(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181531
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】熱交換ユニット
(51)【国際特許分類】
F28F 9/013 20060101AFI20231214BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20231214BHJP
F28F 1/02 20060101ALI20231214BHJP
F28F 1/32 20060101ALI20231214BHJP
【FI】
F28F9/013 A
F28D1/053 A
F28F1/02 B
F28F1/32 A
F28F1/32 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189213
(22)【出願日】2023-11-06
(62)【分割の表示】P 2021201887の分割
【原出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】安東 透
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健
(72)【発明者】
【氏名】廣川 智己
(72)【発明者】
【氏名】奥野 文
(72)【発明者】
【氏名】内田 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】鄭 晨
(57)【要約】
【課題】他の部材との摺動に起因する扁平管の破損を抑制することで製造コストの増加を抑制できる熱交換ユニットを提案する。
【解決手段】利用ユニット3は、利用熱交換器32と、第1部材34とを備える。利用熱交換器32は、複数の扁平管32aが伝熱フィン32bによって厚み方向へ所定の間隔を空けて積層されている。第1部材34は、利用熱交換器32に装着される。第1部材34は、本体34a及び本体34aから突き出る突起部34bを有する。突起部34bは、隣り合う扁平管32aの間に挿入されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の扁平管(32a)が伝熱フィン(32b)によって厚み方向へ所定の間隔を空けて積層された熱交換器(32)と、
前記熱交換器に装着され、前記熱交換器の動きを規制する第1部材(34)と
を備え、
前記第1部材は、
本体(34a)及び前記本体から突き出る突起部(34b)を有し、前記突起部が隣り合う前記扁平管の間に挿入されている、
熱交換ユニット。
【請求項2】
前記第1部材は、
前記突起部を複数有する、
請求項1に記載の熱交換ユニット。
【請求項3】
前記熱交換器は、
複数の第1熱交換部(321、322、323)を含み、
前記第1部材は、
複数の前記第1熱交換部のそれぞれに対して複数の前記突起部を有する、
請求項1又は2に記載の熱交換ユニット。
【請求項4】
前記突起部は、
柱状である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項5】
前記突起部は、
前記扁平管に係合する爪部(34c)を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項6】
前記第1部材は、
樹脂を用いて製造されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項7】
前記第1部材は、
金属を用いて製造され、樹脂コーティングが表面に施されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項8】
前記第1部材は、
金属を用いて製造され、絶縁ゴムが表面に取り付けられている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項9】
ケーシング(31)と、前記ケーシングに固定された第2部材(35)とをさらに備え、
前記第1部材は、
ビス止め又は係合により前記第2部材に対して固定されている、
請求項1から8のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項10】
前記第1部材は、
前記本体が前記伝熱フィンに当接している、
請求項1から9のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項11】
前記熱交換器は、
複数の前記扁平管の端部を互いに接続するヘッダ(32c、32d、32e)をさらに有し、
前記第1部材は、
前記本体が前記ヘッダに当接している、
請求項1から9のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項12】
前記熱交換器は、
前記扁平管の前記厚み方向が鉛直方向に対して傾斜した第2熱交換部(321、323)を有し、
前記第1部材は、
前記第2熱交換部の鉛直下方において前記熱交換器に装着される、
請求項1から11のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
熱交換ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
鉛直方向に所定の間隔を空けて略平行に配置された複数の伝熱管と、当該伝熱管に接合された複数の伝熱フィンとを有する熱交換器を備えた熱交換ユニットが知られている。
【0003】
特許文献1(国際公開第2018/128035号)は、薄く扁平した扁平管が伝熱管に用いられた熱交換器と、当該熱交換器を支持しながらその動きを規制する部材であるブラケットとを備える熱交換ユニット(室外熱交換器)を開示している。特許文献1の熱交換ユニットでは、ブラケットは、伝熱管を挿入する管孔が形成された板状部材である。管孔に挿入された伝熱管は、ロウ付けによりブラケットに接合されることで、筐体に対して固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロウ付けを用いた接合箇所は、経年により生じた腐食によってブラケットと伝熱管とを接合できなくなることがある。このような場合、熱交換ユニットの運転にともなう振動等によって、伝熱管がブラケットに形成された管孔に対して摺動する。特許文献1の熱交換ユニットのように肉厚が比較的薄く形成された扁平管が伝熱管として用いられる場合には、扁平管が管孔との摺動箇所から破損する恐れがあるため、扁平管に用いることができる材料の選択肢が限定され、製造コストが増加しやすいという課題があった。
【0005】
本開示は、他の部材との摺動に起因する扁平管の破損を抑制することで製造コストの増加を抑制できる熱交換ユニットを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の熱交換ユニットは、熱交換器と、第1部材とを備える。熱交換器は、複数の扁平管が伝熱フィンによって厚み方向へ所定の間隔を空けて積層される。第1部材は、熱交換器に装着される。第1部材は、本体及び本体から突き出る突起部を有し、突起部が隣り合う扁平管の間に挿入されている。
【0007】
本熱交換ユニットによれば、ブラケットに設けた管孔に伝熱管を挿入して熱交換器の移動を制限する場合と比べて、扁平管と、扁平管に接触して移動を規制する部材(第1部材)との接触面積を大幅に減らすことができる。したがって、利用ユニットの運転による振動等によって第1部材と扁平管とが摺動しても、この摺動により扁平管が破損することが抑制される。この結果、扁平管に用いることができる材料の選択肢が増え、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0008】
第2観点の熱交換ユニットは、第1観点の熱交換ユニットであって、第1部材は、突起部を複数有する。
【0009】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が複数の突起部を有することにより、熱交換器の移動が効果的に規制される。
【0010】
第3観点の熱交換ユニットは、第1観点又は第2観点の熱交換ユニットであって、熱交換器は、複数の第1熱交換部を含む。第1部材は、複数の第1熱交換部のそれぞれに対して複数の突起部を有する。
【0011】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が複数の突起部を有することにより、熱交換器の移動が効果的に規制される。
【0012】
第4観点の熱交換ユニットは、第1観点から第3観点のいずれかの熱交換ユニットであって、突起部は、柱状である。
【0013】
本熱交換ユニットによれば、突起部を隣り合う扁平管の間に容易に挿入することが可能となる。このため、熱交換ユニットの製造が容易になり、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0014】
第5観点の熱交換ユニットは、第1観点から第3観点のいずれかの熱交換ユニットであって、突起部は、扁平管に係合する爪部を有する。
【0015】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が、熱交換器の動きを効果的に規制できる。
【0016】
第6観点の熱交換ユニットは、第1観点から第5観点のいずれかの熱交換ユニットであって、第1部材は、樹脂を用いて製造されている。
【0017】
本熱交換ユニットによれば、金属を用いて製造される場合と比べて突起部の硬度を低減させることができる。このため、第1部材と扁平管とが摺動しても、この摺動により扁平管が破損することが抑制される。この結果、扁平管に用いることができる材料の選択肢が増え、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0018】
第7観点の熱交換ユニットは、第1観点から第5観点のいずれかの熱交換ユニットであって、第1部材は、金属を用いて製造され、樹脂コーティングが表面に施されている。
【0019】
本熱交換ユニットによれば、樹脂コーティングにより第1部材の表面の硬度を低く抑えることで摺動による扁平管の破損を効果的に抑制しながら、第1部材の剛性を高く確保できる。
【0020】
第8観点の熱交換ユニットは、第1観点から第5観点のいずれかの熱交換ユニットであって、第1部材は、金属を用いて製造され、絶縁ゴムが表面に取り付けられている。
【0021】
本熱交換ユニットによれば、絶縁ゴムにより第1部材の表面の硬度を低く抑えることで摺動による扁平管の破損を効果的に抑制しながら、第1部材の剛性を高く確保できる。
【0022】
第9観点の熱交換ユニットは、第1観点から第8観点のいずれかの熱交換ユニットであって、ケーシングと、ケーシングに固定された第2部材とをさらに備える。第1部材は、ビス止め又は係合により第2部材に対して固定されている。
【0023】
第10観点の熱交換ユニットは、第1観点から第9観点のいずれかの熱交換ユニットであって、第1部材は、本体が伝熱フィンに当接している。
【0024】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が、本体と、伝熱フィンとの当接によって熱交換器の重量を受けることができる。これにより、突起部が受ける熱交換器の重量が略ゼロとなるか大幅に低減されため、第1部材と扁平管とが摺動しても、この摺動により扁平管が破損することが抑制される。この結果、用いることができる扁平管の選択肢が増え、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0025】
第11観点の熱交換ユニットは、第1観点から第9観点のいずれかの熱交換ユニットであって、熱交換器は、複数の扁平管の端部を互いに接続するヘッダをさらに有する。第1部材は、本体がヘッダに当接している。
【0026】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が、熱交換器の重量を突起部とともに本体によっても受けることができるため、突起部が受ける熱交換器の重量が低減される。このため、第1部材と扁平管とが摺動しても、この摺動により扁平管が破損することが抑制される。この結果、用いることができる扁平管の選択肢が増え、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0027】
