(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023181716
(43)【公開日】2023-12-25
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/52 20230101AFI20231218BHJP
H04N 23/58 20230101ALI20231218BHJP
G03B 17/55 20210101ALI20231218BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20231218BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20231218BHJP
【FI】
H04N5/225 430
H04N5/225 900
G03B17/55
G03B17/02
H05K7/20 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022094999
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】木村 泰典
【テーマコード(参考)】
2H100
2H104
5C122
5E322
【Fターム(参考)】
2H100EE00
2H104CC00
5C122DA03
5C122EA03
5C122EA54
5C122EA65
5C122FA06
5C122GD04
5C122GE01
5C122GE04
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122GE18
5C122HA82
5E322AA03
5E322AB01
5E322BA03
5E322BB03
5E322EA01
5E322EA11
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】基板の強制空冷をしつつ撮像装置の大型化を抑制する。
【解決手段】被写体を撮像する撮像装置であって、カメラユニットと、カメラユニットを第1の方向の軸周りに回転可能に支持する第1ユニットと、第1ユニットを第2の方向の軸周りに回転可能に支持する第2ユニットと、第1ユニットに固定される第1の基板と、第2ユニットに固定され、少なくとも第1の基板が発する熱を撮像装置の外部に放熱可能とする放熱ユニットと、を備え、放熱ユニットには少なくとも1つの吸気口と排気口が形成され、吸気口は、第1ユニットに対向するように構成され、排気口は、第2ユニットに構成される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像装置であって、
カメラユニットと、
前記カメラユニットを第1の方向の軸周りに回転可能に支持する第1ユニットと、
前記第1ユニットを第2の方向の軸周りに回転可能に支持する第2ユニットと、
前記第1ユニットに固定される第1の基板と、
前記第2ユニットに固定され、少なくとも前記第1の基板が発する熱を前記撮像装置の外部に放熱可能とする放熱ユニットと、を備え、
前記放熱ユニットには少なくとも1つの吸気口と排気口が形成され、
前記吸気口は、前記第1ユニットに対向するように構成され、前記排気口は、前記第2ユニットに構成されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記放熱ユニットは、前記第2ユニットの内部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1ユニットは、基底部を有し、
前記基底部の第1面には、前記カメラユニットに向かって突出する支持部が形成され、前記基底部の前記第1面の反対側の面である第2面には、前記第2ユニットに向かって突出する少なくとも1つの突出部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記放熱ユニットの前記吸気口は、前記突出部よりも前記第1の方向の回転軸の中心に近い位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の基板は、前記支持部に固定されることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1ユニットの基底部における第1面の反対側の面である第2面には、前記第2ユニットに向かって突出する複数の突出部が形成され、
前記複数の突出部は、前記第1の方向の回転軸の中心から前記第1ユニットの外周部に向かって放射状に配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第2ユニットに固定される第2の基板を備え、
