(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181637
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】販売データ処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20231218BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
G07G1/12 361D
G07G1/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094879
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 秀明
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142BA11
3E142DA04
3E142EA04
3E142FA36
3E142FA42
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、小売事業者等がインボイス制度に容易に対応できることを可能とする販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の販売データ処理装置は、入力された商品識別情報に基づいて商品登録を行うものであって、商品登録された商品のうち、内税商品の合計の課税対象額を適用される税率毎にそれぞれ算出する第1の課税対象額算出部と、外税商品の課税対象額を適用される税率毎にそれぞれ算出する第2の課税対象額算出部と、前記第1の課税対象額算出部および前記第2の課税対象額算出部が算出した課税対象額を前記税率毎にそれぞれ集計する集計部と、前記集計部が集計した課税対象額に対する税額を前記税率毎にそれぞれ算出する税額算出部と、を備える。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、
価格を含む商品情報と前記商品識別情報とを対応付けて記憶する商品情報記憶部から、前記入力部に入力された商品識別情報に対応する商品情報を登録して商品登録を行う登録部と、
前記登録部によって商品登録された商品のうち、前記商品情報記憶部に記憶された価格が消費税を含む税込価格である内税商品の合計の課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する第1の課税対象額算出部と、
前記登録部によって商品登録された商品のうち、前記商品情報記憶部に記憶された価格が消費税を含まない税抜価格である外税商品の当該価格の合計である課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する第2の課税対象額算出部と、
前記第1の課税対象額算出部および前記第2の課税対象額算出部が算出した課税対象額を前記税率毎にそれぞれ集計する集計部と、
前記集計部が集計した課税対象額に対する税額を前記税率毎にそれぞれ算出する税額算出部と、
を備えた販売データ処理装置。
【請求項2】
前記集計部が集計した課税対象額に基づく対価の額と、前記税額算出部が算出した税額とを前記税率で対応付けたレシートを発行する発行部をさらに備える、
請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
取引された商品の前記商品情報を含む取引データを外部装置に出力する出力部をさらに備える、
請求項2に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
消費者を識別する消費者識別情報を受付ける受付部と、
前記取引データと前記消費者識別情報とを対応付けて記憶する取引情報記憶部から、前記受付部が受付けた消費者識別情報に対応する指定期間の取引データを取得する取得部と、をさらに備え、
前記第1の課税対象額算出部は、前記取得部が取得した取引データに含まれる商品のうち、前記内税商品の合計の課税対象額を適用される税率毎にそれぞれ算出し、
前記第2の課税対象額算出部は、前記取得部が取得した取引データに含まれる商品のうち、前記外税商品の前記価格の合計である課税対象額を適用される税率毎にそれぞれ算出し、
前記集計部は、前記第1の課税対象額算出部および前記第2の課税対象額算出部が算出した課税対象額を前記税率毎にそれぞれ集計し、
前記税額算出部は、前記集計部が集計した課税対象額に対する税額を前記税率毎にそれぞれ算出する、
請求項3に記載の販売データ処理装置。
【請求項5】
前記発行部は、前記指定期間の取引に係る請求書であって、前記集計部が集計した課税対象額に基づく対価の額と前記税額算出部が算出した税額と、を前記税率で対応付けた請求書を発行する、
請求項4に記載の販売データ処理装置。
【請求項6】
販売データ処理装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、
価格を含む商品情報と前記商品識別情報とを対応付けて記憶する商品情報記憶部から、前記入力部に入力された商品識別情報に対応する商品情報を登録して商品登録を行う登録部と、
前記登録部によって商品登録された商品のうち、前記商品情報記憶部に記憶された価格が消費税を含む税込価格である内税商品の合計の課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する第1の課税対象額算出部と、
前記登録部によって商品登録された商品のうち、前記商品情報記憶部に記憶された価格が消費税を含まない税抜価格である外税商品の当該価格の合計である課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する第2の課税対象額算出部と、
前記第1の課税対象額算出部および前記第2の課税対象額算出部が算出した課税対象額を前記税率毎にそれぞれ集計する集計部と、
前記集計部が集計した課税対象額に対する税額を前記税率毎にそれぞれ算出する税額算出部と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆる内税商品と外税商品とを扱う店舗が発行するレシートは、内税商品の合計の金額情報と、外税商品の合計の金額情報とを分けて印字するものであった(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、取引における消費税額と消費税率を正確に把握することを目的とした適格請求書等保存方式(以下、「インボイス制度」ともいう)の導入が検討されている。インボイス制度では、売り手は買い手の要求に応じて所定の事項を記載した適格請求書を発行する必要がある。また、インボイス制度では、不特定多数の者に対して販売等を行う事業者(以下、「小売業者等」ともいう)は、適格請求書に代えて適格簡易請求書を交付することができる。
【0004】
上記適格簡易請求書は、所定の事項を記載したレシートとすることができる。このため、小売事業者等がインボイス制度に容易に対応できるように、適格簡易請求書の要件を満たすレシートの発行が望まれている。