(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181610
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】ネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20231218BHJP
H04W 84/00 20090101ALI20231218BHJP
H04W 4/02 20180101ALI20231218BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20231218BHJP
【FI】
G05D1/02 H
G05D1/02 P
H04W84/00 110
H04W4/02
H04W4/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094834
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 義基
【テーマコード(参考)】
5H301
5K067
【Fターム(参考)】
5H301AA03
5H301AA10
5H301BB05
5H301BB10
5H301CC03
5H301CC06
5H301DD07
5H301DD17
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG14
5H301KK02
5H301KK03
5H301KK08
5H301KK18
5H301KK19
5H301LL06
5H301LL11
5K067AA41
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】特別な地上設備を導入することなく、広範なエリアにおける状態の情報を共有する。
【解決手段】ネットワークシステムは、自律移動が可能な少なくとも1つの移動体を備える。前記移動体は、処理回路と、前記処理回路に接続され、前記移動体の周囲の状態を検出する状態センサと、前記処理回路に接続され、少なくとも1つの基地局と無線通信する通信機と、原動機を有し、前記移動体を自律移動させる走行装置と、を含む。前記処理回路は、前記状態センサが検出した前記状態に関する情報を、前記基地局に対して前記通信機に送信させるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動が可能な少なくとも1つの移動体を備え、
前記移動体は、
処理回路と、
前記処理回路に接続され、前記移動体の周囲の状態を検出する状態センサと、
前記処理回路に接続され、少なくとも1つの基地局と無線通信する通信機と、
原動機を有し、前記移動体を自律移動させる走行装置と、を含み、
前記処理回路は、前記状態センサが検出した前記状態に関する情報を、前記基地局に対して前記通信機に送信させるように構成されている、ネットワークシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの移動体は、複数の移動体を含む、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの基地局は、前記複数の移動体のうち1つの移動体の前記通信機である移動基地局を含む、請求項2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記通信機は、検出対象に保持された通信端末と無線通信し、
前記処理回路は、
前記通信機を介して前記通信端末から受信した情報に基づいて、前記通信端末に付与された付与情報を取得することと、
前記基地局に対して前記付与情報を前記通信機に送信させることと、を行うように構成されている、請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記付与情報は、前記通信端末の位置に関する位置情報を含む、請求項4に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記移動体は、前記処理回路に接続されたマンマシンインターフェースを更に含み、
前記処理回路は、自己と異なる前記移動体から前記通信機を介して受信した情報を、前記マンマシンインターフェースに出力させるように構成されている、請求項2又は3に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記移動体は、前記処理回路に接続されたマンマシンインターフェースを更に含み、
前記処理回路は、前記マンマシンインターフェースから入力された情報を、自己と異なる前記移動体に対して前記通信機に送信させるように構成されている、請求項2又は3に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記移動体は、
物資を積載可能なキャリアと、
前記物資に関する情報を検出する物資センサと、を更に含み、
前記処理回路は、前記物資センサが検出した情報を、自己と異なる前記移動体に対して前記通信機に送信させるように構成されている、請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記通信機は、作業端末と無線通信し、
前記処理回路は、
