(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018165
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20230201BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
H01L21/60 321E
H01L25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020006372
(22)【出願日】2020-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡坂 翔太
(72)【発明者】
【氏名】松林 良
(57)【要約】
【課題】課題は、バスバーによる電気的接続の信頼性を向上できる、半導体装置を提供することである。
【解決手段】半導体装置10は、回路部20と、バスバー50とを備える。回路部20は、搭載面30aを有する実装基板30と、実装基板30の搭載面30aに配置された半導体チップ40(41,42)とを有する。バスバー50は、搭載面30a上にある複数の接続対象P10(P11~P13)に導電性を有する複数の接合部材60(61~63)を介して接続される複数の接続部51(511~513)と、複数の接続部51(511~513)を連結する連結部52とを有する。複数の接続部51(511~513)は、第1接続部511と、連結部52の長さ方向において第1接続部511の両側にある第2及び第3接続部512,513を含む。第1接続部511は、第2及び第3接続部512,513よりも搭載面30aから遠い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載面を有する実装基板、及び前記実装基板の搭載面に配置された半導体チップを有する回路部と、
前記搭載面上にある複数の接続対象に導電性を有する複数の接合部材を介して接続される複数の接続部、及び前記複数の接続部を連結する連結部を有するバスバーと、
を備え、
前記複数の接続部は、第1接続部と、前記連結部の長さ方向において前記第1接続部の両側にある第2及び第3接続部とを含み、
前記第1接続部は、前記第2及び第3接続部よりも前記搭載面から遠い、
半導体装置。
【請求項2】
前記複数の接続部は、前記連結部の長さ方向において、前記第2又は第3接続部における前記第1接続部とは反対側にある外側接続部を含む、
請求項1の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の接続部は、前記連結部の長さ方向において、前記第2及び第3接続部の間にある内側接続部を含む、
請求項1又は2の半導体装置。
【請求項4】
前記連結部は、直線状である、
請求項1~3のいずれか一つの半導体装置。
【請求項5】
前記実装基板は、長さを有し、
前記連結部の長さ方向は、前記実装基板の長さ方向に一致する、
請求項1~4のいずれか一つの半導体装置。
【請求項6】
前記実装基板は、
絶縁基板と、
前記絶縁基板の厚さ方向の第1面に形成される第1導体層と、
前記絶縁基板の厚さ方向の第2面に形成される第2導体層と、
を含み、
前記第1導体層における前記絶縁基板とは反対側の面が前記搭載面を構成し、
前記第1導体層は、前記第2導体層よりも体積が小さい、
請求項1~5のいずれか一つの半導体装置。
【請求項7】
前記第1接続部の前記連結部から前記搭載面側への突出量をD1、
前記第2接続部の前記連結部から前記搭載面側への突出量をD2とすると、
D1<D2である、
請求項1~6のいずれか一つの半導体装置。
【請求項8】
前記第3接続部の前記連結部から前記搭載面側への突出量をD3とすると、
D1<D3である、
請求項7の半導体装置。
【請求項9】
前記複数の接続対象は、前記第1接続部に接合される第1接続対象と、前記第2接続部に接合される第2接続対象とを含み、
前記第1接続部の前記連結部から前記搭載面側への突出量をD1、
前記第1接続対象の前記搭載面からの突出量をH1、
前記第2接続部の前記連結部から前記搭載面側への突出量をD2、
前記第2接続対象の前記搭載面からの突出量をH2とすると、
D1+H1<D2+H2である、
請求項1~6のいずれか一つの半導体装置。
【請求項10】
前記回路部は、前記搭載面に配置された複数の前記半導体チップを有し、
前記複数の半導体チップは、前記第1接続対象となる第1半導体チップと、前記第2接続対象となる第2半導体チップとを含み、
H1は、前記搭載面から、前記第1半導体チップにおいて前記第1接続部に接合される面までの距離であり、
H2は、前記搭載面から、前記第2半導体チップにおいて前記第2接続部に接合される面までの距離である、
請求項9の半導体装置。
【請求項11】
前記複数の接続対象は、前記第3接続部に接合される第3接続対象を含み、
前記第3接続部の前記連結部からの前記搭載面側への突出量をD3、
前記第3接続対象の前記搭載面からの突出量をH3とすると、
D1+H1<D3+H3である、
請求項9又は10の半導体装置。
【請求項12】
前記第3接続対象は、前記搭載面に露出する電極であり、
H3は、0である、
請求項11の半導体装置。
【請求項13】
前記複数の接続対象は、前記第1接続部に接合される第1接続対象と、前記第2接続部に接合される第2接続対象とを含み、
前記複数の接合部材は、前記第1接続部と前記第1接続対象とを接合する第1接合部材と、前記第2接続部と前記第2接続対象とを接合する第2接合部材とを含み、
前記第1接合部材の厚さをT1、
