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特開2023-181582ネットワークデバイス、ネットワークデバイスの制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181582
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】ネットワークデバイス、ネットワークデバイスの制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094791
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島廻 卓史
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC34
5C062AC55
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】画像形成装置等のネットワークサービスの設置時に、サービス提供システムで提供される各サービスとの通信テストを行う際、未契約のサービスとの通信テスト結果まで表示されてしまうと、サービスマンを混乱させ、誤解を招いてしまう可能性があった。
【解決手段】画像形成装置500の通信テスト管理アプリケーション600が、クラウドサーバーが提供する各サービスに対応する各クライアントアプリケーションに通信テストを指示し(S800、S801)、通信テストの結果を表示する(S807)。その際、基本サービスについては全ての通信テストの結果を表示する。契約サービスについては、契約済みの契約サービスのためのクライアントアプリケーションの通信テストの結果を表示する。一方、未契約の契約サービスのためのクライアントアプリケーションの通信テストの結果については表示しない(S804~S806)。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供システムで提供される基本サービスと契約サービスとのそれぞれに対応する複数のクライアントアプリケーションがインストールされるネットワークデバイスであって、
前記基本サービスのための第1クライアントアプリケーションと、前記契約サービスのための第2クライアントアプリケーションとの両方に、前記サービス提供システム上の各サービスに対する通信テストの実行を指示する指示手段と、
前記各クライアントアプリケーションから通信テストの結果を受け付ける受付手段と、
前記第1クライアントアプリケーション及び前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果を前記サービス提供システムに対して送信する送信手段と、
前記第1クライアントアプリケーションの通信テストの結果を表示する表示手段と、を有し、
前記表示手段は、前記契約サービスの状態が契約済みの場合に前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果も表示し、前記契約サービスの状態が未契約の場合に前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果については表示しない、ことを特徴とするネットワークデバイス。
【請求項2】
前記送信手段は、前記基本サービスのためのクライアントアプリケーションを利用して通信テストの結果を送信することを特徴とする請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項3】
前記サービス提供システムは、前記送信手段から送信された通信テストの結果を管理し、要求に応じて、前記第1クライアントアプリケーション及び前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果を提供する、ことを特徴とする請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項4】
サービスマンが操作するための第1モードと、前記サービスマンはでないユーザーが操作するための第2モードのいずれのモードで動作している場合においても、前記指示手段は前記通信テストの実行を指示することが可能であり、
前記表示手段は、前記通信テストの実行の指示が前記第2モードで行われた場合には、前記契約サービスの契約状態にかかわらず、前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果も表示する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のネットワークデバイス。
【請求項5】
前記第1モードと前記第2モードのいずれのモードで動作している場合においても、前記通信テストの実行を指示するための操作が可能な操作手段を有し、
前記指示手段は、前記操作手段からの操作に応じて、前記通信テストの実行を指示することを特徴とする請求項4に記載のネットワークデバイス。
【請求項6】
前記サービス提供システムは、少なくとも前記契約サービスの契約状態を管理し、
