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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181558
(43)【公開日】2023-12-22
(54)【発明の名称】コンタクトレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20231215BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20231215BHJP
【FI】
G02C7/04
G02C11/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085644
(22)【出願日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】63/351,432
(32)【優先日】2022-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512020327
【氏名又は名称】ペガヴィジョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】PEGAVISION CORPORATION
【住所又は居所原語表記】2F-1,No.5,SHING YEH ST.,GUISHAN DIST.,TAOYUAN CITY 333,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】楊 ▲徳▼勝
(72)【発明者】
【氏名】張 漢宜
(72)【発明者】
【氏名】丁 偉家
(72)【発明者】
【氏名】江 裕炎
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BB01
2H006BB05
2H006BB07
2H006BC00
2H006CA00
(57)【要約】
【課題】本発明は、レンズ本体と、前記レンズ本体に埋設する埋め込み構造と、を備える、コンタクトレンズを提供する。
【解決手段】前記レンズ本体は、角膜部及び前記角膜部を囲む強膜部を含み、前記角膜部と前記強膜部との接続境界は、11.5mm~12.3mmの内径を有する。前記接続境界から3.8mm~4.2mm離れているレイアウト境界が前記角膜部に画定される。前記埋め込み構造は、前記レイアウト境界の外側に位置すると共に、三次元キャリアを有する。前記三次元キャリアに少なくとも1つの酸素透過性チャネルが形成され、前記酸素透過性チャネルに360度の中心角が形成される。俯瞰方向に沿って、前記レイアウト境界と前記接続境界との間の環状レイアウトエリアにおいて、70%以下のエリアが前記埋め込み構造で遮蔽される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角膜部及び前記角膜部を囲む強膜部を含むレンズ本体と、前記レンズ本体に埋設する埋め込み構造と、を備え、
前記角膜部に中心軸が定義されると共に、前記角膜部と前記強膜部との接続境界は、11.5mm~12.3mmの内径を有し、
前記接続境界から3.8mm~4.2mm離れているレイアウト境界が前記角膜部に画定され、
前記埋め込み構造は、前記レイアウト境界の外側に位置し、
前記埋め込み構造は、三次元キャリアを有すると共に、前記三次元キャリアに少なくとも1つの酸素透過性チャネルが形成され、前記酸素透過性チャネルに前記中心軸に対して360度の中心角が形成され、
前記中心軸に平行する俯瞰方向に沿って、前記レイアウト境界と前記接続境界との間の環状レイアウトエリアにおいて、70%以下のエリアが前記埋め込み構造で遮蔽されることを特徴とする、コンタクトレンズ。
【請求項2】
前記三次元キャリアは、螺旋状を呈し、少なくとも1つの前記酸素透過性チャネルの数は一つであり、前記酸素透過性チャネルは、前記三次元キャリアに沿ってなる螺旋状構造である、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項3】
前記三次元キャリアは、前記中心軸を軸心にすると共に、前記レイアウト境界から前記強膜部への方向へ、前記接続境界を越えるように螺旋に延伸して形成される、請求項2に記載のコンタクトレンズ。
【請求項4】
前記三次元キャリアは、端から端まで連結する複数の螺旋セグメントを含むと共に、前記環状レイアウトエリアに埋設する少なくとも1つの前記螺旋セグメントは、前記中心軸に対して360度の中心角が形成され、前記中心軸に平行する前記俯瞰方向に沿って、複数の前記螺旋セグメントはお互いに重ねられず、且つ前記酸素透過性チャネルを介してお互いに分離される、請求項3に記載のコンタクトレンズ。