前記第2接合部材の厚さをT2とすると、
T1>T2である、
請求項1~6のいずれか一つの半導体装置。
【請求項14】
前記複数の接続対象は、前記第3接続部に接合される第3接続対象を含み、
前記複数の接合部材は、前記第3接続部と前記第3接続対象とを接合する第3接合部材を含み、
前記第3接合部材の厚さをT3とすると、
T1>T3である、
請求項13の半導体装置。
【請求項15】
前記回路部及び前記バスバーを収容するボディを更に備え、
前記バスバーは、前記ボディには支持されていない、
請求項1~14のいずれか一つの半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に半導体装置に関する。本開示は、特に、バスバー(ブスバー)を備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、半導体装置を開示する。特許文献1の半導体装置は、第1~第3半導体チップをそれぞれ搭載した第1~第3絶縁回路基板と、第1~第3絶縁回路基板を内側に収納するケースと、ケースの内側で2個の側壁の間に延び両端が架け渡される端子接続部材とを備える。端子接続部材(バスバー)は、第1~第3半導体チップのそれぞれと電気的に接続される3個の第1~第3接続端子(接続部)を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような半導体装置では、端子接続部材(バスバー)を固定あるいは保持するケースの寸法精度が不十分となったときに、端子接続部材(バスバー)が傾いたりする可能性が生じる。このとき、端子接続部材の3個の第1~第3接続端子が第1~第3半導体チップのそれぞれと正しく電気的に接続されない場合がある。これは、電気的接続の信頼性に影響を及ぼす一因となり得る。
【0005】
課題は、バスバーによる電気的接続の信頼性を向上できる、半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の半導体装置は、回路部と、バスバーとを備える。前記回路部は、搭載面を有する実装基板と、前記実装基板の搭載面に配置された半導体チップとを有する。前記バスバーは、前記搭載面上にある複数の接続対象に導電性を有する複数の接合部材を介して接続される複数の接続部と、前記複数の接続部を連結する連結部とを有する。前記複数の接続部は、第1接続部と、前記連結部の長さ方向において前記第1接続部の両側にある第2及び第3接続部とを含む。前記第1接続部は、前記第2及び第3接続部よりも前記搭載面から遠い。
【発明の効果】
【0007】
本開示の態様によれば、バスバーによる電気的接続の信頼性を向上できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態の半導体装置の概略平面図である。
【
図3】
図3は、一変形例の半導体装置の概略断面図である。
【
図4】
図4は、一変形例の半導体装置の概略断面図である。
【
図5】
図5は、一変形例の半導体装置の概略断面図である。
【
図6】
図6は、一変形例の半導体装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)実施形態
(1-1)概要
図1及び
図2は、一実施形態の半導体装置10を示す。なお、
図1及び
図2は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。この点は、
図3~
図6においても同様である。
【0010】
半導体装置10は、回路部20と、バスバー50とを備える。回路部20は、搭載面30aを有する実装基板30と、実装基板30の搭載面30aに配置された半導体チップ40(複数の半導体チップ41,42)とを有する。バスバー50は、搭載面30a上にある複数の接続対象P10(P11~P13)に導電性を有する複数の接合部材60(61~63)を介して接続される複数の接続部51(511~513)と、複数の接続部51(511~513)を連結する連結部52とを有する。複数の接続部51(511~513)は、第1接続部511と、連結部52の長さ方向(
図2の左右方向)において第1接続部511の両側にある第2及び第3接続部512,513を含む。第1接続部511は、第2及び第3接続部512,513よりも搭載面30aから遠い。
【0011】
ところで、半導体装置10では、例えば、第2接続部512よりも先に第1及び第3接続部511,513が回路部20に接合されると、バスバー50が、回路部20に対する所望の位置から過度に傾いてしまう可能性がある。バスバー50が過度に傾くと、第2接続部512又は第3接続部513が回路部20から浮き上がって、第2接続部512又は第3接続部513と回路部20との接続不良が生じて電気的接続の信頼性が低下する可能性がある。また、第2接続部512又は第3接続部513と回路部20との間の接合部材が薄くなりすぎて、第2接続部512又は第3接続部513と回路部20との間の接合強度が小さくなることで機械的接続の信頼性が低下する可能性がある。これに対して、本実施形態の半導体装置10では、第1接続部511が、第2及び第3接続部512,513よりも搭載面30aから遠い。そのため、第1接続部511よりも第2及び第3接続部512,513のほうが先に回路部20に接合される可能性が高い。これによって、バスバー50が、回路部20に対する所望の位置から過度に傾いてしまう可能性が低減される。その結果、本実施形態の半導体装置10によれば、バスバー50による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0012】
