(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181661
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】立体構造体及び台座部材
(51)【国際特許分類】
A63H 23/10 20060101AFI20231218BHJP
【FI】
A63H23/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094918
(22)【出願日】2022-06-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】521315353
【氏名又は名称】株式会社インサイド
(74)【代理人】
【識別番号】100190274
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 滋之
(72)【発明者】
【氏名】松村 昌幸
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150DA20
2C150EB02
2C150EH09
2C150EH16
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】安定的な水面の浮遊を簡易な構造で実現可能な立体構造体及び台座部材を提供すること。
【解決手段】中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、台座部材に連結される本体部材と、を有する立体構造体。台座部材は、開口を挟む一方側と他方側のそれぞれに、切欠き状または穴状の嵌合部を有している。本体部材は、開口を挟んで形成された嵌合部の各々に嵌め込まれる突起部を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、
前記台座部材に連結される本体部材と、を有し、
前記台座部材は、
前記開口を挟む一方側と他方側のそれぞれに、切欠き状または穴状の嵌合部を有し、
前記本体部材は、
前記開口を挟んで形成された前記嵌合部の各々に嵌め込まれる突起部を有する、立体構造体。
【請求項2】
前記本体部材は、
前記開口を跨いで配置される渡し部と、
前記渡し部における、前記開口の縁よりも設定長内側の部分から前記開口側に延びる延伸部と、有する、請求項1に記載の立体構造体。
【請求項3】
前記本体部材は、
前記開口を跨いで配置される渡し部を有し、
前記渡し部は、
前記開口の縁から設定長内側までの領域に対応する部分に、切欠き状の逃がし部が形成されている、請求項1に記載の立体構造体。
【請求項4】
前記渡し部は、
前記台座部材に連結された状態で、前記開口の縁から設定長内側までの領域に対応する部分に、切欠き状の逃がし部が形成されている、請求項2に記載の立体構造体。
【請求項5】
前記本体部材は、
前記台座部材に連結された状態で、前記渡し部の前記台座部材とは反対側に設けられた付設部をさらに有する、請求項2~4の何れか一項に記載の立体構造体。
【請求項6】
中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、
前記開口を挟む一方側と他方側のそれぞれにおいて前記台座部材に接続された本体部材と、を有する、立体構造体。
【請求項7】
平面視円形状の開口を複数有すると共に、
各開口それぞれを挟む一方側と他方側であって該開口に隣接する位置に、請求項1~4の何れか一項に記載の本体部材における突起部が嵌め込まれる、切欠き状または穴状の嵌合部を有する、台座部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体的に造形される立体構造体及び立体構造体を構成する台座部材に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリルプレートなどの板状部材は、社名やロゴ・キャラクターなどが印刷され、広告宣伝用・鑑賞用等の用途で用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1には、透明性を有する板状部材が開示されており、特許文献2には、キャラクターで装飾された板状のキーホルダーが開示されている。なお、特許文献1又は2のような板状部材を自立させるためには、土台となる部材によって支える構造を採る必要がある。
【0003】
ところで、特許文献1又は2のような板状部材は、コップ、鉢、花瓶、水槽、又は浴槽などに注がれた水やお湯に直立した状態で浮かべることができれば、視認性が高まると共に、水面の揺らぎが視覚的な変化をもたらすため、看者の印象を深めると予想される。例えば、ユーザの嗜好に合致したキャラクター等が施された板状部材を、直立した状態で水面に浮かべることができれば、ユーザの愛着が深まると考えられる。
【0004】
従来から、水面に浮かべることのできる構造として、中空構造が知られている(例えば、特許文献3及び4参照)。特許文献3に記載の立体構造体は、文字等が表面に表記された筒状空洞体であり、水面に浮かべた状態で、文字等を上方からの視認することができる。特許文献4に記載の立体構造体は、中空の球体の内面に品物が固定された構造を採っており、該球体を水面で浮遊させることにより、品物をあらゆる角度から視認できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-209631号公報
【特許文献2】実用新案登録第3214718号公報
【特許文献3】特許第6249541号公報
【特許文献4】実用新案登録第3050571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水面の浮遊を可能とすべく、立体構造体を中空構造にする場合、空気を内包するための構造的な制約を受けると共に、密閉性確保のための加工精度が要求される。したがって、製造工程が煩雑化し、全体的な構造が複雑化するという課題がある。そのため、水面に浮かべることのできる簡易な構造の立体構造体が望まれている。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、安定的な水面の浮遊を簡易な構造により実現する立体構造体及び台座部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る立体構造体は、中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、台座部材に連結される本体部材と、を有し、台座部材は、開口を挟む一方側と他方側のそれぞれに、切欠き状または穴状の嵌合部を有し、本体部材は、開口を挟んで形成された嵌合部の各々に嵌め込まれる突起部を有するものである。
【0009】
本発明の一態様に係る立体構造体は、中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、開口を挟む一方側と他方側のそれぞれにおいて台座部材に接続された本体部材と、を有するものである。
【0010】
本発明の一態様に係る台座部材は、平面視円形状の開口を複数有すると共に、各開口それぞれを挟む一方側と他方側であって該開口に隣接する位置に、上記の本体部材における突起部が嵌め込まれる、切欠き状または穴状の嵌合部を有するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、開口を挟む一方側と他方側のそれぞれに嵌合部を備えた台座部材と、各嵌合部に嵌め込まれる突起部を備えた本体部材と、を有している。そのため、台座部材の開口の下側にペットボトルキャップなどのキャップ部材を配置し、水面に置くと、台座部材の表面張力と、キャップ部材がもたらす浮力とが相俟って、立体構造体を水面に安定した状態で浮かべることができる。すなわち、本発明によれば、閉端部を下方に向けたキャップ部材との連結により、簡易な構造での安定的な水面浮遊を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る立体構造体の使用状態の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図1の台座部材と本体部材とがアクリルプレートからカットされた状態を例示する説明図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る立体構造体をキャップ部材と共に連結させる様子のうち、台座部材の開口にキャップ部材を嵌め込んだ後で、台座部材に本体部材を連結する様子を例示した説明図である。
【
図4】
図3の台座部材の開口にキャップ部材を嵌め込んだ状態を例示した斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る立体構造体をキャップ部材と共に連結させる様子を例示した説明図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る立体構造体及びキャップ部材を例示した平面図である。
【
図9】