【請求項5】
前記レンズ本体は、それぞれ両側にある前面及び後面を含むと共に、前記三次元キャリアは、前記前面及び前記後面のいずれにも接触しておらず、前記三次元キャリアは、10度~75度のリード角を有する、請求項2に記載のコンタクトレンズ。
【請求項6】
前記三次元キャリアは、お互いに間を開けて設置された複数の環形セグメントを含むと共に、少なくとも1つの前記酸素透過性チャネルの数は複数であり、且つそれぞれが環状構造であり、任意の2つの隣り合う前記環形セグメントの間に、前記酸素透過性チャネルが一つ形成される、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項7】
複数の前記環形セグメントの中心はいずれも、前記中心軸に位置すると共に、複数の前記環形セグメントは、前記俯瞰方向に沿って間を開けて配置され、且つそれぞれ異なる内径を有する、請求項6に記載のコンタクトレンズ。
【請求項8】
前記中心軸に平行する前記俯瞰方向に沿って、前記接続境界、前記レイアウト境界、及び複数の前記環形セグメントの外縁は、同心円分布を呈すると共に、複数の前記環形セグメントは、お互いに重ねられず、且つ複数の前記酸素透過性チャネルを介してお互いに分離される、請求項6に記載のコンタクトレンズ。
【請求項9】
前記レンズ本体は、それぞれ両側にある前面及び後面を含むと共に、複数の前記環形セグメントは、前記前面及び前記後面のいずれにも接触しない、請求項6に記載のコンタクトレンズ。
【請求項10】
前記中心軸を含む前記コンタクトレンズの断面において、前記環形セグメントのそれぞれは、前記中心軸の両側に2つの断面を有し、前記中心軸の一側に位置する複数の前記環形セグメントの前記断面は、第1の配置方向に沿って配置され、
前記中心軸の他側に位置する複数の前記環形セグメントの前記断面は、第2の配置方向に沿って配置され、
前記第1の配置方向と前記第2の配置方向との間に、60度~160度の配置角を有する、請求項6に記載のコンタクトレンズ。
【請求項11】
前記中心軸を含む前記コンタクトレンズの前記断面において、前記第1の配置方向と前記第2の配置方向とは、前記中心軸に交差すると共に、前記中心軸は、前記配置角の角の二等分線である、請求項10に記載のコンタクトレンズ。
【請求項12】
前記環状レイアウトエリアは、前記埋め込み構造を埋設しない時に、基礎酸素透過率を有し、
前記環状レイアウトエリアの50%~70%のエリアは、前記中心軸に平行する俯瞰方向に沿って前記埋め込み構造で遮蔽されて酸素透過率(Oxygen Permeability)を有し、
前記酸素透過率は、前記基礎酸素透過率の70%~30%である、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項13】
前記環状レイアウトエリアは、前記埋め込み構造を埋設しない時に、基礎酸素透過率を有し、
前記環状レイアウトエリアの30%~50%のエリアは、前記中心軸に平行する俯瞰方向に沿って前記埋め込み構造で遮蔽されて酸素透過率を有し、
前記酸素透過率は、前記基礎酸素透過率の85%~70%である、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項14】
前記環状レイアウトエリアは、前記埋め込み構造を埋設しない時に、基礎酸素透過率を有し、
前記環状レイアウトエリアの6%~30%のエリアは、前記中心軸に平行する俯瞰方向に沿って前記埋め込み構造で遮蔽されて酸素透過率を有し、
前記酸素透過率は、前記基礎酸素透過率の100%~85%である、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項15】
前記埋め込み構造が、前記レンズ本体の前記強膜部及び前記環状レイアウトエリアの少なくとも1つのみに埋設し、前記埋め込み構造は、前記三次元キャリアに形成された回路と、前記三次元キャリアに取り付ける電子部品と、を含み、前記電子部品は、前記三次元キャリアを介して前記回路に電気的に接続する、請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズに関し、特に、スマートコンタクトレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスマートコンタクトレンズのほとんどは、内部コンポーネントをレイアウトするときに光学機能(オプティカルゾーンなど)のみを考慮するが、内部コンポーネントの配置について、眼球の構造的な視点を持っていない。このため、従来のスマートコンタクトレンズでは、眼球の異なる部位に対応する部分に異なる酸素透過性(Oxygen Permeability)が必要な場合でも、これを満たすことが困難であった。
