IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-画像形成装置 図1
  • 特開-画像形成装置 図2
  • 特開-画像形成装置 図3
  • 特開-画像形成装置 図4
  • 特開-画像形成装置 図5
  • 特開-画像形成装置 図6
  • 特開-画像形成装置 図7
  • 特開-画像形成装置 図8
  • 特開-画像形成装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181580
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20231218BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G03G15/20 525
G03G21/00 322
G03G21/00 510
G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094789
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秦 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】太田 英生
(72)【発明者】
【氏名】中林 淳一郎
【テーマコード(参考)】
2H033
2H134
2H270
【Fターム(参考)】
2H033AA35
2H033BA25
2H033BA31
2H033BA49
2H033BA51
2H033BA54
2H033BA55
2H033BA56
2H033BA57
2H033BB03
2H033BB05
2H033BB06
2H033BB18
2H033BB29
2H033BB30
2H033BB34
2H033CA40
2H033CA57
2H134GA07
2H134HE03
2H134HE04
2H134HE05
2H134HE07
2H134HE11
2H134HE12
2H134KA40
2H134KB05
2H134KB20
2H270LA44
2H270LA98
2H270LD04
2H270MC45
2H270MD12
2H270NE01
2H270NE10
2H270QB03
2H270QB07
2H270RA13
2H270RA14
2H270RA15
2H270RB09
2H270RC05
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】ウェブ外径を検出するウェブ外径検出部に異常が生じても、画像形成ジョブを実行可能な画像形成装置の提供。
【解決手段】画像形成ジョブ開始時のウェブ残量(実測値)を基準に、画像形成ジョブ開始後に巻き取ったウェブの巻き取り量の積算値を減算してウェブ残量(予測値)を求める。画像形成ジョブの実行中、ウェブ残量(予測値)と、その際にウェブ外径検出部により検出されているウェブ残量(実測値)とを比較して(S13)、それらに大きな差がなければ、ウェブ外径検出部に異常が生じていないとして、ウェブ残量(実測値)に基づき画像形成ジョブを制御する(S14~S17)。他方、それらに大きな差が生じていれば(S13のNo)、ウェブ外径検出部に異常が生じたとして、ウェブ残量(予測値)に基づき画像形成ジョブを制御する(S18)。こうして、ウェブ外径検出部に異常が生じても画像形成ジョブが実行される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材にトナー像を形成する画像形成装置であって、
回転体と、
前記回転体に摺擦し前記回転体上のトナーを除去するウェブと、前記ウェブを前記回転体との摺擦位置に供給可能な供給部と、前記供給部との間に架け渡された前記ウェブを巻き取る巻き取り部と、前記巻き取り部に巻き取られた前記ウェブの外径に基づく信号を出力する外径信号出力部とを有するクリーニングユニットと、
前記巻き取り部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
所定枚数の記録材にトナー像を形成する毎に、前記駆動部を駆動して前記巻き取り部により所定量の前記ウェブを巻き取り、実行している画像形成ジョブの開始時の前記外径信号出力部の信号と、前記画像形成ジョブの開始から前記ウェブを巻き取った前記所定量の積算値とに基づいて、前記ウェブのウェブ残量を予測し、
前記外径信号出力部に異常が生じた場合でも、その際に実行している画像形成ジョブを継続させ、
前記ウェブ残量の予測値がゼロになる前に前記画像形成ジョブが終了した場合には、前記画像形成ジョブの終了後に前記クリーニングユニットに異常が生じている旨を出力し、
前記画像形成ジョブの実行中に前記ウェブ残量の予測値がゼロになった場合には、前記画像形成ジョブを停止し、前記ウェブの残量がなくなった旨、及び、前記クリーニングユニットに異常が生じている旨を出力する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、予測した前記ウェブ残量の予測値である時の前記外径信号出力部の信号値を算出し、算出した信号値と、実際の前記ウェブの外径に基づいて出力される前記外径信号出力部の信号値との差の絶対値が所定の閾値以上である場合に、前記外径信号出力部に異常が生じたと判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、連続して前記巻き取り部により所定量の前記ウェブを巻き取った際に、前記外径信号出力部の信号値の変化が所定範囲内である場合、前記ウェブ残量の予測値に関わらず、前記画像形成ジョブを停止し、前記クリーニングユニットに異常が生じている旨を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記外径信号出力部は、前記巻き取り部に巻き取られた前記ウェブの表面に当接し、前記ウェブの外径の変化に応じて揺動する揺動部と、前記揺動部の揺動に応じて回転する回転部と、前記回転部の回転に応じて抵抗値を変化させて前記揺動部の揺動量を電圧値に変換し前記ウェブの外径に基づく信号として出力する変換部とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録材にトナー像を形成する画像形成ユニットと、
第一回転体と、前記第一回転体に当接して記録材を挟持搬送する定着ニップ部を形成する第二回転体とを有し、前記画像形成ユニットにより記録材に形成されたトナー像を記録材に定着する定着ユニットと、
前記ウェブと前記第一回転体との間に配置され、前記第一回転体と当接して前記第一回転体を清掃する中間回転体と、を備え、
前記回転体は、前記中間回転体である、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記供給部と前記巻き取り部の間に配置され、前記ウェブを前記中間回転体に向けて押圧する押圧回転体を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリあるいは複合機などの電子写真技術を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置では、記録材に形成されたトナー像を定着ユニットで加熱、加圧することによって記録材にトナー像を定着させているが、トナー像の定着の際に、定着ユニットの定着ローラ(あるいは加圧ローラ)にトナーが付着することがある。例えば定着ローラにトナーが付着すると、トナーによって記録材を汚してしまい得る。そのため、不織布で形成されたクリーニングウェブ(以下、単にウェブと呼ぶ)を有するクリーニング装置を用い、定着ローラに付着したトナーを除去している。こうしたクリーニング装置の場合、ウェブは少しずつ巻き取られながら消費される。そして、従来ではウェブに切り欠き部を形成し、ウェブに当接させたフラグ部材が切り欠き部を通過し変位することに応じて、ウェブ残量が所定残量に達したことをフォトセンサにより検出できるようにしている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-311517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置の場合、ウェブ残量が所定残量に達した後にウェブ残量が減少しても、減少後のウェブ残量を検出することが難しい。それ故、所定残量に達したウェブをそのまま使い続けると、ウェブが使い切られてしまう。ウェブが使い切られた状態で画像形成ジョブを実行すると、画像不良が生じ得る。そこで、ウェブ残量が所定残量に達した後は、ウェブが交換されないと画像形成ジョブを実行できないようにして、ウェブの交換を報知している。この場合、ウェブが交換されてからでないと画像形成ジョブを実行できないので、画像形成装置の運用効率が低下し得る。
