を時間の経過に応じた回復における上限値とする例を用いるが、これに限定されない。
【0047】
「クエスト」とは、ゲームの構成単位であるステージであって、課題や目標が設定されているものである。特に、複数ユーザが同時にゲームに参加してプレイするクエストは、「マルチクエスト」と称される。クエストには、終了条件が設定されている。また、クエストのクリアに対しては、クリア報酬がユーザに付与される。
【0048】
クエストの終了条件には、対戦する敵キャラクタの全滅、ボスキャラクタを倒すこと、ゴール地点への到達等のクリア条件と、制限時間オーバー等のプレイ時間に関する条件と、ターン制ゲームにおけるターン数オーバー等の条件とが含まれる。クエストには、これらの終了条件のうち少なくとも1つが設定されている。クエストに複数の終了条件が設定されている場合には、どの終了条件が優先されるかが予め設定されている。例えば、クリア条件よりも制限時間が優先される場合、ボスキャラクタを倒すことができず、クリア条件は満たされていないときに、制限時間が切れると、クエストは終了することとなる。
【0049】
また、クエストは、同一のユーザにより何度も繰り返しプレイされる場合がある。クエストを繰り返しプレイすることは、「クエスト周回」と称される。ユーザがクエスト周回する具体的な例として、クリアすることで一定の確率で所定の報酬を得られるクエストにおいて、その報酬が得られるまでクエスト周回する場合や、クリアすると高い報酬が得られるクエストにおいて、その報酬をできるだけたくさん得る目的でクエスト周回する場合等が挙げられる。
【0050】
「ミッション」とは、各クエストに対応付けられた課題である。つまり、クエストには、少なくとも1つのミッションが対応付けられている。ミッションの具体例として、例えば、「一人も戦闘不能にならずにゲームをクリアする」、「敵キャラクタに対し、一撃で5000以上のダメージを付与する」、「敵キャラクタを3体以上同時に倒す」等が挙げられる。また、ミッションの達成に対しては、ミッション報酬がユーザに付与される。
【0051】
4.ゲームの概要
本実施形態に係る情報処理システム1は、複数のユーザにより実行されるゲームを提供する。情報処理システム1は、ユーザの、現実世界における目的地または移動経路を含む移動情報に基づいて、所定の条件を満たすユーザを特定グループに関連付ける。所定の条件は、目的地が同一の目的地に設定されていることである。ここで、同一の目的地に設定されているとは、国、都道府県、市町村、駅名、施設名などが同一である場合、ある位置から所定の範囲内(例:ある位置から半径1kmの範囲内、またはある位置から徒歩で10分以内に到達可能な範囲内)、隣接する複数の市町村または建物名など、所定の範囲内に目的地を設定していることを含むものである。目的地の粒度は任意である。
【0052】
具体的には、図3に示すように、同じゲームをプレイするユーザが、新大阪、京都、富山および金沢から移動体に搭乗して目的地である東京を目指す場合には、目的地を同一とするユーザが第1グループAに関連付けられる。ここで、新大阪および京都を経路に含む移動体は、移動体M1であり、例えば東海道・山陽新幹線のMM月DD日のX号が相当する。また、富山および金沢を経路に含む移動体は、移動体M2であり、例えば北陸(長野)新幹線のMM月DD日のX号が相当する。第1グループAは、特定グループの一例である。このとき、第1グループAに属するユーザが第1ユーザU1Aである。
【0053】
また、新大阪から移動体M1に搭乗したユーザと、京都から移動体M1に搭乗したユーザは、途中下車を考慮しない場合には、京都から東京までの区間で、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置することになる。このとき、新大阪から搭乗したユーザと、京都から搭乗したユーザとが第2グループA1に関連付けられる。ここで、第2グループA1は、特定グループの一例である。このとき、第2グループA1に属するユーザが第2ユーザU2A1である。また、金沢から移動体M2に搭乗したユーザと、富山から移動体M2に搭乗したユーザは、途中下車を考慮しない場合には、富山から東京までの区間で、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置することになる。このとき、金沢から搭乗したユーザと、富山から搭乗したユーザとが第2グループA2に関連付けられる。ここで、第2グループA2は、特定グループの一例である。このとき、第2グループA2に属するユーザが第2ユーザU2A2である。
【0054】
そして、各ユーザは、ゲームを構成する複数のイベントのうち、所望のイベントを選択することでイベントに参加する。図4に示すように、ディスプレイ4aの領域Xに、イベント一覧が表示される。このように、ゲームは、複数のイベントにより構成されるイベントセットを含む。図4の例では、イベント一覧に含まれる複数のイベントにより、イベントセットが構成される。また、図4の例では、イベントの種別として「W、X、Y、Z」が存在し、イベントの難易度として「1~13」が存在する。そして、イベント毎に報酬が定められている。報酬は、ユーザがイベントをクリアした場合に付与されるパラメータである。かかる報酬は、ゲームの種別および難易度に応じて予め定められている。
【0055】
各イベントは、移動体M1の出発地~目的地までの間において、移動体M1が所定の範囲に位置するときにプレイすることができるものである。例えば、難易度が1~2のイベントは、出発地である新大阪から京都までの区間間においてプレイすることができる。また、難易度が3~13までのイベントは、名古屋から新横浜までの区間においてプレイすることができる。図4の例では、枠が太線で表されているイベントが、ユーザの現在の位置において参加可能なイベントである。また、枠が破線で表されているイベントが、ユーザの現在の位置においては参加できないイベントである。さらに、目的地に到着してから解放される隠しイベント(イベントW-?~イベントZ-?)が存在する。隠しイベントの報酬は、隠しイベントが解放されるまではユーザに見えないようになっている。
【0056】
このように、ユーザがゲームに参加してから時間が経過するほど、難易度の高いイベントにチャレンジすることができるように構成している。
【0057】
また、ディスプレイ4aの領域Yには、報酬RとタイマーTが表示される。報酬Rは、0~MAXまでの範囲で変動するゲームGにより表示される。図4の例では、ユーザの報酬は130ポイントであることを示す。ここで、報酬Rの値の上限値MAXは、適宜設定することができる。
【0058】