【0003】
そこで、本発明者は、上述した問題が改善可能であることに鑑みて、鋭意研究を行い学理を併せて運用した結果、設計が合理的で且つ前記問題を効果的に改善することができる方法として本発明に至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のスマートコンタクトレンズにおける問題を改良する、コンタクトレンズを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、コンタクトレンズを提供する。コンタクトレンズは、角膜部及び角膜部を囲む強膜部を含むレンズ本体と、レンズ本体に埋設する埋め込み構造と、を備え、角膜部に中心軸が定義されると共に、角膜部と強膜部との接続境界は、11.5mm~12.3mmの内径を有し、接続境界から3.8mm~4.2mm離れているレイアウト境界が角膜部に画定され、埋め込み構造は、レイアウト境界の外側に位置し、且つ三次元キャリアを有し、三次元キャリアに少なくとも1つの酸素透過性チャネルが形成され、酸素透過性チャネルに前記中心軸に対して360度の中心角が形成され、中心軸に平行する俯瞰方向に沿って、レイアウト境界と接続境界との間の環状レイアウトエリアにおいて、70%以下のエリアが前記埋め込み構造で遮蔽される。
【発明の効果】
【0006】
上述したように、本発明の実施形態に係るコンタクトレンズは、目の構造に応じて、レンズ本体の埋め込み構造に提供できるエリア(例えば、前記角膜部で画定された前記レイアウト境界)が画定されることによって、コンタクトレンズの素子の組み合わせ(例えば、環状レイアウトエリアにおいて、70%以下のエリアが俯瞰方向に沿って埋め込み構造で遮蔽される)は、複数種の酸素透過率の要求を満たすことができる。
【0007】
尚、本発明に係るコンタクトレンズは、三次元キャリアの構造の設計(例えば、三次元キャリアに少なくとも1つの酸素透過性チャネルが形成され、中心軸に対して360度の中心角が形成される)によって、環状レイアウトエリアが酸素を通過させることに有利となって、三次元キャリアの前記俯瞰方向に沿って遮蔽された環状レイアウトエリアの割合は、環状レイアウトエリアの酸素透過率の減少割合より低い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態に係るコンタクトレンズを示す立体模式図である。
図2図1のコンタクトレンズを目につけた断面模式図である。
図3図1の俯瞰方向からの上面模式図である。
図4図1におけるIV-IVの断面模式図である。
図5図4におけるV部分の拡大模式図である。
図6】本発明の第一実施形態に係るコンタクトレンズのもう一つの態様を示す上面模式図である。
図7】本発明の第一実施形態に係るコンタクトレンズの更にもう一つの態様を示す上面模式図である。
図8】本発明の第二実施形態に係るコンタクトレンズを示す立体模式図である。
図9図8の俯瞰方向からの上面模式図である。
図10図8におけるX-Xの断面模式図である。
図11図10におけるXI部分の拡大模式図である。
図12】本発明の第二実施形態に係るコンタクトレンズのもう一つの態様を示す上面模式図である。
図13】本発明の第二実施形態に係るコンタクトレンズのもう一つの態様を示す上面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴及び技術内容をより一層理解できるように、以下の本発明に係る詳細な説明と図面を参照するが、提供される説明と図面は、ただ参照と説明のためのものであり、本発明を制限することはない。
【0010】
以下、所定の具体的な実施態様によって本発明の実施形態に係る「コンタクトレンズ」を説明し、当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施態様によって実行または適用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際のサイズに基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容によって本発明の保護範囲を制限することはない。
【0011】