前記通信機を介して前記作業端末から受信した情報に基づいて、前記作業端末の作業情報を取得することと、
自己と異なる前記移動体に対して前記作業情報を前記通信機に送信させることと、を行うように構成されている、請求項2又は3に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
サーバを更に備え、
前記通信機は、携帯電話回線網又は衛星通信網を介して前記サーバと通信する、請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流容器に付けた通信機を地上設備に設けた通信機で読み取ることで、物流を管理するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシステムを導入するには、地上設備に大掛かりな工事が必要となる。このようなシステムを屋外等の不特定の広範な敷地に導入するのは、地上設備の工事エリアが定まらず難しい。
【0005】
本開示の一態様は、特別な地上設備を導入することなく、広範なエリアにおける状態の情報を共有することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るネットワークシステムは、自律移動が可能な少なくとも1つの移動体を備え、前記移動体は、処理回路と、前記処理回路に接続され、前記移動体の周囲の状態を検出する状態センサと、前記処理回路に接続され、少なくとも1つの基地局と無線通信する通信機と、原動機を有し、前記移動体を走行させる走行装置と、を含み、前記処理回路は、前記状態センサが検出した前記状態に関する情報を、前記基地局に対して前記通信機に送信させるように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、移動体が無線通信することで、移動体の周囲の状態に関する情報を基地局に伝達できる。しかも、移動体はそれぞれ自律的に移動して情報を収集するため、特別な地上設備を導入することなく、広範なエリアにおける状態の情報を共有できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るネットワークシステムの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係るネットワークシステム1の全体図である。
図1に示すように、ネットワークシステム1は、複数の移動体2と、情報集約や情報提供を行うための処理装置であるサーバ3と、を備える。移動体2は、自律移動が可能であって、例えば無人機である。自律移動とは、移動体自身が周囲環境を把握して単体で移動することを意味する。すなわち移動体2は、オペレータによる操縦を要しないで目的地への移動が可能に構成される。移動体2が走行し得る対象エリアは、屋外(例えば、コンサートなどの野外イベント会場、公園、遊園地)、展示場、病院、工場、物流倉庫、スマートシティ、オフィス、ホテル、小売店、レストラン等とし得る。たとえば本実施形態では、野外イベント会場が対象エリアと設定される。複数の移動体2は、ローカル無線通信を用いて相互に無線通信可能である。即ち、複数の移動体2は、固定基地局4を介さずに相互に無線通信可能である。前記ローカル無線通信は、無線LAN(Local Area Network)回線を用いた通信とし得るが、それに限られず、例えばBluetooth(登録商標)を用いた通信等でもよい。
【0011】
更に、移動体2は、無線通信を利用してサーバ3と通信可能である。例えば、移動体2は、インターネットNに接続可能な固定基地局4に対して携帯電話回線網又は無線LAN回線を介して無線通信可能である。即ち、移動体2は、固定基地局4及びインターネットNを介してサーバ3と通信可能である。なお、移動体2は、インターネットNに接続可能な衛星基地局に対して衛星通信網を介して無線通信可能であってもよい。また、複数の移動体2のうち一部の移動体2のみが残余の移動体2を介さずにサーバ3と通信可能であってもよい。この場合、前記残余の移動体2は、サーバ3と通信可能な移動体2との通信を介することで、サーバ3と間接的に通信可能となる。
【0012】
対象エリアには、移動体2によって検出される検出対象5が存在する。検出対象5は、対象エリア内を能動的に移動し得る人間又は物である。本実施形態では、検出対象5は、移動体2と通信可能な通信端末6を保持する。検出対象5が人間である場合には、通信端末6は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、測位端末等から選ばれ得る。検出対象5が物である場合には、通信端末6は、ICタグ、測位端末等から選ばれ得る。検出対象5が物である場合には、通信端末6を保持する検出対象5は、ロボット、搬送装置又は人間により移動させられ得る。
【0013】
通信端末6は、通信端末6を識別するための識別情報、及び、通信端末6の位置情報の少なくとも一方を無線信号として出力してもよい。通信端末6は、通信端末6に搭載されるセンサから得られる情報を含めて無線信号として出力してもよい。たとえば、前記センサから得られる情報は、検出対象5である人間の性別、年齢、職業、居住地など事前に入力される個人情報であってもよく、検出対象5である人間の脈拍、血圧および血糖値などの生体活動に関係する生体情報であってもよく、前記センサによって検出される姿勢、加速度、圧力、温度などの物理情報であってもよい。このように、通信端末6から送信される情報は、移動体2の周囲の状態に関する情報となる。