そして、報酬Rの下部に表示されるタイマーTは、報酬Rの減少の度合いを表すものである。報酬Rは、時間経過とともに減少するパラメータであり、図4の例では、30秒に1ポイント減少する。そして、報酬が0になったユーザは、イベントへの参加ができなくなる。このため、ユーザは報酬の残りを確認しつつ、報酬が0になる前になんらかのイベントに参加し、追加の報酬を得ることにより、ゲームを継続して楽しむことができる。
【0059】
このように、目的地を同じとするユーザにより第1グループを形成することにより、同じ第1グループに属するユーザは、ユーザ同士で連帯感を得ることができる。また、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置するユーザにより第2グループを形成することにより、同じ第2グループに属するユーザは、ユーザ同士で、偶然の一致による運命共同体のような感覚を得ることができる。
【0060】
そして、特定グループに属するユーザは、ユーザ同士で、マルチプレイを楽しむことができる。本実施形態におけるゲームは、同じグループに属するユーザが協力して特定のイベントに参加し、ボスキャラクタの討伐などのミッションに挑戦するものである。
【0061】
5.情報処理システム1の動作について
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。
【0062】
5.1 情報処理の概要
図5は、情報処理システム1により実行される処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。図5に示す処理の前に、各ユーザはユーザ端末3にゲームをインストールしており、位置情報を情報処理装置2に送信することを許可しているものとする。また、図5に示す処理は、図3に示される移動体M1に搭乗しているユーザのうち、同じゲームをプレイする複数のユーザを前提としている。
【0063】
まず、ゲーム制御ステップにおいて、情報処理装置2のゲーム制御部233が、ユーザ端末3で実行するゲームを制御する(A1)。そして、ユーザ端末3によりユーザがゲームを実行する。
【0064】
続いて、移動体M1が新大阪に到着し、新大阪にて複数のユーザが移動体M1に搭乗してくる。
【0065】
続いて、取得ステップにおいて、取得部231は、複数のユーザからそれぞれ移動情報を取得する(A2)。移動情報は、ユーザの、現実世界における目的地または移動経路を含む。また、経路情報は、ユーザが搭乗中の移動体を表す移動体情報を含む。移動体情報は、新幹線の便名、自動車またはバスのナンバー、船舶を特定する情報などである。
【0066】
また、移動情報は、目的地の到着予想時刻または到着予定時刻を含む。到着予想時刻は、ユーザ端末3により実行される地図アプリケーションなどにより予想される到着時刻である。また、到着予定時刻は、ユーザ端末3のカレンダーアプリケーションなどにより入力された時刻であって、コンピュータによる予測に代えてユーザ自身が入力した時刻である。例えば、新大阪から東京まで移動する途中に名古屋で途中下車し、再び名古屋から東京に向かう場合には、新大阪から東京まで途中下車なしで移動した場合に対応するのが到着予想時刻となり、途中下車をして任意の場所で任意の時間滞在したうえで東京に向かう場合に対応するのが到着予定時刻となる。
【0067】
さらに、移動情報は、ユーザの位置情報を含む。ここで、取得部231により取得される移動情報には、複数のユーザの移動情報が含まれる場合もあり、単一のユーザの移動情報のみが含まれる場合もある。
【0068】
ここで、説明の都合上、取得部231による移動情報の取得をA2として規定しているが、実際には、取得部231は、ゲームをプレイするユーザが存在するときは常にユーザ端末3から移動情報を取得している。
【0069】
続いて、移動情報に含まれる目的地が同じであり、到着予想時刻または到着予定時刻が所定の時間内である場合、関連付部232は、第1関連付け処理を実行する(A3)。第1関連付け処理は、所定の条件を満たす第1ユーザを第1グループに関連付ける処理である。ここで、所定の条件は、目的地が同一の目的地に設定されていることである。さらに、所定の条件は、到着予想時刻または到着予定時刻が所定の時間内であることである。すなわち、第1関連付け処理により、目的地が同じであり、かつ、目的地の到着予想時刻または到着予定時刻が所定の時間内である第1ユーザを第1グループに関連付ける。第1関連付け処理については、図6を用いて後述する。
【0070】
一方、取得部231により取得した移動情報に含まれる目的地が他のユーザと同じでない場合には、処理をA1に戻す。また、取得部231により取得した移動情報に含まれる目的地が他のユーザと同じであるが、到着予想時刻または到着予定時刻が所定の時間内でない場合には、処理をA1に戻す。
【0071】
続いて、進行制御ステップにおいて、進行制御部234は、特定のグループに属するユーザ同士でのゲーム内におけるコミュニケーションの進行を制御する(A4)。ゲーム内におけるコミュニケーションについては図7を用いて後述する。
【0072】
続いて、移動体M1が京都に到着し、複数のユーザが移動体M1から降車または乗車する。
【0073】
続いて、関連付部232は、第2関連付け処理を実行する。第2関連付け処理は、移動経路に基づいて、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置する第2ユーザを第2グループに関連付ける処理である。本実施形態では、関連付部232は、第2関連付け処理において、移動体情報に基づいて、第2ユーザを第2グループに関連付ける。具体的には、複数のユーザが同じ移動体に搭乗中である場合、関連付部232は、第2関連付け処理において、同じ移動体に搭乗中の第2ユーザを第2グループに関連付ける(A5)。
【0074】
図3の例では、取得部231は、京都から移動体M1に搭乗してきたユーザのユーザ端末3から、移動情報を取得する。そして、京都から移動体M1に搭乗してきたユーザと、新大阪から移動体M1に搭乗しているユーザが同じ移動体に搭乗していると判断し、第2関連付け処理を実行する。
【0075】
一方、複数のユーザが同じ移動体に搭乗中でない場合、処理をA1に戻す。第2関連付け処理については、図6を用いて後述する。
【0076】
続いて、進行制御ステップにおいて、進行制御部234は、第2グループに属するユーザ同士で実行可能なゲームのイベントの進行を制御する(A6)。かかるゲームのイベントについては、図8を用いて後述する。
【0077】
