(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181635
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】鍵管理システム、鍵管理装置、及び鍵管理方法
(51)【国際特許分類】
E05B 19/00 20060101AFI20231218BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
E05B19/00 E
E05B65/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094875
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501079875
【氏名又は名称】グローリーAZシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 弘之
(57)【要約】
【課題】複数の撮影装置を用いて、例えば不審な行動や不正な滞在を効率的に検知可能とする。
【解決手段】鍵を保持する複数のホルダの各ホルダを収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置と、鍵管理装置と通信可能な複数の撮影装置と、を備え、複数の撮影装置の各撮影装置は、複数のホルダのうちの少なくとも1つのホルダである関連ホルダに関連付けられ、関連ホルダの利用状況に基づいて動作する、鍵管理システムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵を保持する複数のホルダの各ホルダを収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置と、
前記鍵管理装置と通信可能な複数の撮影装置と、
を備え、
前記複数の撮影装置の各撮影装置は、前記複数のホルダのうちの少なくとも1つのホルダである関連ホルダに関連付けられ、当該関連ホルダの利用状況に基づいて動作する、鍵管理システム。
【請求項2】
前記各撮影装置は、前記関連ホルダが前記複数の収納部の何れかから抜き取られたことに応じて、撮影を開始する、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項3】
前記各撮影装置は、前記関連ホルダが前記複数の収納部の何れかに収納されたことに応じて、撮影を終了する、請求項2に記載の鍵管理システム。
【請求項4】
前記各撮影装置は、前記関連ホルダが前記複数の収納部の何れかに収納されても、所定の条件が満たされるまで撮影を継続する、請求項2に記載の鍵管理システム。
【請求項5】
前記各撮影装置は、前記関連ホルダが前記複数の収納部の何れかに収納されたことに応じて、撮影を開始する、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項6】
前記関連ホルダの利用状況と、前記各撮影装置が撮影した画像とに基づく報知情報を、外部へ報知する報知部を更に備える、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項7】
前記報知部は、前記関連ホルダが前記複数の収納部の何れかに収納されているにも関わらず、前記各撮影装置が撮影した画像に基づいて人がいると判定された場合に、その旨を、前記報知情報として外部へ報知する、請求項6に記載の鍵管理システム。
【請求項8】
前記各撮影装置を動作させるか否かを、前記関連ホルダに関する関連ホルダ情報に基づいて切り替える切替部を更に備える、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項9】
前記関連ホルダ情報は、前記関連ホルダを示す情報である、請求項8に記載の鍵管理システム。
【請求項10】
前記関連ホルダ情報は、前記関連ホルダを利用する利用者を示す情報である、請求項8に記載の鍵管理システム。
【請求項11】
前記関連ホルダ情報は、前記関連ホルダを利用する目的を示す情報である、請求項8に記載の鍵管理システム。
【請求項12】
前記各撮影装置が撮影した画像に基づいて、前記関連ホルダが保持する鍵を使ってアクセス可能なエリアにおける利用者の実際の滞在時間である実滞在時間を取得する実滞在時間取得部と、
前記実滞在時間取得部により取得された前記実滞在時間に基づく報知情報を、外部へ報知する報知部と、
を更に備える、請求項1に記載の鍵管理システム。
【請求項13】
前記エリアにおける利用者の基準の滞在時間である基準滞在時間を取得する基準滞在時間取得部を更に備え、
前記報知部は、前記実滞在時間取得部により取得された前記実滞在時間と、前記基準滞在時間取得部により取得された前記基準滞在時間との比較に関する比較情報を、前記報知情報として外部へ報知する、請求項12に記載の鍵管理システム。
【請求項14】
前記報知部は、前記実滞在時間取得部により取得された前記実滞在時間が、前記基準滞在時間取得部により取得された前記基準滞在時間を超過した場合に、その旨を、前記比較情報として外部へ報知する、請求項13に記載の鍵管理システム。
【請求項15】
前記基準滞在時間取得部は、前記関連ホルダに対して設定された前記基準滞在時間を取得する、請求項13に記載の鍵管理システム。
【請求項16】
前記基準滞在時間取得部は、前記関連ホルダを利用する利用者に対して設定された前記基準滞在時間を取得する、請求項13に記載の鍵管理システム。
【請求項17】
前記基準滞在時間取得部は、前記関連ホルダを利用する目的に対して設定された前記基準滞在時間を取得する、請求項13に記載の鍵管理システム。
【請求項18】
利用者の操作に応じて、前記基準滞在時間を設定する設定部を更に備える、請求項13に記載の鍵管理システム。
【請求項19】
鍵を保持する複数のホルダの各ホルダを収納可能な複数の収納部と、
自装置と通信可能な複数の撮影装置の各撮影装置を、前記複数のホルダのうちの少なくとも1つのホルダである関連ホルダに関連付ける関連付け部と、
前記各撮影装置が前記関連ホルダの利用状況に基づいて動作するように制御する制御部と、
を備える、鍵管理装置。
【請求項20】
コンピュータが、鍵を保持する複数のホルダの各ホルダを収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置と通信可能な複数の撮影装置の各撮影装置を、当該複数のホルダのうちの少なくとも1つのホルダである関連ホルダに関連付けるステップと、
コンピュータが、前記各撮影装置を前記関連ホルダの利用状況に基づいて動作させるステップと、
を含む、鍵管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵管理システム、鍵管理装置、及び鍵管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、録画制御部が、ID照合部から、ID照合部における照合結果が良好であることを示す情報を取得すると、録画装置に、カメラによって撮影されている動画の録画を開始させ、運転手の車両の鍵が吊り下げられたキーホルダが格納部から取り出されたことを示す情報を、格納部から取得すると、録画装置に、カメラによって撮影されている動画の録画を終了させる、鍵管理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鍵管理装置に収納されるホルダが保持する鍵が用いられるエリアでは、複数の撮影装置を用いて、例えば不審な行動や不正な滞在を検知することがある。しかしながら、複数の撮影装置の各撮影装置をホルダに関連付けない構成を採用した場合は、どのホルダが利用されても複数の撮影装置の全てを動作させることになってしまう。即ち、複数の撮影装置を用いて、例えば不審な行動や不正な滞在を効率的に検知することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、複数の撮影装置を用いて、例えば不審な行動や不正な滞在を効率的に検知可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、鍵を保持する複数のホルダの各ホルダを収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置と、鍵管理装置と通信可能な複数の撮影装置と、を備え、複数の撮影装置の各撮影装置は、複数のホルダのうちの少なくとも1つのホルダである関連ホルダに関連付けられ、関連ホルダの利用状況に基づいて動作する、鍵管理システムを提供する。
各撮影装置は、関連ホルダが複数の収納部の何れかから抜き取られたことに応じて、撮影を開始する、ものであってよい。その場合、各撮影装置は、関連ホルダが複数の収納部の何れかに収納されたことに応じて、撮影を終了する、ものであってよい。各撮影装置は、関連ホルダが複数の収納部の何れかに収納されても、所定の条件が満たされるまで撮影を継続する、ものであってよい。
各撮影装置は、関連ホルダが複数の収納部の何れかに収納されたことに応じて、撮影を開始する、ものであってよい。
