(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181684
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】応対フロー作成支援装置、及び応対フロー作成支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20231218BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094945
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海老澤 竜
(72)【発明者】
【氏名】大日方 絢
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】応対者が質問者に対して行う応対業務における対話の流れを示す応対フローの作成を支援する。
【解決手段】応対フロー作成支援装置は、応対者が質問者に示すべき案内を特定する際に判断する項目の夫々が取り得る値の組み合わせと案内とを対応づけた情報である条件表を記憶し、条件表が応対フローの生成に必要な要件を満たしているか否かを判定し、要件を満たしていると判定した条件表に基づき応対フローを生成して出力する。応対フロー作成支援装置は、条件表において、項目の夫々の値が同じである複数の組み合わせに夫々異なる案内が対応づけられている場合や、条件表によって分岐の起点が単一となる応対フローを生成できない場合に上記要件を満たしていないと判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
応対者が質問者に対して行う応対業務における対話の流れを示す応対フローの作成を支援する装置であって、
プロセッサ及び記憶装置を有する情報処理装置を用いて構成され、
前記応対者が前記質問者に示すべき案内を特定する際に判断する項目の夫々が取り得る値の組み合わせと前記案内とを対応づけた情報である条件表を記憶し、
前記条件表が前記応対フローの生成に必要な要件を満たしているか否かを判定し、
前記要件を満たしていると判定した場合に前記条件表に基づき応対フローを生成して出力する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件表において、前記項目の夫々の値が同じである複数の前記組み合わせに夫々異なる前記案内が対応づけられている場合に前記条件表が前記要件を満たしていないと判定する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件表が値が不問値とされている前記項目を含む場合、前記項目の値を当該項目が取り得る各値に確定させた場合における前記条件表の各項目の夫々が取り得る値の組み合わせと前記案内とを対応づけた情報である不問値展開後条件表を生成し、
前記不問値展開後条件表において、前記項目の夫々の値が同じである複数の前記組み合わせに夫々異なる前記案内が対応づけられている場合に前記条件表が前記要件を満たしていないと判定する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件表によって分岐の起点が単一となる応対フローを生成できない場合に前記条件表が前記要件を満たしていないと判定する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件表から、取り得る値が不問値でなく、かつ、取り得る値の種類が2以上である前記項目を抽出できない場合に分岐の起点が単一となる応対フローを生成できないと判定する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件表が形式的な要件を満たしていない場合に前記条件表が前記要件を満たしていないと判定する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項7】
請求項1に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件表が前記要件を満たしていないと判定した場合に前記条件表が前記要件を満たしていない旨を示す情報を出力する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項8】
請求項1に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件表が前記要件を満たしていないと判定した場合に前記条件表が前記要件を満た
していないと判定した理由を示す情報を出力する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項9】
請求項1に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件表が前記要件を満たしていないと判定した場合に、前記条件表の前記要件を満たしていない部分を示す情報を出力する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項10】
請求項1に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件表の入力を受け付けるユーザインタフェースを備える、
応対フロー作成支援装置。
【請求項11】
請求項1に記載の応対フロー作成支援装置であって、
生成した前記応対フローを絞り込むための条件を受け付けるユーザインタフェースを備え、
受け付けた前記条件に基づき絞り込んだ前記応対フローを出力する、
応対フロー作成支援装置。
【請求項12】
請求項11に記載の応対フロー作成支援装置であって、
前記条件は、前記案内の夫々に至るまでの前記項目の数の最多値が最小のフローを抽出する条件、前記案内の夫々に至るまでの前記項目の数の最少値が最小のフローを抽出する条件、前記案内の夫々に至るまでの前記項目の数の平均値が最小のフローを抽出する条件、前記案内の夫々に至るまでの前記項目の数の中央値が最小のフローを抽出する条件のうちのいずれかである、
応対フロー作成支援装置。
【請求項13】
応対者が質問者に対して行う応対業務における対話の流れを示す応対フローの作成を支援する方法であって、
