(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181535
(43)【公開日】2023-12-21
(54)【発明の名称】検出システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/41 20060101AFI20231214BHJP
【FI】
G01N21/41 102
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189391
(22)【出願日】2023-11-06
(62)【分割の表示】P 2019058197の分割
【原出願日】2019-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山邊 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】小宮 研一
(72)【発明者】
【氏名】石川 大介
(72)【発明者】
【氏名】新井 竜一
(72)【発明者】
【氏名】小川 雄一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲仁
(57)【要約】
【課題】適切な検出条件を決定する。
【解決手段】演算装置は、繰り返しパターンを有するセンサに標識物で標識した検出対象物を添加し、当該センサに電磁波を照射して当該電磁波の反射率又は透過率の変化によって前記検出対象物を検出する検出装置に関する検出条件を決定する。演算装置は、条件が入力される入力インターフェースと、入力された前記条件に応じて、前記標識物で標識した前記検出対象物の大きさが前記センサにおける前記電磁波による電場の染み出し深さ以下となるように、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち、少なくとも1つを決定するように構成されたプロセッサとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰り返しパターンを有するセンサに標識物で標識した検出対象物を添加し、当該センサに電磁波を照射して当該電磁波の反射率又は透過率の変化によって前記検出対象物を検出する検出装置に関する検出条件を決定するための演算装置であって、
条件が入力される入力インターフェースと、
入力された前記条件に応じて、前記標識物で標識した前記検出対象物の大きさが前記センサにおける前記電磁波による電場の染み出し深さ以下となるように、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち、少なくとも1つを決定するように構成されたプロセッサと
を備える演算装置。
【請求項2】
前記入力インターフェースには、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち1つが入力され、
前記プロセッサは、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち他の2つを決定する、
請求項1に記載の演算装置。
【請求項3】
前記入力インターフェースには、前記検出対象物の条件が入力され、
前記プロセッサは、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとを決定する、
請求項1に記載の演算装置。
【請求項4】
複数種類の前記標識物の各々を収容する複数の容器と、
前記複数の容器の各々と標識物の排出口とをつなぐ経路の、接続と遮断とを切り換えるように構成された切り換え機構と、
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の演算装置と
を備え、
前記演算装置の前記プロセッサは、前記複数種類の標識物の中から1種類の前記標識物を選択し、
前記切り換え機構は、選択された前記標識物を前記排出口から排出するように動作する、
試料調製装置。
【請求項5】
異なる周波数の電磁波を前記センサに照射できるように構成された照射部と、
前記センサで反射した、又は、前記センサを透過した、前記電磁波を受信する受信部と、
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の演算装置と
を備え、
前記演算装置の前記プロセッサは、前記照射部が放射する電磁波の周波数を選択し、 前記照射部は、選択された前記周波数の電磁波を放射する、
検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、演算装置、試料調製装置及び検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空隙が配置された構造体に電磁波が照射されると、当該電磁波の反射率又は透過率について空隙の特性に由来する周波数特性が認められる。この構造体に物質が付加された場合、電磁波の反射率又は透過率の周波数特性は、当該物質によって変化する。このような性質を利用して、構造体を有するセンサを用いて検出対象物の有無又は量を検出する技術が知られている。例えば、標識物でタンパク質又は細菌などの検出対象物を修飾し、これが空隙を有する構造体に付加される。例えばテラヘルツ帯域の電磁波が空隙を有する構造体に照射されることで、構造体に付着した検出対象物について解析が行われる。上述のようなセンサにおいて、電磁波による電場の染み出しが生じている。電磁波を照射する場合には、染み出した電場内の検出対象物が検出される。