(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181551
(43)【公開日】2023-12-22
(54)【発明の名称】漏洩検知素子。
(51)【国際特許分類】
G01M 3/16 20060101AFI20231215BHJP
G01N 27/16 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
G01M3/16 E
G01N27/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094772
(22)【出願日】2022-06-12
(71)【出願人】
【識別番号】000145530
【氏名又は名称】株式会社潤工社
(72)【発明者】
【氏名】上坂 輔
【テーマコード(参考)】
2G060
2G067
【Fターム(参考)】
2G060AA05
2G060AC01
2G060AE12
2G060AE13
2G060AF07
2G060AG03
2G060AG10
2G060AG11
2G060AG15
2G060JA06
2G060KA05
2G067AA11
2G067BB22
2G067CC01
2G067CC03
2G067DD23
2G067EE15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一つの媒体で、性質の異なる液体を同時に検知可能とする技術を提供する。
【解決手段】本発明の漏洩検知素子は、少なくとも第1検知部および第2検知部を備え、第1検知部は、導電性を有し、並行に配置された第1電極と第2電極とを有し、第2検知部は、流体が浸透可能な材料で構成され、導電性を有する第3電極を有し、第1検知部と第2検知部の間には、流体が通過可能な部材で構成された介在部が配置されていることを特徴としている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1検知部および第2検知部を備えた漏洩検知素子であって、
前記第1検知部は、導電性を有し、並行に配置された第1電極と第2電極とを有し、
前記第2検知部は、流体が浸透可能な材料で構成され、導電性を有する第3電極を有し、
前記第1検知部と前記第2検知部の間には、流体が通過可能な部材で構成された介在部が配置されていることを特徴とする漏洩検知素子。
【請求項2】
前記第1検知部は、前記第1電極および前記第2電極を対とする電極対を複数備えていることを特徴とする、請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項3】
前記第1検知部は、前記第1電極および前記第2電極を対とする電極対を複数備え、かつ前記第1電極と前記第2電極との間の距離D1に対して、前記複数の電極対の互いの距離D2は、0.8~1.2倍の距離に並列配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項4】
第1電極および第2電極はいずれも、金属で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項5】
第1電極および第2電極はいずれも、導電性材料が含有された高分子材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項6】
第1電極は金属で構成され、かつ第2電極は導電性材料が含有された高分子材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項7】
第1電極および第2電極はいずれも、長手方向に延びる第1の方向に対し垂直な方向の断面積が0.1以上、1㎣以下であることを特徴とする、請求項1に記載の洩検知部材(装置、システム)。
【請求項8】
前記第2検知部は、導電性材料が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項9】
前記第2検知部は、多孔質体であり、導電性材料が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項10】
前記第2検知部は、多孔質体であり、導電性材料として少なくともカーボン粒子が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項11】
前記第2検知部は、多孔質体であり、導電性材料として少なくともカーボン粒子が含有されており、カーボン粒子含有率が10質量%以上80質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項12】
前記第2検知部は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成され、未焼成であることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項13】
前記介在部は、疎水性を有していることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項14】
前記介在部は、多孔質体であることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項15】
前記介在部は、多孔質体であり、少なくとも表面の空孔率が40%~98%であることを特徴とする、請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項16】
前記介在部は、編組構造であることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項17】
前記介在部は、編組構造であり、編組密度が0.3以上、0.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項18】
前記介在部は、水との接触角が80度以上であることを特徴とする、請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項19】
前記介在部は、臨界表面張力が5mN/m以上、18.5mN/m以下であることを特徴とする、請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項20】
前記介在部は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項21】
第1検知部および介在部は、間隔を空けずに隣接していることを特徴とする、請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項22】
第2検知部および介在部は、間隔を空けずに隣接していることを特徴とする、請求項1に記載の漏洩検知素子。
【請求項23】
少なくとも第1検知部および第2検知部を備えた漏洩検知素子であって、
前記第1検知部は、
絶縁性を有し、液体浸透可能な材料で構成された第1絶縁体と、
当該第1絶縁体の外側に、互いに離間した状態で並行して設けられた第1および第2導電体と、を有し、
前記第2検知部は、
第3導電体と、
当該第3導電体の外側に設けられた第2絶縁体と、
当該第2絶縁体の外側に設けられ、前記第2導電体と電気的に接続され、導電性を有し、液体浸透可能な第2導電体と、を有することを特徴とする、漏洩検知素子。
【請求項24】
前記第2導電体の外側に設けられていることを特徴とする、請求項23に記載の漏洩検知素子。
【請求項25】