【0014】
対象エリアには、特定の作業を行う作業端末8が存在し得る。作業端末8は、対象エリア内の特定の作業エリアに配置される作業装置である。対象エリアが野外イベント会場の場合には、作業端末は、例えば、プリンタ、表示装置、機器貸借装置、返却された貸出品を収容する装置、金銭登録端末(レジ端末)、電子決済端末、自動販売機及びアトラクション装置の少なくとも1つを含み得る。作業端末8は、作業エリア内に固定配置されてもよい。作業端末8は、作業エリア内で検出対象5に対して特定作業を実行する装置であってもよい。作業端末8は、移動体2と通信可能な送受信回路を備えていることが好ましい。
【0015】
図2は、
図1の移動体2のブロック図である。
図2に示すように、移動体2は、走行装置11及び支援装置12を備える。走行装置11は、移動体2を自律移動させる。走行装置11は、車輪21、測位センサ22、速度センサ23、周辺センサ24、原動機25、操舵アクチュエータ26、制動アクチュエータ27、コントローラ28等を備える。車輪21は、地上を走行して移動体2のボディを移動させるための推進力生成器である。移動体が空中移動体である場合には、当該推進力生成器は、車輪21の代わりにプロペラ又は脚構造としてもよい。
【0016】
走行装置11の各要素22~28は、互いに電気的に接続されている。測位センサ22は、移動体2の位置座標を検出する。測位センサ22は、衛星測位センサでもよいし、地上に設置された複数のロケータと電波、音波、光又は磁気により無線通信して位置座標を取得するものでもよい。当該ロケータを用いた測位原理としては、例えば、AOA(Angle Of Arrival)方式、RSSI(Received Signal Strength Indicator)方式、TOA(Time of Arrival)方式、TDOA(Time Difference Of Arrival)方式等を用い得る。
【0017】
速度センサ23は、移動体2の移動速度を検出する。周辺センサ24は、移動体2の周辺の障害物等を検出するもので、赤外線センサ、カメラ及びレーザーセンサの少なくとも1つとし得る。原動機25は、車輪21を駆動する駆動力を発生する。原動機25は、例えば、電気モータ、内燃エンジン又はその組合せである。操舵アクチュエータ26は、車輪21を操舵する。制動アクチュエータ27は、車輪21を制動するブレーキを駆動する。操舵アクチュエータ26及び制動アクチュエータ27は、例えば、電気モータとし得る。
【0018】
コントローラ28は、プロセッサ31、システムメモリ32及びストレージメモリ33を有する。プロセッサ31は、CPU(中央演算処理装置)を含み得る。システムメモリ32は、RAMを含み得る。ストレージメモリ33は、ハードディスク、フラッシュメモリ又はその組合せを含み得る。ストレージメモリ53は、自律移動プログラムを記憶している。ストレージメモリ33からシステムメモリ32に読み出された前記自律移動プログラムをプロセッサ31が実行する構成は、処理回路の一例である。
【0019】
コントローラ28は、前記自律移動プログラムに沿って移動体2を自律移動させる。具体的には、コントローラ28は、測位センサ22から与えられる情報に基づいて、移動すべき移動経路を通って移動すべき目的地に達するように、原動機25及びアクチュエータ26,27を制御する。コントローラ28は、周辺センサ24から与えられる情報に基づいて、移動体2周囲の障害物との接触を避けて迂回または一時停止するように、原動機25及びアクチュエータ26,27を制御する。これによってオペレータによる操縦を不要として障害物への衝突を避けて、目的地まで移動することができる。
【0020】
当該自律移動プログラムを実行するプロセッサ31は、例えば対象エリアにおいて移動体2を巡回させる巡回指令を生成する。即ち、プロセッサ31は、測位センサ22、速度センサ23、周辺センサ24等の検出信号に基づいて、原動機25、操舵アクチュエータ26及び制動アクチュエータ27を制御して移動体2を巡回させる。当該自律移動プログラムの一部又は全部は、サーバ3によって実行されてもよい。
【0021】
支援装置12は、キャリア41、状態センサ42、物資センサ43、IDリーダ44、移動体通信機45、マンマシンインターフェース46及びコントローラ47を備える。キャリア41は、移動体2のボディに設けられ、検出対象5が利用する物資7を搭載する。前記物資は、貸出物、消費物、又は、状態変換返却物とし得る。複数の移動体2は、キャリア41を備えない移動体2を含んでもよい。
【0022】
前記貸出物は、キャリア41から持ち出して使用した後にキャリア41に返却される物である。例えば対象エリアが野外イベント会場の場合には、前記貸出物は、3Dメガネ、スピーカ、マイクロフォン、入力端末、ヘルメットおよびウェラブル端末などのアトラクション用小道具が想定される。そのほか前記貸出物は、対象エリアでの検出対象5の作業の種類によって適宜選択可能である。前記貸出物は、たとえば工具、医療機器、オーディオ機器等から選ばれ得るが、これらに限られない。
【0023】