電場の染み出し深さは、電磁波の周波数によっても変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空隙が配置された構造体に電磁波を照射して行う物質の検出において、適切な検出条件を決定する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の一態様によれば、演算装置は、繰り返しパターンを有するセンサに標識物で標識した検出対象物を添加し、当該センサに電磁波を照射して当該電磁波の反射率又は透過率の変化によって前記検出対象物を検出する検出装置に関する検出条件を決定する。演算装置は、条件が入力される入力インターフェースと、入力された前記条件に応じて、前記標識物で標識した前記検出対象物の大きさが前記センサにおける前記電磁波による電場の染み出し深さ以下となるように、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち、少なくとも1つを決定するように構成されたプロセッサとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る演算装置の構成例の概略を示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、一実施形態に係る検出センサの構成の一例の概略を示す断面図である。
【
図2B】
図2Bは、一実施形態に係る検出センサの構成の一例の概略を示す平面図である。
【
図3】
図3は、検出装置で取得される電磁波を検出センサに照射したときの周波数に対する反射率の一例の概略を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る、光源の周波数と、電場の染み出し深さと、ビーズサイズと、センサのパターンサイズとの関係について説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る演算装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の適用例に関するシステムの構成例の概略を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係る、試料条件と、光源の周波数と、ビーズサイズと、センサのパターンサイズとの関係について説明するための図である。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る演算装置の動作の一例の概略を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、変形例に関する検出装置の構成例の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、例えばサンプル中に含まれる検出対象物の有無、量又は特性を検出するための検出装置に関する。一般に、空隙が配置された構造体に電磁波を照射したときの当該電磁波の反射率は、空隙の特性に由来する周波数特性を有する。この構造体に検出対象物が付着したとき、この電磁波の反射率の周波数特性は変化する。本実施形態に係る検出装置は、このような照射した電磁波の反射率の周波数特性の変化を利用して検出対象物の有無、量又は特性等を特定する。
【0008】
〈演算装置〉
本実施形態の演算装置は、上述のような検出対象物の検出等における最適な条件を出力する。本実施形態に係る演算装置100の構成を
図1に示す。演算装置100は、バスライン121を介して互いに接続されたCentral Processing Unit(CPU)111と、メモリ113と、記憶装置115とを備える。CPU111は、各種演算を行う。メモリ113は、例えば、Read Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)など、各種記憶素子を含む。ROMは、起動プログラムなどを記憶している。RAMは、CPU111の主記憶装置などとして機能する。記憶装置115は、例えば、Hard Disk Drive(HDD)、又は、Solid State Drive(SSD)などの装置を含む。記憶装置115には、CPU111で用いられるプログラム、パラメータ等各種情報が記録されている。また、記憶装置115は、取得したデータ、算出した解析結果などの各種情報を保存する。演算装置100に用いられるプロセッサは、CPUに限らない。CPUに代えて、又は、CPUに加えて、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、又はField Programmable Gate Array(FPGA)などが用いられてもよい。
【0009】
演算装置100は、バスライン121に接続された入力インターフェース(I/F)123及び出力I/F125を備える。入力I/F123には、入力装置130が接続される。入力装置130は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどである。入力装置130は、ユーザの指示を受け付け、その指示を演算装置100に伝達する。入力I/F123には、ユーザからの指示に限らず、他の機器からの情報が入力されてもよい。出力I/F125には、外部装置150が接続される。外部装置150は、各種装置であり得る。外部装置150は、例えばディスプレイであってもよい。また、外部装置150は、後述するビーズ排出装置、検出装置などであってもよい。
【0010】