同軸構造を有していることを特徴とする、請求項23に記載の漏洩検知素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏洩検知素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、原油、精製された石油化学製品、または酸や塩基のような腐食性液体のような液体移送には、タンクと地下や屋外パイプラインが利用される。地下や屋外パイプラインを利用する場合、パイプ、パイプ連結部及びバルブで漏れが発生し得る。パイプラインで液体の漏れが発生することを感知する必要がある。
【0003】
このような液体漏れ感知のための様々な装置が公知になっている。水や有機溶剤または腐食性液体のような液体の漏れをパイプラインの長い経路に沿って感知するために、センサケーブルが用いられ得る。センサケーブルは、パイプライン内の全長に沿って、または漏れが生じる傾向性が大きな部分に配置され得る。このような環境においては、特許文献1に開示された漏液感知ケーブルが用いられることが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の漏液感知ケーブルは、先行技術文献のケーブルは、「単一」の感知部を用いて、長さに比例する一定の抵抗値を有して液体と反応して出力電流値を変化させ、液体漏洩の検知を行う。
しかし、この先行技術文献のケーブルでは、性質の異なる液体(例えば水と油)を、一つの媒体(検知体)で同時に検知できない。
また、この性質の異なる液体を検知しようとする場合には、材質等をそれぞれの液体に合わせたケーブルを、少なくとも2本以上用意する必要があり、省スペース化の妨げになる虞あるだけでなく、製造コストも増大する虞がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、一つの媒体で、性質の異なる液体を同時に検知可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的達成のため、本発明の漏洩検知素子は、少なくとも第1検知部および第2検知部を備え、第1検知部は、導電性を有し、並行に配置された第1電極と第2電極とを有し、第2検知部は、流体が浸透可能な材料で構成され、導電性を有する第3電極を有し、第1検知部と第2検知部の間には、流体が通過可能な部材で構成された介在部が配置されていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本願発明の技術的思想を説明するための図である。
【
図3】第1実施形態にかかる漏洩検知素子を説明するための図である。
【
図4】第2実施形態にかかる漏洩検知素子を説明するための図である。
【
図5】第3実施形態にかかる漏洩検知素子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(技術的思想)
まず初めに、本願発明の技術的思想を説明する。
図1および
図2は本願発明の技術的思想を示す概念図である。本願発明は、従来技術には存在しない、「一つの媒体で、性質の異なる液体を同時に検知」するためのものである。このために本願発明では、少なくとも第1検知部および第2検知部を備え、第1検知部および第2検知部の間に流体が投下可能な介在部が設けられることにより、この介在部を通して、流体の臨界表面張力、粘度等、種々の性質によって性質の異なる液体を振り分け、検知機能の異なる第1検知部および第2検知部において所望の液体をそれぞれ検知可能になる。
【0010】
なお、本願発明は、様々な変更を加えることができ、種々の形態を有し得、実施例を本文に詳細に説明する。しかし、これは、本願発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本願発明の技術的思想及び技術の範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。各図面を説明しながら類似した参照符号を類似した構成要素に対して使用した。第1、第2等の用語は、様々な構成要素を説明するのに用いられ得るが、前記構成要素は、前記用語により限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。本願出願において使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたものであり、本願発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明らかに異に意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「なされる」等の用語は、明細書上に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0011】
異に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本願発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本願出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0012】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の実施例について説明する。図面に関係なく同じ部材番号は同じ構成要素を指す。実施例において重複する説明は省略する。
【0013】
図1は本願発明を概念的に示す概略図である。
図1に示す通り、本願発明の漏洩検知素子100は、第1検知部110および第2検知部120を備えている。また、これらの第1検知部110および第2検知部120の間には介在部130が配置されている。
第1検知部110は、一定の間隔を空けて並行に配置された第1電極E1と第2電極E2とを有している。この第1電極E1と第2電極E2はそれぞれ、長さに比例する一定の抵抗値を有している。
第2検知部120は、第3電極E3を有している。この第3電極E3は、液体が含侵可能な材料で構成されており、かつ導電性を有しており、長さに比例する一定の抵抗値を有している。
介在部130は、流体が通過可能な部材で構成されている。
なお、図示しないものの、上記の第1電極E1、第2電極E2、および第3電極E3は、測定機器により、抵抗値が測定可能な状態になっている。
【0014】
図2は
図1で説明した本願発明の断面図であり、
図2(a)~
図2(c)において、液体検知の原理を示す概念図である。
図2(a)は、性質の異なる液体(例えば、導電性を有する第1液体L1と絶縁性を有する第2液体L2)が、本願発明にかかる漏洩検知素子100に接触する前段階を示した図である。この状態から、第1液体L1(例えば導電性を有する水)と第2液体L2(例えば絶縁性を有する油)が本願発明にかかる漏洩検知素子100に接触すると(
図2(b)参照)、第1液体L1によって、電圧の生じている第1電極E1および第2電極E2の2点間が接触し、第1電極E1および第2電極E2が電気的に接続されることにより、第1検知部110の第1電極E1と第2電極E2が短絡する。この短絡により、第1電極E1および第2電極E2の抵抗値は低下する。この抵抗値の低下により、まずは第1検知部110によって、第1液体L1の検知が可能である。