プロセッサ及び記憶装置を有する情報処理装置が、
前記応対者が前記質問者に示すべき案内を特定する際に判断する項目の夫々が取り得る値の組み合わせと前記案内とを対応づけた情報である条件表を記憶するステップ、
前記条件表が前記応対フローの生成に必要な要件を満たしているか否かを判定するステップ、及び、
前記要件を満たしていると判定した場合に前記条件表に基づき応対フローを生成して出力するステップ、
を実行する、応対フロー作成支援方法。
【請求項14】
請求項13に記載の応対フロー作成支援方法であって、
前記情報処理装置が、前記条件表において、前記項目の夫々の値が同じである複数の前記組み合わせに夫々異なる前記案内が対応づけられている場合に前記条件表が前記要件を満たしていないと判定するステップ、
を更に実行する、応対フロー作成支援方法。
【請求項15】
請求項13に記載の応対フロー作成支援方法であって、
前記情報処理装置が、前記条件表によって分岐の起点が単一となる応対フローを生成できない場合に前記条件表が前記要件を満たしていないと判定するステップ、
を更に実行する、応対フロー作成支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応対フロー作成支援装置、及び応対フロー作成支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品やサービスを提供する企業や官公庁の組織においては、窓口や電話回線を介して顧客や利用者からの問い合わせや相談を受け付けて案内を行う応対業務を行っている。こうした応対業務を行う現場においては、限られたリソースを有効に活用し、応対の質を維持しつつ効率よく運用することが求められる。そのため、従来より、応対業務を支援するための様々な仕組みが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、業務担当者が、業務時に顧客の発話に応答する発話を行う場合に、最適な内容の発話を行うことができるようにすることを目的として構成された対話型業務支援システムについて記載されている。対話型業務支援システムは、顧客端末から顧客の音声を入力し、担当者端末とから、担当者の音声とを受け取り音声認識サーバと感情分析サーバに送信する。音声認識サーバは、受け取った音声を発話テキストに変換し、その発話テキストを対話型業務支援装置に送信する。感情分析サーバは、受取った音声から発話ごとの顧客の感情を表す感情スコアを求め、対話型業務支援装置に送信する。対話型業務支援装置は、発話テキストと感情スコアに基づき、過去の顧客とスキルの高い担当者の対話のデータを教師データとする機械学習の推論により、担当者の顧客の発話に対する応答パターンとして、肯定、否定、話題転換ごとに、発話候補と、予測スコアを求めて担当者端末に表示する。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、対話シナリオを効率よく生成することを目的として構成された対話シナリオ生成装置について記載されている。対話シナリオ生成装置は、ランキングサイトに対する題目と題目に対応する回答のリストを入力として受け付け、題目を変換して質問文を作成し、回答を拡張した拡張回答を生成し、回答のリストに含まれる回答の各々に対し、質問文と回答とに基づき質問文の回答に対する応答候補を生成し、対話シナリオの1発話目を質問文とし、2発話目を回答の各々に対応する回答候補、及び拡張回答の各々に対応する回答候補とし、3発話目を応答候補として含む対話シナリオを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-157419号公報
【特許文献2】特開2018-180936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
応対業務を効率よく運用するための有効な方法の一つとして、例えば、予想される様々な問い合わせや相談について、顧客や利用者に示す適切な案内を特定するための対話の流れをモデル化したフロー(以下、「応対フロー」と称する。)を予め作成しておくことが考えられる。しかし、案内の種類が多い場合や、適切な案内の特定に至るまでの判断の分岐が多い場合、応対フローの作成にかかる負担が大きいという課題がある。
【0007】
特許文献1に記載の対話型業務支援装置は、発話テキストと感情スコアに基づき、機械学習の推論により、顧客の発話に対する応答パターンとして、発話候補と予測スコアを求めて担当者端末に表示する。また、特許文献2に記載の対話シナリオ生成装置は、ランキ
ングサイトに対する題目を変換して質問文を作成し、題目に対応する回答を拡張した拡張回答を生成し、質問文と回答とに基づき質問文の回答に対する応答候補に基づき対話シナリオを生成する。しかし、いずれの文献においても、顧客や利用者に示す適切な案内を特定するための対話の流れをモデル化した応対フローの作成を支援する仕組みについては記載されていない。
【0008】
本発明は、応対フローの作成を支援することが可能な応対フロー作成支援装置、及び応対フロー作成支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明のうちの一つは、応対者が質問者に対して行う応対業務における対話の流れを示す応対フローの作成を支援する装置(応対フロー作成支援装置)であって、プロセッサ及び記憶装置を有する情報処理装置を用いて構成され、前記応対者が前記質問者に示すべき案内を特定する際に判断する項目の夫々が取り得る値の組み合わせと前記案内とを対応づけた情報である条件表を記憶し、前記条件表が前記応対フローの生成に必要な要件を満たしているか否かを判定し、前記要件を満たしていると判定した場合に前記条件表に基づき応対フローを生成して出力する。
【0010】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、対話の流れをモデル化した応対フローの作成を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】応対フロー作成支援装置が備える主な機能の一例である。
【
図4】応対フロー作成支援処理を説明するフローチャートである。
【