本実施形態では、例えばユーザが入力装置130を用いて検出対象物の検出に関する条件の一つを入力すると、他の条件が出力される。例えば、他の条件がディスプレイに表示される。
【0011】
〈対象物の検出〉
本実施形態では、空隙が配置された構造体をセンサと称することにする。センサ401の構成の概略を
図2A及び
図2Bを参照して説明する。
図2Aは、センサ401の一例の断面の概略を示し、
図2Bは、センサ401の一例の平面の概略を示す。
図2Aは、
図2Bに示したIIA-IIA線における断面を示す。
【0012】
図2A及び
図2Bに示すように、センサ401において、基板403の上に空隙406のある膜404が設けられている。基板403は、例えばシリコンで形成されている。空隙406のある膜404は、例えば金で形成されている。
図2Bに示すように、膜404は、繰り返しパターンを有する。膜404には、例えばC型の空隙406が多数並べて形成されている。多数のC型の空隙406を有する
図2Bに示す例は、メタマテリアル共振器の代表例で、相補型分割リング共振器と呼ばれている。相補型分割リング共振器は、所定の周波数帯の電磁波が照射されたときに、特徴的な反射特性を示す。すなわち、電磁波が照射されたとき、空隙406のある膜404のC型の空隙406がある部分は、電気的にLC回路のように振る舞う。このため、このLC回路の共振周波数の近傍の周波数において、照射された電磁波は、相補型分割リング共振器と強く相互作用する。その結果、相補型分割リング共振器は、LC回路の共振周波数の近傍で反射率が低下する反射特性を示す。例えば、C型の空隙406の大きさが数μm程度であるとき、共振周波数は、テラヘルツ帯域に表れる。
【0013】
相補型分割リング共振器に物質が付着したとき、当該物質がLC回路の主に容量成分を変化させる。その結果、当該LC回路の共振周波数が変化する。
図3は、相補型分割リング共振器に電磁波を照射したときの反射率の周波数特性を示す。横軸は照射する電磁波の周波数を示し、縦軸は反射率を示す。破線701は、相補型分割リング共振器に検出対象物がないときの周波数特性を示し、実線702は、相補型分割リング共振器に検出対象物があるときの周波数特性を示す。
図3に示すように、相補型分割リング共振器に検出対象物があるか否かに応じて、反射率の周波数特性が変化する。
【0014】
この周波数特性の変化を利用することで、相補型分割リング共振器は、センサ401として用いられ得る。すなわち、検出装置の電磁波の照射部が放射する電磁波の周波数は、LC回路の共振周波数の近傍の周波数に設定される。電磁波照射部から放射された電磁波は、センサ401に照射される。このとき、電磁波の受信部は、センサ401で反射した電磁波を受信する。受信された電磁波の強度に基づいて、センサ401上の物質の有無又は量等が特定される。
【0015】
例えば、
図3に示す例において、照射部が放射する電磁波の周波数を、一点鎖線で示した周波数F1とする。このとき、破線701で示した検出対象物が存在しないセンサ401の反射率は、第1の反射率R1として検出される。一方、実線702で示した検出対象物が存在するセンサ401の反射率は、第2の反射率R2として検出される。このような反射率の変化の有無に基づいて、検出対象物の有無が特定され得る。また、反射率の変化量に基づいて、検出対象物の量又は特性が特定され得る。
【0016】
空隙406のある膜404を形成する材料は、金に限定されない。空隙406のある膜404を形成する材料は、導電体であればよい。空隙406の形状はC型に限定されない。空隙406の形状は、例えば、四角形又は多角形など他の形状であってもよい。また、空隙406の配置は、
図2Bに示すように、マトリックス状の配置に限定されない。空隙406の配置は、規則的又は周期的に繰り返し配置されていればよい。基板403を形成する材料は、シリコンに限定されない。
【0017】
また、センサ401は、基板403がなくてもよく、例えばメッシュ状の空隙のある膜のみを含んでいてもよい。
【0018】
〈測定条件〉
本実施形態では、センサについて、検出対象物が付加される面と反対側の面から電磁波が照射される。この場合には、検出対象物が付加される面には、電磁波による電場の染み出しが生じている。電磁波の反射特性に影響を与える検出対象物は、センサにおいて電場の染み出しの深さ以内に存在する検出対象物である。言い換えると、検出対象物が電場の染み出しの深さよりも大きいと、検出誤差が生じることになる。
【0019】
電場の染み出し深さは、センサに入射する電磁波の周波数、センサ周囲の物質の屈折率、センサの屈折率、電磁波の入射角に依存する。電場の染み出し深さdは、下記式(1)で表される。
【0020】
【数1】
ここで、λはセンサに入射する電磁波の波長であり、n1はセンサ周囲の物質の屈折率であり、n2はセンサの屈折率であり、θは電磁波の入射角である。
【0021】
本実施形態では、検出対象物の存在を調べたい試料から検出対象物を抽出してセンサに添加するために、検出対象物を標識する標識物を用いる。この標識物の一例として、微小なビーズが挙げられる。例えば、磁性ビーズは、検出対象物の抽出に磁場を利用することができて便利であるため、本実施形態で用いられ得る。例えば、検出対象物が細菌、生体物質などである場合には、検出対象物に特異的に結合する抗体で修飾した磁性ビーズが用いられ得る。
【0022】