レシートが適格簡易請求書の要件を満たすためには、内税商品、外税商品を含めて税率毎に区分して、対価や消費税額などを印字する必要があり、上記従来のレシートの印字内容では対応できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、小売事業者等がインボイス制度に容易に対応できることを可能とする販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の販売データ処理装置は、商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、価格を含む商品情報と前記商品識別情報とを対応付けて記憶する商品情報記憶部から、前記入力部に入力された商品識別情報に対応する商品情報を登録して商品登録を行う登録部と、前記登録部によって商品登録された商品のうち、前記商品情報記憶部に記憶された価格が消費税を含む税込価格である内税商品の合計の課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する第1の課税対象額算出部と、前記登録部によって商品登録された商品のうち、前記商品情報記憶部に記憶された価格が消費税を含まない税抜価格である外税商品の当該価格の合計である課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する第2の課税対象額算出部と、前記第1の課税対象額算出部および前記第2の課税対象額算出部が算出した課税対象額を前記税率毎にそれぞれ集計する集計部と、前記集計部が集計した課税対象額に対する税額を前記税率毎にそれぞれ算出する税額算出部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の販売データ処理装置を含む店舗システムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態のPOS端末の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶される商品マスタのデータ構成を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶される税種別管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶される処理区分設定ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態のPOS端末の記憶部に記憶される対価印字設定ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態のPOS端末の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態のサーバ装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される会員マスタのデータ構成を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される取引情報管理ファイルのデータ構成を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態のサーバ装置の制御部の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施形態の店舗システムの動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態のPOS端末の制御部による算出処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、実施形態のPOS端末の制御部によるレシート発行処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態のPOS端末が発行するフォーマット1のレシートを示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態のPOS端末が発行するフォーマット2のレシートを示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態のPOS端末の制御部による取引データ算出処理の流れを示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、実施形態のPOS端末の制御部による適格請求書発行処理の流れを示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施形態のPOS端末が発行する適格請求書を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態の販売データ処理装置およびプログラムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態ではPOS端末2が発行するレシートを紙レシートとした例について説明するが、レシートは当該紙レシートに記載される情報を電子化した電子レシートとしてもよい。同様に、請求書も紙媒体に印字されたものに限らず、電子化されたものであってもよい。また、以下に説明する実施形態では、商品を販売する店舗が管理する店舗サーバをサーバ装置とした例について説明するが、これに限らない。サーバ装置は、複数の店舗を運営する企業の本部で管理される本部サーバなどであってもよい。
【0009】
図1は、実施形態の店舗システム1の概略を示す図である。本実施形態の店舗システム1は、例えば、アパレル商品など特定のジャンルの商品を中心に販売する専門店や、スーパーマーケットなどの量販店に適用される。店舗システム1は、複数のPOS(Point Of Sales)端末2と、サーバ装置3とを有する。各POS端末2とサーバ装置3とはLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0010】
POS端末2は、店員が商品登録および会計処理に係る操作を行うものである。POS端末2は、店員の操作によって、消費者が購入する商品の商品コードを読取り、読取った商品コードに基づいて取得した商品情報を記憶することによって商品登録を実行する。また、POS端末2は、商品登録された情報に基づいて会計処理を実行する。
【0011】
会計処理は、消費者が支払を行うための処理であって、算出処理、決済処理、レシート発行処理を含む。算出処理は、消費税(以下、単に「税」ともいう)を含む取引金額を算出する処理である。決済処理は、算出処理にて算出された取引金額の支払を完了させるための処理で、現金決済においては釣銭の算出および払出等、キャッシュレス決済においては決済用サーバとの通信等を含む。レシート発行処理は、紙レシートあるいは電子レシートを発行するための処理である。
【0012】
また、POS端末2は、決済処理が完了した取引の取引データをサーバ装置3に送信する。取引データは、取引日時、取引No、取引金額、購入された商品の商品情報等を含む。商品情報の詳細については、後述する。POS端末2は、販売データ処理装置の一例である。なお、POS端末2は、消費者が商品登録および会計処理に係る操作を行うセルフPOS端末、店員が商品登録に係る操作を行う登録装置と消費者が会計処理に係る操作を行う会計装置とを備えたセミセルフPOSであってもよい。
【0013】
サーバ装置3は、POS端末2から、決済処理にて決済された取引データを受信して管理する。また、サーバ装置3は、店舗で扱う商品の商品情報を記憶した商品マスタを適宜更新し、各POS端末2に送信する。
【0014】
次に、POS端末2について詳細に説明する。
図2は、POS端末2の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末2は、制御部20と、記憶部21と、表示部22と、操作部23と、スキャナ24と、プリンタ25と、カードリーダ26と、釣銭機27と、通信部28と、を備えている。制御部20、記憶部21、表示部22、操作部23、スキャナ24、プリンタ25、カードリーダ26、釣銭機27、および通信部28は、バス29等を介して互いに接続されている。
【0015】
制御部20は、CPU201(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータ構成となっている。CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス29を介して互いに接続されている。
【0016】
CPU201はPOS端末2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202や記憶部21に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶されてRAM203に展開された制御プログラムに従って動作することによって、POS端末2の各種制御処理を実行する。
【0017】
また、RAM203は、登録情報部2031を備える。登録情報部2031は、消費者が購入する商品の商品情報を記憶する。登録情報部2031に記憶される商品情報は、例えば、スキャナ24が商品に付されたコードシンボルから読取った商品コードに基づいて記憶部21から読み出される。登録情報部2031に商品情報が記憶(登録)されることを商品登録ともいう。