前記第2の基板は、前記放熱ユニットに熱的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2ユニットに固定される第3の基板を備え、
前記第3の基板は、前記放熱ユニットに熱的に接続されることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2の基板と前記第3の基板は、前記放熱ユニットを上下に挟むようにそれぞれ配置されることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第2ユニットの側面には、少なくとも1つの接続端子が配置され、
前記放熱ユニットの前記排気口は、前記第2ユニットの側面に構成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第2ユニットは、前記放熱ユニットの前記吸気口が配置される位置に穴部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記放熱ユニットは、熱伝導部材で形成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第1ユニットは、金属部材で形成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記基底部の前記第2面と、前記第2面に対向する前記第2ユニットの面との間に所定の幅の隙間を有することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記放熱ユニットは、送風手段を備え、
前記送風手段を駆動させることで、前記撮像装置の外部から空気を吸気し、吸気した前記空気は前記隙間、前記吸気口、前記放熱ユニットの内部の順に進み、前記排気口から前記撮像装置の外部に排出することを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記第1ユニットと前記第1の基板を覆うように形成される外装部を備え、
前記外装部の裾部と前記基底部の外周部とが密着していることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記外装部の前記裾部は、前記第2ユニットの回転方向に沿うように形成される切り欠き部を有することを特徴とする請求項16に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記第1の方向は、水平方向であり、
前記第2の方向は、鉛直方向であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱ユニットを搭載したビデオカメラ等の撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ等を使用するカメラ業界では、パンチルト回転動作が可能なカメラユニットが普及している。その中で、特に近年、カメラユニット内に大型撮像素子を搭載し、高画質映像を取得し、配信可能な機器が増えている(特許文献1)。
【0003】
高画質映像を高画質なまま配信するためには消費電力の高い基板を搭載する必要があるが、設計制約上パンベースに消費電力の高い基板を配置することがある。この高い消費電力を有する基板を自然空冷だけで放熱しようとすると、撮像装置本体が大型化してしまう問題がある。そこで撮像装置本体の大型化を防ぐためには、強制空冷の放熱ユニットを搭載することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、強制空冷の放熱ユニットをパンベースユニットに配置すると、パンベースユニットの重量が増し、パン回転動作の回転加速度が低下してしまう。近年のパンチルト回転動作可能なビデオカメラでは、被写体を高速で追尾することが求められるため、撮像装置本体を大型化せずに、且つ基板の強制冷却も可能な撮像装置が重要となる。
【0006】
そこで、本発明では、基板の強制空冷をしつつ撮像装置の大型化を抑制可能な撮像装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての撮像装置は、被写体を撮像する撮像装置であって、カメラユニットと、カメラユニットを第1の方向の軸周りに回転可能に支持する第1ユニットと、第1ユニットを第2の方向の軸周りに回転可能に支持する第2ユニットと、第1ユニットに固定される第1の基板と、第2ユニットに固定され、少なくとも第1の基板が発する熱を撮像装置の外部に放熱可能とする放熱ユニットと、を備え、放熱ユニットには少なくとも1つの吸気口と排気口が形成され、吸気口は、第1ユニットに対向するように構成され、排気口は、第2ユニットに構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板の強制空冷をしつつ撮像装置の