【0005】
そこで、ウェブ外径検出部によりウェブ巻き取りローラに巻き取られたウェブの外径を検出することで、所定残量に達した以降においてもウェブ残量を得て、これに基づき画像形成ジョブを実行することが考えられる。ただし、そうした場合には、ウェブ外径検出部に異常が生じると、適切なウェブ残量を得られず、画像形成ジョブを実行するのが難しくなる。そこで、ウェブ外径検出部に異常が生じたとしても、画像形成ジョブを実行可能な装置が従来から望まれていたが、未だそのような装置は提案されていない。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされ、ウェブの外径に基づいてウェブ残量を得る構成の場合に、ウェブ外径を検出するウェブ外径検出部に異常が生じても、画像形成ジョブを実行可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、記録材にトナー像を形成する画像形成装置であって、回転体と、前記回転体に摺擦し前記回転体上のトナーを除去するウェブと、前記ウェブを前記回転体との摺擦位置に供給可能な供給部と、前記供給部との間に架け渡された前記ウェブを巻き取る巻き取り部と、前記巻き取り部に巻き取られた前記ウェブの外径に基づく信号を出力する外径信号出力部とを有するクリーニングユニットと、前記巻き取り部を駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、所定枚数の記録材にトナー像を形成する毎に、前記駆動部を駆動して前記巻き取り部により所定量の前記ウェブを巻き取り、実行している画像形成ジョブの開始時の前記外径信号出力部の信号と、前記画像形成ジョブの開始から前記ウェブを巻き取った前記所定量の積算値とに基づいて、前記ウェブのウェブ残量を予測し、前記外径信号出力部に異常が生じた場合でも、その際に実行している画像形成ジョブを継続させ、前記ウェブ残量の予測値がゼロになる前に前記画像形成ジョブが終了した場合には、前記画像形成ジョブの終了後に前記クリーニングユニットに異常が生じている旨を出力し、前記画像形成ジョブの実行中に前記ウェブ残量の予測値がゼロになった場合には、前記画像形成ジョブを停止し、前記ウェブの残量がなくなった旨、及び、前記クリーニングユニットに異常が生じている旨を出力する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ウェブの外径に基づいてウェブ残量を得る構成の場合に、ウェブ外径に基づく信号を出力する外径信号出力部に異常が生じても、画像形成ジョブを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図。
図2】定着ユニットと制御ブロックを示す概略図。
図3】ウェブ外径検出部を示す側面図であり、(a)ウェブがまだ巻き取られていない状態、(b)ウェブが巻き取られている状態。
図4】ロータリー型ボリューム抵抗を示す回路図。
図5】ロータリー型ボリューム抵抗の特性の一例を示す図。
図6】ウェブ残量制御処理の前半処理を示すフローチャート。
図7】ウェブ残量制御処理の前半処理に後続する後半処理を示すフローチャート。
図8】残量予測値制御処理を示すフローチャート。
図9】所定のケース毎に、ウェブ残量の実測値と予測値の変化を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<画像形成装置>
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に示す画像形成装置100は、回転移動する中間転写ベルト130に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配置したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
【0011】
画像形成部Paでは、感光ドラム3aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト130に転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム3bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト130に転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれ感光ドラム3c、3dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト130に転写される。中間転写ベルト130に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ二次転写される。記録材Pとしては、普通紙、厚紙、ラフ紙、凹凸紙、コート紙等の用紙、プラスチックフィルム、布など、といった様々な種類のシート材が挙げられる。
【0012】
分離ローラ16は、カセット10から引き出した記録材Pを1枚ずつに分離して、レジストレーションローラ12へ送る。レジストレーションローラ12は、中間転写ベルト130のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送る。四色のトナー像を二次転写された記録材Pは定着ユニット9で加熱及び加圧されて、表面にトナー像が定着される。
【0013】
片面印刷の場合、定着ユニット9によりトナー像が定着された記録材Pは、そのまま排出トレイ163へ排出される。両面印刷の場合、表面にトナー像を定着された記録材Pは反転パスへ搬送され表裏が反転された後に、再びレジストレーションローラ12へ給送される。そして、記録材Pは二次転写部T2で裏面にトナー像が転写され、定着ユニット9により裏面にトナー像が定着された後に、排出トレイ163へ排出される。
【0014】
<画像形成部>
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置1a、1b、1c、1dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的にほぼ同一に構成されている。そこで、以下では代表してイエローの画像形成部Paを例に説明し、その他の画像形成部Pb、Pc、Pdについては説明を省略する。
【0015】
画像形成部Paは、感光ドラム3aを囲んで、帯電装置2a、露光装置La、現像装置1a、一次転写ローラ24a、ドラムクリーニング装置4aが配設されている。感光ドラム3aは、例えばアルミニウム製シリンダの外周面に感光層が形成された電子写真感光体であり、所定のプロセススピードで矢印R1方向に回転される。帯電装置2aは、不図示の電源からの帯電電圧の印加に応じて感光ドラム3aの表面を所定電位に一様に帯電する。露光装置Laは、各色の画像を展開した走査線画像信号をON-OFF変調したレーザービームを不図示の回転ミラーで走査して、感光ドラム3aに静電潜像を形成する。現像装置1aは現像剤を用いて、感光ドラム3a上に形成された静電潜像をトナー像に現像する。
