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特開2023-181630駐車管理装置、及び駐車管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181630
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】駐車管理装置、及び駐車管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20231218BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20231218BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G07B15/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094865
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】519372663
【氏名又は名称】HMS株式会社
(72)【発明者】
【氏名】コ シンテイ
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA01
3E127CA16
3E127CA24
3E127CA25
3E127CA36
3E127CA39
3E127EA04
3E127FA20
3E127FA24
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB12
5H181CC04
5H181DD08
5H181DD10
5H181EE10
5H181FF03
5H181FF25
5H181FF33
5H181KK01
5H181KK03
5H181KK06
(57)【要約】
【課題】電力の消費を抑えることが可能な駐車管理システム、及び駐車管理方法を提供する。
【解決手段】本開示における駐車管理システムは、駐車エリアへの車両の入庫を検出可能なセンサ部と、前記車両の入庫を検出したことに応じて、省電力モードから通常モードに切り替えるとともに、所定の条件に基づいて前記通常モードから前記省電力モードに切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、前記省電力モードにおいては、少なくとも前記センサ部を動作状態とし、前記通常モードにおいては、前記省電力モードでは非動作状態の特定の機能部を動作状態とする、ことを特徴とする。
【選択図】図9

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車エリアへの車両の入庫を検出可能なセンサ部と、
前記車両の入庫を検出したことに応じて、省電力モードから通常モードに切り替えるとともに、所定の条件に基づいて前記通常モードから前記省電力モードに切り替える制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記省電力モードにおいては、少なくとも前記センサ部を動作状態とし、
前記通常モードにおいては、前記省電力モードでは非動作状態の特定の機能部を動作状態とする、ことを特徴とする駐車管理システム。
【請求項2】
前記駐車エリアに駐車された車両のナンバープレートを撮影するための撮像部を備え、
前記特定の機能部は、前記撮像部を含む、請求項1に記載の駐車管理システム。
【請求項3】
前記センサ部、前記制御部、及び通信部を備え、前記駐車エリアの付近に設置される駐車管理装置と、
前記通信部を介して前記駐車管理装置と通信可能なサーバとを備える、請求項1または2に記載の駐車管理システム。
【請求項4】
前記特定の機能部は、前記通信部を含む、請求項3に記載の駐車管理システム。
【請求項5】
センサ部で取得した情報に基づいて、駐車エリアへの車両の入庫を検出するステップと、
前記車両の入庫の検出により、省電力モードから通常モードに切り替えるステップと、を含み、
前記省電力モードにおいては、少なくとも前記センサ部を動作状態とし、
前記通常モードにおいては、前記省電力モードでは非動作状態の特定の機能部を動作状態とする、ことを特徴とする駐車管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車管理装置、及び駐車管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コインパーキング等の駐車場においては、地面に設置したループコイルセンサとロック板(フラップ板)を用いたロック板方式の駐車管理システムが採用されている。このロック板方式のシステムは、ループコイルセンサで駐車スペースにおける車両の有無を確認して、精算前はロック板が上向きにあり、清算後に下降することで、精算前の車両が出ていけないようにする仕組みである。