【0018】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部21は、制御プログラム211、商品マスタ212、税種別管理ファイル213、処理区分設定ファイル214、対価印字設定ファイル215、および登録番号216を記憶する。
【0019】
制御プログラム211は、スキャナ24で読取られた商品コードに基づいて商品登録を行うためのプログラム、登録情報部2031に記憶された情報に基づいて一取引の決済処理を行うためのプログラム、適格簡易請求書の要件を満たすレシートを発行するためのプログラム、サーバ装置3と各種情報を送受信するためのプログラムなどである。
【0020】
商品マスタ212は、店舗が販売する商品の商品情報を記憶したマスタファイルであり、サーバ装置3から受信して記憶される。店舗で扱う商品は日々変化するため、商品マスタ212は適宜更新される。
図3は、商品マスタ212のデータ構成を示す図である。商品マスタ212は、商品コードに対応付けて、商品名、価格、税種別コードを記憶する。商品マスタ212は、商品情報記憶部の一例である。なお、商品マスタ212は、記憶部21に記憶されていなくてもよい。この場合、POS端末2は、サーバ装置3に記憶された商品マスタ314(
図8参照)を参照することで、商品マスタ212を保持する構成と同様に商品マスタ314を取り扱うことができる。
【0021】
商品コードは、商品を識別するもので、商品識別情報の一例である。商品名は、商品の名称である。価格は、商品の価格である。価格には、店舗の運用等により、本体価格(課税対象額)と税額とを含む税込価格、あるいは本体価格のみの税抜価格を登録することができる。例えば、一般的な商品は税抜価格、たばこ等は税込価格とすることができる。本明細書において、価格に税込価格が登録された商品を「内税商品」、価格に税抜価格が登録された商品を「外税商品」という。税種別コードは、適用される税種別および税率を特定するコードである。
【0022】
税種別管理ファイル213は、店舗が販売する商品に適用される税種別を管理するファイルである。
図4は、税種別管理ファイル213のデータ構成を示す図である。税種別管理ファイル213は、税種別コードに対応付けて、種別および税率を記憶する。
【0023】
税種別コードは、上述したとおりである。種別は、適用される税の種別を示すもので、内税、外税、非課税のいずれかが設定される。税率には、標準税率(10%)、軽減税率(8%)、あるいは税率0%が登録される。例えば、商品券などの非課税商品については税率0%が登録される。なお、税率については、税制が変更された場合、変更に応じた税率を登録可能である。
【0024】
処理区分設定ファイル214は、POS端末2の処理区分を設定するためのファイルである。
図5は、処理区分設定ファイル214のデータ構成を示す図である。処理区分設定ファイル214は、区分コードに対応付けて、税算出対象、印字フォーマット、および設定フラグを記憶する。
【0025】
区分コードは、処理区分を特定するコードである。区分コード1は、レシートを適格簡易請求書として発行するための区分コードであって、POS端末2を利用する事業者が消費税の納付義務がある課税事業者である場合に適したものとなっている。また、区分コード2は、従来どおりのレシートを発行するための区分コードであって、POS端末2を利用する事業者が消費税の納付を免除される免税事業者である場合に適したものとなっている。
【0026】
税算出対象は、消費税算出の対象を特定する情報である。区分コード1に対応する税算出対象は、一取引において購入された商品の課税対象額の合計である。この場合の税額は、標準税率の商品の本体価格の合計金額に10%を乗じた金額と、軽減税率の商品の本体価格の合計金額に8%を乗じた金額とを加算した金額となる。区分コード2に対応する税算出対象は、一取引において購入された商品毎の課税対象額である。この場合の税額は、商品毎に算出される税額を合計した金額となる。
【0027】
印字フォーマットは、発行されるレシートのフォーマットを特定する情報である。設定フラグは、対応する区分コードが設定値として設定されたか否かを示す情報であり、POS端末2を利用する事業者が任意に設定することができる。POS端末2は、設定フラグに「1」が登録された区分コードに応じて処理を実行する。
【0028】
対価印字設定ファイル215は、レシートに税毎に印字される取引の対価を税抜とするか税込とするかを設定するためのファイルである。
図6は、対価印字設定ファイル215のデータ構成を示す図である。対価印字設定ファイル215は、印字コードに対応付けて、印字対価および設定フラグを記憶する。
【0029】
印字コードは、印字される対価の印字設定を特定するコードである。印字対価は、印字される対価が税抜価格か税込価格かを示す情報である。設定フラグは、対応する印字コードが設定値として設定されたか否かを示す情報であり、POS端末2を利用する事業者が任意に設定することができる。POS端末2は、設定フラグに「1」が登録された印字コードに応じて税毎(税率毎あるいは種別毎)に対価を印字する。
【0030】
登録番号216は、POS端末2を利用する事業者が適格請求書発行事業者として登録された場合に付与された登録番号である。POS端末2は、処理区分が区分コード1に設定されている場合、レシートに登録番号216を印字する。
【0031】
図2に戻って、POS端末2のハードウェア構成を説明する。
【0032】
表示部22は、表示デバイスであり、液晶ディスプレイなどで構成される。表示部22は、制御部20の制御の下、各種情報を表示する。例えば、表示部22は、商品登録された商品の商品情報や、取引金額(一取引の合計金額)などを表示する。
【0033】
操作部23は、入力デバイスであり、表示部22の表面に設けられたタッチパネル、表示部22とは別に設けられたキーボードなどで構成される。操作部23は、店員等の操作により入力された各種情報を制御部20に入力する。例えば、操作部23は、決済処理の開始を指示する決済開始指示を制御部20に入力する。
【0034】
スキャナ24は、商品に付されたバーコードなどのコードシンボル(以下、「商品バーコード」ともいう)から商品コードを読取る。具体的には、スキャナ24は、商品バーコードを光学的にまたは撮像して認識する。そして、スキャナ24は、認識した商品バーコードをデコードし、当該商品バーコードが示す商品コードを読み取る。なお、スキャナ24が認識した商品バーコードのデコードは、制御部20で行ってもよい。また、スキャナ24は、例えば消費者が携帯するスマートフォンに表示されたバーコードから店舗会員の会員IDを読取る。会員IDは、消費者を識別する消費者識別情報の一例である。スキャナ24は、POS端末2に固定的に設けられたものでもよいし、店員が手に取って操作可能なハンディ式のものでもよい。
【0035】
プリンタ25は、制御部20の制御の下、一取引に係るレシートを印字して発行する。レシートには取引に係る各種情報が印字される。また、プリンタ25は、請求書も発行することができる。
【0036】
カードリーダ26は、各種カードから情報を読取る。例えば、カードリーダ26は、消費者のクレジットカードからクレジットカード決済に必要な消費者情報を読取る。また、カードリーダ26は、消費者が所有する会員カードから会員IDを読取る。カードリーダ26は、磁気カードから情報を読取る磁気カードリーダでもよいし、ICチップを内蔵したカードから情報を読取るICカードリーダでもよい。
【0037】
釣銭機27は、消費者が購入代金を現金で支払った際に、消費者の支払った紙幣と硬貨を受け付け、必要に応じて釣り銭を払い出す。
【0038】
通信部28は、サーバ装置3などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部20は、通信部28を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0039】
続いて、POS端末2の制御部20の機能構成について説明する。