第12観点の熱交換ユニットは、第1観点から第11観点のいずれかの熱交換ユニットであって、熱交換器は、扁平管の厚み方向が鉛直方向に対して傾斜した第2熱交換部を有する。第1部材は、第2熱交換部の鉛直下方において熱交換器に装着される。
【0028】
本熱交換ユニットによれば、第1部材は、第2熱交換部を支持しながら動きを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図4】利用ユニット3を
図3のA-A’線で切断した断面図である。
【
図6】第1利用熱交換部321を扁平管32aの厚み方向に沿って見た図である。
【
図7】第1利用熱交換部321を
図5のB面で切断した拡大断面図である。
【
図10】第1部材34及び第2部材35の第2ケーシング31への組み付け方を示した分解斜視図である。
【
図11】変形例Aに係る空気調和装置1の利用熱交換器32周辺を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(1)全体構成
本開示に係る熱交換ユニットは、用途を限定するものではないが、例えば、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを利用する空気調和装置の利用ユニットに用いられる。以下では、本開示の熱交換ユニットの一例である利用ユニット3が使用される空気調和装置1について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、対象空間である部屋RMの内部(室内)の空調を行う。空気調和装置1は、主として、熱源ユニット2と、利用ユニット3と、液冷媒連絡管5と、ガス冷媒連絡管6と、リモコン8と、制御部9とを有している。
【0032】
液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6は、熱源ユニット2と、利用ユニット3とを接続する。熱源ユニット2と、利用ユニット3と、液冷媒連絡管5と、ガス冷媒連絡管6と、は冷媒配管により環状に接続されて、冷媒回路100を構成する。冷媒回路100は、内部に冷媒が封入されている。詳細は後述するが、制御部9は、空気調和装置1の各機器を制御して、暖房運転、及び冷房運転等の空調運転を行う。
【0033】
図1は、空気調和装置1の全体構成を示す図である。
図2は、空気調和装置1の概念図である。以下の説明で用いる上、下、前、後、左、右の各方向は、
図1、
図3、
図4に矢印で示された方向に従う。
【0034】
(2)詳細構成
(2-1)熱源ユニット
熱源ユニット2は、部屋RMの外部(室外。例えば、建物の屋上や建物の外壁面近傍等。)に設置されている。熱源ユニット2は、主として、第1ケーシング21と、圧縮機22と、四路切換弁23と、熱源熱交換器24と、熱源膨張弁25と、熱源ファン26と、閉鎖弁27とを有している。
【0035】
(2-1-1)第1ケーシング
第1ケーシング21は、略直方体形状の筐体である。第1ケーシング21は、圧縮機22と、四路切換弁23と、熱源熱交換器24と、熱源膨張弁25と、熱源ファン26とを内部に収容する。
【0036】
(2-1-2)圧縮機
圧縮機22は、冷媒回路100において、低圧の冷媒を吸入側22aから吸入して、高圧になるまで圧縮した後、吐出側22bから吐出する。圧縮機22は、圧縮要素(図示省略)と、圧縮要素を回転駆動する圧縮機モータ(図示省略)を有する。圧縮機モータは、インバータ等を介して、制御部9により回転数が制御される。圧縮機22の容量は、制御部9が圧縮機モータの回転数を変えることにより制御される。
【0037】
(2-1-3)四路切換弁
四路切換弁23は、冷媒回路100において、冷媒の流れの方向を切り換える。四路切換弁23は、第1ポートP1と、第2ポートP2と、第3ポートP3と、第4ポートP4と、を有する。四路切換弁23は、制御部9により、第1ポートP1と第4ポートP4が互いに連通して第2ポートP2と第3ポートP3が互いに連通する第1状態(
図2において破線で示す状態)と、第1ポートP1と第2ポートP2が互いに連通して第3ポートP3と第4ポートP4が互いに連通する第2状態(
図2において実線で示す状態)との間で切り換えられる。
【0038】
第1ポートP1は、圧縮機22の吐出側22bに接続されている。第2ポートP2は、熱源熱交換器24のガス側に接続されている。第3ポートP3は、圧縮機22の吸入側22aに接続されている。第4ポートP4は、ガス冷媒連絡管6に接続されている。
【0039】
(2-1-4)熱源熱交換器
熱源熱交換器24は、冷媒と外気との熱交換を行う熱交換器である。熱源熱交換器24の一端は、熱源膨張弁25に接続されている。熱源熱交換器24の他端は、四路切換弁23の第2ポートP2に接続されている。
【0040】
(2-1-5)熱源膨張弁
熱源膨張弁25は、冷媒回路100において、冷媒を減圧する膨張機構である。熱源膨張弁25は、液冷媒連絡管5と、熱源熱交換器24の液側との間に設けられる。熱源膨張弁25は、開度制御が可能な電動膨張弁である。熱源膨張弁25の開度は、制御部9により制御される。
【0041】
(2-1-6)熱源ファン
熱源ファン26は、気流を生成し、外気を熱源熱交換器24に送る。熱源ファン26が外気を熱源熱交換器24に送ることにより、熱源熱交換器24内の冷媒と外気との熱交換が促される。熱源ファン26は、熱源ファンモータ26aによって回転駆動される。熱源ファン26の風量は、制御部9が熱源ファンモータ26aの回転数を変えることにより制御される。
【0042】
(2-1-7)閉鎖弁
閉鎖弁27は、手動で開閉される弁であり、例えば、空気調和装置1の設置時等に設置作業者によって開閉される。閉鎖弁27は、液側閉鎖弁27aと、ガス側閉鎖弁27bとを含む。液側閉鎖弁27aは、冷媒回路100において、熱源膨張弁25と液冷媒連絡管5との間に設けられる。ガス側閉鎖弁27bは、冷媒回路100において、四路切換弁23の第4ポートP4とガス冷媒連絡管6との間に設けられる。
【0043】
(2-2)利用ユニット
利用ユニット3は、部屋RMにおいて壁WLに掛けて設置される壁掛け型の室内空調機である。利用ユニット3は、主として、第2ケーシング31と、3つの利用熱交換器32と、利用ファン33と、2つの第1部材34と、2つの第2部材35とを有している。
【0044】
図3は、利用ユニット3の正面図である。
図4は、利用ユニット3を
図3のA-A’線で切断した断面図である。
図3は、便宜上、第2ケーシング31の一部を透過して、第2ケーシング31の内部を示している。
図4は、便宜上、第1部材34の突起部34b(後述)を透過して示している。
【0045】
(2-2-1)第2ケーシング
第2ケーシング31は、左右方向に長い略直方体形状の筐体である。第2ケーシング31は、利用熱交換器32と、利用ファン33と、第1部材34と、第2部材35とを内部に収容する。第2ケーシング31は、流入口31aと、吹出口31bと、開口31cとを有する。
【0046】
第2ケーシング31は、ケーシングの一例である。
【0047】
流入口31aは、室内の空気を第2ケーシング31の内部に流入させる開口である。流入口31aは、第2ケーシング31の前面の上部に形成されている。
【0048】
吹出口31bは、利用熱交換器32において冷媒と熱交換を行った空気が吹き出す開口である。吹出口31bは、第2ケーシング31の前面の下部に形成されている。吹出口31bは、フラップ31b1により閉塞されている。フラップ31b1は、制御部9によって姿勢(回転角度)が制御される。制御部9がフラップ31b1の姿勢を制御することにより、吹出口31bの開度が調整される。
【0049】
開口31cは、第2部材35の第1固定部35c(後述)を係合させるための開口である。詳細は後述するが、本実施形態では、第2部材35は、利用熱交換器32の左右方向における両端の近傍にそれぞれ設けられる。また、各第2部材35は、2つの第1固定部35cを有する。このため、開口31cも、利用熱交換器32の左右方向における両端の近傍にそれぞれ2つ形成される。
【0050】
(2-2-2)利用ファン
利用ファン33は、気流を生成する。利用ファン33が気流を生成することで、室内の空気が利用熱交換器32を通過する。室内の空気が利用熱交換器32を通過することにより、利用熱交換器32の冷媒と外気との熱交換が促される。利用ファン33は、回転軸が左右方向に沿って配置されたクロスフローファンである。
【0051】
利用ファン33は、利用ファンモータ33aによって回転駆動される。利用ファン33の風量は、制御部9が利用ファンモータ33aの回転数を変えることにより制御される。
【0052】
(2-2-3)利用熱交換器
利用熱交換器32は、冷媒回路100において、冷媒と室内の空気との熱交換を行う。利用熱交換器32の一端は、液冷媒連絡管5に接続されている。利用熱交換器32の他端は、ガス冷媒連絡管6に接続されている。
【0053】
利用熱交換器32は、熱交換器の一例である。
【0054】
本実施形態では、利用熱交換器32は、第1利用熱交換部321と、第2利用熱交換部322と、第3利用熱交換部323との3つの利用熱交換部により構成される。第1利用熱交換部321と、第2利用熱交換部322と、第3利用熱交換部323との相違点は、第2ケーシング31の内部における配置である。第1利用熱交換部321と、第2利用熱交換部322と、第3利用熱交換部323とは、構造は同一である。このため、以下では、第1利用熱交換部321を例にその構造を説明し、第2利用熱交換部322及び第3利用熱交換部323の構造の説明は省略する。なお、第1利用熱交換部321と、第2利用熱交換部322と、第3利用熱交換部323との、第2ケーシング31の内部における配置については後述する。
【0055】
なお、第1利用熱交換部321、第2利用熱交換部322、及び第3利用熱交換部323を総称する場合は、利用熱交換部321、322、323と呼ぶ。
【0056】
利用熱交換部321、322、323は、第1熱交換部の一例である。第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323は、第2熱交換部の一例である。
【0057】
図5は、第1利用熱交換部321の斜視図である。
図6は、第1利用熱交換部321を
図5のB面で切断した拡大断面図である。
図7は、第1利用熱交換部321を扁平管32aの厚み方向に沿って見た図である。
図7は、便宜上、第1部材34の一部も示している。以下の説明で用いる扁平管32aの厚み方向、幅方向、長手方向の各方向は、
図5、
図6、
図7に矢印で示された方向に従う。
【0058】
第1利用熱交換部321は、複数の扁平管32aと、複数の伝熱フィン32bと、第1ヘッダ32cと、第2ヘッダ32dと、第3ヘッダ32eとを有する。第1利用熱交換部321は、複数の伝熱フィン32bによって複数の扁平管32aが扁平管32aの厚み方向へ所定の間隔を空けて積層された積層型熱交換器である。本実施形態では、利用熱交換器32は、内側利用熱交換部32iと、外側利用熱交換部32oとを有する。
【0059】
扁平管32aは、内部に冷媒が流れる伝熱管である。扁平管32aは、横断面が扁平の長円形状に形成される。扁平管32aは、横断面に直交するように形成された冷媒流路32a1を複数有する多穴管である。複数の冷媒流路32a1は、扁平管32aの幅方向に並べて形成される。扁平管32aは、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金を用いて押し出し成形により形成される。本実施形態では、扁平管32aは、長手方向が左右方向に沿うように配置される。
【0060】
伝熱フィン32bは、複数の扁平管32aを所定の間隔を空けて支持する帯状の板材である。伝熱フィン32bは、扁平管32aを挿入するためのスリット状の切り欠き32b1が複数形成されている。切り欠き32b1は、伝熱フィン32bの厚み方向から見て、伝熱フィン32b長手方向に延びる端縁の一方から、当該端縁と直交しながら他方の端縁に向かって延びるように形成されている。複数の切り欠き32b1は、伝熱フィン32bの長手方向に所定の間隔を空けて形成されている。伝熱フィン32bは、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金を用いて形成される。
【0061】
扁平管32aは、幅方向が伝熱フィン32bの切り欠き32b1の延伸方向に沿って、切り欠き32b1に挿入される。複数の伝熱フィン32bは、扁平管32aの長手方向に所定の間隔を空けて並べられる。伝熱フィン32bと扁平管32aとは、切り欠き32b1においてロウ付けにより接合される。複数の扁平管32aは、端部が扁平管32aの厚み方向に沿って並ぶように伝熱フィン32bに接合される。
