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特開2023-181667情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181667
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/60 20170101AFI20231218BHJP
【FI】
G06T7/60 200Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094926
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 直知
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA04
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096FA72
(57)【要約】
【課題】取得した移動体の位置情報で表される位置における移動体と物体との関係をより適切に把握することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、移動体の位置情報を取得し、移動体の向きの情報を取得し、移動体と異なる物体が移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得し、位置情報と、移動体の向きの情報と、載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する、1以上の処理部を備える。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の向きの情報を取得し、
前記移動体と異なる物体が前記移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得し、
前記位置情報と、前記移動体の向きの情報と、前記載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する、
1以上の処理部を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記1以上の処理部は、
前記位置情報、前記移動体の向きの情報、前記載置情報の取得、及び前記対応情報の生成を繰り返し実行し、
生成された複数の前記対応情報に基づいて前記物体の状態を判別する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記1以上の処理部は、
生成された複数の前記対応情報のうち、生成された時間が異なる少なくとも2つの対応情報に基づいて、前記物体の状態を判別する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記1以上の処理部は、
前記対応情報に含まれる前記位置情報、前記載置情報、及び前記移動体の向きの情報に基づいて、前記物体の状態を判別する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記1以上の処理部は、
複数の前記対応情報に基づいて、前記物体の移動経路情報を生成する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記位置情報は、位置が固定された基準物体と前記移動体との位置関係に基づいて生成される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記移動体は、当該移動体を特定可能な発光パターンで光を発する発光装置を有し、
前記基準物体は、前記発光装置を撮像する撮像装置であり、
前記位置情報は、前記撮像装置による撮影画像における前記発光装置の前記発光パターンに基づく前記移動体の特定結果と、前記撮影画像内における前記発光装置の位置とに基づいて生成される、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置のコンピュータが実行する情報処理方法であって、
移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の向きの情報を取得し、
前記移動体と異なる物体が前記移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得し、
前記位置情報と、前記移動体の向きの情報と、前記載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する、
情報処理方法。
【請求項9】
情報処理装置のコンピュータに、
移動体の位置情報を取得する処理、
前記移動体の向きの情報を取得する処理、
前記移動体と異なる物体が前記移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得する処理、
前記位置情報と、前記移動体の向きの情報と、前記載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する処理、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体により運ばれる物体の位置を管理する方法として、予め物体及び物体の保管場所に識別標識を付しておき、或る保管場所に移動体が物体を運んだ後で、ユーザが読取装置を操作して物体及び保管場所の識別標識を読み取り、移動後の物体の位置を登録する方法が知られている(例えば、特許文献1)。また、保管場所を特定する方法に代えて、位置情報により位置が表される移動体と、当該移動体により運ばれる物体との関係をユーザ操作により把握することで物体の位置を管理することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-111573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザ操作により管理をする方法では、作業ミス等により、取得した移動体の位置情報で表される位置における移動体と物体との関係が適切に把握できなくなるという課題がある。
【0005】
この発明は、取得した移動体の位置情報で表される位置における移動体と物体との関係をより適切に把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、
移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の向きの情報を取得し、
前記移動体と異なる物体が前記移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得し、
前記位置情報と、前記移動体の向きの情報と、前記載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する、
1以上の処理部を備える。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理方法は、
情報処理装置のコンピュータが実行する情報処理方法であって、
移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の向きの情報を取得し、
前記移動体と異なる物体が前記移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得し、
前記位置情報と、前記移動体の向きの情報と、前記載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、
情報処理装置のコンピュータに、
移動体の位置情報を取得する処理、
前記移動体の向きの情報を取得する処理、
前記移動体と異なる物体が前記移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得する処理、
前記位置情報と、前記移動体の向きの情報と、前記載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する処理、
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、取得した移動体の位置情報で表される位置における移動体と物体との関係をより適切に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】荷物管理システムの構成を示す図である。
図2】車両の機能構成を示すブロック図である。
図3】サーバの機能構成を示すブロック図である。
図4】LEDマーカーの発光パターンを説明する図である。
図5】倉庫の構成を示す模式図である。
図6】保管エリアにおける荷物の保管態様を説明する図である。
図7】ステータスデータの内容例を示す図である。
図8】荷物管理データの内容例を示す図である。
図9】第2の時点における倉庫を示す模式図である。
図10】第4の時点における倉庫を示す模式図である。
図11】第5の時点における倉庫を示す模式図である。
図12】第6の時点における倉庫を示す模式図である。
図13】対応情報送信処理の制御手順を示すフローチャートである。
図14】車両動作フローを示すフローチャートである。
図15】荷物管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図16】車両の位置と積み降ろされる荷物の位置とが異なる場合を示す図である。
図17】第2の実施形態の荷物管理システムの構成を示す図である。
図18】第2の実施形態の車両の機能構成を示すブロック図である。
図19】第2の実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図である。
図20】第2の実施形態のLEDマーカーの発光パターンを説明する図である。
図21】第2の実施形態のLEDマーカー発光処理の制御手順を示すフローチャートである。
図22】第2の実施形態の対応情報生成処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
<荷物管理システムの概要>
図1は、荷物管理システム1の構成を示す図である。