【0003】
また、駐車スペースの周り(例えば後方)にカメラを搭載したポールを設置して、カメラからナンバーを認識して精算データと紐づける駐車管理システムも提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-317098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような駐車管理システムにおいては、駐車エリアへの車両の有無を常に管理するために、カメラや通信に係る電力の消費が大きいという問題がある。
【0006】
そこで、本開示は上記技術課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力の消費を抑えることが可能な駐車管理システム、及び駐車管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における駐車管理装置は、
内部空間を有する縁石ブロック型の外装部と、
前記内部空間に配置され、前記外装部に設けられた開口から外部を撮影可能に設けられた撮像部と、
前記撮像部で撮影した画像に関するデータを外部サーバに送信可能な通信部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、簡易に設置可能であり、且つ、通行の妨げになり難い駐車管理装置、及び駐車管理システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態に係る駐車管理システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態に係る駐車管理装置の構成例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る駐車管理システムの一例を示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る駐車管理装置の設置例を示す図である。
図5】本実施形態に係る駐車管理装置の他の設置例を示す図である。
図6】本実施形態に係る駐車管理装置の他の設置例を示す図である。
図7】本実施形態に係るサーバの構成例を示すブロック図である。
図8】本実施形態の駐車管理システムを用いた駐車管理方法の一例を示すフローチャート図である。
図9】本実施形態の駐車管理方法の他の例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車管理システムの一例を示す。図1に示すように、本例の駐車管理システム1は、駐車管理装置10と、サーバ20とを備える。駐車管理装置10とサーバ20とは、ネットワーク30を介して接続され、通信可能である。通信ネットワーク30は、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、無線であることが好ましいが、有線であってもよい。また、駐車管理システムは、駐車管理装置10とサーバ20との間で通信可能に接続される中継装置を備えていてもよい。また、駐車管理装置10及びサーバ20の少なくとも一方は、駐車場の出入り口に設置された入場制限設備や駐車料金の支払い処理を行うための清算装置、及び、駐車場を利用するユーザが所有するスマートフォン、PC、タブレット端末等の情報処理端末(ユーザ端末)とネットワーク30を介して通信可能であってもよい。
【0012】
<駐車管理装置>
図2は、駐車管理装置10の構成の概略を説明するブロック図であり、図3は、駐車管理装置10の一例を示す斜視図である。駐車管理装置10は、内部空間Sを有する縁石ブロック型の外装部11と、外装部11に内蔵された撮像部12と、撮像部12で撮影した画像に関するデータを通信部13と、撮像部及び通信部を制御する制御部14と、を備える。本例の駐車管理装置10は、さらに記憶部15、センサ部16、電力供給部17を備え、これらは互いにバス18を介して接続される。る。電力供給部17は、外装部11に内蔵されていてもよいし、外部に設けられて有線接続または無線接続されていてもよい。また、駐車管理装置10は、駐車中である旨を表示したり、駐車時間、駐車料金等の各種の情報を出力したりするための表示部を備えていてもよい。表示部は、液晶画面やLEDライト等の光源、音声出力可能なスピーカ等であってもよい。撮像部12、通信部13、制御部14、記憶部15、センサ部16、及び電力供給部17は、基本的に内部空間Sに配置されるが、それらの一部が外装部11の外側に配置されていてもよい。
【0013】