(1-2)詳細
以下、本実施形態の半導体装置10について
図1及び
図2を参照して説明する。半導体装置10は、回路部20と、バスバー50と、接合部材60と、端子部71,72と、ボディ80と、封止部90とを備える。なお、
図1では、図示の簡略化のために、封止部90が省略されている。
【0013】
ボディ80は、回路部20と、バスバー50と、接合部材60とを収容する。
図2に示すように、ボディ80は、ヒートシンク810と、枠部820とを備える。
【0014】
ヒートシンク810は、板部811と、複数のフィン812と、を有する。板部811は、矩形板状であり、第1主面811aと、第1主面811aとは反対側の第2主面811bと、を有する。複数のフィン812は、板部811の第2主面811bから板部811の厚さ方向に突出している。ヒートシンク810の材料は、銅やアルミニウムが主に用いられる。ここで、ヒートシンク810の材料は、純粋な銅やアルミニウムに限らず、例えば、AlSi、Cu-Mo、CMC(Copper Molybdenum Copper)、CIC(Copper Inver Copper)等の銅合金やアルミニウム合金であってもよい。
【0015】
枠部820は、枠状(矩形枠状)であり、ヒートシンク810の板部811の第1主面811a上に配置されている。枠部820は、回路部20及びバスバー50を囲んでいる。枠部820は、電気絶縁性を有する。枠部820の材料は、例えば、PBT(Polybutylene terephthalate)、PPS(Poly Phenylene Sulfide)、LCP(Liquid Crystal Polymer)、PBI(Polybenzimidazole)である。
【0016】
端子部71,72は、外部接続用の端子部である。端子部71,72は、枠部820に一体に設けられている。例えば、端子部71,72は、インサート成形によって、枠部820と一体に設けられる。端子部71,72の各々は、一端が枠部820上に露出し、他端が回路部20に電気的に接続される。また、端子部71,72は、枠部820の長さ方向(
図1における左右方向)の両側にあって、枠部820の長さ方向において一直線上に並ぶ。端子部71,72の材料としては、銅や、Cu-Mo、CMC、CIC等の銅合金が挙げられる。
【0017】
回路部20は、実装基板30と、半導体チップ40とを含む。本実施形態では、回路部20は、複数の半導体チップ40を含む。
【0018】
実装基板30は、搭載面30aと、実装基板30の厚さ方向において搭載面30aとは反対側の接合面30bとを有する。実装基板30の厚さ方向からの平面視における実装基板30の外周形状は、例えば、長方形状である。つまり、実装基板30は長さを有する。
【0019】
本実施形態では、実装基板30は、絶縁基板310と、第1導体層320と、第2導体層330とを有する。絶縁基板310は、その厚さ方向の両面である、第1面310a及び第2面310bを有する。絶縁基板310の厚さ方向からの平面視における絶縁基板310の外周形状は、例えば、長方形状である。絶縁基板310の外周形状は、実装基板30の外周形状と同じである。絶縁基板310は、例えば、窒化ケイ素基板である。絶縁基板310は、窒化ケイ素基板に限らず、例えば、窒化アルミニウム基板、アルミナ基板、又は樹脂基板であってもよい。第1導体層320は、絶縁基板310の第1面310a上に設けられている。第1導体層320の厚さ方向において絶縁基板310とは反対側の面が、実装基板30の搭載面30aを構成する。搭載面30aは、平坦な面である。本実施形態では、第1導体層320は、第1部位320aと、第2部位320bとで構成される。
図1に示すように、第1部位320aの外周形状は、長方形状であり、第2部位320bの外周形状は、L字状である。第2部位320bの一部は、電極340として用いられる。第1部位320aの厚さ方向において絶縁基板310とは反対側の面と第2部位320bの厚さ方向において絶縁基板310とは反対側の面とは同一平面上にあって、これらが搭載面30aを構成する。第2導体層330は、絶縁基板310の第2面310b上に設けられている。第2導体層330の厚さ方向において絶縁基板310とは反対側の面が、実装基板30の接合面30bを構成する。第1導体層320及び第2導体層330の材料は、例えば、Cu又はAlである。
【0020】
本実施形態では、実装基板30とヒートシンク810とが接合部350により接合されている。接合部350は、実装基板30の接合面30bとヒートシンク810における板部811の第1主面811aとの間に介在している。接合部350には、はんだや焼結金属が用いられる。また、耐熱性の観点から、接合部350が焼結金属であるのが好ましい。焼結金属は、焼結銀や焼結銅等である。
【0021】
複数の半導体チップ40は、実装基板30の搭載面30a上に配置される。本実施形態では、複数の半導体チップ40は、第1半導体チップ41及び第2半導体チップ42を含む。第1半導体チップ41及び第2半導体チップ42は、第1部位320a上に配置される。第1半導体チップ41及び第2半導体チップ42は、電極340、第1半導体チップ41及び第2半導体チップ42が実装基板30の長さに沿って一列に並ぶように、配置される。本実施形態では、半導体チップ40と実装基板30とが接合部360により接合されている。より詳細には、第1半導体チップ41と実装基板30の第1部位320aとが接合部360(361)により接合されている。また、第2半導体チップ42と実装基板30の第1部位320aとが接合部360(362)により接合されている。接合部360(361,362)には、はんだや焼結金属が用いられる。また、耐熱性の観点から、接合部360(361,362)が焼結金属であるのが好ましい。焼結金属は、焼結銀や焼結銅等である。焼結銀は、銀粒子同士が焼結により結合された焼結体である。焼結銀は、多孔質銀である。