図8のA-A線に沿った断面図のうち、延伸部の下端にキャップ部材の中足部が当接した状態の一例を示す概略断面図である。
【
図10】本発明の実施の形態1に係る立体構造体及びキャップ部材のうち、延伸部の下端にキャップ部材の中足部が当接した状態で、キャップ部材のリムが開口の縁の下方に配置される態様の、
図9と同様の断面を例示した概略断面図である。
【
図11】本発明の実施の形態1に係る立体構造体及びキャップ部材のうち、台座部材の開口にキャップ部材が嵌め込まれる態様の、
図9と同様の断面を例示した概略断面図である。
【
図12】本発明の実施の形態1に係る立体構造体及びキャップ部材のうち、台座部材の開口にキャップ部材が固定される態様の、
図9と同様の断面を例示した概略断面図である。
【
図13】
図8のB-B線に沿った概略断面を用いて、重力と表面張力と浮力との関係を模式的に例示した説明図である。
【
図14】
図7の例よりも大きな付設部をもつ本体部材の一例を示す正面図である。
【
図15】本発明の実施の形態1に係る、付設部を有しない本体部材の一例を示す正面図である。
【
図16】本発明の実施の形態1に係る本体部材のうち、延伸部の下端にキャップ部材の閉端部が当接する構成を例示した概略断面図である。
【
図17】本発明の実施の形態1に係る台座部材のうち、
図6の例よりも内径と外径との差が小さい例を示す平面図である。
【
図18】本発明の実施の形態1に係る本体部材のうち、
図7の例よりも突起部の幅及び当接部の幅が短い例を示す正面図である。
【
図19】本発明の実施の形態1の変形例A1に係る本体部材を例示した正面図である。
【
図20】本発明の実施の形態1の変形例A2に係る立体構造体の使用例を示す概略断面図である。
【
図21】本発明の実施の形態1の変形例A2に係る本体部材の一例を示す正面図である。
【
図22】本発明の実施の形態1の変形例A2に係る本体部材の他の例を示す正面図である。
【
図23】本発明の実施の形態1の変形例A2に係る、アーチ状に形成された本体部材と、台座部材及びキャップ部材との関係を例示した概略断面図である。
【
図24】本発明の実施の形態1の変形例A3に係る本体部材を例示した正面図である。
【
図25】本発明の実施の形態1の変形例B1に係る、平面視楕円形状の台座部材の一例を示す平面図である。
【
図26】本発明の実施の形態1の変形例B1に係る、平面視楕円形状の台座部材の他の例を示す平面図である。
【
図27】本発明の実施の形態1の変形例B2に係る、平面視卵形状の台座部材の一例を示す平面図である。
【
図28】本発明の実施の形態1の変形例B2に係り、2つの本体部材を組合わせて使用する場合の一方の本体部材を例示した正面図である。
【
図29】本発明の実施の形態1の変形例B2に係り、2つの本体部材を組合わせて使用する場合の他方の本体部材を例示した正面図である。
【
図30】本発明の実施の形態1の変形例B3に係る台座部材の一例を示す平面図である。
【
図31】本発明の実施の形態1の変形例B3に係る台座部材の他の例を示す平面図である。
【
図32】本発明の実施の形態1の変形例B4に係る台座部材の一例を示す平面図である。
【
図33】本発明の実施の形態1の変形例B4に係る台座部材の他の例を示す平面図である。
【
図34】本発明の実施の形態1の変形例B5に係る台座部材の一例を示す平面図である。
【
図35】本発明の実施の形態1の変形例B5に係る台座部材の他の例を示す平面図である。
【
図36】本発明の実施の形態1の変形例B6に係る台座部材を例示した平面図である。
【
図37】本発明の実施の形態2に係る立体構造体の台座部材を例示した平面図である。
【
図38】本発明の実施の形態2に係る立体構造体の本体部材を例示した正面図である。
【
図39】本発明の実施の形態3に係る立体構造体の台座部材を例示した平面図である。
【
図40】本発明の実施の形態3に係る立体構造体の本体部材を例示した正面図である。
【
図41】本発明の実施の形態4に係る立体構造体の、台座部材の一例を示す平面図である。
【
図42】本発明の実施の形態4に係る立体構造体の、台座部材の他の例を示す平面図である。
【
図43】本発明の実施の形態4に係る立体構造体の、本体部材の一例を示す正面図である。
【
図44】本発明の実施の形態5に係る立体構造体の一例を示す斜視図である
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1~
図13に基づき、本発明の実施の形態1に係る立体構造体10の基本的な構成例について説明する。以下の各図では、煩雑化を避ける等の目的で、符号の一部を省略することがある。また、基本となる図面と、それに基づく図面(平面図や断面図など)との間に、構成上の幾分かの違いが含まれることもある。
【0014】
まず、
図1及び
図2を参照し、立体構造体10の全体的な構成例について説明する。
図1に示すように、立体構造体10は、中央の箇所に平面視円形状の開口Oが形成された板状の台座部材20と、台座部材20に連結される板状の本体部材30と、を有している。台座部材20は、開口Oを挟む一方側と他方側のそれぞれに、切欠き状の嵌合部21を有している。各嵌合部21は、台座部材20の外周側に形成されている。本体部材30は、開口Oを挟んで形成された嵌合部21の各々に嵌め込まれる突起部32を有している。
【0015】
立体構造体10は、キャップ部材50と組み合わせて用いることにより、水面に安定的に浮かせることができる。
図1では、キャップ部材50として、ペットボトルキャップを例示している。
図1及び以降の各図では、キャップ部材50としてのペットボトルキャップについて、主として立体構造体10との組み合わせ(連結)に関連する構造を示し、それ以外を省略している。
【0016】
本実施の形態1の台座部材20と本体部材30とは、
図2の例のように、1枚の透明なアクリルプレート1から切り出されるため、何れも全体が透明であり、厚みTが等しくなっている。
図2のアクリルプレート1は、レーザーカッターなどにより、台座部材20の外郭部分と本体部材30の外郭部分とに切り込みが入れられており、切り抜き枠15と、台座部材20及び本体部材30とを、手で簡単に分離することができる。かかる構成を採れば、切り抜き枠15を含む1枚のプレートの状態で、袋詰めする等により、組立前の立体構造体10を流通させることができる。したがって、整理が容易であり、場所をとらないため、運搬・陳列などの場面で利便性が高い。なお、
図1等では、透けて見え得る箇所を相対的に細い線で示している。
【0017】
ところで、
図1等に例示する台座部材20には、ボールチェーンなどの取り付けが可能なチェーン穴25が形成されている。これらの例では、台座部材20の外周の一部を外側に突起させ、その箇所にチェーン穴25が形成されているが、かかる態様に限らず、台座部材20は、外周の一部を突起させずにチェーン穴25を形成したものであってよい。もっとも、台座部材20は、チェーン穴25が形成されていなくてもよい。
【0018】
次いで、
図3~
図5を参照し、台座部材20と本体部材30とキャップ部材50との連結手法の例について説明する。
図3~
図5に示すように、キャップ部材50は、一端が閉ざされ、他端が開口した円筒状の部材である。より具体的に、キャップ部材50は、筒状の側壁部52と、側壁部52の一端に接続された円盤状の閉端部53と、により構成された本体部51を有している。また、キャップ部材50は、側壁部52の他端の周囲に接続された円環状のリム54と、閉端部53の内面5から円環状に延びる中足部56と、を有している。
【0019】
ここで、キャップ部材50としてのペットボトルキャップには、側壁部52の外径とリム54の外径との間にそれほど差がないもの(以下、小リムキャップともいう。)もあれば、側壁部52の外径よりもリム54の外径の方が一定程度大きく、側壁部52とリム54との間に明らかな段差が形成されているもの(以下、大リムキャップともいう。)もある。ペットボトルのキャップは、基本的に、側壁部52の外径よりもリム54の外径の方が長いため、以降、キャップ部材50の外径はリム54の外径と等しいものとし、これらに符号「z」を付して説明する(
図9~
図12参照)。
【0020】
開口Oの径dが、リム54の外径zよりも短く、側壁部52の外径よりも長くなるように台座部材20を形成すると、特に大リムキャップの場合、本体部材30とは反対側(各図における台座部材20の下側)から装着することができない。そのため、
図3のように、台座部材20の開口Oにキャップ部材50を挿入した後で(
図4参照)、台座部材20に本体部材30を連結させることになる。
【0021】
一方、小リムキャップの場合は、
図5のように、台座部材20に本体部材30を連結させた後で、台座部材20の開口Oに下側から挿入することができる。なお、小リムキャップの場合は、
図3のように、台座部材20の開口Oにキャップ部材50を挿入した後、キャップ部材50を手で支えながら台座部材20に本体部材30を連結させてもよい。もっとも、大リムキャップであっても、そもそも、開口Oの径dがリム54の外径zよりも大きい場合は、
図5のような順序で立体構造体10に装着することができる。
【0022】
次に、
図6及び