本実施形態の荷物管理システム1(情報処理システム)は、荷物(物体)を保管するための倉庫500に設けられている。荷物管理システム1は、車両10(移動体)と、サーバ20と、複数のLEDマーカー30(基準物体、発光装置)などを備える。車両10は、サーバ20との間で無線による通信経路を介したデータの送受信が可能となっている。荷物管理システム1は、倉庫500に入庫して保管される複数の荷物Lの保管位置等を個別に管理する。以下では、倉庫500における車両10や荷物Lの位置をXYZ直交座標系により表す。X方向及びY方向は、倉庫500の床面に平行であり、Z方向は鉛直方向上向きであるものとする。図1では、サーバ20が倉庫500の内部に描かれているが、これに限られず、サーバ20は、倉庫500の外部や遠隔地に設けられていてもよい。
【0013】
<車両の構成>
車両10は、本実施形態ではフォークリフトである。車両10は、荷物Lが載置されるフォーク10a(載置部)と、フォーク10aを地上に対する略鉛直方向に昇降させるマスト10bと、2つのカメラ40(撮像装置)などを有する。車両10は、搭乗者(操作者)の操作に応じて、フォーク10aにより荷物Lを持ち上げたり、フォーク10aから荷物Lを降ろして保管場所に載置させたりすることができる。また、車両10は、荷物Lをフォーク10aに載置した状態で移動することで、荷物Lを倉庫500内で移動させることができる。
詳しくは、荷物Lは、パレットP(台座)の上に載置された状態で、パレットPごとフォーク10aにより持ち上げられる。パレットPは、平面視で略正方形の偏平な直方体形状の部材であり、一対の側面間を貫通する2つの挿通穴Paが設けられている。この2つの挿通穴Paにそれぞれフォーク10aを挿通した状態でフォーク10aを上昇させることで、パレットP及び荷物Lを持ち上げることができる。なお、図1に示す挿通穴Paに直交する方向にさらに2つの挿通穴Paを設け、パレットPの任意の側面からフォーク10aを挿通穴Paに挿通できるようにしてもよい。
【0014】
図2は、車両10の機能構成を示すブロック図である。
車両10は、端末装置100(情報処理装置)と、荷物検出部16と、フォーク高さ検出部17と、方位検出部18と、カメラ40などを備える。端末装置100は、CPU11(Central Processing Unit)、RAM12(Random Access Memory)、記憶部13、操作表示部14及び通信部15などを有する。車両10の各部は、PoEハブ等を含む通信経路19を介して接続されている。
【0015】
端末装置100は、例えばノートPC、タブレット端末又はスマートフォンなどであるが、これらに限られない。また、端末装置100は、必ずしも車両10と別個に設けられたものでなくてもよく、予め車両10の一部として組み込まれたものであってもよい。
【0016】
端末装置100のCPU11は、記憶部13に記憶されているプログラム131を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、端末装置100及び車両10の動作を制御するプロセッサである。第1の実施形態では、CPU11が「1以上の処理部」に相当する。なお、端末装置100は、複数のプロセッサ(複数のCPU等)を有していてもよく、本実施形態のCPU11が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサが「1以上の処理部」に相当する。また、この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0017】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0018】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム131及び各種データを記憶する。記憶部13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを含む。記憶部13に記憶されるデータとしては、カメラ40により撮影された撮影画像に係る撮影画像データ132、及び車両10の状態を表すステータスデータ133などがある。ステータスデータ133の具体的な内容については後述する。
【0019】
操作表示部14は、CPU11からの表示制御信号に従って表示を行う表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)と、ユーザによる入力操作を受け付けて当該入力操作に応じた操作情報をCPU11に出力する入力装置(例えば、タッチパネルや、マウス及びキーボード等)とを有する。
【0020】
通信部15は、ネットワークカード又は通信モジュール等により構成され、サーバ20との間で所定の通信規格に従ってデータの送受信を行う。本実施形態の通信部15は、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信によりサーバ20との間でデータの送受信を行う。
【0021】
荷物検出部16は、フォーク10aに荷物Lが載置されているか否かを検出し、検出結果に係るデータを端末装置100のCPU11に出力する。荷物検出部16による検出結果に基づいて、荷物Lの載置有無を表す載置情報Ib(図7参照)が生成される。本実施形態の荷物検出部16は、フォーク10aに載置された荷物Lとの距離を検出する距離センサを有し、フォーク10aに荷物Lが載置されている場合と、荷物Lが載置されていない場合との距離センサの検出結果の相違に基づいて荷物Lの有無を検出する。ただし、荷物Lの検出方法はこれに限られず、例えば、フォーク10aに載置されている物の重量を検出する方法、又は、フォーク10aをカメラ40(又は図示しないカメラ)で撮像した画像に基づいて荷物Lの有無を判別する方法などを用いてもよい。
【0022】
フォーク高さ検出部17は、マスト10bにより昇降するフォーク10aのZ方向の高さを検出し、検出結果に係るデータをCPU11に出力する。フォーク高さ検出部17による検出結果に基づいて、フォーク10aの高さを表す高さ情報Id(図7参照)が生成される。フォーク10aのZ方向の高さは、車両10の内部にある地磁気センサによっても判断ができる。また、フォーク10aのZ方向の高さは、カメラ40でフォーク10aも撮像できるよう設定することで、当該フォーク10aとLEDマーカー30との位置関係により判断しても良い。カメラ40により撮像された画像の処理をフォーク高さ検出部17の機能の一部として使用することにより、車両10の位置情報とともに高さ情報Idの両方がほぼ同時に得られるのでCPU11の判断処理が効率的になる。
【0023】
方位検出部18は、車両10の向きを検出し、検出結果に係るデータをCPU11に出力する。方位検出部18は、例えば地磁気センサを有し、地磁気センサにより導出される磁北の向きに基づいて車両10の向きを導出する。方位検出部18による検出結果に基づいて、車両10の向きを表す向き情報Ie(図7参照)が生成される。また、方位検出部18は、カメラ40により撮像されたLEDマーカー30による情報により車両10の向きを判断するようにしても良い。カメラ40を方位検出部18として使用することにより、車両10の位置情報とともに向き情報Ieの両方がほぼ同時に得られるのでCPU11の判断処理が効率的になる。
【0024】
カメラ40は、所定のフレームレートで倉庫500内を撮像し、撮影画像データ132を端末装置100に出力する。図1に示すように、本実施形態の車両10には、車両10の前方上方及び後方上方をそれぞれ撮像する2つのカメラ40が設けられている。
【0025】
<LEDマーカーの構成>
図1に示す複数のLEDマーカー30の各々は、赤、緑及び青の光を発する3つのLED(Light Emitting Diode)を有し、赤、緑及び青の光を所定の切り替え周期で切り替えて発光することができる。LEDマーカー30は、倉庫500の天井における予め定められた位置に取り付けられて固定されている。複数のLEDマーカー30は、マトリクス状などの規則的な配列をなすように配置されていてもよいし、規則性を有しない位置に配置されていてもよい。各LEDマーカー30は、赤、緑及び青の発光色を時系列で変化させた発光パターン60で発光する。発光パターン60については後述する。LEDマーカー30は、サーバ20と通信接続されてサーバ20による制御に従って発光してもよいし、荷物管理システム1の外部の機器により制御されて発光してもよい。
【0026】
<サーバの構成>
図3は、サーバ20の機能構成を示すブロック図である。
サーバ20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、通信部24などを備える。サーバ20の各部は、バス25を介して接続されている。サーバ20は、ユーザによる入力操作を受け付ける操作部や、各種表示を行う表示部をさらに備えていてもよい。
【0027】
CPU21は、記憶部23に記憶されているプログラム231を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、サーバ20の動作を制御するプロセッサである。なお、サーバ20は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU21が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0028】
RAM22は、CPU21に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0029】
記憶部23は、コンピュータとしてのCPU21により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム231及び各種データを記憶する。記憶部23は、例えばHDD、SSD等の不揮発性メモリを含む。記憶部23に記憶されるデータとしては、倉庫500に保管される荷物Lを管理するための荷物管理データ232などがある。荷物管理データ232の具体的な内容については後述する。
【0030】
通信部24は、ネットワークカード又は通信モジュール等により構成され、車両10の端末装置100との間で所定の通信規格に従ってデータの送受信を行う。