鍵管理システムは、関連ホルダの利用状況と、各撮影装置が撮影した画像とに基づく報知情報を、外部へ報知する報知部を更に備える、ものであってよい。その場合、報知部は、関連ホルダが複数の収納部の何れかに収納されているにも関わらず、各撮影装置が撮影した画像に基づいて人がいると判定された場合に、その旨を、報知情報として外部へ報知する、ものであってよい。
鍵管理システムは、各撮影装置を動作させるか否かを、関連ホルダに関する関連ホルダ情報に基づいて切り替える切替部を更に備える、ものであってよい。その場合、関連ホルダ情報は、関連ホルダを示す情報であっても、関連ホルダを利用する利用者を示す情報であっても、関連ホルダを利用する目的を示す情報であってもよい。
鍵管理システムは、各撮影装置が撮影した画像に基づいて、関連ホルダが保持する鍵を使ってアクセス可能なエリアにおける利用者の実際の滞在時間である実滞在時間を取得する実滞在時間取得部と、実滞在時間取得部により取得された実滞在時間に基づく報知情報を、外部へ報知する報知部と、を更に備える、ものであってよい。その場合、エリアにおける利用者の基準の滞在時間である基準滞在時間を取得する基準滞在時間取得部を更に備え、報知部は、実滞在時間取得部により取得された実滞在時間と、基準滞在時間取得部により取得された基準滞在時間との比較に関する比較情報を、報知情報として外部へ報知する、ものであってよい。また、その場合、報知部は、実滞在時間取得部により取得された実滞在時間が、基準滞在時間取得部により取得された基準滞在時間を超過した場合に、その旨を、比較情報として外部へ報知する、ものであってよい。基準滞在時間取得部は、関連ホルダに対して設定された基準滞在時間を取得する、ものであってもよい。関連ホルダを利用する利用者に対して設定された基準滞在時間を取得する、ものであってもよい。関連ホルダを利用する目的に対して設定された基準滞在時間を取得する、ものであってもよい。鍵管理システムは、利用者の操作に応じて、基準滞在時間を設定する設定部を更に備える、ものであってもよい。
【0007】
また、本発明は、鍵を保持する複数のホルダの各ホルダを収納可能な複数の収納部と、自装置と通信可能な複数の撮影装置の各撮影装置を、複数のホルダのうちの少なくとも1つのホルダである関連ホルダに関連付ける関連付け部と、各撮影装置が関連ホルダの利用状況に基づいて動作するように制御する制御部と、を備える、鍵管理装置も提供する。
【0008】
更に、本発明は、コンピュータが、鍵を保持する複数のホルダの各ホルダを収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置と通信可能な複数の撮影装置の各撮影装置を、複数のホルダのうちの少なくとも1つのホルダである関連ホルダに関連付けるステップと、コンピュータが、各撮影装置を関連ホルダの利用状況に基づいて動作させるステップと、を含む、鍵管理方法も提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の撮影装置を用いて、例えば不審な行動や不正な滞在を効率的に検知できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態における鍵管理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態における鍵管理装置の外観構成例を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態で用いるホルダ及び鍵の外観構成例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態におけるカメラ情報の一例を示した図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における鍵管理装置の動作例を示したフローチャートである。
【
図7】本発明の第2の実施の形態における鍵管理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図8】(a)~(c)は、本発明の第2の実施の形態における動作フラグ情報の第1乃至第3の例を示した図である。
【
図9】本発明の第2の実施の形態における鍵管理装置の動作例を示したフローチャートである。
【
図10】本発明の第3の実施の形態における鍵管理装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図11】(a)~(c)は、本発明の第3の実施の形態における滞在可能時間情報の第1乃至第3の例を示した図である。
【
図12】本発明の第3の実施の形態における鍵管理装置の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
[鍵管理システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における鍵管理システム1の全体構成例を示す図である。図示するように、鍵管理システム1は、鍵管理装置10と、複数のカメラ40と、通信回線45と、端末装置60と、ネットワーク80とを備えている。そして、鍵管理装置10及び複数のカメラ40は通信回線45を介して接続され、鍵管理装置10と端末装置60とはネットワーク80を介して接続される。
【0013】
鍵管理装置10、複数のカメラ40、及び通信回線45は、トランクルーム51に設置されるので、
図1には、トランクルーム51の間取り図も示している。
図示するように、トランクルーム51はロビーエリア52とトランクルームエリア53とに区画され、これらロビーエリア52とトランクルームエリア53との間には扉によって開閉される出入口54が設けられている。トランクルームエリア53内には複数の部屋55が設けられ、各部屋55に開閉可能な扉が設けられている。各部屋55の扉には、鍵で施錠及び解錠が可能なシリンダ錠等の錠前が設けられている。鍵管理装置10は、トランクルームエリア53内に設置され、各部屋55の鍵をホルダに保持した状態で管理する。
トランクルーム51の部屋55の使用契約を結んだ契約者は、トランクルーム51を使用する場合、出入口54からトランクルームエリア53内に入り、鍵管理装置10を操作して契約している部屋55の鍵を取り出す。そして、契約者は、その鍵で部屋55の扉を開け、部屋55を使用する。部屋55の使用後は、鍵で部屋55の扉を施錠し、鍵を鍵管理装置10に戻し、出入口54から出る。
【0014】
鍵管理装置10は、鍵を保持するホルダを着脱可能に収納する装置である。本実施の形態では、鍵を保持する複数のホルダの各ホルダを収納可能な複数の収納部を有する鍵管理装置の一例として、鍵管理装置10を設けている。
複数のカメラ40は、それぞれ対応する部屋55に出入りする人を撮影可能な位置に設けられ、部屋55に出入りする人を撮影する所謂監視カメラである。従って、複数のカメラ40は、動画を撮影できることが好ましい。図では、1つの部屋55に対して1つのカメラ40を設けているが、複数の部屋55に対して1つのカメラ40を設けてもよいし、1つの部屋55に対して複数のカメラ40を設けてもよい。本実施の形態では、鍵管理装置と通信可能な複数の撮影装置の一例として、複数のカメラ40を設けている。
通信回線45は、鍵管理装置10と複数のカメラ40との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)等である。
【0015】
端末装置60は、例えばトランクルーム51の運営業者の本部に設置されるコンピュータ装置である。
ネットワーク80は、鍵管理装置10と端末装置60との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネット、公衆回線、LAN等である。
【0016】
[鍵管理装置の外観構成]
図2は、本実施の形態における鍵管理装置10の外観構成例を示す図である。
図2に示すように、鍵管理装置10には、装置の前面に、第1の扉21及び第2の扉22がそれぞれ開閉可能に設けられ、第1の扉21にて開閉される鍵収納庫23と、第2の扉22によって開閉されるプリンタ25及び鍵交換部26が設けられている。また、鍵管理装置10は、装置の前面に、表示操作部27と、カードリーダ28とを有する。
【0017】
鍵収納庫23には、複数の収納部24が設けられている。収納部24は、鍵を保持するホルダ31を着脱可能に収納する。
各収納部24には、ホルダ31の取り出しを許可又は禁止できるように錠機構241が設けられている。鍵管理装置10は、各収納部24に対する錠機構241を制御することによって、各ホルダ31の抜き取りの許可又は禁止を制御する。
また、各収納部24には、ホルダ31のIC(Integrated Circuit)タグ34(後述)から情報を読み取る読取部242が設けられている。読取部242は、収納部24に近接して又は収納部24内に設けられる。読取部242は、例えばRFID(Radio Frequency IDentifier)リーダである。尚、ある収納部24の読取部242で、隣接する収納部24に挿入されるホルダ31のICタグ34からの電波を誤って取得するのを防止するために、互いに隣接する収納部24の間に電波を遮蔽する遮蔽板等を設けてもよい。本実施の形態では、鍵を保持する複数のホルダの各ホルダを収納可能な複数の収納部の一例として、複数の収納部24を設けている。