図7は、POS端末2の制御部20の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部20は、CPU201がROM202や記憶部21に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部2001、入力部2002、登録部2003、算出部2004、決済処理部2005、発行部2006、および表示制御部2007として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアを用いて構成してもよい。
【0040】
送受信部2001は、サーバ装置3との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部2001は、一取引に係る取引データを、当該取引を行った消費者の会員IDと対応付けてサーバ装置3に送信する。取引データは、取引日時、取引を特定する取引No、取引金額、および取引された商品の商品情報を含む。送受信部2001は、取引データを外部装置に出力する出力部として機能する。
【0041】
また、送受信部2001は、会員IDと指定期間を示す期間情報とを含む取引データ問合せをサーバ装置3に送信し、その応答として取引データをサーバ装置3から受信する。送受信部2001が受信する取引データは、取引データ問合せに含まれる会員IDおよび指定期間で特定される取引データである。送受信部2001は、取引データを取得する取得部として機能する。なお、送受信部2001が送信する取引データ問合せには期間情報が含まれていなくてもよい。この場合、送受信部2001は、予め定められた指定期間の取引データを受信するものとする。例えば、送受信部2001は、取引データ問合せを送信した日が属する月、あるいはその前月の取引データを受信することができる。言い換えれば、上記指定期間は、取引データ問合せの送信時に店員によってPOS端末2に入力されてもよいし、予め定められていてもよい。
【0042】
入力部2002には、商品を識別する商品識別情報が入力される。具体的には、入力部2002には、スキャナ24から商品コードが入力される。また、送受信部2001が取引データ問合せを送信する際に、入力部2002には問合せ対象の消費者を特定する会員IDが入力される。入力部2002は、消費者を識別する消費者識別情報を受付ける受付部として機能する。入力部2002には、操作部23およびスキャナ24などからその他の各種情報が入力される。例えば、入力部2002には、操作部23から決済開始指示等が入力され、スキャナ24から会員ID等が入力される。
【0043】
登録部2003は、価格を含む商品情報と商品識別情報とを対応付けて記憶する商品情報記憶部から、入力部2002に入力された商品識別情報に対応する商品情報を登録して商品登録を行う。具体的には、登録部2003は、入力部2002に入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ212から読み出して登録情報部2031に登録(記憶)する。
【0044】
算出部2004は、一取引の取引金額の他、決済処理やレシート発行処理に必要な各種金額を算出する。例えば、算出部2004は、登録部2003によって商品登録された商品のうち、商品マスタ212に記憶された価格が消費税を含む税込価格である内税商品の合計の課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する。より詳細には、算出部2004は、取引対象の内税商品について商品マスタ212から価格を読み出し、税率毎に合計して税率毎の合計価格を算出する。次いで、算出部2004は、各合計価格に対応する課税対象額を算出する。例えば、税率10%の内税商品の合計価格が1100円である場合、課税対象額として1000円を算出する。また、税率8%の内税商品の合計価格が2160円である場合、課税対象額として2000円を算出する。この結果、算出部2004は、内税商品の合計の課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する。算出部2004は、第1の課税対象額算出部として機能する。
【0045】
また、算出部2004は、登録部2003によって商品登録された商品のうち、商品マスタ212に記憶された価格が消費税を含まない税抜価格である外税商品の当該価格の合計である課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する。より詳細には、算出部2004は、取引対象の外税商品について商品マスタ212から価格を読み出し、税率毎に合計して税率毎の合計価格を算出する。外税商品については、商品マスタ212の価格に登録された金額が各商品の課税対象額であるので、上記合計価格が外税商品の合計の課税対象額となる。算出部2004は、第2の課税対象額算出部として機能する。
【0046】
さらに、算出部2004は、第1の課税対象額算出部および第2の課税対象額算出部が算出した課税対象額を税率毎にそれぞれ集計する。具体的には、算出部2004は、税率10%の内税商品の合計の課税対象額と、税率10%の外税の課税対象額とを加算する。同様に、算出部2004は、税率8%の内税商品の合計の課税対象額と、税率8%の外税の課税対象額とを加算する。算出部2004は、集計部として機能する。
【0047】
加えて、算出部2004は、集計部が集計した課税対象額に対する税額を税率毎にそれぞれ算出する。具体的には、算出部2004は、算出された税率10%の商品の合計の課税対象額に10%を乗じて税額を算出する。同様に、算出部2004は、算出された税率8%の商品の合計の課税対象額に8%を乗じて税額を算出する。結果として、算出部2004は、税率毎に集計された合計の課税対象額に対する税額をそれぞれ算出する。なお、算出される税額の端数処理、すなわち1円未満の処理については、四捨五入、切り捨て、切り上げのいずれを適用してもよい。算出部2004は、税額算出部として機能する。
【0048】
算出部2004が上記のとおり、第1の課税対象額算出部、第2の課税対象額算出部、集計部、および税額算出部として機能することで、一取引において算出される税額の端数処理は、税率毎に各1回とすることができる。詳細には、一取引の対象商品について、税率10%の全商品の税額の算出にあたって端数処理を1回とすることができる。同様に、一取引の対象商品について、税率8%の全商品の税額の算出にあたって端数処理を1回とすることができる。
【0049】
決済処理部2005は、一取引に係る決済処理を実行する。決済処理とは、算出部2004によって算出された取引金額の支払を完了させるための処理で、現金決済においては釣銭の算出および払出等、キャッシュレス決済においては決済用サーバとの通信等を含む。
【0050】
発行部2006は、プリンタ25を制御してレシートを発行する。具体的には、発行部2006は、設定された処理区分コードおよび印字コードにしたがってレシートを印字して発行する。例えば、発行部2006は、算出部2004が集計した課税対象額に基づく対価の額と、算出部2004が算出した税額と、を税率で対応付けたレシートを発行する。税額に対応付けて印字される対価の額は、合計の課税対象額(税抜金額)であってもよいし、合計の課税対象額に税額を加算した税込価格であってもよい。レシートに印字される対価の額を税抜価格とするか税込価格とするかは、対価印字設定ファイル215の設定フラグによって指定される印字コードで定められる。なお、発行部2006は、消費者の端末等で電子レシートを表示させるためのレシート情報を生成するものであってもよい。
【0051】
表示制御部2007は、表示部22に各種情報を表示させる。例えば、表示制御部2007は、商品登録された商品の商品情報や一取引の取引金額などを表示部22に表示させる。
【0052】
次に、サーバ装置3について詳細に説明する。
図8は、サーバ装置3の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、制御部30と、記憶部31と、表示部32と、操作部33と、通信部34と、を備えている。制御部30、記憶部31、表示部32、操作部33、および通信部34は、バス35等を介して互いに接続されている。
【0053】