【0031】
<荷物管理システムの動作>
荷物管理システム1による荷物Lの管理のための動作の概要は、以下のとおりである。
LEDマーカー30は、当該LEDマーカー30を識別可能な発光パターン60で発光する。車両10の端末装置100は、カメラ40による撮影画像の撮影画像データ132を取得して、撮影画像に映っているLEDマーカー30を特定し、既知である当該LEDマーカー30の倉庫500内の位置と、撮影画像内における当該LEDマーカー30の位置とに基づいて、倉庫500における車両10の位置を導出する。また、端末装置100は、車両10の位置に係る位置情報Ia(図7参照)、荷物Lが車両10に載置されているか否かを表す載置情報Ib(図7参照)、フォーク10aの高さに係る高さ情報Id(図7参照)、及び車両10の向きに係る向き情報Ie等を時系列的に互いに対応付けた対応情報I(図7参照)を生成してサーバ20に送信する。サーバ20は、受信した対応情報Iに基づいて荷物Lの状態を判別し、荷物Lの状態に係る荷物状態情報J(図8参照)を生成して荷物管理データ232に記録する。ここで、「荷物Lの状態」は、少なくとも荷物Lの位置を含み、荷物Lの高さ、載置車両、及びパレットPの挿通穴Paの向きのうち少なくとも1つをさらに含んでいてもよい。本実施形態では、「荷物Lの状態」が、位置、高さ、載置車両及び挿通穴Paの向きを含む例を用いて説明する。 以下、荷物管理システム1の動作について詳細に説明する。
【0032】
図4は、LEDマーカー30の発光パターン60を説明する図である。
LEDマーカー30による発光パターン60は、赤、緑及び青のうちいずれか1色の発光が行われる単位期間が所定数連続するように組み合わされたものである。本実施形態の発光パターン60は、24個の単位期間S1~S24からなる。このような発光パターン60により、24個の発光色の序列によって表される情報を送信することができる。なお、1つの発光パターン60に含ませる単位期間の数は、送信する情報量等に応じて変更してもよい。1つの単位期間の長さは、特には限られないが、例えば100ミリ秒程度とすることができる。本実施形態のLEDマーカー30は、LEDマーカー30ごとに設定された固有の発光パターン60で発光する。発光パターン60は、例えばLEDマーカー30に対応する固有の符号を表すものであってもよいし、LEDマーカー30の位置(例えば、X座標、Y座標及びZ座標)を直接表すものであってもよい。
【0033】
車両10に設けられたカメラ40は、発光パターン60の単位期間よりも短い撮像周期となるように撮像のフレームレート(例えば、20fps)が設定されている。発光パターン60の全体を含む期間にわたって撮影された複数の撮影画像から、撮影画像に映っているLEDマーカー30の発光パターン60を検出、解析することで、映っているLEDマーカー30を特定することができる。そして、既知である各LEDマーカー30の倉庫500内の位置(発光装置が設けられている位置)と、撮影画像に映っている2以上のLEDマーカー30の撮影画像内における位置とに基づいて、LEDマーカー30と車両10との位置関係、及び倉庫500における車両10の位置を導出することができる。車両10の位置が特定されてから一定期間内(特定された位置からの一定の移動距離範囲内)であれば、単一のLEDマーカー30のみが映っている撮影画像に基づいて車両10の位置をある程度の精度で導出することができる。複数のLEDマーカー30の配置及びカメラ40の向きは、車両10の位置及び向きによらずに、少なくとも一方のカメラ40の撮影画像に少なくとも1つのLEDマーカー30が映るように調整することが好ましい。向きが異なる2つのカメラ40を設けることで、車両10が倉庫500の端(壁面付近)に位置している場合においても、一方のカメラ40による撮影画像にLEDマーカー30が映るようにすることができる。
【0034】
カメラ40による撮影画像に基づいて車両10の位置を導出する処理は、端末装置100のCPU11により行われる。CPU11は、撮影画像に基づいて車両10のX座標及びY座標を導出する。また、CPU11は、導出した座標が、倉庫500において予め定められた複数の領域のうちいずれの領域に属するかを特定し、特定した領域を車両10の位置情報Iaとする。
【0035】
図5は、倉庫500の構成を示す模式図である。
本実施形態の倉庫500は、6行6列のマトリクス状に設定された複数の保管エリア501(所定の置き場)と、荷物Lの入荷が行われる入庫エリア502と、荷物Lの出庫が行われる出庫エリア503とを有する。複数の保管エリア501、入庫エリア502及び出庫エリア503により、上述の「複数の領域」が構成される。よって、「複数の領域」の各々は、1つの保管エリア501、入庫エリア502及び出庫エリア503のいずれかである。各保管エリア501の位置は、Y方向についての位置を表す符号「A」~「F」と、X方向についての位置を表す符号「1」~「6」とを組み合わせた符号により表すものとする。例えば図5において荷物L004が保管されている保管エリア501の位置は「位置C1」である。また、図5では、荷物L001が入庫エリア502にあり、入庫作業が行われている。また、入庫した荷物L001を移動させるために、車両10が入庫エリア502に向かっている。図5では、便宜上、角を丸めた四角形により車両10を表している。また、図5では、1以上の荷物Lが保管されている保管エリア501にドットが付されている。
なお、図5に示す倉庫500の構成は例示であり、これに限られない。例えば、保管エリア501の数や配置は適宜変更することができる。また、保管エリア501のマトリクスの一部が入庫エリア502及び出庫エリア503となっていてもよい。
【0036】
入庫エリア502には、LEDマーカー30と同様の構成の入庫用LEDマーカー31が設けられている。入庫用LEDマーカー31は、入庫エリア502において入庫作業が行われている荷物L(図5では、荷物L001)を識別可能な発光パターン60で発光する。車両10の端末装置100は、カメラ40が撮影した入庫用LEDマーカー31の発光パターン60を検出、解析して、入庫する荷物Lを特定する物体情報Ic(図7参照)(例えば、荷物ID)を取得する。物体情報Icは、図示しないテーブルデータ等において入庫用LEDマーカー31の発光パターン60と対応付けられていてもよいし、発光パターン60から物体情報Icが直接取得できるようにしてもよい。
【0037】
図6は、保管エリア501における荷物Lの保管態様を説明する図である。
本実施形態の保管エリア501には、当該保管エリア501に位置する車両10が荷物Lを載置することが可能な1つの棚50が設けられている。棚50は、Z方向の高さが互いに異なる、下段保管領域51、中段保管領域52及び上段保管領域53を有し(以下では、これらをまとめて「保管領域51~53」と記す)、これらの保管領域51~53にそれぞれ1つの荷物Lを保管することができる。よって、1つの保管エリア501には、最大で3つの荷物Lを保管することができる。
一方、車両10のフォーク10aの高さは、マスト10bを用いて、下段保管領域51の高さH1、中段保管領域52の高さH2、及び上段保管領域53の高さH3のいずれかに調整することができる。フォーク10aの高さを高さH1、H2、H3のいずれかに調整した状態で棚50に荷物Lを載置することで、対応する高さの保管領域に荷物Lを載置することができる。
なお、棚50を用いずに、複数の荷物Lを下から順に積層させていく(段積みする、平積みする)態様としてもよい。その場合は、例えば、既に同じ場所(所定の場所)に一番下に積まれている他の荷物L(載置されている物体とは異なる物体)がある状況であれば、その場所で荷物Lを載置した場合は、CPU11は、当該荷物Lが、下から2番目の荷物として載置されたと判断することになる。反対に、同じ場所に2つ荷物Lが積まれている状況で1番上の荷物Lのみを車両10に載置する場合は、CPU11は、荷物Lを載置することになるので、どの荷物Lが車両10に載置されるかを判断することができる。荷物が三段以上積まれる場合も同様である。詳しくは、CPU11は、フォーク10aに載置された荷物Lを置き場に載置する際、及び、置き場から荷物Lを持ち上げてフォーク10aに載置させる際、の少なくとも一方において、置き場にこの荷物Lとは異なる他の荷物Lがあるか否かを判別し、その判別結果に基づいて高さ情報Idを取得する。例えば、置き場に他の荷物Lがある場合には、段積みの2段目の高さを高さ情報Idとする。また、段積み可能な最大の段数が3段以上である場合には、置き場に積まれている他の荷物Lの数を特定し、特定した他の荷物Lの数に基づいて高さ情報Idを取得する。例えば、置き場にN段の他の荷物Lが積まれている場合には、段積みの(N+1)段目の高さを高さ情報Idとする。
【0038】
端末装置100のCPU11は、カメラ40による撮影画像から導出した車両10の車両座標及び位置情報Iaと、上述の載置情報Ib、物体情報Ic及び高さ情報Id、向き情報Ie等を対応付けて、対応情報Iを生成する。また、生成した対応情報Iをステータスデータ133に登録する。
【0039】
図7は、ステータスデータ133の内容例を示す図である。
ステータスデータ133における1つの行データが、1つの対応情報Iに対応する。各対応情報Iは、「データ番号」、「日時」、「車両ID」、「位置情報Ia」、「載置情報Ib」、「物体情報Ic」「高さ情報Id」、及び「向き情報Ie」のデータ項目を有する。
【0040】
「データ番号」は、複数の対応情報Iに対して時系列順に割り当てられた番号又は符号である。
「日時」は、対応情報Iが生成された日時を表す。対応情報Iは、位置情報Iaが取得されたタイミングで生成されるため、「日時」は、位置情報Iaの取得日時を表すものであるということもできる。
「車両ID」は、端末装置100が搭載されている車両10に割り当てられた固有の符号である。
「車両座標」は、上述の方法でカメラ40による撮影画像から導出された車両10のX座標及びY座標である。
「位置情報Ia」は、「車両座標」が属する保管エリア501、入庫エリア502又は出庫エリア503のいずれかであり、車両10の位置を表す。