図5】条件表判定処理を説明するフローチャートである。
【
図6】重複分類判定処理を説明するフローチャートである。
【
図8A】分類項目に不問値設定された条件表の一例である。
【
図8B】
図8Aの条件表を不問値展開して得られる不問値展開後条件表の一例である。
【
図9】単フロー判定処理を説明するフローチャートである。
【
図10】単フローの応対フローを生成することができない条件表の一例である。
【
図11】応対フロー生成処理を説明するフローチャートである。
【
図12A】フロー生成サブ処理を説明するフローチャートである。
【
図12B】フロー生成サブ処理を説明するフローチャートである。
【
図13】フロー組み合わせ処理を説明するフローチャートである。
【
図14】応対フロー出力処理を説明するフローチャートである。
【
図18】応対フロー生作成支援装置の構成に用いる情報処理装置の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。尚、以下の記載及び図
面は、本発明を説明するための例示であり、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。以下の説明において、符号の前に付した「S」の文字は処理ステップの意味である。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態にかかる応対フロー作成支援装置100が備える主な機能を示している。応対フロー作成支援装置100は、一つ以上の情報処理装置(コンピュータ)を用いて構成される。
【0015】
応対フロー作成支援装置100は、例えば、製品やサービスを提供する企業や官公庁等の組織において、窓口や電話回線、インターネット等を通じて行われる、顧客や利用者等からの問い合わせや相談に対する応対業務に用いられる。応対フロー作成支援装置100は、応対業務において顧客や利用者等に示す適切な案内(ガイド)を特定するための対話の流れ(手順、進行方法、シナリオ等)をモデル化したフロー(以下、「応対フロー」と称する。)の作成を支援する。
【0016】
図2に応対フローの一例を示す。例示する応対フロー114は、電気製品を提供するメーカ企業の問い合わせ窓口のオペレータに対し、製品のリセット方法について問い合わせをしてきた顧客に適切な案内を示すための応対の進め方を示すものである。同図に示すように、例示する応対フロー114は、オペレータが顧客に示すべき案内を特定する際に判断する項目に対応するノードと、ノード間及び案内を結ぶ矢線(エッジ)とを含む。矢線は項目の値(選択肢)に応じた分岐の方向(分岐先)を示す。例示する応対フロー114は、「製造時期はいつか」、「電池内蔵タイプか」、「製品は汎用タイプか」、「開発モードを利用可能か」といった項目を含む。また、例示する応対フロー114は、「電源ボタンを長押し」、「電池格納カバー横のボタンを押下」、「ボタン1とボタン2を同時押し」、「開発者メニューからリセット選択」、「電源を切り3日放置」を案内として含む。
【0017】
尚、以下の説明において、オペレータのように応対業務が行われる現場で応対フロー114を参照して業務を遂行する者のことを「応対者」と称する。また、応対業務を行っている組織に対し、製品やサービス等に関する問い合わせ(質問)や相談を行う者のことを「質問者」と称する。また、応対業務が行われる現場において、応対フロー作成支援装置100を用いて応対フロー114の作成や管理を行う者のことを「管理者」と称する。また、応対者が質問者に示すべき案内を特定する際に判断する項目のことを「分類項目」と称する。
【0018】
応対フロー作成支援装置100は、現場で記録されている応対の履歴、応対者や管理者の経験や知識等に基づき取得される、分類項目の夫々が取り得る値の組み合わせと案内とを対応づけた情報(以下、「条件表」と称する。)に基づき応対フロー114を生成して出力する。また、応対フロー作成支援装置100は、与えられた条件表111が応対フロー114の生成に必要な要件を満たしているか(条件表111が適切な応対フロー114を生成可能な状態になっているか否か)を判定し、条件表111が適切な応対フロー114を生成可能な状態になっていない(要件を満たしていない)場合はその旨やその理由(以下、「不適理由」と称する。)を出力する。不適理由は条件表111が要件を満たしていない部分を示す情報を含む。
【0019】
図3に条件表の一例を示す。例示する条件表111の内容は、
図1に例示した応対フローの内容に対応している。例示する条件表111の各行は一つの案内に対応しており、条件表111の案内以外の各列は各分類項目に対応している。条件表111の各行の各分類項目(分類項目の列と案内の行が交叉する部分)には、分類項目が取り得る値の一つが格納される。
【0020】
図1に示すように、応対フロー作成支援装置100は、記憶部110、条件表受付部120、条件表判定部130、条件表判定結果出力部135、応対フロー生成部140、フロー絞り込み部150、及び応対フロー出力部155の各機能を有する。
【0021】
上記機能のうち、記憶部110は、条件表111、不問値展開後条件表112、条件表判定結果113、応対フロー114、及び応対フロー絞り込み結果115の各情報(データ)を記憶する。
【0022】
条件表受付部120は、条件表111の入力を受け付け、受け付けた条件表111を記憶部110に管理する。例えば、管理者は、現場で記録されている応対の履歴、応対者や管理者の経験や知識等に基づき条件表111を作成し、作成した条件表111を応対フロー作成支援装置100に入力する。条件表111は、例えば、応対履歴等の既存の情報に基づき自然言語処理等を行うソフトウェアにより自動的に生成されたものでもよい。
【0023】
条件表判定部130は、条件表111が適切な応対フローを生成可能な状態になっているか(適切な応対フローを生成するために必要な要件を満たしているか)を判定(検証)する。同図に示すように、条件表判定部130は、形式判定部1301、重複分類判定部1302、及び単フロー判定部1303を含む。
【0024】
このうち形式判定部1301は、条件表111が形式的な観点、例えば、分類項目に無効な値が格納されていないか、案内に無効な値や不問値(任意値)が格納されていないか、分類項目の値や案内に未設定のものがないか等の観点から、条件表111が上記要件を満たすか否かを判定する。