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るビデオカメラの外観図及び分解斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るビデオカメラの詳細分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るビデオカメラの上面側から見た図と断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る放熱ユニットの斜視図と気体の流れの説明図及び分解斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るビデオカメラのベースユニットの斜視図と気体の流れの説明図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るカメラユニット及びパンベースユニットの斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るビデオカメラの断面図と気体の流れの説明図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るビデオカメラのパンベース基底部の断面図と気体の流れの説明図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るビデオカメラの斜視図と気体の流れの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。以下の実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係るビデオカメラの外観図及び分解斜視図である。
図1(A)は、本実施形態に係るビデオカメラ1の外観図の一例である。
図1(B)は、
図1(A)に示すビデオカメラ1の分解斜視図の一例である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のビデオカメラ1は、カメラユニット10と、パンベースユニット20と、ベースユニット30と、を備えている撮像装置である。
【0013】
カメラユニット10は、被写体を撮影する撮像機構であって、光を結像するためのレンズ部と、結像された光に応じたアナログ信号変換する撮像素子等とを含んで構成される。レンズ部は、画角を調整するズーム機能や、光量の調整を行う絞り機能などを有する。撮像素子は、光をアナログ信号に変換する際の感度調整を行うゲイン機能を有する。これらの機能は、所定の設定値に基づいて調整される。
【0014】
パンベースユニット20は、カメラユニット10をチルト回転軸T中心にチルト回転可能に支持する。即ち、パンベースユニット20は、カメラユニット10ついて、水平方向(第1の方向)を軸として鉛直方向(上下方向)に回転させることができる。
【0015】
ベースユニット(第2ユニット)30は、パンベースユニット20をパン回転軸P中心にパン回転可能に支持する。即ち、ベースユニット30は、パンベースユニット20について、鉛直方向(第2の方向)を軸として水平方向(左右方向)に回転させることができる。尚、ベースユニット30をパン回転させることで、パンベースユニットと連動してカメラユニット10も水平方向に回転する。
【0016】
ここで、チルト回転やパン回転を可能にする構造としては、モーター、ギア、ベルト、ばね、ビス、ネジなどで構成される駆動構造やウェーブワッシャーや板金などの弾性力を持った部品やビスやネジで固定する構造、ギアを用いた噛み合い構造などがある。
【0017】
以上説明した構成により、本実施形態のカメラユニット10は、水平方向(第1の方向)の軸周りに回転(チルト回転)、及び鉛直方向(第2の方向)の軸周りに回転(パン回転)する動きに合わせて、カメラユニット10の向く方向を変更することができる。これにより、カメラユニット10によりビデオカメラ1周囲の任意の方向を撮影することが可能となる。
【0018】
図2は、本実施形態に係るビデオカメラ1の詳細分解斜視図である。
図3は、本実施形態のビデオカメラ1を上面側から見た図と断面図の一例である。
図3(A)は、本実施形態のビデオカメラ1を上面側から見た図である。
図3(B)は、
図3(A)で示す断面Aから見た断面図の一例である。
【0019】
パンベースユニット20は、パンベースケース201と、パンベース202と、第1の基板203と、第1の熱伝導部材204と、により構成されうる。
【0020】
パンベースケース(外装部)201は、パンベースユニット20の外装として構成され、パンベース202と第1の基板203を覆うように形成される。また、パンベースケース201は、パンベースケース201の裾部分であるパンベースケース裾部201aを有する。
【0021】