図7を参照し、台座部材20及び本体部材30の形状について説明する。台座部材20の内径d、つまり開口Oの径dは、キャップ部材50の外径をもとに設定される。詳細は
図9~
図12を用いて後述する。本実施の形態1における台座部材20は、外径Dが、本体部材30の幅W(一方の突起部32の外端から他方の突起部32の外端までの長さ)と同程度となるように形成されている。
【0023】
嵌合部21の幅eは、本体部材30の厚みT(
図1参照)と同程度に設定されている。嵌合部21の幅eは、本体部材30の厚みTと等しく、もしくは厚みTよりも僅かに長くなるようにするとよい。嵌合部21の奥行fは、本体部材30における突起部32の幅Fと同程度に設定されている。本実施の形態1の嵌合部21は、切欠き状に形成されているため、その奥行fと、突起部32の幅Fとを合わせる必要はない。ただし、台座部材20と本体部材30との連結力確保、軽量化、外観などを考慮すると、嵌合部21の奥行fと突起部32の幅Fとが等しくなるように設計するのが望ましい。嵌合部21の開口O側の端部から開口Oの縁22までの長さgは、耐久性等の観点から、短くなり過ぎないように設定するとよい。
【0024】
図7に示すように、本体部材30は、渡し部31と、2つの突起部32と、延伸部34と、付設部36と、を有している。本体部材30は、台座部材20に連結された状態で台座部材20の表面に接触する当接部33を有している。本体部材30は、延伸部34と各当接部33との間のそれぞれに逃がし部35が形成されている。
図7では、説明の便宜上、これらの各構成の境界に破線を付しているが、本体部材30は、全体として一体的な構成である。
【0025】
渡し部31は、本体部材30が台座部材20に連結された状態で、開口Oを跨いで配置される。突起部32の長さH、つまり突起部32の先端位置から当接部33の位置までの距離は、台座部材20の厚みTをもとに設定される。本実施の形態1の突起部32は、嵌合部21との連結強度を高めるため、内端に幾分かの傾斜が設けられている。もっとも、突起部32は、内端に傾斜を設けずに形成してもよい。
【0026】
嵌合部21と突起部32との連結性及び軽量化の観点から、突起部32の長さHは、台座部材20の厚みTと同程度にするとよい。当接部33は、幅Gが長さgと同程度になるように形成するとよい。当接部33と逃がし部35との境界に位置するエッジの箇所は、キャップ部材50のリム54の挿入を妨げる可能性があるため、開口Oの縁22よりも内側に入らないよう調整するとよい。
【0027】
延伸部34は、渡し部31における、開口Oの縁22よりも設定長S内側の部分(図中の破線a参照:当接部33の内端よりも設定長S内側の部分)から開口O側に延びている。すなわち、延伸部34は、渡し部31の、左右方向における中央部分の突起部32側の端部に形成されている。設定長Sは、キャップ部材50のリム54の厚みよりも長くなるように設定される。延伸部34の延伸方向の長さRは、例えば、キャップ部材50における、リム54の端部の位置から中足部56の先端位置までの長さC(
図9等参照)を基準として設定される。詳細は
図9~
図12等を用いて後述する。
【0028】
延伸部34の幅Vは、開口Oの縁22と延伸部34の側端部との間での、キャップ部材50の揺れを抑制する観点から、キャップ部材50の内径pよりも若干短い程度に設計するとよい。例えば、キャップ部材50の内径pがネジ部分を含めて26.3mm程度であると想定した場合、延伸部34の幅Vを26.0mm程度に設定する、といった具合である。延伸部34は、キャップ部材50の多くの部分を水面下に沈めるために機能する。これにより、立体構造体10と組み合わせたキャップ部材50の、水面下に位置する部分に起因した浮力を、立体構造体10に作用させることができる。
【0029】
逃がし部35は、台座部材20の開口Oの縁22から設定長S内側までの領域に対応する部分(当接部33の内端から設定長S内側までの部分)に、切欠き状に形成されている。例えば、大リムキャップのリム54を開口Oに引っ掛けて使用する場合(
図3及び
図4参照)、台座部材20の表面よりもリム54が上にくるため、逃がし部35がなければ、リム54の先端部が本体部材30に当たり、本体部材30を台座部材20に連結することが困難となる。そのため、本実施の形態1の本体部材30は、台座部材20の表面よりもリム54の方が上に配置されることも想定し、逃がし部35が形成されている。逃がし部35は、開口Oの縁22に引っ掛けられたリム54が、台座部材20と本体部材30との連結の妨げとならないよう、深さUがリム54の厚みよりも長くなるように形成するとよい。また、逃がし部35の幅となる設定長Sは、キャップ部材50の厚みxよりも長くなるようにするとよい。もっとも、小リムキャップをキャップ部材50として用いる場合など、リム54の存在が台座部材20と本体部材30との連結の妨げとならないならば、本体部材30は、逃がし部35を設けずに形成してもよい。
【0030】
付設部36は、本体部材30が台座部材20に連結された状態で、渡し部31の台座部材20とは反対側に設けられている。すなわち、付設部36は、渡し部31の、左右方向における中央部分の突起部32とは反対側の端部に形成されている。
図7等に例示する付設部36は、渡し部31から開口Oとは反対側に延びる板状の部材である。本体部材30は、付設部36を渡し部31の中央部分に設けることで、渡し部31と付設部36とにより、外観上、人の上半身を想起させることができ、全体として、キャラクターなどの印刷に適した部材となる。もっとも、渡し部31及び付設部36のサイズ及び形状等は、
図7等の例に限らず、種々の形状を採ることができる。例えば、渡し部31の両側端部及び付設部36の外周部分は、湾曲した形状に限らず、角ばった形状を採用してもよい。また、付設部36は、渡し部31の中央部分に限らず、全域に亘って形成されてもよい。なお、渡し部31及び付設部36は、必ずしも左右対称に形成する必要はないが、水面浮遊の安定性の観点からは、左右対称あるいはそれに準ずる程度のバランスが好ましい。
【0031】
続いて、
図8~
図12を参照し、立体構造体10とキャップ部材50との位置関係等について説明する。
図8は、
図1の立体構造体10にキャップ部材50が装着された状態を例示した平面図であり、
図9は、
図8のA-A線に沿った概略断面図である。
図10~
図12は、立体構造体10とキャップ部材50との、
図9とは異なる位置関係を例示した概略断面図である。なお、
図8では、立体構造体10とキャップ部材50とを区別するため、キャップ部材50を灰色で示している。
【0032】
図9、
図11、
図12は、延伸部34の長さRが、リム54の先端部の位置から中足部56の先端位置までの長さC以下である場合(R≦C)、
図10は、長さRが長さCよりも長い場合(R>C)の例である。
図9~
図11の例では、中足部56の先端が延伸部34の下端3に当接することにより、キャップ部材50が水面下に押し込まれている。
図11は、台座部材20の開口Oの縁22にキャップ部材50のリム54が引っかかっている例で、
図3及び
図4の構成例に対応する。
【0033】
図12は、開口Oの径dがキャップ部材50の外径z(リム54の外径z)と等しくなるように、あるいは開口Oの径dがキャップ部材50の外径zよりも僅かに短くなるように形成された台座部材20を有する立体構造体10の例である。このように、ペットボトルキャップなど、採用するキャップ部材50のサイズに合わせて開口Oの径dを調整すれば、開口Oに挿入したリム54の外周に内向きの圧が加わる。そのため、台座部材20の開口Oの縁22にリム54等を嵌め込み、台座部材20にキャップ部材50を固定することも可能となる。かかる構成を採った場合、キャップ部材50を水面下へ押し下げるために開口Oの縁22を機能させることができるため、本体部材30は、延伸部34及び逃がし部35を設けずに構成してもよい。台座部材20は、開口Oの縁22に、シリコンゴムなどの弾性体により形成され、キャップ部材50の固定用又は滑り止め用として機能する弾性部材を設けてもよい。弾性部材は、例えば、開口Oの縁22の全域に配設される円環状の一体物であってもよく、開口Oの縁22の全域に亘り所定の間隔をあけて配設される複数の部材であってもよい。
【0034】
図10のように、リム54の箇所が台座部材20の厚み範囲に入る程度でも、立体構造体10とキャップ部材50との連結は可能である。ただし、リム54と開口Oの縁22との隙間からの、キャップ部材50の内側への浸水の可能性、及び立体構造体10とキャップ部材50との連結の安定性などを考慮すると、台座部材20の厚み範囲に、キャップ部材50がなるべく多く配置される方がよいと推察される。したがって、
図10のような位置関係(R>C)よりも、
図9及び
図11のような位置関係(R≦C)の方が好適であるとも考えれれる。一方で、
図10のような位置関係(R>C)の方が、キャップ部材50が押しのける水の量が増えるため、水中での浮力確保の観点で一考の余地がある。
【0035】