【0025】
また、重複分類判定部1302は、条件表111が、分類項目の夫々が取り得る値の組み合わせが同じ(案内を特定するための条件が同じ)であるのに異なる案内が対応づけられている行の組を含んでいる(以下、この状態を「重複分類」と称する。)か否かを判定することにより、条件表111が上記要件を満たすか否かを判定する。重複分類判定部1302は、条件表111が重複分類を含む場合は条件表111が上記要件を満たしていないと判定する。
【0026】
また、単フロー判定部1303は、条件表111によって分岐の起点(先頭(ルート))が単一となる応対フロー(以下、「単フロー」と称する。)を生成可能か否かを判定することにより上記要件を満たすか否かを判定することにより、条件表111が上記要件を満たすか否かを判定する。単フロー判定部1303は、条件表111が単フローを生成可能でない場合は条件表111が上記要件を満たしていないと判定する。
【0027】
条件表判定結果出力部135は、条件表判定部130による判定結果を記載した情報である条件表判定結果113を生成して出力する。条件表判定結果出力部135は、例えば、ユーザインタフェースを介して条件表判定結果113の内容を出力して管理者に提示する。条件表判定結果113は、例えば、条件表111が、適切な応対フローを生成可能な状態になっている(要件を満たしている)旨や適切な応対フローを生成可能な状態になっていない(要件を満たしていない)旨を示す情報を含む。また、条件表判定部130により条件表111が適切な応対フローを生成可能な状態になっていない(要件を満たしていない)と判定された場合、条件表判定結果113は更に不適理由を示す情報を含む。
【0028】
応対フロー生成部140は、条件表判定部130により適切な応対フローを生成可能な状態になっていると判定された条件表111に基づき応対フロー114を生成する。
【0029】
フロー絞り込み部150は、応対フロー生成部140が生成した応対フロー114を絞り込むための条件を管理者から受け付け、受け付けた条件に基づき応対フロー114を絞り込んだ内容を含む応対フロー絞り込み結果115を生成する。
【0030】
応対フロー出力部155は、応対フロー生成部140が生成した応対フロー114やフロー絞り込み部150が生成した応対フロー絞り込み結果115を出力する。応対フロー出力部155は、例えば、ユーザインタフェースを介して応対フロー114やフロー絞り込み部150が生成した応対フロー絞り込み結果115を管理者に提示する。
【0031】
続いて、応対フロー作成支援装置100が行う各種の処理について説明する。
【0032】
図4は、応対フロー作成支援装置100が行う処理(以下、「応対フロー作成支援処理S400」と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに応対フロー作成支援処理S400について説明する。
【0033】
まず、条件表受付部120が、条件表111の入力を受け付ける(S401)。
【0034】
続いて、条件表判定部130が、条件表111が適切な応対フローを生成可能な状態になっているかを判定する処理(以下、「条件表判定処理S410」と称する。)を行い、条件表判定結果113を生成する。尚、条件表判定処理S410の詳細については後述する。
【0035】
続いて、応対フロー作成支援装置100は、条件表判定結果113の内容を判定する(S415)。条件表判定結果113の内容が応対フローを生成することができない旨を示す場合(条件表判定結果113の内容が「応対フロー生成可」以外である場合)(S415:No)、処理はS420に進む。一方、条件表判定結果113の内容が応対フローを生成することができる旨を示す場合(条件表判定結果113の内容が「応対フロー生成可」である場合)(S415:Yes)、処理はS430に進む。
【0036】
S420では、条件表判定結果出力部135が、受け付けた条件表111によっては応対フロー114を生成することができない旨や不適理由を出力する。その後、応対フロー作成支援処理S400は終了する。
【0037】
S430では、応対フロー生成部140が、条件表111に基づき応対フロー114を生成する処理(以下、「応対フロー生成処理S430」と称する。)を行う。尚、応対フロー生成処理S430の詳細については後述する。
【0038】
続いて、応対フロー出力部155が、応対フロー生成部140が生成した応対フロー114を出力する処理(以下、「応対フロー出力処理S440」と称する。)を行う。尚、応対フロー出力処理S440の詳細については後述する。その後、応対フロー作成支援処理S400は終了する。
【0039】
このように、条件表111が適切に作成されている場合、応対フロー作成支援装置100が応対フロー114を自動的に生成して出力するので、例えば、管理者は、案内の種類が多い場合や適切な案内の特定に至るまでに判断すべき分岐項目の数が多い場合でも、応対フロー114を効率よく作成することができる。尚、応対履歴や応対者の経験等に基づき案内に関連すると思われる分岐項目を抽出して条件表111を作成する作業は、応対フロー114を作成する場合に比べて負担が小さい。
【0040】
また、条件表111が適切に作成されていない場合、応対フロー作成支援装置100は
応対フロー114を生成することができない旨や不適理由を出力するので、管理者は効率よく条件表111を修正して応対フロー114を作成することができる。このように、応対フロー作成支援装置100によれば、応対フロー114の作成を支援することができる。
【0041】
図5は、
図4の条件表判定処理S410を説明するフローチャートである。以下、同図とともに条件表判定処理S410について説明する。
【0042】
まず、形式判定部1301が、条件表111を形式的な観点から判定(検証)する(S511)。判定の結果、条件表111に形式的な不備がある場合(S512:No)、形式判定部1301は、条件表判定結果113に「形式不備」を格納する(S513)。その後、条件表判定処理S410は終了し、処理は
図4のS415に進む。一方、判定の結果、条件表111に形式的な不備が検出されなかった場合(S512:Yes)、処理はS520に進む。