この図(b)の状態において、絶縁性を有する第2液体L2が第1電極E1と第2電極に接触したとしても短絡は発生しない。同図に示すように、第2液体L2は介在部130を通過し、第2電極に接触し、含侵する。この含侵によって、第3電極の抵抗値が上昇する。この抵抗値の上昇により、第2検知部120によって、第2液体L2の検知が可能である。
【0015】
なお、上述した本願発明を概念的な説明においては、第1検知部110側から液体が通過するように説明したが、これに限らず、第2検知部120側から液体が通過するようにしてもよい。また、性質の異なる液体として導電性の液体と絶縁性の液体を用いて説明したが、これに限られない。
さらには、第1液体L1は、介在部130の表面でとどまるように図示しているが、介在部130に対して浸透の度合いを調整することは可能であり、介在部130に浸透した状態で留まるようにしてもよく、また介在部130を通過して第2検知部120に接触または浸透するようにしてもよく、所望の液体に合わせ、構成を変更することができることはもちろんである。
また、平型構造体で説明を行ったが、本願発明はこれに限ら得るものではないことは当然であり、上述した本願発明の技術的思想を満たすものであればよく、例えば同軸構造としてもよい。
【0016】
図3は、第1実施形態にかかる漏洩検知素子200を示している。
図3(a)は、第1実施形態にかかる漏洩検知素子200の各構成を説明するため斜視図である。
図3(b)は、第1実施形態にかかる漏洩検知素子200の長手方向(
図3(a)の左右方向)に直行する方向の断面図である。
同図に示すように、漏洩検知素子200は、平型構造で構成されている。
【0017】
漏洩検知素子200は、上側から順に、2対の第1電極E11と第2電極E12で構成された第1検知部210と、シート状の介在部230と、シート状の第2検知部220を備えている。第1検知部210および介在部230は互いに隙間を開けずに隣接している。第1検知部210は介在部230に載置されているのみで、溶接はされていない。介在部230および第2検知部は互いに隙間を開けずに隣接している。介在部230は第2検知部220に載置されているのみで、溶接はされていない。
なお、図示しないものの、上記の第1検知部210および第2検知部220は、測定機器により、抵抗値が測定可能な状態になっている。
【0018】
2対の第1電極E11および第2電極E12はいずれも、断面円形の金属の素線(材質はステンレス鋼)で構成されており、第1の方向となる長手方向(
図3(a)の左右方向)に伸びている。この第1電極E11と第2電極E2はそれぞれ、長さに比例する一定の抵抗値を有している。
【0019】
本実施形態においては、第1電極E11および第2電極E12はいずれも、直径が0.4mmの素線を採用している。
【0020】
ここで本実施形態では、第1検知部210となる第1電極E12および第2電極E12はいずれも、ステンレス鋼で構成されているが、これに限らず、導体としての機能を有していればよく、種々の金属を選択することができ、また、単一の金属で構成できるだけでなく、メッキや蒸着により多層構造とすることができる。また第1検知部210は、金属だけでなく、導電性材料が含有された高分子材料で構成された素線を選択することができる。さらには、第1電極E12および第2電極E12は、上記の材料から同種の材料を選択してもよいだけでなく、異なる材料を選択してもよい。
【0021】
また、本実施形態においては、第1検知部210は2対の第1電極E11および第2電極E12で構成しているが、少なくとも1対以上であればよく、所望の範囲を検知可能とするために電極対の数を選択することができる。
【0022】
また、並行に配置された第1電極E11と第2電極E12との間の距離D1に対して、隣接する他の電極対との互いの距離D2は、1倍の距離に設定されている。
【0023】
本実施形態の介在部230は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)に延伸処理を施すことにより多孔質体にしたシート状のものである。
【0024】
上記の多孔質体である多孔質PTFEシートは、PTFEのファインパウダーを成形助剤と混合して得られるペーストを成形し、該成形体から成形助剤を除去した後、高温高速度で延伸し、さらに必要に応じて焼成することにより得られる。その詳細は、例えば特公昭51-18991号公報に記載されている。なお、延伸処理は、1軸延伸であってもよいし、2軸延伸であってもよい。1軸延伸多孔質PTFEフィルムは、ミクロ的には延伸方向と略直交する細い島状のノード(折り畳み結晶)が存在し、このノード間を繋ぐようなすだれ状のフィブリル(前記折り畳み結晶が延伸により溶けて引き出された直鎖状の分子束)が延伸方向に配向している点に特徴がある。一方、2軸延伸多孔質PTFEフィルムは、フィブリルが放射状に拡がり、フィブリルを繋ぐノードが島状に点在してフィブリルとノードとで分画された空間が多数存在するクモの巣状の繊維質構造となっている点にミクロ的な特徴がある。2軸延伸多孔質PTFEフィルムは、1軸延伸多孔質PTFEフィルムよりも広幅化が容易であり、縦方向・横方向の物性バランスに優れ、単位面積あたりの生産コストが安くなるため、特に好適に用いられる。
【0025】
ここで介在部230は、少なくとも流体が通過可能であればよく、例えば樹脂からなり、表面から内部にかけて、複数の微孔が形成されたものであることが好ましい。この微孔に対し第1液体L1と第2液体L2のそれぞれの浸透を調整する。平面視における微孔の平均径は1mm以下であることが好ましく、1μm(マイクロメートル)以下であることがさらに好ましい。また微孔は、深さ方向に連通する構成を有することが好ましい。
このような介在部230の材料の例としては、高分子材料の繊維からなる織布、不織布も挙げられ、またシート状に形成した基材を発泡、延伸させることで多孔質構造としたものであっても良い。発泡や延伸による微孔の形成は、極小径や高い空孔率を容易に得られる点で好ましい。
構成する樹脂は、特定のものに限定されないが、好ましくは、フッ素樹脂、具体例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフロオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(THV)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン-三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVdF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)が選択される。
また、機械的特性や耐薬品性の面から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)に代表されるポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に代表されるポリアリレート樹脂、高分子量ポリエチレンやポリアラミド、更にはポリイミド樹脂も好ましい態様である。