【0016】
一次転写ローラ24aは、中間転写ベルト130を押圧して、感光ドラム3aと中間転写ベルト130の間に一次転写部を形成する。一次転写ローラ24aに不図示の電源から一次転写電圧が印加されることにより、感光ドラム3a上のトナー像が中間転写ベルト130へ一次転写される。中間転写ベルト130は、テンションローラ15、二次転写内ローラ14、及び駆動ローラ13に掛け渡して支持され、駆動ローラ13に駆動されて矢印A方向に回転する。二次転写外ローラ11は、二次転写内ローラ14に支持された中間転写ベルト130に当接して二次転写部T2を形成する。二次転写外ローラ11に不図示の電源から二次転写電圧が印加されることで、二次転写部T2を通過する記録材Pへ中間転写ベルト130上のトナー像が二次転写される。なお、本実施形態の場合、画像形成部Pa~Pd、中間転写ベルト130、一次転写ローラ24a~24d、駆動ローラ13、テンションローラ15、二次転写内ローラ14、二次転写外ローラ11は、記録材Pにトナー像を形成可能な画像形成ユニット600を構成している。
【0017】
ドラムクリーニング装置4aは、感光ドラム3aにクリーニングブレードを摺擦させて一次転写後に感光ドラム3a上に残る転写残トナーを回収する。ベルトクリーニング装置22は、二次転写後に中間転写ベルト130上に残る転写残トナーを回収する。
【0018】
なお、装置本体100aには、開閉可能な扉500が設けられている。使用者は扉500を開けた状態で、装置本体100a内の定着ユニット9に外部からアクセス可能であって、定着ユニット9のメンテナンス作業や後述するクリーニングウェブの交換作業などを行い得る。また、扉500の開閉を検出する開閉センサ710が設けられている。
【0019】
<定着ユニット>
次に、本実施形態の定着ユニット9の構成について、図2を用いて説明する。定着ユニット9は、記録材P上のトナー像を加熱するための定着ローラ201と、記録材Pを加圧するための加圧ローラ202と、定着ローラ201をクリーニングするためのウェブユニット210を有する。第一回転体としての定着ローラ201は、不図示のモータ等により回転駆動される。
【0020】
定着ローラ201や加圧ローラ202は、例えばアルミニウムや鉄等により円筒状に形成された芯金と、シリコーンゴムからなり芯金の外周面に形成された弾性層と、弾性層の外周面を被覆する離型層とを有している。離型層は、例えばテトラフルオロエチレン―パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)もしくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂のチューブにより形成されている。
【0021】
定着ローラ201の内部には、定着ローラ201を加熱するハロゲンヒータ205が配置されている。そして、定着ローラ201の表面温度はサーミスタ206によって検出され、検出された表面温度は制御部150(図1参照)に入力される。制御部150は、定着ローラ201の表面温度が設定した温調温度になるように、ハロゲンヒータ205の温度を調整する。本実施形態では様々な記録材Pに対応させるため、記録材Pの種類(より具体的には坪量)に応じて「135~200℃」の範囲で温調温度が設定される。
【0022】
第二回転体としての加圧ローラ202は不図示のバネ等によって例えば総圧力約784N(約80kg)で定着ローラ201に圧接し、定着ローラ201との間に定着ニップ部を形成する。加圧ローラ202は定着ローラ201に圧接することで、回転する定着ローラ201に従動回転する。トナー像が形成された記録材Pは、これら回転する定着ローラ201と加圧ローラ202とにより挟持搬送され、定着ニップ部を通過する際に熱及び圧力が加えられることにより、記録材P上にトナー像が定着される。
【0023】
<ウェブユニット>
上記のように、定着ローラ201は加熱され表面温度が高いことから、熱によって溶融された記録材P上のトナー(所謂、オフセットトナー)が付着し易い。また、画像形成動作中に記録材Pがジャムした場合に、記録材P上の未定着トナーが定着ローラ201に付着する虞がある。そこで、定着ローラ201に付着したトナーを除去するために、ウェブユニット210が設けられている。
【0024】
クリーニングユニットとしてのウェブユニット210は、ウェブ供給ローラ211と、クリーニングウェブ(以下、単にウェブ212)と、定着ローラ201に当接する回収ローラ204と、ウェブ押圧ローラ213と、ウェブ巻き取りローラ214と、ウェブ駆動モータ240を備える。供給部としてのウェブ供給ローラ211は未使用のウェブ212を保持し、ウェブ巻き取りローラ214に従動してウェブ212を回収ローラ204との摺擦位置Kに供給可能である。ウェブ212は、例えばノーメックス(登録商標)やヒメロンなどの耐熱不織布により、幅「330mm」、全長「37000mm」、厚さ「65μm」に形成されている。
【0025】
巻き取り部としてのウェブ巻き取りローラ214はウェブ駆動モータ240により回転駆動され、ウェブ供給ローラ211から送り出され使用済みとなったウェブ212を巻き取る。ウェブ巻き取りローラ214は、ウェブ212の未使用部分を回収ローラ204に当接させるように、ウェブ212を巻き取る。ウェブ212はウェブ供給ローラ211との間に架け渡されて、ウェブ巻き取りローラ214に巻き取られた状態(ロール状態)で取り外し可能に保持されている。
【0026】
押圧回転体としてのウェブ押圧ローラ213は回転自在に設けられ、またウェブ供給ローラ211から送り出されたウェブ212を回収ローラ204へ押圧している。それ故、ウェブ212は回収ローラ204に対し当接する。つまり、ウェブ212は定着ローラ201を直接摺擦することなく、定着ローラ201に当接し従動回転する回収ローラ204を摺擦する。こうして、定着ローラ201に付着したトナーが回収ローラ204により清掃され、回収ローラ204を介してウェブ212により間接的に除去されるようにしている。
【0027】
回転体(中間回転体)としての回収ローラ204は例えば直径「20mm」の棒状の金属部材であって、表層がステンレス(例えば、SUS304)などで形成されている。この場合、回収ローラ204におけるトナーに対しての離型性が定着ローラ201の離型層よりも低いため、定着ローラ201からトナーが回収ローラ204に移って付着しやすい。そして、回収ローラ204にウェブ212が当接されることで、回収ローラ204上(回転体上)に付着したトナーがウェブ212により除去される。例えば、定着ローラ201と回収ローラ204が形成するニップ部の回転方向長さは約「2mm」であり、回収ローラ204とウェブ212が形成するニップ部の回転方向長さは約「8mm」である。
【0028】
<ウェブ外径検出部>
本実施形態では、ウェブ巻き取りローラ214に巻き取られたウェブ212の外径を検出するために、ウェブ外径検出部220が設けられている。ウェブ外径検出部220について、図3(a)乃至図4を用いて説明する。図3(a)は、ウェブ巻き取りローラ214にウェブ212がまだ巻き取られていない状態を示す。図3(b)は、ウェブ巻き取りローラ214にウェブ212が巻き取られている状態を示す。
【0029】
図3(a)及び図3(b)に示すように、外径信号出力部としてのウェブ外径検出部220は、外径検出レバー221と、リンクギア222と、2段ギア223と、ロータリーボリュームギア224と、ロータリー型ボリューム抵抗225とを有する。