【0022】
ここで、半導体装置10は、例えば、直流電圧を3相交流電圧に変換するインバータ、マルチレベルインバータ、交流-交流電力変換を行うマトリクスコンバータ等の電気装置に適用できるパワー半導体モジュールである。パワー半導体モジュールを構成する半導体装置10では、複数の半導体チップ40の各々は、例えば、SiC系MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GaN系パワートランジスタのいずれかを含む。GaN系パワートランジスタは、例えば、デュアルゲート型のGaN系GIT(GIT:Gate Injection Transistor)である。なお、半導体装置10は、複数の半導体チップ40の他に、チップキャパシタ、チップインダクタ、チップ抵抗等の電子部品を備えていてもよい。
【0023】
バスバー50は、回路部20の搭載面30a上にある複数の接続対象P10を電気的に接続するために用いられる。バスバー50は、金属材料の板材に機械的な加工を施すことによって形成され得る。ここで、金属材料の板材は厚さ寸法が実質的に均一であるから、バスバー50も、厚さ寸法が実質的に均一となる。バスバー50の材料としては、銅や、Cu-Mo、CMC、CIC等の銅合金が挙げられる。本実施形態では、複数の接続対象P10は、第1接続対象P11と、第2接続対象P12と、第3接続対象P13とを含む。第1接続対象P11は、回路部20の第1半導体チップ41である。第2接続対象P12は、回路部20の第2半導体チップ42である。第3接続対象P13は、回路部20の電極340である。
図1及び
図2に示すように、バスバー50は、複数の接続部51と、連結部52とを備える。連結部52は、複数の接続部51を連結する。連結部52は、直線状である。より詳細には、連結部52の厚さ方向からの平面視における連結部52の外周形状は、長方形状である。連結部52における搭載面30aとは反対側は、平坦な面であって、この面が、バスバー50において搭載面30aから最も離れた面501となる。複数の接続部51は、複数の接続対象P10に導電性を有する複数の接合部材60を介して接続される。本実施形態では、複数の接続部51は、第1接続部511と、第2接続部512と、第3接続部513とを含む。ここで、第2接続部512と第3接続部513とは、連結部52の長さ方向において第1接続部511の両側にある。第1接続部511は、バスバー50の中央部にあって、搭載面30a側に突出している。第1接続部511は、バスバー50の重心位置近傍にあるとよい。第1接続部511は、接合部材60(第1接合部材61)によって、第1接続対象P11である第1半導体チップ41に接合される。第2接続部512は、バスバー50の長さ方向の第1端側(
図1及び
図2における右端側)にあって、搭載面30a側に突出している。第2接続部512は、接合部材60(第2接合部材62)によって、第2接続対象P12である第2半導体チップ42に接合される。第3接続部513は、バスバー50の長さ方向の第2端側(
図1及び
図2における左端側)にあって、搭載面30a側に突出している。第3接続部513は、接合部材60(第3接合部材63)によって、第3接続対象P13である電極340に接合される。ここで、接合部材60(第1~第3接合部材61~63)には、はんだや焼結金属が用いられる。また、耐熱性の観点から、接合部材60(第1~第3接合部材61~63)が焼結金属であるのが好ましい。焼結金属は、焼結銀や焼結銅等である。
【0024】
バスバー50では、第1~第3接続部511~513が、接合部材60(第1~第3接合部材61~63)によって、回路部20の第1~第3接続対象P11~P13に接合される。これによって、バスバー50は、回路部20に接合され、回路部20で支持される。上述したように、電極340、第1半導体チップ41及び第2半導体チップ42が実装基板30の長さに沿って一列に並ぶ。そして、第1~第3接続部511~513は、バスバー50の長さ方向(つまり、連結部52の長さ方向)に沿って一列に並ぶ。よって、バスバー50は、連結部52の長さ方向が実装基板30の長さ方向に一致するようにして、回路部20に接合される。本実施形態では、バスバー50は、ボディ80の枠部820には直接的には接触していない。よって、バスバー50は、ボディ80には支持されていない。つまり、バスバー50は、ボディ80とは独立している。これによって、ボディ80と回路部20との位置の変化、特に、半導体装置10の厚さ方向(
図2又は
図3における上下方向)の位置の変化に起因する影響をバスバー50が受けにくくなる。
【0025】
ここで、半導体装置10においては、バスバー50は、
図2に示すように、第1接続部511が第2及び第3接続部512,513よりも搭載面30aから遠くなるように構成されている。ここでは、バスバー50は、搭載面30aから最も離れた面501が平面であって、搭載面30aと平行するように配置される。更に、バスバー50は、厚さ寸法が実質的に均一である。よって、
図2に示すように、D1<D2である。D1は、第1接続部511の連結部52から搭載面30a側への突出量である。言い換えれば、D1は、第1接続部511において搭載面30aに最も近い部位と連結部52の搭載面30a側の面(