外装部11は、例えば、コンクリート製である。外装部11は、適切な強度と耐久性を有する材質であれば、コンクリート製に限られない。外装部11は、全体として略直方体状の縁石ブロック型であり、正面11a、背面、上面11b、底面、左側面11c、及び右側面を有する。本例の外装部11は、隣接する2つの面が直交する直方体状である。外装部11の外形は、全体として縁石ブロック型であればよく、厳密な直方体状である必要はない。外装部11は、例えば、正面、背面、上面、底面、左側面、及び右側面の6面のうちの隣接する2つの面が直交せずに傾斜する角錐台状等であってもよい。外装部11は、幅W(左右方向の長さ)が、高さH(上下方向の長さ)及び奥行D(前後方向の長さ)よりも大きいことが好ましい。
【0014】
ここで外装部11の高さHは、例えば、100mm以上、150mm以下であることが好ましい。このような構成により、撮影部12等を設置するための十分な大きさの内部空間Sを設けることができるとともに、高さが大きすぎて交通の妨げになることをより確実に抑制することができる。幅Wは、例えば、250mm以上、400mm以下であることが好ましく、奥行Dは、例えば、100mm以上、150mm以下であることが好ましい。このような構成により、十分な大きさの内部空間Sを設けることができるとともに、取り扱いが困難になるサイズや重量になることを抑制することができる。
【0015】
外装部11の正面11aには、内部空間Sにつながる開口11dが設けられている。撮像部12は、当該開口11dを通して外装部11の外部を撮影することができる。つまり、本例の駐車管理装置10は、正面11aが撮影方向(撮影範囲)となる。なお、開口11dには、一部または全体が透明または半透明に構成された保護板部Pを有していてもよい。保護板部Pは、正面と同一平面上に設けられていてもよいし、正面よりも奥側(内部空間S側)にオフセットした位置に設けられていてもよい。
【0016】
撮像部12は、1以上の撮像装置(カメラ)を備えている。撮像装置は、例えば、RGBカメラ、VSLAM用の左右一対の魚眼カメラ(fisheye Camera)、ToFカメラ(Time-of-Flight Camera)等を含むことができる。このような撮像装置は、センサ部16としても機能し得る。例えば、ToFカメラ(Time-of-Flight Camera)は、照射した光の飛行時間を測定することで対象物との距離することができるものであり、ToFセンサとも称される。撮像装置の向きは、例えば、外装部11の正面11aに直行する向きとすることができるが、これに限定されず、左右方向に斜めの向きに設定されていてもよいし、上下方向に斜めの向きに設定されていてもよい。
【0017】
撮像部12は、駐車エリアに駐車した車両を撮影することができる。これにより、駐車エリアに車両が駐車しているか否か、また駐車している車両を特定することが可能となる。撮像部12は、当該車両のナンバープレートを撮影することができる位置に設置されることが好ましい。撮像部12は、常に起動して連続的に撮影し続けていてもよいし、予め設定されたタイミングで撮影を開始し、終了してもよい。このような撮影開始、撮影終了のタイミング、あるいは撮影時間の長さ等は、上記のように予め設定された情報に基づくものに限られず、センサ部16が検出したセンサ情報に基づいて制御されてもよいし、適宜更新されるサーバ20からの指示に基づいて制御されてもよいし、ユーザ端末から送信される指示に基づいて制御されてもよいし、それらの組み合わせによって制御されてもよい。撮像部15は、一時点の画像である静止画、及び所定時間にわたる連続的な画像である動画の撮影が可能である。
【0018】
撮像部12は、撮影範囲を変更可能であることが好ましい。例えば、撮像部12が尾となる位置や異なる向きに設置された複数のカメラを有し、どのカメラを利用するかを切り替えることで、撮影範囲を変更することができる。あるいは、例えば軸部を支点に揺動するジンバル構造のカメラ支持部を有するようにしてもよい。この場合、カメラ支持部が動いてカメラの向きを変えることで、撮影範囲を変更することができる。なお、複数のカメラのオン/オフの切り替えや、カメラ支持部の動きの制御は、制御部14が行うことができる。制御部14は、例えば、センサ部16が検出したセンサ情報、サーバ20からの情報、ユーザ端末からの情報、それらの組み合わせなどの情報に基づいて、撮影範囲を変更することができる。具体的には、駐車エリアに車両が駐車されているものの、カメラの撮影画像にナンバープレートが検出されと判定された場合に、撮影範囲を変更することができる。
【0019】
通信部13は、駐車管理装置10を、インターネットを含むネットワーク30に接続する。これにより、撮像部12で撮影した画像に関するデータを含む任意のデータをサーバ等に送信することができ、サーバ等から任意のデータを受信することができる。