【0030】
揺動部としての外径検出レバー221は、一端側がウェブ巻き取りローラ214に巻き取られたウェブ212の表面に、ウェブ212の巻き取りに影響しない程度の圧力で当接し、他端側がリンクギア222に当接している。外径検出レバー221は、ウェブ巻き取りローラ214に巻き取られたウェブ212の外径の大きさに従って揺動可能に設けられている。それ故、ウェブ212の外径の大きさに従って一端側が変位すると、他端側がリンクギア222を押下する。これにより、リンクギア222は外径検出レバー221に連動して揺動する。
【0031】
リンクギア222は2段ギア223と噛み合っており、リンクギア222が外径検出レバー221の回動量にリンクして揺動すると、2段ギア223は回転する。2段ギア223はロータリーボリュームギア224とも噛み合っており、2段ギア223が回転すると、ロータリーボリュームギア224が回転する。ロータリーボリュームギア224のギア軸はDカット軸であり、ロータリー型ボリューム抵抗225の回転部225aと勘合している。そのため、ロータリーボリュームギア224の回転に応じて、ロータリー型ボリューム抵抗225の回転部225aが回転する。
【0032】
こうして、本実施形態では、ウェブ212が巻き取られ、ウェブ巻き取りローラ214に巻き取られたウェブ212の外径が大きくなることに伴い、外径検出レバー221が半時計回りに回動する。外径検出レバー221が回動すると、リンクギア222、2段ギア223、ロータリーボリュームギア224を介して、ロータリー型ボリューム抵抗225の回転部225aが回転される。ロータリー型ボリューム抵抗225は端子1~3を有しており、回転部225aの回転角度によって端子1~2間の抵抗値R12、及び端子2~3間の抵抗値R23の抵抗値が変化する。
【0033】
図4に示すように、ロータリー型ボリューム抵抗225の端子1~3は制御部150に接続されている。詳しくは、端子1はGNDに、端子2は検出電圧VsnsとしてCPU151に繋がれている入力端子に、端子3は「3.3V」電源にそれぞれ接続されている。本実施形態では、ロータリー型ボリューム抵抗225の全抵抗値R13(端子1~3間の抵抗値)を「10kΩ」とし、ロータリー型ボリューム抵抗225の回転部225aの回転角度により、端子1~2間の抵抗値R12と端子2~3間の抵抗値R23が変化する。つまり、抵抗値「R13=R12+R23=10kΩ」である。また、CPU151へ入力される検出電圧Vsnsは、電源により印加される「3.3V」を抵抗値R12と抵抗値R23の比で得られる電圧であり、以下に示す式1から求められる。
Vsns=3.3V×(R12)÷(R12+R23)・・・式1
【0034】
このように、ウェブ外径検出部220は、ウェブ巻き取りローラ214に巻き取られたウェブ212の外径を機械的な揺動量として得て、変換部としてのロータリー型ボリューム抵抗225により機械的な揺動量を信号値として検出電圧Vsnsに変換して出力する。
【0035】
<制御部>
画像形成装置100は制御部150を備えており、図2に示すように、制御部150には操作部180、ウェブ駆動モータ240、ウェブ外径検出部220が接続されている。制御部150には図2に示した以外にも、例えば感光ドラムや駆動ローラ等を回転駆動するモータ、帯電電圧や一次転写電圧等の電圧を印加する電源などの各種機器が接続されているが、ここでは発明の本旨でないのでそれらの図示及び説明を省略する。
【0036】
制御部150は、画像形成動作などの画像形成装置100の各種動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)151、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ152を有する。メモリ152には、画像形成装置100を制御するための各種プログラムや各種データが記憶される。CPU151は、メモリ152に記憶されている画像形成処理(不図示)や後述の「ウェブ残量制御処理」(図6乃至図8参照)などの各種プログラムを実行し得る。また、メモリ152は各種プログラムの実行に伴う演算処理結果などを一次的に記憶し得る。
【0037】
制御部150には、装置本体100aに設けられた操作部180が接続される。操作部180は、制御部150への各種情報の入力と制御部150から得られる各種情報の表示とを行い得る。操作部180は例えばタッチパネルであって、制御部150は使用者による操作部180上に表示されたソフトウェアキーの操作に応じて、例えば画像形成ジョブの開始など各種情報の入力を受け付ける。また、制御部150は、ウェブ212の交換を促す交換メッセージや動作エラーなどの各種情報、実行可能な各種プログラムを操作部180に表示して使用者に報知可能である。なお、ウェブ212の交換を使用者に提示する場合、操作部180への交換メッセージの表示によらず、例えばLEDによる光の点滅やスピーカによる警告音の発生等によって報知するようにしてもよい。
【0038】
画像形成ジョブとは、記録材Pに画像形成するプリント信号に基づいて、画像形成動作を開始してから画像形成動作を完了するまでの一連の動作のことである。即ち、画像形成を行うにあたり必要となる予備動作(所謂、前回転)を開始してから、画像形成工程を経て、画像形成を終了するにあたり必要となる予備動作(所謂、後回転)が完了するまでの一連の動作のことである。具体的には、プリント信号を受けた(画像形成ジョブの受信)後の前回転時(画像形成前の準備動作)から、後回転(画像形成後の動作)までのことを指し、画像形成期間、紙間を含む。
【0039】
また、本実施形態の場合、ウェブユニット210におけるウェブ212の交換を検出可能なウェブ交換センサ700が設けられ、制御部150に接続されている。制御部150はウェブ交換センサ700の検出信号に基づいて、ウェブ212が交換されたか否かを判定し得る。なお、制御部150には上記した開閉センサ710が接続され、開閉センサ710により扉500の開閉が検出された場合、定着ユニット9のメンテナンス作業やウェブ212の交換作業が行われたと判定してよい。
【0040】
制御部150は、上述したように、ウェブ巻き取りローラ214を回転駆動する駆動部としてのウェブ駆動モータ240を制御する。制御部150は、所定枚数の記録材Pにトナー像を形成する毎に、ウェブ212の巻き取り量が所定値(例えば、0.1mm/枚)となるように、ウェブ駆動モータ240を制御する。定着ローラ201に付着するトナーが多い場合には、ウェブ212がより大きい巻き取り量(例えば、0.5mm/枚)でウェブ巻き取りローラ214により巻き取られるように、ウェブ駆動モータ240を制御するのが好ましい。なお、複数枚の記録材Pにトナー像を形成する毎に、ウェブ212の巻き取り量が所定値(例えば、0.1mm/10枚)となるように、ウェブ駆動モータ240を制御してもよい。
【0041】
また、上述したように、本実施形態では、ウェブ外径検出部220によりウェブ巻き取りローラ214に巻き取られたウェブ212の外径を検出できるようにしている。ウェブ外径検出部220は、外径検出レバー221を用いてウェブ巻き取りローラ214のウェブ外径を機械的に揺動量として得て、この揺動量をロータリー型ボリューム抵抗225により電圧値(検出電圧Vsns)に変換して制御部150に出力する。
【0042】
ウェブ212の外径(mm)と、ロータリー型ボリューム抵抗225の検出電圧Vsns(V)と、ウェブ残量予測値(mm)とにおける各値の一例を示すテーブルデータを、表1に示す。このテーブルデータは、予めメモリ152に記憶されている。なお、検出電圧Vsnsが表1に記載ない場合、ウェブ212の外径及びウェブ残量予測値は表1において実際の検出電圧Vsnsに近い2点の規定値を線形補間した値となる。制御部150は、ウェブ外径の大小に関わらず、1回当たりのウェブ212の巻き取り量が所定値となるように、ウェブ残量予測値に基づいてウェブ駆動モータ240を制御してウェブ巻き取りローラ214の回転量を調整し得る。