図2では下面)との間の距離ともいえる。D2は、第2接続部512の連結部52から搭載面30a側への突出量である。言い換えれば、D2は、第2接続部512において搭載面30aに最も近い部位と連結部52の搭載面30a側の面(
図2では下面)との間の距離ともいえる。これによって、第1接続部511よりも第2接続部512のほうが先に回路部20に接合される可能性が高くなる。更に、
図2に示すように、D1<D3である。D3は、第3接続部513の連結部52から搭載面30a側への突出量である。言い換えれば、D3は、第3接続部513において搭載面30aに最も近い部位と連結部52の搭載面30a側の面(
図2では下面)との間の距離ともいえる。これによって、第1接続部511よりも第3接続部513のほうが先に回路部20に接合される可能性が高くなる。なお、D2とD3との関係については特に限定されない。
【0026】
また、半導体装置10においては、バスバー50は、第1接続部511、第2接続部512、及び第3接続部513が、第1接続対象P11、第2接続対象P12、及び第3接続対象P13にそれぞれ接合されている。特に、
図2に示すように、D1+H1<D2+H2である。H1は、第1接続対象P11の搭載面30aからの突出量である。本実施形態では、第1接続対象P11は、第1半導体チップ41である。H1は、搭載面30aから、第1半導体チップ41において第1接続部511に接合される面までの距離である。ここで、第1半導体チップ41は、接合部361によって搭載面30aに取り付けられている。よって、H1は、第1半導体チップ41の厚さと、接合部361の厚さとで決まる。H2は、第2接続対象P12の搭載面30aからの突出量である。本実施形態では、第2接続対象P12は、第2半導体チップ42である。H2は、搭載面30aから、第2半導体チップ42において第2接続部512に接合される面までの距離である。ここで、第2半導体チップ42は、接合部362によって搭載面30aに取り付けられている。よって、H2は、第2半導体チップ42の厚さと、接合部362の厚さとで決まる。これによって、第1接続部511よりも第2接続部512のほうが先に回路部20に接合される可能性が高くなる。更に、
図2に示すように、D1+H1<D3+H3である。H3は、第3接続対象P13の搭載面30aからの突出量である。本実施形態では、第3接続対象P13は、搭載面30aに露出する電極340である。H3は、搭載面30aから、電極340において第3接続部513に接合される面までの距離である。これによって、第1接続部511よりも第3接続部513のほうが先に回路部20に接合される可能性が高くなる。よって、H3は0である。なお、D2+H2とD3+H3との関係については特に限定されない。
【0027】
また、半導体装置10においては、バスバー50は、第1接合部材61、第2接合部材62、及び第3接合部材63によって、回路部20に接合されている。特に、
図2に示すように、T1>T2である。T1は、第1接合部材61の厚さである。T2は、第2接合部材62の厚さである。更に、
図2に示すように、T1>T3である。T3は、第3接合部材63の厚さである。これによって、第1接続部511よりも第2接続部512のほうが先に回路部20に接合される可能性が高くなり、かつ、第1接続部511よりも第3接続部513のほうが先に回路部20に接合される可能性が高くなる。なお、T2とT3との関係については特に限定されない。
【0028】
封止部90は、ボディ80に収容される回路部20及びバスバー50を覆って封止している。封止部90は、電気絶縁性及び遮光性を有する。封止部90の材料としては、エポキシ系樹脂、マレイミド樹脂、シリコーンゲル等が挙げられる。エポキシ系樹脂は、耐熱性の観点から、ガラス転移温度が高いのが好ましい。
【0029】
(2)変形例
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
【0030】
図3は、一変形例の半導体装置10Aを示す。半導体装置10Aは、バスバー50Aが、半導体装置10のバスバー50と異なる。バスバー50Aでは、第1接続部511が第2及び第3接続部512,513よりも搭載面30aから遠くなるように構成されている。ここでは、バスバー50Aは、搭載面30aから最も離れた面501が平面であって、搭載面30aと平行するように配置される。更更に、バスバー50Aは、厚さ寸法が実質的に均一である。ここで、D1<D2であり、D1<D3である。ただし、バスバー50Aでは、D1の値がバスバー50の場合よりも大きい。D1の増加は、第1接合部材61の厚さであるT1の減少によって相殺されている。よって、半導体装置10Aにおいても、D1+H1<D2+H2であり、D1+H1<D3+H3である。この結果として、T1>T2であり、T1>T3である。よって、半導体装置10Aにおいても、第1接続部511よりも第2及び第3接続部512,513のほうが先に回路部20に接合される可能性が高い。これによって、バスバー50が、回路部20に対する所望の位置から過度に傾いてしまう可能性が低減される。その結果、半導体装置10Aによれば、バスバー50Aによる電気的接続の信頼性を向上できる。
【0031】