前記消費物は、キャリア41から持ち出して使用してそのままキャリア41に返却されない物であってもよい。前記消費物は、部品、材料、薬等から選ばれ得るが、これらに限られない。前記状態変換返却物は、キャリア41から持ち出した物の状態を変換させてキャリア41に返却される物である。対象エリアが病院である場合、前記状態変換返却物は、サンプル採取容器、点滴袋、採血容器、病理検査対象物容器、記入用紙等から選ばれ得るが、これらに限られない。
【0024】
支援装置12の各要素42~47は、互いに電気的に接続されている。状態センサ42は、移動体2の周囲の状態を検出する。状態センサ42は、例えば、カメラ、温度センサ、圧力センサ、磁気センサ、レーザーセンサ、集音センサ、ガスセンサ等から選ばれ得るが、これらに限られない。
【0025】
物資センサ43は、キャリア41に存在する物資7の固有情報(例えば、識別情報)を検出する。物資7にICタグが設けられている場合には、物資センサ43はICタグリーダとし得る。物資7にICタグが設けられていない場合には、物資センサ43はカメラとし、画像認識技術によって取得される物資7の形状から物資7が認識され得る。IDリーダ44は、検出対象5(例えば、人間又は物)に保持されたIDデバイスから検出対象5の識別情報を読み取る。例えば、検出対象5がICタグを有する場合には、IDリーダ44はICタグリーダとし得る。検出対象5が二次元コードを有する場合には、IDリーダ44は二次元コードリーダとし得る。
【0026】
移動体通信機45は、他の移動体2の移動体通信機45とローカル無線通信(例えば、無線LAN回線)を用いて相互に無線通信する通信回路を有する。移動体通信機45は、検出対象5に付随する通信端末6(
図1参照)とローカル無線通信(例えば、無線LAN回線)を用いて相互に無線通信し得る。複数の移動体2の少なくとも1つの移動体2の移動体通信機45は、固定基地局4に対して携帯電話回線網又は無線LAN回線を介して無線通信する通信回路も有する。移動体通信機45は、衛星通信網を介して無線通信する通信回路を有してもよい。
【0027】
複数の移動体2の少なくとも1つの移動体2の移動体通信機45は、移動体2間の通信ネットワーク(例えば、無線LAN)を、他の通信ネットワーク(例えば、サーバ3に接続可能な通信ネットワーク)に中継するルーターを有し得る。即ち、複数の移動体2の少なくとも1つの移動体2の移動体通信機45は、移動基地局として機能し得る。例えば、複数の移動体2の少なくとも1つの移動体2の移動体通信機45は、自律移動可能な無線LAN基地局として機能し得る。複数の移動体2は、ルーターを有する移動体通信機45を搭載した少なくとも1つの移動体2と、ルーターを有さない移動体通信機45を搭載した少なくとも1つの移動体2と、を含んでもよい。複数の移動体2の全ての移動体通信機45がルーターを有してもよい。
【0028】
複数の移動体2の少なくとも1つの移動体2の移動体通信機45は、他の移動体2のルーター機能を有する移動体通信機45からの電波を更に他の移動体通信機45に中継する中継器を有し得る。移動体2に搭載された中継器も、移動基地局として機能し得る。中継器を有する移動体2の数は、ルーターを有する移動体2の数よりも多くしてもよい。ネットワークシステム1において、移動体2は1つのみでもよく、その移動体2の移動体通信機45はルーターを有してもよい。複数の移動体2の1つは、サーバとして機能するためにデータベースを備えてもよい。
【0029】
マンマシンインターフェース46は、検出対象5としての人間に情報を出力可能で且つ検出対象5としての人間が情報を入力可能なものである。マンマシンインターフェース46は、例えば、タッチパネルディスプレイ、音声入出力デバイス等である。
【0030】
コントローラ47は、プロセッサ51、システムメモリ52及びストレージメモリ53を有する。プロセッサ51は、CPU(中央演算処理装置)を含み得る。システムメモリ52は、RAMを含み得る。ストレージメモリ53は、ハードディスク、フラッシュメモリ又はその組合せを含み得る。ストレージメモリ53は、支援プログラムを記憶している。ストレージメモリ53からシステムメモリ52に読み出された前記支援プログラムをプロセッサ51が実行する構成は、処理回路の一例である。前記支援プログラムは、コンピュータ可読媒体に記憶され得る。前記コンピュータ可読媒体は、非一時的(non-transitory)で有形(tangible)な媒体である。
【0031】
図3は、
図1のサーバ3のブロック図である。
図3に示すように、サーバ3は、プロセッサ61、システムメモリ62、ストレージメモリ63、サーバ通信機64及びデータベース65を備える。プロセッサ61は、CPU(中央演算処理装置)を含み得る。システムメモリ62は、RAM(Random Access Memory)を含み得る。ストレージメモリ63は、ROM(Read Only Memory)を含み得る。ストレージメモリ63は、ハードディスク、フラッシュメモリ又はその組合せを含み得る。
【0032】
ストレージメモリ63は、管理プログラムを記憶している。ストレージメモリ63からシステムメモリ62に読み出された前記管理プログラムをプロセッサ61が実行する構成は、処理回路の一例である。前記管理プログラムは、コンピュータ可読媒体に記憶され得る。前記コンピュータ可読媒体は、非一時的(non-transitory)で有形(tangible)な媒体である。サーバ通信機64は、有線、無線又はその組合せによってインターネットNを介して移動体2の移動体通信機45と通信可能に構成されている。データベース65は、移動体2から受信した情報を蓄積する。管理サーバ3は、複数の移動体2から受信した情報に基づいて、地図作成データ、ヒトの管理データ及びモノの管理データをデータベース65に作成する。