図5及び
図7は、便宜上、扁平管32aの長手方向に並べられた複数の伝熱フィン32bにより形成される外縁と、複数の伝熱フィン32bの一部とを図示する。
【0062】
内側利用熱交換部32iと、外側利用熱交換部32oとはどちらも、所定の数の扁平管32aを所定の数の伝熱フィン32bに接合して、略同一の形状に形成されている。内側利用熱交換部32iと、外側利用熱交換部32oとは、扁平管32aの厚み方向に重ねて配置される。これにより、
図6に矢印で示されるように、内側利用熱交換部32i及び外側利用熱交換部32oそれぞれの隣り合う扁平管32aの間の隙間及び隣り合う伝熱フィン32bの隙間によって、利用ファン33が生成する気流の流れる流路が形成される。内側利用熱交換部32iは、外側利用熱交換部32oよりも利用ファン33に近い位置に配置される。
【0063】
第1ヘッダ32c、第2ヘッダ32d、及び第3ヘッダ32eは、複数の扁平管32aの端部において複数の扁平管32aの冷媒流路32a1を互いに連通する筒状の部材である。
【0064】
第1ヘッダ32cは、内側利用熱交換部32iが有する扁平管32aの長手方向の一端において、複数の扁平管32aの冷媒流路32a1を互いに連通するように設けられる。具体的には、内側利用熱交換部32iが有する複数の扁平管32aの長手方向の一端は、第1ヘッダ32cの側面に形成された開口を通して第1ヘッダ32cに挿入され、ロウ付け等を用いて第1ヘッダ32cに固定される。
【0065】
第1ヘッダ32cは、第1ヘッダ32cに隣り合う内側利用熱交換部32iの伝熱フィン32bとの間に、第1部材34の突起部34b(後述)を挿入できる所定幅の隙間G1が形成されるように扁平管32aに固定される。第1ヘッダ32cは、分岐管32c1を介して液冷媒連絡管5に接続されている。
【0066】
第2ヘッダ32dは、内側利用熱交換部32iが有する扁平管32aの長手方向の他端及び外側利用熱交換部32oが有する扁平管32aの長手方向の他端において、内側利用熱交換部32iの複数の扁平管32aの冷媒流路32a1と、外側利用熱交換部32oの複数の扁平管32aの冷媒流路32a1とを互いに連通するように設けられる。具体的には、内側利用熱交換部32iが有する扁平管32aの長手方向の他端及び外側利用熱交換部32oが有する扁平管32aの長手方向の他端は、第2ヘッダ32dの側面に形成された開口を通して第2ヘッダ32dに挿入され、ロウ付け等を用いて第2ヘッダ32dに固定される。
【0067】
第2ヘッダ32dは、第2ヘッダ32dに隣り合う内側利用熱交換部32iの伝熱フィン32bとの間に、第1部材34の突起部34b(後述)を挿入できる所定幅の隙間G2が形成されるように扁平管32aに固定される。
【0068】
第3ヘッダ32eは、外側利用熱交換部32oが有する扁平管32aの長手方向の一端において、複数の扁平管32aの冷媒流路32a1を互いに連通するように設けられる。具体的には、外側利用熱交換部32oが有する複数の扁平管32aの長手方向の一端は、第3ヘッダ32eの側面に形成された開口を通して第3ヘッダ32eに挿入され、ロウ付け等を用いて第3ヘッダ32eに固定される。第3ヘッダ32eは、分岐管32e1を介してガス冷媒連絡管6に接続されている。
【0069】
これにより、液冷媒連絡管5を通って第1ヘッダ32cに流入した冷媒は、内側利用熱交換部32iの扁平管32aに形成された複数の冷媒流路32a1を通過して第3ヘッダ32eに流入する。第3ヘッダ32eに流入した冷媒は、外側利用熱交換部32oに形成された複数の冷媒流路32a1を通過して第2ヘッダ32dを通ってガス冷媒連絡管6に流入する。また、ガス冷媒連絡管6を通って第1ヘッダ32cに流入した冷媒は、外側利用熱交換部32oの扁平管32aに形成された複数の冷媒流路32a1を通過して第3ヘッダ32eに流入する。第3ヘッダ32eに流入した冷媒は、内側利用熱交換部32iに形成された複数の冷媒流路32a1を通過して第1ヘッダ32cを通って液冷媒連絡管5に流入する。
【0070】
なお、第1ヘッダ32c、第2ヘッダ32d、及び第3ヘッダ32eを総称する場合は、ヘッダ32c、32d、32eと呼ぶ。
【0071】
第1利用熱交換部321は、利用ユニット3を左右方向から見て、利用ファン33の前方において扁平管32aの厚み方向が上下方向(鉛直方向)に対して前方に傾斜するように設けられる。
【0072】
第2利用熱交換部322は、利用ユニット3を左右方向から見て、第1利用熱交換部321の上方において、扁平管32aの厚み方向が上下方向に対して後方に傾斜するように設けられる。
【0073】
第3利用熱交換部323は、利用ユニット3を左右方向から見て、利用ファン33の後方かつ上方において、扁平管32aの厚み方向が上下方向に対して前方に傾斜するように設けられる。
【0074】
(2-2-4)第1部材
第1部材34は、利用熱交換器32に装着され、利用熱交換器32を支持しながら、利用ユニット3の運転にともなう振動等による利用熱交換器32の動きを規制する。第1部材34は、板状の部材であって、利用ファン33の外周と利用熱交換器32とにより囲まれた領域において、利用熱交換器32の扁平管32aの左右両端に左右方向に対して直交するように配置される。第1部材34は、本体34aと、突起部34bとを有する。第1部材34は、硬質樹脂を用いて製造される。
【0075】
本開示において、第1部材34が利用熱交換器32に装着された状態とは、突起部34bが、厚み方向において隣り合う扁平管32aの間に突起部34bが挿入された状態をいう。
【0076】
本実施形態では、利用ユニット3は、2つの第1部材34を有している。2つの第1部材34はそれぞれ、本体34aが利用熱交換器32の隙間G1と隙間G2とに対向するように配置される。また、本実施形態では、第1部材34は、利用熱交換器32の第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323の鉛直下方、並びに第2利用熱交換部322の後方において利用熱交換器32に装着されている。
【0077】
【0078】
本体34aは、主に、第1断面34a1と、第2断面34a2と、第3断面34a3と、第4断面34a4とを有し、主面上に開口34a5が形成された、平面視において多角形状の部材である。
【0079】
第1断面34a1は、第1部材34が利用熱交換器32に装着された状態で、第1利用熱交換部321の内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接するとともに、扁平管32aの隙間G1又は隙間G2に対向するように形成される面である。
【0080】
第2断面34a2は、第1部材34が利用熱交換器32に装着された状態で、第2利用熱交換部322の内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接するとともに、扁平管32aの隙間G1又は隙間G2に対向するように形成される面である。
【0081】
第3断面34a3は、第1部材34が利用熱交換器32に装着された状態で、第3利用熱交換部323の内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接するとともに、扁平管32aの隙間G1又は隙間G2に対向するように形成される面である。
【0082】
第4断面34a4は、利用ファン33の左右方向における両端の外方に位置するように形成される面である。本実施形態では、第4断面34a4は、第2部材35の本体35a(後述)と当接するように形成される。
【0083】
開口34a5は、第2部材35の第2固定部35d(後述)を係合させるための開口である。
【0084】
突起部34bは、第1断面34a1、第2断面34a2、及び第3断面34a3のそれぞれが内側利用熱交換部32iの扁平管32aに当接する状態で、隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入される。突起部34bは、柱状の突起である。突起部34bは、第1突起部34b1と、第2突起部34b2と、第3突起部34b3とを有する。
【0085】
第1突起部34b1は、第1断面34a1に当接する内側利用熱交換部32iの隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入される。第1突起部34b1は、第1断面34a1から突き出すように形成される。
【0086】
第2突起部34b2は、第2断面34a2に当接する内側利用熱交換部32iの隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入される。第2突起部34b2は、第2断面34a2から突き出すように形成される。
【0087】
第3突起部34b3は、第3断面34a3に当接する内側利用熱交換部32iの隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入される。第3突起部34b3は、第3断面34a3から突き出すように形成される。
【0088】
本実施形態では、利用熱交換器32の左側に設けられた第1部材34は、第1突起部34b1、第2突起部34b2、及び第3突起部34b3をいずれも3本ずつ有している。また、利用熱交換器32の右側に設けられた第1部材34は、第1突起部34b1、第2突起部34b2、及び第3突起部34b3をいずれも2本ずつ有している。第1突起部34b1、第2突起部34b2、及び第3突起部34b3の数は、2本及び3本に限定されず、1本でもよいし、4本以上でもよい。また、第1部材34が有する第1突起部34b1、第2突起部34b2、及び第3突起部34b3の数は、利用熱交換器32の左側と右側とで互いに同数であってもよいし、同数でなくてもよい。
【0089】
以上で説明をしたように、第1部材34は、突起部34bが、内側利用熱交換部32iの隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入されることにより、扁平管32aの厚み方向又は長手方向への利用熱交換器32の動きを規制する。同時に、第1部材34は、利用熱交換器32に装着された状態で、本体34a(具体的には、第1断面34a1、第2断面34a2、及び第3断面34a3)が、内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接することにより、利用熱交換器32を支持する。
【0090】
(2-2-5)第2部材
第2部材35は、第2ケーシング31と第1部材34との両方に対して固定されており、第1部材34を介して利用熱交換器32を支持する。第2部材35は、本体35aと、挿入部35bと、2つの第1固定部35cと、第2固定部35dとを有する。
【0091】
本実施形態では、利用ユニット3は、2つの第2部材35を有している。2つの第2部材35はそれぞれ、利用熱交換器32の右側に配置された第1部材34と、利用熱交換器32の左側に配置された第1部材34とを支持するように配置される。
【0092】
図9は、第2部材35の斜視図である。
図10は、第1部材34及び第2部材35の第2ケーシング31への組み付け方を示した分解斜視図である。
【0093】
本体35aは、左右方向から見て、利用ファン33の上方を部分的に覆う円弧形状の板状部材である。本実施形態では、本体35aは、第1部材34の第4断面34a4に当接するように形成されている。
【0094】
挿入部35bは、第1部材34の左右方向における動きを規制する。挿入部35bは、左右方向に対して直交するように本体35aから突出する板状部材により構成される。挿入部35bを構成する板状部材は、第1部材34の本体34aを左右方向から挟み込むように、左右方向において所定幅の隙間を空けて設けられる。第1部材34は、
図10に示されるように、本体34aが挿入部35bにより形成される隙間に挿入される。
【0095】
第1固定部35cは、第2部材35を第2ケーシング31に対して固定する。本実施形態では、第1固定部35cは、第2ケーシング31の開口31cに係合する爪である。第1固定部35cは、左右方向から見て、本体35aの円周方向における端部から下方に向かって突き出るように形成されている。
図10及び
図4に示されるように、利用ファン33の上方を本体35aによって覆うことにより、第1固定部35cが開口31cに係合する。第1固定部35cが開口31cに係合することにより、第2部材35の上下方向への動きが規制されて、第2部材35が第2ケーシング31に対して固定される。
【0096】