図3の変形例においても、実装基板30は、絶縁基板310と、絶縁基板310の厚さ方向の第1面310aに形成される第1導体層320と、絶縁基板310の厚さ方向の第2面310bに形成される第2導体層330とを含む。そして、第1導体層320における絶縁基板310とは反対側の面が搭載面30aを構成している。ここで、第1導体層320と第2導体層330とは、全体として、厚さ及び外周形状が等しい。そして、第1導体層320及び第2導体層330は、絶縁基板310の厚さ方向において重複する位置にある。ただし、第1導体層320は、第1部位320aと、第2部位320bとで構成されている。よって、第1導体層320の体積は、第1部位320aの体積と第2部位320bの体積との合計である。この場合、第1導体層320は、第2導体層330よりも体積が小さい。そして、この場合に、実装基板30に熱が加えられた際には、第1導体層320よりも第2導体層330のほうが変形の度合いが大きくなる。これによって、
図4のように、実装基板30は、第1導体層320側が凹面となるように反りやすくなる。この場合には、第1接続対象P11よりも第2及び第3接続対象P12,P13がバスバー50Aに近付くことになる。よって、第1接続部511よりも第2及び第3接続部512,513のほうが先に回路部20に接合される可能性が高くなる。これによって、バスバー50Aが、回路部20に対する所望の位置から過度に傾いてしまう可能性が低減される。その結果、半導体装置10Aによれば、バスバー50Aによる電気的接続の信頼性を向上できる。
【0032】
なお、第1導体層320は必ずしも、第1部位320aと第2部位320b都のように複数の部位で構成されている必要はない。第1導体層320が複数の部位で構成されるか単一の部位で構成されるかは、半導体装置10Aの回路構成によって適宜決定され得る。ここで、第1導体層320が単一の部位で構成される場合であっても、第1導体層320は、第2導体層330よりも体積が小さいとよい。例えば、
図5に示すように、第2導体層330は、第1導体層320よりも外周形状が大きくてよく、これによって第2導体層330の体積が、第1導体層320より大きくなっていてもよい。この場合も、実装基板30に熱が加えられた際には、実装基板30は、第1導体層320側が凹面となるように反りやすくなる。そのため、同様に、第1接続部511よりも第2及び第3接続部512,513のほうが先に回路部20に接合される可能性が高くなる。これによって、バスバー50Aが、回路部20に対する所望の位置から過度に傾いてしまう可能性が低減される。その結果、半導体装置10Aによれば、バスバー50Aによる電気的接続の信頼性を向上できる。
【0033】
図6は、一変形例の半導体装置10Bを示す。半導体装置10Bは、バスバー50Bが、半導体装置10のバスバー50と異なる。バスバー50Bは、回路部20の搭載面30a上にある複数の接続対象P10を電気的に接続するために用いられる。半導体装置10Bでは、複数の接続対象P10は、第1接続対象P11と、第2接続対象P12と、第3接続対象P13と、第4接続対象P14と、第5接続対象P15とを含む。第1接続対象P11は、回路部20の第1半導体チップ41である。第2接続対象P12は、回路部20の第2半導体チップ42である。第3接続対象P13は、回路部20の電極340である。また、第4接続対象P14及び第5接続対象P15は回路部20の電極340(343,343)である。電極342は、第1導体層320の第2部位320bにあって、実装基板30の幅方向(
図6の上下方向)において、第2接続対象P12と一列に並んでいる。電極343は、第1導体層320の第1部位320aにあって、実装基板30の長さ方向において第1接続対象P11、第2接続対象P12、及び第3接続対象P13と一列に並んでいる。電極343は、第2接続対象P12における第1接続対象P11と反対側にある。
【0034】
バスバー50Bは、複数の接続部51と、連結部52,53とを備える。複数の接続部51は、複数の接続対象P10に導電性を有する複数の接合部材60を介して接続される。複数の接続部51は、第1接続部511と、第2接続部512と、第3接続部513と、第4接続部514と、第5接続部515とを含む。ここで、連結部52は、複数の接続部51のうち、第1接続部511、第2接続部512、第3接続部513、及び、第5接続部515を連結する。連結部53は、連結部52の幅方向に延び、連結部52と第4接続部514とを連結する。よって、バスバー50Bは、全体として、L字形である。
【0035】
このように、バスバー50Bは、第1~第3接続部511,512,513に加えて、更に、追加の接続部(第4接続部514及び第5接続部515)を備える。つまり、バスバー50Bは、必ずしも、第1~第3接続部511,512,513のみを有する構成に限定されない。ここで、第5接続部515は、連結部52の長さ方向において、第2接続部512における第1接続部511とは反対側にある外側接続部となる。つまり、複数の接続部51は、連結部52の長さ方向において、第2又は第3接続部における第1接続部とは反対側にある外側接続部を含んでいてもよい。一方で、接続部515が第2接続部として機能するとすれば、接続部512は、連結部52の長さ方向において、第2及び第3接続部515,513の間にある内側接続部となる。つまり、複数の接続部51は、連結部52の長さ方向において、第2及び第3接続部の間にある内側接続部を含んでいてもよい。更に、複数の接続部51は、連結部52の長さ方向に交差する方向(例えば、幅方向)おいて、第1~第3接続部の何れかと並ぶ隣接接続部(接続部514)を含んでいてもよい。
【0036】
一変形例では、半導体装置10は、バスバー50の他にも、回路部20の回路部品や電極等を電気的に接続する導電部材を含んでいてもよい。このような導電部材は、バスバーにより構成されてもよいし、導電端子とCuワイヤとを含んでもよいし、ワイヤであってもよい。なお、導電部材の材料としては、Cu-Mo、CMC、CICが挙げられる。
