(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181583
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
A01D 63/04 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
A01D63/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094793
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】阿部 大介
【テーマコード(参考)】
2B081
【Fターム(参考)】
2B081AA03
2B081DA09
2B081DA11
2B081DA13
(57)【要約】
【課題】分草体に関する作業性が改善された収穫機を提供する。
【解決手段】収穫機1は、刈取部3と、分草体16とを備える。刈取部3は、機体横幅方向に刈取幅を有する。分草体16は、刈取幅の両側端部に位置して作物を刈取対象と非刈取対象とに分草する。分草体16は、本体部30と、下側分草体40とを有する。下側分草体40は、本体部30の下側に対して出退可能である。好ましくは、下側分草体40は、板状部41と、案内部43とを有する。案内部43は、本体部30に取り付けられて、板状部41のスライド移動を案内する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体横幅方向に刈取幅を有する刈取部と、
前記刈取幅の両側端部に位置して作物を刈取対象と非刈取対象とに分草する分草体と、
を備え、
前記分草体は、
本体部と、
前記本体部の下側に対して出退可能な下側分草体と、
を有する収穫機。
【請求項2】
前記下側分草体は、スライド式の出退構造を有する、請求項1に記載の収穫機。
【請求項3】
前記下側分草体は、
板状部と、
前記本体部に取り付けられて前記板状部のスライド移動を案内する案内部と、
を有する、請求項2に記載の収穫機。
【請求項4】
前記下側分草体は、前記案内部からの前記板状部の脱落を規制するように前記板状部の上側縁部に設けられた鍔部を更に有する、請求項3に記載の収穫機。
【請求項5】
前記本体部は、前記板状部の上側へのスライド移動を規制する、請求項3又は請求項4に記載の収穫機。
【請求項6】
前記下側分草体は、回動式の出退構造を有する、請求項1に記載の収穫機。
【請求項7】
前記下側分草体は、
板状部と、
前記本体部に対して前記板状部を回動可能に支持する支持部と、
を有する、請求項6に記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の収穫機は、刈取部と、分草体(デバイダ)とを備える。刈取部は、機体横幅方向に刈取幅を有する。分草体は、刈取幅の両側端部に位置して作物を刈取対象と非刈取対象とに分草する。分草体は、デバイダ本体と、底部分割体とを有する。底部分割体は、デバイダ本体の下側に着脱可能に取り付けられる。底部分割体がデバイダ本体に取り付けられると、デバイダ本体の下方に形成される空間の多くの部分が閉じられる結果、倒伏作物の刈残しが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の収穫機では、デバイダ本体への底部分割体の着脱作業が煩雑であった。
【0005】
本発明は、分草体に関する作業性が改善された収穫機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の収穫機は、刈取部と、分草体とを備える。前記刈取部は、機体横幅方向に刈取幅を有する。前記分草体は、前記刈取幅の両側端部に位置して作物を刈取対象と非刈取対象とに分草する。前記分草体は、本体部と、下側分草体とを有する。前記下側分草体は、前記本体部の下側に対して出退可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、分草体に関する作業性が改善された収穫機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】分草体の第1状態を示す拡大左側面図である。