【0033】
図1乃至3に示すように、移動体2の移動体通信機45は、検出対象5に保持された通信端末6と無線通信する。例えば、移動体2の移動体通信機45は、通信端末6との通信により通信端末6の付与情報を受信する。前記付与情報は、通信端末6の識別情報、通信端末6の位置情報、及び、通信端末6に入力された他の情報(例えば、ユーザ入力情報)の少なくとも1つを含む。
【0034】
移動体2のコントローラ47は、前記受信した付与情報を他の移動体2に対してローカル無線通信で移動体通信機45に送信させる。複数の移動体2は、相互に無線通信することにより、通信端末6の前記付与情報を共有する。移動体2は、前記受信した付与情報をサーバ3に送信し、サーバ3が当該付与情報を他の移動体2に送信してもよい。通信端末6の前記付与情報がサーバ3に集約されることで、サーバ3は、データベース65において通信端末6のユーザの管理データを作成し得る。
【0035】
たとえば対象エリアが野外イベントの場合、サーバ3(又は移動体2)は、通信端末6を装着した人間の移動に関する情報を蓄積することができる。またサーバ3(又は移動体2)は、通信端末6の移動に関する情報とともに他の情報を合わせて蓄積することで、マーケティングなどのイベント後の分析を高度に支援することができる。またイベント中においても、サーバ3(又は移動体2)は、通信端末6の移動に関する情報を用いて混雑しているエリアを特定し、混雑による環境(例えば、通信環境、物資供給など)の悪化が緩和されるように、いずれかの移動体2に混雑エリアに向けて自律移動させてもよい。たとえば昼食時においては、サーバ3(又は移動体2)は、昼食エリアでの移動体2の密度が高くなるように、いずれかの移動体2を自律移動させてもよい。また営業終了時には、サーバ3(又は移動体2)は、移動体2の保管、充電等のために、全ての移動体2が待機エリアに戻るように指令してもよい。またたとえば対象エリアが病院の場合、サーバ3(又は移動体2)は、通信端末6を装着する患者や医師の移動に関する情報を蓄積することができる。また患者の生体情報などが蓄積されることで、患者の現在位置と合わせて状況を把握しやすくすることができる。
【0036】
移動体2のコントローラ47は、状態センサ42が検出した情報を、移動基地局として機能する他の移動体2に対して移動体通信機45に送信させる。複数の移動体2が互いに無線通信することで、一の移動体2の周囲の状態に関する情報を他の移動体2に伝達でき、移動体2同士で情報共有できる。移動体2のコントローラ47は、状態センサ42が検出した状態に関する情報をサーバ3に送信し、サーバ3が当該情報を他の移動体2に送信してもよい。複数の移動体2の状態センサ42により検出された情報がサーバ3に集約されることで、サーバ3は、データベース65において地図データを作成してもよい。
【0037】
たとえば対象エリアが野外イベントの場合、サーバ3(又は移動体2)は、自律移動する複数の移動体2によって検出された移動体2の周囲の検出物の情報を蓄積することができる。これによって、サーバ3(又は移動体2)は、対象エリアの混雑分布などをリアルタイムで出力することができる。また、イベント終了後に前記蓄積された情報を使うことにより、混雑状況の分析を支援できる。またたとえば対象エリアが病院の場合、同様に待合室の混雑状況に関する情報が蓄積されてもよい。
【0038】
第1の移動体2のコントローラ47は、第1の移動体2のマンマシンインターフェース46から入力された情報を第2の移動体2に対して移動体通信機45に送信させる。第2の移動体2のコントローラ47は、第1の移動体2から受信した情報を、第2の移動体2のマンマシンインターフェース46に出力させる。
【0039】
移動体2のコントローラ47は、物資センサ43が検出した情報を、他の移動体2に対して移動体通信機45に送信させる。即ち、一の移動体2のキャリア41の物資7に関する情報が他の移動体2に共有される。移動体2のコントローラ47は、物資センサ43が検出した情報をサーバ3に送信し、サーバ3が当該情報を他の移動体2に送信してもよい。物資情報がサーバ3に集約されることで、サーバ3がデータベース65に物資の管理データを作成してもよい。
【0040】
移動体2は、物資7の過不足を緩和するように自律移動してもよい。たとえば多くの物資7を保有する移動体2は、保有する物資7が少ない移動体2へ向けて移動してもよい。また保有する物資7がなくなった移動体2は、物資7の補給エリアに戻るように自律移動してもよい。上述したように、各移動体2はそれぞれの物資7の積載情報を共有することで、効率的に物資7を供給できる。
【0041】
移動体2のコントローラ47は、貸し出されていた物資7がキャリア41に返却されたことが物資センサ43により検出されると、その返却の事実を示す情報を、移動体通信機45にサーバ3に対して送信させてもよい。移動体2のコントローラ47は、一のユーザに貸し出されていた物資7が他のユーザに又貸しされたことが検出されると、その又貸しの事実を示す情報を、移動体通信機45にサーバ3に対して送信させてもよい。又貸しの検出は、ユーザがマンマシンインターフェース46に又貸しを入力することで行われてもよい。このように物資7の所有情報が各移動体3に共有されることで、物資7を効率的に利用できる。