前記サービス提供システムから前記契約サービスにおける契約状態を取得する取得手段を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のネットワークデバイス。
【請求項7】
前記取得手段は、前記基本サービスのためのクライアントアプリケーションを利用して、前記サービス提供システムから前記契約サービスにおける契約状態を取得する、ことを特徴とする請求項6に記載のネットワークデバイス。
【請求項8】
サービス提供システムで提供される基本サービスと契約サービスとのそれぞれに対応する複数のクライアントアプリケーションがインストールされるネットワークデバイスの制御方法であって、
前記基本サービスのための第1クライアントアプリケーションと、前記契約サービスのための第2クライアントアプリケーションとの両方に、前記サービス提供システム上の各サービスに対する通信テストの実行を指示する指示ステップと、
前記各クライアントアプリケーションから通信テストの結果を受け付ける受付ステップと、
前記第1クライアントアプリケーション及び前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果を前記サービス提供システムに対して送信する送信ステップと、
前記第1クライアントアプリケーションの通信テストの結果を表示する表示ステップと、を有し、
前記表示ステップでは、前記契約サービスの状態が契約済みの場合に前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果も表示し、前記契約サービスの状態が未契約の場合に前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果については表示しない、ことを特徴とするネットワークデバイスの制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項8に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークデバイス、ネットワークデバイスの制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置等のネットワークデバイスを外部のクラウドサーバーと接続させることで、様々なサービスを利用するという利用形態が一般的になっている。例えば、画像形成装置の監視サービスを利用することで、少なくなった消耗品の自動発送サービスを利用することができる。あるいは、バックアップサービスを利用することで、画像形成装置の設定値やアプリケーション情報の定期バックアップサービスや、画像形成装置が故障した際にリストアサービスを利用することができる。このようなニーズに応えるため、ユーザーが選択可能な様々なサービスが集約されたクラウドサーバーが提供されている。以後、個々のサービスを提供するサーバーを「リソースサーバー」と呼ぶ。
【0003】
ユーザーはサービスを利用したい場合、まずサービス提供者と契約を結び、サービス提供者はクラウドサーバーを操作して所望のサービスを利用可能な状態にしておく(以後、このことを「サービスのアクティベート」と呼ぶ)。その後、画像形成装置をユーザー環境に設置する際に、サービスマンがクラウドサーバーとの接続作業を行うという仕組みが存在する。
【0004】
このとき、クラウドサーバーとの接続は成功しても、個々のリソースサーバーとの接続は失敗する場合がある。その主な理由は、リソースサーバーはそれぞれドメインが異なる場合があり、各ドメインへのアクセス可否はファイアウォール設定などのネットワーク構成やセキュリティ設定などに依存するためである。従って、画像形成装置の設置時に各リソースサーバーと通信テストを行うことが一般的である。
【0005】
しかし、一つの画像形成装置上で各々がリソースサーバーと連携する複数のクライアントアプリケーションが動作するシステムの場合、それぞれの通信テストを個々に実行するのは非効率である。
特許文献1には、複数のクライアントアプリケーションの通信テストを効率的に行う技術および、その結果を一覧で表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-119036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ユーザーが画像形成装置の運用中に新規にサービスをアクティベートすることも考えられるため、設置時の段階では未アクティベートのサービスが存在することがある。その場合、未アクティベートのサービスでも、アクティベートされた時に確実に利用開始できるようにするため、予め通信テストを行っておくことが効果的である。
【0008】