【
図5】分草体の第2状態を示す拡大左側面図である。
【
図6】他の実施形態に係る分草体の第1状態を示す拡大左側面図である。
【
図7】分草体の第2状態を示す拡大左側面図である。
【
図8】(a)は、更に他の実施形態に係る分草体の第1状態を示す拡大左側面図であり、(b)は、分草体の第1状態を示す拡大裏面図である。
【
図9】(a)は、分草体の第2状態を示す拡大左側面図であり、(b)は、分草体の第2状態を示す拡大裏面図である。
【
図10】刈取部の動力伝達機構を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。図中に、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸が示される。X軸及びY軸は水平面に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0010】
まず、
図1~
図3を参照して、実施形態に係る収穫機1の基本構造について説明する。
図1は、収穫機1の左側面図である。
図2は、収穫機1の右側面図である。
図3は、収穫機1の平面図である。収穫機1は、例えば、コンバインである。
【0011】
収穫機1は、ゴムクローラ製の左右一対の履帯2にて支持された走行機体1aを備える。
【0012】
走行機体1aの前部には、稲等の穀稈を刈取りながら取り込む刈取部3が連結されている。刈取部3の刈取り対象は、稲に限定されず、麦、大豆、及びトウモロコシ等である。走行機体1aの左側には、刈取部3から供給された刈取り穀稈を脱穀処理するための脱穀部9が搭載されている。
【0013】
刈取部3は、横長バケット状の穀物ヘッダ12を備える。穀物ヘッダ12の内部に、掻込みオーガ13が回転可能に軸支されている。掻込みオーガ13の前部上方には、掻込みリール14が配置されている。穀物ヘッダ12の前部には、バリカン状の刈刃15が配置されている。穀物ヘッダ12前部の左右両側には、分草体16が設けられている。
【0014】
刈取部3は、機体横幅方向に刈取幅を有する。分草体16は、刈取幅の両側端部に位置して、作物を刈取対象と非刈取対象とに分草する。つまり、左側の分草体16から右側の分草体16までの間の未刈り穀稈の穂先側が、掻込みリール14によって掻込まれ、未刈り穀稈の稈元側が、刈刃15によって刈り取られる。刈刃15により刈り取られた刈取り穀稈は、掻込みオーガ13の回転駆動によって集められて脱穀部9に投入される。
【0015】
走行機体1aの前部右側には、作業者が搭乗する運転操作部5が搭載されている。走行機体1aの右側かつ運転操作部5の後方には、脱穀部9により脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク6が搭載されている。
【0016】
穀粒タンク6の後方では、穀粒タンク6の底部に縦送りオーガ62が連結されている。縦送りオーガ62は、Z軸方向に沿って延びる。
【0017】
穀粒タンク6及び脱穀部9の上側には、縦送りオーガ62によって送給された穀粒を外部へ排出する穀粒排出コンベヤ8が設けられている。
【0018】
次に、
図1~
図5を参照して、分草体16について説明する。
図4は、分草体16の第1状態を示す拡大左側面図である。
図5は、分草体16の第2状態を示す拡大左側面図である。
図1及び
図2に示されるように、分草体16は、カバー体20を有する。
図4及び
図5は、カバー体20が除去された状態を示す。
【0019】
図4及び
図5に示されるように、分草体16は、本体部30と、下側分草体40とを有する。下側分草体40は、本体部30の下側に対して出退可能である。
【0020】
本体部30は、板材の折曲部31を有する。折曲部31は、上側が閉鎖された空間を形成する。
【0021】
下側分草体40は、スライド式の出退構造を有する。具体的に説明すると、下側分草体40は、板状部41と、鍔部42と、案内部43と、ロックピン44とを有する。
【0022】