立体構造体10は、台座部材20に本体部材30を連結した状態において、台座部材20の裏面の位置から延伸部34の先端の位置までの長さL(L=R-H)が、長さCよりも短くなるように構成される(L<C)。このようにしなければ、キャップ部材50が開口Oの縁22に係合しないため、キャップ部材50を安定的に支持することができず、かつ、リム54と開口Oの縁22との隙間から、キャップ部材50の内側に浸水する可能性があるためである。なお、台座部材20の裏面とは、当接部33に接する面とは反対側の面であり、水面に浮かべる際に水側に位置する面のことである。
【0036】
また、逃がし部35の奥端の位置から延伸部34の先端の位置までの長さJは、リム54の端部の位置から中足部56の先端位置までの長さCよりも長くするとよい。ただし、延伸部34の先端ではなく、逃がし部35の奥端によってキャップ部材50が水面下に押し込まれる構成(逃がし部35の奥端でキャップ部材50の浮上を抑制する構成)を採る場合は、この限りではない。
【0037】
次いで、
図13を参照し、キャップ部材50を搭載した立体構造体10が水面に安定的に浮くメカニズムについて説明する。アクリルの比重は、1.17~1.20(g/cm
3)程度であるため、通常は水に浮かずに沈んでしまう。しかしながら、台座部材20は、各図のような形状を採っていることから、水平な状態で静かに水面に置けば、表面張力が作用するため、浮かせることができる。ただし、水面を軽く波立たせると沈んでしまうため、本体部材30を連結させた状態で水面に浮かべることは困難である。
【0038】
この点、立体構造体10は、水に浮かべて使用する場合に、キャップ部材50を装着することが可能な構造を採っている。ペットボトルキャップは、一般に、PP(ポリプロピレン)又はPE(ポリエチレン)で製造されており、その比重は0.90~0.97(g/cm3)程度であるため、そもそも単体で水に浮く。そして、キャップ部材50としてのペットボトルキャップを逆さにして水に浮かべた場合、閉端部53が水に浸かる程度で、側壁部52の大部分は空気中に留まる。
【0039】
一方、
図13に例示するように、ペットボトルキャップであるキャップ部材50を装着した立体構造体10を水面Nに浮かべた場合、立体構造体10の重さにより、本体部51の大部分が水中に配置される。ここで、流体(液体や気体)中の物体は、その物体が押しのけている流体の質量が及ぼす重力と同じ大きさで上向きの浮力を受ける(アルキメデスの原理参照)。すなわち、キャップ部材50には、これが押しのけた水の体積(水中に存在する本体部51とその内部を合わせた体積に相当)に比例する浮力が上向き働く。そのため、立体構造体10は、キャップ部材50と組み合わせることにより、安定的に水面に浮かべることができる。
【0040】
なお、アルミニウムの比重は、2.71(g/cm3)であるが、アルミニウム製のキャップを装着しても、立体構造体10を水面に浮かべることができる。ただし、アルミニウム製のキャップは、一般に、側壁部52及びリム54の厚みが樹脂製のキャップよりも薄い。したがって、アルミニウム製のキャップをキャップ部材50として使用する場合は、開口Oの縁22と側壁部52及びリム54との間に隙間が生じやすくなるため、キャップ内に水が浸入し、立体構造体10が沈んでしまう可能性が高い。よって、キャップ部材50としてアルミニウム製のキャップを使用する場合は、開口Oの径dとキャップ部材50の外径zとが概ね等しくなるように調整するとよい。
【0041】
キャップ部材50としてペットボトルキャップを想定すると、
図6のような形状の台座部材20の場合、例えば、内径dを約30.5mmとし、外径Dを約55.0mmとすることが考えられる。これは、側壁部52の外径が最大30.2mmで、リム54の外径が31mmのペットボトルキャップを想定した場合の構成例である。また、かかる台座部材20に対応する、
図7のような形状の本体部材30の場合、例えば、延伸部34の幅Vを約26.0mmとし、本体部材30の幅Wを約55.0mmとすることが考えられる。こうしたサイズ感で、板厚3.0mm(T=3.0mm)のアクリルプレートを用いて台座部材20及び本体部材30を製造すると、台座部材20は約6gとなり(
図6参照)、本体部材30は約5gとなる。
【0042】
〔付設部36に関するバリエーションの例〕
図14は、
図7の例よりも大きな付設部36をもつ本体部材30の一例を示す正面図である。付設部36以外のサイズ感は、
図7の例と同様である。
図14のような形状の本体部材30に、キャップ部材50としてペットボトルキャップを想定した上記サイズ感及び板厚(以下、想定サイズ感という。)を適用すると、その重さは約6gとなる。この程度の重さの本体部材30であれば、台座部材20及びキャップ部材50と組み合わせて水面に浮かべることができる。ただし、安定浮遊性の観点から、本体部材30は、重さが5.0g以下になるように形成するのが望ましい。
【0043】
さらに軽量化し、安定浮遊性を高めるという観点から、本体部材30は、
図15の例のように、付設部36を設けずに形成してもよい。
図15のような形状の本体部材30に想定サイズ感を適用すると、その重さは約3gとなる。
【0044】
〔延伸部34に関するバリエーションの例〕
上記の各構成例では、延伸部34の下端3に中足部56の先端が当接し、キャップ部材50が水面下に押し込まれている例(キャップ部材50の浮上が抑えられている例)を示したが、これに限定されない。
図16のように、延伸部34の下端3に閉端部53の内面5が当接することにより、キャップ部材50が水面下に押し込まれるような構成を採ってもよい。すなわち、延伸部34は、幅Vが中足部56の内径よりも短くなるように形成してもよい。このようにすれば、本体部材30の軽量化を図ることができるが、キャップ部材50を安定的に支えるという観点からは、延伸部34の下端3に中足部56の先端が当接する構成の方が好ましい。ただし、延伸部34は、幅Vが中足部56の内径よりも若干短い程度に設計すれば、キャップ部材50の揺れの抑制に繋がるため、浮遊安定性を高めることができる。
【0045】
〔台座部材20及び本体部材30の軽量化の例〕
図17のように、台座部材20は、幅(台座部材20の外径Dと内径dとの差に対応)を狭くすれば、体積が減少するため、軽量化を図ることができる。
図17のような形状の台座部材20に想定サイズ感を適用すると、その重さは約3gとなる。また、
図17のような形状を採ると、少なくとも本体部材30における当接部33の幅Fは、短くする必要がある。
図18には、突起部32の幅Fと当接部33の幅Gとの双方を短くし、結果として本体部材30の幅Wが短くなっている例を示している。
図18のような形状の本体部材30に想定サイズ感を適用すると、その重さは約2gとなる。このように、台座部材20の幅を狭くすると共に、本体部材30の幅Wを短くして軽量化を図れば、水面での浮遊安定性を高めることができる。ただし、嵌合部21の奥行fと、突起部32の幅Fとが短くなると、嵌合部21と突起部32との接触面積が相対的に減少するため、設計の際には、台座部材20と本体部材30との連結強度の低下に留意するとよい。
【0046】
以上のように、本実施の形態1の立体構造体10は、開口Oを挟む一方側と他方側のそれぞれに切欠き状の嵌合部21を備えた台座部材20と、各嵌合部21に嵌め込まれる突起部32を備えた本体部材30と、を有している。そのため、台座部材20の開口Oの下側にキャップ部材50を配置し、水面に置くと、台座部材20の表面張力と、キャップ部材50の水面下の部分がもたらす浮力とが相俟って、立体構造体10を水面に安定した状態で浮かべることができる。すなわち、立体構造体10によれば、閉端部53を下方に向けたキャップ部材50との連結により、簡易な構造での安定的な水面浮遊を実現することができる。
【0047】
本体部材30は、開口Oを跨いで配置される渡し部31と、渡し部31における、開口Oの縁22よりも設定長S内側の部分から開口O側に延びる延伸部34と、を有していてもよい。このようにすれば、キャップ部材50のリム54が台座部材20の開口Oに固定されない組み合わせであっても、延伸部34の下端3が、中足部56の先端又は閉端部53の内面5に当接し、キャップ部材50を水面下に押さえ込むことができる。そのため、台座部材20の表面張力とキャップ部材50がもたらす浮力とにより、立体構造体10の水面浮遊を安定的に継続させることができる。
【0048】
本体部材30の渡し部31は、開口Oの縁22から設定長S内側までの領域に対応する部分に切欠き状の逃がし部35が形成されたものであってよい。このようにすれば、
図3の例のように、リム54を開口Oに引っ掛けてキャップ部材50を台座部材20に連結させる場合に、リム54が台座部材20と本体部材30との連結の妨げとなることを防止できる。
【0049】
本体部材30は、台座部材20に連結された状態で、渡し部31の台座部材20とは反対側に延びる付設部36を有していてもよい。本体部材30に文字や図などを印刷等して立体構造体10を販売・使用する場合、付設部36を設けることで、文字や図などを配置するスペースが増えるため、活用性を高めると共に、デザインのバリエーションを増やすことができる。なお、嵌合部21の形状及び大きさは、各図の例に限らず、突起部32の形状及び大きさも、各図の例に限定されない。すなわち、嵌合部21に突起部32が嵌まるように調整されていれば、これらの形状及び大きさは問わない。