続いて、付与ステップにおいて、付与部235は、ユーザがゲームを構成するイベントをクリアした場合、ユーザに対して報酬を付与する(A7a)。一方、イベントをクリアできなかった場合、またはパラメータである報酬が所定値となった場合、ゲーム制御ステップにおいて、ゲーム制御部233は、ゲーム制御処理を実行する(A7b)。本実施形態では、ゲーム制御処理は、イベントに失敗したユーザ、または、パラメータが所定値となったユーザを、実行中のイベントセットへの参加を継続できないようにする処理である。ここで、パラメータが所定値となったユーザとは、図4の報酬Rの値が0となったユーザである。なお、所定値は0に限られず、任意の値とすることができる。また、報酬の減少により報酬Rの値が所定値を下回る場合でも、所定値を表示する。
【0078】
そして、移動体M1が目的地である東京に到着する。このとき、関連付部232は、第3関連付け処理を実行する(A8)。ここで、第3関連付け処理は、同じ時刻において、同一の目的地に位置する第3ユーザを第3グループに関連付ける処理である。さらに、関連付部232は、第3関連付け処理において、同じ第2グループに属するユーザのうち、イベントの参加資格を有する第3ユーザを第3グループに関連付ける。すなわち、A7bにおけるゲーム制御処理の対象とならず、実行中のイベントセットへの参加を継続することができるユーザが第3ユーザである。
【0079】
第3グループは、同じ移動体で同じ目的地までともに移動してきた、いわば旅の仲間のうち、実行中のイベントセットへの参加が許されるユーザにより構成される。換言すると、旅の仲間のうち、目的地までゲーム内で生き残ったユーザにより第3グループが構成される。
【0080】
一方、同じ時刻に同一の目的地に複数のユーザが位置しない場合には、処理をA1に戻す。
【0081】
そして、全てのユーザがゲームを終了した場合、処理を終了する。一方、少なくとも1人のユーザがゲームを継続する場合、処理をA1に戻す。
【0082】
5.2 情報処理の詳細
次に、上記概説した情報処理の詳細部分について説明する。
【0083】
<移動情報>
図6は、移動情報の一例である。移動情報は、通信ネットワーク11を介して通信部21により取得され、記憶部22に記憶される情報である。
【0084】
図6に示すように、ユーザ毎に、ユーザを識別するユーザID、ユーザ端末3により入力された出発地および目的地、到着予想時刻または到着予定時刻、経路情報、ならびに車両情報が紐付けられている。図6の例では、経路情報は、移動体の一例である新幹線の停車駅により表される情報である。また、車両情報は、ユーザが搭乗する車両を特定する情報である。
【0085】
これらの情報は、ユーザの移動状況により変化するものである。例えば、搭乗予定の電車に乗りすごした場合、出発時刻と、到着予想時刻または到着予定時刻が遅くなる。また、移動途中でふと思い立って途中下車した場合には、出発時刻と、到着予想時刻または到着予定時刻と、経路情報および車両情報が変化する。
【0086】
<関連付け処理>
本実施形態では、関連付部232により実行された関連付けステップの結果、ユーザが関連付けられたグループを特定する情報も、ユーザごとに記憶する。以下、第1関連付け処理~第3関連付け処理について説明する。
【0087】
(第1関連付け処理)
ユーザID1~ユーザID3、ユーザID5、ユーザID7およびユーザID8に対応するユーザは、いずれも目的地が東京である。つまり、これらのユーザは、目的地が同一の目的地に設定されている。このため、これらのユーザは、それぞれ同じ第1グループAに関連付けられる。
【0088】
ここで、ユーザID4およびユーザID9に対応するユーザは、いずれも目的地が東京であるものの、到着予想時刻または到着予定時刻が上記ユーザの到着予想時刻または到着予定時刻から所定の時間内でない。さらに、ユーザID4およびユーザID9に対応するユーザは、目的地である東京への到着予定時刻が同じである。このため、ユーザID4およびユーザID9に対応するユーザは、第1グループAとは異なる第1グループBに関連付けられる。
【0089】
ここで、所定の時間内(時間の粒度)は任意であり、1分~30分、1時間~3時間、1日~10日など、任意に定めることができる。例えば、所定の時間内として30分を採用している場合には、ユーザID4およびユーザID9に対応するユーザは第1グループAに関連付けられない。一方、ユーザID4およびユーザID9に対応するユーザの到着予定時刻が所定の時間内にない場合、これらのユーザを別々の第1グループに関連付ける。
【0090】
また、ユーザID6に対応するユーザは、目的地が広島であるため、第1グループCに関連付けられる。
【0091】
ここで、第1関連付け処理により特定の第1グループに関連付けられるか否かは、目的地により判断されるものであり、出発地は無関係である。
【0092】
(第2関連付け処理)
ユーザID1~ユーザID3およびユーザID5に対応するユーザは、同じ時刻に発車する新幹線X号に搭乗している。すなわち、これらのユーザは、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置する。このため、これらのユーザは、それぞれ同じ第2グループA1に関連付けられる。ここで、第2グループA1に属するユーザは、第1グループAに属するユーザと重複する。
【0093】
ここで、ユーザID1~ユーザID3に対応するユーザは、新大阪から新幹線X号に搭乗しており、ユーザID5に対応するユーザは京都から新幹線X号に搭乗している。そのため、ユーザID1~ユーザID3に対応するユーザは、途中下車を考慮しない場合、新大阪から東京までの期間において第2グループA1に関連付けられる。一方、ユーザID5に対応するユーザは、新幹線X号に搭乗した京都から東京までの期間において第2グループA1に関連付けられる。このように、ユーザの移動状況において、特定のグループに関連付けられたあと、特定のグループへの関連付けが解除され得る。
【0094】
ユーザID7およびユーザID8に対応するユーザは、同じ時刻に発車する新幹線Z号に搭乗している。このため、これらのユーザは、それぞれ同じ第2グループA2に関連付けられる。ここで、第2グループA2に属するユーザは、第1グループAに属するユーザと重複する。このように、目的地が同じであっても、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置しないユーザは、新幹線X号に搭乗するユーザが第2グループA1に関連付けられ、新幹線Z号に搭乗するユーザが第2グループA2に関連付けられる。
【0095】