理解すべきことは、本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」といった用語を用いて各種の素子又は信号を叙述することがあるが、これらの素子又は信号は、これらの用語によって制限されるものではない。これらの用語は主に、1つの素子ともう1つの素子、又は1つの信号ともう1つの信号を区別するためのものである。また、本明細書において使用される「または」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つ又は複数の組み合わせを含むことがある。
【0012】
[第一実施形態]
図1図7は、本発明の第一実施形態を示す。図1図3に示すように、本実施形態において、コンタクトレンズ100(若しくは、スマートコンタクトレンズと称する)を開示する。前記コンタクトレンズ100は、設計の必要に基づいて、使用者の目200につけるか(例えば、図3)、若しくは、前記目200の中に埋設することができる(図面なし)。
【0013】
尚、本実施形態において、前記コンタクトレンズ100は、屈折異常(refractive error)を矯正する機能を有していてもよい。前記屈折異常には、遠視(hyperopia)、近視(myopia)、乱視(astigmatism)、老視(presbyopia)、または乱視性老眼(astigmatism-presbyopia)を含み、若しくは、前記コンタクトレンズ100は、矯正機能なしのメークアップ(makeup)レンズであってもよい。
【0014】
本実施形態において、前記コンタクトレンズ100は、レンズ本体1と、前記レンズ本体1に埋設する埋め込み構造2と、を備える。本実施形態において、前記レンズ本体1は通気性材料で製造され、例えば、前記レンズ本体1の材質は、ハイドロゲル(hydrogel)、シリコーンハイドロゲル(silicone hydrogel)、シリコーンエラストマー(silicone elastomers)、または硬質ガス透過性 (rigid gap-permeable,RGP) 材料であってもよく、また、前記ハイドロゲルは例えばp-HEMAであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0015】
図2図5に示すように、前記レンズ本体1(の外面)はそれぞれ両側にある前面11及び後面12を含むと共に、前記レンズ本体1の外径は約14mm~14.5mmである。また、前記レンズ本体1は角膜部13及び前記角膜部13を囲む強膜部14を含む。前記角膜部13と前記強膜部14との接続境界B14は、11.5mm~12.3mmの内径D14を有する。
【0016】
即ち、前記レンズ本体1におけるエリアの画定は、主に、目200の構造に基づいて、前記角膜部13は基本的に目200において血管が分布していない角膜(cornea)を被覆すると共に、前記強膜部14は基本的に目200において血管が分布している強膜(sclera)を被覆する。即ち、本実施形態に係る前記角膜部13のサイズ、機能及び用途はいずれも、どのコンタクトレンズの光学部に相当しない。
【0017】
上述したように、本実施形態において、前記レンズ本体1の前記角膜部13が前記埋め込み構造2を提供して配置する際に、十分な酸素透過効果を更に考量する必要があるため、前記角膜部13にレイアウト境界131が定義され、前記レイアウト境界131と前記接続境界B14との距離D132は、3.8mm~4.2mmである。換言すると、前記角膜部13は、前記レイアウト境界131と前記接続境界B14との間にある環状レイアウトエリア132を有すると共に、前記環状レイアウトエリア132は、前記埋め込み構造2を埋設しない時に、基礎酸素透過率を有する。
【0018】
また、前記角膜部13に中心軸Cが定義されると共に、前記角膜部13の中心、前記接続境界B14の中心、及び前記強膜部14の中心はいずれも、前記中心軸Cに位置される。
【0019】
前記埋め込み構造2は、三次元キャリア21と、前記三次元キャリア21に形成された回路22(例えば、金属回路)と、前記三次元キャリア21に取り付ける電子部品23と、を含むと共に、前記電子部品23は、前記三次元キャリア21を介して前記回路22に電気的に接続する。本実施形態において、前記三次元キャリア21は、フレキシブルプリント回路板(flexible printed circuit board,FPCB)として説明し、また、前記三次元キャリア21に含まれた高分子材料は、ポリイミド(Polyimide,PI)、液晶高分子(Liquid-crystal polymer,LCP)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate,PET)又はポリエチレンナフタレート(Poly(ethylene 2,6-naphthalene dicarboxylate),PEN)を含んでもよく、前記電子部品23は、チップ、電池、センシング素子及び表示素子の少なくとも一つであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0020】