パンベース(第1ユニット)202は、パンベースユニット20のフレームとして機能し、パンベース基底部202aと、パンベース支持部202bと、突出部202cと、パンベース外周部202dと、により構成されうる。また、パンベース202は、放熱性能を向上させるため、パンベース202の一部または全部を金属材料で形成することが望ましい。
【0022】
パンベース基底部202aは、パンベース202の底部を構成する。パンベース支持部202bは、パンベース基底部202aのカメラユニット10側の面(第1面)からカメラユニット10に向かって突出するように1対で形成され、本実施形態では対向するように構成される。また、パンベース基底部202aとパンベース支持部202bは、放熱性能を向上させるため、一部または全部を金属部材(金属材料)で形成することが望ましい。
【0023】
突出部(放熱フィン)202cは、パンベース基底部202aのカメラユニット10側の面とは反対側であってベースケース302側の面(第2面)に形成される突起であり、本実施形態では複数形成される。尚、突出部202cは、複数形成されることが望ましいが、少なくとも1つ形成されていればよい。パンベース外周部202dは、パンベース基底部202aの外周部である。
【0024】
パンベースケース201とパンベース支持部202bには、
図2に示すようにそれぞれが2つの穴部が設けられており、パンベースユニット20を組立てた際に、それぞれの穴部の中心(穴部の中心軸)が略同一の位置となるように形成される。そして、カメラユニット10の側面側より突出している2つの保持部をそれぞれの穴部に組み込むようにして保持することで、パンベースユニット20は、カメラユニット10をチルト回転可能に支持することができる。
【0025】
第1の基板203は、不図示の映像処理エンジン、通信処理エンジン、メモリなどが実装され、各処理等を実施することで発熱するプリント基板である。第1の基板203は、不図示のビスやネジなどの固定手段によりパンベース202に固定される。第1の熱伝導部材204は、第1の基板203とパンベース202の間に挟持されるように固定され、第1の基板203から発せられる熱をパンベース202に伝熱する。
【0026】
ベースユニット30は、パン回転用軸受301と、ベースケース302と、ボトムケース311と、背面ケース312と、により構成されうる。加えて、本実施形態のベースユニット30は、第4の熱伝導部材303、第2の基板304、放熱ユニットH、第2の熱伝導部材305、第3の熱伝導部材309、第3の基板310、外部接続端子313も含むように構成されうる。
【0027】
ベースケース302は、ベースユニット30の外装及びフレームとして構成される。パン回転用軸受301は、パンベース202がベースケース302に対してパン回転軸Pを中心にパン回転方向に回転可能に支持する。これにより、ベースユニット30は、パンベースユニット20をパン回転可能に支持することができる。
【0028】
第2の基板304は、不図示の映像処理エンジン、通信処理エンジン、メモリなどが実装され、各処理等を実施することで発熱するプリント基板であり、不図示のビスやネジなどの固定手段により、ベースケース302に固定される。第4の熱伝導部材303は、第2の基板304とベースケース302の間に挟持されるように固定され、第2の基板304から発せられる熱をベースケース302に伝熱する。
【0029】
放熱ユニットHは、第1の基板203、第2の基板304、第3の基板310等が発する熱を外部に放熱する。放熱ユニットHは、不図示のビスやネジなどの固定手段により、ベースケース302に固定される。放熱ユニットHについては、後に
図4を参照しながら詳しく説明する。
【0030】
第2の熱伝導部材305は、第2の基板304とダクトDの間に挟持されるように固定され、第2の基板304から発せられる熱をダクトDに伝熱する。これにより、第2の基板304は放熱ユニットHに熱的に接続される。
【0031】
第3の基板310は、不図示の映像処理エンジン、通信処理エンジン、メモリなどが実装され、各処理等を実施することで発熱するプリント基板であり、不図示のビスやネジなどの固定手段により、ベースケース302に固定される。第3の熱伝導部材309は、第3の基板310とダクトDの間に挟持されるように固定され、第3の基板310から発せられる熱をダクトDに伝熱する。これにより、第3の基板310は放熱ユニットHに熱的に接続される。
【0032】
第2の基板304と第3の基板310は、第2の熱伝導部材305と第3の熱伝導部材309を介し放熱ユニットHを上下に挟むように配置すると、放熱ユニットHのダクトDの上面と下面の両方から伝熱することが可能となる。そのため、本実施形態のビデオカメラ1の構成においては、放熱能力向上のためにはこのような配置とすることが望ましい。
【0033】