【0018】
プリンタ25は、鍵の交換、挿入、抜き取り等を含む鍵管理装置10の履歴をロール紙等の用紙に印字する。プリンタ25で印字された用紙は、例えば、装置の前面に排出される。
鍵交換部26は、ホルダ31と鍵との連結を解除するもので、鍵交換の権限を有する権限者である例えば管理者のみが利用できる。鍵交換部26は、ホルダ31が挿入される挿入口261と、この挿入口261を開閉するカバー262とを有する。また、鍵交換部26は、挿入口261内の所定の係止解除位置まで挿入されたホルダ31に対してホルダ31本体とリング係止体の係止を解除してリング32(後述)を外せる状態とする解除部材と、管理者によるホルダ31に対しての係止解除を許可すると共に管理者以外によるホルダ31に対しての係止解除を不可とする鍵交換規制部とを有する。鍵交換規制部としては、例えば、ソレノイド等の電気的駆動部でストッパを挿入口261に進退させるストッパ機構を用いるとよい。この場合、鍵交換規制部は、通常はストッパが挿入口261内に進出し、ホルダ31が挿入口261の所定の係止解除位置まで挿入されるのを規制する。一方、鍵交換規制部は、管理者が操作する場合にのみストッパが挿入口261内から退避し、ホルダ31が挿入口261の所定の係止解除位置まで挿入されるのを可能とする。
また、鍵交換部26は、ホルダ31のICタグ34から情報を読み取る読取部263が設けられている。読取部263は、鍵交換部26に近接して又は鍵交換部26内に設けられる。読取部263は、例えばRFIDリーダである。
【0019】
表示操作部27は、例えばタッチパネルディスプレイであり、利用者による操作を受け付けるとともに、各種情報を表示する。
カードリーダ28は、利用者が携帯するカードから情報を読み取る読取装置である。カードとしては、例えば、磁気カード、ICカード等が例示される。利用者がカードリーダ28にカードを通すと、カードリーダ28は、カードから利用者IDを読み取る。
【0020】
[ホルダ及び鍵の構成]
図3は、本実施の形態で用いるホルダ31及び鍵33の外観構成例を示す図である。
図3に示すように、ホルダ31にはリング32で鍵33が連結されている。
ホルダ31には、ICタグ34が設けられている。ICタグ34は、例えばRFIDタグである。ICタグ34は、ホルダ31を識別する識別情報を有している。ホルダ31にICタグ34を設けるには、例えば、シールタイプのICタグ34をホルダ31に貼り付けてもよいし、ホルダ31内にICタグ34を埋め込んでもよい。
【0021】
[概要]
このような鍵管理システム1において、本実施の形態では、ホルダ31にカメラ40を紐付けておく。その際、1つのホルダ31に複数のカメラ40を紐付けてもよいし、複数のホルダ31に1つのカメラ40を紐付けてもよい。そして、例えばホルダ31の抜き取り又は収納に応じて、そのホルダ31に紐付けられたカメラ40による撮影を行う。この場合、カメラ40は、複数のホルダのうちの少なくとも1つのホルダである関連ホルダに関連付けられた撮影装置の一例となる。
【0022】
[第1の実施の形態]
(鍵管理装置の機能構成)
図4は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、鍵管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、扉施錠機構14と、錠機構241と、読取部242と、プリンタ25と、読取部263と、表示操作部27と、カードリーダ28とを含む。
【0023】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部12に記憶された動作プログラムに従って、鍵管理装置10の各部(通信部13、扉施錠機構14、錠機構241、読取部242、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、カードリーダ28等)を制御する。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、制御部11の動作プログラムを記憶し、また、制御部11の制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部11が後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部13は、カメラ40又は端末装置60との間で通信回線を通じた情報通信を行う。
扉施錠機構14は、第1の扉21及び第2の扉22を施錠する機構である。扉施錠機構14は、第1の扉21の施錠及び解錠と、第2の扉22の施錠及び解錠とを、異なる条件を用いて行ってもよい。
錠機構241、読取部242、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、及びカードリーダ28については、既に
図2を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
【0024】
ここで、制御部11の構成について具体的に説明する。制御部11は、操作受付部111と、RFID取得部112と、滞在検知部113と、通信制御部117と、記憶制御部118と、表示制御部119とを備える。
【0025】
操作受付部111は、利用者が表示操作部27等で行った操作を受け付ける。
具体的には、操作受付部111は、ホルダ31を借用又は返却する旨の情報を入力する操作、ホルダ31について鍵交換を行う旨の情報を入力する操作等を受け付ける。その際、操作受付部111は、利用者が表示操作部27から入力した利用者IDを受け付ける。或いは、操作受付部111は、カードリーダ28がカードから読み取った利用者IDを受け付けてもよい。
【0026】
RFID取得部112は、読取部242又は読取部263がホルダ31のICタグ34からRFIDを読み取ると、読取部242又は読取部263からこのRFIDを取得する。そして、RFID取得部112は、収納部24の読取部242からのRFIDの取得状態の変化に基づいて、その収納部24におけるホルダ31の利用状況を検知する。例えば、RFID取得部112は、収納部24の読取部242からのRFIDの取得状態が、RFIDが取得される状態から取得されない状態に変化すれば、その収納部24からホルダ31が抜き取られたことを検知する。また、RFID取得部112は、収納部24の読取部242からのRFIDの取得状態が、RFIDが取得されない状態から取得される状態に変化すれば、その収納部24にホルダ31が収納されたことを検知する。この場合、ホルダ31を識別する情報であれば、RFID以外の情報を用いてもよいが、以下ではRFIDを用いるものとして説明する。
【0027】
滞在検知部113は、通信制御部117が後述するようにカメラ40から受信した撮影画像を解析することにより、トランクルーム51内に人が滞在し続けていることを検知する。例えば、滞在検知部113は、トランクルーム51の部屋55に人が入る場面を撮影した撮影画像を特定し、この撮影画像に基づいて部屋55に入った人の数を検知する。また、滞在検知部113は、トランクルーム51の部屋55から人が出て来る場面を撮影した撮影画像を特定し、この撮影画像に基づいて部屋55から出て来た人の数を検知する。そして、滞在検知部113は、部屋55に入った人の数よりも部屋55から出て来た人の数が少ない場合に、部屋55に人が滞在し続けていることを検知する。尚、滞在検知部113は、撮影画像の解析を、通信制御部117がカメラ40から受信した撮影画像を受け取りながらリアルタイムに行ってもよいし、通信制御部117がカメラ40から受信した撮影画像を一定時間分受け取る都度行ってもよい。
【0028】
通信制御部117は、通信部13を介してカメラ40又は端末装置60へ情報を送信したり、通信部13を介してカメラ40又は端末装置60から情報を受信したりする。
具体的には、通信制御部117は、RFID取得部112が検知したホルダ31の利用状況に基づいて、カメラ40の動作を指示する動作指示を生成し、この動作指示を、ホルダ31に関連付けられたカメラ40へ送信する。本実施の形態では、各撮影装置が関連ホルダの利用状況に基づいて動作するように制御する制御部の一例として、通信制御部117のこの機能を設けている。この場合、カメラ40は、関連ホルダの利用状況に基づいて動作する撮影装置の一例となる。
例えば、通信制御部117は、収納部24からホルダ31が抜き取られたことをRFID取得部112が検知した場合、カメラ40による撮影の開始を指示する撮影開始指示を生成し、この撮影開始指示を、ホルダ31に関連付けられたカメラ40へ送信する。この場合、カメラ40は、関連ホルダが複数の収納部の何れかから抜き取られたことに応じて、撮影を開始する撮影装置の一例となる。