本実施形態の介在部230は、流体が通過可能な部材で構成されていればよく、例えば空孔を有するシート状のものであるが、この空孔は、材料を発泡、延伸、また繊維状のものを不織布、織布とすることにより、多数の微孔が形成されたものをいう。例えば網目(メッシュ)状、不織布状、織布状、種々の構造で作製し得る材料で構成されており、特定の樹脂に限定されないが、好ましくは、フッ素樹脂、具体例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフロオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(THV)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン-三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVdF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)が選択される。また、機械的特性や耐薬品性の面から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)に代表されるポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に代表されるポリアリレート樹脂、高分子量ポリエチレンやポリアラミド、更にはポリイミド樹脂も好ましい態様である。
【0026】
また、本実施形態の介在部230は、単層構造であるが、上記の材料を組み合わせ、多層構造にすることにより液体の通過度を調整してもよい。
【0027】
さらには、介在部230を多孔孔質フッ素樹脂で構成した場合、その空孔率は、例えば、40~98%程度、好ましくは50~95%程度、さらに好ましくは60~90%程度である。空孔率が小さすぎると、フッ素系エラストマーの充填量が小さくなり、押圧力の緩衝機能が低下する。一方、空孔率が大きすぎると、多孔質フッ素樹脂の機械的強度が低下する。
【0028】
上記の空孔率は、多孔質フッ素樹脂の見掛け密度ρ1(単位:g/cm3、JIS K 6885に準じて測定される)と、多孔質化してない場合のフッ素樹脂本来の密度(真密度)ρ2(PTFEの場合は2.2g/cm3)から、下記式に基づいて算出される値である。
空孔率(%)=(ρ2-ρ1)/ρ2×100
【0029】
また、介在部230の空孔率は、介在部230の質量Wと、空孔部を含む見かけの体積Vとを測定することによって求まる嵩密度D(D=W/V:単位はg/cm3)と、全く空孔が形成されていないときの密度Dstandard(PTFE樹脂の場合は2.2g/cm3)を用い、下記式に基づいても算出できる。なお、体積Vを算出する際の厚みは、ダイヤルシックネスゲージで測定した(テクロック社製「SM-1201」を用い、本体バネ荷重以外の荷重をかけない状態で測定した)平均厚みによる。
空孔率(%)=[1-(D/Dstandard)]×100
【0030】
多孔質フッ素樹脂の最大細孔径は、充填すべきフッ素系エラストマーの特性(充填の容易さ)などの観点から、適宜設定すればよく、例えば、0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上であって、20μm以下、好ましくは10μm以下である。最大細孔径が小さすぎるとフッ素系エラストマーの充填が困難である。また最大細孔径が大きすぎると、機械的強度が不十分となることがある。なお最大細孔径は、ASTM F316-86の規定(使用薬剤:エタノール)に従って測定できる。
【0031】
多孔質フッ素樹脂の平均細孔径は、例えば、0.07~10μm程度である。平均細孔径が小さすぎると液体透湿性が低下するため、透湿能力が低下する。また平均細孔径が小さすぎると通気性も低下するため、熱交換能力が低下し、パーベーパレーション膜として使用したときの分離効率も低下する。より好ましい平均細孔径は0.09μm以上である。逆に平均細孔径が大きすぎると、介在部230を製造する際、透湿性樹脂を含む混合液を塗布したときに、この透湿性樹脂が多孔質膜の細孔内に入り込み易くなるため、透湿性樹脂よりなる膜の形成が困難となる。より好ましくは5μm以下である。なお、介在部230の平均細孔径は、コールターエレクトロニクス社のコールターポロメーターを用いて測定した孔径の平均値を意味する。ePTFEフィルムの平均細孔径は延伸倍率等によって適宜制御できる。
【0032】
介在部230の空孔率は前記平均細孔径に応じて適宜設定できるが、例えば、30%以上(好ましくは50%以上)、98%以下(好ましくは90%以下)程度であることが推奨される。なお、ePTFEフィルムの空孔率は、上記平均細孔径と同様、延伸倍率等によって適宜調整できる。
【0033】
介在部230の通気度は、例えば、500sec以下、好ましくは10sec以下である。通気度の値が大きすぎると、膜の透湿性が低くなり、得られる隔膜の透湿性が不充分となる。また隔膜を熱交換膜やパーベーパレーション膜として使用したときに、熱交換能力の低下や分離効率の低下が生じる。
【0034】
介在部230の厚みは特に限定されないが、好ましくは1mm以下程度である。厚くなりすぎると透湿能力が低下する。また熱交換膜やパーベーパレーション膜として使用したときに、熱交換能力の低下や分離効率の低下が生じる。より好ましくは600μm以下である。但し、薄くなりすぎると加工性を損なうため1μm以上とすることが好ましい。より好ましくは2μm以上である。
【0035】
また、介在部230の濡れ性は、構成する樹脂の臨界表面張力γcを指標にして設定できる。臨界表面張力γcとは、表面自由エネルギー(単位面積を広げるのに必要なエネルギー)の目安としてZismanによって提唱された指標である(北原著、界面・コロイド化学の基礎、第8章「ぬれ」、講談社、1994年)。液体(塗布液)が固体(補強材など)の表面を完全に濡らす(接触角0度の状態)ためには、液体(塗布液)の表面張力γが、固体(補強材など)の臨界表面張力γc2よりも小さいことが必要とされ(γc2>γ;式A1)、逆に液体(塗布液)が固体(多孔質膜など)の表面を完全に濡らさないためには、液体(塗布液)の表面張力γが、固体(多孔質膜など)の臨界表面張力γc1よりも大きいことが必要とされる(γ>γc1;式B1)。
【0036】
ただし、実際には完全に濡れなくても、空隙部(繊維間の隙間)が比較的大きい場合には、液体が介在部230に浸透することができ、空孔率によってよって、性質の異なる第1液体と第2液体のそれぞれの浸透・通過の度合いを調整することができる。
また、濡れ性が悪いと、液体が均一に浸透などの欠点が生じ易い。
【0037】
これらのことから、検知を要する液体の表面張力γが介在部230の臨界表面張力γc2に比べて所定値a(aは、例えば、10mN/m程度、好ましくは5mN/m程度)程度まで大きくても透湿性樹脂の形成は可能である。すなわちγc2+a≧γ(式A2)の関係を満足する範囲で、透湿性樹脂膜の形成が可能である。一方、介在部230に対して検知を要する液体が完全に濡れない場合であっても、毛細管現象によって検知対象液体が介在部230内に浸透していくことがある。従って毛細管現象を考慮すると、検知対象液体の表面張力γは介在部230の臨界表面張力γc1よりも所定値b以上、大きいことが求められる(γ≧γc1+b;式B2)。なお、前記bは、介在部230の平均細孔径などに応じて変化する多孔質膜に固有の値であり、例えば5mN/m程度、好ましくは10mN/m程度である。
【0038】
そして前記式A2と式B2を統合するとγc2+a≧γc1+bとなり、整理するとγc2-γc1≧b-a(式C)となる。この式Cは、補強材の臨界表面張力γc2と介在部230の基材の臨界表面張力γc1との関係を示しており、混合液を塗布して介在部230を製造する場合には、その前提として、補強材の臨界表面張力γc2と介在部230の基材の臨界表面張力γc1が前記式Cの関係を満足していることが必要となる。そして塗布液を調合する場合には、前記式A2及び式B2の関係を満足するように、塗布液の表面張力γを調整することが必要となる。