ボトムケース311は、不図示のビスやネジなどの固定手段により、ベースケース302に固定され、ベースユニット30の底面を覆うように構成される外装である。背面ケース312は、不図示のビスやネジなどの固定手段により、ベースケース302に固定され、ベースユニット30の背面を覆う外装である。背面ケース312は、貫通穴として構成される背面ケース穴312bと、送風手段308が排出する空気(気体)の排出口として機能する背面ケース排気口312aを有する。
【0034】
外部接続端子313は、ビデオカメラ1の外部インターフェースである。外部接続端子313は、背面ケース穴312bから機体外部の機器と接続可能となるように配置される。外部接続端子313としては、例えば、電源接続コネクタ、ビデオアウトコネクタ、外部入力/出力コネクタ、RJ45コネクタ、SDカードなどがある。外部接続端子313は、基板実装又はケーブルなどの電気接続部品により、例えば第2の基板304などの基板に電気的に接続され動作する。
【0035】
図4は、本実施形態に係る放熱ユニットHの分解斜視図と空気の流れFについての説明図及び斜視図の一例である。
図4(A)は、本実施形態に係る放熱ユニットHの分解斜視図の一例を示す図である。
図4(B)は、本実施形態に係る放熱ユニットHと空気の流れFについての流れの説明図である。
【0036】
放熱ユニットHは、ダクトDと送風手段308により構成される。ダクトDは、アッパーダクト306とボトムダクト307により構成される。アッパーダクト306とボトムダクト307は、不図示のビスやネジなどの固定手段により互いに固定される。また、アッパーダクト306とボトムダクト307は、内部に風路となるような空間を有するように略密閉に構成される。アッパーダクト306は、パンベース基底部202aに対向するように構成されるアッパーダクト吸気口306aを有する。尚、本実施形態では、アッパーダクト306には2つの吸気口が形成されているが、これに限らず少なくとも1つ形成されていればよい。ボトムダクト307は、ボトムダクト穴307aを有する。
【0037】
送風手段308は、送風手段吸気口308aと、送風手段排気口308bとを有する。送風手段308は、例えば第2の基板304などの基板に電気的に接続されることにより動作し、送風手段吸気口308aから吸気して、送風手段排気口308bから排気することで、
図4(B)に示しているような矢印の向きで空気の流れFを発生させる。送風手段308は、例えば遠心ファンなどのファンである。
【0038】
送風手段308は、送風手段吸気口308aがボトムダクト穴307aに対向するようにボトムダクト307に不図示のビスやネジなどの固定手段により固定される。また、固定の際、送風手段吸気口308aとボトムダクト穴307aを囲うような不図示の弾性部材を配置することが望ましい。当該弾性部材を配置するにより、密閉性を向上することが可能となる。尚、本実施形態では、送風手段308に形成される排気口は1つであるが、これに限らず複数形成してもよい。
【0039】
以上説明した放熱ユニットHの構成により、送風手段308が動作した場合に、アッパーダクト吸気口306aから空気をダクトD内に吸気し、送風手段排気口308bから空気を排気することができる。即ち、
図4(A)に示すような空気の流れFを発生させることが可能となる。また、放熱ユニットHをベースユニット30内部に配置することにより、送風手段308を動作した状態でダクトDに熱を有する部材を当接させることで放熱することが可能となる。
【0040】
また、放熱ユニットHとして放熱性能を向上させるためにはアッパーダクト306及びボトムダクト307のそれぞれについて熱伝導性の高い材質で形成することが望ましい。
【0041】
図5は、本実施形態に係るビデオカメラ1のベースユニット30の斜視図の一例と空気の流れFの説明図である。ベースユニット30には、
図5に示すように放熱ユニットHが内蔵される。ベースケース302には、上面部302cにパンベース基底部202aに対向するようにベースケース吸気口(穴部)302aが形成される。
【0042】
ベースケース吸気口302aは、アッパーダクト吸気口306aとビデオカメラ1の上面から見て略同一の位置に構成される。即ち、ベースケース吸気口302aは放熱ユニットHの吸気口としても機能する。また、本実施形態においてベースケース吸気口302aやアッパーダクト吸気口306aは、
図4や
図5に示しているように略矩形の形状に形成されるが、これに限らず、円形状や楕円形状に形成されてもよい。
【0043】
また、ベースケース吸気口302aとアッパーダクト吸気口306aの形状は略一致するように構成されることが望ましい。尚、ベースケース吸気口302aは少なくとも1つ形成されていればよいが、アッパーダクト吸気口306aの数と合わせるように構成することが望ましい。そしてその場合、ビデオカメラ1の上面から見て略同一の位置に配置されることが望ましい。