【0042】
移動体2のコントローラ47は、移動体通信機45を介して作業端末8から作業情報を取得する。コントローラ47は、自己と異なる他の移動体2に対して前記作業情報を移動体通信機45に送信させる。即ち、作業端末8の情報が、複数の移動体2により共有される。サーバ3(又は移動体2)は、作業端末8の情報を取得することで混雑状況の把握に利用できる。また移動体2は、混んでいる作業端末8があれば、作業端末8に近づくよう自律移動してもよい。移動体2は、作業端末8に近づいた場合、発券処理や電子決裁処理などの作業端末8の作業一部を負担するようにしてもよい。
【0043】
移動体2のコントローラ47は、自己の移動体通信機45の通信状態(例えば、通信感度又は通信速度等)が良くなるように自己の走行装置11に移動指令を行ってもよい。例えば、移動体2のコントローラ47は、自己の移動体通信機45と通信する通信端末6の数が所定値を超える場合には、他の移動体2を通信端末6の通信相手とするために、当該他の移動体2を呼び寄せる要求を送信してもよい。移動体2は、移動体2に接続される通信端末6の通信総量(アップロード総量またはダウンロード総量)に応じて、他の移動体2を呼び寄せる要求を送信してもよい。
【0044】
移動体2のコントローラ47は、検出対象5の移動に従って移動体2が移動するように走行装置11に指令してもよい。例えば、移動体2のコントローラ47は、移動する検出対象5に移動体2が追従するように走行装置11に指令してもよい。
【0045】
移動体2のコントローラ47は、通信端末6と通信することにより、検出対象5の属性の変更があったことが検出されると、当該属性の変更に関する情報を他の移動体2に送信し、複数の移動体2の間で情報共有してもよい。検出対象5が人間である場合には、前記属性の変更は、例えば、ゲーム参加中からゲーム参加終了への変更でもよいし、勤務中から非勤務中への変更でもよい。
【0046】
以上に説明したように、移動体通信機45を有する複数の移動体2が対象エリアを巡回したり、適切な位置にフレキシブルに移動したりすることで、特別な地上設備を導入することなく、状況に応じて適切にネットワーク環境を構築することができる。複数の移動体2が無線通信することで、移動体2の周囲の状態に関する情報を基地局4に伝達できる。しかも、移動体2はそれぞれ自律的に移動して情報を収集するため、特別な地上設備を導入することなく、広範なエリアにおける状態の情報を共有できる。
【0047】
ネットワークシステム1は、対象エリア内での移動体2の周囲の状態を適切に検出できるように、対象エリアに配置される移動体2の数が設定されてもよいし、移動体2の通信可能範囲が設定されてもよい。たとえば対象エリアが広いほど、対象エリアに配置される移動体2の数が多く設定されてもよい。また建物内のように対象エリアの無線通信環境が良好でないときほど、移動体3の数が多く設定されてもよい。そのほか移動体3と基地局4との間で通信する情報量が多いほど、移動体3の数が増やされたり、通信速度の速い移動体3が導入されたりしてもよい。
【0048】
対象エリアや情報通信量の変化が頻繁に生じる場合においては、それらの変化に応じて移動体2を増減したり、自律移動させることで、地上設備を設置する場合に比べて、状況に応じて適切なネットワークシステム1の環境を実現しやすい。また対象エリアでのネットワーク利用の必要がなくなった場合には、ネットワーク利用が必要な対象エリアに移動体2を移動させることで、移動体2を有効利用することができる。したがって、本構成は、対象エリアやネットワーク利用の変化が大きい場合に特に顕著な効果を発揮できる。たとえば不定期に開催される野外イベントや展示場でネットワークシステム1を利用すると効果的である。
【0049】
また対象エリアが設定されてネットワークシステム1が稼働中であっても、状況に応じて、自律移動プログラムに応じた移動体2の移動パターンを異ならせてもよい。たとえば対象エリアの拡縮変化、時間帯変化、及び、周囲の混雑度変化の少なくとも何れかに応じて、移動体2の移動経路又は目的地が変更されてもよい。対象エリアの縮小に応じて配置する移動体2の数が減らされたり、混雑エリアに移動体2が集められたりしてもよい。
【0050】
本ネットワークシステム1では、自律移動が可能な移動体2を用いて、地図作成データの共有、人の管理データ共有、及び、モノの管理データのそれぞれの共有を図ることができる。またネットワーク内での人及びモノのそれぞれの移動のつながりを含めた情報の蓄積を図ることができる。これによって人およびモノの移動状況の分析を行いやすく、状況に応じた適切な管理を行いやすくすることができる。
【0051】
移動体2が、インターネットに接続しなくてもよい。同様に、移動体2が、携帯電話回線網及び衛星通信網のいずれにも接続しなくてもよい。たとえば、1つの移動体3がインターネットに接続可能な特定移動体である場合に、移動体2同士が相互通信することで、他の移動体3が特定移動体を介してインターネットと通信してもよい。このように、ネットワークシステム1は、携帯電話回線用基地局の通信域外となるような非居住エリアでのネットワークシステムとして利用されてもよい。またネットワークシステム1は、衛星通信による通信が困難な屋内エリアでのネットワークシステムとして利用されてもよい。
