(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181654
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 7/00 20060101AFI20231218BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20231218BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20231218BHJP
A47B 13/10 20060101ALI20231218BHJP
A47B 13/08 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
A47B7/00 A
A47B13/02
A47B13/00 Z
A47B13/10
A47B13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094910
(22)【出願日】2022-06-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)公開日(設置日): A:令和3年9月2日(令和3年10月23日載置物変更) B:令和3年11月3日 C:令和3年11月4日~令和3年12月3日 公開場所:コクヨ品川ショールーム(東京都港区港南1丁目8番35号) 公開者 :コクヨ株式会社 (2)公開日 : A:令和3年11月18日 B:令和3年12月 2日 C:令和4年 1月27日 D:令和4年 2月 4日 公開場所: A:株式会社ゆがふホールディングス(沖縄県名護市港2丁目6番5号) B:株式会社丸ヨ池内(本社:北海道札幌市中央区南1条西2丁目18番地) C:NECネッツエスアイ株式会社(本社:東京都文京区後楽2-6-1飯田橋ファーストタワー) D:住友生命保険相互会社(本社:大阪府大阪市中央区城見1-4-35) 公開者 :コクヨ株式会社 (3)公開日(設置日): A:令和4年2月2日 B:令和4年2月14日 公開場所: A:全国労働者共済生活協同組合連合会(東京都渋谷区代々木二丁目12番10号) B:野村不動産パートナーズ株式会社(東京都新宿区西新宿一丁目26番2号新宿野村ビル) 公開者 : コクヨ株式会社 (4)公開日 : 令和4年3月10日 公開先 : キッコーマン株式会社 公開場所: 東京都港区西新橋2丁目1-1 興和西新橋ビル 公開者 : コクヨ株式会社 (5)公開日 : 令和4年3月10日 公開先 : 株式会社JERA(本社:東京都中央区日本橋2丁目5番1号 日本橋高島屋三井ビルディング25階) 公開者 : コクヨ株式会社 (6)公開日 : 令和4年3月25日 公開先 : ユニ・チャーム株式会社 公開場所: 東京都港区三田3丁目5-24 東京三田再開発プロジェクトオフィスタワー 公開者 : コクヨ株式会社 (7)公開日 : 令和4年5月13日 公開先 : ゲンスラー社 公開場所: 東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号 武田薬品工業 グローバル本社8階 公開者 : コクヨ株式会社 (8)公開日 : 令和4年6月10日 公開先 : JBCCホールディングス株式会社 明豊ファシリティワークス株式会社 公開場所: 東京都大田区蒲田5丁目37番1号 ニッセイアロマスクエア 15階 公開者 : コクヨ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】笠松 祥平
(72)【発明者】
【氏名】椿井 絢子
(72)【発明者】
【氏名】上林 里衣
(72)【発明者】
【氏名】松岡 純
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP02
3B053NP04
3B053NP07
3B053NQ08
3B053NQ10
3B053NR01
3B053PA03
3B053PA04
3B053PC01
(57)【要約】
【課題】天板を複数の分割天板部材により構成するテーブルにおいて、剛性を低下させることなしに部品点数を最小限のものに抑える。