第2固定部35dは、第1部材34を第2部材35に対して固定する。本実施形態では、第2固定部35dは、第1部材34の開口34a5に係合する爪である。
図10に示されるように、第1部材34が挿入部35bに挿入されることにより、第2固定部35dが開口34a5に係合する。第2固定部35dが開口34a5に係合することにより、第1部材34が第2部材35に対して固定され、第1部材34の上下方向への動きが規制される。
【0097】
以上で説明をしたように、第1部材34が第2部材35に対して固定されるとともに、第2部材35が第2ケーシング31に対して固定されることで、第2部材35は、第1部材34を介して利用熱交換器32を支持することができる。
【0098】
本実施形態に係る第2部材35は、利用熱交換器32において発生した凝縮水を利用ファン33の前後それぞれにおいて第2部材35の下方に設けられたドレンパン(図示省略)へ流す機能も兼ねる。具体的には、利用熱交換器32において発生した凝縮水は、利用熱交換器32の端部から本体35aに落下すると、本体35aの上面に沿って前方側端部又は後方側端部に移動しドレンパンへ落下する。
【0099】
(2-3)リモコン
リモコン8は、ユーザーから暖房運転、冷房運転、及び加湿運転等の実行指示、空気調和装置1の停止指示、並びに設定温度Ts等の設定値を受け付け、受け付けた結果を制御信号として制御部9に送信する。
【0100】
(2-4)制御部
制御部9は、主に、圧縮機22と、四路切換弁23と、熱源膨張弁25と、熱源ファン26と、利用ファン33とリモコン8とに制御信号を送受信可能に接続されている。詳細は後述するが、制御部9は、圧縮機22と、四路切換弁23と、熱源膨張弁25と、熱源ファン26と、利用ファン33と、をそれぞれ運転制御することで冷媒回路100を制御する。
【0101】
制御部9は、典型的には、制御演算装置と、記憶装置と(いずれも図示省略)、を備えるコンピュータにより実現される。制御演算装置は、CPU又はGPUといったプロセッサである。制御演算装置は、記憶装置に記憶されている制御プログラムを読み出し、この制御プログラムにしたがって運転制御を行う。さらに、制御演算装置は、制御プログラムしたがって、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0102】
なお、
図2は概略図である。制御部9は、熱源ユニット2の内部に設けられた室外制御部と、利用ユニット3の内部に設けられた室内制御部とにより構成され、室外制御部と室内制御部とが互いに制御信号を送受信可能な通信線で接続されてもよい。
【0103】
(3)空調運転
次に、制御部9が実行する空調運転である、暖房運転、及び冷房運転について説明する。
【0104】
(3-1)暖房運転
制御部9は、リモコン8から暖房運転の実行指示についての制御信号を受信すると暖房運転を開始する。暖房運転に際して、制御部9は、四路切換弁23を第1状態へ切り換える(
図2の破線参照)。さらに、制御部9は、熱源膨張弁25を、リモコン8から受信した設定温度Tsに対応する開度とし、圧縮機22を運転し、利用ファン33を回転駆動する。これにより、熱源熱交換器24が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用熱交換器32が冷媒の凝縮器として機能する。
【0105】
暖房運転の間、冷媒回路100は、次のように機能する。圧縮機22から吐出された高圧の冷媒は、利用熱交換器32で、利用ファン33によって送られる室内の空気と熱交換して凝縮する。これにより、室内の空気は、加熱され、調和空気として室内に排出される。凝縮した冷媒は、熱源膨張弁25を通過して減圧された後、熱源熱交換器24で、熱源ファン26によって送られる外気と熱交換して蒸発する。熱源熱交換器24を通過した冷媒は、圧縮機22へ吸入されて圧縮される。
【0106】
(3-2)冷房運転
制御部9は、リモコン8から冷房運転の実行指示についての制御信号を受信すると冷房運転を開始する。冷房運転に際して、制御部9は、四路切換弁23を第2状態へ切り換える(
図1の実線参照)。さらに、制御部9は、熱源膨張弁25を、リモコン8から受信した設定温度Tsに対応する開度とし、圧縮機22を運転し、利用ファン33を回転駆動する。これにより、熱源熱交換器24が冷媒の凝縮器として機能し、かつ、利用熱交換器32が冷媒の蒸発器として機能する。
【0107】
冷房運転の間、冷媒回路100は、次のように機能する。圧縮機22から吐出された高圧の冷媒は、熱源熱交換器24で、熱源ファン26によって送られる外気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、熱源膨張弁25を通過して減圧された後、利用熱交換器32で、利用ファン33によって送られる室内の空気と熱交換して蒸発する。これにより、室内の空気は冷却され、調和空気として室内に排出される。利用熱交換器32を通過した冷媒は、圧縮機22へ吸入されて圧縮される。
【0108】
(4)特徴
(4-1)
利用ユニット3は、利用熱交換器32と、第1部材34と、第2部材35とを備える。利用熱交換器32は、複数の扁平管32aが伝熱フィン32bによって厚み方向へ所定の間隔を空けて積層されている。第1部材34は、利用熱交換器32に装着される。第2部材35は、第1部材34を介して利用熱交換器32を支持する。第1部材34は、本体34a及び本体34aから突き出る突起部34bを有する。突起部34bは、隣り合う扁平管32aの間に挿入されている。
【0109】
利用ユニット3では、第1部材34が有する突起部34bが、隣り合う扁平管32aの間に挿入されることで、扁平管32aの厚み方向又は長手方向への利用熱交換器32の動きが規制される。これにより、ブラケットに設けた管孔に伝熱管を挿入して熱交換器の移動を制限する場合と比べて、扁平管32aと扁平管32aに接触して動きを規制する部材(第1部材34)との接触面積を大幅に減らすことができる。したがって、利用ユニット3の運転による振動等によって第1部材34と扁平管32aとが摺動しても、この摺動により扁平管32aが破損することが抑制される。この結果、扁平管32aに用いることができる材料の選択肢が増え、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0110】
(4-2)
第1部材34は、突起部34bを複数有する。複数の熱交換部(第1利用熱交換部321、第2利用熱交換部322、及び第3利用熱交換部323)を含む利用熱交換器32を備える利用ユニット3では、第1部材34は、利用熱交換部321、322、323のそれぞれに対して複数の突起部34bを有する。
【0111】
利用ユニット3によれば、第1部材34が複数の突起部34bを有することにより、扁平管32aの厚み方向又は長手方向への利用熱交換器32の移動が効果的に規制される。
【0112】
(4-3)
突起部34bは、柱状である。
【0113】
突起部34bが柱状に形成されることにより、突起部34bを隣り合う扁平管32aの間に容易に挿入することが可能となる。このため、利用ユニット3の製造が容易になり、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0114】
(4-4)
第1部材34は、樹脂を用いて製造されている。
【0115】
第1部材34が樹脂を用いて製造されることにより、金属を用いて製造される場合と比べて突起部34bの硬度を低減させることができる。このため、第1部材34と扁平管32aとが摺動しても、この摺動により扁平管32aが破損することが抑制される。この結果、扁平管32aに用いることができる材料の選択肢が増え、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0116】
(4-5)
利用ユニット3は、第2ケーシング31と、第2ケーシング31に固定された第2部材35とをさらに有している。第1部材34は、係合により第2部材35に対して固定されている。
【0117】
(4-6)
第1部材34は、本体34aが伝熱フィン32bに当接している。
【0118】
より詳細には、第1部材34は、利用熱交換器32に装着された状態で、本体34aの第1断面34a1、第2断面34a2、及び第3断面34a3が、内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接するように形成されている。このため、第1部材34は、本体34aの第1断面34a1、第2断面34a2、及び第3断面34a3と、内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bとの当接によって利用熱交換器32の重量を受けることができる。これにより、突起部34bが受ける利用熱交換器32の重量が略ゼロとなるか大幅に低減されため、第1部材34と扁平管32aとが摺動しても、この摺動により扁平管32aが破損することが抑制される。この結果、用いることができる扁平管32aの選択肢が増え、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0119】
(4-7)
利用熱交換器32は、左右方向から見て、扁平管32aの厚み方向が鉛直方向に対して傾斜した第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323を有する。第1部材34は、第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323の鉛直下方において利用熱交換部321に装着される。
【0120】
これにより、利用ユニット3では、第1部材34は、第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323を支持しながら、第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323の動きを規制することができる。
【0121】
(5)変形例
(5-1)変形例A
突起部34bは、扁平管32aに係合する爪部34cを有していてもよい。爪部34cは、突起部34bが隣り合う扁平管32aの間に挿入されることにより、内側利用熱交換部32iの扁平管32aの、外側利用熱交換部32o側の端部に係合するように形成される。
【0122】
図11は、変形例Aに係る空気調和装置1の利用熱交換器32周辺を拡大した断面図である。
【0123】
爪部34cが扁平管32aの端部に係合することで、第1部材34は、利用熱交換器32の動きを効果的に規制できる。
【0124】
(5-2)変形例B
第1部材34は、樹脂以外を用いて製造されてもよい。第1部材34は、金属を用いて製造され、樹脂コーティングが表面に施されてもよい。また、第1部材34は、金属を用いて製造され、絶縁ゴムが表面に取り付けられていてもよい。
【0125】
これにより、樹脂コーティング又は絶縁ゴムにより第1部材34の表面の硬度を低く抑えることで摺動による扁平管32aの破損を効果的に抑制しながら、第1部材34の剛性を高く確保できる。
【0126】
(5-3)変形例C
上記実施形態では、第2固定部35dが第1部材34の開口34a5に係合することにより、第1部材34が第2部材35に対して固定されたが、固定方法はこれに限定されない。例えば、第1部材34は、ビス止めにより第2部材35に対して固定されてもよい。
【0127】
(5-4)変形例D
第1部材34は、本体34aがヘッダ32c、32d、32eのいずれかに当接していてもよい。
【0128】
第1部材34の本体34aがヘッダ32c、32d、32eのいずれかに当接することにより、第1部材34は、本体34aと、ヘッダ32c、32d、32eのいずれかとの当接によって利用熱交換器32の重量を受けることができる。これにより、突起部34bが受ける利用熱交換器32の重量が低減される。これにより、突起部34bが受ける利用熱交換器32の重量が略ゼロとなるか大幅に低減されため、第1部材34と扁平管32aとが摺動しても、この摺動により扁平管32aが破損することが抑制される。この結果、用いることができる扁平管32aの選択肢が増え、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0129】
(5-5)変形例E
上記実施形態では、利用熱交換器32は複数の利用熱交換部321、322、323を有していたが、利用熱交換器32は1つの熱交換部だけにより構成されてもよい。
【0130】
(5-6)変形例F