「載置情報Ib」は、フォーク10aに荷物Lが載置されているか否かを表し、フォーク10aに荷物Lが載置されている場合には「1」、載置されていない場合には「0」とされる。
「物体情報Ic」は、「載置情報Ib」が「1」である場合における、載置されている荷物Lの荷物IDである。「物体情報Ic」は、入庫用LEDマーカー31の発光パターン60に基づいて荷物IDが特定されている場合に入力される。よって、フォーク10aに載置されている荷物Lが、入庫エリア502で載置されたものではない場合(いずれかの保管エリア501で載置された荷物Lである場合)には、入庫用LEDマーカー31により荷物IDを特定することができないため、「物体情報Ic」は「N/A」とされる。
「高さ情報Id」は、フォーク高さ検出部17により検出されたフォーク10aの高さを表し、本実施形態では「H1」~「H3」のいずれかである。
「向き情報Ie」は、方位検出部18により検出された車両10の向き(フォーク10aが設けられている前方の向き)を表し、本実施形態では「0」~「3」のいずれかである。このうち「0」は-X方向(図5の上方向)を表し、「1」は+Y方向(図5の右方向)を表し、「2」は+X方向(図5の下方向)を表し、「3」は+Y方向(図5の左方向)を表す。ただし、向き情報Ieの形式はこれに限られず、例えば、8方向や16方向といったより細かい区分で向きを表してもよいし、0°~360°等の数値により向きを表してもよい。位置情報Iaに加えて向き情報Ieも参照することにより、位置情報Iaだけでは荷物Lの積み降ろしを行った場所を正確に把握できない場合(例えば、保管エリア501にある複数の載置場所が近接している場合等)であっても、より正確に荷物Lの積み降ろしを行った場所を判断することができる。この点ついては、後に<変形例1-3>において具体例を挙げて説明する。
【0041】
端末装置100のCPU11は、予め定められた頻度で(すなわち、対応情報Iの所定の送信タイミングで)、位置情報Ia、載置情報Ib、高さ情報Id、向き情報Ie等の取得、並びに対応情報Iの生成を繰り返し実行し、生成した各対応情報Iをステータスデータ133に登録する。図7では、1分に1回の頻度で対応情報Iが生成されているが、これは説明の便宜上のものであり、より高頻度で(例えば、数秒~数十秒に1回程度の頻度で)対応情報Iが生成されてもよい。
また、端末装置100のCPU11は、対応情報Iを生成するごとに、生成した対応情報Iをサーバ20に送信する。よって、サーバ20には、ステータスデータ133と同一内容のデータが蓄積される。また、荷物管理システム1が複数の車両10を有する場合には、各車両10で生成された対応情報Iがサーバ20に送信されて蓄積される。
以下では、図7に記載されている12個の対応情報Iを、「日時」が古い順に「対応情報I1」~「対応情報I12」と記す。
【0042】
サーバ20のCPU21は、受信した複数の対応情報Iに基づいて荷物Lの状態を判別し、判別結果を含む荷物状態情報Jを荷物管理データ232に登録する。
【0043】
図8は、荷物管理データ232の内容例を示す図である。
荷物管理データ232における1つの行データは、管理対象の1つの荷物Lの、ある日時における状態に係る荷物状態情報Jに対応する。1つの荷物状態情報Jは、1つの対応情報Iに対応する。各荷物状態情報Jは、「日時」、「荷物ID」、「位置」、「高さ」、「載置車両」及び「挿通穴向き」のデータ項目を有する。
「荷物ID」は、荷物Lに割り当てられた固有の符号である。
「日時」は、その荷物状態情報Jが表す状態の日時を表し、荷物状態情報Jに対応する対応情報Iの「日時」と同一である。
「位置」は、荷物Lの位置(保管されている保管エリア501、又は車両10とともに移動中の保管エリア501の符号)を表し、その荷物状態情報Jに対応する対応情報Iの「位置情報Ia」と同一である。
「高さ」は、荷物Lの高さを表し、その荷物状態情報Jに対応する対応情報Iの「高さ情報Id」と同一である。よって、「高さ」は、「H1」~「H3」のいずれかとされる。「高さ」は、荷物Lが保管されている場合には棚50の保管領域の高さを表し、車両に載置されている場合にはフォーク10aの高さを表す。
「載置車両」は、荷物Lが車両10に載置されている場合に、当該車両10の車両IDを表す。「載置車両」は、その荷物状態情報Jに対応する対応情報Iの「車両ID」と同一である。
「挿通穴向き」は、その時点におけるパレットPの挿通穴Paの向きを表す。本実施形態では、荷物Lは、パレットPの挿通穴PaがX方向又はY方向のいずれかに平行な状態で保管エリア501に保管されるものとする。「挿通穴向き」は、挿通穴PaがX方向に平行である場合には「0」とされ、Y方向に平行である場合には「1」とされる。よって、「挿通穴向き」は、その荷物Lが車両10に載置されている期間においては、その荷物状態情報Jに対応する対応情報Iにおいて、向き情報Ieが「0」又は「2」である場合には「0」とされ、向き情報Ieが「1」又は「3」である場合には「1」とされる。また、その荷物Lが車両10に載置されていない(保管エリア501に保管されている)場合の「挿通穴向き」は、最後に車両10から降ろされたときの対応情報Iにおける向き情報Ieに基づいて定められる。なお、X方向及びY方向の中間の向きに相当する符号がさらに用いられてもよい。
【0044】
荷物状態情報Jは、対応情報Iから特定される荷物Lの状態が変化するごとに(図8に示す例では、位置、高さ、載置車両及び挿通穴向きのうち少なくとも1つが変化するごとに)生成されて荷物管理データ232に登録、蓄積される。よって、或る時点の荷物管理データ232において或る荷物Lに対応する複数の荷物状態情報Jのうち、「日時」が最も新しい荷物状態情報Jが、上記或る時点における上記或る荷物Lの状態を表す。また、荷物管理データ232に登録された複数の荷物状態情報Jは、荷物Lの状態の時系列的な変化を表す。荷物Lの状態の時系列的な変化は、荷物Lの位置の経時的な変化、すなわち荷物Lの移動経路の情報を含む。このため、荷物管理データ232は、荷物Lの移動経路の履歴を表す「移動経路情報」に相当する。
図8に示す荷物管理データ232の荷物状態情報J1~J7は、荷物L001の入荷から出荷までの状態の変化を表し、荷物状態情報J8~11は、荷物L004の入荷から出荷までの状態の変化の一部を表す。荷物管理データ232には、管理対象のすべての荷物の荷物状態情報Jが登録、蓄積される。
【0045】
次に、サーバ20のCPU21が、複数の対応情報Iに基づいて荷物Lの状態を判別する方法について説明する。
以下では、或る時点において受信済の複数の対応情報Iのうち、「日時」が最も新しいものを「現対応情報I」と記し、現対応情報Iの1つ前に受信した対応情報Iを「前対応情報I」と記す。現対応情報I及び前対応情報Iは、「生成された時間が異なる少なくとも2つの対応情報」に相当する。
【0046】
サーバ20のCPU21は、或る時点における現対応情報I及び前対応情報Iに共通の位置情報Ia及び共通の高さ情報Idが含まれている場合に、現対応情報I及び前対応情報Iに各々含まれる載置情報Ib間に変化があるか否かに基づいて荷物Lの状態を判別する。
詳しくは、サーバ20のCPU21は、或る時点における現対応情報I及び前対応情報Iに共通の位置情報Ia及び共通の高さ情報Idが含まれており、前対応情報Iに含まれる載置情報Ibが「0」であり(すなわち、荷物Lが車両10に載置されていないことを表し)、現対応情報Iに含まれる載置情報Ibが「1」である(すなわち、荷物Lが車両10に載置されていることを表す)場合には(言い換えると、現対応情報I及び前対応情報Iの各載置情報Ibが「0」から「1」に変化したと判別した場合には)、共通の位置情報Iaにより表される位置、及び共通の高さ情報Idにより表される高さにあった荷物Lが車両10に載置されたと判別する。このように共通の高さ情報Idを参照することで、高さの異なる複数の保管領域51~53のうちどの保管領域に保管されていた荷物Lが車両10に載置されたかを判別することができる。
【0047】
また、サーバ20のCPU21は、或る時点における現対応情報I及び前対応情報Iに共通の位置情報Ia及び共通の高さ情報Idが含まれており、前対応情報Iに含まれる載置情報Ibが「1」であり、現対応情報Iに含まれる載置情報Ibが「0」である場合には(言い換えると、現対応情報I及び前対応情報Iの各載置情報Ibが「1」から「0」に変化したと判別した場合には)、共通の位置情報Iaにより表される位置、及び共通の高さ情報Idにより表される高さで荷物Lが車両10から降ろされたと判別する。このように共通の高さ情報Idを参照することで、高さの異なる複数の保管領域51~53のうちどの保管領域に荷物Lが降ろされたかを判別することができる。このとき、現対応情報Iに含まれる車両10の向き情報Ieも参照すると棚の向きと正対しているか分かるため、どの荷物Lが棚から下ろされたかをより正確に判別することができる。
【0048】
また、サーバ20のCPU21は、或る時点における現対応情報I及び前対応情報Iの位置情報Ia及び/又は高さ情報Idが互いに異なり、載置情報Ibがいずれも「1」である場合には、荷物Lが車両10に載置された状態で位置及び/又は高さが変化されたと判別し、現対応情報Iの位置情報Iaで表される位置及び高さ情報Idで表される高さを荷物Lの位置及び高さとして特定する。
【0049】
以下、具体例を用いて説明する。
或る時点(「第1の時点」とする)において、図7に示す対応情報I2まで受信済である場合には、対応情報I2が現対応情報I、対応情報I1が前対応情報Iとなる。これらの対応情報I1、I2において、位置情報Iaが「入庫エリア」で共通であり、高さ情報Idが「H1」で共通であり、載置情報Ibが「0」から「1」に変化している。また、対応情報I2の物体情報Icが「L001」である。このため、CPU21は、入庫エリアにおいて荷物L001が車両10に載置されたと判別する。第1の時点は、図5に示す状況の直後に、入庫エリア502において車両10に荷物L001が載置された時点に相当する。図8に示す荷物管理データ232の荷物状態情報J1は、対応情報I2に基づいて生成されたものである。
【0050】
第1の時点の後の第2の時点において、図7に示す対応情報I4まで受信済である場合には、対応情報I4が現対応情報I、対応情報I3が前対応情報Iとなる。
図9は、第2の時点における倉庫500を示す模式図である。