しかし、設置時の段階では、ユーザーのネットワーク環境においてファイアウォールなどの設定がまだ行われておらず通信テストに失敗する可能性が高い。設置時にその結果を表示してもサービスマンは対応できない上に、設置作業に失敗したと誤解を招く可能性がある。なお、特許文献1の技術は、全てのサービスとの通信テスト結果を表示する構成であり、上述のような課題を解決するものではない。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明は、ネットワークサービスで行うサービス提供システムで提供される各サービスとの通信テスト結果のうち、必要な結果のみをサービスマン等に伝え、混乱や誤解なく通信テストの確認を行うことを可能にする仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、サービス提供システムで提供される基本サービスと契約サービスとのそれぞれに対応する複数のクライアントアプリケーションがインストールされるネットワークデバイスであって、前記基本サービスのための第1クライアントアプリケーションと、前記契約サービスのための第2クライアントアプリケーションとの両方に、前記サービス提供システム上の各サービスに対する通信テストの実行を指示する指示手段と、前記各クライアントアプリケーションから通信テストの結果を受け付ける受付手段と、前記第1クライアントアプリケーション及び前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果を前記サービス提供システムに対して送信する送信手段と、前記第1クライアントアプリケーションの通信テストの結果を表示する表示手段と、を有し、前記表示手段は、前記契約サービスの状態が契約済みの場合に前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果も表示し、前記契約サービスの状態が未契約の場合に前記第2クライアントアプリケーションの通信テストの結果については表示しない、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ネットワークサービスで行うサービス提供システムで提供される各サービスとの通信テスト結果のうち、必要な結果のみをサービスマン等に伝え、混乱や誤解なく通信テストの確認を行うことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態を示すシステムの機器構成を示す図。
図2】各サーバーのハードウェア構成を示す図。
図3】画像形成装置のソフトウェア構成を示す図。
図4】通信テスト管理アプリケーションのソフトウェア構成と画面を示す図。
図5】トークンプロバイダアプリケーションのソフトウェア構成を示す図。
図6】基盤アプリケーションのソフトウェア構成を示す図。
図7】クライアントアプリケーションのソフトウェア構成を示す図。
図8】第1実施形態における通信テストの処理を示すフローチャート。
図9】基盤サーバーが提供する通信テスト結果詳細画面を示す図。
図10】第2実施形態における通信テストの処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態を示すシステムの機器構成の一例を示す図である。
本実施形態におけるシステムは、クラウドサーバーと画像形成装置がネットワークを介して接続されている。本実施形態では、ネットワークデバイスの一例をして画像形成装置を用いて説明するが、他のネットワークデバイスでも本発明は適用可能である。例えば、ネットワーク家電、ネットワークカメラ、ナビゲーションシステムでも本発明は適用可能である。
【0014】
まず、クラウドサーバーについて説明する。
クライアントサーバーは、各種のサービスを提供するサービス提供システムである。
認可サーバー100は、画像形成装置の認証およびアクセストークンの発行を実現するためのAPI(Application Programming Interface)を備えるサーバーである。ここでアクセストークンとは、クライアントとなる画像形成装置が各サーバーで公開されているAPIを利用するために必要となる認証・認可情報である。認証・認可プロトコルとして例えば「OAuth2.0」がある。
【0015】
基盤サーバー200は、クラウドサーバーの根幹となるサーバーである。クラウドサーバーで提供される各サービスを利用するためには、必ず画像形成装置を基盤サーバー200に接続する必要がある。また、基盤サーバー200はユーザー毎のサービス利用状況(契約状態)を管理する。
上述の認可サーバー100や基盤サーバー200が提供するサービスは、クラウドサーバーと接続するために必須となる基幹サービス(基本サービス)であり、各サービスを利用するためには、基幹サービスがアクティベートされている必要がある。
【0016】
リソースサーバー300は、例えば消耗品自動発送サービスなどの個々のサービスを提供するサーバーであり、サービスを利用するために必要なAPIを備える。リソースサーバー300は、クラウドサーバーにおいて任意契約となる契約サービスを提供する。ユーザーは、必要に応じてこれらのサービスを契約して利用することができ、契約されたサービスがアクティベートされる。リソースサーバー300は一つとは限らず、複数あってもよい(3つ以上あってもよい)。
【0017】
なお、これらのサーバー100,200,300を総称して単に「サーバー」と記載する場合がある。また、これらのサーバー100,200,300の実装は、クラウドコンピューティングの技術を用いた実装に限定されるものではない。
【0018】