【0043】
S520では、重複分類判定部1302が、条件表111が重複分類を含んでいるか否かを判定する処理(以下、「重複分類判定処理S520」と称する。)を行う。尚、重複分類判定処理S520の詳細については後述する。重複分類判定処理S520の戻り値が「重複分類行有」である場合(S521:Yes)、重複分類判定部1302は条件表判定結果113に「重複分類有」及び条件表111における重複分類の箇所(重複分類になっている行)を示す情報を格納する(S522)。その後、条件表判定処理S410は終了し、処理は
図4のS415に進む。一方、重複分類判定処理S520の戻り値が「重複分類行なし」である場合(S521:No)、処理はS530に進む。
【0044】
S530では、単フロー判定部1303が、条件表111により単フローの生成が可能か否かを判定する処理(以下、「単フロー判定処理S530」と称する。)を行う。尚、単フロー判定処理S530の詳細については後述する。単フロー判定処理S530の戻り値が「単フロー不可」である場合(S531:Yes)、単フロー判定部1303は、条件表判定結果113に「単フロー不可」を格納する(S532)。その後、条件表判定処理S410は終了し、処理は
図4のS415に進む。一方、単フロー判定処理S530の戻り値が「単フロー不可」でない場合(S531:No)、単フロー判定部1303は、条件表判定結果113に「応対フロー生成可」を格納する(S533)。その後、条件表判定処理S410は終了し、処理は
図4のS415に進む。
【0045】
図6は、
図5の重複分類判定処理S520を説明するフローチャートである。以下、同図とともに重複分類判定処理S520について説明する。
【0046】
まず、重複分類判定部1302は、条件表111から、全ての分類項目の値が等しく(条件が等しく)、かつ、対応する案内が異なる2行の組を全て探索し(S611)、該当する2行の組が条件表111に存在するか否かを判定する(S612)。該当する2行の組が条件表111に存在する場合(S612:Yes)、重複分類判定部1302は、「重複分類行有」と当該2行の組を示す情報を戻り値に設定する(S613)。その後、重複分類判定処理S520は終了し、処理は
図5のS521に進む。一方、全ての分類項目の値が等しく(条件が等しく)、かつ、対応する案内が異なる2行の組が条件表111に存在しないと判定した場合(S612:No)、処理はS620に進む。
【0047】
図7に重複分類を含む条件表111の例を示す。例示する条件表111の場合、2行目と3行目は、いずれも分類項目「Q1」の値が「a11」、分類項目「Q2」の値が「a22」、分類項目「Q3」及び「Q4」はいずれも不問値「-」であり条件が共通するが、案内について
は2行目は「G2」、3行目は「G12」であり異なっている。このため、例示する条件表1
11の場合、
図6のS613において2行目と3行目が重複分類になっていることを示す情報が重複分類判定処理S520の戻り値として設定される。
【0048】
図6に戻り、S620では、重複分類判定部1302は、条件表111の分類項目の値として不問値(任意値)が設定されている分類項目を、当該分類項目が取り得る全ての値の組み合わせに展開(不問値とされている分類項目の値を当該分類項目が取り得る各値に確定させた場合における条件表111の各項目の夫々が取り得る値の組み合わせと案内とを対応づけること。以下、「不問値展開」と称する。)した条件表(不問値展開後条件表112)を生成する。
【0049】
続いて、重複分類判定部1302は、S612の場合と同様に、不問値展開後条件表112から、全ての分類項目の値が等しく(条件が等しく)、かつ、対応する案内が異なる2行の組を全て探索し(S621)、該当する2行の組が不問値展開後条件表112に存在するか否かを判定する(S622)。該当する2行の組が不問値展開後条件表112に存在する場合(S622:Yes)、重複分類判定部1302は、「重複分類行有」と当該2行の組を示す情報を戻り値に設定する(S623)。その後、重複分類判定処理S520は終了し、処理は
図5のS521に進む。一方、全ての分類項目値が等しく、かつ、案内が異なる2行の組が不問値展開後条件表112に存在しないと判定した場合(S622:No)、重複分類判定部1302は「重複分類なし」を戻り値に設定する(S624)。その後、重複分類判定処理S520は終了し、処理は
図5のS521に進む。
【0050】
図8Aに、分類項目に不問値が設定された条件表111の例を、また、
図8Bに、
図8Aの条件表111を不問値展開して得られる不問値展開後条件表112の例を示す。尚、
図8Bの不問値展開後条件表112には、
図8Aに示す条件表111との比較の便宜の為に不問値展開前の条件表111の行番号を示す列を追加している。
【0051】
図8Bに示す不問値展開後条件表112では、同図に実線矢印で示す2行の組と破線矢印で示す2行の組の2つの組が重複分類行になっている。この場合、例えば、2つの組の夫々に対応する不問値展開前の各行を示す情報(本例では、
図8Aの3行目と4行目)が戻り値に設定される。
【0052】
このように、応対フロー作成支援装置100は、条件表111の分類項目の値に不問値が設定されている場合、条件表111を不問値展開した不問値展開後条件表112を生成し、不問値展開後条件表112に基づき重複分類の有無を判定する。このため、応対フロー作成支援装置100は、適切な応対フローの生成可否を確実に判定することができる。
【0053】
図9は、
図5の単フロー判定処理S530を説明するフローチャートである。以下、同図とともに単フロー判定処理S530について説明する。
【0054】
まず、単フロー判定部1303は、条件表111から、当該条件表111に基づき応対フローを生成する際に分岐の候補となる分類項目(以下、「分岐候補」と称する。)を抽出する(S911)。具体的には、単フロー判定部1303は、分類項目の値が不問値でなく(以下、不問値でない値のことを「確定値」と称する。)、かつ、当該分類項目が取り得る値(値の種類)が2以上である分類項目を分岐候補として抽出する。
【0055】
続いて、単フロー判定部1303は、抽出した分岐候補の数が「0」か否かを判定する