ユーザID4に対応するユーザは、第2グループB1に関連付けられる。また、ユーザID9に対応するユーザは、第2グループB2に関連付けられる。ここで、これらのユーザは同じ第1グループBに属するものの、それぞれ異なる新幹線に搭乗しており、かつ、ユーザID9に対応するユーザは軽井沢から東京まで自動車で移動している。すなわち、これらのユーザは、出発地から目的地まで、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置することがない。したがって、これらのユーザは、互いに異なる第2グループに関連付けられる。ここで、第2グループB1および第2グループB2に属するユーザは、第1グループBに属するユーザと重複する。
【0096】
(第3関連付け処理)
第3関連付け処理は、目的地まで到着したあとに実行されるものである。また、第3関連付け処理は、図5のA7bにおけるゲーム制御処理の対象とならず、実行中のイベントセットへの参加を継続することができるユーザに対して実行される。ここで、イベントセットへの参加を継続することの可否、すなわち、イベントへの参加資格の有無を「あり/なし」で表し、これをユーザごとに記憶する。
【0097】
そして、関連付部232は、第3関連付け処理を実行し、同じ時刻において、同一の目的地に位置する第3ユーザを第3グループに関連付ける。本実施形態では、関連付部232は、第3関連付け処理において、同じ第2グループに属するユーザのうち、イベントの参加資格を有する第3ユーザを第3グループに関連付ける。
【0098】
これにより、ユーザID1およびユーザID3に対応するユーザが第3グループA11に関連付けられる。また、ユーザID2およびユーザID5に対応するユーザが第3グループA12に関連付けられる。ここで、これらのユーザは同じ第2グループA1に属するものの、目的地に到着したときにイベントへの参加資格を有するのはユーザID1およびユーザID3に対応するユーザである。したがって、ユーザID1およびユーザID3を、第2グループA1から派生する第3グループA11に関連付ける。そして、第3グループA11に属するユーザ同士が協力して、あるいは敵対して隠しイベントをプレイすることができる。
【0099】
一方、ユーザID2およびユーザID5に対応するユーザは、目的地に到着したときにイベントへの参加資格がない。したがって、ID2およびユーザID5に対応するユーザを、第2グループA1から派生する第3グループA12に関連付ける。ここで、第3グループA12に属するユーザは、目的地において隠しイベントをプレイすることができない。
【0100】
ユーザID7およびユーザID8に対応するユーザは、第3グループA21および第3グループA22にそれぞれ関連付けられる。ここで、ユーザID7およびユーザID8に対応するユーザは、同じ第2グループA2に属していたものの、ユーザID7に対応するユーザに対応するユーザはイベントへの参加資格を有するが、ユーザID8に対応するユーザはイベントの参加資格を失っている。このため、これらのユーザは、同じ第2グループA2に属していたが、異なる第3グループに属することになる。
【0101】
ユーザID3およびユーザID9に対応するユーザは、第3グループB11および第3グループB21にそれぞれ関連付けられる。これらのユーザはともにイベントへの参加資格を有し、隠しイベントをプレイすることができる。
【0102】
ユーザID6に対応するユーザは、第3グループC11に関連付けられる。かかるユーザはイベントへの参加資格を有し、隠しイベントをプレイすることができる。ここで、第3グループC11に関連付けられたユーザが1名の場合、かかるユーザは、隠しイベントにおいて隠しボスとの戦闘を開始することができる。
【0103】
<第1グループ内でのコミュニケーション>
進行制御部234は、同じグループに属するユーザ同士でのゲーム内におけるコミュニケーションの進行を制御する。図7は、同じ第1グループに属するユーザ同士でのゲーム内におけるコミュニケーションの例である。図7の例では、ゲーム内のコミュニケーションとしてチャットを利用している。図7の例では、ユーザa、ユーザbおよびユーザcがチャットでコミュニケーションをとっている。そして、ユーザbが静岡で発生中のイベントで苦戦していると呟いたことに反応し、ユーザcがゲーム内できるオブジェクトである回復アイテムのプレゼントを申し出ている。そして、ユーザbは自らのユーザIDを伝えている。これに対し、ユーザcは、ユーザbから伝えられたユーザIDに対応するゲームデータに対し、自身が保有する回復アイテムをプレゼントする。このように、目的地を同じにするユーザ同士でコミュニケーションをとりながら、ゲーム上で生き残って目的地にたどり着けるように、各自第2グループに属するユーザ同士で実行可能なゲームのイベントにチャレンジしていく。これにより、目的地で形成される同じ第3グループにて隠しイベントに参加するという共通の目標ができ、一体感が生まれる。
【0104】
<第2グループ内でのコミュニケーション>
進行制御部234は、第2グループに属するユーザ同士で実行可能なゲームのイベントの進行を制御する。図8は、同じ第2グループに属するユーザ同士でのゲーム内におけるコミュニケーションの例である。図8に示すように、ディスプレイ4aに、ユーザが実行中のゲームのゲーム画像が表示される。図8の例では、ゲーム画像は、マルチクエストのゲーム画像である。ゲーム画像には、例えば、デッキ102A1と、プレイヤキャラクタPと、敵キャラクタEとが含まれる。ここで、図8の例では、同じ第2グループA1に属する複数のユーザがマルチプレイを実行しているものである。ここで、プレイヤキャラクタPA1は、第2グループA1に属するユーザにより操作されるプレイヤキャラクタPを表す。また、プレイヤキャラクタPA1a~プレイヤキャラクタPA1dはそれぞれ、ユーザa~ユーザdにより操作されるプレイヤキャラクタPを表す。また、図示しないが、このマルチクエストのゲーム中においてもゲーム内のコミュニケーションとしてチャットを利用可能である。このようにゲームのクリアを目指すユーザ同士でコミュニケーションをとりながら、マルチクエストのクリアを目指すことができる。
【0105】
<第3グループ内でのコミュニケーション>
第3グループでのコミュニケーションは、隠しイベントの実行により実現される。図9の例では、第3グループA11、第3グループA12および第3グループA13に属するユーザにより、ゲーム内でのコミュニケーションが実現されている。図9の例では、デッキ102A11、デッキ102A12およびデッキ102A13は、第3グループA11、第3グループA12および第3グループA13にそれぞれ属するユーザに対応するデッキである。また、プレイヤキャラクタPA11、プレイヤキャラクタPA12およびプレイヤキャラクタPA13は、第3グループA11、第3グループA12および第3グループA13に属するユーザによりそれぞれ操作されるプレイヤキャラクタPを表す。そして、3つの第3グループに別れ、最後の対戦(マルチクエスト)を繰り広げている。また、図示しないが、このマルチクエストのゲーム中においてもゲーム内のコミュニケーションとしてチャットを利用可能である。このようにゲームのクリアを目指すユーザ同士でコミュニケーションをとりながら、マルチクエストのクリアを目指すことができる。