【解決手段】周縁に3つ以上の使用端1aを等角間隔に設定し周囲から使用可能な天板1を具備してなるテーブルTにおいて、天板1を、各使用端1aを含む相互に独立した3つ以上の分割天板部材である天板要素11を隣接配置することにより構成されたものとし、各天板要素11の隣接境界部分11bにその天板1を支持する脚体であるループ脚2がそれぞれ配設されている構成を採用する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁に3つ以上の使用端を等角間隔に設定し周囲から使用可能な天板を具備してなるテーブルであって、
前記天板は、各使用端を含む相互に独立した3つ以上の分割天板部材を隣接配置することにより構成されたものであり、
各分割天板部材の隣接境界部分にその天板を支持する脚体がそれぞれ配設されているテーブル。
【請求項2】
前記脚体は、前記天板の中央部付近を支持する内脚柱と、前記天板の周縁近傍部を支持する外脚柱とを備え、それら内脚柱と外脚柱との間に空間を形成したものである請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
前記各脚体間には、各分割天板部材を使用する使用者専用の下肢空間がそれぞれ形成されている請求項1記載のテーブル。
【請求項4】
前記天板は、平面視において略直線状をなし周方向に等角間隔を空けて配された複数の使用端と、これら使用端の端部同士を連続させる凸曲線をなす複数の接続端とを備えたものであり、前記各分割天板部材は、前記各接続端を2分する位置で分断されている請求項1記載のテーブル。
【請求項5】
前記天板は、中心部に開口を備えたものであり、その開口は複数の分割天板部材が集合する部分に形成されたものである請求項1記載のテーブル。
【請求項6】
前記分割天板部材同士は、同形状のものである請求項1記載のテーブル。
【請求項7】
前記天板は、3つの分割天板部材を隣接配置したものである請求項1記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等において好適に用いられるテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテーブルとして、複数人の使用者が周囲から使用可能な天板を具備したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところで、従来のものは、枠状をなす天板支持フレームを複数の脚体により支持させるとともに、その天板支持フレーム上に天板を載設している。そして、複数人で使用することができるテーブルにおいては、天板を複数の分割天板部材からなるものにすることもある。
【0004】
ところが、天板を複数の分割天板部材により構成した上で、その天板を天板支持フレームで支持するようにしたテーブルは、部品の点数を少なくすることが難しく、製作に要する工数を削減することが困難であるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような課題を無理なく解消することができるテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係るテーブルは、周縁に3つ以上の使用端を等角間隔に設定し周囲から使用可能な天板を具備してなるものであって、前記天板は、各使用端を含む相互に独立した3つ以上の分割天板部材を隣接配置することにより構成されたものであり、各分割天板部材の隣接境界部分にその天板を支持する脚体がそれぞれ配設されているものである。
【0008】
なお、本発明において、「周縁に3つ以上の使用端を等角間隔に設定した」とは、円形の天板の周縁を3つ以上に区画し、区画されたそれぞれを使用端として設定する態様を含む概念である。
【0009】
請求項2記載の発明に係るテーブルは、前記脚体が、前記天板の中央部付近を支持する内脚柱と、前記天板の周縁近傍部を支持する外脚柱とを備え、それら内脚柱と外脚柱との間に空間を形成した請求項1記載のものである。
【0010】
請求項3記載の発明に係るテーブルは、前記各脚体間に、各分割天板部材を使用する使用者専用の下肢空間がそれぞれ形成されている請求項1記載のものである。
【0011】
請求項4記載の発明に係るテーブルは、前記天板が、平面視において略直線状をなし周方向に等角間隔を空けて配された複数の使用端と、これら使用端の端部同士を連続させる凸曲線をなす複数の接続端とを備えたものであり、前記各分割天板部材は、前記各接続端を2分する位置で分断されている請求項1記載のものである。
【0012】
請求項5記載の発明に係るテーブルは、前記天板が、中心部に開口を備えたものであり、その開口は複数の分割天板部材が集合する部分に形成されたものである請求項1記載のものである。