【0050】
<変形例A1>
図19を参照して、実施の形態1の変形例A1に係る本体部材30について説明する。本変形例A1の本体部材30は、台座部材20に連結された状態で、開口Oの縁22から設定長S内側までの領域に対応する部分(当接部33の内端から設定長S内側までの部分)が平坦になっており、逃がし部35が形成されていない。より具体的に、本変形例A1の渡し部31は、
図19のように、当接部33と延伸部34との間に平坦部37を有しており、つまり、突起部32の内端から延伸部34の外端までが平坦に形成されている。
【0051】
かかる構成を採ると、
図11の例のように、リム54を開口Oに引っ掛けての使用はできないが、長さCが延伸部34の長さR以下のキャップ部材50(R≧C)、または外径zが開口Oの径d以下のキャップ部材50であれば、好適に使用することができる。本変形例A1の本体部材30を採用する場合、延伸部34の下端3及び平坦部37のうちの少なくとも一方が、キャップ部材50を水面下へ押し下げるために機能する。なお、
図19のような形状の本体部材30に想定サイズ感を適用すると、その重さは約5gとなる
【0052】
<変形例A2>
図20~
図23を参照して、実施の形態1の変形例A2に係る本体部材30について説明する。本変形例A2の本体部材30は、延伸部34を有しない点に特徴がある。
図20に例示する立体構造体10は、
図6と同様の台座部材20と、
図7と同様であって延伸部34を有しない本体部材30と、を組み合わせたものである。
図21の本体部材30は、2つの逃がし部35の間が平坦となるように形成され、付設部36を有していない。
図20及び
図21のような本体部材30を採用する場合、逃がし部35が、キャップ部材50を水面下へ押し下げるために機能する。
【0053】
図22の本体部材30は、一方の当接部33と他方の当接部33との間が平坦となるように形成されている。つまり、本体部材30は、一方の突起部32の内端から他方の突起部32の内端までの全域に亘って平坦で、逃がし部35の代わりに平坦部37が設けられている。
図22のような本体部材30を採用する場合、平坦部37が、キャップ部材50を水面下へ押し下げるために機能する。なお、
図21及び
図22のような形状の本体部材30に想定サイズ感を適用すると、その重さは約2gとなる
【0054】
図23に例示する本体部材30は、中央部が上方向に凸な曲線形状をなすアーチ状に形成されている。
図23の例において、渡し部31の下端部は、一方の突起部32の内端から他方の突起部32の内端に亘って、正面視(断面視)で上に凸な曲線状に形成されている。したがって、渡し部31の突起部32の内端との接続位置が、台座部材20と線接触する当接部33nとなる。
図23に例示する本体部材30は、台座部材20に連結された状態で、開口Oの縁22から設定長S内側までの領域に対応する部分が、中央に向けて上向きに傾斜している。この部分を傾斜部37nと称する。
図23の本体部材30では、傾斜部37nがキャップ部材50を水面下へ押し下げるために機能する。
【0055】
本変形例A2の本体部材30は、延伸部34を有しない。そのため、デスクに飾る、店頭に並べるなど、水に浮かべる用途ではなく、装飾品として飾る場合でも、台座部材20と本体部材30とを組み合わせた立体構造体10を、水平な状態で安定的に置くことができる。もっとも、本体部材30に延伸部34を設けても、長さRが、台座部材20の厚みT及び突起部32の長さH以下であれば、同様に載置することができる。
【0056】
また、
図20~
図22のように、渡し部31の中央部下端がフラットな本体部材30であれば、閉端部53を上に向けた状態のキャップ部材50に、渡し部31の中央部下端が当接する状態で、台座部材20と共に置くことができる(
図20参照)。したがって、デスク等に、水の入った容器を用いずに単体で飾る場合でも、キャップ部材50の高さを利用して、立体構造体10の視認性や見栄えを高めることができる。なお、
図22のように、逃がし部35を有しない本体部材30であれば、キャップ部材50の向きにかかわらず、高さの底上げを等しく行うことができるため、ユーザは、自身の嗜好や気分に応じてキャップ部材50の向きを決めればよい。
【0057】
ところで、開口Oの径dが側壁部52の径と概ね等しくなるように台座部材20を形成すれば、開口Oにキャップ部材50の閉端部53側を嵌め込むことも可能となる。そうすると、立体構造体10は、ペットボトルなどの容器本体に取り付けられているキャップ部材50(未開封の状態も含む)にも、安定的に取り付けることが可能となる。すなわち、本変形例A2の立体構造体10は、例えば、未開封のペットボトルなどのキャップに取り付けて陳列等することもできる。
【0058】
<変形例A3>
図24を参照して、実施の形態1の変形例A3に係る本体部材30について説明する。本変形例A3の本体部材30は、各突起部32の外側に設けられた翼部38Aを有している。このように、本体部材30は、幅Wが台座部材20の外径Dよりも長くなるように形成してもよい。このようにすれば、外観的な違いが生じると共に、印刷スペースの拡張にも繋がる。そのため、本変形例A3の本体部材30は、印刷する図案等に応じて採用すればよい。ただし、翼部38Aが増える分、立体構造体10の総重量が増えるため、安定浮遊性を損なう可能性がある。したがって、例えば
図24のように、開口部38Bを設けて軽量化を図るようにしてもよい。
【0059】
翼部38Aの形状は、
図24の例に限らず、種々の形状を採ることができ、例えば印刷する図案等に応じて変更するとよい。また、開口部38Bの形状、大きさ、数、及び配置も、
図24の例に限らず、適宜変更することができ、例えば印刷する図案等に応じて変更するとよい。もっとも、変形例A3の本体部材30は、翼部38A及び開口部38Bのうちの何れか一方を有するように構成してもよい。また、変形例A3の本体部材30は、上述した実施の形態1の本編、変形例A1、及び変形例A2の各構成を組み合わせて形成してもよい。例えば、変形例A3の本体部材30は、延伸部34を設けなくてもよく、逃がし部35を設けなくてもよく、付設部36を設けてもよい。
【0060】
<変形例B1>
図25及び
図26を参照して、実施の形態1の変形例B1に係る台座部材20について説明する。本変形例B1の台座部材20は、外郭が、平面視において、楕円形状又は角丸長方形など、垂直な2軸で対称な形状となるように形成されている。
図25及び
図26は、平面視楕円形状の外郭を有する台座部材20の例である。なお、角丸長方形とは、2本の等しい長さの平行線と、該平行線の両端の各々に配置された半円形とからなる長丸形状である。
【0061】
図25に例示する台座部材20は、平面視楕円形状における長軸側の両端に嵌合部21が形成されており、
図25では、長軸側の径を外径Dとしている。
図26に例示する台座部材20は、平面視楕円形状における短軸側に嵌合部21が形成されており、
図26では、短軸側の径を外径Dとしている。なお、
図25のような形状の台座部材20に想定サイズ感を適用すると、その重さは約3gとなる。一方、
図26のような形状の台座部材20に想定サイズ感を適用すると、その重さは約8gとなる。
【0062】
<変形例B2>
図27~
図29を参照して、実施の形態1の変形例B2に係る台座部材20及び2つの本体部材30A及び30Bについて説明する。本変形例B2の台座部材20は、外郭が、平面視において、対称軸を1つしかもたない、いわゆる卵状に形成されている。
図27の台座部材20は、長軸側の両端に、切欠き状の嵌合部21Aが形成され、短軸側の両端に、切欠き状の嵌合部21Bが形成されている。
【0063】
図28に例示する本体部材30Aは、2つの突起部32Aと、渡し部31の上端部中央の箇所に設けられた上側係合部39Aと、を有している。
図29に例示する本体部材30Bは、2つの突起部32Bと、渡し部31の下端部中央の箇所に設けられた下側係合部39Bと、を有している。上側係合部39Aと下側係合部39Bとは、対応する位置に形成されている。
【0064】
したがって、台座部材20に本体部材30Aが連結された後、台座部材20及び本体部材30Aに本体部材30Bが連結されることにより、本変形例B2の立体構造体10が構成される。すなわち、本体部材30Aは、各突起部32Aがそれぞれ、台座部材20の嵌合部21Aに嵌め込まれる。次いで、本体部材30Bは、本体部材30Aに対して垂直に配置され、各突起部32Bがそれぞれ台座部材20の嵌合部21Bに嵌め込まれると共に、上側係合部39Aと下側係合部39Bとが互い違いになって係合する。
【0065】
本体部材30Aの他の構成は、上述した本体部材30と同様である。つまり、本体部材30Aには、上述した本編及び各変形例の各構成を適用することができる。ただし、本体部材30Aは、付設部36を有しない。本体部材30Bの他の構成及び代替構成は、上述した本体部材30と同様である。つまり、本体部材30Bには、上述した本編及び各変形例の各構成を適用することができる。ただし、本体部材30Bは、延伸部34を有しない。もっとも、本変形例B2の立体構造体10は、一対の嵌合部21A及び一対の嵌合部21Bのうちの何れか一方に、1つの本体部材(30、30A、30B)を連結させたものであってよい。