対応情報I3、I4において、位置情報Iaが「A6」で共通であり、高さ情報Idが「H2」で共通であり、載置情報Ibが「1」から「0」に変化している。また、対応情報I3の物体情報Icが「L001」である。このため、CPU21は、位置A6の保管エリア501における高さH2の中段保管領域52に荷物L001が車両10から降ろされたと判別する。図8に示す荷物管理データ232の荷物状態情報J2は、対応情報I3に基づいて生成されたものであり、荷物状態情報J3は、対応情報I4に基づいて生成されたものである。
【0051】
第2の時点の後の第3の時点において、図7に示す対応情報I6まで受信済である場合には、対応情報I5が前対応情報I、対応情報I6が現対応情報Iとなる。対応情報I5、I6において、位置情報Iaが「C1」で共通であり、高さ情報Idが「H1」で共通であり、載置情報Ibが「0」から「1」に変化している。このため、CPU21は、位置C1の保管エリア501における高さH1の下段保管領域51あった荷物Lが車両10に載置されたと判別する。なお、このとき車両10側ではこの荷物Lの荷物IDを特定できないため、対応情報I6の物体情報Icは「N/A」となっているが、サーバ20のCPU21は、荷物管理データ232を参照することで、その時点で現在位置が「C1」、現在高さが「H1」となっている荷物L004が車両10に載置されたと判別することができる。図8に示す荷物管理データ232の荷物状態情報J8は、対応情報I5に基づいて生成されたものであり、荷物状態情報J9は、対応情報I6に基づいて生成されたものである。
【0052】
第3の時点の後の第4の時点において、図7に示す対応情報I8まで受信済である場合には、対応情報I7が前対応情報I、対応情報I8が現対応情報Iとなる。
図10は、第4の時点における倉庫500を示す模式図である。
対応情報I7、I8において、位置情報Iaが「D2」で共通であり、高さ情報Idが「H3」で共通であり、載置情報Ibが「1」から「0」に変化している。このため、CPU21は、位置D2の保管エリア501における高さH3の上段保管領域53に荷物L(ここでは、第3の時点で特定した荷物L004)が車両10から降ろされたと判別する。図8に示す荷物管理データ232の荷物状態情報J10は、対応情報I7に基づいて生成されたものであり、荷物状態情報J11は、対応情報I8に基づいて生成されたものである。
【0053】
第4の時点の後の第5の時点において、図7に示す対応情報I10まで受信済である場合には、対応情報I9が前対応情報I、対応情報I10が現対応情報Iとなる。第5の時点では、位置A6にあった荷物L001を車両10が載置して、出庫エリア503に向かって移動中であるものとする。
図11は、第5の時点における倉庫500を示す模式図である。
対応情報I9、I10において、位置情報Iaが互いに異なり、載置情報Ibが「1」で共通であるため、CPU21は、荷物L001が車両10に載置された状態で移動中であると判別し、車両10の位置を荷物L001の位置として特定する。図8に示す荷物管理データ232の荷物状態情報J5は、対応情報I9に基づいて生成されたものであり、荷物状態情報J6は、対応情報I10に基づいて生成されたものである。荷物状態情報J6では、対応情報I10の内容を反映して、荷物L001の現在位置が「A4」、現在高さが「H1」、載置車両が「FL03」となっている。なお、荷物状態情報J4は、位置A6に保管されていた荷物L001が車両10により持ち上げられたときの図示しない対応情報Iに基づいて生成されたものである。
【0054】
第5の時点の後の第6の時点において、図7に示す対応情報I12まで受信済である場合には、対応情報I11が前対応情報I、対応情報I12が現対応情報Iとなる。第6の時点では、図11において移動中であった荷物L001が出庫エリア503に運ばれて出荷されたものとする。
図12は、第6の時点における倉庫500を示す模式図である。
対応情報I11、I12において、位置情報Iaが「出荷エリア」で共通であり、高さ情報Idが「H1」で共通であり、載置情報Ibが「1」から「0」に変化している。このため、CPU21は、荷物L001が出荷エリアに降ろされて出荷されたと判別する。図8に示す荷物管理データ232の荷物状態情報J7は、対応情報I11に基づいて生成されたものである。
なお、図12では、荷物状態情報J1~J7(及び、荷物状態情報J1とJ2の間、荷物状態情報J3とJ4の間、荷物状態情報J6とJ7の間に生成された図示しない荷物状態情報J)から導出される、入庫から出庫までの荷物Lの移動経路が破線により表されている。サーバ20のCPU21は、図12に示すような倉庫500における荷物Lの移動経路を、操作表示部14等に表示させてもよい。移動経路に関する表示は任意の表示部により表示が可能である。
【0055】
サーバ20のCPU21が、上記のような動作を対応情報Iの受信ごとに行うことで、管理対象の荷物Lの最新の状態を表す荷物状態情報Jが荷物管理データ232に追加されていく。これらの荷物状態情報Jにより、各荷物Lを管理することができる。上記では、1台の車両10が荷物Lを運んでいる例を用いたが、複数の車両10が同時に並行して荷物Lを運ぶ場合であっても、各車両10から受領した対応情報Iに対して同様の処理を行えばよい。ただし、現対応情報I及び前対応情報Iの組み合わせは、同一の車両10から送信された対応情報Iから選択される。
【0056】
<対応情報送信処理>
次に、車両10の端末装置100のCPU11が実行する対応情報送信処理について説明する。
図13は、対応情報送信処理の制御手順を示すフローチャートである。
対応情報送信処理は、例えば車両10の動作が開始された場合に開始される。
【0057】
対応情報送信処理が開始されると、CPU11は、カメラ40による撮影画像を取得する(ステップS101)。また、CPU11は、撮影画像に入庫用LEDマーカー31が映っている場合には(ステップS102で“YES”)、入庫用LEDマーカー31の発光パターン60に基づき物体情報Ic(荷物ID)を特定する(ステップS103)。CPU11は、撮影画像に入庫用LEDマーカー31が映っていない場合(ステップS102で“NO”)、又はステップS103が終了した場合には、天井のLEDマーカー30の発光パターン60に基づいて映っているLEDマーカー30を特定し、上述の方法で車両座標及び位置情報Iaを導出する(ステップS104)。
【0058】
CPU11は、荷物検出部16が荷物Lを検出している場合には(ステップS105で“YES”)、載置情報Ibを「1」とし(ステップS106)、荷物検出部16が荷物Lを検出していない場合には(ステップS105で“NO”)、載置情報Ibを「0」とする(ステップS107)。
【0059】
CPU11は、得られた位置情報Ia、載置情報Ib及び物体情報Icと、フォーク高さ検出部17の検出結果に基づく高さ情報Idと、方位検出部18の検出結果に基づく向き情報Ie等を対応付けた対応情報Iを生成し(ステップS108)、サーバ20に送信する(ステップS109)。
【0060】
CPU11は、次の対応情報Iの送信タイミングであり(ステップS110で“YES”)、かつ車両10の動作終了指示がなされていないと判別された場合には(ステップS111で“NO”)、処理をステップS101に戻して次の対応情報Iの生成及び送信を行う。また、車両10の動作終了指示がなされたと判別された場合には(ステップS111で“YES”)、CPU11は、対応情報送信処理を終了させる。
【0061】
<車両動作フロー>
次に、車両10の搭乗者による車両10の動作フローについて説明する。
図14は、車両動作フローを示すフローチャートである。
車両動作フローは、車両10の動作が開始された場合に開始される。
【0062】
車両動作フローでは、車両10の搭乗者(搭乗者が操作する端末装置100)に対して荷物Lの移動指示に係る通知がなされており(ステップS201で“YES”)、かつ、当該通知が荷物Lの入庫の通知である場合には(ステップS202で“YES”)、搭乗者は、車両10を入庫エリア502に移動させ(ステップS203)、フォーク10aにより荷物Lを持ち上げる(ステップS204)。一方、通知が荷物Lの入庫の通知ではない場合には(ステップS202で“NO”)、搭乗者は、指定された保管エリア501に車両10を移動させ(ステップS205)、指定された高さの保管領域から荷物Lを持ち上げる(ステップS206)。
【0063】
フォーク10aで荷物Lを持ち上げた後は、荷物Lの指定された移動先が出庫エリア503である場合には(ステップS207で“YES”)、搭乗者は、車両10を出庫エリア503に移動させ(ステップS208)、フォーク10aから荷物Lを降ろして出庫作業を行う(ステップS209)。一方、荷物Lの指定された移動先が出庫エリア503ではない場合には(ステップS207で“NO”)、搭乗者は、指定された荷物Lの移動先の保管エリア501に車両10を移動させ(ステップS210)、指定された高さの保管領域にフォーク10aから荷物Lを降ろす(ステップS211)。
【0064】
フォーク10aから荷物Lを降ろした後は、車両10の動作を終了させない場合には(ステップS212で“NO”)、処理をステップS201に戻し、車両10の動作を終了させる場合には(ステップS212で“YES”)、車両動作フローを終了させる。
【0065】
<荷物管理処理>
次に、サーバ20のCPU21が実行する荷物管理処理について説明する。
図15は、荷物管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
荷物管理処理は、例えば車両10の動作が開始された場合に開始される。
【0066】