【0052】
移動体2が移動すべき目的地や移動経路は、移動体2のコントローラ47により決定されてもよいし、サーバ3により決定されてもよい。また各移動体2で検出された情報の集約結果に基づいて、移動体2又はサーバ3は、移動体2の目的地や移動経路を決定することが好ましい。サーバ3がそれぞれの移動体2の移動アルゴリズムを選択することで、各移動体2が全体として統制された自律移動を行うことができる。また移動体2が、自身の移動アルゴリズムを選択することで、サーバ3との接続が不安定なエリアであっても自律移動を継続しやすい。
【0053】
移動体2は、検出対象5に保持される通信端末6からの情報取得、マンマシンインターフェース46の搭載、物資センサ43の検出情報の送信、作業端末8の作業情報の送信などの機能を用いて移動体2の周囲の情報をそれぞれ検出するが、これに限られず、要求されるネットワークシステム1に応じて、周囲情報の収集機能の1つまたは複数が適宜省略されてもよい。
【0054】
ネットワークシステム1に用いられる移動体2は、共通する構造の移動体2が複数用いられてもよい。この場合、部品を共通化することができ1台当たりの移動体2の製造コストを低減することができる。またネットワークシステム1に用いられる移動体2は、互いに異なる種類の構造の複数の移動体2が用いられてもよい。たとえばネットワークシステム1には、無人走行車と無人航空機とが混在して用いられてもよいし、機能や通信能力が互いに異なる複数の移動体2が用いられてもよい。この場合、各移動体2の機能の違いを有効利用して多様な自律移動をさせることができる。
【0055】
本実施形態では、サーバ3は、インターネットに接続されるとしたが、これに限らない。基地局4に接続されてもよいし、移動体2の1つにサーバ機能を持たせてもよい。インターネット回線よりも対象エリアに近い位置にサーバ3が配置されることで、サーバ3に対する情報の入出力の遅延を低減することができる。
【0056】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。例えば、1つの実施形態中の一部の構成又は方法を他の実施形態に適用してもよく、実施形態中の一部の構成は、その実施形態中の他の構成から分離して任意に抽出可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれる。
【0057】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、及び/又は、それらの組み合わせ、を含む回路又は処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路又は回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット若しくは手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、又は、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、又は、列挙された機能を実行するようにプログラム若しくは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段若しくはユニットは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサの構成に使用される。
【0058】
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
【0059】
[項目1]
自律移動が可能な少なくとも1つの移動体を備え、
前記移動体は、
処理回路と、
前記処理回路に接続され、前記移動体の周囲の状態を検出する状態センサと、
前記処理回路に接続され、少なくとも1つの基地局と無線通信する通信機と、
原動機を有し、前記移動体を自律移動させる走行装置と、を含み、
前記処理回路は、前記状態センサが検出した前記状態に関する情報を、前記基地局に対して前記通信機に送信させるように構成されている、ネットワークシステム。
【0060】
この構成によれば、移動体が無線通信することで、移動体の周囲の状態に関する情報を基地局に伝達できる。しかも、移動体はそれぞれ自律的に移動して情報を収集するため、特別な地上設備を導入することなく、広範なエリアにおける状態の情報を状況に応じて適切に共有できる。たとえば、移動体は、自律移動しながら、状態センサによって移動体周囲の状態を検出し、検出した情報を無線通信する。このようにして広範なエリアにおける情報を共有してもよい。
【0061】
[項目2]
前記少なくとも1つの移動体は、複数の移動体を含む、項目1に記載のネットワークシステム。
【0062】
この構成によれば、複数の移動体がネットワークシステムに含まれることで、状態を検出するべきエリアを分けて、それぞれの移動体に個々のエリアを担わせることができる。これによってネットワークシステムの対象エリアを広げやすくすることができる。また移動体ごとに、自律移動するプログラムが異なるように設定されてもよい。これによって移動体毎の役割を異ならせたり、移動体を協調させたりすることができ、ネットワークシステムとして状況の変化に対する柔軟性を高めやすい。