データベース400は、クラウドサーバーを利用している各々のユーザーや画像形成装置に関するデータが格納されたデータベースである。格納されるデータの一例として、ユーザー毎のサービスアクティベート状況がある。すなわち、サービス提供者によってユーザーに対してあるサービスがアクティベートされると、そのユーザーに対応するサービス利用状況を示すデータが更新される。また、接続している画像形成装置毎の管理データなども含めることができる。管理データには、例えばエラー発生状況、消耗品の残量、ジョブのログなどがある。
【0019】
次に、画像形成装置について説明する。
画像形成装置500は、複写機にスキャナー、プリンター、ファクシミリ、ファイル送信機能等の複数の機能を統合した複合機である。ただし、画像形成装置500は、必ずしもこれら全ての機能を画像形成装置が備えている必要はない。
画像形成装置500は、クライアントサーバーで提供される複数のサービスそれぞれに対応する複数のクライアントアプリケーションがインストールされるネットワークデバイスである。
【0020】
通信テスト管理アプリケーション600は、ユーザーからの通信テスト実行の操作を受け付け、その結果を画像形成装置500のUI(User Interface)に表示する機能を持つアプリケーションである。
トークンプロバイダアプリケーション700は、認可サーバー100が公開するAPIを利用することで、画像形成装置500の認証を行い、クライアントアプリケーション900にリソースサーバー300のAPI利用に必要なアクセストークンを提供する。
【0021】
基盤アプリケーション800は、基盤サーバー200が公開するAPIを利用することで画像形成装置500をクラウドサーバーに接続する機能を持つアプリケーションである。また、基盤アプリケーション800は、基盤サーバー200を介してデータベース400から情報を取得したり、データベース400に情報を送信したりする機能を持つ。
なお、トークンプロバイダアプリケーション700や基盤アプリケーション800は、クラウドサーバーの基幹サービス(基本サービス)のためのクライアントアプリケーションである。
【0022】
クライアントアプリケーション900は、リソースサーバー300が公開するAPIを利用することで、自身の提供する機能と合わせたサービスをユーザーに提供する。クライアントアプリケーション900は、リソースサーバー300が提供する契約サービスのためのクライアントアプリケーションである。なお、クライアントアプリケーション900は一つとは限らず、複数あってもよい(3つ以上あってもよい)。
なお、これらのアプリケーション600,700,800,900を総称して単に「アプリケーション」と記載する場合がある。
【0023】
図2は、認可サーバー100、基盤サーバー200、およびリソースサーバー300のハードウェア構成の一例を示す図である。これらのサーバーは同様のハードウェア構成を有するため、図2に共通の構成として示す。また、これらのサーバーは、UIを持たなくとも画像形成装置500や他のサーバーとの間の相互作用は可能なのでUIを示していないが、UIとしてキーボードやポインティングデバイス、ディスプレイなどのハードウェアを有していてもよい。
【0024】
CPU101は、ROM102に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM103は、CPU101の主メモリーであり、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD104は、各種データやプログラムを記憶する。なお、HDD(Hard Disk Drive)の代わりに又は併用してSSD(Solid State Drive)等の他の記憶装置を備えていてもよい。
【0025】
ネットワークI/F105は、サーバー100,200,300をネットワークに接続する。ネットワークI/F105は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報を送受信する。システムバス106は、サーバー100,200,300を構成する各ハードウェアコンポーネント同士の共通データ交換経路である。
【0026】
図3は、画像形成装置500の構成の一例を示す図である。
画像形成装置500は、操作部501、スキャナー514、プリンター515を備える。
また、画像形成装置500は、操作部関連の処理部として、CPU502、RAM503、操作部I/F504、ネットワークI/F505、ROM506、HDD507、画像バスI/F508、システムバス509を備える。
【0027】
CPU502は、画像形成装置500全体を制御するためのコントローラである。RAM503は、CPU502が動作するためのワークメモリを提供し、また画像データを一時記憶するための画像メモリーも提供している。ROM506は、ブートROMであり、システムのブートプログラムや各種データが格納されている。HDD507はOSや各種プログラムや画像データ、設定情報などを格納している。なお、HDDの代わりに又は併用してSSD等の他の記憶装置を備えていてもよい。CPU502は、ROM506のブートプログラムを実行してHDD507等に記憶されたOSや制御プログラムをRAM503に展開し、そのプログラムに基づいて画像形成装置500を統括的に制御する。この制御には、後述のフローチャートを実現するためのプログラムの実行も含む。