荷物管理処理が開始されると、CPU21は、対応情報Iを受信した場合に(ステップS301で“YES”)、最新の連続する2つの対応情報I(前対応情報I及び現対応情報I)の位置情報Ia及び高さ情報Idが共通するか否かを判別する(ステップS302)。位置情報Ia及び高さ情報Idが共通すると判別された場合には(ステップS302で“YES”)、CPU21は、載置情報Ibが「0」から「1」に変化しているか否かを判別する(ステップS303)。載置情報Ibが「0」から「1」に変化していると判別され(ステップS303で“YES”)、かつ、対応情報Iに物体情報Icが含まれる場合には(ステップS304で“YES”)、CPU21は、物体情報Icにより荷物Lを特定する(ステップS305)。一方、対応情報Iに物体情報Icが含まれていない場合には(ステップS304で“NO”)、CPU21は、荷物管理データ232において、最新の荷物状態情報Jの位置及び高さが対応情報Iの車両10と一致する荷物Lを特定する(ステップS306)。ステップS305又はS306において荷物Lを特定すると、CPU21は、特定した荷物Lが対応情報Iの車両10に載置されたと判別し(ステップS307)、荷物Lの位置、高さ、載置車両及び挿通穴向きを含む荷物状態情報Jを生成して荷物管理データ232に登録する(ステップS310)。詳しくは、「位置」が現対応情報Iの位置情報Iaであり、「高さ」が現対応情報Iの高さ情報Idであり、「載置車両」が現対応情報Iの車両IDの車両10であり、「挿通穴向き」が現対応情報Iの向き情報Ieに対応する向きである荷物状態情報Jを生成して登録する。
【0067】
上記の2つの対応情報Iにおいて載置情報Ibが「0」から「1」に変化しておらず(ステップS303で“NO”)、載置情報Ibが「1」から「0」に変化している場合には(ステップS308で“YES”)、CPU21は、荷物管理データ232において対応情報Iの車両10と位置が対応する荷物Lが、対応情報Iの高さ情報Idの高さで車両10から降ろされたと判別する(ステップS309)。対応情報Iの車両10と位置が対応する荷物Lは、各荷物Lの最新の荷物状態情報Jの「位置」を参照することで特定することができる。そして、CPU21は、荷物Lの位置、高さ、載置車両及び挿通穴向きを含む荷物状態情報Jを生成して荷物管理データ232に登録する(ステップS310)。ここでは、「位置」が現対応情報Iの位置情報Iaであり、「高さ」が現対応情報Iの高さ情報Idであり、「載置車両」が「-」であり、「挿通穴向き」が現対応情報Iの向き情報Ieに対応する向きである荷物状態情報Jを生成して登録する。S310の処理で生成された荷物状態情報Jにより、荷物Lが、棚50のどの場所に載置されたかを判別することができる。
【0068】
ステップS302において、位置情報Ia及び高さ情報Idの少なくとも一方が異なると判別され(ステップS302で“NO”)、かつ、2つの対応情報Iにおける載置情報Ibがいずれも「1」である場合には(ステップS311で“YES”)、CPU21は、荷物Lが車両10に載置された状態で位置及び/又は高さが変化したと判別し、車両10の位置情報Ia及び高さ情報Id等を反映した荷物状態情報Jを生成して荷物管理データ232に登録する(ステップS312)。詳しくは、CPU21は、まず、荷物管理データ232を参照して、その時点で車両10に載置されている荷物Lを特定する。この荷物の特定は、各荷物Lの最新の荷物状態情報Jの「載置車両」を参照することで特定することができる。そして、CPU21は、「位置」が現対応情報Iの位置情報Iaであり、「高さ」が現対応情報Iの高さ情報Idであり、「載置車両」が現対応情報Iの車両IDの車両10であり、「挿通穴向き」が現対応情報Iの向き情報Ieに対応する向きである荷物状態情報Jを生成して登録する。
【0069】
ステップS310又はS312が終了した場合、又はステップS308において載置情報Ibが「1」から「0」に変化していないと判別された場合には(ステップS308で“NO”)、CPU21は、サーバ20の動作終了指示がなされたか否かを判別する。CPU21は、動作終了指示がなされていないと判別された場合には(ステップS313で“NO”)、処理をステップS301に戻して次の対応情報Iに基づく荷物状態情報Jの生成及び登録を行う。対応情報Iを受信するごとにステップS301~S313の処理を繰り返し実行することで、荷物Lの状態の変化(時系列に沿った移動経路を含む)の情報を含む荷物管理データ232が生成される。
車両10の動作終了指示がなされたと判別された場合には(ステップS313で“YES”)、CPU21は、荷物管理処理を終了させる。
【0070】
<変形例1-1>
第1の実施形態では、各保管エリア501において互いに異なる高さに複数の荷物Lを保管可能な態様を例示したが、これに限定されず、各保管エリア501において或る高さに1つの荷物Lのみを保管可能な態様としてもよい。この場合には、ステータスデータ133の対応情報Iにおいて高さ情報Idが省略され、荷物管理データ232において現在高さが省略される。
【0071】
<変形例1-2>
第1の実施形態においてサーバ20のCPU21が実行していた荷物管理処理(荷物Lの位置及び高さの特定、並びに荷物管理データ232の更新等)を、車両10の端末装置100のCPU11が実行してもよい。この場合には、荷物管理データ232を端末装置100の記憶部13に記憶させてもよい。また、荷物管理システム1が複数の車両10を有する場合には、いずれか1つの車両10の端末装置100のCPU11が荷物管理処理を実行してもよい。変形例1-2においては、サーバ20を省略してもよい。変形例1-2は、上記の変形例1-1と組み合わせてもよい。
【0072】
<変形例1-3>
第1の実施形態では、或る保管エリア501に位置する車両10が、当該保管エリア501内に設けられた1つの棚50に荷物Lを降ろし、又は当該棚50から荷物Lを持ち上げてフォーク10aに載置する場合を例に挙げて説明したが、車両10の位置と、フォーク10aにより積み降ろされる荷物Lの位置とが異なっていてもよい。
【0073】
図16は、車両10の位置と積み降ろされる荷物Lの位置とが異なる場合を示す図である。
図16に一部が示されている倉庫500は、各保管エリア501の幅が車両10の全長よりも小さく、或る保管エリア501に車両10の本体部が位置しているときに、当該車両10のうちフォーク10aが隣接する保管エリア501に掛かるような構成となっている。図16に示す例では、車両10の本体部が位置A2の保管エリア501にあり、フォーク10aが、隣接する位置B2の保管エリア501に掛かっている。なお、車両10の本体部の位置が、車両10の位置情報Iaとされるものとする。
【0074】
このような場合であっても、車両10の向き情報Ieを用いることで荷物Lの状態を適切に管理することができる。例えば、図16に示す状態では、車両10の位置情報Iaが「A2」、車両10の向き情報Ieが「1」(+Y方向)となるところ、位置情報Iaに加えて向き情報Ieを参照することで、フォーク10aが位置B2にあることを特定することができる。よって、この状態で載置情報Ibが「1」から「0」、又は「0」から「1」に変化した場合には、位置B2において荷物Lの積み降ろしが行われたと判別することができる。
また、図16に示すように位置A2にいる車両10が、この位置で荷物Lの積み降ろしを行う場合、車両10の向きによって、フォーク10aの位置は、位置A1、B2、A3のいずれにもなり得る。このため、車両10の位置情報Iaのみを用いると、荷物Lの積み降ろしを行った位置を正確に把握することができないが、位置情報Iaに加えて向き情報Ieも参照することで、荷物Lの積み降ろしを行った位置を正確に把握することができる。例えば、図16の状態において、向き情報Ieが「0」である(車両10が-X方向を向いている)場合には、位置A1の保管エリア501に荷物Lを積み降ろしたと判別でき、向き情報Ieが「1」である(車両10が+Y方向を向いている)場合には、位置B2の保管エリア501に荷物Lを積み降ろしたと判別でき、向き情報Ieが「3」である(車両10が+X方向を向いている)場合には、位置A3の保管エリア501に荷物Lを積み降ろしたと判別できる。なお、図16は、向き情報Ieを用いることが効果的となる状況の一例であり、これ以外の状況において向き情報Ieを用いてもよいことはもちろんである。例えば、1つの保管エリア501内に複数の棚50があり、荷物を積み降ろす際の車両10の向きが棚50ごとに異なるような配置の場合に、位置情報Iaに加えて向き情報Ieを参照することで、複数の棚50のうちいずれの棚50で荷物の積み降ろしが行われたかを判別してもよい。
【0075】
また、荷物管理データ232の荷物状態情報Jに「挿通穴向き」のデータ項目を設けることで、積み降ろし対象の荷物をより正確に特定することができる。例えば、図16に示すように、位置C2に保管されている荷物LのパレットPが、挿通穴PaがX方向に平行となる向きとなっている場合には、位置C1又は位置C3にいる車両10のみが積み降ろしを行うことができ、位置B2にいる車両10は積み降ろしを行うことがないと判別することができる。位置B2から+Y方向にフォーク10aを差し入れても、挿通穴Paと向きが合わないためフォーク10aを挿通穴Paに挿通することができないためである。よって、例えば、荷物状態情報Jの「挿通穴向き」の情報を、車両10の誘導に用いることができる。一例を挙げると、図16に示す状態において荷物Lを車両10に載置させたい場合には、挿通穴Paの向きを考慮して、位置C1側又は位置C3側から荷物Lを持ち上げるように車両10を誘導すればよい。
なお、「挿通穴向き」の情報は、荷物の状態の判別の補助に用いることもできる。例えば、位置C1と位置B2にそれぞれ車両10がいる状態で位置C2において荷物Lの積み降ろしが行われた場合には、このうち位置C1の車両10が積み降ろしを行ったと判別することができる。このように、荷物状態情報Jの「挿通穴向き」の情報と、対応情報Iの位置情報Ia及び向き情報Ieとを組み合わせることで、より正確に荷物の状態を判別することができる。
【0076】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。以下では、第1の実施形態と共通する構成については、共通する符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する点について説明する。
【0077】
<荷物管理システムの構成>
図17は、第2の実施形態の荷物管理システム1の構成を示す図である。
第2の実施形態では、車両10がLEDマーカー30を有し、複数の(図17では2つの)カメラ40が倉庫500の天井に設けられている。2つのカメラ40による車両10の撮影画像に基づいて、三角測量方式により、倉庫500内におけるLEDマーカー30の3次元位置(すなわち、車両10の3次元位置)を特定することができる。第2の実施形態では、カメラ40が「基準物体」に相当する。