【0020】
ここで、「撮像部で撮影した画像に関するデータ」は、画像データ自体に限られず、画像データに基づいて生成した編集データ等であってもよく、例えば、画像データを画像処理して抽出した車両のナンバー情報を含んでいてもよい。また、「画像に関するデータ」は、当該画像データを取得した時間情報を含むものであってもよい。この通信部13は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0021】
制御部14は、撮像部12、通信部13、記憶部15、センサ部16、及び電力供給部17等の各部を制御し、また各部間のデータの受け渡しを行い、装置全体の制御を行うものである。制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサによって実現される。制御部14は、撮像部12を制御して、撮影を開始したり、停止したりすることができる。このような制御は、上述のように、記憶部15に記憶された情報、サーバ20から取得した情報、センサ部16から取得した情報、あるいはそれらの組み合わせに基づいて行われる。制御部14は、記憶部15にアクセス可能であり、記憶部15に情報を格納したり、記憶部15から情報を読み出したりすることができる。制御部14は、記憶部15に記憶されたプログラムを実行することによって、各部の制御、各種データの取得、生成、出力(送信)等を行う。制御部14は、撮像部12の撮像した画像データを記憶部15やサーバ20等に送信することができる。制御部14は、撮影部で撮影した画像データに基づいて、外部サーバに送信するためのデータを生成する処理部として機能する。例えば、画像データから車両のナンバープレートの番号の情報を抽出し、当該番号の情報を含む送信データを生成する。送信データは、撮影部で撮影することにより取得した画像データよりもデータ容量が小さくなっている。このように、駐車管理装置10の撮影部、センサ部等で取得した情報を処理部で予め処理することにより、画像データ(映像データ)を直接サーバに送信する場合に比べて、通信時の負荷が小さくなり、短時間で容易にサーバに情報を伝達することができる。つまり、サーバではなくエッジ(駐車管理装置10)側でデータ処理を行うことで、大量の映像データをサーバに送信することなく、消費電力を小さく抑制することができる。これにより、ソーラーパネルのような給電能力が比較的小さい給電方式のみでも、電力不足にならずに処理を行うことができる。サーバに送信するデータは、ナンバープレートに表示された番号の情報に限られず、車両の識別情報、車種、色、入庫時刻、出庫時刻、入出庫の有無、等の情報であってもよい。本実施形態の駐車管理装置10にあっては、センサ部16で取得した情報をそのままサーバ20に送信せず、センサ部16で取得した情報に基づいて、処理部が送信データを生成し、当該送信データをサーバに送信するようにしてもよい。なお、駐車管理装置10は、撮影部及びセンサ部で取得した情報をそのままサーバに送信するようにしてもよい。
【0022】
記憶部15は、1つ以上のステップを行うためのプログラム、コード等を記憶しており、制御部14は、当該プログラム等に従って、各部の動作を制御する。記憶部15は、システムプログラムが記憶された読取専用の記憶領域である不揮発性記憶装置と、制御部14による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域である揮発性記憶装置とを有している。不揮発性記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現され、揮発性記憶装置は、RAM(Random Access Memory)やVRAM(Video Random Access Memory)などによって実現される。
【0023】
記憶部15は、たとえば、SDカードやランダムアクセスメモリ(RAM)などの分離可能な媒体または外部の記憶装置を含んでいてもよい。記憶部15は、撮像部15やセンサ部16から取得した各データを記憶することができる。例えば、撮像部15としてのカメラで撮像した静止画・動画等の画像データが内蔵メモリ又は外部メモリに記憶されるようにしてもよい。
【0024】
センサ部16は、例えば、車両の入庫、出庫を検出可能な検出センサとすることができる。検出センサとしては、例えばToFセンサとすることができるが、これに限られない。また、センサ部16は、方位センサ、GPS等を含んでいてもよい。各センサは、各センサが検出した情報(検出信号)を各部に伝達(入力)することができる。
【0025】