【0028】
操作部I/F504は、操作部501とのインターフェースであり、操作部501で表示する画像データを操作部501に対して出力する。また、操作部I/F504は、ユーザーが操作部501により入力した情報をCPU502へ伝達する。ネットワークI/F505は、ネットワークと接続しており、ネットワークを介して、外部の装置と情報のやり取りをするインターフェースである。外部の装置とは、例えば認可サーバー100や基盤サーバー200を指す。画像バスI/F508は、システムバス509と画像バス510とを接続し、データ変換を行うバスブリッジである。システムバス509は、画像形成装置500を構成する各ハードウェアコンポーネント同士の共通データ交換経路である。
【0029】
また、画像形成装置500は、印刷、スキャン関連の処理部として、画像バス510、デバイスI/F511、スキャナー画像処理部512、プリンター画像処理部513を備える。
【0030】
画像バス510は、PCIバス、またはIEEE1394で構成されており、画像データを高速に転送する経路である。デバイスI/F511は、画像入出力デバイスであるスキャナー514及びプリンター515と各ハードウェアコンポーネントとを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナー画像処理部512は、入力画像に対し、補正や加工、編集を行う。なお、スキャナー514、及びスキャナー画像処理部512については必要に応じて備えることになる。プリンター画像処理部513は、プリント出力画像データに対して、プリンターの性能に応じた補正、解像度の変換などを行う。
【0031】
図4は、通信テスト管理アプリケーション600のソフトウェア構成と画面の一例を示す図である。以下、図4(A)、図4(B)、図4(C)についてそれぞれ説明する。
図4(A)は、通信テスト管理アプリケーション600のソフトウェア構成の一例を示す図である。すなわち、これらのソフトウェア構成は、画像形成装置500のCPU502がHDD507等に記憶されたプログラムを実行することにより機能する。
【0032】
UI表示部601は、通信テスト管理アプリケーション600を操作するためのUIを、操作部501を介してユーザーに提供し、ユーザーの操作を受け付ける。
通信テスト指示部602は、UI表示部601から通信テスト実行指示の操作を受けると、トークンプロバイダアプリケーション700に対して、サービス提供システム上の各サービスに対する通信テストの実行を指示する。
通信テスト結果受信部603は、トークンプロバイダアプリケーション700から各クライアントアプリケーション800の通信テスト結果を受信する。
【0033】
図4(B)、図4(C)は、UI表示部601が画像形成装置500のUIに表示する、通信テスト管理アプリケーション600の画面の一例を示す図である。図4(B)は通信テスト管理アプリケーションの基本画面の例を示し、図4(C)は通信テスト結果の詳細画面の例を示す。
【0034】
領域610は、クラウドサーバーとの現在の接続ステータスを示す領域である。この領域に表示される情報としては、接続状態、接続先サーバー名、直近の通信テスト結果などを想定しているが、この限りではない。
【0035】
詳細確認ボタン611は、直近の通信テスト結果の詳細を確認するためのボタンである。このボタンをユーザーが押下することで、直近の通信テスト結果の詳細を確認できる画面である図4(C)に遷移する。図4(C)の詳細は、後述のフローチャートの説明にて述べる。
【0036】
通信テストボタン612は、通信テストを実行するためのボタンである。このボタンをユーザーが押下することで、通信テスト指示部602がトークンプロバイダアプリケーション700の通信テスト指示受信部に対して通信テスト実行指示を発行し、各々のアプリケーションの通信テストが実行される。
【0037】
図5は、トークンプロバイダアプリケーション700のソフトウェア構成の一例を示す図である。すなわち、これらのソフトウェア構成は、画像形成装置500のCPU502がHDD507等に記憶されたプログラムを実行することにより機能する。
【0038】
アクセストークン供給部701は、認可サーバー100に対して画像形成装置500の認証処理を要求し、認証が成功した場合アクセストークンを取得する。また、アクセストークン供給部701は、取得したアクセストークンを自身と連携する各アプリケーションに対して供給する機能も備える。
【0039】
通信テスト指示受信部702は、通信テスト指示部602から通信テスト実行指示を受信する。
通信テスト開始通知部703は、通信テスト指示受信部702が指示を受信したことを受けて、各アプリケーション(すなわち基本サービスのためのクライアントアプリケーションと、契約サービスのためのクライアントアプリケーションとの両方)に対して通信テストの開始を指示する。この時、通信テスト開始通知部703は、各アプリケーションに対して、サーバーとの通信に必要となるアクセストークンの提供も行う。
【0040】