【0066】
図27では、長軸側と短軸側とのそれぞれに嵌合部(21A、21B)が形成された台座部材20を例示したが、これに限らず、本変形例B2の台座部材20は、長軸側又は短軸側の何れか一方に嵌合部(21A、21B)が形成されたものであってよい。この場合、立体構造体10を構成する本体部材(30、30A、30B)は1つとなる。
【0067】
本変形例B2の各構成は、本編及び上述又は後述の各変形例の構成に適用することができる。例えば、本編及び各変形例では、一対の嵌合部21を1組だけをもつ台座部材20を例示しているが、これに限らず、台座部材20は、一対の嵌合部21を複数組有するよう構成してもよい。この場合、台座部材20と1つの本体部材30とを組み合わせて立体構造体10を構成し、突起部32を嵌め込む嵌合部21を任意に選択できるようにしてもよい。また、
図28の本体部材30Aと本体部材30Bとの組み合わせのように、台座部材20と複数の本体部材30とを組み合わせて立体構造体10を構成してもよい。
【0068】
<変形例B3>
図30及び
図31を参照して、実施の形態1の変形例B3に係る台座部材20について説明する。本変形例B3の台座部材20は、外郭が、平面視において多角形となるように形成されている。
図30及び
図31では、外郭が平面視で四角形となるように形成された台座部材20を例示している。本変形例B3の台座部材20は、正多角形状の外郭に限らず、さまざまな態様の多角形状の外郭をなすように形成してもよく、角の部分は丸みを帯びるように形成してもよい。
【0069】
なお、
図30のような形状の台座部材20に想定サイズ感を適用すると、その重さは約8gとなる。一方、
図31のような形状の台座部材20に想定サイズ感を適用すると、その重さは約4gとなる。
図31の台座部材20には、例えば
図18のようなサイズ感の本体部材30が組み合わされる。
【0070】
<変形例B4>
図32及び
図33を参照して、実施の形態1の変形例B4に係る台座部材20について説明する。本変形例B4の台座部材20は、外郭が、平面視において星型多角形(星型n角形:nは3以上の自然数)となるように形成されている。
図32及び
図33では、平面視で星型五角形の外郭をなすように形成された台座部材20を例示している。
【0071】
なお、
図32のような形状の台座部材20に想定サイズ感を適用すると、その重さは約6gとなる。一方、
図33のような形状の台座部材20に想定サイズ感を適用すると、その重さは約3gとなる。
図33の台座部材20には、例えば
図18のようなサイズ感の本体部材30が組み合わされる。
【0072】
<変形例B5>
図34及び
図35を参照して、実施の形態1の変形例B5に係る台座部材20について説明する。本変形例B5の台座部材20は、切欠き部28が形成されることにより、一部が分断されている。切欠き部28のサイズ及び形状は、
図34及び
図35の例に限らず、任意に設定することができる。ただし、開口Oの内側にキャップ部材50を留める必要があるため、切欠き部28の開口O側のエッジ間(縁22側のエッジ間)のなす角θが180度よりも大きくなるように形成する必要がある。もっとも、表面張力やバランスなどを考慮すると、変形例B5に係る台座部材20は、なす角θが240度以上となるように形成するのが望ましい。
【0073】
変形例B5の構成は、本編及び上述及び後述の各変形例に適用することができる。なお、
図34のような形状の台座部材20に想定サイズ感を適用すると、その重さは約5gとなる。一方、
図35のような形状の台座部材20に想定サイズ感を適用すると、その重さは約2gとなる。
図35の台座部材20には、例えば
図18のようなサイズ感の本体部材30が組み合わされる。
【0074】
<変形例B6>
図36を参照して、実施の形態1の変形例B5に係る台座部材20について説明する。本変形例B6の台座部材20は、他の台座部材20との連結が可能となるよう、外周部分に、凹部29Aと凸部29Bとが形成されている。凹部29A及び凸部29Bの形状は、
図36の例に限らず、ある台座部材20の凹部29Aと、他の台座部材20の凸部29Bとを係合させ、水面に並べて配置できる種々の形状を採用することができる。
【0075】
図36では、凹部29Aと凸部29Bとが対称に配置されている例を示しているが、これに限らず、これらの配置は適宜変更してもよい。また、台座部材20は、複数の凹部29Aを有していてもよく、複数の凸部29Bを有していてもよい。もっとも、台座部材20は、1又は複数の凹部29A、及び1又は複数の凸部29Bのうちの何れか一方を有するものであってよい。本変形例B5の台座部材20によれば、複数の立体構造体10を水面等に並べて配置することができる。変形例B6の構成は、本編及び上述及び後述の各変形例に適用することができる。
【0076】
実施の形態2.
図37及び
図38を参照して、本発明の実施の形態2に係る立体構造体10の構成例について説明する。上述した実施の形態1と同様の構成については同一の符号を用いて説明は省略又は簡略化する。
【0077】
本実施の形態2における立体構造体10は、中央の箇所に平面視円形状の開口Oが形成された板状の台座部材120と、台座部材120に連結される本体部材130と、により構成されている。
図37に例示するように、台座部材120は、開口Oを挟む一方側と他方側のそれぞれに、穴状の嵌合部121を有している。台座部材120の他の構成及び代替構成は、実施の形態1の台座部材20と同様である。
【0078】
図38に例示するように、本体部材130は、開口Oを挟んで形成された嵌合部121の各々に嵌め込まれる突起部32を有する。本体部材130は、台座部材120に連結された状態で、台座部材120の表面に接触する当接部33a及び当接部33bが、各突起部32の両サイドに形成されている。当接部33aは、突起部32の中央側に隣接し、当接部33bは、突起部32の外側に隣接している。本体部材130の他の構成及び代替構成は、実施の形態1の本体部材30と同様である。
【0079】
以上のように、本実施の形態2の立体構造体10は、穴状の一対の嵌合部121を備えた台座部材120と、一対の突起部32を備えた本体部材130と、を有している。そのため、台座部材120の開口Oの下側にキャップ部材50を配置し、水面に置くと、台座部材120の表面張力と、キャップ部材50の水面下に配置される部分がもたらす浮力とが相俟って、立体構造体10を水面に安定した状態で浮かべることができる。他の効果等については、実施の形態1と同様である。上述した実施の形態1の各変形例の構成は、実施の形態2の構成にも適用することができる。なお、嵌合部121の位置、形状、及び大きさは、
図37の例に限らず、突起部32の位置、形状、及び大きさは、
図38の例に限定されない。すなわち、嵌合部121に突起部32が嵌まるように調整されていれば、これらの位置、形状、及び大きさは問わない。
【0080】
実施の形態3.
図39及び
図40を参照して、本発明の実施の形態3に係る立体構造体10の構成例について説明する。上述した実施の形態1及び2と同様の構成については同一の符号を用いて説明は省略又は簡略化する。
【0081】
本実施の形態3における立体構造体10は、中央の箇所に平面視円形状の開口Oが形成された板状の台座部材220と、台座部材220に連結される本体部材230と、により構成されている。
図39に例示するように、台座部材220は、開口Oを挟む一方側と他方側のそれぞれに、切欠き状の嵌合部221を有している。各嵌合部221は、台座部材20の内周側、つまり開口Oの縁22に形成されている。台座部材220の他の構成及び代替構成は、実施の形態1の台座部材20と同様である。
【0082】
図40に例示するように、本体部材230は、開口Oを挟んで形成された嵌合部221の各々に嵌め込まれる突起部32を有している。本体部材230は、台座部材20に連結された状態で、台座部材20の表面に接触する当接部33cが、各突起部32の外側に形成されている。本体部材230の他の構成及び代替構成は、実施の形態1の本体部材30と同様である。
【0083】
以上のように、本実施の形態3の立体構造体10は、切欠き状の一対の嵌合部221を備えた台座部材220と、一対の突起部32を備えた本体部材230と、を有している。そのため、台座部材220の開口Oの下側にキャップ部材50を配置し、水面に置くと、台座部材220の表面張力と、キャップ部材50の水面下に配置される部分がもたらす浮力とが相俟って、立体構造体10を水面に安定した状態で浮かべることができる。他の効果等については、実施の形態1と同様である。上述した実施の形態1の各変形例の構成は、実施の形態3の構成にも適用することができる。なお、嵌合部221の形状及び大きさは、
図39の例に限らず、突起部32の形状及び大きさは、
図40の例に限定されない。すなわち、嵌合部221に突起部32が嵌まるように調整されていれば、これらの形状及び大きさは問わない。
【0084】
実施の形態4.