電力供給部17は、駐車管理装置10の各部に電力を供給する。電力供給部17は、例えば、交換可能な電池、充電可能なバッテリー、発電可能な太陽電池パネル等の発電装置を含んでもよい。太陽電池パネルを備える場合、太陽電池パネルは、外装部11の外表面に露出し、日光等の外光を受けるように設置される。このように、太陽電池パネルのような発電部を備えることで、駐車管理装置10を外部電源に接続する必要がなくなるため、設置や撤去がさらに容易となる。また、発電部で発電した電力を充電可能なバッテリーを有する場合、日中に発電部で発電した電力の少なくとも一部をバッテリーに蓄電しておき、バッテリーの電力を夜間に使うことも可能になり、より効率的な電力供給が可能になる。バッテリーは、内部空間Sに配置されていることが好ましく、特に、密閉されていることが好ましい。これによれば、風雨や外気の影響を受け難いため、劣化を抑制することが可能となる。駐車管理装置10がソーラーパネル等の発電部を有するとともに、通信部を介してサーバ20と無線通信可能であることが好ましい。この場合、駐車管理装置10を駐車場に設置する際に、電源や通信のための配線工事が不要となるため、大幅に工事費と施工時間を短縮することができる。
【0026】
電力供給部17は、外装部11の外部に設けられ、導線で接続された電源を含んでもよい。その場合、駐車管理装置10は、外部電源につながる電力プラグを接続可能なコネクタを有してもよい。外部電源を有する場合、例えば各部の消費電力が大きい場合であっても、電力の安定供給が可能となる。
【0027】
ここで、制御部14は、バッテリーの残り電力、発電部による現在の発電量等の電力情報に基づいて、外部から給電するか否かを判定するようにしてもよい。この場合、さらに効率的な電力利用が可能となる。
【0028】
駐車管理装置10は、例えば図4に示すように、駐車場におけるそれぞれの駐車エリアA(1台の車両が駐車する区画)に1つずつ設置されてもよいし、例えば図5に示すように、隣接する2つの駐車エリアAの間で、車輪止めBの後方側に1つの駐車管理装置10を設置するなど、複数の駐車エリアAに対して1つの駐車管理装置10を設置してもよい。駐車管理装置10は、駐車した車両のナンバープレートが、撮像部12の撮影範囲12aに入るような位置、例えば車輪止めBから所定距離だけ後方に離間する位置に設置される。駐車管理装置10は、ボルト等の固定具によって、地面に固定することができるが、地面への固定方法は特に限定されない。
【0029】
駐車管理装置10は、図6に示すように、例えば車道と歩道の境界に設置される縁石ブロックと一体になるように、縁石ブロックCに連設されることが好ましい。図6の駐車管理装置10は、外形が同一の左右の縁石ブロックCに挟まれるように、隣接して設置される。駐車管理装置10は、少なくとも高さと奥行が同一の縁石ブロックCに隣接配置されることで、駐車管理装置10と縁石ブロックCとの間に段差が実質的になくなるため、歩行者等の通行の妨げになり難くなる。
【0030】
以上の通り、本実施形態の駐車管理装置10は、縁石ブロック型の外装部11に内蔵され、車両を撮影可能な撮像部12と、通信部13と、制御部14(処理部)とを備えている。このような構成により、本発明によれば、従来のフラップ型やポール型の駐車管理装置と比較して、簡易に設置可能であり、且つ、歩行者等の通行の妨げになり難い、という顕著な効果を得ることができる。
【0031】
<サーバ>
サーバ20は、システム管理者等が駐車場の管理サービス等を運営・管理する際に利用する情報処理装置であり、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティング技術によって論理的に実現されてもよい。サーバ20は、駐車場の外部または駐車場内の任意の位置に設置される。サーバ20は、複数の駐車エリア、複数の駐車場をまとめて管理するものであってもよい。
【0032】
図7に示すように、サーバ20は、例えば、制御部21、記憶部22、出力部23、通信部24、入力部25を備え、これらが互いにバス26を介して接続される。サーバ20は、通信部24を介して駐車管理装置10と通信可能である。サーバ20は、駐車管理装置10、ユーザ端末等から各種の要求信号を受信すると、制御部21においてプログラムによる処理を実行し、処理結果(例えば、生成された画像や音声等)を適宜駐車管理装置10、ユーザ端末等に送信したり、記憶部22に記憶したりする。なお、上記プログラムの一部または全体は、駐車管理装置10上で実行されてもよい。
【0033】
制御部21は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、サーバ20全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)が所定のメモリ(記憶部)に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0034】