【0043】
【表1】
【0044】
次に、ロータリー型ボリューム抵抗225の検出電圧特性について、図5を用いて説明する。本実施形態においては、図5に示すように、ウェブ212が未使用であるときの検出電圧値を「Va=0.42V」とし、ウェブ212が残量なしであるときの検出電圧値を「Vb=2.58V」としている。また、ウェブ212の外径は、検出電圧値Vaのときに「Φ12mm」であり、検出電圧値Vbのときに「Φ50mm」である。「Φ12mm」は、ウェブ巻き取りローラ214の回転軸の直径と略同じである。さらに、ロータリー型ボリューム抵抗225の回転角は、検出電圧値Vaのときに「45°」であり、検出電圧値Vbのときに「275°」である。
【0045】
ウェブ212は交換可能に設けられているが、使用状態を問わず交換用のウェブ212として交換可能であるため、未使用品(新品)のウェブ212に交換される場合と、一部使用済のウェブ212に交換される場合とがある。どちらの場合も、ウェブ未使用時の検出電圧値Va「0.42V」~ウェブ残量なし時の検出電圧値Vb「2.58V」の範囲内で、ロータリー型ボリューム抵抗225は検出電圧Vsnsを出力する。ロータリー型ボリューム抵抗225は、ウェブ交換後もウェブ外径が同じであれば同じ検出電圧Vsnsを出力する。検出電圧Vsnsは「傾きα」の線形性を有するので、ウェブ交換後も外径変化に応じて「傾きα」で推移する。
【0046】
本実施形態では、ウェブ212に関する情報として、例えばウェブ未使用時の検出電圧値Va「0.42V」、ウェブ残量なし時の検出電圧値Vb「2.58V」、「ウェブ残量少」を報知するための残量閾値「Vth」がメモリ152に予め記憶されている。制御部150は、検出電圧Vsnsが残量閾値Vthに到達した場合、ウェブ212が少ない「ウェブ残量少」状態であることを使用者に対し報知する。ウェブ残量少状態における検出電圧値は、例えば「2.35V」であり、これは残量閾値Vthに略等しい。
【0047】
本実施形態の場合、検出電圧Vsnsが残量閾値Vthに到達しても、ウェブ残量なし時の検出電圧値Vbに到達するまでは、画像形成ジョブの実行が可能である。画像形成ジョブの実行中に、検出電圧Vsnsが残量閾値Vthに到達した場合、実行中の画像形成ジョブは継続される。ただし、画像形成ジョブの継続に伴い、検出電圧Vsnsがウェブ残量なし時の検出電圧値Vbに到達した場合には、実行中の画像形成ジョブが停止され、使用者に対しウェブ212を交換する旨が報知される。また、継続した画像形成ジョブの終了後、新たな画像形成ジョブの実行を受け付けて実行した場合にも、検出電圧Vsnsがウェブ残量なし時の検出電圧値Vbに到達すると、実行中の画像形成ジョブが停止されてウェブ交換の報知が行われる。
【0048】
しかし、ウェブユニット210に何らかの異常が生じると、正しい検出電圧Vsnsが得られず、上記した検出電圧Vsnsに基づく画像形成ジョブの制御を行うことが難しい。そこで、本実施形態ではそうした場合でも、ウェブ残量を予測したウェブ残量予測値を用いて上記したウェブ残量報知などを行うことができるようにした。以下、説明する。
【0049】
<ウェブ残量制御処理>
本実施形態の「ウェブ残量制御処理」について、図2を参照しつつ図6乃至図8を用いて説明する。ここに示す「ウェブ残量検出処理」は、画像形成装置100の電源オンにあわせて、制御部150により繰り返し実行される。
【0050】
図6に示すように、制御部150は、画像形成ジョブを受け付けていない状態のときに、メモリ152に記憶されているウェブ残量制御に関する情報を取得する(S1)。本実施形態においてはウェブ残量制御に関する情報として、上記したウェブ未使用時の検出電圧値Va、ウェブ残量なし時の検出電圧値Vb、ウェブ残量少状態の残量閾値Vthを取得する。そして、制御部150は、画像形成ジョブを受け付けるまで、画像形成装置100を画像形成ジョブの入力に応じて記録材Pへの画像形成動作を開始可能な「スタンバイ状態」で待機させるべく、ステップS2とS3の処理を繰り返す(S2、S3のNo)。
【0051】
画像形成ジョブを受け付けた場合(S3のYes)、制御部150は画像形成ジョブを開始して(S4)、画像形成装置100において記録材Pへの画像形成動作を開始させる。制御部150は画像形成ジョブを開始すると、ロータリー型ボリューム抵抗225から出力される検出電圧Vsnsの取得を開始する(S5)。この時、ウェブ駆動モータ240はまだ動作していない状態であり、取得した検出電圧Vsnsに応じたウェブ外径から現状のウェブ残量(実測値)を検出することになる。同時に、制御部150は所定のタイミングで検出電圧Vsnsを取得してメモリ152に記憶する。これは、検出電圧Vsnsが図5で示したような特性で推移しているかを、制御部150が判定できるようにするためである。
【0052】
本実施形態において、メモリ152に検出電圧Vsnsを記憶する所定のタイミングは、ウェブ巻き取りローラ214の外径に合わせて変化させるものとする。例えば、ウェブ巻き取りローラ214の外径が「Φ12mm」であれば、1周あたり約36mmなので「36mm」送ったタイミングで記憶する。また、ウェブ巻き取りローラ214の外径が「Φ40mm」であれば、1周あたり約126mmなので「126mm」送ったタイミングで記憶する。ここで、記憶するデータは全てを記憶する必要はなく、検出電圧Vsnsが推移しているか判断できる数であればよい。本実施形態の場合、直近の3点を記憶しておけば、十分に検出電圧Vsnsの推移を判断できるので、メモリ152に記憶する3点の検出電圧を「Vsns1、Vsns2、Vsns3」とする。
【0053】
制御部150は、検出電圧Vsnsが「Va≦Vsns≦Vb」であるか否かを判定する(S6)。これは、ウェブ212が正常に使用されている場合、検出電圧Vsnsは上記範囲で検出されるためである。検出電圧Vsnsが「Va≦Vsns≦Vb」でない場合(S6のNo)、ウェブ212、ウェブ外径検出部220、ウェブ駆動モータ240等のウェブユニット210に何らかの異常が生じている可能性があるため、制御部150は使用者に対しそれらに異常が生じた虞がある旨を使用者に対し報知する(S8)。その後、制御部150はステップS20の処理へ進む(図7参照)。
【0054】
図7に示すように、ステップS20において、制御部150は画像形成ジョブが実行中であっても停止する。そして、制御部150は、ウェブ駆動モータ240の停止、検出電圧Vsnsの取得を終了して(S21)、「ウェブ残量制御処理」を終了する。
【0055】
図6に戻り、検出電圧Vsnsが「Va≦Vsns≦Vb」である場合(S6のYes)、制御部150は検出電圧Vsnsに応じたウェブ残量予測値(初期値)を求める(S7)。ウェブ残量予測値(初期値)は、検出電圧Vsnsに基づくウェブ212の外径値からウェブ残量がどの位かを、予めメモリ152に記憶されているテーブルデータ(表1参照)を基に求めた値である。ここで算出されるウェブ残量予測値(初期値)は、画像形成ジョブ開始時(S4参照)のウェブ残量(実測値)を示している。
【0056】