【0039】
式C,式A2、及び式B2の好ましい範囲を下記に示す。
【0040】
式C:
例えば、γc2-γc1≧-5mN/m(a=10mN/m、b=5mN/mのときなど)
好ましくは、γc2-γc1≧0mN/m(a=5mN/m、b=5mN/mのとき;a=10mN/m、b=10mN/mのときなど)
さらに好ましくは、γc2-γc1≧5mN/m(a=5mN/m、b=10mN/mのときなど)
特にγc2-γc1≧10mN/m
式A2:
例えば、γ≦γc2+10mN/m
好ましくは、γ≦γc2+5mN/m
さらに好ましくは、γ≦γc2
式B2:
例えば、γ≧γc1+5mN/m
好ましくは、γ≧γc1+10mN/m
さらに好ましくは、γ≧γc1+15mN/m
なお、一般的な材料の臨界表面張力γc(単位:mN/m)は、E.G.Shafrin, Polymer Handbook 2nd Ed. (J.Brandrup, E.H.Immergut ed.), John Wiley, New York, 1975, p-III/221に紹介されている。従ってこの値を参考にして、補強材40や多孔質膜20の素材を選択すれば、容易に上記式Cの関係を満足させることができる。臨界表面張力γcが知られていない素材で形成する場合には、該素材によって形成された平滑シート(測定への影響が充分に小さい平滑なシート)を用い、ジスマンプロットによって使用素材の臨界表面張力γcを求めることができる。
【0041】
透湿性樹脂と溶剤の混合液(塗布液)の表面張力γ(単位:mN/m)は、垂直板法によって測定でき、この測定には協和界面科学株式会社製の自動表面張力計[CBVP-Z型(商品名)]を用いればよい。混合液(塗布液)の表面張力γは、透湿性樹脂の濃度や使用溶剤を適宜設定することによって調整できる。また必要に応じて界面活性剤などを使用してもよい。
【0042】
また、本実施形態の介在部230は、ポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)に延伸処理を施すことにより多孔質体となっており、親水性処理を行っておらず、疎水性を有する。これにより、第1液体L1が水である場合には、介在部の表面に第1液体L1が留まり、第1検知部110の第1電極E11および第2電極E12の間を精度よく短絡させることができ、検知感度を向上させることができる。
フィルムの疎水度を測定するための水付着接触角測定において、水滴の基線と水滴境界での接線間の角度である水接触角は、A.クルエス・オプトロニック(A.Kruess Optronic GmbH)からの接触角測定系(Contact Angle Measuring Systems)G10または接触角測定系G2などの装置を用いて測定される。介在部230と水との接触角は80度以上が好ましく、より好ましくは110度以上であり、120度以上は特に有用な値である。すべての接触角測定は脱イオン水を用いて行った。
【0043】
第2検知部220は、本実施形態においては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)にカーボン粒子を含有させたカーボン含有ポリテトラフルオロエチレン(CPTFE)に延伸処理を施し、多孔質構造となることにより、流体が浸透可能な材料で構成され、導電性を有する第3電極E13になっている。
【0044】
ここで、含有するカーボン粒子は10質量%以上80質量%以下が好ましく、さらには検知感度を向上させるためには60質量%以上80質量%以下が好まく、また延伸処理の容易さからは20質量%以上35質量%以下が好ましい。これは後述する第3電極における抵抗値の変動を検知するために、検知感度の観点から導き出されるものであり、その測定については熱重量測定(TG法)が用いられる。
【0045】
また第2検知部220は、本実施形態においては、上記の通りカーボン含有ポリテトラフルオロエチレンで構成されていたが、これに限定されず、導電性粒子が分散された連続気孔性の多孔質高分子基材、または導電性粒子が分散された未焼成のポリテトラエチレン(PTFE)で構成することができる。特に第2検知部220を薄肉上にした場合には、液体の浸透の時間が短いため、第2検知部220を導電性粒子が分散された未焼成のポリテトラエチレン(PTFE)で構成することにより、延伸処理等の工数が削減されるだけでなく、品質安定性に優れる。
【0046】
上記の導電性粒子とは、例えば酸化チタンなどの安価な無機材料の粉末の表面に、金、銀及び白金族元素から選ばれる貴金属の一種ないし二種以上のものである。この導電性粒子は、通常の使用状態では酸化されることはないから、これを高分子材料に混入して導電性の組成物としたときに、その導電性は長期に渡り安定している。かかる導電性粒子は、例えば異なる貴金属を二種以上重ねることはもちろん可能であるが、積層する場合には、少なくとも粒子の表面のみが酸化を受けにくい貴金属の層であれば実用上は問題がなく、例えば内側を銅、ニッケル等の貴金属に比べて安価な金属の層とし、その外側に貴金属の層を設けるようにしてもよい。また、貴金属で被覆される粒子としては、酸化チタンの他に、酸化亜鉛、アルミナ、シリカなどの金属酸化物、金属粉末、あるいはカーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の導電性炭素物質などの無機物、さらにプラスチックの粉末等の有機物などが挙げられ、その材質については特に限定されない。そして、導電性粒子の粒径は、使用条件等によっても異なるが、一般には0.7~20μmのものが好適であり、またその配合量は感知部全体に対して10~80重量%の範囲が好適である。
【0047】
また、多孔質高分子基材としては、液体の浸透並びに気体の浸入を妨げない連続気孔性のものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムのいずれの多孔質材料でも使用可能であるが、成形加工等の面からは熱可塑性樹脂からなるものが好ましい。具体例を挙げれば、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレン、多孔質フッ素樹脂などであり、その中でも延伸により多孔質化されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好適である。なお、例えば外部からの水の侵入を回避したい場合には、使用条件によっては、防滴のための保護層として導電性粒子を含まない撥水性の多孔質化した高分子材料の層を第2検知部230の外側に被覆してもよい。
【0048】
上記の構成の第1実施形態においては、第1電極E11、第2電極E12、および第3電極E13を測定機器(図示せず)の3つの端子(端子A、端子Bおよび端子C)に接続する。その際、第2電極E12および第3電極E13は互いに先端で短絡させておく。これにより、下記に記載する検知においては、第1電極E12および第2電極E12の導体を接続した2つの端子Bおよび端子Cの間を監視するとともに、第1電極E11および第2電極E12の導体を接続した2つの端子Aおよび端子Bの間を監視するとともに、第2電極E12および第3電極E13の導体を接続した2つの端子Bおよび端子Cの間を監視する。
【0049】