(S912)。抽出した分岐候補の数が「0」であれば(S912:Yes)、単フロー
判定部1303は、戻り値に「単フロー不可」を格納する。その後、単フロー判定部1303は終了し、処理は
図5のS531に進む。また、抽出した分岐候補の数が「0」でな
ければ(S912:No)、単フロー判定部1303は終了し、処理は
図5のS531に
進む。
【0056】
図10に単フローの生成が不可能な条件表111の例を示す。例示する条件表111の場合、値が全て確定値となる分類項目が存在せず、単フローを生成することができない。
【0057】
図11は、
図4の応対フロー生成処理S430を説明するフローチャートである。以下、同図とともに応対フロー生成処理S430について説明する。
【0058】
まず、応対フロー生成部140は、フロー生成サブ処理S1100を実行する。尚、フロー生成サブ処理S1100の実行に先立ち、応対フロー生成部140は、フロー生成サブ処理S1100で用いる変数「枝情報」に初期値として「ルート」を、変数「条件情報」に初期値としてS401で受け付けた条件表111を格納する。尚、フロー生成サブ処理S1100の詳細については後述する。
【0059】
続いて、応対フロー生成部140は、フロー生成サブ処理S1100で生成された出力フロー群の全てのフローから先頭のノード(ルートノード)を削除し、削除後の出力フロー群を応対フロー114として生成する。その後、処理は
図4のS431に進む。
【0060】
図12A及び
図12Bは、
図11に示したフロー生成サブ処理S1100を説明するフローチャートである。以下、これらの図とともにフロー生成サブ処理S1100について説明する。
【0061】
まず、応対フロー生成部140は、現在の条件情報に分類項目の列がない、又は、条件情報の案内の種類が一つであるか否か判定する(S1211)。尚、フロー生成サブ処理S1100は再帰処理として実行され、上記の判定条件(現在の条件情報に分類項目の列がない、又は、条件情報の案内の種類が一つ)は、上記の再帰処理を抜けるための条件である。上記の条件が成立する場合(S1211:Yes)、応対フロー生成部140は、現在の枝情報の末尾に条件情報の案内の1行目の値を追加し、1枝からなる応対フロー114を生成する(S1220)。その後、フロー生成サブ処理S1100は終了し、処理は当該フロー生成サブ処理S1100の呼び出し元に応じて、
図11のS1110又は
図12BのS1236に進む。一方、上記の条件が成立しない場合(S1211:No)、処理はS1212に進む。
【0062】
S1212では、応対フロー生成部140は、条件情報の分類項目ごとに分類項目の値の種類数を不問値も含めてカウントし、値の種類数が「1」の分類項目の列を条件情報か
ら削除する。尚、値の種類数が「1」の分類項目の列を条件情報から削除するのは、その
ような分類項目はフローの分岐(ノード)に用いることができないからである。
【0063】
続いて、応対フロー生成部140は、条件情報の分類項目から分岐候補とする分類項目を抽出する(S1213)。尚、当該処理は、
図9のS911と同様の処理である。即ち、応対フロー生成部140は、取り得る値が全て確定値であり、かつ、取り得る値の種類数が2以上であれる分類項目を分岐候補として抽出する。
【0064】
続いて、応対フロー生成部140は、変数「出力フロー群」を初期化する(S1214)。
【0065】
続く
図12BのS1231~S1240の処理は、
図12AのS1213で抽出した分岐候補を一つずつ順に選択して繰り返し行われるループ処理である。
【0066】
まず、応対フロー生成部140は、未選択の分岐候補を一つ選択し、選択した分岐候補
を以下の処理の対象とする分類項目(以下、「対象項目」と称する。)とする(S1231)。
【0067】
続いて、応対フロー生成部140は、変数「一時フロー群」を初期化する(S1232)。
【0068】
続くS1233~S1238の処理は、対象項目が取り得る値を一種類ずつ順に選択して繰り返し行われるループ処理である。
【0069】
まず、応対フロー生成部140は、枝情報の末尾に対象項目と選択中の対象項目の値を追加し、これを変数「A」に代入する。また、条件情報から、対象項目が対象項目の値に一致する行で、対象項目の列を除いた情報を生成し、生成した情報を変数「B」に代入する(S1234)。
【0070】
続いて、応対フロー生成部140は、枝情報に変数「A」の内容を代入するとともに条件情報に変数「B」の内容を代入し、フロー生成サブ処理S1100を再帰的に呼び出し、その戻り値を変数「C」に代入する(S1235)。
【0071】
続いて、応対フロー生成部140は、変数「第1フロー群」に変数「一次フロー群」の内容を代入するとともに変数「第2フロー群」に変数「C」の内容を代入してフローを組み合わせる処理(以下、「フロー組み合わせ処理S1236」と称する。)を行う。尚、応対フロー生成部140は、フロー組み合わせ処理S1236の結果(戻り値)を変数「D」に代入する。フロー組み合わせ処理S1236の詳細については後述する。
【0072】
続いて、応対フロー生成部140は、変数「一次フロー群」の内容を変数「D」の内容に置き換える(S1237)。
【0073】
続いて、応対フロー生成部140は、対象項目に未選択の値があるか否かを判定する(S1238)。対象項目に未選択の値があれば(S1238:Yes)、処理はS1233に戻る。対象項目に未選択の値がなければ(S1238:No)、処理はS1239に進む。
【0074】
S1239では、応対フロー生成部140は、変数「出力フロー群」に変数「一時フロー群」の内容を追加する。
【0075】
続いて、応対フロー生成部140は、未選択の分岐候補があるか否かを判定する(S1240)。未選択の分岐候補があれば(S1240:Yes)、処理はS1231に戻る。未選択の分岐候補がなければ(S1240:No)、処理はS1241に進む。
【0076】
S1241では、応対フロー生成部140は、変数「出力フロー群」を戻り値に設定する。
【0077】
図13は、
図12Bに示したフロー組み合わせ処理S1236を説明するフローチャートである。以下、同図とともにフロー組み合わせ処理S1236について説明する。
【0078】