記憶部22は、システムプログラムが記憶された読取専用の記憶領域である不揮発性記憶装置と、制御部21による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域である揮発性記憶装置とを有している。不揮発性記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ、ハードディスクなどによって実現され、揮発性記憶装置は、RAM(Random Access Memory)やVRAM(Video Random Access Memory)などによって実現される。
【0035】
記憶部22は、駐車される車両に関する情報、駐車時間に基づく駐車料金に関する情報、駐車管理装置10の各部のモード切替を含めた各部の動作に関する情報、他の駐車場も含めた各駐車エリアの使用状況に関する情報等を記憶することができる。
【0036】
記憶部22は、駐車管理装置10等から受信した情報を記憶することができる。また、記憶部22は、上記駐車管理装置10の記憶部15に記憶された情報の一部または全部を記憶するようにしてもよい。
【0037】
出力部23は、音声を出力するスピーカ、画像を表示するディスプレイ等で構成される。
【0038】
通信部24は、サーバ20を、インターネットを含むネットワーク30に接続する。この通信部24は、駐車管理装置10の通信部13と同様に、任意の通信方式を採用することができる。
【0039】
入力部25は、キーボードやマウス、あるいはタッチパネル等とすることができる。
【0040】
図8は、駐車管理システム1を用いた駐車管理方法の一例を示す図である。
【0041】
まず、駐車管理装置10は、空車状態の駐車エリアに、車両が入庫して駐車したことを検出する(ステップS1)。このような入庫の検出は、制御部14が、撮像部12で撮影される画像情報、またはセンサ部16で取得するセンサ情報に基づいて、車両が入庫したか否かを判定する。具体的に、撮像部12で連続的にまたは断続的に(所定時間間隔で)撮影された画像に、車両が含まれる場合、新たに入庫されたと判定することができる。あるいは、センサ部16としてのToFセンサからの情報により、何らかの物体が予め設定された距離以内に接近し、停止した場合に、新たに入庫されたと判定することができる。このような入庫判定の具体的方法は、撮像部12またはセンサ部16から取得する情報に基づいていれば特に限定されない。
【0042】
次いで、駐車管理装置10は、撮像部12を起動して、駐車された車両のナンバープレートを撮影し、ナンバー情報を取得する(ステップS2)。ナンバープレートが検出できないと判定された場合は、撮影範囲を変更するよう撮像部12を制御してもよい。取得したナンバー情報は、取得した時刻の情報に関連付けて、サーバ20に送信され、サーバ20に記憶される。なお、当該情報は、駐車管理装置10に記憶されるようにしてもよい。
【0043】
そして、駐車管理装置10は、駐車していた車両が出庫したことを検出する(ステップS3)。具体的に、撮像部12で連続的にまたは断続的に(所定時間間隔で)撮影された画像に、車両が含まれなくなった場合、出庫したと判定することができる。あるいは、センサ部16からの情報により、物体が予め設定された距離以上に離れた場合(所定距離範囲内に物体を検出しなくなった場合)に、出庫したと判定することができる。出庫の検出は、入庫の検出と同様に、撮像部12またはセンサ部16から取得する情報に基づいていれば特に限定されない。
【0044】
そして、駐車管理システム1は、駐車時間に応じた駐車料金を算出する(ステップS4)。この料金算出は基本的にはサーバ20側で行われるが、駐車管理装置10、またはネットワークを介して接続される他の装置で行うようにしてもよい。
【0045】
本例の駐車管理装置は、
内部空間を有する縁石ブロック型の外装部と、
前記内部空間に配置され、前記外装部に設けられた開口から外部を撮影可能に設けられた撮像部と、
前記撮像部で撮影した画像に関するデータを外部サーバに送信可能な通信部と、
前記撮像部及び前記通信部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
このような構成により、従来のフラップ型やポール型の駐車管理装置と比較して、簡易に設置可能であり、且つ、歩行者等の通行の妨げになり難い、という顕著な効果を得ることができる。
【0046】
また、本例の駐車管理装置は、