制御部150は、定着ローラ201のクリーニング動作を行うか否かを判定する(S9)。クリーニング動作を行わない場合(S9のNo)、制御部150はステップS12の処理へジャンプする。クリーニング動作を行う場合(S9のYes)、例えば、A4サイズであれば2枚毎に1回、A3サイズであれば1枚毎に1回、制御部150はウェブユニット210を制御して、ウェブ212により定着ローラ201をクリーニングする。そこで、制御部150はウェブ駆動モータ240を必要量動作する(S10)。例えば、ウェブ212は、1回の巻き取り動作にて「0.05mm~0.2mm」の任意の巻き取り量で巻き取られる。制御部150は、ウェブ駆動モータ240の動作に伴い、1回の巻き取り動作に応じて巻き取られるウェブ212の巻き取り量を、ウェブ残量予測値から減算する(S11)。例えば、1回のウェブ212の巻き取り量が「0.2mm」であれば、制御部150はウェブ残量予測値から「0.2mm」減算する。
【0057】
こうして、ウェブ残量予測値は、ウェブ212の巻き取り動作が行われるたびに更新される。そして、制御部150は、減算後のウェブ残量予測値に相当するロータリー型ボリューム抵抗225の推定電圧Vsns′(信号値)を表1から算出する(S12)。推定電圧Vsns′は、画像形成ジョブ開始時のウェブ残量(実測値)から、実際に巻き取ったウェブ212の巻き取り量を減算した後のウェブ残量(予測値)を示す。その後、制御部150は、ステップS13の処理へ進む(図7参照)。
【0058】
図7に示すように、ステップS13において、制御部150は、実際のウェブ212の外径に基づいて出力される信号値である検出電圧Vsnsと、予測したウェブ残量(予測値)である時の信号値である推定電圧Vsns′との差の絶対値が、閾値電圧値「ΔV」以下か否かを判定する。本実施形態においては、「ΔV=0.12V」とする。ウェブユニット210に異常が生じていない場合、「Vsns≒Vsns′」となるので、それらの差はほぼゼロである。他方、ウェブユニット210に異常が生じている場合、検出電圧Vsnsが推定電圧Vsns′よりも大きくなったり小さくなったりし、「Vsns≠Vsns′」となるので差が生じる。
【0059】
上記した差の絶対値が閾値電圧値「ΔV」以下である場合(S13のYes)、制御部150は、ウェブユニット210に異常が生じていないとして、検出電圧Vsnsを用いてウェブ残量に関する各種制御を行う(S14、S15)。まず、制御部150は、検出電圧Vsnsがウェブ残量なし時の検出電圧値Vbであるか否かを判定する(S14)。検出電圧Vsnsが検出電圧値Vbである場合(Vsns=Vb、S14のYes)、制御部150は「ウェブ残量なし」を使用者に対し報知する(S19)。その後、制御部150は、ウェブ残量なしのまま実行中の画像形成ジョブを継続すると、ウェブ212に破れが生じるなどの虞があるため、これを避けるために実行中の画像形成ジョブを停止する(S20)。そして、制御部150は、ウェブ駆動モータ240の停止、検出電圧Vsnsの取得を終了して(S21)、「ウェブ残量制御処理」を終了する。
【0060】
検出電圧Vsnsが検出電圧値Vbでない場合(Vsns≠Vb、S14のNo)、制御部150は、検出電圧Vsnsが上述した「ウェブ残量少」を報知するための残量閾値「Vth」以上か否かを判定する(S15)。検出電圧Vsnsが残量閾値「Vth」以上である場合(Vsns≧Vth、S15のYes)、制御部150は「ウェブ残量少」を使用者に対し報知する(S16)。その後、制御部150は、通常通り終了信号に基づいて画像形成ジョブを終了するか否かを判定し(S17)、画像形成ジョブを終了しない場合(S17のNo)、ステップS9の処理に戻る。画像形成ジョブを終了する場合(S17のYes)、制御部150は実行中の画像形成ジョブを停止し(S20)、ウェブ駆動モータ240の停止、検出電圧Vsnsの取得を終了してから(S21)、「ウェブ残量制御処理」を終了する。
【0061】
検出電圧Vsnsが残量閾値「Vth」より小さい場合(Vsns<Vth、S15のNo)、制御部150はウェブ212がまだ十分に残っているとして「ウェブ残量少」を使用者に対し報知することなく、画像形成ジョブを終了するか否かを判定する(S17)。画像形成ジョブを終了しない場合(S17のNo)、制御部150はステップS9の処理に戻る。画像形成ジョブを終了する場合(S17のYes)、制御部150は上記したステップS20とS21を行ってから「ウェブ残量制御処理」を終了する。
【0062】
他方、上記した差の絶対値が閾値電圧値「ΔV」より大きい場合(S13のNo)、制御部150は、ウェブユニット210に異常が生じているとして、後述の「残量予測値制御処理」を実行する(S18)。検出電圧Vsnsと推定電圧Vsns′の差の絶対値が「ΔV=0.12V」より大きい場合は、ウェブ外径検出部220に何らかの異常が生じた虞があるため、ウェブ残量(実測値)を示すウェブ外径検出部220の検出電圧Vsnsを用いない。つまり、ウェブユニット210に異常が生じている場合、制御部150はウェブ残量(実測値)を用いずにウェブ残量(予測値)を用いる。
【0063】
<残量予測値制御処理>
上記の「残量予測値制御処理」(図7のS18)について、図2を参照しながら図8を用いて説明する。図8に示すように、制御部150は、ウェブ残量予測値が「0」であるか否かを判定する(S31)。上述したように、ウェブ残量予測値は、ウェブ駆動モータ240の1回の動作に応じて巻き取られたウェブ212の巻き取り量が減算されて更新されるため(S11参照)、本実施形態において、ウェブ残量予測値「0」は「ウェブ残量なし」状態であることを示す。
【0064】
ウェブ残量予測値が「0」である場合(S31のYes)、制御部150は、ウェブ212が「ウェブ残量なし」状態であるため、「ウェブ残量なし」を使用者に対し報知する(S35)。また、「残量予測値制御処理」を行う判定がなされた時点で(図7のS18参照)、ウェブユニット210に異常が生じていることから(以下、単にユニット異常と呼ぶ)、制御部150はユニット異常も使用者に対し報知する(S35)。そして、制御部150は「ウェブ残量制御処理」に戻り、画像形成ジョブを停止する(図7のS20)。即ち、画像形成ジョブの実行中にウェブ残量(予測値)がゼロになった場合には、画像形成ジョブを停止し、ウェブ212の残量がなくなった旨、及び、ウェブユニット210に異常が生じている旨を出力する、
【0065】
ウェブ残量予測値が「0」でない場合(S31のNo)、制御部150はメモリ152に記憶される検出電圧「Vsns1、Vsns2、Vsns3」(図6のS5参照)の値が変化したか否かを判定する(S32)。ここでは、メモリ152に記憶される「Vsns1、Vsns2、Vsns3」の値が全て所定の範囲内である場合、変化していないと判定される。例えば、メモリ152に「Vsns1=1.443V、Vsns2=1.445V、Vsns3=1.443V」が記憶されていたとして、検出電圧Vsnsが「1.445V」であるとする。そして、「±0.005V」を所定の範囲内とすると、「Vsns1~Vsns3」の全てが「検出電圧Vsns(1.445V)±0.005V」の範囲内であるため、変化していないと判定する。
【0066】
検出電圧「Vsns1、Vsns2、Vsns3」(図6のS5参照)の値が変化していない場合(S32のYes)、制御部150はウェブ212に何らかの異常が発生したと判断し、ユニット異常を使用者に対し報知する(S34)。即ち、連続して所定量のウェブ212を巻き取った際に、検出電圧「Vsns1、Vsns2、Vsns3」の変化が所定範囲内である場合、ウェブ残量(予測値)に関わらず、画像形成ジョブを停止し、ウェブユニット210に異常が生じている旨を出力する。
【0067】
検出電圧「Vsns1、Vsns2、Vsns3」の値が変化した場合(S32のNo)、制御部150は通常通り終了信号に基づいて画像形成ジョブを終了するか否かを判定する(S33)。画像形成ジョブを終了しない場合(S33のNo)、制御部150はステップS31の処理に戻る。なお、制御部150は、メモリ152の「Vsns1、Vsns2、Vsns3」の1つでも「Vsns±0.005V」の範囲外であれば、値が変化したと判定する。