【0013】
請求項6記載の発明に係るテーブルは、前記分割天板部材同士が同形状のものである請求項1記載のものである。
【0014】
請求項7記載の発明に係るテーブルは、前記天板が、3つの分割天板部材を隣接配置したものである請求項1記載のものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、天板を構成する複数の分割天板部材の隣接境界部分に脚体を配設しているので、天板支持フレームを必ずしも設けなくても各分割天板部分の両端が脚体に支持されることになり、全体として剛性を低下させることなしに部品点数を最小限のものに抑えることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係るテーブルを示す上方からの斜視図。
【
図5】同実施形態に係るテーブルを示す下方からの斜視図。
【
図6】同実施形態に係るテーブルにモニターアームを取り付けた状態を示す斜視図。
【
図7】同実施形態に係るテーブルにモニターアームを取り付けた状態を示す平面図。
【
図8】同実施形態に係るテーブルにモニターアームを取り付けた状態を示す底面図。
【
図12】同実施形態に係るモニターアームを示す図。
【
図13】同実施形態に係るテーブルにモニターアームを3つ取り付けた状態を示す斜視図。
【
図14】同実施形態に係るテーブルにモニターアームを3つ取り付けた状態を示す平面図。
【
図15】同実施形態に係るテーブルを示す上方からの斜視図。
【
図16】同実施形態に係るテーブルを示す下方からの斜視図。
【
図17】同実施形態に係るテーブルの使用態様をに示す模式図。
【
図18】同実施形態に係るモニターアームの姿勢を変化させた状態を示す平面図。
【
図19】本発明の他の実施形態に係るテーブルを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0018】
本実施形態に係るテーブルTは、周囲から使用可能な天板1を脚体たる複数のループ脚2により支持してなる。すなわち本実施形態のテーブルTは、
図1、
図2、
図4~
図6、
図8及び
図10に示すように、天板1と、この天板1を下方から支持する複数、具体的には3つのループ脚2とを備えている。
【0019】
天板1は、
図1及び
図3~
図8に示すように、周縁に、周方向に間隔をあけて設けられた複数の使用端1a、本実施形態では平面視において略直線状をなし周方向に等角間隔をあけて配された3つの使用端1aと、これら使用端1aの端部同士を連続させる複数の接続端1b、本実施形態では凸曲線をなす3つの接続端1bとを備えたものである。換言すれば、この天板1の周縁には、複数、より望ましくは3つ以上の使用端1aを等角間隔に設定している。さらに換言すれば、この天板1は周縁に3つの使用端1aを等角間隔に形成してなり、その天板1を各使用端1aに対峙して周囲から使用することができる。また、周縁に設定された各使用端1aの少なくとも中央部分は、平面視において直線に近い形状をなすように形成されている。より具体的には、この天板1は、幅方向中央部にそれぞれ使用端1aが設定された3つの天板要素11を周方向に等角間隔、具体的には120度間隔をあけて配したものである。換言すれば、この天板1は、
図1、
図3~
図8及び
図13~
図18に示すように、各使用端1aを含む相互に独立した3つ以上、具体的には3つの分割天板部材である天板要素11を隣接配置することにより構成されたものである。これら天板要素11同士は、同形状のものである。各天板要素11は、各接続端1bを2分する位置で分断されている。また、天板1の各使用端1a近傍における下面には、使用端1aに沿って伸びる補強部材12が設けられている。なお、本実施形態では、各天板要素11を最大幅寸法が1600mm程度の扇形ないし二等辺三角形状の板状に形成している。
【0020】
図1及び
図3~
図11に示すように、この天板1の中心部には開口1cを設けており、その開口1cの周辺にはクランプ取付領域Rを設けている。その開口1cは、複数の天板要素11が集合する部分に形成されたものである。換言すれば、本実施形態においては、この天板1の中心を含む領域に当該中心からの距離が部分的に大きくなる複数、具体的には3つの頂部1c2を有した開口1cを設けてなり、その開口1cの開口縁1caにオプション取付用のクランプ3を装着することができるようにしている。その上で、