【0044】
また、背面ケース312には、上記したように背面ケース排気口312aが形成される。背面ケース排気口312aは、送風手段排気口308bとビデオカメラ1の背面から見て略同一の位置に構成される。即ち、背面ケース排気口312aは放熱ユニットHの排気口としても機能する。また、本実施形態において送風手段排気口308bや背面ケース排気口312aは、
図4や
図5に示しているように略矩形の形状に形成されるが、これに限らず、円形状や楕円形状に形成されてもよい。また、背面ケース排気口312aと送風手段排気口308bの形状は略一致するように構成されることが望ましい。尚、背面ケース排気口312aは少なくとも1つ形成されていればよいが、送風手段排気口308bの数と合わせるように構成することが望ましい。そしてその場合、上記と同様にビデオカメラ1の背面から見て略同一の位置に配置されることが望ましい。
【0045】
以上説明した構成により、ベースユニット30は、送風手段308を動作した場合に、
図5に示す空気の流れFのように、空気はベースケース吸気口302aから吸気され、背面ケース排気口312aから排気することが可能となる。
【0046】
また、ベースケース302には、パン回転用軸受301を配置する受け部(窪み)が形成され、当該受け部の外周部は水平方向に所定の厚さを有し、上面部302cよりもパンベース基底部202aに向かって突出するリブ302eとして形成される。そしてリブ302eは、
図5に示すように当該受け部の全周にわたって形成される。
【0047】
図6は、本実施形態に係るカメラユニット10及びパンベースユニット20の斜視図である。上記したようにパンベース基底部202aには、突出部202cが形成される。当該突出部202cは、
図6に示すようにパンベース基底部202aからベースケース302側に向かって所定量突出するように形成される。また、パンベースケース裾部201aは、ベースユニット30の回転方向に沿うように形成される切り欠き部202eを有する。尚、切り欠き部202eは、ビデオカメラ1を組立てた際に、第1の基板203または第2の基板304の少なくとも一方に近い位置となるように、パンベースケース裾部201aに少なくとも1箇所形成されることが望ましい。尚、切り欠き部202eの寸法は任意とすることができる。
【0048】
パンベース外周部202dは、パンベースケース201の内周の寸法と略同一の寸法となるよう形成される。そして、パンベースケース201をパンベース202に取り付けた際には、パンベース外周部202dを全周にわたってパンベースケース裾部201aに略密着させて取り付けを行うことができる。これにより、パンベースケース201の内部(内側)を略密閉状態とすることができる。このような略密閉構造により、パンベース基底部202aとベースケース302の間を流れる空気がパンベース外周部202dからパンベースケース201の内部に流れることを抑えることができる。加えて、送風手段308を動作した場合に、パンベースケース201の内部にゴミ等の異物が侵入することを抑制することもできる。
【0049】
図7は、本実施形態に係るビデオカメラ1の断面Aから見た断面図と断面Aから見た場合の空気の流れFの説明図である。
図8は、本実施形態に係るビデオカメラ1の断面Bから見た断面図と空気の流れFの説明図である。
図8(A)は、ビデオカメラ1を正面方向から見た図である。
図8(B)は、
図8(A)の断面Bから見た断面図と空気の流れFの説明図である。
図9は、本実施形態に係るビデオカメラ1の斜視図と空気の流れFの説明図である。
【0050】
図7に示すように、パンベースケース201とベースケース302の間には隙間Gを有する。当該隙間Gは、具体的には、パンベースケース201のパンベース基底部202aのベースケース302側の面と、当該面に対向するベースケース302の上面部302cとの間に全周にわたって形成される。隙間Gは、空気が通る風路として機能する。また、
図7に示すように、パンベースケース201のパンベースケース裾部201aとベースケース302の斜面部302dとの間に形成される開口から空気が隙間Gに侵入可能となる。
【0051】
ここで、送風手段308を駆動させると、空気の流れFを示す矢印のように、上記した開口を介して空気が隙間Gに侵入する。隙間Gに侵入した後、空気は隙間G、ベースケース吸気口302a、アッパーダクト吸気口306a、放熱ユニットHの内部の順に通過し、送風手段排気口308bを介して背面ケース排気口312aからビデオカメラ1の外部に排気される。
【0052】
空気が風路として機能する隙間Gを流れる時、パンベース基底部202aと複数の突出部202cに沿って流れるため、複数の突出部202cが無い場合と比べると、効率的に隙間G内に空気の流れを形成することができる。これにより、パンベース202の熱を効率的に奪うことができる。また、切り欠き部202eを設けることで、上記した開口の一部も大きくなるため、切り欠き部202eが無い状態より隙間Gに侵入させる空気の量を増やすことができる。