【0106】
ここで、これらのユーザは、図4に示される「隠しイベントW-?」に参加しているユーザである。つまり、目的地に到着したユーザのうち、イベントへの参加資格を有するユーザが第3グループに関連付けられ、同じイベントに参加したユーザ同士で隠しイベントをプレイすることができる。
【0107】
このように、関連付部232により、ユーザの移動情報に基づいて、所定の条件を満たすユーザを第1グループ~第3グループに関連付けることにより、ユーザが移動中の一期一会を味わうことが可能になりゲームの興趣性を増すことができる。図10は、第1グループ~第3グループの関係を表すベン図である。ここで、同図中の「1G」は、第1グループを示し、「2G」は、第2グループを示し、「3G」は、第3グループを示している。このように、本実施形態では、(1)目的地が同じである第1ユーザを第1グループに関連付け、(2)同じ第1グループの中で、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置する第2ユーザを第2グループに関連付け、(3)目的地に到着したユーザのうち、同じ第2グループに属するユーザのうち、イベントの参加資格を有する第3ユーザを第3グループに関連付ける。
【0108】
以上をまとめると、本実施形態のシステムは、取得ステップおよび関連付けステップを実行可能に構成され、前記取得ステップでは、複数のユーザからそれぞれ移動情報を取得し、前記移動情報は、ユーザの、現実世界における目的地または移動経路を含む情報であり、前記関連付ステップでは、前記移動情報に基づいて、所定の条件を満たすユーザを特定グループに関連付ける。
【0109】
また、本実施形態の方法は、取得ステップおよび関連付けステップを備え、前記取得ステップでは、複数のユーザからそれぞれ移動情報を取得し、前記移動情報は、ユーザの、現実世界における目的地または移動経路を含む情報であり、前記関連付ステップでは、前記移動情報に基づいて、所定の条件を満たすユーザを特定グループに関連付ける。
【0110】
本実施形態によれば、ユーザに対して新たな刺激を与えることが可能になる。特に、ユーザに対し、目的地または移動経路を含む移動情報に基づいて形成されるグループに属することにより、ユーザ自身の移動状況に加え、他のユーザの移動状況が反映されるため、状況に応じて刻一刻と所属するグループが変化する可能性があり、よりゲームを楽しむことができる。
【0111】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0112】
図11に示すように、関連付部232は、同じ時刻において、同一の目的地に位置する第3ユーザを第3グループに関連付けるように第3関連付け処理を実行してもよい。ここで、図中の「1G」が第1グループに相当し、「2G」が第2グループに相当し、「3G」が第3グループに相当する。これにより、出発地から目的地までの移動中は、同じ移動体に搭乗するユーザにより構成される第2グループ内でコミュニケーションをとることができるとともに、他の移動経路で目的地まで到着した他の第2グループに属するユーザと協力して隠しイベントをプレイすることが可能になる。
【0113】
図12に示すように、異なる第1グループをまたいで1つの第2グループを形成してもよい。例えば、出発地が大阪で目的地が東京であるユーザにより第1グループA(同図中の「1GA」に相当)が構成され、出発地が京都で目的地が名古屋であるユーザにより第1グループB(同図中の「1GB」に相当)が形成される場合に、それぞれの第1グループに属するユーザが同じ時刻に同じ新幹線に搭乗することもある。このとき、同じ時刻に同じ新幹線に搭乗しているユーザにより第2グループ(同図中の「2G」に相当)が形成され、ユーザが新幹線を降りたときにそのユーザが第2グループからの関連付けを解除される。そして、それぞれの目的地に到着した後、第1グループAおよび第1グループBのそれぞれにおいて第3グループ(同図中の「3G」に相当)が形成される。
【0114】
図13に示すように、同じ時刻に同じ移動体に搭乗するユーザのうち、同じ車両に搭乗するユーザを同じ第2グループに関連付けてもよい。図13の例では、車両C1に搭乗するユーザにより、第2グループA1aが形成される。また、車両C2に搭乗するユーザと、車両C3に搭乗するユーザとをまとめて第2グループA1bに関連付けてもよい。これにより、車両C2に搭乗するユーザが2名であり、他の乗客もいない場合には、車両C2に搭乗する2名のユーザにより第2グループを形成すると、現実世界において互いの顔がわかってしまうので、車両C2と車両C3に搭乗するユーザをあわせて第2グループA1bを形成することにより、それぞれの正体が相手に知られにくくなる。そして、車両C4に搭乗するユーザにより、第2グループA1cが形成される。なお、車両の判断は、電子チケットの座席情報やMaaSに利用されるアプリケーションなどの他のアプリケーションの情報を参照しても良いし、車両毎にチェックインできる機能(装置)などを利用してもよい。
【0115】
また、同じ車両に搭乗するユーザを同じ第2グループに関連付けず、異なる車両に搭乗するユーザを同じ第2グループに関連付けるように制御してもよい。
【0116】
また、予め定められた人数に満たない場合、第2グループに関連付けないように制御してもよい。また、人数が1名であっても、その1名のみが含まれる第2グループを形成してもよい。
【0117】
また、他の移動体に搭乗するユーザを同じ第2グループに関連付けてもよい。例えば、併走する移動体に搭乗する複数のユーザ、または前後の移動体に搭乗中の複数のユーザを同じ第2グループに関連付けることができる。このとき、同じ第2グループに関連付けるのは、異なる種別の移動体に搭乗している複数のユーザであってもよい。
【0118】
また、同じグループに属するユーザをフレンド登録することができるようにしてもよい。他のユーザをフレンド登録することにより、フレンド間で個別のコミュニケーションまたはマルチプレイを実現することができるように制御してもよい。ここで、フレンド登録することにより、フレンド登録したユーザに関する情報を記憶してもよい。フレンド登録したユーザに関する情報には、ユーザ名、レベルまたはランク、報酬Rの値、クリアしたイベントの種別または回数などに加え、搭乗している移動体の種別または移動体を特定するための情報が含まれる。