図1及び
図3に示すように、開口1cの形状を、各頂部1c2が各使用端1aの中央1a1にそれぞれ対向するように設定している。クランプ取付領域Rは、平面視において使用端1aの中央1a1と開口1cの中央1ccとを結ぶ仮想線Lに対し左右方向に偏移させて設けられている。この仮想線Lは、開口1cの各頂部1c2を通過している。より具体的には、各天板要素11の反使用端側には、平面視概略V字状の切欠11aが設けられており、3つの天板要素11の切欠11aを連通させることにより概略三角形状の開口1cを形成している。その上で、開口1cの周辺に各使用端1aに対応するクランプ取付領域Rがそれぞれ設定されている。さらに詳述すると、開口1cは、天板1の対応する各使用端1aに対して60度の角度をなす直線部分1c1をそれぞれ備えたものであり、直線部分1c1の外側にクランプ取付領域Rがそれぞれ配されている。換言すれば、
図9に示すように、開口1cの開口縁1caにおける各頂部1c2間に位置する部位には、クランプ3を装着するための直線部分1c1が設けられており、この直線部分1c1の外側にクランプ取付領域Rがそれぞれ配されている。このクランプ取付領域Rは、使用端1aに着座した使用者から見て開口1cの中心よりも左側に偏移しており、また、開口1cにおける使用端1aに最も近く使用者に対向した位置よりも左側かつ奥に位置している。天板1の開口1cと使用端1aとの間には、開口1cに接近させてコンセント13が配設されている。換言すれば、天板1の各使用端1aの中央1a1と開口1cの各頂部1c2とを結ぶ仮想線Lに直交させてコンセント13がそれぞれ設けられている。このコンセント13は、平面視直線状のもので、開口1cの各頂部1c2に接近させて設けられている。そして、クランプ取付領域Rにクランプ3を介してオプション部材であるモニターアーム4を取り付けることができるように構成されている。
【0021】
本実施形態では、クランプ3は、
図12に示すように、天板1の上面に添接される上材31と、天板1の下面に対面する下材32と、この下材32と上材31とを天板1の存在しない位置で連結する連結材33と、下材32に上下に螺合進退可能に螺着された調整ねじ34と、この調整ねじ34の上端に着脱可能に装着され天板1の下面に押しつけられる押え板35とを備えている。クランプ3の上材31と下材32と連結材33とは共通の板金素材により作られた一体成形品であり、下材32には2本の調整ねじ34が着脱可能に螺着されている。調整ねじ34の上端には接続軸341がそれぞれ形成されており、それらの接続軸341を押え板35に設けられた接続孔35aに回転可能かつ着脱可能に係合させることができるようになっている。すなわち、このクランプ3は、上材31と下材32と連結材33のみを天板1の開口1cの開口縁1caに係合させた後に、前述した調整ねじ34と押え板35とを装着して当該調整ねじ34を緊締することにより押え板35を天板1の下面に押しつけることができるようになっている。本実施形態のクランプ3の上材31は、略円形状をなし、その中心部からモニターアーム4を回転可能に起立させている。
【0022】
モニターアーム4は、モニター5を単一の使用端1aに正対させる、すなわち使用端1aの中央1a1に正対させる個人使用姿勢(P)と、モニターを隣接する使用端1aの使用者が共有できる共有使用姿勢(Q)との間で作動させ得るものである。すなわち、モニターアーム4は、
図12に示すように、クランプ3の上材31の中心部から起立する支柱41と、この支柱41の中間近傍部に設けられたモニター支持部42とを備えている。支柱41は、下端部がクランプ3の上材31に支持されているクランク状の下支柱411と、この下支柱411に外嵌され下支柱411に対し上下方向にスライド移動可能かつ下支柱411の軸心周りに旋回可能であるとともに、その中間部にモニター支持部42を設けてなる上支柱412とを有する。一方、モニター支持部42は、モニター5の裏面にねじ止め可能である板状のモニター支持ブラケット421と、このモニター支持ブラケット421と上支柱412とを接続する接続部分422とを有する。この接続部分422は、モニター5が天板面(天板1の上面)となす角度を変更可能な態様でモニター5を支持している。そして、支柱41をモニター5とともに旋回させることにより、モニター5を個人使用姿勢(P)と共有使用姿勢(Q)との間で作動させることができるようになっている。
図6、
図7及び