また、通信制御部117は、収納部24にホルダ31が収納されたことをRFID取得部112が検知した場合、カメラ40による撮影の終了を指示する撮影終了指示を生成し、この撮影終了指示を、ホルダ31に関連付けられたカメラ40へ送信する。この場合、カメラ40は、関連ホルダが複数の収納部の何れかに収納されたことに応じて、撮影を終了する撮影装置の一例となる。
或いは、通信制御部117は、収納部24にホルダ31が収納されたことをRFID取得部112が検知した場合に、撮影終了指示を、ホルダ31に関連付けられたカメラ40へ送信しなくてもよい。その代わりに、通信制御部117は、所定条件が満たされた場合に、撮影終了指示を、ホルダ31に関連付けられたカメラ40へ送信してもよい。ここで、所定条件としては、収納部24からホルダ31が抜き取られてから又は収納部24にホルダ31が収納されてから予め定められた時間が経過したという条件が例示される。この場合、カメラ40は、関連ホルダが複数の収納部の何れかに収納されても、所定の条件が満たされるまで撮影を継続する撮影装置の一例となる。
一方で、通信制御部117は、収納部24にホルダ31が収納されたことをRFID取得部112が検知した場合に、カメラ40による撮影の開始を指示する撮影開始指示を生成し、この撮影開始指示を、ホルダ31に関連付けられたカメラ40へ送信してもよい。この場合、カメラ40は、関連ホルダが複数の収納部の何れかに収納されたことに応じて、撮影を開始するする撮影装置の一例となる。
そして、通信制御部117は、カメラ40が撮影した撮影画像を、カメラ40から受信する。
また、通信制御部117は、RFID取得部112が検知したホルダ31の利用状況と、滞在検知部113が撮影画像を解析して得たトランクルーム51内の人の検知結果とに基づいて、外部へ報知すべき報知情報を生成し、この報知情報を端末装置60へ送信する。本実施の形態では、関連ホルダの利用状況と、各撮影装置が撮影した画像とに基づく報知情報を、外部へ報知する報知部の一例として、通信制御部117のこの機能を設けている。
例えば、通信制御部117は、収納部24にホルダ31が収納されたことをRFID取得部112が検知し、かつ、トランクルーム51内に人が滞在し続けていることを滞在検知部113が検知した場合に、その旨の報知情報を端末装置60へ送信する。本実施の形態では、関連ホルダが複数の収納部の何れかに収納されているにも関わらず、各撮影装置が撮影した画像に基づいて人がいると判定された場合に、その旨を、報知情報として外部へ報知する報知部の一例として、通信制御部117のこの機能を設けている。
【0029】
記憶制御部118は、記憶部12に対するデータの書き込み及び記憶部12からのデータの読み出しを制御する。
具体的には、記憶制御部118は、記憶部12に記憶されたカメラ情報121(後述)に基づいて、ホルダ31に関連付けられたカメラ40を特定する。例えば、記憶制御部118は、記憶部12に記憶されたカメラ情報121でホルダ31のRFIDに対応付けられたカメラIDを取得する。
【0030】
表示制御部119は、表示操作部27に対する情報の表示を制御する。
【0031】
また、記憶部12が記憶する情報について具体的に説明する。記憶部12は、カメラ情報121を記憶する。
カメラ情報121は、ホルダ31と、トランクルーム51に設置されたカメラ40との関連付けを示す情報である。カメラ情報121の具体的な内容については後述する。
【0032】
(カメラ情報の具体的内容)
図5は、カメラ情報121の一例を示した図である。図示するように、カメラ情報121は、RFIDと、カメラIDとを対応付けたものとなっている。
RFIDは、ホルダ31の識別情報である。
カメラIDは、対応するRFIDのホルダ31に関連付けられたカメラ40の識別情報である。例えば、カメラIDとしては、対応するRFIDのホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋55の出入口付近を撮影可能なカメラ40のカメラIDを登録しておけばよい。或いは、部屋55へ向かう通路がある程度限定される場合は、カメラIDとして、対応するRFIDのホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋55へ向かう通路を撮影可能なカメラ40のカメラIDを登録しておいてもよい。
図には、例えば、RFID「12345678」のホルダ31にカメラID「CAM01」のカメラ40が関連付けられていることが示されている。これは、例えば、RFID「12345678」のホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋55の出入口付近を、カメラID「CAM01」のカメラ40で撮影可能であることを意味している。
尚、
図5では、1つのホルダ31に1つのカメラ40を関連付けているが、これには限らない。複数のホルダ31に1つのカメラ40を関連付けてもよいし、1つのホルダ31に複数のカメラ40を関連付けてもよい。
本実施の形態では、自装置と通信可能な複数の撮影装置の各撮影装置を、複数のホルダのうちの少なくとも1つのホルダである関連ホルダに関連付ける関連付け部の一例として、記憶部12を設けている。
【0033】
(鍵管理装置の動作)
図6は、第1の実施の形態における鍵管理装置10の動作例を示したフローチャートである。尚、ここでは、鍵管理装置10は、収納部24からホルダ31が抜き取られると撮影開始指示をカメラ40へ送信し、収納部24にホルダ31が収納されると撮影終了指示をカメラ40へ送信する場合を例にとって説明する。
【0034】
鍵管理装置10では、まず、操作受付部111が、例えば利用者が表示操作部27上で入力した利用者IDを受け付ける(ステップ131)。これにより、利用者が抜き取るべきホルダ31が収納された収納部24が特定される。例えば、各利用者と各利用者が契約しているトランクルーム51の部屋55との対応関係に基づいて、収納部24は特定される。すると、特定された収納部24は利用者に知らされ、利用者は、その収納部24からホルダ31を抜き取ることになる。
【0035】
そこで、鍵管理装置10では、RFID取得部112が、収納部24からホルダ31が抜き取られたかどうかを判定する(ステップ132)。例えば、RFID取得部112は、収納部24の読取部242からのRFIDの取得状態が、RFIDが取得される状態から取得されない状態に変化したかどうかに基づいて、その収納部24からホルダ31が抜き取られたかどうかを判定する。
ステップ132で収納部24からホルダ31が抜き取られていないと判定すれば、RFID取得部112は、ステップ132の処理を繰り返す。
ステップ132で収納部24からホルダ31が抜き取られたと判定されれば、記憶制御部118が、そのホルダ31に関連付けられたカメラ40を特定する(ステップ133)。具体的には、記憶制御部118は、記憶部12に記憶されたカメラ情報121を参照して、そのホルダ31のRFIDに対応付けられたカメラIDを取得することにより、カメラ40を特定する。
【0036】
次に、鍵管理装置10では、通信制御部117が、通信部13を制御して、ステップ133で特定されたカメラ40による撮影の開始を指示する撮影開始指示を、そのカメラ40へ送信する(ステップ134)。
これにより、カメラ40は、撮影を開始し、撮影画像を鍵管理装置10へ送信する。すると、鍵管理装置10では、通信制御部117が、通信部13を制御して、撮影画像をカメラ40から受信する(ステップ135)。
【0037】
一方で、利用者は、ステップ132で収納部24から抜き取ったホルダ31に連結された鍵33でトランクルーム51の部屋55を解錠し、部屋55における用事を終えると、鍵33で部屋55を施錠してホルダ31を返却する。例えば、ホルダ31は、それを抜き取ったのと同じ収納部24にのみ収納することができ、利用者は、そうすることにより鍵33を返却することになる。
【0038】
そこで、鍵管理装置10では、RFID取得部112が、ステップ131で特定された収納部24にホルダ31が収納されたかどうかを判定する(ステップ136)。例えば、RFID取得部112は、収納部24の読取部242からのRFIDの取得状態が、RFIDが取得されない状態から取得される状態に変化したかどうかに基づいて、その収納部24にホルダ31が収納されたかどうかを判定する。
ステップ136で収納部24にホルダ31が収納されていないと判定すれば、RFID取得部112は、ステップ136の処理を繰り返す。
ステップ136で収納部24にホルダ31が収納されたと判定されれば、通信制御部117が、通信部13を制御して、ステップ133で特定されたカメラ40による撮影の終了を指示する撮影終了指示を、そのカメラ40へ送信する(ステップ137)。
【0039】
その後、鍵管理装置10では、滞在検知部113が、ステップ135で受信された撮影画像を解析することにより、トランクルーム51内に人が滞在し続けているかどうかを判定する(ステップ138)。
ステップ138でトランクルーム51内に人が滞在し続けていると判定されれば、通信制御部117が、通信部13を制御して、その旨の報知情報を端末装置60へ送信し(ステップ139)、処理を終了する。