制御部30は、CPU301、ROM302、RAM303を備えたコンピュータ構成となっている。CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス35を介して互いに接続されている。
【0054】
CPU301はサーバ装置3の全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用され、ROM302や記憶部31に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部30は、CPU301がROM302や、記憶部31に記憶されRAM303に展開された制御プログラムに従って動作することによって、サーバ装置3の各種制御処理を実行する。
【0055】
記憶部31は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部31は、制御プログラム311、会員マスタ312、取引情報管理ファイル313、および商品マスタ314を記憶する。
【0056】
制御プログラム311は、POS端末2から会員IDと取引データとを対応づけた取引情報を受信するためのプログラム、受信した取引情報を会員ID毎に管理するためのプログラム、POS端末2からの要求に応じて取引データを抽出するためのプログラムなどである。
【0057】
会員マスタ312は、店舗会員の情報すなわち消費者の情報を記憶するマスタファイルである。
図9は、会員マスタ312のデータ構成を示す図である。会員マスタ312は、会員IDに対応付けて、氏名、性別、年齢、および通知先を記憶する。通知先は、例えば会員が所有する端末のメールアドレスである。
【0058】
取引情報管理ファイル313は、POS端末2で決済された取引の取引情報を管理するファイルである。取引情報管理ファイル313は、POS端末2から受信した取引情報に基づいて登録、更新される。
図10は、取引情報管理ファイル313のデータ構成を示す図である。取引情報管理ファイル313は、会員IDと取引データを対応付けて記憶する。会員IDに対応付けられる取引データは、取引日時、取引No、取引金額、商品コード、商品名、価格、および税種別コードを含む。
【0059】
取引日時は、取引された日時、本実施形態ではPOS端末2で取引の決済処理が実行された日時である。取引Noは、取引を特定する情報でありレシートNoとも呼ばれる。取引金額は、一取引の合計金額であり税額を含む。
【0060】
商品コード、商品名、価格、および税種別コードは、POS端末2の商品マスタ212で説明したとおりであるので、重複する説明は省略する。一取引において複数の商品が購入された場合、商品コード、商品名、価格、および税種別コードは、取引Noに対応してそれぞれ複数登録される。
【0061】
商品マスタ314は、POS端末2の商品マスタ212と同様の構成である。このため、重複する説明は省略する。
【0062】
図8に戻ってサーバ装置3のハードウェア構成について説明する。
【0063】
表示部32は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。表示部32は、例えば会員マスタ312、取引情報管理ファイル313、商品マスタ314に記憶された情報を必要に応じて表示する。
【0064】
操作部33は、制御部30に情報を入力するためのもので、キーボード、タッチパネル、マウスなどで構成される。
【0065】
通信部34は、POS端末2などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部30は、通信部34を介して外部装置と接続されることで、当該外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0066】
続いて、サーバ装置3の制御部30の機能構成について説明する。
図11は、サーバ装置3の制御部30の主たる機能構成を示すブロック図である。制御部30は、CPU301がROM302や記憶部31に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、送受信部3001、入力部3002、およびデータ管理部3003として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0067】
送受信部3001は、POS端末2との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部3001は、会員IDと取引データとが対応付けられた取引情報をPOS端末2から受信する。また、送受信部3001は、会員IDと指定期間を示す期間情報とを含む取引データ問合せをPOS端末2から受信し、その応答として取引データを当該POS端末2に送信する。
【0068】
入力部3002には、操作部33から各種情報が入力される。例えば、入力部3002には、会員マスタ312、取引情報管理ファイル313、商品マスタ314を手動で更新する場合に、更新するための情報が入力される。
【0069】
データ管理部3003は、記憶部31に記憶される各種データの登録、更新を行う。また、データ管理部3003は、記憶部31に記憶された情報を必要に応じて読み出す。例えば、データ管理部3003は、送受信部3001が受信した取引情報に基づいて取引情報管理ファイル313を更新する。また、データ管理部3003は、POS端末2から受信した取引データ問合せに応じて、取引情報管理ファイル313から対応するデータを抽出する。より詳細には、データ管理部3003は、取引データ問合せに含まれる会員IDおよび指定期間によって取引情報管理ファイル313を検索し、該当する取引データを抽出する。
【0070】
上記構成の店舗システム1の動作の概略について説明する。
図12は、店舗システム1の動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【0071】
まず、店舗で消費者が商品を購入する際の流れについて説明する。まず、店員の操作によってPOS端末2に取引開始を指示する情報が入力される(ステップS1)。次いで、POS端末2には、消費者の携帯端末あるいは会員カードから読取った会員IDが入力される(ステップS2)。
【0072】
続いて、POS端末2は、店員の操作により消費者が購入する商品の商品コードを読取る(ステップS3)。POS端末2は、読取った商品コードに基づいて商品登録を実行する(ステップS4)。
【0073】
消費者が購入する商品全ての商品登録が完了して決済指示が入力されると、POS端末2は、商品登録された情報に基づいて算出処理を実行する(ステップS5)。算出処理では、設定された区分コードに応じて税算出対象が定められ、一取引の取引金額、税額等、決済処理で用いられる各金額やレシート発行処理でレシートに印字される各金額が算出される。算出処理の詳細については後述する。
【0074】
POS端末2は、算出処理にて算出された各金額に基づいて決済処理を実行する(ステップS6)。決済処理が完了すると、POS端末2は、レシート発行処理を実行してレシートを発行する(ステップS7)。レシート発行処理では、設定された区分コードおよび印字コードに基づいてレシートが印字される。レシート発行処理の詳細については後述する。POS端末2は、レシートを発行した後、会員IDと取引データとを対応付けた取引情報をサーバ装置3に送信する(ステップS8)。
【0075】
サーバ装置3は、POS端末2から受信した取引情報に基づいて、取引情報管理ファイル313を更新する。
【0076】
以上の動作により、POS端末2は、設定された区分コードに応じて税算出対象を定めたうえで、税毎の対価や税額等の各金額を算出することができる。また、POS端末2は、設定された区分コードおよび印字コードに応じてレシートを発行することができる。サーバ装置3は、POS端末2で決済処理された取引に係る取引データを会員ID毎、すなわち消費者毎に管理することができる。
【0077】
続いて、消費者からの要求に応じてPOS端末2が適格請求書を発行する際の流れについて説明する。まず、消費者から適格請求書の発行を要求された場合、店員の操作によって請求書の発行を指示する情報が入力される(ステップS11)。
【0078】