図9ではモニターアーム4を介してモニター5を1つだけ取り付けており、そのモニター5を個人使用姿勢(P)としている。一方、
図13~
図17では、モニターアーム4を介してモニター5を3つ取り付けており、その3つのモニター5を全て個人使用姿勢(P)としている。そして、
図13に示すように、使用端1aの中央1a1に正対させたモニター5すなわち個人使用姿勢(P)としたモニター5のほぼ真下にコンセント13を配している。
図18では、モニターアーム4を介してモニター5を3つ取り付けており、その3つのモニター5のうち1つを共有使用姿勢(Q)、残りの2つを個人使用姿勢(P)としている。すなわち、本実施形態では、モニター5が天板1に対して相対移動可能に配されており、3台のモニター5全てが、単一の使用者に正対させる個人使用姿勢(P)と、隣接する使用端1aの使用者が共有できる共有姿勢(Q)との間で作動させ得るものである。
【0023】
図13~
図18に示す使用態様についてさらに詳述すると、
図13、
図14、
図17及び
図18に示すように、天板1の中心部を囲繞する位置に、各使用端1aに対応するモニター5が配置されており、これら3台のモニター5は、各使用端1aに対峙する使用者U同士の直視を妨げ得る形状および大きさに設定されているとともに、これら3台のモニター5の周囲には、各使用端1aに対峙した使用者Uが上半身を動かすだけで隣の使用者Uを直視することができる空間CSが形成されている。各モニター5が各使用端1aに正対する正規位置すなわち個人使用姿勢(P)をとる位置において、各モニター5の左右の端部同士が当接又は近接して三角柱状のモニター群Mが形成されるようにしてあり、
図17に示すように、少なくともこの個人使用姿勢(P)をとる位置において、全ての隣接する使用者U同士の直視がモニター群Mにより妨げられ得るように構成されている。また、
図14に示すように、平面視した場合に、各使用端1aの中心1a1を結んで形成される多角形TR(正三角形)の各辺が、モニター群Mを通過するようになっている。換言すれば、平面視した場合に、モニター群Mの一部が、各使用端1aの中心1a1を結んで形成される多角形TRの外側となるようにしている。より具体的には、三角柱状をなすモニター群Mの角部Maが各使用端1aの中心1a1を結んで形成される多角形TRの辺TR1上或いはその多角形の外側に配されるようにしており、全ての隣接する使用者U同士の直視を妨げるように、換言すれば隣接する使用者U同士の視線が合うことを妨げるようにしている。このモニター群Mの内側には、
図13及び
図14に示すように、他のオプション類を配設するための上方に開放された内側空間ISが形成されている。この内側空間ISは、天板1の中心部に設けた開口1cに連通している。
【0024】
以上に述べたように、天板1にはクランプ3を介してモニターアーム4を取り付け可能であり、その天板1を3つのループ脚2により下方から支持させている。
【0025】
各ループ脚2は、床面上に配される脚ベース6と、脚ベース6の内方端部に立設され天板1の中央部近傍を支持する内脚柱7と、脚ベース6の外方端部に立設され天板1の接続端1b近傍を支持する外脚柱8とをそれぞれ備え、それら内脚柱7と外脚柱8との間に空間Sを形成したものである。また、各ループ脚2は、天板要素11同士の境界の直下にそれぞれ配されている。換言すれば、
図4、
図5、
図8、
図15及び
図16に示すように、各天板要素11の隣接境界部分11bにその天板1を支持するループ脚2がそれぞれ配設されている。すなわち、3つのループ脚2は、周方向に等角間隔、具体的には120度間隔をあけて配されている。さらに詳述すると、各ループ脚2は、その内脚柱7が共通ブラケットすなわち中央のブラケット9により束ねられた状態で天板1の中央部近傍に止着されているとともに、各外脚柱8が個別ブラケット81を介して天板1の接続端1b近傍に、より具体的には天板1の接続端1bから一定の距離だけ内方にインセットさせた状態で当該天板1の下面にそれぞれ固定されている。すなわち、ループ脚2は、天板1の中央部付近を支持する内脚柱7と、天板1の周縁近傍部を支持する外脚柱8とを備え、それら内脚柱7と外脚柱8との間に空間Sを形成したものである。その上で、各ループ脚2間には、各天板要素11を使用する使用者U専用の下肢空間KSがそれぞれ形成されている。
【0026】