板状部41は、略平行四辺形の外形を有する板材である。鍔部42は、板状部41の上側縁部に設けられた肉厚部分である。板状部41は、第1孔41aと、第2孔41bとを有する。第1孔41aは、第2孔41bよりも下側に配置される。第1孔41aと第2孔41bとの間に第3孔が更に形成されてもよい。
【0023】
案内部43は、本体部30との間に間隙を形成するように本体部30に取り付けられて、板状部41のスライド移動を案内する。鍔部42は、板状部41のスライド移動の際に案内部43からの板状部41の脱落を規制する。
【0024】
図4に示されるように、分草体16の第1状態では、板状部41が本体部30から突出する。ロックピン44は、案内部43に形成された孔と、板状部41の第2孔41bとを貫通する。これにより、分草体16の第1状態が固定される。
【0025】
図5に示されるように、分草体16の第2状態では、板状部41が本体部30の中へ退避する。ロックピン44は、案内部43に形成された孔と、板状部41の第1孔41aとを貫通する。これにより、分草体16の第2状態が固定される。板状部41の上側へのスライド移動の際に、本体部30の折曲部31は、板状部41のスライド移動を規制することにより、案内部43からの板状部41の上側への脱落を規制する。
【0026】
なお、
図4に示す第1状態の分草体16において、板状部41が第1スライド方向A1に移動することで、分草体16の状態が第1状態から第2状態(
図5)に変化する。一方、
図5に示す第2状態の分草体16において、板状部41が第2スライド方向A2に移動することで、分草体16の状態が第2状態から第1状態(
図4)に変化する。第2スライド方向A2は、第1スライド方向A1の逆方向である。
【0027】
次に、
図1~
図3、
図6、及び
図7を参照して、分草体16の他の実施形態について説明する。
図6は、分草体16の第1状態を示す拡大左側面図である。
図7は、分草体16の第2状態を示す拡大左側面図である。
【0028】
図6及び
図7に示されるように、分草体16は、本体部30と、下側分草体40とを有する。下側分草体40は、本体部30の下側に対して出退可能である。
【0029】
下側分草体40は、回動式の出退構造を有する。具体的に説明すると、下側分草体40は、板状部41と、支持部45とを有する。
【0030】
板状部41は、略平行四辺形の外形を有する板材である。支持部45は、本体部30に対して板状部41を回動可能に支持するだけでなく、板状部41の姿勢を固定することも可能である。
【0031】
加えて、支持部45は、板状部41を本体部30から容易に着脱できないよう組付けられる構造であってもよい。この場合、板状部41を本体部30に対して回動して板状部41の姿勢を切替可能でありながら、本体部30から板状部41の脱落を規制できる。
【0032】
図6に示されるように、分草体16の第1状態では、板状部41が本体部30から突出する。支持部45は、分草体16の第1状態を固定する。
【0033】
図7に示されるように、分草体16の第2状態では、板状部41が本体部30の中へ退避する。支持部45は、分草体16の第2状態を固定する。
【0034】
なお、
図6に示す第1状態の分草体16において、板状部41が第1回動方向B1に回動することで、分草体16の状態が第1状態から第2状態(
図7)に変化する。一方、
図7に示す第2状態の分草体16において、板状部41が第2回動方向B2に回動することで、分草体16の状態が第2状態から第1状態(
図6)に変化する。第2回動方向B2は、第1回動方向B1の逆方向である。
【0035】
次に、
図1~
図3、
図8、及び
図9を参照して、分草体16の更に他の実施形態について説明する。
図8(a)は、分草体16の第1状態を示す拡大左側面図である。
図8(b)は、分草体16の第1状態を示す拡大裏面図である。つまり、
図8(b)は、
図8(a)の分草体16の反対側の面を示している。
図9(a)は、分草体16の第2状態を示す拡大左側面図である。
図9(b)は、分草体16の第2状態を示す拡大裏面図である。つまり、
図9(b)は、
図9(a)の分草体16の反対側の面を示している。
【0036】
図8(a)及び
図9(a)に示されるように、分草体16は、本体部30と、下側分草体40とを有する。下側分草体40は、本体部30の下側に対して出退可能である。