例えば、本発明で図面で示されていない他の実施形態において、前記コンタクトレンズ100の前記埋め込み構造2は、設計の必要に応じて、前記三次元キャリア21のみ含んでもよく、若しくは、前記電子部品23及び/又は前記回路22と組み合わせてもよい。前記電子部品23及び前記回路22の数及び外形はいずれも、必要に応じて調整・変更することができる。以下にて、本発明に係る前記コンタクトレンズ100の各部品、及び複数種の部品の間の接続関係を説明する。
【0021】
前記埋め込み構造2は、前記レンズ本体1に埋設すると共に、前記レイアウト境界131の外側に位置される。即ち、本実施形態において、前記埋め込み構造2が前記レイアウト境界131の内側に位置される態様を含まない。更に説明すると、本実施形態の後述する説明において、図1図5に示すように、前記埋め込み構造2が、前記レンズ本体1の前記強膜部14及び前記環状レイアウトエリア132のみに埋設することに基づいて説明するが、前記埋め込み構造2が前記レンズ本体1の強膜部14のみに埋設してもよく(例えば、図6)、若しくは、前記埋め込み構造2が前記レンズ本体1の前記環状レイアウトエリア132のみに埋設してもよい(例えば、図7)。これにより、各種異なる要求を満たすが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0022】
尚、図2図5に示すように、前記中心軸Cに平行な俯瞰方向Tに沿って、前記角膜部13の前記環状レイアウトエリア132の70%以下のエリアが前記埋め込み構造2で遮蔽される。説明すべきこととして、前記比率の具体的な数値は、異なる設計の要求(例えば、酸素透過率の要求)に応じて調整・変更することができる。
【0023】
例えば、異なる設計の要求に応じて、前記環状レイアウトエリア132の50%~70%のエリアは、前記俯瞰方向Tに沿って前記埋め込み構造2で遮蔽されて酸素透過率を有し、前記酸素透過率は、前記基礎酸素透過率の70%~30%である。若しくは、前記環状レイアウトエリア132の30%~50%のエリアは、前記俯瞰方向Tに沿って前記埋め込み構造2で遮蔽されて酸素透過率を有し、前記酸素透過率は、前記基礎酸素透過率の85%~70%である。若しくは、前記環状レイアウトエリア132の6%~30%のエリアは、前記俯瞰方向Tに沿って前記埋め込み構造2で遮蔽されて酸素透過率を有し、前記酸素透過率は、前記基礎酸素透過率の100%~85%である。
【0024】
更に説明すると、前記埋め込み構造2と、前記角膜部13及び前記強膜部14と、を組み合わせて、前記環状レイアウトエリア132の前記酸素透過率を正確に制御するために、好ましくは、前記埋め込み構造2が後述の複数の技術特徴の少なくとも一部を備える。例えば、前記三次元キャリア21に少なくとも1つの酸素透過性チャネル211が形成され、前記酸素透過性チャネル211に前記中心軸Cに対して360度の中心角が形成されることによって、前記環状レイアウトエリア132が設計の要求を満たす前記酸素透過率を有することを効果的に制御する。
【0025】
本実施形態において、前記三次元キャリア21は、螺旋状を呈すると共に、少なくとも1つの前記酸素透過性チャネル211の数は一つであり、前記酸素透過性チャネル211は、前記三次元キャリア21に沿ってなる螺旋状構造である。前記三次元キャリア21は、前記レンズ本体1の前記前面11及び前記後面12のいずれにも接触しておらず(例えば、前記三次元キャリア21は、前記前面11及び前記後面12に対してほぼ等間隔に配置される)、また、好ましくは、前記三次元キャリア21は、10度~75度のリード角σ21を有する。
【0026】
尚、前記三次元キャリア21は、前記中心軸Cを軸心にすると共に、前記レイアウト境界131から前記強膜部14への方向へ、前記接続境界B14を越えるように螺旋に延伸して形成されるが、本発明はこれに制限されるものではない。より詳しく説明すると、前記三次元キャリア21は、端から端まで連結する複数の螺旋セグメント212を含むと共に、前記環状レイアウトエリア132に埋設する少なくとも1つの前記螺旋セグメント212は、前記中心軸Cに対して360度の中心角が形成される。
【0027】