標識物が結合した検出対象物の大きさを測定物の大きさとする。本実施形態では、測定物の大きさが、電場の染み出し深さよりも小さくなるように、標識物の大きさと電磁波の周波数とが設定される。電磁波の周波数の設定は、電磁波を放射する光源の設定に反映される。電場の染み出し深さに対して測定物が小さすぎると、検出の感度が悪くなる。例えば、測定物の大きさが、電場の染み出し深さの10%よりも小さいとき、検出の感度が悪くなる可能性がある。そこで、測定物の大きさが、電場の染み出し深さの10%以上100%以下となるように、設定される。また、電磁波の周波数に応じて、センサに設けられる空隙のパターンのサイズに適当な大きさがある。本実施形態では、電磁波の周波数に応じてセンサのパターンサイズが決定される。これらの関係を
図4に模式的に示す。
【0023】
図4の左列に示すように、光源が放射する電磁波の周波数が比較的低いとき、式(1)に基づくと、センサにおける電場の染み出し深さd1は、比較的深くなる。この場合、検出対象物602に結合させるビーズとして、比較的大きな第1のビーズ510が選択される。
図4の2段目に模式的に示すように、第1のビーズ510と検出対象物602とが結合した測定物の大きさは、電場の染み出し深さd1よりも小さくなっている。このとき、比較的低い周波数の電磁波に適合させるために、センサには、空隙406のパターンの大きさが比較的大きい第1のセンサ410が用いられる。
【0024】
図4の中列に示すように、光源が放射する電磁波の周波数が中程度であるとき、センサにおける電場の染み出し深さd2は、中程度となる。この場合、検出対象物602に結合させるビーズとして、中程度の大きさを有する第2のビーズ520が選択される。その結果、第2のビーズ520と検出対象物602とが結合した測定物の大きさは、電場の染み出し深さd2よりも小さくなっている。このとき、中程度の周波数の電磁波に適合させるために、センサには、空隙406のパターンの大きさが中程度である第2のセンサ420が用いられる。
【0025】
図4の右列に示すように、光源が放射する電磁波の周波数が比較的高いとき、センサにおける電場の染み出し深さd3は、比較的浅くなる。この場合、検出対象物602に結合させるビーズとして、比較的小さな第3のビーズ530が選択される。
図4の2段目に模式的に示すように、第3のビーズ530と検出対象物602とが結合した測定物の大きさは、電場の染み出し深さd3よりも小さくなっている。このとき、比較的高い周波数の電磁波に適合させるために、センサには、空隙406のパターンの大きさが比較的小さい第3のセンサ430が用いられる。
【0026】
本実施形態では、演算装置100は、電磁波の周波数(光源)、ビーズサイズ(ビーズの種類)、センサのパターンサイズ(センサの種類)の何れか1つが入力されたとき、それに応じて他の2つを出力する。
図4には、ビーズサイズが大、中、小の3種類の場合の組み合わせを示したが、何種類の中から適切な組み合わせが選択されてもよい。
【0027】
〈演算装置の動作〉
本実施形態に係る演算装置100の動作について、
図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0028】
ACT101において、演算装置100は、入力装置130から、既定の条件を取得する。
【0029】
ACT102において、演算装置100は、
図4を参照して説明した関係を用いて、ACT101で取得した条件以外の条件を選択する。ここで、条件を選択するために必要な各条件の関係は、例えば、テーブルの形式でメモリ113又は記憶装置115に記憶されており、演算装置100は、これを用いて選択してもよい。あるいは、演算装置100は、この関係を、例えば式(1)などを用いて算出し、選択してもよい。
【0030】
ACT103において、演算装置100は、ACT102で決定した選択結果を、外部装置150に出力する。例えば、外部装置150がディスプレイであるとき、選択結果が当該ディスプレイに表示される。
【0031】
〈適用例〉
本実施形態の演算装置100の適用例について、
図6を参照して説明する。
図6に示す例は、演算装置100と、供給装置200と、検出装置300とを備えるシステム10である。供給装置200と検出装置300とは、外部装置150としての装置である。
【0032】
供給装置200は、ビーズを供給する装置である。演算装置100と供給装置200とは、試料を調製する試料調製装置の少なくとも一部を形成し得る。供給装置200は、大きさが異なる複数種類のビーズを貯蔵しており、演算装置100の出力に基づいて、適切なビーズを選択的に排出する。
図6に示す例では、供給装置200は、第1の容器221と、第2の容器222と、第3の容器223とを含む貯蔵庫220を備える。容器の数は、ビーズの種類数に応じていくつであってもよい。第1の容器221には、直径が比較的大きい第1のビーズ510が収容されている。第2の容器222には、直径が中程度の第2のビーズ520が収容されている。第3の容器223には、直径が比較的小さい第3のビーズ530が収容されている。
【0033】
第1の容器221の排出口には、第1のシャッター231が設けられている。第1の容器221の排出口は、第1のシャッター231を介して、排出路240に接続されている。第2の容器222の排出口には、第2のシャッター232が設けられている。第2の容器222の排出口は、第2のシャッター232を介して、排出路240に接続されている。第3の容器223の排出口には、第3のシャッター233が設けられている。第3の容器223の排出口は、第3のシャッター233を介して、排出路240に接続されている。
【0034】