【0078】
図18は、第2の実施形態の車両10の機能構成を示すブロック図である。
第2の実施形態の車両10の、第1の実施形態の車両10(図2)との相違点は、端末装置100の記憶部13に撮影画像データ132及びステータスデータ133が記憶されない点、及び、カメラ40に代えてLEDマーカー30を有する点である。LEDマーカー30は、端末装置100のCPU11から送信される制御信号に基づいて発光する。
【0079】
図19は、第2の実施形態のサーバ20の機能構成を示すブロック図である。
第2の実施形態のサーバ20の、第1の実施形態のサーバ20(図3)との相違点は、記憶部23に撮影画像データ233及びステータスデータ234が記憶される点、及び、カメラ40と通信接続され、カメラ40による撮影画像データ233を受信する点である。第2の実施形態では、サーバ20が「情報処理装置」に相当し、サーバ20のCPU21が「1以上の処理部」に相当する。
【0080】
<荷物管理システムの動作>
次に、第2の実施形態における荷物管理システム1の動作について説明する。
第2の実施形態では、車両10に設けられたLEDマーカー30は、車両10の状態に係る各種情報を含む発光パターン60で発光する。
【0081】
図20は、第2の実施形態のLEDマーカー30の発光パターン60を説明する図である。
図20に示すように、LEDマーカー30は、車両ID、載置情報Ib、高さ情報Id及び向き情報Ie等を含む発光パターン60で発光する。図20に示す例では、単位期間S1、S2における発光色の組み合わせにより車両IDが表され、単位期間S3、S4における発光色の組み合わせにより向き情報Ieが表され、単位期間S5における発光色により載置情報Ibが表され、単位期間S6、S7における発光色の組み合わせにより高さ情報Idが表されている。ただし、これは例示であり、適宜変更が可能である。例えば、発光パターン60から特定される符号と、車両10の各種状態とが対応付けられたテーブルデータを予め用意し、発光パターン60から特定された符号をテーブルデータにおいて参照することで車両10の状態を特定してもよい。
LEDマーカー30の発光パターン60は、車両10の状態に応じて端末装置100のCPU11が決定する。
【0082】
この発光パターン60で発光するLEDマーカー30は、カメラ40により撮像され、その撮影画像データ233がサーバ20に送信される。
サーバ20のCPU21は、撮影画像に映っているLEDマーカー30の発光パターン60を解析して、映っている車両10(車両ID)を特定し、その特定結果と、撮影画像内におけるLEDマーカー30の位置とに基づいて、車両10の座標及び位置情報Iaを導出する。また、CPU21は、解析した発光パターン60から、車両IDの他、載置情報Ib、高さ情報Id及び向き情報Ie等を特定する。そして、導出又は特定された車両ID、座標、位置情報Ia、載置情報Ib、高さ情報Id及び向き情報Ie等を対応付けた対応情報Iを生成する。サーバ20のCPU21は、予め定められた頻度で、位置情報Ia、載置情報Ib、高さ情報Id及び向き情報Ie等の取得、並びに対応情報Iの生成を繰り返し実行し、生成した各対応情報Iをステータスデータ234に登録する。これにより、第1の実施形態のステータスデータ133と同様の内容のステータスデータ234が生成される。
なお、サーバ20のCPU21は、車両10の位置情報Ia、高さ情報Id及び向き情報Ieと、荷物管理データ232における各荷物Lの最新の位置及び高さとを対比することで、車両10に荷物Lが載置されるときに当該荷物Lの荷物IDを特定することができる。よって、ステータスデータ234では、載置情報Ibが「1」である場合には、載置されている荷物Lの荷物IDを表す物体情報Icが入力される。
【0083】
また、サーバ20のCPU21は、対応情報Iを生成するごとに、生成した対応情報Iに基づいて、第1の実施形態と同様に荷物状態情報Jを生成して荷物管理データ232に登録する。
【0084】
<対応情報送信処理>
次に、第2の実施形態において車両10の端末装置100のCPU11が実行するLEDマーカー発光処理について説明する。
図21は、第2の実施形態のLEDマーカー発光処理の制御手順を示すフローチャートである。
LEDマーカー発光処理は、例えば車両10の動作が開始された場合に開始される。
【0085】
LEDマーカー発光処理が開始されると、CPU11は、方位検出部18による検出結果に基づいて車両10の向きを特定して、向き情報Ieを生成し(ステップS401)、荷物検出部16による検出結果に基づいて荷物Lの載置有無を特定して、載置情報Ibを生成し(ステップS402)、フォーク高さ検出部17による検出結果に基づいてフォーク10aの高さを特定して、高さ情報Idを生成する(ステップS403)。
【0086】
CPU11は、予め取得してある車両IDと、ステップS401~S403で特定(生成)した載置情報Ib、高さ情報Id及び向き情報Ie等を含む発光パターン60を生成し(ステップS404)、LEDマーカー30に制御信号を送信して、生成した発光パターン60でLEDマーカー30を発光させる(ステップS405)。
【0087】
CPU11は、車両10の動作終了指示がなされていないと判別された場合には(ステップS406で“NO”)、処理をステップS401に戻す。車両10の動作終了指示がなされたと判別された場合には(ステップS406で“YES”)、CPU11は、LEDマーカー発光処理を終了させる。
【0088】
<対応情報生成処理>
次に、第2の実施形態においてサーバ20のCPU21が実行する対応情報生成処理について説明する。
図22は、第2の実施形態の対応情報生成処理の制御手順を示すフローチャートである。
対応情報生成処理は、例えば車両10の動作が開始された場合に開始される。
【0089】
対応情報生成処理が開始されると、CPU21は、カメラ40による撮影画像を取得する(ステップS501)。CPU21は、撮影画像に映っているLEDマーカー30の発光パターン60に基づいて、車両10の車両ID、載置情報Ib、高さ情報Id及び向き情報Ie等を取得する(ステップS502)。また、CPU21は、LEDマーカー30の発光パターン60に基づき、上述の方法で車両座標及び位置情報Iaを導出する(ステップS503)。
【0090】
CPU21は、得られた位置情報Ia、載置情報Ib、高さ情報Id及び向き情報Ie等を対応付けた対応情報Iを生成してステータスデータ234に登録する(ステップS504)。
【0091】
CPU21は、次の対応情報Iの生成タイミングであると判別され(ステップS505で“YES”)、かつ車両10の動作終了指示がなされていないと判別された場合には(ステップS506で“NO”)、処理をステップS501に戻して次の対応情報Iの生成を行う。また、車両10の動作終了指示がなされたと判別された場合には(ステップS506で“YES”)、CPU21は、対応情報生成処理を終了させる。
【0092】
なお、第2の実施形態の車両動作フロー及び荷物管理処理は、第1の実施形態と同一であるため説明を省略する。
【0093】
<変形例2-1>
LEDマーカー30の発光パターン60に含めていた情報の一部は、車両10の端末装置100とサーバ20との間のデータ通信(例えば、Wi-Fiによる無線通信)によりサーバ20に送信してもよい。
【0094】
なお、第1の実施形態の変形例1-1及び変形例1-3は、第2の実施形態に適用することもできる。
【0095】
(効果)
以上のように、第1の実施形態に係る端末装置100のCPU11、及び第2の実施形態に係るサーバ20のCPU21は、車両10の位置情報Iaを取得し、車両10の向き情報Ieを取得し、荷物Lが車両10に載置されているか否かを表す載置情報Ibを取得し、位置情報Iaと、向き情報Ieと、載置情報Ibとを時系列的に互いに対応付けた対応情報Iを生成する。このような対応情報Iにより、取得した車両10の位置情報Iaで表される位置における車両10と荷物Lとの関係をより適切に把握することができる。すなわち、対応情報Iの載置情報Ibが「1」である場合には、荷物Lが車両10とともに移動し、位置情報Iaが車両10及び荷物Lの位置を表すと判別することができる。また、対応情報Iの載置情報Ibが「0」である場合には、荷物Lが車両10に載置されておらず、車両10が移動しても荷物Lの位置は変化しないと判別することができる。また、向き情報Ieを参照することで、車両10と荷物Lとをより適切に対応付けることができる。
【0096】
また、第1の実施形態の変形例1-2に係るCPU11、及び第2の実施形態に係るCPU21は、位置情報Ia、向き情報Ie、載置情報Ibの取得、及び対応情報Iの生成を繰り返し実行し、生成された複数の対応情報Iに基づいて荷物Lの状態を判別する。これによれば、複数の対応情報Iの各々に基づく荷物Lの状態の判別を、対応情報Iの時系列に従って順番に行うことで、荷物Lの状態の変化、及び最新の状態を特定することができる。
【0097】
また、第1の実施形態の変形例1-2に係るCPU11、及び第2の実施形態に係るCPU21は、生成された複数の対応情報Iのうち、生成された時間が異なる少なくとも2つの対応情報Iに基づいて、荷物Lの状態を判別する。これにより、対応情報I同士を比較する簡易な処理で荷物Lの状態を判別することができる。
【0098】
また、第1の実施形態の変形例1-2に係るCPU11、及び第2の実施形態に係るCPU21は、対応情報Iに含まれる位置情報Ia、載置情報Ib、及び向き情報Ieに基づいて、荷物Lの状態を判別する。これにより、荷物Lを載置した車両10の位置及び向きに基づいて、荷物Lの状態を適切に判別することができる。
【0099】
また、第1の実施形態の変形例1-2に係るCPU11、及び第2の実施形態に係るCPU21は、複数の対応情報Iに基づいて、荷物Lの移動経路情報としての荷物管理データ232を生成する。これにより、時系列に沿った荷物Lの移動経路を事後的に特定することができる。
【0100】
また、第1の実施形態において、位置情報Iaは、位置が固定されたLEDマーカー30(基準物体)と車両10との位置関係に基づいて生成される。