【0068】
画像形成ジョブを終了する場合(S33のYes)、制御部150はユニット異常を通知して(S34)、「ウェブ残量制御処理」(図7参照)へ戻る。このように、ウェブ残量(予測値)がゼロになる前に画像形成ジョブが終了した場合、上記したように「残量予測値制御処理」を行う判定がなされた時点で(図7のS18)、ユニット異常が確定しているので、画像形成ジョブの終了後にユニットに異常が生じている旨を使用者に対し報知するようにしている。
【0069】
次に、上述した「ウェブ残量制御処理」に関し具体的に説明する。図9に、実際に想定される4つのケース毎における検出電圧Vsnsの変化を示す。まず、第1のケース1は、未使用のウェブ212が使用開始され、ウェブユニット210に異常が生じることなく、ウェブ212が正常に巻き取られながら、画像形成ジョブが繰り返し行われた場合である。
【0070】
ケース1では、検出電圧Vsnsがウェブ212の巻き取りに応じて「0.42V」から「傾きα」で推移し「Vth=2.35V」を超えると、「ウェブ残量少」が報知される(図7のS16)。そして、検出電圧Vsnsが「Vb=2.58V」を超える前に、即ち「ウェブ残量少」になってから「ウェブ残量なし」になる前までに、未使用のウェブ212に交換されることによって、検出電圧Vsnsは「0.42V」に戻る。
【0071】
ケース1の場合、ウェブユニット210に異常が生じていないので、検出電圧Vsnsと、ウェブ残量予測値から求められる推定電圧Vsns′とは同じように「傾きα」で推移する。つまり、検出電圧Vsnsと推定電圧Vsns′は「Vsns≒Vsns′」であり、それらの差はほぼゼロである。したがって、制御部150は上述した「残量予測値制御処理」(図7のS18、図8)を実行せず、検出電圧Vsnsに基づくウェブ残量(実測値)に従ってウェブ残量報知などを行う。
【0072】
次に、第2のケース2は、未使用のウェブ212が使用開始され、使用途中でウェブユニット210に異常が生じた場合であって、「ウェブ残量なし」まで実行中の画像形成ジョブが継続された場合である。ケース2の場合もケース1と同様に、検出電圧Vsnsがウェブ212の巻き取りに応じて「0.42V」から「傾きα」で推移する。ただし、ウェブユニット210に異常が生じると、検出電圧Vsnsが「Vb=2.58V」を超えることがある。そうなるのは、例えばロータリー型ボリューム抵抗225の故障や、制御部150とウェブ外径検出部220とを接続するインターフェースの異常などが考えられる。
【0073】
検出電圧Vsnsが「2.58V」を超えた時点で、検出電圧Vsnsと推定電圧Vsns′の差の絶対値が閾値電圧値(ΔV=0.12V)を超える。そうなると、制御部150は、ウェブユニット210に異常が生じたと判定し(図7のS13)、以後、上述した「残量予測値制御処理」(図7のS18、図8)を実行する。その後、検出電圧Vsnsは「2.58V」を超えた状態のままであるが、制御部150はウェブ残量予測値に基づくウェブ残量に従って「ウェブ残量なし」(Vsns′=Vb=2.58V)になるまで実行中の画像形成ジョブを継続する。
【0074】
そして、制御部150は、ウェブ残量予測値が「0」に達した時点、即ち推定電圧Vsns′が「Vb=2.58V」になると、「ウェブ残量なし」と「ユニット異常」を使用者に対し報知する(図8のS31、S35)。そして、制御部150は実行中の画像形成ジョブを停止する(図7のS20)。その後、異常個所のメンテナンス作業が行われ、また未使用のウェブ212の交換が行われるため、再び検出電圧Vsnsは「0.42V」から「傾きα」で推移する。このように、ケース2の場合、制御部150は上述した「残量予測値制御処理」を実行して、推定電圧Vsns′に基づくウェブ残量(予測値)に従ってウェブ残量報知やユニット異常報知などを行う。
【0075】
次に、第3のケース3は、未使用のウェブ212が使用開始され、使用途中でウェブユニット210に異常が生じた場合であって、「ウェブ残量少」(Vth=2.35V)になる前に、実行中の画像形成ジョブが終了した場合である。ケース3の場合もケース1と同様に、検出電圧Vsnsがウェブ212の巻き取りに応じて「0.42V」から「傾きα」で推移する。ただし、ウェブユニット210に異常が生じると、検出電圧Vsnsが「0.42V」を下回ることがある。そうなるのは、例えばロータリー型ボリューム抵抗225の故障や、制御部150とウェブ外径検出部220とを接続するインターフェースの異常などが考えられる。
【0076】
検出電圧Vsnsが「0.42V」を下回った時点で、検出電圧Vsnsと推定電圧Vsns′の差の絶対値が閾値電圧値(ΔV=0.12V)を超える。そのため、ケース2と同様に、制御部150は、ウェブユニット210に異常が生じたと判定し(図7のS13)、以後、上述した「残量予測値制御処理」(図7のS18、図8)を実行する。つまり、制御部150は、推定電圧Vsns′に基づくウェブ残量(予測値)に従ってウェブ残量報知やユニット異常報知などを行う。ケース3はケース2と異なり、ウェブ残量予測値が「0」に達する前に画像形成ジョブが終了している。
【0077】
画像形成ジョブの終了後、異常個所のメンテナンス作業が行われ、ウェブ212の交換が行われる。ここで、未使用のウェブ212でなく、一部が使用済みである中古のウェブ212に交換されることがある。そうした場合、検出電圧Vsnsは「0.42V」から「傾きα」で推移するのではなく、中古のウェブ212の外径に応じた検出電圧Vsnsから「傾きα」で推移する。例えば、中古のウェブ212の外径が「Φ=20mm」である場合、検出電圧Vsnsは「0.88V」から推移する(ケース4参照)。
【0078】
次に、第4のケース4は、上記のように一部使用済みのウェブ212(Φ=20mm)が使用開始され、使用途中でウェブユニット210に異常が生じた場合であって、使用の途中で検出電圧Vsnsが変化しなくなった場合である。ここでは、検出電圧Vsnsが「2.00V」になるまでは異常が生じておらず、検出電圧が「2.00V」になってから、ユニットに異常が生じて検出電圧Vsnsが変化しなくなったとする。そうなるのは、例えばウェブ外径検出部220のギア(222~224、図3参照)の欠けや回転不良等の異常や、ウェブ駆動モータ240の故障による停止、ウェブ212の破れなどが考えられる。
【0079】
検出電圧Vsnsが「2.00V」で変化しない場合であっても、ウェブ残量予測値に基づく推定電圧Vsns′はウェブ送り動作が進むにつれ増加する。そのため、検出電圧Vsnsと推定電圧Vsns′の差の絶対値が閾値電圧値(ΔV=0.12V)を超えると、制御部150は、ウェブユニット210に異常が生じたと判定し(図7のS13)、以後、上述した「残量予測値制御処理」(図7のS18、図8)を実行する。
【0080】
ケース4の場合、メモリ152に記憶されている検出電圧「Vsns1~Vsns3」の値が変化しないため(Vsns1=Vsns2=Vsns3=2.00V)、制御部150はウェブ212に何らかの異常が発生したと判断し、ユニット異常を使用者に対し報知する(図8のS32のYes、S34)。そして、制御部150は実行中の画像形成ジョブを停止させる(図7のS20)。その後、異常個所のメンテナンス作業が行われ、また未使用のウェブ212の交換が行われると、検出電圧Vsnsは「0.42V」となる。使用済みである中古のウェブ212に交換された場合(Φ=20mm)、検出電圧Vsnsは「0.88V」から推移する。
【0081】