上記の構成の第1実施形態にかかる漏洩検知素子200においては、所望の場所に設置され、液体が付着することにより、導電性液体(例えば水)が付着することにより、第1電極E11および第2電極E12の電圧の生じている2点間が接触し、電気的に接続されることにより、第1電極E11と第2電極E12が短絡する。この短絡により、第1電極E11および第2電極E12の抵抗値は低下する。この抵抗値の低下により、まずは第1検知部210によって、第1液体L1の検知が可能である。
また絶縁性液体(例えば油)となる第2液体L2が第1電極E11と第2電極E12に接触したとしても短絡は発生しない。第2液体L2は介在部230を浸透・通過し、第3電極E13に接触し、含侵する。この含侵によって、第3電極E13の抵抗値が上昇する。この抵抗値の上昇により、第2検知部220によって、第2液体L2の検知が可能である。このように、本実施形態の漏洩検知素子200によれば、「一つの媒体で、導電性の液体と絶縁性の液体を検知」することができる。
【0050】
図4は、第2実施形態にかかる漏洩検知素子300を示している。
図4(a)は、第2実施形態にかかる漏洩検知素子300の各構成を説明するため斜視図である。
図4(b)は、第4実施形態にかかる漏洩検知素子300の長手方向(
図4(a)の左右方向)に直行する方向の断面図である。
同図に示すように、漏洩検知素子300は、第1実施形態と同様、平型構造で構成されている。第2実施形態の説明においては、第1実施形態と同じ構成については記載を省略し、以下、第1実施形態と異なる構成を説明するとともに、第1実施形態で説明した材質等の種々の選択は同様に選択することができることはもちろんである。
【0051】
漏洩検知素子300は、上側から順に、2対の第1電極E21と第2電極E22で構成された第1検知部310と、シート状の第2検知部320と、第1検知部310と第2検知部との間に部分的に介在するとともに、第2検知部320を包含する介在部330を備えている。
なお、図示しないものの、上記の第1検知部310および第2検知部320は、測定機器により、抵抗値が測定可能な状態になっている。
【0052】
第2実施形態では、第1実施形態と異なる点として、第2検知部320として第4電極E24をさらに備えている。この第4電極E24は、断面円形の金属の素線(材質はステンレス鋼)で構成されており、第1の方向となる長手方向(
図4(a)の左右方向)に伸びている。この第4電極E24は、長さに比例する一定の抵抗値を有している。
【0053】
また、第2実施形態では、さらに第1実施形態と異なる点として、介在部330が第2検知部を包含している。本実施形態の介在部330は2つのシート状のものを張り合わせており、1方のシートで上述した第4電極E24を内在しているとともに、2つのシートで第3電極E23を挟んだ状態で、両端(
図4の左右の端部)に熱処理を施すことによりラミネートされている。
【0054】
上記の構成の第2実施形態においては、第1電極E21および第2電極E22を測定機器の一つの端子に接続し、第3電極E23および第4電極E24を測定機器のもう一つの端子に接続し、液体の漏洩を監視する。
【0055】
上記の構成の第2実施形態にかかる漏洩検知素子300においては、所望の場所に設置され、液体が付着することにより、導電性液体(例えば水)が付着することにより、第1電極E21および第2電極E22の電圧の生じている2点間が接触し、電気的に接続されることにより、第1電極E21と第2電極E22が短絡する。この短絡により、第1電極E11および第2電極E12の抵抗値は低下する。この抵抗値の低下により、まずは第1検知部310によって、第1液体L1の検知が可能である。
また絶縁性液体(例えば油)となる第2液体L2が第1電極E21と第2電極E22に接触したとしても短絡は発生しない。第2液体L2は介在部330を浸透・通過し、第2電極E23に接触し、含侵する。この含侵によって、第3電極E23の抵抗値が上昇する。この抵抗値の上昇により、第2液体L2の検知が可能である。このように、本実施形態の漏洩検知素子300によっても、「一つの媒体で、導電性の液体と絶縁性の液体を検知」することができる。
【0056】
次に、
図5を用いて、第3実施形態の漏洩検知素子400を説明する。
図5(a)は第1実施形態にかかる漏洩検知素子400の長手方向に直行する方向の断面図である。
図5(b)は、第3実施形態にかかる漏洩検知素子400の各構成を説明するための側面図である。
同図に示すように、漏洩検知素子400は、同軸構造を有しており、上述した第1および第2実施形態に示すような平型構造と比較して、配線上の取り回しやすさや、また液体が接触する場所を選ぶことなく四方から液体の漏洩検知が可能となる。
【0057】
漏洩検知素子400は、7本の素線(材質はステンレス鋼)が撚り合わされ、長手方向となる第1の方向(
図5(a)の奥行方向、
図5(b)の左右方向)に延びる第2検知部420となる中心導体(第4電極E34)と、この中心導体420の外側に積層された第1絶縁体層(材質はエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE))440と、この第1絶縁体層440の外側に積層され、上記の第4電極E34と併せて第2検知部420となる第3電極層E33と、この第3電極層E33の外側に積層された介在層430と、この介在層430の外側において、第1の方向に対して互いに一定の間隔を空けて平行に巻き付けられた第1検知部410となる第1電極E31と第2電極E32を備えている。
なお、第1検知部410となる第1電極E31および第2電極E32と、第2検知部420となる第3電極E33および第4電極E34と、はそれぞれ、長さに比例する一定の抵抗値を有しており、図示しないものの、上記の第1検知部410および第2検知部420は、測定機器により、抵抗値が測定可能な状態になっている。
【0058】
第1電極E11および第2電極E12はいずれも、断面円形の金属の素線(材質はステンレス鋼)で構成されており、第1の方向となる長手方向(
図3(a)の左右方向)に伸びている。この第1電極E11と第12電極E2はそれぞれ、長さに比例する一定の抵抗値を有している。
【0059】
なお、第3実施形態では、中心導体(第4電極E34)は、7本の素線を撚り合わせているが、これに限らず、1又は複数素線で構成してもよい。
また、中心導体(第4電極E34)は、ステンレス鋼で構成されているが、これに限らず、導体としての機能を有していればよく、種々の金属を選択することができ、また、単一の金属で構成できるだけでなく、メッキや蒸着により多層構造とすることができる。また中心導体(第4電極E34)は、金属だけでなく、導電性材料が含有された高分子材料で構成された素線を選択することができる。
【0060】
第1絶縁体層440は、本実施形態においては耐薬品性の観点からエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)で構成されているが、これに限らず、絶縁性を有する樹脂であればよいが、耐薬品性による品質の長期安定性の観点からは、フッ素樹脂がより好ましい。
【0061】
第3電極層E33は、本実施形態においては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)にカーボン粒子を含有させたカーボン含有ポリテトラフルオロエチレン(CPTFE)に延伸処理を施し、多孔質構造となることにより、流体が浸透可能な材料で構成されている。本実施形態においては、テープ状のものを第1絶縁体層440に巻き回し、被覆することで積層されている。
【0062】