以上では、第2ケーシング31とは別の第2部材35が第1部材34を介して利用熱交換器32を支持する例を実施形態として説明したが、第2ケーシング31が第2部材であってもよい。言い換えると、第2ケーシング31が第2部材として機能することで、第1部材34を支持してもよい。
【0131】
(5-7)変形例G
以上では、第1部材34を備える利用ユニット3を実施形態として説明をしたが、熱源ユニット2が熱源熱交換器24に装着される第1部材を備えていてもよい。
【0132】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0133】
1 空気調和装置
100 冷媒回路
2 熱源ユニット
3 利用ユニット
31 第2ケーシング(ケーシング)
32 利用熱交換器
321 第1利用熱交換部
322 第2利用熱交換部
323 第3利用熱交換部
32a 扁平管
32b 伝熱フィン
32c 第1ヘッダ
32d 第2ヘッダ
32e 第3ヘッダ
33 利用ファン
34 第1部材
34a 本体
34b 突起部
34c 爪部
35 第2部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の扁平管(32a)が伝熱フィン(32b)によって厚み方向へ所定の間隔を空けて積層された熱交換器(32)と、
前記熱交換器に装着され、前記熱交換器の動きを規制する第1部材(34)と
を備え、
前記第1部材は、
本体(34a)及び前記本体から突き出る突起部(34b)を有し、前記突起部が隣り合う前記扁平管の間に挿入され、
前記本体が前記伝熱フィンに当接する、
熱交換ユニット。
【請求項2】
前記本体は、
前記伝熱フィンの鉛直方向下側の端部に当接する、
請求項1に記載の熱交換ユニット。
【請求項3】
前記第1部材は、
前記熱交換器を支持する、
請求項2に記載の熱交換ユニット。
【請求項4】
前記第1部材は、
前記突起部を複数有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項5】
前記熱交換器は、
複数の第1熱交換部(321、322、323)を含み、
前記第1部材は、
複数の前記第1熱交換部のそれぞれに対して複数の前記突起部を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項6】
前記突起部は、
柱状である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項7】
前記突起部は、
前記扁平管に係合する爪部(34c)を有する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項8】
前記第1部材は、
樹脂を用いて製造されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項9】
前記第1部材は、
金属を用いて製造され、樹脂コーティングが表面に施されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項10】
前記第1部材は、
金属を用いて製造され、絶縁ゴムが表面に取り付けられている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項11】
ケーシング(31)と、前記ケーシングに固定された第2部材(35)とをさらに備え、
前記第1部材は、
ビス止め又は係合により前記第2部材に対して固定されている、
請求項1から10のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項12】
前記熱交換器は、
複数の前記扁平管の端部を互いに接続するヘッダ(32c、32d、32e)をさらに有し、
前記第1部材は、
前記本体が前記ヘッダに当接している、
請求項1から11のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【請求項13】
前記熱交換器は、
前記扁平管の前記厚み方向が鉛直方向に対して傾斜した第2熱交換部(321、323)を有し、
前記第1部材は、
前記第2熱交換部の鉛直下方において前記熱交換器に装着される、
請求項1から12のいずれか1項に記載の熱交換ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
熱交換ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
鉛直方向に所定の間隔を空けて略平行に配置された複数の伝熱管と、当該伝熱管に接合された複数の伝熱フィンとを有する熱交換器を備えた熱交換ユニットが知られている。
【0003】
特許文献1(国際公開第2018/128035号)は、薄く扁平した扁平管が伝熱管に用いられた熱交換器と、当該熱交換器を支持しながらその動きを規制する部材であるブラケットとを備える熱交換ユニット(室外熱交換器)を開示している。特許文献1の熱交換ユニットでは、ブラケットは、伝熱管を挿入する管孔が形成された板状部材である。管孔に挿入された伝熱管は、ロウ付けによりブラケットに接合されることで、筐体に対して固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロウ付けを用いた接合箇所は、経年により生じた腐食によってブラケットと伝熱管とを接合できなくなることがある。このような場合、熱交換ユニットの運転にともなう振動等によって、伝熱管がブラケットに形成された管孔に対して摺動する。特許文献1の熱交換ユニットのように肉厚が比較的薄く形成された扁平管が伝熱管として用いられる場合には、扁平管が管孔との摺動箇所から破損する恐れがあるため、扁平管に用いることができる材料の選択肢が限定され、製造コストが増加しやすいという課題があった。
【0005】
本開示は、他の部材との摺動に起因する扁平管の破損を抑制することで製造コストの増加を抑制できる熱交換ユニットを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の熱交換ユニットは、熱交換器と、第1部材とを備える。熱交換器は、複数の扁平管が伝熱フィンによって厚み方向へ所定の間隔を空けて積層される。第1部材は、熱交換器に装着される。第1部材は、本体及び本体から突き出る突起部を有し、突起部が隣り合う扁平管の間に挿入されている。第1部材は、本体が伝熱フィンに当接する。
【0007】
本熱交換ユニットによれば、ブラケットに設けた管孔に伝熱管を挿入して熱交換器の移動を制限する場合と比べて、扁平管と、扁平管に接触して移動を規制する部材(第1部材)との接触面積を大幅に減らすことができる。したがって、利用ユニットの運転による振動等によって第1部材と扁平管とが摺動しても、この摺動により扁平管が破損することが抑制される。この結果、扁平管に用いることができる材料の選択肢が増え、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0008】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が、本体と、伝熱フィンとの当接によって熱交換器の重量を受けることができる。これにより、突起部が受ける熱交換器の重量が略ゼロとなるか大幅に低減されため、第1部材と扁平管とが摺動しても、この摺動により扁平管が破損することが抑制される。この結果、用いることができる扁平管の選択肢が増え、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0009】
第2観点の熱交換ユニットは、第1観点の熱交換ユニットであって、本体が、伝熱フィンの鉛直方向下側の端部に当接する。
【0010】
第3観点の熱交換ユニットは、第2観点の熱交換ユニットであって、第1部材が、熱交換器を支持する。
【0011】
第4観点の熱交換ユニットは、第1観点から第3観点のいずれかの熱交換ユニットであって、第1部材は、突起部を複数有する。
【0012】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が複数の突起部を有することにより、熱交換器の移動が効果的に規制される。
【0013】
第5観点の熱交換ユニットは、第1観点から第4観点のいずれかの熱交換ユニットであって、熱交換器は、複数の第1熱交換部を含む。第1部材は、複数の第1熱交換部のそれぞれに対して複数の突起部を有する。
【0014】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が複数の突起部を有することにより、熱交換器の移動が効果的に規制される。
【0015】
第6観点の熱交換ユニットは、第1観点から第5観点のいずれかの熱交換ユニットであって、突起部は、柱状である。
【0016】
本熱交換ユニットによれば、突起部を隣り合う扁平管の間に容易に挿入することが可能となる。このため、熱交換ユニットの製造が容易になり、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0017】
第7観点の熱交換ユニットは、第1観点から第6観点のいずれかの熱交換ユニットであって、突起部は、扁平管に係合する爪部を有する。
【0018】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が、熱交換器の動きを効果的に規制できる。
【0019】
第8観点の熱交換ユニットは、第1観点から第7観点のいずれかの熱交換ユニットであって、第1部材は、樹脂を用いて製造されている。
【0020】
本熱交換ユニットによれば、金属を用いて製造される場合と比べて突起部の硬度を低減させることができる。このため、第1部材と扁平管とが摺動しても、この摺動により扁平管が破損することが抑制される。この結果、扁平管に用いることができる材料の選択肢が増え、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0021】
第9観点の熱交換ユニットは、第1観点から第7観点のいずれかの熱交換ユニットであって、第1部材は、金属を用いて製造され、樹脂コーティングが表面に施されている。
【0022】
本熱交換ユニットによれば、樹脂コーティングにより第1部材の表面の硬度を低く抑えることで摺動による扁平管の破損を効果的に抑制しながら、第1部材の剛性を高く確保できる。
【0023】
第10観点の熱交換ユニットは、第1観点から第7観点のいずれかの熱交換ユニットであって、第1部材は、金属を用いて製造され、絶縁ゴムが表面に取り付けられている。
【0024】
本熱交換ユニットによれば、絶縁ゴムにより第1部材の表面の硬度を低く抑えることで摺動による扁平管の破損を効果的に抑制しながら、第1部材の剛性を高く確保できる。
【0025】
第11観点の熱交換ユニットは、第1観点から第10観点のいずれかの熱交換ユニットであって、ケーシングと、ケーシングに固定された第2部材とをさらに備える。第1部材は、ビス止め又は係合により第2部材に対して固定されている。
【0026】
第12観点の熱交換ユニットは、第1観点から第11観点のいずれかの熱交換ユニットであって、熱交換器は、複数の扁平管の端部を互いに接続するヘッダをさらに有する。第1部材は、本体がヘッダに当接している。
【0027】
本熱交換ユニットによれば、第1部材が、熱交換器の重量を突起部とともに本体によっても受けることができるため、突起部が受ける熱交換器の重量が低減される。このため、第1部材と扁平管とが摺動しても、この摺動により扁平管が破損することが抑制される。この結果、用いることができる扁平管の選択肢が増え、熱交換ユニットの製造コストが抑制される。
【0028】
第13観点の熱交換ユニットは、第1観点から第12観点のいずれかの熱交換ユニットであって、熱交換器は、扁平管の厚み方向が鉛直方向に対して傾斜した第2熱交換部を有する。第1部材は、第2熱交換部の鉛直下方において熱交換器に装着される。
【0029】
本熱交換ユニットによれば、第1部材は、第2熱交換部を支持しながら動きを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図4】利用ユニット3を
図3のA-A’線で切断した断面図である。
【
図6】第1利用熱交換部321を扁平管32aの厚み方向に沿って見た図である。
【
図7】第1利用熱交換部321を
図5のB面で切断した拡大断面図である。
【
図10】第1部材34及び第2部材35の第2ケーシング31への組み付け方を示した分解斜視図である。
【
図11】変形例Aに係る空気調和装置1の利用熱交換器32周辺を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(1)全体構成