以上のように、本実施形態では、画像形成ジョブ開始時にウェブ外径検出部220により検出されたウェブ残量(実測値)を基準に、画像形成ジョブ開始後に実際に巻き取ったウェブ212の巻き取り量の積算値を減算してウェブ残量(予測値)を更新する。そして、画像形成ジョブの実行中に、更新されるウェブ残量(予測値)と、その際にウェブ外径検出部220により検出されているウェブ残量(実測値)とを比較する。これらウェブ残量(予測値)とウェブ残量(実測値)とに大きな差が生じていなければ、ウェブ外径検出部220に異常が生じていないとして、ウェブ残量(実測値)に基づき画像形成ジョブを制御する。
【0082】
他方、ウェブ残量(予測値)とウェブ残量(実測値)とに大きな差が生じていれば、ウェブ外径検出部220に異常が生じたとして、ウェブ残量(予測値)に基づき画像形成ジョブを制御する。その際に、ウェブ残量(予測値)がゼロになる前に画像形成ジョブが終了した場合には、画像形成ジョブの終了後にウェブユニット210に異常が生じている旨を出力する。画像形成ジョブの実行中にウェブ残量(予測値)がゼロになった場合には、画像形成ジョブを停止し、ウェブ212の残量がなくなった旨、及び、ウェブユニット210に異常が生じている旨を出力する。こうして、ウェブ212の外径を検出するウェブ外径検出部220に異常が生じたとしても、画像形成ジョブが実行される。
【0083】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態では、ウェブ駆動モータ240の1回の動作毎に予め決められたウェブ212の巻き取り量が減算され求まる「ウェブ残量予測値」(図6のS11参照)に基づくウェブ残量に従って、ウェブ残量報知やユニット異常報知などを行うようにしたがこれに限らない。例えば、ウェブ駆動モータ240のパルスカウント積算値を用いて、「ウェブ残量予測値」を求めてもよい。即ち、ウェブ駆動モータ240のパルスカウントを積算した積算値は、ウェブ駆動モータ240がこれまでどれだけ動作したかのカウント値であることから、パルスカウント積算値により実際にウェブ212をどれだけ送ったがわかる。それ故、ウェブ駆動モータ240のパルスカウント積算値を用いて、「ウェブ残量予測値」を求めることができる。
【0084】
なお、上述した実施形態では、検出電圧Vsnsとウェブ残量予測値に基づく推定電圧Vsns′との差の絶対値に基づいて、ウェブユニット210に異常が生じたか否かを判定するようにしたが、これに限らない。例えば、検出電圧Vsnsの傾きα′を求め、メモリ152に予め記憶済みである異常なし時の傾きαと比較して、傾きα′が傾きαに対し所定範囲から外れている場合に、ウェブユニット210に異常が生じたと判定してもよい。異常が生じている場合には、例えば図9のケース2~4に示すように、傾きα′がメモリ152に記憶される傾きα(ケース1と同様)と大きく異なる。
【0085】
なお、上述した実施形態では、定着ローラ201に当接し従動回転する回収ローラ204をウェブ212により摺擦して、定着ローラ201に付着したトナーが回収ローラ204を介して間接的に除去される構成としたが、これに限らない。ウェブ212が定着ローラ201を摺擦して、定着ローラ201に付着したトナーがウェブ212により直接的に除去される構成であってもよい。
【0086】
なお、上述した実施形態では、定着ローラ201及び加圧ローラ202を用いた構成としたが、これに限らない。例えば、定着ローラ201や加圧ローラ202の代わりに、無端ベルト状の定着ベルトや加圧ベルトを用いる構成であってもよい。
【0087】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
記録材にトナー像を形成する画像形成装置であって、
回転体と、
前記回転体に摺擦し前記回転体上のトナーを除去するウェブと、前記ウェブを前記回転体との摺擦位置に供給可能な供給部と、前記供給部との間に架け渡された前記ウェブを巻き取る巻き取り部と、前記巻き取り部に巻き取られた前記ウェブの外径に基づく信号を出力する外径信号出力部とを有するクリーニングユニットと、
前記巻き取り部を駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
所定枚数の記録材にトナー像を形成する毎に、前記駆動部を駆動して前記巻き取り部により所定量の前記ウェブを巻き取り、実行している画像形成ジョブの開始時の前記外径信号出力部の信号と、前記画像形成ジョブの開始から前記ウェブを巻き取った前記所定量の積算値とに基づいて、前記ウェブのウェブ残量を予測し、
前記外径信号出力部に異常が生じた場合でも、その際に実行している画像形成ジョブを継続させ、
前記ウェブ残量の予測値がゼロになる前に前記画像形成ジョブが終了した場合には、前記画像形成ジョブの終了後に前記クリーニングユニットに異常が生じている旨を出力し、
前記画像形成ジョブの実行中に前記ウェブ残量の予測値がゼロになった場合には、前記画像形成ジョブを停止し、前記ウェブの残量がなくなった旨、及び、前記クリーニングユニットに異常が生じている旨を出力する、
ことを特徴とする画像形成装置。
(2)
前記制御部は、予測した前記ウェブ残量の予測値である時の前記外径信号出力部の信号値を算出し、算出した信号値と、実際の前記ウェブの外径に基づいて出力される前記外径信号出力部の信号値との差の絶対値が所定の閾値以上である場合に、前記外径信号出力部に異常が生じたと判定する、
ことを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
(3)
前記制御部は、連続して前記巻き取り部により所定量の前記ウェブを巻き取った際に、前記外径信号出力部の信号値の変化が所定範囲内である場合、前記ウェブ残量の予測値に関わらず、前記画像形成ジョブを停止し、前記クリーニングユニットに異常が生じている旨を出力する、
ことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
(4)
前記外径信号出力部は、前記巻き取り部に巻き取られた前記ウェブの表面に当接し、前記ウェブの外径の変化に応じて揺動する揺動部と、前記揺動部の揺動に応じて回転する回転部と、前記回転部の回転に応じて抵抗値を変化させて前記揺動部の揺動量を電圧値に変換し前記ウェブの外径に基づく信号として出力する変換部とを有する、
ことを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(5)
記録材にトナー像を形成する画像形成ユニットと、
第一回転体と、前記第一回転体に当接して記録材を挟持搬送する定着ニップ部を形成する第二回転体とを有し、前記画像形成ユニットにより記録材に形成されたトナー像を記録材に定着する定着ユニットと、
前記ウェブと前記第一回転体との間に配置され、前記第一回転体と当接して前記第一回転体を清掃する中間回転体と、を備え、
前記回転体は、前記中間回転体である、
ことを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(6)
前記供給部と前記巻き取り部の間に配置され、前記ウェブを前記中間回転体に向けて押圧する押圧回転体を備える、
ことを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0088】
9…定着ユニット、100…画像形成装置、150…制御部、201…第一回転体(定着ローラ)、202…第二回転体(加圧ローラ)、204…回転体(中間回転体、回収ローラ)、210…クリーニングユニット(ウェブユニット)、211…供給部(ウェブ供給ローラ)、212…ウェブ、213…押圧回転体(ウェブ押圧ローラ)、214…巻き取り部(ウェブ巻き取りローラ)、220…外径信号出力部(ウェブ外径検出部)、221…揺動部(外径検出レバー)、225…変換部(ロータリー型ボリューム抵抗)、240…駆動部(ウェブ駆動モータ)、600…画像形成ユニット、P…記録材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9