【0037】
上記実施形態では、実装基板30の厚さ方向からの平面視における実装基板30の外周形状は、長方形状であるが、これに限らず、例えば、正方形状であってもよい。
【0038】
上記実施形態の半導体装置10の構成は、バスバーを備える電気装置にも適用可能である。つまり、半導体チップを備えていなくてもバスバーを備える装置であれば、本開示の技術的思想は適用可能である。
【0039】
(3)態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
【0040】
第1の態様は、半導体装置(10;10A;10B)であって、回路部(20)と、バスバー(50;50A;50B)とを備える。前記回路部(20)は、搭載面(30a)を有する実装基板(30)、及び前記実装基板(30)の搭載面(30a)に配置された半導体チップ(40)を有する。前記バスバー(50;50A;50B)は、前記搭載面(30a)上にある複数の接続対象(P10)に導電性を有する複数の接合部材(60)を介して接続される複数の接続部(51)、及び前記複数の接続部(51)を連結する連結部(52)を有する。前記複数の接続部(51)は、第1接続部(511)と、前記連結部(52)の長さ方向において前記第1接続部(511)の両側にある第2及び第3接続部(512,513)とを含む。前記第1接続部(511)は、前記第2及び第3接続部(512,513)よりも前記搭載面(30a)から遠い。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0041】
第2の態様は、第1の態様に基づく半導体装置(10B)である。第2の態様では、前記複数の接続部(51)は、前記連結部(52)の長さ方向において、前記第2又は第3接続部(512,513)における前記第1接続部(511)とは反対側にある外側接続部(515)を含む。この態様によれば、バスバー(50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0042】
第3の態様は、第1又は第2の態様に基づく半導体装置(10B)である。第3の態様では、前記複数の接続部(51)は、前記連結部(52)の長さ方向において、前記第2及び第3接続部(512,513)の間にある内側接続部(512)を含む。この態様によれば、バスバー(50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0043】
第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか一つに基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第4の態様では、前記連結部(52)は、直線状である。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0044】
第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか一つに基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第5の態様では、前記実装基板(30)は、長さを有する。前記連結部(52)の長さ方向は、前記実装基板(30)の長さ方向に一致する。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0045】
第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか一つに基づく半導体装置(10A)である。第6の態様では、前記実装基板(30)は、絶縁基板(310)と、前記絶縁基板(310)の厚さ方向の第1面(310a)に形成される第1導体層(320)と、前記絶縁基板(310)の厚さ方向の第2面(310b)に形成される第2導体層(330)とを含む。前記第1導体層(320)における前記絶縁基板(310)とは反対側の面が前記搭載面(30a)を構成する。前記第1導体層(320)は、前記第2導体層(330)よりも体積が小さい。この態様によれば、バスバー(50A)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0046】
第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか一つに基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第7の態様では、前記第1接続部(511)の前記連結部(52)から前記搭載面(30a)側への突出量をD1、前記第2接続部(512)の前記連結部(52)から前記搭載面(30a)側への突出量をD2とすると、D1<D2である。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0047】
第8の態様は、第7の態様に基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第8の態様では、前記第3接続部(513)の前記連結部(52)から前記搭載面(30a)側への突出量をD3とすると、D1<D3である。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0048】