次いで、POS端末2には、適格請求書の発行を要求する消費者の会員ID、および指定期間が入力される(ステップS12)。指定期間は、請求書の対象となる期間である。POS端末2は、入力された会員ID、指定期間を含む取引データ問合せをサーバ装置3に送信する(ステップS13)。
【0079】
サーバ装置3は、取引データ問合せに含まれる会員IDおよび指定期間を検索条件として取引情報管理ファイル313を検索し、合致する取引データを抽出する(ステップS14)。サーバ装置3は、取引データ問合せの送信元であるPOS端末2に対して、抽出した取引データを送信する(ステップS15)。
【0080】
取引データを受信したPOS端末2は、適格請求書の発行に必要な各金額を算出するための取引データ算出処理を実行する(ステップS16)。取引データ算出処理の詳細は後述する。POS端末2は、取引データ算出処理に続いて請求書発行処理を実行し、適格請求書を印字して発行する(ステップS17)。
【0081】
以上の動作により、POS端末2は、指定された期間(例えば、1ヶ月)の取引に係る適格請求書を発行することができる。
【0082】
次に、POS端末2が実行する算出処理について説明する。
図13は、POS端末2の制御部20による算出処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明において、税率Aは標準税率の10%を示し、税率Bは軽減税率の8%を示すものとする。
【0083】
制御部20は、入力部2002に決済指示入力がなされたか否か判断し(ステップS21)、入力されなければ(ステップS21のN)、ステップS21の処理に戻って待機する。
【0084】
入力部2002に決済指示入力がなされると(ステップS21のY)、制御部20は、処理区分設定ファイル214から設定フラグに「1」が登録されている設定情報を読み出す(ステップS22)。制御部20は、処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1であるか否か判断する(ステップS23)。言い換えれば、制御部20は、処理区分設定ファイル214の区分コード1に対応する設定フラグに「1」が登録されているか否か判断する。
【0085】
処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1である場合、算出部2004は、適格簡易請求書の機能を有するレシートを発行するための各金額の算出を行う。また、処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1でなく、区分コード2である場合、算出部2004は、従来と同様のレシートを発行するための各金額の算出を行う。
【0086】
処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1であると(ステップS23のY)、算出部2004は、登録情報部2031に登録された商品すなわち商品登録された商品のうち、税率Aの内税商品の価格の合計金額を算出する(ステップS24)。詳細には、算出部2004は、商品登録された商品のうち税率Aの内税商品を抽出し、当該内税商品の商品情報として価格に登録された金額を合計することによって価格合計を算出する。
【0087】
算出部2004は、ステップS24の処理にて算出された価格合計に対する課税対象額Vを算出する(ステップS25)。詳細には、算出部2004は、ステップS24の処理にて算出された価格合計の金額に100/110を乗じて、商品登録された税率Aの内税商品の価格合計に対する課税対象額を算出する。
【0088】
続いて、算出部2004は、商品登録された商品のうち、税率Bの内税商品の価格の合計金額を算出する(ステップS26)。詳細には、算出部2004は、商品登録された商品のうち税率Bの内税商品を抽出し、当該内税商品の商品情報として価格に登録された金額を合計することによって価格合計を算出する。
【0089】
算出部2004は、ステップS26の処理にて算出された価格合計に対する課税対象額Wを算出する(ステップS27)。詳細には、算出部2004は、ステップS26の処理にて算出された価格合計の金額に100/108を乗じて、商品登録された税率Bの内税商品の価格合計に対する課税対象額を算出する。
【0090】
次いで、算出部2004は、商品登録された税率Aの外税商品の価格合計Xを算出する(ステップS28)。詳細には、算出部2004は、商品登録された税率Aの外税商品を抽出し、当該外税商品の商品情報として価格に登録された金額の合計金額を算出することによって価格合計Xを算出する。
【0091】
また、算出部2004は、商品登録された税率Bの外税商品の価格合計Yを算出する(ステップS29)。詳細には、算出部2004は、商品登録された税率Bの外税商品を抽出し、当該外税商品の商品情報として価格に登録された金額の合計金額を算出することによって価格合計Yを算出する。
【0092】
続いて、算出部2004は、商品登録された税率Aの商品の課税対象額を集計する(ステップS30)。詳細には、算出部2004は、商品登録された税率Aの内税商品の課税対象額Vと商品登録された税率Aの外税商品の価格合計Xとを加算する。
【0093】
同様にして、算出部2004は、商品登録された税率Bの商品の課税対象額を集計する(ステップS31)。詳細には、算出部2004は、商品登録された税率Bの内税商品の課税対象額Wと商品登録された税率Bの外税商品の価格合計Yとを加算する。
【0094】
算出部2004は、税率Aの内税商品および外税商品に係る税額1を算出する(ステップS32)。詳細には、算出部2004は、ステップS30の処理にて課税対象額Vと価格合計Xを加算した税率Aの商品の課税対象額に税率Aを乗じて税額1を算出する。このとき、税額1は1円未満の金額について端数処理される。
【0095】
同様にして、算出部2004は、税率Bの内税商品および外税商品に係る税額2を算出する(ステップS33)。詳細には、算出部2004は、ステップS31の処理にて課税対象額Wと価格合計Yを加算した税率Bの商品の課税対象額に税率Bを乗じて税額2を算出する。このとき、税額2は1円未満の金額について端数処理される。
【0096】
また、算出部2004は、一取引の取引金額など、決済処理やレシート発行処理に必要となるその他の金額を算出する(ステップS34)。例えば、非課税商品が商品登録されている場合、非課税商品の価格も加えて取引金額が算出される。そして、制御部20は算出処理を終了する。
【0097】
ステップS23の処理において処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1でない場合(ステップS23のN)すなわち区分コード2である場合、算出部2004は、商品登録された税率Aの内税商品について、商品毎に税額を算出する(ステップS35)。詳細には、算出部2004は、商品登録された税率Aの内税商品個々について、商品情報として価格に登録された金額を読み出し、当該金額に10/110を乗じることによって1商品の税額を算出する。
【0098】
算出部2004は、商品登録された税率Aの外税商品について、商品毎に税額を算出する(ステップS36)。詳細には、算出部2004は、商品登録された税率Aの外税商品個々について、商品情報として価格に税率Aを乗じることによって1商品の税額を算出する。
【0099】
算出部2004は、ステップS35で算出した内税商品個々の税額全てと、ステップS36で算出した外税商品個々の税額全てとを加算して、税率Aの商品の合計税額3を算出する(ステップS37)。
【0100】
続いて、算出部2004は、商品登録された税率Bの内税商品について、商品毎に税額を算出する(ステップS38)。詳細には、算出部2004は、商品登録された税率Bの内税商品個々について、商品情報として価格に登録された金額を読み出し、当該金額に8/108を乗じることによって1商品の税額を算出する。
【0101】
算出部2004は、商品登録された税率Bの外税商品について、商品毎に税額を算出する(ステップS39)。詳細には、算出部2004は、商品登録された税率Bの外税商品個々について、商品情報として価格に税率Bを乗じることによって1商品の税額を算出する。
【0102】