【0119】
また、同じグループ内または他のグループに属する他のユーザに対し、個別またはマルチプレイのバトル要求を出力することができるようにしてもよい。これにより、グループ内またはグループ間における1または複数のユーザ間で任意にゲームをプレイすることができる。このとき、かかるバトルに負けたユーザに対し、不利な効果を課してもよい。不利な効果は、例えば、所定の報酬を剥奪すること、グループへの関連付けの解除、またはイベントセットへの参加資格の剥奪である。
【0120】
また、取得部231は、ユーザが交通機関を利用したことを表す利用データに基づいて、移動体情報を取得してもよい。例えば、ユーザがユーザ端末3の一例であるスマートフォンにインストールされた決済アプリケーションを利用して駅の改札を通過した場合、情報処理装置2は、鉄道会社が運営するシステムから、ユーザが改札を通過した時刻および駅名を取得してもよい。このとき、ユーザの移動情報が2と鉄道会社が運営するシステムで共有されることにつき、事前にユーザの同意を得ているものとする。
【0121】
また、取得部231は、ユーザ端末3から位置情報を取得し、関連付部232は、位置情報に基づいて第2関連付け処理を実行してもよい。ここで、位置情報は、GPS(Global Positioning System)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などを利用して取得される。これにより、ユーザがいつ、どこにいるのかが把握することができるので、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置する複数のユーザを第2グループに関連付けることができる。このとき、ユーザの位置情報は、現実世界における移動経路の一例である。
【0122】
また、進行制御部234は、ユーザの移動態様に基づいて、ゲームの進行を制御してもよい。例えば、ユーザが利用している移動体に搭乗しているユーザの数により、イベントクリアにより付与される報酬またはイベントの難易度を変動させてもよい。搭乗者が少ない移動体は、自転車、自動車、タクシーなどである。搭乗者が少ない移動体は、バス、電車、飛行機などである。そして、搭乗数が多い移動体に搭乗しているユーザほど、イベントをクリアしたときにより多くの報酬を受け取ることができる。また、搭乗数が多い移動体に搭乗しているユーザが、イベントの難易度を選択することができるようにしてもよい。
【0123】
進行制御部234は、第1グループに属するユーザ同士で実行可能なゲームのイベントの進行を制御してもよい。
【0124】
また、移動経路につき、時間優先、料金優先、乗り換え回数優先などの複数のオプションが存在し、ゲーム制御部233は、オプションに応じてゲームの進行を制御してもよい。例えば、利用費用が高額な移動体を利用する場合には、その移動体を利用するユーザに対してゲーム内オブジェクトを付与してもよく、ゲームキャラクタのパラメータを強化してもよい。具体的には、新幹線のグリーン車、飛行機のビジネスクラスまたはファーストクラスを利用中のユーザをゲーム内で優遇してもよい。ここで、優遇の内容は特に限定されず、レアアイテムの付与、トーナメント形式のゲームにおけるシード権、イベントへの参加資格を喪失した場合に復活することができる復活機能、一定時間はプレイやキャラクタが無敵状態となる無敵モードの発現などが挙げられる。これにより、公共交通機関および地方自治体と協力することで、地方の観光業を活性化させることができる。また、交通費、特急券、新幹線のグリーン車、飛行機のビジネスクラスまたはファーストクラスに限らず、ユーザをゲーム内で優遇する権利を別途付与できるようにしてもよい。さらに、ユーザはゲーム内において課金をすることにより、優遇されるようになってもよい。優遇の内容が、イベントへの参加資格を喪失した場合に復活することができる復活機能である場合、課金することにより、他のユーザを復活できるようにしてもよい。
【0125】
また、付与部235により付与される報酬は、現実世界における報酬であってもよい。例えば、移動体の無料乗車券、買物に利用することができるポイント、商品券などをポイントとしてユーザに付与してもよい。
【0126】
また、同じ第1グループに属するユーザの間で、アイテムなどのゲーム内オブジェクトを互いに付与することができるようにしてもよい。また、同じ第1グループに属する他のユーザが特定のイベントのプレイ前またはプレイ中に、他のユーザを支援すべく特定のイベントに参入することができるようしてもよい。
【0127】
また、異なる第2グループに関連付けられた、同じ第1グループに属するユーザの間で、他のユーザが属する第2グループ内においてプレイ中のイベントを観戦することができるようにしてもよい。このとき、他のユーザに対してイベント攻略のヒントを与えることもできる。
【0128】
また、所定の数のイベントをクリアすると、付与部235により付与された報酬の時間経過による減少を停止してもよい。例えば、全てのイベントをクリアしたユーザは、時間経過により報酬が減少しないため、自由なタイミングでゲームをプレイすることができる。
【0129】
また、ゲームを一定時間以上プレイしていないユーザに対し、不利な効果を課してもよい。例えば、イベントを複数回クリアし、報酬が十分に溜まったあと、入力デバイス4cからの操作入力が一定時間ない場合には、報酬の減少速度を大きくし、または、ユーザが属するグループへの関連付けを解除してもよい。これにより、ユーザに積極的なプレイを促し、他のユーザとのコミュニケーションを活性化させることができる。
【0130】
また、プレイ中のイベントをリタイアすることができるようにしてもよい。このとき、イベントをリタイアしたユーザに不利な効果を課してもよい。不利な効果は、例えば、所定の報酬を剥奪することである。
【0131】
また、イベント内での活躍度または他のユーザへの貢献度に応じて、付与部235により付与される報酬を異ならせてもよい。このとき、イベント内での活躍度または他のユーザへの貢献度が高いほど、多くの報酬が付与される。
【0132】
また、イベントセットへの参加資格を剥奪されたユーザは、新たに他のイベントセットへ参加することができるようにしてもよい。他のイベントセットは、複数のイベントにより構成され、挑戦済みのイベントセットを構成するイベントと一部が重複していてもよく、すべて異なるイベントにより他のイベントセットが構成されてもよい。
【0133】