通信テスト結果受信部704は、各アプリケーションから通信テスト結果を受付け、そのリストを作成する。また、通信テスト結果受信部704は、通信テスト開始通知部703による通信テスト開始指示から一定時間までに通知を受け取れなかった場合、タイムアウトして通信テスト結果を失敗として処理する機能も備える。
【0041】
通信テスト結果通知部705は、通信テスト結果受信部704が作成した各アプリケーションの通信テスト結果リストを通信テスト結果受信部603に対して通知する。また、通信テスト結果通知部705は、通信テスト結果リストを、基盤サーバー200を介してデータベース400に送信する機能も併せ持つ。
【0042】
図6は、基盤アプリケーション800のソフトウェア構成の一例を示す図である。すなわち、これらのソフトウェア構成は、画像形成装置500のCPU502がHDD507等に記憶されたプログラムを実行することにより機能する。
【0043】
通信テスト指示受信部801は、通信テスト開始通知部703から発行された通信テスト開始指示を受け付ける。
通信テスト実行部802は、対応するサーバーとの通信テストを実行する。通信テストの内容は、各アプリケーションが独自に定義することができる。また、通信テスト実行部802は、通信テスト実行完了後にその結果を保持する機能も持つ。通信テストの結果の例として、例えば成功または失敗、失敗の場合はそのエラーコード、通信テストの実行日時、通信テストにかかった時間、などを想定しているが、この限りではない。
通信テスト結果通知部803は、通信テストの結果を通信テスト結果受信部704に送信する。この時、後述のデータベース参照部804が取得したデータを併せて送信することもできる。
【0044】
データベース参照部804は、基盤サーバー200を介して、クラウドサーバー上のデータベース400を参照しデータを取得する。データベース参照部804が取得するデータの内容は、基盤アプリケーション800が独自に定義する通信テスト内容によって任意に変更することができる。また、データベース参照部804は、画像形成装置500の各種データをクラウドサーバーに送信し、データベース400を更新する機能も持つ。
【0045】
図7は、クライアントアプリケーション900のソフトウェア構成の一例を示す図である。すなわち、これらのソフトウェア構成は、画像形成装置500のCPU502がHDD507等に記憶されたプログラムを実行することにより機能する。
本実施形態では、クライアントアプリケーション900の構成は、データベース参照部804を除き、基盤アプリケーション800と同様の構成を想定しているため、説明を省略する。
【0046】
図8は、第1実施形態における通信テストの処理の一例を示すフローチャートである。これらのソフトウェア構成は、画像形成装置500のCPU502がHDD507等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0047】
まず、S800において、ユーザーがUI操作(通信テストボタン612の押下)を行うと、これに応じて、通信テスト管理アプリケーション600の通信テスト指示部602が、通信テスト実行指示を発行する。なお、通信テスト実行指示はUI操作による発行に限らず、例えば一定時間ごとに定期的または設定された日時に発行されるようプログラムされていてもよい。
【0048】
上記S800において通信テスト実行指示が発行されたことに応じ、通信テスト開始通知部703が、各アプリケーションに対して通信テストの開始を指示する。これに応じて、各アプリケーションが、それぞれ対応するサーバーと通信テストを行う(S801)。各アプリケーションの通信テスト結果は、各々の通信テスト結果通知部を通じて、通信テスト結果リストとして通信テスト結果受信部704にまとめられる。なお、アプリケーション間のデータ送受信は、アプリケーション間でリスナー登録処理を行っておくことで実現されることを想定しているが、この限りではなく、任意の方法でアプリケーション間の連携ができればよい。
【0049】
次にS802において、基盤アプリケーション800のデータベース参照部804が、基盤サーバー200を介してデータベース400からサービスのアクティベート状況一覧を取得する。具体的には、画像形成装置が一意に特定できる情報(シリアル番号など)を基にして顧客IDを取得し、その顧客IDに紐づくサービスのアクティベート状況一覧を取得する。本取得処理は、基盤アプリケーション800が自身の通信テストの実行とは独立に実行されてもよいし、自身の通信テストの一部として実行されてもよい。
表1に、図8のS802で取得されるアクティベート状況の一例を示す。
この例では、ユーザーがサービスAとサービスCを利用しているが、サービスBについては利用をしていないことを表している。
【0050】
【表1】
【0051】
その後、通信テスト結果通知部803は、上記802で基盤アプリケーション800により取得されたアクティベート状況一覧を、上記801の通信テスト結果と合わせて、通信テスト結果受信部704に送信する。この時、例えば専用のインターフェースを用意することで、通信テスト結果の送信とは異なる連携経路で実現してもよい。また、S801とS802の実行順序は逆でもよい。
【0052】