図41~
図43を参照して、本発明の実施の形態4に係る台座部材320、本体部材330、及び立体構造体10の構成について説明する。上述した実施の形態1~3と同様の構成については同一の符号を用いて説明は省略又は簡略化する。
【0085】
本実施の形態4における台座部材320は、平面視円形状の開口Oを複数有すると共に、各開口Oそれぞれを挟む一方側と他方側であって該開口Oに隣接する位置に、本体部材30、130、230、又は330(以下、本体部材と総称する。)の突起部32が嵌め込まれる、切欠き状または穴状の嵌合部321を有している。
【0086】
図41には、2つの開口Oが形成された台座部材320を例示している。
図42には、3つの開口Oが形成された台座部材320を例示している。
図41には、平面視で一方が先細りとなるボード状に形成された台座部材320を例示し、
図42には、平面視円形状の台座部材320を例示している。台座部材320は、形成される開口Oの数にかかわらず、種々の形状を採ることができ、開口Oの位置も任意に設計することができる。
図41及び
図42では、穴状の嵌合部321を例示しているが、嵌合部321は、台座部材320の外周部分に形成された切欠き状のものであってよい。隣接する2つの開口Oの間に配置される2つの嵌合部321は(
図42の領域Y参照)、結合されて、2つの突起部32の嵌め込みが可能な1つの穴となってもよい。
【0087】
図41及び
図42の台座部材320は、実施の形態1(各変形例も含む)に例示した各本体部材30が連結可能となっている。もっとも、台座部材320は、嵌合部321の位置を調整すれば、実施の形態2の本体部材130の連結も、実施の形態3の本体部材230の連結も可能となる。
【0088】
また、台座部材320は、例えば、渡し部31の中央部上端に、他の部材との連結用として機能する連結部36nが形成された、
図43のような本体部材330を連結させて用いてもよい。他の部材としては、連結部36nを嵌め込むことができるように形成された溝又は穴などを有するものである。すなわち、台座部材320は、複数の本体部材330を連結させた後、各本体部材330の連結部36nを他の部材に連結させて用いてもよい。
【0089】
なお、
図41のような形状の台座部材320に想定サイズ感を適用すると、その重さは約34gとなる。
図42のような形状の台座部材320に想定サイズ感を適用すると、その重さは約60gとなる。
図43のような形状の本体部材330に想定サイズ感を適用すると、その重さは約2gとなる。因みに、
図43の本体部材330は、実施の形態1の台座部材20に連結し、立体構造体10のパーツとすることができる。また、
図43の本体部材330は、突起部32の位置を変更すれば、実施の形態2の台座部材120、又は実施の形態3の台座部材220に連結して、立体構造体10のパーツとすることができる。
【0090】
以上のように、本実施の形態4の台座部材320は、平面視円形状の開口Oを複数有すると共に、各開口Oそれぞれを挟む一方側と他方側であって該開口Oに隣接する位置に、本体部材における突起部32が嵌め込まれる、切欠き状または穴状の嵌合部321を有している。そのため、台座部材320は、本体部材30、130、230、又は330と連結するとともに、開口Oの下側にキャップ部材50を配置し、水面に置くと、台座部材320の表面張力と、キャップ部材50の水面下の部分がもたらす浮力とが相俟って、水面に安定した状態で浮かべることができる。また、1つの台座部材320に複数の本体部材を連結することができるため、複数の本体部材の一体感・連帯感を看者に抱かせることができる。台座部材320は、複数の本体部材と組み合わせて、立体構造体10を構成することができる。他の効果等については、実施の形態1と同様である。
【0091】
実施の形態5.
図44を参照して、本発明の実施の形態5に係る立体構造体100の構成について説明する。上述した実施の形態1~4と同様の構成については同一の符号を用いて説明は省略又は簡略化する。
【0092】
立体構造体100は、中央の箇所に平面視円形状の開口Oが形成された板状の台座部材420と、開口Oを挟む一方側と他方側のそれぞれにおいて台座部材420に接続された本体部材430と、を有している。
図44は、台座部材420の表面の一部と、本体部材430の両端部の下端とが接続されている例であり、その接続箇所を接続部33xとする。立体構造体100は、全体が樹脂により形成されている。
【0093】
立体構造体100は、金型を用いての一体成形、あるいは3Dプリンターを用いての一体成形などにより製造されたものであってよい。また、立体構造体100は、台座部材420とが本体部材430とが別体として形成され、これらが接着剤などにより接続されたものであってよい。
図44では、立体構造体100が不透明な材料により形成された例を示しているが、これに限定されない。立体構造体100は、透明な材料又は半透明な材料により形成されてもよい。
【0094】
他の構成及び代替構成については、実施の形態1~4と同様である。すなわち、本実施の形態5における台座部材420及び本体部材430には、実施の形態1で説明した構成及び代替構成の各形状を適用してもよく、各変形例で説明した構成における各形状を適用してもよい。また、実施の形態5の構成は、実施の形態4の構成に適用してもよい。つまり、台座部材320と複数の本体部材と組み合わせた外形の、一体的な立体構造体100を形成してもよい。
【0095】
以上のように、本実施の形態5の立体構造体100は、開口Oが形成された板状の台座部材420と、開口Oを挟む一方側と他方側のそれぞれにおいて台座部材420に接続された本体部材430と、を有している。つまり、立体構造体100は、全体が一体的に形成されている。そのため、台座部材420と本体部材430とが簡単には分離しないため、キャップ部材50と連結して水に浮かべる作業を簡単に行うことができる。ただし、コンパクト化ができないため、陳列や運搬時に、ある程度のスペースが必要となる。他の効果等については、実施の形態1と同様である。
【0096】
ここで、上述した各実施の形態は、立体構造体及び台座部材における具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、実施の形態1~4では、1枚のアクリルプレートから台座部材と本体部材とが切り出される例を説明したが、台座部材と本体部材とは、別々のアクリルプレートから切り出されてもよい。上記の説明では、台座部材及び本体部材が、板厚3.0mmのアクリルプレートから切り出される例を示したが、これに限らず、台座部材及び本体部材は、板厚1.0mmのアクリルプレートなど、種々の板厚のアクリルプレートから切り出されてもよい。板厚を薄くすれば、台座部材及び本体部材の軽量化を図ることができる。
【0097】
台座部材と本体部材とは、異なる材料により形成されてもよい。台座部材及び本体部材のうちの少なくとも一方は、アクリル以外の他の樹脂により形成されてもよい。台座部材又は本体部材の材料となる樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、あるいはこれらに添加物を加えたもの等が考えられる。台座部材及び本体部材のうちの少なくとも一方は、半透明の材料又は不透明な材料により形成されてもよい。実施の形態1~4の本体部材は、台座部材の嵌合部への嵌め込みが可能な突起部32を有していればよく、その形状は問わない。つまり、本体部材は、板状のものに限らない。また、本体部材は、複数のパーツにより構成してもよい。例えば、付設部36としてフィギュア(立体的な人形)を採用してもよい。上記の各実施の形態では、平面視において、少なくとも1つの対称軸をもつ台座部材を例示したが、これに限らず、台座部材は、アメーバ状など、複雑な外郭を有するように形成してもよい。
【0098】
上記の各実施の形態では、本体部材が渡し部31を有する例を示したが、これに限らず、本体部材は、各々が突起部を有する2つの部材により構成されてもよい。これらを第1部材、第2部材とすると、第1部材は、一方の嵌合部に嵌め込まれる突起部32を有し、第2部材は、他方の嵌合部に嵌め込まれる突起部32を有することになる。第1部材及び第2部材は、それぞれ、キャップ部材50を水面下へ押し下げるために機能する押下部材を有していてもよい。押下部材としては、例えば、逃がし部35、平坦部37、延伸部34の一部に相当する構成が考えられる。すなわち、第1部材及び第2部材としては、例えば、