また、報酬は、1日に1回リセットされてもよい。
【0134】
また、関連付部232は、目的地の滞在時間を考慮して、第3グループを形成してもよい。例えば、取得部231がユーザ端末3から取得した位置情報に基づいて、目的地の滞在時間を取得することができる。そして、複数のユーザにつき、目的地での滞在時間が予め定められた時間を越えた場合、または予め定められた時間を超えると予測される場合に、これらのユーザを同じ第3グループに関連付けてもよい。
【0135】
また、第3関連付け処理において、目的地に到着したときにイベントへの参加資格を有する第3グループA11と、目的地に到着したときにイベントへの参加資格がない第3グループA12とが同じイベントに参加できるようにしてもよい。この場合、第3グループA12を第3グループA11に敵対するグループとし、第3グループA11のイベントに関連するミッションの達成を妨害する「ミッション」が第3グループA12に与えられても良い。すなわち、第2グループにおけるイベントの結果に応じて、第3グループによるイベントのチーム分け(グループ分け)、またはイベントで達成すべきミッションがそれぞれ決定されてもよい。
【0136】
また、ユーザによる現実世界の移動を必要とせずに、仮想的なユーザであるキャラクタ(アバター)が目的地に向けて仮想的に移動するようにしてもよい。具体的には、ユーザ端末3により実行される地図アプリケーションやMaaSに利用されるアプリケーションなどに入力される現実世界の目的地を、キャラクタ―が仮想的に目指す目的地とする。そして、搭乗予定の交通手段の出発時間になると、仮想的にキャラクタがその交通手段とともに移動する。すなわち、この目的地に基づいて第1グループが形成され、キャラクタの仮想的な移動に伴って第2グループおよび第3グループが形成される。
【0137】
また、ゲームはユーザの操作を必要としてもよいし、キャラクタが自動的に制御されるオートプレイであってもよい。さらに、イベントごとにオートプレイとするか、ユーザ自ら操作するかを選択することができるようにしてもよい。
【0138】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記システムにおいて、前記所定の条件は、前記目的地が同一の目的地に設定されていることであり、前記関連付けステップでは、第1関連付け処理を実行し、前記第1関連付け処理は、前記所定の条件を満たす第1ユーザを第1グループに関連付ける処理である、システム。
前記システムにおいて、前記移動情報は、前記目的地の到着予想時刻または到着予定時刻を含み、前記所定の条件は、前記到着予想時刻または到着予定時刻が所定の時間内であることである、システム。
前記システムにおいて、前記関連付けステップでは、第2関連付け処理を実行し、前記第2関連付け処理は、前記移動経路に基づいて、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置する第2ユーザを第2グループに関連付ける処理である、システム。
前記システムにおいて、前記経路情報は、前記ユーザが搭乗中の移動体を表す移動体情報を含み、前記第2関連付け処理において、前記移動体情報に基づいて、前記第2ユーザを前記第2グループに関連付ける、システム。
前記システムにおいて、前記第2関連付け処理において、同じ移動体に搭乗中の第2ユーザを前記第2グループに関連付ける、システム。
前記システムにおいて、前記取得ステップでは、前記ユーザが交通機関を利用したことを表す利用データに基づいて、前記移動体情報を取得する、システム。
前記システムにおいて、前記関連付けステップでは、第3関連付け処理を実行し、前記第3関連付け処理は、同じ時刻において、同一の目的地に位置する第3ユーザを第3グループに関連付ける処理である、システム。
前記システムにおいて、ゲーム制御ステップを実行可能に構成され、前記ゲーム制御ステップでは、ゲーム内における所定のイベントを実行し、前記第3関連付け処理において、同じ第2グループに属するユーザのうち、前記イベントの参加資格を有する第3ユーザを前記第3グループに関連付ける、システム。
前記システムにおいて、進行制御ステップを実行可能に構成され、前記進行制御ステップでは、前記グループに属するユーザ同士での前記ゲーム内におけるコミュニケーションの進行を制御する、システム。
前記システムにおいて、進行制御ステップを実行可能に構成され、前記関連付けステップでは、第2関連付け処理を実行し、前記第2関連付け処理は、前記移動経路に基づいて、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置する第2ユーザを第2グループに関連付ける処理であり、前記進行制御ステップでは、前記第2グループに属するユーザ同士で実行可能なゲームのイベントの進行を制御する、システム。
前記システムにおいて、付与ステップを実行可能に構成され、前記付与ステップでは、前記ユーザが前記ゲームを構成するイベントをクリアした場合、前記ユーザに対して報酬を付与し、前記報酬は、前記イベントを開始するために必要なパラメータであり、且つ、時間経過とともに減少するパラメータである、システム。
前記システムにおいて、ゲーム制御ステップを実行可能に構成され、前記ゲームは、複数のイベントにより構成されるイベントセットを含み、前記ゲーム制御ステップでは、ゲーム制御処理を実行し、前記ゲーム制御処理は、前記イベントに失敗した前記ユーザ、または、前記パラメータが所定値となったユーザを、実行中のイベントセットへの参加を継続できないようにする処理である、システム。
前記システムにおいて、ゲーム制御ステップを実行可能に構成され、前記ゲーム制御ステップでは、ゲーム制御処理を実行し、前記ユーザは、前記ゲームをプレイするユーザであり、前記関連付ステップでは、同一のゲームをプレイするユーザを前記特定グループに関連付ける、システム。
前記システムにおいて、進行制御ステップを実行可能に構成され、前記進行制御ステップでは、前記ユーザの移動態様に基づいて、前記ゲームの進行を制御する、システム。
プログラムであって、コンピュータに、前記システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0139】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0140】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
3 :ユーザ端末
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
11 :通信ネットワーク