換言すると、前記中心軸Cの前記俯瞰方向Tに沿って、複数の前記螺旋セグメント212はお互いに重ねられず、且つ前記酸素透過性チャネル211を介してお互いに分離されており、各前記螺旋セグメント212はほぼ同じ幅を有するが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、本発明の図面で示されていない他の実施形態において、前記三次元キャリア21の各部分の外形は、設計の要求に応じて調整・変更することができると共に、前記三次元キャリア21は、異なる要求を満たすように、任意の形式の孔を形成することができる。
【0028】
上述したように、本発明の実施形態に係るコンタクトレンズ100は、目200の構造に応じて、前記レンズ本体1の前記埋め込み構造2に提供できるエリア(例えば、前記角膜部13で画定された前記レイアウト境界131)が画定されることによって、前記コンタクトレンズ100の素子の組み合わせ(例えば、前記俯瞰方向Tに沿って、前記環状レイアウトエリア132における70%以下のエリアが前記埋め込み構造2で覆される)は、複数種の酸素透過率の要求を満たすことができる。
【0029】
尚、本発明に係る前記コンタクトレンズ100は、前記三次元キャリアの構造の設計(例えば、前記三次元キャリアに少なくとも1つの酸素透過性チャネルが形成され、前記中心軸Cに対して360度の中心角が形成される)によって、前記環状レイアウトエリア132が酸素を通過させることに有利となって、前記三次元キャリア21の前記俯瞰方向Tに沿って遮蔽された前記環状レイアウトエリア132の割合は、前記環状レイアウトエリア132の前記酸素透過率の減少割合より低い(例えば、前記三次元キャリア21の前記俯瞰方向Tに沿って遮蔽された前記環状レイアウトエリア132の割合が50%である場合、前記酸素透過率の減少割合は前記基礎酸素透過率より30%しか低減しない)。
【0030】
[第二実施形態]
図8図13には、本発明の第二実施形態を示す。本実施形態は、前記第一実施形態に類似するため、2つの実施形態の同様の箇所(例えば、前記レンズ本体1)を重複して説明しない。本実施形態と前記第一実施形態との相違点は主に、前記埋め込み構造2(特に、前記三次元キャリア21)にあり、以下にて説明する。
【0031】
本実施形態において、前記埋め込み構造2は、前記レンズ本体1に埋設すると共に、前記レイアウト境界131の外側に位置される。即ち、本実施形態において、前記埋め込み構造2が前記レイアウト境界131の内側に位置される態様を含まない。更に説明すると、本実施形態の後述する説明において、図8図11に示すように、前記埋め込み構造2が、前記レンズ本体1の前記強膜部14及び前記環状レイアウトエリア132のみに埋設することに基づいて説明するが、前記埋め込み構造2が前記レンズ本体1の強膜部14のみに埋設してもよく(例えば、図12)、若しくは、前記埋め込み構造2が前記レンズ本体1の前記環状レイアウトエリア132のみに埋設してもよい(例えば、図13)。これにより、各種異なる要求を満たすが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0032】
尚、図8図11に示すように、前記中心軸Cに平行な俯瞰方向Tに沿って、前記角膜部13の前記環状レイアウトエリア132の70%以下のエリアが前記埋め込み構造2で遮蔽される。説明すべきこととして、前記比率の具体的な数値は、異なる設計の要求(例えば、酸素透過率の要求)に応じて調整・変更することができる。
【0033】
例えば、異なる設計の要求に応じて、前記環状レイアウトエリア132の50%~70%のエリアは、俯瞰方向Tに沿って前記埋め込み構造2で遮蔽されて酸素透過率を有し、前記酸素透過率は、前記基礎酸素透過率の70%~30%である。若しくは、前記環状レイアウトエリア132の30%~50%のエリアは、前記俯瞰方向Tに沿って前記埋め込み構造2で遮蔽されて酸素透過率を有し、前記酸素透過率は、前記基礎酸素透過率の85%~70%である。若しくは、前記環状レイアウトエリア132の6%~30%のエリアは、俯瞰方向Tに沿って前記埋め込み構造2で遮蔽されて酸素透過率を有し、前記酸素透過率は、前記基礎酸素透過率の100%~85%である。
【0034】
更に説明すると、前記埋め込み構造2と、前記角膜部13及び前記強膜部14と、を組み合わせて、前記環状レイアウトエリア132の前記酸素透過率を正確に制御するために、好ましくは、前記埋め込み構造2が後述の複数の技術特徴の少なくとも一部を備える。例えば、前記三次元キャリア21に少なくとも1つの酸素透過性チャネル211が形成され、前記酸素透過性チャネル211に前記中心軸Cに対して360度の中心角が形成されることによって、前記環状レイアウトエリア132が設計の要求を満たす前記酸素透過率を有することを効果的に制御する。