ここで、含有するカーボン粒子は10質量%以上80質量%以下が好ましく、さらには検知感度を向上させるためには60質量%以上80質量%以下が好まく、また延伸処理の容易さからは20質量%以上35質量%以下が好ましい。これは後述する第3電極における抵抗値の変動を検知するために、検知感度の観点から導き出されるものであり、その測定については熱重量測定(TG法)が用いられる。
【0063】
また第3電極層E33は、本実施形態においては、上記の通りカーボン含有ポリテトラフルオロエチレンで構成されていたが、これに限定されず、導電性粒子が分散された連続気孔性の多孔質高分子基材、または導電性粒子が分散された未焼成のポリテトラエチレン(PTFE)で構成することができる。特に後述する第3電極層E33を薄肉上にした場合には、液体の浸透の時間が短いため、第3電極層E33を導電性粒子が分散された未焼成のポリテトラエチレン(PTFE)で構成することにより、延伸処理等の工数が削減されるだけでなく、品質安定性に優れる。
【0064】
上記の導電性粒子とは、例えば酸化チタンなどの安価な無機材料の粉末の表面に、金、銀及び白金族元素から選ばれる貴金属の一種ないし二種以上のものである。この導電性粒子は、通常の使用状態では酸化されることはないから、これを高分子材料に混入して導電性の組成物としたときに、その導電性は長期に渡り安定している。かかる導電性粒子は、例えば異なる貴金属を二種以上重ねることはもちろん可能であるが、積層する場合には、少なくとも粒子の表面のみが酸化を受けにくい貴金属の層であれば実用上は問題がなく、例えば内側を銅、ニッケル等の貴金属に比べて安価な金属の層とし、その外側に貴金属の層を設けるようにしてもよい。また、貴金属で被覆される粒子としては、酸化チタンの他に、酸化亜鉛、アルミナ、シリカなどの金属酸化物、金属粉末、あるいはカーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の導電性炭素物質などの無機物、さらにプラスチックの粉末等の有機物などが挙げられ、その材質については特に限定されない。そして、導電性粒子の粒径は、使用条件等によっても異なるが、一般には0.7~20μmのものが好適であり、またその配合量は感知部全体に対して10~80重量%の範囲が好適である。
【0065】
また、多孔質高分子基材としては、液体の浸透並びに気体の浸入を妨げない連続気孔性のものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムのいずれの多孔質材料でも使用可能であるが、成形加工等の面からは熱可塑性樹脂からなるものが好ましい。具体例を挙げれば、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレン、多孔質フッ素樹脂などであり、その中でも延伸により多孔質化されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好適である。なお、例えば外部からの水の侵入を回避したい場合には、使用条件によっては、防滴のための保護層として導電性粒子を含まない撥水性の多孔質化した高分子材料の層を第2検知部230の外側に被覆してもよい。
【0066】
本実施形態の介在部430は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に延伸処理を施したテープ状のものを、上述した第3電極層E33に巻回されている。ここで介在部430は、少なくとも流体が通過可能であればよく、例えば樹脂からなり、表面から内部にかけて、複数の微孔が形成されたものであることが好ましい。この微孔に対し第1液体L1と第2液体L2のそれぞれの浸透を調整する。平面視における微孔の平均径は1mm以下であることが好ましく、1μm(マイクロメートル)以下であることがさらに好ましい。微孔は深さ方向に連通する構成を有することが好ましい。
このような介在部430の材料の例としては、高分子材料の繊維からなる織布、不織布も挙げられ、またシート状に形成した基材を発泡、延伸させることで多孔質構造としたものであっても良い。発泡や延伸による微孔の形成は極小径や高い空孔率を容易に得られる点で好ましい。
構成する樹脂は、特定のものに限定されないが、好ましくは、フッ素樹脂、具体例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフロオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(THV)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン-三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVdF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)が選択される。
また、機械的特性や耐薬品性の面から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)に代表されるポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に代表されるポリアリレート樹脂、高分子量ポリエチレンやポリアラミド、更にはポリイミド樹脂も好ましい態様である。
【0067】
本実施形態の介在部230は、流体が通過可能な部材で構成されていればよく、例えば空孔を有するシート状のものであるが、この空孔は、材料を発泡、延伸、また繊維状のものを不織布、織布とすることにより、多数の微孔が形成されたものをいう。例えば網目(メッシュ)状、不織布状、織布状、種々の構造で作製し得る材料で構成されており、特定の樹脂に限定されないが、好ましくは、フッ素樹脂、具体例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフロオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(THV)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン-三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVdF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)が選択される。また、機械的特性や耐薬品性の面から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)に代表されるポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に代表されるポリアリレート樹脂、高分子量ポリエチレンやポリアラミド、更にはポリイミド樹脂も好ましい態様である。
【0068】
第1電極E11および第2電極E12は、それぞれステンレス鋼で構成されたワイヤ状のものであり、互いに一定の間隔を空けた状態で介在部430の表面に沿って平行に巻回されている。
【0069】
ここで本実施形態の第1電極E31および第2電極E32は、介在部230に直接、巻き回されていてもよく、また、
図5(b)に示すように、第1電極E31および第2電極E32と併せて、絶縁性を有する樹脂で構成された糸状の素線(例えば、例えば4本のETFEモノフィラ)を用いて編組構造としても良い。これにより、第1電極E31および第2電極E32が露出している構造であっても、素線が第1電極E31および第2電極E32を押さえ込んでいるため、外部から接触に対してガードすることができ、また同軸構造である漏洩検知素子400を仮に屈曲させたとしても、第1電極E31および第2電極E32のバラつきやほつれを回避することができる。