本開示に係る熱交換ユニットは、用途を限定するものではないが、例えば、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを利用する空気調和装置の利用ユニットに用いられる。以下では、本開示の熱交換ユニットの一例である利用ユニット3が使用される空気調和装置1について、図面を参照しながら説明する。
【0032】
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、対象空間である部屋RMの内部(室内)の空調を行う。空気調和装置1は、主として、熱源ユニット2と、利用ユニット3と、液冷媒連絡管5と、ガス冷媒連絡管6と、リモコン8と、制御部9とを有している。
【0033】
液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6は、熱源ユニット2と、利用ユニット3とを接続する。熱源ユニット2と、利用ユニット3と、液冷媒連絡管5と、ガス冷媒連絡管6と、は冷媒配管により環状に接続されて、冷媒回路100を構成する。冷媒回路100は、内部に冷媒が封入されている。詳細は後述するが、制御部9は、空気調和装置1の各機器を制御して、暖房運転、及び冷房運転等の空調運転を行う。
【0034】
図1は、空気調和装置1の全体構成を示す図である。
図2は、空気調和装置1の概念図である。以下の説明で用いる上、下、前、後、左、右の各方向は、
図1、
図3、
図4に矢印で示された方向に従う。
【0035】
(2)詳細構成
(2-1)熱源ユニット
熱源ユニット2は、部屋RMの外部(室外。例えば、建物の屋上や建物の外壁面近傍等。)に設置されている。熱源ユニット2は、主として、第1ケーシング21と、圧縮機22と、四路切換弁23と、熱源熱交換器24と、熱源膨張弁25と、熱源ファン26と、閉鎖弁27とを有している。
【0036】
(2-1-1)第1ケーシング
第1ケーシング21は、略直方体形状の筐体である。第1ケーシング21は、圧縮機22と、四路切換弁23と、熱源熱交換器24と、熱源膨張弁25と、熱源ファン26とを内部に収容する。
【0037】
(2-1-2)圧縮機
圧縮機22は、冷媒回路100において、低圧の冷媒を吸入側22aから吸入して、高圧になるまで圧縮した後、吐出側22bから吐出する。圧縮機22は、圧縮要素(図示省略)と、圧縮要素を回転駆動する圧縮機モータ(図示省略)を有する。圧縮機モータは、インバータ等を介して、制御部9により回転数が制御される。圧縮機22の容量は、制御部9が圧縮機モータの回転数を変えることにより制御される。
【0038】
(2-1-3)四路切換弁
四路切換弁23は、冷媒回路100において、冷媒の流れの方向を切り換える。四路切換弁23は、第1ポートP1と、第2ポートP2と、第3ポートP3と、第4ポートP4と、を有する。四路切換弁23は、制御部9により、第1ポートP1と第4ポートP4が互いに連通して第2ポートP2と第3ポートP3が互いに連通する第1状態(
図2において破線で示す状態)と、第1ポートP1と第2ポートP2が互いに連通して第3ポートP3と第4ポートP4が互いに連通する第2状態(
図2において実線で示す状態)との間で切り換えられる。
【0039】
第1ポートP1は、圧縮機22の吐出側22bに接続されている。第2ポートP2は、熱源熱交換器24のガス側に接続されている。第3ポートP3は、圧縮機22の吸入側22aに接続されている。第4ポートP4は、ガス冷媒連絡管6に接続されている。
【0040】
(2-1-4)熱源熱交換器
熱源熱交換器24は、冷媒と外気との熱交換を行う熱交換器である。熱源熱交換器24の一端は、熱源膨張弁25に接続されている。熱源熱交換器24の他端は、四路切換弁23の第2ポートP2に接続されている。
【0041】
(2-1-5)熱源膨張弁
熱源膨張弁25は、冷媒回路100において、冷媒を減圧する膨張機構である。熱源膨張弁25は、液冷媒連絡管5と、熱源熱交換器24の液側との間に設けられる。熱源膨張弁25は、開度制御が可能な電動膨張弁である。熱源膨張弁25の開度は、制御部9により制御される。
【0042】
(2-1-6)熱源ファン
熱源ファン26は、気流を生成し、外気を熱源熱交換器24に送る。熱源ファン26が外気を熱源熱交換器24に送ることにより、熱源熱交換器24内の冷媒と外気との熱交換が促される。熱源ファン26は、熱源ファンモータ26aによって回転駆動される。熱源ファン26の風量は、制御部9が熱源ファンモータ26aの回転数を変えることにより制御される。
【0043】
(2-1-7)閉鎖弁
閉鎖弁27は、手動で開閉される弁であり、例えば、空気調和装置1の設置時等に設置作業者によって開閉される。閉鎖弁27は、液側閉鎖弁27aと、ガス側閉鎖弁27bとを含む。液側閉鎖弁27aは、冷媒回路100において、熱源膨張弁25と液冷媒連絡管5との間に設けられる。ガス側閉鎖弁27bは、冷媒回路100において、四路切換弁23の第4ポートP4とガス冷媒連絡管6との間に設けられる。
【0044】
(2-2)利用ユニット
利用ユニット3は、部屋RMにおいて壁WLに掛けて設置される壁掛け型の室内空調機である。利用ユニット3は、主として、第2ケーシング31と、3つの利用熱交換器32と、利用ファン33と、2つの第1部材34と、2つの第2部材35とを有している。
【0045】
図3は、利用ユニット3の正面図である。
図4は、利用ユニット3を
図3のA-A’線で切断した断面図である。
図3は、便宜上、第2ケーシング31の一部を透過して、第2ケーシング31の内部を示している。
図4は、便宜上、第1部材34の突起部34b(後述)を透過して示している。
【0046】
(2-2-1)第2ケーシング
第2ケーシング31は、左右方向に長い略直方体形状の筐体である。第2ケーシング31は、利用熱交換器32と、利用ファン33と、第1部材34と、第2部材35とを内部に収容する。第2ケーシング31は、流入口31aと、吹出口31bと、開口31cとを有する。
【0047】
第2ケーシング31は、ケーシングの一例である。
【0048】
流入口31aは、室内の空気を第2ケーシング31の内部に流入させる開口である。流入口31aは、第2ケーシング31の前面の上部に形成されている。
【0049】
吹出口31bは、利用熱交換器32において冷媒と熱交換を行った空気が吹き出す開口である。吹出口31bは、第2ケーシング31の前面の下部に形成されている。吹出口31bは、フラップ31b1により閉塞されている。フラップ31b1は、制御部9によって姿勢(回転角度)が制御される。制御部9がフラップ31b1の姿勢を制御することにより、吹出口31bの開度が調整される。
【0050】
開口31cは、第2部材35の第1固定部35c(後述)を係合させるための開口である。詳細は後述するが、本実施形態では、第2部材35は、利用熱交換器32の左右方向における両端の近傍にそれぞれ設けられる。また、各第2部材35は、2つの第1固定部35cを有する。このため、開口31cも、利用熱交換器32の左右方向における両端の近傍にそれぞれ2つ形成される。
【0051】
(2-2-2)利用ファン
利用ファン33は、気流を生成する。利用ファン33が気流を生成することで、室内の空気が利用熱交換器32を通過する。室内の空気が利用熱交換器32を通過することにより、利用熱交換器32の冷媒と外気との熱交換が促される。利用ファン33は、回転軸が左右方向に沿って配置されたクロスフローファンである。
【0052】
利用ファン33は、利用ファンモータ33aによって回転駆動される。利用ファン33の風量は、制御部9が利用ファンモータ33aの回転数を変えることにより制御される。
【0053】
(2-2-3)利用熱交換器
利用熱交換器32は、冷媒回路100において、冷媒と室内の空気との熱交換を行う。利用熱交換器32の一端は、液冷媒連絡管5に接続されている。利用熱交換器32の他端は、ガス冷媒連絡管6に接続されている。
【0054】
利用熱交換器32は、熱交換器の一例である。
【0055】
本実施形態では、利用熱交換器32は、第1利用熱交換部321と、第2利用熱交換部322と、第3利用熱交換部323との3つの利用熱交換部により構成される。第1利用熱交換部321と、第2利用熱交換部322と、第3利用熱交換部323との相違点は、第2ケーシング31の内部における配置である。第1利用熱交換部321と、第2利用熱交換部322と、第3利用熱交換部323とは、構造は同一である。このため、以下では、第1利用熱交換部321を例にその構造を説明し、第2利用熱交換部322及び第3利用熱交換部323の構造の説明は省略する。なお、第1利用熱交換部321と、第2利用熱交換部322と、第3利用熱交換部323との、第2ケーシング31の内部における配置については後述する。
【0056】
なお、第1利用熱交換部321、第2利用熱交換部322、及び第3利用熱交換部323を総称する場合は、利用熱交換部321、322、323と呼ぶ。
【0057】
利用熱交換部321、322、323は、第1熱交換部の一例である。第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323は、第2熱交換部の一例である。
【0058】
図5は、第1利用熱交換部321の斜視図である。
図6は、第1利用熱交換部321を
図5のB面で切断した拡大断面図である。
図7は、第1利用熱交換部321を扁平管32aの厚み方向に沿って見た図である。
図7は、便宜上、第1部材34の一部も示している。以下の説明で用いる扁平管32aの厚み方向、幅方向、長手方向の各方向は、
図5、
図6、
図7に矢印で示された方向に従う。
【0059】
第1利用熱交換部321は、複数の扁平管32aと、複数の伝熱フィン32bと、第1ヘッダ32cと、第2ヘッダ32dと、第3ヘッダ32eとを有する。第1利用熱交換部321は、複数の伝熱フィン32bによって複数の扁平管32aが扁平管32aの厚み方向へ所定の間隔を空けて積層された積層型熱交換器である。本実施形態では、利用熱交換器32は、内側利用熱交換部32iと、外側利用熱交換部32oとを有する。
【0060】
扁平管32aは、内部に冷媒が流れる伝熱管である。扁平管32aは、横断面が扁平の長円形状に形成される。扁平管32aは、横断面に直交するように形成された冷媒流路32a1を複数有する多穴管である。複数の冷媒流路32a1は、扁平管32aの幅方向に並べて形成される。扁平管32aは、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金を用いて押し出し成形により形成される。本実施形態では、扁平管32aは、長手方向が左右方向に沿うように配置される。
【0061】
伝熱フィン32bは、複数の扁平管32aを所定の間隔を空けて支持する帯状の板材である。伝熱フィン32bは、扁平管32aを挿入するためのスリット状の切り欠き32b1が複数形成されている。切り欠き32b1は、伝熱フィン32bの厚み方向から見て、伝熱フィン32b長手方向に延びる端縁の一方から、当該端縁と直交しながら他方の端縁に向かって延びるように形成されている。複数の切り欠き32b1は、伝熱フィン32bの長手方向に所定の間隔を空けて形成されている。伝熱フィン32bは、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金を用いて形成される。
【0062】
扁平管32aは、幅方向が伝熱フィン32bの切り欠き32b1の延伸方向に沿って、切り欠き32b1に挿入される。複数の伝熱フィン32bは、扁平管32aの長手方向に所定の間隔を空けて並べられる。伝熱フィン32bと扁平管32aとは、切り欠き32b1においてロウ付けにより接合される。複数の扁平管32aは、端部が扁平管32aの厚み方向に沿って並ぶように伝熱フィン32bに接合される。
図5及び
図7は、便宜上、扁平管32aの長手方向に並べられた複数の伝熱フィン32bにより形成される外縁と、複数の伝熱フィン32bの一部とを図示する。
【0063】
内側利用熱交換部32iと、外側利用熱交換部32oとはどちらも、所定の数の扁平管32aを所定の数の伝熱フィン32bに接合して、略同一の形状に形成されている。内側利用熱交換部32iと、外側利用熱交換部32oとは、扁平管32aの厚み方向に重ねて配置される。これにより、
図6に矢印で示されるように、内側利用熱交換部32i及び外側利用熱交換部32oそれぞれの隣り合う扁平管32aの間の隙間及び隣り合う伝熱フィン32bの隙間によって、利用ファン33が生成する気流の流れる流路が形成される。内側利用熱交換部32iは、外側利用熱交換部32oよりも利用ファン33に近い位置に配置される。