S803は、通信テスト結果通知部705が、通信テスト結果受信部704にまとめられた各アプリケーションの通信テスト結果リストをデータベース400に対して送信する。この時、未アクティベートサービス(未契約)の通信テスト結果も含めた全ての通信テスト結果をクラウドに結果を送信することで、サービス提供者やユーザーがその結果をWebブラウザ等から確認できるようにする。
また図示しないが、S803のタイミングで、通信テスト結果通知部705は、各アプリケーションの通信テスト結果リストを通信テスト結果受信部603に送信するものとする。
【0053】
図9は、基盤サーバー200が提供する通信テスト結果詳細画面の一例を示す図であり、Webブラウザ等から基盤サーバー200にアクセスすることにより参照可能である。すなわち、基盤サーバー200は、Webブラウザ等からの要求に応じて、各クライアントアプリケーションの通信テスト結果を提供する。この画面では、サービスの契約状況(契約済み/未契約)に関係なく、全てのクライアントアプリケーションの通信テスト結果が表示される。
【0054】
領域1001には、通信テスト結果リストの内容が出力される。通信テスト結果リストには、例えば、通信テストが実行されたクライアント(アプリケーション名)の一覧、それぞれの、サービスのアクティベート状況(契約状況)、実行日時、結果および詳細の情報が含まれる。
【0055】
通信テストが失敗した場合は、詳細欄に失敗原因に応じたエラーコードやメッセージが表示される。これにより、画像形成装置の運用中にそのサービスをアクティベートしたいと思った時に、サービス提供者やユーザーは予めクライアントアプリケーションとの通信状況を確認することができる。もし通信に失敗している場合には、アクティベート前にネットワーク環境やセキュリティ設定の見直しを行うことができ、アクティベート後の手戻りを未然に防ぐことができる。
【0056】
次にS804において、通信テスト結果受信部603が、上記802で受信したアクティベート状況一覧の中に未アクティベートのサービスが含まれているかどうかを判断する。未アクティベートのサービスが含まれていない場合(S804でNoの場合)、通信テスト結果受信部603は、S807に処理を遷移させる。
一方、未アクティベートのサービスが含まれる場合(S804でYesの場合)、通信テスト結果受信部603は、S805に処理を遷移させる。
【0057】
S805において、通信テスト結果受信部603が、未アクティベートのサービスに基幹サービスが含まれているかどうかを判断する。基幹サービスとは、認可サーバー100や基盤サーバー200が提供する、クラウドサーバーと接続するために必須となるサービスを指す。もし基幹サービスが未アクティベートだった場合、サービスマンは、その通信テスト結果を必ず確認する必要がある。
【0058】
未アクティベートのサービスに基幹サービスが含まれている場合(S805でYesの場合)、通信テスト結果受信部603は、S807に処理を遷移させる。
一方、未アクティベートのサービスに基幹サービスが含まれていない場合(S805でNoの場合)、通信テスト結果受信部603は、S806に処理を遷移させる。
【0059】
S806において、通信テスト結果受信部603が、受信した通信テスト結果リストから、未アクティベートのサービスに対応するアプリケーションの通信テスト結果を除外し、S807に処理を遷移させる。
【0060】
S807において、UI表示部601が、通信テスト結果受信部603から通信テスト結果リストを受け取り、画像形成装置500の操作部501に通信テスト結果の詳細画面を表示し、上述の通信テスト結果リストの内容を出力する。その一例を図4(C)に示す。図4(C)に示す画面は、図4(B)の詳細確認ボタン611押下後および通信テスト完了後に表示される。また、表示内容は、サービスのアクティベート状況(サービス利用状況)が表示されないこと、及び、未アクティベート(未契約)のサービスのためのクライアントアプリケーションに対応する結果が表示されないことを除いて、図9と同様である。
【0061】
なお、本フローチャートでは、S804~S806の処理を、通信テスト管理アプリケーション600の通信テスト結果受信部603が行うことを想定している。しかし、S804~S806の処理を、トークンプロバイダアプリケーション700の通信テスト結果受信部704が行うよう構成してもよい。その場合、特定の通信テスト結果が除外された後の通信テスト結果リストが通信テスト結果受信部603に渡され、表示されることになる。
【0062】
以上、本実施形態によれば、画像形成装置において外部サービスと通信テストを行う際、未アクティベートのサービスに関する通信テスト結果は画像形成装置のUIに表示しないよう制御する仕組みを提供することができる。これにより、画像形成装置の設置時にサービスマンに対して必要な結果のみを表示することができる。また、クラウドサーバーに対しては全ての通信テスト結果を送信することで、サービスをアクティベートする際にその通信テスト結果を事前に確認して対応することが可能となる。
【0063】
〔第2実施形態〕