ステップ138でトランクルーム51内に人が滞在し続けていないと判定されれば、鍵管理装置10は、報知情報を端末装置60へ送信することなく、処理を終了する。
【0040】
尚、この動作例では、鍵管理装置10は、ホルダ31が返却された後に、撮影画像により人が残っていることが検知されれば、報知情報を端末装置60へ送信するようにしたが、これには限らない。鍵管理装置10は、撮影画像により人が残っていることが検知されれば、ホルダ31を返却できないように制御してもよい。
また、この動作例では、鍵管理装置10は、撮影画像を解析することにより、トランクルーム51内に人が滞在し続けているかどうかを判定し、トランクルーム51内に人が滞在し続けていると判定すれば警告するようにしたが、これには限らない。鍵管理装置10は、撮影画像を解析することにより、トランクルーム51内の人が不正を疑われる行動をしたかどうかを判定し、不正を疑われる行動をしたと判定すれば警告するようにしてもよい。例えば、鍵管理装置10は、トランクルーム51内に人が持込禁止物(刀やペット等)を持ち込む行動をしたと判定すれば、持込禁止物を持ち込まないよう警告してもよい。
【0041】
[第2の実施の形態]
(鍵管理装置の機能構成)
図7は、第2の実施の形態における鍵管理装置10の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、鍵管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、扉施錠機構14と、錠機構241と、読取部242と、プリンタ25と、読取部263と、表示操作部27と、カードリーダ28とを含む。
【0042】
制御部11は、CPU等の演算回路を備え、記憶部12に記憶された動作プログラムに従って、鍵管理装置10の各部(通信部13、扉施錠機構14、錠機構241、読取部242、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、カードリーダ28等)を制御する。
記憶部12は、ROM、RAM等を備え、制御部11の動作プログラムを記憶し、また、制御部11の制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部11が後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部13は、カメラ40との間で通信回線を通じた情報通信を行う。
扉施錠機構14は、第1の扉21及び第2の扉22を施錠する機構である。扉施錠機構14は、第1の扉21の施錠及び解錠と、第2の扉22の施錠及び解錠とを、異なる条件を用いて行ってもよい。
錠機構241、読取部242、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、及びカードリーダ28については、既に
図2を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
【0043】
ここで、制御部11の構成について具体的に説明する。制御部11は、操作受付部111と、RFID取得部112と、動作決定部114と、通信制御部117と、記憶制御部118と、表示制御部119とを備える。
【0044】
操作受付部111は、利用者が表示操作部27等で行った操作を受け付ける。
具体的には、操作受付部111は、第1の実施の形態で説明した動作に加え、利用者が表示操作部27から入力したホルダ31の利用目的を受け付ける動作も行う。
尚、操作受付部111が受け付けた利用者IDが、トランクルーム51の契約者の利用者IDである場合、ホルダ31の利用目的がトランクルーム51の部屋55の通常の使用であることは明らかである。従って、操作受付部111は、ホルダ31の利用目的の入力を要求せず、ホルダ31の利用目的を受け付けなくてもよい。
一方、操作受付部111が受け付けた利用者IDが、トランクルーム51の契約者の利用者IDでない場合、操作受付部111は、ホルダ31の利用目的の入力を要求し、ホルダ31の利用目的を受け付けるとよい。例えば、操作受付部111が受け付けた利用者IDが、トランクルーム51の運営業者のスタッフの利用者IDである場合、利用目的としては、有人内覧の案内等がある。操作受付部111が受け付けた利用者IDが、トランクルーム51の運営業者以外の業者のスタッフの利用者IDである場合、利用目的としては、トランクルーム51の部屋55の清掃、メンテナンス等がある。操作受付部111が受け付けた利用者IDが、トランクルーム51を契約していない一般の利用者に一時的に払い出された利用者IDである場合、利用目的としては、トランクルーム51の部屋55の無人内覧等がある。
【0045】
RFID取得部112は、第1の実施の形態で説明した動作を行う。
【0046】
動作決定部114は、収納部24からホルダ31が抜き取られたことをRFID取得部112が検知した場合に、ホルダ31に関連付けられたカメラ40を動作させるかどうかを決定する。その際、動作決定部114は、RFID取得部112が抜き取られたことを検知したホルダ31に基づいて、記憶部12に記憶された動作フラグ情報122(後述)を参照することにより、カメラ40を動作させるかどうかを決定するとよい。また、動作決定部114は、操作受付部111が受け付けたホルダ31の利用者の利用者IDに基づいて、記憶部12に記憶された動作フラグ情報122を参照することにより、カメラ40を動作させるかどうかを決定してもよい。更に、動作決定部114は、操作受付部111が受け付けたホルダ31の利用目的に基づいて、記憶部12に記憶された動作フラグ情報122を参照することにより、カメラ40を動作させるかどうかを決定してもよい。本実施の形態では、関連ホルダに関する関連ホルダ情報の一例として、動作フラグ情報122を用いており、各撮影装置を動作させるか否かを、関連ホルダ情報に基づいて切り替える切替部の一例として、動作決定部114を設けている。また、本実施の形態では、関連ホルダを示す情報、関連ホルダを利用する利用者を示す情報、関連ホルダを利用する目的を示す情報の一例として、動作フラグ情報122を用いている。
【0047】
通信制御部117は、通信部13を介してカメラ40へ情報を送信したり、通信部13を介してカメラ40から情報を受信したりする。
具体的には、通信制御部117は、動作決定部114がカメラ40を動作させることを決定した場合に、第1の実施の形態で説明したカメラ40との間で情報を送受信する動作を行う。
【0048】
記憶制御部118は、記憶部12に対するデータの書き込み及び記憶部12からのデータの読み出しを制御する。
具体的には、記憶制御部118は、第1の実施の形態で説明した動作に加え、記憶部12に記憶された動作フラグ情報122(後述)に基づいて、カメラ40を動作させるかを示す動作フラグを特定する動作も行う。例えば、記憶制御部118は、記憶部12に記憶された動作フラグ情報122でホルダ31、ホルダ31の利用者、又はホルダ31の利用目的に関連付けられた動作フラグを取得する。
【0049】
表示制御部119は、表示操作部27に対する情報の表示を制御する。
【0050】
また、記憶部12が記憶する情報について具体的に説明する。記憶部12は、カメラ情報121と、動作フラグ情報122とを記憶する。
カメラ情報121については、第1の実施の形態で述べたので、ここでの説明は省略する。
動作フラグ情報122は、ホルダ31、ホルダ31の利用者、又はホルダ31の利用目的と、カメラ40を動作させるかを示す動作フラグとの関連付けを示す情報である。動作フラグ情報122の具体的な内容については後述する。
【0051】
(動作フラグ情報の具体的内容)
図8(a)は、動作フラグ情報122の第1の例である動作フラグ情報122aを示した図である。図示するように、動作フラグ情報122aは、RFIDと、動作フラグとを対応付けたものとなっている。
RFIDは、ホルダ31の識別情報である。
動作フラグは、対応するRFIDのホルダ31が抜き取られた場合にカメラ40を動作させるかどうかを示すフラグである。動作フラグ「ON」はカメラ40を動作させることを示し、動作フラグ「OFF」はカメラ40を動作させないことを示す。
図には、RFID「12345678」、「23456789」のホルダ31が抜き取られた場合にはカメラ40を動作させることが示されている。例えば、RFID「12345678」、「23456789」のホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋55が、一般の利用者によって契約されている場合に、このような登録がなされる。
また、図には、RFID「34567891」のホルダ31が抜き取られた場合にはカメラ40を動作させないことも示されている。例えば、RFID「34567891」のホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋が、一般の利用者によって契約されていない場合に、このような登録がなされる。