算出部2004は、ステップS38で算出した内税商品個々の税額全てと、ステップS39で算出した外税商品個々の税額全てとを加算して、税率Bの商品の合計税額4を算出する(ステップS40)。そして、制御部20はステップS34の処理に移行する。
【0103】
上記算出処理により、POS端末2は、適格簡易請求書の要件を満たすためのレシート発行に必要な各金額を算出できるばかりでなく、他の形式のレシート発行に適した各金額を算出することも可能となる。このため、POS端末2は、課税事業者および免税事業者のいずれにも適したものとなる。
【0104】
次に、POS端末2が実行するレシート発行処理について説明する。
図14は、POS端末2の制御部20によるレシート発行処理の流れを示すフローチャートである。
【0105】
制御部20は、決済処理部2005による決済処理が完了したか否か判断し(ステップS51)、完了しなければ(ステップS51のN)、ステップS51の処理に戻って待機する。
【0106】
決済処理部2005による決済処理が完了すると(ステップS51のY)、制御部20は、処理区分設定ファイル214および対価印字設定ファイル215から設定フラグに「1」が登録されている設定情報を読み出す(ステップS52)。制御部20は、処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1であるか否か判断する(ステップS53)。言い換えれば、制御部20は、処理区分設定ファイル214の区分コード1に対応する設定フラグに「1」が登録されているか否か判断する。
【0107】
処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1であると(ステップS53のY)、発行部2006は、フォーマット1を印字フォーマットとして選択する(ステップS54)。次いで、制御部20は、対価印字設定ファイル215から読み出した情報が印字コード1であるか否か判断する(ステップS55)。言い換えれば、制御部20は、対価印字設定ファイル215の印字コード1に対応する設定フラグに「1」が登録されているか否か判断する。
【0108】
対価印字設定ファイル215から読み出した情報が印字コード1であると、発行部2006は、印字する対価として税抜価格すなわち課税対象額を選択する(ステップS56)。発行部2006は、選択した印字フォーマットおよび対価の印字内容に基づいてレシートを印字して発行する(ステップS57)。そして、制御部20はレシート発行処理を終了する。
【0109】
ステップS53の処理において、処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1でない場合(ステップS53のN)すなわち区分コード2である場合、発行部2006は、フォーマット2を印字フォーマットとして選択する(ステップS58)。そして、制御部20はステップS55の処理に移行する。
【0110】
ステップS55の処理において、対価印字設定ファイル215から読み出した情報が印字コード1でない場合(ステップS55のN)すなわち印字コード2である場合、発行部2006は、印字する対価として税込価格を選択する(ステップS59)。そして、制御部20は、ステップS57の処理に移行する。
【0111】
上記レシート発行処理により、POS端末2は、適格簡易請求書の要件を満たすためのレシートおよび他の形式のレシートを発行することができる。このため、POS端末2は、課税事業者および免税事業者のいずれにも適したものとなる。
【0112】
ここで、POS端末2が発行するレシートについて説明する。
図15はファーマット1のレシートを示す図であり、
図16はフォーマット2のレシートを示す図である。なお、
図15および
図16のレシートに印字される対価は税込価格としている。言い換えれば、
図15のレシートは区分コード1および印字コード2が設定された場合のレシートであり、
図16のレシートは区分コード2および印字コード2が設定された場合のレシートである。
【0113】
図15に示すレシートは、課税事業者が採用するものとなっている。
図15において、フォーマット1のレシート50には、事業者情報501、取引日502、商品情報503、対価504、税額505、税率情報506、および取引No507の各事項が印字される。
【0114】
事業者情報501は、レシートを発行する事業者名および適格請求書発行事業者として登録された登録番号を含む。取引日502は、売り手から買い手に資産が譲渡された日、すなわち消費者によって商品が購入された年月日である。商品情報503は、譲渡された資産の内容を示すもので、購入された商品名、点数、代金を含む。
【0115】
対価504は、譲渡された資産の対価すなわち商品の代金の合計を、税率毎に区分したものである。上述のとおり、
図15の対価504は税込価格となっている。税額505は、税率毎に区分した税額であり、対価504の後にかっこ書きで印字される。税率情報506は、軽減税率の商品を示すもので、商品情報503と協働して購入された商品の内容を示すものとなっている。取引No507は、取引を特定する情報である。
【0116】
図16に示すレシートは、免税事業者が採用するものとなっている。
図16に示すレシートは、事業者の登録番号が印字されない点、対価および税額が税種別毎に印字される点において、
図15に示すレシートと相違する。
図16において、フォーマット2のレシート60には、事業者情報601、取引日602、商品情報603、対価604、税額605、税率情報606、および取引No607の各事項が印字される。
【0117】
取引日602、商品情報603、税率情報606、および取引No607は、フォーマット1のレシート同様であるので、重複する説明は省略する。対価604および税額605は、税種別毎に区分して印字される。詳細には、外税対象額(外税の対価)と内税対象額(内税の対価)とが区分して印字され、それぞれに対応する税額がかっこ書きで印字される。なお、フォーマット2のレシートは、適格簡易請求書の機能を持つものでないため、店舗が印字内容を任意に設定することができる。
【0118】
次に、POS端末2が実行する取引データ算出処理について説明する。取引データ算出処理は、所定期間における特定の消費者の取引データに基づいて、適格請求書を発行するための各金額を算出する処理である。
図17は、POS端末2の制御部20による取引データ算出処理の流れを示すフローチャートである。なお、取引データ算出処理は、前述した算出処理と類似するので、
図13に示す算出処理と同様の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0119】
制御部20は、送受信部2001が取引データ問い合わせに対応する取引データをサーバ装置3から受信したか否か判断し(ステップS61)、受信しなければ(ステップS61のN)、ステップS61の処理に戻って待機する。
【0120】
送受信部2001が取引データを受信すると(ステップS61のY)、制御部20は、受信した取引データをRAM203に記憶する(ステップS62)。制御部20は、処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1であるか否か判断する(ステップS23)。
【0121】
処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1である場合(ステップS23のY)、制御部20は、サーバ装置3から取得した取引データに対して、ステップS24~ステップS34の処理を実行する。処理区分設定ファイル214から読み出した情報が区分コード1でない場合(ステップS23のN)、表示制御部2007は、表示部22にエラーを表示させる(ステップS63)。表示されるエラーは、区分コード1が設定されていない旨、言い換えれば適格請求書を発行するための算出を行う区分コードに設定されていない旨を示す内容である。そして、制御部20は取引データ算出処理を終了する。
【0122】
次に、POS端末2が実行する請求書発行処理について説明する。請求書発行処理は、適格請求書を発行する際に実行される。
図18は、POS端末2の制御部20による請求書発行処理の流れを示すフローチャートである。