上述した第1実施形態では、サービスマンが画像形成装置の設置時に行う通信テストを前提としていた。そのため、通信テスト管理アプリケーションの起動は、サービスマンのみ操作できる画面からのみ行えるよう制御されている場合がある。その一方で、ユーザーが画像形成装置の運用中に新たなサービスをアクティベートしたり、あるいはネットワーク環境が変わったりした場合も通信テストを行う必要があるが、その都度サービスマンをコールしていてはコストがかかってしまう。そのため、通信テスト管理アプリケーションの起動メニューをユーザー操作可能な画面とサービスマン専用画面の双方に配置し、どちらの画面から起動されたかによってUIや機能性を切り替えることが考えられる。
【0064】
ユーザーは、自環境のネットワーク設定やセキュリティ設定を把握しているため、それらの設定不備によって未アクティベートサービスの通信テストが失敗している場合でも原因の確認や対処が可能である。上述した第1実施形態の構成では、未アクティベートサービスの通信テスト結果が表示されない。そのため、ユーザーがそのサービスをアクティベートする予定があっても、通信テスト結果を確認するためには別の端末からクラウドサーバーにアクセスする必要があり、効率が良いとはいえない。
そこで、第2実施形態では、通信テスト管理アプリケーションがどの画面から起動されたかという情報に応じて、表示する通信テスト結果の内容を制御する構成について説明する。
【0065】
第2実施形態では、図1図7及び図9で示す構成は第1実施形態と同様であるため、各図に対する説明を省略する。以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。
図10は、第2実施形態における通信テストの処理の一例を示すフローチャートである。これらのソフトウェア構成は、画像形成装置500のCPU502がHDD507等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。なお、S800~S807は第1実施形態で示した図8と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
S1000において、通信テスト管理アプリケーション600のUIが開かれたことに応じて、UI表示部601は、該UIがどの画面から開かれたかを示す識別情報を取得する。具体的には、UI表示部601が画像形成装置500の操作部インターフェース504から識別情報を取得し、保持しておく。例えば、通信テスト管理アプリケーション600のUIを開くためのボタン(不図示)に識別IDを付与することで実現される構成でもよいし、元の画面の画面IDを取得することで実現される構成でもよい。
【0067】
本実施形態では、S803にて通信テスト結果通知部705が各アプリケーションの通信テスト結果リストをデータベース400に対して送信すると、通信テスト結果受信部603が、S1001の処理を実行する。
S1001において、通信テスト結果受信部603が、上記S1000で取得された識別情報を基にして、通信テスト管理アプリケーション600のUIがどの画面から起動されたかを判定する。識別情報がサービスマン専用画面から起動されたことを示す値の場合(S1001でYesの場合)、通信テスト結果受信部603は、S804に処理を遷移させる。一方、識別情報がユーザー操作可能な画面から起動されたことを示す値の場合(S1001でNoの場合)、通信テスト結果受信部603は、S807に処理を遷移させる。
【0068】
すなわち、ユーザー(サービスマンでない)が画像形成装置において外部サービスと通信テストを行う際には(ユーザーモードでは)、未アクティベートのサービスに関する通信テスト結果も含めて画像形成装置のUIに通信テスト結果を表示することができる。一方、サービスマンが画像形成装置において外部サービスと通信テストを行う際には(ユーザーモードでは)、未アクティベートのサービスに関する通信テスト結果を除いて画像形成装置のUIに通信テスト結果を表示することができる。
【0069】
以上、本実施形態によれば、ユーザーが通信テストを実行した場合は(ユーザーモードの場合には)、未アクティベートサービスも含めた通信テスト結果を画像形成装置のUIに表示することができる。これにより、ユーザーはアクティベート予定のあるサービスに関して、ネットワーク環境の確認や設定を効率的に行うことができる。
【0070】
以上、各実施形態によれば、画像形成装置などのネットワークサービスで外部サービスと通信テストを行う際、未アクティベートのサービスのためのクライアントアプリケーションに対応する通信テスト結果を表示しないよう制御することができる。これにより、サービスマンに対し必要な情報のみを伝え、誤解を与えずに通信テストの確認を行うことができる。よって、画像形成装置などのネットワークサービスで行うサービス提供システムで提供される各サービスとの通信テスト結果のうち、必要な結果のみをサービスマン等に伝え、混乱や誤解なく通信テストの確認を行うことを可能にする。
【0071】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施形態を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0072】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10