第1のシャッター231は、演算装置100に接続された駆動回路230に接続されている。第2のシャッター232は、演算装置100に接続された駆動回路230に接続されている。第3のシャッター233は、演算装置100に接続された駆動回路230に接続されている。駆動回路230は、演算装置100の制御下で、第1のシャッター231、第2のシャッター232、及び第3のシャッター233を開閉させる。
【0035】
排出路240の排出口には、反応容器250が設置される。反応容器250には、検出対象物602を含み得る反応液601が入れられる。第1のシャッター231、第2のシャッター232、又は第3のシャッター233が開くことによって、排出路240を介して、反応容器250に、第1のビーズ510、第2のビーズ520、又は第3のビーズ530が投入される。第1のシャッター231、第2のシャッター232、及び第3のシャッター233は、容器と排出口とをつなぐ経路の接続と遮断とを切り換える切り換え機構として機能する。
【0036】
検出装置300は、試料から抽出された検出対象物の有無又は量を特定するための装置である。演算装置100と検出装置300とは、協働して機能する。
【0037】
検出装置300には、上述のセンサが配置される。
図6に示す例では、センサとして互いにパターンサイズが異なる、第1のセンサ410と、第2のセンサ420と、第3のセンサ430とが準備されている。検出装置300は、演算装置100に接続された移動機構310を備える。移動機構310は、演算装置100の制御下で、第1のセンサ410、第2のセンサ420、又は第3のセンサ430を移動させ、何れかのセンサを電磁波が照射される位置に移動させる。
【0038】
検出装置300は、照射部320と、駆動部330とを備える。照射部320は、電磁波を放射する電磁波発生源(光源)を含む。照射部320は、電磁波をセンサに照射するように構成されている。上述のとおり、電磁波の適切な周波数は、センサのパターンサイズに応じる。
図6に示す例では、照射部320は、第1の光源321と、第2の光源322と、第3の光源323とを備える。駆動部330は、照射部320を駆動する回路である。駆動部330は、演算装置100に接続されている。駆動部330は、演算装置100の制御下で、照射部320の動作を制御する。駆動部330は、第1の駆動回路331と、第2の駆動回路332と、第3の駆動回路333とを備える。第1の駆動回路331は、第1の光源321を駆動する。第2の駆動回路332は、第2の光源322を駆動する。第3の駆動回路333は、第3の光源323を駆動する。
【0039】
検出装置300は、受信部340と、AD変換回路350とを備える。受信部340は、照射部320から放射され、センサで反射した電磁波を検出するように構成された検出器を備える。受信部340は、検出器に入射した電磁波に応じたアナログ電気信号を出力する。AD変換回路350は、受信部340から出力されたアナログの電気信号をデジタルの電気信号に変換する。このデジタルの電気信号は、演算装置100へと伝達される。演算装置100は、この電気信号に基づいて、センサの特性を解析し、検出対象物の有無又は量等を特定する。
【0040】
この例では、例えば、光源の周波数、ビーズのサイズ、及びセンサのパターンサイズのうち何れか1つが、入力装置130を介して演算装置100に入力されるとする。このとき、演算装置100は、入力に基づいて、光源の周波数、ビーズのサイズ、及びセンサのパターンサイズのうち他の2つについて、最適なものを選択する。演算装置100は、入力及び選択結果に基づいて、供給装置200及び検出装置300の動作を制御する。
【0041】
例えば、第1の光源321に相当する電磁波の周波数が入力装置130に入力されたとき、演算装置100は、第1の光源321と、第1のビーズ510と、第1のセンサ410とを選択する。演算装置100は、駆動回路230に、第1のシャッター231を所定期間だけ開かせる。その結果、反応容器250に第1のビーズ510が所定量投入される。反応容器250内などで、反応液601中の検出対象物602と第1のビーズ510との結合反応などが起こる。検出対象物602としては、例えば、タンパク質などの生体分子、菌などの微生物等が挙げられる。このようにしてセンサに添加される試料が調製される。
【0042】
演算装置100は、試料が添加されていない第1のセンサを電磁波の照射位置に移動させる。演算装置100は、第1の光源321から電磁波を放射させる。この電磁波は、第1のセンサ410に照射され、その反射波が、受信部340によって受信される。受信部340は、反射波の強度に応じた信号を出力する。この信号は、AD変換回路350でデジタル信号に変換され、演算装置100に伝達される。演算装置100は、試料が添加されていない第1のセンサに関する電磁波の反射強度についての情報を保存する。
【0043】
演算装置100は、第1のセンサ410を試料添加位置に移動させる。供給装置200で調製された試料が、試料添加位置に配置された第1のセンサ410に添加される。演算装置100は、試料が添加された第1のセンサ410を、電磁波の照射位置に移動させる。演算装置100は、第1の光源321から電磁波を放射させる。この電磁波は、第1のセンサ410に照射され、その反射波が、受信部340によって受信される。受信部340は、反射波の強度に応じた信号を出力する。この信号は、AD変換回路350でデジタル信号に変換され、演算装置100に伝達される。演算装置100は、試料が添加された第1のセンサに関する電磁波の反射強度についての情報を保存する。
【0044】
演算装置100は、試料が添加されていない場合の反射強度と、試料が添加された場合の反射強度とに基づいて、検出対象物の有無又は量を算出する。
【0045】