【0123】
制御部20は、算出部2004による取引データ算出処理が完了したか否か判断し(ステップS71)、完了しなければ(ステップS71のN)、ステップS71の処理に戻って待機する。
【0124】
算出部2004による取引データ算出処理が完了すると(ステップS71のY)、制御部20は、対価印字設定ファイル215から設定フラグに「1」が登録されている設定情報を読み出す(ステップS72)。制御部20は、対価印字設定ファイル215から読み出した情報が印字コード1であるか否か判断する(ステップS73)。
【0125】
対価印字設定ファイル215から読み出した情報が印字コード1であると(ステップS73のY)、発行部2006は、印字する対価として税抜価格を選択する(ステップS74)。発行部2006は、選択した対価の印字内容に基づいて請求書を印字して発行する(ステップS75)。そして、制御部20は請求書発行処理を終了する。
【0126】
ステップS73の処理において、対価印字設定ファイル215から読み出した情報が印字コード1でない場合(ステップS73のN)すなわち印字コード2である場合、発行部2006は、印字する対価として税込価格を選択する(ステップS76)。そして、制御部20はステップS75の処理に移行する。
【0127】
上記請求書発行処理により、POS端末2は、サーバ装置3から受信した取引データに基づいて適格請求書を発行することができる。
【0128】
ここで、POS端末2が発行する請求書について説明する。
図19はPOS端末2が発行する請求書を示す図である。なお、
図19の請求書に印字される対価は税込価格であり、税額は切り捨てによる端数処理をした金額となっている。
【0129】
図19に示す請求書は、課税事業者が発行するものとなっている。
図19において、請求書70には、事業者情報701、取引日702、商品情報703、対価704、税額705、税率情報706、請求書No707、および宛先708の各事項が印字される。
【0130】
事業者情報701は、請求書を発行する事業者名および適格請求書発行事業者として登録された登録番号を含む。取引日702は、売り手から買い手に資産が譲渡された日、すなわち消費者によって商品が購入された年月日である。商品情報703は、譲渡された資産の内容を示すもので、購入された商品名、代金を含む。商品情報703は、取引日702に対応して印字される。
【0131】
対価704は、譲渡された資産の対価すなわち商品の代金の合計を、税率毎に区分したものである。上述のとおり、
図19の対価704は税込価格となっている。税額705は、税率毎に区分した税額であり、対価704の後にかっこ書きで印字される。税率情報706は、軽減税率の商品を示すもので、商品情報703と協働して購入された商品の内容を示すものとなっている。請求書No707は、取引を特定する情報である。宛先708は、請求書の交付を受ける者、すなわち商品を購入した消費者(事業者である場合を含む)である。
【0132】
POS端末2は、
図19に示す請求書70を適格請求書として発行することができる。なお、上述したレシート50、請求書70は、符号を付した各事項が印字されていればよく、その印字位置等は問わない。
【0133】
以上説明したとおり、実施形態のPOS端末2は、商品を識別する商品コードが入力される入力部2002と、価格を含む商品情報と前記商品コードとを対応付けて記憶する商品マスタ212から、入力部2002に入力された商品コードに対応する商品情報を登録して商品登録を行う登録部2003と、登録部2003によって商品登録された商品のうち、商品マスタ212に記憶された価格が消費税を含む税込価格である内税商品の合計の課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する第1の課税対象額算出部(算出部2004)と、登録部2003によって商品登録された商品のうち、商品マスタ212に記憶された価格が消費税を含まない税抜価格である外税商品の当該価格の合計である課税対象額を、適用される税率毎にそれぞれ算出する第2の課税対象額算出部(算出部2004)と、前記第1の課税対象額算出部および前記第2の課税対象額算出部が算出した課税対象額を前記税率毎にそれぞれ集計する集計部(算出部2004)と、前記集計部が集計した課税対象額に対する税額を前記税率毎にそれぞれ算出する税額算出部(算出部2004)と、を備える。
【0134】
これにより、POS端末2は、内税商品および外税商品を販売する店舗においても、インボイス制度における適格簡易請求書の発行に必要な金額を算出することができる。また、POS端末2は、税率毎の税額の算出にあたり端数処理を1回とすることができるので算出処理を容易にすることができる。
【0135】
また、実施形態のPOS端末2は、前記集計部が集計した課税対象額に基づく対価の額と、前記税額算出部が算出した税額と、を前記税率で対応付けたレシートを発行する発行部2006をさらに備える。
【0136】
これにより、POS端末2は、内税商品および外税商品を販売する店舗においても、インボイス制度における適格簡易請求書となるレシートを発行することができる。
【0137】
さらに、実施形態のPOS端末2は、取引された商品の前記商品情報を含む取引データを外部装置に出力する出力部(送受信部2001)をさらに備える。
【0138】
これにより、POS端末2は、取引情報を管理する管理装置等の外部装置で適格請求書が発行可能となる取引データを当該外部装置に提供することができる。
【0139】
加えて、実施形態のPOS端末2は、消費者を識別する会員IDを受付ける受付部(入力部2002)と、取引データと前記会員IDとを対応付けて記憶するサーバ装置3の取引情報管理ファイル313から、前記受付部が受付けた会員コードに対応する指定期間の取引データを取得する取得部(送受信部2001)と、をさらに備え、第1の課税対象額算出部(算出部2004)は、前記取得部が取得した取引データに含まれる商品のうち、前記内税商品の合計の課税対象額を適用される税率毎にそれぞれ算出し、第2の課税対象額算出部(算出部2004)は、前記取得部が取得した取引データに含まれる商品のうち、前記外税商品の前記価格の合計である課税対象額を適用される税率毎にそれぞれ算出し、集計部(算出部2004)は、前記第1の課税対象額算出部および前記第2の課税対象額算出部が算出した課税対象額を前記税率毎にそれぞれ集計し、税額算出部(算出部2004)は、前記集計部が集計した課税対象額に対する税額を前記税率毎にそれぞれ算出する。
【0140】
これにより、POS端末2は、内税商品および外税商品を販売する店舗においても、インボイス制度における適格請求書の発行に必要な金額を算出することができる。また、POS端末2は、税率毎の税額の算出にあたり端数処理を1回とすることができるので算出処理を容易にすることができる。
【0141】
また、実施形態のPOS端末2において、発行部2006は、指定期間の取引に係る請求書であって、集計部(算出部2004)が集計した課税対象額に基づく対価の額と、税額算出部(算出部2004)が算出した税額とを税率で対応付けた請求書を発行する。
【0142】
これにより、POS端末2は、内税商品および外税商品を販売する店舗においても、インボイス制度における適格請求書を発行することができる。このため、事業者は店舗の売場で消費者の要求に応じて適格請求書を発行することができる。
【0143】
なお、上記実施形態において、POS端末2およびサーバ装置3の各装置で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0144】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0145】
2 POS端末(販売データ処理装置)
3 サーバ装置
212 商品マスタ(商品情報記憶部)
313 取引情報管理ファイル(取引情報記憶部)
2001 送受信部(取得部、出力部)
2002 入力部(受付部)
2003 登録部
2004 算出部(第1の課税対象額算出部、第2の課税対象額算出部、集計部、税額算出部)
2006 発行部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0146】