【0052】
図8(b)は、動作フラグ情報122の第2の例である動作フラグ情報122bを示した図である。図示するように、動作フラグ情報122bは、利用者IDと、動作フラグとを対応付けたものとなっている。
利用者IDは、ホルダ31を利用する利用者の識別情報である。ここでは、利用者を、トランクルーム51を契約している一般の利用者以外の利用者とする。
動作フラグは、対応する利用者IDの利用者がホルダ31を抜き取った場合にカメラ40を動作させるかどうかを示すフラグである。動作フラグ「ON」はカメラ40を動作させることを示し、動作フラグ「OFF」はカメラ40を動作させないことを示す。
図には、利用者ID「U01」の利用者がホルダ31を抜き取った場合にはカメラ40を動作させないことが示されている。例えば、利用者ID「U01」の利用者が、トランクルーム51の運営事業者のスタッフである場合に、このような登録がなされる。
また、図には、利用者ID「U02」、「U03」の利用者がホルダ31を抜き取った場合にはカメラ40を動作させることも示されている。例えば、利用者ID「U02」、「U03」の利用者が、トランクルーム51の運営事業者のスタッフ以外の利用者である場合に、このような登録がなされる。尚、そのような利用者としては、トランクルーム51の運営事業者以外の事業者のスタッフ、トランクルーム51を契約していない一般の利用者等が例示される。
【0053】
図8(c)は、動作フラグ情報122の第3の例である動作フラグ情報122cを示した図である。図示するように、動作フラグ情報122cは、利用目的と、動作フラグとを対応付けたものとなっている。
利用目的は、利用者がホルダ31を利用する際の目的である。ここでは、利用者を、トランクルーム51の運営業者のスタッフ以外の利用者とする。
動作フラグは、対応する利用目的で利用者がホルダ31を抜き取った場合にカメラ40を動作させるかどうかを示すフラグである。動作フラグ「ON」はカメラ40を動作させることを示し、動作フラグ「OFF」はカメラ40を動作させないことを示す。
図には、利用目的「清掃」、「メンテナンス」で利用者がホルダ31を抜き取った場合にはカメラ40を動作させないことが示されている。
また、図には、利用目的「無人内覧」で利用者がホルダ31を抜き取った場合にはカメラ40を動作させることも示されている。
【0054】
(鍵管理装置の動作)
図9は、第2の実施の形態における鍵管理装置10の動作例を示したフローチャートである。尚、ここでも、鍵管理装置10は、収納部24からホルダ31が抜き取られると撮影開始指示をカメラ40へ送信し、収納部24にホルダ31が収納されると撮影終了指示をカメラ40へ送信する場合を例にとって説明する。
【0055】
鍵管理装置10では、まず、操作受付部111が、例えば利用者が表示操作部27上で入力した利用者ID及び利用目的を受け付ける(ステップ151)。これにより、利用者が抜き取るべきホルダ31が収納された収納部24が特定される。例えば、利用者がトランクルーム51の契約者である場合、各利用者と各利用者が契約しているトランクルーム51の部屋55との対応関係に基づいて、収納部24は特定される。尚、この場合、利用目的がトランクルーム51の部屋55の通常の利用であることは明らかなので、利用目的は入力されなくてもよい。また、利用者がトランクルーム51の契約者でなければ、各利用者と各利用者が使用を予定するトランクルーム51の部屋55との対応関係に基づいて、収納部24は特定される。すると、特定された収納部24は利用者に知らされ、利用者は、その収納部24からホルダ31を抜き取ることになる。
【0056】
そこで、鍵管理装置10では、RFID取得部112が、収納部24からホルダ31が抜き取られたかどうかを判定する(ステップ152)。例えば、RFID取得部112は、収納部24の読取部242からのRFIDの取得状態が、RFIDが取得される状態から取得されない状態に変化したかどうかに基づいて、その収納部24からホルダ31が抜き取られたかどうかを判定する。
ステップ152で収納部24からホルダ31が抜き取られていないと判定すれば、RFID取得部112は、ステップ152の処理を繰り返す。
ステップ152で収納部24からホルダ31が抜き取られたと判定されれば、記憶制御部118が、記憶部12に記憶された動作フラグ情報122から動作フラグを取得する(ステップ153)。例えば、
図8(a)の動作フラグ情報122aが記憶部12に記憶されていれば、記憶制御部118は、ステップ152で抜き取られたホルダ31に関連付けられた動作フラグを取得するとよい。
図8(b)の動作フラグ情報122bが記憶部12に記憶されていれば、記憶制御部118は、ステップ151で受け付けた利用者IDに関連付けられた動作フラグを取得するとよい。
図8(c)の動作フラグ情報122cが記憶部12に記憶されていれば、記憶制御部118は、ステップ151で受け付けた利用目的に関連付けられた動作フラグを取得するとよい。
【0057】
次に、鍵管理装置10では、動作決定部114が、ステップ153で取得された動作フラグが「ON」であるかどうかを判定する(ステップ154)。
ステップ154で動作フラグが「ON」であると判定されれば、記憶制御部118が、そのホルダ31に関連付けられたカメラ40を特定する(ステップ155)。具体的には、記憶制御部118は、記憶部12に記憶されたカメラ情報121を参照して、そのホルダ31のRFIDに対応付けられたカメラIDを取得することにより、カメラ40を特定する。
【0058】
次に、鍵管理装置10では、通信制御部117が、通信部13を制御して、ステップ155で特定されたカメラ40による撮影の開始を指示する撮影開始指示を、そのカメラ40へ送信する(ステップ156)。
これにより、カメラ40は、撮影を開始し、撮影画像を鍵管理装置10へ送信する。すると、鍵管理装置10では、通信制御部117が、通信部13を制御して、撮影画像をカメラ40から受信する(ステップ157)。
【0059】
一方で、利用者は、ステップ152で収納部24から抜き取ったホルダ31に連結された鍵33でトランクルーム51の部屋55を解錠し、部屋55における用事を終えると、鍵33で部屋55を施錠してホルダ31を返却する。例えば、ホルダ31は、それを抜き取ったのと同じ収納部24にのみ収納することができ、利用者は、そうすることにより鍵33を返却することになる。
【0060】
そこで、鍵管理装置10では、RFID取得部112が、ステップ151で特定された収納部24にホルダ31が収納されたかどうかを判定する(ステップ158)。例えば、RFID取得部112は、収納部24の読取部242からのRFIDの取得状態が、RFIDが取得されない状態から取得される状態に変化したかどうかに基づいて、その収納部24にホルダ31が収納されたかどうかを判定する。
ステップ158で収納部24にホルダ31が収納されていないと判定すれば、RFID取得部112は、ステップ158の処理を繰り返す。
ステップ158で収納部24にホルダ31が収納されたと判定されれば、通信制御部117が、通信部13を制御して、ステップ155で特定されたカメラ40による撮影の終了を指示する撮影終了指示を、そのカメラ40へ送信し(ステップ159)、処理を終了する。
【0061】
一方、ステップ154で動作フラグが「ON」でないと判定されれば、鍵管理装置10は、ステップ155~159の処理を実行することなく、処理を終了する。
【0062】
本実施の形態では、ホルダ31、ホルダ31の利用者、又はホルダ31の利用目的によって、カメラ40を動作させるかどうかを切り替えたが、これには限らない。例えば、ホルダ31を利用する時間帯によって、カメラ40を動作させるかどうかを切り替えてもよい。或いは、鍵管理装置毎に、カメラ40を動作させるかどうかを切り替えてもよい。
【0063】
[第3の実施の形態]
(鍵管理装置の機能構成)
図10は、第3の実施の形態における鍵管理装置10の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、鍵管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、扉施錠機構14と、錠機構241と、読取部242と、プリンタ25と、読取部263と、表示操作部27と、カードリーダ28とを含む。
【0064】
制御部11は、CPU等の演算回路を備え、記憶部12に記憶された動作プログラムに従って、鍵管理装置10の各部(通信部13、扉施錠機構14、錠機構241、読取部242、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、カードリーダ28等)を制御する。
記憶部12は、ROM、RAM等を備え、制御部11の動作プログラムを記憶し、また、制御部11の制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部11が後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部13は、カメラ40又は端末装置60との間で通信回線を通じた情報通信を行う。