【0035】
本実施形態において、前記三次元キャリア21は、お互いに間を開けて設置された複数の環形セグメント213を含むと共に、前記三次元キャリア21に複数の酸素透過性チャネル211が形成されており、且つそれぞれが環状構造である(例えば、円環状構造)。即ち、任意の2つの隣り合う前記環形セグメント213の間に、一つの前記酸素透過性チャネル211が形成される。前記三次元キャリア21は、前記レンズ本体1の前記前面11及び前記後面12のいずれにも接触しない(例えば、前記三次元キャリア21は、前記前面11及び前記後面12に対してほぼ等間隔に配置される)。
【0036】
尚、複数の前記環形セグメント213の中心はいずれも、前記中心軸Cに位置すると共に、複数の前記環形セグメント213は、前記俯瞰方向Tに沿って間を開けて配置され、且つそれぞれ異なる内径を有する。換言すると、前記中心軸Cに平行する前記俯瞰方向Tに沿って、前記接続境界B14、前記レイアウト境界131、及び複数の前記環形セグメント213の外縁は、同心円分布を呈すると共に、複数の前記環形セグメント213は、お互いに重ねられず、且つ複数の前記酸素透過性チャネル211を介してお互いに分離される。
【0037】
更に説明すると、前記中心軸Cを含む前記コンタクトレンズ100の断面において、前記環形セグメント213のそれぞれは、前記中心軸Cの両側に2つの断面を有する。前記中心軸Cの一側に位置する複数の前記環形セグメント213の前記断面は、第1の配置方向L1に沿って配置される。前記中心軸Cの他側に位置する複数の前記環形セグメント213の前記断面は、第2の配置方向L2に沿って配置される。また、前記第1の配置方向L1と第2の配置方向L2との間に、60度~160度の配置角σ213を有することが好ましい。本実施形態において、前記第1の配置方向L1と前記第2の配置方向L2とは、前記中心軸Cに交差すると共に、前記中心軸Cは、前記配置角σ213の角の二等分線であるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0038】
[実施形態による有利な効果]
上述したように、本発明の実施形態に係るコンタクトレンズは、目の構造に応じて、前記レンズ本体の前記埋め込み構造に提供できるエリア(例えば、前記角膜部で画定された前記レイアウト境界)が画定されることによって、前記コンタクトレンズの素子の組み合わせ(例えば、前記環状レイアウトエリアにおいて、70%以下のエリアが前記俯瞰方向に沿って前記埋め込み構造で遮蔽される)は、複数種の酸素透過率の要求を満たすことができる。
【0039】
尚、本発明に係る前記コンタクトレンズは、前記三次元キャリアの構造の設計(例えば、前記三次元キャリアに少なくとも1つの酸素透過性チャネルが形成され、前記中心軸に対して360度の中心角が形成される)によって、前記環状レイアウトエリアが酸素を通過させることに有利となって、前記三次元キャリアの前記俯瞰方向に沿って遮蔽された前記環状レイアウトエリアの割合は、前記環状レイアウトエリアの前記酸素透過率の減少割合より低い。
【0040】
又、本発明の実施形態に係るコンタクトレンズは、前記三次元キャリアの細部の構造の配置(例えば、前記リード角の角度の範囲、前記配置角の角度の範囲、複数の前記螺旋セグメント又は複数の前記環形セグメントは前記俯瞰方向に沿ってお互いに重ねられず、且つ少なくとも1つの前記酸素透過性チャネルを介してお互いに分離される)によって、前記環状レイアウトエリアが設計の要求を満たす前記酸素透過率を有することを効果的に制御する。
【0041】
以上に開示された内容は、本発明の好ましい実行可能な実施態様でしかなく、本発明の請求の範囲はこれに制限されない。そのため、本発明の明細書及び図面の内容を利用して成される全ての等価な技術変更は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
100…コンタクトレンズ
1…レンズ本体
11…前面
12…後面
13…角膜部
131…レイアウト境界
132…環状レイアウトエリア
14…強膜部
2…埋め込み構造
21…三次元キャリア
211…酸素透過性チャネル
212…螺旋セグメント
213…環形セグメント
22…回路
23…電子部品
C…中心軸
T…俯瞰方向
D132…距離
D14…内径
B14…接続境界
σ21…リード角
L1…第1の配置方向
L2…第2の配置方向
σ213…配置角
200…目
図1
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