本実施形態によれば、最適な測定条件等が算出され、高い検出感度が得られる。
【0046】
ここでは、演算装置100が供給装置200の動作を制御するものとしたが、これに限らない。例えば、演算装置100は、ビーズの大きさを選択するが供給装置200の制御は行わなくてもよい。この場合、演算装置100からビーズの大きさの情報を受け取り、供給装置200の動作を制御する制御装置が別に用意される。同様に、演算装置100が検出装置300の動作を制御するものとしたが、これに限らない。例えば、演算装置100は、光源及びセンサを選択するが検出装置300の制御は行わなくてもよい。この場合、演算装置100から光源及びセンサの情報を受け取り、検出装置300の動作を制御する制御装置が別に用意される。また、検出結果の解析も、演算装置100ではなく、他の装置によって行われてもよい。
【0047】
なお、
図6を参照して説明したシステム10では、演算装置100の演算結果は、供給装置200及び検出装置300で用いられている。しかしながらこれに限らない。上述の動作のうち一部が行われ、他が行われなくてもよい。
【0048】
[第2の実施形態]
第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。第1の実施形態では、演算装置100は、光源の周波数、ビーズのサイズ、及びセンサのパターンサイズのうち何れか1つが、入力されたとき、入力に基づいて、光源の周波数、ビーズのサイズ、及びセンサのパターンサイズのうち他の2つについて、最適なものを選択する。第2の実施形態では、演算装置100は、試料の条件が入力されたとき、光源の周波数、ビーズのサイズ、及びセンサのパターンサイズが選択される。
【0049】
本実施形態に関して、入力される試料の条件に対する、選択される光源の周波数、ビーズのサイズ、及びセンサのパターンサイズの関係を
図7に示す。
【0050】
試料に含まれる検出対象物の濃度が不明であるとき、演算装置100は、光源の周波数として比較的低周波数を選択し、ビーズサイズとして比較的大きいサイズを選択し、センサのパターンサイズとして比較的大きいサイズを選択する。ビーズサイズが比較的大きいとき、ビーズの個数が比較的少なくても十分な感度で検出され得る。すなわち、ビーズサイズが比較的大きいときの方が、比較的小さいときよりも、検出感度が高い。この例では、検出対象物の濃度が不明であるとき、初めに高感度な条件で、検出対象物が存在するか否かを判定する。
【0051】
検出装置300を用いた検出対象物の検出において、検出対象物の濃度が検出に関する上限よりも高く、正確な検出が行われなかった場合、次の検出のために、演算装置100は、以下の条件を選択する。すなわち、前回の検出に用いた条件に対して、光源の周波数としてより高い周波数を選択し、ビーズサイズとしてより小さいサイズを選択し、センサのパターンサイズとしてより小さいサイズを選択する。このように、検出感度を下げることで、正確な検出を行えるようにする。
【0052】
検出装置300を用いた検出対象物の検出において、検出対象物の濃度が検出に関する下限よりも低く、正確な検出が行われなかった場合、次の検出のために、演算装置100は、以下の条件を選択する。すなわち、前回の検出に用いた条件に対して、光源の周波数としてより低い周波数を選択し、ビーズサイズとしてより大きいサイズを選択し、センサのパターンサイズとしてより大きいサイズを選択する。このように、検出感度を上げることで、正確な検出を行えるようにする。
【0053】
検出対象物のサイズが大きいとき、センサにおける電場の染み出し深さが深くなるように、演算装置100は、光源の周波数として比較的低周波数を選択する。このとき、演算装置100は、ビーズサイズとして比較的小さいサイズを選択し、センサのパターンサイズとして比較的大きいサイズを選択する。検出対象物が大きいので、ビーズのサイズを比較的小さくし、全体のサイズが大きくなり過ぎないようにする。また、電場の染み出し深さを深くすることで、大きいサイズの検出対象物を正確に検出できるようにする。
【0054】
検出対象物のサイズが小さいとき、それに応じてセンサにおける電場の染み出し深さが浅くなるように、演算装置100は、以下の条件を選択する。すなわち、演算装置100は、光源の周波数として比較的高周波数を選択し、ビーズサイズとして比較的小さいサイズを選択し、センサのパターンサイズとして比較的小さいサイズを選択する。演算装置100は、検出対象物の濃度に応じて上述のように条件を変更してもよい。
【0055】
本実施形態によれば、試料の条件に応じて適切な検出条件が選択される。その結果、精度のよい検出対象物の検出、又は量の特定などが行われ得る。
【0056】
本実施形態の動作の一例を
図8に示すフローチャートを参照して説明する。この例は、検出対象物の濃度が不明である場合の動作の一例である。
【0057】
ACT201において、演算装置100は、検出対象物の濃度が不明であるので、上述のとおり、供給装置200に、比較的大きなビーズを排出させる。このビーズを用いて検出のための試料が調製される。
【0058】
ACT202において、演算装置100は、光源の周波数を比較的低く設定し、センサとしてパターンサイズが比較的大きいセンサに上述の調製された試料を添加させる。
【0059】
ACT203において、演算装置100は、測定開始の指示が入力されたか否かを判定する。測定開始の指示はユーザによって入力されてもよいし、所定の条件が満たされたとき、測定を開始すると判定されてもよい。測定開始の指示が入力されていないとき、処理は待機して、測定開始の指示の入力を待つ。測定開始の指示が入力されたとき、処理はACT204に進む。