まず、応対フロー生成部140は、変数「出力フロー群」を初期化する(S1311)。
【0079】
続くS1212~S1216の処理は、変数「第1フロー群」から未選択のフローを一つずつ順に選択して繰り返し行われるループ処理である。
【0080】
S1212では、応対フロー生成部140は、変数「第1フロー群」から未選択のフローを一つ選択して第1フローとする(S1212)。
【0081】
続くS1213~S1215の処理は、変数「第2フロー群」から未選択のフローを一つずつ順に選択して繰り返し行われるループ処理である。
【0082】
S1213では、応対フロー生成部140は、変数「第2フロー群」から未選択のフローを一つ選択して第2フローとする。
【0083】
続いて、応対フロー生成部140は、第1フロー及び第2フローを構成する枝を組み合わせた第3フローを生成し、生成した第3フローを変数「出力フロー群」に追加する(S1214)。
【0084】
続いて、応対フロー生成部140は、変数「第2フロー群」に未選択のフローがあるか否かを判定する(S1215)。変数「第2フロー群」に未選択のフローがあれば(S1215:Yes)、処理はS1213に戻る。第2フロー群に未選択のフローがなければ(S1215:No)、処理はS1216に進む。
【0085】
S1216では、応対フロー生成部140は、変数「第1フロー群」に未選択のフローがあるか否かを判定する。変数「第1フロー群」に未選択のフローがあれば(S1216:Yes)、処理はS1212に戻る。変数「第1フロー群」に未選択のフローがなければ(S1216:No)、処理はS1217に進む。
【0086】
S1217では、応対フロー生成部140は、変数「出力フロー群」を戻り値として設定する。その後、フロー組み合わせ処理S1236は終了し、処理は
図12BのS1237に進む。
【0087】
図14は、
図4に示した応対フロー出力処理S431を説明するフローチャートである。以下、同図とともに応対フロー出力処理S431について説明する。
【0088】
まず、応対フロー出力部155は、出力フロー群の内容を絞り込んで出力するか否かを判定する(S1411)。応対フロー出力部155は、例えば、ユーザインタフェースを介してユーザから受け付けた出力フロー群の内容を絞り込むか否かの意志表示に基づき、出力フロー群の内容を絞り込むか否かを判定する。出力フロー群の内容を絞り込まずに出力する場合(S1411:No)、応対フロー出力部155は、出力フロー群の内容を出力(例えば、出力フロー群の内容を全て記載した画面を表示)する(S1412)。一方、出力フロー群の内容を絞り込む場合(S1411:YES)、処理はS1421に進む。
【0089】
S1421では、フロー絞り込み部150は、ユーザインタフェースを介してユーザから出力フロー群の内容を絞り込むための条件(以下、「絞り込み条件」と称する。)の指定を受け付ける。
【0090】
続いて、フロー絞り込み部150は、受け付けた絞り込み条件に基づき出力フロー群からフローを抽出し、抽出したフローを記載した応対フロー絞り込み結果115を生成する(S1422)。
【0091】
続いて、応対フロー出力部155は、応対フロー絞り込み結果115の内容を出力(表示、印刷等)する(S1423)。
【0092】
図15は、
図14のS1421で絞り込み条件を受け付ける際に表示する画面(以下、「絞り込み条件受付画面1500」と称する。)の一例である。同図に示すように、例示する絞り込み条件受付画面1500には、絞り込み条件を選択するためのプルダウンメニュー1511が設けられている。
【0093】
管理者等のユーザは、プルダウンメニュー1511を操作して「最多質問数」、「最小質問数」、「平均質問数」、「質問数中央値」のいずれかの絞り込み条件を選択(指定)することができる。このうち「最多質問数」は、各案内に至るまでの質問数(分岐項目の数)の最多値が最小のフローを出力フロー群から抽出する絞り込み条件である。また、「最少質問数」は、各案内に至るまでの質問数(分岐項目の数)の最少値が最小のフローを出力フロー群から抽出する絞り込み条件である。また、「平均質問数」は、各案内に至るまでの質問数(分岐項目の数)の平均値が最小のフローを出力フロー群から抽出する絞り込み条件である。また、「質問数中央値」は、各案内に至るまでの質問数(分岐項目の数)の中央値が最小のフローを出力フロー群から抽出する絞り込み条件である。尚、例示した絞り込み条件は一例に過ぎず、他の観点に基づく絞り込み条件をユーザが設定もしくは選択できるようにしてもよい。
【0094】
図16は、
図14のS1412やS1423で応対フロー出力部155が出力する画面(以下、「応対フロー提示画面1600」と称する。)の一例である。例示する応対フロー提示画面1600は、タブ1610を操作することにより選択可能な複数の応対フロー表示欄1611を有する。管理者等のユーザは、タブ1610を操作することで、参照したい応対フロー114を表示させることができる。
【0095】
図17は、
図4のS420で条件表判定結果出力部135が表示する画面(以下、「不適理由通知画面1700」と称する。)の一例である。例示する不適理由通知画面1700は、入力された条件表111が適切な応対フロー114を生成可能な状態になっていない旨や不適理由(条件表111が要件を満たしていない部分を示す情報を含む)を表示する欄1711が設けられている。管理者等のユーザは、不適理由通知画面1700を参照することで条件表111が適切な応対フロー114を生成可能な状態になっていないことを知ることができる。また、ユーザは、不適理由を参考に条件表111を効率よく修正することができる。また、例えば、ユーザは、不適理由を参考に条件表111を段階的に修正していくことで、不足している条件や質問の順序を試行錯誤する必要がなく、少ない負担で効率よく応対フローを作成することができる。
【0096】
以上詳細に説明したように、本実施形態の応対フロー作成支援装置100を用いることで、管理者等のユーザは、効率よく応対フロー114を作成することができる。また、応対フロー作成支援装置100によれば、条件表111に記載されているいずれの案内に対しても、ユーザは少なくとも分類項目の夫々が取り得る値の一繋がりの組み合わせからなる応対フロー114を作成することができる。そして、応対者が作成された応対フロー114を用いて応対業務を行うことで、適切な案内を効率よく質問者に示すことが可能になり、応対業務の質の向上を図ることができる。