前記外装部の外表面に設けられ、前記カメラ及び前記通信部の少なくとも一方に給電可能な太陽電池パネルを備える。このような構成により、太陽電池パネルで発電した電力を使用することができるので、電力消費をさらに抑えることができる。また、外部電源に接続する手間が不要となる場合、設置や撤去がさらに容易となる。
【0047】
また、本例の駐車管理装置は、
前記内部空間に配置され、前記カメラ及び前記通信部の少なくとも一方に給電可能なバッテリーをさらに備える。このような構成により、外装部に内蔵したバッテリーを使用することができるので、外部電源に接続する手間が不要となり、設置や撤去がさらに容易となる。
【0048】
また、本例の駐車管理装置は、
前記撮像部は、撮影範囲を変更可能に構成されている。このような構成により、例えばナンバープレートの位置(上下方向、左右方向)が通常と異なる場合であっても撮影範囲を変更することで、より確実にナンバープレートを含む画像を取得することができる。また、例えば、1台の駐車管理装置で複数の駐車エリアの車両を撮影する場合などに、撮影範囲を変更することで、より確実に、複数台の車両のナンバープレートを含む画像を取得することができる。
【0049】
また、本例の駐車管理システムは、
所定の駐車エリアに駐車された車両のナンバープレートを撮影可能な位置に設置される駐車管理装置と、
複数の前記駐車管理装置から送信される情報を取得可能な前記外部サーバと、を備える。これにより、外部サーバと駐車管理装置との間で必要な情報を送受信して、駐車場の管理性能を高めることができる。例えば、駐車エリアへの入庫、出庫及び車両に関する画像取得を駐車管理装置で行い、データをサーバに送信して料金の計算や清算をサーバで行うようにすれば、駐車場に設置される駐車管理装置での処理負担を軽減できる。また、各駐車エリアに対応する複数の駐車管理装置を1台のサーバで管理することで、より効率的な駐車場の管理が可能となる。また、離れた位置にある複数の駐車場をまとめてサーバで管理することも可能となる。
【0050】
駐車管理システム1は、消費電力を抑えるための機能を備えていてもよい。具体的に、駐車エリアが空車の状態においては、車両の入庫(駐車)を検出するための特定のセンサ部16を動作状態とし、撮像部12や通信部13を非動作状態とする省電力モードを備えていてもよい。その場合、制御部が省電力モードと、通常モードとの切り替えを行う。
【0051】
まず、それぞれの駐車管理装置10に対応する特定の駐車エリアが空車状態では、省電力モードとしておく。そして、センサ部16からの情報に基づいて当該駐車エリアへの車両の入庫を検出すると(ステップS11)、通常モードへと切り替える(ステップS12)。通常モードにおいて、撮像部12は車両のナンバープレートを含む画像を撮影したり(ステップS13)、通信部13を介してサーバ20等に当該画像に関するデータを送信したり、必要なデータを適宜受信したりすることができる(ステップS14)。その後、センサ部16または撮像部12からの情報に基づいて駐車エリアから車両が出庫したことを検出すると(ステップS15)、再び通常モードから省電力モードへと切り替える(ステップS16)。このように、一部の機能部(本例の場合、撮像部及び通信部)を所定期間にわたって非動作状態(停止状態)とすることで、消費する電力を抑えることができる。なお、省電力モードにおいて非動作状態とする機能部は撮像部のみでもよいし、通信部のみでもよいし、他の機能部であってもよい。
【0052】
また、省電力モードから通常モードへのモード切替え、及び、通常モードから省電力モードへのモード切替えは、予め設定された条件に基づいて自動的に制御部が行うようにしてもよいし、サーバから受信したモード切替え指示、またはユーザ端末から受信したモード切替え指示に基づいて実行するようにしてもよい。
【0053】
通常モードから省電力モードへのモード切替えの条件としては、例えば、駐車エリアに車両が入庫してから特定の期間(1分、5分、30分、1時間等)が経過したことであってもよい。その場合、制御部は、車両が入庫した時点からの経過時間が特定期間に達したか否かを判定し、特定期間に達していない場合には通常モードを維持し、特定期間に達した場合に通常モードから省電力モードへと切り替える。他の条件としては、車両が入庫している間は常に通常状態とし、センサ部または撮像部等からの情報に基づいて車両が出庫したことを検出した場合に、通常モードから省電力モードへと切り替えるようにしてもよい。
【0054】
上記の各モードに関する情報は、駐車管理装置10の記憶部またはサーバの記憶部に予め記憶しておくことができ、サーバまたはユーザ端末からの情報に基づいて適宜更新することができる。モードに関する情報とは、各モードにおいて動作状態とする機能部(例えば省電力モードにおけるセンサ部等)、及び非動作状態とする機能部(例えば省電力モードにおける撮像部、通信部)に関する情報、並びに、各モードを切り替える条件に関する情報である。