【0037】
下側分草体40は、
図4及び
図5を参照して説明したスライド式の出退構造と異なるスライド式の出退構造を有する。具体的に説明すると、
図8(b)及び
図9(b)に示されるように、下側分草体40は、板状部41と、突起部41cと、固定部46とを有する。また、本体部30は、長孔30aを有する。
【0038】
板状部41は、略平行四辺形の外形を有する板材である。突起部41cは、板状部41から、例えば垂直に突起している。
図8(b)及び
図9(b)の例では、突起部41cは、Y軸の正方向に延びている。突起部41cは、例えば、略円柱状のピンであり、ネジ部(雄ネジ)を有する。突起部41cは、長孔30aを貫通する。長孔30aは、第1スライド方向A1及び第2スライド方向A2に沿って延びる。
【0039】
図8(a)及び
図8(b)に示されるように、分草体16の第1状態では、板状部41が本体部30から突出する。そして、固定部46は、例えば長孔30aの下端において、長孔30aを貫通した突起部41cに結合することで、板状部41を本体部30に固定する。固定部46は、例えば、ネジ部(雌ネジ)を有する。例えば、固定部46は、突起部41cに螺合することで、板状部41を本体部30に固定する。これにより、分草体16の第1状態が固定される。
【0040】
図9(a)及び
図9(b)に示されるように、分草体16の第2状態では、板状部41が本体部30の中へ退避する。そして、固定部46は、例えば長孔30aの上端において、長孔30aを貫通した突起部41cに結合することで、板状部41を本体部30に固定する。これにより、分草体16の第2状態が固定される。
【0041】
なお、
図8に示す第1状態の分草体16において、突起部41cが長孔30aに挿入された状態で板状部41が第1スライド方向A1に移動することで、分草体16の状態が第1状態から第2状態(
図9)に変化する。この場合、突起部41cは、長孔30a中を、長孔30aの下端から上端まで移動する。一方、
図9に示す第2状態の分草体16において、突起部41cが長孔30aに挿入された状態で板状部41が第2スライド方向A2に移動することで、分草体16の状態が第2状態から第1状態(
図8)に変化する。この場合、突起部41cは、長孔30a中を、長孔30aの上端から下端まで移動する。
【0042】
以上、
図1~
図9を参照して説明した実施形態によれば、分草体16に関する作業性が改善された収穫機1が提供される。
【0043】
ここで、
図1~
図3、
図10及び
図11を参照して、刈取部3の詳細を説明する。
図10は、刈取部3の動力伝達機構を示す右側面図である。
図11は、刈取部3の平面図である。
【0044】
図1~
図3に示すように、収穫機1は、自走可能な走行機体1aの前端部に、刈取部3を昇降自在に取り付けている。
【0045】
走行機体1aは、左右一対の走行部10、10間に機体フレーム11を架設している。そして、機体フレーム11上の左側部には、刈り取られた穀稈の穂先側部を脱穀する脱穀部9と、脱穀された穀粒を選別する選別部17を上下段に配設し、これらの後方に藁屑等を機外である圃場へ排出する排塵口部18を後方へ向けて開口させている。また、機体フレーム11上の右側部には、前部に運転操作を行う運転操作部5を配設し、その後方に選別部17で選別された穀粒(清粒)を貯留する穀粒タンク6を配設している。運転操作部5の後部の下方には、動力源となる原動機部としてのエンジン22等を配設している。
【0046】
図1~
図3、
図10及び
図11に示すように、刈取部3は、前後方向に軸線を向けた四角形筒状のフィーダハウス19と、フィーダハウス19の前端開口部50に連通連設した横長バケット状の穀物ヘッダ12と、穀物ヘッダ12の前下端縁部に配設したバリカン状の刈刃15と、穀物ヘッダ12の前左右側部から前方へ延出させて形成した左右一対の分草体16、16と、穀物ヘッダ12の前上方に配設した掻込みリール14とを備えている。
【0047】
フィーダハウス19の後端部は、脱穀部9の前部に左右方向の軸線を向けた刈取入力軸65を枢支し、フィーダハウス19の下面部と機体フレーム11の前端部との間に昇降用シリンダ24を介設して、昇降用シリンダ24を伸縮作動させることにより、刈取入力軸65を昇降支点として、刈取部3を昇降可能としている。