また、第2の実施形態において、位置情報Iaは、位置が固定されたカメラ40(基準物体)と車両10との位置関係に基づいて生成される。
このように、基準物体からの車両10の相対位置を特定する方法を用いることで、車両10の絶対位置を直接特定する方法と比較して、簡易かつ高精度に車両10の位置を特定することができる。
【0101】
また、第2の実施形態において、車両10は、当該車両10を特定可能な発光パターン60で光を発するLEDマーカー30を有し、基準物体は、LEDマーカー30を撮像するカメラ40であり、位置情報Iaは、カメラ40による撮影画像におけるLEDマーカー30の発光パターン60に基づく車両10の特定結果と、撮影画像内におけるLEDマーカー30の位置とに基づいて生成される。これにより、電波の送受信を伴わずに車両10の位置を特定することができる。また、撮影画像のピクセル単位の分解能で高精度に車両10の位置を特定することができる。また、カメラ40による撮影画像に複数の車両10(LEDマーカー30)が映っている場合には、当該撮影画像に基づいてこれらの複数の車両10の位置を特定することができる。
【0102】
また、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置のコンピュータとしてのCPU11又はCPU21が実行する情報処理方法であって、車両10の位置情報Iaを取得し、車両10の向き情報Ieを取得し、荷物Lが車両10に載置されているか否かを表す載置情報Ibを取得し、位置情報Iaと、向き情報Ieと、載置情報Ibとを時系列的に互いに対応付けた対応情報Iを生成する。このような対応情報Iにより、取得した車両10の位置情報Iaで表される位置における車両10と荷物Lとの関係をより適切に把握することができる。また、向き情報Ieを参照することで、車両10と荷物Lとをより適切に対応付けることができる。
【0103】
また、第1の実施形態に係るプログラム131は、端末装置100のCPU11に、車両10の位置情報Iaを取得する処理、車両10の向き情報Ieを取得する処理、荷物Lが車両10に載置されているか否かを表す載置情報Ibを取得する処理、位置情報Iaと、向き情報Ieと、載置情報Ibとを時系列的に互いに対応付けた対応情報Iを生成する処理、を実行させる。また、第2の実施形態に係るプログラム231は、サーバ20のCPU21に、上記各処理を実行させる。このような対応情報Iにより、取得した車両10の位置情報Iaで表される位置における車両10と荷物Lとの関係をより適切に把握することができる。また、向き情報Ieを参照することで、車両10と荷物Lとをより適切に対応付けることができる。
【0104】
(その他)
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、移動体としてフォークリフトを例示したが、これに限られない。移動体は、物体を載置した状態で移動可能であればどのようなものであってもよく、例えば、フォークリフト以外の車両(例えば、台車)であってもよいし、ロボットや人などであってもよい。
【0105】
また、物体は、倉庫500に保管される荷物Lに限られず、位置が管理される任意の物体であってもよい。
【0106】
また、位置情報Iaとして、車両10の座標が属する領域(保管エリア501等)を例示したが、これに限られない。位置情報Iaは、移動体の位置に係る任意の情報とすることができ、例えば移動体の位置を直接表す座標等であってもよい。
【0107】
また、LEDマーカー30を用いた光通信として、赤、緑及び青の3色の光の組み合わせを用いる例を挙げて説明したが、これに限られない。
例えば、用いる色を変更してもよいし、用いる色の数を2色以下又は4色以上としてもよい。
また、高速で変調させた光により情報を送信するLi-Fi(Light Fidelity)を用いてもよい。
また、用いる光は可視光に限られず、赤外線又は紫外線を用いてもよい。
【0108】
また、移動体の位置情報Iaを取得する方法は、LEDマーカー30等を用いた光通信に限られない。例えば、全地球測位衛星システム(GNSS)の測位衛星からの送信電波を受信及び復号して現在位置を算出する方法や、予め定められた位置に設置されたビーコンからの信号に基づいてビーコンとの位置関係を特定する方法といった、各種公知の方法を用いることができる。
【0109】
また、入庫エリア502における荷物Lの特定方法は、入庫用LEDマーカー31の発光パターン60によるものに限られず、各種公知の方法を用いることができる。また、入荷する荷物Lを特定する情報(荷物ID)をサーバ20のCPU21が取得して、荷物管理データ232に反映させてもよい。
【0110】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13及び記憶部23のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ、CD-ROM等の情報記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0111】
また、上記実施形態における荷物管理システム1、車両10、サーバ20及び端末装置100等の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0112】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の向きの情報を取得し、
前記移動体と異なる物体が前記移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得し、
前記位置情報と、前記移動体の向きの情報と、前記載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する、
1以上の処理部を備える情報処理装置。
<請求項2>
前記1以上の処理部は、
前記位置情報、前記移動体の向きの情報、前記載置情報の取得、及び前記対応情報の生成を繰り返し実行し、
生成された複数の前記対応情報に基づいて前記物体の状態を判別する、
請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記1以上の処理部は、
生成された複数の前記対応情報のうち、生成された時間が異なる少なくとも2つの対応情報に基づいて、前記物体の状態を判別する、
請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記1以上の処理部は、
前記対応情報に含まれる前記位置情報、前記載置情報、及び前記移動体の向きの情報に基づいて、前記物体の状態を判別する、
請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記1以上の処理部は、
複数の前記対応情報に基づいて、前記物体の移動経路情報を生成する、
請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記位置情報は、位置が固定された基準物体と前記移動体との位置関係に基づいて生成される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記移動体は、当該移動体を特定可能な発光パターンで光を発する発光装置を有し、
前記基準物体は、前記発光装置を撮像する撮像装置であり、
前記位置情報は、前記撮像装置による撮影画像における前記発光装置の前記発光パターンに基づく前記移動体の特定結果と、前記撮影画像内における前記発光装置の位置とに基づいて生成される、
請求項6に記載の情報処理装置。
<請求項8>
情報処理装置のコンピュータが実行する情報処理方法であって、
移動体の位置情報を取得し、
前記移動体の向きの情報を取得し、
前記移動体と異なる物体が前記移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得し、
前記位置情報と、前記移動体の向きの情報と、前記載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する、
情報処理方法。
<請求項9>
情報処理装置のコンピュータに、
移動体の位置情報を取得する処理、
前記移動体の向きの情報を取得する処理、
前記移動体と異なる物体が前記移動体に載置されているか否かを表す載置情報を取得する処理、
前記位置情報と、前記移動体の向きの情報と、前記載置情報とを時系列的に互いに対応付けた対応情報を生成する処理、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0113】
1 荷物管理システム(情報処理システム)
10 車両(移動体)
10a フォーク(載置部)
10b マスト
11 CPU(1以上の処理部(第1の実施形態))
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
132 撮影画像データ
133 ステータスデータ
14 操作表示部
15 通信部
16 荷物検出部
17 フォーク高さ検出部
18 方位検出部
19 通信経路
20 サーバ(情報処理装置(第2の実施形態))
21 CPU(1以上の処理部(第2の実施形態))
22 RAM
23 記憶部
231 プログラム
232 荷物管理データ
233 撮影画像データ
234 ステータスデータ
24 通信部
25 バス
30 LEDマーカー(発光装置、基準物体(第1の実施形態))
31 入庫用LEDマーカー
40 カメラ(撮像装置、基準物体(第2の実施形態))
50 棚
51 下段保管領域
52 中段保管領域
53 上段保管領域
60 発光パターン
100 端末装置(情報処理装置(第1の実施形態))
500 倉庫
501 保管エリア(領域)
502 入庫エリア(領域)
503 出庫エリア(領域)
I、I1~I12 対応情報
J、J1~J11 荷物状態情報
Ia 位置情報
Ib 載置情報
Ic 物体情報
Id 高さ情報
Ie 向き情報
L、L001、L004 荷物(物体)
P パレット
Pa 挿通穴
S1~S24 単位期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22