【0060】
ACT204において、演算装置100は、設定された条件で測定動作を行う。例えば上述の条件が設定されているとき、試料が添加されたパターンサイズが比較的大きいセンサを電磁波の照射位置に移動させる。演算装置100は、低周波数の光源に電磁波を放射させる。演算装置100は、このときのセンサにおける反射率を取得して保存する。演算装置100は、試料が添加されていないセンサについて検出された反射波の強度と、試料が添加されたセンサについて検出された反射波の強度とに基づいて、試料中の検出対象物の量を算出する。
【0061】
ACT205において、演算装置100は、正確な値を求めることができる濃度よりも試料中の検出対象物の濃度が高いか否かを判定する。検出対象物の濃度が高いと判定されたとき、処理はACT206に進む。
【0062】
ACT206において、演算装置100は、検出対象物の濃度が高いので、上述のとおり、供給装置200に、前回用いたビーズよりも小さなビーズを排出させる。このビーズを用いて検出のための試料が調製される。
【0063】
ACT207において、演算装置100は、光源の周波数を前回用いた周波数よりも高く設定し、センサとしてパターンサイズが前回用いたものよりも小さいセンサに上述の調製された試料を添加させる。
【0064】
ACT208において、演算装置100は、測定開始の指示が入力されたか否かを判定する。測定開始の指示が入力されていないとき、処理は待機して、測定開始の指示の入力を待つ。測定開始の指示が入力されたとき、処理はACT209に進む。
【0065】
ACT209において、演算装置100は、設定された条件で測定動作を行う。例えば上述の条件が設定されているとき、試料が添加されたパターンサイズが前回よりも小さいセンサを電磁波の照射位置に移動させる。演算装置100は、前回よりも高い周波数の光源に電磁波を放射させる。演算装置100は、このときのセンサにおける反射率を取得して保存する。演算装置100は、試料が添加されていないセンサについて検出された反射波の強度と、試料が添加されたセンサについて検出された反射波の強度とに基づいて、試料中の検出対象物の量を算出する。その後、処理はACT205に戻る。
【0066】
ACT205において、検出対象物の濃度が高くないと判定されたとき、処理はACT210に進む。ACT210において、演算装置100は、算出された検出対象物の量に関する情報を出力する。以上で、本処理は終了する。
【0067】
この例によれば、試料中の検出対象物の濃度が不明であっても、結果的に適切な検出条件が選択される。その結果、精度のよい検出対象物の検出、又は量の特定などが行われ得る。
【0068】
[変形例]
上述の各実施形態では、検出装置300において、電磁波は検出対象物が付加される面と反対側の面から照射され、その反射波が検出される場合を例に挙げて説明した。しかしながらこれに限らない。検出対象物が付加される面に電磁波が照射される場合にも、センサ表面では上述の現象と同様の現象が生じる。したがって、検出対象物が付加される面に電磁波が照射され、その反射波が検出される場合にも、上述の実施形態は適用され得る。
【0069】
また、センサを透過した透過波についても、
図3に示した場合と同様の周波数特性が得られる。したがって、透過率に基づいてセンサ上の物質の検出が行われてもよい。透過波が検出される場合の検出装置の構成例の模式図を
図9に示す。演算装置100は、駆動部330を制御して、照射部320から電磁波を放射させる。この電磁波は、センサ450に照射される。センサ450を透過した電磁波は、受信部340で受信される。受信部340から出力された電磁波の検出に関するアナログ信号は、AD変換回路によってデジタル信号に変換されて、演算装置100に伝達される。演算装置100は、上述の実施形態と同様に、センサ450の透過波の強度に基づいて、センサ450表面の検出対象物の有無又は量を算出する。このような例においても、上述の各実施形態は適用され得る。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
10…システム、100…演算装置、111…CPU、113…メモリ、115…記憶装置、121…バスライン、123…入力I/F、125…出力I/F、130…入力装置、150…外部装置、200…供給装置、220…貯蔵庫、221…第1の容器、222…第2の容器、223…第3の容器、230…駆動回路、231…第1のシャッター、232…第2のシャッター、233…第3のシャッター、240…排出路、250…反応容器、300…検出装置、310…移動機構、320…照射部、321…第1の光源、322…第2の光源、323…第3の光源、330…駆動部、331…第1の駆動回路、332…第2の駆動回路、333…第3の駆動回路、340…受信部、350…AD変換回路、401…センサ、403…基板、404…膜、406…空隙、410…第1のセンサ、420…第2のセンサ、430…第3のセンサ、510…第1のビーズ、520…第2のビーズ、530…第3のビーズ、601…反応液、602…検出対象物。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算装置と、前記演算装置の制御下で制御される供給装置と検出装置とを備えた検出システムであって、
前記演算装置は、
繰り返しパターンを有する導電体で形成されたセンサに磁性を有する標識物で標識した生物系の検出対象物を添加し、当該センサに電磁波を照射して当該電磁波の反射率又は透過率の変化によって前記検出対象物を検出する検出装置に関する検出条件を決定するための装置であって、