【0048】
また、フィーダハウス19内には供給コンベア23を配設し、穀物ヘッダ12内には掻込みオーガ13を左右方向の軸線廻りに回転可能に軸架している。掻込みリール14は、穀物ヘッダ12に基端部が枢支された左右一対のリール支持アーム24a、24aの先端部間に、左右方向の軸線廻りに回転可能に軸架されて、立ち毛の穀稈の穂先部に回転しながら連続的に掻込みオーガ13側へ掻込作用するようにしている。上記した各部の作動部は、各連動機構を介してエンジン22に連動連結して、適宜作動するように構成している。
【0049】
このように構成した収穫機1では、圃場において、刈取部3を所望の地上高(立ち毛の穀稈の刈取位置)となるまで上昇させ、その状態で走行機体1aを走行させる。そうすることで、立ち毛の穀稈を分草体16、16により分草して、分草した穀稈の穂先部を掻込みリール14により掻き込みながら刈刃15により穀稈の中途部から穂先側部を刈り取る。所望の刈取位置で刈り取られた穀稈の穂先側部は、掻込みオーガ13により穀物ヘッダ12内に掻込まれるとともに、供給コンベア25によりフィーダハウス19内を通して脱穀部9に供給される。脱穀部9に供給された穀稈の穂先側部は脱穀部9により脱穀処理されるとともに、脱穀部9で脱穀処理された穀粒は選別部17により選別処理される。選別部17で選別処理された穀粒(清粒)は穀粒タンク6に貯留される。穀粒タンク6に貯留されている穀粒は、適宜、穀粒排出コンベヤ8により機外に搬出される。そして、脱穀部9で穀粒と分離処理された藁屑等は、排塵口部18から機外である圃場へ排出される。
【0050】
刈取部3において、掻込みオーガ13は、
図1、
図10、及び、
図11に示すように、穀物ヘッダ12の左右側壁21b、21a間に、ベアリング等の軸受を介して左右方向に軸線を向けた回転支軸27をその軸線廻りに回転自在に横架し、回転支軸27の外周に筒状のオーガ本体28を同心円的に取り付けている。
【0051】
オーガ本体28の外周面の左側部には、刈り取った穀稈を右側方へ搬送する螺旋羽根形状の左側螺旋搬送片53を突設する一方、オーガ本体28の外周面の右側部には刈り取った穀稈を左側方へ搬送する螺旋羽根形状の右側螺旋搬送片54を突設し、左側螺旋搬送片53の搬送終端部と、右側螺旋搬送片54の搬送終端部との間に、刈取穀稈集結空間51をフィーダハウス19の前端開口部50の直前方に位置させて形成している。
【0052】
刈取穀稈集結空間51には、左右一対の直棒状の掻込突片であるフィンガ33を、オーガ本体28の周廻りに一定の間隔をあけて複数対配設している。オーガ本体28内には出没機構32を配設しており、出没機構32にフィンガ33の基端部を連動連結して、フィンガ33がオーガ本体28から間欠的に放射方向(オーガ本体28の半径方向)に向けて出没するようにしている。
【0053】
出没機構32は、オーガ本体28の回動作動と連動して、オーガ本体28の周面上部と周面前部において、オーガ本体28からフィンガ33を突出作動させるとともに、オーガ本体28の周面下部と周面後部において、オーガ本体28内にフィンガ33を没入作動させるようにしている。
【0054】
そして、回動作動するオーガ本体28から突出作動した各フィンガ33は、刈取穀稈集結空間51内に集結する刈取穀稈に交差状に掻込作用するとともに、刈取穀稈を後方へ回動移送して、前端開口部50からフィーダハウス19内に刈取穀稈を掻き込むようにしている。なお、掻込みオーガ13は、右側面図である
図10において、時計回りに回動される。また、フィンガ33がオーガ本体28の周面から突出する突出幅は、左・右側螺旋搬送片53、54がオーガ本体28の周面から突出する突出幅と略同一である。
【0055】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、収穫機の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 収穫機
3 刈取部
16 分草体
30 本体部
40 下側分草体
41 板状部
42 鍔部
43 案内部
45 支持部