【0055】
本例のシステムは、駐車エリアへの車両の入庫を検出可能なセンサ部と、
前記車両の入庫を検出したことに応じて、省電力モードから通常モードに切り替えるとともに、所定の条件に基づいて前記通常モードから前記省電力モードに切り替える制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記省電力モードにおいては、少なくとも前記センサ部を動作状態とし、
前記通常モードにおいては、前記省電力モードでは非動作状態の特定の機能部を動作状態とする、ことを特徴とする。
【0056】
本例の駐車管理方法は、
センサ部で取得した情報に基づいて、駐車エリアへの車両の入庫を検出するステップと、
前記車両の入庫の検出により、省電力モードから通常モードに切り替えるステップと、を含み、
前記省電力モードにおいては、少なくとも前記センサ部を動作状態とし、
前記通常モードにおいては、前記省電力モードでは非動作状態の特定の機能部を動作状態とする、ことを特徴とする。
【0057】
このような構成により、電力の消費を抑えることが可能となる。
なお、本例のシステムにおいては、縁石ブロック型の外装部を前提とした駐車管理装置でなくてもよく、例えば、ポール型の駐車管理装置であってもよい。
【0058】
本例のシステムにおいて、特定の機能部は、駐車エリアに駐車された車両のナンバープレートを撮影するための撮像部を含んでもよい。すなわち、車両が駐車エリアに入庫した際にナンバープレートを撮影し、空車時には撮像部を非動作状態としておけば、撮像部が消費する電力を軽減することができる。同様に、特定の機能部は通信部を含んでもよく、空車時に通信部を非動作状態としておけば、通信部が消費する電力を軽減することができる。
【0059】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、サーバ20の制御部21および記憶部22は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。
【0061】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係る駐車管理装置10、サーバ20の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0062】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0063】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0064】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
駐車エリアへの車両の入庫を検出可能なセンサ部と、
前記車両の入庫を検出したことに応じて、省電力モードから通常モードに切り替えるとともに、所定の条件に基づいて前記通常モードから前記省電力モードに切り替える制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記省電力モードにおいては、少なくとも前記センサ部を動作状態とし、
前記通常モードにおいては、前記省電力モードでは非動作状態の特定の機能部を動作状態とする、ことを特徴とする駐車管理システム。
(項目2)
前記駐車エリアに駐車された車両のナンバープレートを撮影するための撮像部を備え、
前記特定の機能部は、前記撮像部を含む、項目1に記載の駐車管理システム。
(項目3)
前記センサ部、前記制御部、及び通信部を備え、前記駐車エリアの付近に設置される駐車管理装置と、
前記通信部を介して前記駐車管理装置と通信可能なサーバとを備える、項目1または2に記載の駐車管理システム。
(項目4)
前記特定の機能部は、前記通信部を含む、項目3に記載の駐車管理システム。
(項目5)
センサ部で取得した情報に基づいて、駐車エリアへの車両の入庫を検出するステップと、
前記車両の入庫の検出により、省電力モードから通常モードに切り替えるステップと、を含み、
前記省電力モードにおいては、少なくとも前記センサ部を動作状態とし、
前記通常モードにおいては、前記省電力モードでは非動作状態の特定の機能部を動作状態とする、ことを特徴とする駐車管理方法。
【符号の説明】
【0065】
1 駐車管理システム
10 駐車管理装置
20 サーバ(外部サーバ)
30 ネットワーク

図1
図2
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図5
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図9