【0053】
また、ビデオカメラ1を組立てた際に、上記のリブ302eのパンベース基底部202a側の面とパンベース基底部202aとの間隔は、隙間Gの上記した間隔より狭くなるように構成される。これにより、送風手段308を動作した場合、当該受け部にゴミ等の異物の侵入を抑制することが可能となる。
【0054】
ここで、
図8(B)に示すように、空気が風路を通る時、より広い表面積でパンベース基底部202a及び突出部202cに触れるように、ベースケース吸気口302aは、パン回転軸Pに近い位置に形成されることが望ましい。そのため、突出部202cは、ベースケース吸気口302aよりもパン回転軸Pから離れた位置に形成されることが望ましい。また、突出部202cは、上記の位置とすれば配置位置や間隔は任意とすることができるが、パンベース202の熱を効率的に奪うために、
図8(B)に示すように、パン回転軸Pからパンベース外周部202dに向かって放射状に配置されることが望ましい。以下に発熱する各基板の放熱経路について説明する。
【0055】
(第1の基板の放熱経路)
第1の基板203で発生した熱は、第1の熱伝導部材204を経由して、パンベース202に伝熱する。送風手段308が駆動された場合、風路として機能する隙間Gに空気が流れる。この際、当該空気は、パンベース202のパンベース基底部202aと突出部202cに沿うように流れる。その後、熱せられた空気は、ベースケース吸気口302aから放熱ユニットHの内部に侵入し、放熱ユニットHを通過して背面ケース排気口312aからビデオカメラ1の外部に排気される。これにより、第1の基板203が発した熱をビデオカメラ1の外部に放熱することができる。
【0056】
(第2の基板の放熱経路)
第2の基板304で発生した熱は、第2の熱伝導部材305を経由して、アッパーダクト306に伝導する。送風手段308が駆動された場合、ダクトDに伝導した熱をダクトD内の空気に移し、熱せられた空気は、ダクトD内部を通過して背面ケース排気口312aからビデオカメラ1の外部に排気される。これにより、第2の基板304が発した熱をビデオカメラ1の外部に放熱することができる。
【0057】
(第3の基板の放熱経路)
第3の基板310で発生した熱は、第3の熱伝導部材309を経由して、ボトムダクト307に伝導する。送風手段308が駆動された場合、ダクトDに伝導した熱はダクトD内部を通過して背面ケース排気口312aからビデオカメラ1の外部に排気される。これにより、第3の基板310が発した熱をビデオカメラ1の外部に放熱することができる。
【0058】
以上のような構成により、第1の基板203、第2の基板304、第3の基板310で発生した熱は、本実施形態のベースユニット30に配置された放熱ユニットHを動作させることでビデオカメラ1の外部に放熱することが可能となる。
【0059】
また、外部接続端子313と放熱ユニットHの背面ケース排気口312aを同一の面に配設することでベースユニット30のデザイン性を向上させることができる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のビデオカメラ1では、パンベース202に配置した第1の基板203が発する熱をベースユニット30に配置した放熱ユニットHにより効率的に放熱可能としている。これにより、パンベース202に放熱ユニットHを配置した場合と比べ、撮像装置を小型化することが可能となり、パン回転させるユニットの重量の軽減及びパン回転の加速度を向上させることができる。加えて、第2の基板304、第3の基板310は、ダクトDを挟むように配置することで、放熱ユニットHによりそれぞれの基板から発生した熱を効率的にビデオカメラ1の外部に放熱することを可能としている。
【0061】
尚、本発明の構成は、上記実施形態に例示したビデオカメラに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所などは、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0062】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法、及びプログラムを含む。
(構成1)
被写体を撮像する撮像装置であって、
カメラユニットと、
カメラユニットを第1の方向の軸周りに回転可能に支持する第1ユニットと、
第1ユニットを第2の方向の軸周りに回転可能に支持する第2ユニットと、
第1ユニットに固定される第1の基板と、
第2ユニットに固定され、少なくとも第1の基板が発する熱を撮像装置の外部に放熱可能とする放熱ユニットと、を備え、