扉施錠機構14は、第1の扉21及び第2の扉22を施錠する機構である。扉施錠機構14は、第1の扉21の施錠及び解錠と、第2の扉22の施錠及び解錠とを、異なる条件を用いて行ってもよい。
錠機構241、読取部242、プリンタ25、読取部263、表示操作部27、及びカードリーダ28については、既に
図2を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
【0065】
ここで、制御部11の構成について具体的に説明する。制御部11は、操作受付部111と、RFID取得部112と、滞在時間算出部115と、滞在時間比較部116と、通信制御部117と、記憶制御部118と、表示制御部119とを備える。
【0066】
操作受付部111は、利用者が表示操作部27等で行った操作を受け付ける。
具体的には、操作受付部111は、第2の実施の形態で説明した動作に加え、利用者が表示操作部27から入力したトランクルーム51の部屋55における滞在可能時間を受け付ける動作を行ってもよい。
【0067】
RFID取得部112は、第1の実施の形態で説明した動作を行う。
【0068】
滞在時間算出部115は、通信制御部117が後述するようにカメラ40から受信した撮影画像を解析することにより、トランクルーム51内における人の実際の滞在時間を算出する。例えば、滞在時間算出部115は、トランクルーム51の部屋55に人が入る場面を撮影した撮影画像を特定し、この撮影画像に付加された撮影時刻を取得する。そして、滞在時間算出部115は、現在時刻からこの撮影時刻を減算することにより、部屋55における人の実際の滞在時間を算出する。尚、滞在検知部113は、撮影画像の解析を、通信制御部117がカメラ40から受信した撮影画像を受け取りながらリアルタイムに行ってもよいし、通信制御部117がカメラ40から受信した撮影画像を一定時間分受け取る都度行ってもよい。本実施の形態では、関連ホルダが保持する鍵を使ってアクセス可能なエリアの一例として、トランクルーム51の部屋55を用いている。本実施の形態では、利用者の実際の滞在時間である実滞在時間の一例として、人の実際の滞在時間を用いている。本実施の形態では、各撮影装置が撮影した画像に基づいて、エリアにおける実滞在時間を取得する実滞在時間取得部の一例として、滞在時間算出部115を設けている。
【0069】
滞在時間比較部116は、滞在時間算出部115が算出した実際の滞在時間を、記憶制御部118が後述するように記憶部12から読み出した滞在可能時間と比較する。そして、滞在時間比較部116は、実際の滞在時間が滞在可能時間を超えると、その旨を通信制御部117に伝える。
【0070】
通信制御部117は、通信部13を介してカメラ40又は端末装置60へ情報を送信したり、通信部13を介してカメラ40又は端末装置60から情報を受信したりする。
具体的には、通信制御部117は、第1の実施の形態で説明したカメラ40との間で情報を送受信する動作を行う。
また、通信制御部117は、滞在時間算出部115が撮影画像を解析して得たトランクルーム51内における人の実際の滞在時間に基づいて、外部へ報知すべき報知情報を生成し、この報知情報を端末装置60へ送信する。本実施の形態では、実滞在時間取得部により取得された実滞在時間に基づく報知情報を、外部へ報知する報知部の一例として、通信制御部117のこの機能を設けている。
例えば、通信制御部117は、滞在時間比較部116が、トランクルーム51内における人の実際の滞在時間を、記憶制御部118が後述するように記憶部12から読み出した滞在可能時間と比較した比較結果を示す報知情報を、端末装置60へ送信する。本実施の形態では、実滞在時間取得部により取得された実滞在時間と、基準滞在時間取得部により取得された基準滞在時間との比較に関する比較情報の一例として、比較結果を用いている。そして、本実施の形態では、比較情報を、報知情報として外部へ報知する報知部の一例として、通信制御部117のこの機能を設けている。
また、通信制御部117は、滞在時間比較部116が、トランクルーム51内における人の実際の滞在時間が、記憶制御部118が後述するように記憶部12から読み出した滞在可能時間を超えた場合に、その旨の報知情報を端末装置60へ送信する。本実施の形態では、実滞在時間取得部により取得された実滞在時間が、基準滞在時間取得部により取得された基準滞在時間を超過した場合に、その旨を、比較情報として外部へ報知する報知部の一例として、通信制御部117のこの機能を設けている。
【0071】
記憶制御部118は、記憶部12に対するデータの書き込み及び記憶部12からのデータの読み出しを制御する。
具体的には、記憶制御部118は、第1の実施の形態で説明した動作に加え、記憶部12に記憶された滞在可能時間情報123(後述)に基づいて、トランクルーム51の部屋55における滞在可能時間を特定する動作も行う。例えば、記憶制御部118は、記憶部12に記憶された滞在可能時間情報123でホルダ31、ホルダ31の利用者、又はホルダ31の利用目的に関連付けられた滞在可能時間を取得する。本実施の形態では、エリアにおける利用者の基準の滞在時間である基準滞在時間の一例として、滞在可能時間を用いており、基準滞在時間を取得する基準滞在時間取得部の一例として、記憶制御部118のこの機能を設けている。また、本実施の形態では、関連ホルダに対して設定された基準滞在時間、関連ホルダを利用する利用者に対して設定された基準滞在時間、関連ホルダを利用する目的に対して設定された基準滞在時間の一例として、滞在可能時間を用いている。
また、記憶制御部118は、操作受付部111が滞在可能時間を受け付けた場合は、この滞在可能時間を、記憶部12に記憶された滞在可能時間情報123(後述)における滞在可能時間として設定する。或いは、記憶制御部118は、図示しない予約システムにて予約した時間を、記憶部12に記憶された滞在可能時間情報123における滞在可能時間として設定してもよい。本実施の形態では、利用者の操作に応じて、基準滞在時間を設定する設定部の一例として、記憶制御部118のこの機能を設けている。
【0072】
表示制御部119は、表示操作部27に対する情報の表示を制御する。
【0073】
また、記憶部12が記憶する情報について具体的に説明する。記憶部12は、カメラ情報121と、滞在可能時間情報123とを記憶する。
カメラ情報121については、第1の実施の形態で述べたので、ここでの説明は省略する。
滞在可能時間情報123は、ホルダ31、ホルダ31の利用者、又はホルダ31の利用目的と、トランクルーム51の部屋55における滞在可能時間との関連付けを示す情報である。滞在可能時間情報123の具体的な内容については後述する。
【0074】
尚、この機能構成例では、滞在時間算出部115及び滞在時間比較部116の両方が鍵管理装置10に組み込まれることとしたが、これには限らない。例えば、滞在時間算出部115は、カメラ40に組み込まれてもよい。また、滞在時間比較部116は、カメラ40に組み込まれてもよいし、鍵管理装置10及びカメラ40とは別のコンピュータに組み込まれてもよい。
【0075】
(滞在可能時間情報の具体的内容)
図11(a)は、滞在可能時間情報123の第1の例である滞在可能時間情報123aを示した図である。図示するように、滞在可能時間情報123aは、RFIDと、滞在可能時間とを対応付けたものとなっている。
RFIDは、ホルダ31の識別情報である。
滞在可能時間は、対応するRFIDのホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋55に滞在することが可能な時間である。
図には、RFID「12345678」、「23456789」のホルダ31が抜き取られた場合には部屋55に60分間滞在できることが示されている。例えば、RFID「12345678」、「23456789」のホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋55を契約している利用者の契約レベルが高い場合に、このような登録がなされる。
また、図には、RFID「34567891」のホルダ31が抜き取られた場合には部屋55に30分間滞在できることも示されている。例えば、RFID「34567891」のホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋を契約している利用者の契約レベルが低い場合に、このような登録がなされる。
【0076】
図11(b)は、滞在可能時間情報123の第2の例である滞在可能時間情報123bを示した図である。図示するように、滞在可能時間情報123bは、利用者IDと、滞在可能時間とを対応付けたものとなっている。
利用者IDは、ホルダ31を利用する利用者の識別情報である。ここでは、利用者を、トランクルーム51を契約している一般の利用者以外の利用者とする。
滞在可能時間は、対応する利用者IDの利用者がホルダ31を抜き取った場合にホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋55に滞在することが可能な時間である。