入力された条件に応じて、前記標識物で標識した前記検出対象物の大きさが前記センサにおける前記電磁波による電場の染み出し深さ以下となるように、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち、少なくとも1つを決定し、
前記供給装置は、複数種類の前記標識物をそれぞれ収容する複数の容器と、それぞれの容器の排出口付近に設けられた複数のシャッターとを有し、
前記検出装置は、複数種類の前記センサを移動させる移動機構と、複数種類の光源と、前記複数種類の光源をそれぞれ駆動する複数の駆動回路とを有し、
前記演算装置は、決定に基づいて、前記シャッターと前記移動機構と前記駆動回路を制御する、
検出システム。
【請求項2】
前記容器と前記シャッターと前記センサと前記駆動回路は同数である、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記演算装置は、前記複数種類の標識物の中から1種類の前記標識物を選択し、
選択した前記標識物を収容する前記容器の前記シャッターを開くように前記供給装置を制御する、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項4】
前記演算装置は、選択した前記標識物に適切な前記センサを、選択した前記標識物に適切な前記光源による前記電磁波の照射位置に移動させるように前記移動機構を制御する、
請求項3に記載の検出システム。
【請求項5】
前記演算装置は、選択した前記標識物に適切な前記センサに、選択した前記標識物に適切な前記光源が前記電磁波を照射するように前記駆動回路を制御する、
請求項4に記載の検出システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明の実施形態は、検出システムに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本実施形態の一態様は、演算装置と、前記演算装置の制御下で制御される供給装置と検出装置とを備えた検出システムである。演算装置は、繰り返しパターンを有するセンサに標識物で標識した検出対象物を添加し、当該センサに電磁波を照射して当該電磁波の反射率又は透過率の変化によって前記検出対象物を検出する検出装置に関する検出条件を決定する。演算装置は、条件が入力される入力インターフェースと、入力された前記条件に応じて、前記標識物で標識した前記検出対象物の大きさが前記センサにおける前記電磁波による電場の染み出し深さ以下となるように、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち、少なくとも1つを決定する装置である。前記供給装置は、複数種類の前記標識物をそれぞれ収容する複数の容器と、それぞれの容器の排出口付近に設けられた複数のシャッターとを有する。前記検出装置は、複数種類の前記センサを移動させる移動機構と、複数種類の光源と、前記複数種類の光源をそれぞれ駆動する複数の駆動回路とを有する。前記演算装置は、決定に基づいて、前記シャッターと前記移動機構と前記駆動回路を制御する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
繰り返しパターンを有するセンサに標識物で標識した検出対象物を添加し、当該センサに電磁波を照射して当該電磁波の反射率又は透過率の変化によって前記検出対象物を検出する検出装置に関する検出条件を決定するための演算装置であって、
条件が入力される入力インターフェースと、
入力された前記条件に応じて、前記標識物で標識した前記検出対象物の大きさが前記センサにおける前記電磁波による電場の染み出し深さ以下となるように、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち、少なくとも1つを決定するように構成されたプロセッサと
を備える演算装置。
[2]
前記入力インターフェースには、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち1つが入力され、
前記プロセッサは、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとのうち他の2つを決定する、
[1]に記載の演算装置。
[3]
前記入力インターフェースには、前記検出対象物の条件が入力され、
前記プロセッサは、前記電磁波の周波数と、前記標識物の大きさと、前記パターンの大きさとを決定する、
[1]に記載の演算装置。
[4]
複数種類の前記標識物の各々を収容する複数の容器と、
前記複数の容器の各々と標識物の排出口とをつなぐ経路の、接続と遮断とを切り換えるように構成された切り換え機構と、
[1]乃至[3]のうち何れか1項に記載の演算装置と
を備え、
前記演算装置の前記プロセッサは、前記複数種類の標識物の中から1種類の前記標識物を選択し、
前記切り換え機構は、選択された前記標識物を前記排出口から排出するように動作する、
試料調製装置。
[5]
異なる周波数の電磁波を前記センサに照射できるように構成された照射部と、
前記センサで反射した、又は、前記センサを透過した、前記電磁波を受信する受信部と、
[1]乃至[3]のうち何れか1項に記載の演算装置と
を備え、
前記演算装置の前記プロセッサは、前記照射部が放射する電磁波の周波数を選択し、
前記照射部は、選択された前記周波数の電磁波を放射する、
検出装置。