放熱ユニットには少なくとも1つの吸気口と排気口が形成され、
吸気口は、第1ユニットに対向するように構成され、排気口は、第2ユニットに構成されることを特徴とする撮像装置。
【0063】
(構成2)
放熱ユニットは、第2ユニットの内部に配置されることを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
【0064】
(構成3)
第1ユニットは、基底部を有し、
基底部の第1面には、カメラユニットに向かって突出する支持部が形成され、基底部の第1面の反対側の面である第2面には、第2ユニットに向かって突出する少なくとも1つの突出部が形成されることを特徴とする構成1または2に記載の撮像装置。
【0065】
(構成4)
放熱ユニットの吸気口は、突出部よりも第1の方向の回転軸の中心に近い位置に配置されることを特徴とする構成3に記載の撮像装置。
【0066】
(構成5)
第1の基板は、支持部に固定されることを特徴とする構成3または4に記載の撮像装置。
【0067】
(構成6)
第1ユニットの基底部における第1面の反対側の面である第2面には、第2ユニットに向かって突出する複数の突出部が形成され、
複数の突出部は、第1の方向の回転軸の中心から第1ユニットの外周部に向かって放射状に配置されることを特徴とする構成1または2に記載の撮像装置。
【0068】
(構成7)
第2ユニットに固定される第2の基板を備え、
第2の基板は、放熱ユニットに熱的に接続されることを特徴とする構成1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0069】
(構成8)
第2ユニットに固定される第3の基板を備え、
第3の基板は、放熱ユニットに熱的に接続されることを特徴とする構成7に記載の撮像装置。
【0070】
(構成9)
第2の基板と第3の基板は、放熱ユニットを上下に挟むようにそれぞれ配置されることを特徴とする構成8に記載の撮像装置。
【0071】
(構成10)
第2ユニットの側面には、少なくとも1つの接続端子が配置され、
放熱ユニットの排気口は、第2ユニットの側面に構成されることを特徴とする構成1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0072】
(構成11)
第2ユニットは、放熱ユニットの吸気口が配置される位置に穴部が形成されることを特徴とする構成1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0073】
(構成12)
放熱ユニットは、熱伝導部材で形成されることを特徴とする構成1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0074】
(構成13)
第1ユニットは、金属部材で形成されることを特徴とする構成1乃至12のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0075】
(構成14)
基底部の第2面と、第2面に対向する第2ユニットの面との間に所定の幅の隙間を有することを特徴とする構成3または4に記載の撮像装置。
【0076】
(構成15)
放熱ユニットは、送風手段を備え、
送風手段を駆動させることで、撮像装置の外部から空気を吸気し、吸気した空気は隙間、吸気口、放熱ユニットの内部の順に進み、排気口から撮像装置の外部に排出することを特徴とする構成14に記載の撮像装置。
【0077】
(構成16)
第1ユニットと第1の基板を覆うように形成される外装部を備え、
外装部の裾部と基底部の外周部とが密着していることを特徴とする構成3または4に記載の撮像装置。
【0078】
(構成17)
外装部の裾部は、第2ユニットの回転方向に沿うように形成される切り欠き部を有することを特徴とする構成16に記載の撮像装置。
【0079】
(構成18)
第1の方向は、水平方向であり、
第2の方向は、鉛直方向であることを特徴とする構成1乃至17のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0080】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0081】
また、本発明の目的は、以下のようにすることによって達成されることはいうまでもない。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給する。係る記憶媒体は言うまでもなく、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0082】
10 カメラユニット
T チルト回転軸
202 パンベース
P パン回転軸
30 ベースユニット
203 第1の基板
H 放熱ユニット
302a ベースケース吸気口
312a 背面ケース排気口