図には、利用者ID「U01」の利用者がホルダ31を抜き取った場合には部屋55に120分間滞在できることが示されている。例えば、利用者ID「U01」の利用者が、トランクルーム51の運営事業者のスタッフである場合に、このような登録がなされる。
また、図には、利用者ID「U02」の利用者がホルダ31を抜き取った場合には部屋55に60分間滞在できることも示されている。例えば、利用者ID「U02」の利用者が、トランクルーム51の運営事業者以外の事業者のスタッフである場合に、このような登録がなされる。
更に、図には、利用者ID「U03」の利用者がホルダ31を抜き取った場合には部屋55に30分間滞在できることも示されている。例えば、利用者ID「U03」の利用者が、トランクルーム51を契約していない一般の利用者である場合に、このような登録がなされる。
【0077】
図11(c)は、滞在可能時間情報123の第3の例である滞在可能時間情報123cを示した図である。図示するように、滞在可能時間情報123cは、利用目的と、滞在可能時間とを対応付けたものとなっている。
利用目的は、利用者がホルダ31を利用する際の目的である。ここでは、利用者を、トランクルーム51の運営業者のスタッフ以外の利用者とする。
滞在可能時間は、対応する利用目的で利用者がホルダ31を抜き取った場合にホルダ31に連結された鍵33で解錠される部屋55に滞在することが可能な時間である。
図には、利用目的「清掃」、「メンテナンス」で利用者がホルダ31を抜き取った場合には部屋55に60分間滞在できることが示されている。
また、図には、利用目的「無人内覧」で利用者がホルダ31を抜き取った場合には部屋55に30分間滞在できることも示されている。
【0078】
(鍵管理装置の動作)
図12は、第3の実施の形態における鍵管理装置10の動作例を示したフローチャートである。尚、ここでも、鍵管理装置10は、収納部24からホルダ31が抜き取られると撮影開始指示をカメラ40へ送信し、収納部24にホルダ31が収納されると撮影終了指示をカメラ40へ送信する場合を例にとって説明する。
【0079】
鍵管理装置10では、まず、操作受付部111が、例えば利用者が表示操作部27上で入力した利用者ID及び利用目的を受け付ける(ステップ171)。これにより、利用者が抜き取るべきホルダ31が収納された収納部24が特定される。例えば、利用者がトランクルーム51の契約者である場合、各利用者と各利用者が契約しているトランクルーム51の部屋55との対応関係に基づいて、収納部24は特定される。尚、この場合、利用目的がトランクルーム51の部屋55の通常の利用であることは明らかなので、利用目的は入力されなくてもよい。また、利用者がトランクルーム51の契約者でなければ、各利用者と各利用者が使用を予定するトランクルーム51の部屋55との対応関係に基づいて、収納部24は特定される。すると、特定された収納部24は利用者に知らされ、利用者は、その収納部24からホルダ31を抜き取ることになる。
【0080】
そこで、鍵管理装置10では、RFID取得部112が、収納部24からホルダ31が抜き取られたかどうかを判定する(ステップ172)。例えば、RFID取得部112は、収納部24の読取部242からのRFIDの取得状態が、RFIDが取得される状態から取得されない状態に変化したかどうかに基づいて、その収納部24からホルダ31が抜き取られたかどうかを判定する。
ステップ172で収納部24からホルダ31が抜き取られていないと判定すれば、RFID取得部112は、ステップ172の処理を繰り返す。
ステップ172で収納部24からホルダ31が抜き取られたと判定されれば、記憶制御部118が、記憶部12に記憶された滞在可能時間情報123から滞在可能時間を取得する(ステップ173)。例えば、
図11(a)の滞在可能時間情報123aが記憶部12に記憶されていれば、記憶制御部118は、ステップ172で抜き取られたホルダ31に関連付けられた滞在可能時間を取得するとよい。
図11(b)の滞在可能時間情報123bが記憶部12に記憶されていれば、記憶制御部118は、ステップ171で受け付けた利用者IDに関連付けられた滞在可能時間を取得するとよい。
図11(c)の滞在可能時間情報123cが記憶部12に記憶されていれば、記憶制御部118は、ステップ171で受け付けた利用目的に関連付けられた滞在可能時間を取得するとよい。
【0081】
次に、鍵管理装置10では、記憶制御部118が、ステップ172で抜き取られたホルダ31に関連付けられたカメラ40を特定する(ステップ174)。具体的には、記憶制御部118は、記憶部12に記憶されたカメラ情報121を参照して、そのホルダ31のRFIDに対応付けられたカメラIDを取得することにより、カメラ40を特定する。
【0082】
次に、鍵管理装置10では、通信制御部117が、通信部13を制御して、ステップ174で特定されたカメラ40による撮影の開始を指示する撮影開始指示を、そのカメラ40へ送信する(ステップ175)。
これにより、カメラ40は、撮影を開始し、撮影画像を鍵管理装置10へ送信する。すると、鍵管理装置10では、通信制御部117が、通信部13を制御して、撮影画像をカメラ40から受信する(ステップ176)。
【0083】
一方で、利用者は、ステップ172で収納部24から抜き取ったホルダ31に連結された鍵33でトランクルーム51の部屋55を解錠し、部屋55における用事を終えると、鍵33で部屋55を施錠してホルダ31を返却する。例えば、ホルダ31は、それを抜き取ったのと同じ収納部24にのみ収納することができ、利用者は、そうすることにより鍵33を返却することになる。
【0084】
そこで、鍵管理装置10では、RFID取得部112が、ステップ171で特定された収納部24にホルダ31が収納されたかどうかを判定する(ステップ177)。例えば、RFID取得部112は、収納部24の読取部242からのRFIDの取得状態が、RFIDが取得されない状態から取得される状態に変化したかどうかに基づいて、その収納部24にホルダ31が収納されたかどうかを判定する。
ステップ177で収納部24にホルダ31が収納されていないと判定すれば、滞在時間算出部115が、ステップ176で受信された撮影画像を解析することにより、トランクルーム51内における人の実際の滞在時間を算出する(ステップ178)。そして、滞在時間比較部116が、ステップ178で算出された実際の滞在時間が、ステップ173で取得された滞在可能時間を超えたかどうかを判定する(ステップ179)。
ステップ179で実際の滞在時間が滞在可能時間を超えていないと判定されれば、鍵管理装置10は、処理をステップ177へ戻す。
ステップ179で実際の滞在時間が滞在可能時間を超えたと判定されれば、通信制御部117が、通信部13を制御して、その旨の報知情報を端末装置60へ送信し(ステップ180)、処理を終了する。
【0085】
一方、ステップ177で収納部24にホルダ31が収納されたと判定されれば、通信制御部117が、通信部13を制御して、ステップ174で特定されたカメラ40による撮影の終了を指示する撮影終了指示を、そのカメラ40へ送信し(ステップ181)、処理を終了する。
【0086】
[効果]
本実施の形態では、ホルダ31にカメラ40を紐付けておき、ホルダ31を抜き取り又は収納に応じて、カメラ40による撮影を行うようにした。これにより、エリア内での不正行動や不正滞在を抑止することが可能となった。
【0087】
[変形例]
上記では、収納部24を、ホルダ31を挿入することにより収納するタイプのものとして説明したが、これには限らない。収納部24は、例えば特開2021-75852号公報に示されるような、ホルダ31を筐体内に収容することにより収納するタイプのものであってもよい。
上記では、鍵33は、物理鍵を想定して説明したが、物理鍵に限らず、カードキーやデジタルキーであってもよい。
【0088】
上記では言及しなかったが、ホルダ31が正常状態で返却されれば撮影画像を削除し、ホルダ31が異常状態で返却されれば撮影画像を保存するようにしてもよい。ここで、異常状態には、ホルダ31の遅延返却、ホルダ31の貸出中の不審行動や不正滞在の検知、ホルダ31に連結された鍵33で解錠されたエリアにおける対象物の異常状態の検知(例えば、対象物がなくなったこと)等が含まれる。
上記では言及しなかったが、収納部24からホルダ31を抜き取る際に鍵管理装置10に設けられたカメラ(図示せず)で利用者の顔画像を撮影しておき、この顔画像を各カメラ40の撮影画像に映った顔画像と比較するようにしてもよい。
上記では、鍵管理装置10をトランクルーム51に設置することとしたが、これには限らない。鍵管理装置10で管理される鍵33で解錠されるエリアのセキュリティが重要となる施設に設置される鍵管理装置10であれば、如何なる鍵管理装置10にも適用可能である。
【符号の説明】
【0089】
1…鍵管理システム、10…鍵管理装置、11…制御部、12…記憶部、13…通信部、14…扉施錠機構、24…収納部、25…プリンタ、26…鍵交換部、27…表示操作部、28…カードリーダ、40…カメラ、60…端末装置