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
102A1 :デッキ
102A11 :デッキ
102A12 :デッキ
102A13 :デッキ
231 :取得部
232 :関連付部
233 :ゲーム制御部
234 :進行制御部
235 :付与部
A :第1グループ
A1 :第2グループ
A11 :第3グループ
A12 :第3グループ
A13 :第3グループ
A1a :第2グループ
A1b :第2グループ
A1c :第2グループ
A2 :第2グループ
A21 :第3グループ
A22 :第3グループ
B :第1グループ
B1 :第2グループ
B11 :第3グループ
B2 :第2グループ
B21 :第3グループ
C :第1グループ
C11 :第3グループ
E :敵キャラクタ
G :ゲーム
M1 :移動体
M2 :移動体
P :プレイヤキャラクタ
PA1 :プレイヤキャラクタ
PA11 :プレイヤキャラクタ
PA12 :プレイヤキャラクタ
PA13 :プレイヤキャラクタ
PA1a :プレイヤキャラクタ
PA1d :プレイヤキャラクタ
R :報酬
T :タイマー
U1A :第1ユーザ
U2A1 :第2ユーザ
X :領域
Y :領域
a :ユーザ
b :ユーザ
c :ユーザ
d :ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行するように構成され、
得ステップでは、複数のユーザからそれぞれ移動情報を取得し、
前記移動情報は、前記ユーザの、現実世界における目的地および移動経路を含み、前記ユーザの移動状況に応じて変化する情報であり
連付ステップでは、前記移動情報に基づいて、第1関連付け処理および第2関連付け処理を実行し
前記第1関連付け処理は、第1条件を満たす第1ユーザを第1グループに関連付ける処理であり、ここで、前記第1条件は、前記目的地が同一の目的地に設定されていることであり、
前記第2関連付け処理は、第2条件を満たす第2ユーザを第2グループに関連付ける処理であり、ここで、前記第2条件は、同じ時刻において予め定められた範囲内に位置することであり、
前記移動情報に基づいて、前記目的地までの移動経路において、
前記第1条件を満たさなくなった場合、前記第1ユーザと前記第1グループとの関連付けを解除し、
前記第2条件を満たさなくなった場合、前記第2ユーザと前記第2グループとの関連付けを解除する、システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記移動情報は、前記目的地の到着予想時刻または到着予定時刻を含み、
前記第1条件は、前記到着予想時刻または到着予定時刻が所定の時間内であることである、システム
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記移動情報は、前記ユーザが搭乗中の移動体を表す移動体情報を含み、
前記第2条件は、前記移動体情報に基づく条件である、システム
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2条件は、同じ移動体に搭乗中であることである、システム
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記取得ステップでは、前記ユーザが交通機関を利用したことを表す利用データに基づいて、前記移動体情報を取得する、システム
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記関連付けステップでは、第3関連付け処理を実行し、
前記第3関連付け処理は、同じ時刻において、同一の目的地に位置する第3ユーザを第3グループに関連付ける処理である、システム
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、ゲーム制御ステップでは、ゲーム内における所定のイベントを実行し、
前記第3関連付け処理において、前記第2グループに属する前記ユーザのうち、前記イベントの参加資格を有する前記第3ユーザを前記第3グループに関連付ける、システム
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
さらに、ゲーム制御ステップでは、ゲーム内における所定のイベントを実行し、
さらに、進行制御ステップでは、前記第1グループまたは前記第2グループに属する前記ユーザ同士での前記ゲーム内におけるコミュニケーションの進行を制御する、システム
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
さらに、ゲーム制御ステップでは、ゲーム内における所定のイベントを実行し、
さらに、進行制御ステップでは、前記第2グループに属する前記ユーザ同士で実行可能な前記ゲームの前記イベントの進行を制御する、システム
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、付与ステップでは、前記ユーザが前記ゲームを構成する前記イベントをクリアした場合、前記ユーザに対して報酬を付与し、
前記報酬は、前記イベントを開始するために必要なパラメータであり、且つ、時間経過とともに減少するパラメータである、システム
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記ゲームは、複数の前記イベントにより構成されるイベントセットを含み、
さらに、ゲーム制御ステップでは、ゲーム制御処理を実行し、
前記ゲーム制御処理は、前記イベントに失敗した前記ユーザ、または、前記パラメータが所定値となった前記ユーザを、実行中の前記イベントセットへの参加を継続できないようにする処理である、システム
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
さらに、ゲーム制御ステップでは、ゲーム制御処理を実行し、
前記ユーザは、ゲームをプレイするユーザであり、
前記関連付けステップでは、同一の前記ゲームをプレイする前記ユーザを前記第1グループおよび前記第2グループのうち少なくとも1つのグループに関連付ける、システム
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
さらに、進行制御ステップでは、前記ユーザの移動態様に基づいて、ゲームの進行を制御する、システム
【請求項14】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項13の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。