【0070】
ここで、上記の編組構造について
図6を用いて説明する。
図6は編組密度を算出するために必要な情報を示す図である。
図6おいては、便宜上、編組構造を構成する素線のみを表示している。
編組密度(K)は、ケーブル状のものの全表面積に対する実質編組面積の比率で表され、式としては、K=(b
2-(b-a)
2)/b
2で求められる。
【0071】
本実施形態においては、編組密度が小さすぎると液体の通過を妨害し、液体の検知感度を低下させる一方で、編組密度が大きすぎると編組構造の強度が極端に低くなり、製品としての品質安定性を欠く。このため、編組密度は0.3~0.5の範囲が好ましく、好ましくは0.35~0.45、特に好ましくは0.37~0.42である。
【0072】
上記の構成の第3実施形態においては、第1電極E21および第2電極E22を測定機器の一つの端子に接続し、第3電極E23および第4電極E24をもう一つの端子に接続し、液体の漏洩を監視する。
【0073】
上記の構成の第1実施形態にかかる漏洩検知素子400においては、所望の場所に設置され、漏れを検知する液体が付着することにより、導電性液体(例えば水)が付着することにより、第1電極E31および第2電極E32の電圧の生じている2点間が接触し、電気的に接続されることにより、第1電極E31と第2電極E32が短絡する。この短絡により、第1電極E31および第2電極E32の抵抗値は低下する。この抵抗値の低下により、まずは第1検知部410によって、第1液体L1の検知が可能である。
また絶縁性液体(例えば油)となる第2液体L2が第1電極E31と第2電極E32に接触したとしても短絡は発生しない。第2液体L2は介在部430を浸透・通過し、第3電極E33に接触し、含侵する。この含侵によって、第3電極E33の抵抗値が上昇する。この抵抗値の上昇により、第2液体L2の検知が可能である。このように、本実施形態の漏洩検知素子400によっても、「一つの媒体で、導電性の液体と絶縁性の液体を検知」することができる。
【0074】
なお、上述した各実施形態は、2つの検知部によって構成されているが、これに限らず、3以上の検知部を組み合わせて、3以上の異なる液体を検知することを除外するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2022-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
第1電極および第2電極はいずれも、長手方向に延びる第1の方向に対し垂直な方向の断面積が0.1mm
2
以上、1mm
2
以下であることを特徴とする、請求項1に記載の洩検知素子。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
ここで本実施形態では、第1検知部210となる第1電極E11および第2電極E12はいずれも、ステンレス鋼で構成されているが、これに限らず、導体としての機能を有していればよく、種々の金属を選択することができ、また、単一の金属で構成できるだけでなく、メッキや蒸着により多層構造とすることができる。また第1検知部210は、金属だけでなく、導電性材料が含有された高分子材料で構成された素線を選択することができる。
さらには、第1電極E11および第2電極E12は、上記の材料から同種の材料を選択してもよいだけでなく、異なる材料を選択してもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
上記の構成の第1実施形態においては、第1電極E11、第2電極E12、および第3電極E13を測定機器(図示せず)の3つの端子(端子A、端子Bおよび端子C)に接続する。その際、第2電極E12および第3電極E13は互いに先端で短絡させておく。これにより、下記に記載する検知においては、第1電極E11および第2電極E12の導体を接続した2つの端子Bおよび端子Cの間を監視するとともに、第1電極E11および第2電極E12の導体を接続した2つの端子Aおよび端子Bの間を監視するとともに、第2電極E12および第3電極E13の導体を接続した2つの端子Bおよび端子Cの間を監視する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
上記の構成の第2実施形態にかかる漏洩検知素子300においては、所望の場所に設置され、液体が付着することにより、導電性液体(例えば水)が付着することにより、第1電極E21および第2電極E22の電圧の生じている2点間が接触し、電気的に接続されることにより、第1電極E21と第2電極E22が短絡する。この短絡により、第1電極E21および第2電極E22の抵抗値は低下する。この抵抗値の低下により、まずは第1
検知部310によって、第1液体L1の検知が可能である。
また絶縁性液体(例えば油)となる第2液体L2が第1電極E21と第2電極E22に接触したとしても短絡は発生しない。第2液体L2は介在部330を浸透・通過し、第2電極E23に接触し、含侵する。この含侵によって、第3電極E23の抵抗値が上昇する。この抵抗値の上昇により、第2液体L2の検知が可能である。このように、本実施形態の漏洩検知素子300によっても、「一つの媒体で、導電性の液体と絶縁性の液体を検知」することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
第1電極E
31および第2電極E
32はいずれも、断面円形の金属の素線(材質はステンレス鋼)で構成されており、第1の方向となる長手方向(
図3(a)の左右方向)に伸びている。この第1電極E
31と
第2電極E32はそれぞれ、長さに比例する一定の抵抗値を有している。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
また、多孔質高分子基材としては、液体の浸透並びに気体の浸入を妨げない連続気孔性のものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムのいずれの多孔質材料でも使用可能であるが、成形加工等の面からは熱可塑性樹脂からなるものが好ましい。具体例を挙げれば、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレン、多孔質フッ素樹脂などであり、その中でも延伸により多孔質化されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好適である。なお、例えば外部からの水の侵入を回避したい場合には、使用条件によっては、防滴のための保護層として導電性粒子を含まない撥水性の多孔質化した高分子材料の層を第2検知部420の外側に被覆してもよい。」
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
第1電極E31および第2電極E32は、それぞれステンレス鋼で構成されたワイヤ状のものであり、互いに一定の間隔を空けた状態で介在部430の表面に沿って平行に巻回されている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
上記の構成の第3実施形態においては、第1電極E31および第2電極E32を測定機器の一つの端子に接続し、第3電極E33および第4電極E34をもう一つの端子に接続し、液体の漏洩を監視する。