中央のブラケット9は、天板1の中央部の下面に取り付けられ、中央に開口部91aを有する外側部材91と、この外側部材91の下方に取り付けられ外側部材91の開口91aの一部を閉塞する内側部材92とを一体に備えている。すなわち、外側部材91と内側部材92とは、例えば溶接により連結され一体化されている。外側部材91には、天板1の中央に形成した開口1cに対応した形状の開口部91aが設けられているとともに、その開口部91aの開口縁の3箇所に、クランプ3の押え板35をその内部に配置可能な切欠91bを設けている。一方、内側部材92は、概略三角形状をなす板状のものであり、各辺の中間部に切欠92aを有する。この切欠92aと天板1の開口1cの開口縁1caとの間には、クランプ3を挿通させることが可能なスリット状の隙間SSが形成されている。そして、3つのループ脚2の内脚柱7の上端が、この内側部材92に束ねられた状態で例えば溶接等の手段により固定されており、これらループ脚2の内脚柱7により天板1の中央部が下方から支持されている。また、本実施形態では、脚ベース6は内側の第1の脚ベース要素61と外側の第2の脚ベース要素62とを接合して形成している。第1の脚ベース要素61と内脚柱7とは共通のパイプ素材を用いて一体に構成している。また、第2の脚ベース要素62と外脚柱8とも共通のパイプ素材を用いて一体に構成している。脚ベース6の長手方向両端部には、アジャスタ63をそれぞれ設けている。この脚ベース6と天板1との間、換言すれば内脚柱7と外脚柱8との間には何らの部材も配置されておらず、これらの間に形成される空間S内を利用者の脚等が自由に行き来することができるようになっている。
【0027】
なお、Dは、配線を保持するための配線ダクトである。また、Kは、かばん等を掛けておくためのフックである。
【0028】
ここで、
図1は本実施形態に係るテーブルTを示す上方からの斜視図である。
図2は同正面図である。
図3は同平面図である。
図4は同底面図である。
図5は同下方からの斜視図である。
図6は本実施形態に係るテーブルTにクランプ3を介してモニターアーム4を取り付けるとともにモニターアーム4にモニター5を支持させた状態を示す上方からの斜視図である。
図7は同平面図である。
図8は同底面図である。
図9は
図7における要部の拡大図である。
図10は
図8における要部の拡大図である。
図6、
図7及び
図9では、モニターを個人使用姿勢(P)としている。
図11は
図9におけるA-A線に沿った断面図である。
図12はクランプ3及びモニターアーム4を示す図であり、同図の(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図である。
図13はモニター5をそれぞれ支持させた状態でモニターアーム4を3つ取り付けており、これら3つのモニター5を全て個人使用姿勢(P)とした状態を示す斜視図である。
図14は同平面図である。
図15はこの使用態様に係るテーブルTの上方からみた分解斜視図である。
図16は同下方からみた分解斜視図である。なお、
図15及び
図16において、モニター5は省略して示している。
図17はこの使用態様に係るテーブルTに着座した使用者Uとモニター5との位置関係を模式的に示す図である。
図18はモニター5をそれぞれ支持させた状態でモニターアーム4を3つ取り付けており、モニター5の1つを隣接する使用端1aの使用者が共有できる共有使用姿勢(Q)とした状態を示す平面図である。
【0029】
以上に述べたように、本実施形態の構成によれば、天板1を構成する複数の天板要素11の隣接境界部分11bにループ脚2を配設しているので、天板支持フレームを必ずしも設けなくても各天板要素11の両端がループ脚2に支持されることになり、全体として剛性を低下させることなしに部品点数を最小限のものに抑えることができる。
【0030】
また、ループ脚2が、天板1の中央部付近を支持する内脚柱7と、天板1の周縁近傍部を支持する外脚柱8とを備えているので、天板1が大きなものであっても、天板1の全体を十分な強度で支持できる構成を実現できる。その上で、それら内脚柱7と外脚柱8との間には何らの部材も配置されておらず空間Sを形成しているので、互いに隣接する2つの使用端1aに利用者Uがそれぞれ着座した場合において、この空間S内を利用者Uの脚等が自由に行き来することができる。換言すれば、このループ脚2を挟んで着座した両利用者Uの姿勢を自由に変更することができ、利用者U同士のコミュニケーションをとりやすくすることができる。
【0031】