【0063】
[項目3]
前記少なくとも1つの基地局は、前記複数の移動体のうち1つの移動体の前記通信機である移動基地局を含む、項目2に記載のネットワークシステム。
【0064】
この構成によれば、複数の移動体が互いに無線通信することで、一の移動体の周囲の状態に関する情報を他の移動体に伝達でき、移動体同士で情報共有できる。また移動基地局がサーバと通信可能に構成される場合には、それぞれの移動体で検出された情報や移動体自体の情報の集約を図りやすい。
【0065】
[項目4]
前記通信機は、検出対象に保持された通信端末と無線通信し、
前記処理回路は、
前記通信機を介して前記通信端末から受信した情報に基づいて、前記通信端末に付与された付与情報を取得することと、
前記基地局に対して前記付与情報を前記通信機に送信させることと、を行うように構成されている、項目1乃至3のいずれかに記載のネットワークシステム。
【0066】
この構成によれば、移動体が無線通信することで、一の移動体の周囲に存在する検出対象に付随する通信端末(例えば、スマートフォン、タブレット、ICタグ等)から送信される付与情報を基地局に伝達できる。よって、検出対象に付随する通信端末の付与情報の共有化を促進できる。
【0067】
[項目5]
前記付与情報は、前記通信端末の位置に関する位置情報を含む、項目4に記載のネットワークシステム。
【0068】
この構成によれば、検出対象に付随する通信端末の位置情報の共有化を促進できる。たとえば移動体から送信される検出対象の位置情報を集約することによって、対象エリアでの検出対象の粗密状態(混雑状態)を得てもよい。
【0069】
[項目6]
前記移動体は、前記処理回路に接続されたマンマシンインターフェースを更に含み、
前記処理回路は、自己と異なる前記移動体から前記通信機を介して受信した情報を、前記マンマシンインターフェースに出力させるように構成されている、項目2乃至5のいずれかに記載のネットワークシステム。
【0070】
この構成によれば、複数の移動体が互いに無線通信することで、一の移動体の周囲の状態に関する情報を、他の移動体のマンマシンインターフェースからユーザに出力できる。このようにマンシンインターフェースを用いて、共有化されている情報を人間が受け取ることができる。したがってマンマシンインターフェースが固定設置される場合に比べて、状況に応じた柔軟な対応を行うことができる。たとえば情報の入手を希望する人間に向けて移動体が自律移動してもよい。
【0071】
[項目7]
前記移動体は、前記処理回路に接続されたマンマシンインターフェースを更に含み、
前記処理回路は、前記マンマシンインターフェースから入力された情報を、自己と異なる前記移動体に対して前記通信機に送信させるように構成されている、項目2乃至6のいずれかに記載のネットワークシステム。
【0072】
この構成によれば、複数の移動体が互いに無線通信することで、一の移動体のマンマシンインターフェースに入力された情報を、他の移動体に伝達できる。また、共有化したい情報を人間がマンマシンインターフェースを用いて与えることができる。したがってマンマシンインターフェースが固定設置される場合に比べて、状況に応じた柔軟な対応を行うことができる。たとえば情報の共有化を希望する人間に向けて移動体が自律移動してもよい。
【0073】
[項目8]
前記移動体は、
物資を積載可能なキャリアと、
前記物資に関する情報を検出する物資センサと、を更に含み、
前記処理回路は、前記物資センサが検出した情報を、自己と異なる前記移動体に対して前記通信機に送信させるように構成されている、項目1乃至7のいずれかに記載のネットワークシステム。
【0074】
この構成によれば、一の移動体のキャリアの物資に関する情報を他の移動体に共有できる。たとえば移動体に積載される物資の過不足に関する情報を共有化することができる。この場合、物資の過不足を抑えるように、移動体を自律移動させてもよい。
【0075】
[項目9]
前記通信機は、作業端末と無線通信し、
前記処理回路は、
前記通信機を介して前記作業端末から受信した情報に基づいて、前記作業端末の作業情報を取得することと、
自己と異なる前記移動体に対して前記作業情報を前記通信機に送信させることと、を行うように構成されている、項目2乃至8のいずれかに記載のネットワークシステム。
【0076】
この構成によれば、複数の移動体が互いに通信することで、一の移動体の周囲にある作業端末の作業情報を他の移動体に伝達できる。たとえば移動体周囲の作業端末の情報を共有化することができる。この場合、作業端末の混雑度や利用状況などに基づいて、移動体を自律移動させてもよい。
【0077】
[項目10]
サーバを更に備え、
前記通信機は、携帯電話回線網又は衛星通信網を介して前記サーバと通信する、項目1乃至9のいずれかに記載のネットワークシステム。
【0078】
この構成によれば、特別な地上設備を導入することなく、広範なエリアにおける状態の情報をサーバに集めることができる。
【符号の説明】
【0079】
1 ネットワークシステム
2 移動体
3 サーバ
4 固定基地局
5 検出対象
6 通信端末
7 物資
8 作業端末
11 走行装置
12 支援装置
41 キャリア
42 状態センサ
43 物資センサ
45 移動体通信機
46 マンマシンインターフェース
51 プロセッサ