【0064】
第1ヘッダ32c、第2ヘッダ32d、及び第3ヘッダ32eは、複数の扁平管32aの端部において複数の扁平管32aの冷媒流路32a1を互いに連通する筒状の部材である。
【0065】
第1ヘッダ32cは、内側利用熱交換部32iが有する扁平管32aの長手方向の一端において、複数の扁平管32aの冷媒流路32a1を互いに連通するように設けられる。具体的には、内側利用熱交換部32iが有する複数の扁平管32aの長手方向の一端は、第1ヘッダ32cの側面に形成された開口を通して第1ヘッダ32cに挿入され、ロウ付け等を用いて第1ヘッダ32cに固定される。
【0066】
第1ヘッダ32cは、第1ヘッダ32cに隣り合う内側利用熱交換部32iの伝熱フィン32bとの間に、第1部材34の突起部34b(後述)を挿入できる所定幅の隙間G1が形成されるように扁平管32aに固定される。第1ヘッダ32cは、分岐管32c1を介して液冷媒連絡管5に接続されている。
【0067】
第2ヘッダ32dは、内側利用熱交換部32iが有する扁平管32aの長手方向の他端及び外側利用熱交換部32oが有する扁平管32aの長手方向の他端において、内側利用熱交換部32iの複数の扁平管32aの冷媒流路32a1と、外側利用熱交換部32oの複数の扁平管32aの冷媒流路32a1とを互いに連通するように設けられる。具体的には、内側利用熱交換部32iが有する扁平管32aの長手方向の他端及び外側利用熱交換部32oが有する扁平管32aの長手方向の他端は、第2ヘッダ32dの側面に形成された開口を通して第2ヘッダ32dに挿入され、ロウ付け等を用いて第2ヘッダ32dに固定される。
【0068】
第2ヘッダ32dは、第2ヘッダ32dに隣り合う内側利用熱交換部32iの伝熱フィン32bとの間に、第1部材34の突起部34b(後述)を挿入できる所定幅の隙間G2が形成されるように扁平管32aに固定される。
【0069】
第3ヘッダ32eは、外側利用熱交換部32oが有する扁平管32aの長手方向の一端において、複数の扁平管32aの冷媒流路32a1を互いに連通するように設けられる。具体的には、外側利用熱交換部32oが有する複数の扁平管32aの長手方向の一端は、第3ヘッダ32eの側面に形成された開口を通して第3ヘッダ32eに挿入され、ロウ付け等を用いて第3ヘッダ32eに固定される。第3ヘッダ32eは、分岐管32e1を介してガス冷媒連絡管6に接続されている。
【0070】
これにより、液冷媒連絡管5を通って第1ヘッダ32cに流入した冷媒は、内側利用熱交換部32iの扁平管32aに形成された複数の冷媒流路32a1を通過して第3ヘッダ32eに流入する。第3ヘッダ32eに流入した冷媒は、外側利用熱交換部32oに形成された複数の冷媒流路32a1を通過して第2ヘッダ32dを通ってガス冷媒連絡管6に流入する。また、ガス冷媒連絡管6を通って第1ヘッダ32cに流入した冷媒は、外側利用熱交換部32oの扁平管32aに形成された複数の冷媒流路32a1を通過して第3ヘッダ32eに流入する。第3ヘッダ32eに流入した冷媒は、内側利用熱交換部32iに形成された複数の冷媒流路32a1を通過して第1ヘッダ32cを通って液冷媒連絡管5に流入する。
【0071】
なお、第1ヘッダ32c、第2ヘッダ32d、及び第3ヘッダ32eを総称する場合は、ヘッダ32c、32d、32eと呼ぶ。
【0072】
第1利用熱交換部321は、利用ユニット3を左右方向から見て、利用ファン33の前方において扁平管32aの厚み方向が上下方向(鉛直方向)に対して前方に傾斜するように設けられる。
【0073】
第2利用熱交換部322は、利用ユニット3を左右方向から見て、第1利用熱交換部321の上方において、扁平管32aの厚み方向が上下方向に対して後方に傾斜するように設けられる。
【0074】
第3利用熱交換部323は、利用ユニット3を左右方向から見て、利用ファン33の後方かつ上方において、扁平管32aの厚み方向が上下方向に対して前方に傾斜するように設けられる。
【0075】
(2-2-4)第1部材
第1部材34は、利用熱交換器32に装着され、利用熱交換器32を支持しながら、利用ユニット3の運転にともなう振動等による利用熱交換器32の動きを規制する。第1部材34は、板状の部材であって、利用ファン33の外周と利用熱交換器32とにより囲まれた領域において、利用熱交換器32の扁平管32aの左右両端に左右方向に対して直交するように配置される。第1部材34は、本体34aと、突起部34bとを有する。第1部材34は、硬質樹脂を用いて製造される。
【0076】
本開示において、第1部材34が利用熱交換器32に装着された状態とは、突起部34bが、厚み方向において隣り合う扁平管32aの間に突起部34bが挿入された状態をいう。
【0077】
本実施形態では、利用ユニット3は、2つの第1部材34を有している。2つの第1部材34はそれぞれ、本体34aが利用熱交換器32の隙間G1と隙間G2とに対向するように配置される。また、本実施形態では、第1部材34は、利用熱交換器32の第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323の鉛直下方、並びに第2利用熱交換部322の後方において利用熱交換器32に装着されている。
【0078】
【0079】
本体34aは、主に、第1断面34a1と、第2断面34a2と、第3断面34a3と、第4断面34a4とを有し、主面上に開口34a5が形成された、平面視において多角形状の部材である。
【0080】
第1断面34a1は、第1部材34が利用熱交換器32に装着された状態で、第1利用熱交換部321の内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接するとともに、扁平管32aの隙間G1又は隙間G2に対向するように形成される面である。
【0081】
第2断面34a2は、第1部材34が利用熱交換器32に装着された状態で、第2利用熱交換部322の内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接するとともに、扁平管32aの隙間G1又は隙間G2に対向するように形成される面である。
【0082】
第3断面34a3は、第1部材34が利用熱交換器32に装着された状態で、第3利用熱交換部323の内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接するとともに、扁平管32aの隙間G1又は隙間G2に対向するように形成される面である。
【0083】
第4断面34a4は、利用ファン33の左右方向における両端の外方に位置するように形成される面である。本実施形態では、第4断面34a4は、第2部材35の本体35a(後述)と当接するように形成される。
【0084】
開口34a5は、第2部材35の第2固定部35d(後述)を係合させるための開口である。
【0085】
突起部34bは、第1断面34a1、第2断面34a2、及び第3断面34a3のそれぞれが内側利用熱交換部32iの扁平管32aに当接する状態で、隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入される。突起部34bは、柱状の突起である。突起部34bは、第1突起部34b1と、第2突起部34b2と、第3突起部34b3とを有する。
【0086】
第1突起部34b1は、第1断面34a1に当接する内側利用熱交換部32iの隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入される。第1突起部34b1は、第1断面34a1から突き出すように形成される。
【0087】
第2突起部34b2は、第2断面34a2に当接する内側利用熱交換部32iの隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入される。第2突起部34b2は、第2断面34a2から突き出すように形成される。
【0088】
第3突起部34b3は、第3断面34a3に当接する内側利用熱交換部32iの隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入される。第3突起部34b3は、第3断面34a3から突き出すように形成される。
【0089】
本実施形態では、利用熱交換器32の左側に設けられた第1部材34は、第1突起部34b1、第2突起部34b2、及び第3突起部34b3をいずれも3本ずつ有している。また、利用熱交換器32の右側に設けられた第1部材34は、第1突起部34b1、第2突起部34b2、及び第3突起部34b3をいずれも2本ずつ有している。第1突起部34b1、第2突起部34b2、及び第3突起部34b3の数は、2本及び3本に限定されず、1本でもよいし、4本以上でもよい。また、第1部材34が有する第1突起部34b1、第2突起部34b2、及び第3突起部34b3の数は、利用熱交換器32の左側と右側とで互いに同数であってもよいし、同数でなくてもよい。
【0090】
以上で説明をしたように、第1部材34は、突起部34bが、内側利用熱交換部32iの隙間G1又は隙間G2において隣り合う扁平管32aの間に挿入されることにより、扁平管32aの厚み方向又は長手方向への利用熱交換器32の動きを規制する。同時に、第1部材34は、利用熱交換器32に装着された状態で、本体34a(具体的には、第1断面34a1、第2断面34a2、及び第3断面34a3)が、内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接することにより、利用熱交換器32を支持する。
【0091】
(2-2-5)第2部材
第2部材35は、第2ケーシング31と第1部材34との両方に対して固定されており、第1部材34を介して利用熱交換器32を支持する。第2部材35は、本体35aと、挿入部35bと、2つの第1固定部35cと、第2固定部35dとを有する。
【0092】
本実施形態では、利用ユニット3は、2つの第2部材35を有している。2つの第2部材35はそれぞれ、利用熱交換器32の右側に配置された第1部材34と、利用熱交換器32の左側に配置された第1部材34とを支持するように配置される。
【0093】
図9は、第2部材35の斜視図である。
図10は、第1部材34及び第2部材35の第2ケーシング31への組み付け方を示した分解斜視図である。
【0094】
本体35aは、左右方向から見て、利用ファン33の上方を部分的に覆う円弧形状の板状部材である。本実施形態では、本体35aは、第1部材34の第4断面34a4に当接するように形成されている。
【0095】
挿入部35bは、第1部材34の左右方向における動きを規制する。挿入部35bは、左右方向に対して直交するように本体35aから突出する板状部材により構成される。挿入部35bを構成する板状部材は、第1部材34の本体34aを左右方向から挟み込むように、左右方向において所定幅の隙間を空けて設けられる。第1部材34は、
図10に示されるように、本体34aが挿入部35bにより形成される隙間に挿入される。
【0096】
第1固定部35cは、第2部材35を第2ケーシング31に対して固定する。本実施形態では、第1固定部35cは、第2ケーシング31の開口31cに係合する爪である。第1固定部35cは、左右方向から見て、本体35aの円周方向における端部から下方に向かって突き出るように形成されている。
図10及び
図4に示されるように、利用ファン33の上方を本体35aによって覆うことにより、第1固定部35cが開口31cに係合する。第1固定部35cが開口31cに係合することにより、第2部材35の上下方向への動きが規制されて、第2部材35が第2ケーシング31に対して固定される。
【0097】
第2固定部35dは、第1部材34を第2部材35に対して固定する。本実施形態では、第2固定部35dは、第1部材34の開口34a5に係合する爪である。
図10に示されるように、第1部材34が挿入部35bに挿入されることにより、第2固定部35dが開口34a5に係合する。第2固定部35dが開口34a5に係合することにより、第1部材34が第2部材35に対して固定され、第1部材34の上下方向への動きが規制される。
【0098】
以上で説明をしたように、第1部材34が第2部材35に対して固定されるとともに、第2部材35が第2ケーシング31に対して固定されることで、第2部材35は、第1部材34を介して利用熱交換器32を支持することができる。
【0099】