【0097】
<情報処理装置の例>
図18は、応対フロー作成支援装置100の構成に用いる情報処理装置(コンピュータ)のハードウェア構成例である。
【0098】
例示する情報処理装置10は、プロセッサ11、主記憶装置12(メモリ)、補助記憶装置13(外部記憶装置)、入力装置14、出力装置15、及び通信装置16を備える。これらはバスや通信ケーブル等を介して通信可能に接続されている。情報処理装置10の
例として、パーソナルコンピュータ、サーバ装置、スマートフォン、タブレット、オフィスコンピュータ、汎用機(メインフレーム)等がある。
【0099】
情報処理装置10は、その全部又は一部が、例えば、クラウドシステムによって提供される仮想サーバのように、仮想化技術やプロセス空間分離技術等を用いて提供される仮想的な情報処理資源を用いて実現されるものであってもよい。また、情報処理装置10によって提供される機能の全部又は一部は、例えば、クラウドシステムがAPI(Application Programming Interface)等を介して提供するサービスによって実現してもよい。また
、情報処理装置10によって提供される機能の全部又は一部は、例えば、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure
as a Service)等を利用して実現されるものであってもよい。
【0100】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable
Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、AI(Artificial Intelligence)チップ等を用いて構成されている。
【0101】
主記憶装置12は、プロセッサ11がプログラムを実行する際に利用する装置であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ(NVRAM(Non Volatile RAM))等である。応対フロー作成支援装置100において実現される各種の機能は、プロセッサ11が、補助記憶装置13に格納(記憶)されているプログラムやデータを主記憶装置12に読み出して実行することにより実現される。
【0102】
補助記憶装置13は、プログラムやデータを記憶する装置であり、例えば、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ、光学式記憶装置(CD(Compact Disc)
、DVD(Digital Versatile Disc)等)、ストレージシステム、ICカード、SDカードや光学式記録媒体等の非一時的な記録媒体の読取/書込装置、クラウドサーバの非一時的な記憶領域等で構成することができる。補助記憶装置13には、記録媒体の読取装置や通信装置16を介して、非一時的な記録媒体や非一時的な記憶装置を備えた他の情報処理装置からプログラムやデータを読み込むことができる。補助記憶装置13に格納(記憶)されているプログラムやデータは主記憶装置12に随時読み込まれる。
【0103】
入力装置14は、外部からの情報の入力を受け付けるインタフェースであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、ペン入力方式のタブレット、音声入力装置等である。
【0104】
出力装置15は、処理経過や処理結果等の各種情報を外部に出力するインタフェースである。出力装置15は、例えば、上記の各種情報を可視化する表示装置(液晶モニタ、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等)、上記の各種情報を音声化する装置(音声出力装置(スピーカ等))、上記の各種情報を文字化する装置(印字装置等)である。尚、例えば、情報処理装置10が通信装置16を介して他の装置との間で情報の入力や出力を行う構成としてもよい。
【0105】
入力装置14と出力装置15は、ユーザとの間での対話処理(情報の受け付け、情報の提供等)を実現するユーザインタフェースを構成する。
【0106】
通信装置16は、他の装置との間の通信を実現する装置である。通信装置16は、通信ネットワークを介して他の装置との間の通信を実現する、有線方式又は無線方式の通信インタフェースであり、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USBモジュール等である。
【0107】
尚、情報処理装置10には、例えば、オペレーティングシステム、ファイルシステム、DBMS(DataBase Management System)(リレーショナルデータベース、NoSQL等)、KVS(Key-Value Store)等が導入されていてもよい。
【0108】
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれ、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【0109】
例えば、以上の実施形態では、応対フローがフローチャートの形式で表現される場合を例として説明したが、応対フローは、他の形式で表現したもの(例えば、文字や文章のみで表現したもの)でもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 応対フロー作成支援装置
110 記憶部
111 条件表
112 不問値展開後条件表
113 条件表判定結果
114 応対フロー
115 応対フロー絞り込み結果
120 条件表受付部
130 条件表判定部
1301 形式判定部
1302 重複分類判定部
1303 単フロー判定部
135 条件表判定結果出力部
140 応対フロー生成部
150 フロー絞り込み部
155 応対フロー出力部
S400 応対フロー作成支援処理
S410 条件表判定処理
S431 応対フロー出力処理
S520 重複分類判定処理
S530 単フロー判定処理
S430 応対フロー生成処理
S1100 フロー生成サブ処理