第9の態様は、第1~第6の態様のいずれか一つに基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第9の態様では、前記複数の接続対象(P10)は、前記第1接続部(511)に接合される第1接続対象(P11)と、前記第2接続部(512)に接合される第2接続対象(P12)とを含む。前記第1接続部(511)の前記連結部(52)から前記搭載面(30a)側への突出量をD1、前記第1接続対象(P11)の前記搭載面(30a)からの突出量をH1、前記第2接続部(512)の前記連結部(52)から前記搭載面(30a)側への突出量をD2、前記第2接続対象(P12)の前記搭載面(30a)からの突出量をH2とすると、D1+H1<D2+H2である。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0049】
第10の態様は、第9の態様に基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第10の態様では、前記回路部(20)は、前記搭載面(30a)に配置された複数の前記半導体チップ(40)を有する。前記複数の半導体チップ(40)は、前記第1接続対象(P11)となる第1半導体チップ(41)と、前記第2接続対象(P12)となる第2半導体チップ(42)とを含む。H1は、前記搭載面(30a)から、前記第1半導体チップ(41)において前記第1接続部(511)に接合される面までの距離である。H2は、前記搭載面(30a)から、前記第2半導体チップ(42)において前記第2接続部(512)に接合される面までの距離である。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0050】
第11の態様は、第9又は第10の態様に基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第11の態様では、前記複数の接続対象(P10)は、前記第3接続部(513)に接合される第3接続対象(P13)を含む。前記第3接続部(513)の前記連結部(52)からの前記搭載面(30a)側への突出量をD3、前記第3接続対象(P13)の前記搭載面(30a)からの突出量をH3とすると、D1+H1<D3+H3である。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0051】
第12の態様は、第11の態様に基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第12の態様では、前記第3接続対象(P13)は、前記搭載面(30a)に露出する電極(340)である。H3は、0である。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0052】
第13の態様は、第1~第6の態様のいずれか一つに基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第13の態様では、前記複数の接続対象(P10)は、前記第1接続部(511)に接合される第1接続対象(P11)と、前記第2接続部(512)に接合される第2接続対象(P12)とを含む。前記複数の接合部材(60)は、前記第1接続部(511)と前記第1接続対象(P11)とを接合する第1接合部材(61)と、前記第2接続部(512)と前記第2接続対象(P12)とを接合する第2接合部材(62)とを含む。前記第1接合部材(61)の厚さをT1、前記第2接合部材(62)の厚さをT2とすると、T1>T2である。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0053】
第14の態様は、第13の態様に基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第14の態様では、前記複数の接続対象(P10)は、前記第3接続部(513)に接合される第3接続対象(P13)を含む。前記複数の接合部材(60)は、前記第3接続部(513)と前記第3接続対象(P13)とを接合する第3接合部材(63)を含む。前記第3接合部材(63)の厚さをT3とすると、T1>T3である。この態様によれば、バスバー(50;50A;50B)による電気的接続の信頼性を向上できる。
【0054】
第15の態様は、第1~第14の態様のいずれか一つに基づく半導体装置(10;10A;10B)である。第15の態様では、前記半導体装置(10;10A;10B)は、前記回路部(20)及び前記バスバー(50;50A;50B)を収容するボディ(80)を更に備える。前記バスバー(50;50A;50B)は、前記ボディ(80)には支持されていない。この態様によれば、ボディ(80)と回路部(20)との位置の変化(特に、半導体装置の厚さ方向の位置の変化に起因する影響をバスバー(50;50A;50B)が受けにくくなる。
【符号の説明】
【0055】
10,10A,10B 半導体装置
20 回路部
30 実装基板
30a 搭載面
310 絶縁基板
310a 第1面
310b 第2面
320 第1導体層
330 第2導体層
340 電極
40 半導体チップ
41 第1半導体チップ
42 第2半導体チップ
P10 接続対象
P11 第1接続対象
P12 第2接続対象
P13 第3接続対象
50,50A,50B バスバー
51 接続部
511 第1接続部
512 第2接続部(内側接続部)
513 第3接続部
515 外側接続部
52 連結部
60 接合部材
61 第1接合部材
62 第2接合部材
63 第3接合部材
80 ボディ