本実施形態に係る第2部材35は、利用熱交換器32において発生した凝縮水を利用ファン33の前後それぞれにおいて第2部材35の下方に設けられたドレンパン(図示省略)へ流す機能も兼ねる。具体的には、利用熱交換器32において発生した凝縮水は、利用熱交換器32の端部から本体35aに落下すると、本体35aの上面に沿って前方側端部又は後方側端部に移動しドレンパンへ落下する。
【0100】
(2-3)リモコン
リモコン8は、ユーザーから暖房運転、冷房運転、及び加湿運転等の実行指示、空気調和装置1の停止指示、並びに設定温度Ts等の設定値を受け付け、受け付けた結果を制御信号として制御部9に送信する。
【0101】
(2-4)制御部
制御部9は、主に、圧縮機22と、四路切換弁23と、熱源膨張弁25と、熱源ファン26と、利用ファン33とリモコン8とに制御信号を送受信可能に接続されている。詳細は後述するが、制御部9は、圧縮機22と、四路切換弁23と、熱源膨張弁25と、熱源ファン26と、利用ファン33と、をそれぞれ運転制御することで冷媒回路100を制御する。
【0102】
制御部9は、典型的には、制御演算装置と、記憶装置と(いずれも図示省略)、を備えるコンピュータにより実現される。制御演算装置は、CPU又はGPUといったプロセッサである。制御演算装置は、記憶装置に記憶されている制御プログラムを読み出し、この制御プログラムにしたがって運転制御を行う。さらに、制御演算装置は、制御プログラムしたがって、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
【0103】
なお、
図2は概略図である。制御部9は、熱源ユニット2の内部に設けられた室外制御部と、利用ユニット3の内部に設けられた室内制御部とにより構成され、室外制御部と室内制御部とが互いに制御信号を送受信可能な通信線で接続されてもよい。
【0104】
(3)空調運転
次に、制御部9が実行する空調運転である、暖房運転、及び冷房運転について説明する。
【0105】
(3-1)暖房運転
制御部9は、リモコン8から暖房運転の実行指示についての制御信号を受信すると暖房運転を開始する。暖房運転に際して、制御部9は、四路切換弁23を第1状態へ切り換える(
図2の破線参照)。さらに、制御部9は、熱源膨張弁25を、リモコン8から受信した設定温度Tsに対応する開度とし、圧縮機22を運転し、利用ファン33を回転駆動する。これにより、熱源熱交換器24が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用熱交換器32が冷媒の凝縮器として機能する。
【0106】
暖房運転の間、冷媒回路100は、次のように機能する。圧縮機22から吐出された高圧の冷媒は、利用熱交換器32で、利用ファン33によって送られる室内の空気と熱交換して凝縮する。これにより、室内の空気は、加熱され、調和空気として室内に排出される。凝縮した冷媒は、熱源膨張弁25を通過して減圧された後、熱源熱交換器24で、熱源ファン26によって送られる外気と熱交換して蒸発する。熱源熱交換器24を通過した冷媒は、圧縮機22へ吸入されて圧縮される。
【0107】
(3-2)冷房運転
制御部9は、リモコン8から冷房運転の実行指示についての制御信号を受信すると冷房運転を開始する。冷房運転に際して、制御部9は、四路切換弁23を第2状態へ切り換える(
図1の実線参照)。さらに、制御部9は、熱源膨張弁25を、リモコン8から受信した設定温度Tsに対応する開度とし、圧縮機22を運転し、利用ファン33を回転駆動する。これにより、熱源熱交換器24が冷媒の凝縮器として機能し、かつ、利用熱交換器32が冷媒の蒸発器として機能する。
【0108】
冷房運転の間、冷媒回路100は、次のように機能する。圧縮機22から吐出された高圧の冷媒は、熱源熱交換器24で、熱源ファン26によって送られる外気と熱交換して凝縮する。凝縮した冷媒は、熱源膨張弁25を通過して減圧された後、利用熱交換器32で、利用ファン33によって送られる室内の空気と熱交換して蒸発する。これにより、室内の空気は冷却され、調和空気として室内に排出される。利用熱交換器32を通過した冷媒は、圧縮機22へ吸入されて圧縮される。
【0109】
(4)特徴
(4-1)
利用ユニット3は、利用熱交換器32と、第1部材34と、第2部材35とを備える。利用熱交換器32は、複数の扁平管32aが伝熱フィン32bによって厚み方向へ所定の間隔を空けて積層されている。第1部材34は、利用熱交換器32に装着される。第2部材35は、第1部材34を介して利用熱交換器32を支持する。第1部材34は、本体34a及び本体34aから突き出る突起部34bを有する。突起部34bは、隣り合う扁平管32aの間に挿入されている。
【0110】
利用ユニット3では、第1部材34が有する突起部34bが、隣り合う扁平管32aの間に挿入されることで、扁平管32aの厚み方向又は長手方向への利用熱交換器32の動きが規制される。これにより、ブラケットに設けた管孔に伝熱管を挿入して熱交換器の移動を制限する場合と比べて、扁平管32aと扁平管32aに接触して動きを規制する部材(第1部材34)との接触面積を大幅に減らすことができる。したがって、利用ユニット3の運転による振動等によって第1部材34と扁平管32aとが摺動しても、この摺動により扁平管32aが破損することが抑制される。この結果、扁平管32aに用いることができる材料の選択肢が増え、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0111】
(4-2)
第1部材34は、突起部34bを複数有する。複数の熱交換部(第1利用熱交換部321、第2利用熱交換部322、及び第3利用熱交換部323)を含む利用熱交換器32を備える利用ユニット3では、第1部材34は、利用熱交換部321、322、323のそれぞれに対して複数の突起部34bを有する。
【0112】
利用ユニット3によれば、第1部材34が複数の突起部34bを有することにより、扁平管32aの厚み方向又は長手方向への利用熱交換器32の移動が効果的に規制される。
【0113】
(4-3)
突起部34bは、柱状である。
【0114】
突起部34bが柱状に形成されることにより、突起部34bを隣り合う扁平管32aの間に容易に挿入することが可能となる。このため、利用ユニット3の製造が容易になり、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0115】
(4-4)
第1部材34は、樹脂を用いて製造されている。
【0116】
第1部材34が樹脂を用いて製造されることにより、金属を用いて製造される場合と比べて突起部34bの硬度を低減させることができる。このため、第1部材34と扁平管32aとが摺動しても、この摺動により扁平管32aが破損することが抑制される。この結果、扁平管32aに用いることができる材料の選択肢が増え、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0117】
(4-5)
利用ユニット3は、第2ケーシング31と、第2ケーシング31に固定された第2部材35とをさらに有している。第1部材34は、係合により第2部材35に対して固定されている。
【0118】
(4-6)
第1部材34は、本体34aが伝熱フィン32bに当接している。
【0119】
より詳細には、第1部材34は、利用熱交換器32に装着された状態で、本体34aの第1断面34a1、第2断面34a2、及び第3断面34a3が、内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bの端部に当接するように形成されている。このため、第1部材34は、本体34aの第1断面34a1、第2断面34a2、及び第3断面34a3と、内側利用熱交換部32iが有する伝熱フィン32bとの当接によって利用熱交換器32の重量を受けることができる。これにより、突起部34bが受ける利用熱交換器32の重量が略ゼロとなるか大幅に低減されため、第1部材34と扁平管32aとが摺動しても、この摺動により扁平管32aが破損することが抑制される。この結果、用いることができる扁平管32aの選択肢が増え、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0120】
(4-7)
利用熱交換器32は、左右方向から見て、扁平管32aの厚み方向が鉛直方向に対して傾斜した第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323を有する。第1部材34は、第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323の鉛直下方において利用熱交換部321に装着される。
【0121】
これにより、利用ユニット3では、第1部材34は、第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323を支持しながら、第1利用熱交換部321及び第3利用熱交換部323の動きを規制することができる。
【0122】
(5)変形例
(5-1)変形例A
突起部34bは、扁平管32aに係合する爪部34cを有していてもよい。爪部34cは、突起部34bが隣り合う扁平管32aの間に挿入されることにより、内側利用熱交換部32iの扁平管32aの、外側利用熱交換部32o側の端部に係合するように形成される。
【0123】
図11は、変形例Aに係る空気調和装置1の利用熱交換器32周辺を拡大した断面図である。
【0124】
爪部34cが扁平管32aの端部に係合することで、第1部材34は、利用熱交換器32の動きを効果的に規制できる。
【0125】
(5-2)変形例B
第1部材34は、樹脂以外を用いて製造されてもよい。第1部材34は、金属を用いて製造され、樹脂コーティングが表面に施されてもよい。また、第1部材34は、金属を用いて製造され、絶縁ゴムが表面に取り付けられていてもよい。
【0126】
これにより、樹脂コーティング又は絶縁ゴムにより第1部材34の表面の硬度を低く抑えることで摺動による扁平管32aの破損を効果的に抑制しながら、第1部材34の剛性を高く確保できる。
【0127】
(5-3)変形例C
上記実施形態では、第2固定部35dが第1部材34の開口34a5に係合することにより、第1部材34が第2部材35に対して固定されたが、固定方法はこれに限定されない。例えば、第1部材34は、ビス止めにより第2部材35に対して固定されてもよい。
【0128】
(5-4)変形例D
第1部材34は、本体34aがヘッダ32c、32d、32eのいずれかに当接していてもよい。
【0129】
第1部材34の本体34aがヘッダ32c、32d、32eのいずれかに当接することにより、第1部材34は、本体34aと、ヘッダ32c、32d、32eのいずれかとの当接によって利用熱交換器32の重量を受けることができる。これにより、突起部34bが受ける利用熱交換器32の重量が低減される。これにより、突起部34bが受ける利用熱交換器32の重量が略ゼロとなるか大幅に低減されため、第1部材34と扁平管32aとが摺動しても、この摺動により扁平管32aが破損することが抑制される。この結果、用いることができる扁平管32aの選択肢が増え、利用ユニット3の製造コストが抑制される。
【0130】
(5-5)変形例E
上記実施形態では、利用熱交換器32は複数の利用熱交換部321、322、323を有していたが、利用熱交換器32は1つの熱交換部だけにより構成されてもよい。
【0131】
(5-6)変形例F
以上では、第2ケーシング31とは別の第2部材35が第1部材34を介して利用熱交換器32を支持する例を実施形態として説明したが、第2ケーシング31が第2部材であってもよい。言い換えると、第2ケーシング31が第2部材として機能することで、第1部材34を支持してもよい。
【0132】
(5-7)変形例G
以上では、第1部材34を備える利用ユニット3を実施形態として説明をしたが、熱源ユニット2が熱源熱交換器24に装着される第1部材を備えていてもよい。
【0133】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0134】
1 空気調和装置
100 冷媒回路
2 熱源ユニット
3 利用ユニット
31 第2ケーシング(ケーシング)
32 利用熱交換器
321 第1利用熱交換部
322 第2利用熱交換部
323 第3利用熱交換部
32a 扁平管
32b 伝熱フィン
32c 第1ヘッダ
32d 第2ヘッダ
32e 第3ヘッダ
33 利用ファン
34 第1部材
34a 本体
34b 突起部
34c 爪部
35 第2部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0135】