図7等の本体部材の中央の箇所を除いて2つに分けたような形状など、種々の形状を採ることができる。ただし、本体部材に2パーツ構造を適用すると、渡し部31の両端の突起部32によって台座部材を挟持する機能が得られず、台座部材と本体部材との連結力が低下するおそれがある。そのため、本体部材は、第1部材と第2部材とをつなぐ第3部材を有していてもよい。第3部材としては、種々の形状のものを採用することができる。
【0099】
上記各実施の形態では、キャップ部材50としてペットボトルキャップを用いる例を示したが、これに限定されない。すなわち、キャップ部材50としては、スプレーのキャップ、ガスボンベのキャップなど、種々のキャップを用いることができ、この場合は、採用するキャップのサイズに応じて、台座部材20及び本体部材30における各構成部材のサイズを調整すればよい。具体的には、ペットボトルキャップよりも内径が小さい、カセットコンロ用ガスボンベのキャップ等をキャップ部材50として用いてもよく、ペットボトルキャップよりも内径が大きい、スプレー塗料のキャップ等をキャップ部材50として用いてもよい。他に、錠剤やサプリメント等の容器のキャップ、あるいは化粧品等の容器のキャップ等をキャップ部材50として用いてもよい。さらに、ガムシロップやコーヒーフレッシュなどの容器自体をキャップ部材50として用いることもできる。すなわち、キャップ部材50は、一端が閉じた筒状の部材であればよい。キャップ部材50は、別途製造する、別途仕入れる等により、台座部材20及び本体部材30と組み合わせて、あるいは単体で販売等してもよい。
【0100】
なお、各実施の形態で例示した、板厚3.0mmのアクリルプレートを用いて形成した台座部材と本体部材とを任意に組み合わせると共に(想定サイズ感のもの)、キャップ部材50としてのペットボトルキャップを装着して、水又はお湯(入浴剤入りのものを含む)に浮かべてみた。すると、いずれの組み合わせについても、沈むことなく水面を浮遊することが確認できた。
【符号の説明】
【0101】
1 アクリルプレート、3 下端、5 内面、10、100 立体構造体、15 切り抜き枠、20、120、220、320、420 台座部材、21、21A、21B、121、221、321 嵌合部、22 縁、25 チェーン穴、28 切欠き部、29A 凹部、29B 凸部、30、30A、30B、130、230、330、430 本体部材、31 渡し部、32、32A、32B 突起部、33、33a、33b、33c、33n 当接部、33x 接続部、34 延伸部、35 逃がし部、36 付設部、36n 連結部、37 平坦部、37n 傾斜部、38A 翼部、38B 開口部、39A 上側係合部、39B 下側係合部、50 キャップ部材、51 本体部、52 側壁部、53 閉端部、54 リム、56 中足部、D 外径、N 水面、O 開口、S 設定長、T 厚み、U 深さ、a 破線、d 開口の径(台座部材の内径)、f 奥行、p 内径、x 厚み、z 外径、θ 角。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、
前記台座部材に連結される本体部材と、を有し、
前記台座部材は、
前記開口を挟む一方側と他方側のそれぞれに、切欠き状または穴状の嵌合部を有し、
前記本体部材は、
前記開口を跨いで配置される渡し部と、
前記開口を挟んで形成された前記嵌合部の各々に嵌め込まれる突起部と、
前記渡し部における、前記開口の縁よりも設定長内側の部分から前記開口側に延びる延伸部と、を有する、立体構造体。
【請求項2】
中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、
前記台座部材に連結される本体部材と、を有し、
前記台座部材は、
前記開口を挟む一方側と他方側のそれぞれに、切欠き状または穴状の嵌合部を有し、
前記本体部材は、
前記開口を跨いで配置される渡し部と、
前記開口を挟んで形成された前記嵌合部の各々に嵌め込まれる突起部と、を有し、
前記渡し部は、
前記開口の縁から設定長内側までの領域に対応する部分に、切欠き状の逃がし部が形成されている、立体構造体。
【請求項3】
前記渡し部は、
前記台座部材に連結された状態で、前記開口の縁から設定長内側までの領域に対応する部分に、切欠き状の逃がし部が形成されている、請求項1に記載の立体構造体。
【請求項4】
前記本体部材は、
前記台座部材に連結された状態で、前記渡し部の前記台座部材とは反対側に設けられた付設部をさらに有する、請求項1~3の何れか一項に記載の立体構造体。
【請求項5】
中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、
前記開口を挟む一方側と他方側のそれぞれにおいて前記台座部材に接続された本体部材と、を有し、
前記本体部材は、
前記開口を跨いで配置される渡し部と、
前記渡し部における、前記開口の縁よりも設定長内側の部分から前記開口側に延びる延伸部と、を有する、立体構造体。
【請求項6】
中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、
前記開口を挟む一方側と他方側のそれぞれにおいて前記台座部材に接続された本体部材と、を有し、
前記本体部材は、
前記開口を跨いで配置される渡し部を有し、
前記渡し部は、
前記開口の縁から設定長内側までの領域に対応する部分に、切欠き状の逃がし部が形成されている、立体構造体。
【請求項7】
一端が閉じた筒状のキャップ部材を挿入可能に形成された平面視円形状の開口を複数有すると共に、
各開口それぞれを挟む一方側と他方側であって該開口に隣接する位置に、請求項1~3の何れか一項に記載の本体部材における突起部が嵌め込まれる、切欠き状または穴状の嵌合部を有し、
前記本体部材の各突起部が各嵌合部に表側から嵌め込まれ、かつ、前記キャップ部材の開放側が前記本体部材側を向くよう前記開口に該キャップ部材が挿入された状態で、水に浮くよう構成されている、台座部材。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、
前記台座部材に連結される本体部材と、を有し、
前記台座部材は、
前記開口を挟む一方側と他方側のそれぞれに、切欠き状または穴状の嵌合部を有し、
前記本体部材は、
前記開口を跨いで配置される渡し部と、
前記開口を挟んで形成された前記嵌合部の各々に嵌め込まれる突起部と、
前記渡し部における、前記開口の縁よりも設定長内側の部分から前記開口側に延びる延伸部と、を有する、立体構造体。
【請求項2】
中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、
前記台座部材に連結される本体部材と、を有し、
前記台座部材は、
前記開口を挟む一方側と他方側のそれぞれに、切欠き状または穴状の嵌合部を有し、
前記本体部材は、
前記開口を跨いで配置される渡し部と、
前記開口を挟んで形成された前記嵌合部の各々に嵌め込まれる突起部と、を有し、
前記渡し部は、
前記開口の縁から設定長内側までの領域に対応する部分に、切欠き状の逃がし部が形成されている、立体構造体。
【請求項3】
前記渡し部は、
前記台座部材に連結された状態で、前記開口の縁から設定長内側までの領域に対応する部分に、切欠き状の逃がし部が形成されている、請求項1に記載の立体構造体。
【請求項4】
前記本体部材は、
前記台座部材に連結された状態で、前記渡し部の前記台座部材とは反対側に設けられた付設部をさらに有する、請求項1~3の何れか一項に記載の立体構造体。
【請求項5】
中央の箇所に平面視円形状の開口が形成された板状の台座部材と、
前記開口を挟む一方側と他方側のそれぞれにおいて前記台座部材に接続された本体部材と、を有し、
前記本体部材は、
前記開口を跨いで配置される渡し部を有し、
前記渡し部は、
前記開口の縁から設定長内側までの領域に対応する部分に、切欠き状の逃がし部が形成されている、立体構造体。
【請求項6】
一端が閉じた筒状のキャップ部材を挿入可能に形成された平面視円形状の開口を複数有すると共に、
各開口それぞれを挟む一方側と他方側であって該開口に隣接する位置に、請求項1~3の何れか一項に記載の本体部材における突起部が嵌め込まれる、切欠き状または穴状の嵌合部を有し、
前記本体部材の各突起部が各嵌合部に表側から嵌め込まれ、かつ、前記キャップ部材の開放側が前記本体部材側を向くよう前記開口に該キャップ部材が挿入された状態で、水に浮くよう構成されている、台座部材。