加えて、各ループ脚2間に、各天板要素11を使用する使用者U専用の下肢空間KSがそれぞれ形成されているので、各ループ脚2により各使用者Uが占有する空間を明確に区画することができる。
【0032】
天板1が、平面視において略直線状をなし周方向に等角間隔を空けて配された複数の使用端1aと、これら使用端1aの端部同士を連続させる凸曲線をなす複数の接続端1bとを備え、各天板要素11が、各接続端1bを2分する位置で分断されているので、天板要素11同士の境界部分である隣接境界部分11b、及びこの隣接境界部分11bの直下に配されるループ脚2を各使用端1aに着座する使用者Uから可能な限り遠ざけることができ、ループ脚2が使用者Uの邪魔にならないようにすることができる。
【0033】
天板1がその中心部に開口1cを備えたものであり、その開口1cは複数の天板要素11が集合する部分に形成されたものであるので、天板1の中央部をくり抜く工程を経ることなく天板要素11の反使用端側に形成した切欠11aを集合させることにより、天板1の中央部に容易に開口1cを設けることができる。
【0034】
そして、各天板要素11同士が同形状のものであるので、部材の共通化を図ることもでき、製作に要する工数を削減することができる。
【0035】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0036】
例えば、天板の平面視形状は、三角形に限らず、円形、四角形等であってもよい。使用端の数も3つに限られず、また、使用端の端部同士を連続させる凸曲線をなす接続端を設けなくともよい。さらに、使用端の形状も、直線状に限らず、使用者側に張り出した凸曲線状であってもよく、逆に使用者に対向する中央部が凹んだ凹曲線状であってもよい。一例として、一例として、平面図を
図19に示すようなテーブルTTが挙げられる。このテーブルTTの天板1は、平面視矩形状(正方形状)をなしており、それぞれ略直角二等辺三角形状をなす4枚の天板要素11を組み合わせて形成したものである。この天板1は、各辺の中央部をそれぞれ使用端1aとしており、中心部に各辺が各使用端1aに対してそれぞれ45度傾斜した正方形状をなす開口1cが設けられている。この開口1cの周辺にはクランプ取付領域RRを設けており、クランプ取付領域RRに図示しないクランプを介してモニターアーム等のオプション部材を取り付けることができるように構成されている。その上で、クランプ取付領域RRは、平面視において使用端1aの中央1a1と開口1cの中央とを結ぶ仮想線LLに対し左右方向(例えば、左側)に偏移させて設けてある。そして、天板1の開口1cと使用端1aとの間には、開口1cに接近させてコンセント13が配設されている。そして、図示は省略するが、天板1を形成する天板要素11同士の境界部分である隣接境界部分11bを、当該天板1の中央部近傍を支持する内脚柱と、当該天板1の頂点近傍を支持する外脚柱とを備えるループ脚により支持し、それら内脚柱と外脚柱との間に空間を形成している。このような構成であっても、天板支持フレームを必ずしも設けなくても各天板要素11の両端がループ脚に支持されることになり、全体として剛性を低下させることなしに部品点数を最小限のものに抑えることができる。
【0037】
また、オプション部材は、モニターアームに限らず、クランプを介して取り付けることができるようなものであれば任意のものであってよく、オプション部材を省略してもよい。
【0038】
さらに、脚ベースと、内脚柱と、外脚柱とを共通のパイプ素材を用いて一体に構成したループ脚や、その他の形状の脚体、例えば板状の脚体等を採用してもよい。
【0039】
加えて、クランプ取付領域の設定箇所も任意に設定してよく、開口の形状も、任意の形状を採用してよい。
【0040】
そして、天板にコンセントを必ずしも設ける必要はなく、クランプも任意の構成のものを採用してよい。
【0041】
分割天板部材の形状や寸法も任意に設定してもよい。但し、前述した実施形態のように、最大幅寸法が1600mm程度の扇形ないし二等辺三角形状に設定すれば、使用端に対峙した使用者が大きく移動することなく対応する分割天板部材の天板面全体に手が届くので、使い勝手がよいものとなる。
【0042】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0043】
T、TT…テーブル
1…天板
1a…使用端
1b…接続端
1c…開口
11…分割天板部材(天板要素)
13…コンセント
2…脚体(ループ脚)
7…内脚柱
8…外脚柱
S…空間
KS…下肢空間
U…使用者